777投稿集 2439035


これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖

1:777 :

2023/03/02 (Thu) 05:28:22

これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖


バブル崩壊の歴史と これから起きる超円高によるバブル崩壊
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/388.html


これから起きる超円高によるバブル崩壊

次のバブル崩壊はこうして起こされる

日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られる


2018.5.28「売国政策を糾弾する」大西つねきの週刊動画コラムvol.28
https://www.youtube.com/watch?v=VFEBdHhOv5A

大西つねき アベノミクスとは何だったのか(Live配信2020/9/1)
https://www.youtube.com/watch?v=9ZMZjUkBPow

大西つねき 米国のMMT政策は日本を破壊(Live配信2020/11/17)
https://www.youtube.com/watch?v=nYgXByuRzMU

大西つねき 世界の草刈り場にされる日本(Live配信2020/11/24)
https://www.youtube.com/watch?v=rPAqb_vpFhQ


▲△▽▼


アメリカが日銀に異次元金融緩和させた目的は日本の銀行と大企業の乗っ取り

国債金融資本が日本政府に要請したのは、日銀が金融緩和して作った金でアメリカ国債を買う事。
日本の景気が良くなったら日本国内で使ってしまうから困るのですね。


アベノミクスで日本が米国債を買いまくった為に、1ドルが70円以下になると日本の対外純資産はマイナスになり、日本の資産はすべて外資に乗っ取られます。


特に日本国債を日銀に売って、その金でアメリカ国債を買った日本の銀行はすべて債務超過になって欧米資本に乗っ取られます。


資金不足を続けている対外純債務国(10兆ドル;1,100兆円)が発行する米国債は、ゼロ金利の日本・欧州の金利と、2%から2.5%の金利差(イールド)があるという理由から、売れていきました。


しかし今は、コロナショックからのFRBの緊急利下げで、米国債も金利ゼロです。ゼロ金利のドル国債を買うと、日本、欧州、中国からはドル安のリスクを、金利ではカバーできません。


短期で投機的なドル先物買いの動きは別ですが、2年単位の中期では、債務国の通貨のドルに金利差がない時は、基軸通貨とは言っても「円に対してドル安」の材料になります。


▲△▽▼


新一万円発行は「新券切り替え」?・・・アナウンスが早かった事が気になる
2023-02-28
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/d09052e4a81fb8d69e008d51caba4017


■ 24年上期に予定される新1万円札の発行 ■

24年に予定されている「新1万円札の発行」と「預金封鎖」を絡める妄想がネット界隈で広がっています。新券発行に必然性が無い事と、日銀創設者の渋沢栄一が絵柄として採用されいる事、戦後の預金封鎖を渋沢栄一の孫が実施した事などが妄想の燃料になっている様です。私自身は「新券発行のアナウンスが非常に早かった」事が気になります。「計画」が裏に存在していると妄想してしまう・・・。

■ 50兆円のタンス預金を炙り出せる「新券切り替え」 ■

預金封鎖は無いとしても、「新券切り替え」なら十分に有り得ると私は考えています。現在、日本のタンス預金は50兆円程と言われています。現金は現在の世界ではマネーロンダリングの道具とも言えます。政治献金などもそうですが、現金の動きを当局は把握できない。

タンス預金は田舎のお婆ちゃんもしていますから、50兆円全てが闇のお金という訳ではありませんが、多くの資産を持つ人も、現金によって資産を隠し持っているハズです。相続性の非課税枠を越える資産を現金で保持する様な方法です。これをやられると、国税局と言えども把握が難しい。

そこで、新一万円札発行と同時に、旧一万円札を使えなくする。旧一万円札を銀行窓口で交換するのでは無く、一度、預金に預けるルールにすれば、タンス預金の額を把握する事が出来ます。戦後の新券切り替えはこの方法が使われました。尤も、新券の印刷が間に合わなかったので、旧券にシールの様な物を張り付けて対応した様です。

■ 新券発行のアナウンスが早かった事が気になる ■

今回の新券発行で非常に気になるのが「アナウンスが早かった」こと。

1)新券切り替えの為の「大量の新券」を印刷する時間を稼ぐ

2)一部資産家が現金資産を別の隠し資産にする時間を与える

仮に「新券切り替え」が行われるならば、タンス預金を新券で再びする人も多いでしょう。この場合、大量の新券が必要になります。これを想定して大量の新券を印刷するならば、準備期間がそれなりに必要でしょう。ただ、その為に新券発行のアナウンスを早める必要は無い様に思えます。

一方、「新券切り替え」が行われるとして、その情報を早期に入手したり、その可能性を予想した一部の資産家は、新券発行までの期間に現金を別の隠し資産に置き換える行動を取ると思われます。例えば金の仏具だとか、高価な美術品だとか、その他私の予想もしない方法があるでしょう。

海外預金は日本の銀行を通して行うと額が把握されますし、大量の現金の持ち出しは空港でチェックされるので難しい。現物金は国税庁が所有者を把握していますし、海外での購入も情報が共有されるので資産隠しには使えません。何等かの方法で、アメリカの預金口座に現金を振り込んだ場合、それを海外で引き出すのは至難の業です。アメリカの銀行は預金受け入れはウェルカムですが、それを海外で引き出そうとするハードルが激高だそうです。ダミー会社を作って支払いの形を取ったりする様です。

まあ、お金持ちはそこら辺の裏情報にも通じているでしょうから、既に資産隠しは終わっていると私は妄想しています。



■ 預金封鎖は有り得るか? ■

冒頭に書いて「預金封鎖」の可能性ですが、ゼロでは無い。

1)金融緩和バブル(コロナバブル)がアメリカで崩壊

2)農林中金やゆうちょ銀行、地方銀行の多くが債務超過に陥る

3)多くの人が銀行の窓口に殺到

4)全ての銀行がバンクホリデー(シャッターを開けない)を実施

5)預金引き出しを「新券でのみ」対応

6)旧券は預金に預けてから新券に交換

7)預金引き出し限度額を設定する



4)~7)は実際に戦後の日本で実施されました。インフレ率がうなぎ上りになる中で、預金封鎖と新券発行が実施され、預金の引き出し上限を設定する事で、市中の通貨量を抑制してインフレを抑え込みました。(尤も高インフレによる戦時国債の紙屑化には成功しています)



■ 庶民は「金融緩和バブルの崩壊」だけ気にすれば良い ■

隠し資産など無い庶民は「新券発行」に神経質になる必要は有りません。むしろ「新券発行がバブル崩壊時期となる」可能性に留意すべきでしょう。24年前半に「預金封鎖」が仮に発生するならば、23年後半に金融緩和バブルが崩壊する可能性が有ります。(オオカミ少年と言われそうですが)

「バブルの崩壊」はテールリスクなので、発生確率は極めて低いですが、巨大地震同様にいつかは必ず発生し、発生時期が遅くなればなる程、その破壊力は増します。

農林中金はウォール街では「ゴミ箱」と呼ばれ、ジャンク債やCLO(ローン担保証券)を大量に保有しています。ゆうちょ銀行のリスクは米国債です。大規模なバブル崩壊が起きた場合、リーマンショック直後の様にドルの信用不安と、円キャリートレードの巻き戻しで極端な円高が発生します。ゆうちょ銀行は大量の外国債券(多分米国債が中心)を補修していますが、米国債の価格の下落(金利上昇)と円高による為替差損が発生します。海外投資が増えた地方銀行も似た様な状況になるかと。

ゆうちょ銀行は1300万円まで預け入れ出来ますが、ペイオフの対象は1000万円までです。ここは気を付けたい所。さらに、「ゆうちょ銀行ショック」が発生すると、絶対に銀行不安が発生して、健全な銀行も経営が危なくなります。ですからペイオフ対策は行うべきです。1000万円までがペイオフ対象ですから、預金を分散しても良いですし、「決済性預金」にしても良いでしょう。

「決済性預金」とは無利子の普通預金口座で、利子が付かない代わりに、1000万円以上の預金もペイオフの対象となります。マンションの修繕積立金の口座などはこれに変えた方が安全です。



まあ、「バブル崩壊」など起こらない方が良いに決まっていますが、地震への備え同様に、起きた時に困らない最低の対策はしておいた方が良いでしょう。


コメント

777
2023年2月28日
2023年01月06日
各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している

インフレが起きると過去の借金が軽くなるので、各国政府は意図的に高インフレにしています

コロナ対策で各国政府債務が膨張

経済学者のラッセル・ネイピアは世界的な高インフレと高金利が15年から20年続き、自由経済から政府主導経済に移行すると主張している

根も葉もない事ではなく今現在世界はインフレで苦しみ、インフレ対策として各国政府は利上げをし日本も利上げ政策に転換しようとしている

2010年にリーマンショックが終わってから2020年に新型コロナが流行するまでの10年間が自由主義市場経済の時代だったがそれはもう終わった


新型コロナ流行で主要各国の経済活動が縮小し、税収が減少したのに各国政府は莫大なコロナ対策費や経済対策費、生活支援などを支出した

米トランプ政権は数か月で300兆円ものコロナ経済対策をしバイデン政権でも同じくらい支出、おかげで多くのアメリカ人は働くより高収入になりました

日本も矢継ぎ早にコロナ支援を決め総額100兆円を上回り、欧州や中国など多くの政府は財政支出を大幅に拡大した


後に残ったのは膨大な公的債務だが各国政府は民間や地方行政府の債務に付け替えたり、証券化のような手法で(日本以外は)国の借金ではないかのように偽装している

日本政府は反対に国の借金ではないものまで国の借金に含めて借金を偽装しているが、それは今回の本題ではありません

2022年に世界で火を噴いた高インフレはラッセル・ネイピアによればロシアのせいなどではなく、各国政府が積み上げた公的債務を返済するために意図的にやっている


世界の主要国はどの国も民間債務と政府債務の合計がGDP比250%以上になっているので、このままでは借金を返すため増税を繰り返す事になる

日本政府が証明したように借金を返すために増税すると、増税によって消費が縮小しGDPが縮小し、結局増税しなかった場合より財政悪化を招く

そこで各国政府はインフレ率を上げて政策金利はインフレ率より低く保つことによって、公的債務のGDP比を縮小しようとしている

各国はインフレで政府債務を減らそうとしている

日本の公的債務が1100兆円でGDPは550兆円なのでGDP比200%、例えばインフレ率を10%にしてゼロ金利のままにし名目GDPだけを10%成長させます

このモデルでは実質GDPはゼロ成長だが名目GDPが10%成長し公的債務は1100兆円のままなので、あら不思議公的債務のGDP比は182%に下がりました

これは非常に極端な想定ですがインフレ率を上げると政府債務が圧縮されるので、各国政府はインフレを警戒しているどころか「インフレ大歓迎」なのです


でもインフレは国民生活を悪化させるので政府や政治家は表向き困ったような顔をしてみせ、まるでインフレを防止しているかのように演技をします

日銀黒田総裁は記者会見で「インフレは良い事だ」とうっかり本当の事を言ってしまったが、彼は正直に事実を言っただけだと思います

インフレ誘導で公的債務を圧縮するには15年から20年かかるので、それまで高インフレ高金利時代が続くというのがラッセル・ネイピアの主張です


彼の主張では2020年以降の新型コロナ対策によって経済の主導権が中央銀行や自由市場から、各国政府の手に移った

どう移ったかはアメリカ政府が3年で600兆円以上を国民に配ったのを見ればわかり、日銀による国債買い入れや日本国債買取を見ても分かります

世界経済はもはや自由市場で動いてはおらず、この事が米中対立や東西陣営のブロック経済化を招いている疑いがあります


東西陣営やブロック経済は1991年に崩壊したが、世界は再び中ロイランなどと日米欧が対立する時代を迎えています

一般的に経済は自由なほど成長するが制限を加えるほど縮小するので、ブロック経済時代の成長率は自由主義時代より低くなるでしょう

第二次大戦前のブロック経済では米英仏の豊かな国が日独伊の「貧しい大国」を締め上げたが、今回締め上げられるのは中ロになるでしょう


日独伊が米英仏に噛みついたように、締め上げられた中ロやイランが何らかの戦いを挑んでくる可能性があります
https://www.thutmosev.com/archives/89761747.html


人力
2023年3月1日
777 さん

インフレによる(貨幣価値の棄損)借金踏み倒しは、歴史的には各国政府の常套手段とも言えますよね。

一方で、金融緩和後の金利引き上げはバブル経済を確実に崩壊させて来たので、今回も例外は無いでしょう。

バブルが悪かと言えば、そうとも言い切れず、低成長の時代の新しい産業を生み出す為にはバブルは必要です。今回の「ITバブル2」(勝手に命名しました)は、どうやらAIの進歩に貢献した様です。

バブルの崩壊も、衰退産業にトドメを刺し、成長産業への労働力の移動を効率化するという意味においては悪い事とも言い切れません。

尤も、日本は政府が補助金などによって衰退産業を保護してしまいますし、法律によって新規ビジネスの参入障壁が高くなっているので、バブル崩壊が起きる度に国民は疲弊して行きます。ホリエモンや村上ファンドの様な人達は叩かれる。

さらに雇用法で雇用を過剰に保護した結果、非正規雇用が大量に生み出され、企業は安い労働力を手に入れています。テレワークで家で遊んでいる正社員の給料を、非正規雇用の労働が支える歪んだ構造が出来上がってしまいました。


鍛冶屋。
2023年2月28日
人力さんへ

すべてにおいてナンセンス、頓珍漢も甚だしいしですね^^;)。

>預金封鎖…
阿呆らしい・・・。
預金封鎖とは、それこそ戦後すぐの日本や独のよな”(超)需要>(自国の)供給力”における”高(超)インフレ”を抑えるためにする、究極の公権発動ですよ。実質”デフレ化”のこの日本(現在インフレは外適要因の”資源高”)において、それをして何の意味があるんですか?(財務省=政府はそこまでお馬鹿んですか?)。


777
2023年3月1日
鍛冶屋さん
>預金封鎖とは、それこそ戦後すぐの日本や独のよな”(超)需要>(自国の)供給力”における”高(超)インフレ”を抑えるためにする、究極の公権発動ですよ。

日本は大昔から常に供給過剰の国で、終戦直後もハイパーインフレにはなっていないよ。 GHQが食料を意図的に出さなかったから餓死者が出ただけだよ:

アメリカはわざと日本人を飢えさせた

テレビや映画や小説では「戦後」は美しいものの同義語で語られていて、まるで理想郷のように描かれている。

そこでは貧しいながらも人々は協力して生き、戦後の復興をなしとげたとされている。

またGHQは困窮した日本人に食料を支給して助け、民主主義を与えたとも言われている。

          
こうした物語は映画やドラマの中だけで十分であり、事実とは程遠いか、正反対だった。

GHQは日本人に食料を与えるどころか奪い取ってわざと飢えさせて、日本人を従わせる手段に用いていた。

戦争前後は食糧難だったのはよく知られているが、戦時中に日本国内で(朝鮮台湾でも)飢えて亡くなった人や、その危険はなかった。


都会の人は空襲で疎開したが、農村には食べるものがあり、十分ではなかったが飢餓状態などではなかった。

それが戦争が終わって平和になり、アメリカ軍が占領したら食料が足りなくなり、「来年は1000万人が食糧不足で亡くなる」と総理大臣が警告する事態になった。

多くの要因があるが最大のものはアメリカ合衆国自体で、戦争の報復としてわざと日本人を飢えさせていました。


占領軍による妨害で日本は食糧の輸入ができなくさせられ、生産活動も制限され、経済破綻しました。

農業も経済の一部なので、国が経済破綻すると農業生産が停止して、食糧不足に陥ります。

終戦の昭和20年から昭和25年まで、日本はほとんどの工業生産を禁止され、前近代社会になりました。


経済破綻するように仕向けた

戦前から存在する設備を更新することは出来ず、農業生産に支障を来たし、外地に出兵した男達は中々帰ってきませんでした。

「戦争が終わって平和になった」と書いたが、そのこと自体が日本経済を破綻させる原因を作り出しました。

戦争中はあらゆる兵器をフル生産していたが、それが8月15日を境に全面停止になり、一切の生産活動が停止した。


困った日本政府は紙幣を印刷して「金融緩和」したが、激しいインフレを引き起こしました。

物を生産していないのにお金だけばらまいたからだが、当時の日本政府は他にどうする事もできなかった。

あらゆる工場が全て操業停止、鉄道は空襲で破壊しつくされ交通網が分断され、労働者たる男達は外地に居るか戦犯として逮捕されていた。


空襲によって東京など都市部の多くの人は家を失ってホームレスになっていて、路上や公園などで生活していました。

この頃アメリカ本国では、日本人のこうした窮状を伝えては「楽しんでいた」のが分かっています。

自分たちが倒した敵が飢えて苦しんでいるのを見て面白がっていたのが、本当の戦後の世界でした。



人力
24時間前
777 さん

解説ありがとうございます。

戦中も戦後も食糧難の主因は物流にあった。農村には作物が有りましたが、それを都会に出荷する交通網が寸断されていた。田舎では町の人が農村に出かけて行って着物と農産物を物々交換していたりした。貨幣価値がどんどん下がるので、物で支払ってもらう方が農家も嬉しかったでしょう。

戦前は統制経済で物価が決められていたので、表の物価にインフレは反映されていませんでしたが、闇市では相当なインフレが起きていました。それが戦後に一気に価格に反映されインフレ率が跳ね上がりました。

第二次世界大戦後に各国はインフレ率よる低い上限金利を決めて、戦時中の国債をインフレ税によって目減りさせました。日本は一気にそれを進めましたが、イギリスは確か15年程を要した。アメリカは戦後の好景気でインフレ率が高かったので解消にそれ程時間を要してはいませんが、基軸通貨国として国債を発行しまくったので、政府債務は減る事が無い。
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/d09052e4a81fb8d69e008d51caba4017
2:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/02 (Thu) 05:54:26

コメント続き


blacksmith_goo
2023年3月1日
人力さんへ。

>預金封鎖・・・現代の国家では「有り得ない事」とされていますが、
これは心情的に”有り得ない”と思うのと、(銀行)システム的に”有り得ない”とは違います。銀行システムでは、預金封鎖は”有り得ません(意味がありません)”。
人力さんは、”預金封鎖”とは預金者が銀行から預金を引き出すことを制限する(だけ)・・・っとお考えなのでしょ?・・・違いますからね。これは、準備預金制度が出来る(施行)される以前、高インフレ化において市中銀行が野放図に”信用創造(MSの発行)”をしていた(してしまっていた)ので、それを抑止する目的で預金を封鎖(銀行預金=MSをもう作り出せなく)した政策です。もちろん、それによって預金者は預金を引き出せなくなりますが、それが主たる目的の施策ではありませんよ。準備預金制度が施行された現在、もう預金封鎖する意味はありません(準備預金率を操作すればよいだけだから)。ましてや実質”デフレ化”の日本において、預金封鎖なぞして何の意味があるというのでしょうか・・・阿呆らしい^^;)。またまた、”ペイオフ”においても人力さんは何時もながらのとんでも解釈をなさっておいでですね(まぁ・・・いかにも金融屋さんらしいちゃらしいですけど)。



blacksmith_goo さん

私は次の様に解釈しています

1)金融危機が起きて「銀行不安」が発生する
2)預金者が預金を現金化する
3)銀行の手持ち現金が不足して引出しに対応出来なくなる

ここまでは所謂「取り付け騒ぎ」というやつで、近年でも1997年に山一證券や足利銀行で起きています。足利銀行では1年間の3000億円が引き出された様です。これは銀行の経営状況によって現代でも充分に発生します。

次は「預金封鎖」ですが、これは大規模な銀行不安による急激な引出しの後に起り得る。

1)経営力の弱い地銀などが急激な引出しによる経営破綻
2)銀行不安が拡大してメガバンクなどでも引出しが急拡大
3)金融システム保護の為に、政府が一時的に銀行を閉鎖
4)政府が銀行に資本注入
5)引出し限度額を決めて銀行を再開

大規模は「銀行不安」が発生した場合は上記の様な順番で預金封鎖が実行されると思います。

戦後日本の預金封鎖は急激なインフレを抑止する手段でしたが、通貨不安や銀行不安が起きても預金封鎖は実行され得ると私は考えています。



人力
2023年3月5日
銀行は「信用創造」で作り出したお金を貸しているので、預金引き出しが殺到した場合に、コレに対応出来ません。原則的には預金の9割を貸し出す事が可能です。

鍛冶屋。さんが言われるように超過準備を日銀に積み上げていますが、これで引き出し全てに対応できる訳では無いので、引き出し手段が電子取引であろうが無かろうが、引き出しに対応出来なくなった時点で銀行の信用は失われて破綻と見做されます。自己資本を売却するなどの対応もできるかも知れませんが、銀行が経営危機に陥る様な金融危機が発生している状況では、流動性の高い資産は暴落しているでしょう。

コレが一地銀や信用金庫で起きるのならば預金保険機構ガンカバーして銀行不安定には至りませんが、複数の地銀や、農林中金、ゆうちょ銀行などで起きた場合は、預金保険機構の積立金では当然賄いきれなかので、政府が銀行に資本注入をして預金を保護する法案ガン成立すまで銀行は過剰な預金引き出しに迫られる事になります。

銀行は決済機能なで金融システムの重要な役割を担っているので、最低限この部分だけ機能させて、預金引き出しを制限して銀行機能を守るのが「預金封鎖」の目的です。

事態が沈静化したら徐々に正常化させて行きます。

「国債を刷って現金を増やす」のは「資本注入」ですが、それは国会で法案が成立して初めて可能になります。大規模な取り付け騒ぎが起きている状況では対応が後手に回るので、緊急処置として預金封鎖も起こり得ると思います。現代においても。

あくまでも「ゆうちょショック」の様な極端なパニックが起きた場合の想定ではありますが。

最後に「市場は非常に情緒的」です。盤石と思われていたシステムもパニックの前では上手く機能しなくなります。リーマンショック直後にはドルの流動性が一時的に凍りつき、コール市場金利は信じられ中くらいに跳ね上がりました。コレでは銀行間決済が出来なくいので一瞬にして多くの銀行が破綻危機に陥って。FRBを始めとした各中央銀行がほぼ無制限に資金供給すると発表してパニックは沈静化しました。
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/d09052e4a81fb8d69e008d51caba4017
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/02 (Thu) 05:58:05

戦前の日本陸軍軍人は共産主義者ばかりだった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14016765

太平洋戦争は共産革命を恐れた昭和天皇が英米支配層と組んで起こした八百長戦争だった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14016737

ジェームズ斉藤 : GHQ は帝政ロシアやソ連からアメリカへ亡命した極左ユダヤ人だった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14014859

戦後日本のバブル崩壊以前の一億総中流社会は共産主義者ばかりの GHQ が意図的に作ったものだった
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/830.html

ウォール街やシティと戦った共産主義者のフランクリン・ルーズベルト
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1037.html

GHQに君臨した"マッカーサー"の愚将ぶり
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/748.html

アメリカ軍は日本国内のクーデターや共産革命を鎮圧する為に日本に駐留している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14016725

ジェームズ斉藤 : 日本のゴールド「天皇の金塊」
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14006705

世界最大の対外純資産に惑わされるな!国が強くならないデフレ日本の経常収支サイクル
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/989.html

イギリスはどうやってインドの綿工業を壊滅させたのか
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/715.html

英米を超大国にした近隣窮乏化政策とは
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/186.html

イギリスの手法は「まずブタを太らせて、後で食べる」
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/153.html

アメリカはソ連崩壊後に NO.2 になった日本をどうやって叩き潰したのか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/573.html

日銀が平成バブルを潰して失われた30年を作った
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037444

紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14054383

インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14055430

金融緩和するとデフレになる理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14038579

MMTは機能しない!超緊縮論を唱える元大蔵官僚 野口悠紀雄
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035472

日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010201

日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282

何故日銀はインフレに応じて金利を上げないのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052708

FX(外国為替証拠金取引)が1京円突破! 日銀は介入で巨額利益
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14075349

黒田日銀総裁のスゴイ所は「平気でウソをつく」ところ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009730

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14087383

日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062048

日本円を借りてドルを買っていた円キャリートレードの巻き戻しが始まった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14080678

ケインズは間違っている _ 何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1453.html

倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14033162

1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035981

金融緩和や財政出動をするとこういう結果になる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/555.html

公共事業や量的緩和で経済は救えない _ 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/892.html

政府が事業者を救済しても無数のゾンビ企業を作るだけで、いずれ経営破綻する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/554.html

政府主導の事業は必ず失敗する
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1415.html

何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1564.html

景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056950

量的緩和はデフレの原因
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1128.html

デフレとインフレは簡単に入れ替わる
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/1473.html

量的引き締めのインフレ抑制効果は薄い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14041986

インフレで起きる事
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1559.html

ジム・ロジャーズ 1970年代にはインフレを殺すために金利は21%まで上がった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14077211

各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14078205

42年間続いた低金利の時代は終わった、2023年からは高金利の新時代へ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14079077
4:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/03 (Fri) 06:12:19

“出稼ぎ”日本人…寿司職人は年収8000万円に バイトでも給料“倍以上”
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056366

円安、低賃金、ブラック労働で日本で生産する方が外国より安くなった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052420

日本人にとって海外は「超ぜいたく」になってしまうのか…ニューヨーク旅行での“衝撃”
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14107304

「賃金上がらず予想外」アベノミクス指南役・浜田宏一氏証言 トリクルダウン起こせず…
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14095196

アベノミクスのツケ「地銀含み損3兆円」…破綻シリコンバレー銀行とビジネスモデル酷似
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14095230

シリコンバレー銀行(SVB)破綻の原因と株式市場への影響
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094256

これから起きる超円高によるバブル崩壊と預金封鎖
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14091470
5:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/04 (Sat) 22:11:18

ポールソン氏: 成功は紙幣印刷ではなく教育と勤勉さから生まれる
2023年3月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278

長らく続いていたアラン・エルカン氏によるジョン・ポールソン氏の長編インタビューの最後の記事となる。

今回はコロナ後の政府の経済政策について語っている部分を紹介する。

コロナ後の緩和政策

2020年、コロナ第1波におけるロックダウンで先進国経済は大きなダメージを受けた。これに対して日本でもアメリカでも、政府と中央銀行は紙幣印刷と現金給付で対応した。

アメリカでは、Fed(連邦準備制度)が3月23日に無制限の量的緩和を発表しているが、実はこの措置は当時の株価の暴落を止めることが出来ず、一定期間株価はそのまま落ち続けた。当時の相場を知らない読者には、当時の記事からリアルタイムの雰囲気を読み取ってみるのも面白いかもしれない。

米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落 (2020/3/24)
だが結局、この緩和措置は過剰だった。特に2021年、既にアメリカ経済は元の水準まで回復していたにもかかわらず、就任直後のバイデン大統領が人気取りのために莫大な現金給付を行なったことが一番まずかった。

ガンドラック氏、バイデン大統領の「インフレは就任前から」発言を批判
それで経済は強くなり過ぎた。ポールソン氏は次のように解説している。

Fedが紙幣印刷で未曾有の刺激策を行ない、それが政府に莫大な資金を使う余裕を与えた。財政支出と紙幣印刷の組み合わせが非常に強い経済を演出した。

中央銀行が印刷した紙幣を政府がばら撒いたことで需要が非常に強くなれば、経済に何が起こるか。需要と供給について少しでも知っている人ならばその答えを出すことは容易い。インフレである。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
過剰な資金はまだ経済に残っている

ポールソン氏によれば、その効果は紙幣印刷を終了して1年ほどになる今でも続いているらしい。彼は次のように続けている。

今ではFedは引き締めを行なっているが、まだ経済の中に多くの余剰資金が残っており、それが消費と経済成長を支えている。

アメリカ経済は着実に減速しているもののまだ持ちこたえている。

アメリカ経済は確実に減速している、2022年4QアメリカGDP
インフレ率全体が下落しているなか経済成長は持ちこたえていることで、ソフトランディング期待も囁かれた。だがインフレの内訳を見てみれば、実体経済が持ちこたえているのは、サービスなど実体経済の核心にある部分のインフレがまだ止まっていないからだということが分かる。

サービスのインフレだけひとりで上がり続けるのか
この記事で詳しく説明したように、サービスのインフレが止まらない限りインフレは止まらず、そしてサービスのインフレと経済成長率は一蓮托生である。つまり、サービスのインフレを止めようと思えば、経済成長も止めるしかない。

よってソフトランディングは有り得ない。それが筆者が株を空売りしている論拠である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
副作用のない麻薬はない

ということで、紙幣印刷でリッチになれると思った多くの有権者はインフレで酷い目に遭っている。2020年に既に誰かが警告していたではないか。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする (2020/5/8)
ポールソン氏は次のように言う。

それはパーティのようなものだ。パーティに行き、たくさん飲みたくさん笑うが、パーティが終われば2日酔いが待っている。

だからアメリカ経済には大きな2日酔いが待っている。最終的には負債を支払うか、インフレで債務を帳消しにするかどちらかしかない。

債務はいずれ払わなければらない。そうでなければ債権者が損をするので、債務を払うか、債権者に損をさせるかのどちらかである。そして例えば日本の場合、国債の保有者は実質的には預金者なので、政府債務をきっちり支払うか、国民が損をするかのどちらかである。

だが負債を払わず預金者も紙幣を取り上げられない第3の道がある。ポールソン氏は次のように説明する。

それはもう始まっている。インフレは政府債務の実質的な量を減らしているが、それは賃金よりも大きく物価が上昇することに苦しむ平均的な国民の犠牲のもとに成り立っている。

敗戦後のドイツが支払い不可能な債務を何とかした方法である。

ここでは何度も言っているが、インフレ政策は最初からそれを目的にしている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
インフレ政策とは国民の預金を犠牲に莫大な政務債務を帳消しにして、政治家が引き続き予算を票田にばら撒けるようにする政策であり、それを政治家が何としてもやりたかった理由は完全に理解できるが、それを有権者が支持した理由は理解不能である。

以下の記事で詳しく説明したが、あなたがたは騙されている。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
結論

ポールソン氏は紙幣印刷について次のように纏めている。

成功するための魔法など存在しない。成功は教育、勤勉さ、貯蓄、再投資によって得られる。そうすればあなたは成功するだろう。

結局のところ、2020年に現金給付を横目に見ながらインフレの歴史について淡々と研究していたレイ・ダリオ氏が言った次の言葉がすべてである。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる (2020/5/17)
われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。愚者はまさに今経験から学んでいる。いや、問題は恐らく、愚者は経験から学ぶことすらないということだろう。

だが市場経済の素晴らしいところは、債務のツケは誰かが払ってくれても自分の愚かさのツケだけは自分で払わなければならないということである。筆者は市場経済のその部分を本当に素晴らしいものだと考えている。

そう言えば自分で働くことなくお金が降ってくるように願った人々がはまった穴がインフレの他にもう1つある。つみたてNISAである。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
2023年、緩和に対するツケを払うための引き締めはアメリカでも日本でも始まっている。株価とドル円はともに下落することになるだろう。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始


金融庁に騙されて彼らの多くは資金を米国株に注ぎ込んでいるが、円建ての米国株の価値は株価下落とドル円下落の二重苦で酷いことになるだろう。つみたてNISAは既に詰んでいる。金融市場とは素晴らしい場所である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278
6:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/14 (Tue) 09:59:30

シリコンバレー銀行(SVB)破綻の原因と株式市場への影響
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14094256


シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
2023年3月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34498

3月10日、アメリカでテック企業が集まるシリコンバレーで最大の預金シェアを誇っていたシリコンバレー銀行が破綻したことが金融業界で大きなニュースになっている。

金曜日には米国株も急落し、その影響で月曜日の日本株も下落した。市場では大騒ぎだが、筆者はまったく騒いでいない。解説記事をわざわざ書くべきなのかも迷ったくらいだ。

だが一応きちんと説明しておこうと思う。破綻の原因も、騒ぐようなニュースではない理由も、納得してもらえるだろう。

シリコンバレー銀行の破綻

シリコンバレー銀行はその名の通りシリコンバレーと関わりの深い銀行である。GoogleやAppleの本社のあるサンフランシスコ・ベイエリアでは、多くのスタートアップ(ベンチャー企業)がシリコンバレー銀行に預金口座を持っていた。

アメリカの歴史上2番目の規模の銀行破綻ということが強調されているが、それよりもシリコンバレー銀行はシリコンバレーの企業たちとのかかわりの中で考えた方が分かりやすいだろう。

シリコンバレー銀行が破綻した理由は何か。まず2022年末の決算書を見ると、シリコンバレー銀行のバランスシートの資産の欄には以下のものが計上されていた。

現金: 138億ドル
売却可能な証券: 260億ドル
そして負債の欄には以下のものが計上されていた。

預金: 1,731億ドル
投資家であれば知っておくべきだが、銀行の決算書の場合、預金は負債の欄に記載される。預金は、預金者が引き出そうとすれば銀行が返さなければならないお金だからである。

1,731億ドルの預金に対して現金が138億ドルしかないことに注目したい。預金者は預けたお金を銀行が持っていていつでも引き出せると考えがちだが、預金を又貸しして収入を得るのが銀行のビジネスなので、実は預金のほとんどは銀行には存在しない。

この数字を見れば、預金者が預金の1割でも引き出そうとすれば、シリコンバレー銀行はたちまち現金不足に陥るということが分かる。この件の一番の教訓は、預金者はまず自分の預金が必ずしも安全な状況にあるわけではないということを理解すべきだということだろう。

預金者のスタートアップたち

さて、では預金者側の動きはどうだったか。上で少し述べたように、シリコンバレー銀行の預金者の多くはシリコンバレーのスタートアップである。AppleやGoogleの本社が並ぶシリコンバレーでは、起業をするとまずシリコンバレー銀行に口座を作ることが多い。

アメリカのテック企業はアメリカの利上げでかなり厳しい状況にある。スタートアップのほとんどはアプリなどを作り、ユーザはいるが収益化はまだ出来ていないという企業が多く、日々のランニングコストを借金に頼っている。

だがアメリカでは物価高騰を止めるために利上げが行われている。政策金利はゼロから4.5%まで上げられた。ほとんどゼロコストで借金できていたものが、多額の金利を払わなければ借金できなくなる。

借金することが難しくなったスタートアップたちはどうするか? アメリカは物価高騰に見舞われている。債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏は次のように言っていた。

ガンドラック氏: 景気後退入りは保証されている
2022年には食料品とガソリンのために消費者は借り入れ額を増やした。「人々はクレジットカードを大胆に使うことにためらいがない、これは将来にとって良い兆しだ」などというのは単純に馬鹿げている。人々は好んでそうしているわけではない。そうせざるを得ないだけだ。

そして物価高騰で苦しんでいるのは消費者だけでなく、家賃や給与を支払わなければならないスタートアップも同じである。そして元々借金に頼り切っているシリコンバレーのスタートアップの方が受ける影響が大きい。

彼らはどうするか? 当たり前だが預金を取り崩すだろう。シリコンバレー銀行には1,731億ドルの預金があった。上で「預金者が預金の1割でも引き出そうとすれば」と言ったが、その状況がまず実現した。

枯渇したキャッシュフロー

預金引き出しに対応するため、138億ドルの現金がまずすべて消えた。シリコンバレー銀行の資産は他にもあるが、ほとんどが債権(貸しているお金)なので、それが返ってくるまで現金にはならない。

そこでキャッシュを確保するために出来ることは、260億ドルの売却可能な債券を売って現金に替えることである。260億ドルのうち、161億ドルが国債、66億ドルが住宅ローン証券だったようだ。住宅ローン証券とは住宅ローンを証券化した、リーマンショックでジョン・ポールソン氏が空売りした例のアレである。

ジョン・ポールソン氏、サブプライムローンの空売りで大儲けした時のことを語る
だがこれらの資産も下落していた。ここ1年ほどの債券市場がどうだったか、ここの読者には言うまでもないだろうが、債券にとって金利上昇は価格下落を意味するので、アメリカ中の債券がここ1年で暴落している。

それで証券売却も結構な含み損を確定する形で行われたようだ。それでもう少しの現金を調達したようだが、それでも結局1,731億ドルの預金が崩れてゆく状況を止めることは出来なかった。

シリコンバレー銀行には他にも資産があった。だが現金が尽きた時、企業は倒産する。企業の決算を見る上でそれが重要な点である。

手持ちの債券を売れるだけ売っても結局現金は足りなかったので、シリコンバレー銀行は破綻した。

シリコンバレー銀行破綻はニュースではない

だがこの話で本当に窮地にあったのはシリコンバレー銀行だろうか。それともシリコンバレーの企業だろうか。

この記事で筆者が本当に言いたいのは、シリコンバレー銀行が破綻に向かったプロセスの説明ではない。アメリカ経済の状況をもっと広く見てもらいたいということである。

インフレを受けてアメリカは金融引き締めを行なっている。その目的は、コロナ後に現金給付によってばら撒かれた紙幣の量の増大を止めるためである。

少しでも経済が理解できる人間ならば誰でも知っていることだが、インフレはウクライナ情勢ではなくコロナ後の現金給付、つまり紙幣のばら撒きによって生じたのだから、インフレを止めるためにはそれを回収しなければならないのは当然のことだ。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
市中に存在する紙幣の量はマネーサプライと呼ばれる。マネーサプライとは大雑把には現金と銀行預金の金額の合計であり、1970年代の物価高騰では当時のポール・ボルカー議長がマネーサプライの量を制限することでインフレを止めたことが有名である。金をばら撒けばインフレになり、金の量を絞ればインフレが止まる。当たり前である。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
だがここで重要なのは、マネーサプライは借金で増えるということである。ある人が銀行に1万円を預け、それを銀行が他の人に又貸しすれば、最初の人の銀行口座に1万円、貸された人の銀行口座に1万円がそれぞれ出来るので、1万円がマネーサプライ上では2万円になる。

