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2023/11/29 (Wed) 18:33:36
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917回 アルゼンチンのトランプが次期大統領に!焦る中国
髙橋洋一チャンネル
2023/11/29
https://www.youtube.com/watch?v=dW_9PQDf-yg
▲△▽▼
アルゼンチン、緩和のやり過ぎで自国通貨を廃止する破目に
2023年11月23日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41840
インフレとその後の金利上昇によってアメリカや日本でも国債価格が下落する中、アルゼンチンではインフレがもはやどうにもならなくなったために自国通貨を廃止する破目に陥っている。
アルゼンチンのインフレと大統領選挙
どうにもタイムリーなニュースである。アルゼンチンでは大統領選挙が行われていた。10月には決選投票が行われることが決まり、11月19日に行われた決選投票でハビエル・ミレイ氏の勝利が決まった。
ミレイ氏の勝利の背景には、アルゼンチンの強烈なインフレがある。アルゼンチンのインフレ率は以下のように推移している。
143%という強烈なインフレ率だが、それよりも強烈なのはコロナ後には40%付近だったインフレ率が143%まで上がったという事実である。
40%でも十分元々高いのだが、それを100%以上押し上げたのは誰かと言えば、現職のフェルナンデス大統領である。
フェルナンデス氏は2019年の末に大統領に就任した。コロナ禍の直前である。その後コロナによる景気減速でインフレ率が一時的に下がったのは他の国と同じだが、その後も他の国と同じようにコロナ禍における緩和によってインフレ率は上昇に転じた。
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
フェルナンデス大統領のインフレ政策
何故コロナ禍でインフレ率が上昇に転じたかと言えば、お金がない中でフェルナンデス大統領がばら撒きをやったからである。GDPが18%も下落する中で給付金や公共料金の支払い猶予を行なった。ものの生産が激減しているのに紙幣だけはばら撒いた形で、当たり前のようにものが足りなくなりインフレになったわけである。
アルゼンチンはコロナ禍に資金難に陥り、2020年5月にはデフォルトを引き起こしている。
それでも政治家がばら撒きを止めないのは、ばら撒いた相手の票を買うためである。だが政治家は紙幣をばら撒くことで他人に何かを与えることができるだろうか。紙幣をばら撒いても人々の消費できるものの総量は変わらないので、給付金とは実際には誰かが消費するはずだったものを奪って自分が恣意的に選んだ人々に与える政策に等しい。
これは20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が著書『貨幣発行自由化論』で何十年も前に言っていたことである。彼は次のように書いている。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
特定の人々に自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。
そして経済はインフレになる。だから給付金を受けた人々も利益を受けられたのかどうか怪しい、誰にとっても地獄行きの政策がインフレ政策なのである。
ミレイ新大統領
ミレイ氏は長らくフェルナンデス大統領のばら撒き政策を批判していた。彼はこのように言っていた。
アルベルト・フェルナンデス政権は国民に課した税金によって資金を賄う犯罪組織である。
ミレイ氏の発言は、恐らくまさにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』に基づいている。何故ならば、ミレイ氏はハイエク氏も属するオーストリア学派の経済学者だからである。
そのミレイ氏の選挙公約の1つは、アルゼンチン経済のドル化である。つまりアルゼンチンは自国通貨であるペソを放棄しドルを代わりに自国通貨とする。
その意味するところは何か? もうどうしようもなくなったインフレの後始末である。
インフレは政府(中央銀行)が自由に紙幣を印刷できるから生じる。彼らに通貨発行権を与えていれば、自由に紙幣を刷って票田に与えるに決まっているではないか。何故そんなことも人々は分からないのか。
利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
だからミレイ氏はアルゼンチン政府から通貨発行権を剥奪しようとしている。ドルはアメリカの通貨なので、少なくともアルゼンチンの政治家が勝手に印刷することはできない。
結論
それはまさにハイエク氏が何十年も前に主張していたことである。
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
それでアルゼンチンのインフレは収まるだろう。ただ、実際にミレイ氏がそれを何処まで実現できるかは不透明である。何故ならば、政治家は紙幣を刷って票田にばら撒くことを好む。そしてミレイ氏は政権を打ち立てようとしている。
つまりそれは、ミレイ氏は政権入りした時点で敵に囲まれていることを意味する。あらゆる政治家がミレイ氏に反対するだろう。国民の支持だけでは政治はできない。他国への軍事介入に反対していたトランプ氏がシリアにミサイルを打ち込まなければならなくなった時のことを思い出したい。
トランプ大統領がシリアにミサイル攻撃した理由
娘のイヴァンカ氏、トランプ大統領にシリア攻撃を指示、反対した「極右」バノン氏は左遷へ
だがアルゼンチンの経済危機は対岸の火事だろうか? しかしアルゼンチンと同じように、国債が投げ売りされて金利が上がっている国がある。それはアメリカである。
チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
日本でも金利を上げざるを得ない状況が続いている。
日銀植田総裁、10月決定会合でイールドカーブコントロールを実質的に有名無実化
それでもハイパーインフレはアルゼンチンのような貧しい国でなければ起こらないと主張するだろうか。
そう主張する人がいるとすれば、それは正しい。しかし1つ付け加えておくならば、インフレが起こり、金利が高騰し、莫大な政府債務に対する利払いが増加することで国は貧しくなるのである。
つまり、アメリカや日本はアルゼンチンに向かう途上にあると言える。状況は徐々にアルゼンチンに近づいている。金利は上がり、債務への利払いは増えてゆく。そして国は貧しくなる。
日本がそうならないと言えるだろうか。実際に利払いは増え、日銀の緩和政策によって円安になり、アジアの旅行者からも日本は「安い国」だと思われている一方で、円安によって輸入物価が上がり国民の生活は苦しくなる一方だというのに。
日本やアメリカは間違いなくアルゼンチンの状況へと向かっている。問題は、何処で緩和を止めることができるかである。
世界最大のヘッジファンド: 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41840
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2023/12/13 (Wed) 21:37:54
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新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する
2023年12月11日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42388
