777投稿集 4369711


河添恵子「“悪魔”が支配する壊れた世界~イーロン・マスクのDNA」

1:777 :

2023/01/16 (Mon) 07:27:10

【LIVE】1/13(金)20:00〜「“悪魔”が支配する壊れた世界~イーロン・マスクのDNA」ーノンフィクション作家 河添恵子
https://www.youtube.com/watch?v=2br2Uje4-Qo4


調査報道 河添恵子TV / 公式チャンネル - YouTube
https://www.youtube.com/@user-rt9lm1db9d/videos

河添恵子 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%B2%B3%E6%B7%BB%E6%81%B5%E5%AD%90


未来ネット / 旧林原チャンネル 河添恵子 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E6%9C%AA%E6%9D%A5%E3%83%8D%E3%83%83%E3%83%88+%2F+%E6%97%A7%E6%9E%97%E5%8E%9F%E3%83%81%E3%83%A3%E3%83%B3%E3%83%8D%E3%83%AB++%E6%B2%B3%E6%B7%BB%E6%81%B5%E5%AD%90+


▲△▽▼


河添恵子 中国共産党の真実
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/425.html

河添恵子 中国臓器狩りの真実 人道を超えた臓器売買&移植手術の実態
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/199.html

河添恵子 : 習政権が必死に隠している武漢コロナ・ウイルスの発生源
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/602.html



2:777 :

2025/01/21 (Tue) 08:18:55

2025年01月21日
トランプ政権の命運を左右するイーロン・マスク
https://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68983439.html

特異能力を持つ孤独な少年

Elon Musk 773Trump 702


  第二次トランプ政権の発足により、「テスラ(Tesla)」のCEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)が、新たに設置される「DOGE(Department of Government Efficiency / 政府効率化省)」の統括者になるそうだ。彼は役所に蔓延(はびこ)る様々な“しがらみ”を精査し、約2兆ドルもの“無駄金”を削減するらしい。連邦政府は今年だけでも7兆5千億ドルを使うつもりだから、そのうちの25%くらいを節約しようという訳だ。マスクと相棒のヴィヴェク・ラマスワミ(Vivek Ramaswamy)、そして親分のドナルド・トランプも民間企業の経営者なので、“どんぶり勘定”の無駄遣いを抉り出し、少しでも借金の利払いを減らすつもりなんだろう。

  もちろん、社会福祉や医療、公衆衛生、食品、教育、国防などに携わる役人達は大反対。前代未聞の予算削減や職員の大量解雇なんて、もってのほか。ところが、合理的精神の権化たるイーロン・マスクは魔王の如く効率化の斧を振るい出す。彼は公務員の猛烈な反対を押し切り、冷酷な顔で次々と大鉈を振るうに違いない。そもそも、マスクは宇宙開発事業や電気自動車の製造を現場で体験することが好きで、技術者達と一緒に考えるタイプだ。ビジネス・スクールやロー・スクールを出た連中は、輝かしい経歴や親方日の丸の地位をひけらかすが、ロケット屋の経営者は高級官僚なんかには怯まない。むしろ、彼らに向かって辛辣な言葉を投げかけ、堂々と論破するはずだ。

  アメリカ人のビジネスマンは非常にドライで、義理人情では動かない。平成の初め、山一証券の破綻を宣言した野澤正平(のざわ・しょうへい)社長は、如何にも日本人が好む浪花節の人物だ。涙を流して社員を庇う映像は今でも庶民の記憶に残っている。一方、リーマン・ブラザーズのCEOだったリチャード・フルド(Richard S. Fuld, Jr.)やゴールドマン・サックスのCEOと会長を務めたロイド・ブランクファイン(Lloyd Blankfein)は、会社が経営不振となり、倒産の憂き目に遭っても平気な連中だ。他人事のように破綻を語り、政府による資金注入を求めるような厚顔無恥ときている。こうした責任逃れをする冷血漢は、ちゃっかりと「黄金のパラシュート(法外な役員報酬や退職金)」を摑んで逃亡を謀ろうとする。ホント、銭ゲバのユダヤ人は根性が汚い。

