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円谷プロダクション『ウルトラマン』1966年

1:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/25 (Sat) 14:08:52

円谷プロダクション『ウルトラマン』1966年
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『ウルトラマン』は、1966年7月17日から1967年4月9日まで、TBS系列で毎週日曜19:00 - 19:30(JST)に全39話が放送された、TBS・円谷プロダクション制作の特撮テレビドラマ、およびその作中に登場する巨大変身ヒーローの名称である。

武田薬品の一社提供枠「タケダアワー」内で放送[注釈 2]。TBSにて最初にカラーで放送された特撮テレビ番組でもある[1]。『ウルトラQ』放送中の1966年4月1日に、初めてマスコミに公開された[1]。

本作品はテレビドラマ(以下、テレビシリーズ)の他、漫画や劇場用映画、小説、テレビゲームなどでメディア展開も行われているが、本項目ではテレビシリーズを中心に記述する。また、本作品に続いて放送された一連の番組、およびその作中に登場する巨大変身ヒーローも「ウルトラマン」と総称される場合があり、便宜上これら後続作品のヒーローと区別するため、本作品に登場するウルトラマンを「初代ウルトラマン」と呼ぶ場合もある。種族としてのウルトラマンについては#ウルトラマンを参照。


横浜マリタイムミュージアム前に設置された4.5メートルの初代ウルトラマンの巨大立像。

ウルトラマン像(小田急線祖師ヶ谷大蔵駅北口)
本作品は、怪獣や宇宙人によって起こされる災害や超常現象の解決に当たる科学特捜隊と、それに協力するM78星雲光の国の宇宙警備隊員であるウルトラマンの活躍劇である。作中に登場する怪獣が好評だった『ウルトラQ』に続く「空想特撮シリーズ」の第2作として[2]、『ウルトラQ』の世界観を継承する番組として制作・放映された。オープニングタイトルの流れはカラー化された『ウルトラQ』のタイトルロゴ映像から赤画面になり、上に『ウルトラマン』、下に「空想特撮シリーズ」とクレジットされる[注釈 3][注釈 4]。

番組フォーマットは、タケダアワーのOP→タイトル画面→CM→OPテーマ→本編(途中でCMを挟まずラストまで放送)の順番で、本編開始の画面下には『カラー』のマークがあった[3][注釈 5]。

テレビシリーズがスタートするや否や『ウルトラQ』を凌ぐ人気番組となり、本放送時の第1話の視聴率は34.4%[3]、平均視聴率は36.8%[4]、最高視聴率は42.8%(1967年3月26日放送の第37話。ビデオリサーチ調べ、関東地区)[5]を記録。テレビシリーズの放送終了後もその人気が衰えることはなく、最初に行われた再放送でも平均視聴率が18%台を記録した。海外でも1970年代から100を超える国・地域で放映されてきた[6]。

テレビシリーズ初放映から半世紀以上が経過した今日も世代を問わず高い認知度を誇り、『決定! これが日本のベスト100』(テレビ朝日系列)の2002年9月8日放送分「特撮&アニメ ヒーロー&ヒロインベスト100」の第2位にランクインしている[7]。固有名詞としての「ウルトラマン」は、『広辞苑』の見出しにも記載されている[8]。また、第39話(最終回)でウルトラマンがゼットンに倒されたシーンは、初放映当時の子供たちに少なからぬ衝撃を与え、影響を受けたと語る著名人も多い。前田日明は「ウルトラマンの敵(かたき)を討ってやる!」と、格闘技を始めたきっかけになったことを語っている[9]。

商業的にも成功を収め、本作品やそのキャラクターに関連する商品は玩具だけでなく、生活用品などあらゆる分野で発売されている。商業的側面から本作品で特筆すべき点は、日本のテレビ番組で初めて商品化権の入札制度を導入したことである[注釈 6]。本作品が制作される以前は、テレビ局の担当者とコネがある業者が商品化権を取得していたが、本作品で前述の制度が導入されて以降は金のあるものから優先的に商品化権取得の機会が与えられるようになった。もっとも、実際のところは『ウルトラQ』を商品化したマルサン商店などの業者が優遇されており、本格的に入札制度が機能するのは『キャプテンウルトラ』以降である。

物語の骨子
科学特捜隊のハヤタ隊員は小型ビートルで青い球体と赤い球体を追跡するが、赤い球体と衝突したうえに墜落死してしまう。

赤い球体の正体はウルトラマンだった。M78星雲人の彼は、宇宙の墓場への護送中に逃亡した宇宙怪獣ベムラー(青い球体の正体)を追って地球までやって来た。そして、自分の不注意でハヤタを死なせたことに対する罪の意識からウルトラマンは、ハヤタに自分の命を分け与えて地球の平和を守るために戦うことを決意。こうして、ウルトラマンとハヤタは一心同体となった。

以後、ハヤタはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。

ウルトラマン

ウルトラマンアーチ(東京都世田谷区祖師谷通り上)
諸元
ウルトラマン
身長 40m[出典 1][注釈 7][注釈 8]
体重 3万5千t[出典 1]
キック力 320文の威力がある
腕力 10万tタンカーを持ち上げる
ジャンプ力 800m[12]
走行速度 時速450km[12]
飛行速度 マッハ5[12]
水中速度 200kt[12]
地中速度 マッハ3[15]
年齢 約2万歳[16][12]
ドラマのクライマックスで登場し、怪獣や宇宙人と戦う巨人。その正体はM78星雲光の国出身の宇宙人である。宇宙警備隊員として、怪獣墓場に護送中に逃走した宇宙怪獣ベムラーを追跡して地球を訪れ、誤って死なせてしまった科学特捜隊のハヤタ隊員に自分の命を共有して一心同体となり[12]、地球の平和を守るために戦うことを決意する。