インフレ率が140%を超えるアルゼンチンで大統領選挙に勝利したハビエル・ミレイ氏が12月10日にアルゼンチンの新大統領に就任した。
インフレ危機のアルゼンチン
アルゼンチンではコロナ禍における放漫財政の結果、インフレ率が140%を超える事態となっている。
当然ながら通貨も暴落しているのだが、緩和政策の生み出したこの無茶苦茶な状況を収拾すべく当選したのがオーストリア学派の経済学者ミレイ氏である。
オーストリア学派はここでもよく取り上げている20世紀最大の経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の流れをくむ学派であり、ハイエク氏はもう何十年も前から人々の緩和政策への依存がいずれはインフレをもたらし、国家はインフレを抑制するために引き締め政策で経済を破壊しなければならなくなると予想していた。
ハイエク氏は著書『貨幣発行自由化論』において、政治家が国民から徴税し自分の裁量で特定の人々や団体に財政出動する政策を次のように批判している。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
特定の人々に自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。
そしてその結果大多数の国民にもたらされるものはインフレである。
政治家の放漫財政
これは当たり前のことなのだが、政治家は税金を自分と自分の票田に費やすこと以外に興味はない。特にそれでも選挙に落ちない状況においては、それ以外のことをしても自分にメリットがないからである。
ミレイ氏はハイエク氏の流れをくむオーストリア学派の立場から、こうした政治家の無駄遣いを批判してきた。そして大統領に就任したミレイ氏はまず何を行なったか。閣僚の数を18人から9人に半減させた。
政治家が「政治家は不要だ」として政治家の数を減らしている姿はなかなか痛快である。自民党の政治家には逆立ちしても出来ない芸当だろう。
だがミレイ氏にはより本質的な問題が待ち構えている。ハイエク氏が論じていたように、ばら撒きが可能になるそもそもの原因は中央銀行が自由に金利を操作できることで、国債に対する政府の利払いを恣意的に抑えられることにある。
ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
ミレイ氏は自国通貨と中央銀行の廃止を公約に当選した。アルゼンチン人はインフレ率が140%に至る事態に陥ってようやく緩和政策への依存から離脱したのである。
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
人間は本当に苦しまなければ現実を理解しない。しかしそのアルゼンチンにおいてもミレイ氏は困難に直面するだろう。何故ならば、彼は政治家から紙幣が無限に出てくる魔法の杖を取り上げる中央銀行の廃止という政策を、政治家の集まりである議会において通さなければならないからである。
ミレイ氏はまず政治家から仕事を取り上げた。だが彼は何処まで目的を果たせるだろうか。
そしてそれよりも疑問なのは、何処まで日本円の価値が劣化しインフレが悪化すれば日本人が同じことに気付くかである。日本経済は国民が状況を理解するまで永遠に沈んでゆく。楽しみに待っていたい。
レイ・ダリオ氏: 金利を上げた米国でも低金利を続ける日本でも債務危機は生じる
日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42388
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2023/12/16 (Sat) 14:04:28
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2023.12.16XML
米英金融資本の中核、ブラックロックの影響下にある人物がアルゼンチン大統領に
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312160000/
アルゼンチンでは12月10日、ハビエル・ミレイが大統領に就任、アメリカの巨大資本と連携して新自由主義的な政策を推進していくと見られている。大学で経済学者のために数学を教えていた人物だが、それ以上に注目されているのは年金会社、マクシマAFJPの主任エコノミストだったという経歴だ。
マクシマAFJPの発行済み株式のうち40%を所有しているのはニューヨーク生命保険が発行する個人向けの変額年金保険(NYLアドバンテージ)だが、ニューヨーク生命の取締役にバーバラ・ノビックが2021年10月から加わっている。
ノビックは世界最大の資産運用会社であるブラックロックの共同創業者で、ブラックロックはバンガードやステート・ストリートをなどと同様、銀行のような規制は受けない金融機関、いわゆる「闇の銀行」だ。この3社が大株主になっている会社はアメリカの主要500社の9割に近いという。こうしたことから、ミレイは巨大金融資本の手先だとみなされている。彼は素早くBRICSへの加盟申請を取り下げた。今後、新自由主義的な政策を進めると見られている。
こうした展開はウクライナでも見られた。2004年11月にウクライナでは大統領選挙があり、西側から自立してロシアとの関係を重視するビクトル・ヤヌコビッチが当選した。そこで西側の支配層は配下のメディアを使い、「不正選挙だった」という宣伝を始め、ヤヌコビッチを引き摺り下ろす。いわゆる「オレンジ革命」である。この当時、ウクライナ駐在アメリカ大使はジョン・E・ハーブスト。この人物がオレンジ革命の指揮者だと見られている。
オレンジ革命で西側が支援していたビクトル・ユシチェンコは1993年から国立ウクライナ銀行の会長を務めていた人物。1998年に再婚したカテリーナ・チュマチェンコはアメリカで生まれている。
カテリーナの両親は1956年にアメリカへ移住、61年に本人はシカゴで生まれ、87年にはフロリダ州へ移り住んだ。その後、彼女は国務省へ入り、次官補の特別アシスタントを経験、ロナルド・レーガン政権ではホワイトハウス、ジョージ・H・W・ブッシュ政権では財務省で働いている。ウクライナが独立を宣言した後、米国ウクライナ基金の代表としてウクライナへ渡った。カテリーナがウクライナ国籍を取得したのは2005年、ヤヌコビッチが当選した選挙の翌年だ。
オレンジ革命の最中、ユシチェンコの顔に異常が現れ、原因はダイオキシンだという話が広まった。ユシチェンコ側は2004年9月5日、イホル・スメシコ治安局長やウォロジミール・サチュク副局長と食事をしたときに毒を盛られたのだと言い張る。
この件に関し、イギリスやオランダの医師がダイオキシンが原因だと主張していたが、実際に治療したウィーンの病院で主任医療部長だったロタール・ビッケはそうした説を否定している。2度診察したが、毒を盛られた証拠は見つからなかったという。
ビッケによると、病院の監督委員会から文書で主張を撤回するように要求された。しかも英語なまりの人物から電話があり、「気をつけろ、おまえの命は危険にさらされている」と脅迫されたと語っている。その後、ビッケは病院を解雇された。
2009年にはスイスとウクライナの研究者がユシチェンコの血清から通常の5万倍のTCDD(ダイオキシンの一種で、ベトナム戦争でアメリカ軍が使った枯れ葉剤の中にも含まれていた)を検出したとランセットで発表したが、最初からこれだけのダイオキシンが含まれていれば、すぐにわかったはずだ。
結局、ユシチェンコが大統領に就任するが、新自由主義に基づく政策を推進、ボリス・エリツィン時代のロシアと同じように一部の人間が不公正な手段で資産を形成し、庶民は貧困化した。そこでヤヌコビッチは2010年の大統領選挙で当選。再びアメリカ政府はヤヌコビッチを排除しようとする。今度はネオ・ナチを使い、クーデターで倒した。