Richard Fuldo 3234Lloyd Blankfein 1Nozawa 001
(左 : リチャード・フルド / 中央 : ロイド・ブランクファイン / 右 : 野澤正平)

  ここでは関係無いけど、筆者は野澤社長が記者会見に現れた時、「なんで事務員のオジさんが出てくるんだ?」と怪訝に思ったことがある。有名企業の社長なら、もっと威厳のある人が就任するはず、と考えていたからだ。まさか、漫画の『美味しんぼ』に出てくる富井副部長みたいな中間管理職が出てくるとは予想していなかった。まぁ、俳優の山村聰(やまむら・そう)や佐分利信(さぶり・しん)みたいな人物じゃなくても、せめて東急グループの総裁だった五島慶太(ごとう・けいた)や東芝の社長で臨調の座長になった土光敏夫(どこう・としお)みたいな重鎮でなきゃ迫力が出ない。

  話を戻す。イーロン・マスクの本心や真の狙いは不明だが、彼の過去を知れば理解の糸口が見えてくる。イーロンが優秀な起業家で、思考能力が非常に高いことは周知の事実だ。彼は幼少期の頃から頭が良く、たぶん「アスペルガー症候群」の子供であったからだろうが、勉強となれば同級生の群れから飛び抜けている。ただ、コミュニケーション能力に欠けていたから“人付き合い”に関しては劣等生だ。南アフリカ時代の友人であったアントニオ・グラシアス(Antonio Gracias)の話によれば、イーロンは学校でイジメを受けていたそうである。(Walter Isaacson, Elon Musk, New York : Simokn & Schuster, 2023, p.19.) 何しろ、人が口にした言葉を“文字通り”受け取ってしまうので、他人の気分を害することが少なくなかったし、誤解されることも多かった。イーロンの父親エロル・マスク(Errol Musk)は、息子を公立の高校に通わせていたが、息子がイジメを受けていたので、私立の学校に転校させたという。(上掲書、p.26.)

  アスペルガー症候群の特徴は、興味を抱いたものに対する異常なまでの執着性だ。こうした人々は規則性や秩序に対して人一倍の“こだわり”を示す。彼らはコミュニケーション能力で劣っていても、並外れた集中力を持つ。その上、記憶力も抜群であるから、数学や理科の授業では天才的な“閃き”を披露することもあるそうだ。幼い時、イーロンは親に連れられ、友人や親戚の家を尋ねたことがある。そうした時、彼は訪問先の相手と会話を楽しむことはなく、書斎を見つけては本を読んでいたそうだ。また、父親が持っていた百科事典を読破していたので、イーロンは博学の少年でもあった。例えば、周りにいる普通の子供が「月はね、地球から何百万マイルも離れているんだよ!」と言えば、イーロンはそれに頷かず、「23万9千マイルだよ!」と明確な数字を述べて応えたそうだ。(上掲書、p.27.)

  イーロンが特殊な子供であったことは間違いないだろう。彼は学校での成績が良かったが、それは科目によりけりで、物理学といった理科や数学、そして外国語の英語なら得意だった。しかし、共同作業とか国語の科目になると熱意が湧かなかったようで、「A」じゃなく「B」の評価を受けていた。読書家で理解能力も優れているのに、自国語である「アフリカーンス語(Afrikaans / オランダ語から派生したボーア人の混成ゲルマン語)」の成績が悪かったというのは、おそらく興味が湧かなかったんだろう。確かに、コンピューターの操作やエンジニアリングの勉強で、オランダ語やザクセン語の習得は必要ないから。優秀だったイーロンは、学生時代にウォール街からインターンの仕事を勧められたが、金融業界には興味を示さなかった。「銀行家や弁護士は社会に貢献しないから」というのが敬遠の理由であったが、たぶん、ビジネスの授業で知り合った連中を嫌っていたから、金融業界に入りたくなかったんだろう。(上掲書、p.55)それよりも、最先端の科学技術を模索するシリコン・ヴァレーの方に惹かれたようだ。ロケットの開発や火星への移住を夢見ていた青年だから、製造業やベンチャー・キャピタリストの方に目を向けたのかも知れない。

