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日本の学校教育は「我が国とは全てが違う…」

1:777 :

2023/03/08 (Wed) 17:52:19

日本のテレビ番組に外国人が釘付け!「我が国とは全てが違う…」その衝撃の理由が…!? 【海外の反応・ゆっくり解説】
2023/02/26
https://www.youtube.com/watch?v=HU1c4anYFjQ


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日本人の3人に1人は日本語が読めない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068776

スマホを使うとバカになる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14055416

その物忘れ「スマホ認知症」かも 30~50代で急増中
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14092903

スティーヴ・ジョブズやビル・ゲイツは自分の子供には電子機器を与えない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14079927

ビル・ゲイツやスティーブ・ジョブズの正体
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/727.html


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日本の学校は、考えない人間を5つの方法で生み出している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004524

ゆとり教育を推進した三浦朱門の妻 曽野綾子がした事 _ これがクリスチャン
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html

女は東大出でも思考力・判断力・知性すべてゼロ _ 通産官僚 宗像直子は何故こんなにアホなの?
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/544.html

日本の研究力の低下 - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14051677

内田樹 _ 「統御し、管理しようとする欲望」が今の学校教育の荒廃の主因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14060400

大学でいま、起きていること
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14078866

若者に数百万もの借金を負わせて社会へ放り出す大学。学生はあこぎな大人たちの食い物
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083035

H3ロケット開発遅れ・ジェット旅客機挫折は日本の有能「理系人材」不足が原因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14089035
:
2:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/08 (Wed) 18:01:40

女子高生コンクリート詰め殺人事件 -壊れたセブンティーンたち 1995年
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14005378

中学で一番の美少女に毎朝精液を飲ませていた旭川女子中学生校内集団レイプ事件
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003471

旭川女子中学生凍死事件は F君が 韓国の「N番部屋事件」を真似してやった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003144

あたおかやしま _ 旭川いじめ事件 - YouTube
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14061914

タカユキtwistclub 旭川いじめ事件〜永山中央公園 【再放送総まとめ版】 
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14076552

旭川の成り立ちと歴史 _ 2021年旭川女子中学生凍死事件まで
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010385

日本最恐の心霊スポット「旭川 中国人徴用工墓地」へ行った結果...
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010382
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/08 (Wed) 18:05:53

旭川の教育の荒廃は内地との経済格差と日本政府の北海道無人化政策から生まれた

底辺の子供ばかりの旭川の公立学校では既にドラッグ、レイプ、強制バイシュンが蔓延している
日本政府は札幌以外の北海道全土の無人化を押し進めており、旭川人は仕事を失って食べていけなくなっている。底辺に落ちた旭川人の子供たちはその影響から逃れることができない。
経済格差が広がると、教育もまた崩壊していく。最初にそれが指摘されたのはアメリカだった。アメリカではレーガン大統領時代に入ってからレーガノミクスという今で言うところの「新自由主義」「市場原理主義」を取り入れた。
その結果、国民の間で格差が急激に広がり、金持ちの子供は私立に、貧困層の子供は公立に通うという分離が出来上がり、貧困層が集まる公立校が急激に荒んでいった。暴力が蔓延し、学級崩壊し、いじめも急激に増加した。

それを嫌って金持ち層がますます公立校を避けて私立に向かうようになり、教師も逃げ出したので、さらに公立校が荒廃していった。そして生まれたのが「暴力教室」の出現である。

学校内で、ドラッグ、レイプ、銃撃戦が行われるようになり、授業が成立しなくなった。しかし、そうだと分かっていても、貧困層は公立の学校に子供を通わせるしかない。市立では学費が払えない以上、選択肢はないのだ。

教育が所得で分離し、教育の荒廃がアメリカに大きな影を落とすようになった。経済格差が子供たちの学力の差となり、それが子供たちの人生に大きく悪影響を及ぼすようになったのだ。

経済格差と教育の劣化は比例して起きる現象だ。経済格差が大きい国であればあるほど教育の劣化は大きくなる。親の資産によって子供たちが通う学校が分離し、底辺の子供たちは学級崩壊しやすい環境になるからだ。

貧困層の子供たちは親が教育熱心ではなく、子供の面倒をきちんと見ないこともある。その結果、子供たちは荒れていく。それがそのまま学校の荒廃につながる。貧困層の子供たちが通う学校が学びの場でなくなっていく。

特に、誰でも受け入れなければならない公立校で事態は深刻化する。とすれば、貧困層が特に多い旭川もまた公立校は暴力にまみれていくことになるというのが分かるはずだ。

また、体罰も禁止された。体罰については賛否両論も強いが、それが厳格に禁止されると、秩序を乱す生徒がいても教師は最後の手段が取れない。

口で言っても言うことを聞かない子供は、どこにでも一定数はいる。そういった暴力傾向の強い子供たちを放置するのは学校を無法地帯にするのと同様だ。だから、生徒を退学させることのできない公立校が暴力教室へと変貌していく。

そういった環境での教育は質の低下が著しいので、最終的に教育は破綻する。教育を満足に受けさせるためには私立校の進学が必須になるが、私立校こそが教育費の増大に拍車をかけるものだ。

その結果、中流以下の家庭は荒廃した公立校に向かい、質の悪い教育しか受けられなくなる。それは子供たちの知的レベルの低下につながるので、ますます経済格差は固定化されるという現象と化す。

旭川はすでにその悪循環にはまっている。旭川のどん底《ボトム》の若者たちは、ほとんどが良質な教育を受けられなかった人たちであるが、コロナ禍が終わったらますますどん底《ボトム》の若者たちは増えるのだ。

しっかりとした教育が受けられなかった人、あるいは経済的な事情で低学歴のまま社会に出た若者ができるのは、その多くが非正規・肉体労働・単純労働だけである。これらの労働環境では豊かになるのは難しい。

当然、自暴自棄に落ちる若者も出てくる。一瞬の怒りで引き起こされる暴力や短絡的な事件も加速度的に増えていく。社会のどん底で暴力が渦巻くようになるのは、どこの国でも同じだ。

貧困社会の次は暴力社会がやってくることをよく認識すべきだ。教育がなければ成り上がることもできない。単純労働ではその日暮らしが精一杯だ。

必死で働いたところで、教育がない以上、もはや手遅れであることだけは分かっている。そんな環境に置かれたとき、人間がどのように変質していくかを今から研究しておくべきだろう。

間違いなくどん底《ボトム》で暴力が台頭していくのである。

これは、誰にとっても他人事ではない。教育と常識を学ぶことができず、自暴自棄に陥った人間がまわりに溢れるからである。旭川の社会がそういう子供たちを大量に生み出すことになる。

将来に希望が持てない人間は、鬱々とした不安や、絶え間ない失意や挫折感でいっぱいになる。そして、毎日そのような挫折感と折り合って生活しなければならない。そこに芽生えてくるのが自暴自棄な感情と、反社会的な破壊欲求だ。

今後は旭川の底辺層は想像以上に増えていき、それが旭川の標準的な光景になっていく。そんな中、未来がない状態で生きることになる若者たちの心理は、不満と破壊衝動でいっぱいになっても仕方がない。女は身を持ち崩してバイシュンや風俗へと向かっていく。

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1996年12月にも、女子中学生を中学校内で集団goukanし、被害者が先生に助けを三回も求めていたにもかかわらず『校内の性行為は自由』という『思想』のため、集団 rape を黙認した事件が旭川であったことを知っていますか?

初めのうちはクラスのマドンナ的存在であった女子生徒に対する、スカートめくりなどの軽度の性暴力から始まったと言われる。男子生徒10人は、女子生徒が1年生の時から胸や尻を触る等を繰り返した。女子生徒が誰にも訴えなかった為、その後行為はエスカレ-ト、中学2年生の夏に男子生徒の一人の家に連れ込まれるようになった。

男子生徒たちは公園や橋の下などで毎朝、kouin をさせた後「今日もおいしい牛乳を有難うございました。」という屈辱的な言葉を言わせていた。

中学3年の5月からは、下着の着用と自由な haiben を禁止した上、公園内のトイレにて kanchou 器具を用いてhaisetuを強要していた。

事件は1994年秋から1996年の冬にかけ2年間にわたって続きました。クラスのアイドル的存在だった真面目な女子中学生が被害者です。舞台となったのは当時の北海道旭川市立北都中学校でした。

犯行に及んだのは地元でも有名だった10人の不良グループです。彼らは学校の廊下をバイクで乗り回すような手のつけられない暴れ者達でした。

被害者女子中学生が不良グループの一人からの告白を袖にしたことがきっかけでした。それから不良グループによる性的暴行が始まりました。

女子中学生は不良グループに性的暴行のために特別教室に連れ込まれそうになった際、通りかかった女性教師に助けを求めています。それを聞いて反応しかかった女性講師は不良達に「帰れ」と一括され、その場を立ち去り何の対処もしていません。

まだ不良達の嫌がらせが初期段階の時、女子中学生は勇気をふるって担任の教師に体を触られることを訴えています。ところが担任は訴えから2~3日後のクラス会で軽く注意する発言をしただけでした。不良達の暴行はこれを境に一気に凶暴化しており、担任の対応のまずさが浮き彫りになっています。

不良グループ達はいわゆる地元の札付きで、教師達には見て見ぬふりが当たり前という一種の空気感があり、毅然とした姿勢を示せなかったと思われます。

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教員 「だってどうしようもないじゃないですか。止めろと言って止めてくれる生徒なら何回でも言いますよ。でもそうじゃない生徒だっているんです。手を上げて無理やり止めさせれば良かったんですか?」

教員 「手を上げたら体罰。懲戒。変にクビを突っ込めば職を失うんですよ?こんなご時世でどうしろって言うんですか?教員だって人間です。自分の生活を第一にして何が悪いんですか!」

教員 「下手に不良生徒から恨みを買って刺されでもしたらどうするんですか。彼らは悪魔みたいな笑い方をするんですよ。他人を殴っておいて。報復が怖くてもいいじゃないですか。なんでそこまで教員にあれこれ求めるんですか!」
4:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/08 (Wed) 18:08:20