マネーサプライを制限するとは借金を制限するということであり、それはつまり預金を減らすということである。

だから銀行から預金がなくなることは当たり前ではないか。マネーサプライを減らすことと預金が減ることはほとんど同語反復である。

もっと言えば、金利を上げればこれまで借金で生きていたシリコンバレーの無収益スタートアップたちが危機に瀕することも当たり前ではないのか。とどめに言うべきなのは、債券が下落して債券の保有者が苦しんでいたことなど何のニュースでもない。それは去年から誰もが知っている。

結論

そもそも米国債は31兆ドル存在していて、その大半の価格が大きく下落したのだから、数千ドルや数兆ドルの損失がアメリカ経済には既に発生していたのである。シリコンバレー銀行の破綻はその一部に過ぎない。

債券の金利上昇は価格の下落を意味する。だがアメリカの長期金利が上がったことを知っている投資家は居ても、その裏でどれぐらいの損失が出ているのかを意識する投資家はほとんどいないようだ。アメリカの長期金利は次のように推移している。


長期金利が去年の半ばには3.5%まで上がっているのだから、今回のシリコンバレー銀行の破綻は、去年半ばに既に起こっており既に誰もが知っていたはずの損失の一部が「大銀行の破綻」というニュースに乗ってたまたま露呈したに過ぎない。だがそれは既にこの長期金利チャートに含まれている情報である。ニュースでも何でもない。

更に言えば、ハイテク企業の窮状についてもここでは何度も記事にしているではないか。

暴落した米国ハイテク株は割安と言えるか (2023/1/3)
ジョージ・ソロス氏は2021年末には利上げがハイテク企業に被害を与えることを予想してNasdaqを空売りしていた。

ジョージ・ソロス氏、株価急落前にNasdaqを空売り成功 (2022/2/13)
だからこのニュースとは呼べないニュースで騒いでいるすべての人に言いたい。今更何を言っているのか。

この件におけるニュースとは利上げである。そしてそれは2022年初頭から誰もが既に知っている。

金利が上がった後、こういう状況はアメリカ経済の中で既にいくらでも起こっており、金利が高い限りこれからも起こる。シリコンバレー銀行は規模が大きいので、その速報に人々が飛びついただけである。

だが株式市場はそういう人々で構成され、元々分かっていたようなニュースとも呼べないニュースに反応して下落してゆく。

リーマンショックの時もそうだった。何処かで何かが弾ける。それは元々分かっていたことなのだが、株式市場はそれまで下落しない。こういう分かりやすい形で言われなければ、株式投資家は状況を理解できないらしい。一方でより理性的な債券市場は既にそれを予想している。

債券市場はアメリカ経済のハードランディングを予想
だから株価はこういう形で落ちてゆく。下落相場とはそういうものである。何度も言っているが、2023年の金融市場は景気後退と株価暴落、そして金利低下である。筆者にとってはそのシナリオがそのまま進んでいるに過ぎない。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
それは2022年にFedが利上げを始めた時から分かっていたし、もっと言えば2020年に馬鹿げた現金給付をやった時から分かっていたことである。今更ではないか。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34498



7:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/15 (Wed) 04:47:03

シリコンバレー銀行破綻は“超緩和バブル”の反動 日本の銀行に飛び火する可能性はあるのか
3/14
https://news.yahoo.co.jp/articles/ee971be1720e3e0e76c56cc0f16d46b93630bba0

シリコンバレー銀行破綻が「リーマン・ショックの再来」につながる可能性はあるのか(Getty Images)

 3月10日にシリコンバレーバンク(SVB)、12日にはシグネチャー・バンクと米国で相次いで銀行が経営破綻している。総資産約2090億ドルにも及ぶSVBの破綻は史上2番目の規模で、リーマン・ショック以降最大の経営破綻となり、シグネチャー・バンクの破綻は史上3番目の規模となることから、世界的な金融危機につながった2008年のリーマン・ショック再来を指摘する声も高まっている。

【写真】シリコンバレー銀行から資金を引き出すために待機している大勢の列

 とりわけSVBのケースでは、運用していた米国債や住宅ローン担保証券(MBS)などの有価証券の価値が下落して多額の「含み損」を抱えていた。これに対し、SVBは含み損処理と資本増強策を3月8日に発表したが、むしろ信用不安の拡大につながり、預金が次々と流出する取り付け騒ぎに発展し、破綻に至った。

 日本の地銀の多くも、運用先が限られるなか、米国債など有価証券の保有が増え、その含み損は昨年12月末時点で3兆円にのぼるとされる。そのビジネスモデルがSVBと似通っていることから、日本の地銀などにも飛び火するのではないかと“疑心暗鬼”が広がっている。はたして米国で相次ぐ銀行破綻は日本にも影響を及ぼすのか──。

 グローバルリンクアドバイザーズ代表の戸松信博氏が、SVB破綻の原因について解説する。

「SVBは米国のスタートアップ企業が顧客の中心になっていて、コロナバブルで大量の資金を調達したシリコンバレーの新興テック企業から預金を集めてきました。預金残高は2020年からの3年間で3倍超に膨らむほど。その急増した預金を米国債などの有価証券で運用するなか、FRB(米連邦準備制度理事会)の利上げによって金利が上昇したことで債券価格は下落。また顧客であるスタートアップ企業の資金繰りが厳しくなったことも重なり預金の引き出しが増加。結局、大幅な含み損を出し、3月8日に債券の売却と大規模資金調達を発表しました。

 ところが、この発表がかえって同行の信用不安を拡大し、スタートアップ企業を中心に預金が流出するという大規模な取り付け騒ぎが起こってしまったわけです。つまり、破綻の主な原因は、顧客が一定の業界に集中していたことと、米国の急激な長期金利の上昇にあります」

こうした局地的な「集中」による要因は、他のケースにも見て取れるという。

「SVBの前に清算を発表したシルバーゲート銀行やその後に続いたシグネチャー・バンクは暗号資産(仮想通貨)を中心に取り扱っていたので、このケースでも一定の業界に集中していたことがわかります」(戸松氏、以下同)

日米の金融政策の違い
 そうした見方から、戸松氏は「今回の件が直ちに金融危機に発展するとは考えにくい」としつつ、「コロナ後の超緩和バブルの反動が、米国の一部銀行を襲ったということで、同様にバブルに踊った金融機関がいくつか後に続く恐れはあります」と指摘。

 では、日本の銀行への影響はどうか。

「日本の地銀の場合、地域は限定されているかもしれませんが、融資先や預金者などのセクターは分散されていることが多いので、一極集中のリスクはそこまで高くない」

 加えて、日米の金融政策の違いもある。

「そもそも金融緩和政策を続ける日本はそこまで長期金利が上昇していないし、今後、日銀総裁の交代後も、米国のような大幅な政策金利の上昇や長期金利の上昇は起こりにくいと考えます。財政投資を積極的にやってこなかったこともあって、米国と比べて景気はそれほどよくなく、インフレにしても内需に起因した“ディマンドプルインフレ”ではなく、外需に起因する“コストプッシュインフレ”なので、インフレ対策として政策金利を上げる意味があまりないからです」

 10年にわたって続いてきた「異次元の金融緩和」は、国債の流動性低下をはじめさまざまな副作用を生み出してきた。だからといって、日銀の植田和男・新総裁が就任後すぐに金利を大幅に引き上げることは考えにくく、米銀行の破綻につながった要因は日本では想定しにくい現状もあるという。

「なによりリーマン・ショックの際は、サブプライムローンに関わる大きなレバレッジをかけたさまざまな金融商品がありましたが、今回はそうではない。また、すでに米財務省、FRB、米連邦預金保険公社(FDIC)は保護する預金の上限を撤廃して預金の全額保護に乗り出し、 FRBは預金流出の恐れがある銀行に緊急融資も表明。金融危機へと波及しないように次々と対策を打ち出しています」

 米銀行の破綻を受けて日本の銀行株も株価下落に見舞われているが、戸松氏は「今後の(小幅ではあるものの)日本の金利上昇による期待感からの上昇まで見据えれば、銀行株が急落することはあっても、それは一時的なもので終わるのではないでしょうか」と分析している。(了)
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/15 (Wed) 10:12:29

人力でGO
リーマンショック前夜に似て来た金融市場
2023-03-15
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/6b49293995b7efcb9d1dcefdd77c7487


■ 崩壊が始まった金融システム ■

3月10日、資産規模で全米16位の米シリコンバレーバンク(SVB)が経営破綻しました。12日もニューヨーク州を拠点とするシグニチャーバンクで取り付け騒ぎが起こり、破綻に追い込まれた。

シリコンバレーバンクはベンチャー企業に融資して業績を伸ばしていましたが、ベンチャーキャピタルファンドから流入する資金を、融資だけでは運用し切れずに、資産の6割を国債やMBS(住宅担保証券)などの長期債券で運用していましたが、FRBの利上げによって長期債の価格が下落(金利は上昇)したので、巨額な含み損を抱えてしまった。

米国政府は迅速に「預金は全額保護される」と発表して、預金引き出しによる破綻が連鎖する事を防ごうとしましたが、暗号通貨関連企業との取引が多いニューヨーク州のシグネチャーバンクが2日後に「取りつけ騒ぎ」を起こして破綻しました。

■ 「取り付け騒ぎ = 預金流出」で銀行は破綻する ■

先日の記事のコメント欄で「現代はネットで預金を下せるのだから、取り付け騒ぎは起こらない」とのご意見を頂いましたが、日本よりもネット決済が進んでいるアメリカの銀行でも「取り付け騒ぎ」が実際に発生しました。多分、「取り付け騒ぎ」を上の写真の様な、「銀行窓口に人が殺到する」ことと狭義に捉えられたのかも知れません。実際に中国では銀行破綻の噂が広がると、銀行の前に預金者が長蛇の列を成します。

銀行はどんな場合でも、預金者の引出し要求に応じなければなりません。預金は預金者の債権で銀行にとっては債務なので、預金引き出しに応じない事は「債務不履行」となり「銀行破綻」と同義になります。

今回は市場の悪化を嫌った投資マネーが引き上げられる事での「取り付け騒ぎ=預金流出」となりました。リーマンショック以降の金融緩和バブルで生まれた巨大な過剰流動性は、ファンドなどを通してハイテク企業に流れ込んでいましたが、金利上昇でこの流れが逆転しています。

■ 発動しなかったベイルイン(ペイオフ) ■

米国政府は「シリコンバレー銀行とシグニチャー銀行の全預金を保護する」と発表しました。FRBは2行から債権を簿価で買い取り資金を供給すると発表しています。

銀行の破綻に際して、預金を全額保護するというのは「ルール違反」です。世界の決まりは「ペイオフ」で預金は一定額しか保護されません。これは「預金者は銀行に投資している」という考え方に基づいており「投資家は投資に対して責任を負う」という「ベイルイン」というルールが現在の金融界の基本となっているからです。

今回のシリコンバレー銀行も、シグニチャー銀行も、預金者の多くはファンドです。ファンドがより高い利回りを求めて、ハイテク企業に融資するこれらの銀行に資金を預けていました。まさに「投資」です。ルールに則れば、米国政府はこれらの銀行の破綻を見守り、ペイオフ分の預金だけが預金者に戻されるはず。しかし、米国政府もFRBも銀行と預金者を救済しました。

預金者救済が悪い事かと言えば、一概には悪いとは言えません。もし仮に、今回破綻した銀行と預金者を政府が見殺しにしたら、「銀行不安」が起り、大銀行ですら預金流出を起こす可能性が高いからです。米国政府はルールを破っても、預金引きだしの流れを断ち切る必要があった。



■ Too big to fail=大きくて潰せない 銀行に集まる預金 ■

銀行破綻を受けてアメリカでは巨大銀行に預金が流入しています。これは、これらの巨大銀行が破綻すると金融システムに甚大な影響を与える為に、政府がこれらの銀行を必ず救済するという「期待」による行動です。預金者と言うと個人の様に思われますが、投資ファンドや投資家が、リスク性の資産を手仕舞いして現金を取り合えず巨大銀行に預けているというのが実態でしょう。多分、ファンドのポートフォリオの「現金」の項目が増えているハズです。

■ リーマンショックと似た状況 ■

現在の状況はサブプライムショックからリーマンショックの過程に良く似ています。リーマンショックの流れを復習しましょう



1)金利上昇で、サブプライム層がローンの返済が出来なくった。

2)ローンを払えなくなった人達が住宅を売却した

3)中古住宅が供給過剰となり、住宅バブルが崩壊した

4)住宅価格の下落で、住宅の担保価値が下がり、さらにローンを払えない人が増えた

5)アメリカでは住宅ローンはノンリコリースなので、家を売却すればローンの返済義務が無くなる

6)住宅ローンを元にファニーメイやフレディーマックが組成したMBS(不動産担保証券)が暴落した

7)MBSは様々な金融商品に加工されていたので、それらも暴落した

8)債権市場、デリバティブ市場が恐慌状態になった

9)ヘッジファンドなどに多額の融資を行っていたベアスターンズやリーマンブラザーズなど投資銀行が経営破綻した

10)米政府はベア・スタンズは救済したが、リーマンブラザーズを見殺しにした

11)銀行破綻が現実化して、多くの銀行が解約や引出しに対応する為に手持ちのドルをコール市場に流さなくなった

12)コール市場で資金調達出来なくなった多くの銀行が経営破綻した(ゴールドマンサックスを除く全ての投資銀行と商業銀行)

13)アメリカ政府は議会で1票差で銀行救済を決めた。(TARP=資金注入)

14)投資銀行は救済対象外だったので、GS以外の全ての投資銀行を商業銀行に合併させてまとめて救済した

15)FRBは紙屑になったMBSやその他の債権を買い入れ、銀行に大量の資金を供給した



今回は住宅バブルでは無く「ハイテクバブルの崩壊」が原因となって危機が表面化しています。バブルは一番膨らんでいる所から弾けて、その他の場所に崩壊は一気に進んで行きます。



■ リーマンブラザーズが生贄になった ■

リーマンショックの何を教訓にすべきか・・・?それは「ベア・スタンズを救済して、リーマンブラザーズを見殺しにした」点です。

1)ベアー・スタンズは当時アメリカ第五位の投資銀行

2)経営破綻したベアー・スタンズを政府が救済した事で、市場に若干の安堵感が漂った

3)一方で、アメリカ人の多くが、「強欲な銀行を救済する事は無い」とも考えていた。

4)ベアー・スタンズの他の投資銀行もほぼ同じ経営状態に陥っていました

5)債券市場やデリバティブ市場の下落は続いていたので、何れ全ての投資銀行や商業銀行が経営破綻する可能性が十分なあった

6)世論が「銀行救済」に同意する為には危機の演出が必要だった

7)リーマンブラザーズを破綻させる事で、「金融崩壊」の危機感を国民に共有させた

今回のシリコンバレーバンクやシグニチャーバンクはベアー・スタンズの役割を担っているのでしょう。しかし、このままズルズルと潰れそうになった銀行を救済し続けても、預金者の不安は収まりません。銀行が大量の含み損を抱えている事も、調達金利が上昇している事も解決しないからです。何れは破綻の連鎖にストップが掛からなくなります。

今、市場では「今回のリーマンはどこか?」と戦々恐々となっているでしょう。クレディ―スイスの名前がチラホラ出ています。破綻説の常連のドイチェバンクも気になります。多くの銀行が大量の債券や、それを元にしたデリバティブ商品を保有していますが、金利上昇によって評価損は膨らみ続けているでしょう。



■ ソフトバンクは破綻するだろう ■

あまり海外の話ばかりをしても実感が持てないと思いますので、国内でどこが危ないか・・。まあ、ハイテクバブルに全振りしていたソフトバンクなんて最有力でしょう。

携帯事業で赤字を垂れ流す楽天もかなりレッドゾーンに近いかも知れません。先日の巨額横領事件で、財務のルーズさも露呈しています。



■ リシコンバレー銀行は、ゆうちょ銀行の姿に重なる ■

シリコンバレー銀行は、預金の運用に困って資産の6割を長期債中心で運用していました。日本にも似た金融機関があります。ゆうちょ銀行です。ゆうちょ銀行は融資という普通の銀行業務が禁じられています。以前は財政投融資で国に投資して金利を稼いでいました。その後は、国債中心の運用でした。

しかし、国債金利がゼロになってしまったので、現在のゆうちょ銀行は、長期債を中心いリスク運用の比率を高めています。巨大ファンドだと考えた方が適切です。当然、金利上昇で巨大な含み損が発生しているはずですが、ドル高でそれが見えなくなっています。為替差益で損失が消えた状態。

しかし、危機が本格化すると、円安は円高に反転します。これは円が調達通貨になっていた為で、信用収縮の過程で借りていた円を返す為にドル売り円買いが必ず起こる。勢いが着いた為替市場はオーバーアクションするので、1ドル80円などという水準も充分に起こりうる。ドルの信用が揺らいでいれば、さらに円高になる可能性も有ります。

これで、日本の海外投資は巨大な為替差損を発生させます。米国債投資ですら安全ではありません。実際にバーナンキショックの際に日本の金融機関は慌てて米国債投資を縮小しました。



■ これからの時代は現物が強い ■

現在はインフレによおてお金の価値が失われています。今後は信用不安によって悪性のインフレが加速する可能性もあります。お金の価値がどんどん下がる。

この様な時代の資産保全はどうすべきか・・。或いは、将来的な失業危機に備えるにはどうすべきか。私は住宅ローンを払ってしまえる人は、今の内に繰り上げ返済する事をお勧めします。特に変動金利の方にはお勧めします。不動産はインフレに強い資産です。一時的な価格の下落があったとしても、時間が経てばインフレ率に応じて値上がりします。一方、現金や預金はインフレ率に応じて価値を失います。

尤も、日本においても住宅市場は既にバブルですから、今、新たに不動産を購入する事は有りません。バブルが弾けて安くなったら買えば良い。その為にも、流動性の低い資産は手仕舞いして、とりあえず現金(預金)で下落を待てば良いかと。

株もインフレに強い資産ですが、企業が倒産しては紙切れです。株価もバブルが崩壊すれば、半分程に下がる可能性があるいので、これも今買う事はありません。



■ 一番怖い失業 ■

私達現役世代に一番怖いのは失業です。リーマンショックの時は、日本の銀行は経営が健全でしたが、今は相当なリスクを取っています。当然、金融機関では大リストラが行われるでしょうし、銀行の貸し渋りによって、経営破綻する企業も出て来るでしょう。

私などもリーマンショックで国内の全ての仕事が一瞬で蒸発しました。 東南アジアと中国がすぐに成長フェーズに入ったので、そちらの仕事を手伝って凌いだ経験がありますが、今回は世界同時不況が長引くので、それも期待できません。

「もし失業したらどうするか」・・・このシミュレーションを多くの人がする必要があるかと私は考えています。少なくとも借金は圧縮しておくべきかと・・・。高値掴みしたタワーマンションのローンが返済できずに売却しようとしても暴落していて借金だけが残る。バブル崩壊アルアルです。
https://blog.goo.ne.jp/ponpoko2022/e/6b49293995b7efcb9d1dcefdd77c7487
9:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/17 (Fri) 06:49:38

世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
2023年3月16日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34648

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、自身のブログにおいてシリコンバレー銀行の破綻について不吉なことを語っているので紹介したい。

シリコンバレー銀行の破綻

主にアメリカのシリコンバレーで営業していたシリコンバレー銀行が破綻した。アメリカの歴史上第2位の規模の銀行破綻ということで話題になっている。

この銀行が何故、どのように破綻したのかについては、筆者が説明した記事を参照してほしい。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
ダリオ氏は主にこの破綻の意味とその後の経済全体への影響について語っている。

まず、ダリオ氏は筆者と同じくこのイベントを起こって当然のものと見なしているようだ。彼は次のように述べている。

これは通常7年(プラスマイナス3年程度)続く短期の債務サイクルにおける非常に典型的なバブル崩壊時に起こる非常に典型的なイベントだ。

彼の言う7年ほどの短期の債務サイクルとは何か。中央銀行や政府が緩和を行ない、最初にはそれで経済が活性化されたように見えるが、それで調子に乗った政府と有権者はますます緩和に入れ込み、そして経済が過熱し始める。そして政府と中央銀行は過熱を冷却するために引き締めを強いられ、バブルは崩壊する。

それまでに大体7年ほどかかる。2000年のドットコムバブル崩壊のあとに始まった低金利政策は、アメリカの不動産バブルを経て2008年のリーマンショックで崩壊した。その後に始まった量的緩和バブルは2018年の金融引き締めによる世界同時株安で終了した。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
そして2020年に始まったコロナ緩和は、緩和の規模がこれまでのものより大きい分、派手に崩壊することになるだろう。

ガンドラック氏の景気後退予想: 現金給付のツケを払うことになる
繰り返されるバブル崩壊

そもそも緩和を止めておけば良いのに、政府と有権者は馬鹿げたバブルの生成と崩壊を繰り返し、その度に不必要に資産を失ってゆく。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
インフレの人為的な醸成は、インフレを抑える段階において本来必要ではなかったはずのコストを経済にもたらす。以下の記事を熟読してみると良い。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
だがバブルは繰り返す。人間の知性は7年では変わらないからである。しかしサイクルは毎回まったく同じわけではない。ダリオ氏は次のように説明している。

毎回のサイクルでバブルになるセクターは異なっている。例えば2008年のリーマンショックではバブルは住宅用不動産に偏っていた。

そして今はキャッシュフローがマイナスになっているようなベンチャー企業や非上場企業、そして商用不動産会社などの、高金利と金融引き締めが受け入れられないような企業だ。しかし自己強化的な債務縮小トレンドは同じである。

以下の記事で説明したように、シリコンバレー銀行の破綻は顧客であるシリコンバレーのスタートアップたちが金融引き締めで金欠になったことが原因である。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
シリコンバレーにはユーザはいるが収益は上がっていない自転車操業的な企業が大量にある。中央銀行が経済から資金を吸い上げるとき、そういう企業が真っ先に資金難に陥る。

そしてその窮状はその企業の取引先に波及する。シリコンバレー銀行はそうしたスタートアップが金に困り預金を引き出したことで潰れた。

ダリオ氏は次のように述べている。

この事態へのわたしの理解と、これまでの出来事に基づけば、今回のシリコンバレー銀行の破綻は炭鉱のカナリアであり、この初期のイベントはドミノ倒しになってベンチャー業界とその外にまで波紋を広げるだろう。

波及する金融引き締め

このように金融引き締めは波及してゆく。潰れた企業の取引先がまた潰れる。

そしてそれは何処まで続くのか? ダリオ氏は次のように予想する。

金融引き締めが信用の伸びを抑え、インフレは自己強化的な負債と信用の縮小に移行し、それはドミノ倒しのように伝染していって中央銀行が緩和に転じるまで続く。

それは去年から筆者が予想していたシナリオである。

アメリカは2年以内に利下げする、2年物国債の買い開始 (2022/12/17)
そして今回のシリコンバレー銀行の破綻によって市場はそれを織り込み始めた。

シリコンバレー銀行破綻で年内の利下げを予想し始めた金利先物市場
すべて予想通りである。そしてまだ何も終わっていない。まだ始まってさえいない。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
結論

もう何年も言い続けているが、 金融引き締めを舐めてはならない。パウエル議長が前回金融引き締めを行なった2018年にも筆者は同じことを言ったのだが、今回も誰も学んでいないようだ。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
今回の金融引き締めは2018年の2倍なのである。

米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
そもそも張本人のパウエル議長自身が金融引き締めの威力を再び舐めているのだから、もうどうしようもない。政府や中央銀行は紙幣印刷が経済に何を及ぼすのかも理解していなければ、引き締めを行う時にも結果がどうなるのかを理解していない。

現金給付も金融引き締めも同じである。子供に核兵器のボタンを預けてはならない。政治家に経済を任せているとはそういうことなのだが、いまだに誰も理解しないようだ。

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34648
10:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/17 (Fri) 08:14:54

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
2022年9月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28426

ジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを率いたことで有名なスタンレー・ドラッケンミラー氏が、Palantirによるインタビューでインフレと株価について語っている。

金融緩和のない世界

長らく低金利と紙幣印刷によって押し上げられてきた株式市場が窮地に立たされている。アメリカで行われたコロナ後の莫大な現金給付が遂に2021年からインフレを引き起こし、金融緩和が出来なくなったからである。

マイナード氏: 株価が暴落しても中央銀行はもう助けに来られない
だがこの金融緩和がいつから始まったか、知っている投資家が(もしそれを知らずに投資家と呼べるのであればだが)どれだけ居るだろうか。

ドラッケンミラー氏は次のように述べる。

1982年から始まった金融市場の上げ相場は、特に直近の10年においてブーストされたが、それを生み出したすべての要因は、無くなっただけではなく、逆流している。

2021年まで続いていた金融緩和の時代は、1982年に始まった。それから約40年間、緩和はアメリカの金利を下げ続け、米国株の上げ相場を支えてきた。アメリカの長期金利のチャートは次のようになっている。


リーマンショック以降は政策金利がゼロになってしまったので、紙幣印刷に移行して株価は更に押し上げられた。そしてコロナ後の現金給付がとどめとなり、物価が高騰し始めたのである。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

リーマンショック後の低インフレに対応するために行われたゼロ金利と大量の紙幣印刷、つまり量的緩和政策は、ほとんどすべての資産価格をバブルにした。

インフレと金融引き締め

だがインフレが起これば40年間株価を支えてきた金融緩和はもはや出来なくなる。緩和を続ければインフレが更に酷くなるからである。

それどころか、中央銀行は今や利下げと量的緩和の逆をやっている。利上げと量的引き締めである。

米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大
中央銀行は緩和を止めただけではない。これまで下げてきた金利を上げ、ばら撒いてきた紙幣を吸収しているのである。

ドラッケンミラー氏は次のように言っている。

今や中央銀行は禁煙した喫煙者のようだ。ポルシェを時速300キロで運転していて、アクセルから足を離すだけではなく急ブレーキを踏んだらどうなるか。

わたしの意見では、1966年から82年のように、最高でも10年間横ばいになる可能性が高い。

「最高でも横ばい」というのは上がる見込みがまったく無いと言いたいのである。彼は今年、株価の下落に賭けて利益を得ている。

ドラッケンミラー氏、株式と債券を大量空売りに成功 株安は続く
1966年から82年の米国株がどうなったかと言えば、次のようになっている。


数字の上では米国株が長らくほぼ横ばいとなった16年間である。その中には株価がほぼ半値落ちとなった1974年の暴落を含んでいる。

横ばいと言うにはジェットコースターな株価の推移だが、実際にはこの期間、米国株は長期で見ても横ばいであったわけではない。

何故ならば、1970年代は物価高騰の時代であり、ドルの実質的価値が暴落した期間だからである。

途中で株価が半分になるような暴落に耐えた結果、最終的には投資した当初と同じ量のドルを何とか確保したとしても、1966年のドルと1982年のドルではまったく価値が違う。紙幣の価値が下がるのがインフレだからである。100ドルで買えたものが100ドルでは買えなくなっている。

では、ドルの価値はこの期間どうなったのか? CPI(消費者物価指数)を使って1966年1月のドルの価値を1とすると、その後のドルの価値は以下のように変化している。


1982年12月までにドルの価値は67%減価している。つまり、株価が横ばいでも実質的にはその価値は1/3になったということである。

現在のインフレは当時よりも酷い

だがアメリカ経済は1970年代の物価高騰からその後復活したではないかという主張もあるかもしれない。しかしドラッケンミラー氏によれば、当時のような幸運はもはやないかもしれない。彼は次のように言う。

当時幸運だったのは、そのような環境でも成功できた会社があったということだ。Apple Computerなども当時創業された。

1970年代のインフレの時代に続く1980年代と言えば、AppleやMicrosoftなどが新商品を出していったIT革命の初期であり、その後もアメリカはIT分野において革新を行ない続けた。

だが今はどうか。Appleを含むスマートフォンメーカーは、毎年バージョン番号だけは変わったが中身は大して変わっていない新商品を出し続けている。

そもそも何故アメリカ経済は紙幣印刷に頼らなければならなくなっているのか。少なくとも当時と同じような産業革命は起こりそうにない。

脱グローバル化による物価上昇

更に、ドラッケンミラー氏は物価を抑えてきたもう1つの要因を語る。

当時はグローバル化の初期段階だった。グローバル化はその後世界を1つにし、生産性を向上させ低インフレをもたらした。

Appleなどが栄えた1980年代は、グローバル化社会の黎明期でもあった。Appleなどは中国や台湾の工場で生産することで安価なスマートフォンを提供している。

経済学者ならば誰もが同意するだろうが、グローバル化は物価を押し下げた。先進国の高給な労働者が作っていた商品は途上国の安価な労働力で作られるようになり、パソコンや自動車など多くの製品の価格が下がった。

それは貿易が自由に出来たからだ。だが今や、ヨーロッパやアメリカや日本は無意味にロシアからの輸入を止めている。

制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される
ロシア、西側の制裁でルーブルが上がりすぎて困り始める
それはグローバル化がもたらしてきた物価下落の逆回しを意味する。特にロシア産のエネルギー資源や食品に依存していたヨーロッパは日本人には想像できないようなエネルギー・食糧危機に見舞われている。

ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
「だがそれはロシアだけではないか」と人は言うかもしれない。だがレイ・ダリオ氏によれば、ウクライナ問題は東西対立の序章に過ぎないようだ。

世界最大のヘッジファンド: ウクライナは世界秩序をめぐる戦争の始まりに過ぎない
彼の見方が正しければ、脱グローバル化によるインフレはこれから加速することになる。そうなれば当然、インフレ率は上昇し、株価を押し下げている金融引き締めも更に強くなってゆく。これは40年前のインフレにはなかったことである。

結論

要するにこういうことである。1970年代と同じ規模の景気後退と株価暴落は不可避であり、他の条件を考慮すれば、恐らくそれよりも酷い状況がこれから長く続く。

資産運用を仕事にしたことさえない金融庁の話はよく聞くにもかかわらず、ドラッケンミラー氏のような資産運用業界で最高の頭脳の話は聞かない人々は、きっと素晴らしいリターンを市場から得るだろう。金融市場とは本当に素晴らしい場所であると筆者は心から考えている。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
ドラッケンミラー氏、個人投資家の投資スタイルを酷評


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/28426

11:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/18 (Sat) 06:32:23

ガンドラック氏: シリコンバレー銀行破綻でアメリカの景気後退が近づいた
2023年3月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34713

筆者の他に金利低下を予想し続け、シリコンバレー銀行の破綻に伴う金利急落で利益を得た人物がいる。DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏である。

CNBCのインタビューからシリコンバレー銀行破綻に対する彼の反応を紹介しよう。

シリコンバレー銀行破綻

以下の記事で説明した通りだが、シリコンバレー銀行は顧客であったシリコンバレーのスタートアップたちがFed(連邦準備制度)の金融引き締めで窮地に追い込まれたことによって破綻した。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
それで少し前までソフトランディング期待まで出ていたアメリカ経済に途端に暗雲が立ち込めている。筆者やガンドラック氏は市場がどうなろうが景気後退に賭けてきたが、市場の方は喜んだり悲しんだり忙しそうである。

ガンドラック氏: 景気後退入りは保証されている
2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
誰かが言っていたが、市場で勝つためには誰もが酔っ払っている時にしらふでいることである。

長短金利逆転が示唆する景気後退

さて、では実際アメリカ経済はどうなるのだろうか。シリコンバレー銀行破綻を経て見通しは何か変わっただろうか。

解説記事に書いたように、シリコンバレー銀行の破綻自体は、Fedによる未曾有の金融引き締めで既に経済に起こっていた大規模な損失の一部分に過ぎない。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だがこのイベントを受けて金融市場では様々な動きがあった。そしてガンドラック氏はその中で長短金利差に注目している。

長短金利差とは、10年物国債の金利から2年物国債の金利を引いたものである。

通常は期間が長いほど金利が高いので長短金利差はプラスだが、2年物国債は今後2年の政策金利を織り込む一方、10年物国債は金利とより長期の経済動向に左右されるので、中央銀行が無理に利上げをしてそれが景気後退をもたらすと市場が予想する場合、2年物国債の金利が上がる一方で10年物国債の金利はそれほど上がらず、長短金利が逆転することがある。

そして長短金利が逆転するとき、つまり市場が利上げのやり過ぎを警告するとき、ここ数十年ではほぼ間違いなくアメリカ経済は景気後退に陥ってきた。

以下は長短金利差のチャートである。グレーの部分が景気後退であり、長短金利差がマイナスになってからグレーの部分が現れていることに注目したい。


2022年には筆者は物価高騰がこの状態を引き起こすことを予想し、長短金利の逆転に賭けるトレードを行なって利益を上げたことは読者も知っての通りである。

長短金利逆転を予測できた理由と今後の不況と株価暴落について (2022/4/4)
シリコンバレー銀行破綻で長短金利差に異変

その長短金利差はその後もマイナス幅の拡大を続けたが、シリコンバレー銀行の破綻を受けてこの動きが少し変わっている。

ガンドラック氏は次のように説明している。

長期国債は今、2年物国債よりも価格上昇が小さい。だからイールドカーブは大きく急勾配になったというか、逆イールドの度合いが大きく減った。これはまさに景気後退の最後の兆しで、景気後退が比較的早く来ることを意味している。

過去何十年にわたるすべての景気後退では、長短金利差の逆転が縮小してから数ヶ月で経済は景気後退に陥っている。

長短金利の逆転は、利上げが行き過ぎているというサインである。だが2年物国債の金利が高い水準にある限り、市場はその高い短期金利が持続可能だと考えているということになる。

それはいずれ景気後退をもたらすが、当面は金利は高くなることを意味している。

だが長短金利差のチャートの最近の部分を見ると次のようになっている。


シリコンバレー銀行の破綻を受けて長短金利逆転が急激に戻している。

長短金利逆転が解消するとき

これは何を意味するのだろうか。長短金利が大きく逆転していたときは、2年物国債の金利は政策金利が当面高く保たれることを意味していた。だがシリコンバレー銀行の破綻で2年物国債の金利が大きく下がり、長短金利の逆転は緩和された。

つまり、長短金利差のチャートは元々「政策金利がこれから高くなり過ぎるので長期的には経済が沈む」ことを予想していたが、今や「政策金利を高く保てないほど景気後退が差し迫っている」ことを予想していることになる。

したがってガンドラック氏はシリコンバレー銀行の破綻によって景気後退がいよいよ近くなったと言いたいのである。彼は次のように述べている。

長短金利逆転がピークに達していた先週には、4ヶ月から6ヶ月以内に景気後退が起こる可能性は低かった。

だが逆転が解消され始めている今、4ヶ月から6ヶ月以内の景気後退が妥当に思えてくる。

インフレ政策の結末もいよいよ大詰めである。 少し前までソフトランディング期待が囁かれていたことを考えると急展開ではないか。だが経済危機における相場とはそういうものである。短期的な市場の動きに惑わされないよう頑張ってもらいたい。

ガンドラック氏の景気後退予想: 現金給付のツケを払うことになる
ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34713
12:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/20 (Mon) 02:11:04

利上げをすることはインフレを抑えると同時に銀行危機を悪化させることであり、利下げをすることはインフレを悪化させると同時に銀行問題を和らげることである。
インフレ退治を断行し、かつ銀行問題を解決するような選択肢は存在しない。


サマーズ氏、シリコンバレー銀行破綻後も利上げ継続を訴える
2023年3月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34785

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、シリコンバレー銀行の破綻とアメリカの金融政策について語っている。

シリコンバレー銀行破綻と利上げ

長らく続く物価高騰を抑制するため、Fed(連邦準備制度)による金融引き締めが続いており、それがシリコンバレー銀行破綻の原因になったことを以下の記事で説明した。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
米国時間22日にはFedは次の利上げに関する決定を下すが、シリコンバレー銀行破綻の後、今後の利上げ動向についての市場の見解は大きく揺れている。

市場は元々前回の倍の利上げ幅となる0.5%利上げの可能性も織り込んでいたのだが、シリコンバレー銀行破綻後にはまずその可能性が消えて利上げなしの可能性まで織り込まれ始めた。

しかしその後ECB(欧州中央銀行)のクリスティーヌ・ラガルド総裁がクレディスイス問題など欧州内の銀行危機にもかかわらず0.5%利上げを決定すると、アメリカでも利上げなしの織り込みが少なくなり、現在では62%の確率で0.25%の利上げ、38%の確率で利上げなしとの織り込みになっている。

サマーズ氏はまずラガルド氏の利上げ断行について次のように述べている。

ラガルド女史は素晴らしかった。

彼女は金融システムに問題がある時にでも必要なインフレ抑制政策を遂行できることを示した。

また、インフレと金融システムの安定という2つの問題に対しては別々の方法で対応でき、インフレの問題を犠牲にしなくて済むということを示した。

そしてサマーズ氏のこの見解は当然ながらアメリカの利上げについても同じである。サマーズ氏は次のように続ける。

多くの意味でこれがFedの手本になることを願う。

次の会合ではFedが0.25%利上げを出来れば良いと思う。

利上げは銀行問題を加速しないのか?

