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2024/06/08 (Sat) 17:58:14
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レイ・ダリオ氏: 日本、金利上昇で経済崩壊の可能性
2024年6月5日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49622
引き続き、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のWSJによるインタビューである。
今回は日本の金利上昇について語っている部分を紹介したい。
政府債務の問題
さて、前回の記事でダリオ氏は、先進国で膨らみ続ける政府債務への不安からゴールドに資金が流入していると主張していた。
レイ・ダリオ氏: 金価格が上がっている理由
ダリオ氏は『世界秩序の変化に対処するための原則』で解説している通り、歴史上大国の莫大な借金は紙幣印刷やインフレによって解決されてきたと主張している。
そして日本で起きている円安や金利上昇は典型的な事例だと述べていた。
日銀の国債買い入れ
今回、ダリオ氏は日本経済についてもっと踏み込んだ発言をしている。ダリオ氏は日本経済をどう見ているのか。彼は次のように話している。
日本では日銀が大量の国債を買い入れた。だが国債を買い入れたすべての中央銀行は今、大きな損失を抱えている。
コロナ後の現金給付が物価を高騰させて以来、世界各国で金利が上がっている。債券にとって金利上昇は価格下落を意味するので、それは債券の価格が下がっているということである。
その影響を受けた経済主体はたくさんある。まず一番の問題は、金利が上がったことでこれまで利払いがほとんどなかった莫大な政府債務に多額の利払いが発生していることである。
金利がゼロならば、政府債務がGDPの100%あろうが200%あろうが利払いは発生しない。だが『世界秩序の変化に対処するための原則』に書かれている通り、紙幣印刷はいずれエスカレートしてインフレを引き起こすのが歴史を見ればいつものことである。
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
他には、国債価格が下落したので当然ながら国債の保有者が被害を被った。アメリカでは去年、大きな地方銀行がいくつも倒産した。
だが誰よりも多くの国債を持っている主体を忘れていないだろうか。それは中央銀行である。先進国の多くの中央銀行は量的緩和で国債を買い入れたので、大量の国債を保有している。
先月日銀は国債の下落による損失が9兆円となったことを報告した。だが日本では長期金利はまだ1%までしか上がっておらず、金利が更に上がっている欧米では中央銀行の損失補填が問題となっている。
ドイツの中央銀行、資金不足で政府の口座への利払い停止を決定
補填すれば、実質的には中央銀行が自分で自分の損失を補填することになるので量的緩和(紙幣印刷)になってしまう。しかしそうすればインフレが悪化する。
ダリオ氏は中央銀行を破綻させることも1つの選択肢だと言っている。
世界最大のヘッジファンド: 中央銀行でもインフレで破綻する可能性
日本の金利はどうなるか?
日本経済はこれからどうなるのか。ダリオ氏は次のように述べている。
日銀は金利をより高くする必要がある。日本の実質金利がアメリカの実質金利と似た状態にならない理由があるだろうか?
もしそうなれば、日銀も損失を抱えた他の中央銀行と肩を並べることになる。
ダリオ氏はいずれ日本もアメリカやヨーロッパのように金利を上げなければならなくなると考えているようである。
だがそうなれば日本の方が問題が大きいだろう。日銀はFed(連邦準備制度)よりも抱えている国債が多い。更に、アメリカは今GDP比122%の政府債務に5%の利払いが発生しようとしているが、日本の政府債務はその倍近い217%であり、アメリカと同じ金利水準になれば政府の利払いも当然その倍近くになる。
更に、ダリオ氏は次のように言っている。
もし実質金利が-1%から2%になり、3%も変化したらどうなるだろうか? それは憂慮すべき事態だ。
ダリオ氏が実質金利に言及しているのは、実質金利が多くのことに影響を与えるからである。
例えば株式市場もその1つである。インフレによって実質金利が上がったのは、アメリカで2022年に実際に起きた。
当時の実質金利は次のようになっている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/06/2022-us-10-year-treasury-inflation-indexed-bond-yield-chart.png
実質金利はおよそ2.5%上がった。その結果、株式市場は以下のようになった。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/06/2022-s-and-p-500-chart.png
25%の下落である。誰も気にしていないが、日銀が同じように利上げしなければならなくなれば、日本株にも同じ状況が再現する可能性は高い。
結論
金利上昇による問題はあまりに数が多い。政府債務への多額の利払い、国債保有による損失、株式市場の下落、そして実体経済の景気後退である。
ドラッケンミラー氏: ソフトランディングのことは忘れろ
だが、経済の歴史を研究し尽くしたダリオ氏によれば、緩和政策がいずれエスカレートしてインフレと金利上昇を引き起こすことは既定路線だった。それは歴史を振り返ればいつものことなのである。
ダリオ氏は次のように纏めている。
今起こっていることは、われわれの世代は経験したことがないが、歴史上何度も起こってきたことだ。
デフレからインフレへの過渡期には、いつも紙幣印刷を擁護する人々が現れる。そしてインフレとともに消えてゆく。それすらも歴史上の風物詩なのである。
ガンドラック氏: MMT論者はネズミの巣穴に帰ってもう出て来ない
それはもはや避けられない。だから投資家にできることは、こうした紙幣印刷の馬鹿騒ぎから身を守ることである。1970年代の物価高騰時代には、それは貴金属だった。
1970年代の物価高騰時代における貴金属や農作物の価格推移
世界秩序の変化に対処するための原則
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49622
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日銀の植田総裁が円安を止められない理由
2024年4月27日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/47910
コロナ以後、円安が止まらない。日本でもインフレ率が上がっているが、金利の方はインフレ率ほどの上昇を見せていないからである。
円安と日銀緩和
円安は明らかに日本の家計を蝕んでいる。エネルギーや食料品、プラスチック製品など日本国民が消費するものの多くは輸入依存であり、ドル円の上昇分はそのまま輸入物価の上昇に直結している。
コロナ後にドル円が40%以上も上がったということは、基本的に輸入物価がそれだけ上がったということである。ドル円はそのまま元に戻っていないので、輸入物価もそのままだ。また、円はドルだけでなくほとんどの通貨に対して下落している。
円安の原因は黒田元総裁の時代から行われ続けてきた日銀の緩和政策であり、植田現総裁はそれを終わらせようとしている。実際、3月にはマイナス金利と、安倍元首相の支持率対策でしかなかった株式の買い入れ政策を終了した。
日銀、マイナス金利とETF買い入れを終了、量的引き締めを視野に (2024/3/20)
植田氏の取り組みにより、日本の長期金利は少しずつ上昇しつつある。それ自体は筆者やスタンレー・ドラッケンミラー氏の予想通りである。
日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想 (2023/3/2)
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り (2023/5/2)
ドル円上昇を止められない植田日銀
だがドル円の上昇は止まっていない。植田氏は黒田氏の緩和政策をいくつか終わらせたものの、政策金利自体は0.2%しか動かしておらず、金利上昇が十分ではないのである。
4月26日の日銀決定会合では、植田総裁は金融政策の維持を決定した。記者会見ではドル円に関する質問が噴出したが、植田氏は質問をかわすばかりだった。
何故植田総裁は金利を上げてドル円上昇を止めることができないのか? 植田氏は4月の会合で金利を上げるべきではなかったのか?
だが筆者は実は植田氏の政策がそれほど間違っているとは思っていない。何故かと言えば、日本のインフレ率はそれほど差し迫った状況にはないからである。
日本のインフレ動向
現在、日本のインフレ率は前年同月比(以下同じ)で2.7%であり、食品とエネルギーを除くコアインフレ率を半年分ほど並べると次のようになる。
2023年10月: 2.80%
2023年11月: 2.80%
2023年12月: 2.80%
2024年1月: 2.59%
2024年2月: 2.49%
2024年3月: 2.18%
おおむね2%台で落ち着いていると言える。
インフレ率が落ち着いているのは、残念ながら日本経済にとって喜ばしいことではない。何故ならば、それは日本経済の減速の結果だからである。
日本の実質GDP成長率は前年同期比で見れば1.3%(2023年第4四半期)だが、直近半年の減速が大きく、個人消費は既にマイナス成長となっている。日本に関しては年内の景気後退も有り得る状況である。
所得税と社会保険料と消費税で所得の半分を持っていかれる経済において物価がこれほど上がってしまったのだから、消費が振るわないのは当たり前である。
だがインフレ率が落ち着いている以上、日銀は早足に利上げをすることが出来ない。むしろここから利上げすればインフレ率がどんどん沈んでゆくシナリオも有り得る。
そしてインフレ率よりも早々と減速しているGDPの方は、利上げが更なる追い打ちになるだろう。
インフレ率と物価水準
問題は、インフレ率の落ち着きと物価の高騰が別物だということである。これはアメリカでもそうだが、インフレ率が元に戻ったからと言って物価が元に戻ったわけではない。
インフレ率とは物価上昇率であり、落ち着いたとはいえ上昇率はまだプラスなのだから、過去に上がった分の物価は下がることもなく高いままなのである。
輸入物価を戻すには日銀が更に金利を上げるしかない。黒田日銀が行なった過去の緩和の分だけ引き締めを行なうしかないのである。
だがそのような引き締めを行えば、ただでさえ景気後退寸前の日本経済は本当に死んでしまうだろう。
結論
ということで、日本経済はまさにアベノミクス以来の金融緩和のツケを払うべき状況にある。物価は上がってしまったが、それを元に戻すための金融引き締めを行えば実体経済が死んでしまう。
緩和を始めた時には既に分かっていたはずの当たり前の帰結を、今日本人は目の当たりにしている。自分の支持率のために日銀にETFを買わせた安倍晋三氏を何故誰も止めなかったのか。
20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏はもう何十年も前に著書『貨幣論集』で次のように述べていた。
ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421
将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。
何故誰も止めなかったのか。誰もハイエク氏の著書を読んでいなかったのか。誰も読んでいなかったのだろう。
貨幣論集
https://www.amazon.co.jp/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-%E7%AC%AC2%E6%9C%9F-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621921?_encoding=UTF8&_encoding=UTF8&dib=eyJ2IjoiMSJ9.v8Y6Ze7u2u7HVsRdemccNuUqJW_R9qbAiVI7a2Ksj0l6gY3VU2Xkr5G_mXhdOk0mCCgw5mnJdEetNG9rVZlWz5fBaVW_NARTfYo_Nmj-oI2LH7AfdByTuHOh5hR7b5r1z-hhKzNFYCEKA4UJGtDYEJkoSF3V3HkB-twVd0WYnka3AMHP6ibtZNjXaFEjhKe7.fBZkXdjFxr9EiwBPIyJB5xfaquDFPH1tGFvQw8TFLaQ&dib_tag=se&qid=1713608938&sr=8-1&returnFromLogin=1&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=d60f3de37b2edfed2007d3d59ee17b60&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/47910
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ガンドラック氏: 米国債が債務減免される可能性
2024年6月7日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49713
世界最高の債券投資家であるジェフリー・ガンドラック氏がデイビッド・ローゼンバーグ氏によるインタビューでアメリカ政府が借金を返せなくなる可能性について語っている。
国債の利払い問題
今アメリカで著名投資家たちが気にしているのは、金利が5%まで上がった影響でこれまで金利がほとんど付いていなかった大量の国債に利払いが発生しており、米国政府の利払い費用が急激に増加していることである。
米国政府の利払い費用(GDP比)は次のように推移している。
このことについてガンドラック氏は次のようにコメントしている。
スタンレー・ドラッケンミラー氏が国債の利払いについて警告しているニュースが流れてきた。だが彼はCBO(議会予算局)のデータを使い、2040年までに国債の利払い費用が税収の30%を占めることになってしまうと言っていた。
だがCBOの想定は過度に楽観的なのでその数字はまったく正確ではない。
ガンドラック氏が珍しくもドラッケンミラー氏のコメントにコメントしている。ドラッケンミラー氏もアメリカの財政問題を憂慮している著名投資家の1人である。
ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
だがガンドラック氏は、CBOの推計をそのまま使ったドラッケンミラー氏の数字は正しくないと言う。CBOは景気後退が起こらないと仮定するなど無理な想定をいくつか使って数字を出しているからである。
ガンドラック氏は、実際にはもうあと何年かでアメリカの財政問題は現実のものとなると予想している。
ガンドラック氏: 米国の年金はインフレ高金利であと4年で破綻する
財政問題の解決方法
アメリカ政府が国債の利払いに圧倒され、年金などの支払いが出来なくなるとき、一体アメリカでは何が起きるのか。
ガンドラック氏は次のように述べている。
米国政府が国債を債務再編せざるを得なくなるのではないかと心配している。
債務再編とは借金を一部免除するなど、借金が支払えなくなったために借金の内容を変更することである。
国債を持っている人は国債は安全資産だと思っているだろう。だがガンドラック氏は次のように続ける。
国債の再編は不可能だ、契約上違法だと人々は言うかもしれない。だが2007年、2008年、2009年のモーゲージ債のことを覚えていないのか?
