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「日本のコーヒー文化」「ネルドリップ」が世界で注目される訳

1:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/11 (Tue) 18:10:22

独特「日本のコーヒー文化」が世界で注目される訳 喫茶店文化の中で進化したのが「ネルドリップ」
2023/04/11
https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-661438.html


日本食は世界で人気と言われるが、日本のコーヒー文化にも見るべきものがある。実は、「コーヒーの美味」を追求し、「コーヒーを淹れること」に価値を見いだしてきたのは日本だった。そう語るのは、バリスタ世界チャンピオンであり、国内外の多くのコーヒービジネスを見てきたコーヒーコンサルタントの井崎英典氏だ。

本記事では、井崎氏の新刊『世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー』から抜粋するかたちで、人間とコーヒーの歴史と日本での発展を見ていこう。コーヒーのビジネスバリューと、日本人の強みがわかる解説となっている。

コーヒー文化発祥の地イエメン
コーヒー豆を採るための作物、コーヒーノキ。エチオピア原産で、やがて対岸のイエメンに渡ったと考えられます。実はコーヒー文化が花開き、それを広めたのは、エチオピアではなくイエメンを含むアラビア世界でした。アラビア世界には文字があったので、コーヒーの利用についての記述も確認できるのです。

もともとコーヒーノキが自生していたエチオピアで、文献には残っていないだけで実はコーヒーが飲まれていたのか、あるいはコーヒーノキが伝播したイエメンで初めてコーヒーという飲み物があらわれたのか。難しい議論で、それゆえにコーヒー発祥の地はエチオピアともイエメンとも言われています。


イエメンにおける最初のコーヒー栽培は西暦575年に遡るとされていますが、現在のような飲み物として利用されている文献が確認できるのは9世紀以降です。ペルシア(現イラン)人の医師であるラーゼス(850〜922年)が「バンカム」と記したのが、コーヒーではないかとされているのです。もっとも、バンカムはコーヒーではなかったとする意見も一方にはあり、なんとも言えないところです。

その後、文献にはしばらくコーヒーらしきものが登場しないのですが、15世紀になってようやくイエメンで「コーヒーのカフワ」という飲み物が登場します。

「カフワ」とはもともと、「果実酒」を意味する言葉で、コーヒーだけを指すものではありませんでした。ただ、そのカフワの一種として、コーヒーの種子を煮出した飲み物が生まれたのです。

イエメンのアデンで、イスラム法学者ムハンマド・アッ・ザブハーニーにより発明されたといいます。そしてこれが、コーヒーのイエメン発祥説の根拠です。

なぜイスラム教徒から始まったのか?
ムハンマド・アッ・ザブハーニーは、スーフィーの導師でした。スーフィーとはイスラム教の教派のひとつで、イスラム神秘主義とも呼ばれます。アラビア語で羊毛を意味する「スーフ」に由来しており、俗世を捨てて粗末な衣類のみをまとって暮らす者を指しています。

彼らは、清貧と禁欲に徹し、厳しい修行を自らに課す中で自我を滅却して「内なる神に触れる」という考えを持っています。ちなみに、伝説として紹介したシェーク・オマールも、スーフィーの修行僧です。

スーフィーに特徴的なのは、修行のために独特の儀式を行うこと。一晩中、神への賛美を唱え続けたり、歌い踊ったりすることで神との一体感を高めます。手を広げ、くるくると回転を続ける祈祷で有名です。また、儀式にアヘンや大麻などのドラッグを使う教団もあります。一種のトランス状態になることで神に近づけるという考え方からでしょう。

スーフィーの中でも、メヴレヴィー教団は別名「旋舞教団」と呼ばれるように回転祈祷で有名。写真のような手を広げたポーズのまま回転する。
撮影:パスカル・セバ(1870年)

そんな儀式に使う飲み物として、ムハンマド・アッ・ザブハーニーはコーヒーに注目したのです。

それまで使われていたのは「カート」という植物の葉でした。いまもエチオピアやイエメンに行くとカートを噛んでいる人たちを見ますが、カートには覚醒作用があり、多幸感や陶酔感をもたらしてくれます。ただ、保存がきかず、鮮度が落ちると効果がなくなるという欠点がありました。

