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米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由

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2023/10/28 (Sat) 07:01:57

2023.10.28XML
米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310270001/

 イスラエルはアメリカの戦略において、これまで以上に重要な位置を占めている。ガザやヨルダン川西岸に住むパレスチナ人がこれまで以上に邪魔な存在になったということだ。

 アメリカのバラク・オバマ政権がネオ・ナチを使ったクーデターでウクライナのビクトル・ヤヌコビッチ大統領を排除した翌年、ロシアのウラジミル・プーチン大統領は中国のBRI(一帯一路)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結し、多極的な関係を築くと宣言している。

 ロシアは9月10日から13日にかけてウラジオストクでEEF(東方経済フォーラム)を開催、今年は朝鮮の金正恩労働党委員長も出席したが、その直前の9月8日、ニューデリーでG20サミットが開かれている。その席上、インドのナレンドラ・モディ首相はIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表した。





 IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルートだ。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたという。インドは以前からイスラエルやサウジアラビアとの関係を強化、サウジアラビアもイスラエルに接近していた。アメリカの属国と化したヨーロッパを繋ぎ止めるため、ヨーロッパと西アジアをつなぐわけだ。その中核になるのがイスラエルにほかならない。

 イスラエルはパレスチナ人を隔離するため、ガザを収容所にしたが、そのガザ沖に天然ガス田が存在することは以前から知られていた。その利権をイスラエルやアメリカは奪おうとしている。





 1995年9月、イスラエルのイツァク・ラビン首相とPLOのヤセル・アラファト議長が「オスロ2合意(ヨルダン川西岸地区とガザ地区に関する暫定合意)」に調印、それによってパレスチナ自治政府に海岸から20海里までの海域の海洋管轄権を与えた。

 パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結び、その年に大規模なガス田を発見したのだが、パレスチナ人は何の利益も得ていない。

 2006年にガザで行われた選挙でハマスが勝利した後、イスラエルの首相だったアリエル・シャロンの顧問、ドブ・ワイスグラスはガザを兵糧攻めにすることを決める。それまでもガザはイスラエルに支配されていたのだが、2007年以降、弾圧の度合いは格段に強まった。そしてイスラエルはガザ沖の天然ガスの支配権を確立する。

 ハマス(イスラム抵抗運動)は1987年12月、シーク・アーメド・ヤシンによって創設された。ヤシンはムスリム同胞団の一員としてパレスチナで活動していた人物だが、シン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下、ムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を1973年に創設、76年にはイスラム協会を設立。このイスラム協会の軍事部門として1987年に登場してくるのがハマスである。

 イスラエルがハマスの創設に深く関与しているわけだが、その理由はPLO(パレスチナ解放機構)の中心的な組織、ファタハ(パレスチナ民族解放運動)を率いるヤセル・アラファトを抑え込むためだった。アラファトのライバルを育て、内部対立させることで運動を弱体化させようとしたのだ。

 イスラエルは2004年3月にヤシンを殺害、その年の11月にはアラファトも死亡した。アラファトは毒殺された可能性が高い。アラファトが死んでからPLOの影響力は大きく低下、ハマスが主導権を握った。

 イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表したのは2010年。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストだった。

 オバマ政権はこの地域でムスリム同胞団やサラフィ主義者(ワッハーブ主義者やタクフィール主義者と渾然一体)を使って2010年の終盤から始められた「アラブの春」。その工作は2010年8月にPSD(大統領研究指針)11を承認したところから始まる。その3カ月後にはイギリスとフランスはランカスター・ハウス条約を締結。この地域に親イスラエル国が誕生させることになっていたようだ。

 欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、1991年に国防次官だったポール・ウォルフォウィッツはイラク、イラン、シリアを殲滅すると口にし、9/11から10日ほど後には統合参謀本部で見た攻撃予定国のリストにイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。(​3月​、​10月​)

 アメリカ/NATO/イスラエルはガザを建物を破壊、住民を虐殺し、残った人びとをエジプトへ追い出そうとしていたが、エジプト政府が思い通りに動かなかったようだ。パレスチナ人もガザから離れることを拒否した。

 彼らは民族浄化を済ませた後、シリア、レバノン、イランを破壊するつもりだったのかもしれないが、ガザに対する攻撃に対する怒りは世界で高まり、イスラエルを支えている日米欧の支配者は厳しい状況に陥った。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310270001/
2:777 :

2023/10/28 (Sat) 07:04:24

パレスチナ問題は米英帝国主義と旧約聖書カルトが生み出した
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16824368

ハマスはモサドが作り、支援している似非テロ組織
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14154285

ハマスによるイスラエル総攻撃、その前にイスラエルがやった事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14153380

【そうきチャンネル】『どうするネタニヤフ?』・ハマスを育てたイスラエル 日米近現代史研究家 渡辺 惣樹(わたなべ そうき)
https://www.youtube.com/watch?v=zdDA1nA6VGg

【そうきチャンネル】『ガザ沖ガス田強奪作戦』・イスラエル・ハマス紛争の肝 
https://www.youtube.com/watch?v=ozFrx7YEKnY

米英支配層は世界をガザにしようとしている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310220000/

シオニストはパレスチナ人を「人間獣」と考え、ガザで民族浄化を目論んでいる
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310200000/

ハマスはイスラエルがPLOのアラファト対策で創設した武装組織
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310110000/

ネオコンのプロパガンダを真似て偽情報を流すイスラエルのネタニヤフ政権
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310130000/

ガザで迷走するネタニヤフとバイデン
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310190000/

右翼・左翼の対立を使った分割統治政策 _ 左翼運動・マルクス主義運動は国際金融資本が資金提供していた
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/296.html

【ご報告】パレスチナに行った現地の映像をお見せします。
https://www.youtube.com/watch?v=vGvLjCMkcpw
3:777 :

2023/10/30 (Mon) 02:46:33

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イスラム国のイスラエル包囲網に露国と中国が連結、窮地に陥った米政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310300000/

 イスラエル軍のガザに対する攻撃で8000人以上の住民が殺されたと言われている。イスラエル軍は地上部隊も投入しているようだが、まだ総攻撃を始めたわけではない。総攻撃を始めた場合、ハマスは全長500キロメートルのトンネルで結ばれた地下施設から反撃する。

 2006年7月から9月にかけてイスラエル軍の地上部隊がレバノンへ侵攻した際、ヒズボラに敗北、イスラエルが誇る「メルカバ4」戦車も破壊された。イスラエル軍はガザの地下施設を化学兵器で攻撃するとも言われているが、そう簡単ではない。

 今回の戦闘でハマスはアメリカ製の武器を使用していることが映像から確認されているが、これはアメリカ/NATOがウクライナへ供給したものだと推測されている。そうした兵器の約7割が世界の闇市場へ流れているという。

 ハマスは10月7日に奇襲攻撃したのだが、攻撃の準備に1年程度は必要だろう。その間、イスラエルの情報機関が察知できなかったのなら、大変な失態だ。ガザを収容所化している壁には電子的な監視システムが設置され、人が近づけば警報がなるはずだが、そうしたことはなかったようだ。

 また、​アメリカ政府はハマスの奇襲攻撃から数時間後、2隻の空母、 ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させた​。レバノンにいるヒズボラ、あるいはイランの軍事介入を牽制することが目的だとされているが、それほど早く艦隊を移動できたのは事前に攻撃を知っていたからではないかと考える人もいる。

 そもそもハマスの創設にはイスラエルが深く関係している。ハマスは1987年12月にシーク・アーメド・ヤシンがイスラム協会の軍事部門として創設した。イスラム協会が設立されたのは1976年。その前、1973年にはムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)が作られているが、いずれもシン・ベト(イスラエルの治安機関)の監視下で行われた。

 イスラエルは第3次中東戦争で占領地を拡大させた。その際、イスラム諸国は動きが鈍く、最も勇敢に戦ったのはヤセル・アラファトが率いるファタハだった。PLO(パレスチナ解放機構)はファタハが中心的な組織だ。そこでイスラエルはアラファトを失脚させようと必死になる。そのアラファトを抑え込むため、イスラエル政府はハマスを創設させたのだ。

 シーモア・ハーシュも書いているように、​ベンヤミン・ネタニヤフは首相に返り咲いた2009年、PLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとしている​。そのためネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。ところが今回、カタールはイスラエルを厳しく批判、敵対関係にある。

 アメリカのジョー・バイデン政権はウクライナでロシアに敗れた惨状から人びとの関心をパレスチナへ向けることに成功、ガザからパレスチナ人を一掃、さらにレバノンやシリアを占領して地中海東岸の天然ガスをイスラエルに独占させるという道筋がハマスの奇襲攻撃で見えたのだが、ガザに対する攻撃がそうした道筋を消した。

 ムーサ・アブ・マルズークが率いるハマスの代表団は10月26日、モスクワでロシアの政府要人と会談した。マルズークはロシアへ向かう前、ドーハでイランのバゲリ・カニ外務副大臣と会っている。そして​10月29日、イランのエブラヒーム・ライシ大統領はイスラエルが「レッドライン」を越えたと宣言​、またロシアのミハイル・ボグダノフ外務副大臣によると、近日中にパレスチナ自治政府のマフムード・アッバス議長がモスクワを訪問してウラジミル・プーチン大統領と話し合うという。

 すでにレバノンとの国境周辺でイスラエル軍とヒズボラが戦闘を始まり、イラクではアメリカ軍基地だけでなく、シリア領内に不法駐留しているアメリカ軍も攻撃されている。イラン軍は軍事演習を始めた。

 ヒズボラ単独でもイスラエル全域を攻撃できる戦力があるが、イランが関与してくるとイスラエルだけでは対応できない。アメリカ軍が介入してくると、世界大戦へ発展する可能性があると懸念されている。さらに、イランはホルムズ海峡を封鎖できる。ガザに対するイスラエル軍の攻撃ではサウジアラビアもパレスチナ側につくはずで、中東から「親イスラエル国」へ石油が供給されなくなる事態も想定できる。

 ​ハマスの代表団がロシアを訪問する数日前、プーチン大統領がロシア軍参謀総長のヴァレリー・ゲラシモフと会談するため、ロシア軍の南部軍司令部を訪れた​。原子力潜水艦から射程5500キロの弾道ミサイルを発射したこと、カムチャッカから射程1万2000キロの弾道ミサイルを発射したこと、TU-95爆撃機から射程5500キロの巡航ミサイルを発射したことについて、ゲラシモフはプーチンに報告したようだ。アメリカに対する報復攻撃のテストだったと見られている。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202310300000/
4:777 :

2023/11/03 (Fri) 10:10:58

2023.11.03XML
状況の悪化に伴って正気でなくなり、神懸かってきたイスラエル政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311030000/

 イスラエルの首相を務めている​ベンヤミン・ネタニヤフはパレスチナ人虐殺を正当化するため、「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出した​。

 聖書の中でユダヤ人の敵だとされている「アマレク人」を持ち出し、「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を引用、この「アマレク人」をイスラエルが敵視している勢力に重ねて見せた。アマレク人は歴史の上で存在が確認されていない民族だが、ネタニヤフの頭には存在しているようだ。

 「アマレク人」を家畜ともども殺した後、「イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたという。ネタニヤフはパレスチナ人が生活していた歴史を破壊で消し去ると言いたいのだろう。​インターネットには、95歳になるイスラエル陸軍の退役兵、エズラ・ヤチンがユダヤ人に対してパレスチナ人を殺して彼らの記憶を消し去れと呼びかけている映像が流れている​。

 こうした主張をするということは「約束の地」を想定しているのだろう。ナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域、つまりパレスチナのほかレバノン、ヨルダン、クウェート、シリア、さらにイラクの大半、エジプトやサウジアラビアの一部を自分たちの領土にしようとしている。「大イスラエル構想」だ。

 そしてサムエル記上15章3節の話を彼は持ち出す。そこには「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだというのだ。

 ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民だ」としたうえで、イザヤの預言を理解しなければならないと主張する。「われわれ」とはイスラエル人、「彼ら」とはパレスチナ人、イスラム教徒、あるいはイスラエル以外の人びとを指しているのだろう。

 ネタニヤフはリクードの政治家だが、同じようにこの政党に所属する元国会議員の​モシェ・ファイグリンはガザをドレスデンや広島のように破壊するべきだと主張​している。実際、破壊されたガザの様子は両都市を彷彿とさせるものがある。

 ファイグリンは議員時代の2014年、ガザ問題の「解決策」を発表している。

 まずイスラエルはガザの軍事目標を攻撃しようとしていると発表し、危害を加えられたくなければ直ちにガザからシナイ半島へ立ち去るように警告、そのうえでイスラエル軍はガザ全域を攻撃するが、その際、「人間の盾」や「環境へのダメージ」を考慮しない。

 この攻撃と並行してガザを完全に包囲して兵糧攻めにし、攻撃で敵を弱体化させた後にガザへ地上部隊を侵攻させる。この際、考慮するのは兵士への被害を最小限に抑えることだけ。非武装の市民は「撤退が許可され」、ガザから離れることを望む人びとを援助する。

 ガザはイスラエルの領土であり、イスラエルの一部になり未来永劫、ユダヤ人がそこに住むことになる。

 ネタニヤフ政権はアメリカの支援を受けながらガザを攻撃しているようだが、パレスチナ人虐殺への反発は強い。シオニストに支配されている日米欧のエリートはイスラエルの軍事攻撃に沈黙しているが、市民の間で怒りが高まっている。「グローバル・サウス」では怒りを隠さないエリートもいる。イスラエルとアメリカという悪役の登場でイスラム世界が団結、スンニ派とシーア派の対立が弱まった。すでにアメリカ軍への攻撃も始まっている。

 ファイグリンが「解決策」を発表した2014年、アメリカのバラク・オバマ政権はウクライナでクーデターを成功させた。ホワイトハウスでクーデターを指揮していたのはジョー・バイデン副大統領、バイデン副大統領の国家安全保障担当補佐官を務めていた人物がジェイク・サリバン、現場で指示を出していたのがビクトリア・ヌランド国務次官補だ。

 1941年6月、アドルフ・ヒトラーに率いられたドイツ軍がソ連に対する奇襲攻撃「バルバロッサ作戦」を開始した。主な侵入ルートはウクライナとベラルーシだった。オバマ政権はこのふたつのルートを通ってロシアへ迫ろうとしたのである。

 ソ連軍はドイツ軍を撃退したが、その時にソ連がおったダメージは大きかった。いわゆる「惨勝」だ。結局、ソ連は消滅するまでそのダメージから立ち直れなかった。皮肉だが、ソ連が消滅して衛星国やソ連構成国という重荷が取れたロシアは国力を急回復させることができたのだ。

 ソ連が消滅する前年に東西ドイツが統一されたが、その際、アメリカ政府はソ連大統領のミハイル・ゴルバチョフに対し、NATOを東へ拡大させないと約束していたとロシア駐在アメリカ大使だったジャック・マトロックが語っている。ドイツの外相だったハンス-ディートリヒ・ゲンシャーは1990年にエドゥアルド・シェワルナゼと会った際、「NATOは東へ拡大しない」と確約し、シェワルナゼはゲンシャーの話を全て信じると応じたという。(“NATO’s Eastward Expansion,” Spiegel, November 26, 2009)

 それだけでなく、アメリカのジェームズ・ベイカー国務長官がソ連側に対し、統一後もドイツはNATOにとどまるものの、NATO軍の支配地域は1インチたりとも東へ拡大させないと1990年に語ったとする記録が公開されている。イギリスやフランスもNATOを東へ拡大させないと保証した。ソ連の防衛を西側の「善意」に頼ったわけだが、言うまでもなく、こうした約束を守られなかった。1000キロメートル近くNATOは東へ拡大、ロシアとの国境は目前に迫る。そして2014年のウクライナにおけるクーデターだ。これはゆっくりしたバルバロッサ作戦にほかならない。ウクライナでのクーデターは「新バルバロッサ作戦」の決定的瞬間だと言える。

 ロシアにとって深刻な事態だが、2014年にウラジミル・プーチン大統領は動かなかったが、クーデター後、クーデター軍の戦力は反クーデター軍より劣っていた。ネオ・ナチ体制を嫌い、ウクライナ軍の将兵や治安組織の隊員のうち約7割が離脱、一部は反クーデター軍に合流したと言われている。

 残った将兵の戦闘能力は低く、西側諸国が特殊部隊や情報機関員、あるいは傭兵を送り込んでもドンバスで勝利することは難しい状況。そこで内務省にネオ・ナチを中心とする親衛隊を組織、傭兵を集め、年少者に対する軍事訓練を開始、要塞線も作り始めた。そうした準備のために8年間が必要だった。

 その時間稼ぎに使われたのがミンスク合意だということを仲介役を務めた​ドイツのアンゲラ・メルケル(当時の首相)は昨年12月7日、ツァイトのインタビューでミンスク合意は軍事力を強化するための時間稼ぎだったと認めている​。その直後に​フランソワ・オランド(当時の仏大統領)はメルケルの発言を事実だと語った​。

 それに対し、プーチン大統領はアメリカ/NATOの「善意」に期待した。NATOを東へ拡大させず、1997年からNATOに加盟したすべての同盟国から軍事インフラを撤去することを定めた条約の草案をプーチンがNATOへ送ったのは2021年秋。それがロシア軍がウクライナへ軍事侵攻しないための条件だったが、NATOのイェンス・ストルテンベルグ事務総長は署名しない。​こうした事情をストルテンベルグは認めている​。

 2023年に入ると、ウクライナ軍がアメリカ/NATOの下でドンバスに対する大規模な攻撃を始める動きが見られた。後にロシア軍が回収した文書によると、昨年3月にウクライナ軍は本格的な軍事侵攻を始める予定だった。

 その直前、2022年2月24日にロシア軍はドンバスで軍事作戦を開始する。ミサイルでドンバス周辺に集まっていたウクライナ軍を一気に叩いき、ウクライナ各地の軍事施設や生物兵器の研究開発施設を破壊している。

 アメリカ/NATOは8年かけてドンバスの周辺に要塞線を築いたが、ネオ・ナチを中心に編成されたアゾフ特殊作戦分遣隊(アゾフ大隊)が拠点にしていたマリウポリ、あるいは岩塩の採掘場があるソレダルにはソ連時代に建設された地下施設、つまり地下要塞が存在している。それを利用して要塞線は作られたのだ。

 アメリカ/NATOはウクライン軍にドンバスで住民を虐殺させ、ロシア軍を要塞線の中へ誘い込む作戦だったとも言われているが、ロシア軍は大規模な地上部隊を送り込むことはなかった。地上部隊の中心は現地軍、チェチェン軍、あるいはワグナー・グループで、戦力を比較するとドンバス側はキエフ側の数分の1だったと言われている。

 ロシア軍が攻撃を始めて間もなく、ウクライナ政府はロシア政府と停戦交渉を開始した。停戦交渉を仲介したひとりはイスラエルの首相だったナフタリ・ベネット。​彼によると、話し合いで双方は妥協に応じ、停戦は実現しそうに見えた​。

 3月5日にベネットはモスクワでウラジミル・プーチン露大統領と数時間にわたって話し合い、ゼレンスキーを殺害しないという約束をとりつけ、その足でベネットはドイツへ向かってオラフ・シュルツ首相と会っている。​ゼレンスキー政権の交渉チームに加わっていたデニス・キリーエフがウクライナの治安機関SBUのメンバーに射殺されたのはその3月5日​だ。クーデター直後からSBUはCIAにコントロールされていた。

 停戦交渉はトルコ政府の仲介でも行われた。​アフリカ各国のリーダーで構成される代表団がロシアのサンクトペテルブルクを訪問、ウラジミル・プーチン大統領と今年6月17日に会談している​が、その際、プーチン大統領は「ウクライナの永世中立性と安全保障に関する条約」と題する草案を示している。その文書にはウクライナ代表団の署名があった。つまりウクライナ政府も停戦に合意していたのだ。

 そうした停戦合意を潰したのはアメリカ政府やイギリス政府。 アメリカ/NATOはウクライナへ武器弾薬を供給、軍事情報を提供、昨年夏頃にはNATOが指揮していたとも言われているが、十分な訓練をしないまま前線へ送り出され、「玉砕戦法」を強いられた。アメリカ/NATOはウクライナ人の命を軽視しているので可能な戦法だ。結局、要塞線は突破される。

 今年6月4日にウクライナ軍は「反転攻勢」を始めたが、フォーブス誌によると、6月8日にウクライナ軍の第47突撃旅団と第33機械化旅団が南部の地雷原を横断しようとして壊滅的なダメージを受けた。その後も無謀な攻撃を繰り返し、反転攻勢の失敗は明確になる。

 ウクライナに「玉砕攻撃」を強いたアメリカ/NATOは武器弾薬が枯渇、イスラエルにはアメリカ軍の兵器がストックされているはずだが、支障が出るだろう。

 アメリカでイスラエルを無条件に支持している勢力はキリスト教の福音主義者(聖書根本主義者)。この宗教勢力の支援でネオコンは1970年代の半ば、ジェラルド・フォード政権の時代に台頭した。

 福音主義者はアメリカを「神の国」、アメリカ軍を「神軍」だと信じていたのだが、ベトナム戦争で勝てないことに苛立つ。そうした中、イスラエル軍は1967年の第3次中東戦争で圧勝、新たな彼らの「神軍」になったのだ。

 ここにきて神懸った発言をしているネタニヤフ首相。彼の父親であるベンシオン・ネタニヤフは1910年3月にワルシャワで生まれ、40年にアメリカへ渡った人物。そこで「修正主義シオニズム」の祖であるウラジミル・ヤボチンスキーの秘書を務めている。

 ヤボチンスキーに接近したひとりにレオ・ストラウスという人物がいる。1899年にドイツの熱心なユダヤ教徒の家庭に生まれ、17歳の頃にヤボチンスキーのシオニスト運動に加わったのだ。このストラウスは後にネオコンの思想的な支柱と言われるようになる。カルガリ大学のジャディア・ドゥルーリー教授に言わせると、ストラウスの思想は一種のエリート独裁主義で、「ユダヤ系ナチ」だ。(Shadia B. Drury, “Leo Strauss and the American Right”, St. Martin’s Press, 1997)

 ストラウスは1932年にロックフェラー財団の奨学金でフランスへ留学し、中世のユダヤ教徒やイスラム哲学について学ぶ。その後、プラトンやアリストテレスの研究を始めた。(The Boston Globe, May 11, 2003)

 1934年にストラウスはイギリスへ、37年にはアメリカへ渡ってコロンビア大学の特別研究員になり、44年にはアメリカの市民権を獲得、49年にはシカゴ大学の教授になった。

 アメリカとイスラエルの神懸かった人たちは状況が悪化するにつれ、自分たちの本性をあらわにしはじめた。彼らは正気でない。そうした彼らに世界の人びとはうんざりし、同時に危機感を強めている。​国連総会でパレスチナとイスラエルの大使が演説した後の議場の反応​がそうした世界の雰囲気を示している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311030000/
5:777 :

2023/11/04 (Sat) 18:42:31

【ご報告】パレスチナに行った現地の映像をお見せします。
2023/11/03
https://www.youtube.com/watch?v=vGvLjCMkcpw
6:777 :

2023/11/06 (Mon) 08:58:02

「学校に避難しろ」と指示して学校を空爆したイスラエル
2023.11.06
https://www.thutmosev.com/archives/307664er.html

ジャバリア難民キャンプ


https://www.bbc.com/news/world-middle-east-67276822 Jabalia_ Israel air strike reportedly kills dozens at Gaza refugee camp – BBC News
イスラエルによるガザ攻撃の実態

イスラエルとハマスの戦闘が発生してから11月7日で1か月になるが、イスラエルが停戦に応じるのかが焦点になっています

イスラエルは1948年に建国したが建国したのは第二次大戦の勝者になったアメリカとイギリス、その2国で大規模な反イスラエルデモが多発している

イギリスでは10万人規模の反イスラエルデモが数回起きていて、アメリカでもZ世代と呼ぶ若者はイスラエルへの軍事支援中止や停戦を求めて反対運動をしている

最新の世論調査ではアメリカ全体で6割がイスラエルを支持しているが20代と30代では4割に留まり、イスラエルへの軍事支援には国民の過半数が反対している

また米国民の多くは停戦とガザ地区への人道支援に賛成していて、イスラエルのガザへの集団懲罰には不快感を抱いている

アメリカは建国以来イスラエルに経済援助と軍事援助をしてきて、今も毎年数千億円規模の軍事援助をしているがハマスの攻撃で1兆円以上の支援を表明しています

イスラエルは連日ガザ地区を空爆しているがそのお金は実質的に全額アメリカ政府が支援する事になっています

イスラエルは毎日のように学校、病院、避難所、国連などを攻撃しているが「すべてハマスの拠点だった」と説明しアメリカがそれを支持している

11月2日の空爆でガザ最大のジャバリア難民キャンプにあった学校が空爆されたが、イスラエルは「学校に避難せよ」と指示しておいて学校を空爆したと現地の人々は証言しています

ジャバリア難民キャンプは10月末から連日空爆を受けていて、イスラエルは「ハマスが難民キャンプ周辺に拠点を構築している」とハマスを非難した

11月4日にはガザ中部のマガジ難民キャンプに空爆があり47人がなくなったが、イスラエルは「すべてハマスの拠点だった」と説明した

ガザにある病院の総数は35でそのうち16病院がイスラエル軍の空爆を受けて閉鎖、世界保健機関(WHO)は2日までに医療関係者491人がなくなったと発表した


学校、病院、救急車、避難所などがイスラエル軍に空爆されている
https://www.youtube.com/watch?v=MjBWtHvh0fc


イスラエルの犯罪を支援するアメリカ
イスラエル軍は病院への空爆を否定していたが、11月3日にガザ地区最大の医療施設「シファ病院」の外で救急車を攻撃したことを認めた

病院近くで救急車付近に爆撃があり保健局によると15人がなくなり50人が負傷したがイスラエルは全員が「ハマスのテロリストだった」と説明した

この救急車は赤十字国際委員会(ICRC)に通知しガザ地区南部のラファ検問所に向かうところだった

ガザ地区ではパレスチナ住民200万人のうち150万人以上が家を失い、住宅の半分以上が爆撃で破壊され、食料や水や物資の搬入は必要量の1割も搬入されず、搬入されても燃料や自動車がないので誰にも行き届いていない

イスラエルのネタニヤフ首相は10月30日「神と悪魔の戦いである」としてパレスチナ全住民を攻撃対象にすると宣言した

米国のブリンケン国務長官は11月3日、イスラエルを再訪してネタニヤフ首相に停戦を要請、バイデン大統領は4日に停戦協議の進展を示唆した

アメリカ国内では無差別攻撃を繰り返すイスラエルを支援しているバイデン大統領への批判が強まっていて、停戦に失敗すればバイデンは「無能」の烙印を押される

最近アメリカではトランプ元大統領への支持が高まりを見せていて、バイデンの支持が低下するほど「トランプならイスラエルを防止できた」という人が増えるでしょう

実際にはトランプが大統領だったらどうだったのか分からないが、現状に不満を持つほど「トランプなら違っていた」という見方が増える

イスラエルは今や判断力を喪失して暴走国家になっていて、その勢いはガザ住民を全滅させるか追い出すまで止まらないでしょう

イスラエルにはアメリカという絶対的な後ろ盾があり、何をやってもアメリカが尻拭いし支えると考えたから国連や安保理すら恐れていません

イスラエル国内にも対立がありハマスによる攻撃情報をネタニヤフらが無視したのが分かっていて、批判をかわすためにネタニヤフは無差別爆撃で世論を胡麻化した

無差別爆撃によって人質交渉が困難になり空爆によって数十人がなくなったとも言われていて、これにも批判が強まっている

イスラエルに対する国際的な批判が高まっているのも伝わっていて、 国外在住のユダヤ人は欧米の反イスラエルデモに参加している人も居た

アメリカ政府は「イスラエルは絶対正義」「イスラエルを批判するのは犯罪」というルールを世界に押し付けようとしているが今回は失敗している
https://www.thutmosev.com/archives/307664er.html
7:777 :

2023/11/07 (Tue) 06:53:32

2023.11.07XML
米国の軍や情報機関の支援を受け、イスラエル軍はハマス殲滅のため自国民も殺害
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311070000/

