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2024/01/21 (Sun) 13:09:47
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イスラエルの暴走に巻き込まれるドイツ、イスラエルには思考停止
2024.01.20
https://www.thutmosev.com/archives/32736.html
反イスラエルデモ隊を取り締まるドイツ警察。反ユダヤは犯罪者という位置づけになる
https://parstoday.ir/ja/news/world-i119828 ドイツで、警察とパレスチナ支持デモ隊が衝突 – Pars Today
無差別爆撃を支援しているG6
23年10月7日にパレスチナ武装組織ハマスがイスラエルを奇襲攻撃しイスラエル側で約1300人がなくなり約240人を人質にとって引き上げた
イスラエルは人質奪還と報復を宣言し日本を除くG6は「イスラエルの報復を無条件に支持」すると宣言し、イスラエルはガザ地区への無差別爆撃を開始した
24年1月までにガザ地区では約2万5000人がなくなり1万人近くが子供、負傷者は6万人超でガザ地区59万人のほぼ全員が家を爆撃されたりして住む場所をなくした
イスラエル軍は避難場所に住民を誘導してはその「避難所」を爆撃する行為を繰り返していて、多くの国が非難しているがアメリカなどG6が「無条件な全面的な支持」をしているのでイスラエルは気にもしていない
米ブリンケン国務長官は両親ともユダヤ人で自分もユダヤ人であり、あからさまにイスラエルに加担しいガザ地区への無差別爆撃を支援している
支持が低迷するバイデン大統領はこの状況がまずいと思ったのか、イスラエルに攻撃を縮小するよう働きかけたが、イスラエルはアメリカが絶対に支援を辞めないと知っているので縮小するつもりはない
アメリカ政財界の多くをユダヤ人が支配しているという噂は以前からあり、米大統領選もユダヤ人富豪が支援しなければ勝つことはできない
米メディアもユダヤ資本の支配下にあるので連日イスラエルに加担する報道を繰り返していて、大学など教育機関でもユダヤ支配がありイスラエルを批判したハーバード学長を解任したりしている
アメリカはこんな具合ですがドイツも酷いもので、第二次大戦の謝罪要求からイスラエルはドイツ政治に対して支配権を握るようになり、ドイツはイスラエルに服従する属国のようになっている
2010年代までのドイツではユダヤ人やイスラエルに批判的意見を述べるのは犯罪であり、逮捕されて刑務所に入った例も実際にあった
日本人は「戦前の日本にはいいところもあった」などと言うがドイツでそんな事を言ったら全ての人権を剥奪され問答無用で刑務所行きでした
最近のドイツでは反ユダヤというだけで逮捕されなくなったが、ハマスの攻撃から1か月間で約1000件もの反イスラエル派の逮捕者が出た
何も考えず思考停止するドイツ人
反イスラエルデモや暴動の中心はイスラム教移民で総人口8300万人のうち550万人がイスラム教徒、これは日本では大阪府民全員がイスラム教徒という人口比に匹敵します
しかも白人の出生率や人口増加率は低くアラブ系などの出生率が高く人口増加率も高いので、分かりやすく言うと白人やキリスト教徒の比率は減少し、非白人のイスラム教徒は増加している
23年の調査では子供の40%が移民系で移民の中には白人やキリスト教徒も多いのだが、アラブ系やアフリカ系やイスラム教徒が多い
一方で急速に支持を広めているのが極右勢力で、メルケル時代に極右政党の合法化があり、以前はネオナチとして逮捕されていたのが選挙に立候補し国会で少なくない議席を獲得している
極右政党が第一に掲げている政策が反移民で、「ドイツのための選択肢」は反移民を掲げて選挙のたびに議席を増やしやがて政権入りが予想される勢いです
政党名の「ドイツのための選択肢」とはメルケル首相の口癖だった「他に選択肢はない」という決めつけから来ていて、移民を受け入れないという選択肢を意味している
メルケル前首相は「イスラエルの安全は、ドイツの国家理性」としばしば口にし、分かりやすく例えると日本の憲法九条のように絶対に変えてはならない物になっている
理性や合理主義と関係なく「改憲反対」を主張する人が多いようにドイツでは無条件無批判に「イスラエルを支持する」人が多く、そこに理屈が入り込む余地はない
ドイツではイスラエルに絶対服従しイスラエルが何をしても無条件に支援するのが「良い人」であり、イスラエルに疑問を持つドイツ人は「植民地憲法を廃止するべきだ」と街宣車でどなる日本人と同じ位置づけになる
イスラエルは何の罪も責任もないガザ住人に無差別攻撃を繰り返しているが、支援しているのはドイツでありまさに過去にドイツがやった事を今イスラエルがやっている
ドイツの立場はガザ住人やパレスチナ人にとっては加害者に加担する一味でしかなく、ドイツは道義的にまずい立場になっているが思考停止なのでドイツ人は気づいていない
ドイツ人は「イスラエルという正しい人を支援している自分は正しいのだ」と思い込んでいて、ドイツ人は何かを思い込むと周囲が見えなくなるという悪癖(あるいは長所)を持っている
日本は短期的に不利益を被るとしてもこの連中とは直接関わり合わない方が良く、将来の戦争犯罪人になるリスクを負うべきではない
https://www.thutmosev.com/archives/32736.html
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2024/01/21 (Sun) 13:14:36
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ドイツの正体 _ 中国の人権侵害に加担しているドイツ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062897
ドイツ政府は農民や羊飼いよりも「オオカミの生存権」を大事にしている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14121211
凋落していくドイツ。なぜドイツはこうなってしまったのか、川口マーン惠美さんに聞く=鈴木傾城
https://www.mag2.com/p/money/1368213
ドイツの幸福な時代の終わり、知られざる欠点
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14130978
「メルケルとロシア」広がる波紋 ドイツで何が?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14116433
西側支配層の人類を死滅させかねない政策は背後に優生学
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311210000/
【タブー視される悪魔の学問】人間の命に優劣をつけた「優生学」とは何か?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16829705
現在でも米政府やWHOは劣等な民族を「淘汰」すべきだと考えている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056012
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2024/02/24 (Sat) 19:58:00
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ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景 京都大学人文科学研究所准教授・藤原辰史
2024年2月23日
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/29293
パレスチナ人居住区を封鎖するためにイスラエルが建設した分離壁(2021年)
