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日本円を借りてドルを買っていた円キャリートレードの巻き戻しが始まった

1:777 :

2023/01/16 (Mon) 11:11:47

2023年01月15日
ドル円は1ドル100円割れに向かうでしょう

1971年以降のドル円レート、日本沈没とは関係なく金利差や投資家の利益追求で動きます
chart_usdjpy_1971-
画像引用:https://lets-gold.net/chart_gallery/chart_usdjpy_long_term.php 為替・ドル円相場の超長期チャート _ 金プラチナ相場情報 Let's GOLD



ドルは円に対して下落します

2022年後半は円安が進み10月21日のNY市場では32年ぶりとなる1ドル151円をつけ、24年ぶりに財務省日銀が円買い介入を行いました

2度の円買い介入の後ドル円レートは下落(円高)し始め、23年1月12日は130円の底を割り1ドル128円台になっています

なぜ円安が進んだかの説明は今回は単純で、アメリカはインフレ率が8%から10%に達し国民が不満を訴えたので、米政府とFRBは利上げで物価を抑えようとしました


中央銀行が利上げすると民間銀行の資金調達コストが増え、あらゆる金融機関が利上げするので、企業や個人はお金を借りなくなります

結果投資や消費が少なくなり景気が悪化するが、インフレ率を下げるという目的は達成されます

日米のインフレ率は大きく違いアメリカが8%以上なのに日本は3%だったので、日本政府と日銀は利上げしませんでした


米政策金利は22年2月に0.25%だったのが12月に4.5%になり、22年の時点ではまだまだ利上げが続くと予想されていました

日銀は利上げ姿勢を示していなかったのでマイナス0.1%、このままだと日米金利差が6%や7%になると考えられ投機筋がドル買い円売りに走った

単純に1ドル100円だったとして(実際は違う)米金利が8%も高かったら、100万円が1年後に日本では100万円のままだがドルに替えただけで108万円に増えます


しかも日本でお金を借りるとゼロ金利なので全世界の投資家が、日本でお金を借りてドルを買う円キャリートレードを行いました

こうして投資家や金融機関を中心に円売りドル買いの流れが出来たが、やがて反転する事も約束されていました

米利上げはインフレが収まればやめるし、低金利通貨は高金利通貨に対して価値が高くなる法則性があるからです

為替レートはピンボール

円キャリーでお金を借りてドルを買うと儲かるのは米FRBが利上げをしているからで、FRBは「インフレ率が下がれば利上げを緩める」と発言しました

23年1月のインフレ率は6.5%で最大時の10%からかなり下がり、次回の利上げ幅は0.25%になるのではないかと噂されています

アメリカが利上げをやめると新たに円売りドル買いしても利益は出なくなり、アメリカが利下げを始めればドル買いした投資家は資金を引き揚げます


もし1ドル150円の時にドル買いして1ドル100円など円高になってしまうと、投資家は円で借りた借金が重くなりアメリカの金利が高くても大損失が出るからです

アメリカが利上げから利下げに転換すると円キャリーの巻き戻しが起きて円高になるのは、2007年から2008年にも起きていました

2007年春まで世界は好景気に沸き低金利の日本でお金を借りて、ドルに替えてアメリカや新興国に投資するのがブームで1ドル124円程度でした


ところが夏ごろにサブプライムショックが起きるとアメリカは金利を下げ始め、円キャリーは巻き戻され結局2011年に1ドル75円になりました

「円キャリーの巻き戻し」がいかに強烈かは1ドル124円かは75円まで円高が進んだので分かると思います

もうひとつ見過ごせない要因は「低金利通貨は高金利通貨より信用度が高い」の長期的には高くなるという法則です


ジンバブエやベネズエラは年1万%を超えるインフレ率で高金利だったが、こんな国の通貨を買って投資する人は居ないでしょう

それは「高金利の国は信用が低い」からで長期的に観察すると低金利通貨国の通貨に対して下落しています

もっともこれには10年とか数十年かかるので、1年単位で見れば低金利通貨のほうが高くなっている期間も多い


短期的には為替レートはピンボールのようなもので、何かにぶつかるまで直進し、跳ね返ると別な壁にぶつかるまでまた直進します

おそらく今後10年は円高の限界を試す動きになると予想します
https://www.thutmosev.com/archives/89814056.html
2:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/16 (Mon) 11:22:50

為替予測で参考になるサイト

グローバルマクロ・リサーチ・インスティテュート | 世界の金融市場における分析と実践
https://www.globalmacroresearch.org/jp/

一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/

日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932


▲△▽▼


日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010201

FX(外国為替証拠金取引)が1京円突破! 日銀は介入で巨額利益
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14075349

何故日銀はインフレに応じて金利を上げないのか?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052708

紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14054383

黒田日銀総裁のスゴイ所は「平気でウソをつく」ところ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009730

日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062048

日銀金融緩和が終わった、円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14055430

各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14078205

42年間続いた低金利の時代は終わった、2023年からは高金利の新時代へ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14079077

円安、低賃金、ブラック労働で日本で生産する方が外国より安くなった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14052420
3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/16 (Mon) 11:28:51

知らぬが仏 _ FX は『ネットパチンコ』 _ 金はすべて胴元に取られる
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/892.html

FX ・ 先物取引 ・ 空売り は『ネットパチンコ』、 絶対に手を出してはいけない
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/894.html
4:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/18 (Wed) 16:50:10

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
2023年1月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797

アベノミクス以降、もう10年近く大規模な金融緩和を続けてきた日本銀行が、去年の12月に実質利上げを実行した。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)


その結果どうなったかと言えば、日本国債の投げ売りが急増している。日銀が買い支えなければならなくなっているが、このままではそれも破綻してしまいそうだ。

日銀の実質利上げ

年末の日銀の政策変更は、正確に言えば長期金利の許容変動幅の拡大である。以前まではゼロ金利を基準にプラスマイナス0.25%の変動を許容していたものを、プラスマイナス0.5%の変動まで許容するということにした。

アメリカなど海外ではインフレによる利上げで金利がどんどん上がっていた中で、日銀は長期金利に上限を設けるイールドカーブコントロールで金利を変動幅上限に押さえつけていた。

それは2022年の急激な円安の原因となっていた。そして円安は輸入品の物価を上昇させるため、日本ではガソリン価格や電気代が高騰した。

日本国民がインフレで苦しむ中でインフレを目指す日銀の摩訶不思議な緩和政策によって、めでたく日本はインフレになった。日本のインフレ率はついに約4%まで上がっている。おめでとう。インフレ政策の成功である。その成果は当たり前だがインフレである。

だがここで問題が生じた。実際にインフレになって初めて、日本国民はインフレが物価高という意味だということに気付いて騒ぎ始めたのである。愉快な人々である。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか


日銀の実質利上げ

ともかくそれが年末の日銀の政策変更に繋がった。0.25%としていた長期金利の上限を0.5%に変更したのである。

上限が上げられたため、長期金利は当然ながらすぐに上がった。だが新たな上限である0.5%にはすぐには達さずに、2週間ほどの間は0.45%付近を推移していた。

だがそれも長く続かなかった。日本国債はどんどん売られ、年明けの1月6日、ついに長期金利が上限の0.5%に達したため、日銀は金利の上昇を抑えるために国債の買い入れを余儀なくされるようになった。

しかし日本国債の売り圧力は激しく、金利は上限の0.5%を上回って一時0.55%で取引されるような状況で、結果として日銀の国債買い入れは6日以降爆発的に急増している。(※1/17誤植を訂正しました)

日銀による国債の買い入れ金額は以下のように推移している。

1月4日: 0.6兆円
1月5日: 0円
1月6日: 2.4兆円
1月10日: 0.3兆円
1月11日: 1.2兆円
1月12日: 4.6兆円
1月13日: 5.0兆円
1月16日: 2.1兆円

0.5%に達しなければ買わなくとも良いため日によって上下するが、6日以降どんどん増えてゆき、13日には5兆円に達した。

半年で破綻する日銀の量的緩和

1日で5兆円という金額がどれだけのものか、読者にはお分かりだろうか。この数字が危機的だとすぐに分かった読者は、経済の数字が頭に入っていると言えるだろう。

さて、日銀の保有する国債の総額は1月12日時点で547兆円で、日本の政府債務は約1,000兆円である。つまり、日本政府の発行している国債のうち、半分以上を既に日銀が保有しているということになる。

日本国債の投げ売りは日増しに増えているため、5兆円という水準からどんどん増えてゆく可能性もあるのだが、仮に1日5兆円の買い入れをこのまま続けることになった場合どうなるだろうか。

ここまで言えばもう分かったはずである。日銀は100日足らずの内に残りの国債を全部買ってしまう。休日を含めても4ヶ月から5ヶ月程度の猶予しかなく、半年経たずにアベノミクス以来の量的緩和政策は破綻することになる。

国債買い入れは1日5兆円で済むのか

だがもしかするとこれでも保守的な計算かもしれない。

この状況を完璧に予想していた人物がいるのだが、読者は覚えているだろうか。債券投資家のスコット・マイナード氏である。

マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる


この記事でマイナード氏は、日銀の金融政策が次の順序を踏むと予想していた。

日銀は新たな金利ターゲットを設定する
日銀の保有する国債の価値が下がる
市場は新たな金利上限に挑戦する
日銀は国債買い入れで市場を安定化しようとする
円の供給量が増えインフレが悪化する

まさに3と4の状態が今起きているわけである。新たな金利上限を設けたことにより、投資家が今後の更なる利上げを心配するようになり、保有国債の価値が下がる前に売ってしまおうとする。

そうすると債券の価値が下がる。債券の価値下落は金利上昇を意味するため、金利は上限に達し、日銀は投げ売りされている日本国債を買い支えなければならなくなる。そうなれば買い入れ額が1日5兆円から大きく上昇する可能性もある。

日銀がこの状態から逃れるためには、金利上限を更に上昇させて買い支えなくても良いようにするしかないが、金利上昇は債券の価値下落を意味するため、投資家は更なる下落が起こる前に日本国債を売ろうとする。

分かるだろうか。日本国債はもう詰んでしまっている。マイナード氏の予想通りである。

結論

ちなみにマイナード氏のこの予想は12月1日のスピーチの内容であり、日銀の実質利上げの前ということになる。スピーチのタイトルは、「持続不可能なものは持続できない」であった。残念ながら年末に急逝してしまったマイナード氏は、日銀の政策変更前からすべてを予想していたのである。

スコット・マイナード氏、心臓発作で死去 63歳


ここからはどうなるだろうか。円の投げ売りが原因で日銀は実質利上げを行わなければならなくなった。お陰で円は上がっているが、今度は日本国債が破綻の危機である。

ここからのシナリオは、恐らくはまず日銀は更なる実質利上げを行わなければならなくなるだろう。それで買い入れ額を減らそうとする。だがそうすれば日本国債は更に売られ、利上げのスパイラルに突入する。

1月18日に日銀は金融政策決定会合の結果を発表する。2回連続の実質利上げがあるかどうかは分からないが、ここに書いた長期的なデッドエンド自体は避けることができない。

そうしてある時点で日銀は緩和転換しなければならなくなるかもしれない。しかしそうなれば今度は強烈な円安になり、インフレが止まらなくなるだろう。

ということで、もうどうにもならない。国債の暴落、日本円の暴落、物価高騰、強烈な増税による政府債務の帳消し、どれかは絶対に避けることが出来ない。そしてどれを選んでも日本国民は死ぬ。

これが1,000兆円の政府債務を抱えた日本経済の末路である。莫大な政府債務は問題ないと誰が言ったのだったか。

この状況を作り出した日銀の黒田なにがしは颯爽と職場を離れようとしている。その後に日本経済は利上げによる不況で大量の失業者が出るだろう。

この状況もすべて、何十年も前にマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が予想していたことではないか。彼は次のように言っていた。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない


将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

そして黒田氏が去った後に日本経済は当然の帰結として死んでゆく。自民党を支持した日本国民が自分で望んだことなのだから、彼らにとっては本望なのだろう。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797
5:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/19 (Thu) 07:51:26

2023年は強烈なドル安円高の年になる

2023年ガンドラック氏のドル下落予想
2023年1月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32840

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がFox Businessによるインタビューで、2023年のドル相場について語っている。

2022年ドル高トレンドの転換

2022年は物価抑制のために行われたFed(連邦準備制度)の金融引き締めでドル相場は大きく上がったが、その転換を最初に予想したのは元クォンタム・ファンドのスタンレー・ドラッケンミラー氏だっただろうか。以下は去年6月の記事である。

ドラッケンミラー氏: 今後6ヶ月でドル空売りへ (2022/6/20)


そのドル相場についてガンドラック氏は次のように語っている。

ドルは下落するだろう。それはもう始まっている。

ドラッケンミラー氏の予想通り、そしてガンドラック氏の言う通り、ドル相場は2022年の終盤に急落を開始した。

ドル円の動きは読者も知っているだろうが、ユーロドルのチャートを見てみてもドル安トレンドが始まっていることが分かる。上方向がドル安ユーロ高である。


ドル安の理由

きっかけはアメリカのインフレ率が急落を開始したことである。それは今も継続している。

アメリカの12月インフレ率は6.4%に減速、ドル安継続へ


物価高騰に対応するためにFedの金融政策が引き締め的だったのが、インフレ率が急落すればどうなるだろうか。ガンドラック氏は次のように説明している。

Fedは他の中央銀行と比較してどんどん緩和的になってゆく。

2022年にはFedは他の中央銀行より引き締め的で、ドルは大幅に上がった。だがFedは引き締めをやり過ぎたため、これから緩和的になる。よってドルは下がるだろう。

ガンドラック氏はインフレ率が上昇を続けていた時にも、利上げは既にやり過ぎであり、アメリカ経済を必要以上に冷やしてしまうと主張してきた。

ガンドラック氏: 米国経済は風前の灯、金融引き締めをスローダウンすべき (2022/9/9)


そしてその後すぐにガンドラック氏の予想通りインフレ率は下がり始めた。だからもう利上げは必要ないということである。

タカ派姿勢のパウエル議長

ちなみにFedのパウエル議長自身は、インフレ率が下がる中でも利上げを継続すると主張している。

12月FOMC会合結果: ますます曖昧になるパウエル議長、金利はインフレ次第へ


だがインフレ率が下がり、景気後退と失業率の上昇が生じると、アメリカ国民からインフレとともに経済も殺してしまうFedの引き締めに怨嗟の声が上がるだろう。

そのときにもパウエル氏が引き締めを続けられるのかどうかを疑問視する声が専門家から上がっている。

ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由


だがそれは半年以上先の話である。以下の記事で見た通り、アメリカ経済においてまだ失業は増加していない。

12月米雇用統計でドル円が下落した理由


だが、今後半年に関する限り、パウエル氏の態度は金利やドル相場とは関係がない。

何故ならば、1970年代の物価高騰時代においては、インフレを殺しきれなかった第1波と第2波においても、当時のボルカー議長がインフレを殺しきった第3波においても、インフレのピークがほぼ金利のピークとなっているからである。


ボルカー氏のインフレ退治のケースであっても、政策金利がそのまま横ばいになるようなことにはならない。だからどちらにしてもドルは下落することになる。

結論

別の記事で紹介したように、ガンドラック氏も筆者と同じようにFedの利下げを予想している。

ガンドラック氏: アメリカは2年物国債金利の警告通り利下げする、中央銀行はまったく不要


だから少なくともあと半年はアメリカの金利低下・ドル安がトレンドになる。今回のインフレで第2波があるのかどうかは、半年後に考えるべきことだろう。

また、ドル円について言うならば、日本のインフレ率上昇で日銀が利上げを強いられていることもあり、2023年は強烈なドル安円高の年になるだろう。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する


ちなみに1月18日の日銀の金融政策決定会合は現状維持だったが、上の記事で述べたように短期的な日銀の動きには意味がない。一応黒田氏の記者会見の内容を精査してみたが、取り上げる価値のあるコメントを見つけることが出来なかった。

2連続の実質利上げを期待していた金融市場では、会合結果を受けてドル円が一時的に急上昇したが、数時間でほとんど元に戻っている。


市場は日銀の言うことに意味がないことを知っているのである。今後の成り行きは日銀の実質利上げを事前に予想したスコット・マイナード氏が語ってくれているので、そちらを参考にしてもらいたい。

マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32840
6:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 07:33:40

ここではエリオット波動の宮田さんと反対に今年の日経平均暴落を予測しています:

日本政府、金融緩和終了に言及 連続利上げなら日経平均は暴落へ
2023年1月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32865

年末に日本銀行が実質利上げを行なったことで、2013年のアベノミクス以来の金融緩和政策が危機に瀕している。

実質利上げをしている黒田総裁自身は、記者会見で自分は金融緩和を続けているという意味不明な供述を続けているが、今度は政府の側から金融緩和の終了に言及する声が上がっている。

円安とインフレ

日銀は12月20日の金融政策決定会合で実質利上げを決めた。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)
日銀が利上げに踏み切らなければならなかったのは、日本のインフレ率が急上昇しているからである。12月の東京都区部の速報値ではインフレ率は遂に4.0%まで上がっており、しかもこの数字は9月以降どんどん加速している。

その一因は明らかに日銀の緩和によってもたらされた円安である。インフレが問題となる中でインフレを目指す日銀の量的緩和によって、2022年の為替相場では日本円はドルやユーロどころかインドネシアルピアなどよりも弱い最弱通貨の1つとなっていた。(※1/19誤りを訂正しました)

日本円が下がり、日本人から見てほとんどすべての外貨が上昇すると、当然ながら輸入品の価格が上がる。そもそも「インフレ政策」とはそれを目指す政策だったというのに、自民党の支持者たちは何が不満なのだろうか。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
インフレ政策を支持しながらインフレの意味を今年まで知らなかった彼らの卓越した頭脳はさておき、もうすぐ任期が終了する黒田氏は、「緩和には何の問題もなかった」という顔をして逃げ切りたかったのだろうが、最後の最後に利上げをやらされたのである。それが恐らくは、金利を上昇させながら「これは利上げではない」などという意味不明な黒田氏のコメントに繋がっていると思われる。

金融緩和を終わらせたい日本政府

その意図が恐らくは政府から来たのだろうということは、1月の会合後の西川経産相の発言から読み取れる。

世界経済フォーラム(通称ダボス会議)において、彼はまず次のように発言した。(Reutersの英語記事の直接引用からの翻訳である。)

政府の多様な政策によって日本のインフレは他国よりも緩やかなものに留まっている。

ちょっと笑ってしまうような奇妙な話である。自民党はインフレを抑制するような政策は一切行なっていない。例えば全国旅行支援である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
更に言えば、ガソリンに対する補助金は最悪の悪手であり、エネルギー資源が足りないからインフレが起きているのに、エネルギーの購入に補助金を出すことはまさに火に油を注ぐことに等しい。

サマーズ氏: ガソリンの価格高騰対策でインフレ悪化へ 現金給付の悪夢を人はもう忘れている
だが自民党の政治家の卓越した頭脳はマクロ経済学の常識など軽々と飛び越えてゆく。

そしてこういう人々が最初にやることは、自分を棚に上げてまず他人から批判することである。西村氏は次のように言う。

当然ながら、金融政策は将来正常化されなければならない。

投資が行われて賃金が上がり、経済が回り始めれば、金融緩和は将来停止させることが出来るだろう。そしてその段階に近づきつつある。

2013年のアベノミクス以来の日本政府としては異例の発言ではないか。こうした発言になった原因は、日本のインフレの状況である。

日本のCPI(消費者物価指数)のデータを見れば、日本のインフレ率の上昇ペースは危機的であり、このままではすぐにでも5%や6%に上がっていくだろう。

しかも円安による輸入物価の上昇が国内物価に波及している様子が見られ、ドル円が下がったとしても国内物価の方はそれだけでは下がってくれないだろう。

だから黒田氏は逃げ出せば良いかもしれないが、日本政府の方はこのままでは物価が高騰し国民に責められる。インフレ政策を有権者も支持したではないかという突っ込みは正論なのだが、馬鹿に正論は通用しない。