 ハマスを含むパレスチナ系武装グループは10月7日にイスラエルへ攻め込んだ。軍事作戦「アル・アクサの洪水」である。この攻撃で約1400名のイスラエル人が死亡したとされているが、​イスラエルの新聞ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装集団を壊滅させるため、選挙された建物を人質と一緒に砲撃で破壊した​という。イスラエル市民をイスラエル軍は殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。

 イスラエル政府はハマスの残虐さを宣伝、ハマスの戦闘員がイスラエル人に発砲している映像を公開しただけでなく、タイムズ・オブ・イスラエル紙によると、軍事基地内でイスラエルの当局者は黒焦げの死体を撮影した写真に「ハマスの猛攻撃による殺人、拷問、斬首の悲惨な現場」という説明をつけて記者に示したという。そしててイスラエルの子ども40人が斬首されたという話を流した。

 アメリカのジョー・バイデン大統領やイスラエルのニル・バルカット経済相も子ども40人の斬首話を広めたが、別の記者がこの話は検証されていないと指摘、そうした話を広めるのは無責任だと批判する。

 バイデンはイスラエルでテロリストが子供を斬首している確認された写真を見たと主張していたが、翌日には発言を撤回、報道官はバイデンがそのような写真を見た事実はないと語った。バイデンはイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相の話をそのまま事実として口にしただけだと説明されている。

 いつものことながら、西側の有力メディアが伝えた話は如何わしい。相当数のイスラエル市民がイスラエル軍に殺された可能性が高いのだ。しかも、そうした情報がイスラエル国内で伝えられている。

 現在、イスラエル軍はガザに対する激しい空爆を繰り広げているが、そこでも人質のイスラエル人を殺していると見られている。パレスチナ人をガザから追い出すことに失敗した後、ベンヤミン・ネタニヤフ首相はパレスチナ人皆殺しを決断したとしか思えない攻撃を続けている。

 イスラエルにアメリカ軍の基地がある。軍事物資が保管されているほか、​ガザから30キロメートル余り、ネゲブ砂漠のハルケレン山頂にある「サイト512」にはイスラエルを攻撃するイランのミサイルを監視するレーダー施設がある​。

 ​ガザに関する電子情報の収集はオーストラリアにあるパイン・ギャップ基地が利用されている​。そこで収集されたデータはイスラエル国防軍に提供されている。

 この通信傍受基地は1966年12月にアメリカとオーストラリアとの間で結ばれた秘密協定に基づいて建設された。協定の有効期限は10年。1976年までに更新しないと基地を閉鎖しなければならない。オーストラリアの首相だったゴフ・ホイットラムが更新を拒否することをアメリカ側は懸念していた。

 ホイットラムは1972年12月の総選挙で勝利して首相に就任すると、自国の対外情報機関ASISに対してCIAとの協力関係を断つように命令していた。デイビッド・レイによると、ウイットラムはチリのクーデターに関する情報を入手、チリでASISがCIAと共同でサルバドール・アジェンデ政権を崩壊させる工作を実行していたことを知っていたという。(David Leigh, "The Wilson Plot," Pantheon, 1988)

 そこでCIAは1975年11月、イギリス女王エリザベス2世の総督だったジョン・カーにホイットラム首相を解任させた。実際に動いたのはアメリカのCIAやイギリスのMI6だが、総督がいなければ解任できない。総督は名誉職だと考えられていたが、そうではなかったのである。

 アメリカのジャーナリスト、ジョナサン・ウイットニーによるとカーは第2次世界大戦中の1944年、オーストラリア政府の命令でアメリカへ派遣されてCIAの前身であるOSS(戦略事務局)と一緒に仕事をしている。大戦後もCIAと深い関係にあった。(Jonathan Kwitny, "The Crimes of Patriots," Norton, 1987)

 ウクライナでアメリカ/NATOはロシアに敗北した。この事実が世界に広まると、アメリカは「神の国」だという神話が崩れる。第3次中東戦争のようにイスラエル軍が圧勝する姿を示したいとネオコン、リクード、キリスト教福音主義者(聖書根本主義者、または旧約聖書カルト)は考えただろう。

 しかし、地上軍がガザに侵攻、制圧する状況にはないようだ。シーモア・ハーシュによると、 すでにイスラエル兵は地下施設へ入り込み、燃料不足からハマスのメンバーは窒息死の可能性があるというが、断片的に伝えられる情報からイスラエル軍は地上で苦戦していると分析する元CIA分析官もいる。

 イスラエルはガザ内部への物資流入を阻止する一方、通信を遮断して情報が外部へ漏れないようにしているが、これは残虐行為が知られることを恐れているだけでなく、イスラエル軍の犠牲も知られたくないのかもしれない。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311070000/
8:777 :

2023/11/08 (Wed) 06:25:47

パレスチナ問題は米英帝国主義と 旧約聖書カルトが生み出した
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16824368
9:777 :

2023/11/10 (Fri) 20:45:56

ガザに一刻も早い停戦を!――紛争調停実務家からみたガザ戦争 東京外国語大学名誉教授・伊勢崎賢治氏に聞く
2023年11月10日
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/28102

イスラエル軍の爆撃が続くパレスチナ自治区ガザ(7日)

 パレスチナ自治区ガザ地区へのイスラエルの攻撃が苛烈になるなかで、停戦を求める声とともに、イスラエルのパレスチナへの占領と殺戮を非難する世論が世界規模で高まっている。現在進行中のウクライナ・ロシア戦争とともに国際社会が向き合うべき課題が顕在化し、日本社会の進路も改めて問われている。本紙は、国連職員や日本政府特別代表として、東ティモール、アフガニスタンをはじめとする世界各地の紛争地で停戦交渉や武装解除に携わってきた伊勢崎賢治氏(東京外国語大学名誉教授)にインタビューし、今回のガザ戦争の性質、停戦の道筋、日本社会がこの事態にいかに向き合うべきかについて意見を聞いた。(11月6日付)



〇     〇



 ――ガザ戦争勃発から約4週間経った。連日イスラエルの猛爆を受けているガザ地区での死者は、すでに1万人(うち子どもが4割)に達し、イスラエル側でも1400人の死者が出ているとされる。イスラエル軍は「ハマスの殲滅」「人質解放」「自衛権の行使」を理由に攻撃を緩めず、ついに地上侵攻を開始した。国際的には無差別といえる攻撃への批判が高まり、各地で抗議デモが起きている。ハマス、イスラエルの衝突を契機にしたこの戦争をどう見ておられるか?




伊勢崎賢治氏

 伊勢崎 一般にパレスチナ問題といわれるこの問題の本質は「シオニズム問題」だ。戦後70年間、世界で幅を利かせてきたイスラエルやシオニズムに対する世界の見方が、この戦争を契機に劇的に変わるだろう。



 シオニストのロビー活動は、その資金力を活かし、映画業界をふくめメディアの世界にしっかり浸透し、イスラエル政府の入植政策が少しでも非難されると、即、「ユダヤ人差別」という言説に引き込むのを常としていた。それは金と時間をかけて極めてシステマティックに構築された言説空間である。



 その言説を正当化する核は、ホロコーストという、人類が未来永劫にわたって語り継がなければならない負の遺産である。その被害者としての強烈な過去の経験値で、現在の「シオニズム問題」の加害者性への批判をかわす――この言説空間の効力が、今後は劇的に減少するのではないかという予感がする。



 同時に、それは、すでにアメリカをはじめ幾つかの国で始まっているが、従来からある「ユダヤ人差別」が、イスラエル軍の残虐性の報道が引き金となって、新たに強化されることが懸念される。海外に居住するユダヤ人のためにも、イスラエル政府は、即時停戦に向けて、ハマスとの交渉を開始するべきである。





 一方で、僕個人としては、このように歴史を俯瞰するような言い方で、今起きているガザ戦争を語りたくない気持ちがある。というのも僕はまだ30代半ばだった1999年、パレスチナに1年間ではあるが、深く関わったからだ。ハマスが台頭する以前である。1993年に、イスラエルを国家として、パレスチナ解放機構(PLO)を自治政府として、互いに認め合い、イスラエルが占領地域から暫定的に撤退することを同意した「オスロ合意」が結ばれてから、すでに6年が過ぎていた。



 僕は笹川平和財団の主任研究員として、ヨルダンのハッサン皇太子によって設立されたシンクタンク「Arab Thought Forum」と共同事業を実施すべくパレスチナに派遣された。この当時は、オスロ合意に基づき、イスラエルとパレスチナ社会の相互協力を目指して「People to People」(民間レベルの交流)が謳われ、パレスチナ側とイスラエル側のNGOが共同でそれを実現する試みが盛んにおこなわれ、欧米からの資金援助が潤沢に注がれていた時代だった。



 だが、現場、特にパレスチナ側では、いわゆる「オスロ疲れ(Oslo Fatigue)」が蔓延していた。オスロ合意は結ばれたのに、二国家共存に向けた政治的プロセスは停滞、パレスチナ自治区(ヨルダン川西岸地区)では、入植行為、つまりイスラエル人によるパレスチナ人の土地収奪が加速していたからだ。国家が戦争によって領土を併合してゆくというやり方だけでなく、入植者、つまり民間人の武装を側面支援しながら、半世紀以上をかけパレスチナ人から土地を収奪してきた。いわば国家ぐるみの凶悪な集団強盗だ。



 当時、パレスチナ側のNGOがやっていたイスラエル人入植地のウォッチング(監視活動)に付き添ったことがある。丘の上にリゾート住宅みたいなコロニーができあがっている。日が沈むのを待って遠距離から双眼鏡で監視するのだ。ほとんど灯りがつかない。いかに官民一体の建設ラッシュで、入植を事実化させていったか――。



 同時に、パレスチナNGOの間では、パレスチナ自治政府に対する不満も燻っていた。(イスラエルとアメリカの)「傀儡(かいらい)政権」という悪口で、汚職や腐敗への批判が根付いていた。西岸地区の由緒あるビルゼイト大学の交友のあった一人の教授は、「パレスチナの人々にとっての脅威は二つある。一つはシオニスト政府、もう一つはパレスチナ自治政府だ」とまで言っていた。まだアラファトPLO議長が存命だった頃だが、こういう土壌が後になってハマスを生んだとも言える。ハマスは2006年のパレスチナ国政選挙で西岸、ガザ両地区で民主的に第一党に選ばれた、歴とした「政体」である。



 こんな状況下のパレスチナでの僕の仕事は、いわゆる「セカンド・トラック」外交。「ファースト・トラック」が政治レベルの外交、「サード・トラック」がNGOなどによる民間外交とするなら、その中間にあって、民間の体は装うも、できるだけ大きな影響力を持つ人物を使って政治を動かすことを目的にする事業である。




パレスチナで活動していた当時の伊勢崎氏㊧とシモン・ペレス氏㊨(1999年12月、伊勢崎氏提供)

 僕の事業とは、ヨルダン王国のハッサン皇太子(現国王の父アブドラ国王の弟。イスラエル側にも信頼が厚く、中庸外交を目指す人格者だった)と、オスロ合意にも名を連ね、首相を経験するもその時には閑職にあったイスラエルのシモン・ペレス氏(ラビン、アラファトと並んでノーベル平和賞を受賞。後に大統領になる)を共同議長に据えて、当時懸案だったエルサレムの多重統治の可能性を、海外の有識者たちと一つの選択肢として、そのモデルを提案するものであった。



 今はもっと悪化しているが、当時のエルサレムは、極右リクード党で後にイスラエル首相になるエフード・オルメルトが市長をしており、街の角々に自動小銃を持った若い連中がたむろしており、パレスチナ側のNGOに案内された我々のような外国人が通り過ぎると威嚇してくるような有様であった。



 ガザを訪問する計画をしていたある日、ペレス氏がウインクしながら紹介してくれた人物がアリザ・オルメルト女史だった。上記のオルメルトの妻であるが、アーティスト・写真家であり、夫君の政治思想とは裏腹にリベラル左派であり、その時は不仲も噂されていた。アリザ氏にとってもガザ訪問は生まれて初めてだったが、道中の検問のイスラエル兵の驚いた顔が忘れられない。パレスチナ側の首席交渉官として知られたサエブ・エラカット氏とのジェリコでの面談や、ガザでのパレスチナ自治政府幹部たちとの会議にアリザ氏は同席し、僕のエルサレムの事業を実施するために必要な信頼の醸成を助けてくれた。



 エルサレムという一つの都市を、単一のアドミンストレーション(施政)ではなく、パワーシェアリングのそれでガバナンスできないのか、が僕の事業の問題意識だ。ベルファースト(北アイルランド)などは同様の民族対立を抱え、市内が直接の戦場になりながら、施政の試行錯誤を繰り返してきた。そういう世界の叡智と教訓を、2人の共同議長の名の下に結集しようという試みだった。



 それが軌道に乗りかけたころ、後に首相になるアリエル・シャロンがリクード党の代表団と共に数百人のイスラエル機動隊を引き連れて、イスラム教で3番目に神聖な場所と広く考えられている「神殿の丘」に入場を強行。「エルサレムは全てイスラエルのものだ」と宣言する。その後、オスロ合意は事実上崩壊。第二次インティファーダ(パレスチナ民衆蜂起)が始まる。そして、僕の事業は頓挫する。



 僕にとっては、これが国連PKOの世界に転職する機会となったが、深い傷心の日々だったことを思い出す。僕の事業は、パレスチナとイスラエルの「共存」を目指すものであったが、強大なイスラエルによる一方的な「共存違反」が進む中でのそれは、友好を見せかけるイスラエル側の悪行を覆い隠す企てに利用されたとも言える。事実、そういう厳しい批判を受けていた。いずれにせよ、ガザ戦争が結実してしまった今、転職したとはいえ、この20年間、パレスチナの人々の苦悩を意識の外に置いてきた自分が恥ずかしい。



国家ぐるみの土地収奪 「自衛権の行使」といえるか




イスラエルによる入植地の拡大(パレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区)

 伊勢崎 話を戻すと、上述のパレスチナ社会内部の分断は、イスラエルが仕掛けたものであるという陰謀論的な論説はここでは慎むが、その分断はイスラエル側にとって好都合な状況であることは間違いない。そして、イスラエルがやってきたことは、国家・民間ぐるみの凶悪な“地上げ行為”である。



 今回のガザ戦争にいたる経緯は、本当に大雑把に言うと、半世紀以上をかけて拡大してきたイスラエルによる軍事占領の中で、苦痛に耐えかねた被占領者の一部が過激化し“テロ事件”を引き起こした、ということになる。



 その当事者であるハマスはテロリストであるとの喧伝が進行する中で、ハマスは民主的に選ばれた「政体」であることは既に述べた。



 現在まで、アメリカは依然として「イスラエルの自衛の権利」を保護し、安保理決議において「停戦」の一言の挿入を妨害するために拒否権を使い続けている。



 イスラエルの軍事占領とはいっても、その所業は、入植者、つまり民間人の武装を側面支援しながら、半世紀以上をかけパレスチナ人から土地を収奪してきたものだ。



 言い方は悪いが、“強盗行為”の中で受けた被弾が、はたして国連憲章第五一条上の「国際連合加盟国に対して武力攻撃が発生した場合には」とする個別的自衛権を行使する要件を満たすものかどうか、法学的検証が必要だと思う。イスラエルにとって武力攻撃を受けた場所が、国際法規が承認する“正当な”領土であるかどうかの問題があるからだ。



 ――その“強盗行為”によるパレスチナ難民は600万人にのぼる。10月7日の襲撃でハマスが拘束した人質だけがクローズアップされるが、イスラエル側には、そのように拘束され投獄されているパレスチナ人が6000人もいる。ハマス側はその全員の解放を人質解放の条件にしている。実現の可能性は?



 伊勢崎 ハマスが拘束したのは200人くらいだから、1対1でやると数が不均衡になる。今、カタールが人質交換の交渉仲介をしているが、交換の比率をどうするか。200人で6000人全員ということになるのか。もちろんハマスはそれを目指すだろうが。もしくは、指揮官など地位に応じた割合になるのか。すでにハマス側は一部実行したが、民間人は無条件に解放となるのか。西岸地区では、依然、イスラエルはパレスチナ民間人を拘束し続けているし、カタールがどういう手腕を示すのか、今の時点では僕にはわからない。



 「イスラエル対ハマス」――この「紛争構造」をどのように形容するか。「米国NATO対タリバン」であれば、典型的な非対称戦争(両者の戦力、戦術が大きく異なる戦争)だ。つまり、正規軍対インサージェント(非正規武装組織)だ。



 ちなみに「ウクライナ対ロシア」は、非対称戦争ではない。当然、軍事力の優劣はあっても、ウクライナは軍事大国の一つであり、ウクライナ戦争は「通常戦争」である。更に言うと、ウクライナ戦争は、アメリカが、ウクライナを戦場に、仇敵ロシアを、昔ながらの通常戦争で、弱体化させる「代理戦争」である。



 今回のハマスは相当な武器を保有しているので、非対称ぎりぎりといえなくもないが、基本的に戦い方はインサージェントで、毛沢東の言うように「民衆の海を泳ぐ魚」であり、地下壕のネットワークもアフガニスタンにおいて当時のアルカイダやISISがやったことと共通している。



 ガザ戦争が始まって以来、主要な国際メディアの中では取材力が突出している『アルジャジーラ』を観ることが日課になっている。その中には面識のある者もいる元米陸軍関係者が解説に出てくるが、彼らが語るガザ戦争の文脈は、イラク・アフガニスタンでの「インサージェントとの戦いCOIN(Counter-Insurgency)」である。その中の一人、久しぶりに顔を見たペトレイアス元米陸軍将軍(於イラク最高司令官、後にCIA長官)は、イスラエル軍のガザ陸上侵攻を当時のファルージャやモスルでの攻防に例え、イラク治安部隊とイスラエル軍の練度の違いを踏まえつつも、長期で非常に困難な戦局になるだろうと語っていた。退役しているとはいえアメリカ政府関係者だから、停戦をとは口が裂けても言えないだろうが。



 アフガニスタンで軍閥の武装解除が軌道に乗り、占領政策に光が差していたにもかかわらず、タリバンの復活が認識され始めた頃、日本政府代表の僕のカウンターパートの米陸軍中将が、ある会議のコーヒータイムの立ち話でポロッと言ったことを思い出す。「こっちの戦争計画は大統領の一任期に縛られるが、あっちはそうじゃない。最初から勝負にならないんだよね」、と。



ハマスの殲滅は不可能 交渉すべき「政体」



 ――その非対称性、しかもガザ地区は封鎖され、ライフラインまでイスラエル側が握っている。そこをあえて軍事的に破壊することがイスラエルにとってそれほど重要なのか?



 伊勢崎 まずネタニヤフにとって、戦争の上位目的を明確にできなくても、「ハマスを殲滅する」という言説が政治的に必要なのだ。イスラエルの世論調査では、国民の大部分が「この戦争はネタニヤフのせいだ」と考えていると報道されている。「国民を守れなかった指導者」であることを国民の脳裏から払拭するために「復讐」に突き進むしかない。だから、ハマスを最大限に悪魔化するしかないし、事実、そうしている。



 汚職疑惑、そして収賄や背任罪での起訴、国会が最高裁の判断を覆せるようにする強引な司法改革へのイスラエル国民の異例な規模の反政権運動。この戦争が起こる前はレームダック状態だったのがネタニヤフだ。そういうなかでこの戦争は起きたのだ。



 ――ハマスの襲撃は、その足元を見て…ということだろうか?



 伊勢崎 それはわからない。でも、その兆候は、あったのかもしれない。



 僕は、その襲撃が始まる直前、アメリカのシンクタンクに招聘されて、ペンシルバニアで国際会議に出席していた。一緒に登壇した学者の一人がパレスチナ人だった。今考えると、その時の彼との会話は、10月7日のハマスの行動を、予測とは言えないが、何かを示唆するものであった。



 イスラエルの隣国、歴史的に複数の巨大なパレスチナ難民キャンプを抱えるレバノンで、今年の7月から8月にかけて、そのうち最大のキャンプで、“内戦”と『アルジャジーラ』など国際メディアが報道した、パレスチナ難民同士の激しい武力衝突があったばかりなのだ。主流のファタハ勢力と、いわゆる過激派の間の係争が発展したもので、一応、ハマスは直接のこの紛争の当事者ではないということだった。



 しかし、これが起きる直前に、パレスチナ自治政府の諜報局の長がレバノンを訪問し、ハマスの影響力を難民キャンプから排除するようヒズボラ側に直の工作があり、それがこの内戦の引き金になったようで、彼は、ハマスの反動を心配していたのだ。これ以上のことは、僕には言えない。



 再度、強調したいのは、ハマスは、その行動を予測不可能と非人間化するべき“動物”ではなく、その行動が我々と同じように説明可能な政体であるということだ。テロ事件と呼べるものを引き起こしたが、政体であることには変わりない。



 かつて日本を含む欧米社会の我々は、9・11テロ事件を契機に、民主主義体制で生まれた政体でもないタリバンをアルカイダとともに徹底的に「非人間化」し戦争を挑んだ。しかし、20年間をかけて我々は敗北し、現在タリバンは、アフガニスタンが、より過激なテロ組織の巣窟とならないように、我々の側にひきつけておくべく、同国を統治する政体として交渉しなければならない相手になった。そもそも、タリバンや、そういう過激な連中を生んだのは何(誰)だったのか。



 “政体度”において、ハマスは、タリバンより高いと言える。すでにハマスは、民間人の人質の解放を二度、みずから提案し、そして実施した。当時のタリバンだったら、そんなことは、まずあり得ない。



 「テロリストとは交渉しない」――COIN戦略上、これがいかに自滅的な言論空間であるか。もちろん、想定する敵に公言はできないが、我々は、もういい加減に気づくべきである。少なくとも、“外野席”が交渉を「敵を付け上がらせる」と騒ぎ立て、その可能性の芽を摘んでいくことの弊害は気づくべきである。



「戦闘に勝っても戦争には負ける」



 ――イスラエルは、国際的に孤立してもガザ攻撃を継続している。それがムスリム世界をはじめ各国の人々を激怒させている。レバノンのヒズボラや第三国の介入などで戦線が拡大する恐れも指摘されているが、イスラエルはどこに勝算を見ているのだろうか?



 伊勢崎 イスラエルというより、ネタニヤフがどう考えているかだ。イスラエル国民自身が疑問に思っていることだと思う。首相が意図する戦争の上位目標とは何か、を。



 前述したアフガニスタンでの米陸軍の中将の言説のように、イスラエルの戦争計画は首相の任期に縛られるが、ハマスなどのインサージェントはそうではない。同時に、インサージェントが最も得意とする戦略は、正規軍による民衆への第二次被害を誘導し、その国家がおかす非人道性を際立たせ、世論を味方につけることである。これまでハマスとは距離を置いていた中東諸国でさえ、パレスチナ人の惨状に涙し怒る国内世論の高まりを抑えることはできない。イスラエル軍のガザ侵攻の成果がこれからどうなろうと、ハマスはすでに勝利しているのだ。



 差別が日常のアパルトヘイトの状況下で、家族や同胞が目の前でたくさん殺される強烈な原体験を負った10歳の子どもが、10年経てば、どういう20歳になっているか。その教訓をアフガニスタン・イラクで我々が学んだのは、つい最近のことなのだ。



 ――次の世代に受け継がれるだけだと…。



 伊勢崎 イスラエル軍の地上侵攻がガザ北部を軍事制圧できたとしても、それは極めて短期的な軍事成果でしかない。ネタニヤフがどんなに小躍りして見せても、とうてい「勝利」とは程遠いものになる。新たな深い憎しみがパレスチナの若い世代をより過激化させるだけで、ハマスの支持基盤はより強靭なものになってゆくだろう。



 アメリカがやったこの20年間の対テロ戦は結局どうなったか? ISISを生み、セルは世界に派生、拡大した。それ以前からも、世界中のムスリムを団結させるものは、やはりパレスチナ問題なのだ。



 今、パレスチナの半世紀の苦悩の歴史を凝縮したような虐殺が、あの狭い地域で起きている。それをメディアが実況中継に近い形で全世界に可視化している。この強烈な負の記憶の蓄積と継承が、これから、どういう次の世代を生んでいくのか。それは、どんな大きな力が手を尽くしても止められないのだ。




日本政府特別代表としてアフガニスタンの武装解除をおこなう伊勢崎氏(2002-2003年頃)

 ――「ハマスの殲滅」といっているが、アフガンの教訓からすれば、交渉相手を殺してしまえば戦争は半永久的に終わらない?



 伊勢崎 その通りだ。アフガン戦争では、タリバンとの政治的和解を模索するジェスチャーをしながら、オバマがそれをやり続けた。ビンラディンだけでなく、交渉相手となるタリバンのトップ・幹部をドローンで殺し続けた。タリバンとの交渉が「弱腰」に見えることを恐れ、強いアメリカを国民に印象付ける苦肉の政治的保身だ。交渉するなら相手の指揮命令系統を温存しなければならないのに、殺し続ける。どんどん得体の知れない連中が下から出てくる。そして、トランプ、バイデンを経て、ついに敗北する。



 「COIN」の一般論として、敵が非道なテロ事件を起こしたからといって、火力が桁違いに勝るこちら側が、感情にまかせて「比例原則」を無視して報復することは、民衆のなかに敵が棲む非対称戦争では絶対にやってはいけないことだ。



 比例原則とは、自衛権行使の要件が満たされ反撃が正当化された時に、その「烈度」を戒めるものだ。攻撃する敵の軍事目標の価値と、遺憾ながらそれに伴う市民への第二次被害は“許容範囲”でなければならない。それを超えた結果は、戦争犯罪と称されることになる。今、これがガザで進行している。



 桁違いの火力を持つこちら側の「非道」が、桁違いに多くの第二次被害を生み、民衆に強烈な怒りと憎悪を植え付け、結果、相手の支持基盤をより強固にする。これも米国がイラク・アフガニスタンで証明したことだ。



 現在イスラエルに巨額の軍事援助をするアメリカだが、ガザ戦争において、たとえイスラエル軍が劣勢になっても、プーチンがウクライナ侵攻の口実にしたような「集団的自衛権」をイスラエルのために発動させることはないだろう。



 アフガン戦争敗走、ウクライナへの軍事支援に対する米世論の疲弊、そして今回のガザ戦争を契機にシオニスト政権への急速な米世論の変化の中、バイデンにとって、国連憲章にイスラエルと一緒に血を流す根拠を求めるのは、政治的自殺行為であろう。前述のように、そもそもイスラエルの自衛の権利といっても、凶暴な“強奪行為”の最中の被弾が、国連憲章上の個別的自衛権の要件さえ満たしているのか、という問題がある。



政治揺さぶる民衆運動 停戦をいかに実現するか



 ――国連安保理は機能不全だが、今後どのような停戦のプロセスが考えられるだろうか?