人口減少がデフレの原因だというのは正しい

人口減少したら地方で若者を育てて、都会の大学に進学して都会で就職するという人材教育システムが破綻するので経済成長できなくなるんだよ:
日本の輸出攻勢にアメリカが怒ったので、頭の良い人が「日本は農作物を輸入し農業を廃止するので自動車を輸出させてください」という取引をした
これが人口崩壊の始まりです

自動車輸出の見返りに農業を壊滅させた日本人

2040年に日本の自治体の半数が人口半減し消滅する、そんな衝撃予想がでたのは数年前でした。

全国1800市区町村の半分は2040年に人口半減し、自治体が維持できくなり統廃合する。

それから数年たったが何も改善されず、これが現実になる日が近づいている。

問題点は色々あり、日米貿易交渉で自動車を売るために「日本は農業を廃止するので自動車を売らせてください」と取引したのが引き金でした。

日本は牛肉、オレンジなど次々に市場開放し、見返りに自動車をアメリカに輸出させてもらっている。

日本の人口構造は弥生時代から2000年以上、農村で生まれて人口が増え、都会に出ていく構造でした。


都会の女性は子供を産まないうえに、都会では男が多いので都会で人は生まれにくい。

人口生産地だった農村を廃止した事で日本の出生数は激減し、回復する見込みはありません。

結局農村は農作物よりもっと重要な「人間」を生産していたのに、それを廃止したのが人口減の原因でした。


今のペースでは2060年には人口1億人を割り、今世紀末には半分の6000万人に減っているでしょう。

そうなる前に日本人が「農村が最も重要だった」と気づくかどうかですが、気づかないでしょう。

人は結局金儲けの為に行きているので、農村に補助金出すより自動車売る方が儲かるならそうします。

現在ある田舎はすべて消滅する

この政策が続くと我々が生きている間に日本の農村はすべて消滅し、荒れ地や森になります。

『地球環境に優しい』人たちは大喜びで、廃村にソーラーパネルを敷き詰めます。

林業も自動車を売る見返りに市場開放してしまったので、数十年間木を育てても1本数千円にしかなりません。


今田んぼ1反を1年間耕した年収が数万円、一生かけて1本の木を育てても数千円か数万円です。

代わりにトヨタやホンダはアメリカで車を売りまくっているが、トヨタやホンダは日本人に何もしてくれません。


MMT論者や財政破綻を否定する人は大西つねきの財政破綻論に耳を傾けた方がいいよ:

大西つねきがやろうとしていること
https://www.youtube.com/watch?v=Z0aesmYcl0U


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過疎地の住民には行政コストはかけられない。 田舎の人間は都市に引っ越せばいい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091903

日本政府は行政コスト削減のために、首都圏以外を無住の地にしようとしている
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/522.html

「地方より東京のほうが生活費がかかる」は幻想
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1031.html

プロパンガスの高すぎる料金の謎
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/681.html

水道料金「月額2万円」時代へ? 値上げと地域格差拡大の背景
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/908.html

三橋貴明 異次元の非婚化対策が必要だ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14092929


5:777 :

2024/05/26 (Sun) 18:56:32

アメリカの有名大学では金で合格を買える
2024.05.26
https://www.thutmosev.com/archives/78373072.html

太子党子弟は無試験でアメリカ名門校に入学し、 4年間遊びまわって卒業した

RTY
富裕層の子供は受験せず入学できる

欧米の「一流大学」とされる大学はコネ入学や裏口入学が横行していて最高峰はハーバード、イギリスはケンブリッジ大だがどちらも試験より人物本位で入学者を選考している

人物本位というと聞こえは良いが教授や学長の推薦や、有力者のコネが効くのです

特に悪質なのがアメリカのハーバード大学で、一般の受験生とは別に「金を払えば入学できる」枠が存在している

10年ほど前中国で太子党事件というのがあり、共産党幹部の子弟たちが無試験でアメリカの超名門校に入学しました

彼らは入学してからも勉強せず毎日パーティや豪遊に明け暮れて高級車を乗り回し、その様子をSNSで自慢しました

中国からは欧米のSNSを見れないが、さすがに本国でも話題になり批判が強まった

太子党は江沢民や毛沢東や習近平など有力者の子弟や縁者で、帰国すれば共産党幹部になるのが決まっている

噂では大学に莫大な寄付をしていて、アメリカの名門校は金で入学枠を販売している

金のない一般の受験者は彼らの枠の分だけ合格者が減るので、なおさら狭き門となっている

同じハーバード大学卒と言っても、掛け算すらできない人間も居れば本当の天才もいる

大富豪が大学に寄付する金額は数億円から数百億円にも達し、高額寄付者の縁者は推薦入学できる

ナイキの創業者はオレゴン大学に5億ドル(約560億円)を寄付したが、もし彼の息子や孫が受験したら大学は不合格にできるだろうか?

驚くのはアメリカではこれが合法なことで、みんな知っているし堂々とやっている

英誌「エコノミスト」米経済紙「フォーブス」などでもコネで入学できると指摘されているが、悪びれもせず続けている

ハーバード大学は約4兆円もの資産を持っているが、こうした入学枠の販売は美味しいビジネスになっている

さらに美味しいのは大学への寄付金が非課税になる点で、寄付した金額の最大50%が富裕層の所得から控除される

例えばハーバードに10億円を寄付するとバカ息子をエリート大学に入学できるうえに、所得から5億円を控除され節税になる

アメリカにはこうした裏口(合法なので表口だが)仲介業者もあり、巨大ビジネスになっている

有名な例では映画監督のスティーブン・スピルバーグの娘を入学させたデューク大で、願書の締め切りを過ぎていたのに入学させた

もちろん無試験のうえに大学理事がスピルバーグの自宅まで出向いて「面接」をしている

アメリカで「中間層」より下だとまともな子育ては難しい
日本は子育てに費用が掛かり国は無理解だとされ、比較対象として欧米先進国が理想的に語られることが多い

先進国の中もアメリカはそうでもないという話があり、誕生した子供が18歳になるまでに3600万円以上かかる

米国では中間層の水準がかなり高く年収7万ドル、日本円で年収1000万円が中央値でこれより下が中間層の下の方になる

年収700万円以下の”低所得者”世帯でも子育て費用はあまり安くならず、18歳までに24万ドル以上(約3600万円)もかかる

これは高校までの費用だが、かなり良い大学に通わせるなら18歳までと同額程度の費用がかかる

アメリカの計算では住居費、食費、交通費、洋服費、医療費まですべて合計している

純粋な育児や教育費だけだともっと少ないが、半分以上は住居・食費・洋服などでかかっている

アメリカでは大学卒業まで6000万円以上、子供でもアルバイトでお金を稼ぐのが普通だが、日本は大学でも費用をすべて親に払ってもらう人が多い

しかもアメリカでは大学費用は奨学金(という名の高利貸し)で自分で支払うが、日本では親が払っている

アメリカで「低所得者」として切り捨てられる年収700万円以下世帯では、大学進学は困難だろうと思われます

それどころかニューヨークの小学生の1割がホームレスで、充分な食事がなく支援を受けている子供が多い

ちなみにアメリカでは親戚に預けられたり施設に 保護されていてもホームレスで、日本とは基準が違う

アメリカでは高校まで義務教育で、公立だと授業料が無料で自宅学習でも卒業できる

従って高校までの進学率は高く大学への進学率も高いのだが、低所得者や貧困層は相当ひどいことになっている
https://www.thutmosev.com/archives/78373072.html
6:777 :

2024/06/19 (Wed) 14:45:20

国の未来のため大学予算増額を 国大協「もう限界」と訴え 研究者育たず学術は崩壊 【声明全文】
2024年6月18日
https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/30851

 国立大学協会(永田恭介会長)が7日、「我が国の輝ける未来のために」と題する緊急の声明を公表した。国立大学の活動を支える運営費交付金の削減が続くなかで、物価高騰や円安などが経営基盤を悪化させており、いまや限界を迎えていると訴える内容だ【下別掲】。今月中に閣議決定が予定される政府の「骨太の方針」や、文科省の来年度政府予算案の概算要求(8月)に運営費交付金の増額を盛り込むよう訴えると同時に、国立大学の窮状を国民に知らせ、世論を喚起することを意図している。独立法人化以降、20年にわたり「大学改革」なるものが進められてきた結果、大学は「崩壊」「後退」「劣化」といった問題が表面化してきた。国立大学をして「もう限界」といわしめる状況のなかで、潤沢な資金をちらつかせて研究者を軍事研究に囲い込む体制づくりも着々と進んでいる。



 2023年度、春に唯一の国立総合芸術大学である東京芸術大学が、ウクライナ危機などに端を発した光熱費の高騰でどうにもならないということでピアノ5台を売却して年間12万円ほどの調律費を節約したほか、「電気代を稼ぐコンサート」という身も蓋もない名称のコンサートを開催。同年10月には金沢大学がキャンパス内の老朽化したトイレを改修するためにクラウドファンディングで異例の寄付集め(目標額300万円)をおこなうなど、国立大学がいかに金銭的に窮しているかを世間に知らしめるできごとが立て続けに起こった。



 国立大学協会が発した声明では、教職員の人件費や研究費に充てる運営費交付金が減額されたままのなかで、近年の光熱費・物価の高騰などで実質的に予算が目減りし続け、各大学が危機的な財務状況に陥っていることを明らかにし、そのなかで質の高い教育研究活動を維持・向上していくために外部資金やみずから収入を増やす努力も進めているものの、もう限界であると訴えている。



 国立大学は2004年度に小泉政府のもとで独立法人化され、2015年度まで国から支給される運営費交付金は1%ずつの削減が続いた。2020年度からは横ばいだが、独法化時点の2004年度に全体で1兆2415億円だったものが、24年度には1兆784億円と約13%減っており、その額は中堅・地方大学20大学分に相当する【グラフ①】。