ここでは何度も言っているが、インフレとは物価上昇という意味である。それ以外の意味はない。インフレ政策はそれを目指してきたのである。その理由については以下の記事で解説している。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
2023年は利上げの年に

よって2023年は日本にとって利上げの年となるだろう。それが投資家にとってどういう意味を持つかと言えば、まずはドル円の下落である。


去年はドル高かつ円安の年だったが、アメリカと日本の両方でそのトレンドがひっくり返り、今年はドル安かつ円高の年になりそうだ。アメリカ側の事情については以下の記事を参考にしてもらいたい。

日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始
そして日本株については、以下の記事で纏めてある。

2023年の日経平均の推移予想: ドル円下落と金利上昇で二重苦に (2023/1/4)
だがその後のインフレ統計や日本政府の発言を見ていると、2023年には黒田総裁の退任後に新総裁のもとで連続利上げが行われる可能性がある。

今年の株式市場は、アメリカでは金利の低下が始まっており、去年の利上げ効果による企業利益の減少と金利低下による浮揚効果が相殺し合う状況になるとここでは説明してきた。

だが日本が世界的な景気後退のもとで連続利上げを行うならば、企業利益の減少と日本の長期金利の急上昇という状況のもとで、日本株はかなり急激な下落相場になるだろう。日経平均は現状では次のように推移している。


結論

ということで、新体制の日銀が連続利上げに踏み切れば、ドル円と日経平均は仲良く暴落してゆくだろう。

だが金利を上げなければ日本は恐らくアメリカやヨーロッパ並みの物価高騰に突入してゆく。欧米の物価高騰が地獄絵図であることは、以下の記事などで紹介してきた。

ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
自民党が国民の生活を慮って本気でインフレ退治をするかどうかはかなり怪しいところだが、少なくとも多少の利上げは強いられることになるだろう。

そこで問題となるのは、コロナ後に大流行りしたつみたてNISAなどの、金融の専門家から見て何の根拠もないギャンブル的な素人投資法である。

「株式の長期投資はほぼ儲かる」という幻想は金融庁の「基礎から学べる金融ガイド」から来た
金融庁などは高校生にまで日本株や海外株のETFなどを買うことを推奨してきたから、それに乗せられて投資をした人のポートフォリオは日本株や海外株のETFで構成されているだろう。

だが2023年、彼らのポートフォリオはどうなるか。日本政府が主導する利上げによって日本株は死に、海外株はドル円の下落によって価値が大幅に毀損することになるだろう。

何度も言っているが、何故彼らはわざわざこのタイミングで投資を奨めたのか。しかも単に投資理論が間違っていただけではなく、日本政府自身が国民のNISA口座にそうした商品を放り込み、その後でそれらの価値を暴落させようとしている。

この件については何度も語ったので、ここまでにしておこう。詳しい議論が知りたい人は以下の記事を参考にしてほしい。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
だが、他人に買わせた投資商品の価値を意図的に下落させることは、控え目に評価しても詐欺である。

岸田首相にはその才能がある。還付金詐欺などを本業にするタイプのプロの方々は、是非お上の優れたやり方を学ばせてもらうと良いだろう。これこそが本物である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32865



参考

日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932

宮田直彦 エリオット波動レポート - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AE%AE%E7%94%B0%E7%9B%B4%E5%BD%A6+%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%A2%E5%8B%95&sp=CAI%253D

エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート)
https://www.m2j.co.jp/market/report/20525/list

エリオット波動でみると日経平均は2050年まで上昇 _ 宮田直彦 日本株はもうすぐ大暴騰する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14031612

エリオット波動 宮田直彦 半導体株の出直り期待と日経平均の強気保ち合い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056708

7:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 08:26:10

同じエリオット波動でも日本エリオット波動研究所は、宮田直彦さんとは反対に、今年からの日経平均株価の大暴落を予測しています:

一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/

日経平均1年間のカウントの振り返りとナスダック100とS&P500の進行想定/有川和幸さん【キラメキの発想 12月19日】 | 一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://www.youtube.com/watch?v=MGFhLQnPOf4
https://jewri.org/news/news-3333/

エリオット波動
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/591.html
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 18:09:10

為替については

一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/

エリオット波動原理 から見た ドル円と日経平均/有川和幸さん【キラメキの発想 9月12日】 | 一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://www.youtube.com/watch?v=0I_beldwtXE&t=119s
https://jewri.org/news/news-3250/
9:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/24 (Tue) 12:45:11

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
2023年1月23日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32998

世界中が日銀に注目している。何故ならば、日銀のイールドカーブコントロールが破綻しかけているからである。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797


DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が自社のRound Tableで日本の金融政策を皮肉っているので紹介したい。

日銀のインフレ政策と日本のインフレ

2013年のアベノミクス以来、日本銀行は大規模な量的緩和を行なってきた。

日銀の量的緩和は途中でイールドカーブコントロールに進化した。イールドカーブコントロールとは、長期金利に上限を設け、金利がその上限を超えないように長期国債を買い入れるもので、イールドカーブコントロールがある限り政策金利どころか長期金利についても永遠の低金利が実現されたかのように見えた。

だが40年続いた米国株上昇相場が終わるように、何事も永遠には続かない。

世界最大のヘッジファンド: 40年続いた米国株強気相場が崩壊する


何故ならば、アメリカの低金利がインフレで終わったように、日本の低金利もインフレで終わるからである。

日本のインフレ率は去年の半ばから上昇を始め、最新の数字では4%に達している。

その原因の多くは日銀のインフレ政策による円安経由での輸入物価高である。(ウクライナがどうこうと未だに言っている人に言うべきことはもはやない。)

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


去年の為替相場では日銀の緩和政策のお陰でドルやユーロどころか東南アジアなどの通貨に比べても円の価値は下がった。日銀が日本円を刷りまくっているからである。

インフレ下でインフレを目指す日銀の愉快な緩和政策がガソリンや食料品などの価格を上げ始めたため、インフレ政策が実はインフレを目指すものだったというアベノミクスの頃からの自明の事実に日本国民がついに気付いてしまった。

あまりに素早い頭の回転である。それで日銀はイールドカーブコントロールを修正し、長期金利の上限を0.25%から0.5%に上げた。当然ながら長期金利は上がった。2013年以来の低金利の終わりである。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31979


日銀の方向修正

ドル円はアメリカ側の状況もあり下がり始めている。ドル円の下落予想は2023年の筆者のメインのトレードである。

日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2023/01/2022-1-23-usdjpy-chart.png


輸入物価高だけが問題ならば、ドル円のレートが下がればインフレは収束する。

だが同じようなことを2021年にアメリカの中央銀行も言っていたではないか。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)


アメリカでもインフレの起源は2020年に行われた莫大な現金給付がエネルギーや農作物などコモディティ市場に流れ込んだことが原因の局所的なインフレだった。

伝播するインフレ

だがインフレは伝播する。エネルギー高が結局はアメリカのサービス業などのインフレに繋がったように、輸入物価高が長く続けばそれは日本のサービス業などのインフレに繋がってゆく。

そして日本のCPI(消費者物価指数)の内訳を見てみれば、それがもう始まっていることが分かる。今年の日本のインフレ率はドル円の下落で一時的には落ち着くかもしれないが、輸入物価高が引いた後にはサービス業などのインフレが明らかになる。

そうなれば日本もアメリカのようにインフレ抑制のためにどんどん金利を上げなければならなくなるだろう。

金利を上げれば、もう何十年も低金利に依存していた日本経済は不況に陥るだろう。上げなければどうなるか? イールドカーブコントロールによる金利上限により日銀は無尽蔵に国債を買い入れなければならなくなる。

Round Tableでガンドラック氏らが指摘しているのは、日銀が市場に存在する国債の半分以上を既に買い入れてしまっていることだ。

そして今後のインフレ指標でインフレの悪化が明らかになれば、国債の売り圧力が増え、日銀の買い入れ額が爆発的に増加する。これも既に起こっている。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する


だからこのまま行けば、金利が爆発的に上昇するか、日銀の国債買い入れが国債をすべて買い入れてしまうことで終了するか、どちらかである。

結論

どちらにしても緩和の終了には違いない。国債をすべて買ってしまえばもう緩和は出来ない。社債を買い入れることも出来るが、市場規模が国債よりも小さいため、すぐに終わってしまうだろう。

そもそも市場に国債が存在しない先進国など前代未聞であり、どういう事態が起きるのかもう少し精査してみる必要がある。単に緩和の終了では済まないかもしれない。

最初から分かっていたことだが、10年続いたアベノミクスの結末は、金利高騰か物価高騰である。そもそも物価高はアベノミクスの目的である。何故そうだったのかは、以下の記事で説明している。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29198


日銀の黒田氏は「目標がまだ達成できていないことが残念だ」などと供述しているが、もはや意味が分からない。日本経済は彼のお陰で十分に詰んでいる。

だがまだ詰んでいない。インフレ率はまだ4%で、国債もまだ暴落していない。日銀の緩和もまだ破綻していない。

日本国債の投げ売り急増、 追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する


インフレ政策は少なくとも8年間インフレを引き起こさなかった。そして9年目でインフレになった。結局は当たり前の帰結に帰ってゆく。

ガンドラック氏は次のように言う。

日銀は賢明だ。80階の窓から飛び降りて、70階分落下したところで「今のところは良い状態だ」と言っているようなものだ。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/30502

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32998
10:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/25 (Wed) 19:50:05

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
2023年1月24日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33013

世界最高の、というよりは彼ぐらいしか存命でまともな経済学者はいないのだが、アメリカの元財務長官でマクロ経済学者のラリー・サマーズ氏が世界経済フォーラム(通称ダボス会議)でインフレについて語っている。

インフレの原因

2022年、インフレがようやく話題になった。だがここの読者には「今更か」と思われたことだろう。

何故ならば、サマーズ氏のような経済学者や、筆者やレイ・ダリオ氏、ジェフリー・ガンドラック氏などの投資家は、2021年に既に起こっていた物価高騰について何度も警告していたからである。

サマーズ氏は2023年のダボス会議でインフレについて振り返っている。当たり前のことなのだが、インフレを語るこの優れた経済学者の口からは「ウクライナ」という単語は出ない。ウクライナ情勢はインフレとはほぼ無関係だからである。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由


その代わりに彼が持ち出すのは政府によるコロナ後の財政刺激である。彼は次のように説明している。

コロナ禍が生じ、アメリカはGDPの14%の規模の財政刺激を2年連続で行なった。この財政刺激はアメリカが第2次世界大戦時に行なった規模の半分を超えていた。

この規模の財政刺激は、それまでの長期停滞していた経済の需要不足を補って余りあることは明らかだった。

これこそがわたしが2021年前半に、インフレが深刻化するという予想に非常に自信を持っていた理由だ。

財政刺激の規模は、厳密には2020年に15%、2021年に12%である。そしてその多くは、合計で1人当たり40万円以上の現金給付に使われた。

1人当たり40万円をばら撒いておきながらインフレにならないと想定した政治家や中央銀行家は何を考えていたのだろうか?

インフレ率を押し上げた現金給付

データを見てみよう。以下のチャートはアメリカの可処分個人所得とインフレ率を並べたものだが、現金給付によって可処分所得が3回急増したことが、インフレ率を大きく持ち上げた様子が見て取れる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/10/2022-aug-us-disposable-personal-income-and-cpi-growth-chart.png


そしてロシアのウクライナ侵攻があった2022年末以降、インフレ率は上がっていないどころかむしろ下がっている。

その事実は原油価格のチャートを見ても分かる。原油価格はウクライナ情勢のもっと前から上がっていた。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2023/01/2023-1-24-wti-crude-oil-chart.png


2022年2月末のウクライナ情勢で一度急上昇はしているが、全体から見れば僅かなものであり、しかも日本を含む西側のロシア産原油の禁輸措置が簡単に迂回できるザルな措置であることが明らかになってからは、急騰分をすぐに巻き戻し、その後はアメリカの金融引き締めもあり、ウクライナ前の水準よりも低い位置で推移している。

制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される


以上により明らかなように、インフレの原因はウクライナ情勢ではなく、コロナ禍で行われた現金給付である。2020年、アメリカだけではなく世界的に行われた現金給付が原油や農作物などのコモディティ市場に流れ込み、世界的なインフレの素地を作ったことは、ここでは2020年に既に報じている。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)


2021年、インフレを否定した政治家や官僚たち

さて、上記のような状況のもと、筆者を含む投資家や、サマーズ氏などの専門家は、2021年にはインフレの脅威について何度も警告していた。サマーズ氏は2021年5月に次のように言っている。

ラリー・サマーズ氏: インフレリスクは本物、利上げで景気後退へ (2021/5/25)


コロナ禍において山のように積み上げられた2兆ドル以上のアメリカ人の貯金がインフレ圧力を生んでいる。

だが2021年、インフレを生み出した張本人である政治家や中央銀行家はインフレの脅威を否定し続けた。

合計でGDPの30%近い現金をばら撒いておきながら、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長などはインフレは脅威ではないと主張し、ゼロ金利政策を継続した。それがインフレの火に油を注いだ。

例えばアメリカのインフレ率が7.7%に達していた2021年4月の段階でパウエル氏は次のように話していた。

4月FOMC会合結果: パウエル議長のインフレ無視は続く コモディティバブル継続へ (2021/4/30)


実体経済はまだ雇用と物価の目標からは程遠い所にある。

この時点でインフレ率は7.7%である。彼は例えば10%のインフレでも目指していたのだろうか。

こうした馬鹿げた発言は、例えば2023年の黒田なにがしの発言と完全に一致している。彼は緩和政策が問題を引き起こしたこの完璧なタイミングで職場を離れるにあたり、「インフレ目標を達成できていないことが残念」などという意味不明な供述をしている。日本のインフレ率は既に4%である。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32998


2021年のパウエル氏でも十分に愚かなのに、それから2年も経ってから同じ愚かさを踏襲している日銀の黒田氏は、まさに先進国アメリカに追いつき追い越そうとする戦後日本人の鏡ではないか。黒田氏がいれば、日本もインフレに関してはアメリカに勝てるかもしれない。

結論

リーマンショックの時もそうだったが、金融や経済学の本物の専門家たちがこぞって警告を発していたにもかかわらず、政治家や中央銀行家はなぜ経済危機を予想できないのか。

彼らに比べてサマーズ氏らの頭が途方もなく良かった ということなのだろうか。しかし筆者はむしろ、GDPの30%近いばら撒きをしてインフレにならないという結論に至ることのできる稀有な頭の方に解説の必要性を感じる。

インフレを予想できなかった人々は、次は間違えないことが出来るだろうか。サマーズ氏は彼らにこうアドバイスする。

経済学の秘伝のソースは算数だ。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33013
11:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/25 (Sat) 09:53:52

日銀は金利を上げるか?銀行株への影響も
つばめ投資顧問
2023/02/24
https://www.youtube.com/watch?v=c-mrPx3QB6s

植田和男氏が日銀の新総裁に就任する見通しとなりました。 就任後の日銀の金融政策はどうなるでしょうか?現在の日銀や日本経済が置かれている状況を踏まえて解説します。
12:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/25 (Sat) 19:22:51

2023年02月25日
米金利の天井は5.5%、ドル高の終わり見えた

1ドル1000円で日本崩壊と言っていた人達はどこに消えたんでしょうか?

画像引用:https://www.gaitame.com/media/entry/2022/10/20/164900 ドル円32年ぶりの150円台へ 為替介入への警戒高まる - 外為どっとコム マネ育チャンネル



米利上げの天井が見えてきた

米連邦準備理事会(FRB)は2月22日、前回の連邦公開市場委員会(FOMC)でほぼ全員が利上げ幅を0.25%に縮小するのを支持したと発表した

一方でインフレ率が2%に近づくまで金利上昇を続ける必要があるとの認識でも合意し、2月1日に米金利は4.75%に引き上げられた

23年1月の米CPI(消費者物価指数)は+5.6%で去年の8%以上より低くなったが、これを2%にするにはさらに政策金利を上げる必要があります


22年にインフレ率が最も高かった時にFRBの責任者は「インフレ率と政策金利が同じ数字になるまで利上げする」とはっきり断言していました

現在のインフレ率は5.6%で政策金利は4.75%なので、今年の春から夏には5%台前半で2つの数字が一致すると予測できます

数字が一致した後はインフレ率が金利より低い状態になるが、今度は利下げの必要性が認識されFRBは政策金利を下げます



利上げは景気を意図的に悪化させて物価を下げる事なので、そのまま高金利を続けるとアメリカ経済は不況に陥るからです

メディアの予想ではFRBは今年いっぱいは利下げに転換しないが、予想以上にインフレ率が低下し景気が悪化すれば利下げも早まります

いずれにせよもうアメリカの高金利は天井が見えてきたわけで、峠を越えれば利下げするのもはっきりしてきました



最近のドル高円安、他通貨のドルに対する下落は米高金利が原因だったので、ドル高円安の終わりも見えてきました

世界の投資家は米高金利で利ザヤを稼ぐために超低金利の日本で金を借り、ドルに換金して米国債や米株を買いドル高で利益を上げました

米金利が利下げに転じるとドル安になるが、円で借りた借金が円高で膨らむのでそのままでは破産します


円安ドル高のシーズンは終了

そこで投資家は一旦ドルから円に戻して借金を返済し利益を確定し、必要なら改めてドルに投資するでしょう

これが円キャリーの巻き返しで2007年から2011年にかけて1ドル124円から75円まで円高になったのも円キャリー巻き戻しでした

今回は経済危機下のパニックではないのでそこまでにはならないものの、円安ドル高の流れは変わると思った方が良いです



日本の政策金利0%でもう下げようがなく、日銀が金融緩和を修正して事実上の利上げに転換するのではないかという観測が多い

アメリカが利下げに転じ日本が利上げに転じると最大5%まで拡大した日米金利差が急速に縮小し、ドル円レートに大変動が起きるでしょう

日本が1%に利上げしてアメリカが3%の平常運転に戻っただけで日米金利差は5%から2%に縮小し円売りドル買いによる利ザヤ稼ぎは不可能になります


見逃せないのは日本の軍事力拡大で年5兆円軍事支出を増やすが、これは経済的には国民の消費が5兆円増えるのと同じになります

日本のGDPを毎年1%増やす効果を期待でき、今後日本の成長率は安定的に1.5%以上になると予想できます

アメリカや中国は軍事費(や関連費)に年100兆円使っていてGDPに加算されているが、日本は軍事費を1%に抑えた結果成長率も低かった


軍事費もGDPの一部なので理論上は軍事費を増やすほどGDPも増え、ロシアはまさにこの方法で経済崩壊を防いでいます

だが軍事費が国民生活を圧迫するほど増えると民間支出が減るので、こうなると逆に軍事費を増やすほどGDPが低下し始めます

その分岐点は規模が大きな先進国の場合はGDPの4%程度でしょう


日本の成長率が高まることで円は強くなり、長期的(10年単位)に円高ドル安に向かうでしょう

https://www.thutmosev.com/archives/90081152.html
13:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/02 (Thu) 09:34:49

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
2023年3月1日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34101

日銀の新総裁に就任する予定の植田和男氏と、副総裁候補の内田真一氏と氷見野良三氏が、国会に呼ばれて次々に所信表明を行なっている。現在の日銀の状況も含めて、彼らの考えていることを解説したい。

アベノミクスとインフレ

2013年に始まったアベノミクス以来、大規模な量的緩和政策(つまり紙幣印刷)と長期金利を操作するイールドカーブコントロールによって日本にインフレをもたらすべく頑張ってきた黒田東彦日銀総裁が4月に退任することから、その後任として岸田首相に選ばれたのが長年東大でマクロ経済学者として教鞭を執ってきた植田氏である。

植田氏には黒田氏のインフレ政策の後始末が求められている。黒田氏は長年インフレを目指して金融緩和を行なってきた。そして日本経済はインフレになった。その原因はウクライナ情勢ではない。すべての優れた金融の専門家が、インフレの原因が量的緩和と現金給付であることを認めている。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
日本でも2021年には既に生産者物価指数が高騰していた事実を無視して2022年のウクライナがどうのと言い始める無知な人々が居るが、彼らももう絶滅寸前である。それで日銀に批判の目が向けられている。

インフレ政策の何が悪かったのか。インフレが実際に実現されてしまい、日本国民が遂にインフレが物価高という意味だという衝撃的事実に気付いてしまったことが黒田氏の一番の誤算かもしれない。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
実際にはインフレには何の利点もない。インフレとは経済学的には需要過剰、供給過少という意味であり、平たく言えば人々が必要としている量に比べてものが不足している状況である。デフレとは逆にものが余っている状況である。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
ものが余っている状況よりものが不足している状況の方が良いと誰が言い始め、何故それを誰もが無批判に信じたのか。筆者のような愚かな人間にはまったく理解できない思考回路である。人類は本当に卓越した頭脳を持っている。

円安で輸入物価上昇

その根本的で致命的な問題点はさておき、もう少し実務的に言えば日銀の尻に火が着いている理由は主に2つある。

先ず1つは円安である。2022年、例えばドル円の為替レートは大きく上昇し、ガソリンを含む輸入物価の高騰を引き起こした。ドル円のチャートは次のようになっている。


このドル円の急上昇は、日本の長期金利が日銀の当時の長期金利の設定上限であった0.25%に達した2022年3月から始まっている。日銀は上限を守るために国債を買い入れなければならず、その緩和によって急激な円安が進んだのである。

ドル円だけに関して言えば、当然ながらアメリカの側で金利が上がり、ドル高に動いたことも非常に大きい。だが2022年、日本円はこの日銀の緩和政策によって世界最弱通貨の1つとなった。ドル高で新興国通貨も下がったが、日本円は例えばインドネシアルピアなどの東南アジアの通貨と比べても下落している。

こうした円安が輸入物価の高騰をもたらした。だがアベノミクスによれば、円安は良いことではなかったのか? 日銀はそれを目指してきたのではなかったのか?