カートに代わるものとして、コーヒーは優れていました。ザブハーニーは現地の人々がコーヒーノキの赤い実を食べていたのを知っていましたし、自分自身、薬として実を煮出したものを飲んでコーヒーの覚醒作用を知っていました。コーヒーはカートと同じような効果がありながら、長期間の輸送や保存に耐えることができます。実を干して乾かせばいいのです。

コーヒーはまずスーフィーの間に広まり、続いてその外にも広がっていきました。15世紀末になると、イスラム世界の中心地、メッカにもコーヒーが到達しています。学者や学生たちが眠気覚ましに利用するだけでなく、単に一般大衆の嗜好品としても飲まれるようになったのです。

イスラム教では基本的にアルコールを禁止していることもあり、代わりの嗜好品として覚醒作用のあるコーヒーが馴染みやすかったのは想像に難くありません。カートが現在も好まれているのも、アルコールが飲めないからでしょう。

カフェの原点はメッカにあった
16世紀初頭になると、コーヒー専門店「カフェハネ」がイスラム教の聖地、メッカに登場します。

アルコール禁止のイスラム世界で、カフェハネは人々の交流の場として機能しました。コーヒーを飲みながら、頭がスッキリした状態で語らうのです。他愛もない日常会話から文学の話や政治談議まで、さまざまな話題が飛び交います。酔っぱらうことのない「バー」のような存在です。またカフェハネはチェス、歌や踊りといった、会話にとどまらないエンターテインメントも提供していました。まさに「バー」ですね。

ただ、当時のカフェハネには、女性は入ることができませんでした。「アルコールなし・男性のみ」がカフェハネのルールです。このルールは、のちにイギリスの「コーヒーハウス」でも受け継がれます。

ヨーロッパでのちに爆発的に広がるコーヒーハウス(カフェ)のモデルは、カフェハネだったわけです。カフェハネは、コーヒーハウスやカフェの原点と言えるでしょう。

また、現在でも繁華街が風紀を乱すと批判されるように、当時はカフェハネも批判を受ける存在でした。厳格なイスラム教徒からすれば、バーの喧騒そのものが愚かしいものだったでしょうし、本来は宗教目的だったコーヒーが世俗化してしまったことにも反感があったようです。また、イスラム主流派からの、スーフィーそのものへの反発もありました。


そんなさなかに起きたのが、「メッカ事件」でした。メッカのパシャ(総督)であったカイル・ベイがコーヒーを禁止したのです。コーヒー豆は処分され、コーヒーを売った者、買った者、飲んだ者、いずれも鞭打ちの刑に処されることになりました。

結局、当時メッカを支配していたマムルーク朝の首都カイロ(現在はエジプトの首都)からコーヒーを禁止しない旨が通達されたことで、この事件は沈静化します。

とはいえ、その後もコーヒー弾圧の動きは続きました。コーヒーを通じた議論、コミュニティによって、大衆が体制側(宗教や政治の指導者)より力を持つことを、体制側が恐れたからでしょう。これらの弾圧は、後にヨーロッパでコーヒーハウスが民主的な施設として広がったときと同様に、コーヒーが民主的な飲み物であることを象徴しているように思えてなりません。

弾圧があっても庶民の間に根付いたほど、コーヒーの魅力には抗えないものがあったのではないでしょうか。

さて、このカフェハネは1554年に、オスマン帝国(アラブからアフリカ、ヨーロッパにまたがる一大版図を築いた、現在のトルコにあたる帝国)の首都コンスタンティノープル(現在のイスタンブール)にも作られました。

多大な人口を抱えるオスマン帝国の首都に、内装にも贅を尽くしたカフェハネが誕生したことで、カフェハネやコーヒーの評価は高まり、オスマン帝国全体にコーヒーが本格的に普及することとなりました。カフェハネはますます豪華になり、多くの人々を引き寄せ、「賢者の学校」と呼ばれるまでの存在になりました。