だが考えてほしい。そもそもこの銀行問題を引き起こしたのはインフレ退治のための利上げであり、もっと詳しく言えば以下の記事で説明したようにマネーサプライの減少という金融引き締めの目的自体が銀行の預金を干上がらせている。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だから利上げをすることはインフレを抑えると同時に銀行危機を悪化させることであり、利下げをすることはインフレを悪化させると同時に銀行問題を和らげることである。

しかしそれでもサマーズ氏は利上げを推奨する。そして利上げをしなければ物価と銀行システム両方にとって悪い結果になると主張する。彼は次のように述べている。

もしFedが怖気づけば、人々も怖気づくことになるだろう。だから利上げをしなければインフレ期待を悪化させ、かつ経済を弱体化させる可能性がある。

だがこの理屈は厳しいだろう。この理屈では経済がどんな悪い状況にあっても「利上げを止めればFedが怖気づいたことになるから利上げを止めるべきではない」ということになる。

インフレか銀行問題か、どちらかは犠牲になる

結局のところ、インフレ退治を断行し、かつ銀行問題を解決するような選択肢は存在しないのだ。

だがサマーズ氏はそれでも利上げすべきだと言う。それはサマーズ氏の過去の発言と一貫している。彼は去年次のように述べていた。

サマーズ氏: 金融危機が起こっても利上げを継続せよ (2022/10/11)
金融市場の安定に関する懸念を口実に、インフレが長期化することを避けるために必要な金融政策を止めるよう主張するのは間違っている。

サマーズ氏は去年から利上げが経済に大きな問題を引き起こす可能性に言及していた。そしてまさにその状況が起こったわけだ。

だが実際に起こってしまった今、銀行危機など無視して利上げすべきだと言うと過激になる。だから言い方を変えているだけだ。サマーズ氏は銀行問題よりインフレ退治を取るべきだと言っているのだ。

何故ならば、インフレを悪化させると後で更に酷い問題になって帰ってくるからだ。1970年代の物価高騰時代には、インフレ退治を10年も後回しにし続けたために最終的には金利を20%まで上げる羽目になった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
インフレは今退治して酷い目に遭うか、後で退治してもっと酷い目に遭うか、どちらかである。

もう何度も言っているが、アメリカ経済は詰んでいる。インフレ政策でインフレになった時点で詰んでいるのである。

ハイエク : インフレ主義は非科学的迷信

銀行を助けて物価高騰かインフレを退治して株価暴落か、どちらかしかないだろう。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34785
13:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/20 (Mon) 17:47:07

「裸で泳ぐ」地銀 SVB破綻が鳴らす日本への警鐘
William Pesek
https://forbesjapan.com/articles/detail/61745


日本銀行がこの20年間、利上げに踏み出せなかった理由を知りたい人は、

シリコンバレー銀行(SVB)の経営破綻
https://forbesjapan.com/articles/detail/61567

に手がかりを見つけられるだろう。

カリフォルニア州サンタクララで起きた破綻劇は、8200キロメートルほど離れた日銀本店から見れば対岸の火事なのではないかと思うかもしれない。だが2008年以降最悪となった米銀破綻は、日銀がまさに避けてきたことに端を発している。米連邦準備制度理事会(FRB)が進める「金融政策の正常化」である。

もちろん、SVBの破滅を導いた「犯人」はほかにもいろいろ挙げられるだろう。たとえばドナルド・トランプ前米大統領。トランプの署名で2018年に成立した規制緩和法によって、SVBはより厳しいストレステスト(健全性審査)を免れていた。またSVBの経営陣は、バランスシートをきちんと管理しなければどうなるかの反面教師として、ハーバード大学のMBA(経営学修士)コースで取り上げられるかもしれない。「皆さん、リスクヘッジはしておきましょう」と。

とはいえSVBを窮地に追い込んだ最大の原因は、FRBによる1990年代半ば以降で最も積極的な金融引き締めにある。ジェローム・パウエル議長率いるFRBが2022年から2023年初めにかけて利上げを進めてきた結果、SVBのお粗末なガバナンスは隠しきれなくなったのだ。


「潮が引いて初めて誰が裸で泳いでいたのかわかる」──。ウォーレン・バフェットの格言がこれほど見事にあてはまる事態もそうないだろう。グレッグ・ベッカー最高経営責任者(CEO)のチームは、顧客の資産を預かる受託者としてあまりに無防備だったと言われても仕方あるまい。

そして、こうした「潮が引く」シナリオこそ、過去20年、日銀が恐れてきたものである。植田和男次期総裁は旧来のしがらみにとらわれない「一匹オオカミ」的な金融政策に乗り出すと見込んでいる人もいるかもしれないが、ことはそう単純ではない。


1999年、日銀は世界で初めて政策金利をゼロに引き下げた。2001年には、当時未踏の領域だった量的緩和(QE)に足を踏み入れた。以来、日銀はそこから抜け出せていない。2006年から2007年につかの間、ごくわずかな利上げをしたものの、その後は「量的緩和」沼にますます深くはまり込んでいる。

やがて日本は、ただ同然で借りられるフリーマネーに依存するようになった。銀行や企業、保険や年金などの基金、大学、巨大な郵政グループ、そして政府は、フリーマネーを当たり前のもののように考えるようになった。代償は大きかった。20年におよぶ量的緩和によって、日本のアニマルスピリットはすっかり弱くなった。

日銀の巨大なATMがあるおかげで、この間の日本の歴代政権は、非効率な行政手続きの改善や労働市場の規制緩和、起業の促進、生産性の向上、女性のエンパワーメント、外国からの人材誘致拡大といった課題に向き合わずにすんだ。

2012年、日本の有権者は、脱デフレに向けた思い切った改革を公約に掲げた安倍晋三率いる自民党を政権に復帰させた。これは前年、日本の国内総生産(GDP)が中国に抜かれたこととも無縁ではないだろう。


だがその安倍元首相は、みずから改革に汗を流すのではなく、日銀にもっと大胆なQEをさせようと2013年3月、新総裁に黒田東彦を据えた。黒田はそれをやり、世界は円であふれかえった。日銀のバランスシートは2018年までに、約550兆円規模の日本GDPを超える規模に膨れあがった。

この政策は日本経済をあちこちで下支えし、円安効果で企業に歴史的な高収益をもたらした。しかし10年たった現在、黒田日銀は機会喪失と厄介な副作用という負の遺産を残している。

黒田が市場にお金をジャブジャブ流しても、日本経済は成長しなかった。それどころか、企業の経営者たちから、イノベーションやリストラ、ガバナンス改革、リスクテークへの意欲をそぐことになった。しかも最悪なことに、中国は同じ時期、経済力を高める政策を強化していた。

これに関しては黒田よりも、彼を失敗へと追いやった政治家たちに大きな責任がある。もし自民党がなにがしかサプライサイドの大きな改革を打ち出していたら「ユニコーン」の創出レースでインドやインドネシアに遅れをとることはなかったのではないか。

日本の人口約1億2600万人の半分を占める女性は、これ以上ないほど低い待遇を受けている。また、今年ようやく、そこそこの賃上げを認めてもらえそうな日本の労働者は、深刻な物価高に悩まされている。賃上げは生産性の向上を伴わなければ、日本のインフレ問題を悪化させるだろう。

日本のデフレを終わらせたのは、日銀ではなく、ロシアのウラジーミル・プーチン大統領によるウクライナ侵攻だった。しかもこのインフレは、世界的なエネルギー価格や食料価格の上昇が波及した「悪い」たぐいのものだ。

来月就任する植田新総裁は、こうした経済的な地雷原に足を踏み入れなくてはならない。そして今回のSVB破綻は、日銀にとって、みずからも銀行業界の大混乱を引き起こしかねないという恐怖をいや増す出来事になったに違いない。


日本には「大きすぎてつぶせない」巨大銀行がいくつもある。だが日本政府はかねて、本当の弱点は全国におよそ100行ある地方銀行にあるとみてきた。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的な大流行)が始まった当初の時点で、日本の全預金の半分近くは地銀が保有していた。

何年も前から、日本の地銀の利益はゼロ金利や少子高齢化の影響で細ってきている。政府は破綻回避のために地銀の経営統合を促し、地銀側にはコスト削減やバランスシートの強化を求める一方、合併の見返りに日銀への預金に追加の利息を支払うといったインセンティブも提供している。

だが、こうした地銀再編はなかなか進んでいない。世界の投資家のなかには日銀が量的緩和政策のUターンに踏み切ることに賭けている機関もあるだけに、これは日銀にとっても悩ましい問題だ。「裸で泳いでいる」地銀はないか、それを見極めるのが植田にとって大きな課題になるだろう。

脆弱な地銀はシステミックリスクを招きかねないのに加え、日銀の流動性も枯渇するおそれがある。逆に、より大きく、強固で、自信つけた地銀は貸し出しを増やし、日銀の火力を高めてくれるかもしれない。


もし岸田文雄首相に日本の金融システムを安定化させ、日本のエンジンをあらためて最適化する計画があるのなら、いまこそ世界の投資家に知らせる絶好の機会だと思われる。現状に甘んじれば、より合理的な金融政策を策定しようという植田新総裁の意欲を損なうことになるだろう。

海を隔てた米国で起きたSVBの破綻は、自民党と日銀に、日本経済を正常化させる時が来たと告げる警鐘になった。裸の真実とは痛いものだ。

(forbes.com 原文)
https://forbesjapan.com/articles/detail/61745/page3





2023.03.13
米シリコンバレー銀行の破綻について知っておくべきこと
Conor Murray | Forbes Staff
https://forbesjapan.com/articles/detail/61567




米連邦預金保険公社(FDIC)は3月10日、カリフォルニア州を拠点に主にスタートアップ企業向け融資を行う銀行のシリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻し、すべての預金を管理下に置いたと発表した。

2022年12月末時点の総資産は約2090億ドル(約28兆円)、総預金が1754億ドルのSVBは米国で16番目に大きい銀行に位置づけられていた。同社の破綻は、銀行の破綻としては2008年の金融危機時に破綻したワシントン・ミューチュアル以来の規模となった。

SVBの持ち株会社のSVBフィナンシャルグループは8日に210億ドル相当の有価証券を売却して18億ドルの損失を出し、経営危機を回避するために22億5000万ドルの増資計画を発表した。しかし、取り付け騒ぎに見舞われたSVBを救済する金融機関は現れず、10日にFDICが管理下に置いた。

ピーター・ティールが運営するファウンダーズファンドを含む複数のベンチャーキャピタルは9日、投資先企業にSVBから資金を引き上げるよう助言していた。Yコンビネータのプレジデントのゲイリー・タンも、SVBへのエクスポージャーの抑制を検討するよう呼びかけ「どんな理由であれ、資金がなくなればあなたのスタートアップは死んでしまう」と述べていた。


一方、SVBフィナンシャルのグレッグ・ベッカーCEOはその日の電話会議で、顧客に「落ち着く」よう呼びかけたが、CNBCは10日朝、SVBフィナンシャルの資本調達の試みが失敗に終わり、身売りの交渉が頓挫したと報じた。FDICは、SVBの預金を新たに設立した銀行のDeposit Insurance National Bank of Santa Claraに移管し「保険対象の預金者は13日朝までに資金にアクセスできるようになる」と説明した。

SVBはパンデミック時の低金利を追い風に、VCやスタートアップから預金を集め、2020年初頭に600億ドルだった預かり残高は、2年後に2000億ドルを超えていた。米国の銀行は多額の資金を米国債や他の債券に投じているが、米連邦準備制度(FRB)がインフレ抑制のために急ピッチで金利を引き上げる中で、債券価格は下落し、SVBも含み損を抱えていた。
想定を超える預金の引き出し
一方で、金利の引き上げによってSVBの顧客であるスタートアップは新たな資金調達に苦戦し、SVBの口座から資金の引き上げが相次いだ。想定を超える預金の引き出しに直面したSVBは、やむなく価値が下がった資産を売却し、18億ドルの損失を発生させた。

8日には、暗号資産に特化したシルバーゲート銀行が破綻し、それに続くSVBの破綻は、2008年の金融危機とも比較されている。しかし、バンク・オブ・アメリカのアナリストのエブラヒム・プーナワラは、SVBとシルバーゲートは、特に金利上昇に弱い業界である暗号資産やスタートアップ業界を事業基盤としており「特定の銀行に固有の状況から生まれた危機」が市場全体に広がると予測するのは、行き過ぎだと指摘している。

一方、J.P.モルガンやウェルズ・ファーゴ、シティグループなど全米最大級の銀行の株価は、9日に下落した後、10日に上昇した。

(forbes.com 原文)
https://forbesjapan.com/articles/detail/61567

14:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/28 (Tue) 13:36:56

たまには君たちを眠らせる話をしよう
2023-03-28
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12795739797.html


たまには君たちを眠らせる話をしよう 経常収支と金融収支[三橋TV第682回]三橋貴明・高家望愛
https://youtu.be/nl1HaexJMsc

 今までで最も笑ってしまった「破綻論」は、藤巻健史らが主張していた、
「このままでは富裕層がおカネを外国に持ち出し、国債を買うカネが無くなって破綻する!」
 でございました。


 超絶的な、貨幣のプール論。

 
 富裕層が「カネを持ち出す先」は、大抵がシンガポール。(なぜ、シンガポールなのかは分かりませんが)


 日本円は、シンガポールでは使えないでしょうに(笑) 富裕層がカネを持ち出そうとしても、単にシンガポール・ドルに両替されるだけで、日本円は日本国内で「誰か」が保有し続けます。



 両替したのがシンガポールの銀行ならば、日本国内における「資産(=日本の銀行もしくは日本銀行の負債)」として保有し続けることになります。そして、シンガポールの(対日)対外資産として統計されます。


 共通通貨加盟国でない限り、貨幣は国境を越えません。


 さらには、貨幣は返済がなされない限り消えません。


 日本国内の日本円(の金融資産)は、そのほとんどを日本国民が保有しています。が、外国も持っています(日本の対外負債として統計されます)。


 外国の経済主体が、日本円を「自国に持ち出す」などということはできません。というか、持ち出しても使えない。


 動画で説明していますが、貨幣の本質は「購買力の所有権」なのです。財やサービスの売買(等)が行われると、支払い手から受け取り手に貨幣という「購買力の所有権」が移る。


 もっとも、日本円という「購買力の所有権」は、あくまで日本国内限定で認められる「権利」です。つまりは、貨幣は「貸借関係」であると同時に、共同体に認められた購買力の「所有の権利」でもあるわけです。


 改めて、貨幣とは共同体的な産物であることが分かります。「権利」であるがゆえに、当然ながら、共同体の敷居(国境)を越えることはできない。



 日本の企業がアメリカに100万円の自動車を売ったとしましょう。日本からしてみれば「輸出」で、アメリカにとっては「輸入」です。


 面倒なので、1ドル=100円とします。


 日本企業がアメリカで受け取るのは1万ドル。日本の経常収支(内、貿易収支)の黒字が1万ドル増えます。


 さて、日本企業は1万「ドル」をどうするのか。日本円に両替した場合、両替してくれた日本の銀行が「アメリカ内資産」として保有し続け、統計的には金融収支(内、その他投資)が1万ドル増えます。(工場建設などに使われたならば直接投資、株式購入などの場合は証券投資として統計されます)


 結局、アメリカ人が保有する1万ドル分の「購買力の所有権」が、日本企業に移るだけで、「1万ドルが日本に移動する」ことはないのです。


 というわけで、経常収支=金融収支になります。これは、GDP三面等価の原則同様に、誰も逃れられない原則です。

【日本の国際収支の推移(億円)】


http://mtdata.jp/data_84.html#kokusaisyuusi
※金融収支はマイナス表記

 例外処理(資産の譲渡等)である資本移転収支や誤差の穴埋めである誤差脱漏を除くと、経常収支と金融収支がイコールになっているのが分かるでしょ?


 経常収支=金融収支。


 貨幣が国境を越えられないことが、国際収支統計から分かるのですが、眠くならずに最後まで読めたかな?
https://ameblo.jp/takaakimitsuhashi/entry-12795739797.html
15:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/17 (Mon) 11:27:22

COMMENTARY
円安は日本のメガバンクに好悪両面の影響をもたらす
Mon 17 Oct, 2022
https://www.fitchratings.com/research/ja/banks/286fd537-ed73-4454-9f1a-718dab70b736-17-10-2022


Fitch Ratings-Tokyo/Hong Kong-17 October 2022: (本稿の英語版は、「Weaker Yen’s Impact Mixed for Japanese Mega Banks」(2022年10月12日付)として公表されています。)

フィッチ・レーティングス-東京/香港-2022年10月12日:
2022年における対米ドル円相場の下落は、日本の3メガバンク(株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)及び株式会社みずほフィナンシャルグループ(みずほ))の営業利益にプラスの影響を及ぼすとみられるものの、各グループの信用力や格付の構造的な改善につながる可能性は低いとフィッチ・レーティングス(フィッチ)は述べている。

2023年3月期(2022年度)において、3メガバンクの営業利益における海外事業比率は約30%~50%にとどまるとフィッチは予想している。他の条件がすべて同じである場合、対米ドル円相場が2021年度末時点の水準から10円下落するごとに、営業利益は3%~6%増加するとフィッチは推定している。MUFGはMorgan Stanleyから多額の収入を得ており、増加が最も大きくなる可能性が高い。

外貨建て貸出が円換算されるため、総資産及びリスクアセット(RWA)も増加するとみられる。しかしながら、その増加分は営業利益の増加分より小幅であるため、営業利益/RWA比率は若干改善するにとどまるとフィッチは予想する。フィッチは、これらの信用力指標の改善が業績の構造的な変化を示すものではないとみていることから、それ自体が格付アクションにつながる要因となる可能性は低い。

普通株式等Tier 1(CET1)比率については、対米ドル円相場が2021年度末時点の水準から10円下落するごとに、10bp~20bp低下するとフィッチは予想している。この低下の一因として、RWAの計算には2022年度末時点の為替レートが用いられるのに対して、円換算された海外収益の寄与は1年間の平均為替レートが用いられることが挙げられる。SMFGの資本基盤及びレバレッジの評価値「a」のアウトルックは「弱含み」であるため、CET1比率が低下した場合には、最も大きな下方圧力にさらされる可能性がある。

円安による営業利益の増加は、他の要因によって相殺される可能性が高い。例えば、米国の金利上昇により、米ドルの価値は上昇するが、米国債券価格は下落する。金利は先進国の多くで上昇しており、保有外国債券の時価評価による評価損が、近い将来にメガバンクの利益を圧迫するとみられる。



多くの海外市場における金利の上昇により、外貨建て貸出の資金調達コストが上昇することになるだろう。特にみずほは外貨の預貸率が他行より高いため、より影響を受ける可能性がある。資金調達コストの上昇を貸出先に転嫁が可能であることから、流動性リスクは対処可能な範囲にとどまるとフィッチは予想している。日本の銀行は引き続き債券発行と通貨スワップにより資金を調達するとみられ、必要時には日本銀行が提供する外貨流動性ファシリティによっても補完されている。

多くの海外貸出市場には景気後退が迫っており、日本の銀行は与信コストの増加にも直面する可能性がある。このような状況下で貸出先の信用力が低下する場合には、海外向け貸出のリスクウェイトに影響が及ぶ可能性が高い。しかしながら、メガバンク各行の海外向け貸出ポートフォリオは、特に先進国においては太宗がより耐久力のある高格付の貸出で構成されている。その一方、輸入中間財コストの上昇を顧客に転嫁することが困難である日本企業においては、円安が国内資産の質を圧迫する可能性がある。



フィッチは、円安により日本の銀行の貸出が若干増加するとみている。貸出の伸びは2022年2月の前年同月比0.3%から、8月には同2.2%に加速した。これは主に、原材料価格の上昇を受けて、地方の中小企業の借り手による資金需要が拡大したことを反映している。一方、フィッチは円安が有利に働く輸出業者については、資金需要が拡大すると予想していない。大手輸出業者は借入ではなく内部資金により投資を賄うことができるためである。

為替レートのボラティリティが高まると、外国為替取引及び為替ヘッジ業務による収益が増加するため、各グループの外国為替取引による収入も増加する可能性がある。

照会先:
西澤 かおり
ダイレクター
03-6897-8995
フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社
〒102-0083 東京都千代田区麹町四丁目8番地 麹町クリスタルシティ東館3F

岡田 一光
アソシエイト・ダイレクター
03-6897-9214

Duncan Innes-Ker
Senior Director, Fitch Wire
+852 2263 9993

メディア照会先: 03- 6897-8991

さらなる情報については、フィッチのウェブサイトwww.fitchratings.com / www.fitchratings.com/ja (日本語)より入手可能です。ここに表明されている所見はすべてフィッチのものです。

フィッチ・レーティングスの全信用格付は、所定の制約及び免責の対象となっています。フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社の格付についての当該制約及び免責事項は、弊社ウェブサイトからご覧ください( www.fitchratings.com/ja :「規制関連」>「格付の定義」>「信用格付を理解する:利用と制約」)。また、各格付尺度及び債務不履行に関する定義を含む格付カテゴリーについての格付の定義は弊社のウェブサイトwww.fitchratings.com/ja 「規制関連」に掲載されているPDFファイルに詳述しています。ESMA及びFCAは、それぞれ2009年9月16日の欧州議会及び理事会規則(EC)No 1060/2009の第11条2項並びに信用格付機関(改正等)(EU離脱)規則2019に従って、過去のデフォルト率を中央リポジトリで公表することが必要とされています。
公表された格付、格付基準、格付手法も同サイトに常時掲載されています。フィッチの行動規範、守秘義務、利益相反、関連会社間のファイアウォール、コンプライアンス及びその他の方針・手続等は、www.fitchratings.com / www.fitchratings.com/ja/regulatory 上の「Code of Conduct & Ethics」/「行動規範」のセクションにてご覧いただけます。株主及び取締役の利害関係に関しては、https://www.fitchratings.com/site/regulatory から閲覧可能です。フィッチは他の許容されたサービスを格付対象先又はその関連先に提供している場合があります。主任格付アナリストがESMA又はFCAに登録されているフィッチ・レーティングスの法人(又は同社の支店)に所属している場合の当該サービスの詳細はフィッチ・レーティングスのウェブサイトの当該発行体に関するEntity Summary Pageからご覧になれます。

フィッチは、格付の付与及び維持並びに予想その他のレポート作成において、発行体、引受会社その他フィッチが信頼に足ると判断する情報源から入手する事実に関する情報に依拠しています。フィッチは、格付方法に則り依拠する事実に関する情報について、合理的な範囲での調査を行い、当該証券に関して又は当該法域において利用可能な範囲内で独立した情報源による合理的な検証を行います。フィッチにおける事実に関する調査の方法及びフィッチが利用する第三者による検証の範囲は、様々な要因により異なります。その要因とは、格付対象証券とその発行体の性質、当該証券が募集・販売される、かつ/又は、発行体が所在する法域における要件及び慣行、関連がある公開情報の入手可能性及び性質、発行体の経営陣及びその助言者へのアクセス、監査報告書・「合意された手続」に基づく報告書・鑑定評価書・アクチュアリアルレポート・エンジニアリングレポート・法律意見書・第三者によるその他の報告書等第三者による既存の検証の利用可能性、当該証券に関して、又は、発行体が属する法域において十分な能力を有する独立した第三者による検証の利用可能性等です。フィッチの格付又はレポートの利用者は、事実に関する調査の強化又は第三者検証のいずれによっても、フィッチが格付に関して依拠する情報のすべてが正確かつ完全であることを確保することはできないことを、理解すべきです。発行体及びその助言者は、募集書類及びその他の報告書によりフィッチ及び市場に提供する情報の正確さについて最終的な責任を有します。フィッチは格付の付与及びレポートの発行にあたり、財務諸表等に関しては独立監査人、法務・税務に関しては弁護士といった専門家の実務に依拠しなければなりません。さらに、格付や業績その他の情報に関する予想は本質的に将来を見据えたものであり、事実として検証できない将来の事象に関する仮定や予測を含みます。その結果、格付や予想は、現時点の事実を検証するにもかかわらず、格付の付与若しくは据置時又は予想時に予期されていない将来の事象や状況に影響されることがあります。
本資料に記載された情報は、いかなる表明又は保証もなしに「あるがまま」に提供されており、フィッチはレポート又はその内容がレポートの受領者の必要を満たすことを表明・保証するものではありません。フィッチの格付は証券の信用力に関するフィッチの意見です。このフィッチの意見及びレポートは、フィッチが継続的に評価・更新している既定の格付基準及び手法に基づいています。従って、格付及びレポートはフィッチの集合的な成果物であり、個人又は個人からなるグループが、単独で格付又はレポートに対する責任を負うものではありません。特別に言及されない限り、格付は信用リスク以外の要因によって生じる損失のリスクを含意するものではありません。また、フィッチはいかなる証券の販売又はその勧誘も行いません。フィッチのすべてのレポートは、共有著作物です。フィッチのレポート上に記された個人は、レポート内で公表された意見に関わっていますが、単独でその責任を負うものではありません。照会先としての目的のためにのみ個人名が記載されています。フィッチの格付が提供されているレポートは、発行者及びその代理人が投資家に対する証券の販売を目的として収集、検証、提供した情報を代替するものではなく、また目論見書でもありません。格付は、今後いつでも理由を問わず、変更又は取り下げられることがあります。フィッチはいかなる場合も投資助言を行いません。格付は、証券の購入、売却又は保有の推奨ではありません。格付は、市場価格の妥当性、特定の投資家への適合性又は証券に関する課税上の取り扱いに言及するものではありません。当社は証券の格付に関し、発行者、保険者、保証者、その他債務者又は引受会社から格付手数料を受領しています。手数料は、一件の発行案件に対して1千米ドルから75万米ドル(米国以外の通貨に関しては、当該国通貨に換算した額)の範囲内であることが一般的です。また、当社は年間一括手数料を受領し、特定の発行者による発行案件や、特定の保険者又は保証者による保険、保証対象となる発行案件の全部又は一部について格付することもあります。その場合の手数料の金額は1万米ドルから150万米ドル(米国以外の通貨に関しては、当該国通貨に換算した額)の範囲内となることが予想されます。フィッチは、格付の付与、公表又は情報の提供を行うことにより、米国証券法、2000年英国金融サービス市場法又はその他の法域における証券法に基づいて作成される書面における専門家として、フィッチの名前を使用されることに関して同意するものではありません。フィッチの資料は、電子出版・配信による効率性により、印刷物を購読する場合より3日早く電子媒体上でご覧いただける場合があります。
(オーストラリア、ニュージーランド、台湾 及び 韓国のみ)Fitch Australia Pty Ltdは、オーストラリア金融サービス・ライセンス(AFSライセンス番号337123)を取得しており、本ライセンスに基づき法人利用者に対してのみ信用格付情報を提供することができます。フィッチが公表する信用格付情報は、2001年会社法が定める個人(retail clients)による利用を意図したものではありません。
https://www.fitchratings.com/research/ja/banks/286fd537-ed73-4454-9f1a-718dab70b736-17-10-2022
16:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/19 (Wed) 09:42:02

忍び寄る世界金融危機 米銀発危機の連鎖 焦点は「信用収縮」
4/18
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e


米国商業銀行の商工業向け融資基準
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e/images/000


「週末、ニューヨークと電話会議に追われた。彼らが注視しているのは、ゆうちょ銀行と農林中央金庫だ」

 東京都心のオフィスでそう語るのは米金融業界の関係者だ。3月10日、米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻した直後から、ニューヨークの本部は邦銀への影響に関心を強めているという。

 同じ頃、『ウォール・ストリート・ジャーナル』やブルームバーグなど英語圏メディアも「SVBと邦銀」を結びつける記事を相次いで載せた。例えばロイターは「SVB事態で邦銀の債券保有が焦点、株価上昇は急停止」というタイトルの15日付記事で、「邦銀は債券を大量に保有する点でSVBと共通する。債券利回りが上がると価格は低下することから支払い能力のリスクを抱える」と伝えた。ブルームバーグは16日、「貸し出しより証券投資に重点を置く農林中央金庫、ゆうちょ銀行、信金中央金庫のような銀行にとって、金利感応度は非常に高い」と、米格付け会社の分析結果を報じた。

 ゆうちょの決算説明資料によれば、2022年末現在、運用資産の34.9%に当たる77兆円を外国債券と投資信託に投資しており、後者については「投資対象は主として外国債券。プライベートエクイティファンド等を含む」と脚注に記す。つまり、77兆円の多くは米国債を含む外国債券だ。農林中金の外国債券も同年9月末現在、24兆円に上る。

 SVBは米国債の多くを満期まで保有するつもりだったが、売却損が膨らんだ。3月上旬、ソーシャルメディアで信用不安が拡散し、顧客の「バンクラン」(取り付け騒ぎ)が破綻の引き金となった。

 ゆうちょは「当行は、SVBと異なり個人預金が大宗であり、一般的には(SVBのような)法人預金や市場性調達に比べて流動性の面で安定的」とした上で、流動性が高い日銀当座預金を中心とした預け金を60兆円超保有していることなどから、SVBとは状況が異なるとする。農林中金も「貯金者の多くは農漁協の組合員(出資者)でもあることから、金庫の預金の属性は(テック企業が多い)SVBと大きく異なり、粘着性も非常に高い」と説明。


米投資信託評価会社モーニングスターのシニア・エクイティ・アナリスト、マイケル・マクダッド氏は「日本でバンクランが起きるリスクは非常に低い」としつつ、こう話す。

「ゆうちょと農林中金は米国債の投資額が大きいため、投資活動に変化があれば、巨大な米国債市場にさえ影響を及ぼし得る。仮に新規投資をやめるようなことがあれば、債券利回りが上がりかねない。だから米当局も米メディアも関心を持たざるを得ない」

 ◇米銀は融資厳格化

 SVBの破綻後、米地銀のシグネチャー銀行が破綻し、クレディ・スイスが経営危機に陥ってライバル行に救済買収された。信用不安の連鎖は米欧を駆け巡っている。

 三菱UFJ国際投信の荒武秀至チーフエコノミストは「米経済は今までインフレが焦点だったが、信用収縮がきっかけになって潮目が変わろうとしている」とみる。荒武氏が根拠とするのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が調べた商業銀行の融資基準だ。最新の今年1月調査分では、大・中堅企業向け融資を「厳格化した」という回答は44.8%、中小企業向けでは43.8%に達した(図)。FRBが金融引き締めを始めてから銀行が融資基準を厳格化するまで1年ほどのタイムラグが見受けられる。次回調査はSVBなどの米銀が破綻した後の4月だ。翌5月発表の次回調査結果で、「融資基準のさらなる厳格化が明らかになるだろう」と荒武氏は見通す。

 FRBは5月、政策金利の上限を現行の5%から0.25%引き上げるという見方が多い。荒武氏は「政策金利を5%までに引き上げたことで名目成長率を超えたとみられる。過去の経験上、利上げ水準がオーバーキル(行き過ぎて景気に悪影響があること)となることが分かっている」と指摘する。

 FRBの利上げから1年。米国債価格の下落が銀行の破綻を誘発し、実体経済を冷やし込もうとしている。世界は再び金融危機に直面するのか。 その火種が見え始めたことは確かだろう。
17:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/19 (Wed) 11:27:10

世界最大のヘッジファンド、銀行危機がどのように他の業界に波及するかを語る
2023年4月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35927

引き続き、Impact Theoryによる世界最大のヘッジファンドBridgewaterのレイ・ダリオ氏のインタビューである。

銀行危機と米国債の下落

前回の記事では、ダリオ氏はシリコンバレー銀行の破綻から始まる銀行危機が単に銀行だけの問題ではないということを説明していた。彼は次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
シリコンバレー銀行に起こったことは銀行に限らず世界中のあらゆる組織や人に起こったことだ。

問題の根源はFed(連邦準備制度)がインフレ対策で金融引き締めを行なっていることであり、その結果の1つとして、債券価格が世界的に下落している。

シリコンバレー銀行の破綻の一因は、シリコンバレー銀行が保有していた米国債の価格が下落したことだった。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だが米国債を保有しているのは銀行だけではない。世界中の人々が下落した米国債を持っている。だから世界中で同じ問題が生じているはずである。ダリオ氏はこのことについて以下のように述べている。

彼らが保有している債券は大きく下落している。しかもそれらの資産は借金をして買われており、その資産に酷い損失が生じている。

その損失はどうなるか? ほとんどの場合、それらの資産価値は時価で計算されていない。損失は会計上考慮されず、認識されない。いわば損失は隠されている。

そして彼らは損失はいつか元に戻るだろうという希望的観測を持っているわけだが、それは結局問題を生む。

そして破綻のニュースがまた世界の何処かから聞こえてくるわけである。

世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
銀行危機は何処に波及するか

では具体的にどのような場所に影響が出るのか? ダリオ氏は次の破綻の舞台となる業界についていくつかあたりをつけている。

例えば商用不動産である。彼は次のように述べている。

債券価格の下落でダメージを受けている銀行は、更なるローンの組成を避けるだろう。だがこういうローンは例えば不動産、特に商用不動産向けのものだ。

コロナ後に商用不動産が使われなくなったことなど様々な要因もあり、商用不動産には問題が生じるだろう。

2008年のリーマンショックは住宅不動産の問題だったが、ダリオ氏によれば今回はオフィスや商業施設などの商用不動産に問題が生じるそうだ。

更に、ダリオ氏はスタートアップや非上場企業に投資するファンドにも次のように言及している。

更にこうした融資はベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ(訳注:非上場企業に投資するファンド)などにも行っていたが、彼らもキャッシュフローの問題に直面するだろう。

こうした資金の流れはもはや以前と同じようには行かない。

資金の枯渇は労働市場に影響する

このように、銀行危機が様々な方面に波及すれば、それでダメージを受けた企業と関係している人々が更にダメージを受けることになる。まさにドミノ倒しである。

ダリオ氏は次のように続けている。

そうなれば彼らは様々な方法でコストカットを行うことになる。

だから労働市場には変化が起きている。ハイテク企業など資金の流れが細っている業界では雇用削減が行われている。そしておおよそ同じことが世界中で起こっている。

企業にお金がなくなれば、起こることは人員削減である。

だがそれも一度にすべての企業が行うわけではない。先に影響を受ける企業が先に雇用削減を行う。だからハイテク企業のリストラがニュースに大きく出る一方で、経済全体の状況を反映した雇用統計にはそれほど影響が表れていない。アメリカ失業率はまだ低い水準にある。

3月のアメリカ失業率低下はアメリカ経済終了のサイン
だがコストカットにしても人員削減は最後の手段である。一度切った人は戻って来ないから、企業はまず出来るだけ他の方法でコストを減らそうとする。それでもどうにもならなくなったら最後に人員削減を実行するのである。

結論

だから、ハイテク企業など高金利の影響を受けやすい企業だけが人員削減を行なっている間はまだ問題が表面化していないのである。

多くの企業が人員削減に取り組み始め、それが失業率に反映され、失業率が実際に上がってきた時にはアメリカ経済は既に手遅れの状況になっているだろう。

ちなみに商用不動産の債券については債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏が下落していて安いとして買い推奨をしていた。

債券王ガンドラック氏が奨める2023年の債券投資戦略 (2023/1/26)
ダリオ氏とどちらが正しいだろうか。 楽しみに結果を待ちたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35927
18:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/20 (Thu) 09:14:56

世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨から滑り落ちる理由
2023年4月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35956#more-35956

引き続き、Impact Theoryによる世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のインタビューである。

インフレとドル高

今回はダリオ氏がドルの長期見通しについて語っている部分を紹介したい。

コロナ後、アメリカの通貨ドルはインフレにもかかわらず大きく上がった。インフレ対策でFed(連邦準備制度)が大規模な金融引き締めを行なったからである。

だがここには矛盾がある。インフレとはそもそも紙幣の価値が下がることなのだから、インフレでドルの価値は下がらなければおかしい。

だが2022年にFedが金融引き締めを行なって以来、ドルはむしろ多くの通貨に対して上がった。

しかしインフレによる本質的な価値減少は存在している。だがそれがドルに襲いかかるまでには時間差がある。以下の記事で論じている。

ダリオ氏とサマーズ氏のドル下落に関する論争
基軸通貨としてのドル

だが今回ダリオ氏が話題にしているのはドルに関する金利やインフレ率以外の要因である。

第2次世界大戦以後、ドルは基軸通貨として使われてきた。基軸通貨とは、世界中で多くの国に決済や預金に使われる通貨のことである。一般に原油などの貿易は、アメリカとは関係のない2国間で行われる場合にも慣習としてドル決済されている。

それがドルの長期的上昇に繋がってきた。ドルの強さはアメリカがどれだけドルを刷っても続いてきた。アメリカがドルをばら撒いても、世界中で決済や預金のためにドルを買おうとする人々が居たからである。

だが多くの識者が指摘しているように、それがウクライナ情勢以後揺らいでいる。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
1つの理由は、アメリカがロシアに対してドルを使って経済制裁を行なったからである。ダリオ氏は次のように述べている。

アメリカの最大の武器は、軍事力を除けば、経済制裁だ。経済制裁とは資産を凍結することだ。例えば債券だ。

ロシアにそれが起きた。そして中国のような他の国にも同じことが起きるリスクがある。

ロシア政府のみならず、一般のロシア人もドル資産を凍結されたり船などの資産を接収されたりした。

そしてアメリカは自分の対ロシア戦争に他の国をかかわらせるべく、制裁に加わらない無関係な国々を制裁をちらつかせて脅している。

ダリオ氏はこう続ける。

だから他の国々は考えている。アメリカの債券を保有していれば、同じことが自分にも起きるのではないか。そもそも自分は何故貿易を直接決済せずにドルという第三者の通貨で決済しているのか?