これらのモーゲージ債を再編することは違法だった。何兆ドルものモーゲージ債には、再編はできないとはっきり書かれていた。だがそれでも再編された。
モーゲージ債とは不動産ローンを証券化したもので、不動産バブルの崩壊によって起こったリーマンショックにおいて渦中の銘柄となった債券である。
ガンドラック氏によればそれを再編することは違法だった。だが結局再編された。
他にも例はあるとガンドラック氏は言う。彼は次のように続ける。
1913年の連邦準備法にはFed(連邦準備制度)が社債を買い入れることは違法だと書いてある。だが2020年にFedは社債を買い入れ始めた。
奨学金ローンを免除することは違法で憲法違反だ。だが昨日、たった1日で77億ドルの奨学金ローンが免除された。
だから法律上決まっていると思われているものが起こらないとは限らない。それが事実だ。もう何年もそれは当たり前のように起き続けている。
法の支配は重要だ、自分にとって都合が悪くなるまでは。表現の自由は重要だ、自分にとって都合が悪くなるまでは。政治家が脱税しても処罰されないように、それが法治国家の法律や言論に対する普通のスタンスである。
国債の債務再編
だから国債の再編も十分有り得るとガンドラック氏は言いたいのだろう。彼は次のように続けている。
これを予言するわけではないが、例えば財務省がこう言ったらどうなる?
アメリカは利払いに苦しんでいる。だから1%以上の利回りを持つ国債の金利は1%とする。金利が1%未満の国債はそのままとする。
しかしそうなれば窮地に陥るのは国債の保有者である。金利を減らされれば単に利払いが減るだけでなく、保有している国債の価値が大きく下落してしまう。
安全だと思って持っていた国債の価格が急に大幅に下落すればどうなるか。しかも司会者のローゼンバーグ氏は国債の大口保有者は年金ではないかと指摘する。
ガンドラック氏はこう答えている。
分かっている。そうなれば悲惨だ。完全に悲惨だ。だが他に方法がない時にはそういうことが起こる。
結論
金利上昇によって莫大な政務債務に利払いが付いたことによって、アメリカの財政は差し迫った問題となっている。
そして日本もその状況に遠くはないのかもしれない。アメリカでは金利は5%だが、日本ではGDP比で政府債務がアメリカの2倍近くあるので、金利が2.5%まで上がるだけでアメリカと同じ状況になってしまう。
レイ・ダリオ氏: 日本、金利上昇で経済崩壊の可能性
日銀の植田総裁が円安を止められない理由
政府の借金は問題ない。政治家のその言葉を人々が無批判に信じた結果が人々に襲いかかろうとしている。レイ・ダリオ氏によれば、結果として人々はゴールドに資金を逃しているという。
レイ・ダリオ氏: 金価格が上がっている理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49713
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ガンドラック氏: 中央銀行が国債を全部買って帳消しにすればどうなるか?
2024年5月31日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49438
引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏の自社配信動画でのインタビューである。
今回は莫大な政府債務の解決方法について語っている部分を紹介したい。
政府債務のマネタイゼーション
ガンドラック氏は視聴者からの質問を読み上げて次のように言っている。
中央銀行が国債を全部買って帳消しにすればどうなるか?
これはコロナ後に緩和政策がインフレを引き起こす前までは真剣な話題だった。
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
特に日本はGDPの200%を超える政府債務があり、しかもその大部分を日銀が保有している。
日銀が国債をすべて買って帳消しにしてしまえばどうなるのか。日本の読者は是非とも知りたいはずだ。
だが残念ながら、ガンドラック氏は日本人が最もがっかりする答えを返している。
彼は次のように答えている。
多分日本を見ていれば答えが分かるだろう。
債務問題を解決する方法
ガンドラック氏は実際にはもう少し真面目な答えも返している。彼は中央銀行による政府債務の帳消しについて次のようにも言っている。
それは可能だと思う。それは非伝統的な選択肢の1つだ。
マネタイゼーションは債務問題を解決する手段の少なくとも一部になるだろう。アメリカだけの話じゃない。他の国でも始まっている。
経済に詳しい読者であれば、このガンドラック氏の発言が「国債のマネタイゼーションで何の問題もなくすべてが解決する」という意味ではないことが分かるだろう。
国債をマネタイズすれば何が起こるのか。それは日本を見ていれば分かるという。日本で何が起き始めているか。通貨の下落と金利の上昇である。
実際、ドル円の動きを見てもドル円はドルの金利上昇分以上に上昇している。ドル円とアメリカの実質金利のチャートを比べると次のようになる。
ドル円はドルの金利上昇分以上に上昇している。円の金利も上昇しており、しかも為替介入もあったにもかかわらずである。
日銀の為替介入で下落したドル円は買い場
金利以上の円安の意味するところは、日本から資金が流出しているということである。円安を止めるためには日本も今以上に金利を上げなければならないが、金利を上げると経済が死ぬだろう。
日銀の植田総裁が円安を止められない理由
債務問題を解決する他の方法
それが日本流の解決方法である。日本は今のところ通貨安と金利上昇(つまり国債価格の下落)を選んでいる。
日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想 (2023/3/2)
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り (2023/5/2)
だが方法は他にもある。ガンドラック氏は次のように語っている。
現在の債務問題に対処する1つの方法はインフレを引き起こすことだ。
だから世界中でインフレ政策が横行している。
インフレによって莫大な政府債務を打ち消すのは、ドイツが第1次世界大戦後に使った手段である。仮に1200兆円の政府債務があろうとも、1200兆円でトマト1個分になるようなインフレを起こしてしまえば、トマト1個ですべての借金が返せる。国民の貯金はすべて紙切れになるが。
それは極端な話だが、だがインフレで政府債務を半分にするだけでも大きな助けになるだろう。例えば年率7%のインフレを10年続ければ、物価はほぼ2倍になるので、政府債務は実質的にほぼ半分になる。
それは当然、国民の貯金も実質的に半分になることを意味する。だがそもそも政府がインフレ政策などということを言い出した理由はインフレで(国民の貯金を犠牲にして)債務を帳消しにすることである。
利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
2%のインフレ目標というのは毎年国民の預金の2%をいけにえに政府債務を2%減らす政策のことである。
ガンドラック氏: 2%インフレ目標は完全に恣意的な数字
そしてそれを日本国民の大多数は支持した。彼らはその意味が分かっているのだろうか。
結論
ということで、政府債務には様々な解決策がある。通貨の下落、金利の上昇、そして物価の高騰である。
だから政府債務の問題は最終的には「解決」されるだろう。Bridgewaterのレイ・ダリオ氏などは、解決策は他にもまだまだあると主張している。例えば中央銀行を破綻させる作戦である。
世界最大のヘッジファンド: 中央銀行でもインフレで破綻する可能性
中央銀行の破綻はもはや問題ではない。それは解決策の1つなのだ。
これは冗談ではない。政府債務を「解決」するとはそういう意味なのである。ゼロ金利だった頃には無害のように見えた莫大な政府債務が、金利が上がることによって日本でもアメリカでも政府が莫大な利払い費用を負う結果となり、金利が5%まで上がっているアメリカでは年金の破綻がそれほど遠くない将来の現実となって迫ってきている。
ガンドラック氏: 米国の年金はインフレ高金利であと4年で破綻する
だがインフレ論者の言うことを信じようではないか。日本の借金は政府の借金であり、国民には資産があるから大丈夫らしい。彼らの言う通り、政府の借金は国民の資産で相殺されることで解決するかもしれない。
増税、インフレ、通貨安、あらゆる選択が目白押しである。実際、レイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で研究した通り、歴史上の大国は政府債務をそういう風に解決してきたのである。
ガンドラック氏は次のように述べている。
あらゆる奇天烈な選択肢があるが、今のままを続けることは出来ないことだけは確かだ。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49438
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2024/06/08 (Sat) 18:04:34
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これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247
ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389
【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ~経済学を変えた世紀の対決
https://www.youtube.com/watch?v=K3uZHzdi9Jk
https://www.youtube.com/watch?v=cOaxStGHQD8
【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編~経済学を変えた世紀の対決~ケインズの遺したスタグフレーション
https://www.youtube.com/watch?v=lEe7KCshrec
ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992
ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421
ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
ハイエク: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564
ハイエク: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由 2020年5月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨 2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922
世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953
世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175
南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3199
ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33890
ガンドラック氏: 量的緩和は権力者と中国を裕福にし貧乏人をより貧乏にする
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/13619
世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/19942
インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11964
ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103
日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551
世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/30502
日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36355
各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している
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日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
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日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282
何故日銀はインフレに応じて金利を上げないのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052708
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政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くこと
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841750
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「物価と失業率は逆相関の関係にある」というフィリップス曲線は疑似科学
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銀行のバランスシートと銀行破綻
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037261
アベノミクスのツケ「地銀含み損3兆円」…破綻シリコンバレー銀行とビジネスモデル酷似
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シリコンバレー銀行(SVB)破綻の原因と株式市場への影響
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094256
銀行を助けて物価高騰かインフレを退治して株価暴落か、どちらかしかない。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14096858
石原順チャンネル 最高値更新が続くゴールド!インフレは終わらない?
https://www.youtube.com/watch?v=DQmj4oSRLCE
<チャプター>
00:00 最高値更新が続くゴールド!インフレは終わらない?
03:56 NYダウCFD(月足)
06:27 S&P500CFD(日足)
08:48 ナスダック100CFD(日足)
09:30 日経平均CFD(日足)
10:53 米国の州全体の住宅価格の4年間の変化
12:23 「買い持ち」は常にうまくいくとは限らない
18:24 誰が選挙に勝とうとも、インフレはさらに進むだろう
22:58 米国の負債額
25:53 ゴールドCFD(月足)
30:46 制御不能のインフレ
32:57 ゴールドCFD(日足)
34:07 ゴールドCFD(週足)
40:12 Best Loser Wins 人間の脳に組み込まれた負けパターンを克服する方法
追い込まれた日銀!?
石原順チャンネル 2024/04/02
https://www.youtube.com/watch?v=cgTDzeV6Ups
<チャプター>
00:00 追い込まれた日銀!?
00:15 ドル円(日足)
02:00 日銀は追加利上げをする気があるのか?
05:54 資産バブルは円安バーゲンセール
09:41 日経平均CFD(日足)
11:13 ドル円と日経平均の月足の推移
16:05 S&P500CD(日足)
18:28 米国の利下げは資金繰りか!?
19:52 米国の負債総額
22:43 米国の利息は年末までに1.6兆ドルに達し、米国政府の最大の支出になる
26:33 コアCPIインフレと北海原油価格の推移
27:25 NY原油CFD(日足)
30:08 この青写真が続くなら、市場は再び衝撃に見舞われるだろう
バブルは11月の米大統領選挙までか!?
石原順チャンネル 2024/06/04
https://www.youtube.com/watch?v=XCJ70uQbkuU
<チャプター>
00:00 最高値更新が続くゴールド!インフレは終わらない?
09:03 米国の負債総額
10:16 民主党と共和党のどちらも持続不可能な債務に対処しようとはしない
11:55 米国の利息は年末までに1.6兆ドルに達し、米国政府の最大の支出になる
12:51 米商業銀行が保有する未実現損益の推移
14:35 バブル延命は11月の米大統領選挙までか!?
