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アメリカ大統領選挙 1月6日議事堂襲撃の深い闇

1:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/14 (Tue) 04:57:55

アメリカ大統領選挙 1月6日議事堂襲撃の深い闇 / 主流メディアが避ける真実
「使い捨て」にされる下っ端
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68926303.html

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  米国連邦議会の下院議長が、民衆党のナンシー・ペロシから、ケヴィン・マッカーシー議員に替わったことで、重要な証拠、すなわち2021年1月6日の暴動を記録した監視映像が共和党の手に渡ることになった。そして、この物的証拠はFOXテレビの人気キャスター、あのタッカー・カールソン(Tucker Carlson)に委ねられることになった。これは実に画期的なことである。なぜなら、件(くだん)の監視映像全編は、“不都合なシーン”が多数あったせいか、ペロシ議長によって“ずっと”隠されていたからだ。

  インターネットを介して日本でも話題となったが、議事堂の監視カメラには驚くような光景が記録されていた。FOX TVを視聴したアメリカ国民は、「主流メディアにまんまと騙された」と気づき、改めて民衆党の情報操作に憤慨している。

Jacob Chansley 2( 左 / ジェイコブ・チャンスリー )
 先ず、特筆すべきは、あの“Qアノン・シャーマン”が警備員と親しく話していたことだ。議事堂暴動が発生した直後、マスコミは一斉に異様な姿のシャーマン男を大々的に取り上げていた。彼を目にした一般の日本人も、「これって、ハリウッド映画の撮影現場?」と勘違いする程で、ヴァイキング風の野蛮人を奇異な目で見ていた。ところが、このジェイコブ・チャンスリー(Jacob Chansley)という不届者は、議事堂警備に当たっていた警官と親しく話していたのだ。本来なら、警備担当者は暴徒を駆逐・拘束するはずなのに、治安維持の警察官はやけに親切丁寧。彼らはこの闖入者を連れて各部屋を案内していたのだ。(Miranda Devine, 'Jan.6 footage Capitol cops escorting QAnon Shaman to Senate floor', New Yorker, March 6, 2023.) 

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(左 : 「シャーマン」に扮装したジェイコブ・チャンスリー / 右 : 警官と親しく話すチャンスリー)

 これはおかしい ! なぜ、議員を守る警官が、誰にでも直ぐ判る“ならず者を逮捕しなかったのか? 数名の警備員が上院のフロアーや出入り口を説明し、わざわざドアを開けて彼を議会内へ入場させるなんて異常だ。こんな映像を目にしたら、アメリカ人じゃなくても、「ヤラセ(八百長)暴動じゃないのか?」と怪しんでしまうだろう。

  昔(1973年)、新宿伊勢丹の正面入口で、アントニオ猪木がタイガー・ジェット・シンの一味に襲撃される、という「偶発事件」が起きた。夫人の倍賞美津子と弟の啓介を連れた猪木は、突然シンと仲間のビル・ホワイト、およびエディー・オーガに襲われた。さすがに、あの猪木でも「コブラ・ツイスト」や「ウェスタン・ラリアート」で反撃できず、憐れにもガードレールに投げつけられ、腕や顔から血を流したそうだ。周りに居た一般人の通報により警官が駆けつけたが、その頃には既にシン一味はパトカーが来る前に逃走したという。素人でも察しがつくように、警察は新日本プロレス側の「自作自演」を疑っていた。

  しかし、猪木と新日本側は、この容疑を否定した。でも、これはおかしい。新日本プロレスの責任者は、契約外人レスラー達を傷害罪で訴えず、「騒動を起こしてしまい、誠に申し訳ありません」と警察に詫びるだけだった。警察は新日本側に「厳重注意」を言い渡すことで「一件落着」にしたという。マスコミがこの「襲撃事件」を大々的に取り上げたから、テレビ放送の「アントニオ猪木vsタイガー・ジェット・シン」の試合は大盛り上がり。人々は“燃える闘魂”のアントニオ猪木が、どんな風に“仕返し”をするのかと興味津々だ。案の定、プロレス番組は高視聴率を叩き出した。確かに、白昼堂々の「襲撃」じゃあ、新聞やテレビは反射的に飛びつく。新日本プロレス側としては、“自主的(無料)”に報道してくれたので、かなり“安上がり”な宣伝となったはずだ。