普段はハヤタの姿で行動するが、有事の際にはベーターカプセルを点火させてウルトラマンに変身し、怪獣や宇宙人と戦う。

ごく一部の例外を除き、原則として地球人とは会話せず、感情などは動きだけで表現し、「シュワッチ」あるいは「シュワッ」などと表記される数種の掛け声のみを発することがほとんどである。

腰を屈めた前傾姿勢のファイティングスタイルは、怪獣と対峙した際に相手の力量を見極めるための構えで、映画『理由なき反抗』でジェームズ・ディーンが身構えたポーズを真似している[17][18]。美センのホリゾントが見切れるため、話数を経るごとに猫背が低くなっていったという[18]。また、構えの手も空手の流れでグーではなく、パーになっている[18]。にせウルトラマンにチョップした際に痛がっていたのは、古谷が実際に痛がっていたものであるという[17]。
ウルトラマンのファイティング・ポーズ
ウルトラマンのファイティング・ポーズ

プロフィール
ウルトラマンのプロフィールは、作中では語られていないが、雑誌記事などでは詳細に紹介されている[要文献特定詳細情報]。

職業:宇宙大学教授、宇宙警備隊銀河系局長(後に支部長)
趣味:読書[19]
家族構成
父:宇宙保安庁長官
母:ウルトラ学校教師
ベーターカプセル
ハヤタがウルトラマンに変身する際に使用するアイテム[注釈 9]。第1話でハヤタがウルトラマンと一体化する際に、ウルトラマンから託される。

カプセル内部には超小型プラズマスパーク核融合装置とベーターコントローラーが内蔵されている。これがないと、ハヤタはウルトラマンには変身できず、常に隊員服の内ポケットに携帯しているが、何度かカプセルを落とすシーンもある。ウルトラマンでいる時もどこかに携帯しているらしく[注釈 10]、第26話ではゴモラとの格闘中に落としたのを現場にいた子供に拾われる。

第39話ではウルトラマンを迎えに来たゾフィーが、自ら持ってきたベーターカプセルを使ってハヤタに命を与えると同時に、ハヤタとウルトラマンを分離させる。

映画『大決戦!超ウルトラ8兄弟』では別次元のハヤタが、自身をウルトラマンと気が付いた際にハヤタの右手に実体化する。

『帰ってきたウルトラマン』の原型となる『続ウルトラマン』では、ウルトラマンと一体化したバン・ヒデキの変身アイテムとして登場予定だった[21]。

近年は玩具などで「ベータカプセル」とする記述が増えている。

第2話の脚本では「ガンマー発光器」という仮称であった[22]。
変身方法
ハヤタがベーターカプセルの赤いスイッチを押すと、閃光と共に光のエネルギー、ベーター線[注釈 11]が発光部から放射し、ハヤタの周りを渦巻き状に包み込んで[注釈 12]ウルトラマンに変身する。変身・巨大化時のポーズは「右手を宙空に突き上げ、左手は顔の隣に置く」という独特の形であり、ウルトラマンを特徴づけるポーズとして以降の作品でもほぼ踏襲されている[注釈 13]。

書籍設定[要文献特定詳細情報]では、フラッシュビームにM78星雲人の生命の源である人工太陽プラズマスパークと同じエネルギーが含まれ、この光によって元の姿を一定時間取り戻すことができるとされている。

ウルトラマンの能力
ウルトラマンは様々な特殊能力や格闘術を持っている。作中で名称が明言されたのは「スペシウム光線」と「テレポーテーション」のみで、その他の名称は書籍や年代によってばらつきがあったが、後年には円谷プロにより統一されている。技の一部は後のウルトラマンたちにも継承されている。

スペシウム光線[26][27]
ウルトラマンが使う代表的な必殺技で、左右の手刀を十字型に交差させて体内のスペシウムエネルギーをスパーク[28]させ、右手から発射する破壊光線である。右腕にマイナス、左腕にプラスのエネルギー(磁場[24])が蓄えられ、それをスパークさせて発射すると設定されている[10][29]。そのエネルギーはすさまじく、相手を爆破または炎上させる効果がある。決まり手として多用される一方、通用しない敵も数体いる[注釈 14]。連射や長時間照射も可能。この光線には火星に存在しバルタン星人が苦手とする架空の物質スペシウムが多量に含まれているとされ、作中では第2話でムラマツがそのことを指摘したのを受けてフジ隊員が命名する。50万度の威力がある。
「スペシウム」の名称は「スペース(宇宙)」+「イウム(「物質」を意味する接尾語)」から成り、命名とポーズの考案は脚本・監督の飯島敏宏によるもので、飯島によれば「十字ポーズは忍者が手裏剣を投擲する際の動作が元になっている」とのことである。
白色の光線だが、後年の作品にゲスト出演する際は色が異なっていることがある[注釈 15]。
本作品以降も、こうした「腕を交差または組むことで放たれる必殺光線」はウルトラ戦士の特徴となっている。ほとんどのウルトラ戦士が何らかの必殺光線を有しており、それを得意技としている。
映画『新世紀ウルトラマン伝説』によると、全ウルトラマンの光線技の原点とされ、すべてのウルトラマンがその構えをしている[注釈 16]。
エフェクトは光線を描く人物が変わっても、同じに見えるようなシンプルなものにするために、光のラインが流れるようなものが考案された[25]。
スーツアクターの古谷敏によるスペシウム光線のポーズは左手の甲から指が下向きの弧を描いているが、これは古谷自身の日本舞踊の経験が活かされているという[17][18]。ポーズは力道山の空手チョップを参考にしており、右手を手刀にして縦にしたものだが、そのままでは合成した際にぶれてしまうことから右手は反らずに少し力を抜いて、左手を添えて腕を十字に組んだものとなった[18]。
第19話は円谷英二が撮影に参加しており、一部演出を円谷が担当したことから、合成予算もあって、設定を無視して3連発で放っている[30][31]。
スペシウム光線のポーズをとる古谷敏(2019年にルイビルで開催されたギャラクシーコン(英語版)にて)
スペシウム光線のポーズをとる古谷敏(2019年にルイビルで開催されたギャラクシーコン(英語版)にて)