20:28 過去の利下げサイクル
22:22 米国のFF金利の推移と景気後退期
24:10 ナスダック100と米国2年国債の推移(1996年~2010年)
24:45 歴史は「ピボット」が本当の暴落の引き金になることを示している
27:40 米国株式市場における弱気相場の歴史(S&P500)
29:25 市場は再び衝撃に見舞われるだろう
追い込まれた日銀!? 石原順チャンネル
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16848778
石原順チャンネル - YouTube
https://www.youtube.com/@ishihara-jun/videos
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3:777
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2024/06/09 (Sun) 16:10:10
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今や歴史的な円安 _ 円の購買力が1ドル 360円時代を下回る
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16856288
日本円と日本の物価は異常に安過ぎる _ 1ドル=50円 が適正価格
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/189.html
【インバウンドの罠】日本の観光は楽しむのも稼ぐのも外国人
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14119377
外国人が増えると嬉しいか? _ 外人観光客誘致は日本を貧しくしている
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/185.html
訪日観光客3000万人でGDPは1円も増えなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14021350
美味しい弁当を500円で買えるのは日本だけ、欧州で外食すると3000円は取られる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14111507
日本人にとって海外は「超ぜいたく」になってしまうのか…ニューヨーク旅行での“衝撃”
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107304
海外に行かなく(行けなく)なった日本人
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14120769
円安、低賃金、ブラック労働で日本で生産する方が外国より安くなった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052420
“出稼ぎ”日本人…寿司職人は年収8000万円に バイトでも給料“倍以上”
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056366
カナダが陥った収入2倍で物価も2倍という悪夢、ホームレスが数十万人
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16822753
スイスや北欧の物価が高すぎて 持続不可能
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14143748
日本、金利上昇で経済崩壊の可能性
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16856196
これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
すべての紙幣の価値は最終的にゼロに向かってゆく
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16856204
ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051
信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html
商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html
信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html
現代貨幣理論(MMT)が採用している国定信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1749.html
世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/30502
日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36355
日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378
利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29198
MMT論者はネズミの巣穴に帰ってもう出て来ない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16825321
銀行のバランスシートと銀行破綻
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037261
アベノミクスのツケ「地銀含み損3兆円」…破綻シリコンバレー銀行とビジネスモデル酷似
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14095230
銀行を助けて物価高騰かインフレを退治して株価暴落か、どちらかしかない。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14096858
1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035981
「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14,095,196
GDP戦後最大の落ち込み 日経平均の金換算グラフ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1001.html
株式投資は企業への投資ではない _ 外資が儲けたらそれと同額だけ日本が損する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14008776
アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/573.html
日銀が平成バブルを潰して失われた30年を作った
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037444
自動車産業が儲かるほど日本は貧しくなる
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トヨタの為に毒塗オレンジを食べさせられている日本人 _ 日本を農業の無い国にして良いのか?
http://www.asyura2.com/09/gaikokujin01/msg/518.html
吉野敏明 _ 戦後アメリカに強制された洋風の食事が日本人の病気の原因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16850855
日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
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日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282
「TOYOTA日本脱出?」日本を捨てるのか? 日本が捨てるのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081240
”輸出で食べている”幻想はやめろ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14093223
これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
時代錯誤の「比較優位の原理」を鵜呑みにしている自称経済学者 池田信夫
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037511
自由貿易と輸出・インバウンドが日本経済を滅ぼす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14026948
世界最大の対外純資産 に惑わされるな!国が強くならないデフレ日本の経常収支サイクル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/989.html
日本の労働者の方がアメリカの労働者より裕福だった _ マンハッタンのダイソーは270円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027380
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2024/06/10 (Mon) 17:41:00
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ああccc
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2024/06/19 (Wed) 01:40:36
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米国の負債総額は34 兆ドルを突破! 世界の借金はもう限界か?
石原順チャンネル
https://www.youtube.com/watch?v=mJAuyVjfX10
<チャプター>
00:00 米国の負債総額は34 兆ドルを突破!世界の借金はもう限界か?
02:08 米国10年国債金利(月足)
08:00 米国の負債総額
11:25 インフレ調整後の連邦赤字
13:39 S&P500(月足)
16:54 日経平均(月足)1960年~2024年
19:15 日経平均と日銀のバランスシート
20:29 ドル/円(月足)
23:12 民主党と共和党のどちらも持続不可能な債務に対処しない
25:22 経済の仕組み(FRBの後始末戦略)
29:26 ナスダック100と米国2年国債の推移(1996年~2010年)
31:04 歴史は「ピボット」が本当の暴落の引き金になることを示している
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6:777
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2024/06/20 (Thu) 14:11:52
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「日本の貧困化はアベノミクスに責任」有識者が怒り告発 年収500万円世帯は実質60万円の収入減に
6/20
https://news.yahoo.co.jp/articles/5927ff1098c58bf23dc18dc971f4b19145abd2d2
今年3月、日本銀行はマイナス金利政策の解除を決定。その3日後、政府の月例報告からアベノミクスの「3本の矢」の表記がひっそりと消えた。
【写真あり】脱アベノミクスをはかる日銀の植田総裁と、アベノミクスを推進した黒田東彦前総裁
日本経済団体連合会(経団連)も、十倉雅和会長が「(金融政策を)早く正常化すべき」と発言。実質的に、アベノミクスを否定したことになる。
〈大胆な金融政策〉〈機動的な財政政策〉〈民間投資を喚起する成長戦略〉の「3本の矢」を柱として、第二次安倍政権が発足した2012年末からスタートしたアベノミクスが終わりを迎えようとしている。
安倍晋三元首相の経済政策に疑問を投げかけ、近著『全検証 コロナ政策』(角川新書)でもアベノミクスを検証した弁護士の明石順平さんがこう解説する。
「アベノミクスは円の価値を落として円安にしただけの成果しか残しませんでした。昨今、急激な円安の動きが目立ちますが、アベノミクスがスタートしてから円安傾向が続き、日本はどんどん貧しくなっていったのです」
■アベノミクスで円の価値が暴落した
通貨の実力を示す「実質実効為替レート」を見ると、アベノミクスがスタートしてから円の価値は下がり始め、現在は1970年より低いレベルまで下落している。
「アベノミクスが提唱した異次元の金融緩和政策に従って、日銀は民間の金融機関の保有する国債を爆買いし、円を大量供給しました。円が大量に供給されれば、円の通貨価値は下がります。アベノミクス前は1ドル80円程度だったのが、2015年には120円台に。ドルに対する円の価値は3分の2に暴落したのです」(明石さん、以下同)
円安になると輸入品の価格が上がるため物価も上昇する。
「アベノミクスでは物価が上がっていなかったと思っている人が少なくありません。日銀の“前年比2%”という目標が達成されていないとさかんに報道されたからです。実は、アベノミクス開始前と比べるとコロナ禍の影響が出る前の2019年度までに消費者物価指数(持ち家の帰属家賃を除く総合指数)は7.6%も上昇。2度の消費増税の影響もありますが、円安の影響が大きいのです。
そのあとも国債の爆買いが続けられました。今の円安と物価高は、アベノミクスの副作用なのです」
表を見てほしい。第2次安倍政権発足後から、消費者物価指数はうなぎ上りに。2012年を基準(100)とすると、物価指数は2023年には114.3まで上昇。一方で、名目賃金指数は104.8までしか上昇していない。名目賃金指数を消費者物価指数で割ることで求められる実質賃金指数は、なんと91.7まで急落したのだ。
同じ年収500万円でも2024年の価値は、2012年と比べると、購買力という点から考えると、実質的に60万円ほど目減りしたことになる。
「アベノミクスがいまだに成功だったと言っている人は“賃上げ2%達成”を理由に挙げますが、それは春闘に参加した組合員が対象で、労働者の全体から見ると5%ほどしかいません。
手取りが増えないのに物価が上がり続けているから、戦後最悪の消費停滞が起きているのです」
急激なインフレは増税されたのと同じ
とはいえアベノミクスでは、株価が上昇し、雇用も改善したともいわれるが……。
「株価上昇は、円安になって外国人投資家にとって日本株がお買い得になったこと、さらには日銀と年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)の公的マネーが株式市場に大量に流れたからです。
雇用も、2019年と2012年の産業別雇用者数を比較すると、もっとも雇用者数を増やしたのは医療・福祉。高齢者人口が増えたからで、アベノミクスとは無関係です。雇用の改善をもたらしたのは円安の影響を受けた宿泊業や製造業などごく一部に限られています」
円安、物価高、賃金が上がらない、という現状から早く抜け出すべきだが……。
「日本は、国債と借入金現在高が1200兆円以上という借金大国です。しかも現状では、国は、借金を借金で返している詐欺のような資金繰りをしています。この巨額の借金を処理できないことが激しい円安を招いている一因。国の借金が膨らみすぎれば、どこかで市場の信用が失われ、国債と円が暴落し、モノの値段が高騰する、ハイパーインフレが懸念されます」
インフレは“インフレ税”という別名を持っているという。
「たとえば物価が100倍になった場合、100万円は1万円の価値に。これは99万円を没収されたのと同じです。逆に国の借金も実質的価値が減少。没収された99万円が国の借金返済に充てられるのと同じだからインフレ税と呼ばれるのです。インフレを放置することは、気づかないうちに増税されているのに等しいのです」
そんななか日銀は、6月13~14日に行われた金融政策決定会合で、国債買い入れの減額を決めた。アベノミクスから続けてきた“国債の爆買い”をやめる方向にかじを切ったわけだ。
「国債の価格 と金利は逆に動くので、日銀が国債の購入を減らすことで金利を上げることができます。日米の金利差が縮み、円安に一定の歯止めがかかるかもしれません。しかし、国債という国の借金の処理ができなければ、いずれ円は信用を失って、異常な円安が起こり、ハイパーインフレになる可能性は高いのです」
株高を享受したのは一部の資産家だけ。多くの庶民にとって、アベノミクスは、生活を貧しくしただけで終わりそうだ。
「女性自身」2024年7月2日号
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7:777
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2024/06/23 (Sun) 02:11:50
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レイ・ダリオ氏: 日本経済は最悪だ、米国の政府債務は5年以内に破綻する
2024年6月22日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/50221
引き続き、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏の、The Prof G Showによるインタビューである。
日本の債務問題
前回の記事でダリオ氏は先進国の債務問題に警鐘を鳴らしていた。コロナ後の金利上昇で莫大な政府債務に巨額の利払いが生じ始めているからである。
レイ・ダリオ氏: 米国債が投げ売りされて次の経済危機が始まる
ダリオ氏はその結果起こることは国債の下落と通貨安だと予想していた。
今回はその続きだが、こうした問題でいつも話題に登るのは読者もご存知のあの国である。ダリオ氏は次のように述べている。
日本は最悪だ。日本では大量の紙幣印刷が行われ、結果として日本円は下落した。
日本国債の保有者は自分の資産の購買力を8割方失ったことになる。
これはアベノミクス以来の円安に金利上昇による長期国債の価格下落を足した計算なのだと思う。日本円で物事を考えない海外の投資家から見れば、日本の資産は今そういう状況にあるわけである。
国債下落と通貨安はアメリカではこれからの問題だが、日本ではそれは既に起きている。
日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想 (2023/3/2)
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り (2023/5/2)
アメリカの債務問題
さて、日本では既に起こっている問題だが、アメリカではこれからの問題である。
ダリオ氏は次のように続けている。
アメリカでも債務が支出を圧迫してゆくだろう。国債に対する政府の利払いが増加しているからだ。しかも借金自体も増えている。
そうして政府には支出の余地がなくなってゆく。金額が決まっている年金の支払いと歳入との差が縮まっている。
だがダリオ氏によれば国債利払いの増加そのものは経済危機ではなく、アメリカ経済の緩やかな減速をもたらす。ダリオ氏はこれを早くも去年11月から予想しており、現在までその予想は当たっている。
レイ・ダリオ氏: 米国経済は緩やかにしか減速せず、大きな金融緩和はない (2023/11/29)
債務問題から債務危機へ
しかし米国政府は国債利払いのために国債を発行しているため、国債の発行量はねずみ算式に増えてゆく。
年金の支払いの問題についてはジェフリー・ガンドラック氏はあと4年だと計算している。
ガンドラック氏: 米国の年金はインフレ高金利であと4年で破綻する
だからこの問題は遠からず臨界点に到達する。
ダリオ氏は次のように述べている。
だが本当の問題は国債が本格的に売られ始めた時だ。
赤信号が灯るのは、Fedや他の中央銀行が量的緩和を再開する時だろう。
次に景気後退になるタイミングが一番リスクが高い時期ということになる。
結論
それはいつなのか。ダリオ氏は次のように見積もっている。
もっとも可能性が高いのは今後5年以内か、それくらいだろう。
今の相場では、争点が徐々に11月の大統領選挙に移りつつある。
アメリカ経済は減速しているが、新大統領がそれをそのままにするとは考えづらいから、少なくとも筆者の中では当面の景気後退シナリオは消えつつある。
グリフィン氏: バイデン大統領再選ならトランプ氏復活よりインフレ的
ダリオ氏は5年と言っているから、今年や来年には景気後退は起きず、新大統領がもたらすインフレ相場が次に落ち着いたくらいのタイミングを考えているということだろう。
一方で、新大統領がもたらす国債の大量発行が国債暴落の直接のトリガーになると考えている著名投資家もいる。ポール・チューダー・ジョーンズ氏である。
チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性
いずれにしても米国債の危機を予想する機関投資家が増えている。それは今年だろうか、5年後だろうか。
いずれにしても政治家が何十年も 行なってきた財政出動のツケを国民が払うタイミングが近づいているということである。
グリフィン氏: 米国債暴落でブラックマンデー再来の可能性
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/50221
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8:777
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2024/07/23 (Tue) 06:54:14
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グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート | 世界の金融市場における分析と実践
https://www.globalmacroresearch.org/jp/
追い込まれた日銀!? 石原順チャンネル
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16848778
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ザ・マネー 西山孝四郎のマーケットスクエア - YouTube
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株で儲ける方法教えてあげる(こっそり)
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日本で購入できるコモディティ銘柄の ETF
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金ETF と 銀ETF のお薦め銘柄
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【プラチナ投資】国内ETFを比較!