 一方、法人化時には想定されていなかった、高年齢者の再雇用人件費や消費税率の引き上げ、固定資産税や情報システム費用といった義務的経費は増加し、社会保険料も法人化時点より4%以上増加するなど、経費は上昇の一途を辿っている【グラフ②】。それに加えて、近年の物価高騰や円安などが基盤経費を圧迫し、実質的に予算が目減りし続けているという。



 政府は運営費交付金を削減する一方で「選択と集中」「競争と評価」を掲げて、目先の成果が期待される分野など財界や国の求める研究で業績を上げた大学に重点的に研究費を配分するようになり、そうではない基礎研究などは切り捨てられてきた。しかも「選択」され「集中」される案件の多くは期限付きプロジェクトであり、その増加によって若手研究者の不安定な雇用が拡大し、ポスドク問題を生み出した。





 この状況は今も続いている。改正労働契約法の施行から10年を迎えた昨春、10年働くと無期雇用を申請する権利が得られるはずだった研究者や研究支援員が大量に雇い止めされたことは記憶に新しいが、国立大学協会が示した資料によれば、40歳未満の若手では、2023年で任期付き雇用が59・3%と6割に迫っている【グラフ③】。



 修士課程、博士課程に進学する学生は減少を続けており、人口100万人当りで見ると修士号の取得者はもっとも多いアメリカの8分の1、博士号はドイツの半分に満たない【グラフ⑥】。それは、日本の研究力の低下となって如実にあらわれている。武蔵野学院大学の島村英紀特任教授は「研究面ではホームランが打てなくなった。研究者は、安直な内野越えのヒットばかり狙うようになり、短期的な研究成果にこだわらざるをえなくなった」(本紙2023年1月8日付)と指摘している。



 国立大学協会は、修士課程の約60%、博士課程の約70%を国立大学の学生が占め、また国立大学の全学生の約65%が3大都市圏以外の学生であり【グラフ④⑤】、高等教育や地域における人材育成の拠点となっていることを強調しており、国民に対し、人材の育成・輩出という役割をこれまで以上に果たしていく決意とともに、危機的な財務状況の改善に対する理解と共感、協働を呼びかけている。







米国式大学運営の導入 軍学共同へいざなう



 小泉政府から始まった大学改革は、新自由主義を基調とするアメリカ式の大学運営を日本に持ち込もうとするものだった。それは企業や個人の投資や寄付によって大学が自己資金を集め、その運用益で大学の運営費を調達するというもので、資金運用のプロが雇われ、経営陣にも企業からの出向者が増えた。



 また、大学の授業料が基本的に無料であるヨーロッパの大学とは対照的に、アメリカの大学は授業料を引き上げ、支払い能力のある学生(学生ローンの借り入れを含む)を呼び込んできた。同じく日本の国立大学の学費も、運営費削減にともなって1975年には3万6000円だったものが2000年には34万円に、現在では54万円にまで上昇しており、物価高騰を受けて東京大学など一部国立大学ではさらなる値上げも検討されている。



 こうして大学を兵糧攻めしながら、ここ10年で本格化してきたのが、研究者の軍事研究への囲い込みだ。2014年に安倍政府は学校教育法を変えて「大学の重要事項を審議する」機関であった教授会を「学長からの諮問事項を審議し意見を述べる」機関に格下げし、人事や予算決定の権限を持っていた教授会から権限を剥奪して、大学の自治を弱体化させた。



 さらに2015年には国立大学に対して「役に立たない」人文社会学系や教員養成系の学部や大学院について、「組織の廃止や社会的要請の高い分野への転換に積極的に取り組むよう努めることとする」と通知。基礎研究や人文系など、目先の利益につながらない分野を切り捨てる一方で、防衛装備庁による「安全保障技術推進制度」をスタートさせた。当初3億円だった予算は104億円まで増額している。経済安保法制の立法化が企まれるもとで、学術研究機関にも多額の研究費と引き換えにして政府による統制の手が伸びている。



 岸田政府になって以降、研究者の頬を札束で叩くような形で、その動きは一層進んでいる。2022年5月、「軍事技術開発への研究者の動員」という言葉を露骨に使い、「経済安全保障推進法」が成立した。その重要な柱として「特定重要技術開発支援」があり、このために5000億円の基金を用意することになっている。20年間に削減された国立大学の運営費交付金1600億円がいかにわずかな金額であるかを示している。ここでは海洋領域、宇宙・航空領域、領域横断・サイバー空間領域、バイオ領域の4つの領域を設定し、20の先端技術にかかわるプロジェクトを官民協議会を組織して進めようとしており、そこに研究者を誘い込む算段だ。



 同じ時期に成立させた「国際卓越研究大学法」(通称・稼げる大学法)では、財政投融資をおもな原資にした10兆円規模の大学ファンドを設立し、その運用益から年3000億円を上限に配分するという「鼻先にんじん」的なメニューを打ち出した。初めての公募となった2023年春には10校が応募したものの各大学内で反発が高まり、認定されたのは東北大学1校。東大など複数の大学が、今年度に予定される次の公募に再チャレンジする意向を示している。



 「国際卓越研究大学」に認定されれば、大学ファンドからの助成を受けるかわりに、学外者でつくる経営意思決定機関(学長を解任できる権限など、人事権を持つ)の新設や、年3%の事業成長が求められるなど、非常に強い統制を政府から受けるようになる。そして、ファンドからの助成額の決定のうえで、「外部資金の獲得実績」などの条件があり、認定大学が「外部資金獲得」の名の下に、安全保障技術研究推進制度など軍事研究に参加せざるを得なくなることも指摘されている。



 いずれ政府は、アメリカのように既存の大学や研究所から切り離された、もっぱら軍事研究をおこなう研究所を設置することも検討していると指摘されており、原発事故を契機にして住民の離散が進んだ福島では「福島イノベーション・コースト構想」がきな臭い案件として注視されている。これに関連するイベントでは「研究開発費が7億円出る」「ロボット1台当たり100万円、最大15台1500万円まで出る」などと宣伝されていた。



 「国立大学の研究資金が(1人当り)年間平均40数万円」ともいわれるなかで、桁違いの資金をちらつかせて研究者を軍事研究に誘い込む動きを見れば、運営費交付金1600億円を復活させることなどたやすいことは明らかといえる。



 2023年11月には、国立大学法人法が改正され、一定規模の国立大学に政令で「運営方針会議」という新たな合議体(文科大臣の承認を得た委員で構成)の設置を義務付け、運営方針通りに大学運営がされているかどうかを学長に3カ月ごとに報告させ、運営方針に従っていないと見なされる場合は、学長に改善措置を指示する権限や、実質的な解任権限まで持たせることになった。役員会など学内構成員は大学運営や大学内部の資源配分について発言する権限は奪われることになり、大学自治の主体であるはずの学内組織を形骸化させる措置となっている。



 文部科学省の報告書によると、日本の研究者数の合計は中国、アメリカに次いで世界第3位だが、世界で最も多く引用された論文の上位10%に入る日本の研究論文のシェアは6%から2%にまで低下。発表論文数も世界で5番目に多いが、引用数で上位10%に入る研究論文の数は13位に転落するなど、国際的な地位低下に対する懸念が高まっている。基礎研究を軽視して、手っ取り早く稼げる商用技術がもてはやされるなど、学問研究の価値基準をビジネス的な数字に置き換える軽薄な「改革」がもたらした低レベル化というほかない。



 日本社会の発展と繁栄のために、各分野の人材を育成することは大学の使命である。政府が目先三寸の政治目標のためそれを歪め、土壌を破壊することは国の将来を切り拓く可能性の芽を摘むことであり、必要なことは公共の福祉に資する学術研究の土台と独立性を国として保証することである。



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【国立大学協会声明】我が国の輝ける未来のために



1、国立大学の覚悟


 天然資源に乏しい我が国にとって、最も重要なのは人材であり、社会と産業を動かす科学技術の進歩です。大学は、高い能力と見識を備え、未来を創造する人材の育成と、高度で先端的な研究の推進に重要な役割を果たしてきました。その中でも国立大学は、創設以来、世界最高水準の教育研究の実施や重要な学問分野の継承・発展、すべての都道府県に設置され全国的な高等教育の機会均等の確保、グローバル人材の育成といった役割を担ってきました。これからも国立大学は、我が国の研究力の源であって、我が国全体の、そして各地域の文化、社会、経済を支える拠点であり、産業、教育、医療、福祉などに十全の責務を負っていく覚悟です。


2、国立大学を取り巻く財務状況の悪化



 国家予算が厳しさを増すにつれ、国立大学の活動を支える基盤経費(運営費交付金)は減額されたままです。加えて、社会保険などの経費の上昇、近年の物価高騰、円安などにより基盤経費を圧迫し、実質的に予算が目減りし続けています。また、働き方改革の実現のため、大学教職員、学校教員や医師を確保する必要も出てきました。その中にあっても質の高い教育研究活動を維持・向上していくために、寄付金などの外部資金や自ら収入を増やす努力も進めています。そうして、我が国の課題、また地球規模の課題の解決に、教育と研究を通じて全力で取り組んできました。
 しかし、もう限界です。


3、輝ける未来への協働



 我が国の教育研究の根幹をなす86の国立大学は、輝ける未来に向けて、以下のことに取り組みます。
 ①博士人材などの高度人材の養成をさらに進め、輝ける未来創造を牽引します。
 ②社会人や女性、外国人など多様な人材を受入れ、多様性の時代を牽引します。
 ③全国の大学進学率の向上に努め、国全体の知のレベルを上げて、地域社会とグローバル社会を牽引します。



4、国民の皆様へのお願い



 このように、国立大学はこれまで以上に大きな役割を果たして、我が国全体のさらなる発展を支え、豊かな社会を実現していこうとしています。国立大学の担うこのミッションは、国や地域、産業界や自治体を含む社会全体、そして国民の皆様一人ひとりに、積極的に参加いただき、ともに協力していくことにより、実現していくことができます。
 国立大学の危機的な財務状況を改善し、我が国の輝ける未来を創り出すために、皆様の理解と共感、そして力強い協働をお願いする次第です。