スペシウム光線のフォーム
スペシウム光線のフォーム

八つ裂き光輪(ウルトラスラッシュ[29])[26][27]
スペシウムエネルギーを円盤ノコギリ状に丸めた光のカッターで[出典 3]、外周にのこぎり状態の突起がある。相手の体を切断するために使う。まず両手を胸の前に水平に構えた後、挙げた右手を振り下ろして投げる。第16話でバルタン星人(2代目)に対して初使用。空中で2つに分離してレッドキング(2代目)を3つに切り裂くシーンもある。投げ返されたり、バリアーに防がれるなど、通用しないことも多い。
『ウルトラマン80』では第45話で80がバルタン星人(6代目)を倒した八つ裂き光輪は初代ウルトラマンから教わったと言及されている[注釈 17]。
『ウルトラマンメビウス』以降の作品へのゲスト出演時にもたびたび使用され、その際には高速追尾機能を追加したり、左手に発生させて直接斬りつけて頑丈なキングジョーブラックの腕を切断したり、ゴーグファイヤーゴルザの破壊光線を跳ね返したりと、特殊な使用例を見せる。
脚本では「ウルトラ・スラッシュ」という名称であった[33]。
ウルトラアタック光線[34][26][27]
両腕先に発生させた高熱エネルギーを左手に発生させた爆発光線を右腕に集中させて絡ませスプリング状の光線にして放ち、相手の全身をエネルギー波動で覆って動きを麻痺させ、凝固させた後念波を送り粉砕する技[35]。作中では第31話でスペシウム光線の効かないケロニアを倒すのが唯一の使用例である。資料によっては火に弱い敵に有効な熱線[34]、スペシウム光線にも勝る強力光線である[36]などの説明もあるが、シナリオによればリング状光線から相手の爆発まで一連の技である。
『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では同様にスペシウム光線が効かないアントラーを倒す際に使用。
『ウルトラギャラクシーファイト 大いなる陰謀』でも使用、モルド・スペクターとの戦いで至近距離から二発発射する。
『ウルトラマンギンガS』の前日談小説『マウンテンピーナッツ』では、再生能力でスペシウム光線と八つ裂き光輪に耐えたノスフェル(SD)を粉砕した。
脚本では、ケロニアの胸に帯のような光芒が当たると金縛りになり、亀裂が次の瞬間に走り、砕け散るものとなっている[33]。
透視光線[34][27](ウルトラ透視光線[10])
両目から放って透明な敵や円盤を可視化したり、壁の向こう側を見通す光線。バルタン星人(初代)の宇宙船や、透明化したダダを発見するために使う。
ウルトラアイスポット[34][26][27](ウルトラ眼光[34])
両目から放つ光線。八つ裂き光輪も防ぐバルタン星人(2代目)の光波バリヤーを無効化する[34]。
スラッシュ光線[26][27]
両掌を重ねて連続発射する矢尻状の光線[注釈 18]。第33話で使うが、メフィラス星人の光線に相殺される。
キャッチ・リング[34][27](金縛り光線[34][33])[26]
相手の動きを封じるための3本の光輪。空中で高速スピンを行いながら発生させた3本のリング状の光線を敵の体にはめて動きを抑える。第39話で使用し、ゼットンの体を一度は拘束するが火球でスピンを止められ、引き千切られる。
リバウンド光線[38][27](ウルトラバリヤー[38])[26]
手の先から発するエネルギーで光の壁を前面に発生させ、攻撃を遮って跳ね返す[38]。第37話で使用し、ジェロニモンの無重力光線を跳ね返す。『ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、光の国の氷結から逃れる際にウルトラセブンと共に使用する[注釈 19]。
『ウルトラマンVS仮面ライダー』では、サソリガドラスの光線を防ぐのに使った。
ウルトラ念力[26][27]
強力な念力を放って物体を粉砕したり、静止させる能力。アボラスの吐いた溶解泡を吹き飛ばし、ジェロニモンが放った大量の羽根手裏剣を止める。ケロニア戦ではウルトラアタック光線に組み込まれる形で使用された。『大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE』では、ハヤタの状態で使用する[11]。
ウルトラエアキャッチ[38][26][27](ウルトラ反重力光線[注釈 20])
両手先から放射するウルトラ念力の一種で、空中へウルトラ念力で持ち上げた敵の動きを抑制させることができる念力波[39][40]。第25話でレッドキング(2代目)に使う。
ウルトラサイコキネシス[38][26][27]
両掌から放つ渦巻き状の光線で相手の意識を喪失させて動きを抑え、左右の手の指先でその動きを操り、空中に持ち上げて遠方に飛ばし、爆破させる技。第38話でスペシウム光線や八つ裂き光輪が効かないキーラに使用する。
ウルトラ水流[出典 4]
念力で空気中の酸素と水素を集めて融合して水を発生させた後[35]、両手を組み合わせ、その間から高圧水流を放射する技。構えは2種類存在する[10][41]。第13話では、ペスターが起こした石油コンビナートの大火災を鎮火するために使う。また、第23話では、胸で腕を合わせて[35]、水を弱点とするジャミラに浴びせて倒す。
ハイスピン[41][26][27]
体を地上でコマのように高速回転させる能力。これによりブルトンが作り出す四次元空間から脱出する。
テレポーテーション[出典 5]
