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ヨーロッパ経済は崩壊へ

1:777 :

2022/12/13 (Tue) 13:27:59


利上げを渋るECBのせいでヨーロッパ経済はインフレで壊滅へ
2023年3月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34960

インフレ危機が世界経済を襲っている。アメリカでは銀行危機にもかかわらず利上げが続行され、深刻な景気後退が懸念されている。

世界最大のヘッジファンド、銀行危機の株価暴落と金融緩和への発展を予想
だが逆にインフレにもかかわらず利上げを渋る経済圏にはもっと酷い地獄が待っている。例えばヨーロッパ経済である。

欧米の物価高騰

未曾有の物価高騰を受けてアメリカは利上げを断行した。アメリカの政策金利は4.75%まで上がっている。

3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
だがそのお陰もあり、9%台だったアメリカのインフレ率は現在6.0%まで下がっている。

2月の米インフレ率はサービスの加速示す、利上げで抑えればハードランディングへ
一方、ヨーロッパではインフレ率はアメリカより高く、8.5%まで上がっている。

それでも原油価格が下がっているため、ユーロ圏のインフレ率もピーク時の10.6%からは下がってはいる。原油価格のチャートは次のように推移している。


だが今後のインフレ見通しに関しては、アメリカとヨーロッパでまったく異なると言って良いだろう。

欧米の利上げ速度の差

その理由は中央銀行の態度の違いである。

アメリカでは比較的急速に利上げを行なった一方、ヨーロッパではECB(欧州中央銀行)が利上げを渋っている。ECBは8.5%のインフレ率に対して3.5%までしか政策金利を上げていない。アメリカよりインフレが酷いにもかかわらず、アメリカより金利が低いのである。

その結果は食品とエネルギーを除くコアインフレ率に現れている。アメリカのコアインフレ率は、前月比年率で見れば以下のように多少なりとも5%程度に向けて収束の兆しを見せている。


だがユーロ圏のコアインフレ率は前月比年率で次のようになっている。

2023年2月: 5.6%
2023年1月: 5.3%
2022年12月: 5.2%
2022年11月: 5.0%
2022年10月: 5.0%
2022年9月: 4.8%
2022年8月: 4.3%
2022年7月: 4.0%
2022年6月: 3.7%
着実に上がっている。

これは海外情勢に大きく影響されるエネルギーや食品の価格を除いたインフレ率なので、完全にユーロ圏内部の問題である。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
何故利上げ出来ないのか?

ECBのクリスティーヌ・ラガルド総裁は利上げに対する否定的な姿勢からマダム・インフレーションと揶揄されているが、彼女はまさにその名前にふさわしい行動を取っている。

3.5%の政策金利では8.5%のインフレは絶対に抑えられない。このままではユーロ圏の物価は雪だるま式に上がってゆくだろう。

何故ECBが利上げ出来ないかと言えば、ユーロ圏が2010年のユーロ圏債務危機の頃からの問題を抱えたままだからである。

その問題とは、文化や経済がまったく違う多くの国がユーロという同じ通貨を使っているという問題である。

共通通貨の世界では加盟国すべてが同じ為替レートで貿易を行うことになる。ユーロの為替レートは経済大国ドイツから小国ギリシャまでの国々がそれぞれ本来持っていた為替レートの平均のようなものになると解釈できる。

したがってユーロの為替レートはギリシャにとっては高過ぎるが、ドイツにとっては低過ぎるため、ギリシャは多額の貿易赤字に苦しむ一方、ドイツには巨額の貿易黒字が舞い込んだ。当時の記事で説明している。

ユーロ圏がドイツの植民地だと一目で分かる各加盟国の貿易収支比較 (2017/1/29)
それがギリシャなどの南欧諸国の財政を悪化させ、2010年のユーロ圏債務危機を引き起こした。

