777投稿集 4409187


とりかへばや物語 (平安時代後期)

1:777 :

2024/01/29 (Mon) 20:28:26

日本の文学
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16835407

インターネットの電子図書館、青空文庫
https://www.aozora.gr.jp/

映画・テレビドラマ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035190

日本の旅
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037431

日本の思想と宗教
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16835412

東洋の思想と宗教
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16835414


▲△▽▼


とりかへばや物語 (平安時代後期)
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%B8%E3%81%B0%E3%82%84%E7%89%A9%E8%AA%9E


とりかへばや物語 - YouTube
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%B8%E3%81%B0%E3%82%84%E7%89%A9%E8%AA%9E

とりかへばや物語(第1部全16話) - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLUATrGLX94D-c7SWa-e-yumvf5QQNqFRX


『とりかへばや物語』は、平安時代後期に成立した物語である。作者は不詳。「とりかへばや」とは「取り替えたいなあ」と言う意の古語。

この作品は、男性と女性が入れ替わるという非現実的な設定である反面、2人を中心とする人間関係の描写は現実的かつ重層的であり、現在でも十分に味わい深く鑑賞できる。特に男装の女児である「若君」が宰相中将に素性を知られ身を許してしまうシーンは、本作品のクライマックスの一つでもあり、本作品が文学史の中で「変態的」という評価の一因ともなっている[2]といい、「ポストモダーン」の知恵を提供してくれるという[3]。この点が、当時書かれた数量に対して現存作品の少ないジャンルであるにもかかわらず、人々へ強い印象を残し、当時、数多く作られた物語の中で本作品を現在まで命脈を保たせる原因となったのであろう。河合隼雄は、著書の中で、日本文学というと「わび」、「さび」など深遠すぎて理解しがたいものだと思っていたが、全く違ったもので、そこで語られる「知恵」は相当に深く、現代でも通用するし、現代でこそ生かしたいほどのものである旨、述べている。河合はのちの1988年のエラノス会議の場で、この作品について発表してみたところ反響が上々で、欧米人にも通用することが分かったと述べている。


河合隼雄 『とりかへばや、男と女』(新潮社、1991年)
https://www.amazon.co.jp/%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%B8%E3%81%B0%E3%82%84%E3%80%81%E7%94%B7%E3%81%A8%E5%A5%B3%EF%BC%88%E6%96%B0%E6%BD%AE%E9%81%B8%E6%9B%B8%EF%BC%89-%E6%B2%B3%E5%90%88-%E9%9A%BC%E9%9B%84-ebook/dp/B00E38B1T4/ref=sr_1_1?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=182R6WHMIBBVN&keywords=%E6%B2%B3%E5%90%88%E9%9A%BC%E9%9B%84+%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%B8%E3%81%B0%E3%82%84%E3%80%81%E7%94%B7%E3%81%A8%E5%A5%B3&qid=1706247962&sprefix=%E6%B2%B3%E5%90%88%E9%9A%BC%E9%9B%84+%E3%81%A8%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%B8%E3%81%B0%E3%82%84+%E7%94%B7%E3%81%A8%E5%A5%B3%2Caps%2C379&sr=8-1

男と女の境界はかくも危うい! 平安時代の男女逆転物語から「心」と「身体」の深層を探る。

性が入れ替わった男女を描いた異色の王朝文学『とりかへばや物語』。かつて「淫猥」と評された物語には、「性の境界」をめぐる深いテーマが隠されていた。男らしさと女らしさ、自我とエロス、性変換と両性具有――深層心理学の立場からジェンダーと性愛の謎を解き明かすスリリングな評論


あとがき

 本書は、わが国の中世の『とりかへばや物語』を素材として、筆者が心理療法家として関心を持ち続けてきた「男と女」という課題に取り組んだ結果、生まれてきたものである。「男と女」の問題は永遠の問題であり、誰もそれを解くことはできないであろう。それ故にこそ、それを主題とする文学作品がつぎつぎと生み出され、それはとどまることを知らない。筆者にしても、わからないことが多すぎて困るのだが、もう還暦も済んだのだから、それなりに少しでもわかっていることについて書いてみようと思った次第である。