それはとても良い質問ではないか。そもそも何故ドルを使っていたのか。ダリオ氏は次のように言っている。

大量の米国債を保有している中国人がどう思うか考えてほしい。ロシアと同じように扱われるのではないかとわたしなら心配する。ドルは安全な資産として持っておきたいようなものではない。

当たり前の話である。だが西洋の人々は他国にバッタを食べることを強制して嫌がられないと思うくらいなのだから、ドルを押し付けたくらいでは物怖じするわけがない。

EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
だが無関係の国々はそっと彼らから距離を置こうとする。

ダリオ氏はこう続ける。

2つの国、例えばサウジアラビアと中国が貿易をするとき、何故ドルで決済する必要があるのか? そもそもドルで決済すべき良い理由がない上に、今やドルを保有すれば制裁されるリスクがある。

だからこうした貿易はますます他の通貨で決済されるようになるだろう。

気づいてみればそれが普通だと分かる。大多数の人々が単なる紙切れに過ぎない紙幣に何らかの価値があると思いこんでいるように、誰も当たり前を疑わない。

だからサウジアラビアと中国の貿易に、何故かまったく無関係であるはずのアメリカの通貨が使われていることに誰も疑問を抱かなかった。

だが人々はそこに疑問を抱き始めている。こうしたものは、疑われない間は意外に長く持続するが、疑われ始めると意外にあっけないものである。

基軸通貨が没落してゆくとき

何故それがドルにとって危機的なのか。それは例えば中国が貿易においてドルを使いたくないと考えたとき、どれだけの規模の資金がドルから人民元に変わるかということを考えれば分かる。

ダリオ氏は次のように説明する。

歴史的には、基軸通貨を持つ国は世界の貿易とキャピタルフローで最大のシェアを持っていた。

アメリカ以外の国がドルを持つ一番直接的な機会は、アメリカとの貿易である。

だから他の国に自分の国の通貨を持たせるための一番の方法は、自分の貿易の規模を増やすことである。

だがダリオ氏は次のように続ける。

世界貿易に占めるアメリカのシェアは縮小し、中国のシェアは拡大してアメリカより大きくなった。

そうなればどうなるか? ダリオ氏はこう続ける。

富の貯蓄手段としてのドルの便利さも変わってゆく。

もし誰もが世界貿易でドルを使っていれば、ドルを使って消費できるのだから、ドルのまま持っておこうと思うだろう。

だが今や世界貿易におけるアメリカのシェアは下落している。中国が世界トップとなっている。

その中国が自分の貿易をすべて人民元で行おうとすれば、それはドルにどれだけの影響を及ぼすか。2022年の中国の輸出は3.6兆ドル、輸入は2.7兆ドルである。

結論

こうした動きは西側のバイアスがかかったメディアだけ見ている日本人を置き去りにしながら進んでいる。

ブラジルのルラ大統領は最近、BRICS諸国に自国通貨による決済を呼びかけた。更にこのルラ大統領はアメリカについて「戦争を扇動するのを止め、平和について話し始めなければならない」と発言して西側諸国を面食らわせた。

この発言はウクライナで2014年当時存在した親露政権を追い出した暴力デモを欧米諸国が支援し、その後の親米政権がアメリカの外交官ビクトリア・ヌーランド氏によって決められた(決めている音声をYoutubeに暴露された)こと、そしてその後もウクライナをロシアにぶつけるためにウクライナ政権に介入し続けたことを念頭に置いている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
ゼレンスキー大統領はそれに乗って、アメリカのためにウクライナ国民を犠牲にしたのである。彼を支援する日本人は全員人殺しである。

真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
こうした背景を知らなければブラジル大統領の発言は理解できない。アメリカ国家安全保障会議のカービー氏は「ブラジルは事実を完全に無視してロシアと中国のプロパガンダをオウム返しにしている」と言ったが、ブラジルの外相に「まったく同意しない」と切り捨てられている。

アメリカ人の経済学者ラリー・サマーズ氏が次のように述べていたことを思い出したい。

サマーズ氏: 中国は新興国に空港を与え、アメリカは新興国に説教を垂れる
民主主義やロシアの侵攻への対抗という点でわれわれは歴史の正しい側にいる。間違いなく歴史の正しい側にいるのだが、こちら側は少し寂しく見える。

アメリカ人は自分の側が寂しく見える理由を自分の胸に聞いてみるべきだろう。

こういう背景をもとにドルの長期的凋落は進んでゆくことになる。他の専門家の見解も参考にしてもらいたい。

ポジャール氏 : 世界の資金がドルから逃避している
世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨ではなくなる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35956#more-35956
19:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/20 (Thu) 14:12:14

ヘッジファンド向け融資もOK、円押し下げ狙う-日銀が20日に新制度
日高正裕、藤岡 徹
2012年12月13日 10:02 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2012-12-13/MEW5KE6KLVTC01

日本銀行は近く詳細を発表する新た な貸出支援制度について、外国金融機関の日本法人・支店を対象に加え るほか、貸出増加額を算出する融資先として、ヘッジファンドを含む国 内外のノンバンクも加える。国内での貸出増加だけでなく、円で資金調 達して外貨に転換する円キャリー取引や、対外M&A(企業の合併・買 収)の増加を狙う。関係者への取材で明らかになった。

日銀は20日の金融政策決定会合で、10月30日に打ち出した貸出増加 を支援するための資金供給の詳細を公表する。日銀に当座預金口座を持 つ預金取扱金融機関が対象で、金融機関の貸出増加額について、希望に 応じてその全額を資金供給する。貸出増加額を算出する融資先は、金融 機関や公的部門、国債への投資を除き、幅広く認める。円建てだけでな く、外貨建ての貸し付けを含めているのが最大の特徴だ。

日銀によると、最近1年間の貸出が増加した金融機関の貸出残高の 合計額は約15兆円で、うち4兆円が外貨での貸し出し。新制度の創設に より、来年1年間で日銀が新たに供給するマネーは、資産買い入れ等基 金で購入する金融資産26兆円と合わせ、計41兆円を超える見込み。

金利は貸付実行時の政策金利(現在0.1%)で、最長4年まで乗り 換えが可能。資金供給の総額の上限は設定せず、「無制限」とする。貸 し付けには日銀が認める共通担保が必要で、同担保には日本国債や手 形、証書貸付債権など国内金融資産のほか、米国債も含まれる。年明け のできるだけ早い時期に1回目の入札を実施する。期間は1年程度とす るが、情勢次第で複数年の延長を視野に入れている。

円高圧力の緩和も期待

過去1年間の約15兆円の貸出残高の増加分について、西村清彦副総 裁は5日、新潟市内で行った講演で「これは実は、恐らく最低限だと思 う」と表明。金融機関の貸し出しがこれまで以上のペースで増加すれ ば、貸出支援基金の残高は15兆円を超えて拡大するとの見方を示した。

11月26日に公表された10月30日の決定会合の議事要旨によると、1 人の委員が新たな資金供給制度について「非居住者向けの円貸出を貸出 増加の算出対象に加えることは、円高圧力の緩和という副次的な効果も 期待できる」と指摘。早川英男理事は11月5日のブルームバーグ・ニュ ースのインタビューで、円キャリー取引が増加し、「結果として自国通 貨安につながる」可能性があるとの見方を示した。

新制度により、過去の一定時点から貸し出しを増やした金融機関 は、その増加額を限度に0.1%の金利で1-3年間の資金供給を受ける ことができ、最長4年まで乗り換えが可能。算出対象となる融資は金融 機関を除く民間に限るが、ヘッジファンドを含むノンバンクへの融資は 除外しない。金融機関が低利で得た資金を何に融資するかも自由で、再 びヘッジファンドに融資することも可能となる。

FRBは量的緩和を拡充

日銀が10日発表した貸出・資金吸収動向によると、11月の銀行貸出 平均残高は前年同月比1.3%増の397兆6836億円と14カ月連続で増加。原 発停止で火力用燃料費が増えた電力会社やM&A向けが押し上げ、2009 年10月(同1.5%増)以来、約3年ぶりの高い伸び率を記録した。

バークレイズ証券の山川哲史調査部長は11月15日のリポートで、日 銀の新制度について「円貨のみならず外貨による借り入れについても適 用範囲となることも含め、企業による対外M&Aに一段と拍車を掛ける 展開となることが予想される」と指摘。「対外M&A等の拡大を通じ、 円安に寄与することが期待される」としている。

また、大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは同月9日のリポ ートで「緩和的な金融環境の浸透という観点から、景気浮揚やデフレ脱 却に向けて貢献できる余地がますます少なくなる一方で、中央銀行の政 策対応に対する期待や要求は強まるばかりだ」と指摘。

その上で「こうした状況下、日銀が低金利環境を積極的に活用した 経済活動の活性化を促すのと同時に、為替に働き掛ける『一挙両得』の ルートを模索しようとする『動機』は十分にありそうだ」としている。

米連邦準備制度理事会(FRB)は今週開催した連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和を拡充。1月から米国債を毎月450億ドル購 入する方針を表明した。また、政策金利の見通しを失業率とインフレ率 に関連付ける方針も初めて示した。日銀は19、20日の金融政策決定会合 で、ぎりぎりまで情勢を見極め、追加緩和に踏み切るかどうか検討を行 う見込みだ。

--取材協力:. Editors: 小坂紀彦, 杉本 等
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2012-12-13/MEW5KE6KLVTC01
20:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/26 (Wed) 08:51:12

世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
2023年4月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がImpact Theoryのインタビューで、先進国がほとんど例外なく多額の負債を抱えている状況について解説している。

先進国の膨張する債務

奇妙なことだが、先進国の政府債務残高は軒並み高い。日本もアメリカもそうである。世界的には裕福であるはずの先進国が、例えばそれよりも貧しいはずの東南アジアやアフリカの国々よりも借金が多いのはどういうことか。

ダリオ氏は次のように問題提起している。

人々や社会が裕福になればなるほど負債を増やすようになることは興味深いことだ。これは逆説的だ。

100%や200%というGDP比の政府債務に慣れてしまった現代人は疑問に思わないかもしれないが、よく考えてみればほとんどすべての先進国の政府債務が軒並み高くなっているのは偶然でも当たり前の減少でもなく、何か隠された共通の原因があるはずだ。

個人のレベルで考えてみれば、富裕層が貧困層から借金をするという状況は考えられない。だが政府のレベルでは逆のことが起きている。

ダリオ氏は次のように指摘する。

アメリカが中国からお金を借りるようになったとき、アメリカ人の個人所得は中国人の40倍だった。そしてアメリカは中国からお金を借り始めた。

何故このようなことが起きるのか本当に不思議に思う。

ダリオ氏の仮説

それは何故だろうか。ダリオ氏は次のように仮説を立てる。

これは心理学的なものだ。お金がない人がお金を手に入れるとお金を貯めたいと思う。そして貯金とは誰かにお金を貸すことを意味する。

そして皮肉にも、よりお金を持つようになればお金が借りやすくなり、その人や社会や政府はより多くの負債を抱えるようになる。

裕福な人間の方が借金をしやすいというのは事実だろう。実際、富裕層は借金を自由に利用して投資を行なったり、節税対策をしたりする。

だがそれでも富裕層には資産があり、資産の総額を超えるような借金をすることはない。だが先進国の政府は資産がほとんどないにもかかわらず、借金だけを増やし続ける。

つまり、裕福な国の政府と、裕福な人間では別の行動をしている。ダリオ氏の仮説ではこの違いを説明できない。

国の一生

人間には一生がある。生まれてきて、学校に通い始め、卒業して労働するようになり、やがて肉体や知性が衰えて引退し、死んでゆく。

このように国にも一生がある。それがダリオ氏の言うスーパーサイクルである。

最初は小国であったものが、技術革新や人口増加によって徐々に豊かになり、成熟してゆくにつれて経済成長率が落ち始める。日本で言えば高度経済成長からバブル崩壊後だろうか。

そしてその頃から徐々に借金と紙幣印刷に頼るようになる。力が落ちてゆくのでそうならざるを得ないのである。ダリオ氏によればそれはサイクルであり、ほとんどの国が例外なくそのようになる。

そして最後には人が死ぬように、借金と紙幣印刷により物価が高騰して滅んでゆく。

少なくともそれが大英帝国やオランダ海洋帝国など、かつての大国に起こったことである。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
そしてこのサイクルを見れば、アメリカは衰退のフェイズに足を踏み入れかけている。だからインフレが起こったのである。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
国が借金を増やす理由

だがそもそも何故政府は借金を増やせるのか。人間であれば、資産がほとんどないのにGDPの200%以上の債務を積み上げることはできない。

何故それが政府には可能なのか。ダリオ氏の見解によれば、有権者がそれを許可するからである。ダリオ氏は次のように述べている。

選挙前には政治家には借金を増やして支出を増やす動機がある。有権者は誰も借金の方には注意を向けず、そのお金が何処から来るのかは気にもせず、支出の方にだけ注意を向けるからだ。

負債の上でパーティをやっているようなものだ。

だから毎年税金で数百万自分から奪ってゆく政府に10万円を給付されただけで彼らは嬉しくなってしまうのだ。だがそれは元々自分の金である。彼らは馬鹿なのだろうか。

政府を選ぶ有権者は定義上国民の過半数なのだから、国民の過半数が借金を許せば政府は借金をするだろう。政治家の仕事は国民から税金を徴収して自分の票田にばら撒くことなのだから、その被害者がそれを許してくれる状況でそれを拒む理由がない。

だが状況としてそれが可能になっても、経済的に可能になるわけではない。100%しか資産がないのに借金をして200%消費しようとすればどうなるか。単純にものの値段が2倍になるだけである。実際今それが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
借金によって消費を無理やり増やすことは、インフレを生じさせるだけでなく、長期的には増税を増やす。国の借金はいずれ税金という形で国民から徴収されるか、紙幣印刷によって返済されるしかないが、紙幣印刷はインフレを悪化させるので、緩和政策の出口は結局は増税か物価高騰しかない。それが多くのファンドマネージャーらが指摘していることである。

ポジャール氏: 中央銀行は金利高騰か通貨下落かを選ぶことになる
世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
だが政治家には関係ない。自分は票田とともに利益を得られる上に、国の借金は自分が引退した後に誰かが何とかするものである。彼らに遠慮をする理由があるだろうか。だから東京五輪でも全国旅行支援でも好きにやったではないか。

経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が次のように言っていたことを思い出したい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。

日本にはいまだに国の借金には問題がないなどと言う人間がいることには驚かされるが、事実日本では増税とインフレが降り掛かっているではないか。インフレ政策の当たり前の帰結に気付くことの出来なかった自民党支持者の知性には本当にいつも驚嘆せざるを得ない。彼らの頭脳は最高である。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
結論

何故こうなるのか。ダリオ氏はこう説明している。

人々は近視的なのだ。子供を育てるときのマシュマロ・テストと同じだ。

小さい子供に今マシュマロを1つ受け取るか、15分後にマシュマロを2つ受け取るかを選ばせる。賢明な子は15分我慢して2つのマシュマロを手に入れる。

だが現代の多くの社会では人々は今それがほしいのだ。

大半の日本人は賢明な子供以下 ということだろう。あるいは人間とはそういうものではないか。賢明な子供ほどの頭脳のある大人などほとんど見たことがないではないか。

お金をばら撒けばインフレになるという子供でも分かるような理屈さえ分からず、インフレになった今でさえエネルギー購入支援や全国旅行支援というインフレ政策を行う政治家をのさばらせ、どれだけ年金を減らされ税金と社会保険が増えようとも政治家という略奪者を自分で当選させる馬鹿ばかりなのだから、日本の将来はどうしようもなく明るいだろう。

良かったではないか。自分の欲しかったものを手に入れた彼らの将来を祝福したい。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175
21:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/27 (Thu) 20:18:51

ファーストリパブリック銀行の株価、2日で6割暴落、銀行危機は悪化へ
2023年4月27日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36234

シリコンバレー銀行に続いてまた銀行の破綻危機である。

ファーストリパブリック銀行の株価が急落している。シリコンバレー銀行の取り付け騒ぎに続き、やはり預金が急速に流出しているらしい。

ファーストリパブリック銀行の株価暴落

銀行危機はやはり続いている。まずは株価を見てもらおう。ファーストリパブリック銀行の株価は次のように推移している。


そもそも3月のシリコンバレー銀行の危機の時に既にかなり落ちているので見づらいが、直近の2日で16.0ドルから5.69ドルまで64%下落しているのが分かるだろうか。

3月の暴落では不十分だったということだが、今週に何があったのかと言えば、決算発表である。

決算発表で株価暴落

4月24日に発表された決算の何が悪かったのか。例えば売上高と純利益は2023年1-3月と2022年1-3月で次のように変化している。

売上高: 10億ドル -> 16億ドル
純利益: 4億ドル -> 3億ドル
それほど悪くないではないか。売上高は急増しており、金利上昇による借り入れコストの増加などで純利益は下がっているが、別に赤字になっているわけでもない。

何故この決算で株価チャートが上記のようにならなければならないのか? それは資産と負債の部分を見れば分かる。特に預金の部分である。貸借対照表には以下の表な変化が書かれている。今度は年末から3月末までの変化を見てみよう。

預金: 1,764億ドル -> 1,045億ドル
短期借入金: 67億ドル -> 804億ドル
預金が3ヶ月で700億ドル減っている。ちなみに預金は大手銀行に緊急で預けてもらった300億ドルを含めても700億ドル減っているので、実際には1,000億ドル減っていることになる。

それをFed(連邦準備制度)から短期借入金として借りてカバーしたわけである。だから短期借入金が700億ドル増えている。

ほとんどなくなった預金

ちなみにファーストリパブリック銀行の総負債はこれらの緊急融資の結果大幅に膨らんでおり、しかも預金は急激に減ったので、他行からの預金を除く通常の顧客からの預金は、総負債2,150億ドルに対して446億ドルしかない。

つまり、普通は銀行業とは顧客から預かった預金を他に貸し出す商売であるはずであるのに対して、ファーストリパブリック銀行の資産・負債構成はその75%以上が大手銀行や中央銀行に借りたお金で出来上がっているということになる。

銀行は政府や他行にお金を貸してもらう商売ではない。もはや銀行としての体裁を保てていないのである。それで株価がこうなった。


銀行危機は何も終わっていない

以前のFOMC会合でFedは次のように言っていた。

3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
アメリカの銀行システムは健全で強靭だ。

リーマンショックやインフレの脅威を何の根拠もなく無視した政府や中央銀行の予想のでたらめさがまた明らかになったというだけのことである。

何故こうなるのかということについては、以下の記事で既に説明しておいたのでそちらを参考にしてほしい。銀行業という時代遅れの商売がそもそも間違っているのである。それがインフレ危機で露呈したに過ぎない。

銀行危機を引き起こした銀行という詐欺同然の仕組みを廃止すべき
だがもっと重要なのはこの状況がアメリカ経済全体について示唆することである。

銀行危機は何も終わっていない。シリコンバレー銀行はFedの利上げで破綻したのだから、金利が高止まりする限り同じような破綻は銀行に限らず何度でも起き続ける。これについては以下の記事などで既に何度も説明しておいた。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
その状況がそのまま起こり続けている。

アメリカ経済は既に詰んでいる

その原因が金利高なのだから、金利が下がらない限り危機はこのまま悪化してゆくだろう。

そして金利がどうなるかと言えば、不動産価格が上昇し、高騰している家賃も下がらないということになれば、Fedは金利を高く保たなければならないだろう。それが前回の記事の意味である。

下落し続けていたアメリカの住宅価格が上昇に転じる、インフレ再燃か
不動産など一部の市場が過熱したままインフレに寄与し続ける一方で、銀行業や中小企業などの破綻は止まらない。過熱と不況が同時に来るのがインフレの後始末である。1970年代もそうだったではないか。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
そしてインフレが収まるまで株式市場も何度でも頭を叩かれ続ける。米国株は以下のように推移している。


長期見通しは年始に語った通りである。インフレの後始末をする限り、そうならざるを得ないのである。株価の見通しについては以下の記事を参考にしてもらいたい。

アイカーン氏: 株価はここから30%暴落する
ポールソン氏の2023年株価予想: 倒産が急増し株価は下落する
2023年の株価予想 : 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36234
22:777 :

2023/06/04 (Sun) 16:04:32

「ドル崩壊は始まっている」大西つねきのパイレーツラジオ 2.0(Live配信2023/05/31)
https://www.youtube.com/watch?v=a2Q4JJhKaJo

「アメリカは財政破綻するか?」大西つねきのパイレーツラジオ2.0(Live配信2023/05/15)
https://www.youtube.com/watch?v=OOlq6TLur70&t=1373s
23:777 :

2023/06/06 (Tue) 09:01:15

日経平均がバブル後高値なのに、あなたの株はなぜ上がらない?
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/06/05
https://www.youtube.com/watch?v=6sRsTAS-PTo&t=20s

日経平均株価がバブル後高値を更新しています。 一方で、自分の株だけ上がらないと感じている人は多いのではないでしょうか?その理由と今後の方針を考えます。
24:777 :

2023/06/07 (Wed) 12:17:22

対外純資産が増えても日本は豊かにならない仕組み
2023.06.07
対外純資産が増えても「使えないお金」が増えるだけで日本のGDPは増えない


画像引用:https://www.yutaka-trusty.co.jp/market/blog_oogo/ 2022年末の日本の対外純資産、4年連続で過去最高を更新!日本が32年連続で最大の純資産国に!! – 豊トラスティ証券マーケット情報
国滅んで対外資産あり

財務省が5月26日に発表した2022年末の対外資産は円安で過去最高を更新し32年連続で世界一、418兆6285億円に達しました

なんだか誇りに思えるような気がしますが言い方を変えると「日本国外にあって日本人が使えないお金が418兆円で世界一」になっています

対外純資産の内訳は直接投資(海外企業の買収)で45.8%。外貨準備が39.3%、証券投資が26.1%、かつては証券投資が最大だった

海外企業の買収ではソフトバンクによるスプリントやArm買収、武田製薬によるシャイアー買収などが大型M&Aとして話題になりました

例えば武田はシャイアー株主に6兆円払いソフトバンクはアーム株主に3兆円を払い、利益が出れば配当を受け取ったり企業としての利益を得る事ができます

一見すると日本は儲かっているようですがもしこの10兆円を武田とソフトバンクが日本国内に投資し国内で成功したらもっと日本として儲かった筈です

日本国内のお金で外国企業を買収して利益を得ても、そのお金を日本国内に投資した場合と比べて日本の国内は貧困化していきます


バブル崩壊以前の日本はこうではなく企業は日本国内に投資して国内で利益を出していたので、全額が日本のGDPになり日本経済は不沈艦と呼ばれていました

分かりやすいのはバブル絶頂期の1986年の対外純資産が28兆円でバブル崩壊した90年は44兆円だったのが、阪神大震災の95年に84兆円に増えています

その後日本企業の日本脱出(あるいは海外進出)によってリーマンショックの2008年に225兆円、安倍政権発足の12年末に300兆円に達しました

対外純資産が増えたのは「日本のお金が海外に投資された」事ですが、その分日本国内への投資が減った事でもあります

日本の労働者や日本企業が稼いだ418兆が日本の為に使われず、米中欧や東南アジアや中東やアフリカなどで投資されました

一層日本を貧しくするのはここから先で、日本国内に投資したお金で利益をえるとそのお金は日本国内に再投資されます


一度出て行った金は日本に戻らない
例えば日本のアニメを日本で制作してヒットして利益が出たら「同じアニメスタジオでもう一本作ろう」という事になると思います

ところが一度海外に投資されたお金は海外で利益を挙げたのでまた海外に再投資され、2度と日本に戻ってくることはありません

ソフトバンクがアームやスプリントに投資した金はアームやスプリント事業に再投資されたり、別の海外事業に投資されます

武田製薬が6兆円もかけてシャイアーを買収したのは海外で販売する為なので、利益が出たら全額を海外事業に再投資します

対外純資産で最多は海外企業買収でしたが2番目は政府による外貨準備が39.3%、海外への証券投資が26.1%でした

日本政府は外貨準備のほとんを米国債で保有していて、米国政府は日本のお金で道路や橋や病院などを建設しています


これも日本人のお金なのに日本人のために使われておらず、配当があっても日本政府はそれで再び米国債を買い増すので永遠に日本に戻ってきません

3番目の証券投資はNY株式や中国や欧州など世界の株式市場に投資されていて、当然利益が出たら海外株式を買い増すので日本には戻ってきません

このように対外純資産とは『日本が失ったお金』なので何兆円あったとしても日本人が使う事はできないのです

一方で日本が投資した外国では日本のお金でインフラ整備したり工場を立てたり企業活動が活発になるので株価は上がりGDPもあがり生活水準も向上します

こうして新興国は先進国からの投資で急成長し韓国や中国企業は急成長して日本企業を次々に倒し、日本は自分が投資したお金を使って倒されるという滑稽な事態になりました

アメリカは国債を買っている日本のお金で生きているのに、日本に対して親分気取りで指図し巨大IT企業を作って日本企業を倒しました

もし日本が418兆円を外国に投資せず月への有人飛行でもしていたら、今頃日本が世界のIT産業リーダーだったかも知れません

最近台湾のTSMCを筆頭に外国から日本への投資が増えていますが、対国内投資のGDPで日本は長く世界最下位(OECD加盟国)で北朝鮮と同程度だったと考えられます

もし外国から日本への投資が増えて日本企業の国内投資 が増えると日本の対外純資産は半減するかもしれませんが、そうなった方が日本の成長率は倍増するでしょう

https://www.thutmosev.com/archives/27394.html
25:777 :

2023/06/10 (Sat) 11:59:25

ポジャール氏: アメリカは量的緩和を再開しドルは暴落する
2023年6月9日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37330

元クレディスイスの短期金利戦略グローバル責任者のゾルタン・ポジャール氏が、Bitcoin 2023において基軸通貨ドルが現在既にマーケットシェアを失っている様子について説明しているので紹介したい。

ウクライナ戦争と基軸通貨ドル

すべての始まりはロシアのウクライナ侵攻である。2022年2月末、ロシアはウクライナに侵攻した。これに対してアメリカやEUや日本はロシアに経済制裁を行い、ロシアの持っているドルを封鎖し、西側諸国がコントロールできるドル中心の決済システムからロシアを追放した。また、それだけではなく、西側の対ロシア経済制裁に加わらない国にも同じ脅しをちらつかせ、世界各国を反ロシアで団結させようとした。

だがアメリカとヨーロッパと日本以外の国々は、「悪」であるロシアをこらしめる勧善懲悪の物語に喜んで参加しただろうか? 残念ながらそうはならなかった。インドはこの馬鹿げた戦争においてどちらの側にも付かないようにしている。ハンガリーは、ヨーロッパの国でありながら、最初から「最優先の目的はこの戦争に巻き込まれないこと」であるとしている。

何故彼らは西側の話に乗らなかったのか? 何故ならば、彼らは例えば日本人とはまったく違う形でウクライナ情勢を見ているからである。

日本人の多くはロシアが「突如」ウクライナに攻め込んだと思っている。だがそれが「突如」に見えるのは、単に日本人がそれまでのウクライナ情勢について何も知らないからである。

ウクライナで起こった2014年のマイダン革命さえ知らずに日本人がウクライナ情勢に意見を持っているのは微笑ましい。

実際には、アメリカとEUによって支援された暴力デモ隊が当時選挙で選ばれていた親露政権を追い出し、アメリカの外交官ビクトリア・ヌーランド氏が決めた親米政権がその後のウクライナを支配した。それがマイダン革命である。

その後、大統領が代わっても引き続きアメリカの補助金漬けにされたウクライナの政治家たちは、アメリカ人の代わりにウクライナ人を犠牲にしてロシアを攻撃するアメリカの意向を支持し続け、2022年にゼレンスキー大統領がロシアに対する核兵器の保有をちらつかせたところでプーチン大統領のレッドラインを踏んで戦争になったのである。

真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
つまりゼレンスキー氏は本物の戦争犯罪者であり、ウクライナ人の虐殺の加害者である。

だがアゾフ連隊さえ正義の軍団として報道する日本を含む西側の偏向報道は、ロシアが「突如」ウクライナを攻めたという意味不明の報道を繰り返すばかりである。そんな戦争は有り得ない。それまでの経緯を報じられないのは、それまでの経緯を報道するとウクライナ政府に不利になるからである。そうしたものはすべて報道されない。

日本の公安調査庁、ウクライナ国家親衛隊のアゾフ連隊がネオナチであるという記述をホームページから削除
人権団体アムネスティ、ウクライナ政府の人間の盾戦略を非難
だが日本人が好もうが好むまいが、西側の偏向報道から自由な人々は別の見方をする。アメリカがドルを使ってインドなど無関係の国々を脅し、自分の対ロシア戦争に巻き込もうとしている。NATOは東京に事務所を置こうとしており、これは日本人がウクライナ人のようにアメリカ人の代わりに殺されるということなのだが、日本人は馬鹿なのでこれを笑って見ているばかりである。

ドルからの離脱

しかしより賢明な国はアメリカから距離を置こうとしている。最優先課題はドルからの離脱である。ドルを持っていれば、アメリカの都合に従わない人々は無条件で資金を奪われかねない。

ブラジルのルラ大統領がBRICSの国々に、貿易においてドルやユーロではなく自国通貨で決済するよう促したのにはそういう背景がある。それは死活問題である。中国はもう長らくゴールドを買い込んでいる。こうした動きについてポジャール氏は次のように述べている。

今のように、一定以上の大きさの国々が同時に、常に使われてきたユーロやドルを避けて自国通貨を使おうとする歴史上の例を見たことがない。

過去12ヶ月で、貿易に関する融資における人民元のシェアは1%から5%に上がった。ユーロのシェアは8%だが、15年や20年かけてそうなった。

いくつかの変化が起きており、視線をやっておくべきだ。何故ならば、それはすべてコモディティ売買や貿易における融資や外貨準備などにおけるドルのシェアを犠牲に進んでいるからだ。

こうしたドルからの離脱の話はここ1年ほど報じられてはいる。だが具体的にどのようにドルからの離脱が起こっているのか、理解している人は少ないだろう。

だがポジャール氏は金利市場や国際市場のスペシャリストである。彼は、金属やエネルギーなどのコモディティの取引や貿易においてドルが使われないとどういうことが起こるかを次のように説明してくれている。

とても簡単な例を挙げよう。コモディティはドルで決済されるのでコモディティ市場を例に取るが、仕組みはこうだ。コモディティのトレーダーが銀行に行き、融資を確保し、船を借りる。もう一度融資を確保し、船に燃料を入れる。更にもう一度融資を確保し、原油を輸送してくれる人員を雇う。

これは美しくシンプルな仕組みだ。銀行がローンを組むたび、新たな預金が生じる。そのお金は原油を売った人に行き、更にそのお金は中央銀行に行き、中央銀行は国債のオークションで国債を買う。

それが仕組みだ。お金がすべてドル建てであれば、それはすべて米国債のオークションに行く。別の通貨であれば、例えば半分ドルで半分別の通貨なら、半分が別の通貨の国債に行き、米国債に行く資金は半分になる。

ドルを持っていない人がドルで決済しようとすると、ドルを借りることになるのである。

ここでは何度もマネーサプライ(市中に存在する現金と預金の総量)の議論をしているが、誰かがお金を借りるとお金の総量は増える。誰かが銀行口座に入れた1万円が、貸し出されると同時に誰か別の人の預金口座の1万円にもなるからである。

1万円が2万円になる。増えたお金が国債市場に流れてゆき、国債に対する買い圧力になる。

イギリスが無茶苦茶なばら撒き政策をしようとしたときに英国債が暴落した一方で、アメリカがコロナ後の現金給付で同じことをしたときに米国債が暴落しなかったのは、世界中で使われている基軸通貨ドルには、それを借りようとする(つまりドルを増やそうとする)人が世界中に居て、彼らが国債の買い圧力を維持しているからである。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
基軸通貨の終わり

だがその状況もウクライナ以降変わりつつある。ポンドが基軸通貨でなくなった時のように、世界の通貨の使用のような大きな問題は、緩やかにしか移り変わりはしない。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
だがポジャール氏が説明するように、少しずつ状況が変わりつつある。彼はこう続ける。

それが問題を生む。ローンが組まれたときに発生するお金、オークションに流れるお金が、これまでのようには生じなくなる。いくらかのお金は人民元やインドルピーや他の通貨に流れるからだ。

こうした資金が米国債を買わなければ、そして中国やインドが米国債を避けるならば、誰かが米国債を買わなければならなくなる。その巨大な穴を満たすことができる買い手は、1つしか有り得ない。

ポジャール氏は次のようにいう。

究極的には中央銀行が解決策になる。政府はマネタイズされなければならない。中央銀行にはその方法がある。量的緩和だ。

量的緩和とは中央銀行が紙幣を印刷して国債などを買うことである。だが中央銀行が紙幣を刷ると、ドルが下落するという難点がある。

ドルと米国債の下落

要するに、結局はドルか米国債のどちらかが下落することは避けられないのである。それは日本を含むほとんどの先進国が同じ状況にある。

だがドルが下落するならば、米国債が結局は価値を失うことに等しい。

ポジャール氏は、米国債(つまりドル)は購買力を失うのかと聞かれて、次のように述べている。

そう思う。それが究極的な問題だ。

そして他の国も多かれ少なかれ同じようになるだろう。なかなか楽しみな展開ではないか。

世界最大のヘッジファンド : 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37330
26:777 :

2023/06/12 (Mon) 12:10:00

アメリカのインフレは賃金も上がったので食料品は言う程高くない
2023.06.12
日本は賃金そのままで物価だけ上昇、アメリカは賃金と物価が連動して上昇なのでアメリカ人から見ると日本視点ほど値上がりしていません


関連動画が記事下にあります

アメリカは物価と同レベルに賃金も上昇した

4月のアメリカ消費者物価指数は4.9%で2年ぶりに4%台に”下がり”、8%以上だったインフレが鎮静化してきたといわれています

23年4月の賃金上昇率は1年前と比較して5.5%増だったので、これも数か月ぶりに物価上昇率を上回り実質賃金が上昇しました

日米で同時にインフレが進んだが両国には大きな違いがあってアメリカは物価と同時に賃金上昇したが、日本は物価だけ上がって賃金据え置きだった点です

インフレ最悪期だった22年6月に米インフレ率は9.1%だったが賃金上昇率は8.3%、5月はインフレ率8.6%で賃金は9.0%上昇していました

実質賃金が下がったとしても誤差の範囲なので、アメリカの失業していない労働者はそれほど打撃を受けていませんでした

同じころ日本の22年5月物価上昇率は前年比2.1%だったが給料の伸びは1.0%増で実質賃金はマイナス1.8%と発表されていました(物価や賃金の計算方法で結果は異なる)


この1年のインフレと賃金を見てもアメリカのほうが成功している訳ですが、アメリカの”平均”賃金や”平均”物価が眉唾もので、賃金は増えず物価だけ上昇した人もいます

アメリカで上昇率が非常に高いのは家賃と食料品で、家賃はNYなどの大都市てコロナ前より1.5倍は上昇しました

コロナ前の安かった頃ですらNYやLAのような大都市家賃は1ルーム2ベッドで約35万円(家族向けは50万円)で現在は1ルーム50万円家族向け70万円台になっています