ヨーロッパとコーヒーの出会い
そして17世紀になると、コーヒーはついにヨーロッパへと伝播します。

17世紀初頭には、地中海を通じてアラブ世界と交易を行っていたイタリアのヴェネツィアに伝わったとされています。

その当時、ヨーロッパの文化的中心だったフランスへは、1644年にP・ド・ラ・ロークという人物がイスタンブールから持ち帰ったのが最初だとされています。また、その2年後の1646年に生まれ、『千夜一夜物語』を翻訳したフランス人のアントワーヌ・ガランは、『コーヒーの合法性の擁護』をフランスに紹介した人物でもあるなど、ヨーロッパへのコーヒー紹介は、もっぱらフランスに端を発しています。

ヴェネツィア商人やP・ド・ラ・ロークの動きなどはありましたが、ヨーロッパ(のとくに上流階級)におけるコーヒー流行の決定打となったのが、1669年の出来事です。

この年、オスマン帝国の皇帝メフメト4世は、ソリマン・アガという大使をフランスのルイ14世のもとへ遣わしました。ヨーロッパへ領土拡大していたオスマン帝国が、領土を接するオーストリアと戦うためにフランスを味方につけたかったのです(オーストリアとフランスはいずれも当時の大国で、対立関係にありました)。

ルイ14世に謁見するソリマン・アガ。

パリに到着したソリマン・アガは、仮住まいをトルコ風に豪華に飾り立て、訪問客にコーヒーを振る舞ってもてなしました。このコーヒーが大評判になります。豪華な調度とともに味わうコーヒーは、パリの貴族から庶民まで、その心をつかみました。背景には、「オリエンタリズム」ともいうべき異国文化への興味や、当時の強国オスマン帝国への関心が見てとれます。

ともかく、このソリマン・アガのフランス滞在という象徴的事件をきっかけに、コーヒーはフランスに広まり、大流行します。

大使として本来の交渉はうまくいかなかったソリマン・アガですが、パリにコーヒーを広めるには充分な働きをしたことになります。

ソリマン・アガがフランスに駐在したのは、たった1年弱のことでしたが、これを機に評判になったコーヒーは瞬く間にヨーロッパ中の商人たちの注目の的になり、フランスのみならずヨーロッパ全土へと急速に広まります。

ロンドンで火がついたコーヒーハウス
カフェハネがオスマン帝国の市民たちの交流の場であったように、ヨーロッパのコーヒーハウスも市民の交流の場として広がっていきました。

ヨーロッパで最初にコーヒーハウスが流行したのはイギリスです。

イギリスといえば紅茶のイメージが強いですが、実は紅茶より先に流行したのがコーヒーです。1652年、ロンドンにイタリア出身のパスカ・ロゼがヨーロッパ初のコーヒーハウスをオープンし、社交の場として瞬く間に人気になります。その後ロンドンには次々にコーヒーハウスができ、30年後には約3000に増えたのです。まさに大ブームの様相です。

それまで、イギリスの社交場としてはエールハウス(パブ)がありましたが、当然ながらアルコールの影響で酔っぱらっているのが普通でした。真面目な議論をしても、最後には酔っぱらって支離滅裂、よく覚えていないのです。これでは、なかなか建設的な話ができません。

一方で、コーヒーハウスは素面でいられるどころか、コーヒーのカフェインのおかげで頭が冴えます。カフェインには抽象的な思考を高める効果もあると言われており、まさに議論に向いています。

私は、コーヒーハウスが流行した本質的な理由はこれだと考えています。

当時のイギリスはピューリタン革命後であり、絶対王政を倒し共和制を打ち立てていました。封建的な身分制度にしばられるのではなく、市民社会を実現しようとしていた時期です。ロンドンの市民たちにとって、身分に関係なくコーヒーを飲みながら政治談議ができる場が求められていました。

当時のイギリスのコーヒーハウスは、入店料1ペニー、コーヒー1杯2ペニーを払いさえすれば、身分・職業に関係なく、富める者も貧しい者も、誰でも入店してそこで交わされている会話に加わることができました。

議論の場としてのコーヒーハウスで、議論の助けになるコーヒーが出される。この組み合わせが功を奏して流行したのです。貧富や身分にかかわらず、全員が同じものを飲んでいるのも、対等な関係を保証するのにプラスに働いたことでしょう。

いまでも企業間のオフィス訪問では、コーヒーが出される機会が多いですが、これも活発な話し合いを促す効果が期待できます。お互いの頭も冴えますし、相手のプレゼン中に居眠りをする心配もありません。豆の種類を訊いたりと会話のタネにすることもできます。アルコールを含まない覚醒飲料として、コーヒーは重宝されているのです。