精神統一をした後、顔の前で×字に交差させた腕を解いて、頭から順に消えていき、別の場所で頭から順に現れる。別の星に移動できるほどだが、膨大なエネルギーと強靭な精神力を要するため、著しく寿命を縮める。第16話で使用し、R惑星から地球へ移動した。戦闘終了後、ハヤタはテレポーテーションの後遺症で気を失う。
光線白刃取り[41][26][27]
第31話でケロニアの熱線を合掌した両手で受け止めて周囲に散らして無力化した技。
飛行能力[12]
大気圏内だけでなく宇宙空間を自由に飛行する能力を持っている。大気圏内での飛行速度はマッハ5[注釈 21]。超光速で宇宙空間を飛行する時は赤い光の球で全身を包む(第1話)。
地中突進能力[41](地中進行能力[12])
地中を掘り進む能力[41]。第29話で使用。
次元移動能力[33]
四次元空間から空間を突破して三次元空間に戻ってくる技。
巨大化能力[41][12]
第28話でダダのミクロ化器(縮小光線銃)により等身大にされた際にのみ使用。胸の前で両手を合わせてスパークさせ、変身時と同じプロセスで再度巨大化する。
空中体当たり[41][26][37]
高速飛行しながら落下してくる敵に空中激突する。ガマクジラとスカイドンを倒す。第14・34話では激突時の飛行ポーズが異なる[注釈 22]。
ウルトラ頭突き[42][37]
ダイヤモンドの100倍の硬さがあるといわれる頭頂部を使い[42]、低い姿勢から勢いよく飛び出して敵の顔面に打ち込む技。
ウルトラチョップ[42][26][37]
パワーを活かした手刀で相手の弱点を打ち据える。
ウルトラダブルチョップ[26][37]
敵の胸に掌を合わせた左右の手刀を素早く打ち込む
ウルトラかすみ斬り[42](ウルトラ霞斬り[26][37])
敵目掛けて走り込み、すれ違いざまに敵の頭部にカウンターチョップを打ち込み、致命傷を与える技。第10話で使用し、ジラースを倒す。
ウルトラパンチ[42][26][37]
敵の弱点を見極めて打ち込むストレートパンチで、インドゾウ50頭分の破壊力がある[42]と言われているが、真偽は不明[37]。
蹴り技[43]
ウルトラキック[43][26][37]
足に体内の全パワーを集中して素早く打ち込むストレートキック。ウルトラマンの関節は「三重関節」と呼ばれ、キックなどの威力が数百倍になる[43]。
急降下キック[43][26][37]
高空から敵めがけて急降下する力を利用して、両足で一気に怪獣を蹴り倒す技で、グリーンモンス、レッドキング、ゴモラ、ジェロニモンに使用する。
回転首締め[43][26](回転首絞め[37])
両脚を敵の首に挟み込んだまま転倒させて、ともに大地に横たわった状態で12万トンの怪力で強く締めつけて地面に叩きつける、プロレス技に似た戦法。第28話で使用し、ダダを苦しめる。
投げ技[43]
ウルトラスウィング[43][26][37](ハンマー投げ)
敵の頭部や尻尾を掴んで振り回し、地面や空中に勢い良く放り投げる。
岩石落とし[43][26][37]
怪獣にダメージを与えて、ひるんだところを両腕の怪力で頭上高く持ち上げ、勢い良く地面に叩きつける大技。テレスドンを頭から地面に投げつけて倒した。
背負い投げ[43][37]
相手の首を後ろ手に掴み、肩に担ぎ上げて地面に投げ飛ばして地面に叩きつける大技。レッドキング、テレスドンを一撃で倒している。
巴投げ[43][37]
大地に倒れ込んで、相手の突進してくる力や動きを利用するようにして、両足の力で投げ飛ばす技。
ネックハンギング[42][26]
両手で怪獣の首を締め上げたまま体を吊り上げ、気絶させる技。この技で怪獣を弱らせ、投げ技へとつなぐことが多い。
ヘッドロック[42][37]
両腕で怪獣の首を押さえて締め上げ、動きを一時的に封じる技。戦況に応じて、片手で締めたり両腕を使って挟んだりする。怪獣が突進してきた瞬間に抱え込んで、そのまま投げ飛ばす技に転ずることも多い。
闘牛戦法[出典 6]
ジラースから引きちぎった襟巻きをマントに見立て、闘牛士のように戦う戦法。
角折り戦法[出典 6]
パワータイプの怪獣の角を叩き折ることで、戦意を喪失させる戦法。
馬乗り戦法[26][37]
上空から勢いよく四足歩行の敵の背後にのしかかり、馬乗りになって動きを抑え込みながら攻撃を加える戦法。
くすぐり戦法[42][37]
相手の首や脇腹をくすぐって戦意を奪い、隙を作り出す技。第11話で使用し、馬乗りになったギャンゴから逃れた。
他作品への出演時に見せる能力
ウルトラセパレーション[26][46]
映画『甦れ!ウルトラマン』で使った新技。5体に分身し、それぞれが各地に飛んで独自に怪獣と戦う超能力技。
マリン・スペシウム光線[26][46]
映画『甦れ!ウルトラマン』で使用。スペシウム光線の威力を強化させた7色の破壊光線。スペシウム光線が効かないゼットンを倒す。ゲーム作品『スーパーヒーロージェネレーション』でも、ウルトラマンの最強の技として使用可能。
ギガスペシウム光線
ゲーム作品『ウルトラマン Fighting Evolution Rebirth』限定の技。カオスロイドUのカオススペシウム光線を撃たれた後に、プラズマスパーク・エネルギーコアの光のパワーを得た時にのみ発射できる究極のスペシウム光線。威力は通常の光線を凌駕する。
赤い球状での体当たり(名称なし)
『ウルトラマンティガ』第49話で、円谷英二監督の想いが実体化して現れたウルトラマンが使用。ヤナカーギーを弾き飛ばす。
エネルギー付与
同じく『ウルトラマンティガ』第49話で使用。ティガにエネルギーを与える光線。
カラーリウム光線
『ウルトラマンフェスティバル2016』ライブステージで使用。敵の動きを止める光線で、敵が動きを止めている間に次の攻撃をする。