毎月75万円の家賃を払わないと家族3人以上でアメリカの都会に住めないので、部屋を追い出されてホームレスになる人が多かった

アメリカには借り手の保護制度はないので多くの州では支払日の翌日に追い出しても良く、優しい州でも翌週か翌月に退去させます

都市部のマンションではなく郊外のトレーラーハウスだと家族向けで40万円くらい、20万円くらいだといわゆる貧困層が多くなり治安も悪化します

それも払えない人は中古車をトレーラーパークや公園などに止めて住み、それもできない人はテントや橋の下で生活することになります

水道や電気もドライで支払わなければすぐ電気や水道が止まり、日本のように数か月間待ってくれたりはしません


日本で報道されるほど高くない
最近日本のテレビで放送されていたのはNYマンハッタンのスーパーで家族4人の朝食を買ったら5000円だったというものでした

テレビ局が行ったスーパーのゼイバーズは22年に「総菜の調理人を1000万円で募集したが集まらない」というニュースの出所で、普通のスーパーではないと前置きが必要です

商品の陳列も日本のライフや格安スーパーとは違い総菜は一品一品がキラキラ輝いているような店なので、このテレビニュースはやらせに近い

値段を取り上げた商品はレタス、なぜか日本のりんご「ふじ」、トマト、卵、ヨーグルト(特大サイズ)など今値上がりしている食材だけで「高い、高い」を連発していました

同じ商品でもウォルマートに行くと(ビッグサイズで)日本より安く買えるのに、わざわざマンハッタンの一番高そうな店で「高い高い」を連発していました


ニューヨーク州の平均年収は東京23区並みの700万円でニューヨーク市は1000万円、マンハッタンの平均年収は1500万円なので物価だけが高いのではなく収入も高いです

ウォルマートでも卵12個入りが600円になったのだが、アメリカでも今卵は病気や人手不足などで値上がりしているので特別に高くなっています

安売りスーパーでは高い商品がある一方で日本と同じくらいの商品も置かれているので、物価に見合った賃金上昇した人にはそれほどでもないです

テレビや芸能人が買い物をするのはNYの高級スーパーだけで決して安売りスーパーには入らず、一番割高な商品を日本と比較します

生活レベルを落として安い商品を買えば安いのがあるし、安い肉が買えるのに生で食べれる卵を1000円払って買うアメリカ人なんかいません

むしろ都市部は安い店を選べるのに対しアラスカの田舎町など商店が一つしかない町で値上がりが激しく、住民はその店で買うしかない

動画:わざわざアメリカ一物価が高い マンハッタンの高級スーパーで高そうなものだけを買って「高い」と強調する演出
https://www.youtube.com/watch?v=B-LGy7OB3u4

実際に高いがマンハッタンの平均年収は1500万円以上です
27:777 :

2023/06/16 (Fri) 19:02:13

オーストラリアのバイト時給は2500円、日本との物価差
2023.06.15
オーストラリアでは小さい水が300円、ちなみにモヤシ1袋も約300円だという
https://www.thutmosev.com/archives/278687t.html

画像引用:https://ameblo.jp/blackjackaus/image-12798393287-15269818315.html オーストラリアのもやしの値段に驚くなかれ。の画像

関連動画が記事下にあります

先進国間の価格差に注目

少し前にオーストラリア移住で年収が4倍になるというニュースがあって、日本人が外国に出稼ぎに行く時代が来たと騒がれていました

オーストラリアに実際に住んでいる人の動画などを見ると学生のアルバイト時給が平均2500円で日本の2倍以上だということです

以前のオーストラリアは日本の半分程度の収入体系だったが2008年リーマンショック以降の世界的な資源バブルで一気に富裕国になりました

それまで「石ころしかない国」だったのが石ころ達の価格が何倍にもなり中国などが爆買いして高騰した為、オーストラリア人は働かずに富を得られるようになりました

リーマンショックで米FRBのバーナンキ議長は「空から金を撒けば景気は良くなる」と言って数百兆円もの金をばら撒き、その金は世界を駆け巡って経済危機を終息させました

この金ばらまきはあまりにも効果があったので経済危機が終わった後も継続し拡大され、以降10年間全世界がバブルマネーによる好景気を甘受しました


金融当局が金をばら撒いたので資産価値が上昇し、原油とか金属、土地価格や株など「資産」の価値は何倍にも上昇しました

一方で労働者の賃金や工業製品など資産ではない労働価値は低下し、地価が何倍にも上昇した同じ期間に賃金は少ししか上昇しませんでした

また中東やオーストラリアのように資産を持つ国が大儲けした一方で、日本のように労働価値によって経済活動していた国は経済縮小した

要するに汗水たらしてブラック労働する日本人よりも、石油や金属を機械が掘るのを眺めている人達が何倍もお金を儲けました

中国は2008年以前は輸出と労働で経済成長していたが2010年代は地価の値上がりや不動産投資など資産価値上昇で経済成長しました

韓国や台湾の首都マンションは東京23区より高い1億円以上になり、その資産価値上昇によって韓国全体のGDPを引き上げました


不自然な価格差は調整されるか
ここまでは良い話で「日本もそうすれば良かった」という事ですが、物事には始まりと終わりがありバブル経済もいつかは終わりが訪れます

2008年のFRBによるお金ばらまきで(日本を除く)全世界の資産価値が高騰したが、ソウルや北京や台北のマンション価格は年収の30倍以上なっています

どう考えてももう彼らの資産価値が上昇する余地がないので、今まで吊り上げた分は今後下落すると考えられます

下落は瞬間的に半分になるというよりも政府が暴落を食い止めるが、その後数十年上昇率が抑えられると思います

日米欧やオーストラリアや北欧なども含めた先進国では理論上物価は同じになる筈ですが実際は2倍以上も違う場合があります


有名なビッグマック価格は日本400円程度に対して欧米は700円以上の事が多く、ペットボトルの水は日本は高くても200円ですがその2倍する国もあります

実は2008年の世界経済危機の前もそういう状況で、 特に北欧やスイスは「ペットボトルの水が800円」とか報道されていました

当時もマスコミやネットは「日本がいかに衰退し物価が安くなったか」欧米は発展しているので物価も高いと言っていたが物価はそういう物ではないです

水の入手が困難などの事情がなければ同じような先進国で物の値段は同じになる筈で、2倍も違っていたらいつか修正されます

その修正が2008年世界経済危機で1ドルは120円台から70円台になり多くの先進国の物価は同じ程度になりました

その後世界資産バブルでまた日本の物価だけが安くなり他の先進国が高騰したが、いつか市場原理によって強制的に調整されます

その調整は日本の物価が上昇して欧米並みになるかも知れないし、1ドルが50円になるかも知れず、再び世界的な経済ショックが起きるかも知れません


動画:バイト時給がたった3000円しか貰えないので生活が苦しいと訴えるオーストラリアの女子大生
https://www.youtube.com/watch?v=CepSVdTYXNc&t=451s

https://www.thutmosev.com/archives/278687t.html
28:777 :

2023/06/17 (Sat) 10:19:54

海外投資家は「これ」を見て日本株を買っている
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/06/15
https://www.youtube.com/watch?v=t9VQUazP2Gs

日本株が連日高値を更新しています。上昇を牽引しているのが外国人投資家ですが、彼らは何を考えて日本株を買っているのでしょうか?その頭の中を除いてみましょう。
29:777 :

2023/06/23 (Fri) 06:57:45

ガンドラック氏: 米国株はバブルの様相、S&P 500は極めて割高
2023年6月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37635#more-37635

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。

株価反発の理由

株式市場は反発している。米国株が今何処にいるかと言えば、2022年からの下げ幅の半分を超えたあたりである。


この動きについて、ガンドラック氏は一部の銘柄が大きく上昇したことが原因であると指摘している。

ガンドラック氏のいつもの表現だが、アメリカの株価指数S&P 500の上昇は実質的には資金が集中する7銘柄ほどの上昇であるとして、次のように言っている。

S&P 7はどう見てもバブルの動きだ。AI関連株は20%上がっている。そしてS&P 493は、最近少し上がったが、数週間前までは年始から変わらずだった。

残念ながらS&P 7のチャートもS&P 493のチャートもないのだが(そしてどの7銘柄なのかガンドラック氏が言及したわけでもないが)、アメリカに上場する株式のうち大型銘柄を除いた小型株指数であるRussell 2000のチャートをS&P 500と比べてみると状況が分かるだろう。

Russell 2000は次のように推移している。


こちらは上がっていないのである。

株式市場はバブルか?

この状況についてガンドラック氏は次のように述べている。

率直に言って、株式市場はバブルの様相を呈している。非常に限られたいくつかの銘柄が、指数全体を引っ張っている。結果としてS&P 500のバリュエーションは、Fedが利上げして長短金利が逆転していることを考えるとかなり恐ろしいことになっている。

長短金利の逆転とは、短期金利が長期金利よりも高くなっている状態のことで、歴史的にはその後かなりの確率で景気後退となる。詳しくは以下の記事を読んでもらいたい。

ガンドラック氏: アメリカはもう利上げしない、米国経済は悪化している
景気後退前にしてはバリュエーションが高過ぎるというわけである。具体的にはガンドラック氏は次のように言っている。

S&P 500の株価収益率は予想利益に基づいて19だ。だが経済が弱まり景気後退になるならば、予想利益自体がかなり楽観的な数字ということになる。

S&P 500は非常に割高だ。NVIDIAは年始から400%上がった。大きな上昇幅だ。そうした銘柄が指数を牽引している。

そして極めつけは以下のコメントである。

S&P500の動きは2022年1月4日までの雰囲気に非常に似ている。

現在の状況はバブル崩壊前に似ているか?

2022年1月と言えば、アメリカの金融引き締めが株価を下落させ始めた頃である。S&P 500のチャートをもう一度掲載しよう。


しかしガンドラック氏の指摘で筆者が思い出したのは、むしろ2018年である。現在と同じくアメリカの金融引き締めで株価が下落した2018年には、まず年始に株価が下落した後、一度大きく反発してから年末にかけてもう一度大きな下落があった。


当時からの読者は覚えているだろうが、2018年に一度下落してからの反発が本物の反発でなかったことを示す証拠は、S&P 500などの主要指数以外の指数、例えば新興国株式などが下落したままだったことである。

当時の記事にこう書いてある。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
しかしここで指摘し続けた通り、世界の株式市場の中でまだ上昇相場を保っていたのは、アメリカや日本の株式市場の内、株価指数に採用されている少数の銘柄だけだったのである。

今の相場においてどうなっているかを考えてみる必要がありそうだ。ガンドラック氏の指摘はいつも示唆に富んでいる。

また、NVIDIAについてはバブルではないというスタンレー・ドラッケンミラー氏の指摘もあるので参考にしてもらいたい。

ドラッケンミラー氏のNVIDIAの株価予想 : 暗号通貨と違ってAIは本物

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37635#more-37635
30:777 :

2023/06/27 (Tue) 20:18:44

2023年の米国株は2018年世界同時株安のダブルトップに似ている
2023年6月27日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37866

米国株は反発している。しかしその上昇が新たな上昇トレンドの始まりとなるためには、実体経済、金融政策、財政政策の少なくともどれかに上昇を正当化できる理由が必要である。

株価反発は本物か?

下落相場における反発が本物の上昇かどうかを見分ける方法はいくつかある。まず第一の方法は、その上昇に確かな根拠があるかどうかを調べることである。

そして残念ながら、実体経済、金融政策、財政政策のいずれにも上昇を正当化する要因は見当たらないということを前回の記事で説明しておいた。

米国株はいまだにダウントレンドの中にある
実体経済では資産価格の下落や財のインフレの落ち込みなどの先行指標の減速から、失業率の上昇やサービスのインフレの落ち込みなどの遅行指標に徐々にシフトしつつあり、銀行危機を引き起こした原因も何も解決されていないまままだ存在している。GDPもそろそろ減速してくる。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は悪化しインフレは止まらずスタグフレーションになる
金融政策では、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長は、実体経済が景気後退に陥るまでは金利を下げないだろう。パウエル氏は気づいていないだろうが、それはつまり、実体経済は必ず景気後退に陥ることを意味している。

ガンドラック氏: アメリカが本当にあと2回利上げすれば引き締めのやり過ぎに
そして財政政策では、今年のアメリカの財政赤字は去年と同じ水準になると予想されており、財政出動は株価を去年の水準以上に引き上げる根拠にはなり得ない。

景気後退の状況下においても株価が上がる場合はある。だがそれはコロナ後の株高のように、金融政策や財政政策のプラス効果が実体経済のマイナス効果に打ち勝つ場合である。そして現在の状況はそういう状況ではない。

2018年世界同時株安

この議論については前回の記事で詳しく語ったが、下落相場における反発が本物かどうかを見分ける方法は他にもある。

2018年の世界同時株安を思い出してほしい。現在と同じく、アメリカの金融引き締めが原因で引き起こされた株価の下落である。

2018年には株価の下落は2度起きた。つまり、1度目の下落のあと株価は反発した。当時の株価チャートは次のようになっている。


当時の読者は覚えているだろうが、筆者は1度目の下落を見送った。そしてその後の反発が偽物だと判断した上で夏に空売りを行なった。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/18)
何故この反発が新たな上昇相場の始まりではないと判断できたのか、読者は覚えているだろうか? この当時の記事には次のように書いてある。

リーマンショックの2008年にもそうだったように、バブル崩壊とはすべての銘柄が一斉に下落するものではない。ここでは去年から言い続けてきたように、バブル崩壊の過程では先ず、リスクの高い資産から売られ始めることになる。

下落には時間差がある。米国や日本、ヨーロッパなどの先進国の主要指数(例えばS&P 500)が上昇していても、よりリスクが高いとみなされる資産(例えば各国の小型株や新興国の株式)は下がっていることがある。

例えば2018年には米国株が1度反発する中で、中国株はダウントレンドを続けていた。以下の上海総合指数のチャートを上記のS&P 500のチャートと比べてみると良い。


こうした状況は、先進国の主要指数だけは何とか一時的に押し上げられているものの、金融市場全体を持ち上げるには資金が足りていないことを意味している。

2023年の株価反発は本物か?

では2023年の株価反発はどうなのか? まずはアメリカの主要指数であるS&P 500のチャートを掲載しよう。


確かに反発している。だが主要指数が上がる中で、よりリスクが高いとみなされているよりマイナーな資産クラスはどうなっているのか?

例えばアメリカの小型株指数Russell 2000である(チャートはETF)。


去年の下落からまったく復活していない。S&P 500との差は明らかである。

アメリカには他にもリスク資産はある。例えばジャンク債である。ジャンク債ETFのチャートは次のようになっている。


こちらもまったく回復していない。S&P 500などの主要指数だけが反発しているが、その反発は金融市場全体には及んでいないのである。

アメリカ以外の状況も見てみると、上海総合指数は次のようになっている。


こちらも回復しているとは言い難い。上海総合指数のここ最近の動きは、むしろ2018年にS&P 500に先駆けて下がり始めたRussell 2000の動きのようにも見える。2018年はそれが暴落再開の合図だった。

遂に米国株にも減速の兆し (2018/10/8)
最後にもう1つ挙げておこう。新興国通貨である。2018年においても新興国通貨は他の資産クラスに先駆けて下落した銘柄だった。

当時、トルコのエルドアン大統領は、トルコリラなどの新興国通貨が暴落する中、ドルだけが生き残っている状況を見て会心のギャグを飛ばした。

トルコのエルドアン大統領、通貨暴落で会心のギャグを飛ばす (2018/8/13)
あちらにダラー(ドル)があるなら、こちらにはアラー(神)がいる。

ちなみにトルコリラは今も下落しているのだが、トルコリラは例外的だから人民元の状況を確認してみよう。以下はドル元のチャートであり、上方向がドル高元安である。


株安を受けて下方向(元高)に持ち直したが、今はまた元安に転じている。

結論

ということで、前回の記事では実体経済、金融政策、財政政策のどれも株高を正当化するような状況ではないことを確認したが、現在の金融市場の状況はその筆者の考察を裏付けているように見える。市場全体を見れば、やはり資金は足りていないのである。

米国株はいまだにダウントレンドの中にある
そもそも、2018年の相場がダブルトップになったことにも、今の相場がそうなりそうであることにも、理由がある。金融引き締めが金融市場に効き始めるタイミングが第一の暴落、その後それが実体経済に効き始めるタイミングが第二の暴落である。

読者はどう考えるだろうか。他の投資家の意見も参考にしながら、現在の相場を乗り切ってほしい。

ガンドラック氏 : 米国株はバブルの様相、S&P 500は極めて割高
世界最大のヘッジファンド: アメリカ経済は結局強いのか弱いのか?
ドラッケンミラー氏: 今後10年の株式市場はバイアンドホールドでは勝てない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37866
31:777 :

2023/07/07 (Fri) 19:56:36

相場シナリオ解説 ~ ベテラン投資家たちが上昇を予期するワケ
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/07/07
https://www.youtube.com/watch?v=z1acusU1DmU

日経平均株価が上昇を続けてなかなか下がりません。下落待ちの人も多いと思いますが、果たして下がるのでしょうか。スタンダードな解説とベテラン投資家の直感から今後の見通しと長期投資の要諦を解説します。
32:777 :

2023/07/23 (Sun) 16:03:01

市場が“非常に貪欲”な時こそ注意せよ!
つばめ投資顧問の長期 投資大学
2023/07/22
https://www.youtube.com/watch?v=L21GCw1XLDI

ダウ平均株価は7/21までに10連騰。Fear&Greed指数は「Extremely Greed」を示しています。インフレ率が鈍化し、明るい話も少なくないのですが、そのようなときこそ注意が必要です。
33:777 :

2023/07/29 (Sat) 10:02:49

日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する
2023年7月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378#more-38378

7月28日、日銀は金融政策決定会合の結果を発表し、長期金利を操作するYCC(イールドカーブコントロール)の「運用の柔軟化」を決定した。実質的には利上げに該当するのだが、史上例がないほど曖昧な利上げとなっている。以下に説明する。

イールドカーブコントロール

メディアでは一斉に「運用を柔軟化」と報じているが、結局何がどうなったのか分からない人が多いのではないか。長期金利0.5%の上限は結局どうなったのか。

まずは背景の説明だが、日銀はもともと長期金利の目標をゼロに定め、プラスマイナス0.25%の上下変動を許容するという政策(YCC)を行なっていた。

中央銀行は通常短期の金利だけを操作するが、日銀は長期金利も操作しているので、短期から長期までイールドカーブ(利回りを期間順に並べたもの)全体に影響を与える緩和政策ということである。

2021年から始まっている世界的なインフレが日本には2022年辺りから到来しており、インフレ率が上昇するなかで長期金利上限が0.25%というほぼゼロ金利水準に抑えられていた。

これが円安と輸入物価のインフレを引き起こして問題となり、黒田前総裁は退任前に変動幅を0.5%に上げ、長期金利上限を0.5%に引き上げることを余儀なくされた。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)
インフレ下の紙幣印刷

それが去年12月のことである。だがそれでも日本のコアインフレ率(エネルギーと生鮮食品除く、日銀の奇妙な定義では「コアコア」などと呼ばれる)が現在4.2%であるのに対して、0.5%の長期金利はあまりに低く、極めて緩和的だった。

植田総裁が就任後この長期金利上限をどうするのかということが話題になっていた。量的緩和政策と呼ばれる紙幣印刷政策は行なうのは簡単だが止めるのは難しく、専門家の間では植田総裁の仕事はほとんど不可能なものとみなされている。

緩和政策で経済の本質的な生産性を変えることは出来ない。よって緩和は景気の先食いに過ぎず、マクロ経済学的には緩和で雇用を実現した分、緩和撤回時には失業が姿を現すことになる。

だから日本のように緩和によって長らく雇用を実現した場合、緩和撤回時に現れるのはそれ相応の大量失業ということになる。詳しくは以下の記事を参考にしてもらいたい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
緩和は撤回し始めるまで本当の問題は現れない。前任者の黒田なにがしはそれを知りながらか、あるいはそれを理解する頭もなかったのか、インフレの状況下において紙幣印刷を行ない続け、国民がインフレで苦しむ中でインフレに放火しながら「インフレが達成できなかったのが残念」と言い残して去っていった。

この日銀の態度を債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏などは次のように賞賛している。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
日銀は賢明だ。80階の窓から飛び降りて、70階分落下したところで「今のところは良い状態だ」と言っているようなものだ。

インフレが実現し、あとに残されたのは10階分の落下だけである。

植田総裁の就任

インフレ政策を喜んでいるのはもはや盲目な信者だけだ。元々次期総裁の本命として挙げられていた黒田時代の副総裁たちがこぞって総裁就任を拒否したのは、彼らもこの仕事が無理であることを知っていたからである。

自分でやったインフレ政策でありながら酷い話なのだが、ともかく植田総裁は彼らに代わって引き受けた。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
植田氏にとって幸運であったのは、就任がドル安の時期と被ったことである。去年の秋からアメリカのインフレ率が下落しているので、アメリカの利上げも天井が見えてきたことからドルは半年以上下落しており、よってドル円は去年の秋から上昇が抑えられている。


これで世間的には円安は止まったかのように見えるわけだ。だがこれは円安の停止ではなくドル安になっただけであり、例えばユーロ円を見れば円安が止まっていないことが分かる。


為替レートの上昇はそのまま輸入物価の上昇なので、このチャートの上昇はそのまま、国民が苦しむ中で日銀が引き起こしたインフレそのものである。

だがともかく植田総裁が半年間何もせずに居られたのは、ドル側の要因が幸運だったからである。

遂に動いた植田総裁

だが結局のところ、4%のインフレで長期金利をゼロ近辺に固定する緩和政策は完全な自殺行為である。

インフレ政策がインフレを引き起こした後も化石として存在し続けているインフレ主義者が何を考えていたかは知らないが、マクロ経済学者のラリー・サマーズ氏も言っていた通り、植田総裁が遅かれ早かれ長期金利上限を引き上げなければならないのは、専門家には自明のことだった。

サマーズ氏: 日銀の植田総裁はイールドカーブコントロールからの離脱プロセスを開始した
それで筆者やスタンレー・ドラッケンミラー氏を含め、長期金利の上昇に賭ける日本国債の空売りをしていたファンドマネージャーが多いわけである。

ドラッケンミラー氏は次のように述べていた。

ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り
日本国債のトレードが報われるとは限らないが、少なくともリスク・リワード比は馬鹿げているほど良い。

何故なら日本国債の空売りは損を出す可能性がほとんどないトレードだからである。詳細は以下の記事を参考にしてもらいたい。

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想
そして当然だが、植田総裁は今回そのシナリオに沿わなければならなかった。だが今回のYCCの「運用の柔軟化」はなかなかに曖昧である。

植田総裁の「運用柔軟化」

結局植田氏は今回何をしたのか。まず長期金利について、元々の目標値だったプラスマイナス0.5%は「目途」と表現されている。そして新たに1%を「厳格に抑制する」水準として追加し、これを越えることはないように長期金利をコントロールするそうである。

砕いて言えば、長期金利はプラスマイナス0.5%を一応目標とはするが、厳格な水準とはせず、プラスマイナス1%を厳格なコントロール水準とする、ということだろうか。

ちなみに長期金利は会合後、「目途」である0.5%を超えてじわじわと0.57%まで上がっている。

結局厳格なコントロール水準は1%ということで、0.5%とは一体何なのかまったくはっきりしない曖昧な政策決定である。

だが筆者のようなトレーダーの立場から見れば、何故植田氏がそうせざるを得なかったのかが分かる。

上でも言ったように黒田なにがしから植田氏へと押し付けられたイールドカーブコントロールの撤廃という後始末は、80階から落下してあと10階分しか残っていないような状況である。

この状況で一番危惧されるのは、 将来的に日銀の国債買い支えがなくなると予想するトレーダーが大挙して押し寄せ、日銀が高値で買ってくれるうちに売ろうとし、日本国債が売り浴びせに遭うことである。自民党を支持する馬鹿たちは「ヘッジファンドが日本に対して云々」と言うだろうが、値段が下がることが分かっている資産を売るのはすべての投資家の自然な行動である。

国債にとって金利上昇は価格低下を意味するので、金利が0.5%から1%、1.5%、2%というようになっていくのであれば、売り手としては0.5%で買い支えてくれている間に売りたいのである。

だから単に金利上限を0.5%から1%に上げると言った場合、将来的に1.5%に上限が上げられると予想した売り手が殺到する危険がある。

だが0.5%を曖昧な「目途」として残したことによって、上限の明確な押し上げではなく、上がったのか上がっていないのか分からないような状況を作り出し、いわゆる連続利上げを想定させないようにしたのである。

結論

今回の植田氏の決定について筆者の個人的な感想を言えば、インフレを引き起こしたインフレ政策の後始末という無理な仕事を押し付けられた中で、連続利上げを想定させないように植田氏がまあよく考えたやり方だと言うべきなのだろう。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
だが金融市場、特に債券市場は勘定で動くので、結局0.5%が意味のある目途なのかどうかは、日銀の今後の日々の国債買い入れ額によって明らかになってしまう。0.5%水準での買い入れがなければ、結局は上限を1%に引き上げたのと同じになる。

言葉を曖昧にはした植田氏だが、日銀の実際の行動によってその意味は結局明確にならざるを得ないのである。

工夫は評価しよう。だが結局は、サマーズ氏の言葉に代表されるように、日銀はゼロ金利政策の解除に動かざるを得なくなっているという長期トレンドは変わらない。通貨暴落とインフレを引き起こしたアベノミクスの低金利政策は終わったのである。

サマーズ氏: 日銀の植田総裁はイールドカーブコントロールからの離脱プロセスを開始した
そして最終的にはどうなるのか。植田氏には申し訳ないが、やはりこれは無理な仕事であり、日本経済にとって良い結果にはならない。他の専門家の意見も参考にしてもらいたい。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378#more-38378
34:777 :

2023/08/08 (Tue) 19:30:55

【アナリスト解説】景気後退は起きる? 日銀YCC修正の解説も
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/07/29
https://www.youtube.com/watch?v=1I4bcA3O83w
35:777 :

2023/08/21 (Mon) 19:06:43

バフェットも警鐘!米銀格下げの株式への影響と長期投資家へのアドバイス
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/08/21
https://www.youtube.com/watch?v=07-GUk0bMuc
36:777 :

2023/08/22 (Tue) 13:26:31

米国株下落の原因: 利下げ織り込みでも止まらない長期金利急騰
2023年8月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39098

アメリカの長期金利上昇が原因で株式市場が下落し話題になっているが、その原因についてもう少し深堀りしてみよう。

株価水準と金利

金利上昇で株価が下落している背景には、国債の金利と株式が競合する事実がある。(理論的に)無リスク資産である10年物国債の金利が4%を超えているということは、株式は今後10年間それを十分に越えるリターンを約束できなければ、投資家にとって場合によっては何十パーセントの損失のリスクのある株式を持つ意味はない。

だから金利が上がれば上がるほど株価には不利になる。以前から言っているように米国株は元々金利と比較して市場稀に見る割高水準だったのだが、多少金利が上がり始めると金融市場は今それに気づいたかのように振る舞い始める。相場とはそういうものである。

さて、長期金利、つまり10年物国債の金利がどうなっているかと言えば、こうなっている。


8月に入って高値更新を続けている。それでS&P 500の方は次のようになっている。


長期金利の上昇に対応するかのような失速である。中国の不動産バブル崩壊の問題もあるだろうが。しかしこちらも2021年から分かっていたことであり、今更である。

今の中国経済のバブル崩壊は2年後の米国経済の姿を表している
長期金利上昇の原因

さて、では金利上昇の原因は何か。巷ではインフレが長引くことを想定してという何の根拠もない主張が横行しているが、市場の期待インフレ率はむしろ下がっているのでそれは間違いであるということを先日の記事で指摘しておいた。

米国株下落の原因: 米国債から資金流出の兆候
期待インフレ率が下がっているにもかかわらず金利が上がっているというのは良い兆候ではない。それでも経済が耐えられるなら良いが、株価の様子を見ると必ずしも金融市場はそうは思っていない。

国債にとって金利上昇は価格下落を意味するので、経済のファンダメンタルズと金利上昇が合わない場合、その金利上昇は国債からの資金流出を意味しているのである。

利下げを織り込む金利先物市場

さて、前の記事では期待インフレ率を根拠にそれを論じたが、今回はもう1つ別の根拠を挙げたい。2年物国債の金利である。それは以下のように推移している。


長期金利が上がっているにもかかわらず、2年物国債の金利は7月のピークよりも3月のピークよりも下がっていることに注目したい。

つまり短期金利を見るならば、金利は上がってなどいないのである。

むしろ金融市場は今後の利下げを織り込んでいる。金利先物市場によれば、現在5.25%である政策金利は、来年末には4.25%まで下がることがメインシナリオだという織り込みになっている。

結論

ここに現在の株安のもう1つの問題がある。期待インフレ率が下がっているにもかかわらず金利が上がっていることが1つの問題であれば、市場はこれから1%もの利下げがあると予想しているにもかかわらず長期金利が上がっているということももう1つ大きな問題なのである。

つまり、市場では経済動向や金融政策とは関係なく長期金利が上昇している。金利上昇は債券にとって価格下落を意味するので、それは実体経済と金融政策とは関係のない理由で米国債の価格が下落していることを意味する。

アメリカ経済はどうなるだろうか。機関投資家らの意見も割れている。筆者の予想についても近々もう一度記事にするつもりある。

世界最大のヘッジファンド、米国経済のソフトランディングを予想
ドラッケンミラー氏: それでも米国経済はハードランディングする
ガンドラック氏: インフレ率が下がり過ぎてデフレになる可能性

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39098
37:777 :

2023/08/22 (Tue) 23:14:24

金利高騰による株価下落で米国経済ハードランディングの確率高まる
2023年8月22日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39134

アメリカでは長期金利が上昇し、それが原因で株価が下落している。だが問題はそれだけではなく、この動きがアメリカ経済のハードランディングが近づいていることを示しているということである。

コロナインフレ後の長期金利

コロナ後の現金給付によって発生した物価高騰により、Fed(連邦準備制度)は2022年から大幅な利上げを強いられてきた。だが政策金利がゼロから5.25%まで上がり、ようやく利上げ停止から利下げ観測も出てきたタイミングで、長期金利が再び上がり始めている。

ガンドラック氏: アメリカの利下げはいつあるか
アメリカの長期金利は次のように推移している。


だが長期金利、つまり10年物国債の金利は上がっているものの、2年物国債の金利は今後の利下げを織り込んでピークを下回っていることを指摘しておいた。

米国株下落の原因: 利下げ織り込みでも止まらない長期金利急騰
この状況で懸念すべきことは何か、ここの読者ならば分かるだろう。長短金利差の上昇である。

長短金利差の上昇

長短金利差とは、10年物国債の金利から2年物国債の金利を引いたものである。債券は通常、期間が長いほど金利が高くなるので、長短金利差はプラスになるのが普通である。

だが急激な利上げが行われ、経済がそれに耐えられないと市場が判断するとき、政策金利に影響される短期金利の方が将来の景気に影響される長期金利より高くなる。この時に長短金利は逆転し金利差はマイナスになるのだが、アメリカの長短金利差は去年からずっと逆転している。

経験ある投資家なら知っていることだが、長短金利差の逆転は歴史上ほとんど例外なく景気後退の前触れである。

だがもう少し詳しく言えば、債券投資家ジェフリー・ガンドラック氏が指摘していたように、景気後退になるのは長短金利差が一度マイナスまで下落し、そこから再び上昇に向かっていった後のことである。

だから景気後退を警戒すべきタイミングは、長短金利差の再上昇があった後だということになる。

長短金利差の再上昇と景気後退

だが何故そうなるのか。長短金利差が再上昇するシナリオには大まかに言って2パターンがある。当たり前だが、短期金利が下落する場合と、長期金利が上昇する場合である。

それぞれの場合を考えたい。まず短期金利の下落によって長短金利差が再上昇してから景気後退が起こる場合だが、短期金利は今後の政策金利の市場予想を反映して動くので、経済状況の悪化によって市場が利下げを予想しなければならない状況になっているということである。

この場合は長期金利も下がるだろうが、それよりも短期金利の下落が速い場合、それほど急激に利下げをしなければならないほど経済の状況が悪いことを示している。だからその後に景気後退が起きるのである。

次に長期金利の上昇によって長短金利差が再上昇する場合だが、長短金利差が逆転した時点で金融引き締めがやり過ぎなのだから、その状況から更に金利が上がれば勿論経済は死ぬだろう。

これがまさに今の状況であり、だから以下の記事に書いたように、期待インフレ率低下(デフレの織り込み)と長期金利上昇が組み合わさっている現状が良くないのである。

米国株下落の原因: 米国債から資金流出の兆候
結論

ただ、長期金利が上がる後者の場合の方が実際に景気後退入りするまでの時間はかかるだろう。短期金利がそれほど下がっていない時点で、金融市場はまだ余裕をかましている。だがそこからいずれ短期金利も下落し、上記の2つのシナリオのうち前者にシフトする時が来る。だからこれから注目すべきは2年物国債の金利である。

更に実体経済側の指標で言えば、個人消費とGDPに注意すべきだろう。賃金が減速し、個人消費が減速して来るならば、個人消費に頼っているGDPがようやく減速してくる。

景気後退懸念のなか加速した第2四半期アメリカGDP成長率
だがやはり金融引き締めの影響が回り回って実体経済に来るまでにはまだ時間がかかっている。2021年の恒大集団のデフォルトの問題が2023年に佳境となっているのと同じことである。

サマーズ氏: 中国がアメリカを追い抜く話はバブル期の日本神話と同じ
巨大なバブルは崩壊に時間がかかる。中国の2021年からから2023年を見て、アメリカの2023年から2025年を考えるべきである。

今の中国経済のバブル崩壊は2年後の米国経済の姿を表している

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39134
38:777 :

2023/08/23 (Wed) 21:48:29

世界最大のヘッジファンド、株価下落の直前から米国株に弱気
2023年8月23日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39167

レイ・ダリオ氏が創業した世界最大のヘッジファンドBridgewaterが、株価の下落が始まる直前の7月後半に米国株に弱気な見方を示していたとReutersが報じている。

米国株と米国債とドルに弱気

Bridgewaterは7月25日の投資家向けの会合で、旗艦ファンドであるPure Alphaファンドが米国株と米国債の両方に対して「程々に弱気」であると明かしたらしい。また、ReutersによればBridgewaterはドルに対しても弱気だったという。なかなかの米国売りではないか。

その後どうなったかと言えば、米国株については言うまでもないだろう。S&P 500のチャートは次のようになっている。


そして長期金利、つまり10年物国債の金利は上がっている。以下の通りである。


国債にとって金利上昇は価格下落を意味するので、アメリカでは株式と国債の両方がダリオ氏の相場観通り下がっていることになる。

ダリオ氏の相場観

ダリオ氏は今何を考えているだろうか。恐らく彼の考えの中心にあるのは米国債である。

ダリオ氏は少し前に、アメリカ経済の短期的なソフトランディングの可能性を指摘しながらも、米国債に買い手が見つからない可能性、そしてそうならなかった場合にはインフレと低成長が同居するスタグフレーションを予想していた。

ダリオ氏は次のように述べている。

世界最大のヘッジファンド、米国経済のソフトランディングを予想
短期的には、もし国債の供給が需要を圧倒的に上回るような需給問題が起こらなければ、許容できる範囲の低成長と許容できる範囲の高インフレ(つまりはマイルドなスタグフレーション)が起きるだろう。

だが国債に買い手が見つからず価格が下がるにしても、インフレになるにしても、どちらにしても金利が上がるシナリオである。

だから当然ダリオ氏は金利上昇(つまり国債価格下落)に賭けたのだろう。以下の記事で説明した通り、実際には期待インフレ率が低下しながらの金利上昇が起こったので、インフレ懸念ではなく国債の需要不足の方のシナリオが実現したわけである。

米国株下落の原因: 米国債から資金流出の兆候
長期金利上昇の影響

そこまで考えれば、ダリオ氏の株価への予想も想像がつく。金利上昇による株価下落である。そしてそれも実際にそうなっている。

何度も言っているが、金利に比べた株価水準はもともと市場稀に見るレベルで高かった。長期金利は2022年に株安を引き起こした水準まで上がっているのに、株価の方は市場最高値に近い。そしてそれを誰も気にしない。それがそもそもバブルなのである。個人投資家は金利と株価の比較さえやらないのだろうが。

そしてダリオ氏はドルに対しても弱気らしい。ドルは長期金利上昇の影響を受けてやや上がっている。だがアメリカの実質金利上昇の割にはドルは上がっていないと言える。実質金利とドル円を比べると次のようになる。


これは日銀の植田総裁の利上げ努力が効いているとも言えるが、ユーロドルで見てもドルはそれほど上がっていないので、実質金利の上昇の割にドル高の勢いが弱まりつつあるとも言える。

結論

それはもしかすれば、ゾルタン・ポジャール氏の言うような長期ドル安のトレンドが効き始めているのかもしれない。

金利市場の天才ゾルタン・ポジャール氏、ドルの崩壊を予想するためのリサーチ企業を創業
だが米国債の下落といい、日本円の下落といい、国家の凋落を象徴するようなトレンドがいくつも始まり始めているのは不気味である。

米国株下落の原因: 米国債から資金流出の兆候
アメリカのように利上げをすれば通貨の強さは維持できるが国債は下落する。日本のように緩和を続ければ国債は買い支えられるが通貨が下落しインフレが起こる。