京都大学で13日におこなわれた公開セミナー「人文学の死――ガザのジェノサイドと近代500年のヨーロッパの植民地主義」【既報】より、藤原辰史・京都大学人文科学研究所准教授の基調講演「ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち――パレスチナ問題軽視の背景」の要旨を紹介する。
□ □
藤原辰史氏
今日の問題提起は、ドイツ現代史研究者の一員である自分にも矛先を向けたものでもある。
ドイツ現代史研究者は、パレスチナ難民やイスラエルの暴力をまったく無視しているかといえばそうではない。批判も多々してきているが、当事者意識が欠落している。たとえば、パレスチナ問題を「生成」した問題として扱い、きわめて「他人事」として起きている「かわいそうなこと」という倫理的問題として捉えがちである。その「上から目線」がパレスチナ問題を見る目を曇らせているように思う。
そして、パレスチナとともに中東欧や南欧へも関心が低すぎる。ドイツ研究者でポーランド語やチェコ語、ロシア語を研究している人は限られ、英語や日本語でパレスチナや中東欧を研究する本はたくさんあるが、そこに心が向かない。関心の向き方の偏向がある。そのため最も研究の成果が試されるはずの、目前で進行するナチズム的惨劇に対して頭がフリーズしている。
「アウシュヴィッツ」という言葉は、ナチスのシンボルのように語られ、現代社会における最悪の歴史的事実として認識されている。たしかに最悪であり、どんなことがあろうとも二度と繰り返してはならない大惨事だが、それを中心に歴史観が構築され、あまりにも上位に置かれているため、ナチズム研究者自身が実はホロコーストやナチズムと十分に向き合い切れていないのではないか、というのが私が今日問いたいことだ。
それはとりわけ「いないこと」「なかったこと」にされるものに対して関心がとても弱いことに表れている。ナチスが迫害したのはユダヤ人だけでなく、ロマ(かつてジプシーという蔑称で呼ばれた)もいる。そのような研究がもっとたくさんあっていいはずなのに、基本的に「ナチスの虐殺」といえばユダヤ人に対するものに収斂(れん)される。
そして歴史学そのものが、人間の足跡と尊厳を簡単に消すことができる暴力装置であることへの自覚の希薄さがある。その政治的緊張感のなさは、ドイツ現代史に限った話ではない。
反植民地闘争は当然激しくなる。だが植民地主義は、その比較にならぬほど苛烈で醜く、長期におよび残虐である。だが人は前者の苛烈さばかりに目を奪われ、この長期の暴力について無関心になりやすい。私自身も歴史研究者としての反省を迫られている。
今日は多くの研究者の方からの教示を受け、私自身勉強し直したもののなかから、ドイツ、そしてナチズムを研究することとパレスチナ問題との関係について述べる。
ドイツとイスラエル 「賠償」で繋がる関係
1948年のイスラエル建国宣言から1年半後、西ドイツ(ドイツ連邦共和国)が建国された。以下、イスラエルと西ドイツの関係については、武井彩佳さんと板橋拓己さんのご研究によりながら、説明をしたい。
西ドイツはナチスの過去を引きずり、それを背負って「西側」として国際社会への復帰を急ぐことを使命とした。一方、その1ヶ月後に建国した東ドイツは、ナチスと戦ってきた反ファシズムを国是とするためナチズムの罪とは向き合わない。西ドイツは東ドイツとの関係性のなかで、常に「ナチズムの暴力と向き合わなければ西側へ復帰できない」という課題を突きつけてきた。
イスラエルは「ユダヤ民族を代表することができる唯一の国家」を名乗り、1951年、連合国への親書という形で西ドイツに対してホロコーストの「賠償」を突きつける。
イスラエルの建国を宣言するベン=グリオン(1948年5月14日)
西ドイツからの賠償は「血のついた金」であるとして、受領拒否を求めるイスラエル右派の反対運動もあったが、翌年、イスラエルの首相ベン=グリオンはイスラエル議会で、西ドイツ政府からの交渉を受託したと発表する。1952年には、イスラエルと西ドイツの間で「ルクセンブルク補償協定」が調印され、西ドイツはイスラエルに人道的な補償として30億マルクを物資として支払うことになる。
それは、西側社会への復帰を急ぐ西ドイツが「人道的な国家」へ生まれ変わったことを世界に示すとともに、イスラエルにドイツの工業製品を届けることによって戦争で荒廃したドイツ経済復興も可能にした。その物資の中には、「デュアルユース(軍民両用)」という形で利用される軍事物資が入っていた。
それだけでなく、西ドイツ首相アデナウアーは、1957年から、国交不在のなかでイスラエルの軍事支援を極秘で進めた。機関銃から高射砲、対戦車砲、戦車、潜水艦を含んでいたともいわれる。これはドイツ憲法に違反するが、明るみに出るまで長く続けられた。
「イスラエルは西ドイツとの接近と和解によって中東紛争を生き延びることができた」といわれる。つまり、西ドイツから送られた軍事物資によってイスラエルはパレスチナの人々の家を奪って占領し、人々の命を奪った。イスラエルの軍事化に貢献することは、西ドイツ側にとっても軍需産業を再興させ、経済を復興させるという目的にかなうものだった。日本の「朝鮮特需」とも重なるものがある。
戦後、西ドイツが「非ナチ化」(ナチ時代の高官を追放すること)を成し遂げたというのは嘘であり、ナチに関連した人間が政府内に存在し続け、とりわけ農業や農学部関係の人にはナチス時代にものすごいことを計画した研究者が大学にも残っていた。実は京都大学も同じで、満州事変にかかわった農業の経済学者たちは大学に残り教鞭を執っていた。
その点からも、ドイツの「非ナチ化」はまったく達成されていないにもかかわらず、イスラエルはそれには目をつぶり、ホロコースト犠牲者の反対を抑圧して、このような協定を結んだ。
アラブ諸国は、ドイツのイスラエルへの補償(軍事支援)によってパレスチナ難民問題が生まれているのだから、ドイツはパレスチナ問題にも向き合い補償すべきだと主張したが、ドイツはパレスチナ難民問題とイスラエルへの補償問題を切り離した。パレスチナ問題に向き合うことは、ホロコーストとパレスチナ問題の関連性、さらには後者への間接的責任を認めるに等しい。それを避けるために、あえて両問題を切り離してイスラエルへの補償と軍事支援を続けた。
そして1965年、ようやく西ドイツとイスラエルは国交樹立する。このように戦後賠償に経済が関わっている点は、日本が戦後、東アジア・東南アジアにおこなった「戦後賠償の一環としてのODA(政府開発援助)」とも類似点がある。
「比較検討」のタブー化 2度の歴史家論争
1982年、西ドイツではキリスト教民主同盟(CDU)のヘルムート・コールが首相に就任する。
ヘルムート・コール(1930- 2017)
それまでの社会民主党系の首相たちは、どちらかといえば歴史に向き合い、ドイツの過去を反省しようという姿勢だったが、コールは「ドイツには歴史的にもっと誇るべきものがあったのではないか」という人々やその気持ちを代弁しながら首相になる。レーガン米政権とともに共産主義包囲網をつくりながら、社会民主党の「歴史認識」への反動を担っていく。それにともない保守系歴史家が台頭した。
エルンスト・ノルテ(ドイツ歴史学者)は、ホロコーストの暴力を強く批判する学者だが、その前例としてソ連収容所の存在を強調し、それとの比較検討でホロコーストも考えるべきであるという論文を1986年6月6日に出した。
これに対して、ドイツで最も影響力のある哲学者の一人であるユルゲン・ハーバーマスは、「それはアウシュヴィッツの絶対悪を歴史の文脈のなかに位置づけて相対化してしまうことであり、“ドイツはもっとよい国だった”とする歴史修正主義的な考え方に近づいてしまうことになる」という主旨の批判論文を出した。
これは日本でも翻訳され、私が大学に入学した1995年当時、この歴史家論争があらゆる場所で語られていたと記憶している。当時の日本は歴史教科書の書き換えや南京大虐殺を矮小化する見方が出ていた時期と重なっていたこともあり、私たちは「これは大事なことだ。歴史を簡単に相対化して小さくしてしまうことはよくない」とハーバーマスの主張に共感した。
人文学の役割は、起きた事象の数字を比べてその優劣を判断することではない。そうではなく、世界各地で起きている事象をくり返し検証しながら、別の場所で類する問題が起きれば、たえず往復して考えていく役割があったにもかかわらず、ドイツ現代史の場合は「ナチスの悪」を絶対化していくことになった。