  話を戻す。タッカー・カールソンが自身の冠番組で映像を流すと予想通り大反響となった。しかし、民衆党は面白くない。トランプ大統領を貶めたい連中は、秘密を暴露するカールソンをも非難することにした。例えば、民衆党のジェイミー・ラスキン(Jamie Raskin)下院議員は、カールソンのことを「深刻なセキュリティー・リスクだ!」と非難する。そして、ラスキン議員はカールソンを貶(けな)し、かれを「親プーチンでオルバンを賞賛する独裁者の宣伝係」と罵っていたのだ。ラスキンと同じ穴のムジナで、トランプ嫌いのアダム・シフ(Adam Schiff)下院議員もカールソンを批判し、自身のツイッターで「弱虫野郎だ」と侮辱していた。(ついでに言えば、ラスキンとシフは共にユダヤ人。)

Jamie Raskin 22Adam Schiff 111








(左 : ジェイミー・ラスキン / 右 : アダム・シフ)

  もう一つ、カールソンの検証番組で注目すべきは、タリク・ジョンソン(Tarik Khalid Johnson)という警備員の出演だ。彼は議事堂警備に当たっていた警察官で、「事件」が勃発した時、真剣に暴徒を何とかしようと努力していたそうだ。とりあえず、彼は上院議員達を議会から退避させ、議事堂外へ誘導すべし、と考えた。そこで、ジョンソン氏は無線を使い、議員達を脱出させても良いかどうかの許可を取ろうとした。彼は警備副隊長のヨガナンダ・ピットマン(Yogananda Pittman)に指示を仰ぐ。

Tucker Carlson 324Tarik Johnson 1Yogananda Pittman 993








(左 : タッカー・カールソン / 中央 : タリク・ジョンソン / 右 : ヨガナンダ・ピットマン )

  ところが、上司のピットマンはジョンソンの発信に応えなかった。奇妙だ。なぜ彼女は応答しなかったのか? 刻一刻と時間だけが過ぎてゆくので、仕方ないからジョンソン氏は、独断で議員達を退避させることにした。また、任務に忠実なジョンソンは、暴徒らに取り囲まれた同僚が心配になったので、咄嗟に「MAGA」帽子をかぶり、仲間を助けに行こうと決断した。もちろん、ジョンソン氏は共和党員じゃなく、ジョー・バイデンに投票した民衆党支持者。でも、群衆の中に入り込むため、あえて赤い帽子をかぶり、暴徒に「トランプ支持者」をアピールしたそうだ。

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(左 : 議事堂に乱入しようとする暴徒 / 右 : 赤い「MAGA」帽子をかぶるジョンソン)

 しかし、この“機転”が致命的な“敗着”となってしまった。彼の映像が一般に流れたため、一部の国民や警察の上層部からは「トランプ支持者の警官」と思われてしまったのだ。これが原因で、後に彼は停職処分となり、仕舞には「不充分・不適切な警備」を指摘され、理不尽にも馘首処分となる。

  一生懸命頑張ったのに、いきなり「無能さ」を咎められ、警察をクビになるなんて、本当に哀れだ。しかし、奇妙なのはこれだけじゃない。彼は重要な証人にもかかわらず、民衆党が主導する「1月6日委員会(House Jan.6 Select Committee)」に呼ばれなかったのだ。本来なら、委員会が真っ先に召喚するはずなのに、「無視されたまま」というのは奇妙で、全く納得きない。(Joseph A. Wulfsohn, ‘Tucker Carlson ’exclusively with Capitol Police officer ignored by Jan.6 panel amid footage release', Fox News, March 8, 2023.)