 伊勢崎 採択には至っていないが安保理でのディベート、そしてアメリカなどは反対したが国連総会ではガザ人道的休戦の決議が採択されたように、停戦への動きはすでに始まっている。第二次中東戦争のときと同じような国連総会が発する「平和のための結集決議(Uniting for Peace)」が実現するかもしれない。



 それを経て、具体的な停戦監視団の創設のシナリオが待たれる。重要なのは、それを牽引するリード国の出現だ。第二次中東戦争の時はカナダだったが、残念ながら今回はアメリカと歩調を合わせてしまっている。希望的観測に過ぎないが、おそらくカタールなどの中東の国がリード国になる可能性が高いと思う。



 その際、結果的に失敗したが、シリアのケースが記憶に新しい。まだ、「アサド政権vs反体制派」で、紛争構造が単純だった2012年4月、安保理決議で国連とアラブ連盟の合同特使としてコフィ・アナン前国連事務総長を指名し、250名ほどの国際監視団が創設された。



 ――国連総会でも顕在化したが、世界各地で停戦を求める声が非常に高まっている。世界の多くの国々が、アメリカやイスラエルが仕掛ける分断にはのっていない。



 伊勢崎 パレスチナは、世界中のムスリムの心を一つにするCause(大義)だ。その抵抗の象徴ガザで、あれだけの世紀末的な悲劇が可視化されている。イスラム教徒を多く抱える国の民衆の団結は言うに及ばず、政府がアメリカと歩調を合わせる国々でも民衆運動の波は止まらない。



 カタールにしても、ヨルダン、サウジアラビア、エジプトも含めてアラブ諸国が、アメリカに背を向けているのは、その国民が許さないからだ。これらの国々は、王政や専制政治で知られる国であり、民衆運動の高まりは、そういう政権にとって死活問題になってくるからだ。



 パキスタン、インドネシア、バングラデシュ、マレーシア、国内にISISなど過激派の問題を抱えているアフリカ諸国もそうだ。イスラエル支持を鮮明にしていたインドのモディ首相も、大規模なデモが起きるようになってから、あまりそれを発言しなくなった。



 アフリカ諸国の中でも、セネガルで起きていることは興味深い。イスラム教徒が国民の大多数を占めるが、ISIS問題を抱えており、その対策にあたってイスラエルの軍需産業と深い繋がりがあるため、政府はパレスチナを応援する民衆運動に大きな規制をかけざるを得なくなっている。いずれにしろ、ガザ戦争を契機に高まる民衆運動は、為政者にとって死活問題になっているのだ。



 イスラエルでも、ネタニヤフにとっての最大の脅威は、なによりもまずイスラエル人質の安否を憂う国内世論だ。もちろんシオニズム正義の貫徹による犠牲には慣れている国民性ではあるが、「このガザ戦争が起きた責任はネタニヤフにある」というイスラエル国内世論の高まりを見据え、人道停戦を求める民衆の、国を跨(また)ぐ連帯をさらに強化し、ネタニヤフに政治的判断を転換させることを目指すしか、我々にできることはない。



 米国内でもユダヤ人コミュニティが「即時停戦」を訴えている。これをバイデンは無視できない。市民が政治を変える兆しが顕著に見える瞬間ではないかと思う。



 ――世界ではBRICSやグローバルサウスが台頭し、西側主導のダブルスタンダードから距離を取る国が増えている。これへの影響は?



 伊勢崎 我々は、おそらくアメリカ一強の世界に慣れすぎたと思う。僕の人生の大半もそうだ。それが変わってくる。それだけの話だ。僕は1990年代にアフリカ大陸にどっぷり漬かっていたが、日本などの商社が急速に店じまいする中で、入れ違いに進出してきたのが中国だ。現在に続く中国経済の台頭の地殻変動は当時から起きていた。その変化を決定的にしたのが、ウクライナ戦争だ。



 グローバルサウスは、一つの理念の下に団結しているわけではない。「俺たちは誰の味方でもない。俺たちは俺たちの味方だ」という国々の集まりが欧米に対抗しているように見えるだけだ。そういう集まりだからこそ、自身の国益しか考えない中国やロシアが強い力を持つのだ。このガザ戦争により、それは更に強化されることになるだろう。



大量虐殺生む「集団懲罰」 国際人道法の理解を



 ――日本はイスラエルと同じくアメリカの衛星国家ともいえる現状にある。われわれ日本の市民は、この問題にどう向き合うべきだろうか?



 伊勢崎 日本がアメリカの「部品」に過ぎないことをまず自覚すること。そのうえで肝に銘じなければならないのは、最先端の軍事を誇る米国やイスラエルでも、インサージェントとの戦い(COIN)においては、無力だということだ。



 繰り返すが、長期戦争における“民主主義体制”の最大の弱点を突き、叩けば叩くほど力を得てゆく。そういう相手なのだ。



 それでも我々の為政者は、敵に対して強く拳をあげることで権威を示す。レームダックの体の元首たちほど、それで起死回生を謀る。ブッシュがそうだったし、今のネタニヤフがそれだ。米国の「部品」でしかない日本の為政者たちは、それに従うしかない。



 アメリカでは、71歳の白人男性が「ムスリムはしね」と、パレスチナ移民の六歳の幼児を軍用ナイフで幾度も刺し殺す事件が発生した。犯行動機は、ハマスのテロ事件を報道したメディアの影響だと言われる。ハマスを悪魔化する報道が、パレスチナ人のみならずムスリム全体の非人間化を加速させる可能性を、日本のメディアはしかと自覚するべきだ。



 もう一つ強調したいのは、日本人は、国際法、特に国際人道法を再認識すべきだという点だ。



 僕はウクライナ戦争開戦のときから、一貫して国際人道法が最も戒める「集団懲罰」、日本流に言うと連座を問題にしてきた。これは第二次世界大戦を経験した人類が、ジュネーヴ諸条約を結実させた最も大きな歴史的教訓だ。集団懲罰は、ジェノサイド(大量虐殺)の動機になるからだ。



 ウクライナ戦争のときに僕が言った文脈は、「プーチンが悪けりゃ、ロシア人みんな悪い」という言説空間は、集団懲罰にあたるというものだった。プーチンやその側近の個人をターゲットに、その海外資産の凍結やビザ発給の停止などで知られるスマート・サンクション(標的制裁)は最大限に強化すべきだが、ロシア国民全体に影響を及ぼす経済制裁は、集団懲罰にあたると考えるからだ。



 だが、政治家もメディアも、そして学者たちも、ロシア制裁一辺倒で、標的制裁と経済制裁を明確に区別しないリスクを語るものは極少数。第二次世界大戦後、人類が様々な国際条約を生み出し育んできた、集団懲罰を忌諱する力が、ウクライナ戦争を契機に、世界レベルで失われてしまった。ロシア人の排斥は当然だと思い込む、芸術家や科学者も行き来できない閉鎖的な世界を出現させてしまった。この集団懲罰に寛容な言説空間が、特に欧米社会で増幅する中、ガザ戦争が起きた。



 グテレス国連事務総長は異例の強さをもって言及した。「ガザへの攻撃は、明確な集団懲罰。明白な国際人道法違反だ」と。日本では、国民のどれくらいがピンと来ているだろうか。



 僕は、国際人道法を批准するも、最も重要な国内法の整備を全くやってこなかった日本の「無法」を、ずっと指摘してきた。【あの指導者は悪魔みたいに悪いから、それを選んだ国民も同じように悪い】、もしくは【あの民族に属する集団の所業が悪魔みたいに悪いから、それを許容する民族全体も悪い】。この言説空間が肥大することが、集団懲罰の動機となる。集団懲罰の一番激しい発露が「ジェノサイド」である。



 例えば、ジェノサイドが1000人の犠牲者を生んだとして、それは1000件の殺人事件ではない。必ず、それを政治的に、資金的に煽り、その尖兵となった民衆の手を血で染めさせた指導者、つまり「上官」がいるはずである。



 日本には、一世紀前の関東大震災の折に朝鮮人を虐殺して以来、この「上官責任」を実行犯よりも厳しく追及し、そして重く裁く国内法が欠落したままなのだ。そもそも日本は、1951年に発効した「集団殺害罪の防止及び処罰に関する条約(ジェノサイド条約)」にさえ批准していない珍しい国の一つなのだ。



 集団懲罰を許容する言説空間は、同時に「その悪魔がなぜ生まれたのか」という極めて学術的な営みをも攻撃し、それはウクライナ戦争の即時停戦を訴えた僕や和田春樹先生たちが「親露派」であるというような、言われもないレッテルが貼られる奇妙な現象に発展したことは記憶に新しい。



 さらに、そういう悪魔叩きだけを先行させる言説の肥大は、現在進行するガザ戦争において、ハマスを交渉相手として早期停戦を実現する営みを阻止する。その代償は、パレスチナ市民の夥(おびただ)しい命の犠牲である。



停戦に勝る“正義”あるか 命救う言論空間を



 ――そのような中での研究者の動向や役割についてどう思われるか?



 伊勢崎 日本のメディア、特に地上波放送では、防衛研究所などの研究者が「戦争解説」に動員されている。ガザの病院への攻撃も、イスラエル軍の“ミス”という表現まで用いて。依然として、軍事的強者の立場からの「実況解説」だ。



 もう一度、退役した米軍の友人の言葉を繰り返す。


 「あれだけの密集地に、あれだけの短期間で、あれだけの量を落とすのか」。



 病院の被弾は、もともと近代国家の正規軍として本来あってはならない、民衆への二次被害を禁める「比例原則の無視を前提」としたイスラエル軍の作戦中に起きた悲劇なのだ。これをしかと心に刻んでほしい。



 今回のガザ戦争にあたって、行動的な学者のグループが、いち早く「即時停戦」のアピールを開始してくれた。僕もすぐに署名させていただいた。自分の研究分野で、その研究対象国の教え子も被る悲劇が起きたときに、その悲劇を止めるために、学者というよりもまず一市民として声を上げる人たちだ。心より尊敬する。



 一方で、イスラム学、安全保障を専門とする学者の一部には、「ハマスは殲滅しなければならない」と言い募る者がいる。アメリカの「部品」である日本の為政者たちも、そして大手メディアも、彼らの方を重用するようである。



 世界を巻き込む二つの大きな戦争が進行する現在、ことさら“正義”を言い募る言説空間が荒れ狂うなかで、今ほどに「停戦」を希求する言論空間が必要なときはないと僕は思う。ウクライナ戦争に関する本紙の論考で、再三再四、強調してきたが、停戦は“正義”を否定する営みではない。



 国連の実務家の世界では「移行期正義」と称されるが、“正義”の実現には時間をかけるべきという考え方である。



 即時停戦を!



 “いつものように”執拗な非難にさらされたとしても、気持ちを同じくする国内外の人々と連帯し、さらに運動を広げていきたいと思う。



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いせざき・けんじ 1957年、東京都生まれ。 2023年3月まで東京外国語大学教授、同大学院教授(紛争予防と平和構築講座)。インド留学中、現地スラム街の居住権をめぐる住民運動にかかわる。国際NGO 職員として、内戦初期のシエラレオネを皮切りにアフリカ3カ国で10年間、開発援助に従事。2000年から国連職員として、インドネシアからの独立運動が起きていた東ティモールに赴き、国連PKO暫定行政府の県知事を務める。2001年からシエラレオネで国連派遣団の武装解除部長を担い、内戦終結に貢献。2003年からは日本政府特別代表としてアフガニスタンの武装解除を担当。
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/28102
10:777 :

2023/11/11 (Sat) 17:04:47

2023.11.11XML
イスラエル軍がガザで民族浄化作戦を続けている理由として新運河建設も指摘
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311110000/

 イスラエルはアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」を計画している。スエズ運河はエジプト領にあるが、新運河はエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出るルート。この計画が実現するとイスラエルは世界の物流に対する影響力を手にできるが、問題はパレスチナ人を封じ込めているガザ。新運河の不安定要因になる。その問題を解決するためにはガザからパレスチナ人を消し去らねばならないとイスラエルが考えても不思議ではない。

 ガザには天然ガスの問題もある。地中海東部、エジプトからギリシャにかけての海域で天然ガスや石油が発見されているのだ。この海域に9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っていることがわかっている。ガザ沖にも天然ガスは存在、その開発が進んでパレスチナの経済が豊かになることをイスラエルは恐れている。

 イスラエルは1948年5月14日に「建国」されたが、その時点から「大イスラエル構想」は存在していた。ユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域はユダヤ人の所有物だというのだ。

 その構想を実現しようとしていた人びとはユダヤ教の宗教書であるトーラー(キリスト教徒が言う旧約聖書のうちモーセ5書)の記述を根拠だとしているが、トーラーによると、土地を所有しているのは神であり、ユダヤ教徒はトーラーを守るという条件の下でその土地に住むことを許されただけだ。大イスラエル構想はプロテスタントが言い始めたのだとも言われている。

 しかし、「建国」際に大イスラエルを実現できない。1967年6月5日にイスラエルは第3次中東戦争を仕掛ける。この年の3月から4月にかけてイスラエルはゴラン高原のシリア領にトラクターを入れて土を掘り起こして挑発、シリアが威嚇射撃するとイスラエルは装甲板を取り付けたトラクターを持ち出し、シリアは迫撃砲や重火器を使うというようにエスカレートしていった。

 軍事的な緊張が高まったことからエジプトは1967年5月15日に緊急事態を宣言、部隊をシナイ半島へ入れた。5月20日にはイスラエル軍の戦車がシナイ半島の前線地帯に現れたとする報道が流れ、エジプトは予備軍に動員令を出す。そして22日にナセル大統領はアカバ湾の封鎖を宣言した。

 イスラエルはこの封鎖を「イスラエルに対する侵略行為」だと主張、イスラエルの情報機関モサドのメイール・アミート長官が5月30日にアメリカを訪問、リンドン・ジョンソン米大統領に開戦を承諾させた。そして6月5日にイスラエル軍はエジプトに対して空爆を開始、第3次中東戦争が勃発する。

 この戦争で圧勝したイスラエル軍はガザ、ヨルダン川西岸、シナイ半島、ゴラン高原を占領したが、占領を続けられなかった。それでもゴラン高原の西側3分の2を不法占拠は続け、ヨルダン川西岸では不法入植で侵食してきた。そしてガザでの民族浄化作戦だ。

 ハマスを含むパレスチナ系武装グループが10月7日にイスラエルへ攻め込んだ。軍事作戦「アル・アクサの洪水」だが、この攻撃をイスラエル政府やアメリカ政府は事前に知っていた可能性が高い。その根拠は本ブログでも書いてきた。​この攻撃を受け、攻め込んだ戦闘員と一緒にイスラエル軍はイスラエル人を殺傷しているとイスラエルのメディアも報じている​。

 この攻撃を口実としてイスラエル軍はガザのパレスチナ人に対する無差別攻撃を開始、エジプト領のシナイ半島へ移動するように命じたが、エジプト政府は国境を開けず、パレスチナ人は移動を拒否した。そこで皆殺し作戦へ切り替えたようだ。

 イギリスの支配層が19世紀に策定した長期戦略にとって紅海から地中海へ抜ける運河は重要な意味を持つ。その運河のそばにイギリスが作り上げた国がサウジアラビアとイスラエルにほかならない。

 イギリス政府は1838年、エルサレムに領事館を建設。その翌年にスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査し、アメリカではウィリアム・ブラックストーンなる人物が1891年にユダヤ人をパレスチナに送り出そうという運動を展開し、ベンジャミン・ハリソン米大統領に働きかけた。

 1917年11月2日、イギリス外相だったアーサー・バルフォアはウォルター・ロスチャイルドに書簡を出す。その中で「ユダヤ人の国」を建設することに同意すると書かれている。

 1920年代に入るとパレスチナでアラブ系住民はそうした動きに対する反発が強まり、それを抑え込むため、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成。そしてアイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを採用することになる。この組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立され、違法な殺人、放火、略奪など残虐さで有名だった。そして1948年5月にイスラエルの「建国」が宣言される。

 シオニストには強力なスポンサーが存在した。その中にはエドモン・アドルフ・ド・ロスチャイルドやアブラハム・フェインバーグが含まれている。(Will Banyan, “The ‘Rothschild connection’”, Lobster 63, Summer 2012)

 ライオネル・ド・ロスチャイルドと親しくロシア嫌いだったベンジャミン・ディズレーリは1868年2月から12月、74年2月から80年4月まで首相を務めている。ディズレーリが1875年にスエズ運河運河を買収した際、資金を提供したのはライオネル・ド・ロスチャイルドだ。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)

 1880年代に入るとエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルドは テル・アビブを中心にパレスチナの土地を買い上げ、ユダヤ人入植者へ資金を提供しはじめた。この富豪はエドモンド・アドルフ・ド・ロスチャイルドの祖父にあたる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311110000/
11:777 :

2023/11/16 (Thu) 16:48:11

2023.11.16XML
ガザでパレスチナ人を虐殺しているイスラエルは米国の「不沈空母」として戦争
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311160000/

 イスラエル軍はアル・シファ病院に対する攻撃を始めたという。その地下にハマスの軍事施設があると主張してのことだが、ハマス側は否定している。イスラエル政府がそう確信しているのは、かつて自分たちが病院の地下に施設を作ったからだが、そうした場所にハマスの戦闘員がいる可能性は小さいと考えられている。

 真相は不明だが、その病院に少なからぬ患者や避難民がいることは間違いなく、入院患者は簡単に移動できない。こうしたガザでの住民虐殺が注目されているが、​ヨルダン川西岸ではイスラエル人入植者によるパレスチナ人殺害も引き起こされている​。

 ハマスを含むパレスチナ系武装グループが10月7日にイスラエルへ攻め込んだ際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされているが、イスラエルの新聞ハーレツによると、​イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊した​という。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。

 ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所化であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが設置されている。人が近づけば警報がなり、地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているのだが、10月7日にはそうした動きが見られなかった。

 また、アメリカ軍は10月7日にハマスがイスラエルを攻撃した数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させていることから、事前にアメリカはハマスの攻撃を知っていたのではないかと言われている。

 アメリカ軍はイスラエルに基地を保有している。​そのひとつがネゲブ砂漠のハルケレン山頂にある「サイト512」​。そこにはレーダー施設があり、イランの動きを監視している。

 ​オーストラリアにあるCIAのパイン・ギャップ基地もガザに関する電子情報を収集、そのデータをイスラエル国防軍に提供している​。この基地は通信傍受基地は1966年12月にアメリカとオーストラリアとの間で結ばれた秘密協定に基づいて建設された。協定の期限は10年で、1976年までに更新しないと基地を閉鎖しなければならなかったのだが、アメリカ側は首相だったゴフ・ホイットラムが更新を拒否するのではないかと懸念していた。

 ホイットラムは1972年12月の総選挙で勝利して首相に就任すると、自国の対外情報機関ASISに対してCIAとの協力関係を断つように命令している。チリのクーデターに関する情報を入手、チリでASISがCIAと共同でサルバドール・アジェンデ政権を崩壊させる工作を実行していたことを知っていたからだという。(David Leigh, "The Wilson Plot," Pantheon, 1988)

 そこでCIAは1975年11月、イギリス女王エリザベス2世の総督だったジョン・カーにホイットラム首相を解任させる。実際に動いたのはアメリカのCIAやイギリスのMI6だが、総督がいなければ解任できない。総督は名誉職だと考えられていたが、そうではなかったのである。

 カーは第2次世界大戦中の1944年、オーストラリア政府の命令でアメリカへ派遣されてCIAの前身であるOSS(戦略事務局)と一緒に仕事をしている。大戦後もCIAと深い関係にあった。(Jonathan Kwitny, "The Crimes of Patriots," Norton, 1987)

 アメリカの電子情報機関NSAの基地はキプロスにもあり、中東も監視の対象だ。1961年9月、コンゴの動乱を停戦させるために動いていたダグ・ハマーショルド国連事務総長が乗っていたDC-6は何者かによって撃墜された。この時、​キプロスの担当官はDC-6を撃墜した飛行機を操縦していたパイロットの通信を傍受していた​という。

 コンゴは1960年にベルギーから独立、選挙で勝利したパトリス・ルムンバが初代首相に就任したが、資源の豊富なカタンガをベルギーは分離独立させようとしていた。

 アメリカのアレン・ダレスCIA長官もルムンバを危険視、コンゴ駐在のクレアー・ティムバーレーク大使はクーデターでの排除を提案したという。CIA支局長はローレンス・デブリン。このとき、ティムバーレーク大使の下には後の国防長官、フランク・カールッチもいた。当時のアメリカ大統領、ドワイト・アイゼンハワーは同年8月にルムンバ排除の許可を出している。(David Talbot, “The Devil’s Chessboard,” HarperCollins, 2015)

 アメリカ支配層に選ばれたモブツ・セセ・セコが1960年9月にクーデターを成功させ、12月にルムンバは拘束された。1961年1月17日にアメリカでジョン・F・ケネディが大統領に就任する3日前、ルムンバは刑務所から引き出され、ルムンバの敵が支配する地域へ運ばれて死刑を言い渡された。そしてアメリカやベルギーの情報機関とつながっている集団によって殴り殺されている。









 ガザでの戦闘も利権が関係していると見られている。ひとつは地中海東部、エジプトからギリシャにかけての海域で発見された天然ガスや石油。この海域に9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っていて、ガザ沖にも天然ガス田がある。

 また、イスラエルはアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」を計画している。スエズ運河はエジプト領にあるが、新運河はエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出るルートだ。

 インドのナレンドラ・モディ首相は9月8日、ニューデリーで開催されたG20サミットの席上、IMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表した。アメリカとロシアを両天秤にかけていたインドだが、ここにきてアメリカやイスラエルに接近していることを明らかにしている。

 IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルート。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたというのだが、これはガザでのパレスチナ人虐殺で雲行きが怪しくなった。

 こうした利権を包括したような大きな利権をネオコンは考えている。欧州連合軍(現在のNATO作戦連合軍)の最高司令官を務めたウェズリー・クラークによると、国防総省本部庁舎(ペンタゴン)やニューヨークの世界貿易センターが攻撃された2001年9月11日から10日ほど後、統合参謀本部でクラークは攻撃予定国リストを見たと語っている。そこにはイラク、シリア、レバノン、リビア、ソマリア、スーダン、そしてイランが載っていたという。(​3月​、​10月​)

 ネオコンは最終的にイランを制圧し、中東の石油利権や海洋ルートを自らの管理下に置こうとしている。そのための拠点がイスラエルにほかならない。

 中東で石油が発見された後、1916年にイギリスはフランスと協定を結ぶ。フランスのフランソワ・ジョルジュ・ピコとイギリスのマーク・サイクスが中心的な役割を果たしたことからサイクス-ピコ協定と呼ばれている。その結果、トルコ東南部、イラク北部、シリア、レバノンをフランスが、ヨルダン、イラク南部、クウェートなどペルシャ湾西岸の石油地帯をイギリスがそれぞれ支配することになっていた。

 協定が結ばれた直後、イギリスはオスマン帝国を分解するためにアラブ人の反乱を支援しはじめる。工作の中心的な役割を果たしたのはイギリス外務省のアラブ局で、そこにサイクスやトーマス・ローレンスもいた。「アラビアのロレンス」とも呼ばれている、あのローレンスだ。そしてサウジアラビアを作り上げる。

 イギリス外相だったアーサー・バルフォアは1917年11月2日、ウォルター・ロスチャイルドに書簡を出し、その中で「ユダヤ人の国」を建設することに同意すると書いた。

 そうした動きに対し、長い間そこに住んでいたアラブ人は反発、それを抑え込むため、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成。そしてアイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを送り込むことになる。この組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立され、違法な殺人、放火、略奪など残虐さで有名だった。そして1948年5月にイスラエルの「建国」が宣言された。パレスチナ問題はここから始まる。

 1983年1月、中曽根康弘は内閣総理大臣としてアメリカを訪問、ワシントン・ポスト紙の編集者や記者たちと朝食をとった。その際、彼はソ連のバックファイア爆撃機の侵入を防ぐため、日本は「不沈空母」になるべきだと言ったと報道されている。

 中曽根はそれをすぐに否定するが、発言が録音されていたことが判明すると、「不沈空母」ではなく、ロシア機を阻止する「大きな空母」だと主張を変えた。このふたつの表現に本質的な差はない。日本列島はアメリカ軍がロシア軍を攻撃するための軍事拠点だと中曽根は認めたのである。

 ワシントン・ポスト紙は「大きな空母」発言以外に、「日本列島にある4つの海峡を全面的かつ完全に支配する」と主張し、「これによってソ連の潜水艦および海軍艦艇に海峡を通過させない」と語っている。こうした発言はソ連を刺激した。

 実は、その前にイスラエルは自国についてアメリカの不沈空母だと表現していた。 だからこそ、アメリカはイスラエルを大事にしろということだろう。今でもイスラエルはアメリカにとって「不沈空母」だ。アメリカはイランを狙っている。

 そのイランもガザにおけるイスラエルの虐殺を批判、状況によってはなんらかの形で介入することを匂わせている。ガザでの虐殺を続ければイランが軍事介入、それを口実にしてアメリカ軍がイランを攻撃するというシナリオをジョー・バイデン政権は考えているかもしれない。無謀だが、ネオコンは無謀なことを繰り返してきた。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311160000/
12:777 :

2023/11/16 (Thu) 17:16:45

内田樹の研究室
月刊日本インタビュー「ウクライナとパレスチナ」
2023-11-16
http://blog.tatsuru.com/2023/11/16_0920.html

