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日英関係の歴史

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2022/09/07 (Wed) 09:31:33

日英関係の歴史

2022.09.06XML
正気とは思えない発言を繰り返してきたトラスがイギリスの次期首相になる見通し
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209060000/

 9月5日、リズ・トラスがイギリス保守党の新たな党首に選ばれた。西側では表の最高責任者、例えば大統領や総理大臣が国を動かしているわけでなく、そうした人びとは背後の私的権力に操られているにすぎない。つまり、誰が保守党の党首に選ばれても関係ないようなものだが、誰が選ばれるかで黒幕の政策は推測できる。ボリス・ジョンソンは自分より無能な人物を首相に据えることでカムバックを狙っていると考える人もいるようだ。

 トラスは8月23日、バーミンガムで開かれた選挙イベントで地球が破滅させる核戦争について問われたトラスはボタンを押す準備はできていると答えている。正気とは思えない発言だが、彼女は「狂人」を装っているつもりかもしれない。空威張りの「チキン・ホーク」が言いそうな発言だが、核兵器は実際に存在するのであり、ボタンを押せば相手も押す。

 トラスは外務大臣でありながら、2月2日にバルト諸国の地理的な位置を勘違いしたことでも知られている。本当に知らなかったのだろう。モスクワでロシアのセルゲイ・ラブロフ外相と会談した2月10日にはロシア側に対し、ロシア領のボロネジやロストフからロシア軍は撤退しろと脅している。

 2月22日にロシアのウラジミル・プーチン大統領がドンバス(ドネツクやルガンスク)の独立を承認、2月24日にロシア軍はウクライナを巡航ミサイル「カリブル」などで攻撃を開始、航空基地やアメリカ軍の生物兵器研究開発施設が攻撃されたと言われている。

 この研究施設で回収された文書を分析した結果、ロシア政府はCOVID-19(2019年-コロナウイルス感染症)を引き起こすとされるSARSCoV-2(重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2)がウクライナにあるアメリカ軍の施設で作り出されたことを確認したという情報が流れている。

 そして2月27日、トラスはロシア軍がウクライナでの軍事作戦を止められなければNATO軍と戦わせることになると発言、プーチン大統領は国防大臣と参謀総長に対し、核兵器部隊を特別戦闘任務につかせるように命令したと伝えられた。NATO軍とロシア軍が軍事衝突すれば核戦争に発展する可能性は小さくない。その準備をするようにプーチンは命じたわけだ。

 8月31日から9月2日にかけてプラハで開かれた「フォーラム2000」の会議で、​ドイツのアンナレーナ・ベアボック外相は「ドイツの有権者がどのように考えようとも、私はウクライナの人々を支援する」と発言​した。主権が国民にあることを否定している。彼女によると、そのウクライナはヨーロッパの自由と平和的秩序を守っているそうで、ドイツは金融面や軍事面から助けるのだという。トラスもベアボックと同じように考えているのだろう。

 そのイギリスは日本の近代化と深く結びついている。近代日本は明治維新から始まるとされているが、安藤昌益のような人物を生み出す土壌があった徳川体制を倒した一種のクーデターであり、その黒幕はイギリスやアメリカだった。そうした流れは本ブログでも繰り返し書いてきた。そのクーデターによって天皇制官僚システムが成立。これは天皇を神とするカルト体制だとも言える。

 日本にそうした土壌がないという前提に立つ学者は安藤昌益を「謎」と表現、当初は狩野亨吉が創作した架空の人物ではないかと疑っていたという。そうした結論に達した原因はヨーロッパの歴史分析を日本へ機械的に当てはめようとしたことにある。

 藤木久志をはじめとする歴史学者も指摘しているが、日本の農民は自衛のために武装、戦争に参加して略奪するということも行っていただけでなく、「刀狩り」後も武装解除されたとは言えない。自衛しなくても安心して生活できるという環境が整った徳川時代に状況は変化したようだが、それでも自立心を失っていないように見える。

 その徳川体制が明治維新で崩壊、安藤昌益を生み出した土壌は自由民権運動という形で噴出した。その象徴的な出来事が1884年の「秩父蜂起」だろう。こうした運動は養蚕と関係が深いが、この産業は女性が中心であり、養蚕の盛んな地域は女性の発言力が強かったようだ。そこから「かかあ天下にからっ風」ということばもできた。

 そうした自由民権運動を明治体制は徹底的に弾圧するが、その象徴的な人物のひとりが三島通庸だ。この人物の娘は大久保利通の息子である牧野伸顕と結婚、その娘が吉田茂の妻になっている。その娘が結婚した相手が麻生太賀吉で、その息子が麻生太郎だ。牧野伸顕と吉田茂は第2次世界大戦の前から戦後にかけてウォール街人脈につながっている。