Leonald Da Vinci 0011(左 / レオナルド・ダ・ヴィンチ)
  幼少期から青年時代にかけてのイーロンで注目すべき点は、やりかけた事を完成させないまま放置してしまう癖を持っていたことだ。(上掲書、p.26) これは「万能の天才」と呼ばれたレオナルド・ダ・ヴィンチも同じで、「異能者」は無責任というより、幾つもの興味を同時に抱えてしまうので、順番に仕事をこなすことが出来ない。「美の巨匠」たるレオナルドは、ある時まで熱心に油絵を描いていたのに、突如、彫刻とか建築といった別の事柄に興味が湧いてしまうのだ。絵を注文した依頼主は、納期の延滞に原を立てるが、天才には我慢するしかない。

 たぶん、ダ・ヴィンチにはADHD(Attention Deficit Hyperactivity Disorder / 注意欠如の多動性障碍)の症状があったのだろう。(Jason Daley, 'New Study Suggests Leonardo da Vinci Had A.D.H.D.', Smithsonian Magazine, June 5, 2019)神経科学の専門家もレオナルドの行動を調べた結果、ADHDの兆候があった可能性を認めている。(Marco Catani and Paolo Mazzarello, 'Grey Matter Leonardo da Vinci: a genius driven to distraction', Brain, Volume 142, Issue 6, June 2019 )多方面で才能を有し、創造性に富んだ天才でも、結構、悩みを持っていたんだから、凡人に生まれてもそう嘆く必要はない。伝記作家のエミリー・ディキンソン(Emily Dickinson)によれば、レオナルドは夜遅くまで思考に耽ることがあったというが、イーロンも子供の頃から“夜型”であったという。神童や巨匠は別の精神世界に住んでいるから変人が多い。サヴァン症候群の人だと、驚異的な記憶力とか計算能力を持っているし、目にした風景や建物を正確に描くことが出来る。でも、他人との交流が下手で、まともな会話が出来ない。

  知能が高い子供は、大人から称賛されるが、同世代の子供から妬まれ、爪弾きにされることがある。イーロンの同級生も彼を嫌っていたようだ。おそらく、クラスの仲間は「何だ、こいつ! 癪(しゃく)にさわる奴だ!」と言ってイジメていたのだろう。実際、少年時代のイーロンは孤独で、友達が少なかったそうだ。(ただし、イーロン本人は孤独な人生を望んでおらず、友達との交流を欲していた。) 弟のキンボル(Kimbal James)や妹のトスカ(Tosca Jane)は、学校の友達を自宅に連れてくるのに、兄のイーロンが級友を連れてくることは無かったという。(上掲書、p.17) 同級生と比べてIQが高い秀才からすれば、彼らの言動は幼く思えるし、話題を振っても乗ってこないから、感情的にソリが合わなくなる。「馬鹿な奴(stupid)」というのが、イーロンの口癖であったから、同世代の子供とは親しくなれなかったのかも知れない。

Elon Musk 8323Robert Heinlein 11Isaac Isimov 001
(左 : イーロン・マスクと家族 / 中央 : ロバート・ハインライン / 右 : アイザック・アジモフ)

  イーロン・マスクが「スペースX(Space Exploration Technologies Co)」を設立し、「ドラゴン」という宇宙船や「スターリンク」という衛生を開発したのは、少年時代の夢が基礎になっている。幼い頃にイーロンは、SF作家のロバート・ハインライン(Robert A. Heinlein)が出版した『月は無慈悲な夜の女王(The Moon Is a Harsh Mistres)』を愛読していたし、有名な科学者であるアイザック・アジモフ(Isaac Asimov)のSF小説『ロボットと帝國(Robot and Empire)』も夢中になって読んでいた。(上掲書、p.31.) 彼の両親が比較的自由に育てていたので、イーロン少年は好きな事が出来たようだ。どの程度のものか判らないが、ロケットや爆発物の実験を行っていたというから凄い。(上掲書、p.16)

  イーロンがTVゲームやSF映画を好むことはよく知られており、自分の会社を「スペースX」と名付けたり、買収したツィッター社を「X」と改名したのは、人気コミックを映画化した『X-Men』が元になっている。しかも、この映画は息子の名前にも影響し、イーロンは最初の妻ジャスティン・ウィルソン(Justine Wilson)との間にもうけた「息子」を「ザヴィエル(Xavier)」と名付けている。これはミュータントの学校を開いた「チャールズ・ザヴィエル教授(Professor Charles Xavier)」に因んだ名前だ。