だが実際には円安政策とは日本製品が安くなることで外国人を儲けさせるものの、日本国民には何の得もない政策である。筆者は以下の記事で次のように分かりやすく説明している。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ
例えば1ドル=100円の時に600万円(=6万ドル)の日本車があり、6万ドル持っている外国人が購入を考えているとしよう。

これが円安になり、1ドル=120円になったとする。600万円の日本車は、ドル換算では6万ドルではなく5万ドル(=120円 x 5万)になる。予算が1万ドル余ったので、ついでに軽自動車も買えるかもしれない。

これで日本人は自動車だけでなく軽自動車も売れたと喜ぶかもしれない。だが実際には、元々6万ドルを日本車1つと交換していたものを、円安によって同じ報酬で日本車と軽自動車をセットで譲り渡す羽目になっただけで、得をしているのは外国人のほうである。

一方で日本円の価値が下がるので、日本国民は外国の製品が買えなくなる。円安の何が良いのか誰か説明してくれないだろうか?

日銀の買い入れで国債がなくなる

インフレと円安、本当に何の得にもならないものを日銀はよく目指してきたなと思うが、日銀にとって最大の窮地は自分の国債買い入れで日本国債がなくなることである。

以下の記事で説明したが、日銀は量的緩和政策でこの世に存在する日本国債の半分以上を既に買い入れてしまっており、ペース次第では今年中に債券市場で国債が枯渇する。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
だから新総裁になる植田氏は何とか買い入れのペースを減らす(つまり緩和を縮小する)ことを目指している。

新総裁植田氏の所信表明

以下の記事で説明したように植田氏は経済学者としてはそれほど優秀ではないものの、まともなマクロ経済学の知識を持った人物であるとは言えるので、日銀が既に詰んでいるということをよく分かっている。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
日銀のインフレ政策、特に長期金利の上限を決めるイールドカーブコントロールは何とかしなければならない。だが普通の経済学の知識がある人間がアベノミクスはどうだったかと聞かれ、本音を漏らすとどう頑張っても酷評になってしまう。そうすると年頃の乙女のような自民党安倍派のプライドを傷つけてしまうので、日銀総裁になれなくなるのである。

そんな植田氏は、自民党安倍派の前で自分の見解を披露する所信表明をどのように乗り切ったか。彼は所信表明でインフレをもたらしたインフレ政策について何と言ったか。彼は次のように言っている。

デフレではない状況をつくり上げたと考えております。

かなり苦しいこの言い方の理由を、ここ読者はもう理解するだろう。日本のインフレ率は既に4%でしかも加速している。だが「インフレ政策がインフレをもたらした」という当たり前のことを言ってしまうと、インフレが物価高だという衝撃の事実に気付いてしまった国民に自民党安倍派が批判されてしまう。

だが植田氏はこの踏み絵を乗り切り、更に緩和政策は「必要かつ適切」だと言い切った。より具体的には彼は次のように言っている。

様々な副作用が生じていますが、先程お話しした経済物価情勢を踏まえますと、2%の物価安定の実現にとって必要かつ適切な手法であると考えます。

だが「様々な副作用」が何かということについて彼は一切語らなかった。

この言葉をどう解釈するかが、日本の金利を予想する投資家にとって非常に重要となる。植田氏は、副作用がある(どころではない)ということは言っておかなければならない(そうでないと後で緩和政策を修正できない)が、所信表明の場で「副作用」の詳細を長々と話して自民党安倍派の急所をえぐっても何の得にもならない。だから言わないのである。

また、植田氏は金融緩和を継続するという趣旨の話をするのを躊躇わない。だがそれは長期金利を上げないという意味ではない。長期金利は今0.5%だが、インフレ率が4%の状況で長期金利を1%に上げても2%に上げてもまだその政策は緩和である。4%、5%に上げなければならなくなれば、緩和政策は2023年初頭まで適切だったが状況が変わったと言えば良いだろう。

植田氏の所信表明はよく考えられている。だが彼の過去の文章を読めば、彼の狙いが国債買い入れの減額であることは明らかである。

植田戦法を真似て踏み絵に挑む副総裁候補たち

副総裁となる予定の内田日銀理事と氷見野前金融庁長官も植田氏の戦法を踏襲して所信表明に挑んでいる。

内田氏は異次元緩和が「デフレではない状況を実現した」という自民党安倍派に対して有効な呪文を繰り返した。

だが一方で彼も言うべきことは言っている。彼は「金融機関収益や市場機能などの面で悪影響が生じていることも事実」とした上で「副作用があるから見直すのではなく、いかに工夫を凝らして緩和を継続していくかが課題」という、さも副総裁に就任すれば金融政策を見直すがこれまでの政策が悪かったわけではないという、崖っぷちに追い込まれている緩和支持者をなだめるような言い方をしている。だがこの言い方は明らかに緩和政策の修正を前提としている。

氷見野氏も概ね同じ内容だが、黒田氏と同じ元大蔵官僚である氷見野氏よりも、日銀理事の内田氏の方が踏み込んだ内容に聞こえた。日銀内部にはアベノミクスに最後まで抵抗し実質的に安倍氏に首を切られた白川元総裁の恨みがアベノミクスに対して溜まっているという話も聞く。

結論

いつも通り何も分かっていない大手メディアでは「新総裁が緩和継続に言及した」などと報じられているが、緩和を継続すると宣言することはイールドカーブコントロールの修正をしないことをまったく意味しない。2%でも3%でもイールドカーブコントロールを続ける限り緩和である。

以下の記事のように植田氏のこれまでの言説を把握した上で彼の言葉を解釈するべきだが、原油価格の推移も調べないでインフレについて語っているほとんどのメディアにそんなことは望めないだろう。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
いずれにしても日銀は詰んでおり、究極的には彼らの意向は市場にとって問題ではないとも言える。彼らがどうしようとも緩和は終わるからである。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する


インフレ政策の出口戦略はインフレである。始めから分かっていたことではないか。緩和を支持した人々は馬鹿ではないのか。あるいはそれでも緩和を続ければ、今度は円安が止まらなくなるだろう。Bridgewaterのレイ・ダリオ氏が予想していた通りである。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる


じわじわと上がる日本のインフレ率が日銀をその状況に追い込んでいる。

このような日銀の状況を債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏は見事な例えで表現している。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る


日銀は賢明だ。80階の窓から飛び降りて、70階分落下したところで「今のところは良い状態だ」と言っているようなものだ。

植田新総裁に期待したい。また、何故日銀が金利を上げなかったかという理由については以下の記事を参考にしてもらいたい。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34101
14:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/03 (Fri) 07:30:40

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想
2023年3月2日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34200

日銀の新総裁に経済学者の植田和男氏が就任すると見られることを受け、日本国債の空売り(価格が下落すれば利益が出るトレード)を開始する。筆者の意見では、このトレードはリスク・リワード比が非常に良い。以下に理由を説明したい。

遂に始まった日銀の実質利上げ

ことの発端は4月に現日銀総裁の黒田氏が退任する予定になっていること、そしてその黒田氏が去年12月、恐らくは岸田政権に迫られて長期金利の実質利上げを行なったことである。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2023/3/2)
イールドカーブコントロールと呼ばれる金融政策により、日本の長期金利はそれまで0.25%という低い水準に保たれていた。それが2022年の円安と、それにともなう輸入物価高騰をもたらしたことは、前回の記事で説明している。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
黒田氏は恐らく「インフレ政策には何の問題もなかった」という顔をしながら退任期限まで逃げ切りたかったのだろうが、結局彼は長期金利の上限を0.5%まで上げるはめになった。

実質利上げは始まったばかり

だが日本のインフレ率は4%である。このインフレは0.5%の長期金利で止まるものではない。では何処まで利上げすればインフレは止まるのか。

過去の事例を探せば、1970年代のアメリカの物価高騰時代では金利がインフレ率を上回るまでインフレは止まらなかった。当時のインフレ率と政策金利のグラフを並べると次のようになる。


そして現在のアメリカでも、長期的にはインフレ率は5%に収束すると予想されており、金利は5%まで上がろうとしている。

1月のアメリカのインフレ率はソフトランディングが不可能であることを示している
1970年代とは状況が違うとは言っても、やはり金利はインフレ率と同じ水準まで上がらなければ止まらないらしい。

コストプッシュインフレ?

日銀は(これは新総裁の植田氏もそうだが)日本のインフレは輸入物価高騰によるコストプッシュインフレであり、緩和を止める理由にはならないと主張している。

だがここでは何度も論じたように、原油や農作物などが高騰した理由はコロナ後に世界中で行われた量的緩和と現金給付であり、2020年にはその兆候が既に表れていたことをここでは報じておいた。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)
コストプッシュではなく政府と中央銀行の政策によってもたらされた大量の資金が市場に流れ込んだ結果であり、2020年に緩和をしていた主要国の中央銀行(当然日銀を含む)はすべてその責任をしっかり負っている。

自らインフレを引き起こした政府と中央銀行がコストプッシュインフレという言い訳を使うだろうということは、大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏によって数十年前に予想されており、彼らはその通りの道を歩んだというわけである。

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
大体輸入物価全般に関しては円安が原因であり、前回の記事で説明したように2022年の円安は日銀のイールドカーブコントロールによってもたらされているのだから、緩和政策を止めない理由にはならない。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
彼らの言い分は論理的に破綻している。

また、CPI(消費者物価指数)統計を見れば、輸入物価のインフレが国内物価にも波及し始めていることが分かる。2021年に「コストプッシュインフレ」を繰り返し、インフレに対策を打たなかったアメリカのパウエル議長が何をするはめになったかは誰もが知っている。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
アメリカやヨーロッパの例で既に見たように、インフレは一度始まると止めるまで永遠に加速し続ける。そして日本でもそれは始まりつつある。

植田新総裁は実質利上げを継続する

さて、そこで問題になるのが、植田新総裁が長期金利をどうするかである。

結論から言えば、植田氏の狙いは日銀の国債買い入れ額を減らすことである。そしてそのために長期金利の上限をある程度上げるだろう。

植田氏も副総裁候補たちも、今の日銀の金融政策には「副作用」があるということを強調している。そして私見によれば、そうした副作用のうち彼らが一番懸念しているのは、インフレでも円安でもなく日銀の国債保有額である。

日銀は現在既に市場に存在する国債の半分以上を買い入れてしまっている。イールドカーブコントロールで長期金利に上限を付ければ、金利が上限に達するごとに金利を抑えるために国債を買い入れなければならなくなる。

だがこのままでは日銀の買い入れによって年内に市場から国債が枯渇してしまう可能性がある。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
筆者の考えによれば、これこそが日銀の審議委員として現在の緩和にもかかわった植田氏の一番の懸念点である。彼の懸念点は必ずしもインフレでも円安でもない。だが国債買い入れ額を減らすために金利上昇が必要ならば、金利を上昇させるだろう。

何故そう言えるか。植田氏は所信表明において「情勢において工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切」だと言っている。

「工夫」とは具体的に何か? もっと分かりやすいのは、副総裁候補の内田氏が緩和政策について「副作用があるから見直すのではなく、いかに工夫を凝らして緩和を継続していくかが課題」と言っていることである。

これは明らかに枯渇しかけている国債の残高のことを言っている。そしてその問題を解決するためには長期金利の上限を上げることが必要である。上限を例えば1%や2%に上げれば、現状の上限である0.5%を超えても国債を買い入れずに済むからである。

日本国債の空売りを開始

ということで、日本国債の空売りを開始する。債券の金利上昇は価格下落を意味するので、日本国債の価格が下がることを予想するからである。

日銀は長らくゼロ金利政策を続けてきた。そしてそれが維持不可能だと見込んで日本国債の空売りを行なったヘッジファンドもあったが、これまで日本の金利は結局上がらなかったため、日本国債を空売りする取引は金融市場でウィドウメイカー(寡婦を生み出すトレード)と呼ばれてきた。

だがこうした見方が見落としている点が1つある。日本国債の空売りはほとんど損をする可能性のない取引だということである。

何故か? 債券の金利上昇は価格下落、金利低下は価格上昇だということを考えてみてもらいたい。そして日本国債の金利は上がることはあっても、下がることはほぼ考えられない。今のケースで言えば、金利上限を下げると日銀は国債を更に買い入れなければならなくなる。筆者の予想ではその可能性は限りなくゼロに近い。

だから日本国債は価格が下がることはあっても上がることはない資産である。よって日本国債の空売りは、仮に失敗してもほとんど損をしない。

日銀は最近、これに対抗するために国債を借りる時に金融機関が支払う国債の品貸料を1%に引き上げた。空売りをするためにはまず国債を借りなければならないため、空売りのコストを上げようとしているのである。

だが金利がもし上昇すれば国債の価格がどれだけ下がるかを考えてもらいたい。債券は満期までの期限が長ければ長いほど金利上昇に対する価格の下落幅が大きい。10年物国債は1%の金利上昇で10%近く、2%でほぼ20%近くの価格下落となる。3%、4%になれば30%、40%である。

これはジョン・ポールソン氏がリーマンショック時にサブプライムローンを空売りした場合と似たようなリスク・リワード比だと筆者は考えている。ポールソン氏は当時のことについて以下のように語っている。

ジョン・ポールソン氏、サブプライムローンの空売りで大儲けした時のことを語る
空売りのコストは年間たった1ドルということになる。

しかしサブプライムローン債券がデフォルトすれば、空売り投資家は100ドルを得ることができる。

結論

ということで、筆者も遂に日本国債の空売りに手を出すことになった。大手メディアや金融市場はまだ分かっていないが、筆者の意見では植田氏の狙いは明らかである。以下の記事を読みながら彼の言葉を精査してみてほしい。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者

また、金利上昇は株価にとってもマイナスとなる。 筆者は日本株の空売りも行なっている。アベノミクスのお陰で日本経済が滅ぶ時が来たようである。自業自得である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34200
15:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/04 (Sat) 06:55:59

世界最大のヘッジファンド: 金融引き締めで経済恐慌かインフレ第2波で経済リセット、どちらになるか?
2023年2月22日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33781

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏が、際限なく続けられた金融緩和の後始末について自身のブログで語っている。

インフレ政策の後始末には2つの方法がある。だがどちらもあまり良い結果にはならないようだ。

インフレ後の経済政策

リーマンショック後際限なく拡大されてきたインフレ政策は、ゼロ金利、量的緩和、イールドカーブコントロールを経て現金給付によってついにインフレを引き起こした。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
インフレ政策がインフレを引き起こして何の驚きがあるのか筆者にはまるで分からないが、これまでインフレ政策を支持してきた有権者たちは突然うろたえ始め、自分たちが望んできたインフレに文句を言い始めている。見ていて楽しい人々である。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
さて、ダリオ氏の歴史研究によれば先進国経済の終わりとはそういうものである。大英帝国もオランダ海上帝国も債務増大と紙幣印刷を経て衰退した。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
そして今、日本やアメリカの経済は帰路に立たされている。インフレが始まってしまった今、無尽蔵に紙幣を刷って緩和をすることはできない。緩和を続ければインフレが悪化するからである。

一方で紙幣印刷を止め、これまでの低金利を撤回して金利を上げれば、ゼロ金利に依存していたゾンビ企業などが軒並み倒産し(それは良いことなのだが)、経済成長率はマイナスまで落ち込んでゆくだろう。

インフレ後の2つのシナリオ

現在、アメリカはインフレ率が9%まで達したため少なくとも短期的には引き締めを選んでいる。日本はインフレ率が4%で紙幣印刷を継続しており、インフレ率は加速を続けているが、日銀の植田新総裁がどうするかが注目されている。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
インフレ政策の後始末としての2つのシナリオは、簡単に言えばデフレかインフレかである。どちらにしても国民は死ぬのだが、有権者が何年もそういう政策を支持してきたのだからどうしようもない。

だが投資家としては、この2つのシナリオで投資対象がどのように動くのかを詳しく見てゆく必要がある。

デフレシナリオ

まずは金融引き締めでデフレシナリオからである。ダリオ氏は次のように説明している。

もし中央銀行が引き締めシナリオを選べば、債務者は収入の多くを債務返済に振り分けなければならなくなるため、クレジットスプレッドは開くだろう。

一方、政府と中央銀行の保証がある債券(訳注:国債など)は、パフォーマンスは悪くなるが他の債券よりはましだろう。

クレジットスプレッドについては、年末に亡くなった債券投資家スコット・マイナード氏が詳しく説明してくれている。

マイナード氏、国債と投資適格債とジャンク債の違いを語る
だが簡単に言えば、引き締めによって市場から資金が流出してゆくためリスクの高い資産から順番に下落してゆくということである。

一方、国債などの下落はジャンク債や株式などに比べて限られるだろう。インフレさえ起こらなければ、国債の価格は経済のクラッシュによってむしろ上がる。リーマンショックの事例を思い出したい。

リーマンショックで急落した金価格、上昇した米国債
また、安全資産と呼ばれるゴールドだが、リーマンショックにおいて価格がむしろ下落しているように、金融引き締めで経済がクラッシュする場合、ゴールドや原油、農作物などのコモディティ銘柄にはネガティブな影響となるだろう。

一方でドル円は円高に振れる。リスクオン時には投資家は高金利通貨に資金を入れているが、リスクオフで低金利通貨に資金が流入するからである。

ドル円の空売り(つまりはドルに対する円買い)とドル建て金価格の上昇への賭け(つまりはドルに対するゴールド買い)はどちらもドル売りという性質があるが、一番の違いはリスクオフ時の反応であるということに注意したい。

インフレシナリオ

では政府がインフレ退治をやらずに緩和を継続した場合、つまりインフレシナリオにおいて金融市場はどうなるか? ダリオ氏は次のように述べている。

もし中央銀行が緩和シナリオを選べば、クレジットスプレッドはそれほど開かず債券の種類による違いは少なくなるが、すべての債券の実質価値は下がるだろう。

つまりは物価が高騰するということであり、紙幣自体は経済全体にばら撒かれるので100ドル貸していれば100ドルは返ってくるが、その100ドルの価値はインフレで大きく目減りしているということである。

