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政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くこと

1:777 :

2024/02/29 (Thu) 07:22:16

経済・相場関係投稿集
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ド素人でも損しない株式投資のノウハウ
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ガンドラック氏: 何故80歳の政治家に投票するんだ?
2024年2月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45053

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が自社の動画配信で馬鹿げた政治を嘆いている。

政府債務の問題

今年、アメリカのヘッジファンドマネージャーたちが話している第一の話題は財政赤字と政府債務だ。何故ならば、インフレのために中央銀行が国債の買い入れを出来なくなった状態で国債を大量発行しなければならなくなりそうだからである。

チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44883


政府にお金がなくなった理由の1つは、実質的にネズミ講であるところの年金制度のせいである。しかも自分が払った年金を自分で受け取る制度であれば何の問題もなかったものを、今の高齢世代が現役時代に支払ったお金は何処かに消えてなくなっている。

それは過去の高齢世代のために支払ったからである。そしてその世代はそれよりも更に前の世代のために支払ったわけだが、では最初の世代が支払った年金は何処に消えたのか?

政治家にお金を預けるとはそういうことだ。それはiDeCo(イデコ)を絶対にやってはならない理由でもある。NISAはまだ使いようによっては辛うじて利用可能だが、iDeCoは完全なトラップである。

iDeCoこそ自分で積み立てる年金ではないのか? iDeCoでは積み立てた資金は歳を取るまで取り出せないが、取り出す時には税金がかかる。その時の日本の税率が今よりも良いと考えるのは完全に間違った希望的観測である。iDeCoは絶対にやってはならない。政治家にお金を預けてはならない。政治家は見かけ上の減税制度によって増税を可能にする生き物なのである。

若者から資金を吸い上げる年寄り

話がそれたが、政治家に金を渡すとはそういうことである。彼らは票田や自分に献金してくれる企業のために自由に使うだろう。

若者と老人の格差もそういった政治家による資金移動の一例である。ガンドラック氏は次のように述べている。

若い人々はベビーブーム世代に怒っている。ベビーブーム世代が政府支出から受け取る金額は、35歳以下の世代が受け取る金額の8倍だからだ。

これは社会を運用するには馬鹿げた方法だ。未来がない人々に誰が投資したがるのか。未来を保有し、未来を作り、未来そのものである人々に投資をすべきだろう。

スタンレー・ドラッケンミラー氏も同じようなことを言っていた。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31231


政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くことであり、政治家の裁量でそんなことをやろうとすること自体が馬鹿げたことなのだが、よりにもよって若者から年寄りへの資金移動がさも当然のように行われているのは何故なのか。

ガンドラック氏は次のように言う。

本当に驚くべきなのは、80代の政治家が当選し続けていることだ。何故人々は彼らに投票し続けているんだ?


馬鹿げた政治が現実になる理由

本当に意味が分からない。だがアメリカではジョー・バイデン氏が大統領選挙に勝ち、日本では自民党が当選し続けている。何故か? 国民がそう投票したからである。これは冗談ではない。日本でもアメリカでも起こっているただの現実である。

ガンドラック氏は更に酷い政治の例として、カリフォルニア州で950ドル以下の窃盗が重罪にならないことが住民投票で決められたことを挙げている。

ガンドラック氏は次のように述べている。

カリフォルニアでは店から950ドルの商品を盗んでも起訴されない。こんな政治に投票したのは誰か? カリフォルニアの人々だ。

笑い事なのだが、ガンドラック氏はカリフォルニアに住んでいるので笑い事ではない。彼は次のように続ける。

カリフォルニアの人々は今、街にどれだけ犯罪が溢れているかを嘆いている。自分でそれに投票したんだろう。

結論

そして日本人は自民党に投票したのである。

自民党の裏金問題が出て急に自民党を責めている人に言っておくが、自民党は元々そういう党である。今更何を言っているのか。コロナ禍で東京五輪を無理矢理行なった時点で(あるいは元々何十年も前の時点で)気付いておくべきことではなかったのか。今更何を言っているのか。

ガンドラック氏は次のように言っている。

何故われわれはこんなことに投票し続けているのだろう?

だが裏金などは政治家による弊害の一部ではないか。そもそも国民から強制的に徴税して政治家が勝手に別のところに使う時点でおかしいのである。経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の言葉を再掲しておこう。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45053


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日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
2022年10月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

日本国民がインフレで苦しむ中、インフレ政策を行なっている日本政府が国民を救うために旅行に補助金を出す全国旅行支援なる政策を行なっている。筆者は日本政府のこの政策は大変優れていると考えており、その詳細をこの記事で説明したい。


全国旅行支援

全国旅行支援は要するに以前行われていたGO TOトラベルと似たようなもので、今回は旅行代金の40%を政府が税金で割引にするものだそうだ。

2020年、コロナの致死率がまだ高く、国民が不安を抱えていた時期に行われた前回のGO TOトラベルは、当時日本旅行をとても楽しみにしていたコロナウィルスには大変喜ばれたという。

GO TOトラベルで安全な旅行を楽しむコロナウィルス

何故名前が違うのかは筆者にはよく分からないが、日本では買い手から見てどう見ても中身が同じものが、売り手の都合で名前が違ったり手続きが違ったりするのが伝統的なおもてなしとされるそうだ。日本は明治維新と敗戦で伝統をすべて売っ払ってしまったと思われているが、このようにまだまだ特筆すべき伝統が残っており、保守派と呼ばれる自民党は日本に残ったこうした伝統を守ることによって多くの支持を得ている。


ホテルに予約殺到

さて、このように前回の大成功を受け継いだ全国旅行支援だが、早い地域では10月11日から開始されたようだ。

国民がインフレに苦しむ最中での大盤振る舞いに多くの人が予約に殺到したようで、大手旅行サイトがサーバダウンするほどの状態だったそうだ。大盛況ではないか。

多くの人が予約サイトに殺到したということは、各地のホテルの多くの部屋が予約されたはずである。ネットでホテルを予約したことのある人なら分かるだろうが、何らかの要因で多くの人が予約した後にホテルを予約しようと思えば、どういう状況になっているか? 安い部屋が残っていなかったり、売れ残りの部屋しかなかったりするわけである。

これが経済学で言うところの需要と供給のうち、需要が殺到して供給が少なくなった後の状況である。供給が需要に対応できなくなる、つまり供給が足りなくなることで物価が上昇する。これがインフレである。

大和総研によれば、全国旅行支援は8,300億円分の需要を押し上げる効果があるという。供給が変わらないにもかかわらず、需要が人工的に押し上げられれば、当然その分インフレに傾く。

これまでインフレターゲットなる政策によってインフレを目指してきた日本政府としては、悲願が達成でき喜んでいることだろう。


先進的な日本の金融教育

全国旅行支援は大成功である。そもそもこの優れた政策は、筆者の考えによれば、日本政府が国民の金融の知識の不足を憂慮したことに始まる。

日本では金融庁主導で、経済について何も知らない国民に金融教育を施しているという。

日本政府が危機感を抱くのも当然だろう。日本では、経済学者のラリー・サマーズ氏らが2021年からインフレを警告していたにもかかわらず、インフレはロシアのウクライナ侵攻が原因だというデマを多くの人が信じている。


サマーズ氏: インフレは今や広範囲に燃え広がっている (2021/10/17)



ここの読者は知っている話だが、そもそもここでは2020年の時点でインフレを警告していた。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/4)


ロシアのウクライナ侵攻後、原油価格は…下がっている。原油価格上昇は2020年に始まっており、現在の価格はウクライナ侵攻前よりも低い。ウクライナ侵攻は2022年2月である。


インフレの実際の原因はアメリカでコロナ後に行われた現金給付であり、それはアメリカのインフレ率と可処分個人所得のチャートを並べれば人目で分かる。


3回行われた現金給付で所得が跳ね上がったことが、特に2021年序盤にインフレ率を押し上げたことが分かる。これがエネルギー資源や農作物などのドル建て価格を押し上げ、物価高騰が世界中に波及したのである。

サマーズ氏: ドル高がアメリカのインフレを世界のインフレにした


つまり、日本の金融メディア関係者は、インフレの原因がウクライナ情勢で原油価格が上昇したからだと主張する一方で、実際には原油価格のチャートさえ調べていないということになる。はっきり言うが、日本の金融メディアは単なる素人である。そして恐るべきことに、日本国民はこうした専門家のフリをしたド素人連中によるデマを完全に鵜呑みにしている。

インフレの本当の原因

要するにインフレとはコロナ後に行われた政府によるばら撒きが需要と供給のバランスを完全に破壊したことによって発生した。

だが悲しいかな、紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎるようだ。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか


日本政府が国民の金融の知識(というか常識的判断)に危機感を抱くのも当然だろう。世界的なインフレになってもなお、インフレ対策で現金給付や補助金を出し、火事に放火することの頭のおかしさが人々には分からない。

いや、もしかすると、需要と供給という抽象的な言葉が難しすぎたのかもしれない。そこで日本政府は全国旅行支援という起死回生の策を思いついたのだろう。需要と供給という分かりにくい言葉ではなく、ホテルの部屋が実際に予約されてどんどん無くなってゆくというより分かりやすい表現で、日本政府はこうすればインフレになるということを丁寧に教えてくれているのである。親切なことである。

結論

何とも優れた教育ではないか。馬鹿は殴られるまで分からない。いや、問題は何度殴られても分からない馬鹿が日本の過半数を占めているということである。GO TOトラベルは2回目である。

より具体的な表現をすれば、現在こぞってホテルを予約している人々の中には、この補助金政策がなければ旅行に行かなかった人が多く含まれているはずである。彼らが殺到した後、家族訪問などで元々旅行しなければならなかった人々に残されるのは、価格が上がった航空券やホテルの部屋である。

資本主義では通常、人々が自分のお金を出してでも買いたいと思う物を生産する人に報酬が与えられる。日本の首相による新しい資本主義では、政府の指定したサーバにその日に殺到した人にただでさえ不足しているエネルギー資源を無駄に消費する権利が与えられる。

新時代の到来である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由

サマーズ氏: 日本政府はドル円で1人綱引きをしている
また、金融庁は「寝てても儲かるインデックス投資」という詐欺まがいのフレーズで騙される国民が多くいることを憂慮し、米国株の40年来の巨大バブルのまさに天井で彼らに米国株を掴ませ、大損させることでその身で学ばせるという画期的な政策を行なっている。