結局、インフレのないまともな生活をしたければ、行なうべきは紙幣印刷のようなインフレ政策ではなく生産性の向上だということを、自分の頭で考えずにインフレ主義という出鱈目に騙された人々に対して金融市場は痛みをもって教えようとしている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
人々は紙幣印刷と現金給付を好む。日本ではインフレに放火するようなガソリン補助金の継続を望むような声がいまだに存在している。

政府から紙幣が降ってきてそれで暮らせたら楽な生活ではないか。だが金融市場はインフレと金利上昇によって彼らに現実を呈示している。自民党におんぶにだっこされることを夢見ながら、実際にはエッフェル塔の下敷きにされている自民党支持者には、紙幣印刷で食べ物は作れないという簡単なことさえ恐らく永遠に分からないだろう。

その裏ではインフレで人々の貯金は目減りし、 政府債務という名の自民党の借金は戦後のドイツの借金のように紙切れになってゆく。政治家にとって彼らは非常に優秀な家畜である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
夢というのは意外に高価なのであって、夢を見る人間は対価を払わなければならない。彼らを待つのは彼らにふさわしい未来であって、物価高騰か通貨下落か国債暴落か、あるいはそのすべてである。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39167
39:777 :

2023/08/28 (Mon) 21:20:56

サマーズ氏: アメリカ経済には更なる利上げが必要
2023年8月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39366

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、2021年以来のタカ派の姿勢を続けている。

一貫してタカ派のサマーズ氏

2022年の現金給付が既にアメリカにインフレをもたらしていた2021年、専門家の誰もがタカ派だった。Fed(連邦準備制度)のパウエル議長が根拠なく「インフレは一時的」と主張していた一方で、サマーズ氏や筆者、債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏などがインフレの脅威を警告していた。

ガンドラック氏: 12才児よりも愚かな中央銀行の存在意義が分からない
だが2022年の後半から彼らの意見は分かれ始める。先ず最初にガンドラック氏が債券市場の織り込みを根拠にインフレ減速を予想し、2022年の秋から実際にアメリカのインフレ率は減速を始めた。最新のインフレ統計は以下の記事で解説している。

7月の米国インフレ率はほぼ横ばい、サービスと住宅のインフレが加速
その時からガンドラック氏は一貫してデフレを予想している。1年足らずで9%から3%まで急降下したインフレ率がどうやって2%で都合よく止まってくれるのかというのが彼の議論である。

ガンドラック氏: インフレ率が下がり過ぎてデフレになる可能性
一方で、サマーズ氏は一貫してインフレが下がっても利上げ継続が必要だと主張してきた。インフレが下がる一方で政策金利はガンドラック氏の予想よりも高い位置まで上がってきたので、政策金利についてはサマーズ氏の予想の方が当たっていると言えるだろう。

サマーズ氏が利上げ継続を予想、アメリカの中央銀行はインフレを過小評価している
サマーズ氏の利上げ予想

結果として、アメリカの政策金利はゼロから5.25%まで上げられた。結果としてシリコンバレー銀行などの銀行がいくつか潰れた。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は悪化しインフレは止まらずスタグフレーションになる
現在、Fedは利上げを停止している。だがパウエル議長はジャクソンホール会議で、必要があれば利上げを再開すると表明していた。

ジャクソンホールでのパウエル議長のコメント
政策金利を正しく当ててきたサマーズ氏は、利上げについてどう考えているか。彼は次のように述べている。

わたしの推測では、更なる利上げが必要になるのではないかと思う。

2021年からのインフレのトレンドが、1970年代の物価高騰時代のような長期インフレの時代の始まりなのか、あるいはインフレはこのまま収まってゆくのかということが議論になっている。

一部の人々は、現在と1970年代では状況が違うと主張している。それに対してサマーズ氏は次のように述べている。

ここ数年よりハト派の見解を維持してきた「インフレは一時的」派の人々は、正しくも1970年代は今とは違うと言い続けてきた。当時は大きな景気後退があり、今よりも規模の大きいオイルショックがあった。

それらの点について彼らは正しい。だが当時の教訓が何かと言えば、史上最も深刻な当時のインフレはインフレに対する早すぎる勝利宣言をした人々によって引き起こされたということだ。

1970年代にインフレが長期化したのは、インフレが収まりかけた時に油断して引き締めを早く解除してしまったためである。結果として当時インフレは3回の波となって来ている。当時のインフレ率と政策金利を並べると次のようになる。


政策金利を早く下げ過ぎたために次の波が起こり、新しい波は前の波よりも大きなものになっている。

当時の様子をサマーズ氏は次のように語る。

1960年代後半に、そして1970年代前半に、そしてカーター大統領が就任した時(訳注:1977年)、インフレの問題はまだ現実に存在したにもかかわらず、政治的議論は景気刺激のことばかり話していた。

補助金の話ばかりしている今の政治家と変わらないではないか。政治家とはそういうものである。国民から金を吸収し票田にばら撒くことが彼らの仕事だからである。

そして結局、3回目の波の時にポール・ボルカー氏がFedの議長となり、彼の断固たる金融引き締めによって大きな景気後退が起こり、大量の失業者が出ても引き締めをやり切ったことでインフレは収まったのである。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
早すぎる緩和転換

だから、サマーズ氏は1970年代と今は違うということを認めながらも、今の人々は当時の失敗から学ぶべきだと主張する。彼は次のように述べている。

その意味で、1970年代の物価高騰はわれわれが簡単に陥りやすい失敗に対する教訓だと言える。

インフレの脅威が目の前にあれば引き締めを躊躇わない人々も、少しでもインフレが収まれば緩和と紙幣印刷に頼りたがる。サマーズ氏はそうなってはいけないと警鐘を鳴らしている。だが筆者の見方は少し違う。筆者はサマーズ氏の警鐘を今後実際に起こるシナリオだと見なしている。

つまり、人々はインフレが打倒される前に緩和再開を求め、インフレの問題は1970年代のように行き着くところまで悪化してゆくだろう。

ドラッケンミラー氏、アメリカ経済のハードランディングとインフレ第2波を予想
結局、人々は政府から紙幣が降ってくることを望む。紙幣が降ってきてもインフレが起こるだけで生活は楽にならないのだが、彼らにはそれは分からない。日本では未だに補助金の話が横行している。日本人はそういう政治家を好き好んで選出している。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
本当にハイパーインフレになるまで彼らは何も理解しないだろう。それが筆者の予想である。だからサマーズ氏の警告は届かない。彼は次のように述べている。

誘惑に注意するのは常に良いことだ。人々はいつも安易な方に誘惑される。市場をより上昇させる方に、経済に追加で刺激を行なう方に流される。だが実際にはそれは前に進んでいるようで前に進んでいない。

サマーズ氏は誘惑に抗うように忠告している。だが筆者の予想では、彼らは誘惑に負けるだろう。自民党にどれだけ足蹴にされても投票を続ける日本人に何を言っても無駄であるのと同じである。だがそういう人々のメンタリティこそが経済の問題の本質なのである。

世界最大のヘッジファンド : 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39366
40:777 :

2023/09/06 (Wed) 22:39:56

アメリカ銀行危機の次の危機が株価を下落させる
2023年9月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39630

2023年3月のシリコンバレー銀行破綻からほぼ半年が過ぎ、市場は平静を取り戻した。だが市場が平静を取り戻したことは必ずしも良いことばかりではない。

米国のマネタリーベース

筆者がそう思ったのは、アメリカのマネタリーベースのチャートを眺めた時である。アメリカのマネタリーベースのチャートは次のようになっている。


リーマンショック以後、そして近年ではコロナショック以後の量的緩和によって膨らんだアメリカのマネタリーベースは、2021年以降のインフレを受けて縮小されていた。

だがマネタリーベースは2023年3月に再び上昇に転じているのが分かる。シリコンバレー銀行などの破綻を受け、Fed(連邦準備制度)が紙幣印刷によって破綻した銀行の債務を買い取ったからである。だがそれが最新7月のデータでは再び下落に転じているのがお分かりだろうか。

マネタリーベースの下落再開

債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏などは、銀行危機後の一時的な紙幣印刷によってインフレ再発を懸念していた。銀行危機に対するFedの措置は事実上の量的緩和だからである。ガンドラック氏はこう述べていた。

ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想
インフレ政策が戻ってきている。Fedは資金の貸出制度を通じて銀行システムに資金を注入している。去年の8月か9月からのパウエル議長のインフレ打倒の決意はもう何処かへ行ってしまったようだ。

実際、それはアメリカの金利を一定期間押さえつけていたのかもしれない。最近の長期金利の上昇は、3月以降の金利下落が元に戻っただけだと言うことも出来るからである。


銀行危機は落ち着いたかのように見える。そして金利は元に戻り、インフレ抑制のために行われている量的引き締め(つまりマネタリーベースの減少政策)が再開され、マネタリーベースも下落を再開し始めた。

銀行危機の原因

ここでそもそも何故シリコンバレー銀行などの銀行が破綻したのか、その原因をもう一度思い出してほしい。

銀行危機の原因は利上げと量的引き締めによる金利高騰である。金利高騰によってシリコンバレー銀行の主な顧客であったシリコンバレーの赤字企業はお金が借りられなくなり、シリコンバレー銀行の保有していた長期国債の価格が下落した。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
そして今や銀行危機は解決されたと誰もが思っている。もう一度長期金利のチャートを見てみよう。


一体何が解決したのだろうか。原因はまだそのまま残っている。

結論

市場の楽観は債券市場の状況を引き締める。金利は上がり、中央銀行の支援策は終わる。マネタリーベースと長期金利のチャートはそれを示している。

危機を通り抜けた結果、長期金利は変わっていないが、変わったものが1つある。人々の楽観である。

元々高金利に怯えていた人々が、実際には何も解決していないにもかかわらず、もう問題がないと思い始める。そしてより高い金利、より強い引き締めを受け入れるようになる。

そしていずれはマネタリーベースの減少が引き起こした2018年の世界同時株安の天井のような状況が訪れる。

バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)
危機は徐々に大きくなってゆく。2008年のリーマンショックでは、ベアスターンズが破綻した後、リーマンブラザーズが破綻した。

何故危機は大きくなるのか。何故ベアスターンズが破綻した時に問題を根本的に解決できなかったのか。その原因は、危機の原因が継続しているにもかかわらず、危機を通り抜けるたびに人々の楽観が強くなるからである。何故か原因の継続には誰も注意を払わない。

米国株はなかなか天井を超えられない。 それも当たり前である。米国株の長期上昇トレンドは終わったのだ。


米国株の長期上昇トレンドは1980年から2020年までの40年にわたる金利低下トレンドに支えられていた。だからそれはインフレで金利を上げなければならなくなった2022年に終わったのである。だが人々はそれを無視している。誰も原因と結果を考えない。

ドラッケンミラー氏: 今後10年の株式市場はバイアンドホールドでは勝てない
稀代のファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏は著書『ソロスの錬金術』で次のように言っていた。

強気相場は小爆発にときおり見舞われながら続いていく。そうしているうちに、だれも小爆発を恐れなくなる。このときこそ、大暴落の条件が整ったときなのである。

銀行危機を引き起こした高金利が帰ってきている。誰もそれを気にしていない。だがすぐに気にせざるを得なくなるだろう。原因が存在し続ける限り、危機も起こり続けるからである。

この楽観は誰もが本当に悲観しなければならないような状況が起こるまで止まらないだろう。歴史上いつもそうなのである。

金利高騰による株価下落で米国経済ハードランディングの確率高まる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39630
41:777 :

2023/09/10 (Sun) 08:13:46

ドル支配崩壊後はどうなる? 国防と歴史から日本の立ち位置を考える〜前編〜|室伏謙一×神谷宗幣
023/09/08
https://www.youtube.com/watch?v=Svaux8tDsn8
42:777 :

2023/09/11 (Mon) 15:09:30

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気はそろそろ終わり、米国経済は減速する
2023年9月10日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39733

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がFOX Businessのインタビューで、アメリカ経済の現状と今後の見通しについて語っている。

銀行危機後の米国経済

前にも書いたが、アメリカ経済はFed(連邦準備制度)の利上げによく耐えている。今年の前半には高金利が原因でシリコンバレー銀行などの地方銀行がいくつか破綻したが、Fedが急遽紙幣印刷をして救済措置を行なったことで、その後もう何ヶ月も銀行破綻は起きていない。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
そのことについてガンドラック氏は次のように述べている。

更なる銀行破綻があるのではないかと思ったが、2ヶ月の混乱のあと、問題はかなり落ち着いたようだ。

そうなった理由はと言えば、上に書いた紙幣印刷である。Fedは元々インフレ打倒のために量的緩和で膨らんだマネタリーベースを縮小する量的引き締めを行なっていたが、預金者救済のために大量の紙幣印刷を同時に行なったため、マネタリーベースは一時増加に転じていた。

マネタリーベースの増加は即ち量的緩和である。Fedは銀行救済のために実質的に量的緩和を行わなければならなくなった。それが恐らく、ここ数ヶ月の株高の理由でもあったかもしれない。当時、ガンドラック氏は次のように述べていた。

ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想 (2023/3/18)
これはインフレ政策だ。そしてそれはもしかすると短期的にリスク資産にプラスかもしれない。リスク資産はインフレ政策と中央銀行のバランスシート拡大が大好きだからだ。後者はもう長い間選択肢になかったものだ。

そして実際、米国株は上がっている。この時のガンドラック氏の指摘は正しかったのだろう。


だが米国株にとって悪い知らせは、マネタリーベースの増加は銀行危機の収束によって終了し、最新データでは再び減少に転じているということである。


終了する緩和マネー

ガンドラック氏は次のように言う。

アメリカ経済は転換期に来ていると思う。

何故か。ガンドラック氏は、アメリカ経済が利上げにもかかわらずここまでもった理由に言及する。それは市中に存在する預金と現金の総量であるマネーサプライである。マネーサプライ(M2)は次のように推移している。


ガンドラック氏はこのチャートについて次のようにコメントしている。

M2は1年前に比べると減少している。多くのマネタリストたちはそれを理由に今年の第2四半期までには景気後退しているはずだと考えた。だがM2は1年前よりも減少しているが、2、3年前と比較すると大きく増加している。

これは元々クォンタム・ファンド出身のスタンレー・ドラッケンミラー氏が以下の記事で指摘していたことである。

ドラッケンミラー氏: リーマンショックより酷くなる可能性は否定できない (2023/5/14)
だがこのマネーサプライも来年前半にかけてコロナ前の水準まで戻ってゆく。資金は引き揚げられて行っているのである。

余剰貯蓄

また、ガンドラック氏は他の指標にも言及する。

1月前半に「余剰貯蓄」のことを笑いの種にした。人々は「余剰貯蓄」はまだ多く残っていると言っていたが、「余剰貯蓄」とは何だ? 貯蓄とは何が違う?

余剰貯蓄というのは、コロナ禍の現金給付などの政策によって積み上げられた家計の貯蓄のことである。Fedなどがそれを分析するレポートを発表している。

アメリカ経済が利上げにもかかわらずここまでもったのは、マネーサプライなどでも分かるように現金給付などによる政府の資金供給が、2023年になった今でもまだ経済のなかに残っているからである。

だがガンドラック氏によれば、そのお金も消え去りつつある。彼はこう続けている。

だが経済統計は大きく変化した。多くのデータがここ数ヶ月で急速に変化している。「余剰貯蓄」も遂にマイナスになろうとしている。だからコロナ後の緩和はもう完全になくなろうとしているということだ。

コロナ後に経済に注入された馬鹿げた金はもう消え去っている。

出来上がったのは危険なカクテルだ。

危険なカクテルとは、政府による資金注入によって甘やかされた消費者の振る舞いと、緩和マネーが消え去りつつあるという事実の組み合わせである。ドラッケンミラー氏がリーマンショック以来の金融緩和を振り返って次のように述べていたことを思い出したい。

ドラッケンミラー氏: あと半年でハードランディング、米国経済に死体が積み上がる
資金があふれかえると人々は馬鹿げたことをする。資金が11年もあふれかえると人々は本当に馬鹿げたことをする。

ガンドラック氏はこう説明する。

コロナ後、人々は「賃料を払う必要はない」「奨学金を返済する必要はない」「政府からお金が受け取れる」と言われた。そして生活習慣をその状況に適応させた。

そして今、政府から供給されていた資金は底を尽きた。だから今度は彼らは借金を増やしている。

クレジットカード経由の借金はここ数ヶ月でかなり増えている。

アメリカ人はクレジットカードの支払い残高をためるのが大好きである。筆者は何の理由もなくクレジットカードをリボ払いにしていたアメリカ人を知っている。彼女曰く、「今払わなくても良いならその方が良いじゃない」だそうである。

コロナ禍における政府の緩和や支払い猶予がなくなっても、クレジットカードが馬鹿騒ぎを延長した。そして今や祭りが終わろうとしている。

ガンドラック氏はこう続ける。

家賃を支払わなくて良かった期間、彼らは恐らく浮いたお金を生活水準をアップグレードするために使った。

そして政府から来た資金が尽きた時、彼らは家賃を払わなければならなくなるが、自分が大量に借金していることにも気付くことになる。

そして家賃の支払いだけではなく、クレジットカードの支払いに金利を乗せなければならなくなる。

税金の支払いも再開される。わたしの住むカリフォルニア州では2022年の税金をまだ払わなくて良いことになっているが、その期限が10月15日に来る。

ニューヨーク州などの他の州では2022年の税金を収める期限が最近来た。

人々は突然お金がないことに気付くだろう。

結論

馬鹿騒ぎもそろそろ終わりである。筆者はマネーサプライの推移から、景気後退は来年前半にかけてだと予想し続けている。ガンドラック氏も同じくらいのタイムフレームを考えているらしい。彼はこう述べている。

アメリカ経済はここから6ヶ月から8ヶ月ほどで壁にぶつかるだろう。そして各種金利の支払いのために消費者の活動が止まる。

米国株はどうなるか? 株価の推移については以下の記事で既に解説しているので、そちらを参考にしてもらいたい。

アメリカ銀行危機の次の危機が株価を下落させる
米国株が完全に割高である理由と株価の推移予想

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39733
43:777 :

2023/09/12 (Tue) 02:57:50

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気は終わり、米国経済はデフレと景気後退へ
2023年9月11日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39722

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のFOX Businessによるインタビューである。

下落したインフレ率

前回の記事ではコロナ後に現金給付などによりアメリカ経済にばら撒かれた資金がそろそろ底を尽きかけているとガンドラック氏は説明した。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気はそろそろ終わり、米国経済は減速する
ではそれに伴い金融政策はどうなってゆくのだろうか? それが今回の話題である。

まずはインフレ率だが、Fed(連邦準備制度)の金融引き締めによって、CPI(消費者物価指数)のインフレ率は9%から3%ほどにまで下がった。

7月の米国インフレ率はほぼ横ばい、サービスと住宅のインフレが加速
それは良いことにように思える。日銀の植田総裁が言ったように、経済にとってもっとも効率の良いインフレ率はゼロである。誰かが2%だと言い、誰もがその出鱈目を無批判に信じたのだが、その件については以下の記事における白川元総裁の見解が参考になるだろう。

日銀の白川元総裁が経済学者サマーズ氏の講演で非常に興味深い質問をしていた
だがガンドラック氏にとっては、Fedがインフレ率を更に下げたいことがむしろ問題なのである。彼は次のように言う。

ジャクソンホール会議でパウエル氏はややタカ派だったように見えた。過去12ヶ月、インフレを2%まで下げるという彼の決心は堅いままだ。

CPIが2.98%に下がったところまでは良かったが、彼らはインフレ率を更に下げたいようだ。

何故それが問題なのだろうか。1つの疑問は、彼らはインフレ率が実際に2%になってから引き締めを止めるつもりだろうかということである。

だが金融政策が実体経済に届くまでには時差がある。2022年初頭に開始された金融引き締めによって、インフレ率は2022年秋にようやく下落を開始した。

であれば、インフレ率が2%の時に引き締めを止めれば、その政策変更が実際にインフレ率の下落を止められる時には、インフレ率は何処まで下がっているだろうかということである。ガンドラック氏は以前次のように言っていた。

ガンドラック氏: 中央銀行のインフレ率予想は人間が想像可能な中で一番馬鹿げた経済予想
インフレ率が9%が2%まで極めて急速に下落するならば、下方向に行き過ぎると考えない理由が何かあるだろうか?

何故2%で止まるのか? そこに何か魔法でもあるのか?

Fedは恐らくやり過ぎる

去年からのインフレ率下落を的確に予想したガンドラック氏は、インフレ率の下落がこのまま底を突き破ってしまうと言う。

インフレ率を2%に向けて下げることに熱心なFedは、恐らくやり過ぎてしまうだろう。2021年や2022年前半にインフレ率を2%以上に、わたしの推測では4%以上にしようとしていたFedは、インフレ率を4%どころか9%まで上げてしまった。

インフレ率は今や9%から3%まで下がっている。CPIはそこから少し再上昇しているが、それはFedの決意を強めるかもしれない。

だが、前回の記事でガンドラック氏が言っていたのは、コロナ後にばら撒かれた現金給付の残金や、家賃や奨学金返済、税金などの支払い猶予がなくなろうとしているということである。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気はそろそろ終わり、米国経済は減速する
ガンドラック氏はこう続ける。

しかし税金や賃料、奨学金の支払いや、クレジットカードの支払いの増加などが重なり、わたしの予想通り経済が減速すれば、インフレは最終的には2%に下がるだろうが、そのまま一時的にデフレまで行ってしまうだろう。そしてそれが極めてインフレ的なFedの対応を引き起こす。

ガンドラック氏は筆者と同じ予想をしているらしい。つまり、Fedは一度インフレ打倒に成功し、インフレ率は目標水準まで下がるが、インフレ率を下落させた金融引き締めは経済成長率をも下落させるだろう。

そしてハイエク氏の言うように、インフレ政策で無理矢理雇用を生み出した後にお決まりの大量失業が発生し、Fedは慌てて緩和を再開する。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
そして現在より酷いインフレ第2波に繋がってゆくのである。インフレ第2波は今や多くの識者が予想しているが、コロナ後にこれを予想したのは筆者の知る限り以下の筆者の記事が最初である。

現在のアメリカの物価高騰はインフレ第1波に過ぎない (2021/12/6)
次の緩和では金利が高騰する

さて、ここから面白いのはガンドラック氏が次の金融緩和によって金利上昇を予想していることである。

最近、金融市場では金利が再び上がっている。厳密に言えば長期金利が上がっている。アメリカの長期金利は次のように推移している。


これは米国債からの長期的な資金流出の始まりだという意見もある。

米国株下落の原因: 利下げ織り込みでも止まらない長期金利急騰
だが、ガンドラック氏はやや違う見方をしているらしい。彼はむしろ、本格的な金利上昇が始まるのはこれから始まる景気後退の後だと言う。彼はこう述べている。

債券市場の長期下落相場は次に起こることではないかもしれない。だが景気後退が起こった後の経済政策は非常にインフレ的なものになり、その結果として債券の長期下落相場は起こるかもしれない。

次の景気後退では、景気後退が深まるにつれて、過剰な紙幣印刷と金融緩和によってむしろ債券の金利が上がるというややこしい状況になるだろう。

景気後退で金利が下がる。恐らくその段階では、市場予想より大きくなる景気後退の方に投資家の注意と悲観は行っているだろう。

だがそこから回復するにつれ、政府と中央銀行がまたしても緩和をやり過ぎたということに市場は気付くだろう。そうしてインフレと金利高騰の第2波が始まる。

ドラッケンミラー氏、アメリカ経済のハードランディングとインフレ第2波を予想
だがまずは来年の景気後退である。それもそろそろだろう。ヘッジファンドの空売りも始まっている。

世界最大のヘッジファンド、株価下落の直前から米国株に弱気
ソロスファンド、株高で米国株を空売り

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39722
44:777 :

2023/09/13 (Wed) 09:03:51

アメリカ株指数の反発は「もはや、これまで」という可能性アリ/ 実践!エリオット波動 有川和幸さん
収録日:2023年9月11日
https://www.youtube.com/watch?v=V6XlbsPtzHA
45:777 :

2023/09/14 (Thu) 03:19:07

米国インフレ率が下がれば下がるほど株価にはマイナス、株式の買い手は逃げるべき
2023年9月13日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39797

アメリカではインフレ率が9%から3%まで下落している一方で、米国株は前年の高値を超えられずに足踏みしている。今回の記事ではその理由について考えたい。

米国株と金利

米国株は2022年にFed(連邦準備制度)によるインフレ対策の利上げと量的引き締めによって下落したが、その後2022年秋にアメリカのインフレ率が9%の高みから下落を始めると、S&P 500は下落前の天井近くまで反発している。


だが去年の下落前の高値は超えられないまま足踏みしている。

それは何故か。何が米国株の上値を押さえつけているのか。それは金利である。アメリカでは去年の秋以来、インフレ率低下によって金利が一度下がったが、その後また高値水準まで再上昇している。アメリカの長期金利は次のように推移している。


実質金利とインフレ率

だが株価にとって(そして実体経済にとっても)より重要なのは、金利から期待インフレ率を差し引いた期待実質金利である。そのチャートは次のようになっている。


実質金利の上昇の勾配は長期金利よりも急である。何故か? 期待インフレ率が下がっているからである。期待インフレ率のチャートは次のようになっている。


実質金利の計算式は以下の通りである。

実質金利 = 金利 – インフレ率
株安と金利上昇があった2022年の半ばに比べ、引き締め政策の結果期待インフレ率が下がっているので、式を見て分かる通り、その分実質金利が上がるというわけである。

継続する高金利政策

よって、金利が変わらなくとも期待インフレ率の低下によって実質金利はどんどん上がってゆく。

Fedのパウエル議長は利上げを停止し政策金利を5%台に据え置くことで引き締め水準を維持しているつもりだろうが、実際にはインフレ率が下がっているにもかかわらず名目金利を据え置いていることで、実質金利の継続的上昇に貢献しているのである。

パウエル議長は1970年代の物価高騰時代を終わらせたポール・ボルカー議長(当時)に憧れているようだ。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
だがパウエル氏が勘違いしていることが1つある。強力な引き締めを続けたボルカー氏でさえ、政策金利を高い水準で停止させるような強烈過ぎる引き締めはやったことがないということである。当時のインフレ率と政策金利と並べると次のようになる。


当時、インフレは3回の波となってやってきた。第3波を抑制したのがボルカー氏だが、彼の時代においてさえ、インフレ率の低下にともなって政策金利は下落している。

このグラフを見れば分かるように、ボルカー氏がやったのは、政策金利とインフレ率の差である実質金利を高い水準で維持したということである。上のグラフでは第3波においてのみ、政策金利がインフレ率を大きく上回ったまま推移している。

だがパウエル氏はこれを、政策金利を高い水準で維持することだと勘違いしている。彼は2021年において何の根拠もなく「インフレは一時的」と主張したマクロ経済学の素人なのだから、それぐらいの間違いはあって当たり前だが、投資家までそれに乗って踊る必要はない。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
ガンドラック氏: 12才児よりも愚かな中央銀行の存在意義が分からない (2022/1/14)
結論

だが株式市場は実質金利が去年の水準より高く跳ね上がっているにもかかわらず、 株価を去年の高値水準にまで上げている。


去年、株価は金利上昇によって下がったはずである。金利は名目値で見ても去年の高値水準にあり、より重要な実質値で見れば去年の高値水準を大幅に超えている。

だが誰も気にしない。面白い状況ではないか。ウォーレン・バフェット氏の言う、「波が引いて始めて、誰が裸で泳いでいたのかが分かる」という言葉にふさわしい状況がそこにはある。

「だが株価にはもう1つの決定要因がある」「1株当たり利益は来年にかけて上昇する、株価はそれを織り込んでいる」という声があるかもしれない。

筆者はそうは思わない。理由については以下の記事で説明してある。

米国株が完全に割高である理由と株価の推移予想
筆者は、米国株は今年の後半から来年の始めにかけて第2天井を迎える(あるいは既に迎えている)と予想している。

株式の買い方は、自分がいまどういう状況で株を買っているのかを考えた方が良いだろう。あるいはそんなことは誰も考えないのだろうが。


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39797
46:777 :

2023/09/17 (Sun) 11:33:18

世界最大のヘッジファンド、米国債からの資金流出を警告
2023年9月16日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39898

世界最大のヘッジファンドBridgewaterの創業者レイ・ダリオ氏が、Milken Instituteの会議で金利と投資について語っているので紹介したい。

2023年の金融市場

2023年、金融市場は微妙な状況だ。株価は去年の下落から回復したものの上値を抑えられている。金利は株価と同じように下落して上昇した。

以下の記事で指摘したように、2022年の下落が金利上昇によるものだったのだから、金利が上昇して株価も上昇する状況はおかしいのだが、少なくとも今のところは誰も気にしていないようだ。

米国インフレ率が下がれば下がるほど株価にはマイナス、株式の買い手は逃げるべき
ほとんどの株式投資家が金利と株価の関係をまともに考えないのはいつものことだが、明らかに金利上昇を気にしている人がいる。ダリオ氏である。

債券と金利

アメリカでは2021年から始まったインフレによって金利が大きく上がった。Fed(連邦準備制度)は政策金利をゼロから5.25%まで大幅上昇させた。

金利が上がったということは、お金を借りにくくなったということである。また、これまで既に借金していた人も、借り換えの時期が来れば高い金利を払わなければならなくなる。実際、シリコンバレー銀行の顧客はそれでお金がなくなり、預金が流出してシリコンバレー銀行は破綻した。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
お金の借り手が苦しい状況に置かれている。この状況は貸す側、つまり投資家にとってはどうなのか。ダリオ氏は次のようにコメントしている。

債務を保有したくない。債券などのことだ。

債券はいわばお金を貸した証明書である。国にお金を貸せば国債、会社にお金を貸せば社債となる。ダリオ氏は次のように続ける。

個人的には債券は長期的には良い投資ではないと考えている。

何故か。今の金融市場では、アメリカの長期金利が上がっていることが話題になっている。アメリカの長期金利は次のように推移している。


筆者は以下の記事で、この長期金利の上昇の原因が米国債からの資金流出であると指摘しておいた。

米国株下落の原因: 利下げ織り込みでも止まらない長期金利急騰
米国債の需給問題

この問題を事前に指摘していた人物がいる。それがダリオ氏である。

米国債には元々、米国政府による国債の大量発行という問題が指摘されていた。債務上限問題が解決されて以来、米国政府は債務上限のために発行できていなかった分の国債を大量発行する必要がある。

世界最大のヘッジファンド: アメリカの債務危機は終わっていない
国債が発行されれば、当然それを誰かが買う必要がある。そうならなければ、米国債は市場にあふれて、価格が下落する。

だがダリオ氏が指摘していた問題はそれだけではなかった。これまで量的緩和で国債を購入していたFedが量的引き締めで国債保有を減らしており、シリコンバレー銀行が長期国債の価格下落によって苦しめられたこともあり銀行も長期国債保有をためらっている。

そしてウクライナ情勢以後、ドルを使った経済制裁を恐れた中国などがドル資産の保有を減らしている。

サマーズ氏: BRICSの台頭はアメリカが失敗する兆候
もうほとんど誰も米国債を買える状況ではないのである。では米国債を誰が買うのかという問題を、ダリオ氏は長らく指摘してきた。そして最近の国債市場の動向を見ると、ダリオ氏の懸念が当たりつつあるように思える。

今後アメリカ経済がインフレ継続かデフレかという問題もあるが、それとは別に米国債自体が嫌われるリスクを考えなければならない状況になってきた。

米国債が嫌われれば、ドル建ての他の債券も当然その分下落する。ダリオ氏が債券を避けているのはそれが理由だろう。ダリオ氏はこう述べている。

債券の需給の問題は単に新規発行される債券の量の問題ではない。「あなたは債券を売りたいと思いますか?」という問題なのだ。

現金こそがインフレ回避の道

では何を保有すれば良いのか。ダリオ氏は次のように言っている。

現在一時的にだが、現金は良い投資だと思う。金利が良い。その金利が長続きするとは思わないが。

ダリオ氏は利上げが始まる前、インフレが来ていたにもかかわらず金利がゼロだった時に、「現金はゴミ」と発言して話題になった。

だが金利が上がるとダリオ氏は一転して現金を賞賛している。

金融について何も知らない金融庁が主導する愚かなNISAブームにおいてよく言われるのが、インフレを避けたければ株式を買えというフレーズである。

そもそも政府と日銀がインフレを引き起こしておいて、あたかもそれが空から降ってきたかのように言っているのもあまりに酷いところだが、そもそも金融の歴史を少しでも勉強していれば、こうした理屈は完全に馬鹿げていると分かる。

何故か。以下の記事で説明したように、アメリカが物価高騰に襲われた1970年代において、株式のリターンは酷いものだったからである。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
インフレで株式を買えというのは素人による酷い冗談だが、ではどうすれば良いのか。

インフレの時代に一般人にも可能な最高の投資は、皮肉でも預金であることを筆者は指摘しておいた。

インフレ相場での最良の投資方法は株の空売りを除けば株式投資ではなく預金
しかし条件が2つある。政策金利に近い金利を提供してくれるまともな銀行口座や証券口座を持つこと、そしてインフレ対策のために利上げをするまともな中央銀行を持つことである。

そうすればどうなるか。1970年代のアメリカにおいて、インフレ率と政策金利を並べればこうなる。


金利はインフレ率にほぼ沿っている。つまり、インフレのせいで現金の価値が目減りしても、中央銀行が利上げさえ行えば、国民は単に預金しているだけでインフレにおける預金の減価を利息という形で補填できるのである。

ちなみに日本人は日銀のせいでこの条件を満たすことができない。その理由については以下の記事を参考にしてほしい。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
多額の税金を日本政府に搾取されながら、長期的に株高になるデフレと金融緩和の時代に預金を積み上げ、株式のパフォーマンスが落ちるインフレの時代に政府に言われてそれを株式に転換するのだから、鴨とはまさに彼らのことである。

結論

だがアメリカでは中央銀行はもう少しまともである。政策金利が5.25%に達している今、預金は有効だということをダリオ氏は指摘している。

しかしその状況が長続きしないと言っているところが今回のポイントではないか。ダリオ氏は政策金利が下がると考えているようである。恐らくその理由は、これから来るアメリカの景気後退だろう。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気は終わり、米国経済はデフレと景気後退へ
そして今回、債券を保有したくないと言ったダリオ氏だったが、株式には言及しなかった。

だがダリオ氏は、最近の株価下落の前から株価に弱気だったことが報道されている。

世界最大のヘッジファンド、株価下落の直前から米国株に弱気
ダリオ氏に限らず、株式市場に弱気になるファンドマネージャーが増えてきている。

ソロスファンド、株高で米国株を空売り
金利上昇を舐めてはならない。2018年にもそう言っておいた。それだけ付け足しておく。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39898
47:777 :

2023/09/18 (Mon) 06:17:50

ガンドラック氏: 株価の長期上昇を支えてきた過去40年の低金利はもうない
2023年9月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39962

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が、CNBCのインタビューでアメリカにおける金利の長期トレンドと、それが株価やデフォルト率に与えてきた影響について語っている。

コロナ後の経済サイクル

ガンドラック氏はこのインタビューで様々な議題について話しているが、どの議題について話すにしても、重要なのはコロナ以降、金融市場の環境が一変したということである。

そこでガンドラック氏は次のように問いかける。

これからの経済サイクルで起こることと、われわれの常識はどう違うだろうか?

「これからの経済サイクル」とは何か? ここの読者であれば言わなくとも分かるだろう。インフレによって金利が上がった後の経済サイクルという意味である。

金利低下時の金融市場と、金利上昇時の金融市場はまったく違う。ガンドラック氏はこう続けている。

われわれは金利がどう動くか知っていると思い込んでいる。マネーサプライの経済への影響について知っていると思い込んでいる。Fed(連邦準備制度)の金融政策について知っていると思い込んでいる。

だが1980年代前半から2020年代前半まで、われわれは低金利の環境下にあったのではなかったか? その期間金利はずっと下がっていなかったか? 勿論上がったり下がったりはしたが、長期的には金利は明らかに下がり続けた。

アメリカの政策金利は1980年にピークとなり、コロナ後の現金給付によってインフレが引き起こされるまで一貫した低下トレンドにあった。長期チャートを持ち出すと次のようになっている。


重要なのは、1980年から40年間金利は下がり続けたということである。そして投資家であれば誰でも知っているが、金利低下は株価にも経済にも大きな影響を及ぼす。

そして問題は、われわれのほとんどは金利低下の環境しか知らず、われわれの常識は金利低下の環境下における常識だということである。

だからガンドラック氏は次のように言う。

デフォルト率や企業が負債をどう扱うかについてのわれわれの常識は、時代錯誤の偏見ではないのか。

金利上昇と金利低下

ガンドラック氏は次のように言う。

金利上昇の環境は、金利低下の環境とは違う。

具体的にはどういうことか。例えば今のように金利が大幅に上がれば、お金を借りていた企業はどうなるか。

ガンドラック氏は次のように説明する。

米国企業は債務の期限を長期にして金利を非常に低く抑えた。だが期限が来て借り換えなければならなくなればどうなる? その時に金利が4%ではなく9%だったらどうなる?

