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DACチップはESSか旭化成か?

1:777 :

2022/08/02 (Tue) 13:23:54

DACチップはESSか旭化成か?その1
ハイファイ堂メールマガジン第824号 大須本店
大須本店 越濱 靖人
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/191115/index.html

今回はマニアックなDACチップについての話を書こうと思います。
DACチップとは"Digital to Analog Converter"の略で、簡単に言うと音の心臓部に当たります。CDやパソコンの音楽など01011010...といったデジタルデータをいつも聞いている「音」に変換してくれる物がDACチップとなります。

当然メーカーによって音質が異なります。老舗DACチップメーカーはフィリップス、バーブラウン(現テキサス・インスツルメンツ)、ウォルフソン、アナログ・デヴァイセズ・・・などなどありました。特にバーブラウンは世界中の音響メーカーが使っていたはずです。今でも素晴らしい音質のチップです。

ただこのDACチップの世界に転機が訪れます。2009年にアメリカのESS社が発表したES9018SというDACチップです。このずば抜けた性能と音質に各メーカー驚いたでしょう。これによってDAC時代ががらりと変わった、と私は思います。今までにない音の温度感、情熱感、分解能。シンプルに表現出来ない複雑な味わい。特にこのチップの取り扱いが難しいことから設計者の技量が問われることになり、設計も複雑にヒートアップしたと思われます。ゆえに今までにない、新しい音が生まれたのかもしれません。

そんな中、宿敵が現れます。旭化成エレクトロニクス(AKM)のハイエンドDACチップAK4490の登場です。旭化成はESSと違い、きめ細やかで滑らか、非常に歪みが少ない音質で世界の音響メーカーに認めらました。日本のDACチップが一気に世界のメーカーで採用されるきっかけとなったチップです。そして現在、この2大DACメーカーが熱いバトルを繰り広げています。両者とも音のベクトルが違うため、どちらも人気があります。

今回はまず、ESS搭載のD/AコンバーターとDACチップの紹介をしていきたいと思います。
AIT Labo ES9018S 中古価格128,000円(2018年時)
このメーカーは入荷するまで知りませんでした。自作品っぽい作りだなと軽視して鳴らしてみたら、おや?これは今までのデジタルと音が違うなと見直しました。音に血の通った「情熱」を感じたのでした。興味が出て調べてみたらESS社のDACチップが2個使われているとのこと。俄然ESS好きになりました。

Accuphase DC-37 中古価格418,000円(2019年時)
このDACはDELAからUSB-DAC接続した時に驚きました。ふと昭和のPOPSを鳴らしてみたのですが、なんとその当時を思い浮かばせるような情緒的なサウンドで出たのです。後で調べてみたらESSのES9018Sが搭載されていました。最近のDACはいかにもハイファイ・サウンドです!と主張するモノが多いのですが、そんな中で素朴で自然な昭和リアリティを感じるとは思いませんでした。
ES9018S DACチップ
ESS社の爆発的ヒットを生んだDACチップです。2009年に発売され、瞬く間に沢山のメーカーが採用した高性能チップでした。このチップは8個のDACが内蔵されておりマルチチャンネルにも1チップで対応できます。ただ並列処理も出来るため8チャンネルを2チャンネルで使用するメーカーが多かったようです。高級DACは8チャンネル全てを片側に振り、2個使い(デュアルモノ構成)し、ダイナミックレンジと歪み率を追求していました。

ES9028pro DACチップ
伝説のチップ発売から7年が経ち2016年に発売されたのがES9028proチップになります。純粋に9018Sの後継モデルになり内蔵DACも8個入っています。やはり新しいだけあり前作より解像度が向上、更に音像が際立ち、見える音となりました。ただ、同時発売された上位モデルES9038proの影となってしまい、フラグシップ感は落ちてしまいました。現在1個6000円ほどで販売されています。
ES9038pro DACチップ
2016年このチップが大きな話題となりました。恐らく2009年の9018S登場と同じくらいのインパクトがあっただろうと思います。世界最高レベルの性能と8個DAC→32個DAC増加という、他が追従出来ないレベルへ押し上げた超ハイスペックDACの登場でした。この発表を受け、メーカーはまたこのチップの虜になりました。2019年現在でも最高スペックを維持し、人気を博しています。ただし、このチップは相当な電力を消費し大掛かりな電流電圧変換回路が必要なため、相当足腰が強くないと使えません。そのため据え置きオーディオを想定した設計となっています。1個あたり10,000円ほどで販売されています。

Accuphase DC-950 中古価格738,000円(2019年時)
最高級ES9038proを2個使ったアキュフェーズのフラグシップモデル。前作のDC-901はES9018Sを2個採用していました。今回のDC-950は、より音の鮮度が増し、低域の解像度が飛躍的に向上したように感じました。かなりカチッとしている印象です。USB-DAC入力でDSD11.2MHzまでロック出来るようになり、DSDが本格的に聴ける1台となっています。
OPPO Sonica DAC 中古価格128,000円(2018年時)
圧倒的なコストパフォーマンス!50万円を超えるモデルにしか搭載されていなかったES9038proを、10万円の価格で実現した驚きのモデルでした。発売期間が短くあっという間に販売終了になってしまった為、最近ではプレミアが付いて高値で取引されています。このモデルは1個が搭載され、お値打ちながら鮮度の高さを実感出来ます。LAN接続も可能ですが、USB入力の方が数段音は良いです。DSD11.2MHzまでは音出し確認できています。

iRiver Astell&Kern KANN CUBE 新品価格180,000円程度(今年の新モデル)
なんとポータブルの世界で初めてES9038proをダブルで搭載した意欲作です。半端ない消費電力に耐えるため通常の2倍のバッテリーを搭載しています。本体も相当熱くなるため万人向けではありませんが、私のような情熱派の方にはもってこいの商品かと思います。
本体も500gとポータブルの中では戦車並みに重くデカいですが、ストレートで彫りが深く太いサウンドでは右に出るものはないかもしれません。付帯音も少なく直球勝負で来ますので、ハイレゾ音源の良し悪しがモロに出ます。
ただ私の中では残念ながら9038Proを活かしきった音質には感じられませんでした。やはりこのチップは据え置き型の高級機でしか本領を発揮出来ないのだと思います。圧倒的に強力な電源、I/V変換、アナログアンプなど想像を超える設計でないとこのチップの旨味を引き出すことは出来ないでしょう。
そのくらいにESSのリファレンスチップは使い方が難しいです。
次回は旭化成の名機AK4490〜最新AK4499EQを含めた音のご紹介をしたいと思います。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/191115/index.html



DACチップはESSか旭化成か?その2
ハイファイ堂メールマガジン第841号 大須本店
大須本店 越濱 靖人
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/200313/index.html

前回に引き続きDACチップの話を書こうと思います。その1ではESS社の事をメインで書きました。今回は旭化成エレクロトニクス(AKM)の歴史と私なりの思いを中心に書いていきます。DACチップ単体の音は評価できない為、当時搭載されていた機材の印象で書いています。
旭化成の音質は一言で言うと「とにかく滑らか」でしょう。一聴して安らぎを感じる落ち着いた佇まい、丁寧で破綻のない滑らかな質感、弱音部の繊細なタッチと余韻。質感はややウェットで日本の丁寧で端正な美意識を感じさせるチップだと思います。逆にESSは情熱やダイナミズム、躍動感が特徴で質感はドライです。
AK4397(2007年)
旭化成初の32bit処理になったDACチップです。ESOTERIC D-05 D/Aコンバーターに世界初搭載されました。当時とても解像度の高いクリアな音質だと思った印象があります。ただ上位モデルから考えると線が細く非常に硬い印象でした。この音質は製品のグレードが中堅モデルだったから、かも知れません。

AK4399(2008年)
翌年発表したチップです。更なるS/N比の向上や前作になかったフィルターの搭載などいくつか追加されています。ESOTERIC D-02 D/AコンバーターやK-01/03/05 CDプレーヤーに採用されていました。私の記憶ではこの時から音がマイルドに聞こえる様になりました。立ち上がりが早く、キメが細やかで破綻の無い音という印象です。細い印象が無く厚みが伴った感じに聞こえました。
AK4495S(2012年)
エソテリックと共同開発したとされるDACチップ。ESOTERIC Grandioso D1に初採用されました。全8個のチップを使用、チャンネルあたり16回路を組み合わせた壮大なDACです。その音はローエンド〜ハイエンドまで全く隙の無い緻密さで驚きました。ESOTERICはその他にもK-01X/K-03Xでも使用しています。DSD5.6MHz/PCM768KHzまで対応したチップとなります。

AK4490(2014年)
遂にDSD11.2MHz/PCM384KHz対応したチップです。旭化成もこのチップから「ベルベットサウンド」という第3世代チップに位置付け、新しい時代の幕開けとなりました。シルクの様に滑らかな質感、とても穏やかな佇まい、以前に増して厚みが感じられる様になりました。デジタルオーディオプレーヤーの名機Astell&Kern AK380に搭載され今もファンの多いモデルです。TEAC UD-503やESOTERIC K-05X/K-07Xにも搭載されています。後に登場するAK4497やAK4499と比べ解像度は劣るものの安定した色艶を感じさせる未だファンが多いチップです。
AK4497(2016年)
いよいよ旭化成の最高峰AK4497の登場です。前作4490で得た人気を更に高い次元(DSD22.4MHz/PCM768KHz)へ押し上げたプレミアムDACです。私はこのチップが一番完成度が高いと思っています。今まで築いてきた電圧出力を軸とした旭化成サウンドをしっかり継承し、堂々と筋の通ったDACに仕上がっています。音の気配、ピアノのタッチ、美しいボーカル、抜群に安定したサウンドが特徴でしょう。Astell&Kern SP1000、Cayin N8、Lotoo PAW GOLD TOUCHやESOTERIC K-01Xs、N-01、LINN KLIMAX DS/3等に使用されています。

AK4499(2019)
昨年発表された最新のDACチップです。このチップには旭化成の怨念が込められています。2016年にAK4497を発表直後にESS社が更にハイスペックなES9038Proを発表し世間の話題が一気にESSへ流れました。決して旭化成が劣っているわけではないですが数値面で負けてしまい悔しい思いをしました。そこで今回は9038proと対等に戦うべく伝統だった電圧出力を辞め、電流出力に変わりました。音質的にも攻めに転じたチップです。ほぼ無音に近いS/N比の高さ、ダイナミックで強靭な低域の締まりを感じる旭化成に無い個性を発揮しています。
Astell&Kern SP2000-CP(2019年)
世界で初めてAK4499チップを搭載したオーディオ機です。前作SP1000はAK4497を搭載していました。単純にチップの比較は出来ませんがSP2000の方がやや派手になった印象です。歴代の滑らかなベルベットサウンドを継承しつつ更に躍動感や情熱感が加わった音です。ただ全体的に筋肉質なサウンドになり過ぎ「滑らかなのにムキムキ」と言うチグハグな方向になってしまった様にも思えます。個人的にはAK4497の安定した旭化成サウンドをもう少し熟成させ、厚みがあるのに懐が深く広いものであってほしかったというのが正直な印象です。その点ESSのチップは全体的な音の整合性が取れており、狙うべきポイントにズレがないと思います。


旭化成のロードマップです。性能はほぼ限界値に達していると思います。人間が認識できるレベルとされるPCM768KHzに到達していることや1曲あたりのデーター量が半端なく大きすぎることからサンプリングレート競争は終わりを告げようとしてます。現在、色々なオーディオメーカーや個人の方がAK4499チップを使いD/Aコンバーターを作っています。これらがどんな音がするか興味津々です。
ただ今後はDACチップを使うメーカーが少なくなるかも知れません。現在エソテリックやマランツは「ディスクリートDAC」と言うDACチップを使わない手法に転換しています。よりコストのかかる仕組みですが音作りの自由度が高く、メーカー独自の音質で差別化出来るメリットがあります。特に英国CHORD社のDAVEが有名です。どのメーカーとも違う音質で、オンリーワンの商品です。この様にDACチップは新たな局面を迎えようとしています。
現在も発展中のデジタル分野は今後も目が離せません。益々面白くなりそうです。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/200313/index.html
2:777 :

2022/08/02 (Tue) 13:27:15

中国 Topping 社の超格安・超高音質 DAC
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/489.html

中華 DAコンバーター GUSTARD A22 _ 12万円
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/151.html

パソコンとDAコンバーターの間にDDコンバーターと外部クロックを入れた方がいいか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14029056

最高の音を一番安く手に入れる方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003094


3:777 :

2022/08/02 (Tue) 13:32:52

DAC Gustard A22 (AK4499) → X26 Pro (ES9038PRO) への機材アップグレード備忘録
https://blog.yo-ki.com/post/gustard-a22-ak4499-x26-pro-es9038pro

コロナ禍でストレスのたまる中、使わなくてもいいかもしれないお金チャレンジをしてみました。知る人ぞ知る中華DACのハイエンド製品を作る Gustard にあって、A22は旭化成のDACチップAK4499を載せた最上位モデル、X26 Pro はESS製のDACチップES9038PROを載せた最上位モデルとなっています。価格からも X26 が2割ほど上の設定となっており、レビューなどもそのとおりのやや上をいく評価となっています。

A22がX26へ行って違いが判るのか?
当方でもA22は評判通りの十分満足のいく音で、今までも特に不満はありませんでした。X26へ行ってみようかという動機付けは数々の比較レビュー、Audiosciencereviewの測定記事などで、読めば読むほど興味がわいてきたわけです。かといって、私の再生環境で、A22→X26Proのアップグレードしたところで差がわかるほどのものかはつねに疑問に思っていました。スピーカー、パワーアンプ、部屋の音響などがボトルネック、頭打ちとなれば、DACをいくら良くしたところでその違いが聞こえてこないかもしれません。そこはやってみないとわからないギャンブルだったわけです。

結果A22からX26の違い
A22を導入した時もそうでしたが、低域が一番違いの分かる部分となりました。A22より低音が締まり輪郭がよりはっきりしました。元々A22の時から若干疑いを持っていたのですが、低域がややぼわつく、ベースなどの楽器の輪郭や音程がややボケるという点。サブウーファーも導入しているため、当方のセッティングと部屋の音響の問題だろうと踏んでいました。それがX26導入でそうでなかったということが判明。低音が締まり輪郭がはっきりしました。逆にその結果、「音場」とか「サウンドステージ」との広がりという意味では小さくなったかもしれません。A22のほうが「バーーン!ドーーン!」という圧倒感があったように感じます。が、それも、音像が無駄にボケていた故なのかもしれません。

中音域、高音域ではまるで違いがわかりません。最初の設定でうっかり「NOS」設定をオンにしてしまい聞いていたところ高域がこもってこれはエイジングの問題か不具合かと焦りましたがAmazonMusicのようなストリーミング程度の音源ではNOSは初期値通りOFFが正解です。

一方で、左右の分解、定位感はA22よりもよくなった気がします。気のせいかもしれませんが。

X26には VIVID COMPOSITE GENTLE の3種類のフィルターがあります。A22にもAK4499のフィルター設定がありましたが、この差は私の駄耳ではほぼ判別できません。

やはりESSか
X26にチャレンジしてみようと思ったきっかけは、とあるヨドバシでYAMAHAのAVアンプ RX-A8A を聞いた時でした。当方自宅では RX-A3060 という2~3世代古いモデルですがESSのチップが載ったAVアンプを使っています。専用のDACには全然及ばないレベルですが、最新のモデルA8Aを店頭でほんの少し聞いたところたまたま自宅のA3060と違った透明感と高音の抜けみたいのを感じて、それならES9038PRO行けるかも?と思ったのがきっかけでした。※A3060はES9016S、A8AはES9026PRO使用の製品です

汎用DAC LSIの世界ではほぼESSか旭化成かというほぼ2択になっています。日本人としては旭化成をひいき目に見たいところですが、ここで残念ながら形成逆転、しばらくESSのお世話になろうと思います。
https://blog.yo-ki.com/post/gustard-a22-ak4499-x26-pro-es9038pro


▲△▽▼


Gustard製アンプ&DAC 3

112名無しさん@お腹いっぱい。2021/08/07(土) 22:10:22.03ID:fc5vaTN2

暫くA22を使ってたけど後輩が遊びに来た時に低音が全然良く無いと言われてから気になって、今はX26PROを使ってます。
確かに言われた通りでした。
A22は幻のDACになってしまうのかな?確保しておきます。

113名無しさん@お腹いっぱい。2021/08/08(日) 08:47:32.26ID:SRFtdDaK
A22って低音無いの?
A18は出過ぎ一歩手前な位なんだけど

114名無しさん@お腹いっぱい。2021/08/08(日) 08:58:35.98ID:pjxizifd
後輩の分析だと上が強くて全体のバランスが良くないよって。
これも好みなのでね。
私がバンドマンの後輩と好みが似ているので自分の自信がない事は彼のアドバイスを聞く様しています。
好み音楽にもよると思うけどね。

115名無しさん@お腹いっぱい。2021/08/08(日) 09:12:36.83ID:SRFtdDaK
下が出てないのでなく上がやや過多なバランスなので友人にはそう聞こえたということですかね
間違いなく好みでしょう、あまり気にしなくていいとは思います
自分の好きな音を求めるのが趣味だし他人の意見でシステム替えても聴いてて楽しくないですし

117名無しさん@お腹いっぱい。2021/08/08(日) 09:34:47.98ID:xMj3Syfv

A22 は音の広がり感はトップだけど、低音あんまり出なかったね


937 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ ee29-CIDx)[] 投稿日:2021/03/03(水) 13:59:02.15 ID:TMHRHJaq0 [2/3]

質的に中間という意味だよ

X26pro はまだじっくり聴き込んではいないけど、

音の広がり: X26 < X26pro < A22
楽器の質感: A22 < X26pro < X26
低域の伸び: A22 < X26 < X26pro
定位感・音像の締まり: X26 < A22 < X26pro
背景の静けさ: A22 < X26pro < X26

といった感じ

X26 の弦楽器やボーカルの質感には捨てがたい魅力があるし、
背景が静かなので、音がきれいに消える

多分設計者は音声を広げる方向で音を作るようにしているのだと思う
その分、質感や静けさがそれなりに犠牲になっている感じ
http://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1627883618
4:777 :

2022/08/02 (Tue) 14:41:26

「音楽&オーディオ」の小部屋
中国製DAコンバーター GUSTARD DAC-A22 の出現 2021年07月14日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/af9f483c66a6f4aad22e6ab6706237fe

つい先日のこと、久しぶりに近隣のオーディオ仲間「Y」さんから連絡があった。

「注文していた中国製のDAコンバーター GUSTARD DAC-A22 がようやく到着しました。○日に持って行きますのでお宅のエルガープラスと比較試聴させてくれませんか。」