日本の喫茶店が重視した「美味しいコーヒーを淹れること」
さて、ここで一気に現代日本へと視点を移してみましょう。

日本史上最大の喫茶店ブームは1970年代に起きました。脱サラして喫茶店を開業する人が増え、家族・個人経営の喫茶店が乱立します。1981年にはなんと15万軒を超えるほどにもなりました。2022年におけるコンビニの店舗数が5万7000くらいですから、15万という数字がどれだけすごいかわかるのではないでしょうか。

それだけの数の喫茶店があれば、当然ながら競争になります。他店と差別化するため、店独自の内装やコーヒーの品質にも力を入れるようになりました。コーヒーの抽出に力を入れ、「美味しいコーヒーが飲める店」として人気を得ようとした人たちも少なくありませんでした。ペーパードリップ、ネルドリップ、サイフォンといったそれぞれにこだわった抽出方法で、さまざまな豆を揃え、注文を受けるたびに一杯ずつ淹れるというおもてなしを追求しました。

実はこれがちょっとおもしろいところなのです。歴史的に見るとコーヒーハウスやカフェは人々の交流の場としての機能が重視されてきました。言葉を選ばずに言えば、コーヒー自体の美味しさは二の次だったのです。しかし、日本の喫茶店ブームでは「美味しいコーヒーを淹れること」に注力する店が増えたわけです。

日本独自に花開いた喫茶店文化は、世界のコーヒーにも影響を与えていくことになります。

日本で花開いたドリップコーヒー
現代の世界で主流なのはエスプレッソであり、ヨーロッパの家庭で手軽に楽しめる抽出器具としてはエスプレッソメーカーの「マキネッタ」や「フレンチプレス」が一般的です。

一方、日本ではドリップコーヒーが人気になりました。日本の家庭で淹れるコーヒーといえば、普通、ドリップコーヒーが想起されるでしょう。とくに、粉を入れた紙製のフィルターを専用のドリッパーにセットしてお湯を注ぐ「ペーパードリップ」がもっともポピュラー。ドリップコーヒーの器具メーカーで有名な「ハリオ」も「カリタ」も日本の企業です。

日本独自の喫茶店文化の中で進化したのが「ネルドリップ」です。昔ながらの喫茶店で、ペーパーの代わりに「ネル(フランネル)」という布素材をフィルターとして使っているのを見たことがある人もいるのではないでしょうか。紙なら吸収してしまうコーヒーオイルも抽出されるため、トロリとした質感と甘みが出るとされています。

ネルフィルターは水に浸けて冷蔵庫で保管するなど、管理に手間がかかりますが、日本の喫茶店ではよく見かける抽出方法です。古くからのコーヒー愛好家の中には、家庭でも自分のネルフィルターを「育てて」いる人も少なくありません。しかし、ほかの国でネルドリップを見かけることはほとんどありません。

ネルフィルター。使いこめば使いこむほどにコーヒーの茶色に変色していく。

ネルドリップが手間を愛されるのに対して、手軽さを追求したドリップもあります。一杯分ずつ個包装され、お湯を注ぐだけで手軽にコーヒーを楽しめる「ドリップパック(バッグ)」は日本発の商品です。海外ではほとんど見かけないので、日本を訪れた外国人には驚かれます。

長らく日本独自の文化で、海外には通用しないと見られていたドリップパックですが、2016年以降、アメリカでは「NuZee Inc.」という会社が手掛けるドリップパックが広がっています。この「NuZee Inc.」は日本人がアメリカに渡って創業した企業で、ナスダック上場も果たしました。

ペーパードリップからネルドリップ、ドリップパックまで。ドリップという抽出方法は、日本で花開いたと言っても過言ではないと思います。

ドリップが愛される理由──コーヒーと禅
ドリップコーヒーは、手作業で丁寧に淹れるコーヒーです。お湯を細く注ぎ、蒸らしてコーヒーの成分を充分に引き出します。本抽出も2〜3回に分け、時間をかけて抽出していきます。エスプレッソのように短時間で一気に抽出する方法とは全然違うわけです。これが日本にはフィットしたのでしょう。