2022年インフレ株価暴落は個人投資家が全員退場するまで続く
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


こちらの金融教育も大きな成果を上げるだろう。非常に楽しみである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551


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ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
2022年12月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

アメリカではインフレが減速し始めており、インフレ減速とともに失業率上昇などの景気減速が懸念されている。

そこで今回は、20世紀最大のマクロ経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣論集』に収録されている論文から、インフレ減速後の失業増加について語っている部分を紹介したい。

インフレ抑制のための金融引き締め

2021年には既に始まっていたインフレの脅威は、多くの著名投資家らが警告していたにもかかわらず、Fed(連邦準備制度)のパウエル氏など中央銀行家には無視されていた。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)


そして物価高騰は手遅れとなった。パウエル氏が過ちに気付いた時点でアメリカのインフレ率は既に7%近くまで上がっていた。

パウエル議長、ついに「一時的」を撤回しテーパリング加速を示唆 (2021/12/1)


インフレとは供給に対して需要が多過ぎることであり、つまりは需要に対してものが不足している状況だが、ものの供給を急に増やすことは出来ない。

だからFedはそこからこれまでの低金利政策を撤回し、金融引き締めを行なってこれまでばら撒かれた紙幣を回収することでインフレを抑えようとしている。

インフレ減速と雇用

ここで問題になるのが、雇用である。これまで緩和政策は雇用を支えてきた。お金がばら撒かれているからこそ、企業は従業員を従来よりも多く雇い、その結果コロナ後に高騰していたアメリカの失業率はかなり急速に押し下げられた。


コロナ後のGDPの急回復もそうだが、この勾配がかなり急であることに着目してもらいたい。それは未曾有の財政支出によって実現された。このような政策に副作用はないのか。ないわけがないのである。

現代最高のマクロ経済学者であるラリー・サマーズ氏は、サービス業における物価高騰を抑えるためには賃金の減速が必要であり、失業率上昇は不可避であると言っている。

サマーズ氏: 経済へのダメージなしでインフレ抑制はできない


それは正しい。事実、1970年代の物価高騰を止めるためには、大量の失業が発生しても金融引き締めを続けるしかなかった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る

しかしサマーズ氏の言い方では、物価高騰を止めるために故意に失業率を上昇させなければならないと言っているように聞こえる。

だがハイエク氏の論理はそうではない。彼は次のように述べている。

失業はインフレが加速をやめたときに、過去の誤った政策の帰結として、非常に残念だが不可避の結果として出現せざるをえない。

ここで彼が「過去の誤った政策の帰結として」と言っていることが重要である。つまり、インフレ減速後(今の話では2023年以降)に起こる大量の失業は、引き締め政策が引き起こすものではなく、過去のインフレ政策が原因だとハイエク氏は指摘している。

何故そう言えるのか。彼は著書では当時の例を挙げており、それについては以下の記事で取り上げている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


だが今回は彼の考えに従って現在のインフレの事例で考えてみたい。

2023年に起きる失業の本質

コロナ後には世界中で現金給付などの形で大量の紙幣がばら撒かれた。その結果として上記のように多くの人が雇用され、失業率は急速に低下した。

紙幣のばら撒きは同時に人工的な需要の急増をもたらしたので、需要が供給を大幅に上回り、インフレが起きた。

ここでハイエク氏が指摘しているのは、まず政府によって人工的に引き起こされた雇用とインフレは分離できないコインの表裏であり、片方だけを除去することはできないということである。

例えば日本でいまだに行われているインフレ政策で考えてみよう。全国旅行支援は旅行をする人に旅行代金の40%の補助金を出す政策だが、この政策によってホテルなどの需要が急増、インフレが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり


この政策はただのジョークに過ぎないが、この例はインフレとは何かを説明する際に便利なのでよく使っている。この時にホテル側に何が起こっているかを考えてもらいたい。

通常、多くのビジネスは需要の急増にすぐに対応できるようには出来ていない。特に問題になるのは雇用である。従業員は簡単に増やしたり減らしたりすることができないからである。特に日本の法律では、一度雇った従業員は簡単に解雇することができない。

ホテル側は2つの選択肢を強いられる。1つは既存の従業員に無理をさせて需要の急増に対応することである。結果として経営者と従業員の関係は悪くなり、実際に全国旅行支援で激務になったために従業員が辞めた宿泊施設についての報道がなされている。

もう1つの選択肢は需要の急増に新たな従業員を雇うことで対応することだが、問題は需要増が終わったからといって従業員を辞めさせることができないことである。そしてその次には逆に供給過剰によるデフレが起こる。無理に増やされた分の従業員は、通常の需要量に戻った後には、本来不要な労働力だからである。

どちらにしても酷い結果である。そしてこの酷い結果は、ホテル業界に贔屓をした分、経済の別の部分で増税が行われるという生贄を捧げることで実現されている。

インフレ政策が害悪である理由

人工的なインフレは将来のデフレという犠牲によって実現され、ホテル業界の売上増加は別の業界からの(場合によっては別の世代からの)搾取によって実現される。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判


だがトータルで差し引きゼロかと言えば、そうではない。ハイエク氏は次のように述べている。

すべての世代の経済学者は、政府は短期的には貨幣数量を迅速に増加させることによって、とくに失業のようなあらゆる経済的悪から人びとを救済する力を持っていると教え続けてきた。

残念ながらこれは短期において妥当するにすぎない。短期的には有利な効果をもつように見えるそのような貨幣数量の拡大は、長期的にはさらに大きな失業の原因となる。

何故か。まずホテルの例における経営者と従業員の関係悪化が害悪でしかないことに異論はないだろう。経営者は通常、従業員が無理をすることのないように事前に計画しているものだが、いきなり決まった全国旅行支援ですべて台無しである。

一方で人工的な需要増のために新たに従業員を雇った場合、その従業員は全国旅行支援がなければ別の仕事についていたはずである。その人は全国旅行支援のためにホテルの従業員としての経験を強いられたわけだが、その経験が活かせる需要は、全国旅行支援による需要が引いた後の世界には残されていない。

一方で全国旅行支援がなければ、もともと自然に存在する需要に従事する労働者として別の業界で経験を積み、その経験は将来にわたって活かされることになるだろう。それがばら撒きで失われた本当の価値である。

より酷い例は全国旅行支援のために税金で行われているコロナ無料検査で、東京都の資料によればPCR検査1件あたり最大9,500円、抗原検査の場合4,000円の補助金が出されるとあり、本来何の需要もない事業が経済的に成り立つ構図になってしまっている。しかし本来需要のない事業に従事する経験を積んでしまった従業員の将来はどうなるのか。

このようにして人工的な雇用の増加は、インフレが終了する時、増加させた分以上の失業を吐き出すことになる。公共事業がなければ本来存在しないような仕事の経験が大量に生産されるからである。

政治家がこうした状況に疑問を感じない理由の1つは、彼ら自身が自然の需要では本来必要とされない仕事に就いているからである。

もう1つの理由については、ハイエク氏の言葉を引用しよう。

しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。


結論

人為的に引き起こされたインフレは、例えそれが僅かであろうともすべて害悪である。

しかし何度も言っていることだが、人々が豊かになるためには紙幣をばらまくのではなく生産を増やさなければならない。レイ・ダリオ氏の言葉を何度でも引用しよう。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる



われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかしリフレ派の馬鹿たちにはこの理屈は難しすぎる。

厄介なのは、大量失業というインフレ政策の真の弊害はインフレが起こっている限りは起こらないということである。

ハイエク氏は次のように述べている。

将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

1970年代の例で言えば、インフレ減速後に発生した大量失業の責任を取らされたのは、1971年に紙幣印刷をしたニクソン大統領ではなく、1980年にインフレを退治し大量失業を表面化させざるを得なかったボルカー氏だった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る


アメリカでは今ちょうどインフレ減速からの失業増加が始まろうとしている。インフレは失業が始まってからが本番である。これから大量失業と大恐慌(そうでなければインフレ第2波)がアメリカ経済を待っている。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす


そして日本でも日銀の黒田氏が、長年の緩和の弊害がちょうど出始めたタイミングで職を離れるらしい。彼は内心ほっとしているだろう。彼の作り出した害悪のために非難されるのは、彼ではないからである。

政府というあまりに酷い仕組みを廃止すべきである。そうでなければ日本国民はいずれ大損することになる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421
2:777 :

2024/02/29 (Thu) 07:30:23

政府主導の経済は自由市場の経済に勝てない
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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
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MMT論者はネズミの巣穴に帰ってもう出て来ない
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「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…
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政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くこと
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低金利の間に大量生産されたゾンビ企業は高金利にして一掃しないといけない
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倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
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1929年世界大恐慌の原因は高累進所得課税を止めた事
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ファシズムとは巨大資本が支配する統制経済の事
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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
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【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ~経済学を変えた世紀の対決
https://www.youtube.com/watch?v=K3uZHzdi9Jk
https://www.youtube.com/watch?v=cOaxStGHQD8

【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編~経済学を変えた世紀の対決~ケインズの遺したスタグフレーション
https://www.youtube.com/watch?v=lEe7KCshrec



ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由 2020年5月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨 2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3199



高齢者は死んでいいのか _ 大西つねき「命、選別しないと駄目だと思いますよ」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/220.html

アメリカに「寝たきり老人」が居ない理由_ 寝たきりになる人を助けないので、寝たきりにならない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1180.html

日本国民は政府のATM。給料の半分近くを税金と社会保険料で毟り取られる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083040

大西つねき :日本一まともな年金の話
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/712.html

大西つねき :正しいベーシックインカム
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/765.html

年金を増額すれば税収は増える 貧困高齢問題の解決法
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/762.html

年金制度の改悪に激しく抗議するフランス人。 しかし何をされても黙っている日本人
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14103529

高橋洋一 NISAもGPIFも金融機関を儲けさせるだけ
2024/02/16
https://www.youtube.com/watch?v=7N6J4dG_-HE

髙橋洋一 年金資金に群がる役人&金融機関 公金チューチュー超えて公金ゴクゴク
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083421

高橋洋一 _ 年金は大丈夫!消費増税は必要ない!!
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/476.html

髙橋洋一 国家財政が破綻するの嘘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14048092

本当にアメリカの株価が大暴落すると日本の年金は蒸発するのか?
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/218.html
3:777 :

