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2023/09/25 (Mon) 06:08:00
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経済・相場関係投稿集
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037314
ド素人でも損しない株式投資のノウハウ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16876324
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資本主義の基本原理が富の独占である以上、貧富の格差が広がるのは必然。庶民に購買力がなくなれば商品は売れず、生産活動は停滞して資金は投機市場へ流れていく。
19世紀のアメリカでは、不公正な手段で先住民や国民の財産を手に入れ、巨万の富を築く人びとが現れ、「泥棒男爵」と呼ばれた。石油業界を支配したジョン・D・ロックフェラー、金融帝国を築いたJ・P・モルガン、鉄鋼業界のアンドリュー・カーネギー、ヘンリー・クレイ・フリック、鉄道のエドワード・ヘンリー・ハリマン、金融や石油で財をなしたアンドリュー・W・メロンなどだ。投機の弊害を反省して1933年に制定されたグラス・スティーガル法は1920年代に投機が加熱したことを反省して制定された。
バブルはいつ破裂してもおかしくない状況になっていた1929年10月24日にニューヨークで株式相場が急落、恐慌へ突入するのだが、これは表面的な現象にすぎない。相場の暴落で恐慌になったのではなく、経済の行き詰まりを誤魔化していた投機が限界に達し、破綻が顕在化しただけである。
ニューヨークの株式市場で相場が大暴落した1929年から大統領を務めたハーバート・フーバーはウォール街の巨大金融資本を後ろ盾にしていたが、その経歴をさかのぼるとロスチャイルドが現れる。スタンフォード大学を卒業した後に鉱山技師として働いた鉱山を所有していたのがロスチャイルドだった。そのとき、利益のためなら安全を軽視する姿勢が気に入られたようだ。
相場は大きく変動するときがチャンス。下がれば損をするというものでもない。暴落のタイミングを知っていれば、つまり暴落を仕掛けられれば大儲けできるのだ。1929年にもそうしたことが起こったと言われている。相場の下落で儲かるだけでなく、二束三文で価値あるものを手に入れられる。その時に政府をコントロールできていれば、やりたい放題だ。
1929年10月24日、ニューヨーク・ウォール街では、世界大恐慌の引き金となって、株式大暴落が起こりました。国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの配下であったロックフェラーやデュポン(世界最大の化学メーカー)らは、この大恐慌を利用して天文学的な巨富を手にしていました。60年前のウォール街での「暗黒の木曜日」の立役者は、国際金融資本の総帥・ロスチャイルドの息の掛かる東部のエスタブリュシュメント達(ロックフェラーを筆頭に、デュポン、ケネディ、オナシス、アスター、バンディ、コリンズ、フリーマン、ラッセル、ファンダイン、リー・クアンシューの超大富豪十二家)でした。
この者達は手持ち株を売り捲り、その結果、下落に下落を重ね、二束三文になった株式を買い叩いたのです。それで巨万の富を手にしたのです。
どうやったら大暴落を人工的に作り出し、然(しか)も、そのタイミングに合わせて、自分達の狙うポイントに、総てを集約することが出来るか?
人工的に大暴落を作り出す場合、60年前の大恐慌では、アメリカの大富豪達による「大量売浴せ」という手法が使われました。
大量売浴せとは、売方が買方の買数量より、多量の売物を出して買方を圧倒し、相場を押し下げようとすることで、「売り崩し」とも言われます。
広瀬隆『東京が壊滅する日』(ダイヤモンド社)
P179~180から引用させていただこう。
(以下引用)
実は、アメリカの全産業は、石油を独占したロックフェラー財閥(スタンダード石油)と、鉄道と鉄鋼を支配したモルガン財閥(モルガン商会)が、一九二九年のウォール街“暗黒の木曜日”の株価大暴落によって起こった大恐慌後に、ほとんどの大企業を支配してしまったのである。(略)ロックフェラー財閥とモルガン財閥の企業だけは、不況のなかで倒産する企業を次から次へと買い占めて、ますます巨大化していたのである。
モルガン財閥の場合、支配した当時の資産1億ドル前後という超大企業だけを拾いあげても、14の銀行、4つの生命保険会社、7つの鉄道会社、8つの電気・電話・ガスなどの公益事業、12の自動車・鉄鋼などの工業メーカーが数えられた。(略)さらにランクを落として大企業クラスで数えると、都合444社がモルガンの支配下に置かれてしまった。
一方、“スタンダード石油銀行”と呼ばれたナショナル・シティー銀行とチェース・ナショナル銀行をはじめとして、ロックフェラー財閥も巨大な独占を成し遂げ、287社を支配してしまった。これを大恐慌後の会社合計の資産額で示すと、(略)このわずか二家族の支配した資産総額が1225億ドルに達していたことだ。
一九三〇年のアメリカ国家予算(歳入額)が40億ドルの時代に、その30倍を二大財閥が支配したのである。現代に換算するなら、69兆ドル、8000兆円規模になろうか。史上空前の独占だったこの数字は、「アメリカの大企業上位200社を並べたとき、資産総額の65%をモルガンとロックフェラーで支配した」ということを意味する。実に65%の独占である。
(以上引用終わり)
この金融グローバル集団は、1907年、金融恐慌を引き起こし、全米の5千以上もの銀行を潰して自分たちの大銀行へと統廃合した後、1913年にはその金融恐慌の「教訓」という名目で「FRB」を設立し、事実上の中央銀行に収まった。
そして 1929年の世界恐慌の際には数百もの大企業の株を底値で手に入れ、米経済の7割近くを掌握したというわけだ。
ちなみに、この恐慌を通して同様に莫大な資産を築き上げたバーナード・バルーク、ジョセフ・ケネディ、プレスコット・ブッシュなども、みんな彼らの仲間か手下だった。「最大受益者=真犯人」の法則からすると、そもそも恐慌は、通貨政策やメディアを使った投機熱の扇動などで、彼らが引き起こしたと考えるのが妥当ではないか。
債権を暴落させて買占めれば、通常の経済活動では考えられない水準の儲けと共に経済の主導権・支配権すら手に入る。そして以後も同様の事を何度も繰り返すようになる。
世界支配層にとって世界恐慌とは「収穫祭」なのだ。
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2023/09/25 (Mon) 06:12:57
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1929年世界大恐慌の原因は高累進所得課税を止めた事
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14144412
平成バブル崩壊と ソロモン・ブラザース証券 相場師列伝3
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/258.html
アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか
http://www.asyura2.com/17/lunchbreak54/msg/326.html
アメリカが No.2 になった国を潰した方法
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/745.html
日本や中国のバブルは簡単に崩壊するけれど、アメリカのバブルだけは絶対に崩壊しない理由
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/121.html
ジョン・メリウェザーだけが同じ大失敗を何度繰り返しても再起できる理由
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/433.html
日本を売った小沢一郎 (続き) _ 1990年代にアメリカは、日本に対しすさまじいばかりの金額の内需拡大要求をして意図的にバブルを作らせた
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/233.html
CIAのエージェント 竹中平蔵物語
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/301.html
イギリスの手法は「まずブタを太らせて、後で食べる」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/153.html
日銀が平成バブルを潰して失われた30年を作った
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037444
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2024/05/06 (Mon) 10:34:11
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アメリカを衰退させる債務膨張とインフレバブル
2024.05.06
https://www.thutmosev.com/archives/34917.html
これは連邦債務だけで他にも膨大な隠し債務がある
https://www.nikkei.com/topics/22A00404 アメリカ政府の債務上限問題とは 最新ニュースと解説 – 日本経済新聞
持続不可能なアメリカの好景気
アメリカは2010年頃から長期的に見て好景気だが永遠に好景気が続いた例はないので、いつかアメリカも不況に陥り不況に入るのは決まっています
ではアメリカの景気後退や不況はどんな形でいつやって来るのかですが、どうやら「債務」「インフレ」の2点で破綻が近づいている
日本は30年間デフレ不況だったがその反対はインフレ景気、つまり好景気とは物価が上昇し経済が拡大することでアメリカはインフレ状態にあります
インフレを持続させると見せかけの好景気を演出することもでき、例えば東京の地価を年数パーセント政府が意図的に上昇させたら、表向き好景気を演出する事もできる
こんな事をやったのがバブル期の日本、つい最近の韓国や中国の不動産バブル景気でアメリカも不動産価格の上昇による偽の好景気を演出している
スイスやベルリンや北欧なども同様で、この手の不動産バブル景気には賞味期限があって不動産価格が限度いっぱいまで上昇したら弾けることになっている
アメリカやスイスの大都市のワンルーム平均家賃は40万円以上になっているが東京は10万円未満、代わりに年収も多いがさすがに4倍ではない
彼らの家賃が東京の2倍で年収も2倍なら計算が合う気がするが、家賃が4倍で年収は2倍なのでこれはもう「不動産バブル経済」です
いずれNYやサンフランシスコの地価や家賃は上限に達して下がり始めるが、資産価値が下がると債務負担が重くなり破産する者が増えるでしょう
限界まで資産バブルをやって資産価値が下がると、膨らみ切った債務は金利でさらに膨らんで返済不能になります
2月のアメリカ消費者物価指数は前年比3.2%上昇、3月は+3.5%に加速していてインフレ率が下がらず好景気が持続している
このように「好景気」とは消費が強いのでインフレ率を上昇させ、インフレは見せかけのGDPを増やすのでアメリカは非常に景気が良い事になっている
アメリカの好景気は借金で演出したものだった
ではインフレ率を上げて地価を上げれば好景気になる訳ですが、数字を操作する為に意図的にやっているとしたら最悪の結果を引き起こします
インフレ率も地価もビットコインも株価も無限に上昇させることは出来ないのでいつかは成長が止まり、操作して数字を上げた分は反動で下がる筈です
インフレは本来消費が活発で経済成長しており、生産を上回る需要によって物価が上昇するものですがアメリカは政府が借金をしてインフレ率を上げた
トランプとバイデンだけで600兆円以上のコロナ支援をやり、給料より多くの給付金を受け取る人が続出し空前のコロナ景気になった
トランプやバイデン、オバマ、ブッシュが使ったのは連邦予算だけで公開されているアメリカの債務も連邦債務だけだが、それですら多くの研究者は返済不可能と結論づけている
著書「ブラック・スワン」で2008年の金融危機を予言したナシーム・ニコラス・タレブは、奇跡が起きない限り破滅的な事態を回避できないと述べている
日本の政府債務はGDP比200%でアメリカは110%だが2つの数字の意味は違い、日本は「全部込み」なのに対しアメリカは「連邦債務の一部」だけで政府債務全体は今までに公開したことはない
連邦債務の他に地方債務があるが、そのほかにビルクリントンがやらかした「政府の民営化」によって民間債務にも付け替えられて偽装されている
ブルームバーグは100万通りのシミュレーションを行い88%の確率で持続不可能という結論を得たが、破綻しない12%は予想を超えるような高度成長を継続した場合に10年程度破綻が先送りされるものだった
悪いケース としては今後の成長率が今までより低い3%未満で、政府が増税をせず減税した場合連邦債務だけでGDP比200%を超えてしまう
すると地方債務や民間債務付け替え分を含めたらGDP比300%を超えてしまい、その場合は唯一の超大国の地位を失うかもしれない
こんなにも政府債務が増えた理由は借金で強引に成長率を上げていたからで、基本的にバブル経済時の日本と似たような事をしていました
https://www.thutmosev.com/archives/34917.html
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2024/05/16 (Thu) 06:52:35
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超富豪オリガーキーに支配されるアメリカ帝国〜トップ0.01%層が牛耳る米国政治ー貧富の差は世界最悪!!!
伊藤貫セミナー Ito Kan Seminar (公式)
https://www.youtube.com/watch?v=yvbIOYtbcV0&t=16s
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2024/06/27 (Thu) 02:18:59
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【伊藤貫】人類の支配者について~資本主義と民主主義は両立しない【チョムスキー】
https://www.youtube.com/watch?v=pADY3NeMTnI
https://www.youtube.com/watch?v=WEnv5I8Aq4I&t=0s
超富豪オリガーキーに支配されるアメリカ帝国〜 トップ0.01%層が牛耳る米国政治ー貧富の差は世界最悪!!!(伊藤貫)
https://www.youtube.com/watch?v=yvbIOYtbcV0&t=0s
伊藤貫セミナー Ito Kan Seminar (公式) - YouTube
https://www.youtube.com/@kpnews1216/videos
https://www.youtube.com/@kpnews1216/playlists
伊藤貫の真剣な雑談
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14111186
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2024/08/05 (Mon) 18:55:22
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上位1%が富の半分を所有するアメリカの仕組み
2024.08.05
https://www.thutmosev.com/archives/80434166.html
貧しい人は高金利で借金し、支払った金利は富裕層の資産になる
富裕層向けの金利は驚くほど低く、税金も払わなくて良い
120124.poor-america
画像引用:http://blog.hix05.com/blog/Photo2012a/120124.poor-america.jpg
中流以下の借金が資産家の資産になっている
ある統計によるとアメリカでは数千人の資産家が富の半分を所有しています
別の言い方では10人ほどの資産家がアメリカの全資産の1割を所有し、アメリカの数十人が全世界の半分を所有しています
世界全体でみると人類の1%が下位80%以上の富を独占し、99%の人が18%を奪い合っています
日本は違うよというのも間違いで、人口の2%が約17%の個人資産を所有しています
アメリカや欧米の報道は偏っていて、「10人の資産家が人類の半分を所有している」のような言い方をします
この時の人類の半分は貧しい人から数えて人類の半分で、貧しい人は最初から資産を持っていません
「上位26人が下位38億人分の富を保有」も同じ論法で、下から数えるのでとんでもない人数に増えます
例えば平均的な日本人の年収250万円は、世界では上位2%の高収入であり、普通の日本人はアフリカ人100人分くらいを所有している事になる
所得で計算するとアメリカでは上位1%の所得が、1980年に国民総所得11%だったが現在は20%を占めている
一方アメリカの下から50%の低所得層は、以前は国民総所得の20%だったが現在は12%に減少した
貧しい人は所得があっても支払いで消え、豊かな人は所得のほとんどが資産になるので、資産格差は所得より遥かに大きいでしょう
こうした富の独占が起きる理由は、貧しい人の借金が資産家の資産になるという、資本主義のメカニズムによるものです
私たちは銀行やカード会社などから借金をしますが、そのお金はどこから来るのでしょうか?