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日本で購入できる原油 ETFの一覧とそれぞれの特徴は?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16861221
ETFS天然ガス上場投資信託はなぜ安い?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16861236
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2024/08/01 (Thu) 05:12:05
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高橋洋一 緊急Live 日銀が利上げ!なんて事だ!
https://www.youtube.com/watch?v=uZADXdPmunM
日銀、利上げとテーパリング決定、記者会見での植田総裁の発言まとめ
2024年7月31日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51799
7月31日、日本銀行は金融政策決定会合で政策金利を0.25%に引き上げることを決定した。また、現在行われている国債の買い入れについて、徐々に減額すると発表した。いわゆるテーパリングである。
ゼロ金利脱出とテーパリング
まずは利上げからだが、政策金利がゼロ金利から0.25%に引き上げられた。これは3月にマイナス金利から離脱したことに続いての動きである。
日銀、マイナス金利とETF買い入れを終了、量的引き締めを視野に (2024/3/20)
これで長年続いたゼロ金利政策が終了した。経済への影響としては、変動金利で住宅ローンを借りていた人に対する金利がいよいよ上がることになる。固定金利が超長期国債の金利に影響される一方で、変動金利は政策金利に影響されるからである。
また、この会合では日銀による国債買い入れ(つまり量的緩和)の金額を段階的に縮小することが発表されている。現在6兆円である毎月の買い入れ額は、2026年第1四半期までに半分の3兆円に減らされる。
金融引き締めの理由
こうした決定の理由は当然インフレ対策である。植田総裁は会合後の記者会見でまず実体経済について次のように発言している。
賃金と物価が連環を高めつつ緩やかに上昇してゆくと見込まれます。
そしてやはり言及しなければならないのが円安である。植田氏は次のように述べている。
これまでの為替円安もあって、輸入物価が再び上昇に転じていまして、物価の上振れリスクには注意する必要もあると考えています。
こうした状況を踏まえ、物価安定目標の持続的安定的な実現という観点から、今回政策金利を引き上げ、金融緩和度合いを調整することが適切であると判断しました。
利上げは正しかったのか?
さて、植田氏はいつもの冷静な表情で淡々と述べているが、筆者はこれがかなりの苦渋の選択だったのではないかと考えている。
何故ならば、植田氏の発言は円安については正しく、実体経済については正しくないからである。
それは最新のCPI(消費者物価指数)統計を見れば分かる。日本のインフレ統計はアメリカのものとは逆になっており、食品とエネルギーを除くコア指数は減速しているが、エネルギーは加速している。
食品とエネルギーは海外のコモディティ市場に影響されるため、ドル円が高くなれば物価が上がる。
一方で内需の強さに依存しているコア指数(日銀が勝手にコアと呼んでいるものとは別である)のインフレ率は1.9%まで下がってきており、特に直近2ヶ月のデータが弱い。更に、GDPは消費の減速から最新のデータはマイナス成長となっている。
一方で日銀自身の金融緩和によってドル円は上昇しており、その結果特にエネルギーのインフレが加速していた。
弱い内需と上がるドル円のジレンマ
だから日銀は選択を迫られていた。緩和を止め、利上げでドル円の上昇を止めなければ、ドル円と輸入物価は上がってゆく。しかし利上げをしてしまうと既にかなり弱っている日本経済はますます弱ってゆくだろう。
このジレンマについてはかなり前から指摘しておいた。日銀はインフレか経済減速か、どちらかを選ぶしかないと。
そして中央銀行の役目は 物価の安定であり経済成長ではないから、植田氏は輸入物価の上昇を止めるため、黒田前総裁が開始した円安政策を徐々にもとに戻してゆくことを決定したのである。
結果、ドル円は下がった。経済成長より輸入物価抑制だという植田氏の決意が伝わったのか、ドル円は下落している。
しかし既にマイナス成長(2四半期続けば定義上景気後退である)に陥っている日本経済は、利上げを受けてどうなってしまうのか。
結論
植田氏は今後の経済見通しについて次のように言っている。
背景として賃金や物価が上昇しているという中での動きですので、経済・物価がこれを契機に減速するという風には必ずしも見ていないということと、より長期的な観点から申し上げますと、非常に低い水準にある金利を経済物価情勢に合わせて少しずつ調整しておいた方が、物凄い急激な調整を強いられるというリスクを減らすという意味で、全体としてはプラスになるという考え方もあり得るかなという風に思っております。
だが利上げは今回だけではないらしい。植田氏は同時に次のようにも言っている。
経済物価情勢に応じて引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整してゆく方針です。
植田氏は確かに「引き続き」と言っている。つまりこれからも利上げするということである。
だが正直筆者は日本経済がそれに耐えられるとは思えない。何度も言うが、日本経済は既にマイナス成長なのである。
そして利上げは株価にとってもマイナスである。2022年、米国株はアメリカの利上げによって急落した。世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏は以下の記事で、日銀の利上げによって日本株も同じような急落を経験する可能性を指摘している。
レイ・ダリオ氏: 日本、金利上昇で経済崩壊の可能性
会合後の日経平均は、むしろ上がってる。だが筆者は日本経済の展望にかなり警戒している。本当に大丈夫だろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51799
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2024/08/01 (Thu) 15:35:39
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長期投資の落とし穴!
石原順チャンネル 2024/07/30
https://www.youtube.com/watch?v=KGdRPnmj-fk
<チャプター>
00:00 長期投資の落とし穴!
01:50 投資家行動と株式市場
06:50 インフレ調整後の連邦赤字
10:54 米国の負債が35兆ドルに到達
12:45 10年後のリターン
16:50 日本から米国へ過剰流動性の提供
22:52 CAPEレシオ(Shiller PE Ratio)
26:12 S&P500:仮説と実際のパフォーマンス(2009年~2024年)
28:12 ナスダック100 (月足)
29:43 実質S&P500と実質利益の累積変化量
34:51S&P500実質価格(黒)とサイコロジカルサイクル(赤)1980~現在
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2024/08/04 (Sun) 05:56:26
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今のドル円下落は円相場崩壊前の最後の円高サイクル
2024年8月3日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51917
株式市場、特に日本株の下落が話題になっているが、その理由については既に解説しておいた。
日経平均急落の原因は日銀植田総裁の利上げではない
だから次は同時に起こっているドル円の急落について原因や今後の予想を書いてゆく。
急落したドル円
まずはチャートから掲載しよう。ドル円のチャートは次のようになっている。
162円から146円まで10%程度の下落である。
円高ドル安の理由
この急激な円高ドル安は、2022年からの大幅なドル円上昇のあとに起きた。ドル円はアメリカの利上げと、インフレにもかかわらず金融緩和で火に油を注いでいた日銀の金融政策の合わせ技によってどんどん上昇していた。
だがここに来てその両方が逆流しつつある。アメリカでは景気が減速し始め、Fed(連邦準備制度)は利下げを開始しようとしている。
7月FOMC会合結果: 9月の利下げ示唆などパウエル議長の発言まとめ
一方で日銀は利上げを行い、ついに長年のゼロ金利から脱出した。
日銀、利上げとテーパリング決定、記者会見での植田総裁の発言まとめ
ドル円下落とアメリカ経済
ドル円はどうなるのだろうか。ドル円の下落はこれからも続くのか?
それが投資家にとっての問題だろう。そしてそれはアメリカにおける金利低下と日銀の利上げがどれだけ続くのかという問題に言い換えられる。
だからまずはアメリカ側の事情について検証するが、ここでは何度も言っている通り、アメリカ経済は減速トレンドに入っている。また後で記事を書くが、最新の雇用統計で失業率は更に上昇した。最近の米国株の下落もそれが原因であることは、以下の記事で説明している。
世界的な株価下落の理由と今後の動向予想
5%台まで上げた政策金利がようやく実体経済に効いてきているのである。アメリカ経済は、このまま何事もなければ景気後退へのカウントダウンへ入ってゆく。
だが今年のアメリカは何事もなくないのである。何故ならば、11月にアメリカ大統領選挙が控えているからである。
大統領選挙ではドナルド・トランプ前大統領が優勢となっている。もしこのままトランプ氏が再選となれば、トランプ氏は弱ったアメリカ経済をバイデン大統領から引き継ぐことになる。
トランプ氏、大統領に再選なら15%への法人減税を示唆、実現すれば米国株にプラス
それははっきり言って2016年の相場に似ている。2016年には筆者や著名投資家はアメリカが景気後退に向かってゆくことに賭けていたが、トランプ氏の勝利によってそれがすべてひっくり返った。
ドラッケンミラー氏が金売却、世界経済に「非常に、非常に強気」 (2016/11/12)
このまま行けば、金融市場は同じような展開になりそうである。2016年には11月に当選したトランプ氏の経済対策によって市場は経済成長を織り込み、ドルの金利は上昇してドル円は上昇に急転換していった。以下が当時のドル円のチャートである。
このままアメリカ経済が減速し、トランプ氏がそれを引き継ぐなら、彼が経済対策を行わないはずがない。もしトランプ氏が過度なインフレを引き起こさない経済成長を実現できるのであれば、ドル円は2016年のシナリオをなぞるだろう。つまり、ドル円は下落してから上昇することになる。
ドル円下落と日銀の利上げ
では日本側の状況はどうか。日銀の利上げだが、日銀については日本の実質経済成長率がマイナスとなっている中で続けて利上げすることは出来ないだろうということを以下の記事で書いておいた。
日銀、利上げとテーパリング決定、記者会見での植田総裁の発言まとめ
それでも植田総裁が利上げしなければならなかったのは、ドル円の上昇によってインフレ統計の中で輸入物価だけが過熱を続けていたからである。インフレが発生してしまえば、経済が沈んでいてもインフレを止めるために金利を上げなければならなくなる。
それがインフレの怖さであり、インフレを意図的に引き起こしてはならない理由である。
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
だが日本人は円安政策を支持し、円安によってインフレを引き起こしてしまった。
日銀はこれからどうするか。幸か不幸か、アメリカ側の事情もあってドル円は下落した。そもそも日銀は日本経済の弱さから言って引き続きの利上げは出来ないのだが、ドル円がこの水準にある限り利上げの必要もないだろう。以下の記事でも言ったが日本経済は既にかなり弱いのである。
日銀、利上げとテーパリング決定、記者会見での植田総裁の発言まとめ
日本の政府債務
また、長期的な話をすればそもそも日銀は金利を上昇させられないのである。
何故ならば、もし利上げをすればGDP比252%の日本国債の山に金利が付いてしまうからである。それは既にアメリカでは起きている。アメリカは国債の金利が4%程度となっているので、それはつまり政府債務にそれだけの金利が付くということである。
それで米国政府の債務の利払い(GDP比)は次のように急増している。
アメリカは借金の利払いのために借金を増やさなければならない状況にある。
それでアメリカの著名投資家はアメリカの財政はもう5年保たないと見積もっている。
ガンドラック氏: 米国の年金はインフレ高金利であと4年で破綻する
レイ・ダリオ氏: 日本経済は最悪だ、米国の政府債務は5年以内に破綻する
だがアメリカの政府債務はGDP比122%と日本の半分なので、日本に同じことが起きれば利払いの衝撃はアメリカの倍になる。
つまり、日本では金利を2%まで上げるだけで今のアメリカと同じ状況に陥り、4%や5%まで上げなければならなくなれば、最終的にはGDPの10%以上が国債の利払いだけで消えることになる。
結論
植田総裁は黒田総裁が引き起こした円安とインフレの後始末を任せられた。彼は頑張っているが、前提として日本はそもそも金利を上げられない状況にある。
だから今回の円高が日本にとって最後の円高となるだろう。長期的には円安は避けられない。その転換のタイミングは、アメリカの情勢が上記のシナリオの通りに進めば、11月の大統領選挙の前後ということになる。(トランプ氏がどれだけ優勢かによって左右されるだろう。)
その後のシナリオは日本人にとって選択の問題である。現在の円高サイクルが終わったとき、日本は金利を上げて政府債務の利払い急増を受け入れるのか、あるいは円安とインフレを受け入れるのかの選択に迫られる。
歴史上、国家は借金を増やしてインフレを発生させ没落していった。沈みゆく国家がこの選択に迫られたときどちらを選ぶのかについては、世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で説明してくれている。
日本経済の終了が近づいている。筆者は日本の読者に、この最後の円高サイクルのいずれかのタイミングで日本円を出来る限り売り払ってしまうことをお勧めする。ドルは円よりマシかもしれないが、ドルにはドルのリスクがある。
サマーズ氏: 米国に株安・ドル安・金利高騰が一気に来る可能性
だから一番良いのは貴金属だろう。考えなければ資産を守ることが出来ない時代が本当にやってくる。
フォン・グライアーツ氏 : ゴールドとシルバーの本当の上げ相場はこれから
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51917
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12:777
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2024/08/06 (Tue) 02:30:39
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一般社団法人日本エリオット波動研究所 代表理事 有川和幸さん
金CFD(米ドル/オンス)・米国債10年物利回り のエリオット波動分析
ゴールドが今年天井をつけた後に世界が震撼するようなことが起きる可能性
実践!エリオット波動 有川和幸さん 2024年3月11日
https://www.youtube.com/watch?v=GxkAiqcrn6Y&t=129s
JAPAN 225 CFD のエリオット波動分析
日経平均はこのまま上がり続けるのか?それとも、この後大きく下げるのか?