― ウクライナ戦争に続いてイスラエル・ハマス戦争が起こりました。この事態をどう受け止めていますか。
内田 強い衝撃を受けました。これまでもイスラエルとパレスチナは衝突を繰り返してきましたが、今回は暴力性の次元が違うと感じます。イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザから攻撃を仕掛け、イスラエルは「戦争状態」を宣言して以来、徹底的な報復攻撃を行っています。欧米はイスラエルの自衛権を支持していますが、「これは自衛の範囲を超えている」と批判している国も多くあります。
 でも、今回の事態を何と表現すればいいのか、私にも実はよく分からないのです。これは近代的な国民国家間の戦争ではありません。かといって、ポストモダン的な非国家アクターによるテロではないし、単なる民族抗争、宗教戦争とも言い切れない。そのどれでもなく、そのどれでもあるような、複合的な戦いが起きている。このような事態を適切に表現する言葉を私たちは持っていないという気がします。私たちはまず「何が起きているのかうまく説明できず、解決方法もわからない」というおのれの無知と無能を認めるところから出発する必要があると思います。
 ただ、イスラエル側の認識には前近代的な宗教戦争や「聖戦」思想に近いものを感じます。今回、ハマスは非戦闘員を含むイスラエル国民を無差別に虐殺しました。これについてネタニヤフ首相はハマスを「新しいナチス」と呼び、演説では「私たちは光の民であり、彼らは闇の民だ」という善悪二元論的な理解を示しました。イスラエルの国防大臣は「私たちは人間のかたちをした獣(human animals)と戦っている」とまで言い切りましあ。イスラエルによれば、今回のハマスとの戦闘は、二つの国家がそれぞれの国益を守るために行う「ふつうの戦争」ではなく、人間が悪魔と闘っている「神話的な戦争」だということになります。それではイスラエルのガザ攻撃に歯止めが利かなくなって当然です。相手は人間じゃないんですから。
 戦時国際法では、攻撃してよいのは敵戦闘員か軍事基地などに限られます。降伏者、負傷者、病人などの非戦闘員は攻撃目標にしてはなりませんし、医療施設も教育施設も宗教施設なども軍事目標にしてはならない。もちろん、実際の戦闘においては、市民や非軍事的な施設が「巻き添えを食う」ことは避けられませんが、それでも交戦時には「巻き添え被害」を最小限にとどめることがすべての軍隊には求められています。
 しかし、今回のイスラエルのガザ空爆は敵国の構成員は原理的にはすべて潜在的な戦闘員だという理解に基づいています。たしかに戦闘員と非戦闘員の線引きは困難ですけれども、交戦に際しては、その線引きのために最大限の努力をすることが求められている。自分が殺そうとしている相手が戦闘員か非戦闘員かがわからないときには、引き金を引くことを「ためらう」ことを求めている。それは正義の実現とはほど遠いけれども、犯さなくてもよい罪は犯さない方がいいと命じている。ことは原理の問題ではなくて、程度の問題なんです。
 ところが、今回イスラエルは、敵国の構成員である以上、子どもも大きくなれば兵士になるかも知れないし、医療施設で治療を受けた人間は治癒すれば前線で戦うかも知れないという理屈で「子どもも殺すし、病院も爆撃する」ことを正当化している。「ジェノサイド」と呼ばれるようになったのは、そのためです。
 これは近代国家として守るべき最低限の節度を越えています。今起きている事態をどう呼べばいいのかは僕にはよく分かりません。でも、名前をどうつけるよりも、この瞬間も殺され続けているガザの人たちの命を守るために一刻も早く停戦することが最優先される。「これは言葉の問題ではなく、時間の問題なのだ」というのは感染の拡大を前にして、この病気がペストかどうかをいつまでも論じている専門家たちに向けて『ペスト』の医師リウーが告げる言葉です。今のガザについても、同じことが言えると思います。
―― ウクライナ戦争にも聖戦の側面があります。
内田 ロシアも前近代のパラダイムに退行しつつあるように見えます。プーチンはウクライナの「非ナチ化」を掲げて侵攻しました。ウクライナ政府がナチ化しているというのは、まったくナンセンスな妄想です。でも、妄想にも十分に現実変成力はあります。妄想に駆られた人によって現に都市が破壊され、多くの人が殺されている。
 一方のウクライナは、国土と国民を守る国民国家の自衛戦争をしています。こちらの方は戦うことに国際法的な合理性がある。ですから、国際社会はロシアを非とし、ウクライナの自衛には理があるとした。軍事支援はNATO諸国に限定されていますが、モラルサポートは世界から送られました。
 しかし、パレスチナ戦争の勃発直後に、ゼレンスキーがイスラエル全面支持を打ち出したことで、ウクライナへのモラルサポートは一気に萎んでしまった。ウクライナの最大の戦力はロシアに対する倫理的優位性だったのですが、ガザの市民を虐殺しているイスラエルを支持したことで、その倫理性が深く傷ついてしまった。かつてウクライナを支持した同じ市民たちが今はパレスチナを支持しています。当然、欧米諸国政府の対ウクライナ支援の機運もこれで萎んでしまうでしょう。すでに「ウクライナ疲れ」が広がっているこのタイミングでのゼレンスキーの「失言」はもしかすると彼の政治的求心力に致命傷を与えるかも知れません。
―― アメリカの覇権が衰退する中でヨーロッパと中東で戦争が勃発し、近代的な国際秩序が動揺する一方、前近代のパラダイムが復活してきている。
内田 そういうことだと思います。ただし、ウクライナとパレスチナは同列に論じることはできません。ロシア・ウクライナは独立した国民国家間の戦争ですが、イスラエルとパレスチナはそうではありません。パレスチナは長くイスラエルによって分断され、抑圧され、国家機能を奪われており、いまだほんとうの意味で国家としての政治的自立を達していませんから。
 それからもう一点、ロシアとウクライナは文化的にも多くの共通点を持っている同じスラブ民族の「兄弟国」ですが、イスラエルとパレスチナは、民族が違い、言語が違い、宗教が違うまったくの「異邦人同士」です。ですから、仮にこれから和平があり得たとしても、この二つの戦争ではずいぶん違うものになるだろうと思います。
― パレスチナでの戦争は「21世紀の中東は誰が管理するのか」という問いを突き付けるものだと思います。
内田 「中東の管理者」は歴史的に見ると、13世紀から1922年まではオスマン帝国、大戦間期は英国、そして第二次大戦後はアメリカというふうに遷移しています。
 第一次世界大戦中、英国はオスマン帝国を弱体化させるために、アラブにはフサイン=マクマホン書簡で独立を約束し、ユダヤにはバルフォア宣言でユダヤ人の「民族的郷土(National home)」を約束するという「二枚舌外交」を行いました。それが今日のパレスチナ問題の原因となりました。
 大戦間期には「中東の管理者」を任じていた英国は、第二次大戦後に国力が衰え、「世界帝国」から大西洋の一島国に「縮む」という戦略転換をしました。その時に「中東の管理者」のポストは英国からアメリカに移りました。
 しかし、アメリカも英国同様、中東の管理には結局失敗します。イラク、アフガニスタン、シリア、そのどこにもアメリカは「欧米的民主主義」を扶植することができなかった。そもそもアメリカが中東に強い関心を寄せたのは、石油資源が欲しかったからです。でも、中東全域をパックスアメリカーナの秩序下に収め、石油の安定供給を確保するために要する「統治コスト」より、アメリカ国内で資源を調達するための「技術開発コスト」の方が安いということがわかった時点で、アメリカには中東に固執する必然性がなくなった。
 それゆえ、オバマは2013年に「アメリカは世界の警察官ではない」と宣言し、アメリカは本格的な「リトリート(大退却)」を開始しました。それは「中東をコントロールするために要するコストは、中東からもたらされるベネフィットより大きい」という算盤を弾いた結果です。そうやって、2021年にはアフガンから撤退し、イラク駐留米軍の戦闘任務を終了しました。それに並行して、イスラエルとアラブ諸国の関係改善を主導して、2020年にはイスラエルとバーレーン、UAEの国交正常化を実現し、イスラエルとサウジとの国交正常化交渉を進めています。つまり、アメリカは「中東管理」という苦労の多い仕事をこれからはイスラエルに代行させて、自分たちはそっと逃げ出す算段をしていたんだと思います。でも、「リトリート」の代償として、アメリカはイスラエルに「中東におけるフリーハンド」を与えてしまった。それが裏目に出たのが今回のガザ侵攻だと言ってよいと思います。
 厄介払いをしたつもりが、逆にアメリカはウクライナ問題に加えてイスラエル問題という問題を抱え込むことになってしまった。いわば「二正面作戦」を強いられることになったわけです。そして、ウクライナ支援では共同歩調をとってくれたヨーロッパ諸国の国民世論は圧倒的に「パレスチナ支援」に傾いていて、イスラエルを後押しするアメリカには国際社会のモラルサポートがありません。
 アメリカはかなり手詰まりになっています。アメリカが中国との関係改善に意欲的なのは、そのためだと思います。ここで中国との関係が緊張してしまうと、いよいよ「三正面作戦」を展開しなければならなくなる。たぶん中国はここで窮地のアメリカに「貸し」を作ることで、対中国包囲網を緩和させるという譲歩を引き出すつもりでしょう。アメリカは譲るしかないと思います。
―― イスラエル戦争は米中接近につながった。
内田 そうです。でも、もちろん米中接近には限界がある。かつてイギリスがアメリカに覇権を委譲したのは、英米がアングロサクソンの「兄弟国」だったからです。でも、アメリカから中国への覇権委譲はそれほどスムーズには実現しないでしょう。かなり複雑で、ぎくしゃくした「米中協調」になる。でも、それしかアメリカにとっての選択肢はありません。今後、アメリカはウクライナでも、中東でも、アフリカでも、国際秩序を保つためには中国の外交力と経済力を借りなければならない。その点では中国に頼りたいのだが、中国の国際社会でのプレゼンスをこれ以上は大きくさせたくはない。どうしたらよいか。たぶん、米中以外に複数のキープレイヤーを関与させて、問題解決における中国のプレゼンスを減殺するという戦術を採択することになると思います。
 中東の場合でしたら、トルコがこのキープレイヤーになるでしょう。今回の戦争についてエルドアン大統領はイスラエルを「戦争犯罪国家」と断じ、イスラエルを支持する欧米を「十字架と三日月の戦争を引き起こしたいのか」と厳しく批判しています。イスラム世界のリーダーとしては当然の発言だと思います。
 でも、トルコは中国ともアメリカともロシアとも「等距離」にいます。何よりオスマン帝国には600年にわたって安定的に中東を統治してきたという実績がある。その歴史的経験を踏まえて、今新たに強国として登場してきたトルコが中東情勢安定に積極的に関与するというシナリオはアメリカにとっても中国にとっても決して「損になる話」ではない。アメリカからすれば、トルコはNATOの同盟国ですし、トルコ国内には米軍が駐留している。そして、トルコと中国はいずれ「帝国の辺境」において必ず衝突するはずだからです。
 中国が「一帯一路」構想でめざしているのは西域から中央アジアを経て黒海に到る現代のシルクロードですが、その地域はそのままトルコからアゼルバイジャン、トルクメニスタン、ウズベキスタン、カザフスタンを経て新疆ウイグルの至る「スンナ派テュルク族ベルト」と重なります。どちらがこの地域の「主」となるか、その覇権をめぐって中国とトルコはいずれ必ず衝突します。この潜在的な緊張関係を利用すれば、アメリカはトルコと中国を「操作する」ことができるかも知れない。たぶん米国務省はそういう算盤を弾いているはずです。
―― イスラエル戦争の停戦や新しい中東秩序が実現したとしても、パレスチナ問題の解決は至難の業です。
内田 こればかりはうまい解決策が思いつきません。1948年にパレスチナにイスラエルが建国され、先住民であるアラブ人たちは土地を追われました。その非道を正すための「アラブの大義」を掲げて、1948年から73年までに4度の中東戦争が行われましたが、イスラエルが軍事的にはアラブ世界を圧倒した。この戦争の終結のために、1978年にジミー・カーター大統領の仲介で、エジプトのサダト大統領とイスラエルのベギン首相の間キャンプ=デーヴィッド合意が取り結ばれました。この二人は翌年ノーベル平和賞を受賞しました。しかし、ここには戦争の当事者であるパレスチナ人の代表は呼ばれておらず、ベギンはエジプトとの和平実現後、1982年にレバノンにあるPLOの拠点を攻撃するレバノン侵攻を実行し、サダトはイスラエルと合意したことで「アラブ人同胞の裏切り者」と批判され、のちに暗殺されまてしまいした。
 1993年にはイスラエルのラビン首相、ペレス外相とPLOのアラファト議長が「二国家共存」を目指すオスロ合意を交わし、これも彼らにノーベル平和賞をもたらしましたが、ラビン首相はやはり自国の過激派に暗殺され、アラファト議長没後にPLOは分裂し、パレスチナは、主流派ファタハがヨルダン川西岸地区を支配し、非主流派のハマスがガザ地区を支配するという現在のような分断国家になりました。
 二度にわたって和平合意がなされ、当事者五人がノーベル平和賞を受賞しながら、結局平和は達成できなかった。この歴史的経験からわかることは、どれほど合理的な和平合意も、それぞれ当事国の国民による「感情の批准」が得られなければ空文になるということです。
 問題は和平協定そのものの合理性よりむしろ国民感情です。最も強く人を衝き動かすのは怒り、憎しみ、屈辱感といった「負の感情」です。だから、ポピュリスト政治家は、そのような「負の感情」を政治資源として利用して、権力を獲ようとする。でも、一度火が点いた感情はそう簡単にはコントロールできません。ポピュリストは、国民の怒りや憎しみや屈辱感を手段に使って政治目標を達成しますが、しばしば暴走する感情を御し切れずに自分自身が政治生命を失うことになる。イスラエルはおそらくそうなると思います。ネタニヤフ政権は「史上最右翼」と言われる政権ですが、それはイスラエル国民の怒りと憎しみを政治資源として「活用」することで権力を維持してきたということだからです。
 10月7日のハマスのテロを事前に察知できなかったのは情報機関の失策だと言われていますが、そのせいで1200人の死者が出て、イスラエル国民の怒りに火が点きました。支持率低下に苦しんでいたネタニヤフにとってはこれが政治的浮力になった。怒りと憎しみをおのれの政治的求心力のために利用した以上、この後、仮にネタニヤフ政権が停戦に合意しようとしても国民感情がそれを許さないということが起きる可能性があります。過去二度の合意と同じように、和平に合意した者は味方から「裏切者」と罵倒されることになるかも知れない。
―― 最終的に国際問題を解決するためには、「負の国民感情」を鎮めなければならない。
内田 そうです。そのためには死者を鎮魂し、生き残ったけれど深く傷ついた人々を慰藉しなければならない。供養というのは、死者たちについては、彼らがどう生き、どう死んだのか、それをできるだけ精密に語り継ぐことです。それは「負の感情」に点火するための営みではありません。怒りと憎しみを鎮めるための営みです。そこから死者たちについての新しい「物語」が生まれてくれば、死者たちはもう「祟る」ことはなくなります。
 その点で注目に値するのが、韓国の取り組みです。韓国ではこの10年、李氏朝鮮末期から日本の植民地支配時代、軍事独裁時代を題材にしたドラマや映画を次々に発表してきました。自国のトラウマ的経験、歴史の暗部をあえてエンターテイメント化してきた。私はこれは国民的規模での「鎮魂」の儀礼だと思っています。
 日本でも朝鮮人虐殺を題材にした映画『福田村事件』が異例のヒット作になりました。これは森達也監督がこの「歴史の暗部」をあえてエンターテインメントとして再構成したことの成果だと思います。
 物語がエンターテインメントとして成立するためには、登場人物たちに「深み」がなくてはなりません。薄っぺらで記号的な「善人」や「悪人」がぞろぞろ出てきても、感動は得られないからです。シンプルな「勧善懲悪物語」には人を感動させる力はありません。私たちが映画やドラマを見て感動するのは、すべての人は、それぞれ固有の事情を抱えながら、運命にひきずられるようにして、ある時、ある場所で、思いがけずある役割を演じることになるという人間の宿命の抗いがたさの前に立ち尽くすからです。『福田村事件』はそういう映画でした。私たちは死者たちについて物語ることを通じて「供養する」。それは死者たちに「善人」「悪人」というラベルを貼って、それで済ませるのではなく、一言では片づけられない人間の「深み」を物語るということです。
 現在、日韓関係は改善に向かっていますが、その背後にはこういう文化的な努力の積み重ねがあるからだと思います。どれだけ長い時間がかかったとしても、私たちは死者の鎮魂と生者の慰藉を通じて負の国民感情を鎮静させ、民族間の憎しみの連鎖という「呪い」を解かなければなりません。
―― 「この世には命や平和より大切なものがある」という考え方があります。 そういう超越的な価値に基づいて戦っている当事者に「命や平和を守りましょう」と呼びかけても説得できないではありませんか。
内田 十字軍やジハードや祖国防衛戦争など、いつの時代も現世の幸福を否定しても「聖戦」に身を投じるという人はいます。でも、来世の幸福を渇望するのは、現世が不幸だからです。テロリズムは今ここでの物質的・精神的な「飢餓」が生み出すものです。ですから、まずあらゆる人々の衣食住の欲求が満たされる必要がある。でも、それだけでは十分ではありません。自尊心や集団への帰属感が得られなけれれば「飢餓」は満たされない。
 ヨーロッパでは移民の衣食住はなんとか制度的に整えられていますが、それでも移民によるテロ事件が後を絶ちません。それは彼らが日常的に劣等感や屈辱感を味わっているからです。テロリストになることで自尊感情と集団への帰属感を回復しようとするのは、今いる社会ではそれが得られないからです。
 ですから、「テロリズムと戦う」というのは、「テロリストを根絶する」ということではなく、テロリズムを生み出す怒りと憎しみと屈辱感を誰にも与えない社会を創り出すということです。遠い目標ですけれども、テロリズムを根絶する方法はそれしかありません。
―― パレスチナ問題は「二国家共存」という政治的解決が示されていますが、真の解決はどうしたらできるか。
内田 パレスチナ問題の根源にあるのはヨーロッパの反ユダヤ主義です。近代反ユダヤ主義はエドゥアール・ドリュモンの『ユダヤ的フランス』(1886年)から始まります。ドリュモンはフランスの政治も経済もメディアも学問もすべてユダヤ人に支配されているという「陰謀論」を展開して、爆発的なブームを巻き起こしました。ドレフュス事件はその渦中で起きました。
 ユダヤ人ジャーナリストのテオドール・ヘルツルは『ユダヤ人国家』(1896年)を執筆して、近代シオニズム運動の主導者になりますが、彼が「ユダヤ人の国」が建設されなければならないと決意したのは、取材に訪れたパリで、ドレフュス大尉の官位剥奪式に詰めかけた群衆たちの反ユダヤ感情の激しさに触れたことによります。「ユダヤ人はヨーロッパから出て行け」というフランスの反ユダヤ主義者たちの主張を重く受け止めたヘルツルは「ユダヤ人の国」の建設というアイディアを得ますが、このアイディアを最初に言い出したのは「反ユダヤ主義の父」ドリュモンです。「ユダヤ人はヨーロッパから出て、自分たちだけの国を建国すればいい。そうすれば、そこでは誇りをもって生きられるだろう」と彼はユダヤ人に向けて「忠告」したのです。
 ヘルツルが「ユダヤ人の国」の建設予定地として検討した中には、ウガンダ、アルゼンチン、シベリアなどがありました。つまり、「どこでもよかった」のです。でも、やがて近代シオニズムはそれ以前から宗教的故地への入植活動として細々と営まれてきた宗教的シオニズムと合流するかたちで「シオンの地」であるパレスチナに「ユダヤ人の国」を建国することを目標として掲げることになります。
 今、イスラエルはパレスチナとの共存を拒んでいますが、イスラエルという近代国家ができたのは、そもそもヨーロッパがユダヤ人との共存を拒んだことが遠因です。問題の根源は「他者と共生すること」ができない人間の非寛容さです。それが近代反ユダヤ主義を生み、パレスチナ問題を生み、現在のガザでの虐殺を生み、さらには新たな反ユダヤ主義さえ生みだそうとしている。
 答えは簡単と言えば簡単なのです。反ユダヤ主義とパレスチナ問題は同根の問題だからです。これを生み出したのはどちらも「他者との共生を拒む心」です。そのような弱い心情に人が屈する限り、同じ種類の問題は無限に再生産されます。「理解も共感も絶した他者とも共生し得るような人間になること」、それ以外の解決法はありません。(11月4日 聞き手・構成 杉原悠人)

(2023-11-16 09:20)
http://blog.tatsuru.com/2023/11/16_0920.html
13:777 :

2023/11/18 (Sat) 06:01:22

2023.11.18XML
ガザで無差別攻撃を行っているイスラエル軍に軍事支援を続ける米政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311170001/

 ガザではイスラエル軍の攻撃で1万1500人以上の住民が殺され、2万9200人が負傷したとされている。死者の約4割は子どもだという。そのガザでイスラエル軍は病院や学校も破壊しているが、11月17日には通信を遮断したうえでアル・シファ病院へ再び突入した。15日に続く攻撃だ。病院から逃げ出した人びとを含め、少なからぬ患者や避難民が犠牲なっている。攻撃の前にイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はアメリカのジョー・バイデン大統領に電話をかけ、イスラエル国防軍が病院を攻撃し、占領する許可を得たとされている。

 ​ブルームバーグによると、アメリカ国防総省はイスラエルに対する軍事援助を強化、秘密裏にヘルファイア・レーザー誘導ミサイル約2000発を含む砲弾やミサイル、タミールミサイル迎撃ミサイル312基などを供給した​という。バイデン政権が大量の武器や多額の資金を投入したウクライナでの惨状が漏れ始め、アメリカでも批判が強まっていることからイスラエルへの支援は知られたくないのだろう。

 しかし、イスラエル政府はまだ満足していない。さらに155ミリメートル高火力砲弾、M4A1ライフル、PVS-14暗視装置、M141ハンドヘルド・バンカー・バスター弾(地中貫通爆弾)を要求しているとされている。

 ソ連が消滅した直後のネオコンと同じように、ベンヤミン・ネタニヤフ政権はガザで何をしても許されると考えているのかもしれないが、それを許しているのは日米欧の支配層だけ。ガザに対する無差別攻撃に対する怒りは全世界に広がっている。

 病院の地下にハマスの軍事施設があるとしての攻撃だが、説得力のある証拠を提示できていない。そこでイスラエル政府はイリュージョンを使い始めた。例えばイスラエル軍がどれだけ病院を助けようとしてきたかということを語る女性医師を登場させたが、この女性がイスラエルの女優だということが明らかにされている。西側有力メディアの「報道」はイスラエル軍の検閲済みだ。こうした仕組みはユーゴスラビアでもイラクでもリビアでもシリアでもウクライナでも同じだ。

 イスラエル軍は今回もアル・シファ病院の地下にハマスの司令部があることを示す証拠を見つけ出すことはできなかった。そのかわり、英語で「医療用品」と書かれた箱を運び込んだが、なぜヘブライ語でなかったのかと苦笑されている。箱の中にはハマスと病院を結びつける「証拠品」が入っていたのかもしれない。

 ガザで虐殺を繰り広げるイスラエル政府に対する怒りは世界各地で抗議活動という形で現れているが、ダーイッシュ(IS、ISIS、ISIL、イスラム国とも表記)を倒したイラクの武装グループがイラクやシリアにあるアメリカ軍の基地に対する攻撃を始めている。今後、ガザのパレスチナ人に対する支援を始めるという。

 10月7日にイスラエルへ攻め込んだハマスの部隊はアメリカ製の武器を携帯していたが、 それはウクライナ軍が横流ししたものだと噂されている。

 ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所化であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが設置されている。人が近づけば警報がなり、地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているのだが、10月7日にはそうした動きが見られなかった。

 また、アメリカ軍は10月7日にハマスがイスラエルを攻撃した数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させていることから、事前にアメリカはハマスの攻撃を知っていたのではないかと言われている。

 アメリカ軍はイスラエルに基地を保有しているが、​そのひとつがネゲブ砂漠のハルケレン山頂にある「サイト512」​。そこにはレーダー施設があり、イランの動きを監視している。​オーストラリアにあるCIAのパイン・ギャップ基地もガザに関する電子情報を収集、そのデータをイスラエル国防軍に提供している​。

 攻撃の際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされているが、​イスラエルの新聞ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊したという​。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。

 10月7日のハマスによるイスラエル攻撃には不可解な点が少なくないのだが、その後の展開はイスラエルが建国以来続けてきたパレスチナ人弾圧に対する世界の怒りを噴出させかけている。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311170001/
14:777 :

2023/11/24 (Fri) 22:38:42

特番『中東危機とウクライナ戦争で露呈するアメリカの堕落』ゲスト:著作家  宇山卓栄氏
2023/11/24
https://www.youtube.com/watch?v=C7OmH0oSZmQ
15:777 :

2023/11/24 (Fri) 22:50:47

これはイスラエル政府の問題ではなく、ユダヤ人の民族性の問題なので、未来永劫変わりません:
『悪者のアラブ人とは和平交渉も不可能だし、彼らのいうことはけっして信用できない』 
 1957年にイスラエルに生まれたダニー・ネフセタイ氏は、高卒後に徴兵制によってイスラエル軍に入隊し、3年間空軍に所属した。
 ダニー氏の祖父母の世代は、1948年のイスラエル建国前に、シオニズム運動の一環で、当時イギリス統治下のパレスチナに移住してきた人が大部分だという。ダニー氏の父方の祖父母は、1920年にポーランドのオシフィエンチムからイスラエルにやってきた。オシフィエンチムはドイツ占領後、ドイツ語式にアウシュビッツと呼ばれるようになる。つまり故郷が「ユダヤ人絶滅収容所」になる前に、イスラエルに移住してきた。
 ダニー氏は、イスラエルの建国について、「それは愚かなことに、その土地に元々住んでいたアラブ人を傷めつけながらのことだった」とのべている。それによって70万人以上のアラブ人は殺されたり難民になったりしたが、その後イスラエル政府は村々の痕跡を徹底的に消し去り、人々の意識や記憶からアラブ人の存在を消し去ってしまった。アラブ人にとっては「ナクバ(大災厄)」だが、イスラエル国会は「国をあげて祝うべき独立記念日に、ナクバを悲しむ行事をしてはいけない」という法律もつくっている。

 1967年の第3次中東戦争では、イスラエルがガザ地区やヨルダン川西岸などを占領し、国連安保理は占領地からの撤退を求めたが、イスラエルのメディアは「戻ってきた土地」という言葉をくり返し、学校の教師たちは軍をほめ称えたという。

イスラエルの洗脳教育 「ユダヤは他より優れる」
 この本の中でダニー氏は、なぜ自分が「国のために死ぬのはすばらしい」と思い込むようになったのかを、幼少期からの洗脳教育やメディア報道の実際から詳しくのべている。
 イスラエルでは小学生になってから旧約聖書を勉強し、「神がユダヤ人にイスラエルの地を約束した」「ユダヤ人は他より優れた、神に選ばれし民族だ」とくり返し教えられる。軍隊入隊時には「軍隊仕様」の旧約聖書が配られるほどだ。
 毎年五月におこなわれるユダヤ教の祭日ラグバオメルのクライマックスは、かかし大の人形に火が燃え移る瞬間で、子どもたちはそれを指さして「あれはヒトラーだ」「ナーセル(エジプト大統領、当時)だ」といってののしったという。第1次~第4次中東戦争の相手がエジプトだ。

 イスラエルの子どもは幼少期から、「相手を嫌っているのはイスラエル側ではなく、アラブ側だ」「戦争を望んでいるアラブ人と違い、私たちユダヤ人は平和を愛する優れた民族だ」「悪者のアラブ人とは和平交渉も不可能だし、彼らのいうことはけっして信用できない」と信じ込まされる。それは学校教育だけでなく、家庭や地域、メディアで徹底される。

 イスラエルでは、就学前から教え込まれる二つの物語があるという。一つはマサダの教訓だ。マサダとは西暦70年、ローマ帝国の侵攻直前にユダヤ人が集団自決した場所で、「捕虜になってはいけない。最後まで戦い続ける」というもの。もう一つは「テルハイの戦い」で、1920年にアラブ人の襲撃を受けて数人のユダヤ人が死亡したが、そのうちの一人が死ぬ間際に「国のために死ぬのはすばらしい」といったという言い伝えだ。

 そして小学5年になると週1回、シェルターに逃げ込む訓練がおこなわれ、中学生になると兵役の準備のためのサバイバル訓練があり、高校では軍隊見学があって空軍パイロットの道へのモチベーションを高める。そして高卒後は、男性は3年間、女性は2年間兵役に就き、退役後も45歳まで予備役が続く。

 この好戦主義に輪をかけているのが、「私たちがなにをしても、世界の誰一人として私たちを批判する権利はない」という認識だ。これは1961年、ホロコーストの最高責任者の一人、アドルフ・アイヒマンを裁く裁判がイスラエルで開かれ死刑が宣告されたとき、当時のイスラエル外相ゴルダ・メイアが語った言葉で、その影響は現在まで続いている。エジプトの和平提案を拒絶し、第4次中東戦争に突入したのは、このゴルダ・メイアが首相のときだった。

 また、イスラエルは建国以来、パレスチナ国家の誕生を防ぐため、ユダヤ人の入植を国策として推進してきた。そのため政府が補助金を出し、国内に家を建てるより入植地に建てる方がはるかに安くすむようにし、公共交通の料金も入植地の方が安く設定されている。だから、パレスチナ人の権利を一切認めない右派層だけでなく、安さにひかれて入植する人もいるそうだ。

 さらに、イスラエル国内に住むアラブ人(人口の20%)はユダヤ人と別の地域に住み、学校も別。子ども同士の会話でも「アラブ人のできる仕事はウエイターや皿洗い、ラクダ使いだけ」という認識で、アパルトヘイト体制が敷かれていた。

 こうしたなかで育ったダニー氏は、 イスラエルの戦争をずっと肯定していた。それが変化したのは2008年だ。この年、イスラエル軍がガザ地区を攻撃し、450人の子どもを含む1400人のパレスチナ人が犠牲になった。すぐさま日本からイスラエルの友人たちに連絡をとったが、右も左もほとんどすべてのイスラエル人が攻撃を肯定した。「私たちの敵は本当に悪魔のような人間だから」といって。

 「ウクライナ戦争ではアメリカは、ロシアが侵略したといってウクライナに武器を送っている。ところが中東では、イスラエルがパレスチナを何十年と占領しているのに、それは容認し、そればかりか今このときにもイスラエルに武器を送り続けている。このアメリカのダブルスタンダードが、今回のことでより明確になったのではないか」
https://www.chosyu-journal.jp/review/28082  
16:777 :

2023/11/25 (Sat) 02:42:19

特番『中東危機とウクライナ戦争で露呈するアメリカの堕落』ゲスト:著作家 宇山卓栄氏
2023/11/24
https://www.youtube.com/watch?v=C7OmH0oSZmQ


特番『メディアが報道しないイラン内情と核問題、 中東危機』ゲスト:著作家 宇山卓栄氏
2023/11/23
https://www.youtube.com/watch?v=Jp3bjMLnPQ0&t=687s
17:777 :

2023/11/26 (Sun) 16:28:31

2023.11.25XML
イスラエル軍がガザで苦戦、泥沼にはまり込む可能性が指摘されている
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311250000/

 ガザでの戦闘は10月7日にハマスの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだところから始まった。

 ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなる。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているのだが、10月7日にハマスはイスラエルへ突入できた。しかも突入の数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。

 そうしたことから、ベンヤミン・ネタニヤフ政権とジョー・バイデン政権はハマスに攻撃させたのではないかと疑う人が少なくない。その攻撃を口実にしてガザのパレスチナ人を追い出すか皆殺しにする計画だったのではないかというのだ。

 攻撃の際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされた。その後、犠牲者の人数は1200名だと言われるようになるが、相当数のイスラエル人が死亡し、拉致されたことは間違いないだろう。

 しかし、イスラエルの新聞ハーレツによると、​イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊した​という。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。

 イスラエル軍は自国の兵士が敵に囚われるのを嫌い、かつて、自軍を攻撃し傷つける代償を払ってでも、あらゆる手段で誘拐を阻止しなければならないという指令を出した。「ハンニバル指令」だ。1986年にレバノンでイスラエル軍の兵士が拘束され、捕虜交換に使われたことが理由だという。発想としては「生きて虜囚の辱を受けず」と似ている。

 この指令は2016年に撤回されたとされているが、今回、発動したのではないかという噂がある。ガザでの戦闘が始まった時点でイスラエル政府の高官は記者団に対し、人質が拘束されていると思われる場所を特定できていればイスラエル軍はその場所を標的にしないだろうが、そうでなければ人質の安全を優先して作戦が制限されることはないとしていたと伝えられている。

 アル・シファ病院の場合、イスラエル軍は別の場所にハマスの地下司令部があることを知っていながら病院を攻撃、患者や避難民を殺傷している。当初、勘違いしていたとしても、そこが司令部だということを確認せずに攻撃することは許されない。知ってからは確信犯だ。ウクライナでロシア軍は人質の安全を優先したことから攻略に手間取ったが、そうしたことをイスラエル軍は嫌ったのだろう。

 それほどイスラエル政府は強硬で、ガザからパレスチナ人を一掃するまで戦闘を止めるようには見えなかったのだが、イスラエルとハマスは11月22日、戦闘を4日の間、中止することで合意した。停戦が始まってもイスラエル軍はガザ市民を銃撃しているようだが、合意したことは確かだ。

 アメリカ海兵隊の元情報将校でUNSCOM(国連大量破壊兵器廃棄特別委員会)の主任査察官を務めた​スコット・リッターも指摘しているように、イスラエル政府が停戦に合意したのは彼らが想定したような戦況になっていないからだろう​。ガザでの戦闘が西側で言われているような状況でなく、イスラエル軍が苦戦していることは​ハマス側が流している映像​でも推測できる。ハマスのトンネルのうち完全に破壊されたのは約3割にすぎないという。

 イスラエル軍はパレスチナ人を虐殺するだけでなく、ハマスと本当に戦っているのだとするならば、「飼い犬に手を噛まれる」といった状態だ。アメリカが自分たちの傀儡としてパキスタンと共同で組織したタリバーンと同じパターンとも言える。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311250000/
18:777 :

2023/11/27 (Mon) 06:11:07

2023-11-25
ガザでイスラエルが行っているのはまさに鬼畜の所業。擁護する者たちも共犯だ。

まさかこれほどの蛮行を21世紀の現在、リアルタイムで見せられるとは思わなかった。


速報:ガザ政府当局は、死者数が14,532人に増加し、その中には6,000人以上の子供が含まれていると発表した。

パレスチナ人の父親が、今朝イスラエルの爆撃で殺されたわが子に別れを告げている。

彼は殉教した娘に、「人形を買ってあげるって約束したけど、それは叶わなかった…」と言いました。

もはやイスラエルは人類の敵だ。
https://vergil.hateblo.jp/entry/2023/11/25/091339



2023-11-26
ハマスは人質を取るから卑怯だと言うが、ではイスラエルがやっているこれは何なのか?