私は、ドリップコーヒーには茶道や禅に通じるところがあると思っています。ドリップでコーヒーを淹れる動きには、儀式的な要素を感じることができるからです。飲む前にゆっくりと決まった動きをすることで、心が落ち着き、目の前のものに集中できるのです。

スーフィーの儀式での使用、コーヒーハウスでの自由闊達な議論などの歴史を見ても、コーヒーの本質的な価値は「精神の解放」にありました。日本のドリップ式コーヒーは、カフェインの覚醒作用に加えて、面倒な手順を追うことで精神の解放に到達できる貴重な体験だと考えています。

イスラム教がコーヒーを生んだのと同様、日本においては人々の内なる心にあった禅の精神がコーヒーと結びついたというのが私の見解です。職人気質を持つ純喫茶のマスターが嗜むには、ドリップ式がうってつけだったのです。

アメリカ発の「サードウェーブ」と呼ばれるようなコーヒーショップらが日本のドリップ式を採用しているのは、本人たちがどう思っているかはさておき、そこに日本独自の美意識を見たというのがあるのではないでしょうか。

「ブルーボトルコーヒー」の創業者、ジェームス・フリーマンは、そんな日本の喫茶文化に感銘を受けたひとりです。ブルーボトルコーヒーの日本進出にあたり、数々の日本の喫茶店を訪れた彼は、一杯ずつ丁寧にドリップする姿に感動しました。そして、新しい店づくりに活かしたといいます。

とくにお気に入りだったのが東京・表参道の名店「大坊珈琲店」です。残念なことにビルの取り壊しにより2013年に営業を終了してしまいましたが、一杯ずつ丁寧に淹れたネルドリップコーヒーの味わいとくつろぎの空間で多くの人を魅了しました。

サンフランシスコ在住のCMクリエイター、ブランドン・ローパー監督によるドキュメンタリー映画「A Film About Coffee」には、大坊珈琲店で美しい所作でドリップする、オーナーの大坊氏の姿が長回しされています。

食べるコーヒーの再発明
ちなみにコーヒーゼリーも日本で生まれたものとされています。

「コーヒーは苦手でもコーヒーゼリーは好き」という人も多いコーヒーゼリーは、1914年4月3日付の読売新聞家庭欄で初めてレシピが紹介されました。コーヒーとゼラチンがあれば作れるシンプルなデザートでありながら、コーヒーの苦みと冷たいゼリーの舌ざわりのコラボレーションが新しい感覚を生み出します。家庭で作れるおしゃれなデザートになったのです。

ただ、日本で初めて思いついたというわけではなく、1800年代にアメリカやイギリスでレシピとしては存在していたようです。しかし、そちらでは広がらず、日本で発展したということは言えるでしょう。

日本の喫茶店メニューに初登場したのは1963年。「ミカド珈琲」の軽井沢店でメニューに登場した、その名も「食べるコーヒー」がコーヒーゼリーの元祖です。店内では一日100個の限定販売が売り切れるほどの人気を呼び、持ち帰り用にも販売していたようです。

もともとは食べ物だったコーヒーが長い年月をかけて現在にも通じる飲み物になり、またコーヒーゼリーのように食べ物に戻る例があるのは歴史を感じておもしろいですね。

ちなみにミカド珈琲は1948年東京、日本橋創業。現在の日本橋本店で出されているコーヒーゼリーが当時のものにもっとも近いらしいので、興味がある人は食べに行かれてはいかがでしょうか。また、コーヒーゼリーが登場した当時の軽井沢店を引き継ぐかたちで、いまも軽井沢に複数の店舗があります。

その後、1970年代には、コーヒーゼリーは一般のスーパーで見かける定番商品になりましたが、いまでも海外には広がっていません。ドリップ式やドリップパック、アイスコーヒーのように、コーヒーゼリーも世界へと飛び出す未来があるかもしれません。

著者:井崎 英典

https://news.goo.ne.jp/article/toyokeizai/business/toyokeizai-661438.html?page=1

2:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/11 (Tue) 18:12:47

日本の「100円コーヒー」に外国人が驚愕する真因
マクドナルドのコーヒーを軽視する人が知らない事実
井崎 英典 : 第15代ワールド・バリスタ・チャンピオン、QAHWA代表取締役社長
2023/03/28
https://toyokeizai.net/articles/-/661434