  一方、ピットマン氏は議事堂を守ったという“功績”で、ナンシー・ペロシから“お褒め”の言葉を頂戴した。ジョンソンと対蹠的に、彼女は議事堂警護隊長へと昇格する。そして、彼女は後にカルフォルニア大学バークレー校の警備主任へと栄転したそうだ。タッカー・カールソンは彼女にインタヴューを申し込んだが断られた。たぶん、ピットマンはカールソンの詰問に怯えたんだろう。民衆党のヤラセに協力したと思われる他の警官も表彰されたそうで、彼らは「議会黄金メダル(Congressional Gold Medal)」を授与された。

 「下っ端」というのは本当に惨めな存在だ。何も知らされていなかったジョンソンは、真面目に職務を遂行しただけなのに、イチャモンのような譴責を受けてクビになった。22年間も警察に勤め上げた男は、“誇り”ばかりか、“年金”すらも失う破目に。辞職後、彼は家具店に勤め、商品を運ぶ店員として、女房と娘を養っているそうだ。日本の地上波テレビが、こうした下級職員を取り上げることは一切無い。普段は「庶民目線」を「売り」にしているくせに、巨大な闇組織の影がチラつくと、スカンクよりも早く逃げ出し、モグラよりも深く地中に潜る。

元軍人の暗躍

  とにかく、色々な事実が明らかになったことで、「1月6日暴動」に関する疑惑は益々深まった。特に、議事堂の外で暴徒を煽っていたレイ・エプス(Ray Epps)は実に怪しい。当時、61歳だったエプスは、アリゾナ州で「Knotty Barn」という結婚式場を営む元海兵隊員だった。右派団体「プラウド・ボーイズ(Proud Boys)」によれば、エプスは同団体のアリゾナ支部に属するメンバーであったらしい。


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(左 / レイ・エプス)
  確かに、エプスは「トランプ支持者」で、「投票泥棒を止めろ(Stop the Steal)」集会に駆けつけていた。しかし、彼は議事堂へ突入するつもりは無かったという。エプス本人の供述によれば、彼は暴徒を鎮め、平和裏にデモを行うつもりであったそうだ。それゆえ、警官に襲いかかるなんて気は、毛頭なかったという。(Alan Feuer, 'a Trump Backer's Downfall as the Target of a Jan. 6 Conspiracy Theory’, The New York Times, July 14, 2022.)

  しかし、エプスがトランプ支持者を鼓舞し、議事堂への突入を煽っていたことは、録画映像を見れば明らかだ。それなのに、彼はFBIの「お尋ね者リスト(Wanted List)」から外されていたのである。これはおかしい。FBIは725名もの容疑者を「不法侵入罪」で逮捕していたのに、どうして暴徒を煽っていたエプスは無罪なのか? 議事堂に突入しなかったから逮捕・起訴しない、というのはあまりにも奇妙だ。普通なら、煽動罪とか共謀罪で拘束されるだろう。何しろ、民衆党の議員や司法当局は、トランプ支持者や右翼分子による「陰謀」があったと主張していたのだから。

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(左 : 群衆を扇動する レイ・エプス / 右 : レイ・エプスとロビン夫人)

  こうした“不自然な扱い”を目にした保守派国民は、エプスを「FBIの内通者」あるいは「FBIの子飼い」じゃないか、と疑っていた。ところが、“不当容疑”を掛けられたエプスは“被害者”を装っていたのだ。彼は濡れ衣を晴らしたいのか、事件後に多くの脅迫を受けたと語っていた。エプスは女房を守るため、地元の店を畳み、自宅も売却してトレイラー・ハウス(移動住宅)暮らしだという。だが、本当にエプスは単なる一般人だったのか?

