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プーチンの後継者はワグネルのプリゴジン

1:777 :

2023/06/08 (Thu) 10:01:01

今秋にロシアが核兵器使用か!? “民間”軍事会社ワグネルが北海道に侵攻、集団的自衛権発動不能に…?=ジェームズ斉藤
2023.06.07
https://tocana.jp/2023/06/post_251960_entry.html

【連載:某国諜報機関関係者で一切の情報が国家機密扱いのジェームズ斉藤(@JamesSaito33)が斬る! 国際ニュース裏情報】

ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):ワグネルのプリゴジンの動きがバフムトの占領後から活発化しています。たとえば、これを見てください。プリゴジンの大統領選のための選挙ポスターです(笑)。

今秋にロシアが核兵器使用か!? 民間軍事会社ワグネルが北海道に侵攻、集団的自衛権発動不能に…?=ジェームズ斉藤の画像1
ブリコジンのポスター
──えーっ、こんなものがもうロシア国内で出回っているんですか!?

ジェームズ:5月末からもうロシア国内で貼られ始めています。まだ正式にプーチンの後継者というわけではありませんが、これでほぼ確実と言っていいでしょう。


──プーチンのお墨付きなんですね。

ジェームズ:欧米の専門家の一部は「プリゴジンを蹴落とすために敵対勢力が勝手にポスターを貼った」と主張していますが、それはあり得ないと判断しています。まず、プリゴジン自身が「俺には政治的野心がない」など大統領選出馬の可能性を否定する言葉を発していませんので。2022年2月に始まったロシアのウクライナ全面侵略勃発直後の記事でもお話ししましたが、この戦争は「プーチン体制の永続化」が究極の目的で、そのために「ショイグ下ろし」と「ポスト・プーチン時代への準備段階」をやっているのが実態で、すべてはクレムリン内の権力闘争に根ざします。つまり、プリゴジンは「プーチン体制の永続化」という究極のゴールを実現するために戦場に放たれた「トロイの木馬」です。プリゴジンの選挙ポスターができているということは2024年3月にあるロシアの大統領選は本格的にポスト・プーチン時代の幕開けになるでしょう。

──前回の記事でプリゴジンが大統領候補になったと言っていましたが、まさに的中しましたね。

ジェームズ:ロシアを熟知し、フェイクまみれな情報の中からインテリジェンスを追っていけば当然の成り行きです。プリゴジンは62歳です。ロシアでいうとだいぶ年を取っていますが、世界の指導者と比較すると十分に若いですから、彼がポスト・プーチンの最有力候補なのは間違いありません。

 なにしろ、彼のバックにはロシアの大富豪のユーリ・コヴァルチュク、ミハイル・コヴァルチュクのコヴァルチュク兄弟がいます。名前からわかるように彼らはウクライナ系ですが、ゴリゴリのハザール系ユダヤ人で、しかもサンクトペテルブルク出身です。つまり、プーチン率いるサンクトペテルブルク出身のハザール系ユダヤ・マフィアからなる旧KGB閥と「同胞」であり、特にユーリがプリゴジンのスポンサーになっています。重要なのはコヴァルチュク兄弟、特にユーリは「プーチンの金庫番」と呼ばれており、プーチンの総額200兆円と言われる海外資産の管理及び運用しています。つまり、プリゴジンが新大統領になるということは、プーチンのばく大な海外資産も無事で、プリゴジンが大統領になるということはプーチンの資産防衛にもなるわけです。こういった部分を見てもプリゴジンはポスト・プーチンの最右翼だと判断できます。冷戦時代のクレムリン学は軍事パレードにおけるスターリンと側近の物理的距離等を判断基準にしていましたが、プーチン時代のロシアは「すべてはお金」ですので、資産防衛の観点が必要不可欠になります。

──金の流れを見ると一目瞭然なんですね。来年、ロシアの大統領は変わる可能性大だと。

ジェームズ:と思います。ちなみに、ポスターのコピーは「エウゲニー・プリゴジン 強い指導者、要塞に隠れるヘタレではない」と書いてあります(笑)。このヘタレとはショイグ、ゲラシモフを指しています。さきほどクレムリン関係者から聞いた話ですが、ショイグはあと半年ほどの命運だ、そうです。

──失脚すると。

ジェームズ:失脚するのか、消されるのか。この間もロシアの教育省かなんかのトップが粛清で消されてます。キューバに出張している時に腹痛を訴えてそのまま死んだんです。

──怖い国ですね、相変わらず(苦笑)。

ジェームズ:いまプリゴジンがワグネルを使ってやっているのはウクライナ侵攻ではありません。ロシア国内の権力闘争を戦場で行っているのです。バフムトを占領した時も、プリゴジンは動画で声明を出しましたが、「ショイグ、ゲラシモフ! お前たちがグズグズしているうちにワグネルが今回バフムトを占領した。本来は我々の仕事ではない。官僚組織がグズグズしているから我々がやるしかなかったんだ」と煽るのですが、そのあとに、「ここでワグネルがお世話になった人たちに感謝を述べる」と言ってプーチンの名前を出したあとに「FSBに感謝」と言ったのです。ワグネルとFSB(ロシア連邦保安庁)の関係は既に見抜いていましたが、プリゴジン自ら暴露したのは衝撃的でした。

今秋にロシアが核兵器使用か!? 民間軍事会社ワグネルが北海道に侵攻、集団的自衛権発動不能に…?=ジェームズ斉藤の画像2
プーチン大統領とショイグ氏(画像は「Getty Images」より)
──だって、ワグネルってGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)系だと。

ジェームズ:そうです。私はずっとGRU系つまりロシア軍の諜報機関に通じる組織だと言ってきましたし、実際にそうなんですよ。たとえば、プリゴジンと共同でワグネルを立ち上げたドミトリー・ウトキンはGRUの特殊部隊出身で、ナチスドイツの親衛隊SSのタトゥーを彫っているゴリゴリのネオナチです(苦笑)。しかし、プーチンとのつながりを考えれば、FSBと裏で繋がっていることは一目瞭然(プーチンはFSB長官を歴任)ですので、わざわざ自分から言うことはまあしないだろうと思っていたんです。ところが、いきなりここでFSBの名前を出したということは完全にプーチン側であることを宣言したことになります。何しろFSBとGRUは血みどろの抗争を展開している最中ですから。プーチンもバフムト占領直後にプリゴジンとワグネルの兵士に対して勲章を与えています。これでバフムトの占領はプリゴジン及びワグネルの功績だとクレムリンが認めたことになります。いまロシアではプリゴジンの株が爆上がりです。逆にショイグの株が爆下がりです。

──こういうのを見るにつけ、ウクライナ戦争って何なんですかねぇ。ロシアはどこと戦っているんですかね?