銀行は預金した人の預金や、投資家の投資、日銀から調達などを元手にしてお金を貸しています
知っての通り現在は銀行預金は10年金利が0.02%という超低金利で、銀行はタダでお金を調達しています
皆さんがカードで買い物した時の金利は年16%、銀行が運営するカード会社はタダで調達したお金を貸して16%も儲けています
資産家は働かずに貧困者からお金を受け取る
実際には住宅ローンなどの貸し出し金利も低金利下が進んで、多くの銀行の貸出金の平均金利は1%を下回っています
ともあれ貧しい人ほど高金利でお金を借り、豊かな人はその配当を受け取るという仕組みが存在します
貧しければ貧しいほど金融機関は高金利で貸し、支払いで得たお金を配当として富裕層に配っています
富裕層はまったく労働しなくても毎日お金が増えていき、貧しい人は汗水たらして働いて高金利を払っています
この仕組みがあるから貧しい人はどんどん貧しく、お金持ちはどんどん資産が増えていくのです。
日本の個人資産は約2,000兆円超で米国の個人資産は約120兆米ドル(1京8000兆円)というとんでも無い額ですが、庶民には無関係な数字です
アメリカの金融資産は上位1%が3割を保有していて上位10%が7割を保有、日本では上位1%が24%を保有し上位10%が57%を保有しているという数字があります
資産10兆円のwバフェットは以前、「私より使用人のほうが納税額が多い」と言っていました
それだけアメリカの富裕層は納税しておらず、富裕層に増税するべきだという趣旨でした
その後も富裕層増税は行われずバフェットだけが自主的に納税した話も聞かないので、相変わらず特権を甘受している
バフェットの2015年の総所得は1156万ドルで547万ドルの税控除を受け、184万ドル(約1.9億円)の連邦所得税を支払った
バフェットは真面目に払っているようだがおかしな点があり、年収11億円で資産10兆円になるには1000年もかかる
バフェットの資産の多くは株や土地や権利に化けていて、それらの増加にはおそらく所得税がかかっていない
アメリカの富裕層は相続税も払っておらず、資産数兆円ともなると相続税を払わなくてもいい仕組みがある
ビルゲイツは資産13兆円で、2017年頃に「資産全額を寄付する。もうお金に興味が無い」と言って世界を驚かせた
これには裏がありビルゲイツはゲイツ財団をつくり資産を寄付したが、財団は営利事業をして出資者に配当金を出す
ゲイツが100%出した財団が年1000億円の利益を上げたとすると、数百億円が配当としてゲイツに支払われる
娘や息子を財団役員にすると配当は 子供に支払われ、事実上相続税なしで13兆円を子供に渡すことが出来る
つまりアメリカの富裕層は年収の1%も税金を払っておらず、相続税は1ドルも払っていない
https://www.thutmosev.com/archives/80434166.html
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2024/10/11 (Fri) 07:03:19
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イラク戦争の背景
東北学院大学講師・世界キリスト協議会前中央委員
川端 純四郎
ご紹介いたします。
先生は1934年のお生まれです。東北大学文学部に学ばれ、博士課程を終えられてから、ドイツのマールブルグ大学に入学されました。帰国後、東北学院大学教員として35年間お勤めになりました。その後ひきつづき講師として、現在も勤務されています。一貫して平和、人権、政治改革の活動に積極的に関わっておいでになりました。
「9条の会」の講師団メンバーとしても、全国を股にかけて講演なさっており、昨年は1年間で80回以上の講演会を開いておられます。
先生は今朝8時前に仙台を発ち、はるばる鋸南町においで下さいました。今日の講師としてほんとうにふさわしく、よいお話をうかがえると思います。早速、先生からお話をうかがいたいと思います。 先生、どうぞよろしくお願いいいたします。
安藤
みなさん、こんにちは。 安房郡の水清き鋸南町に伺って、こうしてお話できることをありがたいと思っています。初めておうかがいしました。木更津まで来たことはあるのですが、今日、電車で君津を過ぎたらとたんに山が美しくなり、あそこまでは東京郊外のなんとまあみっともない風景でしたけれど、あそこから南に来ると一気にほんとうに昔のよき日本の風景がよみがえってくるようでした。ほんとうに嬉しく思いました。
いま、「さとうきび畑」の朗読と、合唱団のコーラスをお聞きしたのですが、どちらも聞いていて涙が出ました。
私は、戦争に負けた時小学校6年生でした。仙台で敗戦を迎えましたが、仙台も空襲で全滅いたしました。街の真ん中にいましたから、もちろんわが家も丸焼けでした。忘れられない思い出があります。街の真ん中の小学校でしたから、同級生が一晩で8人焼け死にました。隣の家の、6年間毎日いっしょに学校へ適っていた一番仲の良かった友達も、直撃弾で死にました。今でも時々思い出します。
今このような歌を聞くと、どうしてもその人のことを思い出します。思い出す私の方はもう70になりますが、記憶に出てくるその三浦君という友達は、小学校6年生のまま出てきます。どうして小学校6年で人生を終わらなければいけなかったのか、生きていてくれたらいろんな事があったのに、と思います。戦争なんて二度としてはいけない、というのが一貫した私の願いです。
私は牧師の家に生まれました。父はキリスト教の牧師で、教会で生まれ教会で育って、讃美歌が子守歌でした。牧師の中には戦争に反対した立派な牧師さんもおられたのですが、私の父のような多くの普通の牧師は、政治や社会に無関心で魂の救いということしか考えていませんでした。で、私もその親父に育てられましたから、大学を出、大学院に入って博士課程までいって、ずっとキルケゴールや実存哲学という、魂だけ見つめているような学問をやっていて、政治とか経済、社会とかは25歳までいっさい関心がありませんでした。
25歳の時チャンスがあって、ドイツ政府の招待留学生となってドイツヘ勉強に行くことになりました。1960年のことでした。1960年にドイツへ行ったというだけで、どんなにノンポリだったか分かります。安保改訂問題で日本中が大騒ぎの時、それを尻目に悠々とドイツ留学に行ったのです。幸か不幸かまだ世界は貧しくて、飛行機などというものは贅沢な乗り物で、まだジェット旅客機機はありませんでした。プロペラ機でヨーロッパヘ行くには途中で何遍も何遍も着地し、給油して、今のようにノンストップでシベリヤを越えて、などというのは夢のような話でした。しかもベラ棒に高いのです。船の方があの頃はずっと安かったのです。特に貨物船に乗せてもらうと飛行機よりずっと安いのです。そこで一番安いのを探して、5人だけ客を乗せるという貨物船をみつけました。
その船で神戸を出航し、インド洋からスエズ運河をぬけ、地中海を渡ってイタリアのジェノバに上陸。そこから煙を吐く蒸気機関車でアルプスを越えて、ドイツのマールブルクという町に着きました。
実は、飛行機をやめて船で行ったということが、私の人生を大きく変えることになりました。あの時もし飛行機で行ったなら、私は一生、世間知らずの大学に閉じこもって勉強だけしている人間で終わった、と思います。
ところが船で行ったおかげで、しかも貨物船に乗ったおかげで、私は途中のアジア・インド・アラブの国々をくわしく見ることができました。まっすぐ行けば船でも二週間で行くそうですが、何しろ貨物船ですから、途中港、港に寄って荷物を下ろし、また積んで、一つの港に4日から5日泊まっているのです。おかげでその間、昼間は上陸してそのあたりを見て歩き、夜は船に帰って寝ればいいのですから、東南アジアからアラブ諸国をくまなく見て歩きました。
1ヵ月かかりました。神戸からジェノバまでのこの船旅。その時見たものが、私の人生を変えたのです。何を見たかはお解りですね。アジアの飢えと貧困という厳しい現実にぶつかったのです。
降りる港、港で、ほんとうに骨と皮とに痩せせこけた、裸足でボロボロの服を着た子供達が、行く港も行く港、集まって来るのです。船の事務長さんに、「可哀想だが、何もやっては駄目だよ。1人にやると収拾がつかなくなるよ」と言われていました。だから心を鬼にして払いのけて通り過ぎるのですが、その払いのけて通り抜ける時に触った子供の肩、肉などなんにもない、ただ骨と皮だけのあの肩、あの感触が、今でも時々蘇ってきます。
船に帰って、眠れないのです。明日も、あの子供たちに会う。どうするか。私が考えたことは、「神様を信じなさい。そうすれば救われます」と言えるか、ということでした。
どんなに考えたって、言えるわけがありません。飢えて捨てられた孤児たちに、こちらは着るものを看て、食うものを食っておいて、「神様を信じなさい、そうすれば救われます」などとは、口が裂けても言えないと思いました。牧師館で生まれて、キリスト教しか知らずに育って、キリスト教の学問をして来て、それではお前キリスト教って何なのか、25年お前が信じてきたキリスト教とは、飢えた子供たちに言えないようなキリスト教なのか。とれが私の考えたことでした。
もし言えるとしたら、ただ一つしかない。そこで船を降りて、服を脱いで、子供たちに分けてやって、食っているものを分けてやって、そこで一緒に暮らす、それなら言える。言えるとしたら、それしかありません。言えるじゃないか、と自分に言い聞かせました。
それなら、船を降りるか──。くやしいけど、降りる勇気がありませんでした。折角これからドイツヘ勉強に行くという時、ここで降りて、一生インドで暮らすのか、一生アジアで暮らすのか、どうしてもその気にならないのです。
ですから理屈をこねました。
「降りたって無駄だ。お前が降りて背広一着脱いだって、何百人人もいる乞食の子に、ほんの布切れ一切れしかゆきわたらないではないか。自分の食うものを分けてやったって、何百人もの子供が1秒だって、ひもじさを満たされる訳がないじゃないか。お前が降りたって無駄だ。それは降りたという自己満足だけで、客観的にはあの子らはなんにも救われない。」
「だから降りない、勇気がないのではなく、無駄だから降りない。」と自分に言い聞かせるのです。でも、降りなければ「神様を信じなさい」とは言えません。言えるためには降りなければならない、しかし降りても無駄なのだ。
堂々巡りです。寄る港、寄る港でこの間題に直面しました。毎晩毎晩同じ問題を考え続けて、結局、答えが見つからないまま、閑々として港を後にしました。、出港の時、あの子たちを見捨て自分だけドイツへ行くことに、強い痛みを感じました。これは永く私の心の傷になって残りました。
このようにして初めて、世の中には飢えた仲間がいるという、当然分かっていなくてはいけない事実に、何ということでしょう、25にもなってやっと気づいたのです。飢えた子供たちがいる、それを知らんぷりしてドイツに行くのか、お前が降りてあの子たちと一緒に暮らすことはあまり意味ないかも知れない、しかしやっぱり船を降りないのだとしたら、せめて世の中に飢えた子供なんか生まれないような社会を作るために、自分で何かしなければいけないのではないか。ただ魂の中だけに閉じこもっていていいのか。
これが、私がヨーロッパヘ行く1ヵ月の旅で考えたことでした。
ドイツヘ行って、宗教の勉強をしました。ブルトマンというドイツの大変偉い先生の所に1年いて、いろいろ教わりましたが、結局、私の結論としては、実存哲学だけではだめだということでした。自分が自分に誠実に生きる──これが実存的、ということですが、それだけでは駄目だ。自分が生きるだけでなく、みんなが人間らしく生ることができるような世の中になるために、自分にできる何か小さなことでもしなければいけない。
こう思うようになって、日本に帰ってきたのです。
それじゃあ、世の中で、そのように飢えて死ぬような子がいなくなるような社会とは、どうすれば出来るのか。これはやっぱり、飢え、貧困、戦争、差別、そういうものが生まれる原因が分からなければ、除きようがありません。原因を勉強しなければいけない。そのためには社会科学を勉強しなければいけない。特に経済学を勉強しなければいけない──。
ドイツヘの留学は、大学院の途中で行きましたので、帰国して大学院に復学しました。幸い東北大学は総合大学ですから、中庭をへだてて向こう側が経済学部でした。帰ってきた次の日から、私は、経済学部の講義を経済原論から、授業料を払わずにもぐりで、後ろの方にそっと隠れてずっと聞きました。
それからもう45年になりますが、ずっと宗教哲学と経済学と2股かけて勉強してきています。今日も、多少経済の話を申し上げるわけですが、やっぱり自分がクリスチャンとして、今もクリスチャンであり続けていますが、同時に、自分の救いということだけ考えていたのでは申し訳ないと思うのです。現実に飢えて死ぬ子がいるのです。ユネスコの統計によると、毎日2万人の子が栄養不足で死んでいるそういう世の中、このままにしておくわけにはいかない、自分でできることは本当に小さいけど、その小さなことをやらなかったら、生きていることにならない──。そう思って45年過ごしてきたわけです。
キリスト教の中でずっと生きていますので、一般の日本の人よりは外国に出る機会が多いと思います。特に世界キリスト教協議会という全世界のキリスト教の集まりがあります。その中央委員をしていましたので、毎年1回中央委員会に出かけて、1週間か2週間会議に参加しました。世界中のキリスト教の代表者と一つのホテルに缶詰になり、朝から晩までいろいろと情報交換したり論議したりします。そのようなことを7年間やりましたので、世界のことを知るチャンスが多かったと思います。それを辞めてからも、自分の仕事や勉強の都合で、今でも毎年二週間ぐらいはドイツで暮らしています。そうしていると、日本ってほんとうに不思議な国だということが分かってきました。
日本にいるとなかなか分からないのです。島国ですし、おまけに日本語という特別な言葉を使っています。他の国との共通性がない言葉です。ヨーロッパの言葉はみんな親戚のようなものですから、ちょっと勉強するとすぐ分かります。一つの言葉の、ドイツ弁とフランス弁、ベルギー弁、オランダ弁というようなものです。日本で言えば津軽弁と薩摩弁の違い程度のものです。津軽と薩摩では、お互いに全然通じないとは思いますが、それでも同じ日本語なのです。ヨーロッパの言葉とはそういうものです。ですからお互いに何と無く外国語が理解できるというのは、別に不思議なことではないのですね。ですから、自分の国のことしか知らないという人は、非常に少ないのです。
