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トマス・ゲインズバラ Thomas Gainsborough (イングランド サドベリ 1727年5月14日 - 1788年8月2日)

1:777 :

2024/03/22 (Fri) 06:26:45

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トマス・ゲインズバラ (Thomas Gainsborough, 1727年5月14日 - 1788年8月2日)
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2:777 :

2024/03/22 (Fri) 06:31:20

トーマス・ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月16日 08:16)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7722.html#more

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トーマス・ゲインズバラは、英国の絵画史上初の本格的画家である。その前にホガースが出現して、イギリスの最初の国産画家と言われたものだが、ホガースは版画のほうが有名で、彩色画は平凡だった。ゲインズバラは、油彩画を得意とし、人物画や風景画に優れた作品を残した。

ゲインズバラは若いころから絵画の才能を示した。かれはサフォーク地方に生まれ育ち、そのサフォークの風景を描くことから画家としてのキャリアを始めた。サフォーク地方はほとんど起伏のない平坦な地で、そのまま描いたのでは構図が単純になるのだが、その欠点を意識したゲインズバラは、樹木や湖沼などを適宜組み合わせることで、変化のある構図を工夫した。

ゲインズバラの初期の傑作として「アンドリューズ夫妻」があげられる。この絵はかれが二十四歳の時の作品である。その早熟ぶりがうかがえる。ゲインズバラはあまり豊かではなかったので、生活のために肖像画を描かねばならなかった。かれの画家としての活動は、大部分が肖像画の制作に費やされたのである。

肖像画にも優れた作品は多いが、今日ゲインズバラの名声を支えているのは風景画のほうである。ゲインズバラの画風は、肖像画にしろ風景画にしろ、ロイスダールらオランダの画家たちの模倣から始まった。

上の絵は、「サフォークの風景(Landscape in Suffolk)」と題するもので、ゲインズバラの初期の風景画の傑作。1746年頃から1750年にかけて制作された。基本的にはロイスダールの風景画の強い影響下にある。だが、ロイスダールの荘重さを感じさせる画風に比べ、これはやや軽快な感じを与える。絵の具の塗り方があっさりしているし、構図にも解放感がみられる。

サフォーク地方の平たんな地形を前にして、絵になるような光景と言えば、繫茂する樹木と湖沼くらいではないか。この絵も、池とその周囲の樹木を基本モチーフとし、それに空の雲と大地の対比をサブモチーフにしている。雲は非常に厚く、その厚い雲が地上に暗い影を落とす。

背景のはるかに深い部分には、狭い空間に平らな地平線が見え、その地平線に沿うように明るい家が建っている。画面右手前には、赤い服を着た女性がくつろいでいるが、その赤が画面に変化をもたらしている。

ともあれ、鬱蒼とした樹木やその間を地平線に向かって伸びる道などは、ロイスダールにもみられる構図である。

(1746―1750年 カンバスに油彩 65×95㎝ ウィーン、芸術史博物館)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7722.html#more
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2024/03/22 (Fri) 06:32:16

樹木のある風景 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月19日 08:27)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7726.html

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「樹木のある風景(Wooded Landscape with a Peasant Resting)」と題されるこの絵は、トーマス・ゲインズバラの初期の風景画。彼が20歳の時の作品だ。ゲインズバラは、肖像画家としてまず名声を博したのだが、好みとしては風景画に傾いていた。だから、肖像画を描く時にも、かならず自然の風景を背景に描いた。かれは、風景の中の人間を意識的に描いた最初の画家と言える。

初期の風景画制作においては、フランドルの画家の影響を強く受けている。特にロイスダールの影響が強い。構図の取り方や色彩感覚にロイスダールの影響を指摘できる。

これはゲインズバラが生まれ育ったサフォークの風景を描いたものだ。サフォーク地方は平たんな地形ではあるが、緑豊かで独特の自然美を醸し出している。のちにコンスタブルも好んでサフォークの風景を描いたものだ。

この絵に限らないが、ゲインズバラは実際に屋外で制作せずに、アトリエで制作することが多かった。したがって目に見える自然をそのまま忠実に再現するというより、自分なりに再構成するという制作姿勢をとった。