2024/03/04 (Mon) 10:18:58

ドラッケンミラー氏: 経済学者が経済を予想できない理由
2024年3月3日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44730

少し間が空いたが、引き続きLow Leaders Leadによるスタンレー・ドラッケンミラー氏のインタビューである。今回は大学で学ぶ経済学について語っている部分を紹介する。

経済を予想する仕事

以前の記事でドラッケンミラー氏は、経済を予想して利益を上げる投資家の仕事の面白さについて語っていた。彼は次のように述べていた。

ドラッケンミラー氏: 優れた投資家が優れている理由
投資とは常に世界をパズルの集まりだと考えてそれを解くことだ。

ドラッケンミラー氏はこれまで、1992年のポンド危機や2022年の物価高騰など様々な出来事を予想し、平均で年率30%以上の利益を上げている。

ではドラッケンミラー氏はどのようにして経済を予想できるようになったのか。ドラッケンミラー氏はまず大学に入って経済学を学んだのだが、博士課程を中退して金融業界で働き始めている。

経済学者にならなかった理由

今では経済を予想することにかけて世界で数本の指に入るドラッケンミラー氏は、そのまま経済学を学んで経済学者になる道を選ばなかった。

何故か。ドラッケンミラー氏は次のように振り返っている。

学部で学んだ経済学は好きだった。限界費用や神の見えざる手などだ。

見えざる手というのは、当然ながらアダム・スミスの『国富論』に出てくる言葉である。

ドラッケンミラー氏が好んだ経済学とはどのようなものだったか。『国富論』から引用すると、見えざる手の議論が載っている箇所には次のように書いてある。

経済人はしばしば、自分の利益を追求することによって、彼が社会の利益を目指して努力する場合よりも効果的に、社会の利益を推進する。

利益を追求する個人の行動が自然と社会の利益となる様子が「見えざる手」に導かれているようだとアダム・スミスは言っているのである。

しかし利己的な人々が本当に社会のためになるのだろうか? 元々社会の利益を目指して行動する人々の方が、資本主義者よりも社会のためになるのではないか?

だがアダム・スミスは次のように続ける。

公共の利益のために仕事をするなどと気取っている人々によって大きな利益が達成された例をわたしはまったく知らない。

なかなか手厳しい意見である。だが政治家が誰の利益のために動いているのかを考えれば、それは明らかだろう。

ドラッケンミラー氏が学生時代にもこういう経済学を好んでいたのは不思議ではない。彼は政治家が国民から税金を取り上げて自分に献金してくれる企業や票田にばら撒くことを仕事にしていることを厳しく批判しているからである。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
経済を予想できない経済学者

だがドラッケンミラー氏はそのまま大学で経済の研究をする道を選んだわけではなかった。

何故か。彼は大学院に進んだ後のことについて次のように語っている。

だが大学院の経済学は世界を数学の方程式に無理やり詰め込もうとしていた。わたしはそれが無理だと思った。

中央銀行にいる800人の博士号取得者の経済がいつも当たらないことを考えれば、当時のわたしの考えは正しかったと言えるだろう。

経済学者の経済予想は当たらない。当たり前である。経済予想が当てられたなら、その人は経済学者ではなくファンドマネージャーになるだろう。

だから大学や政府には経済の分かる人間は基本的に行かないのである。例外はアメリカの財務長官を務めたラリー・サマーズ氏だろう。彼だけは本物のマクロ経済学者である。

サマーズ氏: 米国が利上げを再開する可能性
経済を予想できる経済学

だから一部の優れたヘッジファンドの持っている経済の知識は、経済学者たちの知識の数十年先を行っている。ポール・クルーグマン氏がノーベル経済学賞を獲得しているのは、ヘッジファンド業界から見れば冗談のようなものである。

だからドラッケンミラー氏は大学で経済学者になる道を選ばずに資産運用業界を選んだのである。彼は次のように述べている。

世界の仕組みを知りたかった。それは数学の方程式に詰め込めるようなものではないと思った。

だが大学院の人々は自分たちの数理モデルを信じていた。それは馬鹿げたことだった。だからその道を選ばなかった。

だが過去を遡れば、優れた経済学者は存在する。『国富論』は今なお読んでおくべき本である。あるいは、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏も同じ内容を言っていた。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である

経済学はケインズからおかしくなったのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44730
4:777 :

2024/05/06 (Mon) 10:32:42

アメリカを衰退させる債務膨張とインフレバブル
2024.05.06
https://www.thutmosev.com/archives/34917.html

これは連邦債務だけで他にも膨大な隠し債務がある


https://www.nikkei.com/topics/22A00404 アメリカ政府の債務上限問題とは 最新ニュースと解説 – 日本経済新聞
持続不可能なアメリカの好景気

アメリカは2010年頃から長期的に見て好景気だが永遠に好景気が続いた例はないので、いつかアメリカも不況に陥り不況に入るのは決まっています

ではアメリカの景気後退や不況はどんな形でいつやって来るのかですが、どうやら「債務」「インフレ」の2点で破綻が近づいている

日本は30年間デフレ不況だったがその反対はインフレ景気、つまり好景気とは物価が上昇し経済が拡大することでアメリカはインフレ状態にあります

インフレを持続させると見せかけの好景気を演出することもでき、例えば東京の地価を年数パーセント政府が意図的に上昇させたら、表向き好景気を演出する事もできる

こんな事をやったのがバブル期の日本、つい最近の韓国や中国の不動産バブル景気でアメリカも不動産価格の上昇による偽の好景気を演出している

スイスやベルリンや北欧なども同様で、この手の不動産バブル景気には賞味期限があって不動産価格が限度いっぱいまで上昇したら弾けることになっている

アメリカやスイスの大都市のワンルーム平均家賃は40万円以上になっているが東京は10万円未満、代わりに年収も多いがさすがに4倍ではない

彼らの家賃が東京の2倍で年収も2倍なら計算が合う気がするが、家賃が4倍で年収は2倍なのでこれはもう「不動産バブル経済」です

いずれNYやサンフランシスコの地価や家賃は上限に達して下がり始めるが、資産価値が下がると債務負担が重くなり破産する者が増えるでしょう

限界まで資産バブルをやって資産価値が下がると、膨らみ切った債務は金利でさらに膨らんで返済不能になります

2月のアメリカ消費者物価指数は前年比3.2%上昇、3月は+3.5%に加速していてインフレ率が下がらず好景気が持続している

このように「好景気」とは消費が強いのでインフレ率を上昇させ、インフレは見せかけのGDPを増やすのでアメリカは非常に景気が良い事になっている

アメリカの好景気は借金で演出したものだった
ではインフレ率を上げて地価を上げれば好景気になる訳ですが、数字を操作する為に意図的にやっているとしたら最悪の結果を引き起こします

インフレ率も地価もビットコインも株価も無限に上昇させることは出来ないのでいつかは成長が止まり、操作して数字を上げた分は反動で下がる筈です

インフレは本来消費が活発で経済成長しており、生産を上回る需要によって物価が上昇するものですがアメリカは政府が借金をしてインフレ率を上げた

トランプとバイデンだけで600兆円以上のコロナ支援をやり、給料より多くの給付金を受け取る人が続出し空前のコロナ景気になった

トランプやバイデン、オバマ、ブッシュが使ったのは連邦予算だけで公開されているアメリカの債務も連邦債務だけだが、それですら多くの研究者は返済不可能と結論づけている

著書「ブラック・スワン」で2008年の金融危機を予言したナシーム・ニコラス・タレブは、奇跡が起きない限り破滅的な事態を回避できないと述べている

日本の政府債務はGDP比200%でアメリカは110%だが2つの数字の意味は違い、日本は「全部込み」なのに対しアメリカは「連邦債務の一部」だけで政府債務全体は今までに公開したことはない

連邦債務の他に地方債務があるが、そのほかにビルクリントンがやらかした「政府の民営化」によって民間債務にも付け替えられて偽装されている

ブルームバーグは100万通りのシミュレーションを行い88%の確率で持続不可能という結論を得たが、破綻しない12%は予想を超えるような高度成長を継続した場合に10年程度破綻が先送りされるものだった

悪いケースとしては今後の成長率が今までより低い3%未満で、政府が増税をせず減税した場合連邦債務だけでGDP比200%を超えてしまう

すると地方債務や民間債務付け替え分を含めたら GDP比300%を超えてしまい、その場合は唯一の超大国の地位を失うかもしれない

こんなにも政府債務が増えた理由は借金で強引に成長率を上げていたからで、基本的にバブル経済時の日本と似たような事をしていました
https://www.thutmosev.com/archives/34917.html
5:777 :

2024/06/27 (Thu) 02:19:30

【伊藤貫】人類の支配者について~資本主義と民主主義は両立しない【チョムスキー】
https://www.youtube.com/watch?v=pADY3NeMTnI
https://www.youtube.com/watch?v=WEnv5I8Aq4I&t=0s

超富豪オリガーキーに支配されるアメリカ帝国〜トップ0.01%層が牛耳る米国政治ー貧富の差は世界最悪!!!(伊藤貫)
https://www.youtube.com/watch?v=yvbIOYtbcV0&t=0s

伊藤貫セミナー Ito Kan Seminar (公式) - YouTube
https://www.youtube.com/@kpnews1216/videos
https://www.youtube.com/@kpnews1216/playlists

伊藤 貫の真剣な雑談
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14111186
6:777 :

2024/07/13 (Sat) 21:55:14

ハイパーインフレのアルゼンチン大統領、紙幣印刷が経済を悪化させる理由を語る
2024年7月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51206

アルゼンチン大統領にしてオーストリア学派の経済学者であるハビエル・ミレイ氏がMilken Instituteにおけるインタビューでインフレと紙幣印刷について語っている。

転落したアルゼンチン経済

ミレイ氏が大統領を務めるアルゼンチンはかつて経済大国だった。ミレイ氏は次のように語っている。

アルゼンチンは、1860年に自由主義的な憲法を採用してからたった35年で世界に名だたる大国となった。

野蛮人の国からGDPがブラジル、メキシコ、パラグアイ、ペルーの合計よりも多い国となり、ラテンアメリカ諸国にある鉄道網の合計よりも巨大な鉄道網を有する国になった。

ブラジルはBRICSの一角であり、世界8位の経済大国だが、元々はアルゼンチンの方が大国だったのである。

しかし今やアルゼンチンはハイパーインフレと債務不履行の国として知られ、そうした社会的混乱のさなか経済学者のミレイ氏が大統領として選出された。

繁栄していたアルゼンチン経済に何が起きたのか。ミレイ氏は次のように説明している。

しかしこの絶頂の最中、アルゼンチンの指導者たちは手に入れた富をすべての人に分け与えるという善意の考えから、人々の限りない需要を政府が満たし続けるべきだという誤った社会正義の教義を実行し始めた。

アルゼンチンがハイパーインフレと通貨暴落を味わうようになったのは、際限のない政府支出と紙幣印刷が原因である。

政府支出は通常経済的に困っている人々を助けるという名目で行われる。だが日本でもガソリンへの補助金が消費者ではなく業者の懐に消えてゆくように、それはしばしば経済的に困っている人々のところへは届けられない。

だがミレイ氏はそもそも経済的に困っている人々を政府支出で助けるという考え方自体が国の経済に貧困をもたらすと主張する。

ミレイ氏は次のように述べている。

そうした考えに現実は味方していない。好む好まざるにかかわらず、人々の需要は無限で、資源は有限だ。

政府がいくらでも紙幣を印刷すれば経済問題は解決するという考え方がある。だが考えてほしいのだが、例えば国中のすべての人が紙幣を印刷する以外の仕事を辞めたらどうなるだろうか?