1999年、ドイツ軍がNATO軍とともにコソボ紛争に介入し、ユーゴスラビアのセルビアを空爆する。このときハーバーマスは自著論文「獣性と人道性」で、この空爆を擁護した。あのハーバーマスがなぜ空爆で民間人を殺すことを支持するのか? ということをめぐって、私も大学で議論したことを覚えている。
2008年3月、メルケル首相は「ナチスの残虐行為を相対化しようとする試みには、敢然と立ち向かう。反ユダヤ主義、人種差別、外国人排斥主義がドイツと欧州にはびこることを二度と許さない」「ドイツ首相である私にとって、イスラエルの安全を守ること、これは絶対に揺るがすことはできない」とのべ、歴史的責任をドイツの「国是」であるとした。
恥ずかしながら私は最近まで知らなかったのだが、2021年、「第二の歴史家論争」が始まる。これについては関西学院大学の橋本伸也さんにご教示いただいた。この年の5月、ホロコースト研究者A・ディーク・モーゼス(ニューヨーク州立大教授)が「ドイツ人のカテキズム」という論文で、あまりにも硬直したドイツの歴史観を批判し、ヨーロッパの植民地主義の問題を見たうえで、もう一度ナチズム研究を検証すべきではないかという主旨の提起をした。
同年、ドイツは、第一次世界大戦前に植民地支配していた南西アフリカ(現ナミビア)での虐殺を「ジェノサイド」と認め、ナミビアに11億ユーロ(約1470億円)を支払うと発表。そのような第一次世界大戦以前の植民地政策でおこなった行為について、ドイツは遅ればせながら自国の残虐行為を認めている。
「記憶文化」を踏み絵に “優等生”の国是
「過去の克服の優等生」といわれるドイツが、最近、最も大きく動いたと感じた瞬間は、2022年2月27日だ。ロシアのウクライナ侵攻を受け、ショルツ首相が連邦議会で、国防費を国内総生産(GDP)の2%超に引き上げると表明した。このとき議会の雰囲気は異様にテンションが高く、「貧相だった国防軍の武器をようやく更新できる」――そんな報道が主要なニュース番組で流れていた。
イスラエル支持を国是と表明したドイツのショルツ首相とイスラエルのネタニヤフ首相(昨年10月17日)
そしてガザ侵攻が始まる直前の昨年9月28日、ロシアのウクライナ侵攻を受けて防空体制の強化を急いでいたドイツとイスラエルの国防相は、イスラエル製の弾道ミサイル迎撃システム「アロー3」をドイツが購入することで正式合意した。独メディアによれば、調達額は約40億ユーロ(約6300億円)で、イスラエル史上最大の武器取引となった。
このようにドイツとイスラエルの関係は、非常に軍国的なものだ。メルケル首相は一応ヨルダン川西岸と東エルサレムへのイスラエルの入植地建設については批判していたが、ガザ侵攻が始まった直後の昨年10月12日、ショルツ首相は「我々はイスラエルの側に立つ。イスラエルの安全を守ることはドイツの国是だ」と、メルケルが言った「国是」をさらに強化する発言をしている。
このような経緯を踏まえ、人文学者はどう考えるべきだろうか。私は、歴史家の「記憶文化」は偏っていたと思わざるを得ない。
私はドイツの都市ハイデルベルグで数ヶ月間教えたことがある。ここには国立の「シンティ・ロマ博物館」(ナチスの強制収容所に入れられたロマ人に関する博物館)がある。私が訪問したとき、隣のハイデルベルグ城は観光客でごった返していたが、博物館にいたのは私一人だけだった。館長は日本から訪問した私を歓待してくれ、館内すべてを案内してくれた。彼はここで日本の被差別部落問題とロマの問題を一緒に考えるシンポジウムがくり返しなされていたことも教えてくれた。
このとき館長は、「私たちにはユダヤ人のような国がないため、国際的発言力が弱いんです」と言われていた。国立の博物館はあっても、日本人も含めて関心は低いのだ。
「ドイツは過去を克服した優等生である」とよく言われるのは、日本の政治家の歴史の捉え方があまりにも酷すぎてドイツが輝いて見えるということもあるだろうが、私たち歴史家も含むいろんなことを知っていたはずの人間が「無関心」ではなく「低関心」(「すでに知っている」という態度)であったことにその要因があったのではないかと反省している。
今回起きたイスラエルのジェノサイドのなかで、ノルベルト・フライという歴史家が「左右からの挟み撃ち」(今年1月24日)という論文を書いた。フライは私も学生時代によく学び、非常に優れたドイツ史家であるが、彼はこの期に及んでイスラエルの民族浄化やパレスチナの惨状の歴史については一切触れることなく、「ドイツの『記憶文化』が攻撃に晒されている」と警鐘を鳴らし、ドイツ右派政党「ドイツのための選択肢(AfD)」の歴史修正主義を右側からの攻撃、先述したモーゼスの提起を左側からの攻撃とし、これに対して「ドイツはこれまでの『記憶文化』を擁護すべきだ」と主張している。
彼は「ドイツに移民や難民がやってくることは多いが、ドイツはそれを受け入れて多民族・多文化社会を築いていくべきだ。だが、それには条件がある。それはドイツの『記憶文化』を守ることだ。それを守っていさえすれば私たちは受け入れる」という主旨のハーバーマスの「入場制限論」を引用している。このように上から目線で、ドイツの「記憶文化」を現代の「踏み絵」にすることをいまだに続けていることが、ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ちだと思う。
また、ドイツがナチズム時代に起こした「悪」とは、もちろんドイツ国内もだが、ポーランド、チェコスロバキア、ハンガリー、ベラルーシ、ウクライナなどの中東欧やソ連で起こしたことは圧倒的に凄まじい。なおかつ、それはスターリンからのさまざまな暴力と常に重ね塗りのようにしてもたらされたにもかかわらず、ドイツ現代史研究者は「ドイツの東欧への侵略は過ちだった」と狭い範囲の「歴史記憶」では正しいことをいっても、別の視点からその場にあった中東欧の歴史を見切れていない。
それはパレスチナへの軽視もつながっている。「ドイツがイスラエルを支持するのにロビーは必要ない。ドイツの政治家は圧力がなくても自発的に『親イスラエルだ』というからだ」(アンドレアス・フィッシャー)とも指摘されている。
「唯一無二」という論理 植民地主義は不問
そもそもイスラエルは、ナチスによるホロコーストがおこなわれた時代に国家として存在していなかった。その後に生まれたイスラエルが、ユダヤ人虐殺の賠償をドイツに求めることは、国際法上、通常は認められない。
それを例外的に認める「論理」が、ユダヤ人虐殺の世界史における「唯一無二性」だといわれている。
ハーバーマスやそれを支持する歴史家たちは、「アウシュヴィッツは一度もこの世界で起きたことのない唯一無二の悪だ」と主張する。たしかに「唯一無二」だが、唯一無二といえる暴力は世界中にあった。それを意図的に軽視しながら、「アウシュヴィッツは唯一無二だ」ということはこの議論に巻き込まれてしまうことになる。
先述した「第二の歴史家論争」で、「ドイツのカテキズム」を提起したモーゼスの論文は、やや乱暴ながらもナチズムの悪を相対化することなく、それを比較する道筋を示している。モーゼスが指摘したカテキズム(思考の硬直化)は、これらがあまりにもドイツに強すぎたことが、今のパレスチナ問題への軽視をもたらしているのではないかと読めるものだ。そのカテキズムとは次の5つの信念からなる。
(1)ホロコーストが唯一無二であるのは、それが「ユダヤ人絶滅のためにユダヤ人たちを無制限に殺戮すること」を目標としたからであり、それは、そのほかのジェノサイドが、プラグマティックで限られた目標のために遂行されたのとは異なる。ホロコーストは、歴史上初めて、ひとつの国家が、ひとつの民族をただイデオロギー的理由から抹殺しようとしたのである。
(2)ホロコーストは、人間相互の連帯を破壊したので、文明の破断としてのホロコーストを追憶することは、ドイツ国のみならず、高い頻度においてヨーロッパ文明の道徳的基盤さえ形成する。
(3)ドイツは、ドイツのユダヤ人に特別な責任を負っており、イスラエルには特別な忠誠が義務づけられている。
(4)反ユダヤ主義とは、他とは類型を異にした偏見とイデオロギーであり、特別にドイツ的な現象であった。それは人種主義と混同されてはならない。
(5)反シオニズムは反ユダヤ主義である。
私が国内外のドイツ研究者たちと関わった経験のなかでも、シオニズムという言葉は何度か聞かれても、パレスチナという言葉を聞いたことはほとんどない。このようなカテキズムがあまりにドイツで強いことと、「人文学の死」は近い問題なのかもしれない。