他のキャラクターとの合同技
超ウルトラ8兄弟での合体技については「大決戦!超ウルトラ8兄弟」を参照
ウルトラの星作戦[26]
『帰ってきたウルトラマン』第38話にゲスト出演した際に、ウルトラセブンと共に使用する技。2人で飛行しながら体を交差させてエネルギー域を作り出す。ナックル星人に捕らえられたウルトラマンジャックを蘇生させる[47]。
ダブル光線[47]
『帰ってきたウルトラマン』第38話にゲスト出演した際に、ウルトラセブンとともに使用する技。スペシウム光線とエメリウム光線を同時に放ち、ナックル星人の円盤を破壊する。
ウルトラチャージ[48]
Aにウルトラ4兄弟が自らの活動エネルギーをチャージする際に使用した技。
金縛り光線[47]
『ウルトラマンタロウ』第34話にゲスト出演した際に、テンペラー星人の動きを封じるために、ウルトラマンエースと同時に発射する、青白い帯状の光線。スペシウム光線を発射するときと同じように、腕を十字型に組んで放ち、テンペラー星人の体を何重にも縛り、締め上げる。
必殺光線一斉発射[49][50](グランドスパーク[26])
複数のウルトラ戦士が必殺光線を同時に放つ技。
『ウルトラマンタロウ』第34話にゲスト出演した際に、ゾフィー、ウルトラセブン、ウルトラマンジャック、ウルトラマンエースとともに放つ。ウルトラマンはスペシウム光線を発射しているとされるが[49]、構えは全員L字型である。テンペラー星人の宇宙船に向かい、それぞれが必殺光線を一斉に発射することで、大爆発させる。ウルトラマン列伝第1話にて名称が確認された。
映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』ではマン・セブン・ジャック・エースの4人で使用。こちらはスペシウム光線の構えである[50]。月面でのUキラーザウルスとの戦いでは、光線を一点に集中することで威力を増している[50]。
映画『ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国』ではデルストの大群を倒した[51]。
5兄弟リフター[49]
『ウルトラマンタロウ』第34話にゲスト出演した際に、ウルトラ5兄弟がテンペラー星人を空中に放り投げる際に使用する技[49]。5兄弟で相手を持ち上げ、回転しながら空中に放り投げる。
トリプルスピンビーム[49]
映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』で使う、初代マン、ウルトラセブン、タロウの3人による合体技。「トリプルスピンビーム!」と叫び、肩を組んで回転しながら、敵のエネルギーを中和させるアンチエネルギー波を放つ[49]。怪獣帝王ゴモラのキャッチビームを無力化する。
ウルトラフラッシャー[49]
「ウルトラフラッシャー」と叫び、初代マンのスペシウム光線、セブンのエメリウム光線、タロウのストリウム光線を同時に撃つ合体技。映画『ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団』で使い、トリプルスピンビームで無力化したキャッチビームを破壊して中に閉じ込められていたハヌマーンを救出する。
3戦士トリプル光線[49]
『ウルトラマンレオ』第38・39話にゲスト出演した際に、ウルトラキーを盗んだアストラをババルウ星人の化けた偽者とも知らずにかばう彼の兄・ウルトラマンレオに対し、ジャック、エースとともに放つ光線。全員が両腕をL字型に組み、右腕から発射する。
ウルトラスペシウムシュシュファイナル
『有言実行三姉妹シュシュトリアン』にゲスト出演した際、バルタン星人を倒すために使用される。前衛で巨大化したシュシュトリアンが必殺技「シュシュファイナル」のポーズを取り「ウルトラスペシウムシュシュファイナル」と技名を叫び、後衛に配したウルトラマンが「スペシウム光線」を「シュシュファイナル」を放つ交差したバトン越しにバルタン星人に向かい放つことで二つの技が合わさった技。
ファイナル・クロスシールド[50]
映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』で、Uキラーザウルスとヤプールの怨念を封印するためにウルトラセブン、ウルトラマンジャック(新マン)、ウルトラマンAと共に使う大技。光エネルギーのほぼ全てを使い果たすため、使用後は変身と戦闘を行うことが困難になる。
エネルギー照射[50]
映画『ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟』で、セブン、ジャック、Aと共に使う能力。宇宙人連合に捕らえられたメビウスに、4方向からエネルギーを与える。
結界
『ウルトラギャラクシー大怪獣バトル』で使った、付近一帯に怪獣を寄せ付けなくする結界。レイブラッド星人に肉体を封印された状態で使用し、自らの命を削りながらも人間を守る。
赤い光線(正式名称不明)
OV『ウルトラマンゼロ外伝 キラー ザ ビートスター』でゾフィー、セブンと共に放った光線。3人が手を繋いで輪を作り、回転することで発射される。ビートスターが惑星ブラムに衝突する際の時間稼ぎとして使用する。
変身時間
ウルトラマンの活動時間は「3分間」と視聴者に認知されているが、本作品の作中およびシナリオにおいて3分間と言及されているわけではない[注釈 23]。作中で「ウルトラマンのエネルギーは3分間しか続かない」と初めて明言されたのは、『帰ってきたウルトラマン』の第1話である。