なぜ、日本ではここまで100円コーヒーのレベルが高いのでしょうか(写真:kash*/PIXTA)
コンビニやファストフードチェーンで淹れたてのプレミアムコーヒーが100円台の低価格で飲めるのは、日本独自の光景だ。海外ではそれなりのコーヒーは専門店でしか出されないし、プレミアムコーヒーに使われる豆の原価などを考えると、実はそれほど割のいいビジネスモデルでもない。
ではなぜ、日本ではここまで100円コーヒーが浸透しているのか。その裏側を、バリスタ世界チャンピオンでありコーヒーコンサルタントとして活動する井崎英典氏の新刊『世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー』から抜粋して紹介する。ちなみに井崎氏は、マクドナルドのプレミアムローストコーヒー(2023年のリニューアル前)にも関わったことのある、まさに当事者だ。
日本の100円コーヒーは「ありえないレベル」
いまやコンビニでコーヒーを買うのが当たり前の日本。日本全国におよそ5万7000店あるコンビニで、手軽に美味しいコーヒーを買うことができるようになっています。

コンビニコーヒーの流行を牽引したのは業界トップのセブン-イレブンでした。2013年1月、コンビニ業界で初めて、100円のプレミアムコーヒーを提供し始めたのが「セブンカフェ」です。100円でこんなに美味しいコーヒーが飲めるのかと驚いた人も多かったでしょう。

実際、日本のコンビニコーヒーのクオリティは、バリスタの私から見ても素晴らしいです。100円で提供できるなんてありえないレベルです。海外にも安いコーヒーはありますがクオリティが違います。美味しいプレミアムコーヒーがこの安さというのは見たことがありません。

だから海外からコーヒーの関係者が日本に来たときは、私は必ずコンビニに連れていきます。すると、たいてい「勘弁してよ、ヒデ。こんなところでコーヒー飲みたくないよ」と一度は拒否されます。「いいから飲んでみて」。さらにすすめると、しぶしぶ口にして目を見開きます。

「何これ、美味しい! こんなに安く提供する日本ってすごいね!」

そんなふうに必ず驚いてもらえます。これが、井崎流・日本のおもてなしです。

日本ではすっかり当たり前になってしまった100円コーヒーですが、世界からすると全然当たり前ではないのです。

いまではお忘れの方も多いですが、100円プレミアムコーヒーの先駆者は、日本マクドナルドです。2008年に100円で飲める本格コーヒーを提供し始め、大人気になりました。それまでより高品質のコーヒー豆を使用し、全店に専用のコーヒーメーカーを置き、大々的に宣伝したのです。これにより発売初年度は前年比3割増の2億6000万杯を売り上げたといいます。

私もコーヒーのプロたちと一緒に飲みに行きましたが、「これはやばい」と衝撃が走ったのを覚えています。

しかし、その後、日本マクドナルドは期限切れの鶏肉や食品への異物混入などのトラブルがあり、信用は失墜。そこへセブン-イレブンの「100円コーヒー」が登場し、完全に100円プレミアムコーヒーの市場は塗り替えられてしまいました。以降、100円コーヒーといえばセブン、というイメージが根付きます。

マクドナルドのコーヒーは何が違うのか?
危機に陥った日本マクドナルドでしたが、地道に信頼を回復するための手を打ち続け、2016年頃には業績も回復。再びコーヒーの品質改善に取り組みたいということで、ありがたいことに私に声がかかりました。

私がコンサルティングをする際は、まず現場に張りついてこの目で見ることから始めます。お客さんがどういうふうにコーヒーを飲んでいるか観察するところからスタートするのです。

マクドナルドの場合、現場を見る前は、お客さんはコーヒーを単体で飲むか、アップルパイなどの甘いものとペアリングして飲むかの2パターンが多いのではないかと思っていました。

ところが違いました。一番多いのはセットメニューでコーヒーを選ぶケースだったのです。マックでコーヒーを楽しむ人からすれば当たり前のことかもしれませんが、コーヒーの常識からはなかなか考えられないコンビネーションです。ということは、ハンバーガーやポテトを食べながら同時に楽しめるコーヒーにする必要があります。