ジェームズ:今回の戦争は私がずっと言っているように国内の権力闘争に端を発するもので戦争しながら粛清を行っているのがいまの実態です。そこで登場したのがプリゴジンで、彼はロシア軍に放たれた「トロイの木馬」で、プーチンのアジェンダを推進する人です。

 昔、ソ連の赤軍というのがあってそこに政治将校、コミッサールという人たちがいたんですけど、軍を監視するためのポストです。いまのロシア軍はコミッサールの制度はなくなったんですけど、FSBが常にロシア軍の中にスパイを送り込んで、軍の将校や兵士になりすまして監視しています。しかし、ショイグがとった対抗策は「GRUのFSB化」で、2012年に彼が国防大臣になって以来GRUが配下のチェチェン・マフィアを使い国内で暗殺工作ばかりやっていました。明らかにFSBに対するメッセージでした。つまりショイグをコントロールするにはFSBが放ったスパイだけでは無理だったので、今回、プリゴジンがショイグをコントロールする任務を担いました。今回のバフムト占領の功績をもって、ショイグとプリゴジンの権力闘争にある程度の目処はつきました。

──具体的にはどうなるんですか?

ジェームズ:前述のクレムリン関係者が言った様に「ショイグはあと半年しかない」ということです。しかもこの半年というのが絶妙なタイミングで、半年後というのは今年の秋ですよね。実は今年の秋ぐらいにウクライナの全面反撃が起こる可能性がいま高くなっています。というのも西側がウクライナ軍の空軍力を鍛えているところでして。

──F16ですね。

ジェームズ:そうです。米軍関係者の情報によるとアラバマだったと思いますが、ウクライナ兵が極秘に大量にやってきてF16の訓練を受けています。ウクライナ軍はソ連製のミグやスホイに乗ってきているので西側のF16を扱うには訓練が必要です。その訓練が当初は1年くらいかかると言われていたのが2~3カ月ぐらいで終わるかもしれないという情報があって、訓練を終えて実戦配備するまでトータルで見ると半年ぐらいに短縮されました。ですから、今年の秋ぐらいに空軍力を伴う全面反撃が開始される可能性がいま言われているのです。

──ロシア軍はそれで負けるということですか?

ジェームズ:大きく後退するでしょう。なにしろ、ロシア軍はいまになってもまだ空軍力を使っていません。そんな状態のまま、ウクライナ軍がF16を投入すればロシア軍は大敗するでしょう。たぶんクリミアも取られる可能性が出てきます。

──ロシア軍はそれで壊滅しませんか?

ジェームズ:どうなんですかねぇ。この辺がこの戦争のフェイクなところで、ロシアが空軍力を出さない意味ですよね。本気で勝ちたければ、最初から空軍力を使ってますよ。そもそも戦闘というのは制空権を握ったあとに地上軍を派遣するものですから。それを制空権を握ってもいないのに戦車を出したらドローンに狙い撃ちされるのは決まってますよ(苦笑)。

──ロシアは勝つ気がないんですかね?

ジェームズ:現状では戦場における勝利よりも大事なものがあるようです。それが粛清です。クリミアを取られた責任を取る形でショイグは失脚、粛清ということになる可能性が大です。

──粛清のための戦争ですか!?

ジェームズ:国内政治の精算をウクライナの戦争でしているという、凄い話です(笑)。ウクライナはただの舞台です。真のドラマはクレムリン内で展開されています。ドラマのタイトルは「大統領の陰謀(All the President’s Men)」で、監督、製作、脚本、主演は全てプーチンです(苦笑)。プリゴジンは特別ゲストで、ショイグなどはもはや脇役になっています。なお、1976年の同タイトルの映画はリチャード・ニクソン大統領のウォーターゲート事件をネタにしていますが、「クレムリン版」の方はスケールが断然違います。

──戦争が終わらないわけですね(苦笑)。

ジェームズ:一種のショー・ビジネスですから(笑)。ロシア国民は毎日の様に連続サスペンスをみさせられているので、プーチンの支持率は爆上がりです(苦笑)。同時にサステイナブル・ウォー(持続可能な戦争)なので、ロシアの軍産複合体の株も爆上がり状態です。そして、クリミアを奪回されたら、かねてから私が言っていたもう一つの危険なことが現実味を帯びてきます。

──核兵器の使用ですか……。

ジェームズ:はい。ショイグが粛清されると同時にプリゴジンの株が急騰するのでワグネルが正規軍化するでしょう。ワグネルは民間軍事会社のステイタスを保ったままロシア正規軍の武器を持ち出すようになります。そうなるとワグネルグループが核弾頭を持つ可能性がさらに高まります。ここで肝心なのは、もしもワグネルが核兵器を使用しても「ロシアは使っていない」と言い張れることです。

今秋にロシアが核兵器使用か!? 民間軍事会社ワグネルが北海道に侵攻、集団的自衛権発動不能に…?=ジェームズ斉藤の画像3
画像は「Getty Images」より
──いくら世界から非難されても、「知らない」と。

ジェームズ:言い張るでしょうね。しかも、先日、この話に真実味が増す話がありました。まず、バフムトを占領した時ですが、プリゴジンは声明の最後にこんなことを言ったんです。「最後に、ウクライナ軍よ、お前らは強い。ゼレンスキー大統領、お前の兵士はよく戦った。お前の兵士は世界で2番目に強い。ワグネルのあとに」と言ったんですよ。要は、ワグネルが1番でウクライナ軍が2番だったら「ロシア軍はどこなんだ?」ってことですよ。そして、バフムトから撤退したあとにもプリゴジンは声明を動画で出しましたが、そこで「第2の戦線を開く」と言っています。それがどこなのかはまだわかりませんが、「第2の戦線を開く」というのは民間軍事会社が本来言えることじゃないんですよ。