さらに、このような見方は、パレスチナにおける入植植民地主義に加えて、ヨーロッパ全体の詐欺的といえるようなさまざまな暴力を軽視してしまうことにもつながる。
私たちは歴史学で「奴隷は解放された」「奴隷制はなくなった」と教えられた。だが、コロナ禍であきらかになったのは、低賃金労働者や5000万人といわれる現代奴隷――賃金を与えられず、身体拘束を受け、性奴隷あるいは農業奴隷にされる人々――が東欧から供給されていた現実だ。これは私見ではなく、国連組織ILO(国際労働機関)と関連NGOが報告していることだ。奴隷制は終わってなどいないのである。
この現代奴隷市場は、難民キャンプができればできるほど活況を呈する。たくさんの性奴隷の女性たちが勧誘され、西欧に輸入され、西欧や東南アジアなどから日本にも連れてこられている。このように長く続く触れたくないことを見て見ぬふりをしながら、ドイツの文明的な記憶文化を大事にするということに、私はものすごい落差を感じる。
シオニズムは、西欧植民地主義が結晶化したものだ。かつて日本が中国東北部につくった満州国では、日本から「未開の地を切り拓く」というプロパガンダで農民たちが渡っていったが、そこにはすでにきれいな田んぼがあったといわれている。なぜか? それは朝鮮の移民たち、場合によっては日本の植民地主義のなかで追われた人々がその地を切り拓いていたからだ。その地を二束三文で買い叩き、武力で奪い、そこへ日本の貧農を入植させた。そのとき、その地の中国人、朝鮮人を「土匪」「共匪」と呼び、これらの暴力が怖いからと言って銃を持って入植を進めていった。これはパレスチナでユダヤ人がやっていることと重なる。
チャーチルは「ユダヤ人の民族的郷土創出を意図すれば、アラブの住民や文化、言語の消滅ないしは従属化がもたらされる」とのべた。
「原住民」を人種的に見下すということを、私たちは反省的に見ていかなければならない。
地球規模の身分制社会のなかで 歴史学の役割とは
アウシュヴィッツ・ビルケナウ博物館(ポーランド)
これらを踏まえると、ナチス研究者はナチスと十分に向き合えていなかったのではないかという反省に行き当たる。
たとえばアウシュヴィッツ強制収容所は、第1、第2収容所だけではない。その近くには、IGファルベン(合成ゴム工場)やクレップ、ジーメンスの工場群があった第3収容所(モノヴィッツ)があった。そこで収容した人々を労働させていたわけだが、現存するこのような企業の歴史への向き合い方が足りない。
反省を込めていえば、ナチス研究は、1980年頃から経済の視点が抜け始める。マルクス主義経済学の研究者が減ったことも背景にあるが、経済史のなかにナチズムを位置づけられないことは大きな問題だ。奴隷制問題、イスラエルがパレスチナの人々を極端な低賃金労働者としてしか見ていないこと、西ドイツとイスラエルの関係にも経済問題がある。
ウクライナの戦争でたくさんの若い人が亡くなっているのに終わらない状況に心を痛めている人がいらっしゃると思うが、あのとき一体どこの株価が上がったのかを私はチェックした。潜水艦やボーイングなどの戦闘機の企業の株価が爆上がりしたことは想像通りだが、穀物メジャーの株価も高騰した。カーギルなど欧米の大手5社だけで世界の穀物の7割以上を独占し、これらの企業は穀物を倉庫におさめ、世界を巻き込むような大事件が起きて穀物価格が上がるタイミングを見計らって売りに出して莫大な利益を上げる。
儲けるために戦争を起こしているのではなく、おそらくある何かを「解除」すれば、戦争が起きやすくなるというルールのようなものがあり、その「解除」の情報さえあれば穀物メジャーは儲けることができる。私は陰謀説を唱えたいわけではないが、ある場所で紛争が起きれば、きちんと儲かるというシステムの中を私たちが生きているということは覚えておいてよいのではないか。
ナチスによって建設された収容所は、アウシュヴィッツだけでなく、それが中心でさえない。たとえばクロアチアのヤセノヴァツ強制収容所には私も行ったが、ここではユダヤ人よりもセルビア人がたくさん殺されている。
さらにナチスが大量殺戮した人間集団はユダヤ人だけでなく、400万人のスラヴ人の餓死もあった。それをもたらした作戦計画については、最近になって研究が動き始めている。日本ではまだ誰もおこなっていない。
そもそも収容所には、南アフリカにイギリスが作った強制収容所やソ連の収容所列島などさまざまなものがある。収容所は常に人体実験の対象であり、栄養学者は「被収容者をぎりぎり生かすための実験」をしていた。それは殺すということに加えて、労働者としていかに効率よく食事を与えて働かせ、病気になれば殺すという、労働を通じた虐殺がおこなわれていた。第一次世界大戦前、すでにドイツ=西洋文明の象徴であるローベルト・コッホ(細菌学者)が、アフリカで人体実験に加わっていたということも明らかになっている。
さらにいえば、 EUが現代奴隷制資本主義の罪、現代の「地球規模の身分制社会」ともいうべきものと向き合えていない。かなりの部分がもう動くことができず、この地域で労働し、死んでいくという人々。一方に、富を独占してタックスヘイブン(租税回避)をしている大金持ちがいるという越えられない壁が世界全体を覆っているなかで、欧州やアメリカの人々はある意味の身分制的状況にある。
ガザでは、電気が止まるので下水が処理できず、海洋汚染をもたらし、地下水も汚染される。またイスラエルは、除草剤をパレスチナの農地にまくことまでやっている。私たちはここでベトナム戦争や水俣病事件などを想起できるはずなのに、それをしていないということを考えなければいけない。
イスラエル人の政治経済学者サラ・ロイは『ホロコーストからガザへ』という本のなかで「イスラエルはホロコーストと向き合ってこなかった」と言ったが、以上述べたように、実はドイツもホロコーストと向かい切れていないのではないか。もし真剣に向き合えていれば、ドイツ現代史研究者や哲学者はコソボの空爆を支持したりしなかっただろうし、長年のイスラエルの民族浄化を自分たちの研究の言語から批判できたであろう。
以上のことは、ナチスの罪を相対化するものではなく、実はナチスの罪がどれだけ深いかをもっと知るということだ。さまざまなナチス的な、あるいはそれにつながるような世界的な現象を無視したことによって、ナチスの罪を相対化しているのは、むしろドイツの「記憶文化」を今でも死守しようとしている人たちなのではないだろうか。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
藤原辰史(ふじはら・たつし) 京都大学人文科学研究所准教授。1976年生まれ。島根県出身。京都大学総合人間学部卒。京都大学人文科学研究所助手、東京大学農学生命科学研究科講師を経て現職。専門は農業史、環境史、食の思想史、ドイツ現代史。著書に『ナチス・ドイツの有機農業』(柏書房)、『ナチスのキッチン』(水声社)、『トラクターの世界史』(中公新書)、『戦争と農業』(インターナショナル新書)、『分解の哲学』(青土社)、『縁食論』(ミシマ社)、共著に『中学生から知りたい ウクライナのこと』(ミシマ社)など多数。
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/29293
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2024/03/08 (Fri) 09:51:34
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ノルウェー映画「ザ・ハント ナチスに狙われた男」:ノルウェー人の対独抵抗運動
続壺齋閑話 (2024年3月 8日 08:16)
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7708.html#more
norway03.hunt.jpg
2017年のノルウェー映画「ザ・ハント ナチスに狙われた男」は、第二次大戦中ナチスドイツに侵略されたノルウェーの対独抵抗作戦をテーマにした作品。事実に基づいているとのアナウンスがあるので、実際にあったことなのだろう。イギリスで訓練を受けたノルウェー人12人が、対独工作要因としてノルウェーで活動するが、一人を残して捕らえられ、捕らえられたものらは拷問を受けたうえで殺される。残った一人は、作戦の報告を目的に、スウェーデンへの脱出をはかる。それをナチスの一将校が執拗に追う、というような内容。見方によっては、対独レジスタンスとも、サバイバル・サスペンスとも受け取れる。