  ニューヨーク・タイムズ紙やワシントン・ポスト紙といった主流メディアは、「FBI協力者説」を否定していた。民衆党寄りのマスメディアは、「右派勢力によるデマだ!」、「陰謀論者による言いがかりだ!」と批判し、エプスの無実を訴えていたが、まともな軍人や議員は信じていたのか? そもそも、エプスより“いかがわしい”のは、隠蔽工作に加担していたマスコミと、FBIを統括するメリック・ガーランド(Merrick Garland)司法長官の方だろう。

  もう一つ怪しいのは、「プラウド・ボーイズ(Proud Boys)」が目論んだとされる連邦ビルの襲撃・占拠計画だ。「プラウド・ボーイズ」によるテロ計画は、「1776 Returns」という草案に基づいていたという。だが、そのプランを練ったのは、サミュエル・アームズ(Samuel Armes)という国務省の元役人だった。奇妙なことに、国務省で特殊作戦を担当していたアームズは、「ウォー・ゲーム(war game)」の一環として、2020年の8月か9月にグランド・デザインを考えついたそうだ。(Kelly Cheney, ‘Jan. 6 committee interview sheds light on origins of Proud Boys 1776 returns document', Politico, December 27, 2022.)

  ちなみに、「1776 Returns」は1919年のロシア革命をヒントにした計画で、「冬宮に突入する(Storm the Winter Palace)」という発想に基づいていた。つまり、赤いボルシェビキを真似て、連邦ビルを襲撃するシナリオ、という訳だ。「1776」の方は、米国の独立宣言を連想させる年号なんだろう。

  フロリダ州で暗号通貨の会社(Government Blockchain Systems)を営んでいたアームズは、なぜか「オース・キーパー」とも繋がっていた。「プラウド・ボーイズ」とは間接的にだ。アームズはマイアミで暗号通貨を扱うベンチャー・キャピタリストのエリカ・ジェマ・フローレス(Eryka Gemma Flores)と昵懇で、何の意図があったのか、アームズはこの友人に「1776 Returns」の資料を渡していたのである。すると、このフローレスは「プラウド・ボーイズ」のエンリケ・タリオ(Enrique Tarrio)に資料を見せることにした。彼女はエンリケの恋人だったのか、電子メールで親しいボーイフレンドに教えたそうだ。

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( 左 : サミュエル・アームズ / 中央 : エリカ・ジェマ・フローレス / 右 : エンリケ・タリオ )

  これは典型的な謀略工作じゃないのか? つまり、CIAやFBIとグルみたいなアームズが、襲撃の脚本を書き、それを内緒にしたまま、無知なプラウド・ボーイズに実行させたのかも知れない。ブラック・オペレーションに疎い日本人でも、新聞業界を思い出せば解るはず。昔、新聞というのは、「インテリが作ってヤクザが売る」と言われていた。米国でも似たり寄ったりで、狡猾な頭脳集団が青写真(謀略工作や戦争計画)を描き、事情を知らされない下っ端が実行する、といった具合だ。巨大資本を有する闇組織にとったら、右派の民兵組織であろうが、左派のリベラル団体であろうが、たいした違いは無い。どちらも「便利な馬鹿(useful idiots)」なんだから、状況に合わせて使い分けるだけだ。

「ヘイト・グループ」の実態

Stewart Rhodes 2(左 / エルマー・スチュアート・ローズ )
  ついでに「右派団体」についても述べておく。トランプ大統領を支持する「オース・キーパー(Oath Keeper)」というのは、国内外の敵からアメリカ合衆国と憲法を守るべく結成された民兵組織であるらしい。創設者はエルマー・スチュアート・ローズ(Elmer Stewart Rhodes)という退役軍人で、彼は陸軍の空挺部隊を辞めた後、イェール大学のロースクルーに入った。卒業後は、裁判所に勤めたり、ロン・ポール(Ron Paul)下院議員のスタッフになったというから、単なるゴロツキじゃない。(リバタリアン派のロン・ポール議員は、共和党の保守派に属するランド・ポール上院議員の父親である。)