実践!エリオット波動 有川和幸さん 2024年2月17日
https://www.youtube.com/watch?v=saWDfG8u5Tw&list=PLbeeewhOVN3ZOHGCnxY0IlcCNaWFxs2rI&index=2
S&P500の超長期チャートのエリオット波動分析
まずは中規模の下落があった後、本当の暴落は2030年以降に訪れると考える理由
実践!エリオット波動 有川和幸さん 2024年2月5日
https://www.youtube.com/watch?v=1VKpjo9ThQE&t=101s
米ドル/円 のエリオット波動分析
円高は、いつまで続き、いくらになるのか?エリオット波動原理の視点
実践!エリオット波動 有川和幸さん 2023年12月18日
https://www.youtube.com/watch?v=B410mp3CBsM&t=7s
一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/
日本エリオット波動研究所 有川和幸さんの動画 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLbeeewhOVN3ZOHGCnxY0IlcCNaWFxs2rI
日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932
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2024/08/06 (Tue) 09:47:32
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バブル経験者は語る
自分の投資法を持たれ、成果を上げられている方はほんのわずかです。ほとんどの方は損をしています。
今回はそんな中から極端な例をご紹介します。
その方は相場の経験は浅くと言うか、ほとんどど素人同然でした。元々資産家で商品先物に手を出したのも、ほんの「お遊び」だったようです。
最初、50万円から始められたそうですが、あれよあれよと言う間に儲かって行きました。その時の投資基準は「勘と第六感と度胸」とでも言うのでしょう。儲かった利益をそのまま次の取引に載せていったそうです。
バブル時の長期上昇トレンドに乗った物だと思います。
話を聞いただけで恐ろしくなりますが、素人は怖いもの知らず。1年足らずで資金は2億に届く所まで来たそうです。
そうなるともう怖いもの知らずの行け行けドンドン! 一気に登った坂道を登り詰めると、今度は全力で駆け下りるようだったと聞きます。
気が付いた時にはプラス2億がマイナス2億へ・・・となっていました。
本来、資産家ですからこの程度(!)のマイナスなら持ち応えられたらしいのですが、悪い事は続く物です。 知り合いの建設業者に頼まれてなった保証人。その建築業者が失踪、借金取りが押し寄せて来たそうです。
http://www.harvestchart.com/tonpei/tonppei.htm
暴落する時はあくまで”暴落”であって、それは一気に急落する、信用売りも仕掛けられないほどの暴落なんです。
言ってみれば、急勾配の坂を下る様な個人が信用売りでコントロール出来る様な代物ではなく、足元に突然大きな深い穴が開いて、真下に真っ逆さまに穴の中に落下する様な”暴落”なんです。
だから、暴落時に信用売りを仕掛けても、何しろ値が全然付かないのですから信用売りも約定する事はあり得ません。それほどの恐ろしいものなんです。
暴落の怖いところは、下がるだけではなく、その翌日は逆に値ごろ感を持った投資家が一挙に買いに殺到して反転暴騰して、今度は買いを入れても値が付かず、買い約定も出来ない・・・
そんな状況を総じて”暴落”というのです。
仮に暴落時に信用売りを仕掛けて”運良く”約定しても、その翌日は、逆に一気に全株全面暴騰し、日経平均で何千円も踏み上げられるのです。
そんな状況でも信用売りを仕掛けるのは、余程の”勇者”か余程の”資産家”か余程の”素人”なんでしょう。
ブラックマンデーの様な、又日経39000円からのバブル崩壊の様な ”暴落”はいわば一方方向の暴落なんていう代物ではなく、暴落と暴騰を日替わりで繰り返しながら株価が急落して行く、”ダッチロール”の墜落の様な”暴落”である事を是非理解しておいて下さい。
ネット系の個人投資家は 逆に行け行けドンドンの 横並び体質がありますので、一転暴落が起こったら、過去の暴落以上に売りが売りを呼んで、サーバーダウン等も相まって、過去の暴悪以上の凄まじい想像以上の暴落になると私は思ってます。
_________________
暴落時に空売れると思っている人間が多いよね。
S安貼り付きに売りで並ぶつもりなのだろうか。
本格的な下げか、押し目か判断してから参加するとか言っている人間は一番ダメだな。 暴落の一番オイシイ所を逃すばかりか、押し目だった場合、大底で空売るハメになる。
または「まだ早い、ただの押し目だ」と言い続けて売り遅れ涙目になるのがオチ。
暴落始まったら損切りしたくてもできない。 売れないから。
今現在、株トレードにおいて自分が勝ち組だと思ってるやつも大半はやがて自分も負け組であることを実感する時が来る。 有名なアナリストも株相場はトランプのババ抜きみたいなものといっているくらいだから利益確定してさっさと勝ち逃げするのが賢明
___________________
ビルに飛行機がつっこんだ。
東証は臨時に値幅制限を半分に。当然のようにS安連発。
自分の持ち株はマーケットメークだったので、1日で確か20%ぐらい下げた。
当時はまだ優良企業であると信じられていた某ソニー。
自分も期待しながらわずか200株だけだけど買ってました。
糞決算発表。確かその翌日は比例配分すらできないような大幅な売りを浴びてS安。その次の日も比例配分のS安。 一応国際優良株と言われ馬鹿でかい規模、こんな株が2日連続でS安っていう衝撃はあまりにもでかかった。
一番すごかったのはメガバンの売られっぷりだけどね。 100万ぐらいしてたのが1年もたたないうちに5万台まで売られた。
そのとき買っとけばよかったじゃんと言うかもしれないけど、とてもじゃないけど買える雰囲気じゃなかった。 某ドイツ証券の人が「東証を閉鎖せよ」っとまじで言ってるのw
自分はみずほ5万台で買ったのが自慢。だけど1株だけな。あのとき100株とか買えるような人がいたら天才か大ばか者のどっちかだな。
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90年バブルの方はブラックマンデー以降も2年くらいは好景気で株式相場も活況だった。逃げる気になれば逃げられた。もつとも当時は株と土地は長期的に下がることはないと思われていたから「逃げる」と言う感覚がなかった。
ITバブルの方は本当にバブル。一気にはじけた。あれは逃げるのが難しかった。
それでも全銘柄が急落したわけではない。逆張りでオールドエコノミーといわれたセクターに投資した人(バフェットもその一人)はむしろ儲けた。
87年に起こった、ブラックマンデー・ショック直前に、持ち株全部処分してノーポジを自慢してた香具師もいたが、その後の相場にはしっかり乗り遅れた。
現在のような、13年の長きにわたる下げ相場だと、弱気になるのも無理からぬことではある。
弱気筋も、売った持ち株が更に上伸していくさまを何度も見せ付けられて 徐々に強気に変わっていくのさ。
そして、誰もが強気を唱えるようになるとき・・・
「桐一葉 落ちて天下の 秋を知る」 ようになる。
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14:777
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2024/08/06 (Tue) 11:48:53
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日経平均暴落、NISAで株式投資を始めた初心者が見逃していた長期投資の問題点
2024年8月5日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52023
8月5日、日本の株式市場が大幅下落した。日経平均は1日で12.4%の下落となり、近年稀に見る株価の下落幅となった。
株価暴落の理由
日経平均は次のようなチャートになっている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/08/2024-8-5-nikkei-225-chart.png
なかなかの急降下である。7月の史上最高値から見ると25%程度の急落となっている。
株価下落の原因は何かと言えば、それは世間で言われているように日銀植田総裁の利上げではない。0.25%の利上げに株価を暴落させる力はない上に、長期金利はそもそも上がってすらいないからである。だから金利が株価下落の原因だという議論は有り得ない。
では何が原因かと言えば、以下の記事で既に説明しておいたのでそちらを読んでもらいたい。
日経平均急落の原因は日銀植田総裁の利上げではない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51874
NISAで投資を始めた初心者たち
だから今回の記事で議論したいのは、株価下落の根本的な原因のことではなく、株価が下がった時に群れをなして売ろうとした人が多かったことである。投資家として暴落相場を何度も見てきた筆者が見ても、下落が下落を呼ぶ速度が早かったように思う。
恐らく株式市場についてほとんど何も知らずにNISAがブームだと聞いて投資を始めた人が株式市場にあふれていたのだろう。彼らが株式を買った理由は株価が上昇していたことだったから、株価が下落に転じればそれがそのまま株式を投げ売りする理由になる。だから下落が下落を呼ぶ。
ここ数年ほど、筆者は主婦や普通の会社員など金融業界とは無縁の人々にNISAについて尋ねられることが多かった。そうした人々の多くは実際には客観的なアドバイスなど求めていなかった。「買って放置すれば金が儲かる」という売り文句に吸い込まれた自分の背中を筆者のような金融業界の人間に後押ししてほしかっただけなのである。
一番酷い場合には、NISAを貯金の代わりか何かだと勘違いしていた人もいる。その人は、株式投資のリスクを淡々と説明した筆者に対し、不満そうな顔をしながら「儲からなくても、損しなければ良いと思ってるので」と答えた。「株価は下がるものですが」と言う筆者に対してその人は不思議そうな顔をしていた。
今回の下落では、そうした人々が想像もしなかった(筆者は説明した)下落に対して大急ぎで逃げ出したのだろう。
株式の長期投資
さて、もう少し賢明な人々は、NISAが長期投資であることを理解していただろう。だがそうした人々に対する試練はこれからである。何故ならば、そうした人々はまだ株式を売っていないだろうからである。
筆者は以前から説明しているが、NISAの一番の問題点は、株式の長期投資がまるで必ず儲かるものであるかのように説明されていたことである。
株式投資は短期的には上下することもあるが、長期的には安定して儲かるものである。それが上述の初心者よりも少し賢い投資初心者が株式長期投資に対して持っている理解である。
だが残念ながらそれは間違っている。日経平均が30年ぶりに史上最高値を更新したというニュースが流れたとき、大半の人は喜んだが、少数の賢明な初心者の頭には不安がよぎったはずだ。何故ならば、それは日本株に30年投資しても損しか出ていなかったことを意味するからである。
それが恐らく投資初心者に気づきの機会が与えられた一番最初だっただろう。株価は長期的に必ず上がるわけではないのか?