映画は、のっけから一人のノルウェー人(ヤン) の逃亡する様子を描く。逃亡は映画の全編を通じて続く。その合間に、回想という形で、12人の行動が描写される。それに彼らの受けた拷問とか、処刑される様子が挟まれる。ヤンが触れ合ったノルウェー人たちはみな、かれに対して同情的であり、また、中には彼の逃走を助けるものもいる。とりわけ重要なのは、フィヨルド地域で出会ったマリウスとその妹だ。そのマリウスの努力によって、ヤンはマンダーレンという人々の助力でスウェーデンへの脱出に成功するのである。マンダーレンとはノルウェーの少数民族か、くわしくはわからない。
見どころはヤンが必死になって逃走するシーンだ。凍った水や雪の中を逃げ回り、ひどい凍傷にも見舞われ、生きているのがつらいような状況のなかでも、なお生きることにヤンはこだわる。こんなに辛い思いをするより、死んだほうがましだと思うのがふつうではないか。しかしヤンは徹底的に生きることにこだわるのである。
そのヤンを追いかけるナチスの将校が異常なほどの執念を見せる。かれにかぎらずナチス側は、みな非人間的で残虐な生き物として描かれている。21世紀になってもドイツ人は、ナチスの残した負の遺産に振り回されていると思わざるをえない。そこは同じ敗戦国でも、日本はまだましだ。中国はじめ侵略した国からそんなにひどい反発を受けることはない。中国にも戦時中の日本軍の残虐さを描いた映画はあるが、そうした映画がアジア地域で数多く作られるということはない。ところがドイツは、ヨーロッパじゅうの国々において、いまだにナチス時代に犯したことの責任を問うような映画を作られているのである。
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7708.html#more
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5:777
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2024/03/08 (Fri) 10:29:04
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「『ニュルンベルク裁判史観』の嘘と誇張(前半)」宇山卓栄 AJER2024.3.8
https://www.youtube.com/watch?v=5qFA3b8KxiQ
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ヨーロッパ人から見たドイツ人は、覚醒剤を大量に摂取して寝ないでポーランド侵攻、フランス侵攻の電撃戦を行ったドイツ兵のイメージで捉えられてしまった
ノルウェー映画「ザ・ハント ナチスに狙われた男」:ノルウェー人の対独抵抗運動
続壺齋閑話 (2024年3月 8日 08:16)
2017年のノルウェー映画「ザ・ハント ナチスに狙われた男」は、第二次大戦中ナチスドイツに侵略されたノルウェーの対独抵抗作戦をテーマにした作品。事実に基づいているとのアナウンスがあるので、実際にあったことなのだろう。イギリスで訓練を受けたノルウェー人12人が、対独工作要因としてノルウェーで活動するが、一人を残して捕らえられ、捕らえられたものらは拷問を受けたうえで殺される。残った一人は、作戦の報告を目的に、スウェーデンへの脱出をはかる。それをナチスの一将校が執拗に追う、というような内容。見方によっては、対独レジスタンスとも、サバイバル・サスペンスとも受け取れる。
映画は、のっけから一人のノルウェー人(ヤン)の逃亡する様子を描く。逃亡は映画の全編を通じて続く。その合間に、回想という形で、12人の行動が描写される。それに彼らの受けた拷問とか、処刑される様子が挟まれる。ヤンが触れ合ったノルウェー人たちはみな、かれに対して同情的であり、また、中には彼の逃走を助けるものもいる。とりわけ重要なのは、フィヨルド地域で出会ったマリウスとその妹だ。そのマリウスの努力によって、ヤンはマンダーレンという人々の助力でスウェーデンへの脱出に成功するのである。マンダーレンとはノルウェーの少数民族か、くわしくはわからない。
見どころはヤンが必死になって逃走するシーンだ。凍った水や雪の中を逃げ回り、ひどい凍傷にも見舞われ、生きているのがつらいような状況のなかでも、なお生きることにヤンはこだわる。こんなに辛い思いをするより、死んだほうがましだと思うのがふつうではないか。しかしヤンは徹底的に生きることにこだわるのである。
そのヤンを追いかけるナチスの将校が異常なほどの執念を見せる。かれにかぎらずナチス側は、みな非人間的で残虐な生き物として描かれている。21世紀になってもドイツ人は、ナチスの残した負の遺産に振り回されていると思わざるをえない。そこは同じ敗戦国でも、日本はまだましだ。中国はじめ侵略した国からそんなにひどい反発を受けることはない。中国にも戦時中の日本軍の残虐さを描いた映画はあるが、そうした映画がアジア地域で数多く作られるということはない。ところがドイツは、ヨーロッパじゅうの国々において、いまだにナチス時代に犯したことの責任を問うような映画を作られているのである。
https://blog2.hix05.com/2024/03/post-7708.html#more
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ヒトラーとドラッグ:第三帝国における薬物依存 – 2018/9/26 ノーマン・オーラー (著)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%92%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%A8%E3%83%89%E3%83%A9%E3%83%83%E3%82%B0-%E7%AC%AC%E4%B8%89%E5%B8%9D%E5%9B%BD%E3%81%AB%E3%81%8A%E3%81%91%E3%82%8B%E8%96%AC%E7%89%A9%E4%BE%9D%E5%AD%98-%E3%83%8E%E3%83%BC%E3%83%9E%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC/dp/4560096511
内容紹介
「錠剤の形をしたナチズム」の実態に迫る
ヒトラーの主治医テオドール・モレルは、一本の注射で体調不良を解決する頼りがいのある医師だった。
ヒトラーはホルモン剤、鎮痛剤、覚醒剤、そしてモレルへの依存を深め、不調のたびに投薬や注射を求めるようになった。
第二次世界大戦が始まり、ヒトラーは誇大妄想にとりつかれ、現実遊離が目につくようになり、軍事作戦能力も徐々に失われていった。足を引きずり、腰も曲がって、くたびれた老人のように見えた。
一方、前線兵士は薬物によって「猛獣と化す」ことが目標とされ、無謀な作戦に投入され、総統大本営も制御を失い、もはや究極の破滅に突き進むしかなかった……。
ヒトラーとモレルの危険な関係は、大戦の命運を左右したのか?
本書は、ヒトラーと第三帝国が薬物に深く依存していたことを暴き、世界的ベストセラーとなった歴史ノンフィクションだ。歴史学者ハンス・モムゼンが本書の「あとがき」で、「これまでの全体像を変える本」と評したのをはじめ、イアン・カーショー、アントニー・ビーヴァーら専門家も賛辞を寄せている。著者は作家らしく、逸話を満載し、史料もきちんと渉猟し、早く続きを読みたくなるような、手に汗握る展開をみせる。
兵士には覚醒剤を、総統には麻薬を! 驚きのドラッグワールド・第三帝国
覚醒剤メタアンフェタミン(1893年に日本人長井長義が合成し1919年にこれまた日本人緒方章が結晶化に成功)が太平洋戦争中の特攻隊で使われていたという話はよく聞くが、これをさらに徹底的に使ったのがナチス・ドイツだった。あの電撃的なポーランド・ベルギー・フランスへの快刀乱麻ともいうべき進攻のスピードは兵士に大量投与された覚醒剤によるものだったとは!