戦後にドイツが返済不可能な戦後賠償金を返済した方法であり、黒田日銀は日本の莫大な政府債務について同じことをやろうとしていた。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
このシナリオにおいては利益を出す見込みのないゾンビ企業さえも救済される。彼らはばら撒かれた紙幣で借金を返す。だがその時には誰も紙幣など欲しいとは思わなくなっている。紙切れは余っており、物資は足りない。それがインフレである。

世界最大のヘッジファンド: 金融資産から現物資産への怒涛の資金逃避が起こる可能性
このシナリオにおいて高騰するのはゴールドだろう。リーマンショックで大儲けしたジョン・ポールソン氏はそのシナリオを見込んでいる。

ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
また、株価がどうなるかと言えば、中央銀行が金利をどの水準に保つかにもよるが、実質金利(インフレ率を差し引いた金利)を極端に低い水準に保つ場合、株価も高騰する。2022年のインフレ率が60%台となったトルコでは株価は上がっている。以下はトルコの株価指数のチャートである。


だが実質金利がそれほど極端に低い水準にならない場合、1970年代の米国株のように株式はインフレで酷いパフォーマンスになる。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
そしてドル円のレートの行方は日本とアメリカ、どちらがよりインフレを野放しにするかにかかってくる。

コロナ後のインフレ

ではこれからどうなるか? 日本とアメリカそれぞれ考える必要があるが、とりあえずアメリカについて考えよう。

筆者の予想は、短期的にはデフレシナリオ、長期的にはインフレシナリオである。労働市場が強く、失業者が続出しない限り、パウエル議長は金融引き締めを続けるだろう。筆者の予想では、その引き締めの程度は株式市場を破壊するのに十分である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
だが大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の言うように、いずれ引き締めによって大量の失業者が路頭に迷う状況が来る。以下の記事は必ず読んでおいてもらいたい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
その時にはパウエル氏は緩和に転じるというのが、今の筆者のメインシナリオである。2018年に引き締めを行なったが株価が急落すると緩和に転じ、2021年に緩和を行なったが世論がインフレを懸念し始めると引き締めに転じた彼は究極の日和見主義者だからである。

サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
インフレとデフレの2つのシナリオにおいて大きく違うのはドル円と金価格の動向であり、今筆者が金価格上昇ではなくドル円下落に賭けているのはそれが理由である。今の金価格はソフトランディング期待をいくらか織り込んでいるが、筆者はソフトランディングが有り得ないと考えている。

日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始
だがいずれゴールドの買いに転じる時が来るだろう。また、短期的な下落を無視すれば、超長期的には単にゴールドをホールドしていてもそれほど悪くはないのではないか。

結論

さて、ダリオ氏はどうなると予想しているか? 過去の様々な国家の衰退を研究した彼は次のように述べている。

過去の事例を研究した著書で説明したように、大きな債務危機が起こり、その債務が中央銀行が印刷できる通貨建てで積み上げられている場合、すべての事例において中央銀行は常に紙幣を印刷してその債務を買い入れている。それが債務再編のもっとも痛みの少ない方法だからだ。

厳密に言えば、それが政治家にとってもっとも痛みの少ない方法だからだ。 彼らにとっては紙幣によって積み上げられた国民の預金を守るインセンティブは存在しない。

一方で彼らの積み上げた借金はなくなる。インフレ政策を選ぶのは、彼らにとって自然な選択である。筆者に理解できないのは、何故有権者がそれを支持したかである。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
いずれにせよ、最終的には物価高騰で終わるだろう。だが問題はそれまでの短中期的な動向である。まずは株価の下落、そして次に金利の下落と筆者は踏んでいるが、どうなるだろうか。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始
ガンドラック氏: アメリカは2年物国債金利の警告通り利下げする、中央銀行はまったく不要


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33781
16:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/04 (Sat) 22:14:26

ポールソン氏: 成功は紙幣印刷ではなく教育と勤勉さから生まれる
2023年3月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278

長らく続いていたアラン・エルカン氏によるジョン・ポールソン氏の長編インタビューの最後の記事となる。

今回はコロナ後の政府の経済政策について語っている部分を紹介する。

コロナ後の緩和政策

2020年、コロナ第1波におけるロックダウンで先進国経済は大きなダメージを受けた。これに対して日本でもアメリカでも、政府と中央銀行は紙幣印刷と現金給付で対応した。

アメリカでは、Fed(連邦準備制度)が3月23日に無制限の量的緩和を発表しているが、実はこの措置は当時の株価の暴落を止めることが出来ず、一定期間株価はそのまま落ち続けた。当時の相場を知らない読者には、当時の記事からリアルタイムの雰囲気を読み取ってみるのも面白いかもしれない。

米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落 (2020/3/24)
だが結局、この緩和措置は過剰だった。特に2021年、既にアメリカ経済は元の水準まで回復していたにもかかわらず、就任直後のバイデン大統領が人気取りのために莫大な現金給付を行なったことが一番まずかった。

ガンドラック氏、バイデン大統領の「インフレは就任前から」発言を批判
それで経済は強くなり過ぎた。ポールソン氏は次のように解説している。

Fedが紙幣印刷で未曾有の刺激策を行ない、それが政府に莫大な資金を使う余裕を与えた。財政支出と紙幣印刷の組み合わせが非常に強い経済を演出した。

中央銀行が印刷した紙幣を政府がばら撒いたことで需要が非常に強くなれば、経済に何が起こるか。需要と供給について少しでも知っている人ならばその答えを出すことは容易い。インフレである。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
過剰な資金はまだ経済に残っている

ポールソン氏によれば、その効果は紙幣印刷を終了して1年ほどになる今でも続いているらしい。彼は次のように続けている。

今ではFedは引き締めを行なっているが、まだ経済の中に多くの余剰資金が残っており、それが消費と経済成長を支えている。

アメリカ経済は着実に減速しているもののまだ持ちこたえている。

アメリカ経済は確実に減速している、2022年4QアメリカGDP
インフレ率全体が下落しているなか経済成長は持ちこたえていることで、ソフトランディング期待も囁かれた。だがインフレの内訳を見てみれば、実体経済が持ちこたえているのは、サービスなど実体経済の核心にある部分のインフレがまだ止まっていないからだということが分かる。

サービスのインフレだけひとりで上がり続けるのか
この記事で詳しく説明したように、サービスのインフレが止まらない限りインフレは止まらず、そしてサービスのインフレと経済成長率は一蓮托生である。つまり、サービスのインフレを止めようと思えば、経済成長も止めるしかない。

よってソフトランディングは有り得ない。それが筆者が株を空売りしている論拠である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
副作用のない麻薬はない

ということで、紙幣印刷でリッチになれると思った多くの有権者はインフレで酷い目に遭っている。2020年に既に誰かが警告していたではないか。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする (2020/5/8)
ポールソン氏は次のように言う。

それはパーティのようなものだ。パーティに行き、たくさん飲みたくさん笑うが、パーティが終われば2日酔いが待っている。

だからアメリカ経済には大きな2日酔いが待っている。最終的には負債を支払うか、インフレで債務を帳消しにするかどちらかしかない。

債務はいずれ払わなければらない。そうでなければ債権者が損をするので、債務を払うか、債権者に損をさせるかのどちらかである。そして例えば日本の場合、国債の保有者は実質的には預金者なので、政府債務をきっちり支払うか、国民が損をするかのどちらかである。

だが負債を払わず預金者も紙幣を取り上げられない第3の道がある。ポールソン氏は次のように説明する。

それはもう始まっている。インフレは政府債務の実質的な量を減らしているが、それは賃金よりも大きく物価が上昇することに苦しむ平均的な国民の犠牲のもとに成り立っている。

敗戦後のドイツが支払い不可能な債務を何とかした方法である。

ここでは何度も言っているが、インフレ政策は最初からそれを目的にしている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
インフレ政策とは国民の預金を犠牲に莫大な政務債務を帳消しにして、政治家が引き続き予算を票田にばら撒けるようにする政策であり、それを政治家が何としてもやりたかった理由は完全に理解できるが、それを有権者が支持した理由は理解不能である。

以下の記事で詳しく説明したが、あなたがたは騙されている。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
結論

ポールソン氏は紙幣印刷について次のように纏めている。

成功するための魔法など存在しない。成功は教育、勤勉さ、貯蓄、再投資によって得られる。そうすればあなたは成功するだろう。

結局のところ、2020年に現金給付を横目に見ながらインフレの歴史について淡々と研究していたレイ・ダリオ氏が言った次の言葉がすべてである。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる (2020/5/17)
われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。愚者はまさに今経験から学んでいる。いや、問題は恐らく、愚者は経験から学ぶことすらないということだろう。

だが市場経済の素晴らしいところは、債務のツケは誰かが払ってくれても自分の愚かさのツケだけは自分で払わなければならないということである。筆者は市場経済のその部分を本当に素晴らしいものだと考えている。

そう言えば自分で働くことなくお金が降ってくるように願った人々がはまった穴がインフレの他にもう1つある。つみたてNISAである。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
2023年、緩和に対するツケを払うための引き締めはアメリカでも日本でも始まっている。株価とドル円はともに下落することになるだろう。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始


金融庁に騙されて彼らの多くは資金を米国株に注ぎ込んでいるが、円建ての米国株の価値は株価下落とドル円下落の二重苦で酷いことになるだろう。つみたてNISAは既に詰んでいる。金融市場とは素晴らしい場所である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278
17:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/17 (Mon) 11:25:25

COMMENTARY
円安は日本のメガバンクに好悪両面の影響をもたらす
Mon 17 Oct, 2022
https://www.fitchratings.com/research/ja/banks/286fd537-ed73-4454-9f1a-718dab70b736-17-10-2022


Fitch Ratings-Tokyo/Hong Kong-17 October 2022: (本稿の英語版は、「Weaker Yen’s Impact Mixed for Japanese Mega Banks」(2022年10月12日付)として公表されています。)

フィッチ・レーティングス-東京/香港-2022年10月12日:
2022年における対米ドル円相場の下落は、日本の3メガバンク(株式会社三井住友フィナンシャルグループ(SMFG)、株式会社三菱UFJ フィナンシャル・グループ(MUFG)及び株式会社みずほフィナンシャルグループ(みずほ))の営業利益にプラスの影響を及ぼすとみられるものの、各グループの信用力や格付の構造的な改善につながる可能性は低いとフィッチ・レーティングス(フィッチ)は述べている。

2023年3月期(2022年度)において、3メガバンクの営業利益における海外事業比率は約30%~50%にとどまるとフィッチは予想している。他の条件がすべて同じである場合、対米ドル円相場が2021年度末時点の水準から10円下落するごとに、営業利益は3%~6%増加するとフィッチは推定している。MUFGはMorgan Stanleyから多額の収入を得ており、増加が最も大きくなる可能性が高い。

外貨建て貸出が円換算されるため、総資産及びリスクアセット(RWA)も増加するとみられる。しかしながら、その増加分は営業利益の増加分より小幅であるため、営業利益/RWA比率は若干改善するにとどまるとフィッチは予想する。フィッチは、これらの信用力指標の改善が業績の構造的な変化を示すものではないとみていることから、それ自体が格付アクションにつながる要因となる可能性は低い。

普通株式等Tier 1(CET1)比率については、対米ドル円相場が2021年度末時点の水準から10円下落するごとに、10bp~20bp低下するとフィッチは予想している。この低下の一因として、RWAの計算には2022年度末時点の為替レートが用いられるのに対して、円換算された海外収益の寄与は1年間の平均為替レートが用いられることが挙げられる。SMFGの資本基盤及びレバレッジの評価値「a」のアウトルックは「弱含み」であるため、CET1比率が低下した場合には、最も大きな下方圧力にさらされる可能性がある。

円安による営業利益の増加は、他の要因によって相殺される可能性が高い。例えば、米国の金利上昇により、米ドルの価値は上昇するが、米国債券価格は下落する。金利は先進国の多くで上昇しており、保有外国債券の時価評価による評価損が、近い将来にメガバンクの利益を圧迫するとみられる。



多くの海外市場における金利の上昇により、外貨建て貸出の資金調達コストが上昇することになるだろう。特にみずほは外貨の預貸率が他行より高いため、より影響を受ける可能性がある。資金調達コストの上昇を貸出先に転嫁が可能であることから、流動性リスクは対処可能な範囲にとどまるとフィッチは予想している。日本の銀行は引き続き債券発行と通貨スワップにより資金を調達するとみられ、必要時には日本銀行が提供する外貨流動性ファシリティによっても補完されている。

多くの海外貸出市場には景気後退が迫っており、日本の銀行は与信コストの増加にも直面する可能性がある。このような状況下で貸出先の信用力が低下する場合には、海外向け貸出のリスクウェイトに影響が及ぶ可能性が高い。しかしながら、メガバンク各行の海外向け貸出ポートフォリオは、特に先進国においては太宗がより耐久力のある高格付の貸出で構成されている。その一方、輸入中間財コストの上昇を顧客に転嫁することが困難である日本企業においては、円安が国内資産の質を圧迫する可能性がある。



フィッチは、円安により日本の銀行の貸出が若干増加するとみている。貸出の伸びは2022年2月の前年同月比0.3%から、8月には同2.2%に加速した。これは主に、原材料価格の上昇を受けて、地方の中小企業の借り手による資金需要が拡大したことを反映している。一方、フィッチは円安が有利に働く輸出業者については、資金需要が拡大すると予想していない。大手輸出業者は借入ではなく内部資金により投資を賄うことができるためである。

為替レートのボラティリティが高まると、外国為替取引及び為替ヘッジ業務による収益が増加するため、各グループの外国為替取引による収入も増加する可能性がある。

照会先:
西澤 かおり
ダイレクター
03-6897-8995
フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社
〒102-0083 東京都千代田区麹町四丁目8番地 麹町クリスタルシティ東館3F

岡田 一光
アソシエイト・ダイレクター
03-6897-9214

Duncan Innes-Ker
Senior Director, Fitch Wire
+852 2263 9993

メディア照会先: 03- 6897-8991

さらなる情報については、フィッチのウェブサイトwww.fitchratings.com / www.fitchratings.com/ja (日本語)より入手可能です。ここに表明されている所見はすべてフィッチのものです。

フィッチ・レーティングスの全信用格付は、所定の制約及び免責の対象となっています。フィッチ・レーティングス・ジャパン株式会社の格付についての当該制約及び免責事項は、弊社ウェブサイトからご覧ください( www.fitchratings.com/ja :「規制関連」>「格付の定義」>「信用格付を理解する:利用と制約」)。また、各格付尺度及び債務不履行に関する定義を含む格付カテゴリーについての格付の定義は弊社のウェブサイトwww.fitchratings.com/ja 「規制関連」に掲載されているPDFファイルに詳述しています。ESMA及びFCAは、それぞれ2009年9月16日の欧州議会及び理事会規則(EC)No 1060/2009の第11条2項並びに信用格付機関(改正等)(EU離脱)規則2019に従って、過去のデフォルト率を中央リポジトリで公表することが必要とされています。
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18:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/19 (Wed) 09:51:41

忍び寄る世界金融危機 米銀発危機の連鎖 焦点は「信用収縮」
4/18
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e


米国商業銀行の商工業向け融資基準
https://news.yahoo.co.jp/articles/bf456cab7e0660da729ce2e1f2471f2d33ebd19e/images/000


「週末、ニューヨークと電話会議に追われた。彼らが注視しているのは、ゆうちょ銀行と農林中央金庫だ」

 東京都心のオフィスでそう語るのは米金融業界の関係者だ。3月10日、米シリコンバレー銀行(SVB)が経営破綻した直後から、ニューヨークの本部は邦銀への影響に関心を強めているという。

 同じ頃、『ウォール・ストリート・ジャーナル』やブルームバーグなど英語圏メディアも「SVBと邦銀」を結びつける記事を相次いで載せた。例えばロイターは「SVB事態で邦銀の債券保有が焦点、株価上昇は急停止」というタイトルの15日付記事で、「邦銀は債券を大量に保有する点でSVBと共通する。債券利回りが上がると価格は低下することから支払い能力のリスクを抱える」と伝えた。ブルームバーグは16日、「貸し出しより証券投資に重点を置く農林中央金庫、ゆうちょ銀行、信金中央金庫のような銀行にとって、金利感応度は非常に高い」と、米格付け会社の分析結果を報じた。

 ゆうちょの決算説明資料によれば、2022年末現在、運用資産の34.9%に当たる77兆円を外国債券と投資信託に投資しており、後者については「投資対象は主として外国債券。プライベートエクイティファンド等を含む」と脚注に記す。つまり、77兆円の多くは米国債を含む外国債券だ。農林中金の外国債券も同年9月末現在、24兆円に上る。

 SVBは米国債の多くを満期まで保有するつもりだったが、売却損が膨らんだ。3月上旬、ソーシャルメディアで信用不安が拡散し、顧客の「バンクラン」(取り付け騒ぎ)が破綻の引き金となった。

 ゆうちょは「当行は、SVBと異なり個人預金が大宗であり、一般的には(SVBのような)法人預金や市場性調達に比べて流動性の面で安定的」とした上で、流動性が高い日銀当座預金を中心とした預け金を60兆円超保有していることなどから、SVBとは状況が異なるとする。農林中金も「貯金者の多くは農漁協の組合員(出資者)でもあることから、金庫の預金の属性は(テック企業が多い)SVBと大きく異なり、粘着性も非常に高い」と説明。


米投資信託評価会社モーニングスターのシニア・エクイティ・アナリスト、マイケル・マクダッド氏は「日本でバンクランが起きるリスクは非常に低い」としつつ、こう話す。

「ゆうちょと農林中金は米国債の投資額が大きいため、投資活動に変化があれば、巨大な米国債市場にさえ影響を及ぼし得る。仮に新規投資をやめるようなことがあれば、債券利回りが上がりかねない。だから米当局も米メディアも関心を持たざるを得ない」

 ◇米銀は融資厳格化

 SVBの破綻後、米地銀のシグネチャー銀行が破綻し、クレディ・スイスが経営危機に陥ってライバル行に救済買収された。信用不安の連鎖は米欧を駆け巡っている。

 三菱UFJ国際投信の荒武秀至チーフエコノミストは「米経済は今までインフレが焦点だったが、信用収縮がきっかけになって潮目が変わろうとしている」とみる。荒武氏が根拠とするのは、米連邦準備制度理事会(FRB)が調べた商業銀行の融資基準だ。最新の今年1月調査分では、大・中堅企業向け融資を「厳格化した」という回答は44.8%、中小企業向けでは43.8%に達した(図)。FRBが金融引き締めを始めてから銀行が融資基準を厳格化するまで1年ほどのタイムラグが見受けられる。次回調査はSVBなどの米銀が破綻した後の4月だ。翌5月発表の次回調査結果で、「融資基準のさらなる厳格化が明らかになるだろう」と荒武氏は見通す。

 FRBは5月、政策金利の上限を現行の5%から0.25%引き上げるという見方が多い。荒武氏は「政策金利を5%までに引き上げたことで名目成長率を超えたとみられる。 過去の経験上、利上げ水準がオーバーキル(行き過ぎて景気に悪影響があること)となることが分かっている」と指摘する。

 FRBの利上げから1年。米国債価格の下落が銀行の破綻を誘発し、実体経済を冷やし込もうとしている。世界は再び金融危機に直面するのか。その火種が見え始めたことは確かだろう。
19:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/19 (Wed) 11:26:46

世界最大のヘッジファンド、銀行危機がどのように他の業界に波及するかを語る
2023年4月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35927

引き続き、Impact Theoryによる世界最大のヘッジファンドBridgewaterのレイ・ダリオ氏のインタビューである。

銀行危機と米国債の下落

前回の記事では、ダリオ氏はシリコンバレー銀行の破綻から始まる銀行危機が単に銀行だけの問題ではないということを説明していた。彼は次のように述べていた。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
シリコンバレー銀行に起こったことは銀行に限らず世界中のあらゆる組織や人に起こったことだ。