ユーロの欠陥と物価高騰

そしてその構造は今も何ら変わっていない。明らかな欠陥があるにもかかわらず、共通通貨ユーロは何も改善されて来なかった。

何故彼らがそこまでヨーロッパ統一にこだわるかと言えば、ヨーロッパ人の言い分では「国々が分裂していると戦争が起きるから」らしい。

だが長年小国が集まっている世界の他の地域はヨーロッパ人たちほど絶え間なく戦争をしていたわけではないという事実を彼らは見逃している。戦争は単にヨーロッパ人の趣味であり、彼ら特有の問題である。

そしてその共通通貨の問題がユーロ圏を再び襲っている。ユーロ加盟国のインフレ率の一覧を見てもらいたい。

エストニア: 17.6%
クロアチア: 11.9%
オーストリア: 10.9%
アイスランド: 10.2%
イタリア: 9.1%
ドイツ: 8.7%
ユーロ圏: 8.5%
ポルトガル: 8.2%
オランダ: 8.0%
フランス: 6.4%
ギリシャ: 6.1%
スペイン: 6.0%
ルクセンブルク: 4.3%
すべての加盟国を抜き出したわけではないが、このようにユーロ圏内でインフレ率が完全にまばらとなっている。

だからルクセンブルクに適切なように金利を低く設定するとエストニアはハイパーインフレになり、エストニアに適切な高い金利水準にするとルクセンブルクは大不況になる。

ユーロ債務危機とまったく同じ問題が今回のインフレ危機にも生じている。

ヨーロッパ経済は崩壊へ

この問題については以前も言及したが、最新のデータを共有しておく。何より重要なのは、低い政策金利のためにコアインフレ率が何のためらいもなく上がり続けているということである。

ECBは完全に詰んでいる。その度合いはアメリカの比ではない。ユーロ圏においては適切な政策金利の水準というものがそもそも存在しない。どの金利水準にしても一定数の国にとっては酷い金融政策となる。

このユーロ圏の政策金利の問題は何処へ行くのか。筆者の予想では、ECBはユーロ圏全体のインフレ率に近づく水準には金利を上げられないだろう。つまり、ユーロ圏全体を見た場合に必要な政策金利よりも低い水準に政策金利を保ち続ける。

金利を高くすると、不況になった加盟国が怨嗟の声を上げ始める。そしてヨーロッパ人にとってはそれは許容できない。何故ならば、彼らの言い分では、ヨーロッパ人はユーロ圏が崩壊すると互いに戦争を始めるからである。

結論

ヨーロッパ人とは大変面白い人々ではないか。ちなみにそういう馬鹿げた騒ぎにユーロ圏の真ん中に居ながら参加していない国がある。スイスである。

スイスのインフレ率は-0.5%と何とデフレである。コアインフレ率は上がってはいるものの2.4%と他国と比べればかなり低い水準に抑えられている。

借金と紙幣印刷で無節操に支出をする風潮を嘆いたレイ・ダリオ氏が聞いていたではないか。

世界最大のヘッジファンド、インフレから身を守るために何に投資すべきか語る
収入以上に支出しておらず、負債以上の資産を持っており、国民間の対立が少ない国は何処か?

スイスは相対的にそこに近い国である。だからユーロ圏はこれから不可避のインフレ加速で死んでいく一方で、スイス経済はヨーロッパにおける相対的な優位を保ち続けるだろう。

その長期トレンドを如実に体現しているチャートが、ユーロスイスフランのチャートである。下方向がユーロ安スイスフラン高となっている。


ヨーロッパ人がこれからも愚かであり続ける限り、このチャートは長期的に下がり続けるだろう。その理由については以下の記事を読んでもらいたい。

移民危機からウクライナまで: 西洋文明は自殺しようとしている

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34960





ユーロ圏内のインフレ率乖離でユーロ危機再発を予想、一部加盟国はハイパーインフレへ
2022年12月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31762

日本ではインフレが悪化しているが、先にインフレになっていたアメリカやヨーロッパでは高騰したインフレ率の減速が始まっている。

以前にも説明した通り、インフレの本当の問題はインフレ減速時の大規模な景気後退であり、欧米はシナリオに足を踏み入れかけているが、ここでまた共通通貨ユーロの問題が再発するだろう。