株価の長期的な動向
その問いに対する答えは、筆者はここの記事で既に書いている。ここの読者には言うまでもないことだが、株価の動向に対して正しい原則はこうである。
株価は「金融緩和が行われている状況下では」常に長期的に上がってゆく。
だから日本株はバブル崩壊後、金利がゼロに近づいて十分に利下げできなかった期間は下がり続けて、2013年のアベノミクスで量的緩和が始まると上昇トレンドに転じたのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/08/2024-8-5-nikkei-225-long-term-chart.png
分かりやすいチャートではないか。
米国株の長期的動向
そしてその原則は日本株のみならず、米国株を含むあらゆる国の株価に対して当てはまる。
NISAで米国株に投資している人の論理はこうである。米国株は過去数十年上がり続けている。だからこれからも数十年上がり続ける。
だが上の原則を知った人はこう訂正するだろう。米国株は金融緩和によって過去数十年上がり続けた。だから、「もしこれからも金融緩和が続けば」、数十年上がり続けるだろう。
実際、アメリカでは1980年から2021年まで41年間長期的に金利が低下していた。アメリカの政策金利は次のようになっている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/08/2024-8-5-federal-funds-rate-chart.png
だから過去40年間の米国株の上昇は、この金利低下(そしてその後の量的緩和)が原因なのである。
アメリカが40年も金利を下げ続けられたのは、それがデフレの時代だったからである。しかしコロナ後のインフレによってアメリカは金利を上げなければならなくなった。
過去数十年の米国株のチャートしか知らない人々は、金融緩和時における米国株の推移しか知らないわけである。
ではインフレ・金利上昇の時代に株価はどうなるか。1980年より前、アメリカは物価高騰の時代だった。そして上のチャートを見れば分かるように、金利は上がり続けていた。
そしてその時の米国株のパフォーマンスは、以下の記事で検証したように長期的に酷かったのである。
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に (2022/9/20)
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28426
結論
そして今、相場はどちらなのか。デフレと金融緩和の時代なのか、インフレと金利上昇の時代なのか。投資家はそれを考えなければならない。
日本株がそうだったように、株式の長期投資で損失が出る国もある。世界には無数に国があり、株価が上がる国もあれば下がる国もある。
そしてアメリカが過去40年金融緩和のトレンドにあったからと言って、今後40年そうなる保証はまったくない。というか現状アメリカ経済はその逆を行っている。
だから短期投資でも長期投資でも、投資家は結局正しい投資先(株価インデックスを買う場合には国)を自分で見つけなければ利益を得られない。金融政策の状態から言って株価が長期的に上がる状態にある国もあれば、株価が長期的に下がる状態にある国もあるからである。
そしてその国の株価が過去数十年上がり続けていることは、今後数十年の株価動向に何の意味も持たない。ここまで読んだ読者ならばそれは分かるだろう。国の経済にはサイクルがあり、アメリカはデフレと金融緩和のサイクルを通り抜けただけである。
アメリカが次にどういうサイクルを通り抜けるのかは、長期的な話ならばレイ・ダリオ氏の『世界秩序の変化に対処するための原則』に書かれている。ダリオ氏は日本株の暴落を予想していた。
レイ・ダリオ氏: 日本、金利上昇で経済崩壊の可能性 (2024/6/5)
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/49622
日本とアメリカの経済に関する短期的な話ならば、以下の記事に書いてあるので参考にしてもらいたい。
今のドル円下落は円相場崩壊前の最後の円高サイクル
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51917
だから結局、 投資家は予想を立てなければならない。株価インデックスに長期投資するのであれば、その国の今後数十年の金融政策を予想しなければならないのである。
買って寝ていれば儲かる投資など存在しない。本当に存在するのであれば、プロのファンドマネージャーは毎日出社して世界経済をリサーチなどしていない。そんな当たり前のことに、ほとんどの投資家は暴落を経験しなければ気づけないのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52023
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2024/09/23 (Mon) 22:40:51
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ガンドラック氏: 米国経済は景気後退に陥り、しかも金利は高騰する
2024年9月22日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/53847
引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏の自社配信動画である。今回は財政赤字と国債の金利について語っている部分を紹介したい。
アメリカの経済見通し
前回の記事では、ガンドラック氏はアメリカ経済はあと4ヶ月で景気後退に突入すると予想していた。
ガンドラック氏: 米国経済の景気後退は確実、猶予はあと4ヶ月だ
その理由の1つとして、ガンドラック氏は失業率のトレンドが景気後退前の状態と一致していることを挙げていた。
そして次にガンドラック氏が指摘するのは、失業率が上がって景気後退が来る時には財政赤字がどうなるかということである。
ガンドラック氏は次のように述べている。
この失業率のトレンドが続けば、財政赤字は今よりも悪化すると考えるのが普通だろう。
何故ならば、景気が悪くなり失業者が増えると政府は財政支出をして雇用を増やそうとするからである。
アメリカの財政赤字
財政支出の何が悪いのか。人々が財政支出を問題だと思わないのは、これまで財政支出が大した問題にならなかったからである。例えばリーマンショックなどの後にも大規模な財政支出が行われたが、特に問題はなかったと多くの人は思っているはずだ。
財政赤字は景気後退を和らげ、しかも何の副作用ももたらさなかった。だがアメリカや日本のように一文無しの国が財政赤字を増やすと国債を大量に発行する必要がある。
それでも問題が起こらなかったのは、その国債を大量に買い込んでくれる誰かが居たからである。中央銀行である。
普通、国債を大量発行すると金利は上昇する。国債の需要と供給のバランスが崩れ、供給過多で国債の価格は下がり、国債の価格下落は金利上昇を意味するからである。
だがリーマンショック以降、アメリカも日本も量的緩和で中央銀行に大量の国債を買わせてきた。だから財政赤字が増えても国債の価格は下落せず、金利も低いままだった。
だから日本でも財政赤字を増大させてもせいぜいドル円が100円から150円になり、輸入物価が50%上がっただけで済んだのである。
日銀の植田総裁が円安を止められない理由
それで幸いだったと考えるかどうかはさておき、本来来るはずの国債暴落は起こらなかった。
しかしコロナ以降のインフレによって、アメリカでは量的緩和どころか利上げを行わなければならなくなり、遂には日本でも量的緩和が停止されることになった。
日銀、利上げとテーパリング決定、記者会見での植田総裁の発言まとめ
この状況で財政赤字を増やさなければならなくなればどうなるかである。
次の景気後退とアメリカの債務危機
問題は、アメリカの財政赤字が既に悪いということである。コロナ禍を乗り切ったにもかかわらず、アメリカの財政赤字はコロナ前の水準に戻っていない。
これはバイデン政権がやっていることであり、11月の大統領選挙で後任のハリス副大統領が勝てば財政赤字が悪化すると人々が懸念している理由である。
ポールソン氏: トランプ前大統領が敗北なら財政赤字拡大、金価格上昇へ
トランプ氏: 現金給付でインフレを引き起こしたのはバイデン氏だ
ガンドラック氏は次のように述べている。
財政赤字は既にGDPの5.5%でかなり悪いが、今の失業率は4.2%で、景気後退はまだ来ていないということになっている。
だからこの後どうなるか。景気後退が来れば、財政赤字は悪化するのが普通だ。
財政赤字は既にかなり悪化しているのに、ガンドラック氏はここからアメリカ経済が景気後退に突入することを予想している。
国債の下落が始まる
そうなれば財政赤字は更に増加し、市場に大量の国債が放出されることになる。だがそれを買ってくれる中央銀行はもういない。
ガンドラック氏は次のように述べている。
財政赤字が悪化すれば債券の需要と供給に大きな問題が生じる。
国債の需給に問題が生じればどうなるか? 国債は発行時には入札で買い手を募るが、その入札に買い手が集まらなくなる。
ガンドラック氏はこう続けている。
国債の入札が不調に終わればどうなるか?
その状況は好ましくない。そうなれば次の景気後退で金利が上がるという兆候になる。
国債の入札に異変が起きるとき、債券市場の投資家たちは米国債の需給崩壊が始まっていることに気付き始めるだろう。
反転するアメリカの長期金利
景気後退になれば金利は下がるのが普通である。ガンドラック氏も金利はまず下がると予想している。
彼は次のように述べている。
そうなるのは金利がまず下がってからだが、金利の下落は既に起こっている。10年物国債の金利は去年の10月に5.02%の高値になってから1年足らずで3.65%まで下落している。
10年物米国債の金利は次のように推移している。
何故金利が下がっているかと言えば、景気後退による財政赤字の急増はまだ起こっていないからである。
だがガンドラック氏の予想通り景気後退が起こり、財政赤字が実際に増え始めたとき、すべては変わるとガンドラック氏は予想する。彼は次のように言っている。
財政赤字で国債が乱発されても金利低下は続くか? そうは思わない。だから財政赤字に注目しておくことが非常に重要なのだ。
アメリカの債務危機
アメリカの債務危機は新しい話ではない。米国債の需給に問題が生じるというのは、今年の初めにポール・チューダー・ジョーンズ氏が指摘していたシナリオである。
チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性 (2024/2/24)
だが投資家によってタイミングの予想は微妙に異なる。ジョーンズ氏は今年の大統領選挙、ガンドラック氏は次の景気後退、レイ・ダリオ氏は5年以内と予想している。
レイ・ダリオ氏: 日本経済は最悪だ、米国の政府債務は5年以内に破綻する
いずれにせよアメリカの政府債務の問題が大枠でどういう道筋をたどるかということでは全員の意見が一致している。詳しくはダリオ氏の『世界秩序の変化に対処するための原則』を参考にしてもらいたい。
世界秩序の変化に対処するための 原則
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E7%A7%A9%E5%BA%8F%E3%81%AE%E5%A4%89%E5%8C%96%E3%81%AB%E5%AF%BE%E5%87%A6%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81%E3%81%AE%E5%8E%9F%E5%89%87-%E3%81%AA%E3%81%9C%E5%9B%BD%E5%AE%B6%E3%81%AF%E8%88%88%E4%BA%A1%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%AE%E3%81%8B-%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%BB%E3%83%80%E3%83%AA%E3%82%AA/dp/4296116185?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=TDM09MVBZJYL&dib=eyJ2IjoiMSJ9.2qGKODN6BuEkRGN66w2lk5c7tiDRWnjw8QLPf8q8a4_lBi1_BZsYeLlqKq40XOphncuWPFl1F2t9xsgXoBkP3KJZtXtzyxctA4LTs9rv921NiLX1BPDxa4TnhoMsscmhn6UucyuTZ6A4qham6cIM8w07-1Xo4QFNrXd-0FQDD5mKyIStvOhbFihdu6RlizxhM_0XBGrfr47Mn_Gvh615MpmzvZiEFocTDRK2vOyaUGU.JUyDI1IllWDpBrm9koD1ocXqqBMm8byeXtcgoOzKRro&dib_tag=se&keywords=%E3%83%80%E3%83%AA%E3%82%AA&qid=1711598966&rnid=2321267051&s=books&sprefix=%E3%83%80%E3%83%AA%E3%82%AA,aps,173&sr=1-1&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=d4a908bef2263415ca7a8de1463662c1&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/53847
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16:777
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2024/10/01 (Tue) 01:15:15
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ガンドラック氏: 大統領選挙に向けての最高の投資アイデアは長短金利差拡大
2024年9月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/54291
DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がUBSによるインタビューで、11月のアメリカ大統領選挙に向けての投資戦略を公開している。
アメリカ経済減速
前回の記事では、ガンドラック氏のアメリカ経済の見通しを紹介した。
ガンドラック氏: アメリカの景気減速が止まらない理由、失業率上昇は悪化する
Fed(連邦準備制度)のパウエル議長がソフトランディングを信じている一方で、ガンドラック氏はアメリカ経済はこのまま悪化すると予想している。
FOMC会合でソフトランディングを楽観するパウエル議長「超低金利はもう戻って来ない」
だが、それなら投資家はどうすれば良いだろうか。ガンドラック氏はこれまで大幅な利下げを予想してきたので、ガンドラック氏は短期の金利の下落に賭けるトレードをたびたび推奨してきた。
その予想は見事に当たり、今や金融市場は来年末までに政策金利が2%台にまで下がることを予想しているので、短期金利はもう既にかなり下落している。
ガンドラック氏の予想が見事に当たったわけだが、これから更に下がるにしてもそろそろ次のトレードを考えるべきだろうし、何より11月に大統領選挙があり、新大統領の発表するばら撒き次第では、単純な景気減速相場ではなくなる可能性も高い。
大統領選挙後のトランプ氏、インフレを起こさずに株価上昇を引き起こす余地があるか?
アメリカの財政問題
そこでガンドラック氏は今回、11月の大統領選挙に向けてのトレードについて言及している。ガンドラック氏はまずアメリカの財政問題について次のように言っている。
どちらの候補もアメリカの財政問題に対処する気はないようだ。
今年に入って著名投資家の間で最大の懸念になっているのはアメリカの財政赤字だ。アメリカでは金利上昇によって莫大な政府債務についに利払いが発生している。だが米国政府にはお金がないので、国債の利払いのために国債を発行する状況に陥っている。
ガンドラック氏: 米国債が債務減免される可能性
ガンドラック氏はこのままでは最終的に米国債は一部返済されないと予想している。国債が大量に発行されれば、債券市場では供給が需要を上回り国債の価格が下落することになる。
レイ・ダリオ氏: 米国債が投げ売りされて次の経済危機が始まる
グリフィン氏: 米国債暴落でブラックマンデー再来の可能性
しかしトランプ氏もハリス氏もこの問題を真剣に捉えている様子はない。ガンドラック氏は次のように述べている。
民主党は低所得者に現金給付を行いたい。詳細は明らかになっていないが、少なくともそれが公約になっている。
一方で共和党はあらゆるニッチな層に減税を行いたがっている。チップ非課税、残業代非課税、年金非課税、ほとんど連想ゲームのようだ。
トランプ氏は前政権時に有効な減税策をやり尽くしてしまったので、チップ減税のような聞こえは良いが規模は多くない減税でお茶を濁そうとしているのである。
大統領選挙後のトランプ氏、インフレを起こさずに株価上昇を引き起こす余地があるか?