明らかに国民は紙幣以外のものを手にできなくなる。この程度の思考実験で明らかになる通り、経済の問題とは供給される商品とサービスの量の問題であり、流通する紙幣の量の問題ではないのである。

アルゼンチン経済の没落

このように、何でも政府が解決するという考え方を政治家と国民の両方が支持した結果、ミレイ氏によればアルゼンチンには次のようなことが起きた。

政府と経済に関するこうした考えの結果、政府支出は劇的に増加した。

だから政府はまずアルゼンチン国民を税金で窒息させようとした。それで十分でなければアルゼンチンの黄金時代に蓄えた外貨準備を取り崩し始めた。

アルゼンチンはデフォルトを繰り返し、誰もアルゼンチンにお金を貸してくれなくなった時、政府は無制限の紙幣印刷を開始した。

政府債務は何らかの形で返されなければならない。徴税か、紙幣印刷か、あるいはデフォルトである。

ガンドラック氏: 米国債が債務減免される可能性


アルゼンチンはそれらすべてを経験した。上記のうち紙幣印刷に問題がないと主張したのがインフレ主義者たちだが、アメリカでは物価が高騰し、日本では通貨暴落が起きた。

日銀の植田総裁が円安を止められない理由


日本では税率も有り得ないほど高い水準になっている。だが政府支出の恩恵は苦しむ国民とは別のところにだけ流れて行っている。

レイ・ダリオ氏: 日本経済は最悪だ、米国の政府債務は5年以内に破綻する


「先進的」なアルゼンチン経済

アルゼンチンは日本やアメリカの先を行っているという点で先進的である。そのアルゼンチンがどうなったかと言えば、ミレイ氏によれば次のようになった。

当然の結果として、アルゼンチン国民は構造的な貧困から逃れられなくなり、1人当たりGDPは世界140位にまで転落した。

税金の増加、通貨の下落、インフレ、そしてGDPの順位の凋落。まるで何処かの国のようではないか。これでも自分の国はアルゼンチンとは違うと主張できるだろうか。

だからこそアルゼンチンの大統領であるミレイ氏は、西側諸国に同じ失敗をしないように語りかけているのである。

そのために必要なことは政府支出に依存しない自由な経済である。どういう商品やサービスが必要かを政府ではなく消費者が決める自由主義経済である。

だが政府支出を支持する人々には自由主義経済は敵視される。貧しい人々を助けないのかということである。

だがミレイ氏がダボス会議で言っていたように、自由主義経済による経済成長こそが世界人口の大半を貧困から救い、政府支出がもたらすインフレや通貨下落が貧困を増やしているのである。


ミレイ大統領: 政府主導の経済が自由市場の経済に勝てない経済学的証拠
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48815


自由主義経済を敵視する「倫理的な」人々

だからミレイ氏は、貧しい人々を助けるべきだと主張し、自由主義経済に反対する人々に次のように問いかける。

なぜ学者たちや国際機関、政治家たちは地球の人口の90%を酷い貧困から救った経済システムを敵視するのだろうか?

なぜ西側諸国は歴史的に何度も失敗している実験にこだわり続けるのだろうか?

インフレ主義者たちはデフレが問題だと言う。だがなぜデフレになったのか? デフレとはものが売れない状態である。なぜ売れないのか? 政府支出によって消費者が欲しくもないものが大量に作られたからである。

海外の左派のように、政府支出によって貧しい人々を助けようとする人々に対して、ミレイ氏は次のように言っている。

自由市場では資本主義者が絶え間ない利益追求によってより良い商品やサービスをより安い価格で提供するようになっている。

政府の介入を好む人々は、この市場の大切な役割を阻害するだけに留まらず、互いに自画自賛して社会正義のメダルを与え合い、最終的には共産主義に通じる価値観を推進して経済を酷い状態にする。

自由主義経済ならば、消費者が欲しくもないものは作られない。だがインフレ主義者たちは政府支出によって不要なものを経済にばら撒き、デフレを引き起こし、デフレを是正するために紙幣をばら撒いてインフレを引き起こす。

そういうことをしながら海外の左派たちは自分たちは財政支出で貧困層を救ったと主張する。日本はやや特殊である。日本では口実などなくとも政治家が好き放題やることを国民が認めるからである。

結論

いずれにしてもそのようにして経済は沈んでゆく。それはまさに共産主義の最期と同じである。インフレ主義が本質的には共産主義と同じものであることは、インフレになるよりも前にレイ・ダリオ氏が指摘していた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる (2020/5/17)
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


このプロセスで得をするのは政治家だけである。政治家(とそのばら撒きを受ける業者)だけは利益だけを得て罰せられることなく颯爽と去ってゆく。

ミレイ氏と同じオーストリア学派の経済学者である フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が『貨幣論集』において次のように言っていたことが思い出される。

しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51206
7:777 :

2024/07/14 (Sun) 07:44:13

ミレイ大統領: 政府主導の経済が自由市場の経済に勝てない経済学的証拠
2024年5月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48815

2024年1月の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)から、アルゼンチンの大統領でありオーストリア学派の経済学者でもあるハビエル・ミレイ氏の演説を紹介したい。

アルゼンチンのミレイ大統領

前回の記事では、政府による補助金や寄付金が国民に対する不当な資本移動になっていると批判するファンドマネージャーのスタンレー・ドラッケンミラー氏がアルゼンチンのミレイ大統領を賞賛していた。

ドラッケンミラー氏、やはりアルゼンチンのミレイ大統領が好きだった


何故ならば、ミレイ氏は過去の緩和政策によって100%を越えるインフレとなったアルゼンチンで、政治家による勝手な政府債務の増加と財政支出を止めるために選ばれた大統領だからである。

新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する


ミレイ氏はオーストリア学派の経済学者だが、オーストリア学派では財政支出は無駄な公共事業を積み上げるだけで国民の幸福には繋がらず、生産性向上のためには民間セクターにおけるイノベーションと努力が必要だと考える。

ハイエク氏: 金融緩和でデフレを防ごうとすれば経済は悪化する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48045


ミレイ氏の経済学的論証

ミレイ氏はそれを論証するために経済統計を持ち出す。

彼は次のように述べている。

西暦元年から1800年ほどまでの間、世界の1人当たりGDPは期間を通して変化しませんでした。

人類の経済成長のグラフを振り返れば、それはホッケーのスティックのような指数関数的なグラフで、期間の90%はほとんど変わらないまま留まり、19世紀になって初めて指数関数的な上昇を見せ始めるのです。

停滞の期間における唯一の例外は15世紀後半のアメリカ大陸発見です。

ミレイ氏が語るのは世界の1人当たりGDPの成長の歴史である。指数関数的なグラフとは、最初はほとんど上昇を見せないが、途中から物凄い勢いで上がってゆくグラフのことである。

驚くべきことだが、19世紀になるまで世界の経済成長は極めて緩慢だった。より詳しくは次の通りである。

西暦元年から1800年までの1人当たりGDP成長率は0.02%ほどで安定しています。ほぼ無成長だということです。

厳密には今の成長率と比べると無成長に見えると言うべきなのだろう。昔にも多少のイノベーションは積み重ねられてきたのだろうが、今のイノベーションと比べると僅かということになってしまう。

産業革命と1人当たりGDP

だが19世紀にはそれが変わる。19世紀に何が起こったか。産業革命である。

ミレイ氏は次のように続ける。

19世紀の産業革命からは成長率が年率で0.66%になります。

1900年から1950年までの期間では、成長率は年率1.66%に加速しました。

ここから現代的な成長率へと変わってゆく。

産業革命以降は大量生産の時代である。大量生産ということは、単に金銭的に豊かになるというだけの話ではなく、より多くの人にものが届けられるということである。

そしてそのトレンドはまだ加速している。ミレイ氏は次のように続ける。

1950年から2000年では、成長率は2.1%になっています。

このトレンドは止まるどころか今でも続いています。2000年から2023年までの期間では、成長率は年率3%に更に加速しました。

結論

だからミレイ氏は、特に政府が支出を増やすべきだと主張し、自由市場を批判し政府の経済介入を支持する左派の人々の向けて次のように言う。

結論は明らかです。自由市場と資本主義という経済システムは、社会の問題の原因であるどころか、地球上の飢餓と貧困を終わらせるための唯一の手段なのです。

これは政府が大きく徴税し大きく支出する「大きな政府」と、それを最小限にする「小さな政府」の問題である。

「大きな政府」は日本の自民党やアメリカの民主党であり、小さな政府はほとんど存在しないが今のアルゼンチン政府か、あるいはスイス政府くらいだろうか。

「大きな政府」はお金が費やされる先を消費者ではなく政治家が決定するという意味で本質的には共産主義である。レイ・ダリオ氏なども、先進国のほとんどが多額の財政支出をしている状況を共産主義的と呼んでいた。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10831


「大きな政府」の問題を指摘するには共産主義国の失敗を 指摘するだけで十分である。だが経済学者のミレイ氏は経済の歴史を振り返り、資本主義の時代とそれ以外では経済成長がまったく違うことを示した。