新聞も、駅に行けばどんな町でも、ヨーロッパ中の新聞が置いてあります。ドイツのどんな田舎町へ行っても、駅にいけばフランスの新聞もイタリアの新聞も売っていますし、それを読める人がたくさんいるのです。そういう社会ですから、日本人とはずいぶん違います。自分の国を客観的に見られる。他の国と比べて見ることができるのです。
日本にいると比べられません。そのうえ、日本はマスコミが異常です。ワンパターンのニュースしか流しません。ヨーロッパではいろんなテレビがあって、テレビごとに自由な報道をやっています。バラエティー番組のようなものがなくて、ニューハ番組が充実しています。きちんとした議論をテレビでやっています。ですから日本にいるよりは、比較的自分の国の様子を客観的に見られることになります。ドイツに行く度に、日本とは不思議な国だなあと思うのです。
例えば、もうだいぶ前、バブルの頃です。日本のある有名なモード会社がミラノに支店を出しました。そしてマーケティング調査をしました。どんな柄が流行っているか、アンケートを集めそれを整理するために、イタリア人女性3人雇ったそうです。アンケートの整理をしていたら5時になりました。あと少ししか残っていなかったので、日本ならの常識ですから、「あと少しだからやってしまおう」と日本人支店長は声をかけました。ところがイタリア人女性3人は、すっと立って「5時ですから帰ります」と言って出て行こうとしました。思わず日本人支店長は怒鳴ったのだそうです。「たったこれだけだからやってしまえ」と。途端にこの日本人支店長は訴えられました。そして「労働者の意志に反する労働を強制した」ということで、即決裁判で数万円の罰金をとられました。
これがヨーロッパの常識です。つまり9時から5時までしか契約していないからです。5時以後は命令する権利はないのです。9時から5時までの時間を労働者は売ったんであって、5時以降は売っていないのですから、自分のものなんです。会社が使う権利はありません。当たり前の話です。
その当たり前の話が日本では当たり前ではないのです。残業、課長に言われたので黙ってやる。しかもこの頃は「タダ残業」ですからネ。本当にひどい話です。常識がまるで違うのです。あるいは有給休暇。ドイツのサラリーマンは年間3週間とらねば「ならない」のです。3週間休まなければ罰せられます。日本は有給休暇など殆どとれません。ドイツでは取らないと罰せられます。ですからどんな労働者でも3週間、夏はちゃんと休んで、家族ぐるみイタリアへ行ってゆっくり過ごしてきます。有給になっているからです。或いは日本では1週間40時間労働です。ドイツはもう随分前から36時間です。土日出勤などありえない話で、日本のように表向き40時間労働でも、毎日毎日残業で、その上休日出勤、日曜日には接待ゴルフなど馬鹿なことをやっています。接待ゴルフなど、ドイツには絶対ありません。日曜日は各自が自由に使う時間で、会社が使う権利はないのです。
そういうところもまるで常識が違います。或いは、50人以上だったと思うのですが、50人以上従業員がいる会社、工場は必ず、労働組合代表が経営会議に参加しなければいけないことになっています。そんなことも、日本では考えられないことです。ですから配置転換とかもとても難しいし、労働者の代表が入っているから、簡単に首は切れません。
そういういろんな面で、日本の外に出てみるとびっくりするようなことが山ほどあります。日本という国は、高度に発達した資本主義国の中で例外的な国なのです。資本主義が発達した点では、アメリカにもフランスにもドイツにも負けないのですが、資本主義が発達したにしては、労働者が守られていない。或いは市民の権利が守られていない。会社の権利ばかりドンドンドンドン大きくなっているのです。それが日本にいると当たり前のように思われています。外国で暮らしていると、日本は不思議な国だと分かります。特にこの数年それがひどくなってきているのではないでしょうか。
私たちの暮らしは、戦後50何年かけて、少しずつよくなってきました。例えば年金なんかも少しずつ整備されてきた。健康保険制度も整備されてきた。介護保険も生まれてきた。或いは、労働者も土曜日チャンと休めるようになってきた。ところがこの数年、それが逆に悪くなつてきています。年金は削られる一方、介護保険料は値上がりする、労働者は首切り自由でいくらでも解雇できる。労働者を減らすと政府から奨励金が出る。タダ残業はもう当たり前・・・。
特にこの数年、構造改革という名前で、日本の仕組みが変わってきています。いま申し上げたように、戦後50年かけてみんなで、少しずつ少しずつ作ってきた、いわば生活の安心と安全を守る仕組み、そういうものが今はっきり壊されかかっているのではないでしょうか。
小泉首相という人は「自民党をぶっ壊す」といって当選したのですが、この4年間を見ていると、あの人は自民党を壊したのではなく「日本を壊した」のではないかと思われます。これまで日本が戦後50年かけて作ってきた社会の仕組みが、バラバラにされているのです。フリーターとかニートがもう30%でしょう。そうなると当然、この人たちは生きる希望がありません。お先真っ暗。いまさえよければ、ということになる。ですから若者が当然刹那的になる。人生の計画なんて立たない。今さえよければということになっていきます。
昔なら10年に1回あるかないかのような犯罪が、いま毎日のように起きています。私は仙台にいますが、この正月には赤ん坊の誘拐事件で一躍有名になってしまいました。あんなことが日常茶飯事として起こっています。栃木県で女の子が山の中で殺された事件は、まだ解決されていませんが、こんな事件が今は「当たり前」なのです。世の中がすさんできて、何が善で何が悪なのか、みんなに共通な物差しというものがなくなったというふうに思われます。
そのような世の中の変化、私は多分、「構造改革」というものがその犯人なのだ、と思っています。
《逆戻りの原因はアメリカの変化》
その構造改革というのは、どこから来たのか。もちろんアメリカから来たのです。アメリカが変化した、日本はそのアメリカに右ならえをした、それが構造改革です。
それでは何が変わったのか、これが一番の問題です。この変化の行き着くところが、憲法改悪です。
社会の仕組み全体がいま変わろうとしているのです。憲法も含めて。いったい何がどう変わるのか。いったいどういう構造をどういう構造に変えるということが構造改革なのか。そこのところがアメリカを見ればよく分かってきます。アメリカがお手本なのですから。
アメリカはソ連崩壊後変わりました。ソ連とか東ドイツは自由のないいやな国でした。昔1960年に西ドイツヘ留学した折、東ドイツへ何回か行く機会がありました。ふつうはなかなか行けないのですが、幸いキリスト教国なので、ドイツのキリスト教はしっかりしていまして、東ドイツと西ドイツに分裂しても、教会は分裂しなかったのです。東西教会一つのまんまです。ですから、教会の年1回の大会には、西で開く時は東の代表がちゃんと来たし、東で開く時は西の代表が行けたのです。ですから一般の人の東西の往来が難しかった時でも、キリスト教の人だけはかなり自由に行き来ができました。
私も連れていってもらって、何回か東ドイツへ行って見ました。ご存じのように自由のないいやな国でした。ですからソ連や東ドイツが崩壊したのは当然だし、いいことだと思います。しかしソ連や東ドイツが100%悪かったかというとそんなことはありません。良い部分もありました。何から何まで全部ひっくるめて悪だったというのも間違いです。基本的に自由がない。ですから、ああいう国は長くは続かない。これは当然そうだと思います。滅びたのは当然だと私は思います。
しかし同時に、良い面はなくしては困るのです。良い面は受け継がなければいけません。最も目につくのは女性の地位でした。これは立派なものでした。いまの日本なんかより遥かに進んでいました。男女の平等が徹底的に保障されていました。専業主婦などほとんど見たことがありません。だれでも自由に外に出て、能力に応じて働いていました。それができるような保障が社会にあるのです。文字通りポストの数ほど保育所があって、子供を預け安心して働きに出られるようになっていました。同一労働同一貸金の原則はきちんと守られていて、女性だから賃金が低い、女性だからお茶汲みだけなどというようなことは一切ありませんでした。これは凄いなと思いました。あれは、日本はまだまだ見習わなければいけないことです。
もう一つ私がびっくりしたのは、社会保障です。私が初めて東の世界を見たのは、何しろ1960年の頃のことです。日本はまだ社会保障がない時代でした。いま若い方は、社会保障はあるのが当たり前と思っておられる方も多いと思いますが、そんなことはないのです。日本は1972年が「福祉元年」といわれた年です。それまでは、福祉はなかったのです。大企業とか公務員だけは恩給がありましたが、商店の経営者とか家庭の主婦なんか何もありませんでした。健康保険も年金も何もありませんでした。72年からようやく国民皆年金、国民皆保険という仕組みが育ってきたのです。
もともと資本主義という仕組みには、社会保障という考えは無いのです。自由競争が原則ですから、自己責任が原則です。老後が心配なら、自分で貯めておきなさい。能力がなくて貯められなかったら自業自得でしょうがない。こういうのが資本主義の考え方です。労働者が、そんなことはない、我々だって人間だ、人間らしく生きていく権利がある。だから我々の老後をちゃんと保障しろと闘って、社会保障というものが生まれてくるのです。自然に生まれたのではありません。
労働者が団結して闘って、止むを得ず譲歩して社会保障が生まれてくるのです。資本主義の世界で最初の社会保障を行ったのはビスマルクという人です。ドイツの傑物の大首相といわれた人です。ドイツの土台を作った人ですが、この首相の頃、何しろマルクス、エンゲルスの生まれた故郷ですから、強大な共産党があり、国会で100議席くらいもっていました。そこで、ビスマルクが大弾圧をやるのです。社会主義取り締まり法という法律を作って共産党の大弾圧をし、片方では飴として労働者保険法という法律で、労働者に年金を作ります。世界で初めてです。辞めた後年金がもらえる仕組み、病気になったら安く治してもらえる仕組みを作った。こうやって鞭と飴で労働運動を抑えこんでいったのです。
社会保障というのは、そうやって労働者の力に押されてやむを得ず、譲歩として生まれてくるのです。放っておいて自然に生まれてくるものではありません。
そこへ拍車をかけたのが、ソ連や東ドイツです。ソ連や東ドイツヘいってみて、1960年の時点なのですから、日本にまだ社会保障などなかった時、そう豊かではなかったのですけれども、老後みながきちんと年金をだれでも貰える、そして、病気になればだれでも、医者に行って診察を受けて治療を受けられる。これにはほんとうに驚きました。これが社会主義というものかと、その時は思いました。ただ自由がないのです。例えば、牧師さんの家に泊めてもらうと、こちらがキリスト教徒ということが分かっていますから、牧師さんも信用して内緒話をしてくれるわけです。
外国から来る手紙はみな開封されていると言っていました。政府が検閲して開封されてくる。だから、「日本へ帰って手紙をくれる時は、気をつけて書いてください。政府の悪口など書かれると私の立場が悪くなるから。手紙書くときは開封されることを頭に入れて書いてくれ。」というふうに言われました。こんな国には住みたくないなと思いましたけれど、同時に社会保障という点では驚きました。こういうことが可能な社会の仕組みというのがあるんだなあ、とこう思ったのです。
その後、スターリン主義というものによって目茶苦茶にされていくのですが、私の行った頃はまだ、東側の社会保障がある程度きちっと生きていた時代です。こうして、ソ連や東ドイツが社会保障というものを始めると、資本主義の国もやらざるをえなくなってきます。そうでないと労働者が、あっちの方がいいと逃げ出してしまいます。ですから西ドイツが一番困りました。地続きですから、何しろ。ですから、東に負けないだけの社会保障をしなければならなかったのです。そうすると、自由があって社会保障があるのですから、こっちの方がいいということになります。いくら向こうは社会保障があっても自由がないのです。こうして西ドイツは大変な犠牲を払って、社会保障先進国になってきました。そのことによって、東ドイツに勝ったのです。
実際西ドイツの労働者は、別に強制されたわけではありません。自主的に西ドイツを選んだのです。ですからあのような東西ドイツの統一も生まれてきたのです。
つまり資本主義の国は、ひとつは自分の国の労働者の闘いに押されて。そこへもってきて、ソ連、東ドイツの社会保障という仕組みの外圧で、それに負けるわけにいかないものですから、そういう力があって、社会保障というものを造り出していくのです。しかし社会保障というものは莫大な財源がかかります。
《社会保障をやめて小さな政府へ──構造改革の中身(1)》
いま日本政府は社会保障をどんどん削っていますけど、それでも国家予算の中で一番多い費目は社会保障です。大変な財源が必要なのです。そこで資本主義の国は、新しい財源を見つける必要ができてきます。
そこで見つけたのが2つ。1つは累進課税です。それまでの資本主義にはなかった、累進課税という新しい仕組みです。つまり収入の多い人ほど税率が高くなるという仕組みです。日本でも1番高い時は1980年代、1番大金持ちはの税率75%でした。ですから、年収10億あれば7億絵5千万円税金にとられたのです。今から考えれば良く取ったものです。今は35%です。大金持ちは今ほんとうに楽なのです。35%ですむのですから。年収10億の人は3億5千万払えばいいのです。昔なら7億5千万取られたのです、税金で。「あんまり取りすぎではないか、これは俺の甲斐性で俺が稼いだ金。それを取り上げて怠け者のために配るのか。」と彼らはいいました。
そうすると政府は、「いやそういわないでくれ。そうしないと、資本主義という仕組みがもたない。だから体制維持費だと思って出してくれ。そうでないと社会主義に負けてしまう」と言って、大金持ちからたくさん取ったのです。大企業も儲かっている会社からたくさん税金取った。法人税もずっと高かったのです、以前は。こうやって大金持ち、大企業からたくさん取る累進課税で一つ財源を作ったのです。
もうひとつは、企業負担です。サラリーマンの方はすぐお分かりですが、給料から社会保障で差し引かれますね。そうすると、差し引かれた分と同額だけ会社が上乗せするわけです。自分が積み立てたものが戻ってくるだけなら、貯金したのと同じです。労働者の負担する社会保障費と同額だけ会社も負担しているのです。倍になって戻ってくるから、社会保障が成り立つわけです。
これも資本主義の原則からいえば、おかしいことです。いまいる労働者の面倒を見るのは当たり前です。会社は労働者がいるから成り立っているのですから。だけど、辞めてからは関係ないはずです。契約関係がないのですから。辞めた人が飢え死にしようがのたれ死にしょうが、会社の責任ではないはずです。