令和6年6月7日


一般社団法人 国立大学協会理事会



(参考)
一般社団法人 国立大学協会理事会メンバー永田恭介(筑波大学長)、寳金清博 (北海道大学長)、藤澤正人(神戸大学長)、益一哉(東京工業大学長)、佐々木泰子(お茶の水女子大学長)、西川祐司(旭川医科大学長)、冨永悌二(東北大学長)、松岡尚敏(宮城教育大学長)、田中雄二郎(東京医科歯科大学長)、林佳世子(東京外国語大学長)、梅原出(横浜国立大学長)、牛木辰男(新潟大学長)、和田隆志(金沢大学長)、上田孝典(福井大学長)、松尾清一(東海国立大学機構長)、湊長博(京都大学長)、西尾章治郎(大阪大学長)、中島廣光(鳥取大学長)、河村保彦(徳島大学長)、仁科弘重(愛媛大学長)、石橋達朗(九州大学長)、兒玉浩明(佐賀大学長)、小川久雄(熊本大学長)、田野俊一(電気通信大学長)、藤井輝夫(東京大学長)、中野聡(一橋大学長)、岡本幾子(大阪教育大学長)、塩﨑一裕(奈良先端科学技術大学院大学長)、越智光夫(広島大学長)、浅井祥仁(高エネルギー加速器研究機構長)、位田隆一(専務理事・前滋賀大学長)、村田善則(常務理事・事務局長)

https://www.chosyu-journal.jp/kyoikubunka/30851
7:777 :

2024/06/28 (Fri) 13:53:24

学校は社会は理不尽であることを教え、自分たちには敵があることを教えろ
2024.06.27
https://blackasia.net/?p=44784

意味のない怒りもある。一方で社会正義としての「必要な怒り」もある。しかし「みんな仲良く」みたいな教育があまりにも徹底され、怒りを持つのはいけないという教育がされ過ぎると、若者はうまく怒りを表明できなくなる。そして、あきらめた若者の中に希死念慮が生まれる。(鈴木傾城)

面倒を避け、対立を避け、トラブルを避ける生きかた

著書『病み、闇。ゾンビになる若者、ジョーカーになる若者』
https://www.amazon.co.jp/%E7%97%85%E3%81%BF%E3%80%81%E9%97%87%E3%80%82-%E3%82%BE%E3%83%B3%E3%83%93%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85%E3%80%81%E3%82%B8%E3%83%A7%E3%83%BC%E3%82%AB%E3%83%BC%E3%81%AB%E3%81%AA%E3%82%8B%E8%8B%A5%E8%80%85-%E5%9B%9B%E6%B1%90%E8%88%8E-%E9%88%B4%E6%9C%A8%E5%82%BE%E5%9F%8E/dp/4434329901?&linkCode=sl1&tag=blackbook2tok-22&linkId=84c64ccebe7c52718ab5e61162b3267b&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl


の中で、「死の恐怖が希薄な若者たち」という章で、あっさり自殺していく若者たちが出てきていることを取り上げた。

自殺配信した少女もいたのだが、彼女は横浜駅と海老名駅を結ぶ相鉄線の瀬谷駅でカメラを設置して、電車がきたら何の逡巡も見せずにあっさりと飛び降りて死んだ。普通、死の恐怖というものがあれば、そんな簡単に死なない。

しかし、彼女は本当に「死の恐怖が希薄」であったように見えた。書籍『病み、闇。』の中ではそういう話を冒頭に取り上げた。

日本の若年層が心身に大きな問題を抱えるようになっているというのは、臨床にかかわっている医師たちが十年以上も前から報告している。若者たちは、2000年代に入った頃から、あきらかに精神的に変わってしまったという。

「何とか立ち直ろうとする力が落ちている」
「悩む力が落ちている」
「主体的に動く力も落ちている」
「疲れない付き合いだけに限定する」
「漠然たる不安を抱えている」

そのような傾向が強くなっているというのだ。これらに共通するのは、面倒を避け、対立を避け、トラブルを避け、自分が傷つかないように自我を必死に守り、傷つくくらいなら何もしないことを選択する受動的な生きかたである。

全員が全員そうではないが、若年層にそうした傾向が出てきているということは、教育の現場がそのような若者たちを作っているということでもある。


世の中には怒りを持たなければならない場面もある
今に始まったことではないが、日本の教育というのはもともとそういう面がある。それが、いよいよ強烈に若者を縛るようになり、若者はもうそれを服従するかのように受け入れるようになった。

「面倒を避け、対立を避け、トラブルを避け続ける若者たち」が大量に産まれているということは、教育の現場で若者たちがそのようになることを求め、もう若者が反抗できないほどまで、それがうまく機能するようになっているということだ。

今の教育は「正しいことを信念を持って訴えなさい」という教育はしていない。あるいは「自分が考えていることが何かをはっきりと主張しなさい」という教育もしていない。

「みんな仲良くしなさい、協調性を持ちなさい」という面をことさら強調し、逆に強い信念や自分の主張をしないように抑える教育が意識的にも無意識的にも為されている。

人間社会は集団生活の場だから、ある程度は同調性や協調性がなくては困る。しかし、だからといって100%それで押し通すと自分という存在が消えてしまう。

協調性を強く押しつける教育では、信念や主張のような強いものを表に出したら怒られるので表に出せなくなり、それが習い性となって身につく。

あまりにも協調性ばかりを教育で叩き込まれていくと、当然だが「怒り」を出すこともできなくなっていく。怒りは協調性を破壊し、同調を乱すものだからである。

しかし、人は理不尽なことをされたら怒りを感じるものだ。社会の不正にも怒りを感じるはずだ。弱い者がいじめられていても怒りを感じる。そして、間違ったことがまかり通っているのを発見しても怒りを感じて当然だ。

あるいは、自分が、自分の家族が、自分の国が、おとしめられていても激しく怒りを感じるはずだ。自分や自分の家族や国が他国の人間に馬鹿にされてヘラヘラ笑っているような人はまともではない。

意味のない怒りもあるのだが、一方で社会正義としての怒り、正当防衛としての怒りもある。世の中には、怒りを持たなければならない場面もある。


理不尽でも黙って指示に従うのが正しい生きかたか?
しかし、「みんな仲良く」だとか「人類みな兄弟」みたいな教育があまりにも徹底され過ぎて、何があっても怒りという感情を抑えなければならないと教育されたらどうなるのか。

「怒りを感じたらいけない……」
「理不尽なことをされても仲良くしなければ……」
「自分が我慢しなければ……」

このような思考回路になっていくのは容易に推測できる。とにかく協調性を崩さず、その場を丸く収めることばかり求められるようになり、不安の中で生きるしかなくなってしまう。

「みんな仲良く」を基本として教育するのは間違っていない。子供に対立と暴力を教えるのは教育ではない。強調性は生きるためには必要不可欠なものだ。

しかし、小学生・中学生でしっかりと基本を教えたら、それを踏まえた上で、高校生からは「信念を持つ」ことや「主張する」こともしっかり教えないと社会に対応できない若者が続出することになる。

ただ「面倒を避け、対立を避け、トラブルを避け続ける」だけしか学ばないで義務教育を終われば、面倒や対立やトラブルだらけの社会では押し潰される。そして、自分が社会に合っていないと自分を責めて、生よりも死に惹かれるようになっていく。希死念慮が育っていく。

本来は、世の中が理不尽なことや危険なことを教えるべきだ。そして、その中で押し潰されないようにする方法を教える必要がある。そうしないから、若者たちはどうしたらいいのか分からずに、最初から最後まで自分を殺して生きることになってしまう。

なぜ、「正しいことを主張する」ことを教えないのかというと、今の学校は若者をサラリーマンにするための養成学校のようになっており、「主張するより上司に従うこと、客に従うこと、同僚に従うこと」が優先されるからである。

「上司の命令が理不尽でも、黙って指示に従うのが正しい生きかただ」というのを学校から教わかって社会に出て、サラリーマン社会でクビにされないようにしているのだ。

相手がどんなに理不尽なことをいってきても、自分の主張は殺してひとまず謝罪したり賠償したりするように教えている。こんな生きかたを義務教育で徹底されたら、誰でも主体性を失って流れるように生きるしかない。

本当に、こんなことでいいのだろうか。


「怒りをうまく表明する練習」が必要ではないのか?
日本の教育は、社会が理不尽であり混乱しており暴力的なものであることを教えない。まるで世界は「人類みな兄弟」みたいなユートピアであるかのような前提で「みんな仲良く」「平和がすべて」と教え込む。

だから、多くの日本人は社会に出て突如として理不尽が自分に降りかかったとき、自分の主張はしないで、対立もできないで、ひたすら低姿勢で謝ることしかできない。

「怒り」という感情を去勢され、闘争心という牙を抜かれてしまったので、何もできずに右往左往するだけになる。戦うことができない。

現状を変えるには教育を変える必要がある。社会は理不尽であることを教え、自分たちには敵があることを教え、敵には強く対抗しなければ国が滅びることを教えなければならない。

理不尽には戦い、守るべきものは戦って守ることを教えなければならない。理不尽や社会不正に怒りを感じることは自然なことであることを教えなければならない。

怒りという感情があるから、世の中が間違っていたら是正しようとする力が生まれ、また間違った社会から自分が立ち直るためのエネルギーが生まれる。

怒りがあるから、現状を変えるために強く悩み、考え、主張するエネルギーが生まれる。怒りがあるから、現状を変えようとする強い力が働き、主体的に動けるようになる。

怒りがあるから、どんな力強い敵にも対抗できるエネルギーが生まれ、怒りがあるから漠然たる不安を吹き飛ばすエネルギーが生まれる。

今の教育は若者たちから「怒り」という感情を奪い取っており、だから若者たちはもはや現実社会で生きる夢も希望も失ってしまい、ファンタジー(虚構)の世界に逃げるしかない。

「生まれ変わったら、ああだこうだ」「異世界がどうしたこうした」「転生した」とか、そういうのはすべて「現実世界に対応できないのでファンタジーに逃げたい」という心境が映しているものなのだろう。