  もっとも、主流メディアやSPLC(「南部法律センター」という極左団体)からすれば、「オース・キーパー」なんかは愛国主義団体ではなく、危険で下劣な極右勢力、あるいは兇暴な反政府組織に過ぎない。ただし、「ヘイト・グループ」と評される「オースキーパー」は、税控除の寄付金を受ける非営利団体となっている。活動資金はメンバーや支援者からの献金なんだろうが、実際はどのような資金繰りなのか分からない。もしかすると、裏で裕福なバトロンが「ケツ持ち」となっていたりするから、単なるミリシア組織とは限らない。民間団体に資金を流す金持ちは、左右のイデオロギーに関係なく、“有用性”で判断するから、「保守vs革新」の構図で考えると辻褄が合わなくなってくる。

Gavin McInnes 33( 左 / ギャヴィン・マクイネス )
 「プラウド・ボーイズ」も危険な極右団体で、「ヘイト・グループ」と呼ばれている。だが、意外にも、その創設者はリベラル派のカナダ人であった。何と、あの有名なネット・メディア、「VICE」の共同創設者であるギャヴィン・マクイネス(Gavin McInnes)が、2016年に結成した政治団体であったのだ。マクイネスはイングランド生まれのアイリス系スコット人。彼は幼い頃、カナダのオンタリオに移住してきた。ギャヴィンの父、ジェイムズ・マクイネスは大学で物理学を専攻し、防衛産業に入った人物だ。ジェイムズはハイテク部品を作る会社(Gallium)に就職し、運営担当の副社長になっている。こうした背景を知れば、ブルジョア階級の白人家庭で育ったギャヴスンが、リベラル派の“お坊ちゃん”になっても不思議じゃない。それに、彼は左翼思想が強いカナダで教育されたんだから。

  豊かな先進国には、ちょっとだけ不良のガキが多い。特に、中流階級の「ちょいワル坊主」が中学生や高校生になると、悪友とツルんで道を踏み外すことも少なくないのだ。ギャヴィンも甘やかされた倅(せがれ)で、15歳になるとLSDを体験し、後には刺青まで彫ったという。この愚行は、かなり両親を激怒させたようで、父のジェイムズは大声で怒鳴りつけるし、母親のロレインは息子の前で跪き、「ねっ、後悔しているんでしょ? 後悔している、と言ってちょうだい!」と泣きついたそうだ。

  確かに、カタギの常識的な親なら、子供が頭と右肩に刺青を彫ったら卒倒するだろう。ギャヴィンは父から殴られると覚悟したが、リベラル派のオヤジは暴力をふるうことを躊躇(ためら)った。憤りを隠せないジェイムズは、愚かな息子に向かって「私が何か後悔することをする前に出て行け!」と言い放ったそうだ。リベラル派の西歐人というのは、“理性的”に振る舞うことが教養人の証(あかし)と思っているので、言葉による説得や叱責で子供が正気に戻ると考えている。高学歴のバカは救いようがない。

  ギャヴィンが自伝で語ったところによると、彼が身体に彫った刺青は“ほんの少”しであるらしい。例えば、唇の内側に「What」、脚に「Approach with caution」、左腕に「Ain't No Nice Guy」、左肩近くには「Arm Your Desires」、右腕に「Aren't Thou Bored」という詩や銃とアナーキー印の「Crass」ロゴ、背中には「Destruction Creates」の文字と蒋介石やフィデル・カストロをかじっているクラゲの絵、右の乳首には「Blobs」と彫っていた。(Gavin McInnes, The Death of Cool : From Teenage Rebellion to the Hangover of Adulthood, New York : Scribner, 2013, p.32.)これだけの刺青を入れたら、日本人の両親だと“失神”だ。半狂乱になるだろう。

