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ウェッブ望遠鏡1周年、息をのむ新画像をNASAが公開

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2023/07/16 (Sun) 15:29:58

2023.07.16
ウェッブ望遠鏡1周年、息をのむ新画像をNASAが公開
https://forbesjapan.com/articles/detail/64591

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の運用1周年を記念して公開された画像。へびつかい座ロー分子雲領域で星が誕生する様子がかつてない精細さで描かれている(NASA, ESA, CSA, STSCI, KLAUS PONTOPPIDAN (STSCI))

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https://forbesjapan.com/articles/gallery/64591/1


米航空宇宙局(NASA)が、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡の運用開始1周年を記念し、息をのむような美しい画像を公開した。

画像は、へびつかい座ロー分子雲領域の小さな星形成領域を写したもの。ウェッブが2022年7月12日に「ファーストライト」と呼ばれる初観測でイータカリーナ星雲などを撮影して華々しいデビューを果たして以来、1年間にわたり続けてきた科学への貢献を祝って公開された。
へびつかい座ロー星
太陽系から390光年離れたへびつかい座ロー星は、地球に最も近い星形成領域だ。ウェッブの画像は、厚いちりの繭(まゆ)と水素分子の赤い噴流の中にある太陽サイズの恒星約50個を写し出している。

この新画像はNASAのサイトからダウンロードできるが、宇宙望遠鏡科学研究所のウェブサイトには超高解像度版も用意されている。

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が捉えたイータカリーナ星雲(NASA, ESA, CSA, and STScI)

宇宙での最初の1年
ウェッブは最初の1年で、幾つかの「ディープ・フィールド」画像を撮影し、これまで観測された中で最もビッグバンに近い銀河や星々を初めて捉えた。

ウェッブは太陽系外惑星を発見し、多くの惑星の大気を観測。さらに、われわれの太陽系でも新たな境地を開いた。つい数週間前、NASAは土星の美しい赤外線画像を公開。5月には、土星の小さな衛星エンケラドゥスから巨大な水蒸気の柱が宇宙に放出されているところを観測した。


昨年8月には、木星の驚くべき画像の数々を赤外線で撮影し、その激しい嵐や雲の帯、微かなオーロラ、そして小さな衛星たちの姿を明らかにした。

NASAの科学ミッション局副部長のニコラ・フォックスは「1周年を迎えるまでに、ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡は宇宙の姿を解き明かすという約束をすでに果たし、何十年も残る息を呑むような画像と知見の宝庫を人類にもたらしてきました」と語る。「世界トップレベルの科学者とエンジニアが技術の粋を集めたウェッブは、銀河、恒星、そして系外惑星の大気に関するこれまでになく詳細な理解を私たちに与えています」

ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡のNIRCamが撮影した、木星のオーロラと煙霧(NASA, ESA, CSA, JUPITER ERS TEAM; IMAGE PROCESSING BY JUDY SCHMIDT)


秘密兵器
ウェッブの素晴らしい発見は、それが遠赤外線を捉えることのできる初めての宇宙望遠鏡である事実に支えられている。赤外線は人間の目に見えない長い波長の光で、はるか彼方の天体からやってくる古代の光だ。

ウェッブの真の秘密兵器であるNIRCam(近赤外線カメラ)は、赤外線を熱として捉える。その微かな熱信号を感知するために、ウェッブの観測機器は、氷点下233度前後の超低温に保たれている。機器は、「カプトン」と呼ばれる超耐熱・超耐寒性フィルムで作られた5層からなるテニスコート大のサンシールド(遮光板)で覆われている。各層の間は真空に保たれ、断熱材の役割を果たしている。
見えないものを見えるように
赤外線は人間の目には見えないため、NIRCamが集めた光は可視波長域に変換され、フィルターを使ってこうした素晴らしい画像が作られる。

ウェッブには、これまで宇宙に送り込まれたことのなかった巨大な鏡もある。直径6.6mの主鏡はベリリウム製で、18枚の六角形セグメントからなり、赤外光の反射に優れている金の超薄膜で覆われている。集光能力はハッブル宇宙望遠鏡の6倍だ。
宇宙でのウェッブの位置
ウェッブは地球を周回していない点が、ハッブルとは異なる。地球と月の間隔の4倍の距離で、太陽の反対側に居座っている。この点は第2ラグランジュ点(L2)と呼ばれ、地球と太陽の引力が組み合わさって重力の釣り合いがとれている点だ。

ウェッブは10年間の運用を想定して設計されたが、2021年12月の打ち上げと軌道が極めて正確だったため、推進剤がまだ多く残っている。よって、10年よりはるかに長く稼働できる見込みだ。

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