ガンドラック氏の大統領選トレード
この状況で投資家に何が出来るのか。ガンドラック氏は次のように述べている。
いずれにせよどちらの政党も財政赤字を拡大しようとしており、それは長期的に問題となる。
これらの政策が実行されれば、どちらの候補が勝ったとしても長短金利差が拡大する可能性が高い。
長短金利差とは、長期金利から短期金利を引いた金利差のことである。
コロナ後の利上げによって短期金利は大きく上がったが、その金融引き締めによって経済の長期見通しは悪化したため、長期金利は短期金利ほど上がらなかった。
結果として短期金利は長期金利よりも高くなり、長短金利差はマイナスになった。
長短金利差がマイナスになるのは景気の見通しが悪い時なので、長短金利逆転は景気後退のサインとなる。だがガンドラック氏の指摘によれば、本当に景気後退が来るのは長短金利差がマイナスになった時ではなく、長短金利差が一度マイナスになってからプラスに戻った時である。
そして長短金利差のチャートを見れば、それが今まさに起きている。
それはガンドラック氏がアメリカ経済の減速継続を予想している理由の1つでもある。
ガンドラック氏: アメリカの景気減速が止まらない理由、失業率上昇は悪化する
長短金利差は拡大を続ける
ガンドラック氏は次のように述べている。
ここ6ヶ月で一番自信のあったわたしのアイデアは、長短金利差が拡大するというものだ。
そしてガンドラック氏は以前次のようにも言っていた。
ガンドラック氏: 米国経済の景気後退は確実、猶予はあと4ヶ月だ
歴史的には、一度プラスに転換した長短金利差はそのまま大きく上昇している。
実際、筆者も大統領選挙がその後押しになるのではないかと考えている。ハリス氏になれば恐らくガンドラック氏の言う通りこのまま景気減速が継続する可能性が高い。トランプ氏なら2016年のトランプ相場の再来になる可能性もあるが、景気刺激の余地が限られるなど2016年に比べて厳しい点もある。
大統領選挙後のトランプ氏、インフレを起こさずに株価上昇を引き起こす余地があるか?
だが好景気シナリオでも不景気シナリオでもどちらにしても長短金利差は拡大する可能性が高い。長短金利差が下落するのは短期金利が下げられない場合だが、今はその状況ではない。
だから筆者の意見でも長短金利差の拡大に賭けるトレードは、大統領選挙に向けてのメインのマクロトレードなのである。ガンドラック氏は次のように述べている。
大統領選挙は長短金利差の更なる拡大を引き起こす。それが大統領選挙に向けて一番自信のあるアイデアだ。
つまりは短期国債を買って長期国債を空売りすることである。
20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が著書『貨幣論集』で予言していた「インフレ減速後の不景気」が来る。ハイエク氏は次のように書いている。
ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
失業はインフレが加速をやめたときに、過去の誤った政策の帰結として、非常に残念だが不可避の結果として出現せざるをえない。
そのままなら景気後退、 それを景気刺激で無理矢理止めようとしてもインフレ再燃である。そしてどちらの場合も長短金利差は拡大するだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/54291
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17:777
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2024/11/03 (Sun) 08:22:56
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ネイピア氏: 日本の政府債務は円安で解決される、円を空売りして日本株を買え
2024年11月2日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55871
引き続き、The Solid Ground Newsletterのラッセル・ネイピア氏のSkagen Funds主催の講演である。今回は日本の政府債務と金融市場について語っている部分を取り上げたい。
日本の債務問題
ネイピア氏はこれまでの記事で、コロナ後の金利上昇は長期のトレンドで、莫大な政府債務に多額の利払いが生じている多くの先進国ではツケを払う瞬間がついに来ると予想していた。
ネイピア氏: 米国債はあと27年下落し続け、金利は上がり続ける
ネイピア氏: インフレと債務問題で最大の危機はヨーロッパ、共通通貨ユーロは破綻する
アメリカとヨーロッパの話はもうしている。では日本はどうか? ネイピア氏は日本の話もしている。
ネイピア氏が注目しているのは、単に政府債務だけではなくその国の経済に存在するすべての負債の合計金額である。それを踏まえてネイピア氏は次のように言っている。
日本の債務はGDPの414%だ。
今のところは日本は逃げ切れているが、この問題を解決するには最終的にはインフレで債務を帳消しにするしかない。
借金と金利上昇
それはポール・チューダー・ジョーンズ氏も言っていたことである。
ポール・チューダー・ジョーンズ氏: 日本もアメリカも政府債務はインフレで解決されるしかない
政府債務の問題は、金利がゼロである間は大した問題にはならない。どれだけ借金があっても利払いがないからである。
だがインフレ政策が本当にインフレを引き起こし、国債に利払いが発生すると、大国は急激に没落してゆく。レイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で予想していたシナリオである。
特に日本の債務の額は莫大であり、アメリカのように金利を5%に上げることさえ許されないだろう。債務がGDPの414%ならば、それらの債務に5%の金利が付けば利払いだけでGDPの20%以上になってしまうからである。
日本は低金利政策から逃れられない
だからネイピア氏は日本が低金利政策から逃れられないと予想している。実際、日銀の植田総裁も既にかなり苦労しているが、まだ何も始まってさえいない。
日銀の植田総裁が円安を止められない理由
だからネイピア氏は次のように言う。
今後20年、日本の年金ファンドが金利を低く維持するために日本国債を買い支えなければならなくなったらどうする?
低金利を維持すること自体は可能である。日銀にでも年金ファンドにでも日本国債を買わせれば良い。だがその代わりに犠牲になるのがインフレ率と為替レートである。
つまり、ネイピア氏は円の下落が不可避だと考えているのである。
では投資家はどうすれば良いのか? ネイピア氏は次のように言っている。
ウォーレン・バフェット氏は頭が良い人物だ。彼は数年前に大量の日本円を借り入れ、日本企業の株式を買った。
国家が債務をインフレで帳消しにしなければならないときにはその国の通貨で借り入れをしてその国の株式を買え。これはマクロな投資戦略だ。それは現状とても上手く行っている。
バフェット氏はコロナ後に日本円を借り入れて三菱商事など日本の商社の株式を大量購入した。
「日本円を借り入れた」というところがポイントである。何故ならばアメリカの投資家にとって、借り入れた日本円を売って株式市場で株式を買うことは、日本円の空売りと株式の買いを同時に行なっていることと同じだからである。
そうすれば円建てで株価が上がる限り、日本円がどれだけ下落してもバフェット氏はダメージを受けない。
インフレと株式市場
だからバフェット氏もネイピア氏も円建てで見れば日本株は上がると考えているのである。
それは興味深い観点である。何故ならば、インフレで金利が上昇するとき、株式市場には2つのシナリオがある。
インフレを抑えられるほど急激に金利が上がれば、(インフレ調整後の実質の)株価にとってはマイナスになる。それは1970年代のアメリカの物価高騰時代における米国株の値動きであり、2022年に米国株が下落した理由でもある。
だが一方で、インフレで株価が上がった事例もある。例えばトルコである。何十パーセントものインフレを引き起こし、しかも十分に金利を上げなかったトルコでは、実質でも名目でも株価は上昇した。
つまり、ネイピア氏はこう予想しているのである。日本の政府債務はインフレで帳消しにされなければならないが、日本はインフレと通貨安をまともに抑えられるほどの利上げが出来ないので、日本株は上がる。
こう考えるとネイピア氏の以下の結論がなかなか恐ろしく聞こえるのである。
日本経済全体のインフレを引き起こすことは日本株にとってプラスになる。
ちなみにネイピア氏はS&P 500については 買うなと言っている。理由は以下の記事を参考にしてもらいたい。
ネイピア氏: 金利上昇の新時代では投資家はS&P 500と米国債を避けよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55871
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18:777
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2024/11/20 (Wed) 09:20:07
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なぜ玉木代表は日本を海外に売り飛ばすのか?円安・物価高に苦しむ国民を尻目に「日銀は利上げ急ぐな」の非情な経済オンチぶり
2024.11.19 by 『マンさんの経済あらかると』
https://www.mag2.com/p/news/628998
国民民主党の玉木雄一郎代表がロイターのインタビューで、「向こう半年は利上げを急ぐべきではない」と日銀に厚かましく注文をつけたのは今月1日のこと。首相にでもなったつもりで調子に乗ったのかもしれないが、この不倫男の言うとおりにしていては、日本経済は円安と物価高で本当に終わってしまう。外国人が「日本は何でも安い」と目を輝かせる一方で、日本という国を支える国民がマイホーム購入はおろか、日々の食費にすら大きな負担を感じているという矛盾。エコノミストの斎藤満氏は、日本で働き、日本円を稼いでいる自国民の生活実感を向上させるには、しょせんインフレに負ける見せかけの“賃上げ”ではなく、日銀による適切な政策金利の引き上げこそが重要と釘を刺す。(メルマガ『マンさんの経済あらかると』より)
プロフィール:斎藤満(さいとう・みつる)
1951年、東京生まれ。グローバル・エコノミスト。一橋大学卒業後、三和銀行に入行。資金為替部時代にニューヨークへ赴任、シニアエコノミストとしてワシントンの動き、とくにFRBの金融政策を探る。その後、三和銀行資金為替部チーフエコノミスト、三和証券調査部長、UFJつばさ証券投資調査部長・チーフエコノミスト、東海東京証券チーフエコノミストを経て2014年6月より独立して現職。為替や金利が動く裏で何が起こっているかを分析している。
いま日銀が利上げをしなければ、日本経済は“手遅れ”になる
欧米が利下げ局面に入っている中で、日銀はようやく政策金利の引き上げに動きだす「半周遅れ」にあります。
この大規模緩和を長い間続け、引き締め転換が後手に回った結果、日本経済は取り返しのつかない、大きな負担を余儀なくされています。
都内の新築マンション価格は昨年から平均で1億円を超え、バブルの様相を呈しています。
銀行の無節操なバブル融資こそ発生していませんが、長期緩和の副産物である円安を利用し、割安となった日本の不動産や株などの資産を買いあさる外国資本によって、日本の資産価格が高騰、日本人にはなかなか手が出ない価格高騰となっているのです。
また物価高を放置し、いまだにデフレ脱却を掲げる政府日銀の姿勢の中で、国民は物価高で生活が圧迫されています。これは日本だけでなく、主要国の間で物価高が政府批判となり、選挙で与党がいずれも敗れる結果となっています。
日本は賃上げを免罪符にしていますが、現実にはインフレで実質所得が減り、金融資産が目減りして将来不安を高めています。自公の過半数割れは国民の不満の表れです。
円安資産バブルに笑う外国人、泣かされつづける日本国民
都内の新築マンション価格は、昨年から平均で1億円を超えました。このマンション価格高騰の裏に、外国人マネーによる投資需要の拡大があります。
いわゆる「億ション」の買い手の多くが投資目的の外国人で、彼らにしてみれば1ドル150円超の大幅円安により、ドルベースでは日本の住宅価格が割安に見えます。
住宅や土地に限らず、日本の株価も円安で海外の投資家からは割安に見えます。カナダ資本がセブン&アイの買収提案に出た裏にも、この円安で日本企業が安く買える環境があります。
最近でこそ中国の景気対策期待で投資マネーが日本市場から中国市場にシフトする動きがありますが、日本の不動産や株、高級食材に至るまで、円安のおかげで「外人」にはバーゲンセールとなっています。
都心に住宅を持つ人が買い替える場合は、売値も高くなって億ションを買うことも可能になりますが、30代や40代の一次取得者には、都心の住宅は手の届かないものになり、郊外の物件に需要がシフト、首都圏全般の価格高につながっています。
国民が家を買えないのに、外国人向けバーゲンセールをやっている場合か?