Xavier Musk to Vivian Jenna Wilson(左 / ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン )
   しかし、2004年に生まれた息子の「ザヴィエル(Xavier Alexander Musk)」は、いつの間にか「LGBTQ」や「WOKE」の風潮に感化されてしまう。だが、もっと悪いことに、彼はイーロンの承諾を得ずに性転換手術を受けてしまった。仕事で忙しかったイーロンは、家を留守にすることが多かったので、ザヴィエルとの関係は疎遠であったらしい。とにかく、かつて「ザヴィエル」と呼ばれた少年は、“女性”に生まれ変わり、今では堂々と「ヴィヴィアン・ジェナ・ウィルソン(Vivian Jenna Wilson)」と名乗っている。

  この性転換と離別はイーロンにとって、心臓が潰れるほどの衝撃となった。インタヴューを受けたイーロンは、深刻な表情で「私は本当に息子を失った(I lost my son, essentially.)」と語り、「ザヴィエルは"woke"という精神的ウィルスによって殺され、死んでしまったのだ(dead, killed by the woke mind virus)」と嘆いていた。深い悲しみに包まれたイーロンは、この「ウォーク」という精神的ウィルスを根絶してやる、と誓ったそうだ。(David Ingram, 'Elon Musk's transgender daughter, in first interview, says he berated her for being queer as a child', NBC News, July 26, 2024)

  金融業者やハイテク企業の経営者には、赤く染まったリベラル思想の持ち主が多い。一見すると、イーロンもリムジン・リベラルや民衆党贔屓のビジネスマンに思えてしまうが、息子の件もあったので、LGBTQを推進する左翼思想に嫌悪感を抱いる。他の高級ビジネスマンにも当てはまるが、自分の私生活に実質的な被害が及ぶと、綺麗事を並べる金持ちでもでも“保守派”や“右翼”に鞍替えするようだ。移民や難民に優しい慈善家も同じで、自分の娘が強姦されたり、跡取り息子が殺されたりすると、急に“反エイリアン”の活動家になったりする。

  ちなみに、例の「ワクチン」接種で実兄を亡くした山路徹は、mRNAワクチンの奨励に反対する“懐疑派”となった。“なんちゃってリベラル”のジャーナリストでも、身内に不幸があると、マスコミに刃向かう“異端者”になるんだから、日本人は具体的な体験でしか目覚めない。「死刑反対」派の弁護士も、女房や子供が殺されれば、「死刑賛成」の急先鋒になったりする。

Lala Logan 11(左 / ララ・ローガン)
  南アフリカ出身のCBSリポーターであったララ・ローガン(Lala Logan)も、左翼から保守派に転向したジャーナリストだ。2011年2月、彼女はカラー革命を取材すべくエジプトへ向かったが、政治変革を求める群衆の中に入った時、現地人から性的暴行を受け泣き崩れてしまった。事件後、CBSを退社したローガは、主流メディアの偏向報道を批判する“保守派”コメンテーターになっていた。彼女は「右翼メディア」と評される「Sinclair Broadcast Group」に所属し、Fox TVでも活躍するようになったから、昔の仲間からすれば「裏切者」だ。しかも、彼女は反トランプのメディアを批判する論客になっていたから、昔の仲間とは絶交状態だろう。

大富豪が支配するアメリカ

  脱線したので話を戻す。イーロン・マスクに対する評価は“人それぞれ”だが、現状を考慮すれば、トランプ側に附いたイーロンは“マシ”な方の大富豪になる。そもそも、アメリカ合衆国は後戻りできないくらいの“盗賊政治(Kleptocracy)”国家になっている。「草の根デモクラシー」を信じている人には気の毒だが、現実なので仕方がない。この「クレプトクラシー」というのは、国家(国民)の財産や資源を有力者が簒奪する政治形態を意味する。つまり、大富豪や権力者が国の制度や法律、メディアを使って輿論を支配し、合法的な公金横領で私腹を肥やす、という訳だ。アメリカでは明治の頃、既に「泥棒男爵(robber-baron)」という言葉が使われており、ロックフェラー家やカーネギー家、アスター家などが非難の的になっていた。(Charles F. Dole, The Ethics of Speculation, The Atlantic Monthly, Vol. 100, No.6, December 1907, p.817.)