問題の根源はFed(連邦準備制度)がインフレ対策で金融引き締めを行なっていることであり、その結果の1つとして、債券価格が世界的に下落している。

シリコンバレー銀行の破綻の一因は、シリコンバレー銀行が保有していた米国債の価格が下落したことだった。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
だが米国債を保有しているのは銀行だけではない。世界中の人々が下落した米国債を持っている。だから世界中で同じ問題が生じているはずである。ダリオ氏はこのことについて以下のように述べている。

彼らが保有している債券は大きく下落している。しかもそれらの資産は借金をして買われており、その資産に酷い損失が生じている。

その損失はどうなるか? ほとんどの場合、それらの資産価値は時価で計算されていない。損失は会計上考慮されず、認識されない。いわば損失は隠されている。

そして彼らは損失はいつか元に戻るだろうという希望的観測を持っているわけだが、それは結局問題を生む。

そして破綻のニュースがまた世界の何処かから聞こえてくるわけである。

世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
銀行危機は何処に波及するか

では具体的にどのような場所に影響が出るのか? ダリオ氏は次の破綻の舞台となる業界についていくつかあたりをつけている。

例えば商用不動産である。彼は次のように述べている。

債券価格の下落でダメージを受けている銀行は、更なるローンの組成を避けるだろう。だがこういうローンは例えば不動産、特に商用不動産向けのものだ。

コロナ後に商用不動産が使われなくなったことなど様々な要因もあり、商用不動産には問題が生じるだろう。

2008年のリーマンショックは住宅不動産の問題だったが、ダリオ氏によれば今回はオフィスや商業施設などの商用不動産に問題が生じるそうだ。

更に、ダリオ氏はスタートアップや非上場企業に投資するファンドにも次のように言及している。

更にこうした融資はベンチャーキャピタルやプライベートエクイティ(訳注:非上場企業に投資するファンド)などにも行っていたが、彼らもキャッシュフローの問題に直面するだろう。

こうした資金の流れはもはや以前と同じようには行かない。

資金の枯渇は労働市場に影響する

このように、銀行危機が様々な方面に波及すれば、それでダメージを受けた企業と関係している人々が更にダメージを受けることになる。まさにドミノ倒しである。

ダリオ氏は次のように続けている。

そうなれば彼らは様々な方法でコストカットを行うことになる。

だから労働市場には変化が起きている。ハイテク企業など資金の流れが細っている業界では雇用削減が行われている。そしておおよそ同じことが世界中で起こっている。

企業にお金がなくなれば、起こることは人員削減である。

だがそれも一度にすべての企業が行うわけではない。先に影響を受ける企業が先に雇用削減を行う。だからハイテク企業のリストラがニュースに大きく出る一方で、経済全体の状況を反映した雇用統計にはそれほど影響が表れていない。アメリカ失業率はまだ低い水準にある。

3月のアメリカ失業率低下はアメリカ経済終了のサイン
だがコストカットにしても人員削減は最後の手段である。一度切った人は戻って来ないから、企業はまず出来るだけ他の方法でコストを減らそうとする。それでもどうにもならなくなったら最後に人員削減を実行するのである。

結論

だから、ハイテク企業など高金利の影響を受けやすい企業だけが人員削減を行なっている間はまだ問題が表面化していないのである。

多くの企業が人員削減に取り組み始め、それが失業率に反映され、失業率が実際に上がってきた時にはアメリカ経済は既に手遅れの状況になっているだろう。

ちなみに商用不動産の債券については債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏が下落していて安いとして買い推奨をしていた。

債券王ガンドラック氏が奨める2023年の債券投資戦略 (2023/1/26)
ダリオ氏とどちらが正しいだろうか。楽しみに結果を待ちたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35927
20:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/20 (Thu) 09:13:21

世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨から滑り落ちる理由
2023年4月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35956#more-35956

引き続き、Impact Theoryによる世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏のインタビューである。

インフレとドル高

今回はダリオ氏がドルの長期見通しについて語っている部分を紹介したい。

コロナ後、アメリカの通貨ドルはインフレにもかかわらず大きく上がった。インフレ対策でFed(連邦準備制度)が大規模な金融引き締めを行なったからである。

だがここには矛盾がある。インフレとはそもそも紙幣の価値が下がることなのだから、インフレでドルの価値は下がらなければおかしい。

だが2022年にFedが金融引き締めを行なって以来、ドルはむしろ多くの通貨に対して上がった。

しかしインフレによる本質的な価値減少は存在している。だがそれがドルに襲いかかるまでには時間差がある。以下の記事で論じている。

ダリオ氏とサマーズ氏のドル下落に関する論争
基軸通貨としてのドル

だが今回ダリオ氏が話題にしているのはドルに関する金利やインフレ率以外の要因である。

第2次世界大戦以後、ドルは基軸通貨として使われてきた。基軸通貨とは、世界中で多くの国に決済や預金に使われる通貨のことである。一般に原油などの貿易は、アメリカとは関係のない2国間で行われる場合にも慣習としてドル決済されている。

それがドルの長期的上昇に繋がってきた。ドルの強さはアメリカがどれだけドルを刷っても続いてきた。アメリカがドルをばら撒いても、世界中で決済や預金のためにドルを買おうとする人々が居たからである。

だが多くの識者が指摘しているように、それがウクライナ情勢以後揺らいでいる。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
1つの理由は、アメリカがロシアに対してドルを使って経済制裁を行なったからである。ダリオ氏は次のように述べている。

アメリカの最大の武器は、軍事力を除けば、経済制裁だ。経済制裁とは資産を凍結することだ。例えば債券だ。

ロシアにそれが起きた。そして中国のような他の国にも同じことが起きるリスクがある。

ロシア政府のみならず、一般のロシア人もドル資産を凍結されたり船などの資産を接収されたりした。

そしてアメリカは自分の対ロシア戦争に他の国をかかわらせるべく、制裁に加わらない無関係な国々を制裁をちらつかせて脅している。

ダリオ氏はこう続ける。

だから他の国々は考えている。アメリカの債券を保有していれば、同じことが自分にも起きるのではないか。そもそも自分は何故貿易を直接決済せずにドルという第三者の通貨で決済しているのか?

それはとても良い質問ではないか。そもそも何故ドルを使っていたのか。ダリオ氏は次のように言っている。

大量の米国債を保有している中国人がどう思うか考えてほしい。ロシアと同じように扱われるのではないかとわたしなら心配する。ドルは安全な資産として持っておきたいようなものではない。

当たり前の話である。だが西洋の人々は他国にバッタを食べることを強制して嫌がられないと思うくらいなのだから、ドルを押し付けたくらいでは物怖じするわけがない。

EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
だが無関係の国々はそっと彼らから距離を置こうとする。

ダリオ氏はこう続ける。

2つの国、例えばサウジアラビアと中国が貿易をするとき、何故ドルで決済する必要があるのか? そもそもドルで決済すべき良い理由がない上に、今やドルを保有すれば制裁されるリスクがある。

だからこうした貿易はますます他の通貨で決済されるようになるだろう。

気づいてみればそれが普通だと分かる。大多数の人々が単なる紙切れに過ぎない紙幣に何らかの価値があると思いこんでいるように、誰も当たり前を疑わない。

だからサウジアラビアと中国の貿易に、何故かまったく無関係であるはずのアメリカの通貨が使われていることに誰も疑問を抱かなかった。

だが人々はそこに疑問を抱き始めている。こうしたものは、疑われない間は意外に長く持続するが、疑われ始めると意外にあっけないものである。

基軸通貨が没落してゆくとき

何故それがドルにとって危機的なのか。それは例えば中国が貿易においてドルを使いたくないと考えたとき、どれだけの規模の資金がドルから人民元に変わるかということを考えれば分かる。

ダリオ氏は次のように説明する。

歴史的には、基軸通貨を持つ国は世界の貿易とキャピタルフローで最大のシェアを持っていた。

アメリカ以外の国がドルを持つ一番直接的な機会は、アメリカとの貿易である。

だから他の国に自分の国の通貨を持たせるための一番の方法は、自分の貿易の規模を増やすことである。

だがダリオ氏は次のように続ける。

世界貿易に占めるアメリカのシェアは縮小し、中国のシェアは拡大してアメリカより大きくなった。

そうなればどうなるか? ダリオ氏はこう続ける。

富の貯蓄手段としてのドルの便利さも変わってゆく。

もし誰もが世界貿易でドルを使っていれば、ドルを使って消費できるのだから、ドルのまま持っておこうと思うだろう。

だが今や世界貿易におけるアメリカのシェアは下落している。中国が世界トップとなっている。

その中国が自分の貿易をすべて人民元で行おうとすれば、それはドルにどれだけの影響を及ぼすか。2022年の中国の輸出は3.6兆ドル、輸入は2.7兆ドルである。

結論

こうした動きは西側のバイアスがかかったメディアだけ見ている日本人を置き去りにしながら進んでいる。

ブラジルのルラ大統領は最近、BRICS諸国に自国通貨による決済を呼びかけた。更にこのルラ大統領はアメリカについて「戦争を扇動するのを止め、平和について話し始めなければならない」と発言して西側諸国を面食らわせた。

この発言はウクライナで2014年当時存在した親露政権を追い出した暴力デモを欧米諸国が支援し、その後の親米政権がアメリカの外交官ビクトリア・ヌーランド氏によって決められた(決めている音声をYoutubeに暴露された)こと、そしてその後もウクライナをロシアにぶつけるためにウクライナ政権に介入し続けたことを念頭に置いている。

ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
ゼレンスキー大統領はそれに乗って、アメリカのためにウクライナ国民を犠牲にしたのである。彼を支援する日本人は全員人殺しである。

真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
こうした背景を知らなければブラジル大統領の発言は理解できない。アメリカ国家安全保障会議のカービー氏は「ブラジルは事実を完全に無視してロシアと中国のプロパガンダをオウム返しにしている」と言ったが、ブラジルの外相に「まったく同意しない」と切り捨てられている。

アメリカ人の経済学者ラリー・サマーズ氏が次のように述べていたことを思い出したい。

サマーズ氏: 中国は新興国に空港を与え、アメリカは新興国に説教を垂れる
民主主義やロシアの侵攻への対抗という点でわれわれは歴史の正しい側にいる。間違いなく歴史の正しい側にいるのだが、こちら側は少し寂しく見える。

アメリカ人は自分の側が寂しく見える理由を自分の胸に聞いてみるべきだろう。

こういう背景をもとにドルの長期的凋落は進んでゆくことになる。他の専門家の見解も参考にしてもらいたい。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨ではなくなる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35956#more-35956
21:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/20 (Thu) 14:11:01

ヘッジファンド向け融資もOK、円押し下げ狙う-日銀が20日に新制度
日高正裕、藤岡 徹
2012年12月13日 10:02 JST
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2012-12-13/MEW5KE6KLVTC01

日本銀行は近く詳細を発表する新た な貸出支援制度について、外国金融機関の日本法人・支店を対象に加え るほか、貸出増加額を算出する融資先として、ヘッジファンドを含む国 内外のノンバンクも加える。国内での貸出増加だけでなく、円で資金調 達して外貨に転換する円キャリー取引や、対外M&A(企業の合併・買 収)の増加を狙う。関係者への取材で明らかになった。

日銀は20日の金融政策決定会合で、10月30日に打ち出した貸出増加 を支援するための資金供給の詳細を公表する。日銀に当座預金口座を持 つ預金取扱金融機関が対象で、金融機関の貸出増加額について、希望に 応じてその全額を資金供給する。貸出増加額を算出する融資先は、金融 機関や公的部門、国債への投資を除き、幅広く認める。円建てだけでな く、外貨建ての貸し付けを含めているのが最大の特徴だ。

日銀によると、最近1年間の貸出が増加した金融機関の貸出残高の 合計額は約15兆円で、うち4兆円が外貨での貸し出し。新制度の創設に より、来年1年間で日銀が新たに供給するマネーは、資産買い入れ等基 金で購入する金融資産26兆円と合わせ、計41兆円を超える見込み。

金利は貸付実行時の政策金利(現在0.1%)で、最長4年まで乗り 換えが可能。資金供給の総額の上限は設定せず、「無制限」とする。貸 し付けには日銀が認める共通担保が必要で、同担保には日本国債や手 形、証書貸付債権など国内金融資産のほか、米国債も含まれる。年明け のできるだけ早い時期に1回目の入札を実施する。期間は1年程度とす るが、情勢次第で複数年の延長を視野に入れている。

円高圧力の緩和も期待

過去1年間の約15兆円の貸出残高の増加分について、西村清彦副総 裁は5日、新潟市内で行った講演で「これは実は、恐らく最低限だと思 う」と表明。金融機関の貸し出しがこれまで以上のペースで増加すれ ば、貸出支援基金の残高は15兆円を超えて拡大するとの見方を示した。

11月26日に公表された10月30日の決定会合の議事要旨によると、1 人の委員が新たな資金供給制度について「非居住者向けの円貸出を貸出 増加の算出対象に加えることは、円高圧力の緩和という副次的な効果も 期待できる」と指摘。早川英男理事は11月5日のブルームバーグ・ニュ ースのインタビューで、円キャリー取引が増加し、「結果として自国通 貨安につながる」可能性があるとの見方を示した。

新制度により、過去の一定時点から貸し出しを増やした金融機関 は、その増加額を限度に0.1%の金利で1-3年間の資金供給を受ける ことができ、最長4年まで乗り換えが可能。算出対象となる融資は金融 機関を除く民間に限るが、ヘッジファンドを含むノンバンクへの融資は 除外しない。金融機関が低利で得た資金を何に融資するかも自由で、再 びヘッジファンドに融資することも可能となる。

FRBは量的緩和を拡充

日銀が10日発表した貸出・資金吸収動向によると、11月の銀行貸出 平均残高は前年同月比1.3%増の397兆6836億円と14カ月連続で増加。原 発停止で火力用燃料費が増えた電力会社やM&A向けが押し上げ、2009 年10月(同1.5%増)以来、約3年ぶりの高い伸び率を記録した。

バークレイズ証券の山川哲史調査部長は11月15日のリポートで、日 銀の新制度について「円貨のみならず外貨による借り入れについても適 用範囲となることも含め、企業による対外M&Aに一段と拍車を掛ける 展開となることが予想される」と指摘。「対外M&A等の拡大を通じ、 円安に寄与することが期待される」としている。

また、大和証券の野口麻衣子シニアエコノミストは同月9日のリポ ートで「緩和的な金融環境の浸透という観点から、景気浮揚やデフレ脱 却に向けて貢献できる余地がますます少なくなる一方で、中央銀行の政 策対応に対する期待や要求は強まるばかりだ」と指摘。

その上で「こうした状況下、日銀が低金利環境を積極的に活用した 経済活動の活性化を促すのと同時に、為替に働き掛ける『一挙両得』の ルートを模索しようとする『動機』は十分にありそうだ」としている。

米連邦準備制度理事会 (FRB)は今週開催した連邦公開市場委員 会(FOMC)で量的緩和を拡充。1月から米国債を毎月450億ドル購 入する方針を表明した。また、政策金利の見通しを失業率とインフレ率 に関連付ける方針も初めて示した。日銀は19、20日の金融政策決定会合 で、ぎりぎりまで情勢を見極め、追加緩和に踏み切るかどうか検討を行 う見込みだ。

--取材協力:. Editors: 小坂紀彦, 杉本 等
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2012-12-13/MEW5KE6KLVTC01
22:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/29 (Sat) 20:17:25

04-29 個人でも国家レベルでもゴールド購入が加速
妙佛 DEEP MAX
2023/04/29
https://www.youtube.com/watch?v=QpvyXMzNmMc


04-29 臨時 多くの国が画策しているドル支配からの脱却
妙佛 DEEP MAX
2023/04/29
https://www.youtube.com/watch?v=QpvyXMzNmMc

23:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/22 (Mon) 10:04:53

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
2023年5月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36946


引き続き、ジョージ・ソロス氏のクォンタムファンドを長年運用したことで有名なスタンレー・ドラッケンミラー氏のSohn Conferenceにおけるインタビューである。

今回は基軸通貨ドルと「基軸通貨の呪い」について語っている部分を紹介したい。

資源の呪い

努力もしていないのに裕福だということは良いことでもあり、悪いことでもある。ドラッケンミラー氏は原油などの資源を持っている資源国を例に挙げている。

多くの人が資源の呪いという言葉を聞いたことがあるかもしれない。地面に原油や金属資源が埋まっている国では、人々は一生懸命働く必要がなく、イノベーションも生まれない。だから経済もそれほど発展せず劇的に成長もせず正しい方向にも行かない。

資源の呪いを説明するには、その真逆の例であるイスラエルを挙げるのが良いだろう。イスラエルにはまったく資源がないにもかかわらず、大量の資源を持っている他の中東の国々の経済を大きく上回っている。

これは裕福な国に生まれた人、そして裕福な家庭に生まれた人の問題にも似ている。出典は忘れたが、世界屈指のファンドマネージャー、ジョージ・ソロス氏の息子が次のようにぼやいていた。

世界有数の富豪の息子が、ホロコーストを生き延びてアメリカに渡りファンドマネージャーとして成り上がった人物ほどにハングリーにやれるわけがない。

裕福な親の呪いとでも言うべきものだろうか。

基軸通貨の呪い

そしてドラッケンミラー氏曰く、同じような呪いがもう1つある。自国通貨が世界中で使われる基軸通貨であることである。

ドラッケンミラー氏は次のように説明している。

基軸通貨であることは大きな特権だ。だがその特権は、その国がそうすることを選ぶならば、長期的なことを考えない非常に近視眼的な経済政策を許してしまう。

通常、大規模な金融緩和を行えば通貨は下落する。だがドルは基軸通貨であり、世界中の貿易がドルで行われ、世界中の中央銀行がドルで外貨準備を持っている間は、それを補うドル買い圧力が生まれ、ドルがなかなか下がらない。

例えばアメリカがコロナ後にやった、世界的なインフレをもたらした大規模な現金給付を、他の国がやろうとすればどうなるか。

それをやろうとした国が実際に存在する。イギリスである。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
イギリスでは当時首相だったトラス氏が2年間でGDPの10%におよぶばら撒き政策を発表したとき、イギリスの通貨ポンドと英国債が暴落して中央銀行が買い支えを余儀なくされた。トラス氏は結局辞任に追い込まれ、現在のスナク首相へと引き継がれている。

ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

イギリスが向こう見ずな財政刺激をやろうとしたとき、金融市場は即座に彼らを叱り飛ばしてイギリスにもっとまともな政権を組織させた。

だがアメリカはそうした馬鹿げたばら撒きを実際にやっている。コロナ後の現金給付である。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
しかしドルは下がらなかった。少なくともまだ下がっていない。ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

われわれアメリカにはこの市場の監視機能がない。放漫な経済政策のあと、2021年と2022年にドルは上がった。他の国だったら市場がそれを拒絶し、政策の撤回に追い込まれているだろう。

だがドルが基軸通貨であることがドルを支えている。ドラッケンミラー氏はこう続けている。

だが基軸通貨のお陰で、アメリカは死んで土に還るまで穴を彫り続け、自分の墓を完成させることができる。

それが良いのか悪いのか、アメリカ国民は考えるべきだろう。少なくともドルが基軸通貨から滑り落ちる瞬間は緩やかにだが近づいている。

世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨から滑り落ちる理由
サマーズ氏: ドルに代わって基軸通貨になれるものがあるか
結論

これは様々な別の問題にも言えることである。例えば先進国は経済の規模が大きいため負債を増やしてもすぐには破綻しない。あるいは紙幣印刷のお陰で永遠に破綻しないが、代わりに何十年もの時間をかけて増税と自国通貨の下落がその国を蝕んでゆくのである。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
ドラッケンミラー氏は不吉な未来を予想している。