小規模事業者にとって金利は現在その水準だ。3年前、小規模事業者にとって金利は4%だった。今では9%だ。Fedが更に利上げすれば更に高くなる。

Fedは2021年にインフレの脅威を無視した後、2022年に金利を急速に上げた。

経済に対する利上げの効果は強力である。だがその後、アメリカにはまだ景気後退は来ていない。だがその理由の1つは債務の乗り換えがまだ完了していないということだろう。

だが来年には多くの企業にとっての債務の期限が到来し、借金を借り換えなければならなくなる。その時に多くの企業が金利上昇の効果に直面することになる。

Fedのパウエル議長は金利を5%台の水準に長らく据え置くと表明している。だがそんなことが出来るだろうか。その馬鹿らしさについては以下の記事で既に指摘している。

米国インフレ率が下がれば下がるほど株価にはマイナス、株式の買い手は逃げるべき
だがパウエル氏にはそれが分からない。しかしガンドラック氏の上記の議論を読めば、それがどういう意味か分かるはずである。ガンドラック氏は次のように続けている。

Fedがこれから数年金利を5%か6%に保ったままにすれば、この国のすべてが倒産するだろう。

金利上昇と株式市場

そして金利低下が金利上昇になったことは、当然ながら株式市場にも影響を与える。ガンドラック氏は次のように述べている。

株式市場は1982年に底打ちし、2022年にピークを打ったように見える。この期間に金利が14%から0%になったことと関係があるだろう。

世の中にはインフレ対策で株式を買えという馬鹿げた議論もあるようだが、1970年代の物価高騰時代、米国株がどのような酷いことになったのかについては以下の記事で説明している。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
逆にその後の1980年から40年間の金利低下局面で米国株がどうなったかについても、多くの人が知っているだろう。

何故金利低下で株価が上がるのか。例えば米国債の金利が10%ならば、国債は無リスク資産と考えられているので、株式はそれを超えるパフォーマンスを出さなければ投資家を集めることが出来ない。逆に金利がゼロならば、投資家は少しでも値上がりを期待できそうな株式に殺到する。

だから他の条件が同じならば、金利低下はそのまま株高を意味し、金利上昇はそのまま株安を意味する。

株式市場はしばしばそれを無視する。2018年の金利上昇局面でも同じことが起きた。

バブルの頂点で日経平均は上昇、空売りを淡々と継続 (2018/9/20)
だがそれは長期的には続かない。長期的には、1980年から2020年まで金利低下によって米国株が上昇したこととまさに反対のことが、金利上昇局面においては起きるだろう。

結論

ガンドラック氏は次のように纏めている。

金利が上がれば株式にとって競争は激しくなる。債券と株式のリスクプレミアムを比べれば、株式のバリュエーションは現在、われわれの生きている間で一番高くなっている。

これは2024年には問題となるだろう。

世の中では金融庁にそそのかされ、金利低下局面で株式を買わなかった人が金利上昇局面で株式を買い始めている。それがどういう面白い状況か、この記事を読んだ人ならば分かるだろう。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
また、金融庁の資料に過去20年の株式や債券のパフォーマンスが乗せられ、それを根拠に投資が推奨されていることがどれだけ可笑しいことであるかも、この記事を読んだ人には分かるはずである。

「株式の長期投資はほぼ儲かる」という幻想は金融庁の「 基礎から学べる金融ガイド」から来た
だが誰も気にしていない。

何故なのか。短期的には金利上昇を誰も気にしていないこととまったく同じように、金融庁の職員の多くは投資を仕事にしたこともない資産運用の素人であり、NISAは銀行・証券業界に手数料を落とす目的で出来上がったのだが、ガンドラック氏ら専門家の見解の真逆を行く彼らの見解を鵜呑みにすることに誰も何の疑問も抱かない。そもそも金融庁職員は多くの資産への投資を禁じられているため、もしかすれば自分よりも投資経験がないかもしれない彼らの投資推奨を人々は有難く聞いている。

基本的に人々は何も気にせずに生きている。だが金融市場は彼らに相応の結果を与える。来年の前半にはすべては終わっているだろう。

米国インフレ率が下がれば下がるほど株価にはマイナス、株式の買い手は逃げるべき

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/39962
48:777 :

2023/09/19 (Tue) 03:09:54

レイ・ダリオ氏、投資で最悪の間違いは何かを語る
2023年9月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40002

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、Milken Institute主催の会議で投資における最悪の間違いについて語っている。

多くの投資家の最大の間違い

多くの投資家が犯す最大の間違いは何か。この会議でダリオ氏は様々な議題について語っているが、いくつか簡潔な質問を並べられた中にあった質問がこれである。

読者ならどういう間違いを思い浮かべるだろうか。例えばNISAブームにそそのかされて投資を始めることだろうか。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
ダリオ氏は次のように答えている。

これまで良いパフォーマンスを出している投資を、割高だと考えずに良い投資だと思いこむこと。

良いパフォーマンスを出しているということは、価格が上がっているということである。

恐らくそのデータの受け取り方は、素人とプロで違う。多くの人は、これまで価格が上がっているのだから良い投資なのだと考えるだろう。だが実際には、他の条件が同じならば、価格の上昇は資産としての魅力が下がったこと以外の何物でもない。

価格上昇の意味

これは確かウォーレン・バフェット氏が言っていたことだと思うが、多くの人々は1ドルのりんごが2ドルになれば割高になったと考えるが、1ドルの株式が2ドルになれば買いたいと思い始める。

この冗談には多くの真理が含まれている。投資家もスーパーで野菜や果物を買う人の心理で投資に向き合うべきなのである。投資とは同じものを安く買って高く売ることである。高いものを買っても良いことなどない。

1ドルのものが2ドルになったならば、他の条件が同じならば、それは単に割高になったのである。

だが多くの投資家はそのようには考えられない。その典型的な例が金融庁の職員である。金融庁が素人に投資を推奨している「基礎から学べる金融ガイド」には、次のようなチャートが掲載されている。


過去20年間のパフォーマンスが誇らしげに載せられている。

だが、ここには資産運用を仕事にする人間であれば誰でも知っている事実が見逃されている。過去のパフォーマンスは、将来のパフォーマンスを占う上で何の役にも立たないということである。過去のパフォーマンスを見て良い投資が見分けられるならば、誰でもファンドマネージャーである。だが資産運用業はそれほど甘くない。

過去のパフォーマンスを押し出して素人に将来のパフォーマンスを夢想させるというのは、例えば銀行が何も知らない老人たちに投資信託(プロは決して買わないが素人は良く買う)を買わせるためによくやる手だが、だから彼らは老人しか騙せないのであって、まあ金融庁にも似たような人材しか居ないからこういう理屈で投資を薦めるのだろう。

過去のパフォーマンスの意味するところ

だが過去40年の株式の上昇相場は、1980年に始まる金利の長期下落が原因だということはここでは何度も指摘しておいた。DoubleLine Capialのジェフリー・ガンドラック氏も指摘している通りである。

ガンドラック氏: 株価の長期上昇を支えてきた過去40年の低金利はもうない
そして低金利はもうない。インフレが始まり、金利を上げなければならなくなったからである。金利低下時における株式市場のパフォーマンスは、コロナ以後のインフレ・金利上昇時における株式市場のパフォーマンスとは何の関係もない。

そして1970年代の物価高騰時代における米国株のパフォーマンスは、以下の記事で説明した通り酷いものである。これがインフレ・金利上昇時における株式のパフォーマンスである。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
だが、それでは過去のパフォーマンスは投資をする上で何の意味もないのだろうか。ファンドマネージャーは過去の株価チャートを見ないのだろうか?

当然過去のチャートを見る。だが、それが将来のパフォーマンスを決めるとは思っていない。では何のために見るのか? その資産がどういう時に上がり、どういう時に下がるのかを調べるためである。

その資産は1970年代のインフレ・金利高騰時代には上がったのか、下がったのか? その後の1980年から2021年までのデフレ・金融緩和時代にはどう動いたのか?

戦争があればどういう資産が上がり、どういう資産が下がるのか? パンデミックが起これば資産価格はどのように動くのか?

それを調べるための資料が過去の価格チャートである。そして例えば、これからインフレ・高金利の時代が来るならば、デフレ・金融緩和で上がった銘柄ではなく、インフレ・高金利の時代に上がった銘柄を買うべきなのである。

結論

ということで、過去の価格チャートはその資産がどういう性質を持っているのかを調べるためのもので、今後のパフォーマンスが良いか悪いかとは何も関係がない。

金融庁の投資推奨がどれだけ馬鹿げたものか、この記事を読めば誰でも分かるだろう。また、金融庁が推奨しているもう1つの方針である「分散投資」については、世界最高のファンドマネージャーの1人であるスタンレー・ドラッケンミラー氏が次のように言っている。

ドラッケンミラー氏、個人投資家の投資スタイルを酷評
彼らは分散投資をすれば、集中投資をするよりリスクが低くなると言う。それが正しいとはまったく思わない。

金融庁の投資指南は控え目に言っても天才的である。彼らは本物の資産運用家の逆を行くことに関して稀有な才能を発揮しているので、是非読んでみてもらいたい。

「株式の長期投資はほぼ儲かる」という幻想は金融庁の「基礎から学べる金融ガイド」から来た

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40002
49:777 :

2023/09/22 (Fri) 04:50:12

暴落に備える5つのポイントと1つの禁止事項
つばめ投資顧問 の長期投資大学
2023/09/21
https://www.youtube.com/watch?v=oihofeIlydE
50:777 :

2023/09/27 (Wed) 17:55:11

日本の成長率が自国通貨建てG7トップ
2023.09.27
https://www.thutmosev.com/archives/299325tf.html

自国通貨建てだと日本がトップ


https://weekly-economist.mainichi.jp/articles/20221220/se1/00m/020/054000c 日本経済総予測2023:目覚めるか“眠れる美女”日本 2023年の成長率はG7トップ!_ 谷道健太/和田肇 _ 週刊エコノミスト Online
日本の過去10年成長率がG7トップ

ブルームバーグによると日本は長い不況から抜け出してG7で成長率トップになっていて、先進国の羨望の的になっている

にわかには信じがたいが記事によると日本の一人当たりGDPの伸びは、2013年から22年の間に自国通貨ベースで最も大きかった

日本は10年間に人口が2%減少したが一人当たりGDPは62%増の472万円(約3万2000ドル)となりG7で最も成長率が高かった

米国は人口6%増でGDP16%増、カナダは人口12%増でGDP45%増、英国は人口5%増でGDP48%増、ドイツは人口5%増でGDP32%増、フランスは人口3%増でGDP33%増、イタリアは人口1%減でGDP30%増だった

株価も好調で日本株は20年以降95%のトータルリターン(インカムゲインと値上がり益)を記録し米国(64%)、ドイツ(47%)、フランス(78%)などを上回りG7トップになった

トヨタ自動車はEVシフトで後れを取ったと言われているが23年9月に創業以来最高値を記録し今年も世界販売1位になる可能性が高い

日経平均株価は23年6月に3万3千円をつけてから足踏みしているが、今も3万2千円から3千円の水準を保っていて年後半に上昇する余地が大きい

ETFから日本に流入した資金は15億ドル(約2220億円)と過去最高最高、以前は中国への投資が多かったがチャイナリスクを敬遠して日本に投資する海外ファンドが増えた

ファンド運営者は「日本は隠れた機会のようなもので、市場の悲観的な見方が行き過ぎていたが多くの企業が空前の利益を挙げた」と振り返った

人口減少や旧態依然に見える企業、移民や女性の社会参加の遅れなどで日本は絶望的な機能不全に陥っているとの認識は否定されつつある

ノーベル経済学賞を受賞したポール・クルーグマンは肯定的な論調で「人口減少を考慮すると日本は著しい成長を達成した」と意見を述べた

アダム・トゥーズ教授は日本女性の有給雇用率はアメリカ女性よりも高いのを指摘し、おどろくべき転換が起きていると述べた

今まで低成長だった先進国の競争力が強まる
このように投資の世界では最近欧米で日本の評価が急上昇しているが、日本国内では相変わらず左翼を中心に「日本崩壊論」を楽しそうに語る人たちが多い

2013年から2023年の成長率はG7トップかも知れないがその前の2011年は福島原発事故と超円高があり欧米より回復が遅れた

2007年から2010年にかけて世界経済危機がありG7の他の国は皆2010年に回復を始めたが、日本だけは2012年以降に回復が遅れた

それにブルームバーグの記事は「自国通貨建て1人当たりGDP」というのがミソで、円安が進行したのでドル建てで計算するとかなり縮小します

また日本は人口減少しているので1人当たりではなく国全体で計算すると、やはりいくらか縮小してしまいます

通貨安の国は輸出競争力が高まると同時に他の国から見て割安になるので投資が増える傾向があり、円安がかなり後押ししています

例えば平均年収1000万円の国と400万円の国では普通の人は1000万円の国に魅力を感じるでしょうが投資家なら「400万円の国は1000万円の国の2.5倍成長力が高い」と考える筈です

NYのワンルーム平均家賃は50万円で東京は9万円で江戸川区なら6万円以下、バイト時給はNY3000円で東京は1000円程度になっています

これも多くの人は「アメリカは繁栄しているが日本は衰退している」だからアメリカに移住してバイトしようなどと考えるが、投資家は日本の方が成長力が高いと考えます

人類の歴史を振り返ると一時的に格差が拡大しても結局のところ人間個人個人の能力は同じだし、先進国間の格差は調整されています

それは繁栄し過ぎた国はコストが上昇するので競争に不利になり、繁栄が遅れた国は低コストによって競争が有利になるからです

中国の人件費はまだ地方都市では年収80万円くらいで北京や上海でも150万円程度、日本の1/3程度なのでまだまだ先進国よりずっと安い

だが中国は後進国としてはナンバー1で中進国としてもそこそこのレベルですが、先進国としては『壊れた独裁国家』に過ぎない

後進国、中進国、先進国という区別は依然としてあり、 アフリカのどこかがアメリカの100分の1の人件費だったとしても、その国がこれから100倍成長する訳ではない
https://www.thutmosev.com/archives/299325tf.html
51:777 :

2023/09/29 (Fri) 04:08:46

ガンドラック氏も米国のスタグフレーションを予想
2023年9月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40227

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が自社のウェブキャストでインフレと景気後退が同時に起こるスタグフレーションの可能性について語っている。

パウエル議長のインフレ退治

ガンドラック氏は2024年前半にアメリカ経済が景気後退入りすると予想している。コロナ後の緩和効果による好景気が終わり始める兆候が見られているからである。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気はそろそろ終わり、米国経済は減速する
問題は、次に景気後退が起こった時、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長がどうするかである。

パウエル氏自身は、インフレ退治をやり切ると主張している。だが、一部の専門家はパウエル氏の決意を疑っている。

ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
インフレ退治には痛みを伴う。そして痛みを伴うのはインフレが収まった後である。それが2024年に訪れようとしている。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
景気後退と金利予想

現在既にアメリカの失業率は上がり始めているが、問題は失業率が更に上がった後のパウエル氏の対応である。

8月雇用統計は遂に失業率の上昇開始、インフレ後の大量失業の始まり
景気後退の前後に金利はどうなるのか。ガンドラック氏は次のように述べている。

景気後退が起これば、通常債券の金利は下がると予想する。

実際、これから景気後退になれば金利はまず下がると予想しているが、景気後退に対する政府の対応が、ここ数十年の景気後退でそう有り続けているように過激なものになるのではないかと考えている。そしてそれがインフレを引き起こす。景気後退と同時にインフレになる。

それはスタグフレーションである。サマーズ氏に続き、ガンドラック氏も同じ予想をしている。

サマーズ氏、米国のスタグフレーションの可能性を示唆
スタグフレーションにおける金融政策

中央銀行はこれから難しい舵取りを強いられる。2024年に景気後退が待ち受けている中、原油価格が上がっている。


インフレ率はそれほど下がらないが失業率が急増する場合、中央銀行は引き締めを続けてインフレ退治を継続するのか、それとも緩和をして失業率を押し下げるのか? しかし緩和をするとインフレは酷くなる。

ガンドラック氏は次のように述べる。

インフレが戻ってくるリスクが間違いなくある。わたしが予想するように債券が上昇(訳注:金利は低下)した後、景気後退が始まる頃に、インフレと景気後退が同時に起こり、金利が上昇するという見慣れない状況を見ることになるかもしれない。政府の政策のお陰だ。

リーマンショック以後の緩和が2018年の金融引き締めで弾けかけたために、アメリカは金融正常化が出来なかった。バブルは継続し、その土壌の上でコロナ後の現金給付を行なったためについに物価が高騰した。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
政府の緩和のお陰で状況は段階的に悪くなっている。それでも人々は政府から現金が降ってくることを願う。

もうどうしようもないのである。行き着く所まで行く以外に結末は有り得ない。最終的に紙幣ではものは買えなくなり、為替レートは下がって自国民には厳しいが外国人観光客には優しい国の出来上がりである。

世界最大のヘッジファンド: 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ
日本もそうなりつつある。日本国民が自分で当選させた政治家のもたらした結末である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40227
52:777 :

2023/09/29 (Fri) 21:06:17

世界最大のヘッジファンド: 米国の消費の落ち込みは止まらない
2023年9月29日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40247

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、自社の動画配信でアメリカ経済の見通しと金利との関係について語っているので紹介したい。

最近の債券安

アメリカでは金利が上がっている。アメリカの長期金利は次のように推移している。


国債の金利が上がっているということは価格が下がっているということであり、ダリオ氏も多くの債券(国や企業の借金)が出回っている一方で、買い手が十分にいない可能性を以前より危惧していた。

最近の金利上昇(債券価格下落)は、ダリオ氏の予想が的中していると言える。それが株式市場にも影響を与えている。

ガンドラック氏: 株価の長期上昇を支えてきた過去40年の低金利はもうない
金利上昇と実体経済

ダリオ氏によれば、債券の需給バランスが壊れ、債券が下落し続ける(金利が上がり続ける)のが経済サイクル末期の症状である。

それはアメリカの実体経済にどのような影響をもたらすのか。ダリオ氏は次のように説明している。

まず債務の支払いが消費を侵食し始める。債務が収入に比べて大きくなり、金利が上がれば、債務の支払いが増加する。そして消費が鈍り始める。そしてある時点からそれは自己強化的に加速し始める。

これは消費者にも政府にも言えることである。金利が上がったことにより、政府の利払いも急増している。米国政府のGDP比の利払いのグラフは次のようになっている。


世の中に存在する膨大な国債の金利が軒並み上がっているのだから当たり前である。

一方で、消費者は政府よりもより良い状態にあった。現金給付で消費者の借金を政府が肩代わりしたのだから当然だろう。この点についてはSoros Fund ManagementのCEOドーン・フィッツパトリック氏が去年から指摘していた。

2022年のフィッツパトリック氏の経済予想が完全に当たっている
だが、失業率が上がり始めれば話は別である。

8月雇用統計は遂に失業率の上昇開始、インフレ後の大量失業の始まり
2022年に始まった金融引き締めで先ずダメージを受けたのは消費者ではなかった。ローンとは関係の薄い消費はあまり減速せず、借金を利用することの多い企業の設備投資は大きく減速した。

だが企業が苦しめば結局は労働者も苦しむことになる。失業率の上昇は、次は消費者が苦しむ番であることを示している。

債務不履行のスパイラル

経済学者ラリー・サマーズ氏も以下の記事で、クレジットカードなどのローンの滞納率が増加していることを指摘していた。

サマーズ氏、米国のスタグフレーションの可能性を示唆
これまでコロナ後の現金給付の余韻で羽振りがよかったアメリカの消費者に限界が見え始めている。

ダリオ氏はこれから消費が減速することを予想し、 しかもその減速は自己強化的であると言っている。

何故か。滞納や債務不履行が増えれば、金利が上がる。しかし金利が上がれば消費者はますますローンを返せなくなる。

ダリオ氏は次のように続ける。

本当の問題が起きるのはそれからだ。より大きな問題は、債務の保有者がこの問題に気付き、中央銀行が紙幣印刷で収拾を付けなければ大きな損失となる。そして債券の保有者が債券を売り始める。

2008年以降、債務があまりに増えすぎたので中央銀行が紙幣印刷で債券を買い始めた。それが量的緩和である。

だがコロナ後の現金給付によってインフレが起こり、中央銀行は債券の保有量を増やすのではなく減らさなければならなくなった。それが量的引き締めである。

中央銀行が買わず、銀行もシリコンバレー銀行の破綻に見られるように、コロナ後に下落した債券の大量保有で既にかなり傷ついている。では誰が米国債を買うのかとダリオ氏は以前から言っているのである。

それで債券価格は下落している。債券が下落すると金利が上がるので、それで株価も落ちる。金利と株価の関係については、以下の記事で説明している通りである。

米国株が完全に割高である理由と株価の推移予想

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40247
53:777 :

2023/10/03 (Tue) 08:16:40

止まらぬ円安1ドル=150円に迫る 海外生活を円で換算すると…各支局員が取材(2023年9月27日)
2023/09/28
https://www.youtube.com/watch?v=83fcAFWyKVQ

円安が止まりません。27日は、一時、今年最安値を記録しました。1月には、1ドル127円台をつけていましたが、気づけば150円台に迫っています。

外国人観光客が戻ってきた日本。一方、日本からの海外旅行の数は、コロナ前まで戻ってないそうです。
阪急交通社広報部・鈴木毅部長:「円安がなければ、すぐにでも100%、120%の回復があったと思う。円安の影響もあり、現状(コロナ前の)6割くらい。徐々に上がってはきているものの6割程度です」

歴史的物価高に直面するアメリカ。そこに円安というダブルパンチです。
アメリカ・ニューヨークで在住邦人御用達の日本食スーパー『KATAGIRI』。長期滞在に欠かせないこの店の商品を円に換算してみました。卵が8ドル59セント、約1280円。カットされた長芋は約730円、えのきだけが約670円。豆腐は1パック約450円します。
現地在住者:「初めは円に換算していたんですが、最近は円に換算するのをやめました。1ドル=130円くらいになったときもキツイなと思ったんですが、さすがにここまでくるとは思ってなかったです」
現地在住者:「母がおやつやお金を送ってくるけど、円安の影響で送りにくいと」

7月に赴任したばかりのニューヨークの親松支局長。一番驚いたのが、ラーメンだといいます。
ニューヨーク支局・親松聖支局長:「家族4人でラーメンを食べに行った場合、ラーメン4杯、そして餃子3つ、ビール2杯を飲んだ場合、2万円を超えてしまうんです。日本円頑張ってほしい」

次は、ロンドン。赴任して1年半になる佐藤記者の報告です。
ロンドン支局・佐藤裕樹記者:「自宅から支局に炊飯器を持ち込んで、お米をラップに包んで、冷蔵庫に置いておきます。ランチに食べるご飯です。 ロンドンに来てからランチを外に食べに行くことは、ほとんどありません」

佐藤記者が赴任した当時は、1ポンド152円ほど。それから1年半で、180円を超えています。
ロンドン支局・佐藤裕樹記者:「ビール1杯、1年半ほど前は850円で飲めたが、物価高騰と円安が進み、今は、1杯1260円です」

円安の波は、タイにも押し寄せています。タイではいま、史上2番目の円安状態にあります。安く遊べる旅行先として日本人に人気でしたが、バンコクの繁華街でも、マッサージ店でも日本人観光客の姿は、ほとんど見られなくなったそうです。
マッサージ店オーナー:「(日本人は)前は多かったけど、すごく減っています。売り上げが減れば、店の存続も懸念されますし、従業員の収入も減ってしまいます」

終わりの見えない円安。こうしたなか、働き先を海外に求める日本の若者たちが増えています。
オーストラリアへのワーキングホリデーを希望(18):「円安だと、あっちで稼げば稼ぐほど日本のアルバイトより稼げて、貯金もできて、帰ってくればよりお金が増える。こっちでアルバイトするより良いかな。英語も学べるし」

ワーキングホリデーの相談件数は、 1年前に比べて1.6倍に増加。実質賃金が下がり続ける日本で正社員になるより、海外でアルバイトをしたほうが収入もいいし、スキルも身に付くと考えるからです。
ワールドアベニュー・松久保健太社長:「(Q.円安の影響でさらに稼げる)正直言って、稼げるかなと思います。日本の給与と比べて、とても高い給料で、物価が高いのもあるんですけれども、円安になって厳しいところあるが、現地に行って稼げるところも踏まえて、ワーキングホリデー挑戦したいという方は増えている印象」

※気になるのが“為替介入”です。

去年9月に、1ドル=145円台に突入した際、政府は、24年ぶりに為替介入を実施し、10月と合わせて合計3回、行っています。このときの効果について、ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト・上野剛志さんは「年末にアメリカの利上げ幅が縮小する見通しが広がり、一時、ドルが下落した。この間、円安の進行を一定程度抑制した」としています。

為替介入はしないのでしょうか。

上野さんによりますと、「為替介入は過度な変動を抑制するために行うもの」ということです。去年は、8月から9月にかけて急激に円安が進んでいます。一方、今年は、去年の同じ時期と比べて変動は緩やかに見えます。そのため、現段階では、介入の可能性は低いといいます。

また、上野さんは「円安のときの介入は“ドルを売って円を買う”介入。そのため、政府が持つ外貨が減る。将来の介入や、海外への支払いを考えると、外貨を持っていることが余裕につながる。介入せずに円安が収まるのなら、それがベスト」としていますが「今後1カ月くらいの間で、1ドル150円を超えてくれば、為替介入の可能性は高まってくる」といいます。

ただ「今後、円安は落ち着く可能性があるのでは」としています。「アメリカのインフレは、今後、おさまっていく傾向にある。そして、金利政策を決めるFRBの11月の会合で利上げは打ち止めになる可能性が高い。そうなれば、日米の金利差が、これ以上広がらなくなるので、為替も『1ドル・145円程度』ではあるが、落ち着くのでは」とみています。
54:777 :

2023/10/12 (Thu) 02:02:59

ガンドラック氏: 最近の株価下落の原因と景気後退時の米国株予想
2023年10月11日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40528

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がFox Businessnのインタビューで最近の米国株の下落の理由と今後の見通しについて語っている。

近づく決算シーズン

9月が終わり、次第に第3四半期の決算が発表される時期となる。株式市場にとっては言うまでもなく重要な期間なのだが、それについてガンドラック氏は次のように述べている。

決算シーズンを通過するにつれて、市場のムードがどうなってゆくかを観察するのは有益だ。

いつものことだが、決算シーズンになると途端に皆が「金利が高いから」「エネルギー価格が高いから」と言い始める。

高金利の問題も原油価格上昇の問題も元々あったのだが、決算シーズンに悪い決算が出てくると、いきなり人々は元々あった悪材料に注目し始める。

だが悪材料は元々あったものだ。だから決算が悪いと、株価には二重で悪材料になる。1株当たり純利益が下がること自体が悪材料である上に、株式市場がこれまで平然と無視していた悪材料(例えば金利上昇)を何故かいきなり織り込み始めるからだ。

これは2021年にインフレの脅威を何の根拠もなく無視し続けたFed(連邦準備制度)のパウエル議長に似ている。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
だがパウエル氏も株式投資家も知能の水準は同じようなものなのである。だから見ようと思えばずっと目の前にあったはずの脅威を無視し、危険が本当に差し迫って始めて騒ぎ始める。

2018年に金利が高騰した時の株式市場もまったく同じだったことは、ここでは何度も言及している。当時も株式市場は高金利の脅威を一定期間無視していた。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
だから株式市場のムードを見ておくことは重要である。そしてガンドラック氏は現在の市場について次のように述べている。

人々のムードは落ち込みつつあるように感じる。そしてそれが空高く上がっている株式のバリュエーションとぶつかる。

株式市場が揺らいでいる理由

決算シーズンがまだだというのに、株式市場のムードは悪くなっている。

それは何故か。ガンドラック氏はまず、株価が何故現在の水準まで上がったのかを説明する。

だがバリュエーションが空高く上がることができたのは、金利がゼロだったからだ。だがゼロ金利はもうない。

今や企業はローンに対して3倍か4倍の金利を支払っている。あるいは銀行危機のせいでもはやローンを受けられない企業もある。クレジットカードの金利も上がっている。

株価は以下の計算式で計算される。

株価 = 1株当たり利益 x 株価収益率
低金利によって企業利益も底上げされることに加え、低金利の時代には株価収益率が上がる。低金利時代の株高はこの式によって肯定される。

だが、何度も言っているが、低金利はもうない。ジョージ・ソロス氏が著書『ソロスは警告する』でリーマンショック前に次のように書いたのと同じ状況である。

住宅価格が下がりはじめているにもかかわらず、ゲームの終了が読み取れない参加者が、まだ大勢残っている段階だ。

当時の言葉で言えば、住宅バブルは終わっていた。今の言葉で言えば、低金利バブルはもう終わっている。だが人々はまだ踊っている。

金利上昇が経済にもたらす影響

金利は実際、どのようにして実体経済に影響を及ぼすのか。

一番分かりやすいのは利払いの増加である。そして実体経済に一番大きな影響を及ぼすのは、発行残高が一番巨額な国債だろう。

だがそれは金利を5%台まで上げたからと言って、急に実体経済に影響を与えるわけではない。コロナ前の低金利の時代に発行された低金利の債券については、今でも低い金利を支払うだけだからである。

だが、借金にはいずれ期限が来る。そして借り手は今の高い金利で借り換えることになる。ガンドラック氏は次のように説明している。

3年物国債や5年物国債のように、3年以上前に行われた借り入れは、0.5%かそれよりも低いような金利のままいまだに存在している。それが借り換えの時には5.5%になる。5%の金利上昇だ。

高金利を十分に続ければ、33兆ドルの国債に対して利払いは1.7兆ドル増える。年間1.7兆ドルだ。これは物凄い数字だ。

アメリカのGDPは27兆ドルなので、1.7兆ドルはGDPの6%である。これは利払いの増加分だ。すべての国債が今の高金利で置き換えられれば、それだけでリーマンショックの倍ほどのダメージをアメリカ経済に与える。

半分でもリーマンショックと同じ規模である。それが5%台の金利の意味である。

そして利払いが消費を侵食してゆく。ガンドラック氏はこう続けている。

金利が今の水準に保たれ続ければ、利払いなど不可避の支払いの他にはもはや資金が何も残っていない状況にいずれなるだろう。

株価下落の理由

ただ、この借り換えは徐々に行われてゆく。債券には3年物や5年物など様々な期間があり、期限が来たものから借り換えられてゆく。

ガンドラック氏は次のように補足している。

これには人々が思うよりも長い時間がかかる。だがもう金融引き締めが1年半続いており、もうすぐ2年になるが、Fedは6月や7月に見られたような株式市場の緩和転換期待には応えないという決意を何度も明確に表明している。それで株式市場はバリュエーションの見直しを迫られている。

ガンドラック氏によれば、それが最近の株価下落の理由だということだ。米国株は次のように推移している。


米国株は今後どうなるか。株価の計算式をもう一度掲載しよう。

株価 = 1株当たり利益 x 株価収益率
ガンドラック氏は次のように予想する。

景気後退になれば、現在のような株価収益率を保つことは極めて難しくなるだろうし、利益も恐らく下がるだろう。

利益と株価収益率が下がれば株価はどうなるか。もう少し具体的な計算については以下の記事で行なっているので、そちらも参考にしてもらいたい。

2024年の米国株予想: 株価は最大で50%下落する

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40528
55:777 :

2023/10/19 (Thu) 20:43:23

ガンドラック氏: アメリカの景気後退でドルは暴落する
2023年10月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40751

引き続き、Fox BusinessによるDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のインタビューである。今回はドルについて語っている部分を紹介する。

まだ強いドル

ドルの先行きには様々な議論があるが、今のところドルは高値水準で推移していると言って良いだろう。ガンドラック氏は次のように述べている。

ドル指数は、対ユーロの影響は強いが、115から100まで下がったものの、再び上昇している。ドルはまだ弱くない。

ユーロドルのチャートを掲載してみよう。下方向がドル高ユーロ安である。


2022年にはFed(連邦準備制度)の利上げによってドル高になった。だが2022年秋頃にアメリカのインフレ減速が明らかになると、ドルは下落(ユーロドル上昇)に転じたが、最近ではまたドル高になりつつある。

ドル高の原因

ドル高の理由は何だろうか。ガンドラック氏はこう語っている。

大部分はFedが理由だ。Fedは世界でもっともタカ派の中央銀行となっている。

ドル高の原因の1つは、FedがECB(欧州中央銀行)や日銀よりもタカ派であることである。日銀は徐々に実質利上げを行なっているが、それでもFedの利上げ幅には及ばない。

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想 (2023/3/2)
ECBも同様である。

だが、最近のドル安に関してはそれだけが原因ではない。何故ならば、Fedは現在利上げを停止しているにもかかわらず、アメリカの長期金利は上がっているからである。


政策金利は上がっていないのに長期金利だけが上がっている。それが最近のドル高の原因となっている。

その理由は米国債の量が多過ぎるからである。Fedが国債の買い入れを止めているにもかかわらず、アメリカ政府は大量の国債を発行しているので、買い手がおらず米国債が暴落している。

債券にとって価格下落は金利上昇を意味するので、それで10年物国債の金利である長期金利が上がっているのである。ポール・チューダー・ジョーンズ氏などは長期金利はまだまだ上がると言っている。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
ドル相場の今後の見通し

ではドルはこのまま上がってゆくのか。ガンドラック氏は次のように述べている。

だが景気後退が来ればドルは下落することになる。最安値を更新することになるだろう。

国債の買い手不足という問題はあるが、それでも景気後退になれば投資家は株式などのリスク資産を捨てて国債を買おうとするだろう。そうすれば金利が下がり、ドルは下落することになる。

ドルはこれまでかなりの無茶を通してきた。コロナ後の現金給付によってアメリカは10%近いインフレになった。インフレとはドル紙幣の価値が下がり、ドルでものが買えなくなる状況のことである。

にもかかわらず、為替相場ではドルはむしろ上がった。それはドルが基軸通貨だからである。ドルをどれだけばら撒いても、そのドルを欲しがる人が世界中にいる。イギリスが同じようなばら撒きをしようとしたが、ポンドと英国債が急落して撤回を余儀なくされた。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
ドルはいくら印刷されてばら撒かれても価値が落ちないのか? この問題はファンドマネージャーのレイ・ダリオ氏と経済学者のラリー・サマーズ氏が討論していた問題である。

ダリオ氏とサマーズ氏のドル下落に関する論争
結論を言えば、紙幣印刷によるドルの下落は起きなかったのではなく、 延期されただけである。景気後退と同じである。

ドラッケンミラー氏: それでも米国経済はハードランディングする
だからタイミングが問題となる。ガンドラック氏もドルの下落を待っている。彼は景気後退を来年前半と予想しているから、ドル下落もそれくらいかその前ということだろう。

ドルの下落については2018年の世界同時株安の事例が恐らく参考になる。またそれについても記事を書くべきだろう。

ドル円、予想通り急落 (2018/12/21)

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40751
56:777 :

2023/10/19 (Thu) 20:48:26

日本のGDPや収入は現在の2倍の価値がある
2023.10.18
https://www.thutmosev.com/archives/303633d.html

為替は循環するものなので、こういうのを比較しても本質は見えてこない


https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1078808 1人当たりGDP 日本20位 21年 0.5%減少 _ 沖縄タイムス+プラス
日本は安い国になったか?