そういうのに感化されると、結局「死の恐怖が希薄な若者たち」が量産されることになる。ファンタジーは、ただの妄想にすぎない。ファンタジーの世界で強くても、現実社会で何もできなければただの弱者である。

現実で戦わなければ敗者と化す。現実で戦うためには闘争心が必要だ。闘争心は、まず「怒り」を感じるところから始まる。

だから、この「死の恐怖が希薄な若者たち」を現実に引き戻すには、 まずは「怒りをうまく表明する練習」をして、その上で「自分の意見を主張する訓練をする」ことではないかと思うようになっている。

そろそろ日本人は自分の人生から「怒り」を奪われていたことに気づいてもいい頃だ。怒りという牙を取り戻せば、自分自身が秘めているパワーも取り戻すことができる。
https://blackasia.net/?p=44784
8:777 :

2024/08/12 (Mon) 17:46:05

2024年08月12日
「元朝日新聞記者」の学力と再就職 / 軍事と翻訳は難しい
https://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68972174.html

“新聞記者”上がりの“大学教師”

Tim Walz & Kamala Harris 3US Army 213

  日本の大学は教育機関というより、“身分製造機”といった役割の方が多い。昔、小室直樹先生が述べていたけど、入学した大学のランキングが、そのまま卒業生の「属性(attribution)」になっているそうだ。“一流大学”の出身者は無条件で“優秀”と見なされ、“Fランク大学”の卒業生は問答無用で“劣等生”と思われる。筆者は小学生の時、弓月光(ゆづき・ひかる)先生の名作『エリート狂走曲』を読んで受験勉強の大変さを知ったが、令和の小学生は『ドラゴン桜』で世の“現実”を学んでいるようだ。原作者の三田紀房(みた・のりふさ)先生によれば、「世の中のルールは頭のいい奴によって都合良く作られている。勉強しない奴は一生騙され続ける」というから辛辣だ。でも、「本音」を語っているから、中学生や高校生の子供は納得するんだろう。

  所謂“教育ママ”のみならず、世間のオッちゃんオバちゃん達も大学教授を尊敬する。こんな風潮なら、口先だけのボンクラどもが自惚れてしまうのも当然だ。しかし、大学の内情を知っている者からすれば、こうした一般人のメンタリティーは、宝塚歌劇団に憧れる女子中学生と同じである。派手な演劇だけを見て感動する少女は、劇団の先輩による陰湿な後輩イジメを知らないから、「私も宝塚に入りたい!」と叫んで夢を抱く。イジメられた末に自殺するかも、とは考えない。たとえ舞台に出ることができても、人気が出ないまま退団というケースもあるから大変だ。

  大学にも陰湿なイジメが少なくない。長老教授には裏と表の顔があって、専任講師をイビリまくる大御所が居たりする。そもそも、教員の質なんてかなり怪しいし、有名校であっても学力不足の教授や赤色分子の活動家が珍しくない。「ゼミ」とか「講義」と称しても、カルト宗教の洗脳と変わりがない授業がある。慶應義塾で小林節の憲法学講義を取っていた学生は、「蛇に睨まれた蛙」のようだった。

  雨後の竹の子みたいに出来上がった「駅弁大学」はもっと悲惨で、三流学者がやる気の無い”学生を教えているから、授業内容は高校の補習レベルだ。私立の「植民地大学」となれば、もはや教育機関じゃない。東大や京大から派遣される直弟子の就職先だ。新しい大学や学部には、大手企業に招かれないB級官僚が天下ってくる。ちょっと賢い学生なら、東京都立大学の教授になった木村草太なんかを思い浮かべてしまうが、まぁ、師匠が東大の長谷部恭男なんだからしょうがない。長谷部氏は東大法学部の札付き学者、芦部信喜の門下であるという。だから、長谷部氏や木村氏の憲法学が歪んでいても、それは当然で、ホルズワース(William Searl Holdsworth)やメイトランド(Frederic William Maitland)みたいな法学者を望む学生の方が非常識なだけである。

Ikegami 001(左 / 池上彰 )
  日本は少子化社会なのに大学だけは腐るほどある。教育情報センターによれば、2022年の大学数は790校で、翌年の2023年から3校(793校)も増えていた。これなら、テレビ藝人の池上彰が大学教師になったのも頷ける。実際、池上氏は名城大学教授や東京工業大学特命教授、東京大学客員教授、日本大学理学部客員教授、立教大学グローバル教育センター客員教授、信州大学特任教授、愛知学院大学経済学部特任教授、順天堂大学特任教授になっている。NHKの番組で小学生を相手にしていた人物が、フリーになったら大学生相手の教師になっている、なんて喜劇だ。日本の高等教育は学問が目的じゃない。授業を聞いていた学生はどう思っていたのか?

Shiohara 5435(左 / 塩原俊彦)
  もう一人、ジャーナリスト上がりの大学教師がいるので紹介したい。日本経済新聞社と朝日新聞社を経て高知大学の大学院准教授となった塩原俊彦だ。彼がどんな経緯で大学教師になれたのか判らない。しかし、何とも驚くべき人物だ。最近、彼はオンライン雑誌に記事を投稿し、副大統領候補になったティム・ウォルツ(Timothy James Walz)について書いていた。記事の内容は米国メディアで紹介されたニュースの和訳に過ぎないが、刮目すべきは彼の“翻訳”である。塩原氏はウォルツ知事の軍歴を紹介した。でも、ウォルツの階級に関する“和訳”が実に奇妙で、誰が読んでも首を傾げたくなる。例えば、

・2004年春に部隊がミネソタに戻った後、彼(ウォルツ)は高いレベルの司令部少佐たちから、第1-125野戦砲兵大隊の司令部少佐に抜擢された。
・2005年9月10日、条件付きで昇進したウォルツ少佐は曹長に格下げされた。少佐への条件付き昇進後、2年間勤務しなかったためである。
 (塩原俊彦「米民主党ウォルツ副大統領候補の『闇の4年』が暴かれ、こりゃヤバッ!」現代ビジネス、2024年8月10日)

Tim Walz 3213(左 / ティム・ウォルツ)
  副大統領候補になったウォルツは、1981年4月8日、17歳の時にミネソタ州の軍(Minnesota National Guard)に入隊し、2005年5月16日まで在籍したという。しかし、下院議員選挙に出馬するため、彼は24年間在籍した州軍を除隊した。2007年に連邦下院議員に当選したウォルツは、2018年にミネソタ州の知事選に出馬する。そして州知事になったウォルツは、2022年に再選を果たし、2024年7月にカマラ・ハリスのランニング・メイトになる。

  州軍にいた時のウォルツは、第一大隊第125野戦砲部隊(1st Battalion, 125th Field Artillery)に配属となり、順調に行けば「最先任上級曹長(Command Sergeant Major)」になれるはずだった。しかし、ミネソタ州の軍事務所によれば、退役した時の階級は「上級曹長(Sergeant Major)」であったという。というのも、彼は「陸軍の上級曹長用アカデミー(U.S. Army Sergeant Major Academy」に入ったが、要求された750時間の課程を修了していなかったので、「最先任上級曹長(CSM)」に昇進できなかったのである。ところが、ウォルツは地元の有権者と話をする時、「CSM」の階級を口にしていた。これを共和党員から指摘され、「不誠実だ」と批判された訳である。FOXテレビもこれを話題にしたから、ローラ・イングラム(Laura Ingraham)が自身の冠番組で取り上げることにした。一方、元ミネソタ州知事のジェシー・ベンチュラ(Jesse Ventura)は、CNNに出演し、ウォルツ知事を擁護していた。たぶん、Navy SEALs出身のベンチュラ氏は、生意気なJ.D.ヴァンスが嫌いなのかも。

Tim Walz 213(左 / 州軍時代のティム・ウォルツ )
  話を塩原氏の記事に戻す。彼はウォルツの階級を「司令部少佐」と訳していたが、おそらくこれは「Command Sergeant Major」の直訳だろう。しかし、これは誤訳だ。下士官の「Major」というのは、「大尉」よりも上の「少佐」を意味する言葉じゃない。塩原氏は「条件付きで昇進したウォルツ少佐は曹長に格下げされた」と書いていたが、もし陸海空の自衛官が耳にすれば「えっ、何だ?!」と驚愕するだろう。なぜなら、「少佐(Major)」だった者が、大尉→中尉→少尉→准尉→上級曹長にまで格下げとなれば、物凄い“降格”となるからだ。士官学校を出ていないウォルツは、准尉や少尉にはなっていないし、中隊を率いる「大尉(Captain)」になったこともない。

  また、塩原氏は「2003年初め、彼はアメリカ陸軍少佐アカデミーに選抜された」と記事に書いたが、「アメリカ陸軍少佐アカデミー」というのは「U.S. Army Sergeant Major Academy」のことだろう。(ここは指揮官を目指す上級曹長が入る養成所で、色々な技能や知識を身に付けるクラスがある。) でも「少佐アカデミー」とは何なのか? 筆者は聞いたことがないけど、アメリカには「少佐を育成する学校」があるのか?