だけども一歩ふみこんで、それでは資本主義の仕組みがもたないから、労働者が辞めた後まで面倒みてくれ、そこまで企業負担してくれ、そうしないと資本主義がもたないから、ということになります。
こうやって、社会保障というものが資本主義の国で成り立っているのです。これは、ただの資本主義ではありません。資本主義の原則に反するような累進課税とか、企業負担というものを持ち込んで、社会主義のよいところを取り入れた資本主義です。これを「修正資本主義」と呼びました。
資本主義の欠点を修正して、社会主義に負けないようないい仕組みに造り直した資本主義ということです。学者によっては、資本主義の経済の仕組みと社会主義経済を混ぜ合わせた「混合経済」と呼ぶ人もいます。所得再配分機能を政府が果たすということです。もちろん修正資本主義というものは、このような良い面だけではなくて、公共事業という名前で国民の税金を大企業の利益のために大々的に流用するというようなマイナスの面もあることも忘れてはなりません。
しかし、ともかくこうやって、西側の世界は、自由があって社会保障がある、そういう社会に変わっていくのです。そのことで東に勝ったのです。ところが、そのソ連と東ドイツが居なくなったのです。
その前にもうひとつ。先進資本主義国というのは或る一種の傾向として、労働者が闘わなくなってきます。これは先進資本主義国の宿命のようなものです。つまり資本主義国というのはご存じのように、地球上の大部分を占めている低開発諸国、貧しい第3世界といわれた世界から、安い原料を買ってきてそれを製品にして高く売っています。そして差額、莫大な差額を儲けている。超過利潤と呼ばれています。だから遅れた国は働けば働くはど貧しくなるのです。一生懸命働いてコーヒー豆作っても、それを安く買われてチョコレートやインスタントコーヒーなどの製品を高く買わされるのですから、結局差額だけ損をすることになります。
この20年、先進国と遅れた国の格差は開く一方、全然縮まらない。地球上の富を先進国が全部集めちゃって、とびきりぜいたくな生活をやっています。ですから先進国の労働者にも、当然そのおこぼれの分け前に預かるので、低開発国の労働者にくらべれば、ずっと豊かになります。豊かにれば闘わなくなってしまいます。その上、それを推し進めるようなありとあらゆる謀策が講じられているのです。
資本主義というのは、物を売り続けなければなりたたちません。売ったものをいつまでも使われていたのでは、資本主義は成り立たないのです。早く買い換えてもらわなければなりません。いま、日本の車はよく出来ているので、30年は楽に乗れるのに、30年乗られたら日本の自動車会社はみな潰れます。3年か5年で買換えてもらわなれりばいけません。買い替えてもらうには、自分の車は古いと思ってもらう必要があります。ですからコマーシャルで、朝から晩まで何回も、「あんたは古い、あんたは古い。こんないい車ができてます。こんな新しい車が出ましたよ。もっといいのが出ましたよ」と宣伝して洗脳しいるのです。だから3年も乗ると、どうしても買換えざるをえない心境に引き込まれてしまいます。全てのものがそうです。まだまだ使えるのに新しいものに換えてしまう。そういう仕組みができているのです。
そうしないと、資本主義はもちません。ですから労働者はどうなるかというと、「次、この車に買換えよう、次、パソコンこっちに買換えよう、次、今度はデジタルテレビに買換えよう、じゃあセカンドハウス、つぎは海外旅行・・・」。無限に欲望を刺激され、自分の欲望を満たす方に夢中になって、社会正義とか人権とか考えている暇がなくなっていくのです。
いま日本の大部分がそうですね。「もっといい生活を」ということだけ考えています。ほかの人の人権だの社会正義なんて見向きもしない。見事に資本の誘惑にひっかかってしまいます。
もちろん、欲しいからって、お金がなければ買えません。家がほしい、車がほしい、パソコンほしい・・・。それが、実はお金がなくても買える、なんとも不思議な世の中です。ローンというものがあるのですね。
フォードという人が見つけたのです。それまでは、「つけ」で何か買うなどということは、労働者にはありませんでした。労働者が「つけ」で買ったのはお酒だけです。酒飲みはお金がなくても飲みたいのです。だから酒屋だけは「つけ」がありました。大晦日に払うか払わないかで夜逃げするかどうかもあったでしょうが、今は家を「つけ」で買う、車を「つけ」で買う、なんとも奇妙な世界になってきました。これをフォードが始めたのです。それまでは、自動車というのは大金持ちのものでした。フォードが、あのベルトコンベアーというのも発明して、大量生産を始めたのです。そうなれば、大量に売らなれりばなりません。大量に売るためには労働者に買ってもらわなくてはなりません。でも労働者にはお金がないのです。そこで、ローンという、とんでもないものを考え出したのです。ローンなら金がなくても買えるんですから、みんな買う。当然な話です。
そりゃあ豊かなのに越したことはありません。マイホームが欲しくなる。ですからみんなローンで買う。そして「マイホーム」という感じになるのです。でも本当はマイホームではありません。あれは銀行のものです。払い終わるまでは、所有権は銀行のものです。銀行から借りてローン組んだだけなんです。こうして次々と新しいものを買わされていく。そのローンは多くの場合退職金を担保に組みます。一度退職金を担保にローンを組んでしまったら、ストライキはできなくなります。会社と闘って退職金がすっとんだら終わりなのです。家も途中でおしまいになってしまいます。ですから、ローンでマイホームが変えるようになってから労働運動は一気に駄目になりました。みんな闘わない、会社と喧嘩したくない、というふうになります。これはもちろん、向こうは計算済みのことです。
ですから、高度に発達した資本主義社会というのは、労働者が、ある程度ですが、豊かになり、そして、このような消費社会に組み込まれてしまって、身動きができなくなるのです。
こうして、いま日本では労働組合も、労働運動もストライキもほとんど力を失いました。そうなれば、政府は社会保障なんて、何も譲歩する必要がはありません。労働者が必死になって運動するから、止むを得ず健康保険とか年金制度とかやってきたのであって、労働者が闘わなければ、その必要はないのです。いま、どんどん社会保障が悪くなってきています。次から次から悪くなる。20年前だったら、いまのように社会保障が悪くなったらたちまち、大ストライキが起こりました。しかし今は何も起きません。労働組合が弱体化している、労働運動が骨抜きという状態です。
そこへもってきて、ソ連や東ドイツがいなくなったのです。こうなればもう社会保障をやる必要はありません。社会保障は止めます、修正資本主義は止めます、ということになるわけです。修正資本主義にはいろいろな意味があるのですけど、一つの特徴は、大金持ちや大企業からお金を取って、弱い立場の人たちに配るところにあります。所得再分配と言われる働きです。だから政府は大きな政府になります。こういう仕組みが修正資本主義で、いろんなマイナス面もあるのですが、プラスの面も大いにあります。
この仕組みをやめる、というのが今のアメリカです。もう政府は面倒みません、自分でやりなさい、と自由競争に戻る。自由競争一筋。これが、ソ連が崩壊した後に新しくなったアメリカの仕組みなのです。そして、それに日本が「右へならえ」ということなのです。
それに対してヨーロッパは、アメリカのいうことを聞かず、「われわれはこれからも、社会保障のある資本主義でいきます。むき出しの裸の自由競争には戻りません」。これがヨーロッパなのです。なぜヨーロッパがそういえるかというと、労働運動が強いからです。先進資本主義国なのになぜ労働運動が弱くならないのか。これはこれで時間をかけて考えなければならない問題なのですが──。
現実の問題として強い。ヨーロッパだって大企業は社会保障を止めたいにきまっています。しかし止めると大騒ぎになります。労働者が絶対に言うことを聞きません。だからやむを得ず守っているのです。企業負担もうんと高いです。日本の会社の倍以上払っています。ですからトヨタ自動車もフランスに、フランス・トヨタを作っていますけど、日本トヨタの倍以上払っています。それでも儲かっているのです。
ですから、ヨーロッパでも、社会保障は少しずつ悪くなってきてはいますが、日本に比べれば遥かに違います。このようにして、ヨーロッパはアメリカと別の道を進み始めました。アメリカは剥き出しの資本主義に戻りますが、ヨーロッパは修正資本主義のままでいこうとしています。
しかし、それでは競争で負けます。アメリカや日本は企業の社会保障負担がうんと減っていますから、利潤が増えています。ヨーロッパは高い社会保障負担でやっていますから、儲けが少ないのです。そこで競争しなくてすむようにEUいうものを作って、枠を閉ざしちゃいました。アメリカや日本の会社がヨーロッパに来るときは、ヨーロッパ並みの負担をしなければ、EUには入れません。だからEUの中でやっている時には、日本にもアメリカにも負ける心配はないのです。
そういう仕組みを作って、アメリカとは別の道を進み始めました。そのためにユーロという別のお金も作りました。イラク戦争で表面に出てきたのですが、イラク戦争がなくても、ヨーロッパはアメリカとは別の道を進み出していました。もう2度とアメリカとは一緒にならないでしょう。
《規制緩和とグローバリゼーション - 構造改革の中身(2)》
もう一つ、ソ連、東ドイツ崩壊の結果、アメリカが大きく変化したことがあります。それは何かというと、大企業・大資本を野放しにしたことです。
ソ連がいる間は、大企業や大資本に、「あなた達は資本主義なんだから儲けたい放題儲けたいだろうけど、それをがまんしてください。あなたたちがやりたい放題にやったら、他の資本主義国はみんな負けてつぶれてしまう。アメリカの資本と競争できるような資本などどこにもありませんから。そうなれば、ソ連の方がましだということになる。だから、やりたい放題は抑えてほしい」と言ってその活動を制限してきました。
具体的に何を抑えたかというと、為替取引を規制したのです。これが一番大きな規制です。いまではもう、中央郵便局へ行って「ドル下さい」といえば、すぐドルをくれます。「100ドル下さい」といえば「ハイこれ1万2千円」。ユーロでも、「下さい」といえば「100ユーロ・ハイ1万4千円」とすぐくれます。でもこれはごく最近のことです。それまでは、外貨・外国のお金は、日本では勝手に手に入りませんでした。お金を外国のお金と取り替える、つまり為替取引は厳重に規制されていて、個人が勝手にはできなませんでした。外国旅行に行くとか、何か特別な理由が認められた時しか、外国のお金は手に入りません。
いまは何も制限ありません。自由にだれでもいつでもできます。理由など聞きませんから、100ユーロとか千ドルくださいと言えば、そのままくれます。これが為替取引の自由化というものです。これがなかったのです。ソ連が崩壊するまでは、アメリカも厳重に規制していました。それをとっぱらったのです。理屈っぽく言えば、資本の国際移動が自由にできるようになったということです。こうして、アメリカの巨大な金融資本が、世界中を我が物顔にのし歩く時代が来るのです。
もうソ連も東ドイツもなくなったのですから、「いや永いことお待たせしました。今日からもう儲けたい放題儲けていいですよ。やりたい放題やっていいですよ」ということになったのです。これが規制緩和とことです。規制緩和ということは要するに、大資本が野放しになったということです。そうなったらどうなるか、世界第2の経済大国といわれる日本でさえ、全然太刀打ちできません。アメリカの巨大資本、金融資本・銀行ですね。日本の銀行とは勝負になりません。ボブサップと私が裸で殴り合ぅようなもので、一コロで殺されてしまいます。
それでもやれというなら、ボブサプは手と足を縛ってもらって、目隠ししてもらって、こちらは金槌でも持たしてもらって、それでやっと勝負になるのです。今まではそうだったのです。それを全部外して自由にする、無条件で自由競争にするというのです。負けないためには、相手に負けない位大きくなるしかないですから、合併、合併、合併。あっという間に30ほどあった都市銀行が3つになってしまったのです。UFJとか「みずほ」とか、元何銀行だったか覚えておられる方おられますか。すぐ言えたら賞金をさし上げてもよろしいのですが、まず、言える方おられないでしょう。合併、合併であっという間に3つになりました。3つにになってやっとなんとか対抗できるというくらいにアメリカの巨大銀行というのは大きいものなのです。それでもダメで、長銀はのっとられてしまいました。北海道拓殖銀行も山一証券ものっとられてしまいました。次々とのっとられています。
ついこの間は青森県の古牧という温泉がのっとられまし。広くていい温泉なんですけど、驚いたことにゴールドマンサックスでした。世界最大のアメリカの金融投資会社、ハゲタカファンドの代表のようなものです。これがどうして古牧温泉なのかと思ったのですが、テレビで放送していました。古牧だけではありません。他に28ケ所、超有名温泉みんな買い占めちゃったのです、ゴールドマンサックスが。
どうするかというと、従業員みんな首切っちゃってパートにして、腕利きのマネージャーを送り込み、部屋をヨーロッパ、アメリカ向きに整備しなおして、欧米からの観光客をワーツと呼ぼうという作戦なんですね。儲かるようにして高く売るのです。ゴールドマンサックスが経営するのではありません。いま赤字の会社を買い取って、儲かるように造り直してすぐに売っちゃうのです。これが投資銀行のやっていることです。確かに、いわれてみればそのとおりで、日本の温泉ほどいいものはありません。知らないだけで、こんないいものは世界中どこにもありません。だから日本の温泉の良さが分かったら、おそらくヨーロッパ、アメリカからごっそり観光客が来ると思います。そこにゴールドマンサックスが目をつけたのですね。そして近代経営やって外国人が来て楽しめるような設備に変えて、世界中にジャパニーズスパーなんていって売り出す気なのですね。ですから、そのうち皆さんも温泉にいらっしやるとみんな英語で案内され、アメリカのお湯の中に入ることになってしまいます。
アッという間に日本はアメリカ資本に乗っ取られようとしています。去年のホリエモン合併もそうです。今年から商法改正(改悪)して、乗っ取りを認めるということになったのです。株の等価交換、面倒な仕組みですから詳しいことは申し上げませんが、アメリカ株1億ドル分と日本の株1億ドル分を、等価父換していい、こういっているんです。ところが、アメリカの株の値段が高いのです。ですから1億ドルといっても、株の数からすると、例えば千株位しかない。日本は株が安いですから、同じ1億ドルで1万株位あるのですね。そうすると、千株と1万株で取り替えますから、あっという間にアメリカは大株主になってしまう。この等価父換を認めると、日本の大企業全部乗っ取られてしまう。