日本の自民党やアメリカの民主党のような、ムラの権力者が財政を勝手に決めるようなムラ社会は太古の昔からあったはずだ。だがそれでは経済成長は0.02%のままだった。「大きな政府」も共産主義も、その時代の経済成長に戻すことを意味しているのである。

それは人々に貧困で しねと言っているのと同じである。だが日本の自民党やアメリカの民主党のような左派(誤植ではない)の人々は、人々を経済停滞から救うためには財政支出しかないと言う。

面白い冗談ではないか。東京五輪や大阪万博がインフレと円安で苦しむ市民をどう助けるのか見てみたいものである。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


だがミレイ氏の議論は本当に政治家のものとは思えない。本職の経済学者なのだから当たり前なのだが。米国の財務長官を務めた経済学者ラリー・サマーズ氏(彼は左派である)の他に、政治の世界に関われるまともな経済学者という稀有な人材が出てしまった。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48815
8:777 :

2024/07/16 (Tue) 02:05:53

ミレイ大統領: 多様性やSDGSは強要の文化である
2024年7月15日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51312

引き続き、アルゼンチン大統領でありオーストリア学派の経済学者であるハビエル・ミレイ氏のMilken Instituteにおける講演である。

自由主義者ハビエル・ミレイ氏

ミレイ氏は財政支出と紙幣印刷のやり過ぎでハイパーインフレと通貨暴落を経験したアルゼンチンの大統領に選出された経済学者である。

そのミレイ氏は前回の記事で政府による無節操な支出を批判していた。

ハイパーインフレのアルゼンチン大統領、紙幣印刷が経済を悪化させる理由を語る


その理屈は、どういう商品やサービスにお金が支払われるのかは政府ではなく消費者が決めるべきだというものだった。そうでなければ消費者が見向きもしない不要なものが山積みになってしまう。

それはいわば、経済にどのような商品やサービスが存在するべきかを政府が決める社会制度であり、それは程度の違いはあれ共産主義の一種である。

現代西洋における共産主義の文化

共産主義の本質は国民ではなく政府が決めるということである。そしてミレイ氏によれば、その共産主義的なイデオロギーはインフレ主義的な経済政策だけではなく、西洋諸国の文化や教育にまで及んでいる。

それは多様性や環境問題などにおける左派的なイデオロギーである。ミレイ氏は次のように説明している。

企業やマスコミ、教育、そしてエンターテイメントの世界にまで浸透している自己抑圧的な文化が存在する。

それは直接的であれ間接的であれ、様々な形を取った強要の文化であり、政府によって強制され、ジェンダーや人種問題や環境問題などの倫理的問題とされる問題について服従しない個人は迫害される。

特に欧米諸国では、こうした問題に対して多数と同じ反応を返さない個人は迫害される。

最近ではそういう左派のイデオロギーに嫌気が差した人が増えてきて、そうでない人の人権もある程度戻ってはいるのだが、少し前までドイツなどでは二酸化炭素のために風呂に入らないなどということが真面目に議論されていた。


ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨


また、人種問題に関して言えば、ハーバード大学などが黒人学生などを優先するために人種ごとに入学者の人数を決めていた件で、優秀なアジア人学生が人数制限のために他の人種の学生よりも不利な状況に立たされるという人種差別的な状況が発生していた。

人種差別に反対する人々のせいで学生が人種差別に遭うというほとんどジョークのような状況だったのだが、ミレイ氏は次のように述べている。

こうした考えは多様性のために人間の長所を罰し、政治的に過敏な一部の人々に気を遣うために自由なアイデアの交流を妨げる愚かさに繋がっている。

結論

日本人はアメリカやヨーロッパでは同調圧力が少ないと思っている人が多いが、とんでもない間違いである。政治的に同調しなければ迫害されるようなことは日本では起こらない。

だが欧米諸国ではそういう状況が長らく続いている。ウクライナなどの問題も同じような立ち位置にあるが、ハマスとイスラエルの問題が勃発してからは西側が支持する側が必ずしも正義ではないことがようやく明らかになりつつある。

ハマス・イスラエル戦争で メッキが剥がれかけている欧米諸国のメディア戦略

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/51312
9:777 :

2024/08/05 (Mon) 18:55:48

上位1%が富の半分を所有するアメリカの仕組み
2024.08.05
https://www.thutmosev.com/archives/80434166.html

貧しい人は高金利で借金し、支払った金利は富裕層の資産になる

富裕層向けの金利は驚くほど低く、税金も払わなくて良い

120124.poor-america
画像引用:http://blog.hix05.com/blog/Photo2012a/120124.poor-america.jpg
中流以下の借金が資産家の資産になっている

ある統計によるとアメリカでは数千人の資産家が富の半分を所有しています

別の言い方では10人ほどの資産家がアメリカの全資産の1割を所有し、アメリカの数十人が全世界の半分を所有しています

世界全体でみると人類の1%が下位80%以上の富を独占し、99%の人が18%を奪い合っています

日本は違うよというのも間違いで、人口の2%が約17%の個人資産を所有しています

アメリカや欧米の報道は偏っていて、「10人の資産家が人類の半分を所有している」のような言い方をします

この時の人類の半分は貧しい人から数えて人類の半分で、貧しい人は最初から資産を持っていません

「上位26人が下位38億人分の富を保有」も同じ論法で、下から数えるのでとんでもない人数に増えます

例えば平均的な日本人の年収250万円は、世界では上位2%の高収入であり、普通の日本人はアフリカ人100人分くらいを所有している事になる

所得で計算するとアメリカでは上位1%の所得が、1980年に国民総所得11%だったが現在は20%を占めている

一方アメリカの下から50%の低所得層は、以前は国民総所得の20%だったが現在は12%に減少した

貧しい人は所得があっても支払いで消え、豊かな人は所得のほとんどが資産になるので、資産格差は所得より遥かに大きいでしょう

こうした富の独占が起きる理由は、貧しい人の借金が資産家の資産になるという、資本主義のメカニズムによるものです

私たちは銀行やカード会社などから借金をしますが、そのお金はどこから来るのでしょうか?

銀行は預金した人の預金や、投資家の投資、日銀から調達などを元手にしてお金を貸しています

知っての通り現在は銀行預金は10年金利が‎0.02%という超低金利で、銀行はタダでお金を調達しています

皆さんがカードで買い物した時の金利は年16%、銀行が運営するカード会社はタダで調達したお金を貸して16%も儲けています

資産家は働かずに貧困者からお金を受け取る
実際には住宅ローンなどの貸し出し金利も低金利下が進んで、多くの銀行の貸出金の平均金利は1%を下回っています

ともあれ貧しい人ほど高金利でお金を借り、豊かな人はその配当を受け取るという仕組みが存在します

貧しければ貧しいほど金融機関は高金利で貸し、支払いで得たお金を配当として富裕層に配っています

富裕層はまったく労働しなくても毎日お金が増えていき、貧しい人は汗水たらして働いて高金利を払っています

この仕組みがあるから貧しい人はどんどん貧しく、お金持ちはどんどん資産が増えていくのです。

日本の個人資産は約2,000兆円超で米国の個人資産は約120兆米ドル(1京8000兆円)というとんでも無い額ですが、庶民には無関係な数字です

アメリカの金融資産は上位1%が3割を保有していて上位10%が7割を保有、日本では上位1%が24%を保有し上位10%が57%を保有しているという数字があります

資産10兆円のwバフェットは以前、「私より使用人のほうが納税額が多い」と言っていました

それだけアメリカの富裕層は納税しておらず、富裕層に増税するべきだという趣旨でした

その後も富裕層増税は行われずバフェットだけが自主的に納税した話も聞かないので、相変わらず特権を甘受している

バフェットの2015年の総所得は1156万ドルで547万ドルの税控除を受け、184万ドル(約1.9億円)の連邦所得税を支払った

バフェットは真面目に払っているようだがおかしな点があり、年収11億円で資産10兆円になるには1000年もかかる

バフェットの資産の多くは株や土地や権利に化けていて、それらの増加にはおそらく所得税がかかっていない

アメリカの富裕層は相続税も払っておらず、資産数兆円ともなると相続税を払わなくてもいい仕組みがある

ビルゲイツは資産13兆円で、2017年頃に「資産全額を寄付する。もうお金に興味が無い」と言って世界を驚かせた

これには裏がありビルゲイツはゲイツ財団をつくり資産を寄付したが、財団は営利事業をして出資者に配当金を出す

ゲイツが100%出した財団が年1000億円の利益を上げたとすると、数百億円が配当としてゲイツに支払われる

娘や息子を財団役員にすると配当は子供に支払われ、事実上相続税なしで13兆円を子供に渡すことが出来る

つまりアメリカの富裕層は 年収の1%も税金を払っておらず、相続税は1ドルも払っていない
https://www.thutmosev.com/archives/80434166.html
10:777 :

2024/08/21 (Wed) 02:00:18

ガンドラック氏: アメリカ民主党の奨学金ローンや医療ローンの帳消しが愚かである理由
2024年8月20日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52526

11月のアメリカ大統領選挙が近づく中、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がTwitterでカマラ・ハリス副大統領の経済政策を痛烈に批判している。

医療債務の免除

バイデン大統領が出馬を撤回したため、大統領選挙はトランプ氏とハリス氏という構図になったが、ここに来てガンドラック氏がtwitterに連続投稿し、ハリス氏の経済政策を批判している。ガンドラック氏は共和党員だったのかと思わせるほどの勢いである。

まず最初はハリス氏の提案している医療債務の免除である。アメリカでは日本のような国民皆保険制度がないため、医療費が非常に高額である。

だから医療費を払うために借金をしている人もいる。

そこでハリス氏は医療債務の免除を提案している。アメリカ民主党は奨学金ローンの帳消しをやったように、こういう政策が大好きである。

債務を帳消しにすることの問題点

だが特定の債務の帳消し政策には問題点がある。債務によって得た資金は他の用途にも使えるということである。

例えば後で返さなければならない奨学金を背負った学生は、生活を切り詰めるかもしれない。だが奨学金を返さなくて良いと分かった途端、学生は本来切り詰めていたはずのお金を娯楽や投資などに使うだろう。

このように、奨学金の免除は他の支出を増大させる。むしろ奨学金や今回の場合医療債務は、返さなくて良い借金として人気になるだろう。

だからガンドラック氏は次のように述べている。

医療債務の免除を提案などすれば、債務者が自分の負債を医療債務に置き換えようとするので、全体の負債における医療債務の割合が増加する。それは国民の医療費を増加させることになる。