一方で、ヒトラーは戦況の悪化とともに主治医モレルに投与されるオキシコドンに依存。軍首脳部もほとんどがジャンキー状態。暗殺未遂後はコカインまでも加わる。
こうして、上層部はジャンキーの集団となり安全な地下壕みたいとところから無茶苦茶な指示を乱発し、兵士は戦場で覚醒剤漬けにされ独ソ戦の頃にはダメダメな状態に。
最後にベルリンに籠った頃にはヒトラー用のドラッグも底を尽き彼は激しい離脱症状の中で自殺。
あまりにも戦況の変化と薬物乱用がきれいにシンクロするのに驚く。最高指導者がドラッグ依存だとしたら、だれも彼へのドラッグ投与を拒めない。世界史的な出来事がドラッグで突き動かされ得るという恐怖。
当時の日本の軍中枢にこんなことがあったとは聞かないが、本土決戦前に証拠が消されたのかもしれない。まあ、しらふでヒトラーと同じようになっていたと考えるとそれもまた怖い話だが。
オキシコドンはアメリカでは近年も安易に鎮痛薬として処方されてかなり問題になっていますね。日本に持ち込もうとして逮捕された某自動車メーカーの外国人役員も。決して過去の話ではない。
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ヒトラーも、最前線で戦っていたドイツ兵も、覚醒剤を大量摂取してこういう極端な被害妄想になっていた:
覚醒剤中毒者の極端な被害妄想を映像化した映画史上で最も怖い映画 コワイ女ーカタカタ
コワイ女 - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E3%82%B3%E3%83%AF%E3%82%A4%E5%A5%B3
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6:777
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2024/04/02 (Tue) 11:50:09
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川口マーン惠美 (ドイツ在住・作家)【公式】おはよう寺ちゃん 4月2日(火)
https://www.youtube.com/watch?v=3H_qV1TIAlw
【本日のニュース】
▶️”温室効果ガス 大幅削減”の裏で ドイツの残酷な本音
▶︎ドイツ 大麻一部解禁で社会に変化は
▶︎ドイツ 右翼政党への批判続出も 言論の自由が制限?
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7:777
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2024/05/16 (Thu) 13:24:21
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ドイツはイスラエルのどんな行為に対しても、 無条件で支持してしまう
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16853111
ドイツではイスラエルに絶対服従しイスラエルが何をしても無条件に支援するのが「良い人」
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16836173
ドイツの正体 _ 中国の人権侵害に加担しているドイツ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062897
ドイツ政府は農民や羊飼いよりも「オオカミの生存権」を大事にしている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14121211
アウシュヴィッツ 探訪記
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14128816
ナチスの「人間牧場」 選別した男女に性交渉させ、アーリア人を産ませる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14027543
ナチスのユダヤ人に対する不妊作戦
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14047960
独裁者列伝 _ アドルフ・ヒトラー
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/798.html
ヒトラーの共産主義との戦い
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/638.html
アフター・ヒトラー
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/405.html
ニーチェの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/335.html
超人エリーザベト~ニーチェを売った妹~
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1753.html
ニーチェが耽溺したワーグナー トリスタンとイゾルデの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/375.html
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2024/05/24 (Fri) 09:54:26
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「反ユダヤ主義」掲げて言論弾圧 ガザ虐殺抗議の教員を解雇したマックス・プランク研究所 撤回求める行動世界へ ドイツ
2024年5月23日
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/30482
マックス・プランク研究所(ドイツ、ミュンヘン)
世界的に権威ある研究所とされるドイツのマックス・プランク社会人類学研究所が、著名な人類学者であるガッサン・ハージ氏に対して、イスラエルに対する批判的な発言をくり返す「反ユダヤ主義者」「人種差別主義者」だとレッテルを貼って、2月7日、客員教授の職を解雇した。これに対して同研究所の同僚はもとより、欧米やオーストラリア、南アフリカなどの研究者たちが次々と抗議声明を発している。今世界では、学生や高校生たちが「ガザの虐殺を止めろ!」と行動に立ち上がっているが、そこでも欧米政府が「反ユダヤ主義」というレッテルで抑圧していることから、「反ユダヤ主義」の定義を見直せとの要求も各国で共通したものとなっている。このガッサン・ハージ氏の解雇問題は世界的な波紋を広げているが、ドイツを「過去を克服した模範」とみなす日本の大手メディアは伝えていない。慶應義塾大学で13日、イスラーム信頼学シンポジウム「人類学者ガッサン・ハージとイスラエル/パレスチナ問題をめぐる言論・学問の自由――“反ユダヤ主義”言説を問い直す」が開催され、この問題がとりあげられた。
第二次世界大戦評価の見直し始まる
ガッサン・ハージ氏
ガッサン・ハージ氏は昨年4月、長年勤務してきたオーストラリアのメルボルン大学を離れ、ドイツにあるマックス・プランク社会人類学研究所の客員教授に就任した。
「ガッサン・ハージさんを支持する日本の研究者・市民からの声明」では、ハージ氏を次のように紹介している。
「世界的に著名な人類学者であり社会理論家であるガッサン・ハージさんの著作は、2000年代初めから日本語にも翻訳され、日本における多文化主義や反レイシズム(人種主義)の研究に大きく貢献してきました。ハージさんは“多文化の共生”や“多様性の尊重”といった謳い文句に潜む民族的ナショナリズムや新自由主義を暴き出し、現代世界における多様なレイシズムとその背後にある植民地主義を徹底的に批判してきました」
「同時にハージさんは、そうしたレイシズムや植民地主義に手を染める人々をただ悪として断罪するのではなく、人々が生きる現実を真剣に理解しようとしてきました。差別や不正義に反対する運動が陥りがちな自己陶酔に警鐘を鳴らし、レイシズムや植民地主義の犠牲者とされた集団の内部にも存在する課題からも目を背けず、正義や抵抗といった美名のもとにそれらが正当化されるのを断固として拒絶してきました。異なる宗教や価値観をもった人々が共生する新たな世界を創造する可能性を、批判と対話を通じて、そして希望とともに発信してきました」
