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アール・ヌーヴォー(新しい芸術)

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2024/01/02 (Tue) 16:51:32

「アーツ・アンド・クラフツ運動」
https://irohani.art/study/7242/

生活スタイルを大きく変えた第二次産業革命
産業革命は全部で3回に分けられます。一次は1700年代後期~1800年代初期の軽工業、二次は1800年代後期から1900年代初期の電気・化学・出版工業など、三次は1900年代半ばからのコンピュータ産業です。

なかでも第二次産業革命のインパクトは凄まじいものでした。エジソンの時代ですね。飲料や洋服が機械によって大量生産できるようになり、鉄道や蒸気船ができて輸送手段が広がった。また蓄音器ができて、音楽を楽しめるようになったほか、映画やラジオといったエンタメもこの時代に生まれます。

産業革命によって「目に見えるものが大事」という感覚に
そんな産業革命の「機械化による大量生産」ってのはインパクトが大きかった。それまでは手で一つひとつ作っていたんですが、同じ時間で何百倍のものを作れちゃうわけです。すると値段も下がる。作れば作るほど売れていく。世界には「モノ」が溢れるわけですね。

そんな大量生産の時代において、人の感覚も「モノを持つことが大事」「財産を持っておくことが大事」「機械って最高! 機械バンザイ」という感じになっていきます。これは最近の「AI黎明期」とか「SNS黎明期」と同じですよね。「自動化って楽ちん」「近くの友だちより顔も知らないフォロワー」みたいな感覚になってきたはずです。
大量生産の反動で起こった「アーツ・アンド・クラフツ運動」
ただ、一方でさまざまな反動が起こるんです。

例えばイギリス機械化によって「安いけど粗悪なもの」が大量に出回るようになった。例えば「皿の型枠」をつくるときに「とりあえず正円で白だよね」という発想になると思います。すると何の創造性もない正円のお皿が大量に出回る。

これに対して産業革命の中心地・イギリスで異議を唱えたのがウィリアム・モリスさん。彼は「いやいや、ちゃんと創造的でイケてるものを作ろうよ。職人の技術を見直そうぜ」って思い「アーツ・アンド・クラフツ運動」を起こしました。

これによって生活必需品や消費物、ポスターなどにも、ちゃんと技術力の高い画家のデザインが組み込まれていくんですね。結局高くなっちゃうんですけど、アーツ・アンド・クラフツ運動はブルジョワ層に受けまくります。


アーツ・アンド・クラフツ運動の代表的なデザイナー、アーチボルド・ノックスのティーセット


ポスター美術

アーツ・アンド・クラフツ運動のなかで盛り上がったものの一つが「ポスター美術」です。このジャンルではアンリ・ド・トゥールーズ・ロートレックやアルフォンス・ミュシャといった人気画家が出てくるんですね。今でいうと中村佑介とか、長場雄みたいな感じで人気イラストレーターが現れるわけです。


アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック『ディヴァン・ジャポネ』


アルフォンス・ミュシャ『モード・アダムス演じるジャンヌ・ダルク』


上はロートレックによるパリの音楽喫茶「ディヴァン・ジャポネ」、下はミュシャによる名女優、モード・アダムス主演の舞台「ジャンヌ・ダルク」のポスター(一点もの)です。

これらのポスター美術では「アール・ヌーヴォー(新しい芸術)」といった様式が生まれます。さっきのアーツ・アンド・クラフツ運動に端を発したもので、ざっくりいうと「創造性が高くてお洒落なデザインをやろう」という考えです。例えば新しい素材(ガラス、鋼、鉄)をよく使ってインテリアや日用品を作りました。


エミール・ガレ『ユリとヒナギクの花瓶』
, Petit Palais


また「植物とか昆虫みたいな“自然物”って美しいよね」と思い、よく作品にあしらうようになった。先ほどのミュシャの「ジャンヌ・ダルク」では植物が装飾されていますが、これはまさにアール・ヌーヴォーの特徴です。自然的なものに美しさを見出したのも「機械化への反発」が含まれているのは間違いないでしょう。

ちなみにこの後1910~30年代になると「アール・ヌーヴォーのゴテゴテな装飾ってうざくね?」となり、安価で装飾の少ない「アール・デコ」が流行します。ただ、その後の1960年代に「装飾あったほうがお洒落やん」と、またアール・ヌーヴォーが流行ったり、最近では「ミニマリスト」が増えましたが、あれは思想的にアール・デコ寄りでしょう。こんな感じで、ヌーヴォーとデコは時代によって行ったり来たりしつつ、共存しています。
https://irohani.art/study/7242/


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「アール・ヌーヴォー(新しい芸術)」の画家・彫刻家

アントニ・ガウディ Antoni Gaudí i Cornet(スペイン カタロニア 1852年6月25日 - 1926年6月10日)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16831834

エミール・ガレ Charles Martin Émile Gallé(フランス ロレーヌ地方ナンシー 1846年5月4日 - 1904年9月23日)
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アルフォンス・ミュシャ Alfons Mucha(チェコ モラヴィア 1860年7月24日 - 1939年7月14日)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16833308

ロートレック Henri Marie Raymond de Toulouse-Lautrec-Monfa(南フランス アルビ 1864年11月24日 - 1901年9月9日)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16832163

オーブリー・ビアズリー Aubrey Vincent Beardsley(イギリス ブライトン 1872年8月21日 - 1898年3月16日)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16832157

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