医療債務とクレジットカードの債務残高がある場合、誰も医療債務の方を返済しようとは思わなくなるだろう。その分クレジットカードで多く借金できるようになるのである。

債務免除で金利上昇

しかも問題はそれだけではない。国全体で医療債務が増えればどうなるか。お金を貸す側が増えていないのに借りる側が増えたとすれば、貸す側をより多く惹きつけるために債券市場では医療ローンの金利が上がるだろう。

つまり、免除された人間は良いかもしれないが、免除を受けていない多くのアメリカの患者にとって医療費が上がってしまうのである。

これは補助金政策の本質である。補助金政策とは誰かを助けることではなく、別の誰かからお金を奪い取って特定の人々に与えることである。

経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が『貨幣発行自由化論』で次のように言っていたことを思い出したい。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行 という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

政治家は今日も窃盗を行なっている。しかもそれを支持する人々は多い。政治とはそういうものである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52526
11:777 :

2024/08/22 (Thu) 01:42:55

ガンドラック氏: 金価格上昇の理由はハリス副大統領の食品の価格統制の公約
2024年8月21日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52544

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のツイートを紹介する。今回はカマラ・ハリス副大統領の公約と金相場について語っている部分を紹介したい。

ガンドラック氏のハリス氏批判

バイデン大統領を引き継いで大統領選挙に立候補したハリス副大統領をガンドラック氏がTwitterで連日批判している。前回の記事ではハリス氏の医療ローンの帳消し公約はむやみに医療費を高騰させると怒っていた。

ガンドラック氏: アメリカ民主党の奨学金ローンや医療ローンの帳消しが愚かである理由
ガンドラック氏は大統領選挙でハリス氏もトランプ氏も支持しておらず、民主党支持でも共和党支持でもないのだが、間違った経済政策は許容できないということだろう。

そしてガンドラック氏がもう1つ批判しているのがハリス氏の価格統制政策である。

食品の価格統制

これはハリス氏だけでなくハリス氏の所属する民主党全体に言えることだが、アメリカ民主党はコロナ後に発生したインフレを強欲な企業が価格を釣り上げているせいだと主張している。

だが実際にはインフレはバイデン政権(とトランプ政権)が行なった現金給付によって発生した。

トランプ氏: 現金給付でインフレを引き起こしたのはバイデン氏だ
つまり、民主党の政治家は自分で発生させたインフレを強欲な企業のせいだと主張しているのである。

この論理は無茶苦茶であり、民主党支持者でクリントン政権の財務長官も務めたラリー・サマーズ氏でさえその論理を批判していた。

サマーズ氏、インフレを強欲な企業のせいとした民主党を批判
サマーズ氏: インフレは有権者が紙幣印刷を支持したせい
サマーズ氏はやや気まずそうに次のように言っていた。

企業が最近急に強欲になったという議論は無理があると思う。

ガンドラック氏の価格統制批判

民主党の理屈はほとんど馬鹿のための経済学である。だがハリス氏の愚かさはそこでは終わらない。ハリス氏が今回の大統領選挙で公約しているのが「価格釣り上げの禁止」だからである。

具体的には食品の値上げを制限するようだが、そもそも「価格釣り上げ」とは何なのだろうか? 誰がその範囲を決めるのか? 経済学者でも算出に困るような「適正価格」が民主党には分かると言うのか?

そもそも民主党の理屈は企業が原材料の価格上昇以上に製品価格を上げているという話なのだが、ガンドラック氏は企業の仕入れ価格である生産者物価と製品の価格である消費者物価を比べて次のように言っている。

2021年1月から消費者物価は19.7%上がったのに対して、生産者物価は20.6%上がっている。何処に「価格の釣り上げ」がある?

生産者物価(仕入れ値)は消費者物価(商品価格)より上がっている。つまり、企業の利ざやはむしろインフレによって狭まっている。

なので「価格の釣り上げ」はそもそも存在すらしていない。企業の強欲さによってインフレが発生しているという話が民主党による妄想なのだから当然である。で、ハリス氏は「価格の釣り上げ」を禁止すると言うが、一体何を禁止するつもりなのか?

価格統制とインフレーション

ハリス氏が存在しない価格の釣り上げを規制するとき、企業は原材料高騰による自然な値上げが出来なくなって潰れてゆくだろう。大統領選挙でどちらも支持していないガンドラック氏がこれだけ批判するのも当然である。

そもそもインフレを価格統制で何とかしようという考え方自体が経済学の観点からは致命的に間違っているのである。

インフレの原因は需要に対して供給が足りないことである。つまりものが不足している。そして価格上昇はものの不足という根本的な問題を是正するために必要なプロセスなのである。

ものが足りなければ価格が上昇する。価格が上昇すれば生産者のモチベーションが上がり、より多くものを作ろうとする。そして供給が増え、価格が安定してくる。

だが価格の上昇を無理矢理止めるとどうなるだろうか? 供給が増えないのでものの不足という根本問題が一向に解決しない。

ハリス氏の言うような「価格が上がるなら価格を上げさせなければ良い」は、前回の記事における医療ローン免除と同じような、聞こえは良いだけで実際には問題を悪化させるだけの政策なのである。

ガンドラック氏: アメリカ民主党の奨学金ローンや医療ローンの帳消しが愚かである理由
そんなことはインフレの歴史を少しでも学べば分かる。だからガンドラック氏は次のように言っている。

価格統制を公約の中核に置くことは世界経済の歴史を完全に無視しており、どれだけ控えめに言ってもナイーブ止まりの考えだ。

結論

ハリス氏は11月の大統領選挙に向けて様々な経済政策を発表している。だが彼女は現職の副大統領でもある。だからガンドラック氏は次のように言っている。

ハリス氏は「大統領になった初日」にインフレを押し下げると言った。何で今やらないんだ?

身も蓋もない。彼女は大統領候補として何か言わなければならないために何かを言っているに過ぎない。

また、ガンドラック氏は金相場に関して重要なコメントをしている。彼は次のように述べている。

金融市場の血も涙もない判断を見た方が良い。

更なる債務と紙幣印刷を必要とする補助金政策と食品への価格統制が発表された途端、金価格は即座に大きく上がった。

レイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で解説しているように、歴史上、紙幣と価格が政府によって乱用されるときにはいつでも、紙幣から現物資産への資金逃避が始まる。

ガンドラック氏はそれでゴールドが上がっていると言う。金価格は次のように推移している。


ハリス氏でもトランプ氏でも経済政策はインフレ方向になりそうな気はしている。

大統領選挙後のトランプ氏、インフレを起こさずに株価上昇を引き起こす余地があるか?
なので長期的に言えば筆者も貴金属には強気である。インフレ相場はインフレと経済が減速した時に本当の正念場を迎える。

フォン・グライアーツ氏: ゴールドとシルバーの本当の上げ相場はこれから

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/52544
12:777 :

2024/08/28 (Wed) 17:07:29

特番「左右ではなく上下の分断が進む米国!そしてトランプは何と戦っているのか?」ゲスト:経済安全保障アナリスト 平井宏治氏
松田政策 研究所チャンネル 2024/08/27
https://www.youtube.com/watch?v=d26x_6s7eQs
13:777 :

2024/09/18 (Wed) 06:58:48

法人税と譲渡益税をあげると株価は大暴落する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16869879




ついに始まる世界金融恐慌
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793

40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007513

グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート | 世界の金融市場における分析と実践
https://www.globalmacroresearch.org/jp/

追い込まれた日銀!? 石原順チャンネル
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【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ~経済学を変えた世紀の対決
https://www.youtube.com/watch?v=K3uZHzdi9Jk
https://www.youtube.com/watch?v=cOaxStGHQD8

【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編~経済学を変えた世紀の対決~ケインズの遺したスタグフレーション
https://www.youtube.com/watch?v=lEe7KCshrec

政府主導の経済は自由市場の経済に勝てない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16860493

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

MMT論者はネズミの巣穴に帰ってもう出て来ない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16825321

「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14095196

政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くこと
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16841750

低金利の間に大量生産されたゾンビ企業は高金利にして一掃しないといけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16852548

倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14033162




すべての紙幣の価値は最終的にゼロに向かってゆく
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16856204

世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由 2020年5月22日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10891

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨 2020年5月23日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10903

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退 2020年5月25日
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10922

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/10953

世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/3199
14:777 :

2024/10/22 (Tue) 18:25:58

「ゾンビ企業」の淘汰加速か、日銀利上げで耐えきれなくなる公算大
高橋ニコラス 2024年10月22日
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-22/SLQ7LET0AFB400

昨年の企業倒産件数は約8500件、2015年以降で最多
既に困難な状況下の企業、金利上昇で債務返済負担さらに増加
30年にわたって日本銀行の超金融緩和政策が続いた後、わずかな利上げでも、支払い不能に陥る「ゾンビ企業」が急増し、淘汰が加速しかねない状況にある。

  東京商工リサーチが今月発表した全国企業倒産状況によれば、2024年度上期(4ー9月)の倒産件数は5095件と10年ぶりに5000件を突破。負債総額は約1兆3800億円で、産業別ではサービス業が最多だった。

  ゾンビ企業とは、営業利益だけでは借入金の利払いが困難な状況にある企業と定義され、日本の低金利と政府支援のおかげで長年生き延びてきた。投資も人材採用もできないゾンビ企業は、新規企業の誕生を阻害し、雇用の流動性を妨げている。CLSA証券のストラテジスト、ニコラス・スミス氏によると、ゾンビ企業を一掃することはそれほど悪いことではなく、より健全な新規企業が参入する余地を与え得る。

  ゾンビ企業はどれも倒産しても「悲しまれることはないだろう」と話すスミス氏は「日本では失業を心配する必要がなく、むしろ深刻な労働力不足が最も懸念される状況になっている」と指摘した。

Bankruptcies Are Picking Up in Japan
Easy money helped until the pandemic, rate hikes


Source: Tokyo Shoko Research

  東京商工リサーチの3月のリポートによると、金利が0.1ポイント上昇すると、利益のほとんどを負債返済に充てているゾンビ企業の数は、約56万5000社から約63万2000社に増加する可能性がある。