──いずれも自分たちがロシアの正規軍だと言わんばかりですね。

ジェームズ:ワグネルの事実上の正規軍化がもう始まっているのです。

 その前にワグネルが北海道侵略に使われる可能性もあります。民間軍事会社のワグネルが北海道に侵略してきたら、国家間の戦争における集団的自衛権を前提としている日米安保条約は発動されず、米軍は助けに来ません。自衛隊は理論上、軍法会議がないので有事の際に大量離職という形で「敵前逃亡」が可能となり、ワグネルが上陸した瞬間に退職届が殺到すると思います。そりゃそうでしょう。日頃パワハラやセクハラだらけの超絶ブラック職場なので元々士気が低く、ワグネルに捕まった場合は鉄ハンマーで頭を粉砕されたりナイフで首斬りをされるのです。そんな相手と戦うくらいであれば、「辞めた方がマシ」と思うのは自然です。その前に警察と自衛隊どちらが民間軍事会社のワグネルに対処するか揉めると思います。いずれにせよ、日本こそがプリゴジンの台頭を注視しなければならないのです。
https://tocana.jp/2023/06/post_251960_entry.html
2:777 :

2023/06/08 (Thu) 10:03:44

ロシア軍で囚人兵やウクライナ人兵はウクライナ軍の攻撃の「的」として使われている
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玉砕を覚悟したプーチン大統領が弾くソ連軍歌『カチューシャ』
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ペテルブルク大学の法学部教授になろうとしていたプーチンが政治家に転身した経緯
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プーチンはユダヤ人だった _「ロシアという国」の本当の姿をジェームズ斉藤が解説!
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/187.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1184.html

ウクライナ軍が勝つというのは欧米の大本営発表だった
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ジェームズ斉藤 : 「ウクライナ侵攻」の真実
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006468

ジェームズ斉藤 _ ロシア軍敗北は演出、プーチンの謀略で“欧州経済崩壊&NATO分裂”へ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14057646

ウクライナ紛争のその後
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006081

3:777 :

2023/06/08 (Thu) 12:28:25

【Front Japan 桜】 矢野義昭~ウクライナ本格「反攻」は本当か?[桜R5/6/8]
矢野義昭(元陸上自衛隊小平学校副校長陸将補)
https://www.youtube.com/watch?v=58FYF-iTy4E
4:777 :

2023/06/25 (Sun) 06:06:59

2023.06.25XML
孤立無縁のプリゴジン
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306250000/

 ベラルーシでの報道によると、同国のアレクサンドル・ルカシェンコ大統領と6月24日に話し合ったエフゲニー・プリゴジンはロシアにおけるワグナー・グループの行動を中止することに同意したという。ロシア軍は軍事蜂起した部隊に対し、手遅れになる前に降伏するよう呼びかけていた。

 ワグナー・グループ創設の背後にはロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めているウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将がいると言われ、今年5月4日からミハイル・ミジンチェフ上級大将がワグナー・グループの副司令官を務めている。ミジンチェフの副司令官就任は同グループ内に不穏な動きがあったからかもしれない。

 プリゴジンに従った兵士は限られているだろうが、それだけでなくロシア国内で彼らに同調する人がほとんどいない。つまり孤立無縁の状態で、ロシア軍の治安部隊が作戦を開始すれば短時間で制圧される可能性が高い。NATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」を利用した何らかの作戦があったのかもしれない。

 その一方、プリゴジンの蜂起はロシア国外に逃れているオリガルヒは支援を表明している。その代表格がミハイル・ホドルコフスキー。ソ連時代、彼はコムソモール(全ソ連邦レーニン共産主義青年同盟)の指導者だった。

 1989年にはロシアの「モデル」をニューヨークへ送るビジネスを始めたリチャード・ヒューズなる人物のため、ホドルコフスキーは出国ビザを手に入れている。彼にはKGB人脈があった。(Michael Gross “From Russia with Sex”, New York, August 10, 1998)その年に彼は銀行設立のライセンスを取得、メナテプ銀行を設立。後にCIAから「世界で最も腐敗した銀行のひとつ」と言われている。(The Village Voice, September 7, 1998)

 1995年には石油会社のユーコスを買収、中小の石油会社を呑み込んでいく。同時にモスクワ・タイムズやサンクトペテルブルグ・タイムズを出している会社の大株主になった。また西側の広告会社からアドバイスを受け、彼はジョージ・ソロスの「オープン・ソサエティ基金」をモデルにした「オープン・ロシア基金」を2002年9月にアメリカで創設、ヘンリー・キッシンジャーやジェイコブ・ロスチャイルド卿を雇い入れている。

 ユーコスは西側の銀行から数億ドルの融資を受けていたが、それ以外に強大な投資会社カーライル・グループからも資金を得ていたことが知られている。

 ホドルコフスキーが裏で手を握っていた相手はリチャード・チェイニーを含むアメリカの支配層で、ユーコスの発行済み株式のうち25から40%をアメリカの巨大石油会社であるエクソン・モービルとシェブロンへ売り渡そうとした。つまり、ロシアのエネルギー資源をアメリカが支配する仕組みを作り上げようとしていたのだ。(Natylie Baldwin & Kermit Heartsong, “Ukraine,“ Next Revelation Press, 2015)

 それに対し、 ウラジミル・プーチンはオリガルヒに対し、クレムリンに従うように命令、その要求を飲めない富豪はロンドンやイスラエルなどへ脱出した。ロシアに残ったオリガルヒはロシア政府に従うことを承諾したわけだが、ホドルコフスキーは例外で、国内にとどまりながらクレムリンと対決した。そして2003年10月、ロシアの石油資源をアメリカの会社に売り渡す直前、彼は逮捕された。恩赦で釈放され、国外へ脱出したのは2013年12月のことだ。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202306250000/
5:777 :

2023/08/25 (Fri) 00:36:42

プリゴジン暗殺とプーチンの思惑をジェームズ斉藤が解説! ロシアのアフリカ利権を巡り7月から不穏な動き
2023.08.24 21:30 文=中村カタブツ君
https://tocana.jp/2023/08/post_255387_entry.html

ジェームズ斉藤(以下、ジェームズ):23日にプリゴジンが暗殺されましたね。

──いや、びっくりしました! こんな早く消されるとは思いませんでした!