2013年11月からキエフのユーロマイダン(ユーロ広場、元の独立広場)で抗議集会が始まるが、当初は「カーニバル」的なイベントにすぎず、問題はないように見えた。様相が一変するのは年明け後。ネオ・ナチが前面に出てきたのだ。
ネオ・ナチのメンバーはチェーン、ナイフ、棍棒を手に石や火炎瓶を投げ、トラクターやトラックを持ち出してくる。ピストルやライフルを撃っている様子を撮影した映像がインターネット上に流れた。
ユーロマイダンでは2月中旬から無差別の狙撃が始まり、抗議活動の参加者も警官隊も狙われた。西側ではこの狙撃はヤヌコビッチ政権が実行したと宣伝されたが、2月25日にキエフ入りして事態を調べたエストニアのウルマス・パエト外相はその翌日、逆のことを報告している。バイデン政権を後ろ盾とするネオ・ナチが周辺国の兵士の協力を得て実行したということだ。
7割以上の有権者がヤヌコビッチを支持していたウクライナの東部や南部では反クーデターの機運が高まり、クーデターから間もない3月16日にはクリミアでロシアへの加盟の是非を問う住民投票が実施された。投票率は80%を超え、95%以上が賛成する。
その一方、オデッサでは反クーデター派の住民がネオ・ナチに虐殺される。そうした中、5月11日にドネツクとルガンスクでも住民投票が実施された。ドネツクは自治を、またルガンスクは独立の是非が問われたのだが、ドネツクでは89%が自治に賛成(投票率75%)、ルガンスクでは96%が独立に賛成(投票率75%)している。この結果を受けて両地域の住民はロシア政府の支援を求めたが、ロシア政府は動かない。そして戦闘が始まった。クリミアやドンバス(ドネツクとルガンスク)を制圧できなかったのはアメリカ/NATOにとって大きな誤算だった。
アルゼンチンの新大統領、ミレイはアメリカとの関係緊密化を主張、ロシアと敵対する姿勢を見せている。ネオコンがロシアと同じように敵視している中国との関係も悪化させる政策を進めると見られている。
ロシアと中国を中核とするBRICSにアルゼンチンは参加する予定だったが、ミレイの勝利を受け、BRICSへの加盟申請を取り下げた。自国の通貨を放棄、ドル体制に入るつもりのようだが、すでにドルは崩壊し始めている。アルゼンチンに利権を持つブラックロック、そしてその背後の金融資本にとって、ロシアや中国とのビジネスが軌道に乗ることは悪夢だったと言われている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312160000/
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2024/05/20 (Mon) 09:29:22
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アルゼンチン映画「ルイーサ」:地下鉄を舞台にした弱者の仕事ぶり
続壺齋閑話 (2024年5月20日 08:17)
https://blog2.hix05.com/2024/05/post-7821.html#more
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2008年のアルゼンチン映画「ルイーサ(Luisa ゴンサロ・カルサーダ監督)」は、孤独な初老の女の悲惨な暮らしぶりを描いた作品。ブエノス・アイレスの地下鉄を舞台に、押し売りや乞食のまねをしながら、必死に生きようとする老女の姿が印象的な作品だ。こういう映画を見せられると、アルゼンチンは厳しい格差社会であり、白人といえども、いったん転落するとなかなか浮かび上がることができない過酷な社会だと思わせられる。
猫と一緒にブエノス・アイレスのアパートで暮らしながら、霊園管理の仕事とメードの仕事をかけもって生活している初老の女が主人公だ。その猫が死んでしまい、また、二つの仕事もクビになってしまった老女は、とりあえず猫の葬式をやりたいと思うのだが、金がない。雇い主たちは、退職金をくれないばかりか、給料まで未払いだったのだ。そこで老女は、金をかせぐためにさまざまな苦労をする。とはいえ、彼女は長い間職場とアパートとの間をバスで往復するだけの生活になれ、都会で生きるために必要な知識を持ち合わせていないのだった。何しろ地下鉄の乗り方も知らないのだ。だが、なんとか努力して、町の中を一人で歩けるようになると、手っ取り早く金を稼げる道をさぐる。最初は、地下鉄の社内でカードを押し売りする仕事をするが、これが全くうまくいかない。誰からも相手にしてもらえないのだ。
そのうち、地下鉄駅のホームで乞食の様子をうかがっていると、結構いい稼ぎをしているのに気づく。アルゼンチンの市民は、押し売りには冷たくても、身体に障害のある乞食には慈悲深いようなのだ。そこで老女は、その乞食のいた場所を横取りし、自分が布施をもらうようにすると、結構実入りがよいのに満足する。前にいた乞食が抗議すると、ではコンビを込んで一緒に仕事をしようと持ちかける。男のほうは脚がないことを売り物にしているので、老女は盲目を売りものにすることを考える。
かくして夫婦を装った二人は、 なんとか二人仲良く生きていく道を見つけるというような内容だ。小銭ができた老女は、長い間冷凍庫に保存していた猫の遺体を焼却し、その灰を、自分の夫と子供の墓の傍らに埋めてやるのだ。
こんなわけで、アルゼンチン社会が弱者にとって生きにくい社会であることを徹底的に皮肉っている。この映画は、ブエノス・アイレスの地下鉄会社が事業PRのために実施したキャンペーン事業に応募した脚本を映画化したものだ。地下鉄会社としては、地下鉄が弱者のために役立っているよう描かれていることに満悦したのかもしれない。
https://blog2.hix05.com/2024/05/post-7821.html#more
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2024/05/20 (Mon) 20:40:35
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ドラッケンミラー氏、やはりアルゼンチンのミレイ大統領が好きだった
2024年5月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48779
ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを長年運用していたことで有名なスタンレー・ドラッケンミラー氏が、CNBCのインタビューでアルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領について語っている。
自由市場を支持する政治家
2024年はアメリカにとって大統領選挙の年であり、民主党と共和党の候補にはそれぞれバイデン氏とトランプ氏が決まっている。
しかしドラッケンミラー氏にとってはどちらも財政赤字を増やしてインフレを実現した政治家である。だから彼は次のように言っている。
わたしが支持する候補者はいない。わたしは自由市場と移民に賛成し関税に反対する、レーガンの時代の昔ながらの共和党支持者だ。
だが世界に1人だけドラッケンミラー氏の眼鏡にかなう政治家がいるらしい。彼は次のように続けている。
世界で自由市場を支持するリーダーは、奇妙なことにアルゼンチンに1人だけ居る。ハビエル・ミレイ氏だ。
アルゼンチン大統領ハビエル・ミレイ氏
ここでは何度か紹介しているが、アルゼンチン大統領に選ばれたミレイ氏は、政治家が恣意的な資金配分を行なう財政出動は経済を悪化させると考えるオーストリア学派の経済学者で、そうだろうとは思っていたがドラッケンミラー氏と話が合うらしい。
アルゼンチン国民がそのような政治家らしくない人物を大統領に選ぶことになった経緯については以下の記事で説明している。
アルゼンチン、緩和のやり過ぎで自国通貨を廃止する破目に
アルゼンチンは緩和のやり過ぎで年140%ものインフレになったので、政治家が自分の都合で紙幣印刷を出来ないように自国通貨を廃止して代わりにドルを採用すると主張したミレイ氏が選ばれたのである。