イスラエルとハマスとの間の4日間の「戦闘休止」に伴い、双方で拘束されていた人々の解放が始まっている。

我らが公共放送NHKによれば、ハマス側から解放されるのは「人質」だが、イスラエルが解放するのは「囚人」であるらしい。

NHK(11/24):

イスラエル パレスチナ人の囚人39人釈放見通しか

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘休止の合意に基づき、日本時間の午後11時ごろ、ハマス側が解放に合意している人質50人のうち最初の13人が解放される予定となっています。

一方、イスラエルのメディアはイスラエル当局の話として24日、ハマス側の人質解放と引き換えに、イスラエルの刑務所で収容されているパレスチナ人の囚人39人が釈放される見通しだと伝えています。

だが、この同じ記事の中にはこんなことも書いてある。

ロイター通信はパレスチナ側の話として39人のうち
▽24人が女性で
▽15人が10代の男性と伝えています。

つまり、刑務所から釈放されるという「囚人」は女性と子どもばかりなのだ。

これはいったいどういうことなのか? まともな感性を持った人なら疑問に思うところだろう。

その実態はこういうことだ。

しかも、イスラエルは相手が小さな子どもでも容赦しない。

イスラエルは子どもたちを軍事法廷で裁く世界で唯一の国だ。

3歳から17歳までの子どもたちは、彼らの基本的権利(人権)を認めないイスラエルの軍事拘留制度の下で、拘留、逮捕、訴追、投獄に直面している。

2022年、イスラエル軍は少なくとも865人のパレスチナ人の子どもを拘束した。
2023年上半期には570人の子どもが拘束され、今年イスラエル軍に逮捕されたパレスチナ人の子どものうち少なくとも29人は12歳未満で、そのうち2人はまだ10歳だった。

その結果、こういう「囚人」たちが解放されることになるのだ。

ハマスがイスラエルにこうした人々を解放させようとしたら、イスラエル人を人質に取って「捕虜交換」を要求する以外に手段はない。

少なくとも、恣意的な拘束を止めるようイスラエルに圧力をかけようともしない「国際社会」に、ハマスを非難する資格はないだろう。
https://vergil.hateblo.jp/entry/2023/11/26/141043
19:777 :

2023/11/27 (Mon) 06:15:51

2023.11.27XML
10月7日の戦闘でイスラエル軍が自国民を殺傷したと同国メディアが報道する意味
 イスラエル軍に攻め込まれ、1万4000人以上の住民が殺されたガザで停戦が実現した。犠牲者の大半は非武装の住民で、その約4割は子どもだと言われている。イスラエル政府は破壊と殺戮でガザの人びとを脅して追い出そうとしたが、エジプトは協力せず、ヨルダンも警戒、そもそもパレスチナ人が移住を拒否した。そこで皆殺し作戦は始まるのだが、停戦はそれが失敗したことを示している。

 1948年5月14日にイスラエルの建国が宣言されたが、そこには多くのアラブ系住民が住み、農業共同体が存在していた。その住民を追い出して土地を奪ったのである。そのため、シオニストの武装勢力は同年4月の上旬に「ダーレット作戦」と呼ばれる軍事作戦を開始した。

 シオニストの軍隊で後にイスラエル軍の中核になるハガナで副官を務めていたイェシュルン・シフは4月6日、エルサレムでイルグンのモルデチャイ・ラーナンとスターン・ギャングのヨシュア・ゼイトラーと会っている。イルグンもスターン・ギャングもシオニストのテロ組織だ。

 その3日後にイルグンとスターン・ギャングはデイル・ヤシンという村を襲撃、住民を虐殺する。襲撃の直後に村へ入った国際赤十字の人物によると、254名が殺され、そのうち145名が女性で、そのうち35名は妊婦だった。イギリスの高等弁務官、アラン・カニンガムはパレスチナに駐留していたイギリス軍のゴードン・マクミラン司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否されている。(Alan Hart, “Zionism Volume One”, World Focus Publishing, 2005)

 こうした虐殺に怯えた少なからぬ住民は逃げ出した。約140万人いたアラブ系住民のうち、5月だけで42万人以上がガザやトランスヨルダン(現在のヨルダン)へ移住、その後1年間で難民は71万から73万人に達したと見られている。生活の基盤である土地を奪われ、追い出されたパレスチナ人は1948年の出来事を「ナクバ(大惨事)」と呼ぶ。国際連合は1948年12月11日に194号決議を採択、パレスチナ難民の帰還を認めたが、実現していない。似たような経緯で「建国」したアメリカがイスラエルを擁護するのは必然かもしれない。

 イスラエルの​ヨアブ・ギャラント国防相は10月9日、ガザの完全閉鎖を命じ、「電気も食料も燃料もなくなる。我々は人間獣と戦っているのだ」と宣言​した。戦っている相手を「ハマス」と解釈している人もいるようだが、実態は市民である。ギラド・エルダン国連大使は10月26日の国連で「われわれは動物と戦っている」と叫んだ。

 しかし、ベンヤミン・ネタニヤフ政権は停戦に応じた。戦況がイスラエル軍にとって芳しくないということのほか、​イスラエル軍がイスラエル人を殺したとする証言をハーレツ紙をはじめとするイスラエルのメディアも報道​、​そうした報道を元にして国外でも伝えられ​、ネタニヤフ政権は厳しい状況に陥っている。

 ハマスの戦闘部隊が攻め込んだ際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされた。その後、犠牲者の人数は1200名だと言われているが、いずれにしろ、相当数のイスラエル人が死亡したことは間違いない。殺したのがイスラエル軍だということになると、ガザを攻撃したことに対する批判も強まるだろう。停戦を終え、戦闘を再開したならば、批判はさらに強まる。

 解放された人質のひとり、ヤスミン・ポラットはイスラエル・ラジオのインタビューで、10月7日の銃撃戦でイスラエル軍が「間違いなく」多数のイスラエル人非戦闘員を殺害したと語り、ハマスは「私たちを虐待しなかった。私たちはとても人道的に扱われました」としている。

 イスラエル軍が派遣した攻撃ヘリコプターのパイロットはイスラエルのメディアに対し、ハマスの戦闘員とイスラエルの非戦闘員を区別できないまま攻撃したと述べている。

 イスラエル軍はハマスの司令部があるとしてアル・シファ病院を執拗に攻撃、患者や避難民を殺傷したが、​司令部は病院から8.5キロメートル離れた場所にあることをイスラエル軍は確認している​。それにもかかわらず、その後もイスラエル軍は病院を攻撃していた。

 11月15日にアル・シファ病院へ到着したイスラエル軍はハマスが病院内にいたとするプロパガンダを開始、イスラエル国防総省のジョナサン・コンリクス報道官はAK-47、手榴弾、軍服が床に整然と並べられた軍装品を見せているが、そこにハマスのメンバーがいたことを示す証拠とは到底言えない代物だった。

 また、10月7日の出来事には大きな謎がある。ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなる。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているのだが、10月7日にハマスはイスラエルへ突入できた。しかも突入の数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。

 そうしたことから、 ネタニヤフ政権やアメリカのジョー・バイデン政権はハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかと疑う人が少なくないのだ。その攻撃を口実にしてガザのパレスチナ人を追い出すか皆殺しにする計画を立てていた疑いがある。

 ハマスの創設にイスラエルが深く関係していることは本ブログでも繰り返し書いてきた。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311270000/
20:777 :

2023/11/28 (Tue) 07:30:52

イスラエルへの無条件支持で道義的犯罪国家になった欧州
2023.11.28
https://www.thutmosev.com/archives/%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%82%a8%e3%83%ab%e3%81%b8%e3%81%ae%e7%84%a1%e6%9d%a1%e4%bb%b6%e6%94%af%e6%8c%81%e3%81%a7%e9%81%93%e7%be%a9%e7%9a%84%e7%8a%af%e7%bd%aa%e5%9b%bd%e5%ae%b6%e3%81%ab%e3%81%aa.html

G7の6カ国はもう1週間考えて対応を決めるべきだったが、条件反射でイスラエルを支持した事で事態を悪化させた


https://japannews.yomiuri.co.jp/politics/politics-government/20231109-148577/ G7 Ministers Work Out Agreement on Israel-Gaza conflict – The Japan News
イスラエルへの対応を誤った国々

ハマスによる奇襲攻撃後日本を除く米英独仏伊加のG7が「無条件で全面的なイスラエルによる報復支持」を表明したのは翌10月8日だった気がするがあまりにも拙速だった

まずは両者の言い分を理解し分析し事実関係や今後の対応を協議すべきだったが、まるでキリスト教版ジハードのように彼らは聖戦を支持した

イスラエルは日本を除くG7の「許可を得て」ガザ地区への無差別攻撃を開始し、現在までに1万5000人がなくなり大半の住民は住む家を失った

世界中がイスラエルの行為が戦争犯罪に当たると指摘し国連事務総長やWHOや難民高等弁務官事務所、国際刑事裁判所、国境なき医師団も同様の見解を示している

アメリカや欧州主要国は「振り上げたこぶしは下せない」とイスラエルへの支持は撤回せず、一方で国際的な非難が自分の剥けられるのを警戒しイスラエルに停戦を呼び掛けている

ロシアによるウクライナ侵攻に続いてハマス・イスラエル紛争でも欧米諸国は対処を間違え失敗し、戦争を拡大させ多くの無関係な人々が不幸になる原因を作った

ロシアによるウクライナ侵攻は10年以上前から懸念されウクライナは欧米に助けを求めていたが、欧米諸国は「ウクライナに援助する事がロシアを刺激し戦争を招く」と日本の共産党や社会党のようなたわ言を言い続けた

ロシアが10万人を国境に集めて侵攻の予行演習をしている時も「ウクライナを支援する事が戦争を誘発する」と言い、現実にロシア軍が侵攻してからも「ウクライナを支援すれば第三次世界大戦が起きる」としておもちゃのような携帯兵器しか支援しなかった

これがウクライナが反撃する決定的な機会を失わせ、その後長く劣勢に立たされた原因で、最初から今やっているような軍事支援をしていたらロシア軍は初期の敗走で総崩れになっていました

ハマスイスラエル紛争では逆に対処が早すぎ、何が起きているのか分からないままイスラエルへの無条件で全面的な支持を表明し、バイデンなどは空母を2隻も派遣してイスラエル軍の後ろ盾を買って出た

周辺諸国がイスラエルを攻撃したら米空母が守ってくれるのでイスラエル軍はやりたい放題、「住民は避難しろ」と指示しておいて住民が集まった場所を攻撃するという行為を何度も繰り返している

イスラエルに戦争犯罪の許可を与えたのは米英独仏伊加の6か国で、今彼らは道義的な正しさを失って世界の人々から糾弾され狼狽している

あの時に日本が「国益」などを重視してイスラエル支持に参加しなかったのは、長期的に見て国益にかなうものだったと思います

国運はこういうところから傾くことが多く、欧州をけん引している英仏独の経済は不調だが経済以外の点でも矛盾が噴出しどれも対処が困難になっている

欧州は2015年ごろ難民騒動がありイスラム諸国から数百万人の移民を受け入れたが、彼らは当然「イスラエルへの無条件の支持」には猛反発している

ハマスによる攻撃でイスラエル人1500人ほどがなくなり200人ほどが人質にとられたが、それとガザ地区の全ての人が家を失い1万5000人がなくなった事とは関係がない

ハマスによる犯罪は犯罪、イスラエルによる犯罪も犯罪なのでどちらかが正当化されるのはあり得ず、そうした考えは人種差別以外の何物でもない

イスラエルは1948年の建国でパレスチナ人から土地を奪いガザ地区という収容所に隔離しているがそれも犯罪、相手の犯罪で自分の犯罪が帳消しになることは無い

アメリカや欧州によるイスラエル無条件支持は「パレスチナ人の命はどうでも良いが、イスラエル人の命は大事で報復の権利がある」と言っているのと同じでした

道義的犯罪国家になった欧州
欧米の滅茶苦茶な対応はウクライナにも悪影響を与え、よりによってゼレンスキーは「イスラエルとウクライナは同じ、ロシアとハマスは同じ」と良く考えもせず断言してしまった

両者が同じなら「ウクライナは元々ロシアの領土だったのをウクライナが奪った」というプーチンの主張が正しく、ウクライナが無抵抗なロシアを一方的に攻撃している事になってしまう

ネット情報ではゼレンスキーはユダヤ系の家系で、餌を投げられた犬のように条件反射でイスラエル支持を表明したがもっと状況を観察してから対応を決めるべきでした

ウクライナ側の国々が一斉に対応を誤ったことで漁夫の利を得たのはロシアとプーチン大統領で、もう負けは確定かと思われていたのに相手のオウンゴールで勝利の目が出てきた

プーチンはハマス・イスラエル紛争では慎重に対応し、どちらへも一方的な支持をしないがイスラエルの無差別攻撃を非難し、どうみても欧米よりも「正しい」対応をしている

米英仏は大慌てでイスラエルに停戦を働きかけ、人質と交換で数日間の停戦に合意したがアメリカ軍が後ろ盾としてとどまっているのでそれほど気にかけていない

道義的正しさを失った国には内紛が起きていて、欧州各国の人々からEUや英独仏などに「イスラエルによる戦争犯罪に加担している」と非難されています

ヨーロッパ委員会のフォンデアライエン委員長はイスラエルを訪れ、ネタニヤフ首相に連帯を伝えたが、無差別爆撃に懸念を示す事すらしなかった

EUやNATO指導者は「ロシアがウクライナでやればテロ行為とみなすのにイスラエルによる同じ行為には目をつぶる二重基準だ」と批判されている

国連総会では23年10月27日にガザでの休戦を呼びかける決議案を圧倒的多数で採択したが日英独は棄権し米仏は反対、フランスやスペインは賛成した

道義的に正しくない国には必ずこうした内紛が発生し、ウクライナに侵攻したロシアは正論を口にする人をテロリストとして処分したが国内は弱体化した

フランスはイスラエルへの抗議運動だけを取り締まりハマスへの抗議運動を野放しにしているらしく、イギリスやアメリカもイスラエルへの抗議だけ」をヘイトクライムとして取り締まっているようです

この件で連想したのは日本の忠臣蔵という物語で、江戸城で吉良を切りつけた赤穂の殿様に、ばか将軍で有名な綱吉は取り調べもせず切腹を命じ長く禍根を残した

綱吉は条件反射のように「赤穂が悪い」と決めつけて吉良に加担したが、これが後に「実は吉良と幕府が悪いのだ」という世論形成につながった

慎重に両者を取り調べて調査すれば何の問題も起きなかったが、 最初の対応が悪すぎたために幕府が大きなダメージを負った

この問題は彼らの国に長く禍根を残すでしょう
https://www.thutmosev.com/archives/%e3%82%a4%e3%82%b9%e3%83%a9%e3%82%a8%e3%83%ab%e3%81%b8%e3%81%ae%e7%84%a1%e6%9d%a1%e4%bb%b6%e6%94%af%e6%8c%81%e3%81%a7%e9%81%93%e7%be%a9%e7%9a%84%e7%8a%af%e7%bd%aa%e5%9b%bd%e5%ae%b6%e3%81%ab%e3%81%aa.html
21:777 :

2023/11/29 (Wed) 07:49:39

2023.11.29XML
ワシントン・ポストがネタニヤフとハマスが「奇妙な共生関係」にあるとした意味
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311290001/

 ​ワシントン・ポスト紙はイスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相とハマスについて「奇妙な共生関係」と表現している​。ハマスはイスラエルを破壊すると宣言、ネタニヤフはハマスを破壊すると宣言、緊張を高めることでいずれも自分たちの存在意義をアピールしてきたとは言えるだろう。

 本ブログでも繰り返し書いてきたが、ハマスの創設にイスラエルが深く関与している。第3次中東戦争の際、中東のイスラム諸国はイスラエルの攻撃を傍観していたが、唯一イスラエル軍と戦ったのがファタハであり、その指導者がヤセル・アラファトだった。それ以来、アラファトはイスラエルにとって目障りな存在になる。

 このアラファトの力を弱めるためにイスラエルはムスリム同胞団のメンバーだったシーク・アーメド・ヤシンに目をつけた。イスラエルの治安機関であるシン・ベトの監視下、ヤシンは1973年にムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立。ハマスは1987年にイスラム協会の軍事部門として作られる。

 シーモア・ハーシュによると、​2009年に首相へ返り咲いた時、ネタニヤフはPLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした​。そのため、ネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。

 今年10月7日、ハマスなどの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだのだが、この出来事には謎がある。ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなる。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっている。ところがハマスはイスラエルへ突入できた。しかも突入の数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。そうしたことから、ネタニヤフ政権やアメリカのジョー・バイデン政権はハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかと疑う人が少なくない。

 攻撃の際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされた。 その後、犠牲者の人数は1200名だと訂正されたが、イスラエルの新聞​ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊した​という。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。さらに、停戦にともなって解放された人質もイスラエル軍にイスラエル市民が攻撃された実態を当事者として証言しはじめた。

 イスラエル軍は自国の兵士が敵に囚われるのを嫌い、かつて、自軍を攻撃し傷つける代償を払ってでも、あらゆる手段で誘拐を阻止しなければならないという「ハンニバル指令」が出されたが、2016年にこの指令は撤回されたとされている。しかし今回、発動したのではないかという噂がある。

 10月7日の出来事の背後にどのようなことがあるのかは不明だが、イスラエルやアメリカ政府の支配層の内部で利害対立が生じている可能性が高い。

 今回、ネタニヤフとハマスが「奇妙な共生関係」にあると書いたワシントン・ポスト紙はCIAと関係が深いことで知られている。

 アメリカをはじめとする西側諸国の有力メディアがCIAの影響下にあることはデボラ・デイビスが書いた『キャサリン・ザ・グレート』、カール・バーンスタインがローリング・ストーン誌に書いた「CIAとメディア」、ウド・ウルフコテの告発などで明らかにされている。

 言うまでもなくバーンスタインはワシントン・ポスト紙の記者としてウォーターゲート事件を取材したことで知られているが、ローリング・ストーン誌でメディアとCIAの癒着を明らかにしたのはリチャード・ニクソン大統領が辞任した3年後の1977年だ。このテーマをワシントン・ポスト紙で書くことはできなかった。

 ウクライナを巡ってはCIA(アメリカ)とMI6(イギリス)との間で対立が生じていると思える動きが見られるが、パレスチナでも内紛が始まったのかもしれない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311290001/
22:777 :

2023/11/30 (Thu) 11:34:16

2023.11.30XML
ハマスはイスラエルがムスリム同胞団から創設、ムスリム同胞団は英国が作った
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311290001/

 ガザでの戦闘で注目されているハマスは1987年にムスリム同胞団の中から生まれたが、その際、イスラエルが重要な役割を果たしたことを本ブログでも繰り返し書いてきた。PLOを率いていたヤセル・アラファトの力を弱めるため、ライバルを作り上げることにしたのだ。そこでイスラエルが目をつけたのがムスリム同胞団のシーク・アーメド・ヤシンだ。イスラエルの治安機関であるシン・ベトの監視下、ヤシンは1973年にムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立。そしてハマスは1987年にイスラム協会の軍事部門として作られた。

 ムスリム同胞団は1928年、ハッサン・アル・バンナによって創設されたが、その際、スエズ運河会社の支援を受けている。イギリスのグランド・ロッジをモデルにして、イギリスの情報機関MI6によって組織された。その後、アメリカのCIAに乗っ取られたというが、CIAはMI6を教師として組織されたので、どの程度違いがあるのかは不明だ。

 アル・バンナはムスリム同胞団を組織する過程で「死のカルト」的な思想をイスラムへ持ち込むことになるが、その思想との類似性を指摘されているのが「暗殺教団」とも言われる「ニザリ派」である。

 エジプトのムスリム同胞団は1930年代、カイロの郊外に戦闘員を訓練するための秘密基地を建設したが、教官はエジプト軍の将校が務めていたという。軍の内部に同胞団は食い込んでいたということだ。

 第2次世界大戦の際にムスリム同胞団は秘密機構を創設し、王党派と手を組んで判事、警察幹部、政府高官らを暗殺していく。1940年代にはアンワール・サダトも同胞団と密接な関係にあった。サダトは1970年から81年にかけてエジプトの大統領だった人物だ。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ムスリム同胞団は1945年2月、そして48年12月にエジプトの首相を暗殺、49年2月には報復でバンナが殺された。その直後に同胞団のメンバーは大半が逮捕され、組織は解散させられたのだが、アメリカとイギリスの情報機関は組織解体から2年半後に復活させている。CIAが新生ムスリム同胞団の指導者に据えたサイード・クトブはフリーメーソンのメンバーで、ジハード(聖戦)の生みの親的な存在だ。

 エジプトでは1952年7月にクーデターで王制から共和制へ移行するのだが、その背後にはCIAがいたと言われている。クーデターの背後にはムスリム同胞団が存在していたものの、実権を握ったのは自由将校団のガマール・アブデル・ナセル。

 この将校団はナショナリストで、コミュニストを押さえ込むために使えるとアメリカは考えたようだが、このクーデターを好ましくないと考えたイギリスは自由将校団の政府を倒そうとする。

 イギリスの動きはアメリカは止めにかかり、ナチスの親衛隊で幹部を務めていたオットー・スコルツェニーのほか、軍人や数百名の元ゲシュタポ将校を送り込んでいる。このグループはエジプトの警察でナチス的な手法を教えた。

 ムスリム同胞団は1954年にナセル暗殺を目論む。その暗殺計画で中心的な役割を果たしたひとりのサイド・ラマダーンは同胞団を創設したハッサン・アル・バンナの義理の息子だ。ナセルはラマダンからエジプトの市民権を剥奪している。

 ラマダンはサウジアラビアへ亡命、そこで世界ムスリム連盟を創設した。西ドイツ政府から提供された同国の外交旅券を使い、ミュンヘン経由でスイスへ入り、そこで1961年にジュネーブ・イスラム・センターを設立した。資金はサウジアラビアが提供したという。この当時、スイス当局はラマダンをイギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAのエージェントだと見なしていたという。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ところで、イギリスの支配層、つまりシティを拠点とする強大な金融資本は中東を支配するためにサウジアラビアやイスラエルを「建国」した。彼らは19世紀からユーラシア大陸の周辺を支配して内陸部を締め上げるという戦略を打ち出しているが、その戦略にとってスエズ運河は重要な意味を持つ。石油や天然ガスの発見は中東の重要性をさらに高めた。

 こうした戦略は「大イスラエル構想」と合致する。ユーフラテス川とナイル川で挟まれている地域は神がユダヤ人に与えたのだという主張に基づくのだが、ユダヤ教の聖典であるトーラー(モーセ5書)はキリスト教の旧約聖書の最初の部分にあたるが、そこに書かれていることとはニュアンスが違う。ユダヤ教徒はトーラーを守るという条件の下で、その土地に住むことを許されただけなのだ。

 勿論、キリスト教徒やユダヤ教徒だけでなくイスラム教徒も旧約聖書を聖典として扱っているが、それ以外の人びとにとって意味はない。それにもかかわらず、シオニストはエルサレムの南東にあるシオンの丘へ戻る権利がユダヤ人にはあると主張している。

 シオニズムという用語は1893年にナータン・ビルンバウムが初めて使用、96年にはセオドール・ヘルツルが『ユダヤ人国家』という本を出版しているのだが、パレスチナに「ユダヤ人の国」を作ろうとする動きはイギリス政府の方が早い。1838年にエルサレムにイギリスは領事館を建設し、その翌年にはスコットランド教会がパレスチナにおけるユダヤ教徒の状況を調査しているのだ。1891年にはアメリカでウィリアム・ブラックストーンなる人物がユダヤ人をパレスチナに送り出そうという運動を展開し、ベンジャミン・ハリソン米大統領に働きかけている。

 19世紀の後半にイギリスの首相を務めたベンジャミン・ディズレーリはライオネル・ド・ロスチャイルドと親しく、ロシア嫌いで知られていた。ディズレーリは首相時代の1875年にスエズ運河運河を買収した。その際、資金を提供したのはライオネル・ド・ロスチャイルドだった。(Laurent Guyenot, “From Yahweh To Zion,” Sifting and Winnowing, 2018)

 ディズレーリは1881年4月に死亡、その直後からフランス系のエドモンド・ジェームズ・ド・ロスチャイルドはテル・アビブを中心にパレスチナの土地を買い上げ、ユダヤ人入植者へ資金を提供しはじめた。この富豪はエドモンド・アドルフ・ド・ロスチャイルドの祖父にあたる。

 1905年から14年にかけての期間、毎年3万5000人のユダヤ人がパレスチナへ移住、07年にはバーギオラという自警団を編成、09年にはハショメールという組織に発展、それを基盤にして1920年にはハガナが設立された。このハガナがイスラエル軍の中核になる。

 現在、イスラエルの首相を務めているベンヤミン・ネタニヤフの父親であるベンシオン・ネタニヤフはアメリカでウラジミール・ヤボチンスキーの秘書だった。

 ヤボチンスキーは帝政ロシア時代のオデッサ(現在はウクライナ領)で生まれたこともあってか、後に彼はウクライナで独立運動を率いていたシモン・ペトリューラと連携している。ペトリューラはロシアでボルシェビキ体制が樹立された直後の1918年から21年にかけて大統領を名乗るが、その時期に3万5000人から10万人のユダヤ人を虐殺したと言われている。(Israel Shahak, “Jewish History, Jewish Religion,” Pluto Press, 1994)