そこで、日本の優良企業が狙われています。超優良企業を株式等価交換で、簡単にアメリカが乗っ取ることができる。今年からそれが可能になるはずだったです。それで去年、実験をやったのですね。ホリエモンにやらせてみたのです。ホリエモンはアメリカのリーマン・ブラザースから借りてやったのです。で、出来そうだなと分かったので、アメリカはお金を引き上げてしまいました。ホリエモンに乗っ取られては困る、いずれ自分が乗っ取るのですからネ。最後の段階で資金引き上げましたたから、ホリエモン降りる外なかった、多分そういう仕組みだったのではないかと思います。
今年から自由に、日本中の会社をアメリカが乗っ取れるはずだったのですが、あのホリエモン騒動のおかげで日本の大企業が震え上がり、政府に泣きついて、「なんとか商法改正を見送ってくれ」と。それで見送りになりました。ですから、ちょっと一息ついているのです。今年すぐ、乗っ取られるというわけではありません。でも、いつまでも見送りというわけにはいかないでしょう。2・3年後には解禁。そうなれば、日本はほぼアメリカ資本に支配される、ということになるでしょう。
日本ですらそうなのですから、まして、フィリピンとかタイとかいう国はたまったものではありません。あっという間に乗っ取られてしまいます。アメリカに勝手に経済的属国にされてしまう。それに対して、いやそんなの困るから、アメリカ資本が自分の国の株を買うことを法律で禁止する、というようなことをやろうとすると、アメリカはそれを認めないのです。グローバリゼーションだから地球はは「一つ」だというのです。いくら規制緩和しても相手国が法律で規制してしまったら終わりです。ですから、自分の国だけ勝手に現制することは認めません、地球はひとつですよ、グローバリゼーションですよ、ときます。フメリカの大資本が地球上のどこの国でもアメリカ国内と同じ条件で商売できるようにする、これがグローバリゼーションです。いやだと断ると制裁を加えられます。
クリントン大統領の時は経済的制裁だけですんだのですが、ブッシュになってから、軍事的制裁になりました。いうことを聞かないと軍事制裁だぞという、これがネオコンという人たちの主張です。イラクを見ればみな震え上がるでしょう。ですから、アメリカの言いなりにグローバリゼーションで国内マーケットを開放して、アメリカ資本に全部乗っ取られてしまう、というのがいま着々と進行しているのです。
《アメリカの孤立》
そこでどうなったかというと、ヨーロッパと同じように、「そんなの困る。自分の国の経済の独立は自分たちで守りたい」という人たちが手を繋いで、「アメリカに支配され引きずり回されないように、防波堤を作ろう」という動きが始まりました。だいたい5・6年前からです。アセアン(ASEAN東南アジア諸国連合)の動きが始まりました。5つの国です。インドネシア、タイ、マレーシア、シンガポール、フィリピン。元来はアメリカが造らせた組織だったのですが、いつのまにか自主独立を目指す組織に成長しました。
手を繋ぎ、アメリカに引きずり回されないように、アメリカの資本が勝手に入ってこないように、自分たちの経済は自分たちでやりましょう、と。ところが、ASEANが束になったってアメリカにはとてもかないません。そこで、知恵者がいました。アセアンだけではかなわないので、中国と手を繋いだのです。「アセアン、プラス中国で、アジアマーケットを作り、アメリカにかき回されないようにしよう」しようというのです。確かに、中国が入ったらアメリカはうかつに手が出せません。しかし中国だけ入れると、反米色があまりにも露骨ですから、「アセアン、プラス・スリーでいきましょう。アセアン+日本+韓国+中国、でいきましょう」ということになります。日本はアメリカの51番目の州だといわれているのですから、日本が入れば、アメリカも安心します。
EUのように、アセアン+スリーで、自分たちの経済は自分たちでやれるように、アメリカに引きずり回されないような自立したアジアマーケットを形成することが目標です
ただひとつ、日本が具合が悪いのです。日本はそのスリーに入っているのですが、(アセアンの会議に)行く度に「アメリカも入れろ、アメリカも入れろ」というのです。アセアン諸国はアメリカから自立するために作っているのですから、「アメリカを入れろ」といわれたんじゃあ困るので、結局日本は棚上げになってしまいます。実際にはアセアン+中国で、経済交流が進んでいます。いずれ2010年には、東アジア共同体・EACというものを立ち上げる、という動きになっています。
そうなってくると韓国が困りました。日本・アメリカ側につくのか、中国・アセアン側につくのかで、2・3年前から中国側に大きく傾いています。留学生の数を見ると分かります。中国の北京大学には世界中の留学生が集まります。21世紀は中国と商売しなければメシが食えなくなることが分かっていますから、将釆、中国語がしゃべれる人が自国のリーダーになり、中国の指導者に友達がいないと困ります。それには北京大学に留学するのが一番いいのです。あそこはエリート養成学校です。この前行った時聞いてみたのですが、入学試験競争率5千倍だそうです。超難関です。大学の構内を歩いて見たのですが、広い敷地に6階建てのアパートが36棟ぐらい建っていて、みな学生寮です。全寮制。そばに教職員住宅があって、朝から晩まで共に暮らしながら勉強しています。授業は朝7時からです。ものすごく勤勉に勉強しています。
35年間私は大学の教員でしたが、愛すべき怠け者の学生諸君を教えてきたわが身としては、「あ、これはかなわないなァ、20年もしたら──」と思いました。向こうは国の総力を上げて次の時代の指導者を養成しているのです。日本はもう全然、ニートとかフリーターとかいって、若者の気迫がまるでレベルが違います。これは置いていかれるな、という気持ちになりました。このように世界中の国が、いま一流の学生を北京大学に送り込んでいるのですが、去年、北京大学留学生の中で一番数が多いのが韓国なのです。
おととしまで韓国の学生は殆どアメリカヘ行っていました。去年あたりから中国へ変わったようです。つまり韓国は、21世紀の自国は、アメリカ・日本ではなく、中国・アセアンと組むことで繁栄を図りたい、と向きを変えたということです。
それに拍車をかけたのが小泉首相の靖国参拝。これで韓国は怒っちゃってあちらを向いた。そうなると、アセアン、中国、韓国と繋がって、日本だけはずされてしまった、という状況がいま生まれつつあります。
さらに中国は、数年前からいま、「ふりん政策」を国の方針としています。フリンといっても男女の不倫ではありません。富、隣。隣の国を富ます、隣の国を豊かにする──富隣政策です。隣の国と仲良くする。中国だけ儲けたのでは相手に恨まれてしまいます。英語では「ウィン、ウィン」(win-win)というようです。どっちも勝つ、中国も儲けるけど相手も儲けるような関係を必ず作っておく、ということが基本政策です。
つまりアメリカは、やっとソ連を倒したと思ったら、今度は中国が出てきたのですから、中国を目の敵にしているのは当然です。中国にすれば、アメリカにやられないためには、単独では対抗できませんから、周りの国と手をつなぐ、ということです。
アメリカは修正資本主義を止めて自由競争の資本主義に戻りました。その結果大企業・大資本は野放しになりました。そのためにアジアにそっぽを向かれることになりました。アメリカにはついていけない。アメリカに勝手にされては困る。もちろんアメリカと喧嘩をしては駄目ですが、自分の国は自分の国でやれるようにしなければならない──、というふうに変わったのです。
そして最後に、3年前から南米が変わりました。ようやく日本でも報道されるようになりましたからご存じと思います。ただ日本のマスコミはちょっとしか書きませんから、気づいておられない方もおありかと思います。南米がものすごい勢いでアメリカ離れを始めたのです。
今まで200年、南米はアメリカの裏庭といわれていました。アメリカはやりたい放題やっていました。チリは世界一の銅の産出国ですが、このチリの銅はすべて、アナコンダというアメリカの銅会社が一手で採掘していました。だからいくら掘ってもチリは豊かにならない。アメリカのアナコンダだけが儲かるのです。
ブラジルは世界一の鉄の産地です。これもみな掘っているのは欧米の会社で、いくら掘ってもブラジルは豊かにならない。ベネズエラは世界第五位の産油国です。これもみなアメリカの石油資本が持っていく。
こういう国はこれまで軍事独裁政権でした。政治家は、自分の国の資源をアメリカに売り渡し、自国の国民の反発は力で抑えつけ、 莫大なリベートを貰って自分たちだけベラボウな贅沢をしてきました。これがアメリカと南米のパターンだったのです。
それが、3年ほど前から、「おかしいではないか。やっぱりベネズエラの石油はベネズエラ人のものだ。石油を掘ったら、ベネズエラが豊かにならないとおかしいではないか。いくら掘ってもアメリカだけ儲けるのはおかしい。石油をアメリカの石油会社から取り上げて、ベネズエラで掘ることにしよう。国有化しよう」というような政策を訴える大統領が、当選するようになりまし。この3年間で、南アメリカは80%が、このような自主独立派の大統領になりました。アメリカ資本に任せず、自国の経済は自分でやろうという政策を掲げた大統領が、次々と当選したのです。
いまでは、南アメリカでアリカの言いなりというのは、多分コロンビアしかないと思います。あとは殆どみな、自分の国は自分でやりましょというふうに変わってきま
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2024/10/11 (Fri) 07:05:18
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いまでは、南アメリカでアリカの言いなりというのは、多分コロンビアしかないと思います。あとは殆どみな、自分の国は自分でやりましょというふうに変わってきました。ベネズエラのウゴ・チャベスという人がそのチャンピオンです。ご存じですね、時の人です。アメリカはそのチャベスの当選を必死になって妨害したのですが、結局ダメでした。チャベスが圧倒的多数で選出されました。その彼の言い分がふるっているのです。
「失礼にならないようにアメリカから遠ざかりましょう」というのです。いきなり遠ざかったのではゴツンとやられますから、アメリカを怒らせないように、喧嘩しないように、少しずつ「小笠原流」で遠ざかって自主独立に向かいましょうというのです。
これがいま世界の合言葉です。「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる。」日本もそうしなければいけない、と私は思っているのですが。絶対にやりません。
こうやってアメリカは、ソ連や東ドイツがなくなってから、修正資本主義をやめて、いまの言葉でいえば「新自由主義」という仕組みに代わりました。日本はそれに右ならえしたのです。いま申し上げたように、このアメリカの新自由主義経済に無条件で追随しているのは、日本しかありません。あとはみな、「失礼にならないように」距離をおきました。
日本だけが無条件でついていきました。だから「ポチ」だといわれるのですネ、確かにポチと言われてもしょうがないほど、無条件でついていきます。それは恥ずかしいことですが、日本が追随していく。これが構造改革なのです。修正資本主義経済から新自由主義経済に変わるということです。簡単にいえば、弱い人の面倒を政府が見るような仕組みから、もう弱い人の面倒は見ませんという仕組みに、変わっていく──。これが構造改革です。
だから、社会保障はどんどん悪くなる。自由競争で勝ち組と負け組がある。中には1千万ぐらいのマンション買って落ち着いているのもいる。片方には、国民健康保険料さえ払えなくて医者にも行けない。そういう人がもう全国で膨大な人数出てきている。まさに格差社会です。
どんどんその格差が広がっています。金持ちからお金を取って弱い人の面倒を見る、というのが修正資本主義なのですが、それを止めてしまいました。野放しなのです。強い人はますます強くなり、弱いものは負けたら自己責任なんですよ。こういう仕組みにいま変わったのですね。
それがいいか悪いか、止むを得ないのかどうかは、いろいろな立場によって考えが違うのですが、事実はそうなったのです。
しかしヨーロッパは別の道をとっています。このように別の道もありうるというのも事実なのです。ヨーロッパのように社会保障を止めない資本主義もあり得るのです。
日本の場合、アメリカほど徹底していませんが、流れとしては「政府はもう弱い人の面倒は見ません」、という方向に大きく動いています。
《憲法改悪の要求》
こうして、アメリカは新自由主義経済で自国の企業を野放しにして、それを世界中に押しつけようとしたのですが、意外に抵抗が大きかった。ヨーロッパはいうことを聞かない。アジアも聞かない、南米も聞かない。これでは困るので力づくで押しつける。こういうことになるのですね。力づくで押しつける時に、最大の目標・ターゲットはもちろん中国です。やっとソ連を倒して、21世紀はアメリカが王様になれると思ったら、中国が巨大な国になってきて、アレリカの前に立ふさがっいます。このままではアメリカは王様ではいられません。中国を抑え込むことが21世紀へ向けてのアメリカの最大の長期的課題になっています。しかし戦争はできません。中国と戦争したのでは共倒れになります。唯一の道はエネルギーを抑えることです。
ネオコンという人たちの書いた文章を読むと、非常にはっきり書いてあります。21世紀にアメリカが世界の支配権を握るには、中近東の石油を抑えなければならないというのです。中国は石油の自給ができません。どんどん石油を輸入していますが、殆どいま中近東から輸入しています。アメリカが中近東の石油を抑えれば、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなる。当然でしょうね。
世界一の産油国サウジ・アラビアはすでにアメリカ側の国です。そこで第二の産油国であるイラクをアメリカは分捕りたいのですが、その理由がありません。そこでアメリカは「大量破壊兵器、テロ応援」という嘘をつきました。プッシュ大統領も、ついにウソであったことを認めました。