ジェームズ:私もです。プリゴジンの粛清路線は定まっていたものの、今回は環境整備が不十分なままで実施されたので、世界の意表をついた形になりました。ロシアは準備不足でも大それたことをやるので理解できますが、今回の事件は歴史に照らし合わせても例外と言えます。

 プリゴジン一行はプライベートジェットでモスクワからサンクトペテルブルクまで移動していたんですが、トゥヴェールで撃ち落とされました。現時点では、地対空ミサイルによる撃墜と判断しています。墜落の仕方も何らかのミサイル攻撃によるのものです。ジェットに乗っていたのはプリゴジンだけでなく、ウトキン、プリゴジンのボディガードのトップもいて、彼らはワグネルのトップ3人です。彼らが全員死亡したということはワグネルの組織の瓦解を意味します。

──犯人はプーチンなんですよね? やっぱり。

ジェームズ:ロシア国内での攻撃ですから他国の工作はほぼ考えられません。また、航空機を撃ち落とすとなるとロシア空軍の司令部のトップが了承しないとできないんですよ。で、プリゴジンが暗殺されたのが23日なのですが、その前日の22日にロシア航空宇宙軍の司令官スロヴィーキン将軍が突如、任を解かれたのです。彼はワグネルの関係者でプリゴジンの乱の時はプリゴジンと結託してクレムリンを落とそうとしました。反乱のあとは自宅に軟禁状態だったんですが、航空宇宙軍司令官のポストは解かれていなかったんですね。それが8月22日に突然、航空宇宙軍司令官のポストから解かれて大して有名でもない中将が代理司令官なっているんです。中将が司令官なんてそもそもおかしいんですよ。なぜなら空軍の副司令官は大将より上の階級の上級大将ですからね。それが中将の下になるなんて絶対にありえません。明らかにおかしな人事なので、私もX(旧Twitter)にツイートしていたんですが、なんとその翌日にプリゴジンの暗殺です。ですから、完全にプリゴジン暗殺のための一時的な人事ですよ。

──それにしてもなぜこのタイミングだったんですね。

ジェームズ:プーチンはプリゴジンの命を反乱のあとからずっと狙っていたのは間違いないと思いますが、このタイミングになったのはGRU(ロシア連邦軍参謀本部情報総局)がプーチン側についたためです。つまり、ワグネルはやり過ぎたんです。

──何をやりすぎたんですか?

ジェームズ:アフリカの利権を独り占めにし過ぎたんです。少し前にアフリカはいまワグネルランド化しているという記事を出したじゃないですか。しかし、GRUにすれば、もともとアフリカの利権は俺たちのものだと思っていたわけですね。なのに傭兵部隊がなにを勝手なことをしているんだということでGRUが離れてしまったようです。

──アフリカ利権がきっかけだったと。

ジェームズ:振り返ってみると7月末に行われたロシア=アフリカ会議にその兆候はあったんですね。あの会議にプリゴジンは参加していたという話は前にしましたが、本会議には出席せずに、控室でアフリカの首脳たちと写真を撮ったりしていたんですよ。一方、本会議に参加していたプーチンの横にはアンドレイ・アヴェリャノフ将軍というGRUの特殊作戦部長がついていたんですよ。彼はこれまでも暗殺工作などを指揮してきた人ですから、あの時点でプーチンとGRUはすでに接近していたんですね。


──しかし、プリゴジンもその場にいたわけですから「あれ? GRUはプーチンについたのか?」とか、思わなかったんですかね?

ジェームズ:思わせるような素振りはしませんでした。もしも、少しでも疑っていれば、プリゴジンはワグネルのトップ3人を同じ飛行機に乗せることはしなかったでしょう。今回のプーチンの勝利はトップ3を一気に葬り去ることができたためです。そのためにワグネルは崩壊状態になってしまったわけですから。また、プーチンの評価ですが、この暗殺によってロシア国内では爆上がりしています。「裏切り者は必ず消す」と言っていたのを実行したわけですからね。正真正銘の「有言実行」です(苦笑)。それにプライベートジェットに乗ってる時に殺したことはオリガルヒ(1990年代に急速に富を蓄積したソビエト連邦構成共和国の大富裕層)へのメッセージになっています。なにしろ、ロシアでプライベートジェットを使うのはオリガルヒだけですから、いつでも撃ち落とせると言っているわけです。

──凄い工作だったんですね。

ジェームズ:電撃工作でした。しかも完全に隠密で、これぞロシアの諜報機関の本領だと確信しました。

──ただ、ウクライナ戦争はどうなるんですか? ワグネルを失ったら戦えないんじゃないですか?

ジェームズ:すでにプーチンはクリミアに新しい民間軍事会社を作っています。アルカディー・ローテンブルグ(サンクトペテルブルク出身ユダヤマフィア)というオリガルヒが金を出しています。彼はプーチンと同胞でワグネルの初期の出資者でもあります。

──では、もうワグネルの代わりはあると。

ジェームズ:この民間軍事会社にワグネルの元傭兵を吸収してもいいわけです。ただ、ワグネル兵士の中には反プーチン分子も残っています。彼らワグネルの残留部隊による第二の正義の行進、つまりクーデターが予定されているといわれています。ただし、実際に起こるかは不明です。計画自体はありますが。

 クーデターよりも現実的なのがプリゴジンの遺した「プランB」です。プリゴジンは自分が暗殺された時の計画を自分の護衛部隊に共有していたようで、プリゴジン暗殺直後、護衛部隊はプリゴジンのオフィスに侵入してすべての電子機器と文書を回収して姿を消しています。文書にはプーチン個人に対する機密情報が記されているといわれています。


──機密情報ってどんな情報なんですか?