 1917年11月2日、イギリス外相だったアーサー・バルフォアはウォルター・ロスチャイルドへ書簡を送り、その後、先住のアラブ系住民(パレスチナ人)を弾圧する一方でユダヤ人の入植を進めた。

 1920年代に入るとパレスチナのアラブ系住民は入植の動きに対する反発が強まる。それを抑え込むため、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成、アイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを採用する。この組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立され、違法な殺人、放火、略奪など残虐さで有名だった。

 ヤボチンスキーは1925年に「修正主義シオニスト世界連合」を結成するが、その流れの中からリクードも生まれた。1931年にはハガナから分かれる形でイルグンが組織されている。

 その後、ヤボチンスキーはパレスチナに住むユダヤ人に対してイギリス軍へ参加するように求めたが、これに反発したアブラハム・スターンはイルグンを飛び出し、1940年8月に「ロハメイ・ヘルート・イスラエル(レヒ)」を新たに組織する。創設者の名前から「スターン・ギャング」とも呼ばれている。イルグンもレヒもテロ組織と見なされている。

 1933年2月にドイツでは国会議事堂が放火され、これを利用してナチスが実権を握る。この放火はナチスが実行したと言われている。シオニストがナチス政権とユダヤ系ドイツ人をパレスチナへ移住させることで合意したのはこの年の8月。「ハーバラ合意」だ。

 1936年4月にパレスチナ人は独立を求めてイギリスに対する抵抗運動を開始するのだが、 39年8月に鎮圧され、共同体は政治的にも軍事的にも破壊された。その際、パレスチナ人と戦った勢力は2万5000名から5万名のイギリス兵や2万人のユダヤ人警察官など。約1万5000名のハガナも含まれている。

 1938年11月にドイツではナチスがユダヤ系住民を襲撃、多くの人が殺され、収容所へ入られ始める。この「水晶の夜」以降もユダヤ教徒はパレスチナでなく、アメリカやオーストラリアへ逃れた。1945年に第2次世界大戦は終結、シオニストは1946年夏までに7万3000人以上のユダヤ人をパレスチナへ運んでいるが、パレスチナへの移住を望むユダヤ人が少なかったため、イラクに住むユダヤ人に対するテロを実行、「反ユダヤ」感情を演出してパレスチナへ移住されたという。シオニストは目的のためならユダヤ人を犠牲にすることも厭わないと言えるだろう。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202311290001/
23:777 :

2023/12/02 (Sat) 12:04:37

「ロビイスト団体「アメリカ・イスラエル公共問題委員会(前半)」 宇山卓栄 AJER2023.12.1(3)
2023/12/01
https://www.youtube.com/watch?v=4IR30HNai3Q
24:777 :

2023/12/02 (Sat) 15:12:14

2023.12.02XML
米有力紙もイスラエル政府がハマスの攻撃計画を1年以上前から知っていたと報道
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312020001/

 ハマスなどの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだのは10月7日。アメリカの有力紙、つまりプロパガンダ機関のひとつである​ニューヨーク・タイムズ紙は12月1日、ハマスの攻撃計画を1年以上前に知っていたと報道している​。ガザで民族浄化を実現するため、ハマスに攻撃させたという説が流れているが、ニューヨーク・タイムズ紙は情報機関や軍の判断ミスだと分析。いわゆるダメージ・コントロールかもしれない。

 ハマスが攻撃した直後からイスラエルの情報機関や軍がハマスの計画を知らなかったとは考えられないと主張する人は少なくなかった。ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなり、地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっているからである。

 しかも突入の数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。そうしたことから、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権だけでなく、アメリカのジョー・バイデン政権もハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかと疑う人が少なくない。

 ハマスなどの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだのは10月7日。 その際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされたが、その後、犠牲者の人数は1200名だと訂正されている。減った200名はハマスの戦闘員だという。

 イスラエルの新聞​ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊した​という。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道​もある。さらに、停戦にともなって解放された人質もイスラエル軍にイスラエル市民が攻撃された実態を当事者として証言しはじめた。イスラエル兵も同じように語っている。

 それに対し、イスラエル軍はハマスへの報復としてガザに対する無差別攻撃を始めた。すでに1万5000人の住民が殺されたと言われている。その約4割は子どもだ。

 イスラエル軍はガザでの戦闘を計画通りに進められていないようで、そのためか11月24日には停戦が実現、人質の交換が行われた。イスラエルへ戻ってきた人質もイスラエル軍がイスラエル人を攻撃したことを明らかにしただけでなく、ハマスから暴力を振るわれなかったとも語っている。それが世界へ伝えられた。

 そうした中、アメリカのアンソニー・ブリンケン国務長官がイスラエルを訪問、その直後にイスラエル軍はガザへの攻撃を再開した。長官はイスラエルの攻撃再開を容認する意思をネタニヤフ首相に伝えたと見られている。

 ジョー・バイデン大統領は1980年代に議会でイスラエルはアメリカの利権を守っていると力説していた。イギリスの私的権力が自分たちの戦略のためにイスラエルとサウジアラビアを作り、その戦略をアメリカの私的権力が引き継いだわけで、バイデンの発言は事実だ。

 今回のガザに対する無差別攻撃もアメリカ支配層の利権を守る、あるいは拡大させるためのものなのだろうが、すでにヒズボラはイスラエルに対する攻撃を再開したようだ。

https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312020001/
25:777 :

2023/12/03 (Sun) 16:21:48

2023.12.03XML
ガザでの虐殺を止める努力を強めるべきだとする訴えを小馬鹿にしたバイデン
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312030000/

 インドネシアのジョコ・ウィドド大統領は11月13日にアメリカを訪問、ホワイトハウスでジョー・バイデンと会談した。その際、ウィドドはバイデンに対し、ガザでの残虐行為を止めるため、アメリカは努力するように訴えたのだが、バイデンはそれを無視、相手を小馬鹿にした態度を示した。重要な気候の話をしたとして、「寒い」と口にしたと語ったのだ。





 ガザにはインドネシアの資金で建設された病院があるが、11月20日にイスラエル軍はその病院を砲撃、2階に命中し、12名以上が殺されたとされている。

 イスラエル軍はハマスの地下施設があるという口実で病院もターゲットにしてきた。アル・シファ病院も破壊された病院のひとつだが、​エルサレム・ポスト紙が11月14日に掲載した記事​などによると、​ハマスの地下司令部はそこから8.5キロメートル離れた場所にあった​。その情報を知りながら病院を破壊、患者や避難民を殺傷したのだ。

 イスラエル軍はガザでハマスと戦っているのではなく、イスラエル建国時と同じように、パレスチナ人を虐殺し、恐怖に駆られた人びとが逃げ出すように仕向けていると考えられている。それをわかっているエジプトは国境を開けず、ヨルダンも警戒している。イスラエルは「パレスチナ問題」をそうしたアラブ諸国へ押し付けようとしているとも言われている。





 本ブログでは繰り返し書いてきたが、「イスラエル建国」ではイギリスが重要な役割を果たした。その第一歩はイギリスの外相を務めていたアーサー・バルフォアが1917年11月2日にウォルター・ロスチャイルドへ出した書簡だが、建国の大きな目的のひとつはスエズ運河の安定的な支配だったと考えられている。

 ユーラシア大陸の周辺部を海軍力で支配、内陸国を締め上げるという戦略を成立させる上でスエズ運河は重要な意味を持った。運河によって地中海と紅海を感染が行き来できることはイギリス海軍にとってだけでなく、物資の輸送においても重要だった。イスラエルと同様、サウジアラビアもイギリスが作り上げた国だ。

 1920年代に入るとパレスチナでアラブ系住民の反発が強まり、デイビッド・ロイド・ジョージ政権で植民地大臣に就任したウィンストン・チャーチルはパレスチナへ送り込む警官隊の創設するという案に賛成、アイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーを採用することになった。

 この組織はRIC(アイルランド王立警察)を支援、IRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立された。隊員の多くは第1次世界大戦に従軍した後に失業した元イギリス兵だ。違法な殺人、放火、略奪など残虐さで有名になった。イギリス政府はその働きを評価、パレスチナへ投入、そこでアイルランドと同じことを行うことになる。

 ドイツでナチスが実権を握ると、シオニストはドイツのユダヤ人に目を付ける。そしてシオニストはナチス政権との間でユダヤ系ドイツ人をパレスチナへ移住させることで合意した。「ハーバラ合意」だ。

 その後、イギリスの戦略はアメリカに引き継がれた。イスラエルはアメリカを拠点とする私的権力の利権を守る上で重要な存在になったということだ。それをバイデンは上院議員時代の1986年6月に議会で訴えている。





 そのスエズ運河は現在、エジプト領の中にある。そこでアカバ湾と地中海をつなぐ「ベン・グリオン運河」が計画された。その出口がガザの北側。また地中海の東部、エジプトからギリシャにかけての海域で天然ガスや石油が発見されていることも重要なファクターだ。

 1995年9月、イスラエルのイツァク・ラビン首相とPLOのヤセル・アラファト議長が「オスロ2合意(ヨルダン川西岸地区とガザ地区に関する暫定合意)」に調印、それによってパレスチナ自治政府に海岸から20海里までの海域の海洋管轄権を与えた。

 パレスチナ自治政府は1999年にブリティッシュ・ガスと25年間のガス探査契約を結ぶのだが、その年に大規模なガス田が発見された。ところがパレスチナ人はその天然ガスから何の利益も得ていない。その一方で、イスラエルは2007年以降、パレスチナ人に対する弾圧の度合いを格段に強める。そしてイスラエルはガザ沖の天然ガスの支配権を確立する。

 2010年、イスラエル北部で推定埋蔵量約4500億立方メートルの大規模なガス田を発見したとノーブル・エナジーが発表。USGS(アメリカ地質調査所)の推定によると、エジプトからギリシャにかけての海域には9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が眠っている。ビル・クリントン元米大統領はノーブル・エナジーのロビイストだった。このエネルギー資源をキプロス経由でヨーロッパへ運ぶという計画がある。

 ノーブル・エナジーはヒラリー・クリントンに選挙資金を提供していた。そのヒラリーをジョージ・ソロスが操っていることは2016年に漏れた電子メールで明らかにされたが、そのソロスはロスチャイルド金融資本と結びついている。

 ロシアは今年9月10日から13日にかけてウラジオストクでEEF(東方経済フォーラム)を開催したが、その直前の9月8日、ニューデリーでG20サミットが開かれた。その席上、インドのナレンドラ・モディ首相はIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトを発表している。

 IMECはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びるルート。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相によると、アメリカがイスラエルにこの計画を持ちかけたという。この回廊は地中海につながるが、その出口がガザに接している。

 ロシアと中国は2015年、BRI(一帯一路)とユーラシア経済連合(アルメニア、ベラルーシ、カザフスタン、キルギスタン、ロシア)を連結し、多極的な関係を築くと宣言しているが、この構想に対抗することがIMECの目的だ。

 インドは以前からイスラエルやサウジアラビアとの関係を強化、サウジアラビアもイスラエルに接近していた。アメリカの属国と化したヨーロッパを繋ぎ止めるため、ヨーロッパと西アジアをつなぐわけだ。その中核になるのがイスラエルにほかならない。

 アメリカ政府のエネルギー安全保障顧問を務めるアモス・ホクスタインは 11月20日にイスラエルを訪問、ヒズボラの問題だけでなく、地中海東岸の天然ガス田について話し合ったと伝えれている。アメリカにはベン・グリオン運河計画やIMECプロジェクトもあり、ガザの状況がこうした利権を壊さないよう画策しているのだろうが、バイデン大統領はアメリカの私的権力の利権を守るためにはイスラエルを支えなければならないと考えている人物だ。

 バイデンが仕えるアメリカやイスラエルの支配層にとってガザのパレスチナ人は目障りな存在。そこでガザから彼らを消し去ろうとしてきたが、今回のガザ攻撃は特に酷い。


https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312030000/
26:777 :

2023/12/03 (Sun) 18:04:47

【そうきチャンネル】『広がる反イスラエル感情』 ・プロパガンダ報道の敗北 
渡辺 惣樹
2023/12/03
https://www.youtube.com/watch?v=D8wEWqRE7CM


【そうきチャンネル】『醜い』ヨーロッパの美人政治家たち・ヨーロッパの女ネオコン 
渡辺 惣樹
12023/04/28
https://www.youtube.com/watch?v=drqJbwGf_Tk
27:777 :

2023/12/04 (Mon) 10:26:41

2023.12.04XML
世界の人びとが厳しい目を向けているイスラエルではカルト政治家が虐殺を進める
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312040000/

 ガザはアメリカの私的権力にとって重要な場所になった。まず、地中海の東部、エジプトからギリシャにかけての海域で9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が発見された。ガザ沖にも天然ガスは存在、そこからキプロスを経由してイタリアへパイプラインで輸送する計画がある。そのライバルになるロシアの天然ガスを運ぶパイプラインはすでにアメリカが止めたり破壊した。

 9月8日にニューデリーで開かれたG20サミットの席上、インドのナレンドラ・モディ首相が発表したIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びる輸送ルートで、中国のBRI(一帯一路)に対抗する目的で計画された。後ろ盾はアメリカだ。そのIMECはガザの北で地中海につながる。

 19世紀以来、アングロ・サクソンの世界支配プロジェクトで重要な役割を果たしてきたスエズ運河は現在、エジプト領の中。エジプトの影響力を弱めるため、「ベン・グリオン運河」が計画されている。この運河はアカバ湾のエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出る。

 アメリカの戦略上、重要な場所になったガザにイスラエルは強制収容所を築き、中東を不安定化させている。そこでガザやヨルダン川西岸からパレスチナ人を排除しようとしてきた。この手法はイスラエルを「建国」する際やアメリカを「建国」する際にも使われた。今回のガザに対する攻撃も民族浄化作戦にほかならない。

 日米欧や中東の「王国」を支配している人びとはイスラエルの残虐行為を容認しているが、全体で見るとイスラエルを見る目は厳しくなっている。サウジアラビアなど「親米」とされてきた国でも国民の怒りを無視できず、ガザでの虐殺を非難するポーズはとっている。

 イスラエル軍がガザで虐殺を続けている別の理由もある。イスラエルはナチスと同じようにカルト色が濃く、その信仰が影響している。

 10月7日にハマスの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだ直後、イスラエルの首相を務めている​ベンヤミン・ネタニヤフは「われわれの聖書(キリスト教における「旧約聖書」と重なる)」を持ち出し、パレスチナ人虐殺を正当化​した。

 聖書の中でユダヤ人と敵だとされている「アマレク人」を持ち出し、「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を引用、この「アマレク人」をイスラエルが敵視している勢力に重ねて見せたのだ。「アマレク人」を家畜ともども殺した後、イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたという。

 そしてサムエル記上15章3節の話を彼は持ち出す。そこには「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだというのだ。

 ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民だ」としたうえで、イザヤの預言を理解しなければならないと主張する。「われわれ」とはイスラエル人、「彼ら」とはパレスチナ人、イスラム教徒、あるいはイスラエル以外の人びとを指しているのだろう。

 また、​ギラド・エルダン国連大使は10月8日に安全保障理事会で「これはイスラエルの9/11だ」と演説​、​ヨアブ・ギャラント国防相はパレスチナ人を「獣」だと表現​した。


 インターネットには、​95歳になるイスラエル陸軍の退役兵、エズラ・ヤチンがユダヤ人に対してパレスチナ人を殺して彼らの記憶を消し去れと呼びかけている映像​が流れている。

 イスラエルの神憑った人びとはナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域、つまりパレスチナのほかレバノン、ヨルダン、クウェート、シリア、さらにイラクの大半、エジプトやサウジアラビアの一部を「約束の地」だと主張している。「大イスラエル構想」とも呼ばれている。

 アメリカやイスラエルの「建国」は神憑っている。アメリカの場合、1617年にマサチューセッツ湾へ到達したジョン・ウィンスロップは自分たちを「神から選ばれた民」だと主張、神との契約に基づいてマサチューセッツ植民地を建設すると語っている。

 この感覚はその後も生き続け、アメリカ軍を「神の軍隊」だと考える人が1960年代にもいたが、ベトナム戦争で「神の軍隊」のはずであるアメリカ軍が勝てない。1967年にベトナム戦争は泥沼化していた。その事実が明らかになるのは1968年1月31日に南ベトナムの主要都市を一斉に攻撃した「テト攻勢」からだ。

 マーチン・ルーサー・キング牧師は1967年4月4日にニューヨークのリバーサイド教会で開かれた「ベトナムを憂慮する牧師と信徒」で「沈黙が背信である時が来ている」という主催者の訴えに賛意を示し、「なぜ私はベトナムにおける戦争に反対するのか」という話をしている。牧師が暗殺されたのは1年後の4月4日だ。1968年にはキング牧師と親しかったロバート・ケネディは大統領選挙の最中、6月5日の銃撃され、翌日に死亡した。

 1967年6月5日にはイスラエル軍がエジプト、シリア、ヨルダンを奇襲攻撃して第3次中東戦争が始まった。6月8日にアメリカは情報収集船の「リバティ」を地中海の東部、イスラエルの沖へ派遣、そのリバティをイスラエル軍は攻撃する。偵察飛行を繰り返した後の攻撃で、アメリカ軍の艦船だということを知った上での攻撃だ。

 午後2時5分に3機のミラージュ戦闘機がリバティに対してロケット弾やナパーム弾を発射、その際に通信機器を破壊しているが、船の通信兵は寄せ集めの装置とアンテナでアメリカ海軍の第6艦隊に遭難信号を発信、それに気づいたイスラエル軍はジャミングで通信を妨害してきた。

 その数分後に3隻の魚雷艇が急接近して20ミリと40ミリ砲で攻撃、さらに魚雷が命中して船は傾く。その船へ銃撃を加えている。その結果、乗組員9名が死亡、25名が行方不明、171名が負傷した。

 そこへ2機の大型ヘリコプター、SA321シュペル・フルロンが近づいてリバティの上空を旋回し始める。リバティの乗組員はイスラエルが止めを刺しに来たと思ったという。3時36分には魚雷艇とマークの入っていないジェット戦闘機が現れたが、すぐに姿を消してしまった。(Alan Hart, “Zionism Volume Three”, World Focus Publishing, 2005)

 遭難信号を受信したとき、第6艦隊の空母サラトガは訓練の最中で、甲板にはすぐ離陸できる4機のA1スカイホークがあった。艦長は船首を風上に向けさせて戦闘機を離陸させている。イスラエルが攻撃を開始してから15分も経っていない。そこからリバティまで約30分。つまり2時50分には現場に戦闘機は着ける。

 艦長は艦隊の司令官に連絡、司令官は戦闘機の派遣を承認し、もう1隻の空母アメリカにもリバティを守るために戦闘機を向かわせるように命じるのだが、空母アメリカの艦長がすぐに動くことはなかった。

 リバティが攻撃されたことはリンドン・ジョンソン大統領へすぐに報告されたが、ロバート・マクナマラ国防長官は第6艦隊に対して戦闘機をすぐに引き返させるようにと叫んでいる。後にマクナマラはソ連軍がリバティを攻撃したと思ったと弁明しているが、当初の筋書きではそうなっていたのかもしれない。ソ連軍がアメリカの情報収集線を撃沈したというシナリオだ。(前掲書)

 ホワイトハウス内でどのようなことが話し合われたかは不明だが、3時5分にリバティへ戦闘機と艦船を派遣するという至急電が打たれている。この時、リバティは攻撃で大きなダメージを受け、メッセージを受信できない状況だったが、イスラエル軍は傍受した。

 3時16分になると、第6艦隊の第60任務部隊は空母サラトガと空母アメリカに対して8機をリバティ救援のために派遣し、攻撃者を破壊するか追い払うように命令した。イスラエルの魚雷艇がリバティ号の近くに現れた3分後の39分に艦隊司令官はホワイトハウスに対し、戦闘機は4時前後に現場へ到着すると報告、その数分後にイスラエルの魚雷艇は最後の攻撃を実行している。そして4時14分、イスラエル軍はアメリカ側に対し、アメリカの艦船を誤爆したと伝えて謝罪、アメリカ政府はその謝罪を受け入れた。

 リバティが攻撃されている際、イスラエル軍の交信内容をアメリカの情報機関は傍受、記録していた。その中でイスラエル軍のパイロットは目標がアメリカ軍の艦船だと報告、それに対して地上の司令部は命令通りに攻撃するように命令している。イスラエル軍はアメリカの艦船だと知った上で攻撃していることをアメリカの情報機関は知っていた。

 その交信を記録したテープをアメリカの電子情報機関NSAは大量に廃棄したという。複数の大統領へのブリーフィングを担当した経験を持つCIAの元分析官、レイ・マクガバンもこうした隠蔽工作があったと確認している。(前掲書)

 当時、アメリカ政府の内部で秘密工作を統括する中枢は「303委員会」と呼ばれていた。1967年4月、そこで「フロントレット615」という計画が説明されたという。リバティを潜水艦と一緒に地中海の東岸、イスラエル沖へ派遣するというもので、実際、後にリバティや潜水艦は派遣された。

 この計画には「サイアナイド作戦」が含まれていた。リバティを沈没させ、その責任をエジプト、あるいはソ連に押しつけて戦争を始めようとしたという推測がある。いわゆる偽旗作戦だ。エジプトが狙われていた可能性が高いだろう。アメリカの偵察船をイスラエルに攻撃させ、船を沈没させて乗員を皆殺しにしようとしたのはジョンセン政権だった可能性があるのだ。

 イスラエルが攻撃に踏み切った目的、戦争の実態、リバティを攻撃した本当の理由などを知ることのできる資料が2017年には明らかにされるはずだったが、10年7月にベンヤミン・ネタニヤフ首相は情報公開の時期を20年間遅らせることを決めている。

 第3次中東戦争の結果、 約43万9000人の新たなパレスチナ難民がヨルダン川東岸へ移動しているが、この時にゲリラ戦でイスラエル軍を苦しめたのがファタハであり、ファタハを率いていたのがヤセル・アラファトである。このアラファトを弱体化させるため、イスラエルはハマスを創設した。

 第3次中東戦争以降、アメリカのキリスト教福音主義者(聖書根本主義者)はイスラエル軍を新たな「神の軍隊」とみなすようになり、リクードの後ろ盾になった。ネタニヤフはリクードの政治家だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312040000/
28:777 :

2023/12/04 (Mon) 10:48:38

イスラエルとアメリカのカルト政治家が虐殺を進める
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16828427



アウシュヴィッツ博物館はその倫理的正当性を失った
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16828339

イスラエルとアメリカのカルト政治家が虐殺を進める
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16828427

パレスチナ問題は米英帝国主義と旧約聖書カルトが生み出した
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16824368

イスラエルの核戦略
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16824037

ハマスはモサドが作り、支援している似非テロ組織
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14154285

ハマスによるイスラエル総攻撃、その前にイスラエルがやった事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14153380

米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16822342

ユダヤ教
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/365.html

茂木誠 ユダヤの歴史 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLGqoPsu9icDYmqlUflf_TmVklScqHwoQE

吉岡孝浩×茂木誠 - YouTube
https://www.youtube.com/playlist?list=PLIFjTpVDXkJmF-oB8nr1Ap0kjfBnnHWCZ

茂木誠 _ ゼロからわかる旧約聖書
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14132553

茂木誠 _ ユダヤの古代史&世界史
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14130919

アシュケナージ系ユダヤ人の歴史
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14043502

ユダヤ人は白人美女が大好きで、非白人は人間だと思っていない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14077515

キリスト教原理主義
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/391.html

イエスの本当の教え _ 神の国、神の子とは何か?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006907

キリストの再臨とアメリカの政治
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007057

ユダヤ陰謀論とグローバリズムを考える _ ヨーロッパ化されたキリスト教がユダヤ思想の正体で、ユダヤ教やユダヤ人とは何の関係も無かった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/504.html

東海アマ 福音派キリスト教はキリスト教の仮面を被ったユダヤ教
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/487.html

欧米のキリスト教徒全員の行動指針となっているヨハネの默示録
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/506.html

現在でも米政府やWHOは劣等な民族を「淘汰」すべきだと考えている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056012

Microsoft創業者ビル・ゲイツの優生学
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非ユダヤ系アメリカ人にはバカしかいない
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29:777 :

2023/12/08 (Fri) 02:01:03

特番『河添恵子さん登場! 世界での紛争状況グローバル勢力の関係を暴く!』ゲスト:ノンフィクション作家 河添恵子氏
2023/12/06
https://www.youtube.com/watch?v=iXQPmaOQY6E&t=2018s
30:777 :

2023/12/09 (Sat) 15:20:14

2023.12.09XML
米英に従属するドイツの大統領を冷たく迎えたカタール政府
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312090000/

 ドイツのフランク-バルター・シュタインマイヤー大統領は11月26日から中東を歴訪した。訪問国はイスラエル、オマーン、カタール。同大統領はイスラエルへの支持を表明している。イスラエルはハマスを口実にしてガザを破壊、そこに住む人びとを虐殺しているが、そうした行為をドイツが支持したことを意味する。

 シュタインマイヤーがカタールに滞在したのは3時間。そのドイツの大統領がカタールへ降り立った際、ドーハの飛行場で30分間待たされるという出迎えを受けた。訪問を正式に歓迎するカタール政府関係者が現れなかったのだ。

 ​シーモア・ハーシュによると、 ベンヤミン・ネタニヤフは2009年に首相へ返り咲いた際、PLOでなくハマスにパレスチナを支配させようと考え、カタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという​。ガザの問題でカタールは重要な位置にある。

 ハマスはイスラエルの戦略から生まれた。第3次中東戦争以来イスラエルと戦い、アラブ世界で大きな影響力を持っていたヤセル・アラファトの力を弱めるため、イスラエルはライバルを作り出そうとする。そして目をつけたのがムスリム同胞団のシーク・アーメド・ヤシンだ。

 イスラエルの治安機関であるシン・ベトが監視する中、1973年にヤシンはムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立した。ハマスは1987年にイスラム協会の軍事部門として作られている。

 ハマスの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだのは10月7日だが、その攻撃に疑問を持つ人は少なくない。ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所である。その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなる。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっている。ところがハマスはイスラエルへ突入できた。

 しかも、突入から数時間後、アメリカ軍は2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。そうしたことから、ネタニヤフ政権やアメリカのジョー・バイデン政権はハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかというわけだ。

 攻撃の際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされたが、そこにはハマスの戦闘員200名だけでなく、イスラエル人も含まれていた。イスラエルの新聞ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊したという。イスラエル軍は自国民を殺害したということ。そこでネタニヤフ政権はガザで「民族浄化」作戦を始めるため、ハマスの攻撃を演出したのではないかというわけだ。

 ドイツ政府にはアナレーナ・バーボック外相というロシア嫌いで好戦的な閣僚もいる。彼女は昨年8月にプラハで開かれた「フォーラム2000」で、「ドイツの有権者がどのように考えようとも私はウクライナの人びとを支援する」と発言、今年1月にはPACE(欧州評議会議会)でEUは「ロシアと戦争をしている」と口にした。第2次世界大戦後、ナチスはアメリカ支配層の保護を受けたが、ここにきて表舞台に再登場してきたようだ。

 バーボックが敵視するロシアの大統領、ウラジミル・プーチンは12月6日からアラブ首長国連邦とサウジアラビアを訪問、歓待された。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312090000/
31:777 :

2023/12/11 (Mon) 15:57:56

2023.12.11XML
ガザでの無差別攻撃はイスラエルで考えられていたプラン通り
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312110000/

 2013年から2015年までイスラエルのクネセト(議会) で議員を務めた​モーシェ・フェイグリンは議員時代、ガザの問題を「解決」する彼のプランを明らかにした​。

 まず、ガザの住民に対し、イスラエル軍がガザの「軍事目標」を攻撃するという内容の最後通牒をイスラエルの首相が突きつけ、巻き込まれたくないならシナイ半島へ去るように要求する。