 明治維新の黒幕だったイギリスは19世紀にアフリカ南部を侵略してダイヤモンドや金をはじめとする資源を略奪して莫大な富を手にし、植民地を拡大していく。その先兵になったセシル・ローズに資金を提供していたのがロスチャイルド家だ。

 セシル・ローズは1877年6月にフリーメーソンへ入会、その直後に『信仰告白』を書いているが、その中で彼はアングロ・サクソンを世界で最も高貴な人種だと主張、そのアングロ・サクソンが領土を拡大して大英帝国を繁栄させることは自分たちの義務だとしている。

 イギリスは1899年からボーア戦争(南アフリカ戦争)を開始、金やダイヤモンドを産出する南アフリカを制圧する。後に首相となるウィンストン・チャーチルもこの戦争で頭角を現している。

 このチャーチルは貴族階級の家に生まれたが、父親のランドルフ・チャーチルは甘やかされて育ったプレーボーイで、46歳のときに梅毒が原因で死亡している。生前、ランドルフはネイサン・ロスチャイルドから多額の借金をしていたことでも知られ、その額は現在の価値に換算すると数百万ポンド、つまり数億円に達したというが、いくらでも借りられたという。ランドルフがロスチャイルドを裏切らない限り、借金は返済する必要がなかったようだ。

 その半世紀ほど前の1840年にイギリスは中国(清)の富を奪うためにアヘン戦争を始めた。いわゆる「産業革命」で生産力が上がったイギリスだが、商品が思うように売れない。国内では庶民の貧困化が深刻になった。そこで始めたのが麻薬取引と侵略戦争だ。これが大英帝国の実態だと言えるだろう。

 中国より前にイギリスが植民地化していたインドでは1857年に傭兵(セポイ)が武装蜂起、一般のインド人を巻き込んで大反乱になっている。鎮圧されたのは1859年。

 その年にアヘンと武器の取り引きで大儲けしていたジャーディン・マセソンは日本へふたりのエージェントを送り込む。ひとりは歴史小説で有名なトーマス・グラバーで、赴任地は長崎。もうひとりはジャーディン・マセソンの創設者一族に属すウィリアム・ケズウィックで、赴任地は横浜だ。

 アヘン戦争でイギリスは中国に勝利したが、内陸部を占領するだけの戦力がない。そうした状況の中、大陸への侵略戦争を始めたのが明治政府である。まず1872年に琉球を併合、さらに台湾へ派兵、江華島事件を引き起こし、日清戦争、日露戦争という流れだが、その背後にはイギリスやアメリカが存在していた。

 その当時、イギリスでは優生学が広がり始める。チャールズ・ダーウィンの従兄弟であるフランシス・ゴルトンが祖だとされているが、ハーバート・スペンサーは適者生存を主張している。そうした考え方のグループが存在していたというべきだろう。優生学はアメリカの支配層に広まり、カーネギー財団、ロックフェラー財団、そしてマリー・ハリマンらの支援を受け、優生学に基づく法律も作られた。

 こうした優生学の信奉者はアングロ・サクソン系、ドイツ系、北方系人種が優秀だと主張、劣等な種を「淘汰」するべきだと考える。そうした考えに引き寄せられたのがアドルフ・ヒトラーをはじめとするナチスである。

 こうした思想を持つイギリスの支配者はユーラシア大陸の周辺部を支配して内陸国を締め上げていくという長期戦略を立てたが、その締め上げる「三日月帯」の東端が日本にほかならない。アメリカ/NATOがウクライナを軍事支援しているのと同じように、明治体制の日本を米英は軍事支援している。

 そして現在、アングロ・サクソンはユーラシア大陸の東側で軍事的な動きを活発化させている。

 アメリカ軍は2018年5月に「太平洋軍」を「インド・太平洋軍」へ作り替え、日本を太平洋側の拠点、インドを太平洋側の拠点、インドネシアが領海域をつなぐと拠点とした。ところがインドはアメリカとの距離を置き始めてロシアへ接近、インドネシアもアメリカの思惑通りには動いていない。インドから太平洋にかけての地域でアメリカに従属しているのは日本だけだとも言われている。

 そこでアメリカはイギリスやオーストラリと2021年9月に「AUKUS」というアングロ・サクソンの軍事同盟を結んだ。日本はアメリカ、オーストラリア、そしてインドと「Quad(クアッド)」と呼ばれる軍事同盟を結んだが、インドは腰が引けていて、機能しそうにないとアメリアは判断したのかもしれない。