  カールトン大学で英文学を専攻したというギャヴィンは、10代の頃、「アナル・チヌーク(Anal Chinook)」というパンク・バンドを結成した。どうして「肛門」とインディオの「チヌーク族」がバンド名になるのか解らないが、たぶん「セックス・ピストルズ」みたいなミュージシャンに憧れていたのだろう。バンド・メンバーはオジー・オズボーン(Ozzy Osbourne)のファンであったから、派手な舞台を好んでいたのかも知れない。日本でも人気の高いオジーは、悪魔的なスタイルで観客を魅了していた。「ダイアリー・オブ・ア・マッドマン(Diary of a Madman)」という大ヒット・アルバムを発売したオジーは、「コウモリをかじる狂人(BAT-BITING MADMAN)」というパフォーマンスで有名だ。

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(左 :「右翼」に転向したマクイネス / 右 : オジー・オズボーン)

  1994年、ギャヴィンは友人のシェイン・スミス(Shane Smith)とスルーシュ・アルヴィ(Suroosh Alvi)と共に『Vice』という雑誌を創刊した。後にスミスは「VICE Media」のCEOとなる。スルーシュの方はジャーナリストとして活動し、2002年には「VICE Music」を創業したという。ただし、彼は「カナダ人」といっても、パキ人の両親を持つ移民の息子だ。スルーシュはインテリ家庭で育ったようで、父親のサビールはトロント大学で心理学を専攻する教授である。母親のサジダも学者で、マクギル大学でイスラム学を教えていたという。こうした環境で成長したスルーシュだが、若い時にはヘロインに溺れたそうで、『VICE Magazine』を作った頃にはリハビリに励んでいた。

Shane Smith & Surrosh Alvi 213Vice magazine








(左 : シェイン・スミスとスルーシュ・アルヴィ / 右 : 「VICE」の共同創設者であるマクイネスとスミス、アルヴィ )

  VICEの成功で脚光を浴びたマクイネスだが、彼は2008年に会社を去る。メディア業界から足を洗ったマクイネスは、ポリティカル・コレクトネスや男らしさを否定する風潮に抗議するため、「プラウド・ボーイズ」を結成したという。好戦的な男子グループに属するメンバーは、ドナルド・トランプ大統領に共鳴し、ワシントンD.C.の集会に駆けつけた。そして、レイ・エプスの扇動に従った者は、有頂天で議事堂に乱入するが、後に素性がバレて逮捕される。主流メディアは「極右団体のならず者」と評したが、その首謀者はとても「保守派の愛国者」とは思えず、むしろ「転向左翼」と呼ぶべき人物だ。

  日本人が観れば、「プラウド・ボーイズ」というのは、白人至上主義者の右翼団体か、愛国主義を掲げるネオナチ組織に思えてしまうが、創設者のギャヴィン・マクイネスは、どちらかと言うと、リベラル派の政治活動家である。また、そのメンバーにも怪しい奴が多い。

  例えば、マイアミ支部に属するエンリケ・タリオは、ネオナチ・タイプのアーリア人でもなければ、ゲルマン系のアメリカ白人でもない。彼はアフリカ系キューバ人のアメリカ国民だ。FBIに捕まったエンリケ・ジュニアはキューバ移民の子孫で、彼の父エンリケ・シニアとその家族は1960年代、カストロ支配下のキューバから逃げてきた難民一家である。(Joshua Ceballos, 'Proud Boys Leader Enrique Tarrio Was Once a Regular Maiami Kid, Now He's in Jail', Maiami New Times, September 7, 2021.)

  少年時代のエンリケは、カトリックの家庭で育つ極く普通のキューバ系アメリカ人であった。しかし、勉強よりもスケートボードやボート遊びの方が大好きで、通っていた高校を中退してしまう。自分のビジネスで稼ぎたかったエンリケは、仲間と共に「商売」を始めるが、その商品というのは盗品だった。彼は怪しい医療機器を扱っており、その盗品売買が警察にバレてしまった。当然、エンリケは逮捕され、有罪判決を受けて刑務所暮らし。ダメな奴は出所しても疫病神がまとわりつく。エンリケは家族を伴って店を開くが、クレジット会社から敬遠されてしまい、あえなく閉店の憂き目に遭う。彼は負け犬の人生を過ごす事になったが、やがて「プラウド・ボーイズ」のアレックス・ゴンザレス(Alex Gonzales)に出会い、彼の団体に入ることになる。このゴンザレスは後にマイアミ支部の代表になった。