次に多いのが、これは予想どおりですが、コーヒー単体でゆっくり過ごすお客さんでした。本を読むなどして比較的長い時間滞在しています。

これはコンビニコーヒーとはまったく違うところです。よって、味の設計はコンビニコーヒーと違うものになるはずです。時間が経っても味の変化が少なく、冷めても美味しいコーヒーであることが重要になります。

何度も言ってきたように、味は主観的なものです。好みによって選択が変わるため、基本的には「どれが一番美味しいか」というのは難しい問題です。


もし私がマクドナルドの100円コーヒーを監修した際、手を抜いて、マクドナルド側の試作品をその場で飲んで「一番美味しいコーヒー」を決めていたらどうなっていたでしょうか。おそらく、その「一番美味しいコーヒー」は「井崎英典にとって一番美味しいコーヒー」でしかなく、「マクドナルドユーザーが求めているコーヒー」ではなかったでしょう。

マクドナルドやコンビニチェーン各社のコーヒーの違いを比較して、優劣をつけているインフルエンサーなどもいますが、私に言わせればナンセンスです。それぞれの客層や企業側の狙いに合わせた、それぞれのバリューがあるのです。

マクドナルドの場合は、ハンバーガーとポテトに合い、冷めても比較的味が落ちないコーヒーが必要でした。詳しくは伏せますが、さらにほかにも重視すべきバリューを洗い出して、開発は進みました。

結果的に、マクドナルドのコーヒーは劇的に変わりました。100円プレミアムコーヒーのシェアを大きく奪い返し、成功したのです。

コンビニコーヒーとマクドナルドのコーヒー、どちらが美味しいかということではなく、それぞれに合ったコーヒーがあり、きちんと価値を出せれば結果がついてくるのです。

もちろん、突き抜けたセンスがヒットを飛ばすこともあるでしょうが、基本的には、あらゆる商品・サービスの開発は、市場研究から入るべき、というのがビジネスの前提となる考え方です。

ヒットには理由があり、その理由を事前に仮説として立てるのがあるべき筋道です。

なぜ100円でプレミアムコーヒーが提供できるのか?
ところで、高品質のプレミアムコーヒーをたった100円ほどで提供できるのはなぜでしょうか。

高品質のコーヒー豆を使えば原価率が上昇し、利益が出ないのが普通です。

しかし、コンビニにとって美味しいコーヒーは(言い方は悪いかもしれませんが)撒き餌のようなもの。身近なコンビニで手軽に美味しいコーヒーが飲めるなら、お客さんはやってきます。そして、コーヒーと一緒にサンドイッチを買う。お弁当を買う。デザートを買う。ついでにいろいろ買うでしょう。コーヒー目当てで足を運んでもらえればいいのです。つまり、コーヒーは「販売促進費」と考えることができます。


撒き餌に徹するなら、下手にコストカットに手を出して味を落としてはいけません。本当に美味しいコーヒーである必要があります。そうでなければお客さんは寄ってきてくれません。ですからコンビニ各社は努力して美味しさを追求しています。パッケージデザインやマシンなど見せ方も含めてブランドを作り、「〇〇のコーヒーは美味しい」というイメージを作り上げています。

ファストフード店もそうです。コーヒー単体で利益が出なくとも、セットでハンバーガーを買ってもらえたらいいのです。「美味しいコーヒーが飲めるから行こう」と思ってもらえるよう、品質を高める努力をしています。

100円プレミアムコーヒーの弊害とは?
ここまで見てきたように、日本はさまざまな企業が努力を続け、驚異的な安さで美味しいコーヒーが飲める国です。

これは消費者にとっては嬉しい話であると同時に、弊害もあると思っています。

日本企業の努力が残した正の遺産は、言うまでもなく、コモディティコーヒー全体の品質が上がったということです。

100円コーヒーがこんなに美味しいのですから、「安かろうまずかろう」では売れません。スタンダードのレベルが高くなったのはいいことでしょう。消費者も本当に美味しいコーヒーの味を覚え、それがスペシャルティコーヒーや家で淹れるドリップコーヒーといった、コーヒーの奥深い世界への懸け橋になっているのも事実です。

