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ギリシャ美術

1:777 :

2024/01/02 (Tue) 17:27:19

ギリシャ美術
https://irohani.art/study/4358/

エーゲ美術とセットで語られがちなギリシャ芸術。ムッキムキなイケメン像がたくさん出てくる時代です。

西洋美術のスタンダード・ギリシャ美術の登場
紀元前700年ごろからギリシャ地方はまた盛り上がってきます。ギリシャ美術が登場。建築、彫像、絵画など、この後の西洋美術史の基本となる表現が見られるようになります。

建築では「ドーリア式」「イオニア式」「コリントス式」という3つの型が誕生。有名な『パルテノン神殿』もこの時期です。


ギリシャ美術
Steve Swayne


また絵画では「壺絵」といわれ、食器にデザインのパターンや人物画を描く文化が生まれました。黒像式と赤像式の2種類があり、印象が大きく違います。

ギリシャ美術
British Museum

なかでもエーゲ美術のころに比べてめちゃめちゃ進化したのが「彫像」。かつては表情がなく『もののけ姫』のこだま的なサイズでしたが、ギリシャ美術に入ると「クーロス」といわれるかなりリアル感を増した男性の裸像が現れます。


直立不動で微笑みを浮かべるちょっと挙動不審なアルカイック期

ギリシャ美術

Ricardo André Frantz (User:Tetraktys)


ギリシャ美術
Metropolitan Museum of Art


初期はアルカイック期といわれ、ちょっと左足を出して左右の足に均等に体重がかかるようになっており、軽く微笑んでいるのが特徴。「アルカイック・スマイル」といわれ、日本の飛鳥時代にできた仏像にも同じ特徴があります。微笑みによって生命力を表現していたんです。

いま考えると「おい大丈夫か。緊張してんのか 」と背中をさすりたくなるくらいぎこちないポーズと表情なんですが、エーゲ美術と比べると飛躍的に写実性を増しています。

当時の人々は神と人は同じ造形をしていると考えていました。そのため、神と人のどっちを彫ったのかがよくわかっていません。


クラシック期辺りからだんだんマッチョに


ギリシャ美術
Ricardo André Frantz (User:Tetraktys)


さて、アルカイック期が200年くらい続いた後に「クラシック期」がやってきます。より「人間としての自然なポーズ」を極めた結果、左右どちらかの足に体重をかける「コントラポスト(対置)」という手法ができます。

これにより彫像の自由度がグンと高まり、手や顔の表情、衣類のひだなどの動きが出てきます。

合わせて筋肉の動きが顕著になるのもこの辺りからです。「ギリシャ彫刻」で画像検索してみてください。画面はもはやボディビルの大会。メタボは1人もいません。

なぜ全員マッチョなのか。その要因の1つは、当時のギリシャでは7歳から「スパルタ」という兵役があったからです。現代でも残る言葉で、数年前に実写映画化もされましたが、その凄惨さは異常。しごかれまくった結果、青年たちは総じてムッキムキになりました。

またこの時代から神に捧げるため、古代オリンピックが開かれており、全員が全裸で競技をしていたそうです。また神に捧げるためにミスターコンも開かれていました。

つまり「美男子」=「神を喜ばすことができる」とガチで信じられており、みんな来世のためにも体を鍛えていたんですね。この辺りはエジプト文明の来世思想に通ずる部分です。


ただギリシャ彫刻って、見たままを掘ってるわけではないのも確か。簡単にいうと盛ってます。これを理想主義といい「こんな美しい身体、憧れるなぁ」っていう肉体を表現したわけです。神に捧げるものですからね。


ギリシャ彫刻の黄金期・ヘレニズム期
さて話を筋肉から芸術に戻しましょう。紀元前334年にギリシャ地域の強国・マケドニアのアレクサンドロス大王が「東方大遠征」をします。