ハージ氏は、ドイツ滞在中の昨年10月7日に起こったハマスによるイスラエル攻撃と、その報復としてイスラエルが開始したガザへの無差別攻撃について、SNSなどを通じて自己の見解をくり返し発信してきた。ハージ氏は、イスラエルのガザ地区での大量虐殺を厳しく批判し、それが戦後、イスラエルがパレスチナ人に対してとってきた植民地政策とアパルトヘイト体制の延長であると訴えた。ハージ氏はまた、イスラエル支援企業へのBDS(ボイコット、投資撤退、制裁)運動の推進者だった。
これに対してドイツの新聞が2月3日、ハージ氏の主張の一部を切りとって「反ユダヤ主義」だと非難する記事を掲載した。直後の7日、学術機関であるマックス・プランク研究所は、ハージ氏を擁護するのではなく、逆に「人種差別、イスラム嫌悪、反ユダヤ主義、差別、憎悪、煽動は、マックス・プランク研究所には居場所がない」「科学の信頼性を損ない、学術機関への信頼を傷つけた」とする公式声明を発表し、一方的にハージ氏との契約を打ち切った。
欧米政府や大学 イスラエル批判を禁忌
最近のドイツでは、同様の問題がくり返し起こっている。ロシア出身でアメリカに移住したユダヤ人作家マーシャ・ゲッセン氏は、昨年末、ハンナ・アーレント賞の受賞が決まっていた。ところがその直後、ゲッセン氏が『ニューヨーカー』誌への寄稿のなかで「現在のパレスチナはナチス占領下のユダヤ人ゲットーのようだ」と書いたことから、同賞のスポンサーであるドイツのハインリッヒ・ベル財団が授与式から撤退し、受賞がとり下げられた。
また2020年には、総合芸術祭「ルール・トリエンナーレ」がアフリカの代表的な脱植民地主義理論家アシル・ムベンベ氏(カメルーン)に開幕スピーチを依頼したところ、ドイツ連邦政府の反ユダヤ主義担当官とドイツ自由民主党所属の地方議員が主催者に圧力をかけ、招待のとり消しを求めた。ムベンベ氏がイスラエルの政策と南アフリカのアパルトヘイトを同一視し、「ナチスのホロコーストを絶対的なものではないと論じる“相対化”を図った」ことがその理由だった。
今年1月にはベルリン市が文化活動の助成金申請に「反ユダヤ主義条項」を入れると発表し、市民から大きな反発を受けた。助成金申請者は国際ホロコースト同盟(IHRA)による反ユダヤ主義の定義を受け入れることに同意しなければならない、というものだった。その定義には、「現在のイスラエルの政策をナチスの政策と比較すること」が反ユダヤ主義であり、糾弾されるべきという内容が含まれている。そこには「ナチスのホロコーストは他に類を見ない唯一無二の残虐な出来事であり、過去から現在までに世界中でおこなわれたいかなる行為とも比較できない」という考え方が根底に流れている。
ドイツでは、政府が「イスラエルの安全保障は国是」としており、イスラエル批判やパレスチナ連帯の言動は「反ユダヤ主義」とみなされ、法律で禁止している。
ハージ氏の身に起きたような言論弾圧は、オーストリアやスイスでも起こっており、研究者がバッシングを受けたり職を奪われたりしている。
それはアメリカも同じで、昨年12月、米連邦下院の公聴会に証人として出席したハーバード大、ペンシルベニア大、マサチューセッツ工科大の学長に対して、共和党議員が「ユダヤ人のジェノサイドを呼びかけることは、あなた方の大学では、いじめやハラスメントを禁止する学則違反に該当するか」と質問した。各大学の学生のなかで急速に広がるパレスチナ連帯の運動を揶揄(やゆ)したものだが、学長らは「文脈による」と答えた。これに対して「ユダヤ人のジェノサイドへの呼びかけを完全に非難しなかったことは反ユダヤ主義である」とのバッシングが始まり、多額の寄付金の引き上げなどが起こって、ペンシルベニア大のエリザベス・マギル学長とハーバード大のクローディン・ゲイ学長は辞任せざるをえなくなった。
そうした流れのなかで、もっとも人種差別を批判してきたハージ氏まで「反ユダヤ主義者」「人種差別主義者」として解雇されたため、各国の研究者たちから猛烈な抗議が巻き起こっている。ハージ氏の解雇は、批判的な言論を通じて学問が人類社会の平和と繁栄に貢献することを、他でもなく欧米政府とその学問の府が踏みにじっている姿を浮き彫りにした。
各国の学会が声明 「学問と表現の自由奪う」
「反シオニズムは反ユダヤ主義ではない」と書いたプラカードを掲げる抗議者(4月28日、米カリフォルニア大学ロサンゼルス校)
これまでに、ハージ氏が勤務していたマックス・プランク研究所の同僚たちをはじめ、元の勤務先だったメルボルン大学の同僚たち、さらにドイツ社会・文化人類学会、アメリカ人類学会、アメリカ民族誌学会、イギリス中東研究学会、オーストラリア人類学会、チェコ社会人類学会、南アフリカ人類学協会、ヨーロッパ社会人類学会などが、学問の自由を擁護し、公式声明の撤回と謝罪、地位の回復を求める抗議声明を同研究所に送りつけている。いずれも学生たちが「ガザでの虐殺を止めろ!」と大規模な運動をくり広げている国々だ。
また、イスラエル・ユダヤ系の研究者たちを含む世界各地の有志も声を上げ、ハージ氏を支援する署名活動をおこなっている。
いち早く反応したのはドイツ社会文化人類学会で、2月12日、学問の自由に関する理事会声明を発表した。声明は、「私たちは、ドイツと世界において反ユダヤ主義、人種差別、イスラム嫌悪とたたかう必要性を強調する。しかしそれは、科学者の研究や声明を監視することによって達成することはできない。イスラエル・パレスチナ紛争をめぐっては、それが歴史的に推移してきた政治的、経済的、文化的な側面を議論することが必要であり、学者の排除は必要な議論を妨げている。私たちは、大学や研究機関が、多元的な異議申し立てを歓迎し、互いに批判しあい学びあう、議論と出会いの場となることを求める」とのべている。
同じ日、イスラエルや世界で活動するイスラエル系ユダヤ人の研究者60人以上も同研究所に抗議の声明を送った。声明は「ハージ氏の批判的分析は、ユダヤ人、キリスト教徒、イスラム教徒、その他の人々の平等な共存生活の可能性を呼び起こすものであり、反ユダヤ的なものではない。私たちの中にはナチス・ホロコーストの犠牲者の子孫もいれば、ホロコーストを研究しているものもいるが、私たちはユダヤ人として、イスラエル批判と反ユダヤ主義が混同されていることに懸念を表明する。それはドイツにおいてユダヤ人の生活を危機にさらしている。異論を唱える人々への迫害など、世界は厳しい状況に直面しているが、学術の府として批判的な意見に対する残忍な口封じに屈しないよう、そして公平な評価という学問的価値を守るよう強く求める」と訴えている。
ヨーロッパ社会人類学会も、「ハージ教授の研究に詳しい人なら誰でも、マックス・プランク研究所の公式声明が事実とはほど遠いことを知っている。人種差別、白人至上主義、ナショナリズム、そして中東に関する重要な研究において、ハージ教授は一貫してあらゆる種類の人種差別を力強く批判してきた」「ドイツの学者は、イスラエルの極右政府が犯した暴力に反対する意見を表明しようとすれば、民主主義社会と相容れない検閲、沈黙、脅迫にさらされている。私たちは、学術の場が権威主義に対して批判的であるべきだと改めて強調し、検閲の政治を逆転させる具体的措置をとるよう要求する」とのべた。
ハージ氏が35年以上教壇に立ってきたオーストラリアでは、メルボルン大学をはじめ各大学の研究者や学生たち440人以上が連名で、ハージ氏を支持する声明を発した。声明は「ハージ氏は反ユダヤ主義を含むさまざまな人種差別の多様な形態とあらわれ、それが生み出す弊害、そしてとくに入植者植民地主義が人種差別を伴う政策をおこなってきたことについて厳密に考えるよう主張してきた」とし、ハージ氏との連帯を確認している。
アメリカでは、アメリカ民族誌学会が次のような声明を発表した。
「私たちは人類学者および社会科学者として、世界中の学者や学術団体とともに、ガザにおける暴力に批判的な学問を標的にして、表現の自由に対する脅威が増大していることに憤りを表明する。長い搾取の歴史に加担してきた学問分野において、私たちは、反ユダヤ主義、イスラム恐怖症、反パレスチナ人種主義を含むあらゆる形態の帝国主義と人種主義を批判し、解体するために努力しなければならない。戦争と暴力が世界中でエスカレートし、国際司法裁判所が“イスラエルがガザでジェノサイドを犯している”と注意喚起をしているとき、私たちは正義と平和のためにおこなわれる学問を緊急に保護し、支援しなければならない」
イギリス中東学会は、中東と北アフリカの研究を中心におこなうヨーロッパ最大の全国的学術協会である。イギリス中東学会は、ハージ氏の解雇が「“反ユダヤ主義”の欠陥のある定義にもとづいている」と指摘している。
そして、「もともと反ユダヤ主義とは、ユダヤ人に対する憎悪や偏見のことで、ナチスのホロコーストを否定する暴言などを意味する。しかし、ハージ氏解雇の決定は、反ユダヤ主義とイスラエル批判を混同する、国際ホロコースト記念同盟の実用的な定義にもとづいているようだ。この定義については、人種差別に関する国連特別報告者が、“政治的に道具化されやすく、そこから人権への危害が生じる”と警告している。大多数のジェノサイドの研究者や法律専門家も、この定義は批判的思考と自由な論義が最優先される学術の場にはふさわしくないとの意見で一致している」と注意を喚起している。