この絵は、副題にもあるとおり、風景の中に人物を配置している。この農夫らしき人物がいるために、絵にはどこか潤いのようなものが加わる。また、前景を占めるマッシブな緑の表現は非常に多彩だ。全体として明るいイメージではないが、背景の村のあたりを明るくしていることで、画面に変化が生まれている。

(1747年 カンバスに油彩 62.5×78.1㎝ ロンドン、テート・ギャラリー)
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4:777 :

2024/03/22 (Fri) 06:33:02

アンドリューズ夫妻 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月21日 08:18)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7729.html

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「アンドリューズ夫妻(Mr and Mrs Andrews)」と題されたこの絵は、ゲインズバラの代表作たるのみならず、イギリス絵画を代表するものともいわれる。エリザベス二世の戴冠式を記念して選ばれた四つのマスターピースの一つに選ばれたほどである。そんなわけで、イギリス国内はもとより、世界中でゲインズバラ関係の展覧会が開催される際には、かならずリクエストされる。

もっともこの作品は、モデルつまりアンドルーズ家の家宝として長い間門外不出だったので、広く知られることはなかった。最初に公開されたのは1927年のことである。それをきっかけに、この作品はゲインズバラの最高傑作としての扱いを受けるようになった。

この絵は、最もゲインズバラらしい絵である。つまりゲインズバラが画家として打ち込んだ二つのジャンル、すなわち風景画と肖像画が密接に融合しているのである。風景の中の肖像画といってもよいし、肖像をアレンジした風景画といってもよい。肖像の描き方はかなりユニークであり、風景のほうもサフォーク地方らしい平坦さを強調している。

アンドリューズ家は、地主であるとともに金融業も営んでいた。イギリスの典型的な有産階級の一員だったわけである。だからこの絵は、イギリスの有産階級に媚びたものだというような批判を浴びることもあった。ゲインズバラとしては、イギリスの有産階級は自分の画家としてのビジネスのパトロンであって、かれらに媚びを売ることは、商売上の要請だったのである。

ともあれ、これ以前の彼の作品と比べ、一段と洗練された表現になっている。

(1750年 カンバスに油彩 69.8×119・4㎝ ロンドン、ナショナル・ギャラリー)
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5:777 :

2024/03/23 (Sat) 10:30:43

小川と堰のある風景 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月23日 08:38)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7731.html

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「小川と堰のある風景(Landscape with Stream and Weir)」と題されたこの絵は、タイトル通り田園を流れる小川と、そこにかけられた堰を描いたもの。そこに樹下にくつろぐ夫人と家畜が描かれている。ゲインズバラの初期の風景画の最後を飾るもので、これ以降ゲインズバラは肖像画の制作に専念する。生活のためであった。

風景の場所はおそらくサフォークであろう。平坦な土地に小川が流れ、その小川に木製の堰が設けられている。これがどんな役割を果たしているのか、よくわからない。この程度の落差なら、堰など必要ないようにも、日本人には見える。

青空に積乱雲のような巨大な雲の塊を配するのはゲインズバラの特徴。画面が非常に暗く見えるのは、顔料が退色したためか。

(1750-1752年 カンバスに油彩 80×94.6㎝ アメリカ、イエール大学)
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2024/03/26 (Tue) 14:56:52

市場からの道 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月26日 11:17)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7735.html

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「市場からの道(Road from Market)」と題されたこの絵は、ゲインズバラが久しぶりに制作した風景画である。ゲインズバラは、生活のために金持ちの肖像画を主に描いていたので、好きな風景画を描く時間的な余裕がなかった。この大きな画面に風景画を描いたのは、生活に余裕ができたからだろう。

森の中を抜けていく道に、四人の人物が描かれる。先頭の男は普通に前向きに乗っているが、他の三人は横向きに乗っている。女性には横向きも似合うが、男まで横向きというのは面白い。

この道は、タイトルからして市場から伸びている道なのであろう。彼らは市場で商いをしたあと、この道を通って家路についているのであろう。道は舗装されておらず、でこぼこしている。これを馬に乗って移動するのはかなりな負担だと思われる。