  財力によるヒエラルキー社会となったアメリカでは、人口の1%にも満たない富裕層が国家の富を独占し、軍隊や官庁、そして飼い犬となった政治家を動かしている。戦略家とか地政学者と呼ばれる知識人は、共産主義を掲げる支那を「敵国」と見なしているが、ロックフェラー家やロスチャイルド家は、銭儲けが出来る巨大市場と考えているし、ファイザーやアンソニー・ファウチのような悪党は、支那を便利な実験場と思っている。いずれにせよ、歐米諸国のグローバリストは、中流階級の一般国民を顧みない。人件費が高騰すれば、「人手不足」を口実にして“安い家畜”を外国から輸入し、賃金を抑制して利益を増やす。白人労働者は要求ばかりが強く、ヒスパニックやアジア人のように長時間労働に従わないし、容易に首を切ることができないから厄介だ。それなら、安くて従順な移民の方がいい。

Leland Stanford 1(左 / リーランド・スタンフォード)
  昔からアメリカ人の企業経営者は、便利な外国人労働者を使っていた。例えば、「Central Pacofoc Railroad」の経営者であった鉄道王のリーランド・スタンフォード(Amasa Leland Stanford)は、鉄道人夫の不足を補うために支那人の苦力(coolie)を雇うことにした。スタンフォードが輸入したクーリーは約1万人ほどで、危険な箇所での敷設作業に使ったそうだ。有色人種で下層階級の労働者であったから、作業中に支那人が死んでもお構いなし。支那人の方も主人からの酷使や搾取には慣れっこだから、賃金さえ貰えば満足だ。

  でも、クーリーがやって来ると、支那大陸の悪習も一緒に附いてくる。日本人が進出した満洲でも、あるいは新天地の米国でも、支那人は阿片を吸って疲れを癒やしていた。一方、鉄道で儲けたスタンフォードは、後に連邦上院議員やカルフォルニア州の知事になっている。そして、ジェーン夫人と共にスタンフォード大学を創設し、有名人を輩出する名門校となっている。「PayPal」の創業者であるピーター・ティール(Peter Andreas Thiel)も同校の卒業生だが、ここで博士号を取った鳩山由紀夫は日本に利益をもたらさなかった。オペレーション・リサーチを学んだはずのお坊ちゃまは、自分の「適性」が判らなかったんだから、まともな日本人なら唖然としてしまうだろう。ホント、漫才のネタにもならない話だが、こんな人物が日本の総理大臣になっていたのだ。

  話を戻す。第一次トランプ政権に仕えたスティーヴ・バノン(Steve Banon)が、イーロンを「truely evil guy」と呼んで非難していた。だが、それはイーロンやピーター・ティール、「クラフト・ヴェンチャー(Craft Venture)」のデイヴィッド・サックス(David Oliver Sacks)といった“ハイテク・リバタリアン”が、米国企業に外人労働者の雇用を認める「H-1ビザ」に賛同していたからだ。(Michael Luciano, 'Steve Bannon Goes Nuclear on ‘Truly Evil’ and ‘Racist’ Elon Musk, Pledges ‘To Take This Guy Down’, Media ITE, January 12th, 2025.)「H-1ビザ」は何らかの技術を有する外国人の入国を許していたから、「高度な技術」を持つインド人や支那人は、自然と米国企業に集まってくる。シリコン・ヴァレーで働くエンジニアの76%は、「非アメリカ国民」というから驚きだ。それゆえ、H-1ビザに賛成するイーロン達は、アメリカの復活や労働者の待遇改善、中産階級の復活を目指すMAGA運動の支援者にとっては赦しがたい裏切者となる。

Steve Bannon 1213Elon Musk 72313Peter Thiel 11David Sachs 121
(左 : スティーヴ・バノン / イーロン・マスク / ピーター・ティール / 右 : デイヴィッド・サックス )