 アメリカ国防総省系シンクタンク「RANDコーポレーション」が今年出したレポートによると、​アメリカはGBIRM(地上配備中距離弾道ミサイル)で中国を包囲しようと計画​しているのだが、インド太平洋地域でそうしたミサイルの配備を容認する国は日本以外にないという。

 自衛隊は2016年に軍事施設を与那国島に建設、19年には奄美大島と宮古島に作り、そして23年には石垣島でも完成させる予定だが、この石垣島での施設が完成した直後に地上発射の改良型ミサイルを配備するということになるのだろう。

 その日本には「専守防衛」の建前と憲法第9条の制約があるため、アメリカはASCM(地上配備の対艦巡航ミサイル)の開発や配備に協力するという形にするしかない。そのASCMを南西諸島に建設しつつある自衛隊の施設に配備する計画のようだ。

 ​日本政府は射程距離が1000キロメートル程度のミサイルを開発、艦艇、戦闘機、そして地上から発射できるようにすると読売新聞は伝えている​。地上発射の改良型は2024年度にも配備する方針だという。

 イギリスの新政権はこうした日本周辺の動きとも深く関係することになるだろう。日本は1995年からアメリカの戦争マシーンに組み込まれているが、そのアメリカとイギリスは連携している。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202209060000/
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2022/09/07 (Wed) 09:50:49

イギリスが薩摩や長州を支援して徳川体制を倒した理由は日本人を使って中国内陸部を支配するためだった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/743.html

表に出始めた明治維新の真実
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/742.html

日本列島は欧米の侵略の拠点で日本人は手先。イギリスもアメリカも日本がアジアの国々と友好的な関係を結ぶことを許さない
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/136.html

明治維新は朝鮮系の人たちの日本乗っ取り
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/358.html
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2023/06/16 (Fri) 16:44:13

トヨタを裏切ったイギリスが沈没寸前!とんでもない量の工場が大量倒産…
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14121275


トヨタの失敗、EVを軽視した20年で失われたもの
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091140

自動車産業が儲かるほど日本は貧しくなる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14118307

トヨタの為に毒塗オレンジを食べさせられている日本人 _ 日本を農業の無い国にして良いのか?
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/518.html

「TOYOTA日本脱出?」日本を捨てるのか? 日本が捨てるのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081240

時代錯誤の「比較優位の原理」を鵜呑みにしている自称経済学者 池田信夫
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037511

自由貿易と輸出・インバウンドが日本経済を滅ぼす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14026948

世界最大の対外純資産に惑わされるな!国が強くならないデフレ日本の経常収支サイクル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/989.html

イギリスはどうやってインドの綿工業を壊滅させたのか
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/715.html

英米を超大国にした近隣窮乏化政策とは
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/186.html

イギリスの手法は「まずブタを太らせて、後で食べる」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/153.html

日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010201

日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282

”輸出で食べている”幻想はやめろ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14093223

これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
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2024/06/25 (Tue) 15:09:43

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米英の支配層はウクライナ、パレスチナ、東アジアで焦土作戦を実行する可能性
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406250000/

 ウクライナにおける戦闘でアメリカ/NATOの敗北は決定的だ。ウクライナを完全に征服し、耕作地や資源を奪い、クリミアを制圧してロシア海軍の重要な基地があるセバストポリを手に入れるという西側の計画は潰れた。

 しかし、それでもアメリカやイギリスをはじめとするNATO諸国はウクライナ人を戦場へ送り込み、死体の山を築かせている。西側諸国は兵器のオペレーターだけでなく、戦闘員(兵士)を送り込んでいるが、それでも勝つことは困難だ。「ロシアに勝たせない」ためには核兵器を使うしかないだろう。生物兵器の使用を考えていたようだが、完成したようには思えない。

 自分たちの敗北が決定的になった際、焦土作戦が選択されることがある。例えば1941年11月、イギリスのウィンストン・チャーチル首相は日本軍がインドへ攻め込むことを恐れ、ベンガルで「拒否政策」と呼ばれる焦土作戦を打ち出した。イギリスの取り分を確保した上でサイロや倉庫から種籾を含む全ての米を押収、また輸送手段を奪うために漁民の船や自転車を取り上げたのだ。これは現地の人びとから食糧を奪うことを意味した。

 しかも、その政策を推進中の1942年10月にベンガル地方はサイクロンなど自然災害に襲われ、死傷者が出た。農作物も大きな打撃を受けて食糧不足は避けられない状態になるのだが、飢餓が見通されても米の運び出しはチャーチル首相は命じた。