 次にイスラエル軍は全兵力を投入してガザ全域を民間人への被害を考慮せずに攻撃、すべての軍事目標やインフラを破壊する。攻撃に際してガザを封鎖。つまり兵糧攻めを並行して行う。イスラエルやイスラエル軍を攻撃してきた場所も民間人の犠牲を厭わずに攻撃する。

 ガザの戦力を壊滅させた後、イスラエルぐんはガザ全域を占領するために歩兵を中へ入れて制圧、その際にガザ住民の安全は考慮しない。占領してから敵戦闘員の武装解除を実施、住民の脱出を助ける。つまりガザから追放する。ガザは未来永劫イスラエルの土地であり、そこにはユダヤ人が住むことになる。

 イスラエル軍は現在、ガザに対する無差別攻撃を実施中で、すでに1万7000人以上の住民が殺されている。その約4割が子どもだ。フェイグリンは住民を皆殺しにし、従順なパレスチナ人は砂漠へ追い出すつもりだったのだろう。

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ政権はフェイグリンのプラン通りに動こうとしたが、内部から流れてくる映像はガザの惨状とイスラエル軍が苦戦していることを示している。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312110000/
32:777 :

2023/12/13 (Wed) 20:53:50

2023.12.12XML
金融帝国を構成するアメリカ、イギリス、イスラエルはガザで大虐殺を実行中
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312120000/

 イスラエル軍は「ハマス」を口実にしてガザを廃墟にし、「民族浄化」とも表現される大量虐殺を続けている。殺された住民はすでに1万8000人を超え、その約4割は子どもだ。イスラエルは情報が外へ漏れないようにするため、通信を遮断するだけでなくガザに入っているジャーナリストを狙い撃ちし、10月7日から2カ月間に68名を殺した。その前にもイスラエル軍はジャーナリストを殺しているので、合計すると今年だけで犠牲者は94名に達するという。

 そうした報道管制が敷かれているにもかかわらず、がざの惨状は外部へ漏れ、​12月8日には安保理理事国へアラブ首長国連邦が停戦を求める決議案を提出、15カ国のうち13カ国が賛成した。イギリスは棄権、アメリカは拒否権で決議案を葬り去った​。その翌日、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はアメリカの拒否権使用を「評価」し、「正義の戦争を継続する」と宣言している。

 本ブログでは繰り返し書いてきたが、イスラエルはイギリスがスエズ運河を守り、中東を支配する拠点として作った。その仕組みを引き継いだのがアメリカ。イギリスとアメリカは金融資本によって深く結びついている。この両国を中心とするアングロ・サクソン系国はオフショア市場で結びついた金融帝国にほかならない。

 イギリス労働党党首の座から2020年4月に引きずり下ろされたジェレミー・コービンは今回の決議に賛成しなかったイギリス政府を批判したが、そうした人物だからこそ排除されたのだ。

 コービンを排除する際、重要な役割を果たしたインテグリティ・イニシアチブは2015年に創設された団体。イギリス外務省が資金を出している。「偽情報から民主主義を守る」としているが、その実態は偽情報を発信するプロパガンダ機関だ。

 2020年4月4日に労働党の党首はコービンからキア・スターマーに交代。新党首はトニー・ブレアと同様、イスラエルに接近した。自分の妻ビクトリア・アレキサンダーの家族はユダヤ系だということをアピールしている。彼女の父親の家族はポーランドから移住してきたユダヤ人で、テル・アビブにも親戚がいるという。

 イスラエル、アメリカ、イギリスはパレスチナの歴史を無視、ハマスに全責任があるかのように主張しているが、そのハマスがイスラエルと深く関係していることは有名で、西側の有力メディアさえ、その事実を伝えてきた。

 第3次中東戦争で中東のイスラム諸国が傍観する中、唯一イスラエル軍と戦ったのがファタハであり、その指導者がヤセル・アラファトだった。それ以来、アラファトはイスラエルにとって目障りな存在になり、そのアラファトの力を弱めるためにイスラエルはムスリム同胞団のメンバーだったシーク・アーメド・ヤシンに目をつけたのだ。

 イスラエルの治安機関であるシン・ベトの監視下、ヤシンは1973年にムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立。ハマスは1987年にイスラム協会の軍事部門として作られる。

 ​シーモア・ハーシュによると、2009年に首相へ返り咲いた時、ネタニヤフはPLOでなくハマスにパレスチナを支配させようとした​。そのため、ネヤニヤフはカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたという。

 10月7日にハマスの戦闘部隊がイスラエルへ攻め込んだのだが、ガザはイスラエルが建設した一種の強制収容所であり、その収容所を取り囲む壁には電子的な監視システムが張り巡らされ、人が近づけば警報がなる。地上部隊だけでなく戦闘ヘリも駆けつけることになっている。ところがハマスはイスラエルへ突入できた。

 しかも突入の数時間後、2隻の空母、ジェラルド・R・フォードとドワイト・D・アイゼンハワーを含む空母打撃群を地中海東部へ移動させている。そうしたことから、ネタニヤフ政権やアメリカのジョー・バイデン政権はハマスの攻撃を事前に知っていたのではないかと疑う人が少なくない。

 攻撃の際、約1400名のイスラエル人が死亡したとされた。その後、犠牲者の人数は1200名だと訂正されたが、​イスラエルの新聞ハーレツによると、イスラエル軍は侵入した武装グループを壊滅させるため、占拠された建物を人質もろとも砲撃、あるいは戦闘ヘリからの攻撃で破壊した​という。イスラエル軍は自国民を殺害したということだ。​ハーレツの記事を補充した報道もある​。さらに、停戦にともなって解放された人質もイスラエル軍にイスラエル市民が攻撃された実態を当事者として証言しはじめた。

 ガザへの攻撃が始まった際、「ガザをドレスデンや広島のように破壊」すると宣言したモーシェ・フェイグリン元議員は議員時代の2014年、ガザは未来永劫イスラエルの土地だと宣言、無差別攻撃で破壊し、住民を消し去ってユダヤ人が住むと主張していた。

 また、​ネタニヤフ首相は「われわれの聖書(キリスト教における『旧約聖書』と重なる)」を引用、パレスチナ人虐殺を正当化した​。聖書の中でユダヤ人の敵だとされている「アマレク人」を持ち出し、「アマレク人があなたたちにしたことを思い出しなさい」(申命記25章17節から19節)という部分を口にしたのだ。「アマレク人」を家畜ともども殺した後、イスラエルの民」は「天の下からアマレクの記憶を消し去る」ことを神に命じられたという。彼はパレスチナ人をアマレク人とみなしている。パレスチナ人を皆殺しにすると言っているのだ。

 彼はサムエル記上15章3節の話もした。そこには「アマレクを討ち、アマレクに属するものは一切滅ぼし尽くせ。男も女も、子供も乳飲み子も牛も羊も、らくだもろばも打ち殺せ。容赦してはならない。」ということが書かれている。これこそがガザでイスラエルによって行われていることだというのだ。

 ネタニヤフによると「われわれは光の民であり、彼らは闇の民だ」としたうえで、イザヤの預言を理解しなければならないと主張する。「われわれ」とはイスラエル人、「彼ら」とはパレスチナ人、イスラム教徒、あるいはイスラエル以外の人びとを指しているのだろう。

 また、​ギラド・エルダン国連大使は10月8日に安全保障理事会で「これはイスラエルの9/11だ」と演説​、​ヨアブ・ギャラント国防相はパレスチナ人を「獣」だと表現した​。

 ​インターネットには、95歳になるイスラエル陸軍の退役兵、エズラ・ヤチンがユダヤ人に対してパレスチナ人を殺して彼らの記憶を消し去れと呼びかけている映像が流れている​。

 イスラエルの神憑った人びとはナイル川とユーフラテス川に挟まれた地域、つまりパレスチナのほかレバノン、ヨルダン、クウェート、シリア、さらにイラクの大半、エジプトやサウジアラビアの一部を「約束の地」だと主張している。「大イスラエル構想」とも呼ばれている。

 こうした神懸った理由だけでなく、イスラエル、アメリカ、イギリスは地政学的な理由からもガザを制圧しようとしている。

 9月8日にニューデリーで開かれたG20サミットの席上、インドのナレンドラ・モディ首相が発表したIMEC(インド・中東・欧州経済回廊)プロジェクトはインド、UAE(アラブ首長国連邦)、サウジアラビア、イスラエルを結び、さらにギリシャからEUへ伸びる輸送ルート。そのIMECはガザの北で地中海に出る。このルートは中国のBRI(一帯一路)に対抗する目的で計画された。後ろ盾はアメリカだ。

 19世紀以来、海軍力で世界を支配してきたアングロ・サクソンの戦略においてスエズ運河の果たす役割は大きい。ところが現在、その運河はエジプト領にある。そこで「ベン・グリオン運河」が計画された。この運河はアカバ湾のエーラト港からヨルダンとの国境沿いを進み、ガザの北側から地中海へ出る。

 また、エジプトからギリシャにかけての海域で9兆8000億立方メートルの天然ガスと34億バーレルの原油が発見されたことも大きい。ガザ沖にも天然ガスは存在、そこからキプロスを経由してイタリアへパイプラインで輸送する計画がある。そのライバルになるロシアの天然ガスを運ぶパイプラインはすでにアメリカが止めたり破壊した。

 バラク・オバマ大統領は2010年8月、ムスリム同胞団やサラフィ主義者 (ワッハーブ派、タクフィール主義者)を使った体制転覆作戦を始動させるため、PSD-11を承認した。そして始まるのが「アラブの春」にほかならない。この反乱は地中海東岸の国々に広がった。シリアへ軍事作戦が失敗、この計画は挫折したが、仕掛けた国々はまだ諦めてはいないだろう。その延長線上にガザへの軍事侵攻がある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202312120000/
33:777 :

2023/12/21 (Thu) 16:15:05

【そうきチャンネル】『ハマステロ事前察知?』 ・謎の大量「空売り」戦  
渡辺 惣樹
2023/12/20
https://www.youtube.com/watch?v=TpXmekH7nXY
34:777 :

2023/12/27 (Wed) 18:59:47

【そうきチャンネル】『イスラエルの孤独』・NYタイムズも反ネタニエフ? 
渡辺惣樹
2023/12/27
https://www.youtube.com/watch?v=AKZRclnQ450
35:777 :

2024/01/22 (Mon) 17:35:04

イスラエル・ロビー が米国で行なっている親イスラエル教育
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16836388



キリスト教 シオニズム
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14082175

キリストの再臨とアメリカの政治
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007057

パレスチナ問題は米英帝国主義と旧約聖書カルトが生み出した
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16824368

ハマスによるイスラエル総攻撃、その前にイスラエルがやった事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14153380

米国の世界戦略を実現、さらにガザ沖に天然ガスを奪うこともガザで虐殺する理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16822342
36:777 :

2024/02/05 (Mon) 18:39:22

2024-02-04
ノーマン・フィンケルスタイン:「イスラエルは悪魔の国だ」
https://vergil.hateblo.jp/entry/2024/02/04/092339

父親がアウシュヴィッツ、母親がマイダネク強制収容所からの生還者であるアメリカの政治学者ノーマン・フィンケルスタインが、ガザにおけるイスラエルの蛮行を強烈に非難している。


以下、翻訳者のAtuko S(@atsyjp)さんによる発言内容の日本語訳。

私は今のイスラエルに対してほとんど同情を感じない

あれは悪魔の国だ



世論調査で 60%のイスラエル人が

60%がだよ

イスラエルのガザでの軍事行動は手ぬるいと言うんだ

手ぬるいと言うんだよ



ガザでのいろんな数字を見てみるがいい

爆撃の激しさ

爆弾の威力

爆弾の非精密さ

民間のインフラの破壊

民間人と戦闘員の犠牲者の比率

全体の殺害数に対する子供の比率

全死者数に対する女性と子供の比率

数字を見ればわかる



今行われている様々な研究で

イスラエルがガザでやっていることは 次元が違うと

比較対象がないと言われている

いくらかでも比較になるような例がない

第二次大戦のドイツの絨毯爆撃すら比較にならない

連合軍の ドイツの都市の空襲も

連合軍によるドレスデンの空爆ですら



それを目の前で見ながら

60%が「まだ殺し足りない」と言ってるんだよ

壊し足りないとね



無理だ

私の道徳的想像力の限界だ

これ以上深入りはしないがね



強制収容所の見張りの側には興味はない

ウエスト博士に言ったよ

彼らを兄弟姉妹と呼ぶのは無理だと

そんなこと不可能だ

私の道徳的想像力には限界がある

それに

強制収容所の見張りを兄弟姉妹と呼ぶのは

私に言わせれば死者への冒涜だ



イスラエルがどうしてこうなったか

理解できるとは言わない そこには触れない

ノーだ



8000人の子供を 2ヶ月で殺す

2020年から2022年まで すべての戦闘地域で殺された子供の数より多いんだよ

2020年 2021年 2022年を足してね

3年分より多くの子供が殺されてる

誰を殺しているかといえば

強制収容所にいる人々を殺戮している

(彼らは)どこにも行けないし 逃げられない

いまガザでは毎日、 アウシュヴィッツで殺されていたより多くの子どもたちが殺されている。


イスラエルによる封鎖のせいでガザの子どもたちが餓死していく中、イスラエル兵たちは見せびらかすようにバーベキューパーティーを開く。


まさに悪魔の所業としか言いようがない。
https://vergil.hateblo.jp/entry/2024/02/04/092339
37:777 :

2024/02/25 (Sun) 18:56:18

2024.02.25XML
ガザでも事実を隠蔽、米支配層にとって都合の良い話を作成、流す西側メディア
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402250000/

 国際連合もアメリカ支配層の影響下にあることは言うまでもないが、その国連の機関である​OHCHR(人権高等弁務官事務所)の「専門家」が2月19日、ガザやヨルダン川西岸でパレスチナ人女性/少女がひどい人権侵害を受けていると表明​した。ガザでは女性/少女が恣意的に処刑され、その多くは家族と一緒に殺されているという。

 専門家の報告によると、拘束されているパレスチナ人女性/少女をイスラエル軍の男性将校が裸にし、身体検査しているだけでなく、さまざまな形の性的暴行も受けているとされている。少なくともふたりの女性がレイプされたほか、レイプや性暴力で脅迫された人もいると伝えられている。多くの女性が月経パッド、食事、薬の提供を拒否され、ひどい殴打を受けているともいう。

 女性だけでなく男性もパレスチナ人は非人道的で品位を傷つける扱いを受けている。

 ちなみに、「専門家」とはリーム・アルサレム(女性と少女に対する暴力、その原因と結果に関する特別報告者)、フランチェスカ・アルバニーズ(1967年以来占領されているパレスチナ領土における人権状況に関する特別報告者)、ドロシー・エストラーダ・タンク(議長)、クラウディア・フローレス、イヴァナ・クルスティッチ、ハイナ・ルー、ローラ・ニーリンキンディ(女性と少女に対する差別に関する作業部会)だ。

 ガザでイスラエル軍は民間人を虐殺、3万人近くが殺され、その約4割が子ども、女性を含めると約7割に達するとされている。瓦礫の下にも相当数の死体がまだあるはずで、犠牲者の総数は明確でない。

 OHCHRがガザにおける人権侵害について発表した前日、ブラジルのルーラ・ダ・シルバ大統領はガザでのパレスチナ人虐殺をアドルフ・ヒトラー体制における虐殺に準えた。イスラエル政府は「ホロコースト」の呪文を持ち出してルーラ大統領を批判したが、ブラジル大統領の主張に賛意を示す人は少なくない。

 アメリカのジョー・バイデン政権はイギリスと同じようにガザでの虐殺を支援、西側の有力メディアはイスラエルを擁護、パレスチナ人の虐殺を封印しようとしている。有力メディアとは支配者のためのプロパガンダ機関にほかならない。

 メディアは科学技術の発展に伴い、この世に現れた。輪転印刷機が19世紀に発明された後に新聞などの印刷媒体が、また20世紀には電信技術の発明でテレビやラジオなど非印刷媒体が出現している。

 こうしたメディアを利用して人びとの心理を操る仕組みをアメリカで作られたのは第2次世界大戦の後だろう。デボラ・デイビスの『キャサリン・ザ・グレート』によると、1948年頃に「モッキンバード」と呼ばれる情報操作プロジェクトがスタートしているのだ。

 このプロジェクトを実際に動かしていたのはコード・メイヤーだとされているが、その上には4名のグループが存在していたという。ひとりはOSSやCIAの幹部を務めたアレン・ダレス、OSS時代からダレスの側近で、大戦後には破壊工作を実行する極秘部隊OPCの局長を務めたフランク・ウィズナー、やはりダレスの側近リチャード・ヘルムズ、そしてワシントン・ポストのオーナーだったフィリップ・グラハムである。(Deborah Davis, “Katharine The Great”, Sheridan Square Press, 1979)

 イギリスの情報機関MI6と同じように、アメリカの情報機関も金融界との関係が深い。例えば、ダレスとウィズナーはウォール街の弁護士であり、ヘルムズの母方の祖父であたるゲイツ・ホワイト・マクガラーはBIS(国際決済銀行)の初代頭取、またフィリップ・グラハムの義理の父にあたるユージン・メイヤーは世界銀行の初代総裁だ。

 メイヤーの祖父にあたるイサクはユダヤ教のラビで、メイヤー自身は友人のルイス・ブランデイスに引きずられる形でシオニズムに傾倒、ロンドンからパレスチナへ資金を流す手助けをしている。ユージン・メイヤーは1933年に倒産したワシントン・ポストを競売で落札した。

 ユージンの娘、キャサリンは1940年6月にフィリップ・グラハムと結婚、大戦が始まるとフィリップは陸軍の情報部の要員として東南アジアで活動した。そこで彼はダレス、ウィズナー、ヘルムズらと親しくなっている。この関係のおかげでワシントン・ポストは大戦後に急成長して「有力紙」と呼ばれるようになった。

 フィリップはジョン・F・ケネディと親しかったが、ケネディが暗殺される3カ月前の1963年8月に自殺、キャサリンが新聞社の社主に就任している。新社主にはポリーという友人がいたのだが、この女性はフランク・ウィズナーの妻にほかならない。この人たちのネットワークはエリート層の内部に張り巡らされ、メディアは支配システムの一部として機能することになる。

 キャサリンは後にリチャード・ニクソンを失脚させたウォーターゲート事件で名を馳せるが、彼女は反戦派を嫌い、少なくとも一時期はニクソンを支持していた。

 ちなみに、ニクソンが最初に当選した1968年の選挙では最有力候補だったロバート・ケネディが直前に暗殺され、72年の選挙では反戦派だった民主党の候補ジョージ・マクガバンは民主党内の好戦派に攻撃されてニクソンに敗れた。

 マクガバンを攻撃していた民主党のグループで中心的な役割を果たしたヘンリー・ジャクソンの事務所では後にネオコンの中核を占める若者を育成、デタント派になったニクソンが失脚した後に副大統領から昇格したジェラルド・フォード大統領はデタント派を粛清、ネオコンを要職につけた。ネオコンが台頭してくるのはこの政権だ。

 ワシントン・ポストの記者としてウォーターゲート事件を調査したカール・バーンスタインはニクソンが大統領を辞任してから3年後にワシントン・ポスト紙を辞め、「CIAとメディア」という記事をローリング・ストーン誌に書いている。

 その記事によると、1977年までの20年間にCIAの任務を秘密裏に実行していたジャーナリストは400名以上に達し、1950年から66年にかけてニューヨーク・タイムズ紙は少なくとも10名の工作員に架空の肩書きを提供したとバーンスタインにCIAの高官は語ったという。(Carl Bernstein, “CIA and the Media”, Rolling Stone, October 20, 1977)

 1981年にロナルド・レーガンが大統領に就任すると、新たなプロパガンダ計画がスタートする。アメリカ国内における「プロジェクト・トゥルース」と国外における「プロジェクト・デモクラシー」だ。

 政府のメディア操作で中心的な役割を果たしていた人物がCIAのプロパガンダ担当オフィサーで、1982年からNSC(国家安全保障会議)のスタッフになっていたウォルター・レイモンドだ。(Robert Parry, “Secrecy & Privilege”, The Media Consortium, 2004)

 レーガン大統領は1982年6月にイギリス下院の本会議で「プロジェクト・デモクラシー」という用語を使い、83年1月に「NSDD(国家安全保障決定指示)77」に署名、新しい段階に入った。プロジェクトの中枢機関としてNSCの内部に「SPG(特別計画グループ)」を設置し、相手国の人々を操ろうとしたのだ。(前傾書)

 フランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥング(FAZ)紙 の編集者だったウド・ウルフコテは2014年2月、ドイツにおけるCIAとメディアとの関係をテーマにした本を出版、その中で​多くの国のジャーナリストがCIAに買収されていて、そうした工作が危険な状況を作り出していると告発​している。

 こうした情報操作プロジェクトにとって事実は敵であり、内部告発を許すことができない。内部告発の支援をしていたWikiLeaksが敵視されるのは当然だった。この団体の象徴だったジュリアン・アッサンジをイギリスの警察が逮捕、イギリス版グアンタナモ刑務所と言われているベルマーシュ刑務所で拘束している理由もそこにある。米英支配層はアッサンジを獄死させようとしていると言われている。アッサンジの運命は言論の運命そのものだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202402250000/
38:777 :

2024/02/25 (Sun) 18:58:58

ガザ虐殺の歴史的背景を紐解く 虐殺はいかにして正当化されたか 岡真理×藤原辰史×駒込武 パネルディスカッション
2024年2月24日
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/29322

 イスラエルによるパレスチナ・ガザ地区への殲(せん)滅戦が4カ月半にわたって続き、3万人をこえる人々が殺される事態に対して、世界的な抗議の運動が広がっている。このことに関して京都大学で13日におこなわれた公開セミナー「人文学の死――ガザのジェノサイドと近代500年のヨーロッパの植民地主義」では、基調講演「ヨーロッパ問題としてのパレスチナ問題」(岡真理・早稲田大学文学学術院教授)、「ドイツ現代史研究の取り返しのつかない過ち」(藤原辰史・京都大学人文科学研究所准教授)【いずれも既報】の後、それを深めるためのパネルディスカッションがおこなわれた。




パネルディスカッションをおこなう岡真理氏、藤原辰史氏、駒込武氏(13日、京都大学)

 パネルディスカッションでは、駒込武・京都大学教育学研究科教授(台湾近現代史)が司会を務め、岡氏と藤原氏が会場からの質問に答えながら、パレスチナ問題と日本を含む戦後世界との関連、そして人文学が果たすべき役割について論議を深めた。



◇       ◇



 駒込氏の「植民地支配の歴史を顧みるとき、戦争による占領という暴力の後、住民を生かして低賃金の労働力として使うことが、日本統治時代の台湾でもおこなわれた。昨年10月7日のガザの蜂起を生んだ背景には、現代の奴隷制といえるような植民地政策があったのではないか?」という質問に対して、岡氏は次のように答えた。



 「イスラエルは入植者植民地主義だ。だから先住民を殲滅する。1948年の最初の占領(ナクバ)では、イスラエルはヨルダン川西岸とガザは占領することはできなかったが、1967年の第三次中東戦争でこの両方も占領する。このときガザに閉じ込められた住民の7割は、1948年のイスラエル建国によって民族浄化されて土地を追われた難民たちだ。
 イスラエルが占領後に真っ先にやったのは、地場産業の破壊だった。占領地でパレスチナ人が生きていけない状況を作り、故国への帰還を目指していた難民たちは、占領下の社会で安い労働力として、辱められながら日銭を稼ぐことを強いられた。ガザはイスラエル経済の底辺を支える安価な労働力のプールにされていたのは事実だ。だが、現在のガザでのジェノサイドと西岸地区で起きている暴力的入植は、イスラエルが建国時から目指した“このすべてを自分たちのものにする”という目標の完遂だ。だから、使役というよりも可能な限り民族浄化(殺戮)する方向になっている。」



 続いて、藤原辰史氏に対してドイツの状況に関する質問があいついだ。「現在、ドイツ国内での親パレスチナ的運動への風当たりは?」「ドイツ人留学生とパレスチナ問題について話す機会があったが、二言目には“しかしドイツのパレスチナデモにはネオナチ(極右民族主義勢力)がいて…”という話になってしまう。実際はどうなのか?」「ドイツにおける親イスラエル的意識は国民全体にあるのか?」などの質問に対して、藤原氏は以下のようにのべた。



 「ドイツは、芸術に対してすごくお金を費やして若い人を支える国だが、たとえば反イスラエル的発言をした人は、たとえユダヤ人であっても“お金を出すのをやめます”という形でパージされることがある。非常にねじれているが、国の制度としてイスラエルに反対するとそのような形になる。
 だが、ドイツの新聞やニュースを見ると、ベルリンや大都市で“イスラエルの暴力がおかしい”“ジェノサイドじゃないか”とデモに参加する若い人が増えている。そこにカウンター的に親イスラエルのデモもある。その人たちは政府に操られているわけでも、極右なわけでもなく、ドイツの過去への向き合い方も含むシチズンシップ(市民の権利と義務)が攻撃されているという意識で、双方のデモがお互いに睨み合う状況もあるようだ。政府としてはアメリカと歩調を合わせているが、一般市民のデモではそれがまったく封殺されているわけではない。」




ガザへの爆撃に抗議するデモで掲げられたプラカード(2023年10月21日、独デュッセルドルフ)

ホロコースト 政治的資源に転化



 研究者の一人として意見を求められた橋本伸也・関西学院大学教授(ロシア・東欧近現代史)は、ホロコーストがなぜ世界の言論界を縛り付けるものになっていったのかについて問題を投げかけた。以下、その後の論議の要旨を紹介する(文責・編集部)。



 橋本 日本は「ホロコースト問題」が大好きな国だ。ホロコースト関連の本を出すとすごく売れるので出版社は出したがる。このようなメンタリティーがどのようにできあがったのかを考えると、1970年代に大きな流れが始まる。



 そのプロセスには二つの大きな流れがある。一つはアメリカだ。アメリカにおけるユダヤ人の政治的地位の高まり、あるいはアイデンティティーの政治が、1970年代のベトナム戦争後に一気に噴き出す。それまでナチスの残党はアメリカでぬくぬくと暮らしていたが、突然追及され始める。そのようにホロコーストの記憶が、アメリカによって奪われ、アメリカの政治問題となったことを「ホロコーストのアメリカ化」という言葉で紹介する英語の本が1冊だけある。



 そのようにしてできあがったものが、ハリウッド映画などを通じて日本に普及された。それが非常に心を打つ映画だから、みんながホロコーストに胸を痛め、その犠牲者たちに共感したわけだが、なぜ「アメリカ発」だったのかを考える必要がある。



 もう一つはドイツだ。ドイツで元々ホロコーストというのは左翼の学生運動がとりあげた話だったが、それがなぜこれほど支配的なイデオロギーになったのか。重要な基点は、1990年のドイツ(東西)統一だ。当時のコール首相は、保守的政治家であり歴史家だ。ホロコーストをフレームアップするような言説にずっと抵抗していた彼が、なぜホロコーストを政治的言説としてドイツ政治の中に持ち込む決意をしたのか。このプロセスは誰もきちんと検証していない。おそらくドイツ統一と関連している。



 この二つのことが合流することを通じて、もともと左翼的言説だったホロコーストは世界の支配的イデオロギーとしての地位を築き上げる。それを確立していくのが、2000年のストックホルム「ホロコースト・フォーラム」だ。「すべての国は、ホロコーストに対するみずからの責任を感じて反省しなければならない」という国際合意にさせられていく。ホロコースト犠牲者を悼む気持ちが、そのような国際政治のなかに持ち込まれ、世界を覆い尽くす力に転化された。



 イスラエルでもホロコースト生存者のことが歴史的に重要視されるのは1970年代以降のことであり、アメリカの動きと重なっている。これは単なる「反省」というものとは違う力が働いてきたのであって、反省し学ばなければならないことはたくさんあるが、このような変化があったことと区別して考えなければならない。なぜホロコーストはみんなを縛り上げるようになったのか。そのことによって見えなくなっていることがある。1970年代以降と冷戦終結後、私たちが生きる今がどのように形作られていったのか、社会科学的分析から見ていく必要があるのではないか。