TBS番組宣伝課発行の「ウルトラマンあらすじ集」には「ウルトラマンの持続時間は胸に点滅するカラータイマーのランプの色と警告ブザーが示す。最初は青色で3分間、途中黄色に変わった時が注意信号で、赤色になるとあと30秒で全ての力を失う危険信号になっている」と記述されているが、これは仮タイトル時の2月15日にTBS第一会議室で作成された「レッドマン最終申し合わせ事項」をほぼそのまま引用したもの。放映直前の「週刊TVガイド」1966年6月24日号では、「ウルトラマンの胸に赤ランプがつくと、彼の超能力もあと30秒で消滅するのだ!」と、青の具体的な持続時間および黄色の注意信号の件が省略され、続く「ジュニアTBSニュース号外」では「ウルトラマンの胸に赤ランプがつきブザーが鳴るのは、もうすぐエネルギーがゼロになるという警告である」と、ラスト30秒の件までが省略されて完成作品におけるナレーションに近いものになっている。ただし第7話には「あと30秒だ」というイデ隊員のセリフがあり、当初の基本設定が踏襲されている。

これら初期の設定を、大伴昌司が『少年マガジン』誌上で簡略化のうえ「3分間」と紹介したものを、円谷特技プロが後から公認したとされる。

なぜ制限が3分間であるかについて、円谷プロの満田かずほ監督は、多額の予算を必要とする特撮・格闘シーンを30分番組の1割に当たる3分間に収めるという約束事がなされたためと語っている。また、当時の人気格闘技ボクシングにおける1ラウンドの試合時間、長嶋茂雄の背番号などからヒントを得たとしている。

カラータイマー
撮影費用のかかる特撮部分の経費削減と、ウルトラマンが完全無欠のヒーローでありすぎると話に面白みが欠けるので、子供にも分かりやすい弱点を作ることが目的とされ、当初のデザインでは存在していなかったカラータイマーと変身時間の制限が導入されたといわれている。カラータイマーの点滅については、当時の主流だった白黒テレビを考慮しての面が大きい。

カラータイマーはデザイン上の要請とは無関係に後の企画会議で考案されたものであり、デザイナーの成田亨は「ロボットになってしまう」とこれを嫌い[31]、自身が作成したウルトラマンの絵画や塑像にはカラータイマーをつけていないことも多い[52][注釈 24]。また、ウルトラマンの変身・巨大化時の右手を宙空に突き上げたポーズの人形にはカラータイマーがついていないが、ウルトラマンに不可欠なデザイン上の特徴として以後のウルトラシリーズに継承され、他の類似作品にも大きな影響を与えた。成田は、『ウルトラセブン』のデザイン時にこのことを見越してウルトラセブンの額に小さなランプをあらかじめ盛り込んでおり、実際にシリーズ中盤から活動限界を知らせる機能が追加されている。

撮影に用いられた実物は、3ミリの透明板をヒートプレスして透明エポキシ樹脂で点モールドが置かれ、中には青と赤のセロファンが入っている[53]。

名付け
作中では、第1話でハヤタは当初巨大宇宙人のことを「彼」と呼び「名なんて無いよ」と言っていたが、イデ隊員に「名無しの権兵衛なんてあるもんか」と言われたためその場で「ウルトラマン」と命名した。この時のハヤタはウルトラマンと一心同体になっていたため、ウルトラマンが自称したと解釈することも可能であるが、この命名がハヤタの意思なのかウルトラマンの意思なのか、作中で明示されたことはない[注釈 25]。その後、敵対する宇宙人やゾフィーからも「ウルトラマン」と呼ばれている。

『ウルトラマンメビウス』第1話ではウルトラの父が「あの星(地球)では我々をそう呼ぶ」と語っている。

映像作品以外で「ウルトラマン」の名前のルーツが明示されることもあり、『小説 ウルトラマン』ではアラシの「ウルトラに強かった」と評するセリフから、漫画『ウルトラマン THE FIRST』では「ウルトラ作戦第一号の協力者」という着想からそれぞれハヤタが名付けている。