「それは面白そうですね、もちろん、いいですよ~」

中国というお国柄はどうも感心しないが、オーディオの前では善も悪もない。安くて性能が良ければそれで十分(笑)。

そして、その連絡のあった当日にたまたま大分市のNさんからも連絡があった。

「オークションの落札代金を持って行きたいのですが、ついでにシステムを聴かせてください。今度の○日の午後は空いてますか?」

「エッ、丁度その日はYさんが新たに購入された中国製のDAコンバーターの実験をやる予定にしてます。私は歓迎なんですが、Yさんの了解を求めてみましょうね。」

すると、Yさん曰く「多ければ多いほど賑やかになって面白いじゃないですか」。

そして、その2日後にはこの実験の話を聞きつけられたのだろうか、別の初対面の方が2名が加わることになって総勢6名による「試聴会」となった。

さあ、たいへん。

まったく意図せぬ人数により、このコロナ禍で大丈夫かなとチラッと不安が脳裡をよぎったが、大分県はこのところ感染者0人~数人程度がずっと続いているので、まあ見切り発車といこう。

ただし、全員マスクは必須なので予備のマスクを準備しておいた。

それはさておき、旧石器時代の遺物ともいえるDAC「エルガー プラス」と最新鋭のデジタル機器「中国製 GUSTARD DAC-A22 」のデジタル機器の一騎打ちには大いに興味がある。

なにしろ中国勢のデジタル技術は勢いがあって侮れない存在になっているし、それにフルート演奏家として耳が鍛えられたYさんがわざわざ購入されるほどだから、いかに中国製とはいえけっして「安かろう、悪かろう」ではないはず。

さらには低サンプリング「44.1KHz」と、軽く「1000KHz」を越える最新鋭のハイ・サンプリングの対決も見ものである。

Yさんともども「エルガー プラス」を聴くたびに「いったい近年のハイ・サンプリングって意味があるのかな」と話題にしていたほどなのでそれを確かめる絶好の機会が訪れたことになる。

もし我が家の「エルガー プラス」が大差で敗北を喫したときはそれはそれで結構なこと、潔く兜を脱いで中国製の同型機器を購入する腹積もりでいた。

な~に、それぐらいの投資する元気はまだ残っている(笑)。

当日は午前中から部屋の片づけに大童(おおわらわ)だった。

何しろそれほど広くもない部屋(5m×6m)に6人を収容し、スピーカーは5系統、真空管アンプは9台あって混沌の極みだから、少しでもスペースを確保するために当面不要な機器を隣の応接間に移さねばならない。

ところが、この機会が契機となってオーディオルームの大掃除につながるのだからまさに「ピンチはチャンス」だった(笑)。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/af9f483c66a6f4aad22e6ab6706237fe

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「ベスト・ワン」あるいは「オンリー・ワン」のどちらを狙う? 2021年07月15日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1cecb6afc1d9b14b20df6712c7526ed4

前回からの続きです。

いよいよ試聴会の当日がやってきたが、梅雨末期なのに雨を免れてどんよりとした曇り空だったのは僥倖だった。

13時ごろに全員集合。うちお二人さんとは初対面なので「はじめまして、どうかよろしくお願いします~」。うち御一人は我がブログの読者だそうで恐縮です。

実を言うと、「ブログではさも素晴らしい音が出ているかのように書いてるけど、実際には口ほどにもない音だ」とガッカリされるのが嫌なので、なるべくなら聴かせたくないんだけど~(笑)。

そういえば我が家の音を聴いて「もう一度聴きたい」という方は滅多にいないことに気付いた。

自分ではいい音だと惚れ込んでいても、他人にとってはそれほどでもないというケースは日本中至るところでの日常茶飯事なのかもしれない。

自宅の音に疑問を挟まない人は、ある意味では幸せな人でしょうか(笑)。

それに、万一気に入った音だったとしても最後は「やっぱり聴き慣れた我が家の音が一番いい」となるのがオチでしょう~。

長年の経験上、その辺は達観している積りだが、やはり当座はお客様さんに喜んでもらうに越したことはない。

そういうわけで、ベストは尽くさねばと試聴システムの選定にあたっては当日のメインゲストとして中国製のDAコンバーター GUSTARD DAC-A22 を持参されるYさんの好みに合わせることにした。

まずCDトランスポートはこのほど修理から戻ってきたばかりの「ヴェルディ・ラ・スカラ」(英国:dCS)。

次にスピーカーはYさんが大のお気に入りの「AXIOM80」。

とにかく「AXIOM80」を使わないと音の微妙なニュアンスは分かりませんと、いつも仰る。

それかといってご自宅用に「AXIOM80」を購入しようとはなされない。

というのも「二番煎じ」がお嫌いな方で、どちらかといえば「ベスト1」よりも「オンリー1」を優先される方だから。

独自性を優先するその気持ち、ちょっぴり分かりますよ(笑)。

次に、「AXIOM80」(フルレンジ)用のアンプは「WE300Bシングル」で決まり。

何やかや言ってみても、SN比に優れた「銅板シャーシ」や真空管のヒーター回路が別になっているなど凝ったツクリに加えて定評のある出力管とトランス類の組み合わせが醸し出す音色は他のアンプの追随を許さない。

次に低音域(100ヘルツ以下)を受け持つアンプは「EL34のプッシュプルアンプ」に決定。

能率が100db近い「D123」(JBL)といえども、コーン紙が重たいせいか、非力なシングルアンプではどうしても雄大なスケール感が出てこない。

JBL系をうまく鳴らすには真空管アンプでは「プッシュプル系」に限るみたいですね。

前置きが長くなったが、いよいよ中国製のDAコンバーター GUSTARD DAC-A22 の設置を済ませて比較試聴に移った。

以下、続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1cecb6afc1d9b14b20df6712c7526ed4

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「若いフレッシュ感覚」 と 「年増の妖艶さ」の対決 2021年07月17日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/98f68277dc697c24b18c747f65b67489

前回からの続きです。

今回の試聴会の焦点は中国製のDAコンバーター GUSTARD DAC-A22 である。予備のプリアンプを外してラックに組み込んだ。

「エルガー プラス」と同一条件にするために、電源については「200Vを100Vに降圧した」電源タップに接続し、そして電源ケーブルには「ドミナス」(PAD)を使用した。

余談だが「デジタル機器」は電源次第でガラッと音が変わる。

小窓の表示が「44.1KHz」になっているので、「この機器はアップサンプリングできないんですか?」とYさんにお訊ねすると、

「これはパソコンやCDトラポに応じて自動的に対応するシステムになっています。したがって機器自体でアップサンプリングできないようですよ」「成る程」。

というわけで、我が家の「エルガー プラス」とは「44.1KHz」という同一条件下でのテストとなった。

接続の方はCDトラポと「エルガー プラス」とは「バランスケーブル」(1本)で、「GUSTARD DAC-A22」とは「RCAデジタルケーブル」(1本)で接続し、プリアンプの入力セレクターのスイッチで瞬時に切り替えができるようにしている。

はじめに「エルガー プラス」から試聴。

試聴盤はシステムの音の傾向が比較的わかりやすい「ジャズ・ボーカル」から。

ジャズ評論家「寺島靖国」さんの推奨盤シリーズ「For Jazz Vocal Fans Only」の「Left Alone」(第1トラック)。

まず、Yさんが1年8か月振りに戻ってきたCDトランスポート「ヴェルディ・ラ・スカラ」に対して驚きの声を上げられた。

「これまでのCECのCDトラポに比べて音が激変しましたよ。」

「やはり純正の組み合わせとなると隙を見せないようですね」と自分。

曲はそのままにしてプリアンプのスイッチを切り換えて「GUSTARD DAC-A22」へ。

「あれっ、(歌手の)声が少し若返りました!」と、お客様のどなたかから声が上がった。要は「フレッシュ」という感じなのだろう。

いわば年増の妖艶さを優先するのか、それとも若さが持つ健康的な美肌を優先するか、これは人生の重大な岐路に立たされますね(笑)。

自分では音の瑞々しさ、鮮明度、周波数レンジのいずれをとってみても総合的には互角だと感じた。

お値段からしたら「GUSTARD DAC-A22」の大健闘を称えるべきだろうし、一方では製作年代が20年以上違うことからして「エルガー プラス」の古さを感じさせない表現力に敬意を表したいほどで両者に乾杯~。

今後、万一「エルガー プラス」が故障して修理不能となったらこの「GUSTARD DAC-A22」を即買いだと秘かに決めた。

2時間ほどこのスピーカーで聴いてもらってから、今度は低音域だけ(100ヘルツ以下)「ウェストミンスター」に切り替えた。

となると、コントラバスとオルガンの出番となって「ゲリー・カー」の「祈り」から「オー・ホーリー・ナイト」を。

オルガンの地を這ってくるような重低音ばかりは大きな箱の独壇場でしょうよ(笑)。

いずれにしても皆さん大喜びのご様子だった。

そして後日のこと、初対面だった訪問者の方から次のようなメール(要旨)をいただいた。

ご自宅ではJBLの3ウェイ大型マルチシステムを自作の真空管アンプ3台で鳴らされている豪の方である。

「DAC での音の変化大変面白かったです、勉強になりました、マニアの試聴は大変良い勉強になります、いつか又試聴させて下さい。」

はい、これに懲りずにいつでもどうぞ~(笑)。

最後に、心残りは「GUSTARD DAC-A22」の「ハイ・サンプリング」の音を聴けなかったことで、この対応としてCECのCDトラポが176.4KHzの信号を出せるので、Yさんとご相談の上次回はこの組み合わせで再度試聴してみることにした。

あっさり「dCS」の後塵を拝した形の「CEC」が名誉挽回なるか、これは見ものです~。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/98f68277dc697c24b18c747f65b67489

中国製DAコンバーターの魅力 2021年07月21日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/d4b950cb0c07e5d3c521d8be96f33668

先日来、何かと話題にしている中国製のDAコンバーター Gustard A22

ご承知の通り、DAコンバーターというのは「Digital」信号を「Analog」信号へ「Convert」(変換する)機器のことで、頭文字を取って「DAC」(ダック)とも称される。

デジタルの世界では音質を大きく左右する「要」となる機器である。

10日ほど前の6名による大がかりな試聴会で遺憾なく実力を発揮した「G」だが、その時はCD並みの「44.1KHz」でのテストだった。

そこで、18日(日)の午後になって、再度持ち主のYさんに願いして持参してもらい新たなテストをしてみた。

手前の機器がCDトラポのCEC「TL3 3.0」で「44.1KHz」の4倍のサンプリング「176.4Khz」出力が可能になっている。

そして見事に「GUSTARD DAC-A22」がこの「176.4KHz」を受信した!

その様子がパソコンの大きな画面でご覧になるとお分かりだと思う。

そして出てきた音といえば・・。

Yさんともども絶句したのである。

「こんなに透明感のある音をこれまで聴いたことがありませんよ。」

夢中になってジャズボーカルをはじめいろんなCDをかけまくった。

ミッシャ・エルマンの弾くヴァイオリンがことのほかやさしいし、「島田祐子」さんが歌う「花の街」(団 伊久磨作曲)が懐かしい童心を蘇らせてくれる。

「島田祐子さんてこんなに透き通った声だったんですね・・」とYさん。

こんな音が毎日聴けるんだったらどんなにお金をはたいてもいいと正直思った。若い頃ならともかく、いい歳をして年甲斐もないけれど・・(笑)。

これでほんの少しばかり残っていた「レコード再生」への未練を100%断ち切ることが出来たのはありがたい。

Yさん曰く「このDAコンバーターは世界的に定評のある旭化成のAK4499チップを使ってますが、このチップが惜しくも生産中止状態で在庫限りでの生産になっているそうです。いつ販売中止になるか、時間の問題でしょう」

そうですか、購入するなら急ぐ必要がありますね・・。

実はつい先日のこと、ブログをご覧になった「北国の真空管博士」から問い合わせがあって、

「中国製のDAコンバーターの実験はいかがでしたか?」

「ハイ、とても素晴らしかったですよ。型番はGUSTARD DAC-A22 でした。」

「ほう、それはさっそく調べてみましょう」

そして「製造元はデジタルの研究にかけては定評がありますね。製品のツクリも申し分ないです。チップも旭化成製ですし、オペアンプの部分も実に凝ってます。これはたいへんんなお買い得ですよ」

日頃から何かにつけて緻密でシビアな博士が珍しく絶賛されたので、これが最終的な後押しになって、パソコン画面の「今すぐ買う」をポチッ(笑)。

到着予定は8月上旬の予定。

おっと「AXIOM80」を駆動したアンプのことを忘れていた。

つい先日のブログ「ミニチュア管の魅力」で登場した「6072」(12AY7)を出力管にしたアンプだったが、Yさん曰く「先日の試聴会で使用したWE300Bシングルよりも音にスピードがあって鮮度が高いですね。私はこちらの方が好きです」

そして、辞去される際に「我が家では現在パワーアンプが無いので使い様がありません。このDACはエージングを兼ねて置いていってもいいですよ」とありがたいお申し出。

「それでは、しばし我が家で使わせてもらいましょう」と快諾。

なお、この「GUSTARD DAC-A22」がいつ販売中止になるか風前の灯でそのうちネットから消え去る運命なので、後日のために商品説明を記録しておくとしよう。

●左右のチャンネルは、AKMの旗艦AK4499チップによってそれぞれデコードされます。2チャンネルDAC回路は完全に独立しており、独立した接地が行われ、最適なパフォーマンスを実現し、互いに干渉しません。

●CPLDプログラマブルロジックチップ、自己開発ロジック機能デジタル集積回路、内蔵クロック管理、2nd PLL デジタルシェーピング、DOP復調、PCM/DSDデポップスイッチなどの独自技術により優れた音質の強固な基盤が築かれました。

●8チャネルハイブリッドディスクリートIV変換回路と独立した加算回路は、AK4499大電流の要件を完全に満たしています。

●USBモジュールはXMOSのXU208チップを使用し、PCM768K DSD512をサポートします「USB入力なしだとこのモジュールがありません」

●合計90ポジションの0dB〜-90dBの高品質デジタルボリューム調整をサポートし、リモコン付きで、ボリュームを簡単に調整できます。 」

デジタル入力:
IIS、USBサポートされるPCM形式:16-32bit / 44.1、48、88.2、96、176.4、192、352.8、384、768kHz。 DSD64、DSD128、DSD256、DSD512;

同軸サポートされるPCM形式:16-24ビット/ 44.1、48、88.2、96、176.4、192、384 kHz; DOP64、DOP128

光ファイバー、AES / EBUサポートされるPCM形式:16-24bit / 44.1、48、88.2、96、176.4、192 kHz; DOP64

以上のとおりだが、毎日コツコツと地道に命を刻んでいると、たまには目の覚めるようないいことがあるようですよ(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/d4b950cb0c07e5d3c521d8be96f33668

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ネットラジオの「モーツァルト専門チャンネル」2021年07月22日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e4b93ea3c9fdc4686c338391923e14b1

つい先日搭載した「ミニチュア管の魅力」で取り上げた「6072」(12AY7の高信頼管)について、「北国の真空管博士」からご連絡があった。

「6072は私も好きな球です。隠れた名管だと思いますが、あくまでも微小信号を増幅するための電圧増幅管です。

出力管として使用すると故障する恐れがありますよ。おそらく独特の歪みが出ているはずです。その歪みが三極管のせいでいい方向に作用して魅力的な響きになっているのでしょうが・・」

「あっ、そうですか。そう言われてみると確かにちょっと歪みっぽい音がしてますね。この歪みが独特の響きに変化しているようです、まさに紙一重ですね。

壊れると元も子もないのでお客さんが見えたときくらいに聴かせてあげることにしましょう。貴重なアドバイスありがとうございます」

さらに問答が続く。

「実は仲間から中国製のDAコンバーター GUSTARD DAC-A22 を借り受けているのですが、これを利用してパソコン経由のネットラジオで「モーツァルト専門チャンネルを聴きたいのですが、どうしたらいいんでしょう」

すると博士から、

「ああ、それならロシアのAIMPというプレイヤーがあって、素晴らしいモ-ツァルトの専門チャンネルがありますよ。まず、AIMPをインストールしてください。話はそれからです。完了したらまた連絡してください。」

無事完了したので報告。

すると博士から「とりあえず、これからその専門チャンネルのアドレスをあなた宛てメールしますので、私の言うとおりにパソコンを操作してください」

「ハイ、分かりました」

博士から届いたアドレスを一字一句間違えないようにメモしてから「どうぞ続きをお願いします」

「ハイ、それでは私が言うとおりに画面の操作をしてください。まず始めに、・・・・」

いくつもの項目をクリックするなど、とても素人では絶対に考え付かないような複雑な操作だった。

そして肝心のDAコンバーターを認知する読み込みの方もAIMPではいくつも選択できるようになっていて、「トッピング」などと並んで「GUSTARD」の選択肢があったのでclickしてから最後に「適用」、次に「OK」をクリックしてお終い。

そして、見事にスピーカーからモーツァルトの音楽が流れてきたのには感激した。

中国製「GUSTARD DAC-A22 DAC」の優秀な機能と相俟って、音質も素晴らしい。

モーツァルトの音楽の特徴だがストーリー性が無いので一つの断片だけ切り取っても音楽の美しさに十分堪えうるし、たちどころにモーツァルトの世界に入り込めるところがいい。

この専門チャンネルでは選曲もよくて妙なるメロディが次から次に湧き出てくる。皆等しく名曲ばかりでまったく尽きることがない。そしてうれしいことに宣伝がいっさい入らない。

これからはこのチャンネルで「モーツァルト三昧」になるが、豊かな音楽ライフとはきっとこういうことを指すに違いない。

とはいえ、自他ともに認める「モーツァルト狂」にとって夢のような時代が到来していたのに気付かなかった己のうかつさを大いに恥じなければいけない(笑)。

最後に冒頭の真空管の話だが、博士のアドバイスどおり「6072」を温存し、それに代えて「12BH7」(東芝)という球があったので代わりに挿してみた。

通常のミニチュア管よりもちょっと大きめなので、低音域には強そうな感じ。

一時プリアンプ用として使ったことがあるが、ぼんやりとして実に冴えない音で長らくお蔵入りだった球である。

肝心の「μ(ミュー)=増幅率」も「16.5」と6SN7の「20」と似たようなものなので十分代用が利きそうだ。

あまり期待せずに挿し込んでみると見違えるように溌溂した音を出してきたのには驚いた。

「6SN7」よりもずっといい!

出力管として使ったときの「ミニチュア管」はまるっきり変身しますな。

真空管の奥の深さを痛感!