 小麦はオーストラリアから調達できたのだが、インドの船は戦争のために使われていて運べない。チャーチル首相は1943年1月、イギリスの食糧と資源の備蓄を強化するため、インド洋で活動していた商船は全て大西洋へ移動させていた。(Madhusree Mukerjee, “Churchill’s Secret War,” Basic Books, 2010)

 1943年10月には現地の提督からチャーチル首相に対し、政策の継続は大惨事を招くという警告の電報を打ち、イギリス下院では満場一致で食糧をインドへ送ると議決しているのだが、それを首相は無視した。食糧を送るというルーズベルト大統領の提案も拒否している。

 その結果、ベンガルでは1943年から44年にかけて大規模な飢饉が引き起こされ、餓死者の人数はベンガル周辺だけで100万人から300万人に達したと推計されている。

 アメリカやイギリス の支配層はウクライナでも焦土作戦を始めたように見える。彼らはウクライナを荒廃させ、ウクライナ人に「総玉砕」を求めているのだ。平和がロシアに利益をもたらすことを欧米は嫌っている。

 パレスチナでもアメリカやイギリスをはじめとする西側諸国が支援するイスラエルは苦境に陥り、戦線を拡大させようとしているが、レバノンに攻め込んでヒズボラに勝つことは困難だと見られている。しかも、欧米の支配に抵抗している中東の武装勢力はヒズボラと共に戦うとしている。中東を火の海にするつもりかもしれない。ロシアや中国が中東を抑えることをアメリカやイギリスの支配層は許せないだろう。

 東アジアでも軍事的な緊張が高まっているが、朝鮮戦争の当時とは違い、日本は平坦の拠点として脆弱。アメリカ軍の補給はままならないと予想されている。東アジアでの戦争でアメリカ軍が勝つことは難しいのだが、それでもアメリカ軍は攻撃の準備を進めてきた。台湾や日本(沖縄)から大陸を攻撃した場合、報復攻撃で台湾も日本も壊滅する可能性が高い。これも焦土作戦だと言えるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202406250000/
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2024/12/10 (Tue) 17:24:07

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日本軍が真珠湾を攻撃してから12月7日で83年
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202412100000/

 マレーで戦端を開いた直後、1941年12月7日午前8時(現地時間)に日本軍はハワイの真珠湾にあるアメリカ太平洋艦隊の基地を攻撃した。その時点でアメリカ側は日本側の機密情報を入手していた。ドイツの外交官ハンス・トムセンは日本の外務省が使っていた暗号機B型(パープル)の暗号をアメリカが解読しているとヨアヒム・フォン・リッベントロップ独外相へ報告、その情報は日本側へ伝えられていたが、日本の外務省はそれを使い続けている。

 真珠湾攻撃の半年前、1941年6月22日に300万人以上のドイツ軍はソ連に向かって進撃を開始した。バルバロッサ作戦だ。西部戦線に残ったドイツ軍は約90万人にすぎない。ドイツ軍の首脳は西部方面を防衛するために東へ向かう部隊に匹敵する数の将兵を配備するべきだと主張したが、ヒトラーに退けられたという。(David M. Glantz, The Soviet-German War 1941-1945,” Strom Thurmond Institute of Government and Public Affairs, Clemson University, October 11, 2001)

 日本軍は1939年にノモンハンでソ連軍に敗北、その後、東南アジアへ向かい始める。自分たちの利権が脅かされることを恐れたウィンストン・チャーチルは1941年11月にベンガル(現在のバングラデシュ周辺)で「拒否政策」と呼ばれる焦土作戦を打ち出した。日本軍に食糧を調達させないということで、サイロや倉庫から種籾を含む全ての米を押収、また輸送手段を奪うということで漁民の船や自転車を取り上げたのだ。

 その政策を推進中の1942年10月にベンガル地方はサイクロンなど自然災害に襲われる。死傷者が出ただけでなく、農作物が大きな打撃を受けた。食糧不足は避けられない状態になり、飢餓が見通されたのだが、チャーチルの意思で米の運び出しは続いた。

 1943年10月、インドからチャーチル首相に対し、政策の継続は大惨事を招くという警告の電報が打たれ、イギリス下院では満場一致で食糧を送ると議決しているのだが、それを首相は無視。食糧を送るというアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領からの提案もチャーチルは拒否した。

 チャーチルの焦土作戦の結果、ベンガルでは1943年から44年にかけて大規模な飢饉が引き起こされ、餓死者の人数はベンガル周辺だけで100万人から300万人に達したと推計されている。