ジェームズ:プーチンのペド関連の情報だと言われています。もう一つは今回のウクライナ戦争の裏事情についても暴露する用意があるようです。

──ちょっと弱くないですか、衝撃として。ペド関連の情報で政治生命を絶てるんですか?

ジェームズ:いえ、ペドはかなり重要です。プーチンの人気の根源は力強さであって、力強さの根源はロシア正教の教義上における「ツァーリ(皇帝)」、つまり「神の代理人」として君臨しているためです。それがペドというのはプーチンのすべてを否定することになります。なぜなら、ペドは◎◎◎人しかやらない、サタニズムだからです。

──「ペドは◎◎◎人しかやらない」う~ん、これはかなりヤバい話になりそうですね(苦笑)。

ジェームズ:はい。これ以上言うと『TOCANA』に迷惑がかかると思います。某団体からボイコットを受け、社会的制裁を受けます。

──わかりました。 続きはメルマガでやりましょう! いずれにせよ、プリゴジン暗殺でプーチン体制は一応固まったんですね。

ジェームズ:以前よりは固まりましたね。持ち直した、と言うのが適切です。ただし、まだ火種は残っているということです。特に、GRUの野望が抑えられていないことは深刻な事態です。続きの話を楽しみにしてください。

https://tocana.jp/2023/08/post_255387_entry.html
6:777 :

2023/08/25 (Fri) 00:57:04

2023.08.25XML
ロシアで墜落したプライベート・ジェットの搭乗員名簿にワグナーG経営者の名前
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308250000/

 ​モスクワからサンクトペテルブルグに向かっていたワグナー・グループのエフゲニー・プリゴジンが所有するエンブラエル・レガシー600がトベリ州で墜落​、乗っていた10名が死亡したとされている。搭乗者名簿にはプリゴジンの名前も記載されていたという。墜落の様子を撮影した映像によると、翼の大半が失われているようだ。

 NATOの軍事演習「エア・ディフェンダー23」が終了した6月23日にプリゴジンは「反乱」騒動を引き起こしている。ロシアの連邦保安庁(FSB)は武装反乱の呼びかけ容疑でプリゴジンの捜査を開始、ウラジミル・プーチン大統領は「武装反乱」は反逆であると述べ、ロシア軍に対して武器を取った者は誰でも処罰されると約束している。

 ところが、24日の午後にはロシアにおけるワグナー・グループの行動を中止することでベラルーシのアレクサンドル・ルカシェンコ大統領とプリゴジンが合意し、ロシア政府はワーグナー・グループの幹部に対する訴追を取り下げると発表した。奇妙な決着だ。

 ワグナー・グループは創設される際、ロシア軍参謀本部の第1副本部長を務めているウラジーミル・ステパノビッチ・アレクセーエフ中将が背後にいたと言われている。しかも今年5月4日からミハイル・ミジンチェフ上級大将が副司令官を務め、セルゲイ・スロビキン上級大将も関係していた。

 プリゴジンと同じようにロシア軍第58統合軍を指揮していたイワン・ポポフ少将もセルゲイ・ショイグ国防相やワレリー・ゲラシモフ参謀総長を批判、解任されたと噂されていたが、実際はシリアに派遣され、ロシア軍の軍事作戦を指揮しているという。ロシア軍の内部で混乱があるような話が流れたのだが、処罰されたという話は出て来ない。

 6月23日の「反乱」にはいくつかの見方がある。その中にはプリゴジンによる「広報活動」だというもの、あるいはアメリカ/NATOを混乱させるための「マスキロフカ」、つまり欺瞞作戦を行なっているのではないかというものが含まれる。

 今回の墜落にもいくつかの説がある。例えば「反乱」の責任者として殺されたという説があるのだが、ウラジミル・プーチン大統領はプライベート・ジェットが墜落した時、​「クルスクの戦い80周年記念式典」に出席していた​。プリゴジンを処分するなら早い段階にチャンスはあったわけで、このタイミングで処分するとは考えにくい。

 別の説は、プライベート・ジェットは遠隔操作されていて、誰も乗っていなかったというもの。ニジェールでフランスの傀儡政権がクーデターで倒された後、クーデターを実行したリーダーのひとりで国土防衛国民評議会の副議長を務めているサリフー・ムーディー師団将軍はマリを訪れた際にワグナー・グループのエフゲニー・プリゴジンと会っている。同グループの支援を要請したのだが、ロシア側は慎重だった。その後、クーデター指導部はアメリカへ接近していると伝えられている。

 勿論、外国の機関による破壊工作だった可能性も否定できない。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/202308250000/
7:777 :

2023/08/25 (Fri) 12:52:36

プリゴジン、ロシアに撃墜されたか あっけない最後
2023.08.25
https://www.thutmosev.com/archives/293375gj.html

2006年ブッシュ・プーチン大統領をレストランに迎えたプリゴジン。まだワグネルは存在しない


https://theintercept.com/2023/03/02/yevgeny-prigozhin-hacked-resume/

関連動画が記事下にあります

プリゴジン撃墜

ロシアの民間軍事会社ワグネルの創始者で指導者だったエフゲニー・プリゴジン(62)は23年8月23日、ワグネルが所有するプライベートジェット機「エンブレアル・レガシー」が墜落して死亡した