『とりかへばや物語』を知ったのは、明恵(みょうえ)の『夢記(ゆめのき)』の研究を通じてである。明恵については、『明恵 夢を生きる』として発表したが、明恵上人にとっての女性像の重要性を認識するにつけ、当時の人々の男女観を知ろうとして中世の物語にいろいろと目を通しているうちに、『とりかへばや物語』も読むことになった。これは「男と女」という点について大いに考えさせられるものと、興味をそそられ、『明恵-』を執筆中から、『とりかへばや物語』を取りあげて一書を書きたいと考えていた。ここにやっと念願を果すことができて真に嬉しく思っている。

 スイスで学んできたユング心理学は筆者の考えを支える重要な支柱である。しかし、ユングの言う「個性化」を大切にするかぎり、彼の言葉の受け売りではなく、それを「私」という存在のなかで意味あるものとする努力を払わねばならない。その結果として、前著『昔話と日本人の心』、『明恵 夢を生きる』が生まれてきたが、本書はそれらに続く第三作になると自分では考えている。

 心理療法という仕事をしていると、「男と女」という点について考えさせられることが多い。男と女の間の愛憎は、人間関係のもつれの重要な要因である。また、男として生きる、女として生きる、というとき、男とは何か、女とは何かについて真剣に考え、悩む人も多い。あるいは、本文中にも論じるように、男-女という軸は、人間生活を考える上で、思いのほかに重要な柱として用いられている。

 心理療法家には守秘義務があって、自分の仕事の内容についてはなかなか話し難いところがある。その点で、今回のように『とりかへばや』という素材を用いて語るのなら、何らの問題も生じない。夢を用いている以外は、心理療法の場面において実際に生じることについては直接に何も語ってはいないが、本書に述べられていることは、筆者の臨床経験をその基礎にもっている。

『とりかへばや物語』は、男性と女性とを「とりかへ」るという奇想天外なアイデアを中心にしているだけあって、男性・女性に関する固定観念を打ち破り、まったく新しい視座から男女の問題を見直すことを可能にするヒントを多く与えてくれる。従って、これは古い物語でありながら、アメリカの友人が言ったように、「ポスト・モダーン」の知恵を提供してくれるようなところがある。この物語についてヨーロッパで話をしてきたが、なかなか好評だったのも、そのような点があるからだろうと思われる。

 門外漢の気安さで、自分の主観を大切にしながら勝手なことを言わせていただいたが、それでもあまりにも独善にならぬようにと、本文中に引用しているような、先賢の研究を参考にしたり、桑原博史、吉本隆明、富岡多惠子の三人の方との対談によって多くの示唆を受けたりした。ここであらためて、この三人の方に厚くお礼申しあげたい。


担当編集者のひとこと
日本人には今、「河合隼雄」が必要です。

 河合隼雄さんが惜しまれつつ世を去ってから、はや1年余。
 このたび、河合さんの代表作『とりかへばや、男と女』を選書版で復刊しました。

 本作品は、『昔話と日本人の心』『明恵 夢を生きる』と同じく、深層心理学の立場から日本の古典を読み解いた評論です。1991年に小社より単行本として刊行され、1994年に新潮文庫に収録されました。

 平安末期の作品とされる男女逆転物語『とりかへばや』は、川端康成、ドナルド・キーン、吉本隆明など多くの文人を魅了してきた異色の王朝文学。河合さんはこの物語から、「男と女」という単純な二分法を超えた、しなやかなジェンダー観を見出してゆきます。

 巷の窮屈なジェンダー論とは違って、心理療法家ならではの深い洞察に基づく論考は、われわれの凝り固まった脳と心を解きほぐしてくれます。

 何かと性急に二分法的な「答え」を求めがちな現代社会。私たち日本人は今なお、いや、今だからこそ、ますます河合さんの言葉を必要としているのではないでしょうか。
https://www.shinchosha.co.jp/book/603616/

  • 名前: E-mail(省略可):

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.