このところ「音楽&オーディオ」に限っては次から次にいいことが起こっているが「好事魔多し」ということもあるので、むしろ怖いくらい(笑)。
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「中国製DAコンバーター」のその後の話 2021年07月23日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a5f7c5511817955f7a99406378a2ba6c


前々回のブログ「中国製のDAコンバーターの魅力」について、読者からさっそく反響があった。

この種の記事はオーディオ雑誌などにも登場しているのだろうが、何しろ背後には顔の見える業界がわんさと控えているので忖度なしの評価は無理だろうとは、およそ推察がつく。

やはり、当てになるのはしがらみのない立場からの現場情報だと思いますよ、少々我田引水になりますけどね(笑)。

それでは、まず横浜のKさんから。匿名ということで無断掲載お許しください。

「既に多くの方から問い合わせがと、思いますがもし許されるなら「中国製G」の型番をお教えください。ついでにお値段(によっては購入しない、出来ない)も。」

これに対して次のように返信。

「仲間からの連絡によりますと、惜しいことに私が購入したのが最後みたいです。

現在はネットの表示で在庫なしとのことですが念のため調べてください。

ご参考までに、型番ですが「GUSTARD DAC-A22」です。〇円で購入しました。」

すると折り返しご連絡が。

「アマゾンで見つけましたが「売り切れ」でした。なぜか「ほっと」しました。また「黒い円盤」に戻ります。」

「ホッとした」その気持ち、オーディオ愛好家としてよくわかりますよ(笑)。

続いて、東海の方からも。

「中国製DAC気になりました。どの機種なのか教えていただけますか?

CDを聴く時、現状の音には結構満足してしまっています。

大したことのないCDP(定価で、15万円・5万円・1万円の製品です)で、不満がないとは、駄耳の極みであります・・・

クラシックはCD(とFM)と思っていますが・・・あまり不満が出ないんです。

DACに見合うトラポも必要になるでしょうね。迷います。

買わないかも知れませんが教えてください。」

これに対して返信。

「別の読者からも問い合わせがありました。「GUSTARD DAC-A22」という型番です。お値段は〇円でした。

その方によると、すでにアマゾンで売り切れだったみたいです。どうやら私が最後の発注者になったようです。ある意味で、ほっとしたと言われてましたよ(笑)。」

すると折り返し次のようなメールが。

「私もほっとした一人だと思います(笑)。気にはなるけど、お金もかかるし、駄耳だし。

相変わらず、音より音楽の方に気がいってしまう耳です。

友人宅でいろいろなDACを聴かせてもらっても、その差があまり判りません。

ですから、1万円(オークションで1200円)のパナソニックのDVDプレイヤー付属のCDプレイヤーでも問題なく楽しんでしまうのでしょう。

余談ですが、このプレイヤーと中華アンプ(6L6シングル)とペガサス3LZ(25cm同軸・・タンノイの真似)で、ジャズを聴くと、これがなかなかのものです。

メインのJBLに比べれば、抜け・切れそしてFレンジ・Dレンジで少し差があることはあります。

しかし、最近は聴く音量が少し下がってきているので、将来はコンパクトなシステムになっていくのかもしれません。」

同感です。実は私もコンパクトなアンプとスピーカーに回帰中です。

「釣りはフナ釣りに始まってフナ釣りに終わる」という言葉がありますが、それを実感している最中です。

とはいえ、気紛れ者なので今後どうなるか予断を許しませんが・・(笑)。
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ネットラジオの「オペラ専門チャンネル」
2021年07月25日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/0be15ebb40f0eb5dc1a58da6c9568cd8

つい先日の記事「ネットラジオのモーツァルト専門チャンネル」の続編です。

ロシアの優れたネットプレイヤー「AIMP」に、モーツァルトの専門チャンネル」を取り込んで毎日楽しんでいるが、その次に取り込んだのが「オペラ」「ベートーヴェン」「バロック」の3つの専門チャンネルだった。

「北国の真空管博士」から、それぞれの専用アドレスを教えてもらって無事取り込み完了。

まず「オペラ」を聴いてみると次から次に「さわり」の部分が登場してきて思わず聴き惚れた。

いきなり大好きな「私の名はミミ」(ラ・ボエーム)や「私のお父さん」(ジャンニ・スキッキ)が耳に飛び込んできたらそりゃもう感激しますわなあ。

音楽を能動的に聴くのがいいのか、それとも受動的に聴くのがいいのかとなると、後者の方が意外性が伴っているのでより感動が深くなるとは思いませんかね(笑)。

というわけで、これまでの「LINN klassikal」「LINN Jaz」に加えて大幅に増えたネットラジオの充実ぶりに大満足。

こういう機会を与えてもらった博士には感謝の一言だが話のついでにこう切り出した。

「我が家の旧いDAC「エルガープラス」でこれらの専門チャンネルを聴けるといいのですがね。パソコンとDACを繋ぐアダプターみたいなものがないんでしょうか。」

「ああ、ありますよ。DDコンバーターがそれです。」

「そうですか!手ごろな製品があったら是非教えてください」

すると2時間もしないうちに博士から連絡が。

「耳寄りの情報です。あなたは2年前にTOPPING(中国)のパソコン専用のDAC「D10」を購入されてますね。USBに特化したそのD10が、入力がUSB、出力がRCAと光になっているのでどちらかをエルガープラスに繋ぐと聴けるはずです」

「エ~ッ、それは灯台下暗しでしたね~」

これが「D10」だ。

たしか1万5千円ぐらいだったと思うが、お値段の割に高性能で使いやすいDACだ。

さっそく、「パソコン」~USBケーブル~「D10」~デジタルRCAケーブル~「エルガー プラス」で聴いてみるとちゃんと音が出てきた。

怒涛のように押し寄せてくる「パソコン オーディオ」攻勢に、ひたすら驚き喜ぶ毎日がしばらく続きそうですね~。

まあ、これまでがあまりにも時代遅れだったのでしょう(笑)。

それもこれも今回の流れをつくったきっかけはオーディオ仲間の「Y」さんが持参された1台のDACが全てだった。

差し障りがあるかもしれないと公開を控えてきた型番ですが、もういいでしょう。

「ガスパード」(中国製)のDAC「A22」!

あまりの性能の素晴らしさに殺到したマニアによってあっという間に売り切れてしまい、国内で最後に獲得したのが自分だった。

そういえば、つい先日のこと初めての方から次のメールをいただいた。

「DACのことは、どのメーカーだろうと探って大当たりでした^^

とても評判なDACなのでエージングが済む頃には更に良い音になるとおもいます

ギリギリセーフでポチでしたね、そのブログ記事を見たあとアマゾンではアウトでした

カテ6LANケーブルさん(お名前は伏せておきますが)にも時々ですが伺います

私はオーディオには凄い興味があり学生時代から関わって参りました

音楽が楽しく、環境もあり超ニアフィールドですが定年後を楽しんでおります

猛暑の真っ最中ではありますが楽しくオーディオと音楽を奥様に怒られない程度にお過ごしください。」

末尾に「返事無用」とありましたが、この紙面(?)を借りてお礼申し上げます。

さて、この「A22」はアマゾンからのその後の連絡で中国から配送し8月16日に我が家に到着とのこと。国情からしてどうか波風が立たずに無事届きますように~(笑)。

それにしても、博士といい、Yさんといい、今回ほど「人的ネットワーク」のありがたさを痛感したことはありませんでした。ただひたすら感謝です~。
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新しいDAコンバーターの到着 2021年07月28日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/e27bbc843c111cc59f188cf5d611bcfc


このところ、我が家のオーディオに革命的といってもいいような大きな衝撃をもたらしているDAコンバーター「A22」(ガスタード:中国)。

いや、けっして大袈裟ではなく・・(笑)。

ここ2週間ほど仲間から借り受けてエージングを兼ねて使わせてもらっているが、自分も欲しくなったので「二番煎じ」を厭うことなくアマゾンに注文したところ、どうやら最後の発注だったようで滑り込みセーフ。

到着予定はおよそ3週間後の「8月16日」とのメールが入ってきた。

何しろ中国からの配送なのでそのくらいは仕方がないと思っていたところ、何とこの25日(日)の午前中になって届いたので驚いた!

見ただけでちょっと風変わりな荷物ということがお判りでしょう。はてと首を傾げながら梱包を解くと「GUSTARD」という文字が目に入った。

「あれっ、8月16日と言ってたのに・・」と半信半疑だったが、商品を取り出してみると紛れもなく「A22」だった。

いったいどうなってんの・・?

中国が絡むと常識外のことが起きても不思議はない気もするが(笑)。

何しろ相手は日本とは仲の悪い国であり「尖閣諸島」の問題とか一触即発の状態だし、これから何が起こるか分からないので早く到着するに越したことはない。まあ、うれしい悲鳴ではある。

丁度、その日は午後に「A22」を貸してくれたオーディオ仲間の「Y」さんがお見えになる日だった。

「A22がネットラジオの384KHzの受信に成功しましたよ」と招待していたのである。

これまではCDの「44.1KHz」に毛の生えたような「48KHz」の受信だったが、「北国の真空管博士」のアドバイスのもとパソコンに「A22」ドライバーのインストールに成功して実現したものだ。

飛躍的に音質が良くなったのは言うまでもない。

この「音」で年から年中モーツァルトやオペラを浴びるほど聴けるとなると「音楽&オーディオ人生、ここに極まれり!」の感がする。

ほんとうに!

なお、ちょっと話が逸れるが画像の本体「A22」の上に載せているのは放熱用の「ヒートシンク」(アルミ製)である。

何しろ「IC」は熱に弱いので少しでも外気に当たる面積を増やして放熱させようとの配慮からで、機器の寿命の方も少し伸びるんじゃないかと期待している。

さて、午後1時ごろにお見えになったYさんに開口一番「今日の午前中にA22が届きましたよ。今から入れ替えますので、ようやくお返しできそうです。」

「早かったですねえ、注文してからたったの1週間ほどでしょう!」とYさん。

さて、試聴していただくシステムだがYさんは「AXIOM80」以外のスピーカーは好まれないので、「トライアクショム」を外して本来の「AXIOM80」(オリジナル版)に入れ替えた。

真ん中が自作の箱(板厚1.5cm)に入れたオリジナルの「AXIOM80」で、右側が復刻版の「AXIOM80」である。コーン紙の色が微妙に違いますね。

オリジナルの方が圧倒的に軽いとされており、繊細なことこの上なく、息を吹きかけるとコーン紙が動くとさえ言われています(笑)。

こういう古典派スピーカーはせいぜい出力1~2ワットの小出力アンプで駆動したいものです。オーバーパワーの弊害についてはいずれ稿を改めて・・・。

さて、試聴したシステムの概要だが、現時点で我が家のベストメンバーなので後日のために記録しておくとしよう。

長くなるので、以下続く。
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1日60円で「いい音」を楽しめる 2021年07月29日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/0ffb8c77d4163418e83e70b85a1ac1c3

前回からの続きです。

25日(日)の午後1時から始まった試聴会だが、ハイライトはハイサンプリング「384KHz」の受信に成功したDAコンバーター「A22」の音質テストだった。

試聴テスト用に使ったシステムを後日のために掲げておこう。

とにかく我が家では持ち主が気まぐれなのでいつも日替わりメニューのようにクルクル変わる。

しかし、選択肢が多いことは明らかに質的向上に結び付くし、それだけ日頃からオーディオを謳歌していると大目に見てもらうとしよう。

それでは、次のとおり。

<CDトランスポート> 

CECの「TL3 3.0」(ベルトドライブ方式)でアップ・サンプリングの出力「176.4KHz」が可能

<DAコンバーター>

ガスタードの「A22」で「176.4KHz」で受信。

<プリアンプ>

「安井式」の回路(真空管4本)を使い、出力管は「6072」(12AY7の高信頼管)、バッファーは「5814A」(12AU7の高信頼管)を使用。

<パワーアンプ>

出力管「E180CC」(ムラード)のプッシュプル・アンプ(出力トランス:TRIAD)。パワーはせいぜい1ワットぐらい。

この際、前段管を「RCA」(6SL7)から「STC」(CV569=ECC35=6SL7)にして、すべての球を「英国」製に統一してみた。

<スピーカー>

グッドマン「AXIOM80」(オリジナル版)

そして、試聴盤だが「久しぶりに有山麻衣子さんの声を聴かせてください」との所望があった。

ジャケットに「女神が導いたかのような天使の歌声」とあるが、誇張でも何でもないと思わせるほどの素朴で可憐な歌唱力の持ち主である。

「これまで聴かせてもらった中で最高の音です。録音現場の雰囲気がそのまま再現されてますよ。」と、感心されるYさん。

「先日のテストでは44.1KHZのもとにdCSとのテストマッチをして互角でしたが、さすがに4倍のサンプリング176.4KHzで聴くと明らかにガスタードの方に一日の長があるようです。雰囲気の再現性が際立っていますね」

他の音楽ソースを含めて2時間ほど聴いてもらってから、ネットラジオをハイサンプリング「384KHz」で試聴へ。

Yさん曰く「この音質ならもうCDを購入する必要はありませんね。宣伝がいっさい無いので、気に入った曲を随時録音できるといいですね」

「具体的な方法を伺ってませんが、録音はできるそうですよ」

「北国の真空管博士」によると、ネットプレイヤー「AIMP」(ロシア)にラジオの専門チャンネル(ドイツ)を取り込むのは一苦労されたそうだ。

商用べースとして使用されるのを警戒してか肝心のラジオ局側が「URL」を公表しておらず、発見するのに手間がかかったとのこと。

言い換えるとネットの世界はいくら秘密にしておいても誰かが鍵をこじ開けてしまうともいえそうだ。

いずれにしても、一般的に中高年にとってパソコンは敷居が高いが、何とかチャレンジして果実を楽しめるようになればしめたもの。

そのうち「384KHzの2倍の768KHz、3倍の・・」の受信が可能になるのも時間の問題でしょう。

確実にアナログのレベルに肉迫しているといえるし、そのうちDACの「A22」も古びてしまうこと必至・・(笑)。

しかし、お値段もそれほどではないし消耗品という感覚のもとで6年も使えれば十分と思っておけば無難でしょう。

コスト計算してみると1日当たりたったの60円なり~(笑)。

それに比べて、たとえばレコードの場合フォノモーター、トーンアーム、カートリッジ、フォノイコライザーアンプなどに完璧を期そうと思ったら、維持費を含めて莫大なお金と手間がかかる。それに肝心のレコード盤(輸入盤)が高価だし~。

というわけでアナログよりもデジタルの活用に邁進する方が山の頂上を目指す近道だと思うんだけどなあ。

まあ、デジタル派の勝手な言い分ですけどね(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/0ffb8c77d4163418e83e70b85a1ac1c3


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DAC「A22」の新たな展開
2021年08月22日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8e74c6e95ff315bfcd8d22a0b74d393e

つい先日のブログ「多様な音楽ソース」の冒頭で紹介させていただいた匿名の方のメールを覚えておられるだろうか。

「DACと一言で(片付けられていま)すが最新ハイエンドだったり大昔の貴重なDACを改造したり楽しい世界です。私は最近Youtube Musicで情報を得て尚且気に入ったらこれまた困ったものですが三種の再生ソフトを使いこなします。

パソコンとDACで見えてくる音楽の世界は膨大です。これからも音楽をお楽しみください。チープな環境の私でもこの世界は音楽の宝庫だと思っています。」

そして、このほど第二弾のメールをいただいたので再度ご紹介させていただこう。

「今回のA22はほんとうにタイミングが宜しかったですね。私もその後追いかけたら既に売り切れで入荷見通しなしでしたから私も現役引退しましたが、昨年でしたか?旭化成の工場が焼けてしまいその後このDACチップのラインの再開を断念という業者からの連絡がありました。

ほんとに良いタイミングで運も手伝いましたね~。

その後私もハード面が大好きなものでレビューなど拝見してますが驚きは本体重量・・・・ 7.5kgほどなんですね~

中華製品も多く出回る中、このA22はちょっと方向性が異なるようです今までの中華製品とは違い音の部分にかなり拘っているようですDACチップにいくら高級品を使っても音楽の楽しさはまた別ということですね^^
良い買い物されましたね~。

あ!今後あるかわかりませんが SNS上では HERA または herakyon なのでこのネームなら匿名はご無用です」

以上のとおりだが、ブログの中に自分の考えばかりではなく他の方のご意見を織り交ぜると多様性が増すので展開上大いに助かります。「HERA」さん、今後ともよろしくお願いしますよ。

さて、以上の内容をもとにして話を進めさせていただこう。

まず、このたび運よく購入できたDAC「A22」(GUSTARD)に使ってあるチップは「旭化成」の「A4499」ですが、さる筋によるとクラシックファンから多大の支持を集めているようです。

もう再生産不可能ですから今後「幻のチップ」としてきっと後世に語り継がれていくことでしょう。

同じ「A22」を所有されている近隣のオーディオ仲間の「Y」さんともども「これからA22はあのマランツ7と同じようにプレミアム扱いで値段が高騰するかもしれませんね」と、勝手にほくそ笑んでいるところ(笑)。

そこでというわけだが、この「A22」は我が家のデジタルオーディオの中心機器として大いに活躍してもらいたいので、「パソコンによるCD再生のもとに信号を384KHzで出してA22で受け取れないだろうか」と思いついた。

つまり、CD再生でもパソコンを活用しようという算段でモーツァルトのCDは手持ちが豊富なので活用の場が大きく広がる。

「気ままなモーツァルト」(CD6枚)には有名なさわりの部分ばかり70曲ほどが収録されているし、モーツァルト全集にはCD111枚が編集されているので、出番には困らない。

そこで、パソコンに精通された「北国の真空管博士」に相談してみると、「ああ、できると思いますよ。試してみますからしばらく待ってください」

1時間後にご連絡があった。

「貴方のパソコンにインストールされている「AIMP」(ロシア)を活用します。これから私の言うとおりに操作してください・・・」

そして、見事にパソコンからDACへと通じて「384KHz」の再生音がシステムから鳴り響いた。

「え~、これならもうCDトランスポートは要らなくなりますね!」というほどの「PURE」な音質!