1980年代のバブルのころは、銀行が積極的に貸し出しをしたために、買い手は容易に資金調達ができましたが、今日ではさすがに銀行も慎重で、借り手一人では返済負担が大きすぎてローンが組めない場合に、共働きの配偶者にも借金をさせる「ペアローン」のケースが増えています。
ペアローンを組んだ世帯では、二人とも長年仕事を続け、返済資力があればよいのですが、非正規雇用の場合や、生活面で子育て、親の介護などの条件変化で片方が仕事を続けられなくなるケースもあり、結果的に片方の返済負担が大きくなって生活破綻をきたすケースも報告されています。
1980年代には労働市場が「終身雇用」制で、年功序列で明日は今日より明るい希望があり、長期の借金をしても返済に困るリスクは限定的でした。
ところが、現在のように労働市場が非正規の多い不安定な状況で、住宅価格が押し上げられると、一次取得者の住宅購入が非常に厳しくなり、持ち家比率が低下する可能性があります。
一般に高齢者の借家住まいが厳しくなり、住処のない高齢者が増える懸念があります。
円安は海外の投資家にはプラスとしても、彼らが需要を押し上げ、住宅価格を押し上げた結果、円で生活する日本人が家を買えなくなる問題を引き起こしました。
しかも、政府が企業のために雇用の流動化、非正規化を進めたために、雇用の安定が維持できなくなり、それだけ借金をして家を買う条件が厳しくなりました。
かつては金利引き上げや規制強化によって住宅バブルに対処せざるを得なくなり、結果としてバブルを崩壊させ、失われた20年を経験することになりました。
今日(こんにち)は信用爆発ではなく、円安で海外マネーが住宅価格を押し上げているだけに、円安を是正して、日本の不動産の外人向けバーゲンセールをやめることが必要になります。日銀は円安につながる金融緩和の是正が急務です。
政治家が言う「賃上げ」のウソ。物価高の負担はますます深刻化
そしてもう1つ、長期にわたる異次元緩和が、企業の価格行動を変えました。従来は価格引き上げが需要減につながるとみて、価格を維持し、その分コストを圧縮してきました。これが政府日銀によるインフレ促進策によって、逆にインフレ・マインドを醸成してしまい、「赤信号、皆で渡れば怖くない」となって値上げに抵抗がなくなりました。
政府自身がコスト増分を価格転嫁するよう推進していることもあって、最近では利益拡大のための安易な値上げが広がっています。昨年までコメだけは安かったのですが、現在はコメ不足も手伝って、コメ価格が急騰、これを起点にコメを材料とする製品もこれから値上げラッシュとなります。
しかも、かつては国営のもとで価格は政府が管理していた郵便が、民営化の中で値上げが容易になり、先月からはがきや封書の郵便代金が26%から33%も上昇、郵便料金の引き上げは配送料の引き上げとともに、経済の多くの分野にコスト高となり、その分の価格転嫁、値上げを誘発します。
家計が値上げの連続にあきらめを感じ、企業にインフレ・マインドが醸成されると、日銀はインフレを抑えることが難しくなります。安定的な物価上昇ではなく、止めどのないインフレにつながるリスクがあります。
そして政府日銀は金融緩和で賃上げを支援すると言っていますが、物価高が続くと、賃上げでは生活コスト高をカバーできなくなります。今年6月、7月はボーナスの増加で実質賃金が久々にプラスになりましたが、ボーナスを除く定期収入では依然として物価をカバー出来ず、実質賃金はマイナスになっています。
しかも、日本の物価統計は実態より低く出ている可能性が高く、現実の負担感は統計以上に厳しくなっています。これは日銀の「生活意識に関するアンケート調査」に表れています。CPI統計が2%台の物価上昇を示している一方で、個人が感じる物価上昇は10%を超えています。基準のインフレ率が低いため、年金の改定も少なく、年金生活者の実質購買力は数字以上に低下しています。預貯金の目減りも進んでいます。
このため個人消費は停滞が続き、 小売店の中には値上げで売り上げが減る事態を恐れ、自社ブランドを中心に値下げに出る動きが出始めました。物価高を放置してきたため、家計が疲弊し、消費が弱くなり、却って経済にデフレ圧力をもたらします。そして生活苦を推し進めた政府に選挙で「ノー」を突きつけました。与党は選挙の敗北原因をよく吟味する必要があります。裏金問題だけではないのです。
https://www.mag2.com/p/news/628998/3
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389
低金利政策や量的緩和政策は 貧困層から富裕層へと富を移転させる政策
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14099115
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564
政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くこと
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841750
紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14054383
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石破総理を操る黒幕「米外交問題評議会」は新NISAをどう“利用”してきたか?日米選挙後にトレンド大転換も
2024.10.16 by 『マンさんの経済あらかると』
https://www.mag2.com/p/news/625374
米共和党・米外交問題評議会(CFR)の圧力
米国の圧力。といっても、ホワイトハウスや米財務省ではありません。
石破総理は就任直後に世界有数の投資会社ブラックストーン社の共同経営者、スティーブ・シュワルツマン氏と面談したといいます。同社は日本でも積極的な投資を行っていて、今後も投資拡大を計画しています。そこで投資家サイドからの要望があった模様です。一投資家として、投資環境を考慮して利上げに反対、ということになったのか、政治的な意図があったのかは不明です。
そもそも、シュワルツマン氏はピーター・ピーターソン氏と共同でブラックストーン社を立ち上げましたが、このピーターソン氏はCFR(外交問題評議会)の重鎮です。シュワルツマン氏も共和党系CFRの立場にあります。
CFRは日本に対し、増税を含めた緊縮型財政を求め、そのため金融政策ではある程度緩和的な状況が必要と見ています。これまでも日銀の利上げには抵抗を示していました。
また、ブラックストーン社は中国でも投資をしていて、日本の利上げが中国市場の制約になるとみて、利上げには反対の立場をとります。
昨年秋にはブラックストーンの兄弟会社、 ブラックロックのトップが岸田総理と会談し、日本マネーの米国還流支援策を求めたといいます。
これらを前提として岸田総理は新NISAを推し進め、今年になって新NISA経由で大規模な日本マネーが米国株式市場に流入しています。
今回も、ブラックストーン社が米国市場への資金流入を考え、低金利維持を望んだことは想像に難くありません。
https://www.mag2.com/p/news/625374
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新NISAで米国株ばかり買われる理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16860215
森永卓郎氏が警鐘を鳴らす「世界恐慌の前触れ」 老後資金を失う人が続出する未来
2024年10月28日
https://the21.php.co.jp/detail/11471
ついに始まる世界金融恐慌
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042637
これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
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19:777
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2024/11/29 (Fri) 01:42:01
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ガンドラック氏: 金利上昇でドルも上昇する
2024年11月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/56753
DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がCNBCのインタビューでドル相場の見通しについて語っている。
アメリカの金利とドル相場
ガンドラック氏はアメリカのインフレ率が2%以下まで下がると予想しながら、長期金利は上昇すると予想している。
ガンドラック氏: 米国のインフレ率は2%以下まで下がるが、景気後退は遠のいた
その理由はコロナ後に金利上昇で政府債務に多額の利払いが発生していることにより、アメリカ政府は国債の大量発行に追われ、国債価格が下落すると予想しているからである。
さて、ではドルはどうなるのだろうか? ドルの金利は当然ドル相場に影響するから、次の疑問はドル相場である。
ガンドラック氏はドルと金利の関係について次のように述べている。
ドルは金利と極めて密接に相関しているように見える。ドル指数のチャートと10年物国債の金利を重ねてみれば、それはほとんど同じチャートだ。
金利は上がっているのでドルがそれを支えているということだ。
金利が上がればドルを保有するメリットが増えるので、当然である。まずはアメリカの10年物国債の金利のチャートを見ると次のようになっている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-28-us-10-year-treasury-bond-yield-chart.png
ドル円のチャートは以下の通りである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2024/11/2024-11-28-usdjpy.png
確かにほぼ同じチャートである。
ドル相場の見通し
ということは、ドルは今後どうなるのか。 ガンドラック氏は次のように予想している。
財政赤字への懸念で長期金利が上昇圧力を受けるというわたしの予想が正しければ、恐らくドルはまだ上がるだろう。
ドルは米国債の金利に大きく影響されている。極めて強い相関関係がもうかなりの間続いており、それが変わると予想する理由もないので、その状況は続くだろう。
但し、ガンドラック氏は金利と株価が数ヶ月上昇を続けていることから、短期的には振り戻しが来ると予想しており、現実に過去1週間ほどそうなっているが、このインタビューはそれより前のものなので、そこまで含めてガンドラック氏の予想は当たっている。
ちなみにドルと金利の相関については筆者は何処かで途切れると考えている。米国債とドルが両方売られるタイミングが恐らく5年以内に来る。レイ・ダリオ氏の米国債暴落予想と同じである。
レイ・ダリオ氏: 日本経済は最悪だ、米国の政府債務は5年以内に破綻する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/50221
だが今のところその兆候はまだ見られない。そのタイミングはまだである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/56753
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2024/12/10 (Tue) 16:24:56
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レイ・ダリオ氏: 日本人は日本政府の低金利政策のせいで年間7%の資産を失っている
2024年12月9日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57066
世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が 日本やアメリカの政府債務とマネタイゼーションについて語っている。
政府債務の意味
アメリカでは政府債務が大いに話題になっている。アメリカではコロナ後に金利が上がり、GDPの129%という莫大な政府債務に多額の利払いが発生しているからである。
米国政府は借金の利払いのために借金を増やしている。政府債務が雪だるま式に増えるプロセスが開始しており、利払いの金額はGDP比で見て次のように増えている。
だがアメリカのこのプロセスは始まったばかりだ。まだ利払いがGDPの1%ほど増えたに過ぎない。上がり方が急速だから非常事態ではあるのだが、まだこれから始まる話に過ぎない。
政府債務はなぜ問題か
アメリカで政府債務が雪だるま式に増えるプロセスが始動していることはただの事実である。だが政府債務はなぜ増えてはいけないのか?
それは国債市場にも需要と供給があるからである。買い手に対して供給が多すぎれば国債の価格は下落するだろう。
グリフィン氏: 米国債暴落でブラックマンデー再来の可能性
ましてや今はインフレによって中央銀行が量的緩和を出来なくなっている。だから政府債務だけではなくて、インフレ政策によるあらゆるツケが回ってきているのである。
では国債の価格が下落すれば誰が困るのか。ダリオ氏は次のように言っている。
誰かの負債は誰かの資産だ。
困るのは国債の保有者である。では国債の保有者とは誰か? 銀行である。
だが銀行はもともとお金を持っていない。お金を預かっているに過ぎない。銀行は預かったお金で国債を買っている。ではそれは誰のお金か? 預金者である。
麻生太郎氏も言っていたではないか。借金をしているのは政府であって国民ではないと。
だから国債価格が下がって困るのは政府ではない。国民の方である。
国債価格が下落しない代わりに
預金者は銀行を通して大量の国債を保有している。だからダリオ氏は次のように言っている。
通貨が富の貯蓄手段だと言うとき、実際にはそれは債務が富の貯蓄手段だということを意味している。
そしてそこに大きなリスクがある。
だが実際には、先進国で国債価格が大幅に下落する可能性は低い。多くの人は漠然とそう思っているだろうし、それは正しい。
しかし国債の需給問題は事実として存在する。では政府はこの問題をどうするのだろうか?
ここで登場するのが日本である。国債価格を下落させられないなら、量的緩和で日銀に国債を買わせたり、低金利を維持させて債務負担を減らすしかない。
ダリオ氏は次のように述べている。
日本は非常に良い例だ。
日本が過去15年ほど行なってきたことは、平均してアメリカよりも3%低い金利を維持することである。そして自国通貨の価値を年率4%下落させている。だから日本人は年間7%を失っている。
誰も気付いていないが、低金利政策で得をするのは金利を払う側である政府であり、損をするのは金利をもらう側である国民である。
更に2022年まで誰も気付いていなかったが、政府のインフレ政策もまた、債務(イコール日本円)の実質的な価値を下落させ、日本円の保有者の犠牲によって債務者である政府の借金を実質的に帳消しにする政策である。
数年前まで誰も知らなかっただろうが、インフレとは物価上昇という意味なのである。インフレ政策を支持していた人にとっては何という驚きだろうか。その結末は名前に書いてある。
ダリオ氏は次のように言う。
インフレは通貨の保有者から少しずつ資金を奪う。人々は名目の金額で物事を考えすぎだ。インフレを差し引いた実質ではお金のことを考えない。
マネタイゼーションのために債務の保有者を犠牲にしているのだ。
結論
更に日本人にとって物悲しいのは、ダリオ氏が次のように述べていることである。
同じことがわれわれアメリカ人にも起きる可能性がある。
お分かりだろうか。ダリオ氏にとっては日本人の資産減少は既に起きた話なのである。アベノミクス以来、日本円の価値は半分になっている。
減価された日本円で 計算した日本のGDPが上がって喜んでいるような国民が気付けるわけのない話なのだが、減価した通貨で計算したGDPや株価が上がるのは当たり前の話である。それはGDPや株価が上がったのではなく、円が下がったのである。
恐らく日本人はこのまま自分が資産を失っていることにさえ気づかずに、日本政府によるマネタイゼーション完了を見届けるのだろう。まさにダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で予言した、衰退してゆく先進国の典型的なシナリオである。
すべてはこれまで数十年の選挙の結果である。日本国民が自分で望んだことなのだから、他人がどうこう言えることではないのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57066