  そのうちの1社は、国内最大の旅行代理店の一つであるエイチ・アイ・エス(HIS)だ。2023年10月期に14億円の営業利益を計上したが、純支払利息は15億円に上った。

  低価格パッケージツアーで知られるHISは、新型コロナウイルス禍後の日本からの海外旅行の低迷で苦戦を強いられている。日本に海外から観光客が殺到しているのとは対照的だ。数十年にわたる低金利政策のもう一つの遺産である円安が一因。ブルームバーグが集計したデータによると、HISは20年以降、負債をさらに増やし、現在は300億円の債務を抱えている。

  同社はコメントを控えた。

Views of Kyoto Ahead of Government Statistics on Foreign Visitors
京都の「三年坂」を歩く観光客Photographer: Buddhika Weerasinghe/Bloomberg
  「ゾンビ企業」という用語は、2008年に星岳雄・東京大学教授を含む3人の教授が作り出した。星教授はゾンビ企業を経営課題に対処せず、政府や債権者からの金融支援で破綻を免れている企業と定義している。

  一方、国際決済銀行(BIS)は、設立から10年超で3年以上にわたってインタレスト・カバレッジ・レシオ(年間の事業利益が金融費用の何倍かを示す指標)が1を下回る企業をゾンビ企業と定義している。

  今年最大の倒産案件の一つは、三菱航空機の後継会社MSJ資産管理の特別清算で、負債総額は6413億円に上った。その他に環境経営総合研究所、ホクシンメディカル、アサヒフードクリエイトなどがある。

  銀行・保険だけでなく、日本のあらゆるセクターや地域でこの6カ月間に倒産件数が増加している。金利が上昇し、運輸や人工知能(AI)、ソフトウエアなどの産業がグローバルプレーヤーとの熾烈(しれつ)な競争にさらされる中、この数字は今後も増え続ける見通しだ。

  日本の大企業でさえ、もはや倒産の可能性から免れることはできない。2023年、パナソニック液晶ディスプレイが国内の倒産企業の中で負債総額トップとなった。競争により、液晶ディスプレーパネル事業は自動車および産業分野に重点を移したが、米中貿易摩擦による打撃を受けた。

Inside The Panasonic Corp. Technics Factory
栃木県のパナソニック製造施設の液晶テレビ生産ライン(2016年)Photographer: Tomohiro Ohsumi/Bloomberg
  親会社のパナソニックホールディングスはパナソニック液晶ディスプレイの清算を決定。負債総額は5836億円だった。パナソニックが21年に持ち株会社体制に移行したのは、各部門の説明責任と収益性の改善が狙いだった。経営最高責任者(CEO)の楠見雄規氏は今年5月、「最適な所有者」を見つけることで業績不振部門の改善を図ると述べている。

  日本では負債を抱えた企業数が急増しており、そのペースはバブル崩壊後の1992年より速いとのデータもある。東京商工リサーチによると、ゾンビ企業は日本の上場企業の14%を占めている。

  またゾンビ企業はレストランやホテル、運輸、観光など国内で労働力不足が最も深刻な業界に集中しているという。

  生産性の低い企業は雇用や競争力を維持できず、買収や身売りもできず、利益を生み出すこともできない。特に大都市の人口密集地以外では、経営難が続く企業への投資は難しくなる。

  しかし、数十年にわたる低金利の融資や手厚い補助金が破綻寸前のバランスシートを抱える非生産的な企業を次々と生み出してきた。日本政府は新型コロナウイルス禍にこうした企業に巨額の資金を注ぎ込んだ。一部の専門家はこうした「無利子・無担保」の融資が最近の倒産急増の主因になった可能性があると指摘している。

  中小企業が倒産するとその従業員が解雇され、別の企業、願わくば収益性や生産性がより高く、収支のバランスが良好な企業に転職できる可能性が出てくる。どちらかといえば、これは日銀の利上げによる自然ながらも意図せざる副産物であり、高齢化と人口減少に伴う労働力不足の進行に歯止めをかけるのに役立つかもしれない。

  みずほリサーチ&テクノロジーズの主席エコノミスト、服部直樹氏は「日本は経済環境の大きな転換点を迎えつつある状態で、企業もそのデフレ環境からのマインドチェンジなど意識転換を図っていくことが求められる」と指摘。倒産件数の増加は避けられないが、だからといってこれらの企業全てを倒産に追い込むべきではなく、どの企業をどのように支援できるかを決めることが課題だとした。

  各企業は独自の事業を展開しており、それぞれに合わせたアプローチが必要だ。一部の専門家は地元の金融機関がこのようなアプローチに最適な立場にあると主張している。

  東京商工リサーチ情報本部の原田三寛部長は「目指すのは倒産増加ではなく、債務の減少だ」とし、これがわれわれの暮らし方を守ることにつながるとの見方を示した。

  今のところ、日銀が利上げを急ぐ可能性は低いもようだ。日銀は先月、金融政策の据え置きを決定したが、服部氏は日銀が来年1-3月に金利を最大0.5%まで引き上げると予想している。これは1990年代初頭以来の高水準で、負債を抱えたり倒産したりする企業がさらに増えるかもしれない。

  CLSAのスミス氏は、金利が上昇すると円高が進み、インフレが低下し、 消費者に一息つく機会をもたらすと指摘。「もちろんストレスは大きいが、世界が金利上昇に対応しなければならない。経済全体としては金利が上昇した方がはるかに良い」と語った。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2024-10-22/SLQ7LET0AFB400
15:777 :

2024/10/29 (Tue) 15:35:27

サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
2024年10月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674#more-55674

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がダートマス大学でのインタビューで資本主義と社会主義の違いについて語っている。

社会主義とは何だったのか

社会主義がほとんど旧世代の遺物となってから長い時間が過ぎたが、恐らくそのためになぜ資本主義が成功しているのかということについて考える人は少ない。

そしてまさにそれが理由で日本やアメリカなどの資本主義国家とされる国に、実体経済を自由市場ではなく中央政府が支配する社会主義の影が忍び寄っていると筆者は考えているのだが、だからこそサマーズ氏に社会主義の国々がどういうものだったのかを語ってもらおう。

サマーズ氏は大学生たちに次のように語りかけている。

わたしはこの部屋にいる学生たちと同じくらいの年か、それよりも少し年上だった頃に、ここにいる学生がもう体験できないことを体験したことがある。

それは西ベルリンと東ベルリンを繋いでいたチェックポイント・チャーリーを通ったことだ。

チェックポイント・チャーリーとは、戦後に東西に分断されていた西ベルリンと東ベルリンを繋いでいた検問所のことである。第2次世界大戦後、アメリカと旧ソ連に分割統治されていたベルリンは、半分が資本主義、もう半分が社会主義によって運営されていた。

結局、ドイツは資本主義だった西ドイツが繁栄し、社会主義だった東ドイツが貧困に陥ったため、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統合されたのだが、これはその前の話である。

サマーズ氏は次のように述べている。

それは2024年と1954年を繋ぐ門を通るような経験だった。その前後ではすべてが違った。西ベルリンと東ベルリンにはまったく共通点はなかった。

社会主義の失敗

当時、社会主義の国は次々に退廃していった。資本主義経済では起業家が消費者の需要に合わせてどのような商品を作るかを決め、需要が高い商品を作った起業家ほど高い対価を得る。

一方で社会主義の国ではどういう商品が作られるべきかを政府が決定する。

その結果は明らかである。資本主義国家では消費者が欲しがる商品がどんどん作られ、社会主義国家では消費者が欲しがらない商品がどんどん作られた。

そして西ベルリンは栄え、東ベルリンは貧困に沈んでいった。ソ連は崩壊した。中国は鄧小平氏の時代から資本主義をある程度受け入れていった。

今でもかなり社会主義的な小国はある。サマーズ氏は次のように言っている。

北朝鮮は人に出入りをさせないが、それは抜け出す人が出ないようにするためだ。だから韓国から北朝鮮に行くことはできない。

北朝鮮に自由に出入りできないことには理由がある。社会主義国と資本主義国では貧富の差が激しいために、北朝鮮の人々が韓国の豊かな暮らしを見れば、誰もが北朝鮮から逃げ出したいと思ってしまうだろう。

国民にチェックポイント・チャーリーを通らせてはならない。だから自国民を囲うしかないのである。

社会主義の本質

読者の多くは、こうした社会主義の話が過去の遺物であるか、または北朝鮮のような極端な国のものだと思うだろう。

元々、社会主義は裕福な起業家たちを羨んだ労働者や農民に支持されて始まった。起業家が株式を持つことを禁じ、株主の役割を政府が担った結果、政治家だけが豊かになる社会が出来上がったのである。

しかしそれは今の日本に似ていないだろうか? 給与所得の半分を政府に持っていかれる現状は本当に資本主義なのか。東京の真ん中に税金で作られた巨大便器は消費者が望んだ商品なのか。これは社会主義の製品と何が違うのか。


出典:産経新聞
社会主義の本質は、人々の自由な商業活動、自由な物品の売買を禁じ、政府の決めたように経済を動かすことである。

サマーズ氏は次のように述べている。

社会主義を望む人々の衝動を理解することは困難だ。

合意した2人の大人が寝室で何をしようと自由であるのに、なぜ合意した大人同士が市場経済のなかで、互いに合意した賃金で雇ったり雇われたり、合意した金利でお金を貸したり貸されたり、合意した価格で商品を売ったり買ったりを自由にしてはいけないのか?