「CDトラポと比べると、読み取り精度と回転精度がやや落ちるでしょうがパソコンはエラーの修復機能に優れていますから十分太刀打ちできると思いますよ」と、博士。

我が家のケースでは、家主の年齢から鑑みてCDトラポが万一故障したときは買い替えはせずにパソコンで十分間に合いそうだとは現時点での感想である。

「A22」は「音楽とオーディオ」のいろんな楽しみ方を無限に広げてくれますよ~。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8e74c6e95ff315bfcd8d22a0b74d393e

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✰ 中国製DAC「A22」の登場
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/07ddcea31c4178b52dc6ddc49c13f3c8

今年最大のハイライトでもいうべきDAC「A22」(GUSTARD)の登場である。(画像の機器の上に載せているのは小型のヒート・シンクで真夏は重宝している)

中国製といっても、カギとなるチップはクラシックファンに定評のある「AK4499」(旭化成)が使ってあり、実用中の仲間からも高評価だったし、「北国の真空管博士」からも「とても優秀なチップを惜しげも無く左右両チャンネルに使ってますよ!」とお墨付きをいただいたのでためらうことなく購入した。

どうやら国内では最後の購入者だったみたいで、以後「A22」はネットの販売欄からプッツリ姿を消した。例の旭化成の火事で「AK4499」が生産不能となり、今や幻のチップとなったようだ。

このDACが到着したのが7月下旬だから既に5か月ほど経つがネットラジオの「モーツァルトチャンネル」をハイレゾ「384Khz」で受信し毎日堪能している。

そして、ここで「ホット・ニュース」!

それは何かというと「ヒューズの入れ替え」である。

ヒューズは「縁の下の力持ち」的な存在だが、機器の電流が必ず通る部分なのでなるべく配慮したいところではある。

DACの場合、真空管アンプなどとは違って精密な内部を弄ったりすることは難しいが素人が唯一触(さわ)れるところといえば「ヒューズ」ぐらいのもんだし、仲間から「GUSTARDの黄金ヒューズがネットに載ってるよ」と、聞きつけてさっそく購入した。

1個「3000円」なり。普通の「ガラス管ヒューズ」と比べてズシリと重たい!

差し換え方法となると、さっぱりわからず仲間に協力してもらってやっと首尾よくいった。

裏側の電源端子の下の部分に「ヒューズケース」が収納してあり、それを小さな「マイナスドライバー」で強めに弾くと開いた。

「たかがヒューズ、されどヒューズ」で練り上げられた繊細なシステムほど顕著に音の差が出てくるはずだが、結果はいかに~(笑)。

ウ~ン、これまでよりもさらにレンジが広くなって低音域の力感が増した気がするが・・。

我が耳だけでは頼りないので確認の意味で、昨日(25日)の午後仲間に来てもらって試聴してもらった。

すると「たかがヒューズ1本でこんなに音が変わるんですか!」と、激賞のオンパレードだった。

音の抜けからレンジ、瑞々しさなどあらゆる音質の形容詞を使っても足りないほどすべてわたって向上したとのことで「さっそく我が家も購入します」。

「これだけ音質に効果があるのなら最初からこのヒューズを付けて売ればいいのに~、販売価格に3000円上乗せすればいいだけの話だが・・」と二人で悲憤慷慨したことだった(笑)。

デジタル機器の場合、可能な限り「ヒューズにも気を配ったほう良いみたいですよ~」
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/07ddcea31c4178b52dc6ddc49c13f3c8

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✰ DAC「A22」について
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ea48287b02045f161310d59340f5ef65

前回のブログ「2021年を振り返って」で俎上に上げたGUSTARDのDAC「A22」だが、ハイエンドのヒューズと入れ替えたところ見違えるほど音質が良くなって大喜びしたわけだが、この製品は惜しいことに既に記載していたように大切なチップの「AK4499」が旭化成の火事によって再生産不能となっている。

「ほんとうにそうかな?」と確認の意味でネットを検索していたら何とこの「A22」がオークションに出品されているのを見つけた!

昨日(26日」の夜が落札日なのでいったいいくらで落札されるだろうと興味津々で見守った。

そして落札価格は「170、900円」なり。

自分がこの7月に購入したときよりも3万円ほどもアップしていた!

こういうケースは珍しい。

たとえば真空管などは「古いものほどメーカーが(大量生産ではなく)真面目に作っている」ので音質も良く、古典管と近代管とで見事な逆転現象を起こしているが、日進月歩のデジタル技術の分野において過去の製品が発売当時の定価を凌駕するなんてまずありえない。

「再生産不能」というネックが魅力となって競争をもたらしたわけだが、17万円ぐらいなら自分も入札に参加してよかったかもねえ、スペアを確保しておくという意味で・・(笑)。

「性能 VS 価格」において、それだけの価値がある製品だと思っている。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ea48287b02045f161310d59340f5ef65


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「音楽&オーディオ」の小部屋
TR式「プリアンプ」の試聴テスト 2021年08月27日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1a762008e70ac34c3878db8c9eff8391

「GUSTARDのDAC「A22」が想像以上に良かったものですから、おなじGUSTARDのプリアンプを購入しました。おたくのシステムでテストしたいんですけどいかがでしょうか」と、近隣にお住いのオーディオ仲間「Y」さんからご連絡があった。

オーディオの最大の楽しみは新機種や改造機種のテストにあると言っても過言ではない。

「ハイ、いいですよ~。楽しみです」

はたしてどんな音が出てくるか、ハラハラ、ドキドキ、ワクワク・・、いくら高齢になってもこれほど心をときめかせるものはないし、それも少ない経費で特上の音が出れば幸せ感は半端ない(笑)。

それにしても「Y」さんは真空管アンプ・オンリーの我が家の音にいつも賛同的なコメントを洩らされるのだが、実際に購入されるとなると、TR式なのだから「いったいどうなってんの?」と言いたくなる。

「真空管ばかり使わずもっと視野を広げた方がいいんじゃない」という親心があるのかもしれない(笑)。

気に入った音が出さえすれば「真空管であろうとTRであろうといっさい拘りはない」つもりだが、真空管さえ使っていれば「大外れはない」という気持ちはたしかにある。

実はこのTR式プリアンプから気に入った音が出てくれれば、まったく手が出ない価格帯ではないので購入しても良いとさえ思っていた。

DAC「A22」の性能から考えて、GUSTARDへの信頼性はそれほどまでに高かった。

これが「GUSTARD」の「TR式プリアンプ」である。

テストしたシステムは次のとおり。

CDトランスポート(CEC:176.4KHz)→ DAC「A22」(GUSTARD) → プリアンプ「E180CC×3本」(マランツ7型)→ パワーアンプ2台 → スピーカー「AXIOM80+D123」

今回のGUSTARDのプリアンプ(以下「Gプリ」)の競争相手となる真空管式プリは「12AX7」(BRIMAR)に代えて「E180CC」を使った。

通常のミニチュア管に比べて「プレート」がやや大きいせいか音の重心が下がるし、それかといって中高音域の輝きが失われないので外せなくなった。情報量が明らかに増えるのだから実に楽しくなる。

テスト盤はクラシックよりもジャズボーカルの方が分かりやすいということでこの2枚を選択



「ダイアナ・クラール」盤は「指でパチッ・パチッ」と弾く音が収録されているトラックがあって、音響空間の中でその響きがどのように広がるかなどが聴きどころ。

両方のプリアンプを2時間にわたって聴き比べた結果、軍配は「真空管式プリアンプ」に上がった。

TR式はどうも中高音域がやや硬質気味で余韻に乏しい感じを受けた。この感想は自分ばかりではなくYさんもご賛同された。

もちろん、Yさんが賛同されないとこういうコメントは書けない(笑)。

以前から持っている印象だが「TR式は低音域は悪くないが中高音域の瑞々しさにやや乏しい」傾向は変わっていなかった。

パワーアンプに比べてプリアンプとなるとより一層この傾向が強くなるようだ。

まあ、スピーカーとの相性があるのでこれは「古典系スピーカー」を使っている我が家だけの現象かもしれず「鬼の首を取ったように、やっぱり真空管式の方がいい」と声高に叫ぶつもりは毛頭ないです、はい(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1a762008e70ac34c3878db8c9eff8391

5:777 :

2022/08/03 (Wed) 06:27:14

あげ11
6:777 :

2022/08/03 (Wed) 06:34:58

AKM、さらなる音質改善に挑む。デジ/アナ分離のアイデアを継承、設計ノウハウを磨き上げたフラグシップDAC「AK4499EX」
2022/07/27
岩井 喬
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887.html

旭化成、ハイグレードなオーディオ用DACチップの供給を再開!

今年1月、旭化成エレクトロニクス(以下、AKM)からオーディオ用DAC/ADCチップのサンプル供給再開が発表され、2月にはVELVET SOUNDブランドの主力DACチップであった「AK4490」「AK4493」を再設計した「AK4490R」「AK4493S」の発表も続き、いよいよAKMブランドが還ってくるという期待が高まってきた。2020年10月、AKMのDACチップを含む製造を担っていた宮崎県延岡市にある半導体工場が火災に見舞われ、国内外のセットメーカーに対して製品の供給も停止。関係する業界だけでなく、エンドユーザーである我々にも大きな衝撃を与えた災害であった。
AKMの半導体シリーズのなかでも、特に音質にこだわったラインナップのみに与えられる「VELVET SOUND」。原音重視、情報量と力強さの両立を狙ったシリーズとなっている

AKMだけでなく、他社の半導体工場で発生した火災や、コロナ禍等の様々な要因が重なり世界的な半導体不足が引き起こる情勢下。冒頭でも述べたAKMからのサンプル供給再開や新製品の発表は、AKMが再びオーディオ用DACを供給できるようになるのにどれだけの時間がかかるのか、不安に感じていたなかでの吉報であった。

そして4月。VELVET SOUNDの中でもフラグシップとなる“VERITA”の称号を与えられた最高峰の電流出力型DACチップ「AK4499EX」が発表されたのである。5月に開催された「HIGH END MUNICH 2022」でもAK4499EXは評価ボードとともに出展され、世界各国の来場者にそのポテンシャルの高さ、音質の良さをアピール。多くの反響を得た出展となったことも記憶に新しい。
5月にドイツで開催された「HIGH END MUNICH 2022」にて世界初お披露目されたフラグシップ「AK4499EX」。ヨーロッパを中心に世界中のメーカーから大きな反響を獲得した

AK4499EXは2018年に発表されたAKM初の電流出力型フラグシップDACチップ「AK4499」に代わるものではあるが、単純な置き換えではなく、2020年3月に発表されたデジタルセクションとアナログセクションを分離させた、AKMの新たな提案であるセパレートDAC構成の枠組みとして設計されている。
「AK4499」の基本構成を受け継ぎながらも、デジタルとアナログを分離した2チップ構成の片翼を担うものとして構想された「AK4499EX」

デジタルフィルターとΔΣモジュレーターを担うデジタル処理用には2020年3月に発表されている「AK4191」を用い、AK4499EXはアナログDACを担う2チップ構成のソリューションだ。この2チップによるセパレートDAC構成については、2020年夏にAK4191と、当時新製品として発表された電圧出力型アナログDACチップ「AK4498」の詳細について、開発陣へリモート取材を敢行しているので、そちらの記事も参照いただきたい。
市場への供給が叶わなかった「AK4191」+「AK4498」の2チップ構成のアイデアは、最新テクノロジーをまとい「AK4191」+「AK4499EX」として結実した

しかしこの記事の直後、半導体工場の火災が起こり、AK4191+AK4498による新たなセパレートDACは実際の製品へ供給されることはなかった。そしてAK4499についても、先行して採用されたハイエンドポータブル機器でその能力の高さを発揮していたが、本来のポテンシャルをフルで発揮できるであろう据え置き型製品への本格採用を前に生産終了となった。

AK4191+AK4498発表時は、フラグシップである一体型のAK4499と違った個性としてセパレートDACを展開していくという予定であったそうだが、2020年夏の取材時にはセパレートDAC方式でのフラグシップとしてAK4499のアナログDAC版も開発したいという構想も語られていた。こうした流れを踏まえ、今回のAK4499EXはフラグシップとしてのAK4499、そしてAK4191+AK4498で見えてきた新境地を融合させたものであり、多くのリスナーが未だ体験したことがない、『“まるで、そこにいるかのような”音の世界』を堪能できる最高峰のサウンドを実現しているのだ。
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887.html


ブランドの価値を改めて問い直し、再びオーディオ業界に戻ることを決意
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_2.html

今回、AK4499EXについて、その開発経緯や他社ファブでのチップ製造のエピソードについて、AKM開発陣に伺う機会を得た。インタビューに応じてくださったのは、AK4499、そしてAK4191+AK4498開発にも携わってこられた旭化成エレクトロニクスのマーケティング&セールスセンター ソリューション第一部、オーディオマイスターの佐藤友則氏、製品設計センター 製品開発第一部 高音質オーディオASIC設計エキスパートの中元聖子氏、そして中鉢達也氏である。
東京ミッドタウン日比谷に位置する旭化成エレクトロニクスの本社ビルにて、開発チームにインタビューを実施

「半導体工場火災においては多くの皆様にご心配とご迷惑をおかけいたしました。私は入社以来、25年ひたすらDACチップ開発を行ってきました。今回の工場火災により、我々は自社の製品価値について改めて考えさせられ、そして見つめ直すこととなりました。AKMがDACチップを辞めてしまうかもしれないという声も聞こえる中、再びオーディオ業界に貢献したいという思いもまた強くなりました。AKMの音をもう一度、今まで以上の良い音として届けたい。そういった気持ちの中で生まれたのがAK4490RやAK4493S、そしてAK4499EXです。AK4490Rの“R”は“Rich”、AK4493Sの“S”は“Superior”、AK4499EXの“EX”は“Exceed”を意味していまして、いずれも前モデルより優れた、本当に良いものであるということを型番に込めました」(中元氏)
オーディオマイスターの佐藤友則氏

AK4490Rは768kHz/32bit・PCM&11.2MHz・DSD対応でS/N比は120dB、THD+Nは-112dB。AK4493Sは768kHz/32bit・PCM&22.4MHz・DSD対応でS/N比は123dB、THD+Nは-115dBというスペックであり、基本的に前製品を踏襲しているが、最新の高音質設計を導入してインピーダンスの最適化を行い、よりスピード感と余裕のある音を実現し、消費電力も抑えている。
今年春先に発表された「AK4490R」と「AA4493S」。いずれも前モデルのスペックを踏襲しているが、最新の音質設計でさらなる特性を追い込んでいる

デジタル/アナログを分離しスムーズな信号経路を実現

そしてセパレートDAC構成となるAK4191とAK4499EXの組み合わせは、スペック面の特徴として以下3つのポイントがあるという。

1.最新の設計技術によるデジタルとアナログの完全セパレート構成
2.S/N特性の改善に寄与する「DWA Routing Technology」
3.超ハイスペックフォーマットへの対応とシンプル操作の両立

「一つ目は最新の設計技術を用いたデジタルセクションとアナログセクションを完全に分離したセパレート構成であること。二つ目は世界最高のアナログ特性を実現させること。そして三つ目は現在最高水準の超ハイレートなハイレゾ対応を果たしつつシンプルな操作で実現できる2チップソリューションであることです。AK4499EXには新技術であるDWA Routing Technologyを取り入れたことでAK4499よりも対ノイズ性能を向上させました」(中元氏)
製品開発第一部 高音質オーディオASIC設計エキスパートの中元聖子氏

AK4499EXは2ch仕様のチップ構成で、chあたりのS/N比は135dB、歪み特性は-124dBとAK4499のchあたりのS/N比134dBより1dB改善している。一方デジタル処理を担うAK4191は1536kHz/64bit・PCM&44.8MHz・DSDまでの入力に対応し、オーバーサンプリングレート256倍を達成。デジタルフィルターの抑圧量となる阻止帯域減衰については150dBを実現している。

「まずセパレート構成のメリットですが、ワンチップ構成ではどんなに手を尽くしても同じシリコンウエハー上にアナログとデジタルが存在するため、ノイズの干渉は避けられません。セパレート構成ではそのノイズ混入経路を完全に断つので、ノイズの影響を受けず、聴感上のノイズ特性を改善しています。しかしながら、ただ分ければいいかというと、そういうわけではなく、最新の音質設計技術により、D/A変換を行うコア部分に対して様々な角度からのノイズケアを施していることで実現しているソリューションとなっています。そしてインピーダンスの最適化により、応答性に優れたスピード感のあるダイナミックなサウンドを実現できました。今回使用するプロセスにあったインピーダンス設計としていまして、ただ低ければよいというものではありません」(中元氏)

AK4499は4ch仕様であったが、AK4499EXでは2ch仕様となっている理由として大きなポイントとなっているのが、ピン配列からくる基板上の自然なレイアウトにあるという。AK4499は128ピン、AK4499EXでは64ピンと半分になっているうえ、デジタルとアナログの領域の境界を明瞭にし、基板の配線のしやすさ、信号の流れの最適化を実現し、さらなる高音質、理想のサウンド追求に貢献している。

「AK4499では4ch仕様でしたが、ch間のレイアウトをシンメトリーにしたいという思いがありました。信号の流れを自然にしたいというのは、我々も目指していたものですが、供給先となるセットメーカーさんの側からも要望されていたことでもあります。デジタルの飛び地ができると分離したいのに基板上で全くできなくなってしまう。それならば4ch仕様を切り捨ててしまってもよいのではないか。むしろchあたりのノイズをしっかり下げることで、各chバラバラでも、束ねてパラレル化しても、基板上で線が引きやすくなりますし、自然なレイアウトにした方が使い勝手も高まります」(佐藤氏)
レイアウトをシンメトリーにするなど、より引き回しやすく自然な配線を実現
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_2.html


さらなる特性改善を可能にした「DWA Routing Technology」
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_3.html

そして二つ目の世界最高クラスのアナログ特性の実現という点について、具体的なこだわり、新技術であるDWA Routing Technologyについても中鉢氏が説明してくださった。
DWA Routing Technologyの開発に大きく関わった中鉢達也氏

「世界最高クラスのアナログ特性の追求は低ノイズ・低歪みであることです。理想の音を追求するために、DACの真のノイズ特性を低減しています。特に1chあたりのS/N特性が真の回路特性と考え、AK4499より1dB改善しました。また歪み特性はAK4499と同じ-124dBと世界最小クラスです。ファブが変わったことで、この特性を出すことは設計として非常に苦労した点の一つですね。他社ファブの特徴を理解して、どこを変更すべきかを考え、我々がずっと取り組んできた低歪み技術を組み合わせることによって-124dBを達成できました。

そしてS/N特性が1dB改善した点は、新技術であるDWA Routing Technologyがもたらした効果が大きいと考えています。超低ノイズを達成するためには、電流出力型DACの電流生成に用いられる多数の抵抗素子の高いマッチング精度が要求されます。一般的にはダイナミック・エレメント・マッチングという技術を使い、抵抗を満遍なく平均化して使用することでそのミスマッチを見かけ上、下げています。DWA Routing TechnologyのDWAはデータ・ウェイティッド・アベレージの略となりますが、この技術ではダイナミック・エレメント・マッチングをベースに、製造因によるミスマッチの影響を減らしS/Nを改善させました。無信号時や小信号を含め、様々な振幅でのノイズが減少していることで微小信号のリアリティ、細やかな表現がAK4499より良くなったと感じています」(中鉢氏)