 1942年8月にドイツ軍はスターリングラード市内へ突入して市街戦が始まるが、11月にソ連軍が猛反撃、ドイツ軍25万人はソ連軍に完全包囲され、43年1月には生き残ったドイツの将兵9万1000名は降伏した。この段階でドイツの敗北は決定的だった。そうした中、チャーチルはインドで人びとを餓死に追い込む作戦を強行したのだ。

 スターリングラードでのドイツ軍降伏に慌てた米英仏の首脳は1943年1月にカサブランカで会談、「ソ連勝利」の印象が広がらないように戦争を長引かせようと考え、打ち出されたのが「無条件降伏」だと言う人もいる。

 イギリス軍とアメリカ軍は1943年7月にシチリア島へ上陸するが、その際、アメリカの情報機関はコミュニスト対策でマフィアと手を組んでいる。ハリウッド映画で有名になったノルマンディー上陸作戦(オーバーロード作戦)は1944年6月になってからだ。こうした作戦の目的はソ連軍だけでなく、コミュニストを主力とするレジスタンスに対抗することにあった。

 アメリカ海軍のONI(対諜報部)はユダヤ系ギャングの大物だったメイヤー・ランスキーの仲介でイタリア系犯罪組織の大物ラッキー・ルチアーノに接触、協力させることに成功した。ランスキーとルチアーノは子ども時代からの友人。ふたりともアーノルド・ロスティンの子分だった。

 当時、ルチアーノは30年から50年の強制労働という不定期刑が言い渡されていた。優雅に暮らしていたとはいうものの、死ぬまで刑務所から出られそうになかった。そこに救いの手をさしのべてきたのがONIである。

 ルチアーノはシチリア島の大ボスだったカロージェロ・ビッツィーニを紹介、ビッツィーニの要請で島内のボスはイタリア軍やドイツ軍に関する情報を米軍に提供したうえ、破壊活動にも協力した。シチリア島で強い影響力を持っていたコミュニストを押さえ込むため、マフィアを利用したという側面もある。大戦後、シチリア島がマフィアの支配地になるのはそのためだ。1946年2月9日、ルチアーノは「好ましからざる人物」という名目で刑務所を出され、国外に追放された。自由の身になったということだ。

 チャーチルと対立関係にあったアメリカのフランクリン・ルーズベルト大統領は1945年4月に急死、その翌月にドイツは降伏した。その直後にチャーチルはソ連への奇襲攻撃を目論み、イギリスのJPS(合同作戦本部)に対して作戦立案を命令する。そして5月22日にアンシンカブル作戦は提出された。

 その作戦によると、攻撃を始めるのはその年の7月1日を予定、アメリカ軍64師団、イギリス連邦軍35師団、ポーランド軍4師団、そしてドイツ軍10師団が投入されることになっていたが、これは発動していない。発動しなかった理由は参謀本部が5月31日に計画を拒否したからである。(Stephen Dorril, “MI6”, Fourth Estate, 2000)

 ソ連と日本が手を組むことを懸念したという見方もあるのだが、イギリスには真珠湾攻撃前、「日本・アングロ・ファシスト同盟」を結成しようという案もあった。この案を考えた勢力は敵をソ連と考えていたわけだ。実際、アメリカやイギリスで大きな力を持つ金融資本はナチスへ資金や石油を提供していた。チャーチルはシティの中枢に繋がっている人物だが、ウォール街は1933年から34年にかけてルーズベルト政権を倒すためにクーデターを計画していた。この計画を阻止したのが海兵隊の伝説的な軍人、スメドリー・バトラー少将だ。

 しかし、ルーズベルトが急死してニューディール派が衰退するにつれて金融資本の力は強まる。米英情報機関は両国の金融資本によって作られたと考えられている。

 チャーチルは1945年7月に首相の座から降りるが、翌年の3月にアメリカのミズーリ州フルトンで「バルト海のステッティンからアドリア海のトリエステにいたるまで鉄のカーテンが大陸を横切っている」と演説し、冷戦の開幕を告げた。​1947年にはアメリカのスタイルズ・ブリッジス上院議員に対し、ソ連を核攻撃するようハリー・トルーマン大統領を説得してほしいと求めている​。

 また、チャーチルは1951年4月に ソ連を核攻撃するという考えを口にしている。​自宅でニューヨーク・タイムズ紙のジェネラル・マネージャーだったジュリアス・アドラーに対し、ソ連に最後通牒を突きつけ、それを拒否したなら20から30発の原爆をソ連の都市に落とすと脅そうと考えていると話していたことを示す文書が発見された​というのだ。

 チャーチルはシティの大物代理人であり、その戦略は今でもイギリスに残っているように見える。
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