資本主義に反対することは、合意した大人同士が第三者に害を与えないかぎり、互いに利益がある行為をやっても良いという考えに反対することだ。

資本主義の本質はこうである。人々に自由な経済活動をさせれば、優れた起業家のような非常に裕福な人々が出てきてしまう。それを羨んだ人々は政府がそれを止めてくれると思い、起業家から自由を奪って政府にそれを与えた結果、起業家ではなく政治家が豊かになり、人々はむしろ更に貧しくなったのである。

サマーズ氏は次のように言っている。

反資本主義という姿勢は、本質的には反自由なのだ。

だがそれはまさに日本の状況ではないのか。自分の力で金を稼いだ高所得者から、当選させてくれと乞食のように頼む政治家に金を移転するのが今の日本経済である。

そしてそれは与党を支持した国民の多数派には決して移転されない。それを期待している人々は、控え目に言っても間抜けである。

他人の自由を奪うと自分に返ってくる。ばら撒き政策とはそういうものである。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを 受けない人に対する窃盗である


現実には金融所得の税率は低く、給与所得の税率は高いのだから、多数派に支持された政府が多数派だけ損をする社会を作っているのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674#more-55674
16:777 :

2024/10/30 (Wed) 15:59:44

サマーズ氏: 本当の資本主義国家では権力者が大衆にごまをする
2024年10月29日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55715

引き続き、アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏のダートマス大学におけるインタビューである。

資本主義と社会主義

前回の記事では、資本主義とは売り手と買い手に自由に売買させることであり、起業家が豊かになるのは単にその結果だという話をした。

サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
一方で社会主義とはその自由を奪うことであり、その結果起業家どころか社会全体も貧しくなる。世の中に出回る商品を政府が独占的に決定し、良い商品を作っても高値で売れないなら、誰も良い商品を作らなくなるからである。

誰が誰にごまをするのか

さて今回の記事である。サマーズ氏によれば、資本主義の国と社会主義の国を見分けられる簡単な方法がある。誰が誰に「ごまをすっているか」を見ることである。

サマーズ氏はアメフトのスタジアムを見学した時のことを次のように語っている。

ニューイングランド・ペイトリオッツの本拠地であるジレットスタジアムの見学に招かれた時のことだ。そこではスタジアムのオーナーが他のスタジアムのオーナーにスタジアム建設にあたっての課題について話していた。

ペイトリオッツのオーナーが話したすべての言葉は、チケットを買ってゲームを観に来る人々に「ごまをする」ためのものだった。

客を「ゲスト」と呼び、駐車場の除雪にかかる時間を5分減らし、ファーストフードの店の並び方を再設計して食べ物をより早く手に入れられるようにし、椅子の設計を変えて寒い日にも快適に座れるようにした。

アメフトチームのオーナーが、一市民である客に対してごまをすっている。なぜか? そこには資本主義が働いているからである。

サマーズ氏は次のように続ける。

すべては客にごまをすることだ。それはスタジアムのオーナーが優しくリベラルで親切で慈善的精神のある人間だからではない。客が快適になれば入場券にもっとお金を払ってくれるからだ。

それが資本主義のインセンティブの本質なのだ。

社会主義では大衆が権力者にごまをする

では社会主義の国ではどうなるのか。サマーズ氏は次のように説明している。

社会主義の国に行けば状況はまったく違う。社会主義の国では買い手が肉屋にごまをすろうとあらゆる努力をする。そうすれば良い肉を自分の家族に分けてくれるからだ。

社会主義の国では人々は電話会社にごまをする。そうすれば電話を6ヶ月ではなくて3ヶ月で手配してくれるからだ。

それが腐敗の温床である。何が作られるべきかを政府が決定する社会主義の国では、良い商品を作る人ではなく政府に権限を与えられた人に報酬が与えられる。竹中なんとかさんの顔が浮かんだのは筆者だけではないだろう。

資本主義と社会主義の違い

サマーズ氏は資本主義の本質について次のように語っている。

資本主義は売り手に対して買い手にごまをすることを要求する。

売り手とは誰だ? 権力のある人々だ。売り手は資金を持っている人々だ。資本主義は買い手、つまりすべての人々を幸せにするためにあらゆる努力をすることを企業に要求する。

だから本質的に、資本主義とは買い手である大衆の力を売り手である小数のエリートに対して増強するためのシステムなのだ。そして社会主義はその逆を行なっている。

この話はマクロ経済学の父と言うべきアダム・スミス氏の「神の見えざる手」の話と本質が同じである。彼の著書である『国富論』には次のように書いてある。

人は自分の利益を追求することで、意図的に公共の利益を促進しようとする時よりも効率的に公共の利益を促進することができる。

実際、人は一般に公共の利益を促進しようとしているわけでもなければ、自分がどれだけ社会に貢献しているのかを把握しているわけでもない。

しかし見えざる手に導かれ、自分が意図していない目的を実際には促進しているのである。

『国富論』は今なお有効な知識がつまったマクロ経済学の優れた入門書である。優れた経済学者の言うことは今も昔も変わっていない。

日本は資本主義か社会主義か

サマーズ氏は、資本主義国家では権力者が大衆にごまをすり、社会主義国家では大衆が権力者にごまをするという。

では日本は果たして資本主義なのか、社会主義なのか? 日本では(アメリカでも)政府支出が増大し、お金がどこに行くべきかを国民ではなく政府が決める状態が常態化している。

国民ではなく政府がお金を払う相手を決める社会ではどうなるのか? サマーズ氏は次のように言っている。

賭けてもいいが、もしジレットスタジアムが市に運営されていたら、同じように快適なものにはなっていなかっただろう。

ちょうど良いことに、日本にはコロナ禍における東京五輪のために作られ、その後ほぼ使われていない国立競技場という優れた例がある。


出典:産経新聞
その国が資本主義なのか社会主義なのかを見極めるためには、サマーズ氏いわく、誰が誰にごまをすっているのかを見ればいい。

日本の場合はどうかと言えば、簡単である。1行で終わるだろう。

人々が自民党にごまをすっている。そしてその見返りは返ってこない。

アダム・スミス氏は200年以上も前に『国富論』に次のように書いている。

わたしは公共の利益を 推進するとうそぶいている人によって大きな何かが成し遂げられた例をまったく知らない。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55715
17:777 :

2024/11/14 (Thu) 05:48:08

サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
2024年10月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がダートマス大学でのインタビューで資本主義と社会主義の違いについて語っている。

社会主義とは何だったのか

社会主義がほとんど旧世代の遺物となってから長い時間が過ぎたが、恐らくそのためになぜ資本主義が成功しているのかということについて考える人は少ない。

そしてまさにそれが理由で日本やアメリカなどの資本主義国家とされる国に、実体経済を自由市場ではなく中央政府が支配する社会主義の影が忍び寄っていると筆者は考えているのだが、だからこそサマーズ氏に社会主義の国々がどういうものだったのかを語ってもらおう。

サマーズ氏は大学生たちに次のように語りかけている。

わたしはこの部屋にいる学生たちと同じくらいの年か、それよりも少し年上だった頃に、ここにいる学生がもう体験できないことを体験したことがある。

それは西ベルリンと東ベルリンを繋いでいたチェックポイント・チャーリーを通ったことだ。

チェックポイント・チャーリーとは、戦後に東西に分断されていた西ベルリンと東ベルリンを繋いでいた検問所のことである。第2次世界大戦後、アメリカと旧ソ連に分割統治されていたベルリンは、半分が資本主義、もう半分が社会主義によって運営されていた。

結局、ドイツは資本主義だった西ドイツが繁栄し、社会主義だった東ドイツが貧困に陥ったため、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統合されたのだが、これはその前の話である。

サマーズ氏は次のように述べている。

それは2024年と1954年を繋ぐ門を通るような経験だった。その前後ではすべてが違った。西ベルリンと東ベルリンにはまったく共通点はなかった。

社会主義の失敗

当時、社会主義の国は次々に退廃していった。資本主義経済では起業家が消費者の需要に合わせてどのような商品を作るかを決め、需要が高い商品を作った起業家ほど高い対価を得る。

一方で社会主義の国ではどういう商品が作られるべきかを政府が決定する。

その結果は明らかである。資本主義国家では消費者が欲しがる商品がどんどん作られ、社会主義国家では消費者が欲しがらない商品がどんどん作られた。

そして西ベルリンは栄え、東ベルリンは貧困に沈んでいった。ソ連は崩壊した。中国は鄧小平氏の時代から資本主義をある程度受け入れていった。

今でもかなり社会主義的な小国はある。サマーズ氏は次のように言っている。

北朝鮮は人に出入りをさせないが、それは抜け出す人が出ないようにするためだ。だから韓国から北朝鮮に行くことはできない。

北朝鮮に自由に出入りできないことには理由がある。社会主義国と資本主義国では貧富の差が激しいために、北朝鮮の人々が韓国の豊かな暮らしを見れば、誰もが北朝鮮から逃げ出したいと思ってしまうだろう。

国民にチェックポイント・チャーリーを通らせてはならない。だから自国民を囲うしかないのである。

社会主義の本質

読者の多くは、こうした社会主義の話が過去の遺物であるか、または北朝鮮のような極端な国のものだと思うだろう。

元々、社会主義は裕福な起業家たちを羨んだ労働者や農民に支持されて始まった。起業家が株式を持つことを禁じ、株主の役割を政府が担った結果、政治家だけが豊かになる社会が出来上がったのである。

しかしそれは今の日本に似ていないだろうか? 給与所得の半分を政府に持っていかれる現状は本当に資本主義なのか。東京の真ん中に税金で作られた巨大便器は消費者が望んだ商品なのか。これは社会主義の製品と何が違うのか。


出典:産経新聞
社会主義の本質は、人々の自由な商業活動、自由な物品の売買を禁じ、政府の決めたように経済を動かすことである。

サマーズ氏は次のように述べている。

社会主義を望む人々の衝動を理解することは困難だ。

合意した2人の大人が寝室で何をしようと自由であるのに、なぜ合意した大人同士が市場経済のなかで、互いに合意した賃金で雇ったり雇われたり、合意した金利でお金を貸したり貸されたり、合意した価格で商品を売ったり買ったりを自由にしてはいけないのか?

資本主義に反対することは、合意した大人同士が第三者に害を与えないかぎり、互いに利益がある行為をやっても良いという考えに反対することだ。

資本主義の本質はこうである。人々に自由な経済活動をさせれば、優れた起業家のような非常に裕福な人々が出てきてしまう。それを羨んだ人々は政府がそれを止めてくれると思い、起業家から自由を奪って政府にそれを与えた結果、起業家ではなく政治家が豊かになり、人々はむしろ更に貧しくなったのである。

サマーズ氏は次のように言っている。

反資本主義という姿勢は、本質的には反自由なのだ。

だがそれはまさに日本の状況ではないのか。自分の力で金を稼いだ高所得者から、当選させてくれと乞食のように頼む政治家に金を移転するのが今の日本経済である。

そしてそれは与党を支持した国民の多数派には決して移転されない。それを期待している人々は、控え目に言っても間抜けである。

他人の自由を奪うと自分に返ってくる。ばら撒き政策とはそういうものである。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを 受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

現実には金融所得の税率は低く、給与所得の税率は高いのだから、多数派に支持された政府が多数派だけ損をする社会を作っているのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674

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