場所はモスクワの北西約300キロのトヴェリ州クジェンキノ村近くで、プリゴジンに親しいワグネル関係者ら乗客乗員10人の全員がなくなった

ワグネル系テレグラムチャンネル「グレイ・ゾーン」は住民は2回爆発音を聞き水蒸気の筋が2本伸びるのを目撃し、ロシア軍が撃墜したと報じた

また墜落時は2機が飛行し、プリゴジンが所有する別のプライベートジェット機はモスクワ州内に無事に着陸したとしている

飛行データによると墜落30分前にモスクワを離陸しワグネル拠点があるサンクトペテルブルクといういつものコースを飛行し直前には高度8500メートルを飛行していた

墜落時を撮影したとされるスマホ映像がロシア国営テレビによって公開されたが、高高度からきりもみ状態で垂直に落下していた

高高度で操縦不能になるような事態が発生したが映像では落ちてきたのは機体だけなので、ミサイルで撃墜されてはいないと思われます

だが戦闘機による機銃掃射でそのように墜落させることは可能で、なぜか映像の音声が消されていたのは不都合な音が録音されていたのを連想させる

機体に小型の爆弾をしかけてもそのような状態になるし、モスクワの飛行場に駐機していたならロシア政府にはそのチャンスはいくらでもあった

墜落機にはワグネル共同創始者で司令官ドミトリー・ウトキン、プリゴジンの親友ヴァレリー・チェカロフ、4人のワグネル関係者やプリゴジンの警備担当者が同乗していた

最初のビジネスはホットドッグ屋
これほどのメンバーが揃ってモスクワに出向いたのはプーチンに呼び出されたからに違いなく、その帰りにプーチンの指示で消されたと考えられる

最近プリゴジンはアフリカで撮影したとする動画を公開していて、イスラム国(IS)やアルカイダなどと戦いロシアをもっと大きくすると語っていた

ワグネルはアフリカで数千人の戦闘員を抱えていて活動資金もアフリカの各政府から得られるし反政府組織を制圧する需要が大きかった

ワグネルはウクライナでの活動が目立ったがそれまではアフリカの政情不安定な国で独裁政権などに協力し、ロシアの代理人のような軍事行動をしていた

プリゴジンは1989年から90年まで刑務所で過ごした後ホットドックチェーンを始め、「数えきれないほどの金が集まった」と述べている

当時ロシアではマクドナルドが大ブームになったり、アメリカ風の食べ物を望む人が多かったのでホットドック販売は大当りした

次のビジネスはサンクトペテルブルクで最初の食料品チェーン「コントラスト」の共同経営で、次にサンクトペテルブルクに最初のカジノを建てた

1995年にレストラン事業を始め1997年に水上レストランを開業、このレストランは大当たりしシラク仏大統領、ブッシュ米大統領、のちにプーチン大統領も訪れ誕生日を祝った

プーチンが来店した2003年までにプリゴジンは警察から逮捕されない特別な権利を手にし、そこからプリゴジンの新たな活動が始まった

プリゴジンのコンコルド・ケータリングはロシア軍に食事を提供する年間12億ドルの契約を結ぶなど政府と結びついて巨額の利益を挙げるようになった

2012年にサンクトペテルブルクに引っ越し、専用のヘリ着陸場と自家用ジェットと自家用ヨット、複数の高級車などを保有していた

ワグネルが創設されたのは親ロシア派がウクライナ東部を占拠した2014年で、主にアフリカでロシア軍が表立ってやり難いような非合法活動をしていた

墜落するエンブラエル


https://www.bbc.com/japanese/video-66601808
ワグネルの乱の誤算
ウクライナにワグネルが初めて登場したのは22年3月頃で、英国防省がウクライナ東部でシリアで採用したワグネルの兵士が非人道的行為をしていると発表している

22年8月にワグネルはロシア軍が占領した地域で、住民を弾圧したり西部のブチャなどで様々な犯罪行為をしたと報告されている

22年11月にはワグネルが最前線に立ち東部バフムートで連日歩兵による突撃作戦を実施し、この頃からロシア軍に批判的な言動が目立ち始めた

バフムートで連日両軍数百人が負傷する激戦を半年以上繰り返し、22年5月にはワグネルとロシア軍の対立が深刻化し一方的な撤退を発表した事があった

5月9日のソ連戦勝記念日から5月21日のG7広島サミット(ゼレンスキー大統領出席)までバフムートは陥落し、ワグネルは退却したがクーデターはその後で起きた

2023年6月23日にプリゴジンは正義の行進を宣言し2手に分かれてモスクワへの行進を開始、プリゴジンの部隊は後方のロストフ・ナ・ドヌを占領した

2手に別れた前進部隊はモスクワまで200キロほどに迫ったがそこでロシア軍の攻撃ヘリや戦闘機に防止され、ワグネルは対空ミサイルを持っていなかったのでそこで停止した

この後ベラルーシのルカシェンコ大統領がプリゴジンを説得し、安全を保障するとしてワグネルとプリゴジンは拠点をベラルーシに移すと発表した

傍から見ていても見え透いた嘘でプーチンが反乱者の「安全」を保障するとは考えられなかったが、ちょうど2か月後の8月23日にプリゴジンが乗る航空機が墜落しなくなった

侵攻開始以来ロシアではプーチンに不都合な人物40人以上が「ベランダから落ちた」ような理由でなくなり、外国に亡命中に襲撃された人も居た

アメリカ政府などはプーチンが撃墜を指示したのは間違いないと分析していて、おそらくそうなのだろうと思います

ワグネルの乱の誤算はロシア軍からクーデター参加部隊がでなかった事で、おそらくプリゴジンは戦争への不満から続々と反乱に参加すると予想したのではないだろうか

動画:1週間ほど前と思われる最後の本人による投稿。このあとプーチンに呼び出されてモスクワに行った
https://www.youtube.com/watch?v=Jgpuxs3JoeE

https://www.thutmosev.com/archives/293375gj.html
8:777 :

2023/08/27 (Sun) 18:15:44

2023年08月27日
プリゴジンの死亡と暗殺の真相
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68940188.html

プリゴジンは本当に死んだのか?

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(左 : エフゲニー・プリゴジン / 右 : 墜落したプライベート・ジェット機)

 8月23日、ロシアの傭兵会社「ワグネル」を率いるエフゲニー・プリゴジン(Yevgeny Prigozhin)が、自家用ジェット機に搭乗し、モスクワからサンクト・ペテルブルクに向かう途中、機内で爆発が起こり、そのまま墜落・死亡したという。クジェンキノ村附近で大破した搭乗機、「エンブレアル・レガシー(Embraer Legacy)」の乗客名簿には、プリゴジン氏の名前があったそうで、ロシア連邦航空局は、「ワグネル」の共同創設者ドミトリー・ウトキン(Dmitry Utkin)氏に加え、セルゲイ・プロパスティン、エフゲニー・マカリャン、アレクサンドル・トトミン、ヴァレリー・チェカロフ、ニコライ・マツセイェフらも一緒に死亡したと発表した。('Wagner chief Yevgeny Prigozhin presumed dead after Russia plane crash’, BBC News, 24 August 2023.)