ウルトラマンのデザイン・造形
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出典検索?: "ウルトラマン" – ニュース · 書籍 · スカラー · CiNii · J-STAGE · NDL · dlib.jp · ジャパンサーチ · TWL(2012年10月)
ウルトラマンのデザインは、『ウルトラQ』でも怪獣や宇宙人のデザイン、セットの美術デザインを手がけた彫刻家の成田亨が担当。仕上げの最終段階で平面上の作業に見切りをつけたため、デザイン画の決定稿は存在しない[52][54]。成田の指示のもと、美術スタッフの佐々木明が粘土による造型作業を繰り返す中で、マスクと身体の模様が完成した[54][注釈 26][注釈 27]。成田のデザインイメージでは、ウルトラマンはマットなシルバー塗装ではなく、メッキ加工による銀であったという。ウルトラマンでは実現しなかったが、後に成田が美術を担当する『突撃! ヒューマン!!』において、主役ヒーローのステンレス製マスクで結実した[57]。

雛型とスーツ、マスクの製作は佐々木明が担当[31]。

造形は、演技者の古谷敏の体型を採寸してライフマスクを取って完全に古谷専用として作られており、他の演技者が着用することは考慮されていない[54]。古谷の体型が八頭身であることから、マスクを着けることで成田が人体の美の理想とする七頭身になるとしている。

撮影での傷みによる作り直しと改良・修正の意味も併せて、2度大きなモデルチェンジが行われている[54]。これはAタイプ(第13話まで)、Bタイプ(第14 - 29話)、Cタイプ(第30話以降)と呼ばれて区別されている[54][58][注釈 28]。