今回のAK4191+AK4499EXのセパレートDAC構成のチップや、今年に入って登場したAK4490RやAK4493Sは他社ファブでの製造委託生産となる。これまで自社ファブだからこそのメリットやこだわりもあったはずだが、この点をどう克服したのだろうか。

「ファブを持っていた強みもありましたが、これまでの知見が蓄えられていたことの方が大きいように感じます。この知見によってどこのファブを使ってもどのようにすればよいのかがわかる。これは自社ファブを持っていたことで、プロセス側とのやり取りを重ねて深い知見を得られたというメリットですね。“このプロセスの特徴はこうなっているから、こうした対策をしないといけない”という設計としてのノウハウを持っている。延岡工場のプロセス開発に携わったメンバーは社内にいますし、やり取りを重ねることで得た知見はとても大きな資産です。だからこそどこで作っても大丈夫という自信があります。新しいファブを使うときに“ここがリスクだろう”“使いやすいだろう”という見極めが意外とできるようになっていますね」(中元氏)

「DWA Routing Technologyもプロセスエンジニアと色々やり取りを重ね、“こういったことが起こり得る”という紙の上、ファブのデータの上だけではわからないことも想像し、また判断して進めてきました。プロセスエンジニアや回路設計者とともに協力して出来上がっているといえますね」(中鉢氏)

超ハイスペックフォーマットへの対応とジッターへの対策

三つ目のポイントである超ハイレゾ音源に対応しつつ、シンプルな操作を実現する2チップソリューションについては、AK4191が持つデジタル処理部の先進性がもたらすメリットが大きい。AK4191は1536kHz/64bit・PCM&44.8MHz・DSDまでの入力に対応しており、今後よりハイレートな音源が登場した際、問題なく対応できる。

そしてPCM/DSDモード切替やPCMサンプリング周波数モード、DSDデータストリームレートの切り替えも自動で行う機能性の高さ、さらにAK4499EXに対し、ミュートコントロールを行う制御信号生成機能を設け、音源切り替え時などのPOPノイズ抑制を実現している。これに加え、音質的に大きな優位点となるのが、デジタル部とアナログ部のクロックを分離でき、低ジッターな伝送が可能になる非同期動作モードを搭載していることだ。

「AK4191のオーディオインターフェースはオーディオクロックに同期して動作しています。AK4191の後段からD/A変換するAK4499EXは別の低ジッタークロックを用いることで高精度なD/A変換が可能になります。例えばストリーミングデータの再生時など、送られてくるデータと、クロックがDACで動かしたいデータとクロックのレートが揃っていない場合でもより高精度なD/A変換が可能です」(中元氏)

「データ変換時にはイメージ成分と言われる不要な成分も発生します。サンプリングレートコンバーターにも比肩するパワフルな演算量のデジタルフィルターで150dBの阻止帯域減衰能力を実現させて、イメージ成分に対処しています。このフィルターをデジタルチップに持たせることで非同期動作のノイズも抑えられ、結果として劣化のないアナログ特性を実現できました」(中鉢氏)
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_3.html


評価ボードにて音質をチェック。ナチュラルかつ付帯感のないサウンド
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_4.html

東京・日比谷にある旭化成エレクトロニクス内の商品検討用試聴室にて、AK4191+AK4499EX評価ボードの音を聴くことができた。
旭化成のDACチップ開発の拠点となる試聴室。スピーカーはフォーカルを使用

AK4191+AK4499EXの組み合わせによるサウンドは、音が出る瞬間のエアー感、立ち上がりや立ち下がりのリアルさに驚かされた。AK4499も空間表現力の高さを実感したが、その比ではないナチュラルさと付帯感のない澄み切ったサウンドである。
中央上の正方形がデジタル部を担う「AK4499EX」、その下の正方形が「AK4191」

オーケストラはハーモニーの緻密さや個々のパートの細やかなニュアンスや抑揚感も取りこぼしなくトレースしてくれる印象だ。管弦楽器の質感は自然な潤いがあり、ハーモニーは爽快で過剰なエンハンス感は一切感じられない。S/Nの高さはAK4191+AK4498の試聴でも感じられたセパレート方式ならではのメリットであり、余韻の階調性の高さ、静寂感のある音場のリアリティを正確に描き切る。それとは対照的にローエンドの太く逞しい音伸びの豊かさ、躍動感あるリズミカルな表現も兼ね備えており、音源の持つ情報量を欠損なく引き出してくれるような感触を持った。
社内での音質評価にも使われる評価ボード

ボーカル表現においても音離れ良くスッキリとした描写であり、ボディの質感も丁寧に描き、しなやかで強調感がない。空間表現にも長けており、リヴァーブ表現の微細なグラデーションも誇張なく追随してくれる。リズム隊のふっくらとした密度感と、アタックの自然なキレ、雑味がなく滲まない余韻表現の生々しさなど、これまで聴いてきた汎用DACチップでは体験したことのない世界観であった。

録音に立ち会った192kHz/32bit音源も聴いてみたが、楽器のアタックやリリースの正確さ、ボーカルの自然な定位と歌い出しのふわりとした空気の揺らぎも正確に表現してくれ、色付け感がなく息継ぎで感じられる口元の瑞々しさも細やかに描き出す。ピアノのアタックの素早さや重みを感じるボディの唸り、ハーモニクスの響きのクリアさも申し分なく、スタジオでプレイバックを聴いているかのようなリアルさであった。
AK4499EXのサウンドを試聴する岩井氏。幻の「AK4191+AK4498」との聴き比べも実施

AKMブランド、今後の展望。より音源の本質に迫る音を引き出すために

最後に、今回のソリューションは改めてセパレートDAC構成を世に問うとともに、AK4499の進化版であるAK4499EXの優位性、新たなフラグシップDACチップとしての存在意義を示す形となるが、その開発に込めた思いとこれからの展望についてもお三方に伺ってみた。
AKM復活に込めた思いを語る佐藤氏(右)と筆者(左)

「セパレートDAC構成のソリューションが正式に供給されるのは今回が初めてとなりますので、改めて市場の反応を見ていきたいですね。セパレートDACのラインナップはもちろんですが、例えばAK4497は非常に人気のあったDACチップでしたので、その復活の是非も検討する必要があるかもしれません。今回のAK4191+AK4499EXの音を聴く中で、再生する音源の録音状態の善し悪しもストレートに表現してくれる印象を持ちました。この音の感触を得て、ある音楽家の方が話していたことを思い出したんです。それは“かつてのシステムだと、どう録音されるかを意識した演奏を行う必要があった。しかしデジタルの進化によって今は録音することでボトルネックになるようなことはなく、自分たちが望む演奏をそのまま残せるようになった”ということでした。まさに今回のソリューションはアーティストが理想とする演奏を引き出せるDACとなっていると感じます」(佐藤氏)

「AK4191とAK4499EXを組み合わせた構成はかなりオーバースペックですが、長い目で見れば、周囲のDACチップもより上を目指していくでしょうし、DACの周辺に置かれることになる電子部品もどんどん高性能になっていきます。ですから現状に満足せず、より高いスペックを持つDAC作りに邁進していきたいですね」(中鉢氏)

「AK4499EXの前に送り出したAK4490RやAK4493Sを作った段階で、これまでよく言われていた、いわゆる“電圧出力型の音”や“電流出力型の音”という固定概念に留まらない、より音源の本質に迫る音を引き出せるようになったと感じました。エネルギー感のある豊かなサウンドが、新しいプロダクトで体感できると確信しています。AK4499EXも含めたこの3製品は外から手を加えた部分に素直に反応を示してくれる純粋さも魅力です。初めての試聴では素直すぎてびっくりしたほどです(笑)。外部の部品構成に対してのレスポンスも良く、手をかけたなりにそのまま結果が出てくるという印象ですね。

セパレート構成とすることで、デジタルノイズに埋もれていた情報を鮮明に表現できるようになったと実感しています。2個使いというDAC構成に対しては市場のリアクションも気になるところでしたが、まずは音を聴いていただきたいですね。次はまだどんなものを手掛けるのか分かりませんが、これからも引き続きDACチップ開発を行っていきます」(中元氏)




AK4191+AK4499EXのサウンドを実際に体感すると、これまでの汎用DACチップのサウンドとは一線を画す、より生に近い高純度な音体験に衝撃を受けることだろう。電圧出力、電流出力という枠組みも超えた新世代のDACサウンドがAKMの新フラグシップ・セパレート方式では味わえる。ある種R-2Rラダー方式にも近しい高密度なサウンドだが、AKMのセパレートDAC構成は圧倒的な低ノイズ・低歪みにより、清廉で滲みのない正確な音場表現も実現しており、空気感の佇まいからして異なる印象だ。

この異次元ともいえるフラグシップ・セパレートDACのサウンド性に対し、これからのDACチップの選択肢、その進むべき道筋にも大きな一石を投じる意義深いプロダクトであると確信する。AKMのDACチップが戻ってきたという喜びを数倍にも高めてくれる、フラグシップの名に恥じない素晴らしいDACチップソリューションといえるだろう。

(提供:旭化成エレクトロニクス)
https://www.phileweb.com/interview/article/202207/27/887_4.html
7:777 :

2022/11/17 (Thu) 11:37:15

DACチップの音質差と他の音質変化要因
http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=2563

※2021/11/30 ES9038proとAK4499の内部/外部ASRC有無の音質比較情報を追記しました

※2021/06/09 レイアウトでDACチップの音質差が逆転する実例を3項に追加

※2021/03/19 トップ画像追加。ES9038pro、AK4499、BD34301EKVを同じプラットフォームで比較したので情報追加

※2017/06/05 4項にAK4497を追加

DACの最終的な音質差はどこから来るのか。アナログ回路やDACのICの種類による影響はどれくらいあるのか?等なかなか比較しにくいものです。ですがいままでの実験でわかっている範囲の情報をまとめておきたいと思います。ほぼ同条件でDACのICを交換するなどなかなか実験しにくい音質検証などもおこないましたので、全てを書けるわけじゃありませんが書ける範囲で書きます。

オーディオ設計の音質要因
あらゆる要素が音質に影響するというのが最終結論ではあるのですが、項目ごとに重要度が異なります。やはり項目とそれぞれの対策度によって影響が大きいものと小さいものがあると感じています。ここではなるべく大きい要因から小さいもののなかで現実的な範囲を紹介したいと思います。

原則としてオーディオでの音質対策はなるべく大きいところから対策していかないと小さい変化はなかなか見えないか気づかないということが多いです。もちろん注意深く聞けば小さい違いでも大きい違いに完全にマスクされるわけではないので違いはわかりますが、わかりにくい又は全くわからないということも十分にありえます。

なので改良を重ねていくとそれまで気づかなかった要因や無視していたところに悪化の原因があって新しい対策や気付きが必要になるということはごく一般的なことです。そして小さい変化はとんでもなく微細な領域まで多岐にわたるので、全てを対策することは現実的には不可能だと思われますが、それを実現するのがピュアオーディオの道ではないかと思っています。

前置きはこれくらいにして、実際の重要項目を上げていきたいと思います。想定はDACの設計で、数字は重要度の高い順に書いているつもりです。中には条件次第で逆転しそうなものもありますが、個別の項目の解説はあとで行います。

アナログ回路レベル
アナログ設計のうち部品選定レベル
アナログ設計のうち基板設計レベル
DACのIC種別
基板外のアナログ要因
クロックジッター、歪率など測定可能な要因
デジタル信号処理関係
デジタル転送の外的要因
だいたいこのような感覚です。まぁただの個人の体感による勘なのであまり当てにしないでほしいのですが、1-3までで少なくとも60%以上は決まりそうです。DACのICだけ変えても音質の要因はせいぜい10-20%位かもしれません。確かに音は変わるし10%でも重要なのですが、それだけで勝負が決まることはありません。ES9018ならなんでも音がいいとかは嘘で幻想っていう話なだけです。たとえば3番めの要因である基板設計による配線の仕方や部品の配置の違い程度でもDAC-ICの差は簡単に逆転しました。なので基板設計がICの種類よりも上の順位になっています。のこりの要因は5番目以降で決まりますがこれ以降の要素だけでは決定的な差にはなりません。

もちろん特化型ですさまじい対策を施した場合は逆転などの例外が起きる可能性もありますが、基本的に順位が入れ替わるようなケースは少ないです。個人的にPCオーディオ的な対策にあまり興味が無いのは7番目以降のもっとも重要度の低いカテゴリに入るからです。音は微妙に違いますが正直上位の違いに比べると大差がないです。ここの対策は最後でいいでしょう。まだまだそこまでの領域には達していないと自覚しています。

ではそれぞれの項目についてもう少し掘り下げて記載します。

1.アナログ回路レベルの違い
想定しているのはI/V変換回路、フィルタ回路、差動合成回路、電源ルーティング、レギュレータ回路、方式等による違いのことです。ここにはトランスの個数やGNDの分離方法もここに入ります。

トランスの種類差は電流量が同じなら部品レベルの違いですが、電流量等のスペックが違ってくると回路レベルの違いになると思っています。オペアンプの交換も内部の回路方式の差が含まれるので1のカテゴリに入りそうなので、回路レベルというのはかなり幅広く重要度が高いのは当然かもしれません。

実例をあげますとDACや出力アンプに対するレギュレータの回路はもちろん、個数や接続のまたぎ方などは典型的な回路レベルの差です。このような違いはより劣る構成の回路でいくら部品を高性能品に交換してもそれだけでは逆転できない大きな差が生じやすい一例です。他にはディスクリートオペアンプの実験でも回路が変わると音質は結構差があって、構成している部品だけいくら交換しても回路の違いほどの差にはなりませんでした。他には回路にコンデンサを追加するとかトランスを大きなものに変更ってのも回路が変わるのでハッキリした音質差が出てきます。

DACでは個人的にI/V変換>差動合成回路の構成はリファレンスの回路から大幅には変更したことがないのですが、これも回路方式の差ですから例えばシンプルなディスクリート型に変更したら多分音は大幅に変わると思います。

このような回路レベルで決定的な差が出来てしまっていると部品だけを交換しても回路方式の差を逆転することはあまりなく、やはり回路方式による差が最も圧倒的な音質差を生み出している要因だと思います。正直このカテゴリ内でも項目が多すぎるため更に重要度は細分化すべきなのですが、残念ながら私自身はまだそこまでの境地には至っていないです。個人的には今のところオーディオでは信号回路以上に電源が大事だと考えていますが、EARやPassの設計を見る限りそれ以外の要因での逆転もあると思っています。ここは深すぎる世界です。

2.アナログの部品選定レベル
ここで想定しているのは主に抵抗やコンデンサによる差です。トランスのEIコアとかトロイダルとかの違いもここですが、これはそこまで違わないです。むしろ最も重要なのはカップリングコンデンサ、アナログボリューム、一部の箇所で使用する抵抗で、これらの差はかなり音質に対する影響が大きく、この選別次第で大幅に音が変わってしまいます。同じ構成の回路でも比較すると結構圧倒的な差を感じる部分です。

たとえばボリュームがダメだとDACのICをいくらいいものにしても全てが台無しです。実例としてはカプリースで使われているアルプスのミニデテントが良い例です。ボリュームを通過するプリ出力ではES9018の性能や内部設計の良さが全然でていません。たった一つのボリュームが本来の素性の良さ全てを台無しにする最悪の例だと思っています。これは何度も書いて非常に申し訳ないのですがポテンシャルの高さが部品一つでダメになっているというかなり勿体無い例なので、何度も紹介してしまっています。

このあたりは詳しくはこちらにまとめてあります。

ということでボリュームはすごく大事という話ですが、さらにそれ以前に種類による差よりもボリュームの定数を減らすほうが効果的という実験結果はまさに項目2より項目1がより重要なことを示しています。抵抗類は種類にこだわる前に定数を見直すべきというのは個人的な意見です。

3.アナログの基板設計レベル
2までは自作派ならご存知のレベルだと思いますが、ここからややマニアックな比較かもしれません。基板設計による音質差は最近ですとFixerさんが自作基板で検証していましたが、こちらでも書きます。これは本当に違います!こちらはヘッドフォンアンプじゃなくてDACと周辺回路の基板での実験ですが、新しい全く違うレイアウトにしたら基板設計以外の条件が完璧に同じなのに音は全く違うという結果が出ました。これは面白いです。

基板設計、レイアウトでどれくらい音が違うか実際に試した話を書きます。最初はCS4398同士での比較でした。実験はDACの直近以外の回路全てがデジタル段も電源も同じ、ケーブル端子類もケースも全てが完全に同一です。それでも音質はかなり違いました。電源回路を変更した差とまではいかないですが結構近いレベルの違いがあります。

具体的にどういう設計が良かったのかという話はノウハウということで伏せますが、普通のよくある配線では全くもってベスト音質ではないのはわかりました。オンラインで確認できるメーカー含めた大半のDACの周辺回路の写真を見た限り、こちらで分かったような音質対策ができている基板は海外含めて今のところ存在しませんでした。この実験をしたのは2014年の3月ですので比較的新しい発見になります。ちなみに自分は基本ベタアースを使っているのでベタアースか一点アースかどうかではありません。

(追記部分)音の良いレイアウトの実例を掲載します



↑一般的なレイアウト、配線



↑改良されたレイアウト、配線 これでDACチップの音質評価順位が逆転しました!