ではなぜイラク戦争をやったのか。本当の理由はまだ公表されていません。しかしネオコンという人たちの文章を読むと、明らかに「石油を抑える。抑えてしまえば中国は言うことを聞かざるをえない」。ここに本当の理由があったことは明白です。そうだとすれば、恐ろしい話ですが、(次に)絶対にイランが狙われます。
世界第1の産油国サウジアラビアは、昔からアメリカの同盟国です。第2位のイラクは抑えてしまいました。そしてイランは第3位の産油国です。ここを放っておいたのでは意味がないのです。中国はいくらでもイランから石油の輸入ができます。どうしてもイランまで抑えなければならないというのは、アメリカでは、いわば常識です。どんな新聞雑誌でも次はイランだということが堂々と語られています。
ライス国務長官も3日前、「今イランに対するは軍事力行使の予定はない」と言っていました。「今は」です。イランは核開発やっているというのが理由です。たしかに妙な国ですが、しかし別に悪い国ではありません。あのあたりでは1番民主的な国です。曲がりなりにも選挙で大統領を選んでいますから。女性はみな顔を出していますし、大学へもいっています。イランは近代化した国なのです。サウジアラビアなどの国に比べたら、ずっと民主的な近代国家です。イスラム教のお妨さんが、選挙で選ばれた大統領より偉い、というのだけが変ですが、全員がイスラムですから、他国がとやかく言うことではないです。
ですから、イランが悪魔の国というのは嘘なのです。イラクがそういわれたのも同じで、要するに悪魔の国と誤解させて、戦争しかけてもやむを得ないと思わせるための宣伝が行われているのです。
イランはイランで、自分で自分他ちの国を近代化していけばいいのであって、核兵器持つなといっても、隣のパキスタンもインドも持っているのです。こちらのイスラエルもです。イランだけ持つなといっても、聞くわけありません。イランに持たせたくないのなら、「俺も止めるからあんたも」と言わなければなりません。「俺は持っている。お前だけ止めろ」と言ったってイランが聞くわけありません。そんな理屈が通るはずがないのです。実に馬鹿な理屈です。
本当にイラクに核開発をやめさせたいのなら、イギリスもフランスもアメリカも 「先ず自分が止める、だからお前も止めろ」と言うしかありません。お前だけ持つなと言って、聞くと思う方がどうかしています。核開発は現在の大国の論理では抑えられません。イランに言わせれば、「イラクがなぜあんなに簡単に戦争しかけられたかといえば、核兵器を持っていなかったからだ。持っていたら恐ろしくてとても戦争なんか仕掛けられない」ということになります。だからイランはいま核開発を急いでいるのです。核兵器を持たないとアメリカに攻められるから。そう思い込んでいるのです。
そう思わせるようなことをアメリカはやってきたのですから、イランに核兵器開発を止めさせるためには、イラクから撤収して、中東の平和は中東に任せる、という姿勢を示すしかありません。自分がイラクを分捕って居座ったままで、イスラエルやパキスタンやインドの核兵器には文句をいわずイランにだけ、というのは通じない理屈です。実にゆがんだ国際常識というものが罷り通っている、と思います。
もしアメリカがイランまで分捕ってしまえば、サウジアラビア、イラン、イラクと合わせて、世界の石油の70%ぐらいになるはずですから、中国はアメリカのいうことを聞かざるをえなくなります。だからつぎはイランだというのが、ネオコンの論理です。
ただ問題は、イランに戦争を仕掛けるとしても単独ではできなません。兵隊がたりない。徴兵制ではなく志願兵制度ですから。いま、ありったけの兵隊さんがイラクに行っています。あれ以上いないのです。だからハリケーンが来ても出せなかったのですね。そうすると、イランに出す兵隊なんていないのです。そこで、アメリカの右翼新聞の社説など、堂々と書いています。「イラクにいるアメリカ軍でイランを乗っ取れ。カラッポになったイラクの治安維持は、日本にやらせろ」と。
アメリカの論理から言えばそうなるのでしょう。自衛隊にイラクの治安維持をといいますが、実際は内乱状態ですから、今も毎日アメリカ兵は毎日5人位殺されています。そんなこと引き受けたら、自衛隊員何人死ぬか分かりません。第一そんなことは、憲法9条があるかぎりできないのです、絶対に。憲法があるおかげで、自衛隊はイラクにいますけれども、ピストル1発撃つことができないのです。憲法9条第2項というのがあるのです。自衛隊は戦力ではない・交戦権はないとなっていますから、不可能なのです。だから給水設備備を作るとか、学校修理とか、そういうことしか出来ません。これじゃあアメリカから見れば役に立たないのです。
《平和憲法こそ 日本生存の大前提》
そこで、「9条2項を変えて、戦争ができる自衛隊になってくれ」というのがアメリカの強い要求なのです。みんな分かっています。言わないだけです。日本の新聞記者も知っています。しかし、「9条変えろ」がアメリカからの圧力、と書くと首になるから書かないだけです。でも誰も知っています。アメリカのに戦争に参加しなさい、という強い圧力がかかっているのです。
ここのところをよく見極めておくことが必要です、「9条を守る」ということは、「アメリカの言いなりにならぬ」ということと一つ、なのです。
アメリカと喧嘩しては駄目ですから、「失礼にならないようにアメリカから遠ざかる」のが何よりも大切です。仲良くするけれども言いなりにはならない、ということです。ところが、憲法が危ないという、この危機的な状況にもかかわらず、国内で労働運動が弱体化していますから、ストライキも起きない。大きなデモも起きない。大反対運動も起きない──。という状況です。
ではもう駄目なのでしょうか。そうではないと思います。それには日本の国内だけではなく、世界に目を向ける、アジアに目を向けるこちとが必要のです。ご存じのように、これからの日本は、中国と商売せずには、生きていけなくなりま。いま、大企業だけですけど、多少景気がよくなってきています。全部中国への輸出で持ち直したのです。中国マーケットがなくなったら日本経済はおしまいだ、ということは誰も分かってきています。
お手元の資料の中の(貿易額の)丸い円グラフは、2003年のもので少し古いのですが、アメリカ20.5%、アジア全体で44.7%、つまり日本にとって一番大事な商売の相手は、アメリカではなくてアジアなのです。
アジアと仲良くしなかったら、経済が成り立たないところへ、いま既にさしかかっているのです。左隣の棒グラフは2004年ですが、左上から右に折れ線がずうっと下がってくる。これが日本とアメリカの貿易です。点線で右へずうっと上がっていくのが中国との貿易。遂に去年(2つの折れ線が)交差し、中国との貿易の方がアメリカとの貿易額より多くなりました。しかも鋏状に交差していますから、今後この2つは開く一方になってきています。
つまり、あと2・3年もすれば、日本は中国との商売なしには生きていけない、ということが国民の常識になるということです。いま既に、中国を含めたアジアが、日本の一番大事なお客さんなんです。仲良くしなければいけません。一番大切なお客さんの横っ面ひっぱたいたんじゃ商売は成り立ちません。
靖国参拝などというものは、一番大事なお客さんの横面ひっぱたくと同じことなのですから、個人の信念とは別の問題です。小泉首相は総理大臣なのですから、個人の心情とは別に日本の国全体の利益を考えて行動しなければいけません。それは総理大臣の責任だと思います。その意味でアジアと仲良ぐできるような振舞いをしてもらわなければ困るのです。
もう一つ。アメリカとの商売はこれからどんどん縮小していきます。それは、ドルというものの値打ちがどんどん下がっていくからです。これはもう避けられません。
昔はドルは純金だったのです。1971年まで、35ドルで純金1オンスと取り換えてくれました。だからドルは紙屑ではありませんでした。本当の金だったのです。
われわれのお札はみな紙屑です。1万円なんて新しくて随分きれいになりましたけど、綺麗にしただけちょっとお金がかかって、印刷費に1枚27円とかかかると聞きました。27円の紙がなぜ1万円なのか。これは手品みたいなものです。あれが5枚もあるとなかなか気が大きくなるのですが、本当は135円しかないのです。それが5万円になるのは、法律で決めているのです。日銀法という法律で、こういう模様のこういう紙質のこういう紙切れは1万円、と決められている。だから、あれを1万円で受け取らないと刑務所に入れられます。法律で決まっているからです。ですから日本の法律の及ぶ範囲でだけ、あれは1万円なのです。その外へ出ると27円に戻ってしまいます。
金と取り換わらないお札というのは、簡単にいえばその国の中でしか通用しません。他の国へ行ったら、その国の紙屑と取り換えなければ通用しません。ところが、ドルだけは世界で通用しました。純金だからです。
ところが、1971年にアメリカはドルを金と取り換える能力を失いました。ベトナム戦争という馬鹿な戦争をやって莫大な軍事費を使ったのです。背に腹は代えられなくてお札を印刷し、航空母艦を造ったりミサイル、ジェット機を作ったりしたのです。そのために、手持ちの金より沢山のお札を印刷しちゃったのです。
その結果、アメリカは、ドルを金と取り換える能力を失ったのです。そこで、71年8月15日、ニクソン声明が出されました。「金、ドル交換停止声明」です。あの瞬間にドルも紙屑になったのです。ドルが紙屑になったということは、ドルがアメリカの国内通貨になったということです。
ところが、問題はそれ以後なのです。世界で相変わらずドルが適用したのです。皆さんも海外旅行へ行かれる時は、大体ドルを持って行かれますね。どこの国へ行っても大丈夫なのです。金と取り換えられないお札が何故世界で適用するかは本当に不思議で、経済学者にとって最大の難問なのです。いろんな人がいろんな答を言っていますけど、あらゆる答に共通しているのは、ひとつは「アメリカの力の反映」だから、ということです。
つまり、日本が自動車を作ってアメリカヘ売ります、ドルを貰いますネ。日本は損をしているのです。自動車という貴重なな物質がアメリカへ行って、紙屑が返ってくるのですから。物が減ってお札だけ増えると必ずバブルになります。
バブルの犯人はそこにあるのです。日本が輸出し過ぎて貿易黒字を作り過ぎているのです。だから日本は、アメリカに自動車を売ったら、「純金で払ってください」と言わなければなりません。ところがそう言うと、ジロッと睨まれてお預けになってしまいます。日本には米軍が5万人います。「アメリカのドルを受け取らないとは、そんな失礼なこと言うなら、在日米軍クーデター起こしますよ」、これで終わりなのです。黙って受け取ってしまう。だから日本は無限に物を提供し、無限に紙屑をもらう。こうしていくら働いても日本人の生活はよくならないのです。しかもその紙屑でアメリカの国債を買っています。アメリカに物を売って、払ってもらった代金をアメリカに貸している。言ってみればツケで輸出しているようなものです、現実に。アメリカにいくら輸出しても日本は豊かにならない仕組みになつています。
2週間前に『黒字貿易亡国論』という本が出ました。有名な格付け会社の社長さんですが、「貿易黒字を作るから日本は駄目なのだ」、ということを詳しく論じたたいへん面白い(文芸春秋社の)本です。確かにそうだと思います。だからドルは、本当は受取りたくないのです。みんな紙屑なんです。だけど受け取らないと睨まれる。アメリカの軍事力が背景にあるのです。
その力をバックにして、紙切れのお札を世界に通用させている。例えていえば──餓鬼大将が画用紙に絵をかき1万円と書いて鋏で切り、これ1万円だからお前のファミコンよこせ、とこれを取り上げる──のと同じです。いやだと言ったらぶん殴るのです。怖いから黙って渡して紙屑もらうことになります。その紙屑で、他の人から取り上げればよいのです。「お前のバイクよこせ、よこさなかったらいいつける」。「あの人、あんたの紙屑受け取らない」、するとガキ大将が釆て、ゴツンとやってくれる──。餓鬼大将の力の及ぶ範囲ではそれが通用するのです。
露骨にいえば、ドルがいま世界に適用しているのは、そういう仕組みが一つあります。
もう一つは、ソ連の存在です。もし紙屑だからアメリカのドルを受け取らないといったら、アメリカ経済は潰れます。アメリカが潰れたらソ連が喜ぶ。だから紙屑と分かっていても受け取ってきた。ソ連に勝たれては困るから──。
これも確かに一理あります。ということは、ソ連がいなくなって、紙屑は紙屑だということがはっきりしてきたのです。今まではソ連がいるために、紙屑なのに金のように適用したが、今や「王様は裸だ」というのと同じで、「ドルは紙屑だ」といっても構わない時代です。
ともかくドルが危ないのです。私が言ってもなかなか信用してもらえませんが、経済誌『エコノミスト』、一流企業のサラリーマンなら必ず読んでいる雑誌すが、これの去年9月号が中国“元”の特集でした。その真ん中へんに「プラザ合意20年」という対談がありました。その中で、榊原英資さんは「5年以内にドル暴落」と言っています。
榊原さんは大蔵省の元高級官僚で日米為替交渉の責任者を10年やりました。円・ドル問題の最高責任者だった人です。「ミスター円」といわれていました。通貨問題に最も詳しい現場の責任者です。停年で大蔵省をやめて今は慶應大学の先生になっています。この人が「5年以内にドルが暴落する」、つまりドルが紙屑だということが明らかになる日が近いと言っているのです。
ソ連がいる間は隠されていたのですが、いまはもう、ドルは紙屑だから受取りたくないという人たちが増えてきています。これまでは世界通貨はドルしかなかったので、受け取らなければ商売ができなかったのですが、今ではユーロという代わりが出来てしまいました。ドルでなくてユーロで取引する国が増えてきています。そしてユーロの方が下がりにくい仕組みになっています。ドルは下がるのです。
なにしろアメリカは、永いことドルが世界通貨ということに慣れてきました。だから自動車が欲しければ日本から自動車買って、アメリカは輪転機を回せばよいのです。紙とインクがあればいいのですから。ほかの国はこんなことできません。自動車が欲しければ、一生懸命働いて何か輸出し、その代金で輸入しなければならないのです。アメリカ以外の国は全部そうやっているのです。
輸入は輸出と一緒です。輸入するためには輸出しなければなりません。ところがアメリカだけは輸出しないで輸入ができるのです。ドルという紙切れが世界通貨ですから。極端に言えば、欲しい自動車や石油を日本やアフリカなどから買って、紙とインクで支払う。実際そうして世界の富がアメリカに集まったわけです。
71年以降の30年間、この仕組みのために、世界中にドルが溢れ出ました。ドルがどんどん増えますから、当然値打が下がります。こうしてドル下落傾向。(資料の一番下のグラフがそうです。円が上がっていく様子、為替取引だから短期的には上下しますが、長期的には間違いなく円高。ドルがドンドン下がるのは確かです。)これがあるところまでいくと、ガクッと下がります。