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(左 : 子供時代のエンリケ・タリオ / 右 : タリオとアレックス・ゴンザレス)

  日本とは比べものにならぬくらい、アメリカには底抜けのアホや過激派のクズがウジャウジャいる。「プラウド・ボーイズ」もその一つで、「西歐的愛国主義」と「男性優越主義(Western chauvinism)」を掲げているが、その実態は左翼ナショナリストに近く、違いと言えば、性転換者や同性愛者への嫌悪感や愛国主義の表現方法くらい。エンリケ・タリオは矛盾に満ちた人物だ。BLMの黒人に反対するけど、警官による暴力を糾弾する点でBLMと共通する。「アンティファ(Antifa)」の活動家と対立するが、その気質は「反ファシズム」らしい。白人ナショナリストの連中と共闘するが、彼自身はアフリカ系で浅黒い肌を持っている。左翼陣営と同じく、マリワナの合法化には賛成でも、同性愛者の結婚には反対だ。マスコミは彼を「右翼」と評するが、タリオ本人はそう思わず、「中道派」だと自称している。

Enrique Tarrio 632White Nationalist 213








(左 : 議事堂に赴いたプラウド・ボーイズ」のタリオ / 右 : 普通の白人ナショナリスト )

  グループの指導者はともかく、「プラウド・ボーイズ」や「オース・キーパー」に属する下っ端連中は、団体のイデオロギーに賛同する自発的な右翼分子なんだろう。しかし、こうした「ヘイト・グループ」は、何となくトランプ大統領のイメージを悪くするために作られた「手駒」に見えてしまう。もちろん、創設者は自分の信念で仲間を募ったのだろうが、そこへ資金を流す者が同じイデオロギーを共有しているとは限らない。「バカを利用したい」高額所得者は、正体を隠したまま、あるいは仲介者を通して、間接的な献金をしている場合もある。

  昔、「改革開放路線」を進める鄧小平が、「黒い猫でも白い猫でも、鼠を捕まえる猫が良い猫だ」と言ったことがある。まさしく、支那を大国にするためなら、計画経済でも市場経済でも構わない。銭儲けが出来ればOKという訳だ。政界を動かしたいアメリカ人にとっても理屈は同じで、「黒人だろうが、白人だろうが、利益になる奴が良い活動家」となっている。

 暴動を仕組んだ組織は、トランプ大統領の再選を阻むことが目的であったのだろう。それゆえ、議事堂に乱入する暴徒は、絶対にトランプ支持派でないとダメだ。そして、見るからに馬鹿な連中の方がいい。テレビ中継で事件を目にする一般国民が、嫌悪感を抱くような下種(ゲス)どもなら更に良い。ジェイコブ・チャンスリーのコスプレは、印象的で効果的だった。でも、あれは本当に彼の発案だったのか? 議事堂襲撃事件の真相は段々と明らかになると思うが、たぶん、計画の全貌や黒幕の特定は無理だろう。おそらく、捜査の矛先は本丸の門前で挫かれ、有耶無耶にされてしまうのがオチである。大学教授やマスコミは、こうした推論を「陰謀論」と呼んで嘲笑うが、計画を作成した組織にしたら、いつもの「投資ビジネス」なのかも知れないぞ。
http://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68926303.html
2:保守保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/05 (Wed) 14:28:24

【Front Japan 桜】アメリカよ、中国に勝てるのか?[桜R5/4/5]
キャスター:宮崎正弘・佐波優子
https://www.youtube.com/watch?v=Kk3Bzv6C9-U
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/26 (Wed) 08:34:49

米国で反ネオコンの Foxニュースのタッカー・カールソンが解雇に
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107548

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