それが出来る間は良いし楽しいだろう。だがその特権でどんどん大きな穴を掘ってゆくと、いつか結果が伴う。そして皮肉なことに十分に掘ってしまった後には元々の特権は多かれ少なかれ失われている。そして結果だけが残る。

日本はいまだにインフレ抑制のためにインフレ政策を行なっている。この自民党の会心のジョークはまだ誰にも理解されていないようだ。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
筆者はもはや人々がこうした放火政策の馬鹿さ加減を理解するとは考えていない。馬鹿が自分の愚かさで滅んでゆくのを止められるだろうか。

投資家として出来ることは、インフレや年金など、馬鹿の生んだ結果から身を守ることを考えるだけだろう。

ドラッケンミラー氏、 高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36946
24:777 :

2023/06/04 (Sun) 16:02:02

「ドル崩壊は始まっている」大西つねきのパイレーツラジオ 2.0(Live配信2023/05/31)
https://www.youtube.com/watch?v=a2Q4JJhKaJo

「アメリカは財政破綻するか?」大西つねきのパイレーツラジオ2.0(Live配信2023/05/15)
https://www.youtube.com/watch?v=OOlq6TLur70&t=1373s
25:777 :

2023/06/07 (Wed) 12:20:21

対外純資産が増えても日本は豊かにならない仕組み
2023.06.07
対外純資産が増えても「使えないお金」が増えるだけで日本のGDPは増えない


画像引用:https://www.yutaka-trusty.co.jp/market/blog_oogo/ 2022年末の日本の対外純資産、4年連続で過去最高を更新!日本が32年連続で最大の純資産国に!! – 豊トラスティ証券マーケット情報
国滅んで対外資産あり

財務省が5月26日に発表した2022年末の対外資産は円安で過去最高を更新し32年連続で世界一、418兆6285億円に達しました

なんだか誇りに思えるような気がしますが言い方を変えると「日本国外にあって日本人が使えないお金が418兆円で世界一」になっています

対外純資産の内訳は直接投資(海外企業の買収)で45.8%。外貨準備が39.3%、証券投資が26.1%、かつては証券投資が最大だった

海外企業の買収ではソフトバンクによるスプリントやArm買収、武田製薬によるシャイアー買収などが大型M&Aとして話題になりました

例えば武田はシャイアー株主に6兆円払いソフトバンクはアーム株主に3兆円を払い、利益が出れば配当を受け取ったり企業としての利益を得る事ができます

一見すると日本は儲かっているようですがもしこの10兆円を武田とソフトバンクが日本国内に投資し国内で成功したらもっと日本として儲かった筈です

日本国内のお金で外国企業を買収して利益を得ても、そのお金を日本国内に投資した場合と比べて日本の国内は貧困化していきます


バブル崩壊以前の日本はこうではなく企業は日本国内に投資して国内で利益を出していたので、全額が日本のGDPになり日本経済は不沈艦と呼ばれていました

分かりやすいのはバブル絶頂期の1986年の対外純資産が28兆円でバブル崩壊した90年は44兆円だったのが、阪神大震災の95年に84兆円に増えています

その後日本企業の日本脱出(あるいは海外進出)によってリーマンショックの2008年に225兆円、安倍政権発足の12年末に300兆円に達しました

対外純資産が増えたのは「日本のお金が海外に投資された」事ですが、その分日本国内への投資が減った事でもあります

日本の労働者や日本企業が稼いだ418兆が日本の為に使われず、米中欧や東南アジアや中東やアフリカなどで投資されました

一層日本を貧しくするのはここから先で、日本国内に投資したお金で利益をえるとそのお金は日本国内に再投資されます


一度出て行った金は日本に戻らない
例えば日本のアニメを日本で制作してヒットして利益が出たら「同じアニメスタジオでもう一本作ろう」という事になると思います

ところが一度海外に投資されたお金は海外で利益を挙げたのでまた海外に再投資され、2度と日本に戻ってくることはありません

ソフトバンクがアームやスプリントに投資した金はアームやスプリント事業に再投資されたり、別の海外事業に投資されます

武田製薬が6兆円もかけてシャイアーを買収したのは海外で販売する為なので、利益が出たら全額を海外事業に再投資します

対外純資産で最多は海外企業買収でしたが2番目は政府による外貨準備が39.3%、海外への証券投資が26.1%でした

日本政府は外貨準備のほとんを米国債で保有していて、米国政府は日本のお金で道路や橋や病院などを建設しています


これも日本人のお金なのに日本人のために使われておらず、配当があっても日本政府はそれで再び米国債を買い増すので永遠に日本に戻ってきません

3番目の証券投資はNY株式や中国や欧州など世界の株式市場に投資されていて、当然利益が出たら海外株式を買い増すので日本には戻ってきません

このように対外純資産とは『日本が失ったお金』なので何兆円あったとしても日本人が使う事はできないのです

一方で日本が投資した外国では日本のお金でインフラ整備したり工場を立てたり企業活動が活発になるので株価は上がりGDPもあがり生活水準も向上します

こうして新興国は先進国からの投資で急成長し韓国や中国企業は急成長して日本企業を次々に倒し、日本は自分が投資したお金を使って倒されるという滑稽な事態になりました

アメリカは国債を買っている日本のお金で生きているのに、日本に対して親分気取りで指図し巨大IT企業を作って日本企業を倒しました

もし日本が418兆円を外国に投資せず月への有人飛行でもしていたら、今頃日本が世界のIT産業リーダーだったかも知れません

最近台湾のTSMCを筆頭に外国から日本への投資が増えていますが、対国内投資のGDPで日本は長く世界最下位(OECD加盟国)で北朝鮮と同程度だったと考えられます

もし外国から日本への投資が増えて 日本企業の国内投資が増えると日本の対外純資産は半減するかもしれませんが、そうなった方が日本の成長率は倍増するでしょう

https://www.thutmosev.com/archives/27394.html
26:777 :

2023/06/10 (Sat) 11:58:04

ポジャール氏: アメリカは量的緩和を再開しドルは暴落する
2023年6月9日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37330

元クレディスイスの短期金利戦略グローバル責任者のゾルタン・ポジャール氏が、Bitcoin 2023において基軸通貨ドルが現在既にマーケットシェアを失っている様子について説明しているので紹介したい。

ウクライナ戦争と基軸通貨ドル

すべての始まりはロシアのウクライナ侵攻である。2022年2月末、ロシアはウクライナに侵攻した。これに対してアメリカやEUや日本はロシアに経済制裁を行い、ロシアの持っているドルを封鎖し、西側諸国がコントロールできるドル中心の決済システムからロシアを追放した。また、それだけではなく、西側の対ロシア経済制裁に加わらない国にも同じ脅しをちらつかせ、世界各国を反ロシアで団結させようとした。

だがアメリカとヨーロッパと日本以外の国々は、「悪」であるロシアをこらしめる勧善懲悪の物語に喜んで参加しただろうか? 残念ながらそうはならなかった。インドはこの馬鹿げた戦争においてどちらの側にも付かないようにしている。ハンガリーは、ヨーロッパの国でありながら、最初から「最優先の目的はこの戦争に巻き込まれないこと」であるとしている。

何故彼らは西側の話に乗らなかったのか? 何故ならば、彼らは例えば日本人とはまったく違う形でウクライナ情勢を見ているからである。

日本人の多くはロシアが「突如」ウクライナに攻め込んだと思っている。だがそれが「突如」に見えるのは、単に日本人がそれまでのウクライナ情勢について何も知らないからである。

ウクライナで起こった2014年のマイダン革命さえ知らずに日本人がウクライナ情勢に意見を持っているのは微笑ましい。

実際には、アメリカとEUによって支援された暴力デモ隊が当時選挙で選ばれていた親露政権を追い出し、アメリカの外交官ビクトリア・ヌーランド氏が決めた親米政権がその後のウクライナを支配した。それがマイダン革命である。

その後、大統領が代わっても引き続きアメリカの補助金漬けにされたウクライナの政治家たちは、アメリカ人の代わりにウクライナ人を犠牲にしてロシアを攻撃するアメリカの意向を支持し続け、2022年にゼレンスキー大統領がロシアに対する核兵器の保有をちらつかせたところでプーチン大統領のレッドラインを踏んで戦争になったのである。

真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
つまりゼレンスキー氏は本物の戦争犯罪者であり、ウクライナ人の虐殺の加害者である。

だがアゾフ連隊さえ正義の軍団として報道する日本を含む西側の偏向報道は、ロシアが「突如」ウクライナを攻めたという意味不明の報道を繰り返すばかりである。そんな戦争は有り得ない。それまでの経緯を報じられないのは、それまでの経緯を報道するとウクライナ政府に不利になるからである。そうしたものはすべて報道されない。

日本の公安調査庁、ウクライナ国家親衛隊のアゾフ連隊がネオナチであるという記述をホームページから削除
人権団体アムネスティ、ウクライナ政府の人間の盾戦略を非難
だが日本人が好もうが好むまいが、西側の偏向報道から自由な人々は別の見方をする。アメリカがドルを使ってインドなど無関係の国々を脅し、自分の対ロシア戦争に巻き込もうとしている。NATOは東京に事務所を置こうとしており、これは日本人がウクライナ人のようにアメリカ人の代わりに殺されるということなのだが、日本人は馬鹿なのでこれを笑って見ているばかりである。

ドルからの離脱

しかしより賢明な国はアメリカから距離を置こうとしている。最優先課題はドルからの離脱である。ドルを持っていれば、アメリカの都合に従わない人々は無条件で資金を奪われかねない。

ブラジルのルラ大統領がBRICSの国々に、貿易においてドルやユーロではなく自国通貨で決済するよう促したのにはそういう背景がある。それは死活問題である。中国はもう長らくゴールドを買い込んでいる。こうした動きについてポジャール氏は次のように述べている。

今のように、一定以上の大きさの国々が同時に、常に使われてきたユーロやドルを避けて自国通貨を使おうとする歴史上の例を見たことがない。

過去12ヶ月で、貿易に関する融資における人民元のシェアは1%から5%に上がった。ユーロのシェアは8%だが、15年や20年かけてそうなった。

いくつかの変化が起きており、視線をやっておくべきだ。何故ならば、それはすべてコモディティ売買や貿易における融資や外貨準備などにおけるドルのシェアを犠牲に進んでいるからだ。

こうしたドルからの離脱の話はここ1年ほど報じられてはいる。だが具体的にどのようにドルからの離脱が起こっているのか、理解している人は少ないだろう。

だがポジャール氏は金利市場や国際市場のスペシャリストである。彼は、金属やエネルギーなどのコモディティの取引や貿易においてドルが使われないとどういうことが起こるかを次のように説明してくれている。

とても簡単な例を挙げよう。コモディティはドルで決済されるのでコモディティ市場を例に取るが、仕組みはこうだ。コモディティのトレーダーが銀行に行き、融資を確保し、船を借りる。もう一度融資を確保し、船に燃料を入れる。更にもう一度融資を確保し、原油を輸送してくれる人員を雇う。

これは美しくシンプルな仕組みだ。銀行がローンを組むたび、新たな預金が生じる。そのお金は原油を売った人に行き、更にそのお金は中央銀行に行き、中央銀行は国債のオークションで国債を買う。

それが仕組みだ。お金がすべてドル建てであれば、それはすべて米国債のオークションに行く。別の通貨であれば、例えば半分ドルで半分別の通貨なら、半分が別の通貨の国債に行き、米国債に行く資金は半分になる。

ドルを持っていない人がドルで決済しようとすると、ドルを借りることになるのである。

ここでは何度もマネーサプライ(市中に存在する現金と預金の総量)の議論をしているが、誰かがお金を借りるとお金の総量は増える。誰かが銀行口座に入れた1万円が、貸し出されると同時に誰か別の人の預金口座の1万円にもなるからである。

1万円が2万円になる。増えたお金が国債市場に流れてゆき、国債に対する買い圧力になる。

イギリスが無茶苦茶なばら撒き政策をしようとしたときに英国債が暴落した一方で、アメリカがコロナ後の現金給付で同じことをしたときに米国債が暴落しなかったのは、世界中で使われている基軸通貨ドルには、それを借りようとする(つまりドルを増やそうとする)人が世界中に居て、彼らが国債の買い圧力を維持しているからである。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
基軸通貨の終わり

だがその状況もウクライナ以降変わりつつある。ポンドが基軸通貨でなくなった時のように、世界の通貨の使用のような大きな問題は、緩やかにしか移り変わりはしない。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
だがポジャール氏が説明するように、少しずつ状況が変わりつつある。彼はこう続ける。

それが問題を生む。ローンが組まれたときに発生するお金、オークションに流れるお金が、これまでのようには生じなくなる。いくらかのお金は人民元やインドルピーや他の通貨に流れるからだ。

こうした資金が米国債を買わなければ、そして中国やインドが米国債を避けるならば、誰かが米国債を買わなければならなくなる。その巨大な穴を満たすことができる買い手は、1つしか有り得ない。

ポジャール氏は次のようにいう。

究極的には中央銀行が解決策になる。政府はマネタイズされなければならない。中央銀行にはその方法がある。量的緩和だ。

量的緩和とは中央銀行が紙幣を印刷して国債などを買うことである。だが中央銀行が紙幣を刷ると、ドルが下落するという難点がある。

ドルと米国債の下落

要するに、結局はドルか米国債のどちらかが下落することは避けられないのである。それは日本を含むほとんどの先進国が同じ状況にある。

だがドルが下落するならば、米国債が結局は価値を失うことに等しい。

ポジャール氏は、米国債(つまりドル)は購買力を失うのかと聞かれて、次のように述べている。

そう思う。それが究極的な問題だ。

そして他の国も多かれ少なかれ同じようになるだろう。なかなか楽しみな展開ではないか。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37330
27:777 :

2023/07/02 (Sun) 08:28:44

金利市場の天才ゾルタン・ポジャール氏、ドルの崩壊を予想するためのリサーチ企業を創業
2023年7月1日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37984

クレディ・スイスの短期金利戦略グローバル責任者として多くの優れたアナリストレポートを世に出していたことで知られるゾルタン・ポジャール氏が、クレディ・スイスを退社してEx Uno Pluresという自分の研究所を立ち上げたらしい。

金利市場の天才ポジャール氏

読者も知っての通り、ここでは本当に優れた世界的な専門家の意見しか取り上げていない。例えば同じマクロ経済学者でもラリー・サマーズ氏の意見は掲載するが、ポール・クルーグマン氏の意見は掲載しない。前者は本物の学者だが、後者は凡庸な政治屋だからである。

だからここで掲載する専門家の数は限られている。そして金利市場の第一人者であるポジャール氏はそこに入っている。彼の優れた予想はここではいくつも扱っているが、例えば彼は現在のアメリカの政策金利の水準を去年夏の段階で正確に予想している。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす (2022/8/8)
ポジャール氏は時には奇抜な予想をすることでも知られ、例えば以下の金価格2倍予想などはそういう部類に属するだろう。

ポジャール氏: ゴールドが決済手段になり金価格は2倍へ
クレディ・スイス時代に発行していたアナリストレポートは金融業界の一部で熱狂的なファンを集めていたが、雇用主であるクレディ・スイスが破綻してUBSに買収された後、ある会議に「所属:未決定」のネームタグを付けて参加しているところが目撃されており、クレディ・スイスを辞めたらしいということがニュースになっていた。

ポジャール氏の新会社設立

しばらくの間不明となっていたポジャール氏の今後だが、Odd Lotsのポッドキャストで新会社設立を発表している。Ex Uno Pluresという名前のリサーチ企業で、経済分析の結果を顧客に提供するのだろう。公式サイトは以下のようだ。

https://www.exunoplures.hu/
ここには企業理念について以下のように書かれている。

ラテン語で「一から多へ」を意味するわれわれの会社名は、アメリカ合衆国の国章やドル紙幣に書かれている標語である「多から一へ」を逆にしたものである。

「多から一へ」は、アメリカが数多くの国の中からナンバーワンになること、ドルが世界一の基軸通貨になることを標榜しているのだろう。それは戦後にアメリカ主導で構築された国際通貨体制であるブレトン・ウッズ協定によって現実となった。

ポジャール氏は以下のように書いている。

アメリカのドルは世界に君臨し、「多から一へ」は国際的な経済圏を構築したドルを表すのにパーフェクトな標語となった。

だがポジャール氏の今の予想は、ウクライナ情勢後の世界においてドルが基軸通貨の地位を失うというものである。ポジャール氏の相場観については以下の記事などで解説している。

ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
だからポジャール氏の新会社の企業理念は次のように続けられている。

資金調達市場や金利市場においては、価格は額面価格かほとんど変わらない価格(「一」)で取引されるが、その状況はバランスシートの制約や準備金の不足やパニックによって価格が崩壊する(「多」になる)ことで瓦解する。

われわれの企業理念は顧客がそうした瓦解を予想できるように助けることだ。

つまり、ざっくり言えばドル市場の崩壊を予想するための企業だということである。

ポジャール氏の経済予想

ということで、ポジャール氏の新たな船出を報じておいた。正直言ってクレディ・スイスにはポジャール氏の才能はあまりに勿体ないと考えていたので、あるべき姿におさまったと筆者は考えている。筆者のように考えていた金融家は多いのではないか。

ガンドラック氏、無価値になったクレディスイス債券の保有者におむつ卒業を薦める
ポジャール氏の現在の予想を纏めておこう。アメリカの政策金利が5%まで上がることを去年の段階で予想していたポジャール氏だが、金利は今後どうなってゆくのか? ポジャール氏の予想は以下の記事に書いてある。

ポジャール氏: アメリカは利下げしない、原油価格は150ドルまで行く
ポジャール氏は金利はまだ下がらないと予想している。だが金利が上がったあと、ポジャール氏の予想ではアメリカ経済はそれに耐えられない。究極的には緩和を再開することになり、そしてドルは暴落する。

ポジャール氏: アメリカは量的緩和を再開しドルは暴落する


ポジャール氏の最新の相場観が述べられているOdd Lotsのインタビューの内容についても報じたいと思っているので、楽しみにしていてもらいたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/37984
28:777 :

2023/07/02 (Sun) 09:19:56

1ドル=144円でこれからどうなる?為替介入は?
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/07/01
https://www.youtube.com/watch?v=jvGtDAkz-EA

円安が進んでいます。現在の円安の要因と 政府・日銀の思惑を探ってみました。この動画を見れば、円高への転換点も見通せるかも知れません。
29:777 :

2023/07/03 (Mon) 21:58:10

ポジャール氏、人民元が基軸通貨になれるまでの道のりを説明する
2023年7月2日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38003

クレディ・スイスを退社してリサーチ会社Ex Uno Pluresを創業したゾルタン・ポジャール氏が、Odd Lotsのインタビューで、人民元の国際化について語っている。

ポジャール氏は中国が中継銀行という概念を不要にすることで人民元は国際化すると語っており、金融業界の人間にはそれだけでなかなか面白い話だと分かるだろう。

世界的なドル離れ

ロシアのウクライナ侵攻後、アメリカがドルを中心とした銀行システムを経済制裁の手段として使い、自身の対ロシア経済制裁に参加しない無関係の国々を脅して回っていることが原因で、中国やインドなどの国々がドルから離れることを模索している。

世界最大のヘッジファンド: ドルが基軸通貨から滑り落ちる理由
ポジャール氏: 世界の資金がドルから逃避している
これまで原油や天然ガスなどコモディティの取引は、アメリカ以外の国同士で行われる場合も慣習としてドル建てで行われてきたが、ブラジルなどの国々はドルではなく自国通貨で決済を行うように他国に呼びかけている。

日本人はウクライナ情勢へのアメリカの介入を正義だと思い込んでいるようだが、他の国はそう思っていないということである。

真珠湾攻撃に言及したゼレンスキー大統領が広島の原爆には言及できない理由
レイ・ダリオ氏など一部の専門家はドルに代わって人民元が基軸通貨になると考えている。だが娘に中国語を覚えさせるためにわざわざシンガポールに移住した投資家ジム・ロジャーズ氏は、閉鎖的な通貨である人民元は国際的な通貨にはなれないと主張するなど、何がドルの代わりになるのかについては意見が分かれている。