  日本では、西洋史を勉強する高校生だけじゃなく、国際関係論を専攻する大学生でも軍隊の階級については疎い。下士官(non-commissioned officer)のランクは以下の通り。(註 : 軍の階級に関する和訳は難しいので、一応、理解できる翻訳にした。)
 
  Sergeant Major of the Army   陸軍先任上級曹長(最高位の陸軍下士官)
  Command Sergeant Major  最先任上級曹長
 Sergeant Major        上級曹長
  First Sergeant        副上級曹長
  Master Sergeant        曹長
  Sergeant First Class     一等軍曹
  Staff Sergeant        二等軍曹
 Sergeant           三等軍曹
  Corporal           伍長
  Specialist           特技兵
  Private 1st Class      一等兵
  Private 2nd Class       二等兵

  ついでに言うと、英文科や独仏の文学を専攻する学生でも、英米のアクション映画を理解できない者がいる。昔、筆者は英文科の女子学生と一緒にオリヴァー・ストーン監督の『プラトゥーン(Platoon)』や、007シリーズの『私を愛したスパイ』(ロジャー・ムアー主演)を観たことがある。ところが、彼女はジェイムズ・ボンドの階級が解らなかった。映画の設定では英国海軍の「Commander」となっており、日本語で言えば「海軍中佐」である。海軍の階級は陸軍と違い、「Captain」は「大尉」じゃなく「大佐」で、「Lietenant Commander」が「少佐」となる。また、日本の教育は軍隊組織を無視するから、大学生でもハリウッドの娯楽映画を理解できない。映画の中で「Division(師団)」とか「Brigade(旅団)」と聞いても、どれくらいの規模になる部隊なのか解らないのだ。ここで洋画を楽しみたい高校生のために軍隊の編成を紹介したい。

野戦軍(Field Army) 2個軍団から成り9万名の兵を擁する、統率者/大将か中将
 軍団(Corps)は2~5個師団で編成 (2万~4万5千名)統率者/中将
 師団(Division) 3~4個旅団で編成 (1万~1万5千名)統率者/少将
 旅団(Brigade)か連隊(Regiment) 2~3個大隊で編成(3千~5千名)統率者/大佐
 大隊(Battalion) 4~6個中隊で編成 (100~1000名)統率者/中佐
 中隊(Company) 3~4個小隊 (60~200名)統率者/少佐か大尉または中尉
 小隊(Platoon) 2~3個分隊で編成 (18~50名)統率者/中尉か少尉
 分隊(Squade) 6~10名の兵から成る 統率者/軍曹

  こうした基礎知識がないと戦争アクション映画を楽しめない。映画俳優が「師団長」や「旅団長」を演じていても、日本人の観客はどれくらいの兵を率いている指揮官なのか解らないし、「lieutenant」の言葉だけじゃ「中佐」なのか「中尉」なのか判らぬ場面がある。英国海軍の「Chief Petty Officer」が「曹長」で、米国海軍の「Ensign」が「少尉」を指すと知らぬ者は、ドラマのストーリー展開を理解できない。

  ちなみに、米国の人気TVドラマ・シリーズ『NCIS』でマーク・ハモンが演じる捜査主任「リーロイ・ジェスロー・ギブス(Leroy Jethro Gibbs)」は、元海兵隊の「Gunnery Sergeant」のスナイパーである。一方、マニアの間でヒットした映画『山猫は眠らない(Sniper)』で、トム・ベレンジャーが演じた「トマス・ベケット(Thomas Beckett)」は、海兵隊の「Master Gunnery Sergeant」である。ベケットの方がギブスよりも階級と給料は上である。映画『Lone Survivor』でマーク・ウォーバーグが演じた「マーカス・ルトレル(Marcus Luttrel)」は、合衆国海軍特殊部隊(Navy SEALs)の「二等軍曹(Petty Officer, 1st Class)」である。

Mark Hammon 523Tom Berenger 424Mark Wahlberg 21John Wayne 1345
(左 : マーク・ハモン / トム・ベレンジャー / マーク・ウォーバーグ / 右 : ジョン・ウェイン )

  1968年に公開された映画『Green Berets』では、西部劇で有名なジョン・ウェインが出演していた。ベテラン俳優のウェインは「マイク・カービィ(Mike Kirby)」役を任され、陸軍特殊部隊の「グリーン・ベレー」を率いていた。しかし、その階級が「大佐」だったので笑ってしまった。通常、敵地へ乗り込む特殊部隊の指揮官となれば、経験豊富な上級曹長(Sergeant Major / Master Chief Petty Officer)か少尉くらいだ。でも、看板俳優のジョン・ウェインが主役だから、やはり威厳のある「大佐」じゃないとイメージにそぐわない。日本の戦争映画だって同じである。萬屋錦之介や仲代達矢が「軍曹」役じゃ申し訳ない。やはり、海軍中将とか陸軍大将でなきゃ。これが伴淳三郎やガッツ石松なら「一等兵」でもOK。三國連太郎は脱走した二等兵が似合っている。(実際、若い頃の三國氏は徴兵忌避をしていた。)

予想を外した専門家

  高知大学の大学院で准教授となった塩原氏だが、そのプロフィールによれば、一橋大学の大学院で経済学研究科の修士課程を修了し、北海道大学から学術博士を得たという。朝日新聞社時代にはモスクワ特派員を務めたそうで、ウクライナやロシアに関する著書を出している。例えば、『ウクライナ・ゲート』、『ウクライナ2.0』、『ウクライナ3.0』、『プーチン3.0』、『復讐としてのウクライナ戦争』、『サイバー空間をめぐる覇権争奪』(いずれも社会評論社)、『ロシアの軍需産業』(岩波新書)、『「軍事大国」ロシアの虚実』(岩波書店)、『ビジネス・エシックス』(講談社現代新書)、『ウクライナ戦争をどうみるか』(花伝社)、『ネオKGB帝国:ロシアの闇に迫る』(東洋書店)などである。

  「ウクライナ問題の第一人者」という肩書きの塩原氏は、陸海空およびサイバー空間の地政学・地経学に関しても詳しいようで、社会評論社からは『知られざる地政学』という本(上・下巻)を出版している。さらに、『すべてを疑いなさい:バカ学生への宣戦布告』という電子書籍まで出しているから、とても精力的な学者である。しかし、アメリカの軍事組織に関しては素人らしい。

  日本の大学には“専門家”と称する“居候”が多く、外国で何らかのテロ事件や戦争が起これば、ワイドショーや雑誌に見たこともない“事情通”が登場する。塩原氏もその一人で、元「モスクワ特派員」という経歴を看板にしてウクライナ紛争について書いていた。まだロシア軍がウクライナに進撃する前、彼は米国による警告を“偽情報”と思っていた。ジョー・バイデンとアンソニー・ブリンケン国務長官が、ロシアは侵攻計画を進めていると公表したが、塩原氏は古巣の『論座』に寄稿し、「熊が来る」という嘘を米国が垂れ流している、と批判した。塩原氏は次のように述べた。

  2022年2月16日に侵攻があるかのように米国政府が危機を煽(あお)っていたのはたしかだから、またしても嘘をついたことになると筆者には思われる。・・・・筆者がこのサイトで何度も主張しているのは、米国政府がリークしたロシアによる「ウクライナ侵攻計画」など存在しないということであり、それは米国政府によるディスインフォメーション(意図的で不正確な情報)にすぎないということである。このとき、米国政府が明らかにしたのは、全面的なウクライナ侵攻計画であったが、事実として、そんな全面侵攻はいま現在も行われていない。部分的な武力衝突の話であれば、ドンバスではずっとつづいているのであり、それが激化するか否かといった問題にすぎない。そしていま、ロシア軍の一部撤退の真偽をめぐる情報戦が展開されている。(塩原俊彦「ウクライナをめぐる『情報戦』:なぜ世界は米国を批判しないのか」、『論座』、2022年2月19日)

  ところが、塩原氏の予想は大外れ。ロシア軍は2月24日にウクライナに侵攻した。未来予測というのはとても難しく、様々な要素が絡み合い、偶発的な事件も重なるから、優秀な専門家でも予想を外すことはよくある。しかし、ロシア軍がウクライナ侵攻を中止するとは断言できず、「もしかすると本当に侵掠するかも」と考えるのが普通だ。ところが、二月中旬に文章を書いた塩原氏は、自分の“情勢分析(判断)”にかなりの自信を持っていた。高知大学の小部屋にどんな“情報”が届いたのか判らないが、塩原准教授は最初からCIAの情報に対して疑念を抱いていた。

筆者(註:塩原氏)が不思議に感じているのは、なぜ世界は米国政府の「嘘」を批判しないのかということだ。スパイ情報が信頼できるのかもしれないが、米国政府は防諜(ぼうちょう)に失敗した経験をもつ国であり、アフガニスタンからの米軍撤退時の大混乱が示すように、近年、諜報活動は劣化の一途をたどっているのではないか。(上掲記事)

  もちろん、CIAによる情報操作や偽情報の拡散というのは結構ある。しかし、当時のバイデン政権は何が何でもロシアをウクライナ紛争に引きずり込みたかったから、ロシアの内部情報をかなり摑んでいたはずだ。それゆえ、ロシアが着々と戦争の準備をしていてもおかしくはないし、プーチン大統領が腹を括っていても不思議じゃない。一方、ひょんな事からクレムリンが急に態度を変えてしまい、突然、特殊作戦を中止する、というハプニングだって有り得る。クレムリン内部でのクーデタという“ドンデン返し”もあるだろう。対外諜報組織や軍隊を持たない日本は、独自の情報分析はできないし、正確な現状報告も二有珠できないから、宗主国のアメリカに縋るしかない。「米国のATM」と化した日本は、上納金を差し出すだけの属国だ。

 「ロシアの政治や地政学に詳しい」と称する塩原氏は、「リアル・ポリティックス」についても蘊蓄(うんちく)を述べていた。「マスコミを疑え!」とか「スパイによる偽情報に気をつけろ!」と警告する塩原氏は、次のように述べていた。

  いま、高知新聞の記者から、情報に騙(だま)されないようにする方法について取材を求められている。ウクライナの情報戦を理解するためには、情報戦がスパイといった人間によって展開されているという、大元の部分に対する理解が必要だと言いたいと考えている。日本人の大多数は、自分の身の回りに外国のスパイがいるとは考えたこともないであろう。しかし、それはリアルポリティークの世界をまったく知らないことを意味している。(上掲記事)

  元「朝日新聞の記者」から、こんな説教を受けるなんてチャンチャラ可笑しい。おそらく、大学教師になった塩原氏は、他の新聞記者や論説委員とは“格”が違うんだぞ、と言いたかったんだろう。でも、こんなのは「ドングリの背比べ」だ。テレビや新聞といった主流メディアには、子飼いにされた“ポンコツ”の専門家が矢鱈と多い。慶應義塾や早稲田大学といった有名大学にも、三流学者が雲霞の如く存在し、有害思想を垂れ流している。