  このニュースは直ぐ日本にも伝えられ、当初は「地対空ミサイルによって撃墜された」との憶測も流れていた。しかし、墜落の模様を撮影した映像によれば、やはり機内に爆弾か何かが仕掛けられ、それが爆発した事によって墜落した、と考える方が自然である。これは明らかに謀殺で、誰かの策略と推測する方が普通だ。

  では、いったい「誰」が今回の「暗殺」を仕組んだのか? そして、暗殺の「目的」とは何だったのか? 歐米の主流メディアに盲従する日本のマスコミは、「プーチン大統領による殺人だ!」と判断した。しかし、本当にプーチン政権による暗殺だったのか? なるほど、プリゴジンはロシア国防省に不満をぶちまけ、6月23日にロシア南西部にあるロストフ・ナ・ドヌを占拠した。しかも、彼はロシア軍の幹部を罵倒し、ワグネルの部隊をロシアに向けて進軍させたから、“叛逆者”と呼ばれても当然だ。自体を深刻に受け止めたプーチン大統領は、直ちに異例の緊急演説を行い、「我が国の背後を刺す裏切り行為だ! 厳罰に処す!」と表明した。

  こうした経緯を思い出せば、一般国民は「プーチンに殺されたんだなぁ~」と思ってしまうだろう。なるほど、“叛逆”に遭ったプーチンが、プリゴジンを抹殺する動機は充分にある。しかし、本当にプーチンが出した暗殺命令による殺害だったのか? そして、実際にプリゴジン達は丸焦げになったのか?

  プリゴジンの「死亡」に関しては様々な“憶測”が飛び交っている。「墜落の一件は偽装工作で、プリゴジンは生きているんじゃないか?」と疑う者もいるし、「何らかの理由で姿を消す必要があったから、ジェット機の墜落を仕組んだのかも?」と考える人も出てきた。こうした推測を述べる人は、単なる素人だけじゃなく、国際政治やロシア専門家の中にも見出される。

  例えば、ロンドンの王立国際問題研究所、有名な「チャタム・ハウス(Chatham House)」で上級研究員を務めるキーア・ジャイルズ(Keir Giles)もプリゴジンの「死亡説」には懐疑的で、搭乗者の名簿にプリゴジンの名前が記されていたとはいえ、それが本人とは限らないと述べていた。というのも、プリゴジンはしばしば、所在地や移動先を曖昧にするため、わざと別人が彼の名を記載していたからだ。つまり、複数の人が彼の名前を騙り、移動経路を知られぬよう複雑にしていたそうだ。(Andrew Roth,‘Is Yevgeny Prigozhin really dead? Not everyone is convinced,’ The Guardian, 24 August 2023.)

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(左 : キーア・ジャイルズ / 中央 : アンドレイ・ソルデトフ / 右 : アレクセイ・ヴェネディコトフ )

  ロシアの諜報組織に詳しいジャーナリストのアンドレイ・ソルデトフ(Andrei Soldatov)氏も、プリゴジンの死亡説には懐疑的で、生存の可能性を仄めかしている。実際、彼と同じく、「生存説」を信じている人も少なくない。なぜなら、2019年にプリゴジンの「死亡」が報じられたことがあるからだ。誤報によると、彼がAN-72輸送機に乗っていた時、搭乗機がコンゴ民主共和国で墜落したそうで、プリゴジンは「死亡した」と思われていた。「Echo of Moscow」というラジオ局を運営するアレクセイ・ヴェネディコトフ(Alexey Venedikotov)氏も、「プリゴジンは生きているんじゃないか?」と疑っている一人である。彼は墜落したジェット機と一緒に飛行していた二番機にプリゴジンが乗っていたのかも、と推測している。

プリゴジンとプーチンによる「猿芝居」?

  そもそも、プリゴジンとプーチンは“敵対関係”にあったのか? ロシアの政治に詳しい瀧澤一郎・元防衛大学教授は、六月の“反乱”を「抗議デモ」と分析している。当初、日本のマスコミは「反プーチンを掲げたワグネルによる内乱」と騒ぎ立てたが、二、三日すると真相が明らかとなり、報道のトーンが下がってしまった。頭目のプリゴジンは「デモであったが、内乱ではなかった」と述べていたから、瀧澤氏も「これが本音だろう」と判断している。(瀧澤一郎「プリゴジンの反乱は三方よしの猿芝居」、『月刊HANADA』10月号、p.105.)」

  また、瀧澤氏によると、プリゴジンの「抗議デモ」はプーチンの許容範囲で、国防省に対する「不満の表明」くらいであったという。もし、本気の「叛乱」あるいは「クーデタ」なら、首謀者のプリゴジンは、とっくに処刑されているはずで、瀧澤氏によれば、ベラルーシ大統領のルカシェンコへ“身柄預かり”程度では済まないそうだ。(上掲記事、p.106.) 瀧澤氏はプーチンとプリゴジンによる「内政混乱劇」という可能性も示している。つまり、プーチンはプリゴジンとの緊密な関係を隠蔽したかった、あるいは、政権の内紛を演出して敵側の油断を誘うつもりだった、というのだ。何しろ、プーチンはFSBやSVRといった諜報機関の出身である。謀略のプロなら、どんな「偽情報工作」だって思いつく。

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(左 : 「ワグナー」の首領を務めるプリゴジン / 右 : 「反乱軍」となったワグネルの部隊)

  日本のテレビ局に出てくるロシア専門家とか大学教授は、呆れるほど単純で、プーチン大統領による「暗殺」しか考えない。ロシア社会は複雑怪奇で、政治を動かすオルガルヒや冷酷無残なロシアン・マフィアがいるし、国際政治で儲ける武器商人に加え、世界中で戦争を請け負う傭兵会社などが平然と跋扈している。瀆職や戦争で儲けるプリゴジンなら、色々な人から恨みを買っても不思議じゃないし、取引相手からの裏切りだってあるだろう。ヤクザと同じく、彼は常に暗殺の危機にさ晒されているし、それを自覚しているはずだ。プリゴジンを抹殺しようとする者は、何もプーチンだけじゃない。