とにかく基板設計が音質対策として実はDACの選別以上に重要かもしれません。いろいろな制限のあるユニバーサル基板、レベルの低い設計レイアウトの基板、安物で見られる1層基板等はベスト音質にはまず出来ないでしょう。しかも基板レベルの音質の違いはDACのIC種別よりも大きい違いの可能性が高いという話です。

ここから考えるとDACチップの違いよりも基板の配線パターンを見て音質を判断したほうが良いという話になるわけです。

追記;外部からレイアウトについて物言いがあったので回答をまとめます。

Q1.低周波のGND電流への考慮
総合的な低周波特性はこの画像単体では判断不可能です。私の設計思想では低周波性能は基板外のレギュレータが担います。当時レギュレータの性能比較のために差し替え式にしており、確かにレイアウト的にベストではないですが、測定的な問題は生じませんでした。低周波なのである程度の伝送距離は許容できますし、多少のレイアウトの齟齬もレギュレータ側でその性能を担保できます。異論はあるかもしれませんがレギュレータ性能が高いほど問題は起きません。このあたりは実測特性と音質の両軸で評価しました。

Q2.信号系のViaがGNDどペアになっていない件
デジタル信号はすべて非差動です。なのでGNDと完全ペアになりません。周辺をGNDで囲むことでそれがリターン経路になります。非対称性による波形オーバーシュートはMCLKとBCKの非同期干渉がある場合のみ問題になりますが、これも高速なBCKにはダンピング抵抗で事前に落として対策します。ダンピング抵抗は基板外の送り出し側の直後に設置しますのでこの画像では見えず性能の判断は不能です。

GNDを疑似差動に見立てた伝送パターンにすれば指摘のような配線が可能ですが、DACならMCLKを長く取り回す場合のみ意義があると思います。ただし実験済みですが純粋な波形の美しさと音質は相関性が薄いようです(ESSは除く

Q3.多くのViaからの輻射懸念
Viaを大量に並べているのはGNDと電源のみです。基底成分はDCなので、輻射を起こす広帯域成分は残留ノイズと外来ノイズが中心です。この設計ではDC的な低インピーダンス性能を重視、さらにCの多重密結合で広帯域な低インピーダンス性能との同居を目標にしています。中間帯域はレギュレータが担うため総合的にかなり広い周波数領域がターゲットです。

このようにして広帯域低インピーダンスを実現できていれば、その帯域は電圧に変換されません。輻射ノイズを拾わない設計になります。

機器外部からの外来ノイズという最大の脅威がありますから、基板の微小ノイズのために低インピーダンス性能を犠牲にするより、最終的にノイズに強くなる設計だと考えています。現代の現実的な課題は、空中に飛び交う高周波ノイズです。あらゆるケーブルや隙間から無線LANや携帯の電波が入ります。70年代なら1点アースやノンシールドも良かったかもしれませんが、今は同じ法則は通じないと思います。ラボのシールドルームではなく木造家屋でいい音を出すなら考慮すべき内容です。

1点アース何度も試してますがGNDが静かになりません。実稼働中のDACのGND変動を広帯域でuV以下に抑えるならアルミケースを味方にしないと無理です。PCBだけでは物量不足。1点でなくても、ちゃんと設計すれば-160dBのハムも乗りません

こういう設計はトレードオフの側面を持ちます。有限のスペースをどう配分するか、その取捨選択の繰り返し。層数増加は簡単な解決法ですが、2層だと理想を両立するのは難しいです。すべて同時に両立できるのはある程度のレベルまでで、理想を求めるほどあらゆる要素の両立は難しくなっていくはずです

4.DACのIC種別
ついにDACの種類による差です。ですが最初に断っておきたいのは私自身は各社のハイエンドICしか比較していないということです。古いICやローエンドのICを扱っていないので大差がでていないという可能性があります。なのでローエンドのDAC-ICはすごく音が悪かったとかは無いとは言い切れません。念のためよろしくお願いします。

上にも書いていますがDAC-ICごとの差は確かにあります。ですがやはり決定的な差といえるほどの差は感じていません。近い条件で比較するとこうなるという話でしかありません。これは1-3までの項目で簡単に逆転してしまう程度の差です。なので○○のICを使っているから音がいい、悪い、という判断はあまり正しくありません。オーディオは総合力なのでどれか一つの要素だけ頑張って音質が最高になるというのはほとんどの場合あり得ないと思っています。もし例外があるとしたらその優れている一つの要素が本当に圧倒的に超絶突出していることが条件になると思います。

ではわかっている範囲でDACごとの音質について書きます。順位は目安です。(AD1955は制御がSPIなので基板の互換性の問題で直接の比較が出来ていません)

AK4499 火災で手に入らなくなりましたが、同条件ならこれが現在の一番です。ES9038proとは何度も比較しましたがAK4499のほうが駆動力も高いしレンジも広いです。低域の伸びが違います。その上で生楽器の描写力も高く質感が生っぽいです。なので総合一位は現状これです。実は中域のディテールはBD34301EKVのほうが優秀ですが、それ以外は全部AK4499です。パワーとSNと質感の両立、基本性能で最も隙がないです。(とはいえ入手困難になりますので、ES9038が現在(2021年)の有力選択肢かもしれません。やや平坦になりますがコントラストはES9038のほうが高めに感じるので好みで選んでも良いと思います。)
ES9038pro 基礎クオリティそして潜在能力はAK4497より優位でした。一方人工的な質感がつきまといやすく、生楽器やクラシック主体なら旧世代でもAK4497やWM8741あたりのほうが良いと思います。ES9018比で音の神経質さはだいぶ解消しており、SNやクリアさなど元々のESSの良さが生きています。爽やか、ビビッド、こういう印象が強いです。まとめると、力強く爽やかで鮮明、しかし人工的な傾向がある、というところです。これとAK4499の一番の特徴はハイエンド的価値観である駆動力や余裕が一気に高くなる点。音が揺さぶられにくく低音の瞬発力とレンジが広い。これはBD34301EKV以下のチップとの差です。共通点はAK4499とES9038proの電流消費が異常に多いことです。AK4497も消費電流多いですが中間的な位置づけです。
BD34301EKV 簡単なテストなので参考程度に。これは細部描写力がかなり高いチップです。特に中域の質感とディテール、余韻の階調描写が優秀でデルタシグマ系が苦手とする部分を逆に得意とする傾向です。しかし駆動力面では4497以下の以前の世代のチップとあまり変わりません。音の余裕やパワーはないので瞬発力を要求するジャンルは合いません。繊細な表現を重視するジャンルはとても得意です。地味な部分が強いので玄人向けな印象です。中域のディテールを大事にする方へ。AK4497より中域は良いですが駆動力は若干劣るかもしれません。
AK4497 以前の1位です。ES9028&ES9038がないので現行最高と断言できるわけではないのですが、ちゃんと比較できた中では音質ではトップだと思います。ただしAK4495と比べると基本的に神経質で細身な音なのでES9018に近い雰囲気があります。真価を発揮させるには電流量が大きいDACチップなので電流の流れに配慮した設計が必須です。これができていない状態では本当の音が出ません。この部分が足りない状態だと「個人的には」という注釈が付きますがAK4495以下です。
AK4495 2015年当時ES9018を超える唯一のDACでした。現代のICではなくなってしまった音の余裕や音の太さを感じます。正直これを聞いた後にES9018を聞くと平面的で神経質すぎる音に聞こえてしまいます。分離や細部の描写もこちらの方がいいです。パッと聞いた時の雰囲気がまるで違います。これと比較するとES9018だけではなく他のどれもが神経質な音に聞こえます。貫禄のある音でしょうか。
ES9018 さすがの評判で測定特性も最強です。音質も良くて他のICと比べるとクリアで空間が広く癖もなく聞こえます。ですが2位でした。いつまでも不動の一位ではないということでしょうか。いや私が無知だっただけで良いDAC素子は他にもあるかもしれませんが。といってもまだES9018が良いICなのは間違いありません。動作に癖もあって扱いにくい面もありますが、自動でミュートしてくれたりフォーマット判別もしてくれるので、意外と気が利く優等生タイプです。
PCM1792 古いICですが良いです。もともと高域にキツイところがあるのですが1-3までの条件を揃えていくと急に良くなります。悪い設計だとキツくて聞けたもんじゃないのでちゃんと設計できているかどうかで音質評価がガラッと変わりそうなICです。分離、性能はES9018に次ぐと思っています。素性は良いが気むずかしいツンな感じです。
AK4490 768kでの再生は出来ていませんが他と同じ条件での比較です。音はすごく素直でPCM1792のようなキツさはありません。最終的にはCS4398と近い音質ですがCS4398より癖がないのでこの順位にしました。デジタルフィルタ変更、DSD256対応と割となんでもできるICですが音質は残念ながら最高ではありません。
CS4398 高音に特有の癖があります。癖というと悪く聞こえますがちょっとピークというか特徴があります。といってもPCM1792ほどキツくはありません。もともとの素性は良くてちゃんと1-3の要素を満たすとかなり良い音が鳴ります。対策が甘いと良くないICだと誤解されそうな音なのですがちゃんと使えばそんなことはありません。実際に使った感じではDSD128も対応しているしデータシートのスペックよりもずっと良いICだと思います。独自機能のDSDのデジタルボリュームは面白いですが音はそんなに良くないので期待してはいけません。
PCM1795 1792とぜんぜん違う音質です。比較するとこちらのほうが癖もなく素直で使いやすい音ですがその分限界も低いです。でも物量が投入できない場合は1795のほうが耳障りの良い音です。一応順位は下にしてありますが実際の音質面ではほとんどAK4490やCS4398と大差はないと思っています。この順位は基板レイアウトで簡単に入れ替わる程度でしょう。
WM8741 この中では最下位です。測定特性も最下位なので思い込みの影響も多少あるかもしれません。1-3の条件をほかのDACと揃えても最後まで分離が悪く一線を越えられない印象でした。ですがこのICにはいいところもあって1-3の音質対策を投入していない場合の音色と耳障りでは最も良いでしょう。ゆったりとした独特の雰囲気があって音楽的に優れた一面を持っています。最後の伸びしろはないですが何もしなくても持ち前の独特の魅力があります。物量投入しない時には音が良いDACです。
5.基板外のアナログ要因
これは要するに電源ケーブル、コネクタ、配線の種類、ネジ止め、ケースの振動対策などのことです。エージングによる音質差もここに入ると思っています。以前抵抗のエージングによる差をブラインドで判別したことがありましたが、抵抗の種類を超えるような差には聞こえませんでした。経験的にもエージングで素子の順位が変わった経験は一度もありません。なのでエージングの位置はここだと判断しています。

これらの項目はさすがにDAC素子ほど支配的ではないですが無視すると痛い目にあう部分です。もちろんこれだけで勝負はできないのですが最後の詰めになってくると、これが意外と大きな音質差につながっていたりするので油断できません。とりあえず言えることは最低限配線の質には気を配りたいのと、振動は音作りにも使えたりすることです。

ジッター対策とどちらの順位を上にするか悩んだのですが、こちらのほうが対策方法や対策箇所自体が沢山あるので順位はこちらを上にしました。このあたりはここに書くよりももっと突っ込んだ対策をしている方のほうが多そうです。

エージングについて補足です。

個人的にはほとんどの部品のエージングではそこまで大差あるように聞こえたことがないのですが、例外でエージングの影響が酷いのは下ろしたてのスピーカやヘッドフォンなどの駆動部品、あとはハンダ付け直後のコンデンサくらいでしょうか。抵抗や半導体のエージングは同じ音ではないですが非常にわずかな差でした。

しかしエージングでものすごく大きく変わったという話をネットでよく見かけるのでこれについて考察してみます。思い当たるのは実は耳エージングならば項目1より体感の差が大きい可能性があります。

耳のエージングとは、いままで聞いたことがない音を聞いた時に脳が認識できるようになるまでの時間です。脳の認識は訓練なので時間がかかりますし個人差も大きいです。音楽の経験がある人ならよく分かる話だと思いますが、音程の判別能力とかもそうですね。鍛えれば向上していきます。オーディオでも同じで、この影響が項目1よりも大きい違いに聞こえる可能性はあります。実際には部品の音が変わったわけじゃなくて脳の認識が変わったという話です。

実はネットで見かけるエージングの報告のうち、この耳エージングの可能性は結構ありそうです。自分ももちろんこれに該当する経験は今でも普通にあります。

6.ジッター、歪率などの測定可能な要因
歪率やS/N比、ジッター特性も確かに音質に影響する要因なのですが6番目の要因です。体感ではせいぜい5%未満くらいの違いしかありません。歪率は悪化していても気づかないこともあるし、実際に歪率の劣る機器でも高音質はあり得るというのが事実です。此処から先はブラインドで判別する自信がなくなってきます。思い込みで簡単に評価や判断は覆ってしまう領域だと思います。

この聴き比べが難しい理由は測定特性が良い=音が良いではないことが理由です。測定による音質差はあるのですが他の違いの影響がより大きいので同時に他の要因も変わると分からないです。

実際に測定は良いけど音が悪いという一番わかりやすい例を紹介するならASUSのEssence XTSでしょうか。メーカーがオーディオプレシジョンの測定結果を付属でつける念の入れようなのですが実際の音は全然ダメでした。いや粗悪ではないのですがすごくいい音じゃないというレベルの話です。廉価なオーディオインターフェースと同じくらいの音質ということです。これは実際に持っていて比較しているので間違いありません。

逆に測定値が悪くて音が良い代表格はこちらでも紹介したTHETAの古いDACです。測定ではSNもジッターも歪率も全てASUSのサウンドカードのほうがいいですが最後の出音はTHETAのほうが圧倒的にいいです。THETAはLynxのHiloと近いレベルの音質です。ここまで違うと音色がどうとか好みが味わいがとかじゃなくて絶対クオリティの優位性です。

もう耳と測定器は全く違う認識なのだと思っています。他にも歪率もジッターも特性を磨いた自作のPCM1792が特性の劣るWM8741のDACに音質で負けたが、電源回路を変えたら逆転した、ということも体験しています。このような例は上げるとキリがないです。

ということで歪率やジッター特性はカタログスペックとか技術力の誇示にもなるし良いに越したことはないのですが、1-5までの項目と引き換えにするほどは重要ではないと思います。同じ条件で比較すると確かに差があるので出来るだけ数字も良くしたほうがいいのですが、逆に測定値だけ良くても音質の向上には限界があります。もちろん音質が良い上に測定「も」良いなら言うまでもありません。

実は測定値が悪いことの最大のデメリットは技術力や測定主義の方から技術力のないメーカーだと評価されてしまう、ネットにそれを悪く書かれること、それによってブランドイメージが低下してしまうことでしょう。

7.デジタル信号処理関係
デジタルフィルター、PCMとDSDの差などです。この項目も測定特性に影響する部分なので6と大差はないので順位は目安です。今流行のハイレゾ音源もここでしょう。ここから先はデジタル領域ですが、差は小さいです。デジタル領域の差は同じ機材で聴き比べないと全然違いがわからないです。機材を変えたら機材ごとの音質差のほうがデジタル領域の差よりもずっと大きいです。

なので正直デジタルフィルターもフォーマットの違いも個人的には同じ設計の機械の上で切り替えた場合に、ちょっとだけ音が変わりますっていうレベルだと認識しています。もしかしたら時間軸に敏感な方だと大きな差に聞こえるのかもしれないのですが、もともと敏感な人じゃないとこの辺りは何が違うのか全然わからない可能性もあるのではないでしょうか。自分は時間軸に敏感じゃないのでフルレンジとかDSDの優位性もあまりピンとこないタイプです。

ということでここの音質対策に時間を投資するのはあまり効率がいいとは思っていません。ですがDSD再生は商品としては必要とされたりするので再生機能は必要です。でも音質面では実は世間で言われているほど重要ではないでしょう。

8. デジタル転送の外的要因
こう書くとすごくわかりにくいですが、PCオーディオでプレイヤーとかドライバで音が変わったとかです。最近だとHDDのデータが同じでも音が違うとか言われてるみたいですがよくわかりません。微妙に音が違うとは思いますが全く同じ配線と機材で再生ソフトだけ変えるとかは非常に音質の影響が小さいです。たしかにAsioとKsで音が違うとか、プレイヤーで違うとか、なんとなるあるような気がしていますが、思い込みのほうが大きいレベルじゃないでしょうか。他にもっと大事な要素が沢山あると思っているので個人的にはあまり開拓していません。この辺りはもっと詳しい方が沢山いますし、音楽制作者としてはそこまでこだわってやってられないというのも事実です。使い勝手や利便性を犠牲にしてまで音質優先にするのかどうかは考えものです。

ほかにも似たような要因でトランスポートの差や同軸、光の音の違いがありますが、実はこちらはアナログの要因も関係しているので完全なデジタル領域だけで割り切れる話ではないです。同軸なら絶縁限界とノイズ、光なら送受信モジュールの電源回路で音は違います。光も受信側の回路設計次第で同軸に近いまたは超える音質になりえます。同じようにUSBケーブルの差とかも電源配線の高周波ノイズの回り方に違いがある可能性もあるので純粋なデジタル領域の差ではないとおもっています。これらはアナログ領域も絡んでいるので8と5の複合です。なので音はよりハッキリと変わります。

2021/11/30追記
細かい部分ですが一部重要情報かもしれませんので補足情報として追記します。「ES9038はASRC内蔵動作だと音が悪く、外部クロック同期やマスターモードで動作させると別物のように良くなる?」という説があったので検証しました。ASRCは非同期サンプルコンバーターのことです。測定状はジッターを除去できますが音的には副作用があると言われています。

以下、ES9038proとAK4499のASRC有無による音の差です。

結果から言えばかなり微妙な違いでDACの種別ほどの差はない結果でした。ASRCはどちらかというとデジタル的な変化要因になるのか大きな支配力はないです。LowestとかNoBandとかのDPLL設定も音は変わりますが少しです。ASRCをバイパスしてもNoBand設定にしてもES9038proがAK4499と順位が入れ替わることはありません。ただしESSの場合は特にASRCに入力されるI2Sの品質にかなり敏感のようで、入力されるI2Sの取り扱いが重要なのは事実でした。

以下の組み合わせをABCで例えます。(A)「低精度I2S+ES9038のASRC有効」、(B)「高精度I2S+ES9038のASRC有効」、(C)「ジッタークリーナ+ES9038の同期モード」、(D)「低精度I2S+外部ASRC+AK4499」、(E)「高精度I2S+外部ASRC+AK4499」、(F)「ジッタークリーナ+AK4499」の比較です。

Aは音が最も人工的な質感で高域もにじむ傾向があります。Bで大きく音質が改善します。ピントが合って奥行き前後感が出ます。CとBは大局的にはほぼ変わりません。CのほうがBよりわずかにピントが合う音ですが大きな改善はありません。LowestとNoBandくらいの差で基本的な方向性は変わらないです。A、BC、DEFという分類がふさわしく、それぞれは同一カテゴリの範疇で誤差です。同レベルの技術者の実装ならDのほうCより総合的には良いのではないでしょうか。またDEF間の差はありますがABより小さくAK4499ではASRCの有無やI2Sの品位による音の差がESSより小さいです。

ESSも機能的には似たようなもののはずなのでASRCが同一チップか外部チップかの差が主因でしょうか。結局ASRCの有無による音質差自体は小さいことがわかりましたので、Aだけ明らかに音が悪い理由を考えるとASRCというよりASRCが同一チップにあることでIC内部の信号クロストークや電源部への影響(チップ内のアナログ要因)を引き起こすことが劣化の理由かもしれません。

http://innocent-key.com/wordpress/?page_id=2563
8:777 :

2023/08/03 (Thu) 19:34:33

ウェブブラウザに Brave を使うと、広告なしで youtube を視聴することができます:

ウェブブラウザは 広告が出ない Brave を使おう
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&amp;tid=14131432
9:777 :

2024/01/05 (Fri) 17:09:33

現在では GUSTARD DAC-A26 _ 旭化成 AK4191+AK4499EX搭載の DAC や Gustard R26 _ ディスクリートR2Rデスクトップ DAC より ROHM DAC 「BD34301EKV」搭載の S.M.S.L D2R D/Aコンバーター の方が評価が高いですね:


至高のUSB DAC「S.M.S.L VMV D2R」 レビュー  完全に次世代!! 興奮して寝れません!!!
TourbillonCafe
2023/11/12
https://www.youtube.com/watch?v=fB3QzTAjS-0

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DACだけでここまで激変する経験は初めてです。
システム全体が2ランクアップしました!!