樹木のグリーンが鮮やかで、全体として寒色優位の雰囲気でまとめられている。

(1767-1768 カンバスに油彩 121.3×170.2㎝ トレド美術館)
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少女と子豚 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月28日 08:14)
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「少女と子豚(Girl with Pigs)」と題されたこの絵は、人物をフィーチャーしたゲインズバラの風景画の傑作。ジョシュア・レイノルズはこの絵を、ゲインズバラの最高傑作と称した。人物を風景の添え物にしたゲインズバラの数多くの作品のなかで、この絵は少女とともに三匹の子豚を配しているところが特徴である。これらの子豚がいるおかげで、画面に躍動感と温かさが加わっている。

背景になる風景は、平坦な地形からして、サフォークだと思われる。平坦な背景に変化をもたらすのは、樹木である。遠景には繁茂した樹木の塊があり、前景には独立した樹木がある。少女が背にしているのが何かはわからぬが、岩のようにも見える。

三匹の子豚のうち二匹が、皿からミルクをすすっている。その様子を少女が眺めている。少女の表情はのどかなものだ。なおゲインズバラは、同じ構図の水彩画も描いており、さらに少女と子豚を大きな背景の中で描いてもいる。

(1781-1782年 カンバスに油彩 個人蔵)
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羊飼いのいる海景 ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年3月30日 08:57)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7742.html

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「羊飼いのいる海景(Coastal Landscape with a Shepherd and His Flock)」と題されたこの絵は、タイトルどおり、海岸をバックにして、羊飼いとかれが率いる羊の群れを描いた作品。海はおそらくサフォークの海岸だと思われる。海上には帆を上げたヨットと小舟が浮かんでいる。

ぬかるんだ道に羊飼いの男がたたずみ、その傍らには番犬が控えている。羊たちはそれぞれ思い思いの方向を向いているので、移動しているというよりは、休憩しているのだと思われる。

海景といいながら、鬱蒼とした樹木をアクセントにしており、また水際もグリーンで塗られるなど、グリーンを強調している。雲の描き方は、ゲインズバラらしく積乱雲タッチである。

(1783-1784年 カンバスに油彩 63.5×76.2㎝ アメリカ、イエール大学)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7742.html
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2024/04/07 (Sun) 18:47:30

ハーベスト・ワゴン ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年4月 2日 08:15)
https://blog2.hix05.com/2024/04/post-7746.html

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ゲインズバラには「ハーベスト・ワゴン」と題する絵が二つある。一つは1767年に制作され、現在はバーミンガムのバーバー美術館が所蔵している。もう一つは1784年に制作され、現在はトロントのオンタリオ美術館が所蔵している。どちらも、ほぼ同じような構図である。この二つを見比べると、後者のほうが完成度が高い。色彩が明るくしかも多彩である。

ハーベスト・ワゴンとは取り入れた農作物を運ぶための車だろう。それにしてはこの絵の中の車には、収穫物ではなく、人間が乗り込んでいる。どこかへピクニックへ出かけようとでもいうのだろうか。この車に乗り込もうとする夫人を男が手助けし、また、少年が先導役を買って出ている。

絵の中の風景は、サマーセット州のバース周辺という。この地にゲインズバラは1759年から約15年間暮らした。1767年の作品はバース滞在中に制作されたことは間違いないが、1784年のものは、それをもとにアトリエで制作された可能性が高い。

(1784年 カンバスに油彩 121.9×149.9㎝ トロント、オンタリオ美術館)
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マーケットカート ゲインズバラの風景画
続壺齋閑話 (2024年4月 4日 08:21)
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「マーケットカート The Market Cart」と題されたこの絵は、田園地帯をゆく馬車を描いている。その馬車が通る道は、今日ゲインズボロー小道と呼ばれるもので、サフォーク地方にあるそうだ。おそらくこの地方が生んだ偉大な画家ゲインズバラの名にちなんだのであろう。

画面には、小道を通り抜ける馬車が描かれている。馬車の上には二人の婦人が乗り、その馬車を母親とその子供が追いかけている。その人たちを犬が先導する。のどかな眺めである。もともとの絵にはここまでが描かれ、右手にいる男は後で追加されたものである。その薪を集めている男は、左側に偏った人物の配置とバランスをとるために付け加えられたのであろう。

ゲインズバラはこの絵が気に入って、死ぬまで手元に置いていた。かれが死んだのは、この絵を制作した一年半後のことである。

(1786年 184×153㎝ ロンドン、ナショナルギャラリー)
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