南アフリカ人類学協会の理事会声明も、ドイツ語圏であるドイツ、オーストリア、スイスで同様の事件が起こっていることに触れた後、「ドイツ語圏の諸機関が、国際ホロコースト記念同盟の定義を適用し、イスラエルに対する批判を“反ユダヤ主義”だとして禁止しているが、それはイスラエルの国家と政治に対する批判を封じ込め、学問の自由と表現の自由を損なうものだ」と批判している。
日本でも、慶應義塾大学教授の塩原良和氏ら7人が呼びかけ人となって「ガッサン・ハージさんを支持する日本の研究者・市民からの声明」が呼びかけられ、賛同者は180人をこえている。
植民地主義の継承 大量虐殺正当化に利用
慶應義塾大学で13日に開催されたシンポジウムでも、「反ユダヤ主義」の問題が焦点の一つとなった。
武蔵大学教授の小森謙一郎氏は、ドイツの哲学者ユルゲン・ハーバーマスらがイスラエルを擁護する側に立ち、「ナチス時代の集団犯罪に照らせば、ユダヤ人の生活とイスラエルの生存権は特別の保護に値する中心的要素となる」との声明を出したことを批判的に紹介しつつ、こうしたドイツの政治文化が今回の解雇にも貫いているが、それは国際ホロコースト記念同盟の定義にもとづいているとのべた。
国際ホロコースト記念同盟とは1998年に設立された政府間組織で、現在、米英仏独伊など43カ国が参加している。問題の「反ユダヤ主義の定義」は、この同盟が2016年に採択したもの。11項目中7項目が現在のイスラエルを扱っており、「イスラエル国家の存在が人種差別的だと主張するなどしてユダヤ人の自決権を否定すること」「現代のイスラエルの政策をナチスの政策と比較すること」などが「反ユダヤ主義」として糾弾の対象となる。
それは法的拘束力を持つものではないが、欧米諸国の大半が受け入れ、2019年には米大統領トランプが、この定義による「反ユダヤ主義」から学生が守られていない大学は連邦政府からの資金提供を停止するとの行政命令を出した。
しかし、大多数のホロコースト研究者たちはこの定義を「ユダヤ人を守る目的にそぐわない」と批判し、2020年に「反セム主義(反ユダヤ主義)に関するエルサレム宣言」を発表した。それには「イスラエル国家に対する証拠にもとづく批判は反セム主義ではない」「イスラエルを入植者植民地主義やアパルトヘイトなど他の歴史的事例と比較することは反セム主義ではない」と明記している。
同シンポジウムで、東京外国語大学教授の黒木英充氏は、アメリカやイスラエルがこの「反ユダヤ主義」を武器にして、大量虐殺への批判をかわそうとする悪あがきをやっているとのべた。
ネタニヤフは昨年10月7日以降に米欧の首脳と次々と会見し、「ハマスは新しいナチであり、イスラム国だ。世界が団結してナチを倒したように、世界は一緒にハマスを打倒せねばならない。これは野蛮に対する文明のたたかいだ」とのべた。またアメリカ向けの演説で「反セム主義の暴徒がアメリカのトップクラスの大学を乗っとってしまった。連中はイスラエルの絶滅を叫び、ユダヤ人学生を攻撃し、ユダヤ人教員を攻撃している。これは1930年にドイツの大学で起こったことを彷彿(ほうふつ)とさせる」とのべた。
シンポジウムで登壇者は、イスラエルがパレスチナ人を人間と見なさず虐殺を続けることこそが植民地主義と人種主義に貫かれた行為であり、それはナチスの行為を彷彿とさせると指摘した。
また、ユダヤ人の哲学者で、米カリフォルニア大学バークレー校大学院で教鞭をとるジュディス・バトラー氏は、「イスラエルによるガザの家・病院・学校にいるパレスチナ人への攻撃、逃げている人々への攻撃はジェノサイドだ。その暴力は、組織的な強制退去・殺害・投獄・勾留・土地の収奪・生活の破壊を特徴とする、75年間にわたる暴力の一部である。イスラエルのパレスチナ占領における入植者植民地主義は人種差別の一形態であり、パレスチナ人は人間以下の存在として扱われている。そしてアメリカ政府は実際に武器や支援、助言を与え、大量虐殺という犯罪に加担している」「第一に、即時停戦が必要だ。そして根本的な解決とは、パレスチナ人が完全な自決権を得て、民主的な社会に暮らす道を模索することであり、祖国追放に終止符を打ち、奪われた土地が返還され、賠償がなされ、過酷な環境下で離散を強いられた多くの人々に帰還権を認める道を模索することだ」とのべている。
戦後長きにわたって、ナチスによるユダヤ人600万人の虐殺は 唯一無二の戦争犯罪であるとされ、ナチスだけ悪者にして欧米諸国の植民地主義と人種主義の犯罪が覆い隠されてきた。それが今、イスラエルがパレスチナ人に対してナチスを想起させる民族浄化を実行し、それをアメリカはじめG7の国々が支え、ガザの虐殺に抗議する人々を「反ユダヤ主義」といって弾圧しているなかで、欺瞞のベールをとり払い歴史認識を問い直す動きが広がっている。
https://www.chosyu-journal.jp/kokusai/30482
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9:777
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2024/09/10 (Tue) 08:54:49
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ドイツの「罪の克服」とは何だったのか
続壺齋閑話 (2024年9月10日 08:14)
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雑誌「世界」の最新号(2024年10月号)に、「ドイツ『罪の克服』とはなんだったのか」 と題する駒林歩美の小文が掲載されている。これは「イスラエルへの『偏愛』が生むレイシズム」という副題がついており、ドイツの異常なイスラエル贔屓の歴史的な背景について論じている。いま世界中を震撼させているイスラエルによるパレスチナ人の大虐殺(ジェノサイド)について、ドイツはアメリカと並んでイスラエルを支持し、パレスチナ人を殺すための兵器の提供を続けている。何がドイツをそれほどまでにイスラエル贔屓にするのか。
ドイツのイスラエル贔屓の異常さについては、ドイツの知性を代表するといわれるハーバーマスのような学者までが、今般の問題についてイスラエルの味方をしていることからもうかがわれる。とにかくドイツでは、国民あげてイスラエルを支持しており、イスラエルのユダヤ人がパレスチナ人の子どもを殺すことになんらの問題意識ももっていない。パレスチナ人をあたかも殺すべき害虫のように見ているのではないか。
ドイツは、イスラエルの安全保障を国是だと主張し、ハマスとの対立が始まって以来、前年比10倍の武器の提供をして、イスラエルのパレスチナ人虐殺に大きく貢献している。ドイツがなぜイスラエルの安全保障を国是としているのか。それはナチスによるユダヤ人迫害への反省の表れだといえるそうだ。その反省が極端なユダヤ人保護政策をもたらし、そのユダヤ人とイスラエル国家を同一視することから、無条件のイスラエル支持につながった。いまやドイツでは、イスラエルを批判することはタブーである。ユダヤ人の中には、イスラエルを批判する人もいるが、そういうユダヤ人も迫害の対象となる。なにしろ内務大臣自らが、イスラエルを批判するものは反ユダヤ主義を広める危険人物として逮捕するとうそぶいているというのである。
この小論は、ベルリン在住のユダヤ人精神分析家イリス・ヘフェッツ女史へのインタビューを踏まえているものだが、そのヘフェッツ女史はイスラエル国家の行為を批判し、イスラエルを無条件に支持するドイツに疑問を投げかけている。ごくあたりまえの行為だと思うが、そんな彼女でも、ドイツ政府の迫害を身近に感じるほど、いまのドイツはおかしくなっているという。
ヘフェッツ女史によれば、今のドイツがやっていることは、 すべてのドイツ人に同じように行動する、つまりイスラエルを支持するように求めることだ。同じように行動しなければ切り捨てる。だがそれはかつてナチスがやったことである。ドイツ政府はナチスのやったことを反省すると言いながら、実はナチスと全く異ならないことをやっていると女史は批判するのである。
小生も女史の主張に同感である。ドイツ人は頭がおかしくなっている、としか思えない。その頭のおかしくなったドイツ人が、またぞろナチスと同じようなことをしている。実に不気味なことではないか。
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2024/10/15 (Tue) 09:15:45
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【山崎行太郎チャンネル】ハイデッガーとナチズムについて。
森哲子事務所 2024/ 05/15
https://www.youtube.com/watch?v=FY1DCBPhygU