ドラッケンミラー氏から見たミレイ氏
ドラッケンミラー氏はミレイ氏の政策をどのように見ているのだろうか。彼は次のように述べている。
彼の政策は興味深い実験になる。彼は非常に知的なリーダーで、オーストリア学派の経済学を教えていた人物だ。
ドラッケンミラー氏は政治家が自分の票田に資金を撒くためにインフレを引き起こしたと考えているので、ミレイ氏を好むのも当然だろう。
実際、ミレイ氏は就任早々政治家のポストを失くした。「お前の席ねえから」ということである。
新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する
政治家は不要だというオーストリア学派の考えを地で行く人物である。
また、ドラッケンミラー氏は次のように述べている。
わたしが前に年金について語っていたことを覚えているだろうか。
ドラッケンミラー氏はアメリカの年金を持続不可能なものと切り捨て、どうせ給付を減らさなければならないなら今の若者が老人になってから減らすのではなく、今の段階でもう給付を減らすべきだと主張していた。
ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
だがアメリカにも日本にもそれが出来る政治家がいない。だがアルゼンチンには居た。ドラッケンミラー氏は次のように述べている。
ミレイ氏は就任後に社会保障費を35%も削減した。プライマリーバランスの赤字はGDPの4、5%から3%の黒字になった。
GDPは大きく打撃を受け、3ヶ月の不況になったが、支持率は下がっていない。
彼は非常に知的で経済学を知っているだけでなく、ショーマンでもある。人々は彼の演じる大統領を好んでいるので、彼は今のところ民衆の支持を維持できている。
結論
アルゼンチンでは政治家が国民から徴税して自由に自分の票田に配るビジネスをする世界が終わろうとしている。
ミレイ氏はかなり頑張っているが、既得権益層の反発はかなり大きく、例えば彼の緊縮財政に対抗して労働組合がストライキを実行したが、労働者からはストで働けなくなれば収入が得られなくなるなどの否定的な声が上がっているという。
オーストリア学派の天才経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が『貨幣論集』で語っていた以下のコメントが思い出される。
ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。
インフレ政策は経済成長の前借りなので、インフレを止め始めると不況は免れられない。
ミレイ氏は何処まで信念を通すことが出来るだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48779
ミレイ大統領: 政府主導の経済が自由市場の経済に勝てない経済学的証拠
2024年5月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48815
2024年1月の世界経済フォーラム(通称ダボス会議)から、アルゼンチンの大統領でありオーストリア学派の経済学者でもあるハビエル・ミレイ氏の演説を紹介したい。
アルゼンチンのミレイ大統領
前回の記事では、政府による補助金や寄付金が国民に対する不当な資本移動になっていると批判するファンドマネージャーのスタンレー・ドラッケンミラー氏がアルゼンチンのミレイ大統領を賞賛していた。
ドラッケンミラー氏、やはりアルゼンチンのミレイ大統領が好きだった
何故ならば、ミレイ氏は過去の緩和政策によって100%を越えるインフレとなったアルゼンチンで、政治家による勝手な政府債務の増加と財政支出を止めるために選ばれた大統領だからである。
新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する
ミレイ氏はオーストリア学派の経済学者だが、オーストリア学派では財政支出は無駄な公共事業を積み上げるだけで国民の幸福には繋がらず、生産性向上のためには民間セクターにおけるイノベーションと努力が必要だと考える。
ハイエク氏: 金融緩和でデフレを防ごうとすれば経済は悪化する
ミレイ氏の経済学的論証
ミレイ氏はそれを論証するために経済統計を持ち出す。
彼は次のように述べている。
西暦元年から1800年ほどまでの間、世界の1人当たりGDPは期間を通して変化しませんでした。
人類の経済成長のグラフを振り返れば、それはホッケーのスティックのような指数関数的なグラフで、期間の90%はほとんど変わらないまま留まり、19世紀になって初めて指数関数的な上昇を見せ始めるのです。
停滞の期間における唯一の例外は15世紀後半のアメリカ大陸発見です。
ミレイ氏が語るのは世界の1人当たりGDPの成長の歴史である。指数関数的なグラフとは、最初はほとんど上昇を見せないが、途中から物凄い勢いで上がってゆくグラフのことである。
驚くべきことだが、19世紀になるまで世界の経済成長は極めて緩慢だった。より詳しくは次の通りである。
西暦元年から1800年までの1人当たりGDP成長率は0.02%ほどで安定しています。ほぼ無成長だということです。
厳密には今の成長率と比べると無成長に見えると言うべきなのだろう。昔にも多少のイノベーションは積み重ねられてきたのだろうが、今のイノベーションと比べると僅かということになってしまう。
産業革命と1人当たりGDP
だが19世紀にはそれが変わる。19世紀に何が起こったか。産業革命である。
ミレイ氏は次のように続ける。
19世紀の産業革命からは成長率が年率で0.66%になります。
1900年から1950年までの期間では、成長率は年率1.66%に加速しました。
ここから現代的な成長率へと変わってゆく。
産業革命以降は大量生産の時代である。大量生産ということは、単に金銭的に豊かになるというだけの話ではなく、より多くの人にものが届けられるということである。
そしてそのトレンドはまだ加速している。ミレイ氏は次のように続ける。
1950年から2000年では、成長率は2.1%になっています。
このトレンドは止まるどころか今でも続いています。2000年から2023年までの期間では、成長率は年率3%に更に加速しました。
結論
だからミレイ氏は、特に政府が支出を増やすべきだと主張し、自由市場を批判し政府の経済介入を支持する左派の人々の向けて次のように言う。
結論は明らかです。自由市場と資本主義という経済システムは、社会の問題の原因であるどころか、地球上の飢餓と貧困を終わらせるための唯一の手段なのです。
これは政府が大きく徴税し大きく支出する「大きな政府」と、それを最小限にする「小さな政府」の問題である。
「大きな政府」は日本の自民党やアメリカの民主党であり、小さな政府はほとんど存在しないが今のアルゼンチン政府か、あるいはスイス政府くらいだろうか。
「大きな政府」はお金が費やされる先を消費者ではなく政治家が決定するという意味で本質的には共産主義である。レイ・ダリオ氏なども、先進国のほとんどが多額の財政支出をしている状況を共産主義的と呼んでいた。
世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
「大きな政府」の問題を指摘するには共産主義国の失敗を指摘するだけで十分である。だが経済学者のミレイ氏は経済の歴史を振り返り、資本主義の時代とそれ以外では経済成長がまったく違うことを示した。
日本の自民党やアメリカの民主党のような、ムラの権力者が財政を勝手に決めるようなムラ社会は太古の昔からあったはずだ。だがそれでは経済成長は0.02%のままだった。「大きな政府」も共産主義も、その時代の経済成長に戻すことを意味しているのである。
それは人々に貧困で しねと言っているのと同じである。だが日本の自民党やアメリカの民主党のような左派(誤植ではない)の人々は、人々を経済停滞から救うためには財政支出しかないと言う。