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【USB DAC 比較試聴】S.M.S.L「VMV D2R」と「D400EX」を SOULNOTE & FYNE AUDIOで鳴らしてみた!!
TourbillonCafe
2023/11/19
https://www.youtube.com/watch?v=I2elBvNRlF0

SMSL最新のDACと1年前のDAC、図らずも旭化成 VS ロームの構図になりました。
VMVの方がハイエンドブランドですしデザインも作りも良さそうですが、
価格差は無視できるレベル。
どちらの方が好みですか?



新型USB DAC SMSL VMV D2R 買いました! D400EXから買い換え! 空気録音!
ウチヤマチクサ
2023/12/04
https://www.youtube.com/watch?app=desktop&v=eZzWrQJeIkw



S.M.S.L D2R D/Aコンバーター _ ROHM フラッグシップ DAC 「BD34301EKV」搭載
5.0 5つ星のうち5.0 7個の評価
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https://www.amazon.co.jp/VMV-A%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%83%90%E3%83%BC%E3%82%BF%E3%83%BC-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0%E3%82%B7%E3%83%83%E3%83%97DAC%E3%80%8CBD34301EKV%E3%80%8D%E6%90%AD%E8%BC%89-%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA-Bluetooth/dp/B0CH9Y9CS3


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BD34301EKV
MUS-IC™シリーズ 32-bit, 768kHz サンプリング ステレオオーディオD/Aコンバータ

BD34301EKVはローム独自の音質設計を導入した32-bitステレオオーディオD/Aコンバータです。

ハイエンドオーディオに適した優れた数値性能(SNR: 130dB(Typ), THD+N: -115dB(Typ))を実現しました。

2種類のデジタルFIRフィルタ(Sharp Roll-Off, Slow Roll-Off)を切り替えることでお好みの音質が選択可能です。

PCM I/F, DSD I/Fを搭載し、それぞれ768kHz, 22.4MHzまで対応しています。

オーディオデバイスとして要求される数値性能と音質性能をともに極限まで追求し、ロームのエンジニアの熱い想いを形にしたローム・オーディオICの最高峰。ROHM Musical Device「MUS-IC」

オーディオ機器向けDACチップは、オーディオ機器の音質を決める最重要部品のひとつと言われており、ハイレゾリューション音源など高解像度の音源データから、情報量を最大限に引き出してアナログ変換することが要求されます。

ロームは、50年にわたるオーディオICの製品開発を基に、音源のもつ情報量をあますことなく引き出す「音質設計技術」を確立し、高音質サウンド・プロセッサICや高音質オーディオ用電源ICなど、音質にフォーカスした製品を開発してきました。中でも、「MUS-IC™」シリーズは、その性能が高く評価され、高音質オーディオ機器への採用が進んでいます。


MUS-IC™ DACチップ「BD34301EKV-EVK-001」の開発コンセプト

「BD34301EKV」は、ロームが提供するオーディオICの最高峰「MUS-IC™」シリーズのDACチップとして、クラシック音楽の鑑賞で重要な音質性能である「空間の響き」「スケール感」「静寂性」を表現することに重きを置いて開発。

独自の音質設計技術により、音質を決めるカギとなる信号処理回路において、音質を確認しながら回路を設計することで目標とする音質の表現に成功しました。同時に、オーディオデバイスの重要特性となる低雑音(SN比)と低歪率(THD+N特性)でも、業界最高クラスの性能(SN比:130dB、THD+N:-115dB)を達成しているため、高音質オーディオ機器にふさわしい性能を提供します。加えて、デジタル信号処理回路の主要機能である内蔵デジタルフィルタは、カスタマイズできる仕様にしており、オーディオ機器メーカーが求める理想の音作りに貢献します。


業界最高クラスの特性を達成し、クラシック音楽で求められる音質性能を実現

「BD34301EKV」は、オーディオデバイスにおける優れた数値性能(SN比:130dB、THD+N:-115dB)を達成したうえで、数値性能に現れにくい音質性能を徹底的に高めています。例えば、「D/A変換回路」では、構成する各電流セグメントの電源インピーダンスを極限まで低減すると同時に配線のレイアウトを最適化したことで、各電流セグメントの動作タイミングを決めるクロックの遅延(誤差)を極限まで低減しました。

また、「デジタル信号処理回路」の主要機能であるデジタルフィルタ(FIRフィルタ)では、微小信号でも忠実に信号処理できるように設計されており、デジタルフィルタの性能指標のひとつである阻止帯域減衰量で-150dB以下を達成しました。

これらにより、音源のもつ情報量をあますことなく引き出し、クラシック音楽の鑑賞で重要な「空間の響き」「スケール感」「静寂性」をより感じる音質性能を実現しています。
https://www.rohm.co.jp/products/audio-video/audio-converters/audio-dacs/bd34301ekv-product#productDetail


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京都発の高音質DACチップ、ローム「MUS-IC」とは何か。姉妹機の音にも注目
三浦 孝仁 2022年5月13日
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1405591.html

デジタルオーディオ再生における高音質の要は、いうまでもなくデジタル信号をアナログ信号に変換するD/Aコンバーターにある。半導体企業は持てる技術を全力投入してDACチップを開発しており、小型で低価格なモバイル用途のDACチップや、それとは対極的にコストを惜しまずに最高性能を目指した高級オーディオ機器用のDACチップを開発しているわけだ。

一方で、DACチップを使わずに独自プログラムのFPGAと固定抵抗器などを組み合わせるなどしたディスクリートDAC回路を開発するオーディオメーカーも存在する。


32bit DACのフラグシップ、MUS-IC「BD34301EKV」

ここで紹介するのは、京都に本拠地を置く世界的な半導体企業であるロームが開発した高級オーディオ機器向けのDACチップ。最高性能を実現している32bit DACのフラグシップであるMUS-IC「BD34301EKV」は、既にラックスマンのSACD/CDプレーヤー「D-10X」に採用されており市場での評価も高い。



ロームとは?

世界的に知られる半導体企業のローム株式会社は、今から68年前の1954年に京都に創業された東洋電具製作所がルーツ。最初は固定抵抗器(炭素被膜固定抵抗器=カーボン抵抗)を開発して販売しており、1958年に株式会社東洋電具製作所となった。

1967年にはトランジスターやダイオードを製造し、1969年にIC(インテグレーテッド・サーキット=集積回路)の分野にも進出。その2年後の1971年には日系企業として初めてアメリカのシリコンバレーにICの開発拠点を開設するなど、チャレンジ精神に溢れる日本の半導体企業として邁進してきた。黎明期~1979年までは「R.ohm」を、1979年~2008年まではブルーの「ROHM」を自社のブランドロゴにしていたという。

商号をローム株式会社に変更したのは1981年。抵抗器を示す「R」に抵抗値の「OHM」を組み合わせたブランドは既に世界的に知られる存在となっており、会社設立から50周年を記念した2009年には社名の「ROHM」と半導体を意味する「SEMICONDUCTOR」の文字を加え、ベンチャー精神を示す赤いブランドマークを導入して現在に至っている。


左上にあるのが「ROHM」のロゴ
ロームには「MUS-IC」と呼ぶ、特別な最高峰オーディオデバイスブランドがある。MUS-ICの正式名称は“ROHM Musical Device MUS-IC”であり、同社の企業風土である「品質第一」「音楽文化への貢献」「垂直統合型生産」に「音質設計技術」を合わせて開発されたICに対して、ロームの音質責任者が自信をもって送り出す最高峰のオーディオICにのみ使われるオーディオデバイスブランドだという。同社では「音楽のために生まれたローム・オーディオICの最高峰」としている。

MUS-ICは2018年に立ち上げており、AV Watchでもパレスホテルで開催された発表会について詳しく伝えている。

ローム、高音質オーディオ用DAC「MUS-IC(ミュージック)」を'19年夏出荷

MUS-ICブランドではこれまでに、電源ICの「BD37201NUX」とサウンドプロセッサICの「BD34704KS2」、「BD34705KS2」、「BD34602FS-M」、そしてD/Aコンバータの「BD34301EKV」がある。このBD34301EKVが、ラックスマンの最高峰SACD/CDプレーヤーであるD-10Xに採用されたDACチップだ。しかもD-10Xでは、ステレオDACのBD34301EKVをモノーラル動作でチャンネルあたり1基という贅沢な使い方をしている。


ラックスマンの最高峰SACD/CDプレーヤー、D-10X
ちなみに、サウンドプロセッサICとは、独自のマイクロステップボリュームを採用している音量調整用のボリュームICを示している。

高級DAC市場に挑戦するローム
今からちょうど4年前の2018年5月のことだ。独ミュンヘンを訪れていた私は、「HIGH END Munich 2018」という世界的に知られるオーディオショウと同じ時期に開催されていた「hifideluxe (ハイファイデラックス)」というオーディオショウに、日本のロームが出展していることを知った。

ハイファイデラックスは独ミュンヘンのホテルを使ったオーディオショウで、FMアコースティックスを始めとする高い志を持ったオーディオメーカーが出展している小規模なショウだった。ロームはホテルの1室で、現在開発中という最高峰のDACチップを披露して音を聴かせていたのだ。

ちょうど時代的にはESSテクノロジーと旭化成エレクトロニクス(AKM)が高級DACの市場を賑わせており、TI(バーブラウン)やADI(アナログデバイセズ)、シーラスロジックなどの大手はモバイル用途に目を向けていた頃だったと思う。そこに京都からロームが高級DACのマーケットに挑戦状を叩きつけてきたかっこうだった。

翌2019年も、ロームは同じように独ミュンヘンのハイファイデラックスに出展。その時は2018年バージョンよりも進化を遂げてきたDACチップを披露。ラックスマンのD-10Xに採用されることになるBD34301EKVの最終的というべきプロトタイプである。

新型コロナウィルスの騒動が勃発した2020年と昨年の2021年、オーディオショウは開催されなかったが、ロームの開発陣は研究開発を続け、DACチップを完成させた。そして、ラックスマンのD-10Xが、世界初のBD34301EKV搭載製品として2020年の秋に発表された。翌2021年の2月には、DACチップ単品の一般販売も開始されている。

そして2021年12月に、最高峰DAC、BD34301EKVの諸性能に肉迫しつつ、“より幅広いオーディオ機器に向けたDACチップ”として、BD34352EKVを発表した。ハイグレードなオーディオ機器をターゲットにした32bitのローム製DACチップは、これで2機種をラインナップすることになった。

興味深いのは、新製品のBD34352EKVはMUS-ICのラインナップではないこと。MUS-ICの称号はあくまでもロームのフラグシップ製品にのみ与えられるのだ。


BD34301EKVとBD34352EKVのターゲットゾーン
MUS-ICのBD34301EKVはPCMが32bit/768kHzサンプリングまで、DSDでは22.4MHzサンプリングのDSD512(22.4MHz)まで対応する電流出力の2チャンネル高性能DACチップである。S/N比は130dB、THD+Nは-115dBという、きわめて優秀なスペックを誇る。

内蔵するプリセットのデジタルフィルターは「シャープ・ロールオフ」と「スロー・ロールオフ」の2種類から選択できる。それとは別にユーザーがフィルター回路をプログラムできる領域があり、またフィルター回路をバイパスさせることも可能だ。

ΔΣモジュレーター回路を経てからの電流出力部は電源インピーダンスを極限まで低くした電流セグメント回路になっている。各チャンネルの電流セグメントに対するクロック遅延差を低減させた制御回路も特徴といえよう。

ロームのオーディオ用DACはいかにして生まれたのか
これらのDACは、どのようにして生まれたのか。開発を担当した音質責任者の佐藤陽亮氏(標準LSI事業部 標準LSI商品設計2課 オーディオ2G 技術主幹)と、技術主査の山本佳弘氏、さらに、D-10Xの開発に携わったラックスマンの長妻雅一取締役 開発部部長と、開発部 課長の田村通浩氏にも話を聞いた。場所はラックスマンの試聴室だ。


―― ロームは様々な種類の半導体を製造しているのは知っておりますが、これまでにオーディオ用DACは開発してきたのでしょうか。

佐藤氏(以下敬称略):だいぶ前のことですが、まだ16bitの時代にリリースしたものは主にゲーム機などに向けたものでした。今回MUS-ICのBD34301EKVは、オーディオ用に新規開発したもので、この時のDACチップとは別のものです。

―― ロームは京都発の世界的な半導体企業ですね。DACチップの製造拠点も本社がある京都周辺にあるのですか。

山本:いいえ、DACチップは静岡県浜松市にあるローム浜松株式会社が製造拠点です。

―― DACチップでいえばESSテクノロジーのようなファブレス企業ではなく、AKMと同じく製造体制を備えている「ファブあり企業」なのですね。ローム製オーディオICの最高峰であるMUS-ICは、製造現場がある強みを最大限に活かしている(筆者注:ローム浜松はIC=集積回路とLEDを生産している企業)。

ドイツのミュンヘンで、私は2年連続で試作DACチップの音を聴くチャンスがありました。必ずしも試聴条件が同じというわけではなかったですが、2018年に聴いた音と2019年の音質は明らかに進化を感じさせたと記憶しています。半導体企業が開発中の製品をアピールする場として、海外のオーディオショウを選んだということもユニークでした。

佐藤:まだ弊社がMUS-ICを発表する前でしたが、私たち開発陣は最高峰のオーディオ用として32bit精度のDACチップを設計していました。初期段階ではかなり苦労しましたけれども、音質面で「これなら」というレベルになってきたので、外部の方々からの意見を聞こうということでミュンヘンのハイファイデラックスに出展したわけです。


開発を担当した佐藤陽亮氏(標準LSI事業部 標準LSI商品設計2課 オーディオ2G 技術主幹)
―― オーディオ用途という音質が最重視されるICのデザインにおいて、佐藤さん達の設計陣はどのような苦労があったのでしょうか。資料では「回路設計から完成品までの垂直統合生産の各工程において、音質に影響する28のパラメーターを突き止め、ひとつひとつ調整して目指す音質を造りこんでいきます」とありました。


佐藤:その通りです。一例をあげますと、パッケージ工程では、ICチップとリードフレームを結ぶ、ボンディングワイヤーの構造や材質が音質にどのように影響するか突き詰めます。このような試みをMUS-ICのラインアップであるサウンドプロセッサ(ボリュームIC)を開発する際には、仮説を立てては検証することを繰り返し行ないました。

その開発で得られた様々な音質向上に関する取り組みがDACチップの開発でも大いに役立ちました。デザインを行なう横浜テクノロジーセンターの専用ルームで入念なリスニングを繰り返しながら完成させたのです。音質性能を高く評価していただいて、MUS-ICのサウンドプロセッサはあるオーディオメーカーのハイエンドAVアンプに採用されています。


ロームの横浜テクノロジーセンターにある試聴ルーム。DACチップも、ここで入念なリスニングを繰り返して完成した
―― 以前に同じような事柄を同業他社さんからも伺っておりますが、それは製造拠点という「ファブあり」企業ならではの大きな利点と言えますね。たとえばDACチップであれば製造から完成まで、どの程度の期間が必要になるのでしょうか。

山本:基本となる回路設計やレイアウト、フォトマスクの製造などの準備を別にして、実際の現場でのIC製造プロセスは通常3カ月ほど要します。


技術主査の山本佳弘氏
―― なるほど。音質改善に関するある程度の予測があるとしても、試作から完成にこぎつけるまでには相当な努力と時間が必要になるのですね。

「情報量の差は圧倒的」、ラックスマン「D-10X」に採用されるまで
―― では、ラックスマンの長妻さんと田村さんに訊ねてみましょう。ラックスマンはどういった経緯でロームのBD34301EKVを採用するに至ったのでしょうか。


BD34301EKVの評価ボードと、ラックスマンのD-10X
長妻:D-10Xがまだ開発の初期段階の時に、実は異なるメーカーの電流出力DACチップで回路デザインを進めていたんです。音質的には満足できるレベルにまで到達していない状態でしたが、その頃に、ロームさんから「ハイエンドDAC開発中なので聴いてもらえないか」というお話がありました。

田村:そこで、評価ボードにマウントされたBD34301EKVの音を聴きまして、「これはイケるんじゃないか!」となったんですね。

長妻:非常に素直な音だなと感じました。当時の段階でも32bitの諧調性の高さを実感でき、情報量についても圧倒的でした。


田村:それを機に急ピッチで新しい回路デザインに着手することになり、D-10Xでラックスマンが狙っていた音質が、現実味を増してきたわけです。また、ロームの横浜テクノロジーセンターとラックスマンが地理的に近かったということも(気軽にいろいろな相談ができるため)功を奏したかと思います。


ラックスマンの長妻雅一取締役 開発部部長
ラックスマン 開発部 課長の田村通浩氏

―― 私が初めてD-10Xの音をこのラックスマン試聴室で聴かせていただいた時は、まだDACチップがロームから正式発表される前だったと思います。それ以前にミュンヘンで試作品のDACチップが一般公開されていたわけですから、音質的には最終段階に達していたのではと思います。

長妻:当初D-10Xは2019年の12月に発売を予定しておりましたので、先生がお聴きになったのは2019年10月頃かと思われます。

―― CD再生とSACD再生(PCMとDSD)では多少の出力レベル差が生じていますが、D-10Xは音質上の判断からレベルを整えるための補正回路は搭載していませんね。私はそのほうが良いと判断しているのですが、これはBD34301EVKの仕様なのでしょうか。

佐藤:PCMとDSDでの音量差については、DACチップの仕様になります。

―― 過去にリリースされた某社の最高級SACD/CDプレーヤーもそうでした。それもDACチップの仕様だったので、CD再生で-6dB程度のデジタルアッテネーターを使って出力レベルを整えていたのですが、音質を比較するとアッテネーターを使わないほうが良い。ということで、市販する段階ではアッテネーターを使わなかったということがありました。

開発した佐藤さんに伺いますが、ミュンヘンで披露された2018年バージョンと2019年では、なにが大きく変わって音質が向上したのでしょうか。

佐藤:さきほど述べたような音質に影響するパラメーターのチューニングも当然ながらあるわけですが、オーバーサンプリングを行なうデジタルフィルターのタップ数や減衰量の変更が音質向上に大きく効いたと思っています。また、ICパッケージ内のチップにかかる応力が最小になるよう配慮されていて、内部は完全左右対称のチップレイアウトになっています。


―― 新製品「BD34352EKV」についても教えていただけますか。

佐藤:はい。ローム・オーディオICの最高峰としてMUS-ICのBD34301EKVを完成させたので、次はその下位バージョンであるDACチップの開発を進めようということになりました。それが、昨年末に発表したBD34352EKVです。下位バージョンといっても、音質と諸性能はMUS-ICに肉迫している32bit DACチップになります、


BD34352EKVの評価ボード
―― 両者を比べてみると全く同じパッケージサイズでピン数も同じように見えますね。性能差でいえばS/N比が130dB→126dB、THD+Nは-115dB→-112dBと、ほんの僅かに違うだけです。


MUS-IC BD34301EKV(写真)とBD34352EKVは完全ピン互換
佐藤:MUS-ICのBD34301EKVと異なるのは、最終段である電流出力のカレントセグメントです。ここを音源のもつエネルギーを力強く表現できるようにチューニングしました。コンセプトとしてBD34301EKVとは完全なピン互換を実現しています。

―― 違いはそれだけですか?市場での価格を比べると少し安いでしょうから、BD34352EKVはコストパフォーマンスが抜群に高いということになりますね。同じ32bitで、PCMが768kHz、DSDはDSD512(22.4MHz)まで対応しているのですよね。

佐藤:そうです。

―― それは凄いですね。そういえば、フラグシップのBD34301EKVも、新製品のBD34352EKVも電流出力タイプですね。つまり、DACチップを使う側は、それを電圧信号に変換する必要があるわけですが、電流出力を選んだ理由はなんですか?