  バノンのようなトランプ支持者は、自分たちを小馬鹿にするイーロンに腹を立てていた。しかし、イーロンのようなグローバリストの実業家からすれば、優秀な外国人までを排斥しようとするナショナリストは“レイシスト”の類いにしか思えない。対するバノン達は、マスクやティール、サックスを非難し、彼らが皆アパルトヘイトで悪名高い南アフリカの出身者であることを強調した。イーロンの起用に異議を唱えるバノンは、この新参者を批判し、彼は“ビリオネアー(billionaire)”じゃなく“トリリオネアー(trillionair)”を狙っているんじゃないか、と述べていた。確かに、選挙前に巨額の資金をトランプにつぎ込んでいたから、イーロンはそれ相応の“見返り”を期待しているはずだ。

  バノンはイーロンを差別主義者のように考えるが、イーロンの過去を調べてみると、意外にも“非差別主義者”であったことが判る。彼の友人には非西歐系の人物が多い。例えば、クィーズ大学で親友となったナヴァイド・ファルーク(Navaid Farooq)は、父親がパキ人で母親がナナダ人という混血児であった。(上掲書、p.45.)大学時代、パーティーで一緒に騒いでいた友人のアデオ・レッシ(Adeodato G. Ressi)もオランダ系のボーア人やWASPじゃなく、NYのマンハッタンからやって来たイタリア系のアメリカ人だ。(上掲書、p.52)また、イーロンがペンシルヴァニア大学に通っていた時、親しくなったロビン・レン(Robin Ren)も非西歐系の友人で、物理学を専攻する支那人であった。(上掲書、p.50.)後にレンは「テスラ」のアジア太平洋地域を担当する副社長になっている。

Elon Musk & Navaid Farooq 11Robin Ren 323Elon Musk & Robin Ren 11
( 左 : ナヴァイド・ファルークとマスク / 中央 : ロビン・レン / 右 : 学生時代のマスク)

  イーロン自身「移民」としてちょっとだけ苦労したから、一概に移民排斥論者とは呼べまい。彼は1989年に故郷の南アフリカを去り、アメリカへ移住しようと考えた。しかし、当時のアメリカは西歐系の“白色移民”には冷たく、不法移民と違って簡単に移住許可を出さなかった。イーロン母親であるメイ(Maye Musk)の父親、つまりイーロンの祖父であるジョシュア・ハルデマン(Joshua Haldeman)は、ミネソタ州の出身であったが、その伝手(つて)も効果は無く、仕方ないので母親の出身国であるカナダに臨時の居住を求めることにした。イーロンはカナダのクィーズ大学に入り、それからペンシルヴァニアの大学に進学したという。(イーロンの母親であるメイ・マスクは、離婚後もその美貌を活かし、モデル業をしていた。)

Elon Musk & mother Maye 2Maye Musk 623Elon Musk & mother Maye 1
(左 : 母親のメイと息子のイーロン / 中央 : 米国に移住したメイ・マスク / 右 : 母親と一緒のイーロン )

  巨万の富でトランプ陣営に貢献し、「DOGE」の舵取りを任されたイーロンだが、やはり米国の支配層は打ち負かすことが出来ないほどの強敵だ。特にユダヤ人とくれば、ビリオネアーのイーロン・マスクでも歯が立たない。斜陽メディアのツイッター社を買収したイーロンが、同社の“検閲体質”を改善すると、「X」の書き込みには不法移民や人種に関するヘイト・メッセージが増えたらしい。さらに、不満を募らせた利用者は、堰を切ったように反ユダヤ主義を掲げる文章や陰謀論を鼓舞するメッセージも溢れるようになったそうだ。こうした傾向に危機感と不満感を抱いたADL(反名誉毀損同盟)は、イーロンに苦情を申し立てたが、「言論の自由」を尊ぶイーロンは、このクレームに応じなかったという。