面白い冗談ではないか。東京五輪や大阪万博がインフレと円安で苦しむ市民をどう助けるのか見てみたいものである。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だがミレイ氏の議論は本当に政治家のものとは思えない。本職の経済学者なのだから当たり前なのだが。米国の財務長官を務めた経済学者ラリー・サマーズ氏(彼は左派である)の他に、政治の世界に関われるまともな経済学者という稀有な人材が出てしまった。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48815
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2024/05/20 (Mon) 20:41:30
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ミレイ大統領: 政府は国民への納税の強要によって成り立っている
2024年5月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48905
引き続き、アルゼンチン大統領でオーストリア学派の経済学者であるハビエル・ミレイ氏の今年1月の世界経済フォーラム(ダボス会議)における演説を紹介したい。
政治家が、しかも一国の大統領がこれを言ってしまえるというのが凄いところである。
財政支出は倫理的か
緩和政策のやり過ぎによって物価が高騰し通貨が暴落したアルゼンチンにおいて、政治家による無駄な支出を消し去るために大統領に就任したミレイ氏は、前回の記事で政府支出の少ない「小さな政府」は、支出の多い「大きな政府」に勝ると主張していた。
ミレイ大統領: 政府主導の経済が自由市場の経済に勝てない経済学的証拠
だが財政支出は一般的に「誰かのため」という名目で行われる。年金問題に関しても、明らかに今の若い世代が老人になった時の資金は残っていないにもかかわらず、今の老人世代への給付が減らされないのは「お年寄りのため」というわけだ。
ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
だからミレイ氏は次のように言う。
左派の人々は倫理的な理由を持ち出して資本主義を攻撃します。彼らによれば資本主義は不公平だそうです。資本主義は個人主義なので悪であり、全体主義は利他主義なので善だそうです。それは他人の金で行なう利他主義なのですが。
年金問題であれば政府支出の問題点を理解する人々でも、他の問題ならどうだろうか。震災が起きた場合の被災地の支援であればどうだろうか。
被災地を助けるのは良いことだ。だが問題は、その資金の出処である。被災地を助けたい人が居たとして、その人が自分の金で被災地を助けるのであれば何の問題もない。本来、本当に心優しい人々はそうするだろう。だが多くの人々は何故か政府の金で被災地を助けることを要求する。そして政府の金は徴税によってファンディングされているので、それはつまり他人の金である。
しかも日本の自民党のように、被災地支援が被災地への旅行支援という意味不明の政策(困っていない地域だけが旅行者を受け入れられる)によって行われているのを目にするとき、刑務所に放り込むという脅しによって強制的に徴収された税金がそのような使われ方をされていることに同意する人が果たしてどれくらい居るだろうか。
徴税とは強制的な資産の奪取である
だからミレイ氏は次のように言う。
問題は、彼らの言う社会的公平が全然公平ではなく、しかも社会全体の福祉に貢献しないことです。
真実はその真逆で、全体主義による社会的公平は本質的に不公平な考えです。それは暴力によるものだからです。
それは公平ではありません。その資金は徴税によって強制的に集めなければならないからです。それとも国民は自主的に喜んで税金を払っているでしょうか?
税金と政府支出とは、政治家が本人の許可を得ずその人の資金を勝手に他の人のところへ移し替えることである。そしてその資金が誰に移し替えられるかは、政治家によって恣意的に決定される。
同じオーストリア学派の大経済学者であるフリードリヒ・フォン・ハイエク氏は、著書『貨幣発行自由化論』において、それをはっきり窃盗だと言っている。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だからミレイ氏は次のように言う。
要するに国家というものは強要によってファイナンスされています。そして徴税が重いほど強要が大きく、少ないほど国民が自由だということなのです。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/48905
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7:777
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2024/12/22 (Sun) 19:13:08
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アルゼンチン経済 奇跡の復活へ アルゼンチンのトランプ ミレイ大統領の経済政策【朝香豊の日本再興チャンネル】
朝香豊の日本再興チャンネル 2024/12/22
https://www.youtube.com/watch?v=iBw4LMTkhjk
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8:777
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2024/12/26 (Thu) 21:03:59
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ミレイ大統領: トランプ政権は限界まで政府支出を削れ
2024年12月26日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57557
アルゼンチンのハビエル・ミレイ大統領がレックス・フリードマン氏の動画配信で、アメリカの新トランプ政権に対して助言を送っている。
ハイパーインフレを退治した大統領
アルゼンチンのミレイ大統領は、アルゼンチンが200%を超えるハイパーインフレに襲われている中で当選し、インフレ率を2.7%にまで押し下げた傑物である。
ミレイ氏はそれをどうやってやったか? 政府支出を極限まで押し下げたのである。ミレイ氏が当選して最初にやったのは閣僚の数を半分にすることだった。
新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する
それはインフレを引き起こしたインフレ政策を討ち滅ぼすことだった。
更にはミレイ大統領は最近、税金の9割を廃止し、最高でも6種類の税金だけを残すことを表明した。これは税額の話ではなく、税金の種類の話である。税制を簡素化することで煩雑な事務手続きを撤廃し、政府の支出を極限まで減らそうというわけである。
ミレイ氏は本気だ。無駄な政府支出を切り落とし、ハイパーインフレを退治した上に、IMFは2025年のアルゼンチンの経済成長率を5%と見積もっている。
ミレイ氏は政府の経済への介入を悪と見なすオーストリア学派の経済学者であり、自分の学説を自分の経済政策で証明したわけである。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
ミレイ大統領: 政府は国民への納税の強要によって成り立っている
トランプ政権とミレイ大統領
さて、トランプ政権は今、アメリカのインフレを悪化させずに経済成長を実現させるという難事業を強いられている。
大統領選挙後のトランプ氏、インフレを起こさずに株価上昇を引き起こす余地があるか?