  まぁ、情報弱者の一般人は、無料放送の地上波テレビしか観ないから、お花畑の解説を容易に信じる。小泉悠や慶應大学の廣瀬陽子、元東部方面総監の渡部悦和が偉そうに解説するコメントで満足するんだから、どの程度の“頭”なのかが判るだろう。テレビ局の制作者は裏で視聴者を小馬鹿にし、「一般人なんて中二程度さ!」と笑っていた。しかし、「皆様のNHK」と称するNHKはもっと悪質だった。池上彰がNHKにいた時、「週刊こどもニュース」を担当していたが、あれは小学生じゃなく、子供と一緒に番組を観ている母親がターゲットであった。NHKは民放よりも酷く、視聴者を“小学生扱い”にしていたのだ。

  一般的に我が国の庶民は、平和な暮らしで一生を終える。大半が常識的で善良だ。マトモな国民なら、極悪非道の世界には縁が無い。それゆえ、「謀略」とか「詐欺」には疎く、巧妙な暗殺となったらチンプンカンプン。一般国民は傭兵軍団を率いるプリゴジンについては、ほとんど知らないし、興味も無い。

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(左 : プーチン大統領に仕えるプリゴジン / 右 : ジョージ・W・ブッシュ大統領を迎えたときのプーチン大統領とプリゴジン )

  このエフゲニー・プリゴジンは1961年生まれで、ユダヤ人の父親を持つ。だが、この実父はプリゴジンが10歳の時に他界し、エウゲニー少年はユダヤ人の養父に引き取られた。(‘Who are you, Yevgeny Prigozhin? Wagner Group's powerful Jewish leader,’ Ynet News , June24, 2023.)ところが、人相を見ても判る通り、エフゲニーは子供の頃から悪ガキだった。初犯は18歳の時で、盗みを犯して有罪となる。ただし、執行猶予附きの判決であったから、それほど厳しくはない。

  しかし、二年後、プリゴジンは詐欺と強盗の廉で再び有罪となり、今度は12年の刑を宣告されて塀の中へ。そして、九年後の1990年、彼はシャバに出る。塀の外に放り出されたプリゴジンはホット・ドッグ屋を始め、次第にレストラン・ビジネスに食指を伸ばす。この前科者はサンクト・ペテルブルクで高級レストランを開き、富裕層や有名人を顧客にした。ここにプーチンも含まれていた。プリゴジンはケータリング・ビジネスを通してクレムリンへ潜り込み、やがてプーチンの信頼を得るようになる。プーチン大統領ばかりではなく、外国の首脳に対しても料理を提供するようになったプリゴジンは、やがて「プーチンの料理人」と呼ばれるようになった。


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(左 / ドミトリー・ウトキン)
  日本ではプリゴジンがワグネル・グループの総帥と評され、この民間軍事会社(PMC)を創設した人物と思われているが、実際は傘下に収めた会社への就任だった。「ワグネル」の発祥は明らかではないが、一応、2013年頃に出来た「スラブ軍団(Slavonic Corps)」というのが母体となっている。社名となった「ワグネル(Wagner)」は、ドミトリー・ウトキンが軍にいた頃のコード・ネームで、彼はナチスの信奉者であったから、リヒャルト・ワグナーに因んで附けたらしい。ちなみに、ナチス・ファンのウトキンは、体に「帝國の鷲」や「SS」の刺青を彫っていたそうだ。

  ウトキンは元々、諜報畑所属のロシア軍中佐で、特殊部隊「スペツナズ(Spetznaz)」のメンバーであった。プリゴジンにはスキー選手としての経歴は有るが、軍人の経歴は無い。したがって、「ワグネル」の隊員を集め、兵隊の訓練や指導を行うのはウトキンの役目で、プリゴジンは武器の調達や資金の運用を担当していた。おそらく、プリゴジンには軍隊を指揮する才能は無かったと思うが、政治的感覚は鋭く、利益となれば躊躇なく人を殺せる度胸と器量を持っていたので、パルチザン的部隊を必要とするプーチンにとっては便利な側近であったらしい。しかも、プリゴジンには忠誠心がある。表に出せない暗殺や軍事作戦といった非合法活動を任せるには、“うってつけの人物”であった。

  ロシアの公式見解では、プリゴジンやウトキンはプライベート・ジェットの墜落により「死亡」となっている。だが、DNA鑑定で確認されるまでは本当に死んだのかどうか判らない。黒焦げになった残骸からは、プリゴジンの携帯電話が発見されたというが、この遺品を以て本人の搭乗があったとは断言できず、“偽装工作”という可能性もある。また、この墜落事件はロシア国内で起こり、遺体の確認作業もロシア政府となるから、たとえDNA鑑定で“遺体の確認”がなされても、本当に「プリゴジンの遺体」なのかどうか、素直に信じることはできない。もし、この「墜落事件」が最初からプーチンとプリゴジンによる“演劇”であれば、本人確認の報告だって“捏造”ということも有り得る。

  たぶん、90%くらいの確率でプリゴジン達は死んでいるのだろう。だが、残りの10%で自由に考えたい。彼が何らかの目的で「地下へ潜伏した」ということも考えられるので、現在のところ、偽装工作という線も捨てきれない。アメリカのCIA やブリテンのMI6、フランスのDGSEに属する諜報員なら、事故死を装って永遠に姿をくらますことも理解できよう。自分の葬式を企画することで、安全な生活を確保することもある。プリゴジンのような“ワル”だとやりかねない。悪党というのは、いつも用心深く、常に暗殺を意識している。あの狡猾なプリゴジンが、素直に乗客リストへ自分の名前を記載し、身を預ける飛行機に乗り込むというのは、ちょっと想像できない。案外、CIAもロシア政府の発表を疑い、プリゴジンの生存を信じているのかも知れないぞ。
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