  例えば、衆院から早稲田大学に鞍替えした中林美恵子教授は、8月8日のTBS系「ひるおび」に出演し、「カマラ・ハリスが有利」と述べたそうだ。こんな解説は馬鹿らしいけど、地上波放送を観ている一般人を騙すには「ブランド名」と「肩書き」で充分だ。上智大学にも「アメリカ政治」の専門家がいて、前嶋和弘教授が有名だ。彼は7月29日放送のBS日テレ「深層NEWS」に出演し、「ハリスに追い風が吹いている」と述べたそうだ。(読売新聞2024年7月29日)

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(左 : 中林美恵子 / 前嶋和弘 / 日高義樹 / 右 : 手島龍一 )

  一般の日本人は三ヶ月もすれば過去を忘れてしまうが、新聞の記事を集めたり、VTRを保存している人は、著名「専門家」の転職を知っているはずだ。例えば、NHKのワシントン支局長を務めた日高義樹は、英会話さえ未熟なのに、有名なハドソン研究所に就職できたし、同僚の手島龍一も退職後は民放の解説藝人となっていた。朝日新聞のワシントン特派員だった船橋洋一は、ブルッキングス研究所に雇われ、“アメリカ政治の専門家”と称していた。野田内閣で防衛大臣になった森本敏は、元々、航空自衛隊から外務省に出向した事務系公務員で、自衛隊を退官した時の階級は「三等空佐(空自少佐)」である。しかし、空軍士官のオーラは微塵も無い。雑誌『VOICE』に寄稿した論文はどれも駄文で、お金を払って読む代物じゃない。森本氏は「日米安保維持」が“売り”の一発藝人だ。これならダンディー坂野やムーディー勝山の方が、よっぽどマシである。

宮家邦彦(左 / 宮家邦彦 )
  外務省出身の“研究員”という種族にもポンコツが多く、産経新聞に登場した宮家邦彦はその典型だ。退官後に宮家氏は「キャノン・グローバル戦略研究所」の主幹になるが、国際政治に関する解説は至って凡庸である。有料視聴の「ニコニコ動画」を開設しても、利益が出るほどの登録者数は望めまい。500円払って聞くような意見じゃないから、380円に値下げしても無理だ。それでも、宮家氏は立命館大学の客員教授になれた。彼は『産経新聞』で「World Watch」という連載を持っているが、こんなコラムを有料で読むのは、知能が低い保守老人くらいである。ただし、洗濯機の水流をジッと見つめている暇人なら読むかも。

  宮家氏はアメリカ政治にも詳しいというが、ドナルド・トランプとMAGA(Make America Great Again)旋風に関する評論は酷かった。彼はトランプ支持者を次のように説明していた。

 トランプ支持者の中核は「白人・男性・低学歴・ブルーカラー」である。トランプ現象の原因は彼らの現状(とワシントン)に対する怒りと不信であり、社会の「影」の部分に溜まるマグマが噴出し始めた結果に過ぎない。・・・ドナルド・トランプが強い理由は、その知性でも行動力でも資金力でもない。トランプは21世紀の情報化社会が生んだ共和党の疫病神だ。彼を支持するのは米国の非エリート層、極論すれば、白人、男性、低学歴、ブルーカラーの落ちこぼれ組だ。(宮家 邦彦「日本はこれから和製トランプの登場に悩まされることになる」、PRESIDENT Online、2021年4月3日)

  外務省の元役人だから鋭い分析は期待できないが、アメリカの歴史や社会情勢を知っている者なら、腹を抱えて笑ってしまうだろう。ここでは詳しく説明できないけど、異民族を引き入れてアメリカ社会を変質させたのは、高学歴の研究者や財閥・財団に雇われた知識人、安い労働力を求める企業経営者、HIASやAJC、JOINTのユダヤ人、リベラル派の政治家、「米国法曹協会(National Lawyers Guild)」の左翼弁護士、国境を壊したい大富豪たちである。こういった悪党は街頭に出て抗議デモなんかしないから、一般人はどんな勢力なのか判らない。

「トランプ現象と歐洲での醜い民族主義の再台頭は同根だ」と論ずる宮家氏は、「この種の現象は今後、世界中に拡散していくだろう」と述べていた。外務省で呑気な仕事をしていた元官僚に“現実の厳しさ”や“冷徹な英断”に関する見解を求めても無駄である。役人生活には「深い洞察力」や「別の角度から考える知能」なんて必要ない。役所勤めは実力主義とは関係無い“親方日の丸”の世界だ。こんな人生を30年も続けていれば、退官する頃には“役立たずの木偶の坊”になってしまうだろう。

岡本行夫( 右 / 岡本行夫 )
  同じ外務官僚だった岡本行夫も、フジテレビの「ユア・タイム」でニュース解説者になっていたし、産経新聞の「正論メンバー」にもなっていた。宮家氏同様、岡本氏も立命館大学の客員教授となり、国際社会で活躍する人材を育てていたというが、いったい、どんな人材が輩出されたのか、ちょっとだけ教えてもらいたい。なぜなら、国連とか国際機関で働きたいという学生は、善意で地獄の道を築いてしまう愚者になってしまうからだ。たとえ真面目な青年でも、やがて国家を解体せしめる有害人物になってしまうケースがある。民主党の田島麻衣子とか東祥三、自民党の英利アルフィヤとか山本一太、あるいはWHOの手先となった武見敬三のような人物に育ったら、日本にとってマイナスでしかない。立命館大学は「岡本先生の意志」を継いでNGOやNPO、国際開発の援助団体で働く人材を育成すると謳っているが、厭な予感が湧いてくる。

  廃棄場か精神病院 みたいな日本の大学には、ジャーナリストや官僚上がりの“客員教授”、もしくは訳の解らぬ“特任教授”が矢鱈と多い。彼らの授業を取っている学生は、どんな利益があって受講しているのか? たぶん、大半の学生は卒業単位を揃えるために嫌々ながら受講しているんだろうが、中には容易に感化される者が出てくる。洗脳されたのか、元々バカだったのか、勝手な妄想を抱いて大学教授や国連職員を目指す。先進国は外敵よりも内部の腐敗によって瓦解する。

  判断力が乏しい若者は、駅弁大学で気楽な生活を楽しんでいる。だが、劣悪な教師からの刷り込みは、徐々に若年層の精神を蝕んで行く。没落する新聞社からは、これからも続々と“脱出組”が出てくるだろう。地方の国立大学や落ち目の私立大学は、元官僚や元論説委員を喜んで迎え入れる。立教大学や東工大、日本大学で客員教授を務めた池上彰が、東京大学でも客員教授になるくらいだから、日本の知的レベルは凋落の一途を辿っているようだ。まぁ、東京帝國大学も今じゃアジア人留学生の“溜まり場”となっているから、やがて「トンキン大学」と呼ばれるかもね。権力の座から滑り落ちた習近平が、ペキン大学じゃなくトンキン大学の「客員教授」になるのも夢じゃない。

https://kurokiyorikage.doorblog.jp/archives/68972174.html
9:777 :

2024/08/20 (Tue) 01:22:20

フィンランド教育の失敗:日本の詰め込み教育はそこまで悪いのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16865271



ゆとり教育を推進した三浦朱門の妻 曽野綾子がした事 _ これがクリスチャン
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/492.html

女は東大出でも思考力・判断力・知性すべてゼロ _ 通産官僚 宗像直子は何故こんなにアホなの?
http://www.asyura2.com/09/bun2/msg/544.html

自分の中に毒を持て―あなたは“常識人間"を捨てられるか
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/564.html

日本の研究力の低下 - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14051677

内田樹 _ 「統御し、管理しようとする欲望」が今の学校教育の荒廃の主因
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14060400

大学でいま、起きていること
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14078866

高校生で人生がほぼ決まってしまうフランスの超学歴社会…日本人ははるかに幸せ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/962.html

中国では2日間の全国統一大学入試だけで大学も卒業後の就職先も会社や役所での地位も決まる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14124906

ハーバード大などの入試で黒人などを優遇する措置について、米連邦最高裁が違憲判断
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14125642

アメリカでは低所得層の子どもは 教育を受ける権利を奪われている
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14149656

アメリカが抱える最大の問題は教育
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14147158

米有名大学は金で学歴を「販売」 名門大学生の半分がコネと金入学
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/934.html

米大統領選の争点に浮上した大学生の巨額借金問題
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/532.html

アメリカ人の家計は火の車だった のしかかる住宅、医療、教育費
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/964.html

ネオコンが留学生を洗脳してアメリカ金融資本のエージェントにする手口
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14017634

エリート洗脳システムとしての留学制度
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14118494

若者に数百万もの借金を負わせて社会へ放り出す大学。学生はあこぎな大人たちの食い物
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083035

米大統領選の争点に浮上した大学生の巨額借金問題
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/532.html

体を売らなければ大学へ通えない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14047554

「漢字が読めない」日本の識字率ほぼ100%は幻想
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14120908

日本人の3人に1人は日本語が読めない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068776

日本語は難し過ぎる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094861

外国語学習について - 内田樹の研究室
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094875

吉村府知事や岸田総理は「英語化」で 多民族共生を強制
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16840196

日本人は金髪美女に弱い _ 小布施からセーラ・カミングスの姿が消えた
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/444.html

グローバリストが企む?英語公用語化 日本語は“文化的なバリア”
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16865248

日本の学校は、考えない人間を5つの方法で生み出している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004524

日本の 学校教育は「我が国とは全てが違う…」
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14093125

施光恒 _ 普通の人々の質の高さこそ日本の国力
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=16853809
10:777 :

2024/09/10 (Tue) 11:33:12

『新自由主義と教育改革:大阪から問う』 著・高田一宏
2024年9月8日
https://www.chosyu-journal.jp/review/31670

https://www.amazon.co.jp/%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%A8%E6%95%99%E8%82%B2%E6%94%B9%E9%9D%A9-%E5%A4%A7%E9%98%AA%E3%81%8B%E3%82%89%E5%95%8F%E3%81%86-%E5%B2%A9%E6%B3%A2%E6%96%B0%E6%9B%B8-%E6%96%B0%E8%B5%A4%E7%89%88-2029-%E9%AB%99%E7%94%B0/dp/4004320291