そんなトランプ政権にとってインフレを退治して経済成長を実現したミレイ氏は師のような存在である。トランプ氏から政府効率化省(DOGE)の設立を任じられたイーロン・マスク氏とヴィヴェック・ラマスワミ氏はミレイ氏の改革を賞賛している。
マスク氏とミレイ氏はTwitter上でよく交流しており、4月にはテキサス州のTeslaの工場で顔を合わせている。
政策でトランプ政権の先を行くミレイ氏はトランプ氏について何と言っているか。
ミレイ氏は先ずトランプ氏はリベラル派の価値観に抵抗していることを称賛し、次のように述べている。
トランプ大統領についてわたしが尊敬することがいくつかある。
トランプ氏は現在行われている文化的な闘いの本質を理解している。トランプ氏は社会主義に反対することを公言している。彼の主張は公に社会主義を敵としている。彼はリベラル派のウィルスを理解しており、その本質を理解していることは大きな価値をもつ。
ミレイ氏はよほどのリベラル嫌いらしい。それは彼の経済学上の信念と結びついている。オーストリア学派の経済学では、公共事業や政府による規制には何の倫理的根拠もないからである。それは他人から金や権限を盗んで自分(あるいは自分の票田)の政治的目的のために自由に使うことである。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
彼らは「貧しい人々に補助金を与えずに放置するのか」と言うだろうが、その資金源は常に他人の財布である。自分の金でやれば誰も文句を言わないのだが。
トランプ政権は政府支出を削減できるか
さて、より重要なのは、トランプ政権がミレイ大統領のように、政府支出を削減した上で経済成長を実現できるかどうかである。
ミレイ氏は自分の友人でもあるマスク氏ら政府効率化省の職員に対して次の言葉を送っている。
限界まで支出を削減することだ。限界までだ。たったそれだけだ。
わたしの助言は最後までやり切ることだ。限界まで削減する。決して諦めてはならない。油断するな。
本当に限界まで支出を削減し、ハイパーインフレのアルゼンチンを財政黒字にしてしまったミレイ氏の言うことは違う。
だがミレイ氏と同じことがマスク氏らに出来るだろうか。アルゼンチンでは、ハイパーインフレという状況がミレイ氏の過激な経済政策に政治的な支持を与えた。
アメリカの大統領選挙ではトランプ氏と共和党は勝利したとはいえ、ミレイ氏と同じくらい過激なことが出来るだろうか。財務長官を任せられているスコット・ベッセント氏の支出削減に関する言葉はやや歯切れが悪い。
ベッセント氏: 米国の債務問題にはアメリカの覇権がかかっている
ミレイ氏もマスメディアなどの強烈な抵抗に遭ったように(ミレイ氏は「彼らはわたしの愛犬までも標的にする」と言っている)、もしマスク氏らが本気であらゆる政府支出を削減しようとすれば、あらゆる抵抗に直面するだろう。
だがミレイ氏は次のように言っている。
政府支出を削減する主義主張には決して政治的な目的はない。何故ならば、最後には自分の権力も破棄してしまうからだ。
もちろん不満を言う人々もいるが、それは特権を失う人々だ。彼らは何故自分たちがそういう特権を持つべきなのかを説明しなければならなくなる。そしてそれは彼らにとって気まずい状況だ。
興味深いのは、日本で自民党が多少その立場に置かれ始めていることだ。国民民主党が減税を主張し、自民党がそれに反対する度に自民党は自分の腹の中をさらけ出さなければならなくなっている。
だが国民民主党も減税は公約にしているが、支出の削減は公約にしていない。それが日本とアルゼンチンの大きな差である。
結局、アルゼンチンが緊縮財政に耐えられたのは、ハイパーインフレとどちらが良いかという現実を突きつけられたからである。
日本人もハイパーインフレを突きつけられるまで、同じ道を選ぶことは出来ないのだろうか。
レイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で解説している通り、歴史上の多くの国はそのシナリオを辿っている。日本はどうなるだろうか。日本人の賢明さが問われている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57557
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9:777
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2024/12/28 (Sat) 07:09:39
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ミレイ大統領: 自由と財産の権利を擁護し暴力に反対するならば政府はなくなる
2024年12月27日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57587
アルゼンチンをハイパーインフレから救った大統領であり、オーストリア学派の経済学者でもあるハビエル・ミレイ氏が、レックス・フリードマン氏のインタビューで自身の経済学的信念について語っている。
ハイパーインフレを打ち砕いたミレイ氏
アメリカでは新トランプ政権が政府効率化省を設立してイーロン・マスク氏をトップに据え、政府の無駄を削減し財政赤字の問題を解決しようとしている。
サマーズ氏: アメリカは財政赤字増加による軍事力減少で大英帝国の衰退に近づいている
だが世界にはそれを既に成し遂げている政治家がいる。マスク氏の友人でもあるミレイ氏である。
ミレイ氏は200%を超えるハイパーインフレとなっていたアルゼンチンで、それまでのインフレ政策を一層し政府支出を極限まで抑えることで、インフレ率を年率2%台にまで抑えた上で2025年には5%の経済成長率を達成すると予想されている。
これまでの政治家は政府支出を増やすことでGDPを増やすと標榜し、無駄な公共事業と政府債務を積み上げてきたのに、ミレイ氏は政府支出を削減することで経済成長を実現しようとしている。
ミレイ氏の経済思想
ミレイ氏はどういう考えのもとそれを行なっているのか? 例えば東京五輪やGO TOトラベルのように、政治家が行なう政府支出は経済改善のためではなく自分と票田を潤すためのものであり、それが無い方が経済はよく回るというのは、経済学者でもあるミレイ氏が信じるオーストリア学派の経済学の基本的信条でもある。
例えばオーストリア学派の代表的な経済学者であるフリードリヒ・フォン・ハイエク氏は無制限の政府支出の根幹にあるのは政府の通貨発行権だとして、通貨発行を民間にも許し政府の通貨と競争させるべきだと著書『貨幣発行自由化論』で主張している。
ハイエク氏: 通貨を政府がコントロールしなければならないというのは根拠のない幻想
だがミレイ氏自身はどう考えているか。彼は次のように述べている。
厳密に言えばわたしは無政府資本主義者だ。わたしは政府を軽蔑している。暴力を軽蔑している。
わたしはリベラリズムの定義として、アルベルト・ベネガス・リンチ氏の定義を取り上げたい。それはジョン・ロックによる定義とほぼ同じものだ。それは「リベラリズムとは人の生活と自由と財産の権利を擁護し、他者を侵害しない原則に基づき、他人の生活上の活動を無限に尊重することである」というものだ。
政治や経済の記事を普段から読んでいる読者は「リベラリズムとはそういうものだったか?」と思ったに違いない。だがミレイ氏の言うように、リベラリズム(自由主義)の本来の定義はこちらなのである。自由を擁護し、政府による政治家都合の税制や規制を悪とみなす。
しかしここ数十年の変化によっていつの間にかこの言葉は、SDGsなどの奇妙な政治的イデオロギーを持った一部の人々が政府を通してその考えを他人に強要するためのものに変わってしまった。
本当のリベラリズムとは
ミレイ氏は軽蔑の対象として政府と暴力を並べている。なぜこの2つが並ぶのか。それは、政府が人々が必ずしも同意していない資金の移動や規制を強制するからである。
ハイエク氏は、政治家による現金給付を他人から無許可に財産を取り上げて自分の票田にばらまくことだと主張していた。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
ミレイ氏は更に踏み込んで政府の本質は納税の強要だと述べたことがある。