あるところまでいくと、「ドルは信用できない、下がる通貨は持っていたくない」となります。ですからドルを受け取らない、ユーロか何か、別な、下落しない通貨でなければ受け取らないということが出てくる。そうなるとドルは暴落します──。榊原氏がそういっているのです。
ヨーロッパはユーロでいくでしょう。アジア経済圏はなんといったって元です、中国の。中国は賢いですから、元を押しつけないで、何かアジアの新しい通貨を作るかもしれません。しかし元が中心になることは間違いないでしょう。ドルはアメリカでしか使われなくなる。そうすると、今まで全世界で使われていたドルが、みんなアメリカに集まって来るわけですから、アジア、ヨーロッパで使われいていたドルがみな戻ってきて、簡単にいえばドルの値打が3分の1に下がることになります。
アメリカの生活は大きく収縮します。一家で3台自動車持っていた家は1台に。1台持っていた家は止めなくればならなくなる、ということです。
アメリカ経済の収縮。これは大変恐ろしい話なのです。世界経済が大きく収縮し、日本経済は大きな打撃を受けます。しかし避けられない動きなのです。いつのことか分からないが、そう遠くない将来にドルの信用がドンと落ちていく。結果として日本がアメリカにだけ頼っていたら、大変なことになります。
いまのうちに、アメリカに輸出してドルをもらったらユーロに代えておいた方がいい。ユーロの方は下がらないからです。EUという所は、国家財政が赤字だと加盟できないことになっています。赤字だと穴埋めにお札を出すので乱発ということになって下がるのです。だからユーロは一応下がらない仕組みになっています。乱発できないようになっているのです。ドルは短期的に持つのはかまわないが、3年、4年と長期的に持っていると下がってしまいます。それならユーロにしておいた方がいいとか、これから生まれるかもしれないアジア通貨にしておいた方がよいとかいうことになります。世界の大企業や国家が、決済のために多額のドルを持っていますが、これがユーロに切り替えられるとなると、ドルはもう世界通貨ではなくなります。
そうなると、アメリカだけに依存している国は、大変苦しくなります。21世紀の日本を考えた時、アメリカと仲良くするのは大切ですが、しかしアメリカ一辺倒では駄目な時代になっているのです。アジアと仲良くしなければいけません。
しかしアジアと仲良くするのには、無条件ではできません。なぜなら、60年前、アジアに戦争を仕掛けて大変な迷惑をかけた。その後始末がちゃんとできていないのです。仲良くするするためには、60年前のマイナスを埋めるところから始めなければいけません。別に難しいことではないのです。「あの時はごめんなさい。2度とやりませんから、勘弁してください」。これで済むわけです。
問題は、「2度とやりません」が、信用してもらえるかどうかです。信用してもらうための最大の決め手が「憲法第9条」です。憲法9条第1項、第2項がある限り、日本は2度と戦争はできません。イラクの状態を見ても、自衛隊は鉄砲一発撃てない。(世界中)みんなが見ています。この憲法9条第1、第2項がある限り、日本は戦争はできません。だから安心して日本と付き合うのです。
もし日本が憲法9条を変えて、もう1回戦争やりますということになったら、アジアの国々は日本を警戒して、日本との付き合いが薄くなってしまいます。いま既にそうなりつつあります。小泉首相は靖国に何度も行く。自民党は憲法9条を変えることを決め、改憲構想まで発表した。アジアの国々は用心します。「そういう国とは、あまり深入りしたくない」。
小泉首相は「政冷、経熱」でいいじゃないか、といいます。政治は冷たくても経済では熱い関係というのでしょうが、そんなことはできません。中国と日本の経済関係はじわっと縮小しています。統計でもそれははっきり出ている。
おととしまで中国の貿易のトップはアメリカでした。次が日本、3位はEU。これがひっくり返ってしまいました。去年はトップはEU、2位アメリカ、3位日本です。明らかに中国は日本との商売を少しずつ縮小させている。その分EUに振り替えています。
去年5月、ショッキングなことがありました。北京・上海新幹線という大計画をEUに取られました。北京~上海って何キロあるのでしょう。日本の本州より長いのではないでしょうか。このとてつもない計画があって、去年、まだ予備調査の段階すが、日本は負けました。ドイツ、フランスの連合に取られました。予備調査で取られたということは、本工事は駄目ということです。中国にすれば、日本にやらせるのが一番便利なのです。近いですし、新幹線技術も進んでいます。まだ1度も大事故を起こしたことがありません。ドイツもフランスも、1回ずつ大事故を起こしたことがあります。技術からいっても資本からいっても、日本にやらせれば一番いいのに、日本が負けました。明らかに政治的意図が働いたと思われます。日本との関係を深くしたくない。いざという時、いつでも切れるようにしておく。いざというとき、切れないようでは困る。そういうことではないでしょうか。
いまのままアメリカ一辺倒でいいのでしょうか。私は長島さんをよく思い出します。後楽園での引退試合の時、最後に「読売ジャイアンツは永久に不滅です」といったのです。永久に不滅どころか、去年のジャイアンツのサマといったらもう、見ていられない。アメリカもそうなるのではないでしょうか。小泉首相は「アメリカは永久に不滅です」と、いまもいっているのですが、そうではないのではないでしょうか。
アメリカにさえ付いていれば、絶対大丈夫という時代は終わったのです。アメリカとも仲良くしなければいけませんが、しかしアジアとも仲良くしなければいけない、そういう時代がいま来ているのです。仲良くするのには、憲法9条を守ることが大前提です。これを止めてしまったら、アジアとは仲良くできません。
憲法9条は、日本にとって“命綱”です。いままでは、憲法9条というと、「理想に過ぎない。現実は9条で飯食えないよ」という人が多く、中には鼻で笑う人もいました。しかしいまは逆です。9条でこそ食える。9条を変えたら、21世紀日本の経済は危ないのです。
憲法9条を守ってこそ、この世紀の日本とアジアとの友好関係を守り、日本も安心して生きていけるのです。こういう世の中をつくる大前提が憲法9条です。憲法9条は美しいだけではなく、現実に儲かるものでもあります。そのことがやっと分かってきました。
奥田経団連会長は、去年までは小泉首相を応援して靖国参拝も賛成だったのですが、そんなこといってたらトヨタは中国で売れなくなります。そこで今年の正月の挨拶でついに、「中国との関係を大事にしてほしい」と、向きが変わりました。
財界が、中国と仲良くしなければ自分たちは商売ができない、となってくれば、日本の政治の向きも変わるだろうと思います。あと3年たてば多分、これは日本の国民の常識になってきます。中国と仲良くしないと経済が駄目になる。それは中国のいいなりになることではないのです。良くないことはきちんという。だけど敵にするのではなく、仲良くする。でなければ、日本の経済は成り立たない。これがみんなの常識になってくるでしょう。
これまで60年、アメリカベったりだったから、アメリカから離れたら生きていけないと皆思ってきました。しかし現実の数字はそうでなくなっています。一番大事な経済の相手は、もうアメリカではなくアジアなのです。これに気づくのにあと2・3年かかるでしょう。これが世論になれば、もう、憲法を変えるなどということは、絶対にできません。
しかし、この3年の間に、国民の世論がそのように変わる前に、憲法が変えられてしまったら、どうにもなりません。
あと3年、必死の思いでがんばって、子供たちに平和な日本を残してやるのが、私たちの務めだと思います。そう思って、私も必死になってかけ回っています。あと3年ぐらいはまだ生きていけるだろうから、なんとしても3年間は9条を守るために全力をつくしたいと決心しています。
ありがたいことに、9条を変えるには国民投票が必要です。国会で決めただけでは変えられません。国民投票で過半数をとらないと、憲9条は変えられないのです。逆にいえば、これによってこちらが憲法9条を守る署名を国民の過半数集めてしまえばいいことになります。住民の過半数の「9条を守る」署名を3年間で集めてしまう。そうすればもう、変えることは不可能になります。
そうすれば、子供たちに憲法9条のある日本を残してやれます。2度とアジアと戦争する国にならないようにして、そしてもし長生きできれば、新自由主義という方向、つまりアメリカ言いなりではなく、もっと自主的な経済ができるように、せめてヨーロッパのような修正資本主義、ルールのある資本主義の仕組みにもう一度戻すこともできるでしょう。
日本中で、飢えている人、 因っている人、貧しい人が、それでも人間らしく生きていけるような、最低限の保障ができる、生きる希望が出る──。そういう社会にすることが大切なのだ、と思います。これは長期的展望です。簡単にはできません。一度、新自由主義になってしまったので、10年位かかるでしょう。国民が賢くなって、正しい要求を政府につきつけていかなければいけません。その中心になる労働運動の再建が必要です。
結局国民が主権者なんですから、国民の願いがかなうような、そういう日本に作り替えていきたいなと、そういう道を進んでいきたいなと思います。
鋸南町は合併を拒否なさったというので、日本でも有数な自覚的な町といえます。合併するとまず住民自治がダメになります。大きくなるということは、住民自治が駄目になることでもあります。住民が主人公になる町こそ大切。ぜひこの美しい山と海と禄のある町で、1人1人が主人公であるような地域共同体というものを、みんなが助け合える町になることを私も希望して、講演を終わらせていただきます。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm
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2024/10/29 (Tue) 15:35:01
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サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
2024年10月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674#more-55674
アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がダートマス大学でのインタビューで資本主義と社会主義の違いについて語っている。
社会主義とは何だったのか
社会主義がほとんど旧世代の遺物となってから長い時間が過ぎたが、恐らくそのためになぜ資本主義が成功しているのかということについて考える人は少ない。
そしてまさにそれが理由で日本やアメリカなどの資本主義国家とされる国に、実体経済を自由市場ではなく中央政府が支配する社会主義の影が忍び寄っていると筆者は考えているのだが、だからこそサマーズ氏に社会主義の国々がどういうものだったのかを語ってもらおう。
サマーズ氏は大学生たちに次のように語りかけている。
わたしはこの部屋にいる学生たちと同じくらいの年か、それよりも少し年上だった頃に、ここにいる学生がもう体験できないことを体験したことがある。
それは西ベルリンと東ベルリンを繋いでいたチェックポイント・チャーリーを通ったことだ。
チェックポイント・チャーリーとは、戦後に東西に分断されていた西ベルリンと東ベルリンを繋いでいた検問所のことである。第2次世界大戦後、アメリカと旧ソ連に分割統治されていたベルリンは、半分が資本主義、もう半分が社会主義によって運営されていた。
結局、ドイツは資本主義だった西ドイツが繁栄し、社会主義だった東ドイツが貧困に陥ったため、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統合されたのだが、これはその前の話である。
サマーズ氏は次のように述べている。
それは2024年と1954年を繋ぐ門を通るような経験だった。その前後ではすべてが違った。西ベルリンと東ベルリンにはまったく共通点はなかった。
社会主義の失敗
当時、社会主義の国は次々に退廃していった。資本主義経済では起業家が消費者の需要に合わせてどのような商品を作るかを決め、需要が高い商品を作った起業家ほど高い対価を得る。
一方で社会主義の国ではどういう商品が作られるべきかを政府が決定する。
その結果は明らかである。資本主義国家では消費者が欲しがる商品がどんどん作られ、社会主義国家では消費者が欲しがらない商品がどんどん作られた。
そして西ベルリンは栄え、東ベルリンは貧困に沈んでいった。ソ連は崩壊した。中国は鄧小平氏の時代から資本主義をある程度受け入れていった。
今でもかなり社会主義的な小国はある。サマーズ氏は次のように言っている。
北朝鮮は人に出入りをさせないが、それは抜け出す人が出ないようにするためだ。だから韓国から北朝鮮に行くことはできない。
北朝鮮に自由に出入りできないことには理由がある。社会主義国と資本主義国では貧富の差が激しいために、北朝鮮の人々が韓国の豊かな暮らしを見れば、誰もが北朝鮮から逃げ出したいと思ってしまうだろう。
国民にチェックポイント・チャーリーを通らせてはならない。だから自国民を囲うしかないのである。
社会主義の本質
読者の多くは、こうした社会主義の話が過去の遺物であるか、または北朝鮮のような極端な国のものだと思うだろう。
元々、社会主義は裕福な起業家たちを羨んだ労働者や農民に支持されて始まった。起業家が株式を持つことを禁じ、株主の役割を政府が担った結果、政治家だけが豊かになる社会が出来上がったのである。
しかしそれは今の日本に似ていないだろうか? 給与所得の半分を政府に持っていかれる現状は本当に資本主義なのか。東京の真ん中に税金で作られた巨大便器は消費者が望んだ商品なのか。これは社会主義の製品と何が違うのか。
出典:産経新聞
社会主義の本質は、人々の自由な商業活動、自由な物品の売買を禁じ、政府の決めたように経済を動かすことである。
サマーズ氏は次のように述べている。
社会主義を望む人々の衝動を理解することは困難だ。
合意した2人の大人が寝室で何をしようと自由であるのに、なぜ合意した大人同士が市場経済のなかで、互いに合意した賃金で雇ったり雇われたり、合意した金利でお金を貸したり貸されたり、合意した価格で商品を売ったり買ったりを自由にしてはいけないのか?