 本書は、橋下徹の府政が始まった2008年以降の十数年を振り返り、維新の会が府知事と市長をおさえ、府・市ともに第一党となった大阪で、「改革」を掲げた教育政策の転換は教育をよくしたのか、子どもたちの学びと成長は保障されたのかを検証したものだ。著者は、1965年生まれの大阪大学大学院教授である。



 著者はまず大阪の教育改革について、中曽根内閣の臨教審に始まり小泉・安倍内閣が受け継いだ新自由主義にもとづく教育改革を、もっとも大規模かつ急激に具体化したものだという点をはっきりさせている。「改革」の看板にだまされてはいけない。



 特徴は、教育現場の意見を尊重せず、教育委員会の独立性を否定して、教育についてシロウトの政治家が教育内容に直接クチバシをいれる「政治主導」で進められたことだ。それは第一次安倍内閣が教育基本法を改悪し、政治による「不当な支配」を容認する内容に変えたことで保障された。



 教育の新自由主義改革とは、学力テストの結果を公表して学校や自治体を競争させること、一人一人の教員の業績評価を給与や処遇に反映させ、教員同士を競争させることなどをさす。その目的は、元教育課程審議会会長・三浦朱門の次の言葉に示されている。「できん者はできんままで結構。戦後50年、落ちこぼれの底辺を上げることにばかり力を注いできた労力を、できる者を限りなく伸ばすことに振り向ける。限りなくできない非才、無才には、せめて実直な精神だけを養っておいてもらえばいいんです」



 では、維新の会はなにをやったのか。



 大阪府知事になった橋下徹は2008年9月、全国学力テストでの大阪の成績が全国平均を大きく下回ったことから「教育非常事態」を宣言し、「競争を否定する教師が教育をダメにした。教育界の外から競争原理を持ち込んで教育を立て直す」と主張した。テストの結果公表に慎重な教育委員会を「クソ教育委員会」と罵倒したり、「ダメ教師は排除する」といったりと、メディアを使った世論喚起を重視した。



 2011年の府・市ダブル選挙で松井・橋下体制になってからは、「大阪府教育行政基本条例」などを府議会で可決・成立させ、教育委員会の独立性を骨抜きにして政治主導で教育改革を進める体制を整えた。



 さらに2度目のダブル選挙で2人が再選された2014年からは、改革が全面展開する。



 まず、大阪府・市独自の学力テスト「大阪府中学生チャレンジテスト」などの実施を開始し、その市町村別成績を教育委員会が公表するようになった。そして大阪市は各学校の全国学力テストの成績を公表し始めた。これが突破口になり、その後全国で市町村や学校が公表するようになっていく。



 第二に、大阪市の24区すべてで、小・中学校の学校選択制が導入された。大阪市は、府内の小・中学校の約4分の1を占める。



 第三に高校については、府立学校条例で、3年連続定員割れで改善の見込みのない高校は「再編整備」の対象とすると決められた。



 その結果、どうなったか? 各種調査から著者は次のようにいう。



 チャレンジテストによって、教師が一人一人の子どもに主体的に向き合うことが困難になった。ペーパーテストで測定できない個人の資質や能力を見出すことが難しくなった。


 学校選択制によって、「人気校」と「不人気校」の分化、それと結びついた学力格差の固定化・拡大が進んだ。たとえば人口減少率が最も高い西成区は、経済的に厳しい家庭が多く、その学校で子どもが荒れると、一部の親は他の区へ流出していき、さらに地域が衰退するという悪循環に陥っている。また、家庭訪問・親との連携や地域との連携が困難になり、それが子どもの成長に大きな影響を与えている。学校選択制は、全国では廃止や見直しをおこなう自治体が増えた。



 高校については、大阪では私立高校の授業料無償化を進め、公立と私立を競わせたため、生徒が公立から私立に流れ、公立高校の定員割れが常態化して募集停止となる高校があいついだ。昨年度までに募集停止になった公立高校は17校にのぼり、今年の入試では公立高校の約半数、70校が定員割れとなった。そのなかで難関大学への進学に力を入れる文理学科10校の生徒数が増える一方、義務教育段階でつまずいた生徒を受け入れる高校の入学者は減って廃校が必至となり、行き場がなくなる生徒が生まれているという。



 その一方で、教育改革がもっとも重視した学力向上だが、この10年間、全国平均との差はほとんど縮まらず、「全国平均を上回る」という目標は未達成のままだ。そもそも学力低下の背景には、大阪府で就学援助を受ける児童・生徒の数が全国1位(全国平均の約2倍)であることに見られるように、家庭の貧困化がある。そうした子どもたちをしっかり教育し、全体の底上げをはからなければ成績は上がらないが、その真逆をいったわけだ。



 そのうえ、不登校や高校中退はこの期間に急増した。大阪府の不登校者数(2022年度)は、小学校7153人、中学校1万3651人、高校6452人となり、高校では1000人当り不登校者数が全国1位になった。それは、将来の働く場を見つける困難さにつながらざるをえない。



 そしてハッとさせられたのは、新自由主義改革の結果、教師が教育者としての誇りを失い、萎縮してしまったという指摘だ。本書のなかに幾人かの教師へのインタビューがある。



 「昔やったら、校長が“かまへん。最後は俺が責任持つから、やれ”やったけど、今は上からいわれることを恐れ、最後は“こいつが悪いんです”と切り捨てられる。だから教師も萎縮するんですよ」



 「“目標を数値化せえ”といつもいわれる。けど、僕たちはやはり、1年、2年だけじゃなくて、5年後、10年後に子どもたちがどんな大人になっているかを考える」



 現場の教師が、自由に本当のことを語ることができなければ、成長する世代の心を動かすことはできないし、人間は育たない。教育の新自由主義改革は、20年余り経ってさまざまな弊害を生んだことで批判が高まり、国内外で見直しが始まっている。



 以上のことは、 大阪に典型的にあらわれているが、全国的な問題でもある。教師が、子どもや保護者の顧客満足度を高める存在にあまんじるのでなく、子どもたちが持つ力を知育・徳育・体育の全面で開花させ、ひ弱でなく、思いやりが深く、間違ったことを許さない人間に、将来の日本の担い手に育てる――そうした教育者としての使命をとり戻す教訓とし、現状を変える力としたい。


 (岩波新書、216ページ、定価920円+税)
https://www.chosyu-journal.jp/review/31670
11:777 :

2024/09/28 (Sat) 16:43:46

新しい門閥制度 - 内田樹の研究室
2024-09-26 jeudi
http://blog.tatsuru.com/2024/09/26_0742.html

 自民党総裁選についての報道は専ら候補者たちの政策や党内基盤についてのみ論評している。でも、見落としていることがある。それは9人の候補者のうち6人の最終学歴がアメリカの大学または大学院だということである。残る3人のうちの一人も、日本の大学を出た後にアメリカの下院議員のスタッフになったことをその後のキャリア形成においてずいぶん強調していた。
 ということは、自民党に限って言えば、最終学歴がアメリカであることがどうやらキャリア形成の必須条件だということである。私の知る限りでも、日本の富裕層の中では中等教育から子どもを海外あるいはインターナショナル・スクールに送り込むことが「ふつう」になってきている。その方が英語圏の大学に進む上でアドバンテージが大きいからだと説明された。
「グローバル化の時代なんだから、レベルの高い教育を受けるために海外に出るのは個人の自由だ。横からがたがた言うな」と言う人もいるだろう。だが、私はこういう傾向は端的に「よくない」と思う。
 ハーヴァード大学の学費は年間56550ドルである。日本円で800万円。生活費を入れると年間1000万円以上を支出できる家庭の子どもしかアイヴィー・リーグに留学することはできない。このハードルを越えられるのは、日本国民の数%にも達しないだろう。
 ご存じの通り、日本の学校教育への公費支出のGDP比率は久しく先進国最低レベルである。高等教育機関の私費負担割合は、日本が67%。OECD平均は39%である。見ればわかる通り、日本の政府は「高等教育については自己責任で(お金のある人はよい教育を、ない人はそれなりに)」という方針で教育政策を実施している。
 海外の大学大学院を出た人たちがそのまま海外で生活するのなら「グローバル化」と言えるかも知れない。だが、自民党総裁候補者たちのキャリアが明らかにした通り、彼らがアメリカで高等教育を受けたのは、その学歴が日本に帰ってきてから支配層に駆け上がるための捷径だと思ったからである。
 だが、これは典型的な「植民地人」のふるまいである。
 明治維新のあと、先人は日本人が、日本語で高等教育を行える高校・大学を短期間に創り上げた。これは見事な達成だったと私は思う。彼らは「教育は海外にアウトソースしてはならない」ということ、高等教育を自国語で行えることが植民地にされないための必須の条件だということを知っていた。
 今でも母語で大学院教育が行われ、母語で書いた論文で博士号が取れる国は決して多くない。日本はわずか1億2500万人の母語話者しか存在しないにもかかわらず、それができる例外的な国の一つなのである。
 だが、いま支配層たちが進めているのは「グローバル化」という看板の下での 「高等教育のアウトソーシング」である。「海外にレベルの高い高等教育機関があるなら、何も高いコストを負担して国内に作る必要はないじゃないか」と彼らは考えている。お金持ちはそう考えるのである。そうすれば経済格差が教育格差を経由して、自動的に階層格差を再生産するからである。「下から」這い上がって、彼らの地位を脅かす若者たちは制度的に排除できる。確かに合理的な考えである。けれども、ここには致命的な過誤がある。
 19世紀アメリカでも富裕層は公教育の導入に反対した。われわれの子どもの競争相手を育てるためになぜ税金を投じなければならないのか。貧乏人は自己責任で教育機会を手に入れろ、と。一理はある。けれどももしその理屈に従っていたら、アメリカは今も後進国のままだったろう。(9月18日)
http://blog.tatsuru.com/2024/09/26_0742.html

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