マスク
Aタイプのマスクはそれ以降のマスク同様に土台となるFRP樹脂製マスクの裏打ちの表面に、マスク原型から抜いた合成ゴム・ラテックスの表皮をコートする形で作成されている[出典 7]。これは当初、作中で口を可動させる予定だったが[注釈 29]、撮影が開始されてから口の開閉の効果が充分に発揮できないことが判明し、なおかつ口の横に不自然なシワ[注釈 30]ができてしまった[54][60]ため、開閉がオミットされた[23][注釈 31]。1クール分の撮影が終了したころ、傷みと劣化が進行したため[注釈 32]、Bタイプに新調されるが、この際に口の開閉が廃されて口はモールドのみとなり、ラテックス使用の必要性がなくなったため、素材はFRP製となり、Aタイプの原型からポリエステル(FRP[出典 8])で抜いて一体成型で仕上げて製作している[出典 9]。一部の文芸スタッフ[誰?]はこの経緯を知らず、放送を見て「前回まで宇宙人然としていた顔が鉄仮面のようになって驚いた」と証言している[要出典]。Bタイプマスクの特徴として上アゴの部分がやや飛び出して頬がほっそりし、口幅が狭く口元が締まっていることもあってやや口の上部分が出ており[59]、知的でシャープな顔立ちである[61][注釈 33]。Aタイプマスクの途中から右の耳の中には目とカラータイマーの電飾のスイッチが付けられている[62][61][注釈 34]。佐々木によって改良されたマスク原型から作られたCタイプマスクはBタイプに比べて細身ながらも、丸みを帯びた印象で口幅がより広く雄々しくなり、アルカイックスマイルが強調された穏やかに微笑んでいるかのような口元と、どことなく温和な雰囲気の顔立ちが特徴であり、Bタイプと比べると目の取り付け位置、耳の形状、その位置や角度も異なっている[63]。耳の中心をくり抜くことで外部の音が聞こえやすくなっており、外側には銀色に塗った薄いスポンジが張られている[53]。
BからCに新たに造形し直されたことについては、デザイン・造形ともに関与していた成田の「晩年近くになるまで全く知らなかった」との証言や「佐々木明が自身で造形したBタイプにどうも満足がいかず、それを解決するため独自の判断で全面的に作り直ししたのではないか」との憶測はあるが、現在に至るもはっきりとわかっていない[54]。
この新たに作られたCタイプマスクの原型は、ゾフィーや後の『帰ってきたウルトラマン』にも流用され、以降は長期に渡ってウルトラマン(ゾフィーと新マン含む)の標準的マスクになる[54]。
目の形状は3タイプとも共通である[54]。最初の撮影会の段階では目に覗き穴はなかった[54]。視界確保のために目の一部を透明パーツにするための作業が間に合わず、4月1日に行われた記者取材では成田自らマスクと目の一部に覗き穴があけたという[31]。内部の電球が見えないよう薄めたFRPが内側に塗られている[54]。
A・B・Cマスク共通で2ミリのエンビ板がヒートプレスしてあり、目の押し型は木製となっている[53]。
スーツ
新宿御苑付近の東京アクアラングサービスに発注されたものが基になっている[55][31]。スーツは前作のケムール人で使用したウェットスーツが質感として成功したため、ウルトラマンもウェットスーツで製作されることになった。初期のAタイプは銀と赤(朱)のラインでそれぞれ型紙を起こし、スキューバダイビング用のポリエチレンの厚さ5ミリメートルの黒いウェットスーツ生地[58][31]をウレタンパッドを入れる前提で古谷の体形に合わせて裁断し、バラバラに作ったラインのパーツを接合して、ラテックスを張って製作されている[55][12][23]。その後、当初の「宇宙人」からヒーロー性を強調した造形に変更が加えられ、スーツが作り替えられるたびに上半身がより筋骨隆々としたたくましい体型に変化していった[注釈 35]。BタイプとCタイプは、赤い素材に銀の模様が描かれている[58]。AタイプとBタイプはマスクとの境目付近が銀色に塗装されていたが、Cタイプは塗装されておらず、マスクとの境目がそのまま色の境界線になっている。その後、アメリカから輸入した銀色のウェットスーツを基に赤いラインを描いて使うようになり、後にアメリカ製の赤いウェットスーツを入手するとそれらを裁断して1つのスーツに縫い合わせていたという[55][64]。Cタイプでは、パッドが尻部分にも入れられている[63]。
足(靴)は、Aタイプは市販のゴム地下足袋の改造品[54]。当初はラテックスのオリジナルのブーツを作っていたが、崩れたり破れたりとダメージが酷かったことから、後に既製品のブーツが改良されたものが使用された[64]。Bタイプはブーツの爪先が尖って反り返っている[58]上に、踵の上に成田のデザイン画にもあった縦に小さなヒレ(ファスナー隠しと思われる)が付いている[54][61]。Cタイプは靴底を薄いゴムに貼り替えた皮革製ブーツであるため、両内側にファスナーラインが見える。第30・31話では、Bタイプと思われるものを使用しているが、第32話以降は先の反り返っていないブーツ式のものが使用された[63]。
手は医療用(外科手術用)の極薄手の手袋を使用し[出典 11]、スーツとの継ぎ目を撮影のたびにテープで貼って隠した[23]上で、手から手首全体をスーツと同じ銀色に塗装する[58]ことで、視聴者に「人が着ぐるみを着て演じている」印象を薄める処理がなされている。足についても靴とスーツの境目に同様の処理が施されている[55]。Cタイプではグローブの上に袖部分をはめている[63]。
電飾のバッテリーは両脇に仕込まれている[61]。
第39話のゾフィーの赤い球の中にいるウルトラマンは、ゾフィーがウルトラマンのスーツを流用しているため、古谷敏がゾフィーを担当することとなり、ゾフィーの手前で詰め物がされたウルトラマンのスーツをピアノ線で吊っている[65]。ウルトラマンのスーツアクターを務めた古谷敏は、隆々とした体型にするためにウレタンを入れていたことから、古谷自身の皮膚感として伝わってこず、殴られた際の痛みは少ないものの、芝居はし難しかったとしている[17]。
塗装
塗装にもウェットスーツ(ゴム)に対する密着性とアクションに伴う伸縮性が求められたが、当時はウェットスーツ専用の塗料が存在しなかった。そこで、ゴム系接着剤を溶剤で希釈したものに銀粉を混ぜた専用の塗料を手作りし、使用している。これは通称「円谷銀」「ボンド銀[54]」と呼ばれ、ムラにならないようにするために非常に薄く、何度も塗り重ねてようやく塗装面として完成する。ウェットスーツ専用の塗料が一般に出回るようになるまで、以降のシリーズや他の円谷ヒーローなどの塗装の基本になった。黒いスーツの全体を銀色に塗装し、赤い色を上から重ねて塗っていたが、当初用いられていた塗料は色落ちや乾燥後のひび割れが激しく、撮影の度に補修が必要となっていた[出典 12]。
Aタイプでは配色に合わせてスーツが継ぎ接ぎされていたが、Bタイプ以降は塗料のみで色分けされている[54]。Cタイプでは頭部側面が銀部分がなくなって赤一色のみに変更され、マスクのラインが赤と銀の分かれ目になっている[63]。
また、ウルトラマンの赤色は本来は朱色だが、ネロンガ戦とその時の雑誌用特写で見られる色は真っ赤である。これは当時、まだ主流だったモノクロでの掲載を考慮してコントラストをハッキリさせるため[注釈 36]のこの撮影時のみの処置で、後から拭き取れるように朱色の上からポスターカラーで赤く塗ったものだった。
スーツの保存・その後
これら撮影用スーツのその後の処理、保存状況などの詳細は以下の通りである。
Aタイプ - Bタイプに交代後、マスクを剥がしてにせウルトラマンを経て、ゾフィーに改造[54]。マスクはラテックスのために劣化し、廃棄されて現存しない。
Bタイプ - Cタイプに交代後は円谷倉庫で保管されていたが、1970年代に盗難に遭って現在に至るまで所在不明。
Cタイプ - 撮影終了後に番組スタッフの手元に渡っており、スーツ本体は経年劣化してしまったが、マスクのみスーツから外され当時の実物が現存する[注釈 37]。
ウルトラマンのスーツはゴム素材のウェットスーツを使用しているため、ゴムの腐食による傷みが激しく、数年以上完全な形で保存できない。また、銀色などの塗装にも合成ゴム系接着剤が使用されるため、日ごとに柔軟性が下がり、塗装面が大きいほどスーツが硬化して縮んでしまう。また撮影用スーツについては、爆発の爆煙効果に使用されるセメント粉が表面の微細な気泡に入り込んで硬化してしまうため、なお劣化が早い。後のウルトラシリーズの各番組や映画、またイベントや展示、CM撮影時には、数年ごとに新調されている。作品の制作が終了後もこうして多くのスーツが作られる。またこれらは基本的に手造りであり、当初はこれほど長期的コンテンツになるとは考えられておらず、身体のラインの型紙なども存在しなかった。既存の写真などを参考に作るため、細部の異なった様々なバリエーションのスーツが存在することになる。スーツは中に入る演技者の体形に合わせて製作されるため、身長や体型の違いによるバリエーションも非常に多い。
Cタイプを模したマスクは、佐々木明が撮影当時にオリジナルの型から作成したレプリカを原型としているが、古谷のような長身のスーツアクターは稀であるため、マスクを小さくしてバランスをとっている[66]。目やカラータイマーの電飾は電球ではなくLEDが用いられている[66]。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A6%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%A9%E3%83%9E%E3%83%B3

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