ミレイ大統領: 政府は国民への納税の強要によって成り立っている
そしてこの強要は、究極的には警察という軍事力によって行われている。納税の強要に従わなければ武力で罰を与えるというわけである。だが政治家が誰かから資産を没収して勝手に他の誰かに与えることに何の正当性があるのか。
税制とは暴力である
だからミレイ氏の意見では、あなたが暴力に反対するとき、論理的には税制にも反対しなければならないのである。
ミレイ氏は次のように述べている。
この考えにたどり着いた時、あなたはもう既に事実上無政府資本主義者なのだとわたしは言いたい。
だがミレイ氏は本当に政府を完全になくしてしまおうとしているわけではない。ミレイ氏は次のように続けている。
この考えはわたしの理想の世界を表している。それは理想の世界なのだ。
だが現実には多くの制約がある。いくらかの制約は取り払える。いくらかは取り払えない。だから現実の世界では、わたしは最小国家主義者だ。政府の規模を最小化することを主張する。規制もできるだけ多く取り除く。
そしてミレイ氏はそれを実現した。トランプ政権の政府効率化省も、恐らくはミレイ氏の政策からの借用である。ミレイ氏は次のように述べている。
われわれには規制緩和省というものがあって、毎日1〜5個の規制を撤廃している。
結果どうなったか? 財政赤字を撒き散らしてハイパーインフレに陥っていたアルゼンチンは、ミレイ氏の政府支出の削減によって12年ぶりの財政黒字を達成している。
そして支出を減らしたにもかかわらずアルゼンチンは2025年に高い経済成長を実現しようとしている。
そして株価は大きく上がっている。アメリカに上場しているアルゼンチン株ETFは、2023年11月のミレイ氏の当選以来株価が倍に上がっている。
無駄を減らせば効率は良くなる。そういう当たり前のことをハイエク氏らオーストリア学派の経済学者はもう100年近く言い続けているのだが、これまで誰も耳を貸して来なかった。
だが世界がインフレになって始めて、 人々はインフレ政策に反対してきたオーストリア学派の言葉にようやく耳を貸そうとしている。やや遅いのではないか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57587
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10:777
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2024/12/29 (Sun) 04:56:32
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ミレイ大統領、インフレ政策を永遠に続けるとどうなるかを語る
2024年12月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57641
アルゼンチンのハイパーインフレを打倒した大統領でオーストリア学派の経済学者でもあるハビエル・ミレイ氏が、レックス・フリードマン氏のインタビューで大統領就任時のアルゼンチン経済の状況について語っている。
アルゼンチンのハイパーインフレ
ミレイ氏はアルゼンチンのハイパーインフレを終わらせるべく当選したアルゼンチンの大統領である。
オーストリア学派の経済学者でもあるミレイ氏は、政治家の野放図な財政支出がインフレと政府債務の悪化をもたらしていると批判し、インフレ政策を停止してハイパーインフレを終わらせると公約した。
ミレイ氏は大統領に就任した2023年12月のアルゼンチン経済の状況を次のように振り返っている。
われわれが政権入りした12月の第1週には、インフレは1日で1%上昇しており、それはつまり年率に換算すると3,700%になる。そして12月の半ばには年率7,500%まで上がっていた。
去年の12月、卸売価格のインフレは1日に54%だった。それは年率では17,000%ということになる。しかもアルゼンチン経済はそれまで10年成長していなかった。1人当たりGDPはおよそ15%下落していた。そして人口のほぼ半分が貧困状態にあった。
自国通貨がまったく信用できない途方もない状況である。それはミレイ氏以前の政治家たちが自分と自分の票田を利するために財政支出を続けたことで起こった。
ミレイ氏は次のように述べている。
より細かい議論に入れば、財政赤字はGDPのおよそ15%に達していた。そのうち5%は政府のもので、10%は中央銀行のものだった。
15%の財政赤字と言えば、アメリカがコロナ禍に一度達した水準である。
ハイパーインフレは先進国には起きないか
こうした現象は小国だけのもので、アメリカや日本などの先進国には無縁の現象なのだろうか。しかし実際にアメリカは15%の財政赤字を経験し、コロナ後に物価が高騰している。
アメリカのインフレはその後一度収まった。だがそのレベルの財政赤字が一時的ではなく恒常的なものになれば、インフレも当然恒常的なものになるだろう。それで多くの機関投資家がアメリカの財政赤字を気にしているのである。
だからアルゼンチンのハイパーインフレは小国だけの現象ではない。それどころかアルゼンチンは元々先進国で、1人当たりGDPも日本より高かったのである。それが政治家による政府支出で途上国に転落した。
実際、日本経済はアルゼンチン化している。アベノミクス以来、日本円の価値はほぼ半分に下落している。自国通貨の価値が半分になったというのははっきり言って暴落である。
つまり輸入物価は当時の2倍になっているのだが、日本国民は気にしていない。では4倍になれば気にするのだろうか。輸入物価の上昇はいずれ国内物価のインフレに繋がってゆく。
税金として徴収され東京五輪や大阪万博などに使われる金が国民の手元に残っていれば、国民はもっと好きなものが買えただろう。
アルゼンチンへの道のりは長いというだけの話で、日本経済は事実としてその方向に向かっている。単に日本国民がいつ気づくかという問題でしかないのである。
インフレ政策の結末
国の借金が増えると、中央銀行が国債を買い支えなければならなくなる。量的緩和である。
しかし量的緩和は自国通貨の下落という結果をもたらす。それで日本はここ数年、為替介入で円の価値を維持するということを繰り返している。
経済学者のラリー・サマーズ氏は、量的緩和で円を下落させながら為替介入で円を買い支えようとする日本政府を「1人綱引き」と皮肉っていた。
サマーズ氏: 日本政府はドル円で1人綱引きをしている (2022/10/10)
だが為替介入は保有する外貨を売り払って自国通貨を買い支えることである。だから外貨準備がどんどんなくなってゆく。
日本も外貨準備を削りながら為替介入を行なっている。その先には何があるか。ミレイ氏は自国通貨の買い支えを繰り返したアルゼンチン経済の末路を語っている。
中央銀行の外貨準備はマイナスで、その金額は120億ドルだった。
中央銀行は利払いのある借金を抱えていて、1日にマネタリーベースの4倍の債務が満期を迎えていた。それはつまり、1日でマネタリーベースを5倍にしなければならなかったという意味だ。
単純だ。為替介入をすれば外貨がなくなる。それを繰り返せば外貨準備はマイナスになる。日本は着実にアルゼンチンに向かっているが、一部の日本人は「為替介入はドルを利確しただけだ」などと喜んでいる。
ドルが80円の時にドルを買い入れて、自分で量的緩和をしてドル円が160円になったから喜んでいるのである。馬鹿ではないのか。それはドルの価値が上がったのではなく、円の価値が下がっただけである。日本政府の手元に残ったのは価値の変わっていないドルではなく、自分で刷った円だけである。本当に馬鹿ではないのか。
結論
だから日本経済は着実にアルゼンチンに向かっている。レイ・ダリオ氏が『世界秩序の変化に対処するための原則』で説明したように、国家が経済成長から政府債務の増加の段階に移り、最終的にはインフレと自国通貨の下落によって衰退してゆくというのが国の一生なのである。
アルゼンチンが特異だったのは、普通は200年ほどかかるその国家の一生を50年の間に経験したということだけだ。速度が違うだけであって本質は変わらない。
それでアルゼンチンはインフレ政策の終着点、つまりハイパーインフレまで早々と行ってしまったので、ようやくミレイ氏のようなまともな経済学者を大統領に選ぶことが出来たのである。アルゼンチン国民も流石にインフレ政策に懲りたというわけだ。