インフレ減速時の景気後退

ウクライナ情勢ではなくアメリカでコロナ後に行われた未曾有の現金給付が引き起こした世界的なインフレは、その後行われた金融引き締め政策によって減速が始まっている。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
しかし20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏によれば、インフレ減速時の不況と大量失業は経済学的に不可避である。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
それは1970年代の物価高騰の後にアメリカで実際に起こったことである。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
1970年代のインフレも、2022年のインフレも、経済ニュースではアメリカ中心で語られがちである。しかし2008年のリーマンショック後の不況で倒れたのが2010年に債務危機に陥ったアイルランドだったように、経済危機はメインストリーム以外のところから始まることが多く、マクロの投資家としてはそういう場所に投資の機会があることを見逃すことは出来ない。

そして今回のコロナ危機でもやはりユーロ圏から問題が生じると筆者は予想している。

共通通貨ユーロの問題

そもそも2010年から始まったアイルランドやギリシャなどのユーロ圏の債務危機問題は何故起こったのか。その原因が何かを知っている人間ならば、その原因がいまだ取り除かれていないことを知っている。そしてその根本的原因とは共通通貨ユーロである。

この共通通貨の欠陥は、実はユーロ導入当初から指摘されていた。ヨーロッパとひとくくりに言うものの、実際には経済状況も国民性もまったく違う多くの国の集合体である。

そして通貨が同じであるということは、為替レートも金融政策も同じであるということである。つまり、世界有数の大国であるドイツと、観光などでようやく食べていける小国ギリシャが、同じ金融政策を共有することになる。

その問題が2008年のリーマンショック以後に表面化した。金融危機のあと、破綻したアイルランドやギリシャ、経済の弱かったイタリア・スペイン・ポルトガルなどの南欧諸国は、金融緩和を必要としていた。

一方でユーロ圏の中央銀行である欧州中央銀行は伝統的にユーロ圏第一の経済大国ドイツによって支配されていた。

結果、ユーロ圏の経済政策は、経済の弱いギリシャやアイルランドではなく、経済の強いドイツの望むものが実行されていた。ユーロの為替レートも元々ドイツの通貨だったドイツマルクの強さに近いものとなっていた。

結果どうなったか? 南欧諸国は自分たちにとっては高過ぎる為替レートを押し付けられたため、輸出産業は急速に衰退していった。自国の製品の価格が海外から見て高くため、輸出品が売れなくなる。外国人のもたらす外貨で食べていたギリシャにとっても致命的な状況となった。

結果、ギリシャやイタリアやポルトガルなどは莫大な貿易赤字を計上するようになり、特にギリシャは破綻寸前まで行った。一方で南欧諸国を自国通貨に取り込んだに等しいドイツにとってはユーロの為替レートは安くなったため、ドイツの貿易黒字は急速に膨らんでいった。

当時の各国の貿易収支のチャートが以下の記事に載っているので参考にしてもらいたい。

ユーロ圏がドイツの植民地だと一目で分かる各加盟国の貿易収支比較
要するに、ヨーロッパはギリシャやイタリアやドイツなど、経済状況がまったく異なる国が集まっていながら、共通通貨ユーロのために同じ為替レートや金融政策を共有しなければならないという状況が10年前のユーロ圏債務危機を引き起こした。

多くの人は当時のことなど過去の話だと思っているだろう。だがはっきり言っておく。ユーロ危機はまだ終わっていない。何故ならば、問題の根源であった共通通貨ユーロはまだ存在しているからである。

ユーロ危機は終わっていない

共通通貨ユーロは、インフレが減速した後の景気後退フェイズにおいて再び経済危機を引き起こすだろう。

テーマはやはりインフレ率である。まずはアメリカの例を挙げておきたいが、アメリカのインフレ率は来年5%程度まで下がるというのが専門家の予想平均であり、インフレを抑えるために上げられる政策金利も、同じくらいまで上がると予想されている。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす
サマーズ氏: 金利は市場の織り込み以上に上がる
同じように、ユーロ圏でもまずインフレ率がどの辺りで収まるかを考えた上で、それに合わせて金利を上げなければ、インフレを抑えることは出来ない。

