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【トンデモ】日本のメディアを支配する“フランクフルト学派”の恐怖

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2023/06/02 (Fri) 19:00:59

【トンデモ】日本のメディアを支配する“フランクフルト学派”の恐怖

つくる会元会長・田中英道氏は、「日本のメディアを支配する“隠れマルクス主義”フランクフルト学派とは」(『正論』373号, 2003.8)のなかで、そのタイトルの通り、フランクフルト学派陰謀説を主張しています。

このフランクフルト学派とは、Wikipediaによれば「マルクス主義を進化させ、これにヘーゲルの弁証法とフロイトの精神分析理論の融合を試みた、批判理論によって啓蒙主義を批判する社会理論や哲学を研究したグループ」という、なんだかよく解らない左翼系の集団なのですが、戦前・戦中にこの学派の人がコミンテルン関係者であったり、OSS(戦略諜報局、現在のCIAに相当)の関係者であったりしたため、しばしば諜報や謀略の背景として取り上げられることがあります。

もちろんこのような歴史的背景がありますから、「コミンテルンのスパイの一人がフランクフルト学派にかつて属していた」とか語るなら全く問題ありません。ただそれだけの話です。しかし陰謀論者である田中氏が語り出すと、ともかく話が大きくなる。なんと「日本のメディアを支配する“隠れマルクス主義”フランクフルト学派」というのですから驚きです。

私怨からフランクフルト学派陰謀論への展開

ところで、西洋美術史が専門のはずの田中氏が、どうしてフランクフルト学派陰謀論を思いつくことができたのでしょうか? 実はその経緯が論文冒頭に説かれているのですが、本当にこれが酷い。

まず、田中氏がベルリン大学から「日本の歴史学」の講師として招聘されていたにもかかわらず、「つくる会」の会長だったということで、土壇場で断られてしまうエピソードから始まります。

ところがこの招聘は撤回されてしまった。それは私が「つくる会」の会長をしているから、という理由であった。……
私はこの撤回が、およそ天下のベルリン大学たるものにふさわしくない、と思ったが、未だこの大学には、東ドイツのマルキストが残っているようで、それを気にしたのだな、とその時は考えた。

断られた途端、マルキスト陰謀論ですか (;゚Д゚)

この田中氏の想像力にも驚かされますが、そもそも「つくる会」は歴史修正主義者の集団です。よってホロコースト否定論などの歴史修正主義が禁止されているドイツにしてみれば、「つくる会」会長の田中氏を招聘して歴史を語らせることなど、思想の左右を問わず避けたいのは当然でしょう。

さらに田中氏の想像力は加速し、フランクフルト学派陰謀論が爆誕します。

日本の歴史学講義の依頼の撤回が、単に教授一人の臆病さだけによるものでないことがわかった。というのも、私の日本の文化史講義が、もともとフランクフルト大学の教授がやるはずであり、それが断られたので、私の方にお鉢が回って来た、という経緯があったらしい。その教授の代わりに私を招くということが知られた途端に、反対の声があがったというのだ。その教授が猛反対したばかりでなく、その声が大学理事会において多数を占め、私の講義は中止になった、という。……


その教授のいるフランクフルト大学の名で思い起こされたのが、フランクフルト学派のことであった。マルクス主義学派の牙城である。その教授がどのような思想の持ち主か直接知らなかったが、この学派の影響がドイツでは強いことは知っていた。

ナニヲイッテイルンダ???

と大多数の人は思われるでしょうが、ごもっとも。全く非論理的な想像力からフランクフルト学派陰謀論が導かれているのは明瞭でしょう。まず田中氏の主観的思い込みを除いた状況をまとめると、

1. 田中氏が依頼を受けた「日本の歴史学」の講義は、もともとフランクフルト大学の某教授が担当するはずであった。しかし何らかの理由でそのフランクフルト大学の某教授はその講義が持てなくなり、結果、田中氏に講義の依頼がまわってきた。

2. しかし、田中氏招聘を知ったフランクフルト大学の某教授は、田中氏が「つくる会」会長であることを理由に、これに猛烈に反対した。その後、大学理事会も招聘の中止を決議した。