岡真理氏

 岡 イスラエルは、みずからを「ホロコースト犠牲者の末裔(えい)」、あるいは「犠牲者であるユダヤ人の国である」と自己規定している。そして建国後3年目の1951年にドイツに対して賠償を求めている。だが、イスラエル建国当時、あるいは建国前のパレスチナのユダヤ人指導部が、ヨーロッパで起きているホロコースト――ユダヤ人迫害に対してどのような態度をとっていたか。



 イスラエル首相になるベン=グリオンは当時、「パレスチナにユダヤ国家を作るという運動(シオニズム運動)があるにもかかわらず、彼ら(ヨーロッパにいたユダヤ人)はパレスチナに来ず、ヨーロッパに留まったのだから自業自得だ」と非常に冷淡だった。パレスチナに入植してきたユダヤ人たちがヨーロッパで迫害されている親族を救出に行けないものかと申し出ても「気持ちはわかるが、今われわれはユダヤ国家建設のためにあらゆる資源を傾注すべきである」というふうにのべている。



 建国直後は、「イスラエル建国はユダヤ教の教えに反している」とユダヤ教正統派から批判されている。それに対しても「ホロコーストの犠牲になったユダヤ人は、抵抗もせずに唯々諾々と殺された、ディアスポラ(民族離散)で骨抜きにされたユダヤ人」であり、「武器を持って戦うわれわれシオニストこそが新たなユダヤ人」と反論した。つまり、自分たちのアイデンティティーを立ち上げるために、「否定すべき他者」としてホロコースト犠牲者のユダヤ人を利用した。



 しかし建国後、それまでは「ユダヤ国家建設」という世界のユダヤ人を束ねる大きな目標があったが、イスラエルが建国されると、ヨーロッパだけでなくアラブや中東イスラーム世界をはじめとする各地からやってきたバラバラのユダヤ教徒たちをどう国民として統合するかという問題が生まれる。そのときに発見されたのがホロコーストという資源だった。



 ホロコーストは、あくまでヨーロッパのキリスト教社会で起きたことだ。中東イスラーム世界では、キリスト教社会とは全然違うユダヤ教徒の歴史があったにもかかわらず、「反セム主義(反ユダヤ主義)は世界にあまねく存在しているのだから、いつ何どき第二のホロコーストがあるかわからない。だからこそシェルターとしての国家が必要だ」という論理で、イスラエルが国民統合していくためにホロコーストの記憶が利用された。



 藤原 ドイツ統一に関していえば、たとえば旧ユーゴスラビアから1991年に独立したクロアチアのツジマン大統領は、ドイツのコール首相と同じく歴史家だった。



 かつてナチス傀儡(かいらい)国家であったクロアチア独立国は、ユダヤ人だけでなく、セルビア人をたくさん殺してきた歴史がある。彼はその数字を修正して矮小化するような、いわばナチ的な人だが、コールが東西ドイツを統一するときにクロアチアはいち早く手を結ぶ。ドイツの建国を承認し、ドイツにクロアチアの将校を送って訓練をさせたりという形で、非常にねじれた関係があった。旧東ドイツと西ドイツが一つになって巨大化していく過程で、歴史的なゆがみが生じていることはその事例からも見えてくる。



 これまでは、ドイツの問題としては、東が西に統一されて、いわば労働市場とされたことで「AfD」のような右翼運動が生まれたという問いが多かったが、統一ドイツと「外」との関係に考えるべきことが多いと改めて感じる。



リベラル勢力の二枚舌への批判



 質問 ドイツにおける親イスラエル的言動には、イスラム・フォビア(恐怖症)という要素は関係していないか? たとえばドイツの人口構成において、トルコ系やシリア系移民など親パレスチナのイスラム教徒の割合が増加しつつある。




藤原辰史氏

 藤原 ドイツは政治家や旧リベラル系の人たちも一緒になって「AfD(ドイツのための選択肢)」という、ものすごく右翼的な党が急成長し、人々から支持を得ている。私の見方では今後、このAfDの支持率は上がる一方だろう。



 その理由として、現在のドイツにあるダブルスタンダード(二重基準)への批判がある。メルケルは多元主義的なものを認め、難民を受け入れようとしたが失敗した。リベラルといわれる人たちの「こっちは大事な人種だが、こっちはそうでもない」という姿勢が政策から見えるのに、何を綺麗なことをいっているのか?と。エリートたちの二枚舌への強い批判だ。



 もちろんドイツには、表には出ないがヒットラーを支持するネオナチと呼ばれる人たちもいる。しかし、それ以上に深刻なのは、このAfDを支える人たちの心情であり、そこには政府の二枚舌が絡んでいる。そこにある種の反イスラム感情みたいなものが組み込まれつつある。そのようなルーレットのようなものを見ていかなければいけないのではないか。



 岡 私が代表を務める科研プロジェクトで昨年11月、トルコ系ドイツ人の弁護士さんを招いて連続講演会をおこない、ドイツにおける移民や難民に対するレイシズムについて話してもらった。そこでわかったのは、日本の「記憶の内戦」といわれていた90年代、「ドイツは過去の侵略加害の歴史に向き合い反省しているが、日本は反省していない」という図式で、「ドイツは日本が見習うべきモデル」のように紹介されていたが、結局ドイツはパレスチナを犠牲にしてユダヤ人への罪の罪滅ぼしをしてきた。同時にそれは、パレスチナ人をドイツの過去の犯罪の新たな犠牲者にすることだったということだ。



 そして、今まさに民族浄化をおこなうイスラエルを擁護・支援し、同じことが続いている。つまりドイツが反省したといっているのは、ヨーロッパのユダヤ人を大量殺害したことであって、レイシズムや植民地主義を反省したわけではないということだ。



 ユダヤ人と同じようにロマ、シンティを含め、レイシズムによってこれだけ殺したのだから、現代のドイツ社会にあってはネオナチに対するのと同じように中東に出自を持つ人々へのレイシズムを禁じているか? といえば、まったくそうではない。「反ユダヤ主義はいけない」と考える人たちであっても移民を排斥するレイシズムがあらわだ。そもそもレイシズムへの反省がない。



 さらには、トルコ系、アラブ系など中東から来た移民に対して「ホロコースト教育」なるものがされており、「過去の克服」に向き合っているドイツを敬う、あるいはドイツの加害の歴史に対してみずからも同じ加害者として向き合うことが、善良なドイツ市民の条件だとされている。



 たしかに歴史的に中東イスラーム世界でもユダヤ人に対する差別や迫害がなかったわけではない。それでも互いに共生してきた歴史的記憶をもっている者たちに対して、「いかにトルコ人がユダヤ人を差別したか。あなたたちも反ユダヤ主義者としての歴史があるんだ」と説く。



 しかし、彼らにとってはナチスによるユダヤ人迫害の歴史を聞くと、それはまさに今自分たちがドイツで体験しているレイシズムと重なる。とりわけパレスチナから来た者やアラブ人たちからすれば、イスラエルがパレスチナに対してやっていることをよく知っているわけだから、「これってイスラエルがパレスチナにやっていることじゃないか!」という。それはナチスに迫害されたユダヤ人への共感だ。



 しかし、まさに「ドイツのカテキズム(思考の硬直化)」にある「イスラエル批判、シオニズム批判=反ユダヤ主義」ということで、そのような言動は禁じられ、抑圧されることが起きている。



京都大学とイスラエル



 学生 こういう問題を考えるとき、資本主義やグローバル経済みたいなものの意図を無視することはできないと感じる。経済などの視点からこの問題を考えるという学問はないのかと思う。そういうことは陰謀論と結びつけられて、片付けられてしまうことが多くてモヤモヤする。何が起きているのかわからなくて苦しい。



 藤原 今日話していることは、言葉を恣意的に切りとられて「排外主義だ」といわれる危険性もあるので、言葉の使い方がものすごく難しくなってしまうのだが、やっぱり私が考えたいと思うのは日本の歴史だ。日本史における朝鮮特需を考えてみても、朝鮮戦争で日本は戦後の成長を遂げた。ベトナム戦争でまた成長を遂げる。西ドイツもパレスチナを犠牲にすることで戦後の経済復興をした。そういう比較研究の事例を見ていくことは可能だ。私たちが一番やりやすいのは、日本と朝鮮半島の戦後史で起きたことを考えることだと思う。



 もう一つは、「あれはユダヤ資本、これもユダヤ資本」で「ユダヤに支配されている」という議論がある。もちろんユダヤ人に世界が乗っとられているというのはすごく乱暴な議論だ。ただ企業史研究において、その企業が持つ歴史がどういう形で政治のなかにかかわっているかという議論はいくらあってもいいと思う。



 そのなかでユダヤ人に限らず、何かの特権や経済的意図を持っている人が政治的な場面に入ってきたときに見えてくる問題や、その中の一つとしてアメリカのイスラエルと深い関係がある企業や人間たちをとり上げていくことは可能だと思う。事実を丹念に追っていくことだ。




駒込武氏

 駒込 京都大学が昨年、三菱商事から6億円の寄付を受けた。三菱商事はテルアビブ(イスラエル)に多くの関連企業を持っている。そして京都大学はテルアビブ大学と提携している。私は三菱商事が提携しているイスラエルの企業を一通り調べたが、人造肉の開発などに関連する企業が絡んでいる。そんなとき京都大学に三菱商事がポンと6億円を出すことには当然意図がある。そしてイスラエルの企業や大学で、盗聴技術とか人を管理統制するためのテクノロジーが発展している。京都大学を含めてそうしたものと提携しようとしているところがあるのではないかという点も見落としてはならないと思う。



向き合うべき歴史とは



 岡 ドイツは「歴史に向き合っている」と自らを主張し、それによって「文明国」のなかで最も倫理的な高見にみずからを置いている。「(ホロコーストは)唯一無二の犯罪」というのは、それはもう二度と起きないというものだ。それに真摯に向き合っているドイツというのを、セールスポイントとして活用している。



 その向き合っている「歴史」とは何か。レーガン時代、クリントンの時代もだが、アメリカは第二次世界大戦中に日系人を強制収容所に入れたことを国として謝罪した。そうした過去の不正が謝罪され、補償されることは正しいことだが、その振る舞いには「われわれは正しく反省することができる国家なのだ」というものがある。では、アメリカが本当に過去の歴史的不正に向き合っているか? といえば極めて恣意的だ。先住民の独立運動も今もって抑圧しているのだ。



 ドイツの「歴史の克服」というときの「歴史」とは、極めて恣意的に選択された歴史ではないか。その選択には、極めて政治的、経済的なものが絡んでいると思わざるを得ない。植民地主義を反省していない国家が、純粋に自分たちの罪に向き合うという理由だけで、そういうものに向き合っているとは私は思えない。もしそうであるとすれば、パレスチナ人を犠牲にしてホロコーストの罪をあがなっていることが国家的な課題として浮上してくるはずだ。



 『ホロコースト産業』(ノーマン・G・フィンケルスタイン)というユダヤ系の学者が書いた本では、イスラエルがホロコーストをいかに利用したかを論じている。



 藤原 日本で起きてきたことをつぶさに見ていくといろいろなヒントが見えてくる。イスラエルによるジェノサイドの問題は、さまざまな歴史を知れば知るほど深くわかる。イスラエル、ドイツのことだけをやっていたら、ドイツのこともイスラエルのこともわからない。だからおそらく共同研究が必要だ。



 ノルベルト・フライ(ドイツ歴史学者)などのいい方は、反発する側、挑戦する側の言葉遣いについて「すごく汚い言葉だ」「過激である」という表現で「この人たちは言論の文明の水準に値しない」といういい方をする。でも、抑圧されている側の言葉を、なぜ抑圧している側が選ばなければいけないのか。そのときに私たちは抑圧されている側の言葉を「荒っぽい」とか「乱暴だ」といわずに、ちゃんとその背景を知ることぐらいはやっていくべきだ。



 たとえファクトを間違えそうになっても、一定仲間たちとの間で修正していくような学びの仲間をつくりながら、抑圧されている人たちの言葉を繋いでいくことが人文学ではないか。



 岡 今必要なのは、本当の意味での世界史だ。私自身も含め学校で学んできたのは、結局、縦に切り分けられた――中国史と西洋史の合体させた――ものであって、グローブ(地球規模)の世界史にはなっていない。同時代的な、通史的な世界の歴史をグローバルに把握することが必要だ。



 駒込 「何ができるのか」という問いへの答えとして、京都でも毎週土曜日に京都市役所前でジェノサイドをやめろというデモをやっているが、これを何倍にも広げて対外的に示すこと。それぞれの地域、関わっている組織がイスラエルとどのようなつながりを持っているのかを知り、場合によってはボイコット運動を組織していくこと。さらには長期的に見て、植民地主義批判を核とした世界史教育を構築していくことが必要だと思う。
https://www.chosyu-journal.jp/heiwa/29322
39:777 :

2024/03/03 (Sun) 19:16:24

2024.03.03XML
ガザで食糧を運んできたトラックの周辺にいた住民をイスラエル軍が銃撃して殺戮
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403030000/

 ​イスラエル軍による住民虐殺が続いているガザで、食糧を運んできた援助トラックの周辺に集まってきた人びとに対してイスラエル兵が銃撃を加え、多くの住民が死傷した​。少なくとも112人が殺害され、数百人以上が負傷した事実が世界に発信されている。イスラエル軍の兵士が自動小銃で銃撃しただけでなく、戦車からも発砲されたという。現場の画像には血のついた小麦粉の袋が映っていることから、この出来事を「小麦粉虐殺」と呼ぶ人がいる。

 虐殺はガザの南西側にあるアル・ラシード通りで起こった。犠牲者の多くは胴体や頭に銃弾を受けた状態で病院へ運ばれていることから、兵士は殺害を目的として銃撃していると言われている。イスラエル軍が公開した映像では銃撃による音声が記録されているが、音響分析から音はイスラエル軍が使用した自動小銃から発せられたものであることが特定されたという。兵士や戦車だけでなく戦闘機も銃撃したとする話が伝えられている。

 ​アルジャジーラによると、援助物資を待っていた人びとに対して銃撃が始まり、発砲後、イスラエル軍の戦車が前進して多くの住民を轢いたとしている​。

 この虐殺をイスラエル側は否定していたが、軍が発砲したことは認めざるをえなくなった。それでも兵士らが住民に「脅威を感じた」からだと弁明、イスラエルのイタマール・ベン・グビル国家安全保障大臣は住民を「撃退」したイスラエル軍を称賛した。今回の虐殺に限らず、西側の有力メディアはイスラエル軍による大量殺戮を擁護、あるいは責任を曖昧にした話を流している。

 イスラエルがガザでこうした虐殺作戦を継続できるのはアメリカやイギリスが支援しているからにほかならない。米英両国は自分たちの軍事拠点があるキプロスから物資をイスラエルへ運び込んでいる。この島にはイギリス空軍のアクロティリ基地があり、イギリス空軍だけでなくアメリカ空軍の偵察航空団も駐留しているのだ。

 イスラエルの​ハーレツ紙によると、10月7日からイスラエルへアメリカ軍の大型輸送機が20機、そしてイスラエルと各国がリースした民間輸送機が約50機、物資を輸送している​。その後、6機以上のイスラエル軍機がイギリスへ飛来しているとする情報が伝えられた。​10月7日からイギリスのグラスゴー、バーミンガム、サフォークとオックスフォードシャーの空軍基地に来ている​という。勿論、こうした動きは氷山の一角に過ぎない。

 イギリスの基地を飛び立ったイスラエルの輸送機はネゲブ砂漠にあるベールシェバに到着している。そこあるネバティム空軍基地は兵站の拠点だ。

 1948年5月に「建国」が宣言されて以来、イスラエルは虐殺を続けてきた。そのイスラエルを作り出したのはイギリスだ。そうした工作の過程でデイビッド・ロイド・ジョージ政権はパレスチナへ送り込む警官隊を創設している。その工作で中心的な役割を果たしたのが植民地大臣に就任していたウィンストン・チャーチルだ。

 この警官隊はアイルランドの独立戦争で投入された「ブラック・アンド・タンズ」のメンバーが中心になっている。この武装組織はIRA(アイルランド共和国軍)を制圧するために設立され、弾圧の過程で違法な殺人、放火、略奪などを繰り返している。

 イングランドは17世紀にアイルランドを侵略、住民を虐殺した。その時の指揮官がピューリタン革命で台頭したオリバー・クロムウェル。この人物は地主や富裕な商工業者に支持されていた独立派のメンバーで、革命の際に手を組んでいた小農民や職人層に支持されていた水平派を革命後に粛清している。

 クロムウェルの侵略でアイルランドの人口は激減。虐殺前の1641年には147万人だったが、52年には62万人へ減っている。50万人以上は殺され、残りは「年季奉公」や「召使い」としてアメリカなどに売られたと言われている。

 アイルランド侵略の21年前にピューリタンの一団がメイフラワー号でアメリカへ渡っている。いわゆる「ピルグリム(巡礼者)・ファーザーズ」だ。イギリスが植民した地域でピューリタンは「新イスラエル」を建設していると信じていたという。

 イタリアのジェノバに生まれたクリストバル・コロン(コロンブス)がカリブ海のグアナハニ島に上陸した1492年当時、北アメリカには100万人とも1800万人とも言われる先住民が住んでいたと推測されているのだが、ウーンデット・ニー・クリークでスー族の女性や子供150名から300名がアメリカ陸軍第7騎兵隊に虐殺された1890年になると、約25万人まで減少していた。そして、生き残った先住民を「保留地」と名づけらた地域に押し込めるために「強制移住法」が施行される。

 これが「自由と民主主義の国」だというアメリカの実態。1904年にアメリカのセントルイスでオリンピックが開催された際、並行して「万国博覧会」も開かれたのだが、その際、「特別オリンピック」で人種の序列が示されている。それによるとトップは北ヨーロッパの人びとで、最下位はアメリカ・インディアンだ。その時、アパッチ族のジェロニモが「展示」されている。(Alfred W. McCoy, “To Govern The Globe,” Haymarket Books, 2021)

 ところで、パレスチナでは1936年4月に住民は独立を求めてイギリスに対する抵抗運動を開始するのだが、39年8月に鎮圧されて共同体は政治的にも軍事的にも破壊されてしまう。その際、パレスチナ人と戦った勢力には2万5000名から5万名のイギリス兵、2万人のユダヤ人警察官など、そして1万5000名のハガナ(後にイスラエル軍の母体になる)が含まれている。

 シオニストはイスラエルなる国を作り出すため、先住民であるアラブ系の人びとを追い出しにかかる。そして1948年4月4日に「ダーレット作戦」が発動された。この作戦は1936年から39年にかけて行われたパレスチナ人殲滅作戦の詰めだったという見方がある。

 4月8日にハガナはエルサレム近郊のカスタルを占領、ハガナとの打ち合わせ通り、イルグンとスターン・ギャングは9日午前4時半にデイル・ヤシンを襲撃する。マシンガンの銃撃を合図に攻撃は始まり、家から出てきた住民は壁の前に立たされて銃殺され、家の中に隠れていると惨殺、女性は殺される前にレイプされた。

 襲撃の直後に村へ入った国際赤十字のジャック・ド・レイニエールによると、 254名が殺され、そのうち145名が女性で、そのうち35名は妊婦だった。イギリスの高等弁務官、アラン・カニンガムはパレスチナに駐留していたイギリス軍のゴードン・マクミラン司令官に殺戮を止めさせるように命じたが、拒否されている。ハガナもイルグンとスターン・ギャングを武装解除しようとはしなかった。(Alan Hart, “Zionism Volume One”, World Focus Publishing, 2005)

 この虐殺を見て多くのアラブ系住民は恐怖のために逃げ出し、約140万人いたパレスチナ人のうち5月だけで42万3000人がガザやトランスヨルダン(現在のヨルダン)へ移住、その後、1年間で難民は71万から73万人に達したと見られている。イスラエルとされた地域にとどまったパレスチナ人は11万2000人にすぎなかった。

 国際連合は1948年12月11日に難民の帰還を認めた194号決議を採択したが、現在に至るまで実現されていない。そして同年5月14日にイスラエルの建国が宣言され、パレスチナ人に対する弾圧が始まる。現在、ガザで行われているパレスチナ人虐殺はその流れの中での出来事だ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403030000/
40:777 :

2024/03/22 (Fri) 10:00:30

2024.03.20XML
アメリカやイギリスの支援を受けたイスラエルがパレスチナ人虐殺を続ける
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403200000/

 これまでもイスラエル政府はパレスチナ人を不当に拘束、拷問してきた。ハマスをはじめとするパレスチナ系武装グループが10月7日にイスラエルを攻撃してからも少なからぬパレスチナ人を拉致しているが、イスラエルの新聞ハーレツによると、​スデ・テイマンやアナトットの軍事施設で拘束されていた27人が殺された​という。

 拘束された人びとが長時間にわたって手錠をかけられていることは保釈された人の手首などに残る傷跡などで明確になっている。​UNRWA(国連難民救済事業機関)の報告書​によると、ガザに解放された被拘禁者は殴打され、衣服を剥ぎ取られ、性的暴行を受け、医師や弁護士への面会も妨げられたという。ナチスの強制収容所を彷彿させることがイスラエル軍によって行われているのだ。

 勿論、イスラエル軍は収容施設の外でパレスチナ住民を虐殺し続けている。殺された住民の数はすでに3万数千人と言われ、そのうち約4割が子ども、女性を含めると約7割に達し、その中には約300人の医療従事者も含まれている。現地の状況を取材しているジャーナリストも狙われている。

 ガザでは病院が包囲され、爆撃で破壊され、36病院のうち「部分的に機能」しているのは11病院のみ。「戦争の巻き添え」で子どもや女性が殺されているのではなく、イスラエル軍は意図的に子どもや女性を殺している。

 ハマスが10月7日にイスラエルを攻撃した直後、「ハマスが赤ん坊の首を切った」というすぐ嘘だと発覚するような作り話には飛びつき、扇情的に伝えた西側の有力メディアだが、現実の悲惨な状況をきちんと報道しているとは思えない。「パレスチナ人は残虐だ」、「イスラエル人は人道的だ」というストーリーに合う材料を彼らは探しているだけであり、そのイメージを広げることには成功した。

 そのイメージを利用してイスラエル軍はパレスチナ人を虐殺しているのだが、そうした残虐行為を可能にしているのはアメリカやイギリスをはじめとする西側諸国に他ならない。

 そもそもイスラエルはイギリス支配層の戦略に基づいてシオニストによって作られ、アメリカを後ろ盾としてにしている国である。そのイスラエルはパレスチナ人虐殺の口実に使っているハマスはイスラエルの治安機関であるシン・ベトによって創設された。

 シン・ベトはムスリム同胞団に所属していたシーク・アーメド・ヤシンに目をつけ、1973年にムジャマ・アル・イスラミヤ(イスラム・センター)を、そして76年にはイスラム協会を設立させ、87年にはイスラム協会の軍事部門としてハマスは作られる。

 バラク・オバマ大統領は2010年8月に「PSD(大統領研究指針)11」を承認、ムスリム同胞団を利用して「アラブの春」を仕掛けたが、この同胞団の創設にはイギリスが関係している。

 ムスリム同胞団は1928年にハッサン・アル・バンナが創設したが、その源流は汎イスラム運動にあると言われている。イギリスの情報機関や外交機関の人間がペルシャ系アフガニスタン人の活動家と1885年にロンドンで会談したのが、その運動の始まりだという。帝政ロシアに対抗する汎イスラム同盟を結成が話し合いのテーマだった。

 エジプトのムスリム同胞団は1930年代に戦闘員を訓練するための秘密基地をカイロの郊外に建設したが、教官はエジプト軍の将校が務めていた。第2次世界大戦の際にムスリム同胞団は秘密機構を創設し、王党派と手を組んで判事、警察幹部、政府高官らを暗殺していった。

 1945年2月、そして48年12月にムスリム同胞団はエジプトの首相を暗殺、49年2月には報復でバンナが殺された。その直後に同胞団のメンバーは大半が逮捕され、組織は解散させられたのだが、アメリカとイギリスの情報機関は組織解体から2年半後に復活させている。CIAが新生ムスリム同胞団の指導者に据えたサイード・クトブはフリーメーソンのメンバーで、ジハード(聖戦)の生みの親的な存在だという。こうした1940年代に同胞団と密接な関係にあったひとりがアンワール・サダトである。

 エジプトでは1952年7月にムスリム同胞団を含む勢力がクーデターで王制を倒して共和制へ移行、自由将校団のガマール・アブデル・ナセルが実権を握った。イギリスはこの体制を好ましくないと考え、倒そうとしたが、CIAは自由将校団を利用してコミュニストを抑え込もうとしている。

 権力構想でナセルに敗れたムスリム同胞団は1954年にナセル暗殺を目論む。その暗殺計画で中心的な役割を果たしたひとりはサイド・ラマダーン、同胞団を創設したハッサン・アル・バンナの義理の息子だ。ナセルはラマダンからエジプトの市民権を剥奪したが、この計画の黒幕はイギリスだと見られている。

 ラマダンはサウジアラビアへ逃れ、そこで世界ムスリム連盟を創設、西ドイツ政府から提供された同国の外交旅券を使い、ミュンヘン経由でスイスへ入った。そこで1961年にジュネーブ・イスラム・センターを設立した。この当時、スイス当局はラマダンをイギリスやアメリカの情報機関、つまりMI6やCIAのエージェントだと見なしていたという。(Robert Dreyfuss, “Devil’s Game”, Henry Holt, 2005)

 ムスリム同胞団の創設にはイギリスが、ハマスの創設にはイスラエルが関係しているわけで、​2009年に首相へ返り咲いたネタニヤフがハマスにパレスチナを支配させようと計画した​のは不思議でない。そのために彼はカタールと協定を結び、カタールはハマスの指導部へ数億ドルを送り始めたと言われている。

 しかし、時の経過とともに ハマス内部に変化が生じ、2017年にはムスリム同胞団から脱退したとされている。ベイルートでハマスの政治部門における第2代司令官のサレハ・アル・アロウリがイスラエル軍によって暗殺された。彼はムスリム同胞団に反対し、カタールから追放されていたというが、ハマスの全幹部がムスリム同胞団と関係を断ったわけではない。

 そのハマスを殲滅するという口実でイスラエルとイギリスはアメリカと同様、パレスチナ人を虐殺している。ウクライナでロシア系住民を弾圧、消し去ろうとしたのと同じだ。ガザやヨルダン川西岸からパレスチナ人を消し去るつもりだろうが、ウクライナと同じように裏目に出る可能性もある。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202403200000/
41:777 :

2024/04/11 (Thu) 18:58:15

特番「山中泉さん登場!急展開するイスラエル・ハマス戦争、米民主党ネタニヤフ非難の背景にトランプの支持率、どうなる露ウク戦争」
2024/04/09
https://www.youtube.com/watch?v=mlLl_6bc_2c

<出 演>
 松田政策研究所代表 松田学
 一般社団法人 IFA代表理事 ファウンテン倶楽部創業者 山中泉氏

<目次>
<前半:無料パート>
〇イスラエル・ハマス戦争の急展開
〇民主党上院最上位チャック・シューマー院内総務がネタニヤフを厳しく非難、退陣要求。
〇シューマーやバイデンさえネタニヤフ非難に動いた真の理由は大統領選での
 スィングステーツでのトランプとの支持率が拡大している背景があること
〇イスラエル軍ガザから一時撤収開始
〇米保守派、元軍人などのイスラエル、露ウク戦争の直近の見方
〇米下院でのウクライナ支援予算の通過状況とジョンソン下院議長の豹変

<後半:有料パート>
〇過去のユダヤ・ロビーの強大な議員への圧力で絶対の自信を持っていたネタニヤフも
 米国内事情で一気に守勢に追い込まれている背後の事情など
〇モスクワ劇場テロ の保守派の分析
〇その他
42:777 :

2024/04/13 (Sat) 13:07:52

【ニコニコ全編 ライブ配信】イラン報復はあるのか?! 中東情勢の今後と日本の危機 (宇山卓栄×石田和靖)
2024/4/11
https://live.nicovideo.jp/watch/lv344889142
43:777 :

2024/04/18 (Thu) 14:31:12

【Front Japan 桜】石田和靖~中東危機の世界史的な大転換(世界大戦) [桜R6/4/18]
https://www.youtube.com/watch?v=GGtx7JbhMik

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