資本主義に反対することは、合意した大人同士が第三者に害を与えないかぎり、互いに利益がある行為をやっても良いという考えに反対することだ。
資本主義の本質はこうである。人々に自由な経済活動をさせれば、優れた起業家のような非常に裕福な人々が出てきてしまう。それを羨んだ人々は政府がそれを止めてくれると思い、起業家から自由を奪って政府にそれを与えた結果、起業家ではなく政治家が豊かになり、人々はむしろ更に貧しくなったのである。
サマーズ氏は次のように言っている。
反資本主義という姿勢は、本質的には反自由なのだ。
だがそれはまさに日本の状況ではないのか。自分の力で金を稼いだ高所得者から、当選させてくれと乞食のように頼む政治家に金を移転するのが今の日本経済である。
そしてそれは与党を支持した国民の多数派には決して移転されない。それを期待している人々は、控え目に言っても間抜けである。
他人の自由を奪うと自分に返ってくる。ばら撒き政策とはそういうものである。
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗 である
現実には金融所得の税率は低く、給与所得の税率は高いのだから、多数派に支持された政府が多数派だけ損をする社会を作っているのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674#more-55674
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2024/10/30 (Wed) 16:00:01
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サマーズ氏: 本当の資本主義国家では権力者が大衆にごまをする
2024年10月29日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55715
引き続き、アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏のダートマス大学におけるインタビューである。
資本主義と社会主義
前回の記事では、資本主義とは売り手と買い手に自由に売買させることであり、起業家が豊かになるのは単にその結果だという話をした。
サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
一方で社会主義とはその自由を奪うことであり、その結果起業家どころか社会全体も貧しくなる。世の中に出回る商品を政府が独占的に決定し、良い商品を作っても高値で売れないなら、誰も良い商品を作らなくなるからである。
誰が誰にごまをするのか
さて今回の記事である。サマーズ氏によれば、資本主義の国と社会主義の国を見分けられる簡単な方法がある。誰が誰に「ごまをすっているか」を見ることである。
サマーズ氏はアメフトのスタジアムを見学した時のことを次のように語っている。
ニューイングランド・ペイトリオッツの本拠地であるジレットスタジアムの見学に招かれた時のことだ。そこではスタジアムのオーナーが他のスタジアムのオーナーにスタジアム建設にあたっての課題について話していた。
ペイトリオッツのオーナーが話したすべての言葉は、チケットを買ってゲームを観に来る人々に「ごまをする」ためのものだった。
客を「ゲスト」と呼び、駐車場の除雪にかかる時間を5分減らし、ファーストフードの店の並び方を再設計して食べ物をより早く手に入れられるようにし、椅子の設計を変えて寒い日にも快適に座れるようにした。
アメフトチームのオーナーが、一市民である客に対してごまをすっている。なぜか? そこには資本主義が働いているからである。
サマーズ氏は次のように続ける。
すべては客にごまをすることだ。それはスタジアムのオーナーが優しくリベラルで親切で慈善的精神のある人間だからではない。客が快適になれば入場券にもっとお金を払ってくれるからだ。
それが資本主義のインセンティブの本質なのだ。
社会主義では大衆が権力者にごまをする
では社会主義の国ではどうなるのか。サマーズ氏は次のように説明している。
社会主義の国に行けば状況はまったく違う。社会主義の国では買い手が肉屋にごまをすろうとあらゆる努力をする。そうすれば良い肉を自分の家族に分けてくれるからだ。
社会主義の国では人々は電話会社にごまをする。そうすれば電話を6ヶ月ではなくて3ヶ月で手配してくれるからだ。
それが腐敗の温床である。何が作られるべきかを政府が決定する社会主義の国では、良い商品を作る人ではなく政府に権限を与えられた人に報酬が与えられる。竹中なんとかさんの顔が浮かんだのは筆者だけではないだろう。
資本主義と社会主義の違い
サマーズ氏は資本主義の本質について次のように語っている。
資本主義は売り手に対して買い手にごまをすることを要求する。
売り手とは誰だ? 権力のある人々だ。売り手は資金を持っている人々だ。資本主義は買い手、つまりすべての人々を幸せにするためにあらゆる努力をすることを企業に要求する。
だから本質的に、資本主義とは買い手である大衆の力を売り手である小数のエリートに対して増強するためのシステムなのだ。そして社会主義はその逆を行なっている。
この話はマクロ経済学の父と言うべきアダム・スミス氏の「神の見えざる手」の話と本質が同じである。彼の著書である『国富論』には次のように書いてある。
人は自分の利益を追求することで、意図的に公共の利益を促進しようとする時よりも効率的に公共の利益を促進することができる。
実際、人は一般に公共の利益を促進しようとしているわけでもなければ、自分がどれだけ社会に貢献しているのかを把握しているわけでもない。
しかし見えざる手に導かれ、自分が意図していない目的を実際には促進しているのである。
『国富論』は今なお有効な知識がつまったマクロ経済学の優れた入門書である。優れた経済学者の言うことは今も昔も変わっていない。
日本は資本主義か社会主義か
サマーズ氏は、資本主義国家では権力者が大衆にごまをすり、社会主義国家では大衆が権力者にごまをするという。
では日本は果たして資本主義なのか、社会主義なのか? 日本では(アメリカでも)政府支出が増大し、お金がどこに行くべきかを国民ではなく政府が決める状態が常態化している。
国民ではなく政府がお金を払う相手を決める社会ではどうなるのか? サマーズ氏は次のように言っている。
賭けてもいいが、もしジレットスタジアムが市に運営されていたら、同じように快適なものにはなっていなかっただろう。
ちょうど良いことに、日本にはコロナ禍における東京五輪のために作られ、その後ほぼ使われていない国立競技場という優れた例がある。
出典:産経新聞
その国が資本主義なのか社会主義なのかを見極めるためには、サマーズ氏いわく、誰が誰にごまをすっているのかを見ればいい。
日本の場合はどうかと言えば、簡単である。1行で終わるだろう。
人々が自民党にごまをすっている。そしてその見返りは返ってこない。
アダム・スミス氏は200年以上も前に『国富論』に次のように書いている。
わたしは公共の利益を推進するとうそぶいている人によって大きな何かが 成し遂げられた例をまったく知らない。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55715
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2024/11/14 (Thu) 05:47:42
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サマーズ氏: 資本主義に反対することは自由に反対すること
2024年10月28日 globalmacroresearch
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674
アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がダートマス大学でのインタビューで資本主義と社会主義の違いについて語っている。
社会主義とは何だったのか
社会主義がほとんど旧世代の遺物となってから長い時間が過ぎたが、恐らくそのためになぜ資本主義が成功しているのかということについて考える人は少ない。
そしてまさにそれが理由で日本やアメリカなどの資本主義国家とされる国に、実体経済を自由市場ではなく中央政府が支配する社会主義の影が忍び寄っていると筆者は考えているのだが、だからこそサマーズ氏に社会主義の国々がどういうものだったのかを語ってもらおう。
サマーズ氏は大学生たちに次のように語りかけている。
わたしはこの部屋にいる学生たちと同じくらいの年か、それよりも少し年上だった頃に、ここにいる学生がもう体験できないことを体験したことがある。
それは西ベルリンと東ベルリンを繋いでいたチェックポイント・チャーリーを通ったことだ。
チェックポイント・チャーリーとは、戦後に東西に分断されていた西ベルリンと東ベルリンを繋いでいた検問所のことである。第2次世界大戦後、アメリカと旧ソ連に分割統治されていたベルリンは、半分が資本主義、もう半分が社会主義によって運営されていた。
結局、ドイツは資本主義だった西ドイツが繁栄し、社会主義だった東ドイツが貧困に陥ったため、東ドイツが西ドイツに吸収される形で統合されたのだが、これはその前の話である。
サマーズ氏は次のように述べている。
それは2024年と1954年を繋ぐ門を通るような経験だった。その前後ではすべてが違った。西ベルリンと東ベルリンにはまったく共通点はなかった。
社会主義の失敗
当時、社会主義の国は次々に退廃していった。資本主義経済では起業家が消費者の需要に合わせてどのような商品を作るかを決め、需要が高い商品を作った起業家ほど高い対価を得る。
一方で社会主義の国ではどういう商品が作られるべきかを政府が決定する。
その結果は明らかである。資本主義国家では消費者が欲しがる商品がどんどん作られ、社会主義国家では消費者が欲しがらない商品がどんどん作られた。
そして西ベルリンは栄え、東ベルリンは貧困に沈んでいった。ソ連は崩壊した。中国は鄧小平氏の時代から資本主義をある程度受け入れていった。
今でもかなり社会主義的な小国はある。サマーズ氏は次のように言っている。
北朝鮮は人に出入りをさせないが、それは抜け出す人が出ないようにするためだ。だから韓国から北朝鮮に行くことはできない。
北朝鮮に自由に出入りできないことには理由がある。社会主義国と資本主義国では貧富の差が激しいために、北朝鮮の人々が韓国の豊かな暮らしを見れば、誰もが北朝鮮から逃げ出したいと思ってしまうだろう。
国民にチェックポイント・チャーリーを通らせてはならない。だから自国民を囲うしかないのである。
社会主義の本質
読者の多くは、こうした社会主義の話が過去の遺物であるか、または北朝鮮のような極端な国のものだと思うだろう。
元々、社会主義は裕福な起業家たちを羨んだ労働者や農民に支持されて始まった。起業家が株式を持つことを禁じ、株主の役割を政府が担った結果、政治家だけが豊かになる社会が出来上がったのである。
しかしそれは今の日本に似ていないだろうか? 給与所得の半分を政府に持っていかれる現状は本当に資本主義なのか。東京の真ん中に税金で作られた巨大便器は消費者が望んだ商品なのか。これは社会主義の製品と何が違うのか。
出典:産経新聞
社会主義の本質は、人々の自由な商業活動、自由な物品の売買を禁じ、政府の決めたように経済を動かすことである。
サマーズ氏は次のように述べている。
社会主義を望む人々の衝動を理解することは困難だ。
合意した2人の大人が寝室で何をしようと自由であるのに、なぜ合意した大人同士が市場経済のなかで、互いに合意した賃金で雇ったり雇われたり、合意した金利でお金を貸したり貸されたり、合意した価格で商品を売ったり買ったりを自由にしてはいけないのか?
資本主義に反対することは、合意した大人同士が第三者に害を与えないかぎり、互いに利益がある行為をやっても良いという考えに反対することだ。
資本主義の本質はこうである。人々に自由な経済活動をさせれば、優れた起業家のような非常に裕福な人々が出てきてしまう。それを羨んだ人々は政府がそれを止めてくれると思い、起業家から自由を奪って政府にそれを与えた結果、起業家ではなく政治家が豊かになり、人々はむしろ更に貧しくなったのである。
サマーズ氏は次のように言っている。
反資本主義という姿勢は、本質的には反自由なのだ。
だがそれはまさに日本の状況ではないのか。自分の力で金を稼いだ高所得者から、当選させてくれと乞食のように頼む政治家に金を移転するのが今の日本経済である。
そしてそれは与党を支持した国民の多数派には決して移転されない。それを期待している人々は、控え目に言っても間抜けである。
他人の自由を奪うと自分に返ってくる。ばら撒き政策とはそういうものである。
ハイエク氏: 現金給付や 補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564
現実には金融所得の税率は低く、給与所得の税率は高いのだから、多数派に支持された政府が多数派だけ損をする社会を作っているのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/55674