一方で、「いいものを安く作る」精神が強く、「いいものが高く売れない」という弊害もあります。

高価格なスペシャルティコーヒーを、安価で出す店もあります。数百円で、1日数百杯販売して売り上げを立てています。スペシャルティコーヒーを身近にするために必要なアプローチだとは理解できますが、私は、真逆のアプローチがあってよいと思います。

「高品質なコーヒーをできる限り安く提供すること」だけが正しいとはどうしても思えません。たとえば、ミシュランの星付きシェフが高級材料で作った料理を、紙皿で食べたいですか? いかに安くとも、それでは台無しだと思う人が多いのではないでしょうか。何かの記念日に三つ星レストランに行くとして、それは料理の味だけを求めているわけではないはずです。空間、雰囲気、食器などを含め総合的な体験として楽しみますよね。

それにミシュラン三つ星レストランが安売りをしていれば利益率は下がっていき、シェフの鍛錬やよりよい素材の探究に充てる資金もなくなってしまいます。結果、前より味は落ちるか、低い利益率で我慢を続けるほかありません。

生きるための飲み食いは別ですが、サービス業としての飲食の本質は体験の提供ではないでしょうか。スペシャルな体験を提供するために、相応の価格をつけるのが本当です。そうでなければ、お客さんも提供者側も豊かになれないのです。

スペシャルティコーヒーとコモディティコーヒーは、別のものです。そもそも、スペシャルティコーヒーは、大量生産・大量消費のカウンターカルチャーとして出てきているのです。コモディティコーヒーのビジネスモデルに追従するのではなく、高付加価値のビジネスモデルから学ぶ必要があると思います。

そう考えると、スペシャルティコーヒーを500円や600円で提供することには、賛同できません。100円コーヒーと同じ土俵に乗ったら、当然、比較されます。スペシャルティコーヒーは確かに品質がいいし、美味しいでしょう。しかし、100円コーヒーがすでに充分美味しいのです。果たして、その5倍や6倍美味しいと言えるでしょうか?

判断が難しいと言わざるをえません。そうではなく、付加価値を設けてスペシャルティコーヒーの土俵でやっていかなければ、薄利多売の相当厳しい世界になるはずです。

100円のものもあれば、1万円のものもあっていい
そもそも、コーヒーを含め嗜好品は価格の幅があってしかるべきです。100円のものもあれば、1万円のものもあっていいのです。ワインだって、1本が数百円のものから数百万円、数千万円の超高級ワインまでありますよね。

世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー
『世界のビジネスエリートは知っている教養としてのコーヒー』(SBクリエイティブ)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします
日本は、高付加価値の高額商品が浸透しにくいのが難しいところです。消費者が「コスパ」を重視しすぎると、精神的にも物質的にも豊かさから遠のくのではないかと考えます。コーヒーの本質的な価値は「精神の解放」だと思っている私は、コスパというキーワードにせっかくのコーヒーがからめ捕られてしまうことに歯がゆい気持ちになります。

成功しているビジネスは付加価値の創造がうまいのです。ブランド化による単価アップと言ってもいいでしょう。

たとえば、アップルのiPodはソニーのウォークマンに出遅れながらも、魅せ方を工夫してシェアを奪いました。iPhoneは電話器に、思いもかけなかった「インターネット」という付加価値をつけることで、市場の構造そのものを変えました。

コーヒーはもちろん、飲食業を中心に、インバウンドが増えるこれからはますます、日本企業も、もっと値付けに大胆である必要があると思います。
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/11 (Tue) 18:18:29

「日本のコーヒー文化」「ネルドリップ」が世界で注目される訳
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14103539

コーヒー豆は何を買ったらいいか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14092409

実はヤバい!スーパーのインスタントコーヒーの危険性
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14017062

1日に3杯以上コーヒーを飲むと失明する 中川隆
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/736.html#cbtm  

正しいコーヒーの入れ方
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/857.html
4:777 :

2023/07/07 (Fri) 10:46:37

日本が世界に与えたコーヒー文化
https://www.thutmosev.com/archives/284547ty.html
5:777 :

2023/10/15 (Sun) 13:30:40

金輪際二度と飲むな! 飲むだけで骨の髄まで腐る、激安コーヒーの闇を暴露します..
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14154312

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