空前の円安と日本以外でインフレが進んでいる影響で日本の物価は外国より安く日本人の時給や給料はスイスやアメリカの半額、地価や家賃もおよそ半額にまでなっています

これを悲観的に考えて日本は落ちぶれてしまった、日本はもうだめだ終わったという人が多い気がするがこの手の事は循環的なものでやがて解消します

2011年の日本は1ドル75円の超円高で苦しんでいてハイパーデフレ不況に陥って、安倍首相は金融緩和(つまり円安)を公約に華々しく復帰した

金融緩和は日銀がお金の量を増やす事なので、円が増えてドルが同じなら1ドルに対して増えた円は円安へと推移していきます

今も日銀は「まだインフレが足りない」と言って金融緩和を続けているので、続けている限り円安は続き円は安くなり続けるでしょう

でもこれには終わりがあり永遠に金融緩和を続ければハイパーインフレになり1ドルは1万円にもなり日本はジンバブエのようになります

日銀は「インフレ率2%に達したら金融緩和を辞める」と言っているので、このペースだと今年いっぱいとか来年前半にも方向転換します

日銀が金融緩和を続ける理由はデフレ脱却と経済成長で、安倍首相と黒田総裁が言っていた2%成長と2%インフレ目標がそれでした

2つの目標を達成し金融緩和を修正すると今度はドル安円高に動き始め、過去の法則からは10年から15年かけて「1ドル100円以下」になっています

こういう場合快適水温で止まる事は絶対になく、円安でも円高でも死人が大勢出るまでは絶対に為替の動きは止まりません

自分の予想では10年から15年後に1ドル75円を割り込み、もしかしたら1ドル60円台への突入もあり得ると考えます

その時日本のGDPは今の為替レートの2倍に膨らむわけで軽く10兆ドル以上、という驚くべき数字になっています


1995年は阪神大震災で幕を開け1ドル79円まで円高が進んだ「円高のターン」だった。こういう時は何をしても円高になります
https://www.youtube.com/watch?v=rTqH75f1d30


今は円安のターン
円がドルに対して2倍になると東京都NYの地価や家賃は同額程度になり、日本とアメリカの給与水準もハンバーガーの値段も同じくらいになります

まさにバブル再来というわけで日本人はまたゴッホの絵を買ったりマンハッタンの一等地を購入するのかも知れません

荒唐無稽に思えても為替相場は高くなったり安くなったりするもので、ドル円の場合は2倍程度幅で高い安いを15年以内の周期で繰り返しています

日本はずっと経常黒字でアメリカはずっと経常赤字なので、長期的にはお金は「アメリカから日本」に移動しドルが安く円が高くなります

だが貿易などでドルを得たトヨタなどの日本企業はアメリカや中国や新興国に投資するので、日本円に交換せず日本に戻っては来ません

だが2008年世界経済危機や巨大地震で本社の経営がひっ迫すると、日本企業が一斉にドルから円に資金移動するので円高になります

もう一つの要因は日本は他の世界より常に低金利なので、日本で金を借りて外国に投資する「円キャリー」と呼ぶお金の流れがあります

円キャリーは円安ドル高の圧力ですが世界経済危機が起きると投資機関は投資を解消して借金を返済し、ドルから円に一斉に交換します

なので巨大地震や世界経済危機が発生すると円安だった為替相場は一気に円高に振れ、円の価値が短期間に2倍にもなる事が多い

次にそうなるのがいつか分かったら大金持ちですが、 世界大戦か金融危機か中国の消滅か新型ウイルスかも知れません

今は円安の時代なので日本のあらゆる価値は「本来の半額」になっているが、円高時代になればあらゆる日本の価値が2倍になります

なので現在の日本人の給料がアメリカの半額でも悲観する必要はなく、そういうターンが来ていて10年ごとにターンが入れ替わると考えれば良いです
https://www.thutmosev.com/archives/303633d.html
57:777 :

2023/10/26 (Thu) 04:53:44

2024年の米国株下落と景気後退: コロナ後の緩和資金が尽きるのはいつか
2023年10月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40997

2022年から行われてきたアメリカの金融引き締めの悪影響が様々な経済統計にようやく出始めているが、アメリカ経済が景気後退になるのはいつだろうか。

2024年の景気後退

コロナ後の現金給付による物価高騰で、アメリカは金利上昇を余儀なくされた。政策金利はゼロから5%台まで上がり、リーマンショック以降ゼロ金利に慣れきった実体経済が5%の金利に耐えられないことは明らかだった。

だからアメリカ経済には早くから景気後退の予想が出ていた。しかしその時期を的確に予想できていたのは、Soros Fund Managementのドーン・フィッツパトリック氏くらいだろう。

2022年のフィッツパトリック氏の経済予想が完全に当たっている
フィッツパトリック氏は去年の段階でアメリカの景気後退が2023年には起こらず、2024年までずれ込むことを予想していた。それは多くの専門家の予想よりも遅かった。景気後退が延期された理由は、コロナ後にばら撒かれた現金給付の資金が実体経済の中にまだ残っているからである。

アメリカでは日本よりも多額の現金給付が複数回行われた。その資金は一部は消費に回され、一部は借金返済に使われ、一部は預金に回っただろうが、使われようとも貯蓄されようとも経済の何処かには資金は残っている。

アメリカのマネーサプライ

現金給付によって資金がどれだけ増加し、今どれだけ残っているのかを考えるためには、やはり市中の現金と預金の総量であるマネーサプライのグラフを見なければならないだろう。アメリカの実質マネーサプライのグラフは次のようになっている。


マネーサプライのグラフはここではお馴染みだが、最新の9月の数字が出たので、それを共有しておきたかったのである。

マネーサプライは現金給付で急増し、その後インフレ対策の金融引き締めで下落に転じているが、グラフをよく見るとマネーサプライは最近半年ほどやや停滞した後、ここ1、2ヶ月で下落トレンドを再開していることが分かる。

何が起こったかと言えば、恐らくは今年3月に始まった銀行危機で、預金者救済のために中央銀行が資金供給を行なったことが原因ではないか。ジェフリー・ガンドラック氏はこれをインフレ政策と呼び、短期的にはリスク資産にプラスとしていた。

ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想 (2023/3/18)
それは恐らく正しかっただろう。この資金注入は金利を押し下げ、株価の一時的な上昇をもたらした。

恐らくはそれがマネーサプライにも出ているのではないか。だが銀行危機は忘れ去られ、マネーサプライも下落が再開している。

緩和資金がなくなるのはいつか

現金給付で急増したマネーサプライがコロナ前の水準まで戻った時が、緩和資金が経済から完全に消え去る時である。

もう一度マネーサプライのグラフを掲載してみよう。


下落再開後のマネーサプライは1ヶ月でおよそ500億ドルのペースで減少している。現在のマネーサプライはおよそ6兆8,000億ドルであり、コロナ前の水準はおよそ6兆ドルなので、マネーサプライがコロナ前の水準まで下落するにはおよそ1年4ヶ月かかることになる。

結論

はっきり言ってこの数字は銀行危機後の預金者救済で延長された数字であると言える。それが原因でマネーサプライは半年近く足踏みしていたので、その分下落は止まり、結果としてアメリカの景気後退も先延ばしにされた。

銀行危機のようなプチクラッシュが再び起きてマネーサプライの減少がまた延期されるような可能性も考えられるが、仮に現在のペースで行くとマネーサプライがコロナ前の水準まで下がるのは2025年の初めということになる。

勿論、マネーサプライがそこまで吸い取られている頃には景気後退はほぼ確実であり、実際にはそれより前に景気後退となる確率が高い。

だが、マネーサプライの推移を考えると、景気後退はもしかしたら2024年第3四半期かもしれない。勿論第2四半期かもしれないが、第3四半期である場合、それが発表されるのは第4四半期となるため、景気後退が確定するのはかなり先ということになる。

株価の下落はもちろん景気後退よりも先である。

2024年の米国株予想: 株価は最大で50%下落する
だが、景気後退がいつかをタイムフレームに入れた上で、株価下落のタイミングを考える必要があるかもしれない。米国株は次のように推移している。


長期的見通しはいずれにしても変わらないのだが、投資家は景気後退の延期から利益を得られるようなトレードをすべきだろう。それについてもまた記事を書きたいと思っている。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40997
58:777 :

2023/10/27 (Fri) 21:19:58

レイ・ダリオ氏: 金利を上げた米国でも低金利を続ける日本でも債務危機は生じる
2023年10月27日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41082

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、サウジアラビアで行われたFuture Investment Initiativeで高金利と世界経済について語っている。

買い手のいない米国債

アメリカで米国債の買い手不足が問題となっている。

アメリカではコロナ後に債務が膨らみ、しかも金利が上がったことで国債に対する利払いも増えたので、アメリカ政府は資金調達のため大量の国債を発行している。

だが買い手が見当たらない。これまで国債を買い支えていたFed(連邦準備制度)は量的引き締めで国債の保有量を減らしている。銀行も国債の価格下落で苦しんでいる状態で、国債を買い支える余裕がない。

ダリオ氏は次のように述べている。

債務が大きくなるとき、債券を売らなければならないが、誰が買ってくれるのかを理解しておかなければならない。買い手が十分に集まらないとき、買い手は思った値段で買ってくれず債券を投げ売りしなければならなくなる。

債券にとって価格下落は金利上昇を意味するので、それで長期金利が急騰している。それが米国株の下落の原因となっている。

世界最大のヘッジファンド: 株安の原因となっている長期金利上昇には大幅な上昇余地がある
巨額の債務がついに金利上昇という形で問題となっている。政府債務の増加は問題ないと言っていた馬鹿は誰だったか。

ユーロ圏の債務問題

だがそれはアメリカに限った問題ではない。ダリオ氏はヨーロッパについてもコメントする。

ヨーロッパで起きていることを例に取ってみよう。

利上げをしなければならないとき、イタリアの債務の利払いには何が起こるだろうか?

ユーロ圏でもインフレと利上げが起こっているが、ユーロ圏はそれに加えて独自の問題を抱えている。

共通通貨ユーロを持つユーロ圏では、各国が独自の金融政策を取ることができない。政策金利はECB(欧州中央銀行)によって一律で決められる。

しかしユーロ圏の国々のインフレ率はまったく異なっている。例えばオーストリアではインフレ率は7.4%と高いが、オランダでは0.2%とほとんどデフレに落ちかかっている。

この状況で、オーストリアにもオランダにも適切な政策金利など存在しない。低インフレ国に金利を合わせれば高インフレ国には低すぎ、高インフレ国に金利を合わせれば低インフレ国には高過ぎる。

この状況は無茶苦茶である。ユーロ圏はインフレとその後の景気後退でほとんど空中分解するだろう。

ここまでは筆者がこれまで指摘してきたユーロ圏の問題だが、ダリオ氏はイタリアの利払いに言及している。利上げの影響が各国の債務残高によって違うことに言及したいのだと思う。

例えば、政府債務がGDPの50%の国で金利が1%上がれば、年間の利払いは50%の1%なのでGDPの0.5%分だけ金利の支払いが増えることになるが、政府債務がGDPの100%の国で金利が1%上がれば利払いの増加はGDPの1%分である。

具体的に言えば、ドイツの政府債務はGDPの67%だが、イタリアの政府債務は145%である。ちなみにギリシャは177%である。債務残高の多い国ほど利払いの増加に苦しむことになる。

ユーロ加盟国の経済格差はインフレと利上げによってますます深刻化するだろう。このトレンドに賭けるため、筆者は超長期でユーロスイスフランを空売りしている。これは筆者のポジションの中でもっとも長期のものである。


日本の債務問題

一方で、インフレに対して金利をほとんど上げていない国がある。日本である。

ダリオ氏は次のように述べている。

日本の金融政策はどうなっているだろうか。完全に異なる金融政策だ。しかしそれもトレードオフだ。

人々が長年望んできたインフレは起きた。不思議な話だが、それで人々は慌てている。インフレに良いも悪いも存在しない。インフレと経済成長は無関係である。金本位制でゼロインフレでも産業革命は起こったではないか。当たり前の話なのだが誰も気付かない。

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
だがどちらにしてもインフレは起きた。アメリカのように利上げで対応する国もあれば、日本のような国もある。自由にすれば良い。ダリオ氏によれば、どちらもトレードオフなのだから。

何故トレードオフなのか。利上げを行なった国では金利高騰と景気後退が起きる。行わなかった国では通貨が暴落する。

ダリオ氏は国債保有者の観点から次のように述べている。

それは国債自体の価格下落で国債の価値がなくなるのか、通貨の下落によって国債の価値がなくなるのかの問題だ。だが、どちらにしても価値は下がらなければならない。

海外の投資家の観点から考えてもらいたい。アメリカのように利上げで国債の価格が下落しても、日本のように国債の価格下落を抑える代わりに日本円の価値が暴落しても、日本国債を保有する海外の投資家にとっては同じことである。

結論

ほとんどの日本人は円建てでしかものを考えることが出来ないので、日本円で価値が下落していなければ価値が下落していないと思いこむ。

だが現実は迫ってくる。IMFの見通しでは日本のGDPは円安で減価したことによってドイツに抜かれ世界4位になるという。個人的には更なる凋落は近いと考えている。

もっと身近な話で言えば、インフレで日本人がものを買えなくなる中、円安で日本は安い国だと感じる外国人旅行客が自由に日本のものを買い漁っている。日本人が東南アジアの国々を安い国だと思っていたのと同じである。日本はそういう国になりつつある。

一方で日本人は日本円を持っていても海外からものを買うことができない。自国民に厳しく、外国人に優しいのが円安政策である。通貨安政策は完全な自殺行為だということを以下の記事で分かりやすく説明したにもかかわらず、日本人の大半は未だに理解していない。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、 日本も金利上昇による景気後退へ
アメリカのように利上げで国債が暴落しようが、日本のように低金利で通貨が暴落しようが、同じことである。

元々の元凶であるインフレ政策を行なってしまった時点で、対価を支払うことは決まっている。自分の選択の結果なのだから、好きな方の結果を受け入れれば良いだろう。

世界最大のヘッジファンド: 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ
ポールソン氏: 成功は紙幣印刷ではなく教育と勤勉さから生まれる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41082
59:777 :

2023/10/30 (Mon) 00:42:15

レイ・ダリオ氏、来年の世界経済に悲観的
2023年10月29日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41176

引き続き、Bridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のFuture Investment Initiativeにおけるインタビューである。今回はダリオ氏が来年の世界経済について語っている部分を紹介する。

来年の世界経済の見通し

来年の世界経済はどうなるだろうか。株式市場の意見を聞いてみるならば、米国株は最近下落しているとはいえまだまだ高い水準で推移している。


楽観のなかに不安が生じ始めているといったところだろうか。

だがダリオ氏は異なる意見を持っているようだ。ダリオ氏は来年の世界経済について楽観的か悲観的かと聞かれ、次のように答えた。

悲観的だ。

ダリオ氏は理由について以下のように説明している。

現在の環境には政治の問題があり、金融政策の問題があり、紛争の問題がある。

政治の問題は、アメリカで言えば来年には大統領選挙が控えている。そしてポール・チューダー・ジョーンズ氏は以下の記事で、民主党と共和党、どちらが勝ってもアメリカ経済は詰んでいると分析していた。

チューダー・ジョーンズ氏: 大統領選挙のアメリカ経済への影響
そして一番重要なのは金融政策の問題である。ジェフリー・ガンドラック氏は、2021年にアメリカのインフレ率が既に高騰していた中でFed(連邦準備制度)が緩和をやり過ぎたように、現在では実体経済は既に沈んでいるのに引き締めをやり過ぎていると主張している。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気は終わり、米国経済はデフレと景気後退へ
ただでさえ金利は高過ぎるが、更なる問題は大量に発行されている米国債に買い手がいないことである。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
Fed自体はしばらく利上げをしていないのだが、アメリカの長期金利は国債の買い手不足で急上昇している。


国債の金利が上がれば投資家はリスクのある株式よりも安全な国債を選ぼうとするので、金利上昇は株安の原因となる。最近の株価下落はそれが原因である。

金利は常に金融市場にとって最重要事項である。だから高い長期金利はそれだけで来年の経済に悲観的になる十分な理由になる。

だがそれに加えてハマス・イスラエル戦争がどのように転ぶか分からない。

レイ・ダリオ氏: ハマスとイスラエルの戦争が他の国を巻き込まない可能性は低い
もしこの戦争がイランを巻き込めば、この戦争は実質的にアメリカ(イスラエル)とイラン(ハマス)の代理戦争に発展する。ウクライナも考えれば、アメリカは間接的にロシアとイランの両方を相手にすることになる。

ただ、それでもアメリカ本土が戦場とならない限り、戦争が株価に直接及ぼす影響は限定的だろう。だが原油価格が上がる可能性はある。

そしてタイミングが最悪である。高金利で既にアメリカ経済が景気後退に向かっており、来年には利下げで対応しなければならない可能性が高いのに、その状況で原油価格が上昇しインフレになれば、インフレ対策で金利が下げられなくなる。そうなればアメリカ経済はインフレと景気後退が同時に来るスタグフレーションに陥るだろう。

サマーズ氏、米国のスタグフレーションの可能性を示唆
ガンドラック氏も米国のスタグフレーションを予想
結論

ダリオ氏は、将来に向けて楽観的な要素も挙げ、次のように述べている。だがそれも2024年の世界経済を救うには十分ではないという。

一方で、ここで議論されたような素晴らしい技術革新もある。それにはリスクもあるが、素晴らしいものを作り出す潜在力がある。

だがこれからの時系列を考えれば、これからの金融政策などが世界経済により大きな影響を及ぼすだろう。

来年について楽観的になるのは難しい。

ダリオ氏のポジションが実際にどうなっているのかと言えば、筆者の知っている最新の情報では、ダリオ氏は最近の株価下落の前に株式に対して弱気だったという。

世界最大のヘッジファンド、 株価下落の直前から米国株に弱気 (2023/8/23)

ダリオ氏の株価への見通し自体は、以下の記事で取り上げている。

世界最大のヘッジファンド: 米国株と米国債は両方とも更に大幅下落する
来月半ばには機関投資家のポジションを開示するForm 13Fも発表される。ダリオ氏のポートフォリオがどうなっているだろうか。そちらも報じるつもりなので、楽しみにしていてもらいたい。

レイ・ダリオ氏: 世界経済のドミノ倒しはもう始まっている、最初に飛ぶのはジャンク債

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41176
60:777 :

2023/11/11 (Sat) 06:25:09

ガンドラック氏: 米国は既に債務超過に陥りかけている
2023年11月10日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41463#more-41463

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はアメリカの負債と資産を比較している箇所を紹介したい。

アメリカの負債と資産

アメリカの政府債務は元々高かったが、コロナ後の現金給付などの支出により更に増加した。政府債務を増やして得られたものが物価高騰なのだから、インフレ主義者のやることは分からない。よほどインフレが好きなのだろう。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由

結果、現金給付によってアメリカ経済には莫大な政府債務とインフレが残った。だが、莫大な政府債務についてはよく言及されるが、資産の方はあまり注目されない。

資産がたくさんあれば、負債が多くとも問題ないはずである。アメリカ政府には負債しかないが、家計や企業は資産を持っている。アメリカは金持ちが多いから、きっと資産も多いことだろう。

実際にアメリカの負債と資産を比べてみるとどうなるのか? ガンドラック氏は次のように言っている。

usdebtclock.orgによれば、アメリカには211兆ドルの負債があり、それと同時に219兆ドルの企業資産と家計資産、個人事業者などの資産がある。

つまり、アメリカの負債はアメリカのすべての資産とほとんど等しいということになる。

債務は増加しており、ほとんど資産の額を上回りかけている。ほとんど債務超過である。最近債務超過になった企業はと言えば、恒大集団が挙げられるだろうか。

恒大集団の倒産危機と中国不動産バブル崩壊懸念まとめ
ガンドラック氏はこう続けている。

もし負債が資産より大きくなれば、いわばヘッジファンドが追証を要求されるような状況だ。つまり、すべての資産を時価で売り払っても負債すべてをほとんど返しきれない。

投資家は資産を上回るような赤字を出した時に追加で資金を要求される。冗談のようだが、これが世界トップの経済大国アメリカが陥りかけている状況である。あるいは恒大集団に近づいているとも言える。どちらにしても不名誉極まりない。

だがそれは事実である。アメリカはもうすぐ資産をすべて売り払っても負債を返しきれなくなる。そしてこれからも負債が増えるのであれば、その状況は悪化するばかりである。

更に言えば、負債は政府のもの、資産は民間のものなので、資産を売り払って借金を返すというのは、政府が民間の資産をすべて徴収して自分の借金返済に当てるということである。そしてそれでも負債の全額は返せない状況まであと一歩である。

債務超過の問題に陥るアメリカ

アメリカは債務超過の瀬戸際にある。そうなれば、アメリカは物理的にもはや借金を返すことができない。つまり、アメリカ政府には倒産リスクがある。最近の金利高騰を単に国債の需給の問題と言ってもいられなくなったのではないか。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
この問題は金利上昇による利払い増加によって悪化を続けている。それが前回の記事のテーマである。

ガンドラック氏: 米国の高金利が絶対に持続不可能である理由
だからガンドラック氏はこう言う。

金利が下がらなければならない。あるいは財政赤字が下がらなければならない。だがFedが「金利をより長くより高く」と言っている間は、そのどちらも起こらない。しかもそれに加えてアメリカの出費を呼ぶ戦争が起こっている。

結局、債務超過に陥った国家が借金の問題を解決する方法は、紙幣印刷しかない。だが紙幣印刷は通貨の価値を暴落させる。だが紙幣印刷で国債を買い支えないと国債が暴落する。レイ・ダリオ氏が日本に関して的中させた予想が今度はアメリカを襲っている。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
あるいは、ガンドラック氏は以前、政府債務を何とかするための最後の手段について語っていた。

ガンドラック氏、現金給付の次の緩和政策を語る

日本では、日本には資産があるので政府債務は問題ないと誰かが言っていた。だがアメリカと同じく政府にはそれだけの資産がないので、それは国民の資産を徴収して政府の借金を返すから問題ないという意味である。そしてそれはもう行われているではないか。

経済に関して他人の意見を鵜呑みにする人は本当に酷い目に遭う。自分の頭で考えることである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41463#more-41463
61:777 :

2023/12/05 (Tue) 19:28:58

ドル円は天井をつけたのか/実践!エリオット波動 有川和幸さん
https://www.youtube.com/watch?v=eO-fRBQO3VY

隔週でエリオット波動原理による進行想定をお伝えします♪

<訂正>
・00:34 リーマンショックの安値は、コロナ安値が正しいです。
・ブレトンウッズ体制でのドル円は、1ドル360円が正しいです。

収録日:2023年12月4日
出演者:一般社団法人日本エリオット波動研究所 代表理事 有川和幸さん
 https://twitter.com/jewri225

<チャプター>
00:00 ドル円は天井をつけたのか
00:10 2011年安値からの2つのカウントパターン
01:48 トライアングル説の弱点
03:45 ダブルスリー説に優位性
05:38 2011年安値からのジグザグが完成したあとは?
07:45 再び円高に?
08:37 まだ、(C)波途上の可能性も
09:56 ブレトンウッズ体制からの波動を含めると…
11:58 スーパーサイクル級(III)波進行中の可能性も
13:13 1874年からの波動カウントを考えてみる
15:54 年初からのダイアゴナルはすでに完成している可能性あり
16:56 小さなジグザグが残っているかもしれない
17:30 8/15動画「ダイアゴナル完成後は急反転」
19:19 免責事項

※関連 8/15動画 https://youtu.be/bqsyX8cB3i8
62:777 :

2023/12/19 (Tue) 19:32:18

円高・円安…いまどっちの銘柄を買ったら良いの?投資顧問が教えます
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/12/19
https://www.youtube.com/watch?v=GM74DFK47yo
63:777 :

2023/12/21 (Thu) 18:42:57

円高は、いつまで続き、いくらになるのか?エリオット波動原理の視点/実践!エリオット波動 有川和幸さん
https://www.youtube.com/watch?v=B410mp3CBsM

<チャプター>
00:00 2011年ボトムからのジグザグが完成したか?
01:30 エリオット波動ではジグザグ完成後の動きは確定できない
02:59 8月15日の動画ではダイアゴナル進行中と説明
03:52 ダイアゴナル完成後に起きる急反転の動きを警告
04:29 12月5日の動画ではダイアゴナル完成の可能性ありと説明
05:20 コロナ安値以降、ドル円は日米の金利差に相関
09:19 日本の長期金利はコロナ安値以降、上昇中
10:30 日本の長期金利(コロナ安値以降、日足)
11:04 米国の長期金利はコロナ安値から インパルスが進行中か
12:20 それともジグザグが完成か?
13:58 下向きのジグザグ複合形か?
14:58 ダブルジグザグでの進行想定例
15:45 下向きのインパルスか?
https://www.youtube.com/watch?v=B410mp3CBsM
64:777 :

2024/02/20 (Tue) 21:01:28

超円安の理由は日本政府が円安を歓迎しているから
2024.02.19
https://www.thutmosev.com/archives/75481156mmm.html

経常黒字と円高は今すぐにではなく、長期的な円高要因になる

img_560b660ff3aa48e667693d940135215c346274
引用:会社四季報オンラインhttps://toyokeizai.net/mwimgs/5/6/1040/img_560b660ff3aa48e667693d940135215c346274.jpg
通貨の価値が上がるのは良くない

為替相場は再び1ドル150円の超円安になっていて、財務省や円安を防止する「ふり」をしているもののどう見ても意図的に円安を仕組んでいる

というのも円安は今の日本に好都合だからで、円安によって株価は史上最高値を伺うところに来たし円安によってインフレ率が上がり企業収益も過去最高になった

これらは円高の時には日本という商品の値段が高すぎたので商品価値に見合っておらず、外資の日本売りにつながり企業収益も株価も低迷していた

円高とは「日本という商品が値上げする事」なので外国人は高くなった日本を買わず、もちろん現実の日本製商品も割高なので買いませんでした

円安とは逆に「日本という商品の値下げ」なので外国人は「これはお買い得だ」と言ってどんどん買っていき、株価は上がるし企業収益も爆上げになった

これと同じ事が終戦直後にも起きていて1941年開戦時のドル円レートは1ドル4円、1945年終戦直後のドル円実効レートは1ドル15円前後だったとされている

戦時中日米には国交も貿易も無かったが両国とも自国通貨を金と交換することができ、実際には中立国スイスで金を介してドルと円の交換レートも存在していた

戦争に負けて円の価値は1/4程度になったが日本の産業は壊滅したのでこれでも円の価値が高すぎ、日本側の要請によって1949年(昭和24年)から1ドル360円の固定相場になった

これは日本の産業を再生するために円安が必要だったからで、日本の値段をほとんど1/10に値下げした事で日本製品は競争力を持ち高度成長へとつながっていきました

戦後もし1ドル360円にせず1ドル4円や1ドル15円のままだったら、日本は長く不況のままで再生できず史実のような先進国にはなれなかった可能性が高い

為替レートとはこのように流動的なものなのでアホの評論家が言うように「円高は日本の価値が高まった」「円安で日本が落ちぶれた」のような簡単な事では無い

日本は1990年バブル崩壊後1ドル70円台の超円高を2度経験したが、これは「日本が偉くなった」訳ではなく、超円高は日本の産業に打撃を与え衰退を加速した

円高は起きるべくして起きる
円高に成るか円安になるか、政府はそれをを防止するべきかがいつも議論されますが、円安や円高になるのは予め決まっています

為替相場には「国際収支黒字(経常黒字)の通貨は値上がりする」「金利の低い通貨ほど値上がりする」という法則があります

経常黒字は簡単にいうと「貿易などで儲けた」ことなので、日本企業がアメリカで500万円の車を1台売ったら、何割かがドルから円に交換されて円高になる筈です

中国人が日本旅行で10万円使ったら10万円分円高になり、アメリカのダイソーで150円の商品が売れたら、150円分円高になります。(実際は経常黒字分だけが交換される)

実際にはアメリカで得た利益は当分の間アメリカで再投資され、中国で稼いだ分は中国で再投資されるのですぐに円高にはならない

だがいつかは必ず日本が経常黒字で儲けた金額分だけ、ドルから円に交換され円高になる日が来るので、それが1995年や2011年の超円高でした

日本の国際収支は毎年平均10兆円から20兆円ほど稼いでいるが毎年10兆円以上が円に換金されるのではなく、突発的な事態が起きるまでは換金されない

巨大地震やリーマンショックのような世界恐慌になると日本本社は資金を外国に引き上げるので一気に円高に成り、これにヘッジファンドが加勢し超円高になる

日本本社の業績悪化やパニック的な動きで一斉にドルから円に交換されるので、10年周期くらいに超円高が発生しています

一見突発的に見えるが真の原因は日本の経常黒字そのものなので、介入や政府の政策は円高を先送りにするだけで、円高そのものを防ぐことはできません

では最近なぜ超円安の1ドル150円になっているのかですが、これもアホ評論家が言うような「日本が弱くなった」のとは関係なく政府が意図的に円安にしています

アメリカの高金利と日本の低金利、金融緩和、インフレ率の差など色々な理由はあるものの 結局は日本政府が円安を歓迎していてわざと円安になるように仕向けているという事です
https://www.thutmosev.com/archives/75481156mmm.html
65:777 :

2024/03/07 (Thu) 12:53:30

数年後の日本は『円高』で苦しむことになる
2024.03.07
https://www.thutmosev.com/archives/33727.html

現在の円の価値は1970年代前半の1ドル270円と同じ程度。この偏りは必ず修正されます


https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-09-21/S0HYEJDWLU6801 円の実力レートが53年ぶり低水準、固定相場時代に戻った日本の購買力 – Bloomberg
現在のドル円は「1ドル270円」だった

2023年後半から24年の日本は1ドル150円の空前の円安が進行しているがほんの1年前は1ドル127円で2年前は115円で3年前は1ドル103円でした

その頃の日本はまだデフレ気味で経済はゼロ成長で円高で輸出も振るわずエネルギー輸入価格の上昇で苦しんだりしていた

現在の1ドル150円がどのくらい異常かというと実質実効為替レートでは1995年の40%、1970年代と同等まで下がっています

実質実効為替レートは日銀が制作した「円の価値」を示す指標で、数字が上がると円が強くなり下がると円が弱くなったのを示しています

通常の為替レートは1ドル何円と表示しますが日米の物価上昇率が日本が低いために、同じ1ドル100円でも実際には円安が進行していきます

例えば基準年で1ドル100円、アメリカは1ドルのハンバーガーが日本で100円だったとして、20年後も1ドル100円で日本のハンバーガーは100円のままだがアメリカは1.5ドルに上がったら同じ額の円でアメリカのハンバーガーは買えなくなります

この日米価格差は為替レートが毎年2%くらい円高ドル安になるべきですが、最近は「円安ドル高」になっているので日米価格差は酷い事になっています

円の実質実効為替レートは71程度でこれは1970年代前半と同じくらいで、1973年に1ドル360円の固定相場から変動相場制に移行していました

1974年のドル円レートは1ドル270円くらいなので2024年の1ドル150円は「1974年の1ドル270円と同じ状態」という事ができます

70年代のできごとを振り返ると76年から急速な円高が進行し78年に1ドル189円の「超円高」になり、1985年のプラザ合意までは200円から250円程度で推移しました

この時から円高~円安を波のように繰り返すサーフィンのようなドル円レートになり、時々大波が来ては超円高や円安に振れるようになった

1973年から1995年まで大きな方向として円高が進行し95年には1ドル79円をつけて大不況になり、その後円高は収まったかに見えた2011年、再び巨大地震をきっかけとして1ドル75円をつけました

日本は円高になりやがて超円高になる
時限爆弾のような円高を引き起こすエネルギーは貿易黒字と経常黒字で、日本は毎年10兆円以上の黒字だがほとんどをすぐに円に交換せずドルやユーロや人民元として外国で再投資します

だから通常は円高にならないのだが、巨大地震や世界経済危機があると日本企業は円に交換して本社に資金を移すので突然円高になります

今も日本は毎年10兆円から20兆円の経常黒字なので問題は解決しておらず、なにかのきっかけがあれば企業は100兆円以上のドルを一斉に円に交換するでしょう

これが『有事の円』が値上がりする理由で、日本企業の動きを察知した外国の大手投資機関が便乗して円買いドル売りで儲けようとし、いつも超円高になっています

今1ドル150円の超円安になっているのは一つは日米金利差でアメリカは高金利で日本はマイナス金利、2つめは日本政府が円の切り下げで景気回復するため「わざと円安にしている」からです

企業もその流れに従って輸出などで大儲けしてもドルから円に交換せず外国で再投資するので、しばらくの間は円安が続くでしょう

さらに日本の低金利を利用して大手投資機関は円でお金を借りて外国で巨額投資しているので、より一層円安が進行しました

この円安はいわば祭りのようなもので永遠には続かず、アメリカはいつか利下げするし日銀はいつか利上げし、日本企業はいつか儲けた金をドルから円に交換します

外国の大手投資機関は円安で日本がマイナス金利だからお金を借りて海外投資していたが、日本が利上げしたり円高になると返済不能になるので”ある瞬間に”一斉に借金を返済してドル売り円買いをします

こうしてきっかけがあればスイッチが入ったように1995年や2011年と同じように雪崩のような円高が進行し超円高に至るでしょう

そのような大きな円高が起きる前に 米利下げと日銀利上げによって現在のような超円安は修正される筈で、おそらく1ドル120円台に戻ると思います

その時「1ドル300円、いあ1000円になる」と得意げに語っていたアナリストや評論家は「1ドル50円、いや30円になる」と言うでしょう

経済評論家とはそのような連中です
https://www.thutmosev.com/archives/33727.html
66:777 :

2024/04/04 (Thu) 08:48:33

金価格上昇の理由と今後の見通し
2024年4月3日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/46812

ここ1ヶ月ほど金相場が高騰しているので、久々にゴールドを話題に取り上げたい。

金価格上昇の原因

金価格が急上昇している。コロナ初期に急騰してから長らく横ばいが続いていたゴールドだが、ようやく再上昇を開始したという感じである。金価格のチャートは次のように推移している。


金相場のバリュエーションを測る伝統的な指標に注目していた投資家にはこの上昇は驚きかもしれない。何故ならば、金価格に影響を与えるはずの金利と期待インフレ率はそれほど動いているわけではないからである。

金相場を動かす指標

金属や農作物などのコモディティ市場では、価格は基本的に需要と供給で決まる。例えばコロナでロックダウンがあった時に原油価格がマイナスまで暴落したのは、経済が動かなくなり原油の需要がなくなったからである。

アイカーン氏: 原油をマイナス30ドルで買った (2022/2/22)
だがゴールドには実際の需要はほとんどない。宝飾品として使われるぐらいだが、売買される理由のほとんどは金融資産としてのものである。

だから金相場を動かす基本的な要因は金利とインフレ率である。ドル建てで取引されているゴールドは、ドルの金利が高くなれば投資家をドルに取られるが、ドルの金利が低くなり期待インフレ率が高まると、インフレによるドルの減価を恐れた投資家の資金が金相場に集まる。

だから3月からの金価格上昇を見た投資家は、まず金利が下がったか期待インフレ率が上がったと考えるだろう。

だが金融市場を見れば金利も期待インフレ率もそれほど変わっていないのである。アメリカの実質金利(の市場予想)は次のように推移している。


3月以降、それほど変わった気配はない。

期待インフレ率は次のようになっている。


多少上がっているが0.05%程度の違いである。

ドルを避けたい諸外国のゴールド買い

では金相場は何故上昇したのか。

原因は主に2つあるだろう。まず1つ目はドルの保有を避けたい諸外国政府の買いである。

アメリカがロシアに経済制裁を行い、ロシア人のドル資産を凍結したりドルを利用した決済網からロシアを除外したりした結果、BRICS諸国や中東の国々などは、ドル資産を持っていればアメリカの政治的都合で資産を凍結されかねないと考え、ドルの保有やドル決済を避けようとしている。

プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
そしてドルを避けた資金が実際に金相場に流入している。最近の統計で言えば、中国は外貨準備にゴールドを増やしている。中国の立場からすればドル資産を持ちたくないのは当然だろう。インドも同じように考えるはずである。そうした動きが金相場にとってプラスになる。

インフレ相場におけるゴールドバブル

そして2つ目の原因は長期的なインフレ相場の継続である。

以前からの読者は読んでいると思うが、インフレ相場において金価格は金利とインフレ率の理屈を外れた大きな上昇を見せるということを以下の記事で解説しておいた。

1970年代の物価高騰時代における貴金属や農作物の価格推移
この記事によれば1970年代のアメリカのインフレ時代において、貴金属以外のコモディティ市場では物価上昇率から見て妥当な価格上昇となった一方で、ゴールドやシルバーはドルからの資産逃避を受けて物価上昇率を大きく上回るバブルになっている。

だから今回のインフレ相場でもインフレが退治されない限り、インフレ率の上昇速度だけでは説明できない金相場のバブルは続くだろうと書いておいた。

そして実際、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長はインフレを無視してマネタリーベースの拡大を続け、利下げの断行を宣言している。

3月FOMC会合結果: インフレ無視でハト派のパウエル議長
だから株式市場の上昇も続いているし、金相場も金利とインフレ率に連動する通常モードではなく、1970年代のようなインフレ相場のモードで動いているわけである。

結論

ということで、パウエル議長のインフレ退治が本当にインフレを退治してしまわない限り、金相場は今後もこのような合理的上昇幅を超えた上昇相場を続けることになるだろう。

金相場にとって警戒するべきなのはパウエル議長のインフレ退治がインフレを退治してしまうことだが、今のところ彼がインフレを本気で退治しようとしている気配はない。

サマーズ氏: パウエル議長は利下げをやりたくてたまらないようだ
ガンドラック氏: インフレ無視のパウエル議長のお陰でアメリカのインフレ率は下がらない
3%台で横ばいとなっているインフレ率が本当に上がり始めればパウエル氏も態度を変えるかもしれないが、アメリカ経済は少なくともあと半年ほどは景気後退にはなりそうにない状況であり、金相場への脅威は少なくとも差し迫ってはいないように見える。

1970年代のインフレバブルを分析した以下の記事は今の金相場を考える上で重要なので参考にしてもらいたい。

1970年代 の物価高騰時代における貴金属や農作物の価格推移

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/46812


  • 名前: E-mail(省略可):

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.