サマーズ氏: ドルに代わって基軸通貨になれるものがあるか
人民元は基軸通貨になれるか

ポジャール氏は、やはり人民元がドルに代わって基軸通貨になると考える1人である。だが国際的な決済や資金調達について金融業界で誰よりも詳しいポジャール氏は、人民元が基軸通貨になる上での障害についても理解している。

ポジャール氏は人民元の国際化の歩みについて次のように説明している。

中国は貿易の決済に使えるように人民元を国際化するようかなり努力してきた。それが始まったのは2015年頃だが、それは今では止まっている。

その理由は恐らく、ロンドンやニューヨークなどの西側の金融システムの中で、西側の銀行のバランスシートを通して人民元を国際化しても意味がないということに中国が気づいたからだ。それでは自分の通貨が流通しているシステムをコントロールできない。

「西側の銀行のバランスシートを通して」という部分に少し説明が必要だろう。多くの銀行は自行において国際的な送金ができない。そうした銀行が海外送金を請け負う場合、中継銀行と呼ばれる国際的な業務を行う銀行が送金を中継することになるが、中継銀行になれる国際的な銀行は、その多くが西側の銀行である。

ロシアが西側の経済制裁で国際的な決済網(SWIFT)から排除され、ロシアが逆にアメリカに対して同じことが出来ないのは、そこに理由がある。

人民元が基軸通貨になるために

ポジャール氏は次のように付け足す。

これはロシアがウクライナを併合し、金融業界で経済制裁が話題になっている中で起こっている。

中国がアメリカに脅されないようにするためには、中国は単にこのまま人民元を国際的な決済で使えるようにしても意味がない。

そこで出てくるのが、中央銀行の管理するデジタル通貨である。ポジャール氏は次のように続ける。

中国が人民元を本当の意味で国際化したいなら、一番最初から始め、自分でコントロールできる金融ネットワークを新たに構築する必要がある。

それと同時に中央銀行のデジタル通貨が話題に上がってきた。

デジタル通貨は、ビットコインのように銀行がなくとも決済が完了できるシステムである。金融業界では同じ仕組みを中央銀行が実装し、より利便性の高い決済システムに活かすという話が出ている。

ポジャール氏によれば、中国はそれを狙っている。西側の中継銀行ではなく、デジタル通貨の決済網を用いて決済できるようになれば、中国やインドやブラジルなどの国々は西側の決済システムから自由になる。

ポジャール氏は次のように主張している。

今から5年から10年先には、人民元は今よりも大幅に国際化されるが、人民元による国際的な決済は、中継銀行のネットワーク内ではなく、中央銀行のバランスシート内で起きることになる。

中継中央銀行のネットワークというものを想像すべきだ。今後の世界では、各国が独自の通貨を使った銀行システムを持っているが、2国間、例えばタイと中国が貿易をするとき、2つの中央銀行の取引によって為替が完了することになる。

このようなシステムを想像してみれば、国家間、中央銀行間のネットワークであって、西側の金融センターやドルとは完全に無関係になる。

結論

これまでは、アジアやアフリカや中東の地域間で貿易が行われるときも、ドルによる決済が行われてきた。それはドルの需要を爆発的に増加させ、アメリカが無尽蔵にドル紙幣を刷ってもドルが暴落しない状況を作り出した。

今もまだ居るのかは分からないが、少し前までは米国株のここ40年間の上げ相場に夢中になって、米国株は今後も永遠に同じ上げ相場を続けるのだと妄想している人が大量にいた。

筆者は直近40年の米国株の上げ相場について、1980年以来ずっと続いてきた金利低下トレンドが原因であり、コロナ後のインフレによってその長期トレンドはもはや完全に失われていることを指摘した。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
だがこれも基軸通貨ドルと関係している。アメリカが金融緩和を続けられたのは、ドルが基軸通貨であったために緩和をしてもドルが下がらなかったからである。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
しかしポジャール氏によれば、 ドルが基軸通貨から緩やかに退場してゆく土壌は整ったようだ。

それは大英帝国の通貨ポンドが基軸通貨ではなくなったのと同じ長期のプロセスになる。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
だが今がそのプロセスの始まりだという見解は、恐らく正しいのかもしれない。ポジャール氏の新会社は、まさにそのために設立されている。

金利市場の天才ゾルタン・ポジャール氏、ドルの崩壊を予想するためのリサーチ企業を創業


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38003
30:777 :

2023/07/05 (Wed) 08:23:26

07-05 ロシアの意外な動き! 人民元はどうなる?
妙佛 DEEP MAX
2023/07/05
https://www.youtube.com/watch?v=HY8z2MfpJxE
31:777 :

2023/07/29 (Sat) 10:01:57

日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する
2023年7月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378#more-38378

7月28日、日銀は金融政策決定会合の結果を発表し、長期金利を操作するYCC(イールドカーブコントロール)の「運用の柔軟化」を決定した。実質的には利上げに該当するのだが、史上例がないほど曖昧な利上げとなっている。以下に説明する。

イールドカーブコントロール

メディアでは一斉に「運用を柔軟化」と報じているが、結局何がどうなったのか分からない人が多いのではないか。長期金利0.5%の上限は結局どうなったのか。

まずは背景の説明だが、日銀はもともと長期金利の目標をゼロに定め、プラスマイナス0.25%の上下変動を許容するという政策(YCC)を行なっていた。

中央銀行は通常短期の金利だけを操作するが、日銀は長期金利も操作しているので、短期から長期までイールドカーブ(利回りを期間順に並べたもの)全体に影響を与える緩和政策ということである。

2021年から始まっている世界的なインフレが日本には2022年辺りから到来しており、インフレ率が上昇するなかで長期金利上限が0.25%というほぼゼロ金利水準に抑えられていた。

これが円安と輸入物価のインフレを引き起こして問題となり、黒田前総裁は退任前に変動幅を0.5%に上げ、長期金利上限を0.5%に引き上げることを余儀なくされた。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)
インフレ下の紙幣印刷

それが去年12月のことである。だがそれでも日本のコアインフレ率(エネルギーと生鮮食品除く、日銀の奇妙な定義では「コアコア」などと呼ばれる)が現在4.2%であるのに対して、0.5%の長期金利はあまりに低く、極めて緩和的だった。

植田総裁が就任後この長期金利上限をどうするのかということが話題になっていた。量的緩和政策と呼ばれる紙幣印刷政策は行なうのは簡単だが止めるのは難しく、専門家の間では植田総裁の仕事はほとんど不可能なものとみなされている。

緩和政策で経済の本質的な生産性を変えることは出来ない。よって緩和は景気の先食いに過ぎず、マクロ経済学的には緩和で雇用を実現した分、緩和撤回時には失業が姿を現すことになる。

だから日本のように緩和によって長らく雇用を実現した場合、緩和撤回時に現れるのはそれ相応の大量失業ということになる。詳しくは以下の記事を参考にしてもらいたい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
緩和は撤回し始めるまで本当の問題は現れない。前任者の黒田なにがしはそれを知りながらか、あるいはそれを理解する頭もなかったのか、インフレの状況下において紙幣印刷を行ない続け、国民がインフレで苦しむ中でインフレに放火しながら「インフレが達成できなかったのが残念」と言い残して去っていった。

この日銀の態度を債券投資家のジェフリー・ガンドラック氏などは次のように賞賛している。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
日銀は賢明だ。80階の窓から飛び降りて、70階分落下したところで「今のところは良い状態だ」と言っているようなものだ。

インフレが実現し、あとに残されたのは10階分の落下だけである。

植田総裁の就任

インフレ政策を喜んでいるのはもはや盲目な信者だけだ。元々次期総裁の本命として挙げられていた黒田時代の副総裁たちがこぞって総裁就任を拒否したのは、彼らもこの仕事が無理であることを知っていたからである。

自分でやったインフレ政策でありながら酷い話なのだが、ともかく植田総裁は彼らに代わって引き受けた。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
植田氏にとって幸運であったのは、就任がドル安の時期と被ったことである。去年の秋からアメリカのインフレ率が下落しているので、アメリカの利上げも天井が見えてきたことからドルは半年以上下落しており、よってドル円は去年の秋から上昇が抑えられている。


これで世間的には円安は止まったかのように見えるわけだ。だがこれは円安の停止ではなくドル安になっただけであり、例えばユーロ円を見れば円安が止まっていないことが分かる。


為替レートの上昇はそのまま輸入物価の上昇なので、このチャートの上昇はそのまま、国民が苦しむ中で日銀が引き起こしたインフレそのものである。

だがともかく植田総裁が半年間何もせずに居られたのは、ドル側の要因が幸運だったからである。

遂に動いた植田総裁

だが結局のところ、4%のインフレで長期金利をゼロ近辺に固定する緩和政策は完全な自殺行為である。

インフレ政策がインフレを引き起こした後も化石として存在し続けているインフレ主義者が何を考えていたかは知らないが、マクロ経済学者のラリー・サマーズ氏も言っていた通り、植田総裁が遅かれ早かれ長期金利上限を引き上げなければならないのは、専門家には自明のことだった。

サマーズ氏: 日銀の植田総裁はイールドカーブコントロールからの離脱プロセスを開始した
それで筆者やスタンレー・ドラッケンミラー氏を含め、長期金利の上昇に賭ける日本国債の空売りをしていたファンドマネージャーが多いわけである。

ドラッケンミラー氏は次のように述べていた。

ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り
日本国債のトレードが報われるとは限らないが、少なくともリスク・リワード比は馬鹿げているほど良い。

何故なら日本国債の空売りは損を出す可能性がほとんどないトレードだからである。詳細は以下の記事を参考にしてもらいたい。

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想
そして当然だが、植田総裁は今回そのシナリオに沿わなければならなかった。だが今回のYCCの「運用の柔軟化」はなかなかに曖昧である。

植田総裁の「運用柔軟化」

結局植田氏は今回何をしたのか。まず長期金利について、元々の目標値だったプラスマイナス0.5%は「目途」と表現されている。そして新たに1%を「厳格に抑制する」水準として追加し、これを越えることはないように長期金利をコントロールするそうである。

砕いて言えば、長期金利はプラスマイナス0.5%を一応目標とはするが、厳格な水準とはせず、プラスマイナス1%を厳格なコントロール水準とする、ということだろうか。

ちなみに長期金利は会合後、「目途」である0.5%を超えてじわじわと0.57%まで上がっている。

結局厳格なコントロール水準は1%ということで、0.5%とは一体何なのかまったくはっきりしない曖昧な政策決定である。

だが筆者のようなトレーダーの立場から見れば、何故植田氏がそうせざるを得なかったのかが分かる。

上でも言ったように黒田なにがしから植田氏へと押し付けられたイールドカーブコントロールの撤廃という後始末は、80階から落下してあと10階分しか残っていないような状況である。

この状況で一番危惧されるのは、将来的に日銀の国債買い支えがなくなると予想するトレーダーが大挙して押し寄せ、日銀が高値で買ってくれるうちに売ろうとし、日本国債が売り浴びせに遭うことである。自民党を支持する馬鹿たちは「ヘッジファンドが日本に対して云々」と言うだろうが、値段が下がることが分かっている資産を売るのはすべての投資家の自然な行動である。

国債にとって金利上昇は価格低下を意味するので、金利が0.5%から1%、1.5%、2%というようになっていくのであれば、売り手としては0.5%で買い支えてくれている間に売りたいのである。

だから単に金利上限を0.5%から1%に上げると言った場合、将来的に1.5%に上限が上げられると予想した売り手が殺到する危険がある。

だが0.5%を曖昧な「目途」として残したことによって、上限の明確な押し上げではなく、上がったのか上がっていないのか分からないような状況を作り出し、いわゆる連続利上げを想定させないようにしたのである。

結論

今回の植田氏の決定について筆者の個人的な感想を言えば、インフレを引き起こしたインフレ政策の後始末という無理な仕事を押し付けられた中で、連続利上げを想定させないように植田氏がまあよく考えたやり方だと言うべきなのだろう。

ポールソン氏 : 量的緩和がインフレを引き起こした
だが金融市場、特に債券市場は勘定で動くので、結局0.5%が意味のある目途なのかどうかは、日銀の今後の日々の国債買い入れ額によって明らかになってしまう。0.5%水準での買い入れがなければ、結局は上限を1%に引き上げたのと同じになる。

言葉を曖昧にはした植田氏だが、日銀の実際の行動によってその意味は結局明確にならざるを得ないのである。

工夫は評価しよう。だが結局は、サマーズ氏の言葉に代表されるように、日銀はゼロ金利政策の解除に動かざるを得なくなっているという長期トレンドは変わらない。通貨暴落とインフレを引き起こしたアベノミクスの低金利政策は終わったのである。

サマーズ氏: 日銀の植田総裁はイールドカーブコントロールからの離脱プロセスを開始した
そして最終的にはどうなるのか。植田氏には申し訳ないが、やはりこれは無理な仕事であり、日本経済にとって良い結果にはならない。他の専門家の意見も参考にしてもらいたい。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38378#more-38378
32:777 :

2023/08/05 (Sat) 17:17:25

世界最大のヘッジファンド、量的緩和と現金給付に続く新たな金融緩和を語る
2023年8月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで、世界的な物価高騰をもたらした現金給付に続く新たな金融緩和の方法について語っている。

過去40年の金融緩和

アメリカでは1970年代の物価高騰が終わって以来、金融市場の歴史は金融緩和の歴史である。

1970年代の物価高騰を止めるために20%以上に上がったアメリカの政策金利は、その後30年近くかけて低下してきた。以下はアメリカの政策金利のチャートである。


中央銀行は経済が弱るたびに利下げを行い、金融緩和によって実体経済を支えてきた。

だがその金利は2008年のリーマンショックでついにゼロに到達する。中央銀行はこれ以上金利を下げられなくなったが、それでも緩和をする方法が欲しかったので、紙幣を印刷して金融市場から国債などの証券を買い入れる量的緩和という方法に頼ることになった。

政策金利を操作する方法では国債の金利を直接下げることはできないが、紙幣印刷で中央銀行が有価証券を買い上げてしまえば、資産価格を人工的に押し上げ、国債の金利を押し下げることで更なる緩和を行うことができる。

だがこの方法では実体経済をコロナ危機から救うことは出来なかった。日本で実際にそうなっているように、資産価格を上げても得をするのは資産を持っている人々だけだという当たり前の事実に、アメリカも直面せざるを得なくなった。

そこで考案されたのが、国民の銀行口座に直接現金を注ぎ込む方法である。現金給付と呼ばれるこの方法は、家計の財政状況を見た目上改善した一方で、世界的な物価高騰を引き起こした。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
このように緩和の歴史を振り返ってみると、明らかに言えることは、緩和の副作用が強くなっていることである。利下げの副作用は、2000年にドットコムバブルを引き起こしたり、2008年のリーマンショックにつながる住宅バブルを引き起こしたりすることだった。

それだけも酷かったかもしれないが、利下げが量的緩和になり、量的緩和が現金給付になった今、緩和の副作用は雪だるま式に膨らみ、インフレという形で全国民に降り掛かっている。

だが緩和の極端化というこのトレンドは、もはや誰にも止められないだろう。人間にそれを止める頭があれば、そもそもインフレは起きていない。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だから投資家は現金給付に続く新たな緩和方法が何かということを、そろそろ考え始める必要がある。

中央銀行はまず利下げによって金利を低下させ、経済における最大の債務者、つまり政府を救済し続けてきた。その次には量的緩和によって、金融危機で資産を失った資産家を救済した。コロナ禍におけるはロックダウンで収入を失った家計を救済した。

もう救済するものはあと1つしか残っていない。中央銀行による中央銀行の救済である。

中央銀行が自分自身を救済する

政府が国債を中央銀行に押し付け、中央銀行はシリコンバレー銀行などの破綻処理にあたって価格が下落していた債券を額面で引き受けているので、もはや中央銀行はさながらゴミ箱のような様相である。

政府はこのまま中央銀行をゴミ箱のように扱い続けることができるのか? 現代人は誰もその実験を経験したことはないが、歴史上には同じような事例は存在する。こうした疑問を尋ねるのに最良の人物は、やはりダリオ氏だろう。

ダリオ氏は次のように述べている。

長期的には、歴史を振り返ってこれから何が起こるかを描いてみると、政府の財政赤字が増大するのは実質的に確実で、利払いや他の予算の費用が増加している以上、増加の加速度は上がる可能性が高い。

アメリカのGDP比財政赤字は次のように推移している。


短期的には上下しているが、長期的には赤字は増え続けている。そしてこれが少なくなる見通しのないことは、誰もが同意するところだろう。

緩和も財政も悪化し続ける。だが緩和が利下げから現金給付まで指数関数的に進化してインフレという限界にぶつかったように、政府の財政も同じように指数関数的に進化して人々が思っているよりも早く限界にぶつかるだろう。

このまま財政赤字が加速度的に増加すればどうなるか。ダリオ氏は次のように述べている。

そしてそうなれば、政府はより多くの国債を発行しなければならなくなり、自己強化的な債務スパイラルに陥ることになるだろう。

金融市場がそれ以上増やさないよう迫る一方で、中央銀行は紙幣印刷によってもっと多くの国債を買わなければならなくなる。そうしなければ損失が拡大し自分のバランスシートが毀損されることになる。

「金融市場がそれ以上増やさないように迫る」というのは、国債の発行増加を市場の投資需要が支えきれなくなり、国債価格が暴落してゆく状況だろう。

そうした要因での米国債の価格下落は、今の市場参加者にはほとんど想像もできないはずだ。だが少し前の市場参加者には、インフレも想像できなかったことを思い出したい。

ダリオ氏の言う通り、国債の発行が指数関数的に増加してゆくならば、量的緩和なしには国債価格を維持できない状況はいずれ必ず訪れる。そして「指数関数的」な増加によってその水準に到達する日はそれほど遠くないということは、少しの数学的素養のある人ならば分かるはずだ。

ダリオ氏によれば、そうした問題の典型的な解決策は、政府が中央銀行の損失を補填することだという。だが政府は中央銀行の紙幣印刷によって資金供給されているので、中央銀行は結局は自分に資金供給することになる。この空中でジャンプして空に浮き続けるような末期的状況の典型的な帰結は、金利高騰か通貨暴落かインフレ、あるいはその組み合わせだろう。

結論

実際、イギリスはその状況に到達しかけた。1つ前のトラス政権がインフレの状況下で大規模な財政緩和を行おうとしたとき、金融市場では英国債とポンドが両方急落した。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
結局はトラス氏が辞任に追い込まれることによって緩和は撤回されたが、他の先進国はそうした瀬戸際にある。日本では円安とその結果としてのインフレが大きな問題になっている(が、自民党支持者はストックホルム症候群によって緩和の引き起こした円安とインフレの関連を頭から消し去っている。)

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
アメリカは、基軸通貨ドルの恩恵によって今のところ日本やイギリスのような羽目にならないで済んでいる。だがスタンレー・ドラッケンミラー氏は、まさにそれが原因でアメリカはより大きな危機に陥ると予想している。

ドラッケンミラー氏 : アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
短期的な延命のために長期的な危機が許容される。いつものことである。しかし若者たちはそれで良いのだろうか。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616
33:777 :

2023/09/14 (Thu) 07:33:56

ドル支配崩壊後はどうなる?国防と歴史から日本の立ち位置を考える | 室伏謙一×神谷宗幣
2023/09/08
https://www.youtube.com/watch?v=Svaux8tDsn8
https://www.youtube.com/watch?v=oLsy_e4JOZU
34:777 :

2023/12/19 (Tue) 19:32:29

円高・円安…いまどっちの銘柄を買ったら良いの? 投資顧問が教えます
つばめ投資顧問の長期投資大学
2023/12/19
https://www.youtube.com/watch?v=GM74DFK47yo
35:777 :

