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2024/01/02 (Tue) 17:30:08
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エジプト美術
https://irohani.art/study/4157/
エジプト文明の「来世のため」のアート
一方でエジプト王(ファラオ)が統治していたエジプト文明でもやっぱり超格差社会でした。例えばツタンカーメン。金箔を贅沢に使ったピッカピカなこの作品は、スマホアプリ自撮りくらいシワひとつなく、人間味がないのが見どころ。ファラオは太陽神・ラーの子とされていたので、もはや人間じゃないんです。つまり「神々しいほど良い」。それでこんなに金ピカなんですね。
ツタンカーメン像の黄金のマスク
一方そのため同じ権力者でも王妃・ネフェルティティは人間なので微細なシワが描かれています。この場合は単に肖像画なので、似てなきゃダメ。加工なしの写実性が求められるわけです。
ネフェルティティの胸像
さてエジプト文明期のアート作品の特徴といえば「来世思想」にもとづいたものです。
というのもエジプト文明とメソポタミア文明では「死生観」がまるで違っていました。当時の寿命はだいたい20歳といわれていましたが、メソポタミア文明は「与えられた20年を受け入れようぜ」という価値観。一方、エジプト文明は「人生はいったん黄泉の国にいって、また帰ってくるもの」と考えていました。太陽が昇っては沈むのを見て「太陽は向こう側であの世に逝っとるんや。絶対に人生は2、3周目があるはずや」と考えたんです。
だから「肉体が朽ちたら黄泉から帰ってきたときに困らないように」と遺体はミイラにして保存したし、「あの世で困らないように」と、ごはんや財産、ペットを一緒に棺に入れたりしました。
現代で棺に入れるものといえば「献花」や「思い出の品」。エジプト人が見たら「おい、大丈夫か? あの世で困るぞ」とつっこまれること必至でしょう。クレカやスマホを入れとかないと、あの世で飯食えません。
そんあ死生観のもと生まれた作品が「死者の書」です。エジプト人は「黄泉では結構な試練があるに違いない」と思いました。そこで作った”攻略本”を描いたんです。
死者の書
Book of the Dead for the Chantress of Amun, Nany | Third Intermediate Period |
The Metropolitan Museum of Art
例えば有名なやつだと「アヌビスの天秤」。片方に神鳥・マアトの羽根を、もう片方に死者の心臓を置く。心臓が羽根より重たく、しかも嘘偽りを語ると死後の世界にいく前に怪物に食べられる、という話です。たしかに事前知識なしでこんな切羽詰まった状況に出くわしたら「え? あ……えっと……私は嘘ついたことない善人です!」とか汗ダラダラで言っちゃいそう。
「死者の書」では基本的に人や神は顔と手足は横向き、動態は正面で描かれます。そして全員無表情です。できるだけみんなに伝わりやすいように、この構図にしたようです。つまり彼らはアートというより、参考書の「図」みたいな機能性を意識していたんですね。
https://irohani.art/study/4157/
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ピカソの表現の背景には「アフリカ美術」もあります。よく「アビニヨンの娘たち」はアフリカ美術のお面と似ているといわれる通り、「大きな目」をはじめとしてピカソの代名詞の多くはアフリカ美術から得ているものです。
彼は「プリミティブな彫刻は絶対に超えられない」と口にしたことがあります。プリミティブとは日本語にすると「原始的」という意味になります。原始人ってほとんど動物で、本能の赴くままに獣を喰らい、洞窟で眠る、みたいなイメージありますよね。あんな感じでアフリカ美術の持つ「何の影響も受けておらず、本能のままに作られた美術作品」のエネルギーにピカソは惹かれたわけです。プリミティブだからこそ、奇妙奇天烈で斬新な発想の作品ができ上がるんですね。
それくらいピカソは「新しいもの好き」なんです。まだ観たことない表現をどんどん取り入れた人でした。「ピカソ=キュビスム」というイメージはありますが、実は彼がキュビスムをガッツリやっていた期間は数年です。どっちかというとブラックのほうがキュビスムに傾倒していました。
https://irohani.art/study/7444/
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2024/01/12 (Fri) 08:13:32
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