佐藤:電流出力を選択したのは、オーディオ製品の音質を決めるエンジニアの設計の自由度が高いと判断しているからです。たとえばI/V(電流/電圧)変換回路での音質調整が可能ということは大きな要素かと思います。DACチップの設計においても出力電流を多くとることでS/N比の向上を図ることができます。


評価ボードと、完成したD-10Xを聴き比べてみる

ラックスマンの試聴室にはD-10Xに加え、BD34301EKVとBD34352EKVの評価ボードが用意されていた。自宅から試聴用のCDをいくつか持参したので、まずはD-10Xと、MUS-ICであるBD34301EKVの評価ボードの音を聴き比べてみた。

プリはラックスマンの「C-900u」、パワーは新製品の「M-10Xステレオパワーアンプ」。スピーカーシステムはベリリウム振動板の逆ドーム型ツイーターを搭載している仏フォーカルの高級機「Scala Utopia Evo」だ。


試聴に使った機器
最初に聴いたイーグルスのライヴからの「ホテル・カリフォルニア」は、倍音成分の豊かなギターの音色から始まり、低音域の豊かなパーカションに続いて聴衆の拍手や口笛など細やかな音の表現が大きな聴きどころだ。D-10Xはいくぶんシャープな音の描写を基調にして、微動だにしない安定した低音と音場空間の拡がりでスケール感の豊かさを披露した。

一方、ロームの評価ボードのほうはというと、音の描写についてはニュートラルと感じさせながらも遜色のない解像感で音が迫ってくる。D-10Xは外部のデジタルフィルター回路を使っており、しかも左右合計で2基を使うという贅沢ぶりなので、出てくる音の雰囲気は当然ながら異なる。加えて言えば電源規模や内容も違うのだ。

いつも聴いている手嶌葵「コレクション・ブルー」からの「月のぬくもり」は、D-10Xのほうがグランドピアノの筐体の響きが明瞭に感じられる。彼女の声色はキリッとした明瞭さが得られているけれども、ロームの評価ボードも艶やかな色調で好ましいと思った。この評価ボードが左右独立のDACチップになっていたとしたら、音の品格的なところは拮抗しているかも知れない。

ドイツグラモフォンの名録音を集めたステレオサウンドのCDでは、オペラで歌う男女の張りのある歌声と声量の豊かさで、やはりオーディオ機器として完成しているD-10Xに軍配があがる。評価ボードの音も決して劣っているというわけではないのだが、確固たるラックスマンの音を造りこんだエンジニアの手腕にはかなわないというところか。

しかしながら、この評価ボードはたとえばDigi-KeyやMouserあたりから個人でも購入できるようなので、私はちょっと欲しくなってしまった。実際にはロームが用意しているようなアルミニウム切削の高剛性ハウジングとデジタル回路系とアナログ回路系に分離した2台の安定化電源という豪華な装備は用意できっこないから、ここで聴いている音がそのまま自宅で得られるわけではないだろうけど。

MUS-ICのBD34301EKVと、新製品のBD34352EKVも聴き比べてみたが、正直なところ私は明確な音質差を見出すことができなかった。それぞれの評価ボードに乗っている状態での聴き比べだったが、確かにMUS-ICのほうがダイナミック感や音のこなれ具合で上回っているし音質も洗練されているような“気がする”。しかしながら、評価ボードにマウントされている外付けのDIRチップ(デジタル・オーディオ・インターフェース・レシーバー)が異なるようだし、両者の電流出力値は微妙に違うようなので出力値を揃えるためにディスクリートI/V変換回路の定数が同じでなかったりする。

逆にいうならば、新製品のBD34352EKVは、MUS-ICのBD34301EKVに、音質的にかなり迫っているということだ。これは大いに期待できるだろう。海外ブランドを含めた高性能DAC市場に切り込んでいく力量はかなり大きいぞというのが私が得た音の感触である。

さて、話を締め括ることにしよう。ロームの資料を読んでいると、音楽との関りが非常に深い企業である事がわかる。例えば、MUS-ICのWebサイトで表示されているのは、京都市左京区にある「ロームシアター京都」の写真だ。

MUS-ICのWebサイトに登場する「ロームシアター京都」
創業者の佐藤研一郎氏(1931-2020)は、学生時代にピアニストを目指していたというほどクラシック音楽に愛情を抱いていたそうで、若手音楽家の育成など、音楽文化支援を行なう目的で公益財団法人「ローム ミュージック ファンデーション」も設立。奨学援助においては、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の第1コンサートマスターとして活躍する世界的ヴァイオリン奏者である樫本大進氏をはじめ、500名以上の若手音楽家を支援している。

MUS-ICのBD34301EKVは、「Sound=空間の響き」「Quietness=静寂性」「Scale=スケール感」という、クラシック音楽の鑑賞で重要な3要素を表現することに重きを置いて開発したそうだ。ロームで開催・支援しているコンサートなどで本物の音を聴き、当日の録音音源を活用した聴こえ方の研究も行なっているということで、そのような音楽と向きあう真摯な姿勢こそが、音質に優れた高性能DACチップを誕生させているのだと納得した次第だ。
https://av.watch.impress.co.jp/docs/topic/special/1405591.html


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「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオ冬の陣「ハプニング」
2023年12月25日

何と、注文していた「SMSL」のDAコンバーター(以下「DAC」)がいきなり届いたのである。

「アマゾン」の特別セール期間(全商品15%引き)の最終日「12月1日」付で注文していたDACがようやく3週間後に・・。

つい先日のメールでは「2024年1月28日到着予定」とあったので、すっかりその気でいたのだが、いったいどうなっていることやら~。

いずれにしても、早くなったのはいいことには違いない。

それからは「AXIOM80」の試聴なんか吹っ飛ぶ思いで、デジタル・ケーブル(光とRCA)などの接続におおわらわ。

既存の2台の「DAC」も外して、残したのは「エルガー プラス」(英国:dCS)だけとなった。エージングも兼ねて向こう半年ばかりは専用として使い込んでやろうという魂胆である。

で、この「DAC」の購入の決め手だが、まず何よりも実際に聴いてみて気に入ったことが第一で、Yさん曰く「旭化成のチップ4499もたしかにいいのですが、少しデジタルっぽいところがあります。その点、このDACに使ってあるローム(国産)のチップは癖が無くてヴォーカルや弦楽器が自然です」。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/58563835ea6fe610f4ea7e377f560735


2023オーディオ「最終戦」
2023年12月31日
☆ DAコンバーターの新調

「レコードがいちばん音がいい」という説にまったく異論はないが、それはフォノイコ・アンプからモーター、トーンアーム、カートリッジ、さらにはレコードの盤質などが完璧に揃ったときの話だと思っている。

それには膨大な手間と莫大なお金がかかるので、その分、ほかのSPやDAC、真空管アンプなどに回した方がいい、いやけっして負け惜しみではなく、実際に他家でレコードを聴かせてもらっても優位性はいっさい感じない・・。

こういう観点から「レコ―ドには手を出さない」を堅持している。

で、もっぱら目を向けているのが「デジタル信号」を「アナログ信号」に変換する機器で、「Digital to Analog Converter」の頭文字を取って「DAC」。

現在、3台持っているがその効果は「プリアンプ」並みで、ゆめゆめおろそかにできない機器である。その中でもエースとして活躍しているのが「エルガー プラス」(英国:dCS)である。

潜水艦のソナー探知をデジタル解析していたメーカーがオーディオ業界へ進出したというわけで、もう20年以上も前の製品だが当時の販売価格は「250万円」前後で今の貨幣価値からしてもたいへんな高額商品である。

もちろんビンボー人には手も足も出ないので、中古品を10年前くらいにようやく手に入れた。

いくらデジタル業界は日進月歩といっても、さすがに「腐っても鯛」で、「豊かな音質」という点では群を抜いており、アナログっぽい音質でもある。

しかし、微細な「表現力」や「切れ味」となると、少し落ちるかなあ・・。

そのあたりを、最新のDACで補っているわけだが、評判のいい「ローム」(国産)のチップを使っている機器を仲間が購入し、実際に我が家で試聴したところ「GOOD」だったので飛びついた。

到着してから10日ほど経つが、期待を裏切らない性能で「外れ」なくて良かった(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f1085b0e6780b4641bc4a5d6141626a3


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最新の外部 USB-DAC のお薦め製品

S.M.S.L D2R D/Aコンバーター _ ROHM フラッグシップ DAC 「BD34301EKV」搭載
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16833800


参考 DAC

Gustard R26 _ ディスクリートR2RデスクトップDAC
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14080112

GUSTARD DAC-A26 _ 旭化成 AK4191+AK4499EX搭載のDAC
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14064243

DACチップはESSか旭化成か?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14028830



外部 USB-DACを使って youtube の音楽を聴く方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14071646

パソコンとDAコンバーターの間にDDコンバーターと外部クロックを入れた方がいいか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14029056

50万円の同軸デジタルケーブルより 3400円のべルデン1506Aの方が上であった!
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073666

USB-DAC をパソコンと繋ぐにはどんな USBケーブルを使えばいいのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074375



逢瀬 _ Innocent Key 最新 DAコンバーターのレビュー
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073790

逢瀬 - AUSE AUDIO EQUIPMENT
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1649615852/l50

中の人公認 逢瀬のスレ

公式HP
http://ause-audio.com

公式ブログ
http://ause-audio.com/?page_id=51

中の人のブログ
http://innocent-key.com/wordpress/

中の人のツイッター
https://twitter.com/yohine_ik


10:777 :

2024/01/05 (Fri) 18:08:08

0685名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 5f55-eApT)
2023/12/01(金) 10:22:10.27ID:5XNS+/js0

SMSLのチップ別フラッグシップ一覧まとめ

1 ES9039MS_PRO →VMV D1SE2(リニア電源)
 キレッキレ・透明感・キラキラ輝く綺麗な音

2 BD34301EKV →VMV D2R(リニア電源)
 艶っ艶・妖艶・上質なアナログ音・高級な音

3 AK4499EX →D400EX(激安スイッチング電源・・) 
 上記2つの中間な音・万能・次世代の音
D400EXよりD400PROの方が音質が上(中低域に厚み)とのレビューもちらほら

4 PCM1704U-J →VMV D3(リニア電源) 
 レビューが少なく特徴など不明だが価格的に別格級(337450円)

やはり今から買うならリニヤ電源の上二つ?
AK4499は近々VMV D2Aとして発売される事が予想される為、急いでいないならそれ待ちがベストか?



0812名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 1e91-WD8q)
2023/12/03(日) 09:16:12.33ID:aycZSUxD0

何故皆、中華でAK4499EXを選ぶんだろう?

逢瀬も言っているけど
AK4499EXは、ジッタークリーナーを自製するレベルの技術力を持つAITが
何回も基板設計をやり直さないとESSと互角の特性が出せないほど設計が難しい
https://aitlabodotnet.wordpress.com/page/2/

しかしASRのSINADを見る限り、中華のAK4499EXは
まだそこまで改善できていないと思う

ロームのDACチップに関しても、明らかに大手2社に比べて性能が劣っている

ES9039MSPRO SN比:132dB、THD+N:-122dB
AK4499EX   SN比:132dB、THD+N:-122dB
BD34301EKV  SN比:126dB、THD+N:-112dB


ES9038は高域の癖が気になると逢瀬は書いてるけど
特性は変わらないけど、そもそも聴感上の気になるデジタルノイズを減らしたのが
ES9039なので、それを選ぶのが一番無難に思う

更に言うとSMSLなら、トランス電源で更にデジタルノイズを減らしたD1SE2一択と思う


0814名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 353c-S4Ux)
2023/12/03(日) 09:24:34.58ID:OLcp9uXx0
>>812
ESSは音が人工的で好みじゃない


0817名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 0abe-fNgi)
2023/12/03(日) 10:18:20.49ID:aeGhl0wZ0

D1SEのキラキラクリアー的なレビュー見て
あぁ、またかと思った
そういうのもう今までので食傷気味
ESSのDACて似たりよったりなんだよな


0931名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 5e23-Y/VL)
2023/12/04(月) 21:42:45.36ID:ryiGFdz00

いやなんでそんなに優劣付けたがるのさ
このクラスになれば全部良いのが大前提だって
どれも何を聴いても満足出来るレベルにあるDACだよ

その上で柔らかいアナログっぽいのが好きならD2Rで

キレッキレでキラキラした美しい音が好きならESS、D1SE2やD400ESが向いてて

そこまでとんがって個性的な音が必要無くて純粋に音のグレードアップを求めてる人はAK 4499EX使ってるD400EXが

って事でしょ好きなの買いなよ
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1697379550/
11:777 :

2024/01/05 (Fri) 19:06:35

0867名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ c236-P+vm)
2024/01/05(金) 17:39:07.52ID:ox4xjp6o0

D2RというかロームDACがボーカルや弦楽器で魅力的な音を奏でるのは確かに分かる

ただ原音に忠実かという点では疑問が残る。原音忠実が正しいのかという点はとりあえず置いといてどんな音源でもローム色に染めてしまう。それはいい意味でも悪い意味でもそう

あとフルオケは無理だしローム色が皆気に入るわけでもない。自分は好きな音だがフルオケがダメな時点で手放した
オーディオは好みの世界だから結局自分で判断するしかない。合う人には合うし合わない人には合わない。どちらが優れてるかなんて議論は全く意味がない


0870名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ 6dd3-qRLb)
>>867
原音に忠実なDACなんて世の中に存在しない。
D2Rが自分に合わなかっただけだろ


0871名無しさん@お腹いっぱい。
2024/01/05(金) 18:09:47.22ID:m+Q44iyx0
D2Rが全てのソースに合うとは言わないけど
再生環境にもよるが結構幅広くいける方だと思うよ。


0872名無しさん@お腹いっぱい。
2024/01/05(金) 18:15:02.60ID:ox4xjp6o0
>>870
そもそもライブかスタジオで聴かないと原音なんて分かる訳ないしね
環境と聴く曲によって変わるけど一応DACとしての感想を書いてみた。ちなみにフルオケいける?


2024/01/05(金) 18:48:47.93ID:ZTjtmSpN0
>>0867
要するに

R26 はポピュラー音楽向け
D2R はクラシック向け

という事ですね。



0874名無しさん@お腹いっぱい。
2024/01/05(金) 18:52:32.23ID:ZTjtmSpN0
クラシックファンというのは結局、弦楽器の蠱惑的・陶酔的な音を聴きたいだけなのですね。
オーケストラと言っても弦楽が艶やかな音で入っていればそれだけで満足なのです。



2024/01/05(金) 18:58:21.57ID:ZTjtmSpN0
クラシックファンはオーディオの分解能とか周波数特性、音場感、定位には全く関心が無い

フルトヴェングラー  ディオニュソスの加速と減速

では「音は悪くてかまわない」と、小見出しがあって次のような記述があった。(137頁)

「1970年代以降、マーラーの人気を押し上げた要因の一つは音響機器の発展があずかって大きいが、フルトヴェングラーに限っては解像度の低い音、つまり『音がだんごになって』聴こえることが重要だ。


フルトヴェングラーの求めていたサウンドは、解析可能な音ではなくて分離不能な有機的な音、いわばオーケストラのすべての楽器が溶け合って、一つの音の塊りとなって聴こえる、いわばドイツの森のような鬱蒼としたサウンドだ。したがって彼にはSP時代の音質が合っている。」

オーディオ的にみて実に興味のある話で、そういえば明晰な音を出すのが特徴の我が家の「AXIOM80」ではフルトヴェングラーをまったく聴く気にならないのもそういうところに原因があるのかもしれない。

通常「いい音」とされているのは、端的に言えば「分解能があって奥行き感のある音」が通り相場だが、指揮者や演奏家によっては、そういう音が必ずしもベストとは限らないわけで、そういう意味ではその昔、中低音域の「ぼやけた音」が不満で遠ざけたタンノイだが、逆に捨てがたい味があったのかもしれないと思った。
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1701691433/l50



0777名無しさん@お腹いっぱい。 (ワッチョイ edd0-Y/VL)
2023/12/02(土) 14:48:26.01ID:Gs9mnZ5q0

まずD300を買いなされ
それに10万追加して買う程のコスパはD2Rには無いよ
普通は
コスパ無視してでもD300のアップグレード版を手に入れたい人だけがD2Rを買えばいい 割とマジで
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1697379550/
12:777 :

2024/01/07 (Sun) 11:12:23

0893名無しさん@お腹いっぱい。
2024/01/07(日) 07:53:31.69ID:PaXSKP8+0

そういえばD1SE2の完全上位(9039proもトランスもデュアル)が出たよな?
ESS推しの人はそれ買った方が良いと思う


0894名無しさん@お腹いっぱい。
2024/01/07(日) 08:08:28.94ID:PaXSKP8+0

たしか、旭化成とESSとは違い、ロームだけはリファレンスボードそのまんまでもソコソコ良い音出せるんじゃなかったか?
要するに、技術力やノウハウの無いsmslでも、ロームチップだけはリファレンスボードをパクるだけで簡単にソコソコの音作りが出来ると

とはいえ、↑これが事実ならばsmslのdacを買うならロームチップが無難って事になってしまう。
現実は旭化成推しの人が多い気がする
https://lavender.5ch.net/test/read.cgi/pav/1701691433/l50
13:777 :

2024/01/08 (Mon) 10:15:09

おおおpp

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