ウィリアム・ブレイク William Blake(1757-1827) は、イギリスロマンティシズムの初期を代表する詩人にして画家である。彼の業績は詩と絵画を別々にしては考えられない。その詩の殆どは、挿絵を伴った絵本の形で出版されたし、また、詩も絵画もブレイクという芸術家が抱いていた世界観を、それぞれの形で表現したものといえるからだ。
14歳のとき、ブレイクは銅版画家ベイジャー James Basire のもとに弟子入りし、21歳まで銅版画の修行をした。ベイジャーの銅版画のスタイルは時代遅れのものだったらしいが、ブレイクはそこで己の絵画のスタイルを築きあげていく。とくにベイジャーに命じられて、ウェストミンスター寺院のスケッチに2年間従事したことは、その後のスタイル確立に向けて大きな糧となった。