ではまずユーロ圏のインフレ率を考えなければならないが、ユーロ加盟国のインフレ率(10月時点)を並べると次のようになる。

リトアニア: 23.6%
エストニア: 22.5%
ラトビア: 21.8%
スロバキア: 14.9%
オランダ: 14.3%
イタリア: 11.8%
オーストリア: 11.0%
ベルギー: 10.6%
ユーロ圏全体: 10.6%
ドイツ: 10.4%
ポルトガル: 10.1%
スロベニア: 9.9%
アイルランド: 9.2%
ギリシャ: 9.1%
キプロス: 8.8%
フィンランド: 8.3%
マルタ: 7.4%
スペイン: 7.3%
ルクセンブルク: 6.9%
フランス: 6.2%
この状態で政策金利をどうすれば良いというのか。自分が中央銀行家なら笑うしかないだろう。

フランスに合わせて金利を6%にすれば、リトアニアにとっては低金利でハイパーインフレになり、リトアニアに合わせて23%にすれば他の国の経済は高金利で死ぬだろう。もうどうしようもない。

ユーロ圏内の物価高騰と恐慌は避けられない

ユーロ圏の政策金利は現在2%程度であり、3%台まで上げられることは予想されているが、間違いなくそれ以上に上げなければインフレは収まらないだろう。

かといって10%まで上げればフランスにとっては高金利となる。

この状況でECB(欧州中央銀行)は恐らく、金利を高くし過ぎて経済を殺すよりは、金利をインフレ率の平均よりは低く保ってオランダやリトアニアなどのハイパーインフレを許容しなければならなくなるだろう。

一方で、インフレ率が低いために高過ぎる金利を享受することになる国はかなり深い景気後退を余儀なくされる。フランスが6%のインフレ率で10%の金利を享受することは、日本が3%のインフレ率で7%の金利を享受することに等しい。

この状況で投資家に出来ることは数多くある。筆者がずっとやっているのは、ユーロをスイスフランに対して空売りすることである。ユーロスイスフランのチャート(下方向がユーロ安スイスフラン高)は以下のようになっている。


ちなみに富裕層の国スイスのインフレ率は3%に保たれている。

だがオランダのハイパーインフレを予想するにしても、フランスの景気後退を予想するにしても、出来ることは数多くある。

そしてそもそもいくつかの加盟国はユーロを離脱しなければならない状況に追い込まれるのではないか。インフレ危機はアメリカでもこれからが本番だが、やはりユーロ圏がその一番の舞台であると主張しておこう。経済危機はこれからである。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31762
2:777 :

2022/12/13 (Tue) 13:38:06

40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007513

アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793

宮田直彦 「エリオットView」ドル高の終わり
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062433

エリオット波動でみると日経平均は2050年まで上昇 _ 宮田直彦 日本株はもうすぐ大暴騰する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14031612

エリオット波動 宮田直彦 半導体株の出直り期待と日経平均の強気保ち合い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056708

40年間続いた「円高の時代」は既に2011年10月に「円安の時代」へとパラダイム・シフトしていた
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日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
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円安、低賃金、ブラック労働で日本で生産する方が外国より安くなった
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何故日銀はインフレに応じて金利を上げないのか?
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英国トリプル安-仕組みと構造
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

政府が救済する弱者と言うのは中小企業や零細経営者の事で、その会社の労働者は救済しない
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景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
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紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
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インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
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ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

新古典派経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1531.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

現代貨幣理論(MMT)が採用している国定信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1749.html


3:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2022/12/23 (Fri) 02:03:11

マイナード氏の米国株の推移予想 : 利益と株価収益率の下落で2023年は暴落へ
2022年12月22日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32062