2023/12/21 (Thu) 18:43:14

円高は、いつまで続き、いくらになるのか?エリオット波動原理の視点/実践!エリオット波動 有川和幸さん
https://www.youtube.com/watch?v=B410mp3CBsM

<チャプター>
00:00 2011年ボトムからのジグザグが完成したか?
01:30 エリオット波動ではジグザグ完成後の動きは確定できない
02:59 8月15日の動画ではダイアゴナル進行中と説明
03:52 ダイアゴナル完成後に起きる急反転の動きを警告
04:29 12月5日の動画ではダイアゴナル完成の可能性ありと説明
05:20 コロナ安値以降、ドル円は日米の金利差に相関
09:19 日本の長期金利はコロナ安値以降、上昇中
10:30 日本の長期金利(コロナ安値以降、日足)
11:04 米国の長期金利はコロナ安値からインパルスが 進行中か
12:20 それともジグザグが完成か?
13:58 下向きのジグザグ複合形か?
14:58 ダブルジグザグでの進行想定例
15:45 下向きのインパルスか?
https://www.youtube.com/watch?v=B410mp3CBsM
36:777 :

2024/03/17 (Sun) 12:12:22

インフレであっても経済が無事で中央銀行が利上げをしている局面では為替レートは上昇する


ドラッケンミラー氏: 誰もソロス氏の為替理論を理解していない
2024年3月15日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45869

引き続き、スタンレー・ドラッケンミラー氏のHow Leaders Leadによるインタビューである。今回はドラッケンミラー氏がかつての上司ジョージ・ソロス氏の為替理論について語っている部分を紹介したい。

ソロスの錬金術

ドラッケンミラー氏はジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを長年運用し、1992年のポンド危機におけるポンド空売りなど有名なトレードを成し遂げたことで知られるが、前回の記事でドラッケンミラー氏はソロス氏を初めて知った時のことを次のように述べていた。

ドラッケンミラー氏、ソロス氏のクォンタム・ファンドに採用された時のことを語る

彼の本を読んだんだ。誰もこの本を理解していないようだが、この本の中に為替相場に関する章があり、わたしはそれに夢中になった。

彼の本とは、ソロス氏の著書『ソロスの錬金術』のことである。この本はソロス氏が自分の投資理論を自分で詳細に説明したもので、当時のポートフォリオをリアルタイムで記録した投資日記まで付いているにもかかわらず、金融業界でも読む人がほとんどいない。

そんな本が数千円で手に入るにもかかわらず何故誰も読まないのかと言えば、ドラッケンミラー氏の言うようにその内容を「誰も理解していない」からである。

ソロス氏の為替理論

だが筆者やドラッケンミラー氏にとってこの本は宝の山である。ということで、今回は『ソロスの錬金術』に書かれたソロス氏の為替理論について、ドラッケンミラー氏の実際のトレードに沿って説明してゆきたい。

ドラッケンミラー氏が話しているのはベルリンの壁崩壊時にドイツの通貨だったドイツマルクをトレードした時のことである。ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

ベルリンの壁が崩壊したとき、ドイツマルクが数日急落した。共産主義者による東ドイツの通貨、オストマルクがドイツマルクと統合され、伝統的な考えでは通貨の価値を毀損すると思われたからだ。

当時、共産圏だった東ドイツは西ドイツに吸収される形で統合された。西ドイツの通貨だったドイツマルクは、より質の悪い東ドイツの通貨を吸収することで為替レートが下がると想定されていた。

だが統合後のドイツ経済を思い浮かべたドラッケンミラー氏は別の考えを持っていた。彼は次のように述べている。

だがわたしの見通しは、東ドイツからの労働力の供給によって経済は大きく成長するが、恐らく大幅にインフレになるというものだった。

貧しい東ドイツを吸収するのだから物資が足りなくなる。それで物価が高騰するわけである。

インフレと金利と為替相場

インフレは、それ自体は通貨にとって下落要因である。インフレとはものに対して通貨の価値が落ちることだからである。

だが、コロナ後のドル相場がそうだったように、インフレになればすぐに為替レートが下落するわけではない。ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

わたしはワイマール共和政がハイパーインフレに進んでいった過程を興味深く研究していた。

ドイツ連邦銀行がインフレを許さないことは分かっていた。

ワイマール共和政は第1次世界大戦後のドイツのことで、敗戦して賠償金を払えなくなったドイツはハイパーインフレを引き起こして借金をなかったことにした。円安を引き起こして政府債務をなかったことにしようとしている日本政府に似ている。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由

だが借金はなくなった一方でドイツ国民はインフレがトラウマになったので、ドイツ人はインフレが嫌いなのである。

だとすれば、ドイツはインフレを打倒するために金利を上げるはずである。金利高は為替レートにとってプラスに働く。

通貨にとってインフレはマイナスだが、金利高はプラスである。では為替レートはどうなるのか。ドラッケンミラー氏は次のように述べる。

そしてこれはその何年も前に読んでいたソロス氏の著書にもあったことだが、経済が強く、なおかつ中央銀行がインフレを退治するために金利を急激に上げる時には、その国の通貨は上昇する。

金利と財政赤字

ソロス氏の理論では、インフレがあっても経済が無事で中央銀行が利上げをしている局面では為替レートは上昇するという。それはコロナ後のドル相場にまったく当てはまる。

しかしそれは何故なのか。『ソロスの錬金術』を読むと、もう1つの要点が財政赤字であることが分かる。

この本では、財政赤字が金利上昇をもたらし、金利上昇が為替レートを上昇させる様子が説明されている。

政府は財政赤字を補填するために国債を発行しなければならないが、国債の大量発行が国債価格を下落させる。債券にとって価格下落は金利上昇を意味するので、財政赤字で金利が上昇するのである。コロナ後のアメリカも同じような状況にある。

チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性
結局のところ、財政赤字と利上げによる為替レートへのプラスが、短期的にはインフレによるマイナスを上回ることになる。だからインフレと財政赤字と利上げで為替レートは上昇するのである。

結論

よって当時のドイツマルクは、コロナ後のドル相場と同じように上昇していったわけである。ドラッケンミラー氏は次のように述べている。

だからドイツマルクは数日の間投げ売りされたが、わたしはドイツマルクを買い続けた。それは明らかに上手く行った投資となった。

だがソロス氏の為替理論で重要なのは、インフレ初期の通貨上昇が一連の経済サイクルの一部に過ぎないということである。つまり、この話には続きがある。

この話の中で財政赤字が他に重要なのは、実体経済が強い間だけ利上げを続けることが出来るということである。財政赤字は短期的には経済を支えることができる。だから経済活動を抑制する利上げを行なっても一定期間は持ちこたえられ、通貨高は続く。これもコロナ後のアメリカ経済と一致している。

だがソロス氏は『ソロスの錬金術』において、その後経済が減速して高金利を続けられなくなり、通貨高に惹かれた外国からの資金流入が途絶えたとき、上記の通貨高トレンドは逆転すると述べている。

インフレ・財政赤字・高金利のサイクルが終わるとき、ドルはどうなるのだろうか。楽しみに待ちたい。

ガンドラック氏: ドルは基軸通貨の地位を失って暴落する

チューダー・ジョーンズ氏: アメリカは25年以内にデフォルトしドルは基軸通貨でなくなる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45869




ソロス氏: インフレと財政赤字で高騰したドルは景気後退時に自由落下する
2024年3月16日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45949

前回の記事では、ジョージ・ソロス氏のクォンタム・ファンドを長年運用していたスタンレー・ドラッケンミラー氏が、ソロス氏の為替理論を用いてベルリンの壁崩壊後のドイツマルクをトレードした話を紹介した。

ドラッケンミラー氏: 誰もソロス氏の為替理論を理解していない
今回はこのソロス氏の為替理論をコロナ後のドル相場に適用しながら説明してみたい。

ソロス氏が解説するドルの値動き

この為替理論は、ヘッジファンドという概念を作ったと言っても良いファンドマネージャーのジョージ・ソロス氏が、自分の投資理論を解説した著書『ソロスの錬金術』で公開しているものである。

この為替理論では、インフレと財政赤字、そして中央銀行の利上げが組み合わさると、インフレ(つまり紙幣の価値下落)にもかかわらず為替相場では為替レートが上昇するとされている。

ソロス氏はそれを1980年代のドル相場をもとに説明しているが、ポール・ボルカー議長が1970年代のインフレを終わらせるために金利を上げ、ドルが上昇した当時の状況は、コロナ後のドル相場とそっくりである。

1980年代のドル相場

だからソロス氏の説明を現在のドル相場と比較しながら読んでゆきたい。ソロス氏はまずこう言っている。

為替市場では価格決定においてファンダメンタルズは株式市場においてほど重要ではないように見える。理由を見つけるのはそれほど難しくない。それは投機的な資金の動きが相対的に重要だからだ。

ソロス氏は為替相場は株式市場よりも投機的だという。だが投機的なトレーダーを引き寄せるためには何らかのファンダメンタルズ的要因が必要である。

最初にも述べたが、1980年代の相場ではアメリカはインフレを退治するために利上げを行なった。中央銀行は金利を上昇させ、インフレ率は次第に下がっていった。

ソロス氏は次のように説明している。

ドルは強くなり、上昇する為替レートと高い金利差がドルの魅力を抗しがたいものにした。強いドルが輸入を促進し、多過ぎる需要を満たして物価を押し下げるのに貢献した。

そうして自己強化するトレンドが始まった。強い経済、強いドル、大きな財政赤字、大きな貿易赤字が互いに強化し合ってインフレのない成長を実現した。

インフレは利上げによって抑制されたが、その副作用である実体経済の減速は、政府の財政出動によって補われた。これもコロナ後のアメリカ経済と同じ状況である。当時の大統領はロナルド・レーガン氏であり、レーガノミクスでは利上げと財政出動が同時に行われた。

為替相場における投機的な資金の流れ

そして高い金利に惹かれて集まってくるのが投機的な資金である。日本でもドル預金が人気だそうだが、ドル預金に手を出す人の動機のほとんどは、単に直近数年でドル円が上昇したからである。

そうした資金のことを投機的な資金と呼ぶ。だがソロス氏は、(アメリカから見て)海外からの投機的な資金は短期的にはドルを持ち上げるが、長期的にはドル安の原因になると言う。

彼は次のように説明している。

投機的な資金流入は短期的には自己強化トレンドに貢献するが、それは将来の利払いと償還義務をも生むため、累積して逆の方向にも作用する。

海外投資家の本拠地は海外である。最終的には海外投資家は貯蓄したドルを自分の国の通貨に替えてから消費に回すことになる。また、ドルが高金利であるということは、アメリカはドルを買った海外の投資家に高金利を払わなければならないということでもある。

だから投機的な資金はそれ自体が長期的にはドル安の原因となるのである。

重しとなる財政赤字

さて、しかしそれはまだまだ先の話である。ソロス氏はこう続けている。

高い金利が海外から資金を引き寄せている間は問題は隠されている。外国人の貯蓄のおかげで国内経済は生産量以上に消費できるのである。

アメリカ人は国債を外国人に買わせることで財政赤字に基づいた消費を続けることができる。ドル高が輸入物価の下落をもたらしてインフレも収まるので、一時的にはインフレが収まり、経済成長も悪くない「ソフトランディング」の状況が作り出される。

まさに今のアメリカの状況である。だがソロス氏はこう続けている。

しかし資金流入が財政赤字を補えなくなったとき、問題は深刻化する。財政赤字を補うため、金利を上げて国内の貯蓄を引き寄せなければならないが、貯蓄の増加により消費が減速し景気が落ち込む。

そして外国人にとってドル資産を保有する魅力が減ることになる。

ドル高トレンドの転換

状況を整理しよう。先ず第一に、金利が十分に高ければインフレが抑制されてくるので、いずれは金利が下がることになる。だがそれは投機的な資金にとってドルの魅力が減ることを意味する。

また、ドル高の期間が長ければ長いほど、累積するドル安要因があったことを思い出したい。アメリカは外国人に国債を買わせていたわけだから、利払いや元本の償還を行わなければならない。そしてそれはドル高が長引くほど多く累積することになる。

実際、アメリカではドルへの資金流入が国債を買い支えられなくなっている兆候が見られる。ポール・チューダー・ジョーンズ氏などが国債の買い手不足を懸念している。

チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性
つまり、ドル高の裏で進行していた潜在的なドル安要因が、アメリカ経済が弱くなった途端に顕在化してくるのである。

ソロス氏は次のように分析している。

これは弱い経済と大きな財政赤字の組み合わせが高金利と弱いドルを呼ぶという「崩壊のシナリオ」に発展する危険性がある。

ドル下落のタイミング

だが読者にも分かるように、これは長いトレンドである。ソロス氏は次のように続ける。

この好循環を永遠に続けられないことは明らかだった。しかしトレンドが続く間は、それに歯向かった為替トレーダーは手痛い代償を払わなければならなかったのである。

だから、ドル高トレンドがどのように転換点を迎えるのか、投機的な資金の流れとファンダメンタルズを分け、順序立てて考える必要がある。

ソロス氏は次のように説明している。

第一に、為替相場における投機的な動きの相対的重要性はこの自己強化的なトレンドが続くにつれて増加する。

第二に、支配的なバイアスはトレンドに追従するので、トレンドが長く続くほどバイアスは強くなる。

第三に、ひとたびトレンドが形成されるとそれは行き着くところまで行かなければならないが、最終的には転換点が来て今度は逆方向に自己強化的なトレンドを開始する。

転換点は、アメリカ経済が弱まり、利払い義務が重しになってくるタイミングである。

ソロス氏は次のように続けている。

最終的には投機的な資金の流入が貿易赤字と利払い義務の増加に勝てなくなり、当局の介入がなくとも転換点に達する。

そしてトレンドは逆転する。支配的なバイアスはトレンド追従型なので、投機的な資金は今度は逆の方向に動くだろう。

ひとたびそれが起こると、トレンドの逆転は簡単に自由落下へと加速してゆく。1つの理由は、そのときには投機的な資金とファンダメンタルズが同じ方向に動くからである。

結論

ということで、今回は『ソロスの錬金術』に書かれている為替理論を使って、現在のドル高トレンドがドル安に転換し、ソロス氏の言葉を借りれば「自由落下」してゆく様子を説明してみた。

現在のアメリカ経済の状況と照らし合わせれば、いくつかの条件は整いつつあるように見える。国債市場では買い手の不足が問題になりつつあり、経済の減速は失業率の上昇などに見られている。

失業率上昇で米国の景気後退が見えてきた2月の雇用統計
株式市場もそうだが、ドル相場の転換点も今年なのではないか。 それはアメリカの景気後退のタイミングによる。だがそうなれば為替ヘッジなしで米国株を買っている日本の投資家は本当に死ぬことになる。

ちなみに『ソロスの錬金術』では為替相場だけではなく、株式市場や他の経済トレンドについても同じように解説されている。筆者から見れば知恵の宝庫なのだが、スタンレー・ドラッケンミラー氏が「誰もこの本を理解していないようだ」と言っているように、知恵の宝庫を読む人は少ない。ほとんどの人はソロス氏の著書ではなく、経済を何も予測できないその辺の銀行員やインフルエンサーの言葉を有難がるからである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45949
37:777 :

2024/04/04 (Thu) 08:46:30

金価格上昇の理由と今後の見通し
2024年4月3日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/46812

ここ1ヶ月ほど金相場が高騰しているので、久々にゴールドを話題に取り上げたい。

金価格上昇の原因

金価格が急上昇している。コロナ初期に急騰してから長らく横ばいが続いていたゴールドだが、ようやく再上昇を開始したという感じである。金価格のチャートは次のように推移している。


金相場のバリュエーションを測る伝統的な指標に注目していた投資家にはこの上昇は驚きかもしれない。何故ならば、金価格に影響を与えるはずの金利と期待インフレ率はそれほど動いているわけではないからである。

金相場を動かす指標

金属や農作物などのコモディティ市場では、価格は基本的に需要と供給で決まる。例えばコロナでロックダウンがあった時に原油価格がマイナスまで暴落したのは、経済が動かなくなり原油の需要がなくなったからである。

アイカーン氏: 原油をマイナス30ドルで買った (2022/2/22)
だがゴールドには実際の需要はほとんどない。宝飾品として使われるぐらいだが、売買される理由のほとんどは金融資産としてのものである。

だから金相場を動かす基本的な要因は金利とインフレ率である。ドル建てで取引されているゴールドは、ドルの金利が高くなれば投資家をドルに取られるが、ドルの金利が低くなり期待インフレ率が高まると、インフレによるドルの減価を恐れた投資家の資金が金相場に集まる。

だから3月からの金価格上昇を見た投資家は、まず金利が下がったか期待インフレ率が上がったと考えるだろう。

だが金融市場を見れば金利も期待インフレ率もそれほど変わっていないのである。アメリカの実質金利(の市場予想)は次のように推移している。


3月以降、それほど変わった気配はない。

期待インフレ率は次のようになっている。


多少上がっているが0.05%程度の違いである。

ドルを避けたい諸外国のゴールド買い

では金相場は何故上昇したのか。

原因は主に2つあるだろう。まず1つ目はドルの保有を避けたい諸外国政府の買いである。

アメリカがロシアに経済制裁を行い、ロシア人のドル資産を凍結したりドルを利用した決済網からロシアを除外したりした結果、BRICS諸国や中東の国々などは、ドル資産を持っていればアメリカの政治的都合で資産を凍結されかねないと考え、ドルの保有やドル決済を避けようとしている。

プーチン大統領: ドルを使った経済制裁はアメリカの自殺行為
そしてドルを避けた資金が実際に金相場に流入している。最近の統計で言えば、中国は外貨準備にゴールドを増やしている。中国の立場からすればドル資産を持ちたくないのは当然だろう。インドも同じように考えるはずである。そうした動きが金相場にとってプラスになる。

インフレ相場におけるゴールドバブル

そして2つ目の原因は長期的なインフレ相場の継続である。

以前からの読者は読んでいると思うが、インフレ相場において金価格は金利とインフレ率の理屈を外れた大きな上昇を見せるということを以下の記事で解説しておいた。

1970年代の物価高騰時代における貴金属や農作物の価格推移
この記事によれば1970年代のアメリカのインフレ時代において、貴金属以外のコモディティ市場では物価上昇率から見て妥当な価格上昇となった一方で、ゴールドやシルバーはドルからの資産逃避を受けて物価上昇率を大きく上回るバブルになっている。

だから今回のインフレ相場でもインフレが退治されない限り、インフレ率の上昇速度だけでは説明できない金相場のバブルは続くだろうと書いておいた。

そして実際、Fed(連邦準備制度)のパウエル議長はインフレを無視してマネタリーベースの拡大を続け、利下げの断行を宣言している。

3月FOMC会合結果: インフレ無視でハト派のパウエル議長
だから株式市場の上昇も続いているし、金相場も金利とインフレ率に連動する通常モードではなく、1970年代のようなインフレ相場のモードで動いているわけである。

結論

ということで、パウエル議長のインフレ退治が本当にインフレを退治してしまわない限り、金相場は今後もこのような合理的上昇幅を超えた上昇相場を続けることになるだろう。

金相場にとって警戒するべきなのはパウエル議長のインフレ退治がインフレを退治してしまうことだが、今のところ彼がインフレを本気で退治しようとしている気配はない。

サマーズ氏: パウエル議長は利下げをやりたくてたまらないようだ
ガンドラック氏: インフレ無視のパウエル議長のお陰でアメリカのインフレ率は下がらない
3%台で横ばいとなっているインフレ率が本当に上がり始めればパウエル氏も態度を変えるかもしれないが、アメリカ経済は少なくともあと半年ほどは景気後退にはなりそうにない状況であり、金相場への脅威は少なくとも差し迫ってはいないように見える。

1970年代のインフレバブルを分析した以下の記事は今の金相場を考える上で重要なので参考にしてもらいたい。

1970年代の物価高騰時代における 貴金属や農作物の価格推移

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/46812


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