スパルタ兵を連れて、アジア、エジプト、メソポタミアあたりをばばーっと支配するわけです。

そのためギリシャ地方はめっちゃお金持ちになり、かつギリシャ文化が世界中に伝播します。すると個人的に作品を買う人も出てきました。芸術が大衆のものになった初めての時期です。

つまり作品をつくるモチベーションが、だんだんと「神々のため」から「王のため」に変わるんです。

このアレクサンドロス大王の時代を「ヘレニズム期」といいます。そこで彫像はさらに大きく形を変えます。

クラシック期にも捻ったり曲がったりしてましたが、まだ「前から見ること」を前提として作られていました。ヘレニズム期はさらに体や衣類の曲線が派手になり、前後左右どこから見ても美しい彫像が特徴です。

有名な作品は『ミロのヴィーナス』と『ラオコーン』『サモトラケのニケ』など。特に大蛇と神官・ラオコーンとの戦いを描いた『ラオコーン』は全体を通して非常に躍動感のある激しい作品。しかし人物の表情などの繊細さも兼ね備えているヤバい傑作です。

ギリシャ美術
Vatican Museums


このヘレニズム文化の彫像は完成度高すぎて、後年、マニエリスム、バロックなどの時代で「お手本」として再登場します。美術史を通じて、ものすごくレベルの高い作品なんですね。
https://irohani.art/study/4358/
2:777 :

2024/01/12 (Fri) 08:20:04

徹底解説!古代ギリシャ美術 幾何学様式、東方化様式から、アルカイック・クラシック・ヘレニズム期までの、平面と立体の代表的な作品を全6回の動画で詳しく解説! - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t



西洋美術史入門 第7回 古代ギリシャ美術①「幾何学様式と東方化様式」―多種多様な図形や線、複数の人物が飾る器から、東方世界の影響を受けた動植物モチーフ、ギリシャ神話の物語表現で彩られた容器まで - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=uA1Kns6RYSo&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=1

西洋美術史入門 第8回 古代ギリシャ美術②「アルカイック美術」―粘土の素地の色と顔料の黒を用いた「黒像式」と「赤像式」による器の絵付と、直立する男女を表現した奉納・墓標用の石像「クーロス」と「コレー」 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=PGCXosxa76o&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=2

西洋美術史入門 第9回 古代ギリシャ美術③「クラシック美術 I:彫刻」―片足に重心を置く、左右非対称の「コントラポスト」と、自然主義的なポーズや、豊かに刻まれる衣の襞の表現が特徴の「古典期」の彫像 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=t5zgPRuhRrk&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=3

西洋美術史入門 第10回 古代ギリシャ美術④「クラシック美術 II:絵画」―奥行きを感じさせる壺絵の空間表現から、伝統的色遣いに青や緑も加えた「ケルチ式」、白の使用が効果的な「白地式」の絵付の技法まで - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=1OSJIjNYjjY&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=4

西洋美術史入門 第11回 古代ギリシャ美術⑤「ヘレニズム美術 I:彫刻」―サモトラケのニケ、ミロのヴィーナスなども含まれる、主題や動きのある身体・衣装の表現に特徴がある、東西文化融合期の立体作品 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=IsCUnzs588E&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=5

西洋美術史入門 第12回 古代ギリシャ美術⑥「ヘレニズム美術 I I:絵画」―アレクサンダー大王の戦闘図から、床を飾る生ごみのモザイク、ナイル川流域の風景画、ハトのいる静物画までの平面作品 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qcBYwqtwymI&list=PL_LEo6mQTQ1jFQu7WzEJxN_Diuy2tK42t&index=6



【1分deアート】《ミロのヴィーナス》(紀元前100年頃、ルーヴル美術館) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=qQwgeTW-uek&list=PL_LEo6mQTQ1hCh3kKSuCtBSmncAGUWK8c&index=62

【1分deアート】《サモトラケのニケ》(紀元前190年頃、ルーヴル美術館) - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=I8sTqwFVEq8&t=0s


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