  ところが、事態の急変でイーロンが焦り出す。ネタニヤフ政権が国防と称してガザ地区への侵攻を始めると、イスラエル軍によるパレスチナ人の虐殺とか、ハマスによるテロリズムが猖獗を極めるようになったので、反ユダヤ主義のメッセージが「X」上で激増したのだ。こうなると、いくらイーロンでも自由な言論を擁護できなくなる。しかも、激昂したADLのユダヤ人どもが、「X」への広告をボイコットするようスポンサー企業に圧力をかけ、同調を呼びかけたから大変だ。IBMやNBC Universal 、その傘下にあるComcast だけじゃなく、Apple、Oracle 、Amazon, NBA Mexico、Disney, Lionsgate、Paramount Global といった大手企業も広告を引き揚げようとした。(Kevin Cahn and Haleluya Hadero, IBM, EU, Disney and others pull ads from Elon Musk’s X as concerns about antisemitism fuel backlash, Associated Press, November 19, 2023.)これでは、さすがのイーロンも恐怖に怯えて冷や汗が出てくる。

  米国で絶大な影響力を持つADLのジョナサン・グリーンブラット(Jonathan Greenblatt)が先頭に立つ反撃となれば、ハイテク業界の快男児といえども頭を下げて譲歩するしかない。イーロンが降伏する光景は、教皇グレゴリウス7世に屈服した皇帝ハインリッヒ4世を彷彿させる。これはアメリカ版「カノッサの屈辱」だ。ただし、今回の舞台は雪で覆われたイタリア北部じゃなく、大勢のユダヤ人がチフスで亡くなったアウシュヴィッツである。

Jonathan Greenblatt 8243Menachem Margolin 11Ben Shapiro 324
(左 : ジョナサン・グリーンブラット / 中央 : メナヘム・マーゴリン / 右 : ベンジャミン・シャピロ )

イーロンの「罪」は非常に深く、彼はポーランドにある強制収容所に詣でることになった。改悛を目的とした巡礼の旅には、ユダヤ人コメンテーターのベンジャミン・シャピロ(Benjamin Shapiro)が付き添うことになった。「ヤムルカ(ユダヤ教徒が被る帽子)」を頭に載せたイーロンは、ユダヤ人が殺されたというという「テーマパーク」を訪れ、全世界のユダヤ人に対して謝罪したのだ。(Shiona McCallum & Chris Vallance, 'Elon Musk visits site of Auschwitz death camp', BBC News, 22 January 2024.)マスクをアウュヴィッツに招待したラビのメナヘム・マーゴリン(Menachem Margolin)は、ユダヤ人に対する迫害を茶化すようなXの投稿を咎め、ホロコーストの悲惨さをイーロンに刷り込んでいた。

Elon Musk with Ben ShapiroElon Musk with Ben Shapiro in Auschwitz
(左 : ベン・シャピロとマスク / 右 : アウシュヴッッを訪ねたマスクとシャピロ)

  こうした「仕置き」を目にすると、歐米諸国におけるユダヤ人の権力が如何に強大であるかが判る。歐米諸国だけじゃなく、日本でもイーロン・マスクについては色々な評価が述べられているが、アメリカのエスタブリッシュメントからすれば、イーロンなんかは成金の新参者に過ぎない。ウォール街やワシントンに棲みつく禿鷹も同じ意見で、テスラの経営者なんて“生意気な小僧”程度の扱いだ。

  もっとも、闇組織の大物は直接的にマスクを叱ることはない。ジョージ・ソロスやビル・ゲイツみたいに大衆の前で面(つら)を晒すことはなく、何処か遠くで裏から政治を動かそうとする。真の実力者はマスコミに出てこないし、政財界の重鎮でも直接の面会は無理。おそらく、執事とか侍従が大御所の“使節”として現れ、絶対的な“勅令”を伝えるだけだろう。一方、下界の庶民は電気自動車や太陽光発電の問題だけで頭がいっぱいだ。庶民が手にする情報は少ない。したがって、マスクに関する評価は、今のところ困難だ。トランプ大統領に次の再選は無いから、中間選挙までの二年間が勝負となる。その間、イーロン・マスクが何をするのかが注目の的になるはずだ。彼はマスコミだけじゃなく、トランプ支持者にも騒動を引き起こす人物となるから、トランプ政権のアキレス腱になりかねない。左翼メディアや反トランプ陣営は、マスクを利用してトランプ支持者の離脱や政権の亀裂を画策するのかも知れないぞ。
https://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68983439.html

  • 名前: E-mail(省略可):

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.