という事件が起こっただけなのです。にもかかわらず田中氏の主観が入ると、単に招聘に反対した教授がフランクフルト大学所属であったというだけで「今回の招聘中止の背景には、隠れマルクス主義者であるフランクフルト学派の強い影響がドイツに残っていたから」という陰謀論になってしまうのです。

フランクフルト学派の雑な定義

フランクフルト大学の教授から講義招聘の反対を受けただけで、フランクフルト学派の陰謀に気が付いてしまうほど鋭い田中氏の直感には感服せざるを得ません。

もちろんフランクフルト学派の関係者が、アメリカ政府内にいたというだけで、日本国憲法はフランクフルト学派の影響を受けていると断言されます。


アメリカに移ったフランクフルト学派の影響がそれより古くアメリカ政府のなかにも入り込んでおり、それが既に日本の戦後の憲法制作にも影響を与えている、というのだから、問題はかなり深刻である。

さらに今日におけるフランクフルト学派の概要をつぎのようにザックリ説明して、新左翼はすべてフランクフルト学派の亜種であると断言します。

だいたい全共闘世代や団塊の世代に植え付けられたムード的な左翼思想を思い起こせばいい(それこそがこの思想の恐ろしいとこともいえる。その学派の名前など知らなくても、秘儀めいた革命思想なのである。日本でも何やら新しいマルクス主義を難解な言葉で語る新左翼はみなこれの亜流である)。


つまり、たとえその人がフランクフルト学派の名前を知らなくても、田中氏に左翼リベラルだと認定されれば、その人はフランクフルト学派の一味になるようです。こんな適当な定義で思想を語っていいのか不安になるレベルですが、保守論壇とはこんな曖昧で適当な言説をしても赦される世界なのです。

気に入らない奴はみんなフランクフルト学派

このように「田中氏が左翼認定すれば、その人はフランクフルト学派の関係者」という滅茶苦茶適当な定義は、当然、田中氏の敵すべてが左翼であり、フランクフルト学派によって影響を受けているという妄想に昇華します。

現代文化が左翼リベラルに握られ、その言語についていけない保守派は何も発言出来ないからである。美術、演劇、文学、音楽、バレエから、映画、写真、教育、メディアまで彼らの手中に収められている、といってよい。NHKの多くの文化番組も、新聞の文化欄もほぼ彼らによって支配されている。


ここまで妄想がスゴイと逆に心配になります。そしてこの妄想は、とうとう次のように帰結します。

現在のところこの『正論』や『諸君!」などの雑誌以外の商業雑誌はほぼ隠れフランクフルト学派に支配されているように見える。

……。まぁ「見える」のをとめることはできませんが…。おそらく当時(2003年頃)は「つくる会」への非難が激しかったので、被害者妄想に陥ってしまい、このような精神状態を発露してしまったのでしょう。左翼・リベラルと認定されてしまった皆さんは、田中氏をただただ非難するのではなく、温かい眼差しで優しく諭してあげる必要があると思います。

また田中氏は(実際には存在しない)フランクフルト学派の人格攻撃も忘れてはいません。


そして現在、この思想が、テロリズムを肯定するインテリの思想を支えていると、と言ってよい。二度のイラク戦争のことででもたびたびジャーナリズムに登場するチョムスキー、サイード、ソンターくなどアメリカの学者は、大きな意味でフランクフルト学派の中にいるといってよい。ニューヨークの九・一一テロを見てひそかに喝采し、隔離で頻繁に起こるテロを共感して見ている人々の中に巣くう思想を支えているのが、この学派である。

テロに共感したらフランクフルト学派認定とは滅茶苦茶にも程がある言い掛かりで、開いた口もふさがりません。
2:777 :

2023/06/02 (Fri) 19:53:54

社会崩壊を企む恐ろしき「フランクフルト学派」?