ミレイ氏は次のように言っている。
だから財政赤字を何としても終わらせなければならなかった。
そしてミレイ氏はそれを1年で実現してしまった。ミレイ氏はアメリカにも同じことをやれと言っている。
ミレイ大統領: トランプ政権は限界まで政府支出を削れ
トランプ政権はそれを実現できるだろうか。2025年が楽しみである。そして日本人はいつ気づくのだろうか。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57641
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11:777
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2024/12/31 (Tue) 06:05:15
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ミレイ大統領: 政府が紙幣印刷で価値を薄める通貨は他のまともな通貨との競争に晒されるべき
2024年12月30日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57736
引き続き、ハイパーインフレを打倒したアルゼンチンの大統領でオーストリア学派の経済学者であるハビエル・ミレイ氏の、レックス・フリードマン氏によるインタビューである。
ハイパーインフレを終わらせた大統領
ミレイ大統領はアルゼンチンのハイパーインフレを終わらせた大統領である。政治家による無駄な支出は容赦なく削減され、GDPの15%あった財政赤字はゼロになった。しかもアルゼンチンの2025年の経済成長率は5%と見積もられている。
だがミレイ氏の功績はインフレと財政赤字をなくしたことだけではない。政治家が自分と自分の票田のために財政支出を行う政策、すなわちインフレ政策の結果は、日本人も知っての通りインフレと財政赤字だけではないからである。
インフレ政策のもう1つの大きな結果は通貨安である。
日銀の植田総裁が円安を止められない理由
アルゼンチンペソ
前回の記事でミレイ氏はこう言っていた。
ミレイ大統領、政府支出を削減してハイパーインフレを打倒した方法を語る
財政の均衡を達成し、支出のために紙幣印刷をしなくても良い状態になると、債務の利払いなども払えるようになり、そうすると国債市場が再び機能し始めた。
財政がまともになると国債市場に投資家が戻ってくるようになり、高騰していた国債の金利が下がり始める。
そうすれば政府の利払い負担も減り、財政が更に改善するという好循環が始まる。
だが投資家が戻ってきたのはアルゼンチンの国債市場だけではない。為替市場も同じなのである。
ハイパーインフレの結果、当たり前だがアルゼンチンの通貨であるペソは暴落した。日本とまったく同じように、中央銀行による紙幣印刷が自国通貨安を引き起こしたのである。
ネイピア氏: 日本の政府債務は円安で解決される、円を空売りして日本株を買え
だが2024年のペソのパフォーマンスはどうか。高金利通貨のパフォーマンスは多少ややこしい。何故ならば、新興国の為替市場に慣れている人ならば分かると思うが、数十パーセントの金利を持つ通貨は、他の通貨に対してその分だけ為替レートが下落するのが普通だからである。20%の金利があれば、為替レートが20%下落してようやく他の通貨とイーブンなのである。
さて、アルゼンチン・ペソは米ドルに対し、2024年の年始からおよそ21%下落した。
だがペソの金利はハイパーインフレの改善とともに下落してきたとはいえ、2024年の間は126%から32%の間で推移している(書き間違えではなく、それが2024年のペソの金利である)。
だから、2024年にドルを持っていた人とペソを持っていた人を比べれば、為替レートの下落分を補って余りあるペソの金利によって、ペソの保有者の方が大幅に得をしているのである。
ミレイ氏の為替政策
ペソの下落は高金利による当然の下落分を下回っているので、つまり2024年のペソ相場は強かったのである。ミレイ大統領がいなければジンバブエドルに並ぶ紙切れになりかかってたアルゼンチンペソに、投資家の資金が戻ってきている。
だがミレイ氏は、2023年の選挙戦では紙切れになりかかっていたペソに代わってドルをアルゼンチンの公定通貨にすると主張して話題になった。
ミレイ氏は今ではペソについてどう考えているのか。ミレイ氏は次のように述べている。
わたしの発言を再検証してもらえば分かるが、わたしは通貨同士の競争の話をしたのであって、ドルを公定通貨にしなければならないと言ったわけではない。
わたしの論点は通貨同士の競争と中央銀行の廃止だ。
繰り返すが、ミレイ氏はオーストリア学派の経済学者である。そしてオーストリア学派の経済学の一番有名な特徴は、中央銀行による通貨発行権の独占を批判していることである。
例えばコロナ後の物価高騰を引き起こした直接の原因は、現金給付である。だがジョン・ポールソン氏が言うように、中央銀行による紙幣印刷、つまり量的緩和がなければ、無一文の先進国政府には現金給付は出来なかった。
ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした (2023/2/24)
だから現金給付のようなインフレ政策の根本原因は中央銀行とその紙幣印刷なのである。
オーストリア学派と通貨発行権
だからミレイ氏を含むオーストリア学派の経済学者は、通貨の発行を政府と中央銀行が独占している状態を批判する。それこそがインフレの根源だからである。
しかし、例えば17世紀にヨーロッパで中央銀行という概念が誕生する前の世界でそうだったように、民間のあらゆる銀行が自分自身の通貨を発行するようになればどうか。
ある銀行の通貨は紙幣印刷によって価値が毎年下落しており、別の銀行の通貨は発行量の厳格な管理によって価値が安定しているとする。人々はどちらの通貨で貯金をしたいと思うだろうか?
ミレイ氏を含むオーストリア学派の経済学者が主張するのは、政府の発行する通貨も経済内に流通するあらゆる商品と同じように競争にさらすべきだということなのである。
そうすれば、中央銀行が政治家の都合で紙幣印刷を行い、国民は全員その通貨を持っているので国民全体が犠牲になるということもなくなる。中央銀行は数ある銀行の1つに過ぎなくなる。
オーストリア学派の代表的な経済学者であるフリードリヒ・フォン・ハイエク氏は、『貨幣発行自由化論』で次のように書いている。
通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。
アルゼンチンと通貨の競争
ミレイ氏も、ハイエク氏らの議論を継承しているようである。ミレイ氏は次のように言っている。
現在、アルゼンチンには通貨同士の競争がある。現在のアルゼンチンではどんな通貨でも決済できる。
それは単に法的に許されているという話ではない。アルゼンチンではミレイ氏の主導により、大手銀行がペソでもドルでも決済できるデビットカードが発行しようとしている。
だから国民はペソとドルを両方自由に使うことができる。ミレイ氏は、政府の発行する通貨を別の通貨との競争にさらすというオーストリア学派の理念を1つ実現しようとしているわけである。
ミレイ氏は次のように言っている。
国民が最終的にドルを選んだとすれば、それはそれで彼らの選択だ。
だがミレイ氏は国民にドルの使用を強制しているわけではない。国民がどちらでも好きな方を選べる環境を作っているだけだ。
ただ一方で、ミレイ氏の最終的な目標は中央銀行の廃止らしい。政府支出を増やすために自由に紙幣を印刷したいという願望がない政治家にとっては、中央銀行は別に利益のない組織だからである。
政治家が中央銀行の通貨発行独占を擁護するのは、自分の意志で紙幣を印刷し、国民の持っている通貨の価値を薄めたいからである。
そういう願望のないオーストリア学派の経済学者には、中央銀行は無用の長物である。
ハイエク氏: 通貨を政府がコントロールしなければならないというのは根拠のない幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/57736