つくる会元会長の田中英道氏は、フランクフルト大学の教員の忠言によって講義が中止させられただけで、フランクフルト学派の陰謀説を唱えてしまうトンデモ論者として知られます。

この様な田中氏の言説は、一旦、陰謀論に嵌ってしまうと、何でもかんでも陰謀のせいにしてしまう典型例でしょう。

そして、このような陰謀論は、「宇宙人の仕業」と同じで、実際には存在しない敵と戦っているため、その敵から反論が出ようはずもなく、ご本人が「誤りだった」と気が付くまで生き残り続けます。

しかし、こんな人が歴史教科書をつくっていたとは…

社会崩壊を企む恐ろしき「フランクフルト学派」:田中英道論文要約 というのがありました。

”フランクフルト学派の批判理論、隠れマルクス主義の恐ろしさ

リベラルとは、偽装された左翼。リベラルの武器は批判理論(非暴力革命理論)、その正体は暴力革命をあきらめたに過ぎない革命家。経済破壊から文化破壊へ、内部からの国家破壊へシフトしただけ。メディアは同じ隠れ共産主義者(共産党)の巣窟

メディアが左翼の理由。日本のメディアを支配する“隠れマルクス主義(隠れ共産主義、隠れ共産党)”フランクフルト学派。9条守れ、改憲反対といい、それに抗うような政権は印象操作、報道しない自由、偏向、捏造、レッテル貼り、何でもありで潰していく

今の日本は、実は隠れマルクス主義者にとって、二段階革命の第一段階目にあたります。

共産主義革命(暴力革命)を阻止する軍隊の存在を否定した憲法9条は、まさに本拠地であり、牙城であり、「9条改正」に対して断固反対し続ける理由なのです。
メディアが隠れマルクス主義者の巣窟であり、9条守れ、改憲反対といい、それに抗うような政権は嘘だろうが、疑惑があると悪いことをやっているように印象操作、報道しない自由、偏向、捏造、レッテル貼り、何でもありで潰していくのです。倒せる、倒すとなると、いざ鎌倉となるわけです。敗戦利得者たちは、戦後レジームからの脱却を阻止する体制を築いているのです。

愛国者を出演させることはほとんどなく、リベラル派の芸能人や進歩的知識人・文化人などの左翼ばかりを出演させ日本が悪いと批判を続け、国民を洗脳し続けています。NHKや朝日新聞など左翼系メディアを中心にフェイクヒストリー(嘘の歴史)を使って、自虐、反日の東京裁判史観(GHQ史観)を国民に植え付けています。

また国家の価値や民族の価値、それらのナショナリズムが良いと報道することはなく、極右、排外主義、差別主義だとかレッテル貼りを行い、多民族、多文化共生だ、男女平等だ、LGBTだ、差別だ、人権を守れ、ヘイトスピーチを許さないと左翼リベラルの代弁者となり、国家を徐々に全体主義化していく先兵ともなっているのです。

メディアには、多くの在日朝鮮人が入り込んで反日工作を行っていますが、日本弱体化を謀る敗戦利得者同士であり、利害が一致しているわけです。”

このように、田中氏が主張する「フランクフルト学派陰謀論」は全くの妄想であることは確実でしょう。その一方で、このような妄想が生まれてしまった過程も明確ではないでしょうか。次のように予想します。


この論文が書かれた当時、「つくる会」会長であった田中氏は様々な批判を受けており、世間がすべて敵であるかのような錯覚に陥っていました。そんな折、海外の大学から講師として招聘されていたのに、「つくる会」会長ということでその招聘が取り消しになった事件が起こりました。その時、田中氏はこれはマルキストの陰謀に違いないと確信します。

その後、この招聘中止にはフランクフルト大学に所属する某教授の反対が主原因であることが明らかになりました。そこで田中氏は、その某教授がどのような思想を持っているか知りませんでしたが、フランクフルト大学の所属であるからフランクフルト学派の影響が背後にあるに違いないと確信しました。

そうなると常日頃バッシングを受けていた田中氏は、自分を攻撃してくる敵すべてがフランクフルト学派の一味のように思えてきてしまいました。朝日新聞や毎日新聞などのメディアが自分を執拗に攻撃してくるのはフランクフルト学派だからに違いない。自分のような正しい歴史を語る人間を攻撃してくる卑劣な奴は、フランクフルト学派の一味に違いない。自分から見て人倫に反するやつはみんなフランクフルト学派に支配されているに違いない、と。このようにして「フランクフルト学派陰謀説」が完成したのでした。めでたし、めでたし。

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