Guggenheim Partnersのスコット・マイナード氏がBloombergのインタビューで米国株の適正水準を計算している。そして彼の計算によれば、その結果は株式投資家にとって良いものではなさそうだ。

金融引き締めとアメリカ経済

アメリカではインフレ率は減速し、実体経済も景気後退入りが予想されているが、それでもFed(連邦準備制度)は利上げを止めようとしていない。

Fedの経済予想については以下の記事で説明した通りだが、Fedは来年までに5.1%まで利上げをして、それでも経済成長率は0.5%までしか落ちないと予想している。

マイナード氏、中央銀行の経済予想の矛盾を指摘

この予想についてマイナード氏はこう述べている。

わたしはいつもデータに基づいて話をする。

そしてここで持ち出すことのできる過去のデータの1つは、Fedの経済予想は常に間違ってきたということだ。

それは事実である。2018年にはパウエル議長は金融引き締めを行ない、それは株価には影響を与えないと主張した。そして株価は暴落した。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)


2021年にはパウエル氏はインフレは一時的だと主張した。そして物価は高騰した。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)


パウエル氏にせよ黒田氏にせよ、こういう連中の経済予想をいまだにまともに受け取っている人がいること自体筆者には驚きなのだが、人には信仰の自由がある。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ


だが投資家は現実に向き合う必要がある。実際にパウエル氏が言うように金利が5.1%まで上がれば経済はどうなるか? マイナード氏は次のように言う。

Fedが言う通り、本当に金利が5.1%まで上がるのであれば、実体経済はかなり厳しい景気後退に入るだろう。

マイナード氏の米国株予想

その時株価はどうなるのか。

株価の基本は1株当たり利益と株価収益率である。株価は以下の式で計算できる。

株価 = 1株当たり利益 x 株価収益率

つまり、1株当たり利益と株価収益率が分かれば株価の予想ができるということである。

まず1株当たり利益についてマイナード氏は次のように述べている。

インフレ圧力によって企業の費用が上がること、消費が落ち込むことを考えれば、S&P 500の1株当たり利益が10%下落することは簡単に考えられる。

そうなれば利益は220ドルから200ドルになる。これでも緩やかな下落だ。

筆者の推計では実際にはもっと下がるだろう。だがマイナード氏はあくまで甘く見積もり、最良のケースで株価がどうなるかを考えている。

1株当たり利益が出たならば、あとは株価収益率である。マイナード氏は次のように続ける。

そして景気後退時における平均的な株価収益率を考えよう。例えば15倍だ。そうなれば、S&P 500は3,000ドルになる。もっと甘く考えて16倍にしてもいいが、それでも現在の水準から遠く離れている。

株価収益率が16倍でも3,300ドルになるが、現在のS&P 500の水準は3,878ドルである。

3,000ドル、3,300ドルという水準を現在のS&P 500のチャートで見てみよう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/12/2022-12-22-s-and-p-500-chart.png


結論

マイナード氏は次のように纏めている。

現在の季節的な上げ相場と、6週間前のFOMC会合から続いている安心感による上昇相場が終われば、株式市場はダウントレンドに戻るだろう。株価はまだ底値に達していない。

筆者の計算でも株価はまだ下がることになる。だが難しいのは株価収益率の計算である。株価収益率は長期金利とインフレ率、投資家のリスク選好度に影響される。

一方で政策金利の予想や、金利に直接影響されるドル円レートの予想は、株価の予想よりも理論的に決まる。

現状では筆者は2年物米国債の金利低下とドル円の空売りに賭ける方を好んでいるが、それぞれの戦略がどう出るだろうか。2023年を楽しみにしたい。

アメリカは2年以内に利下げする、2年物国債の買い開始
日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32062

4:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2022/12/23 (Fri) 02:24:36

マイナード氏、中央銀行の経済予想の矛盾を指摘
2022年12月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32035

日銀の決定が間に挟まったが、アメリカの金利に話を戻そう。Guggenheim Partnersのスコット・マイナード氏がBloombergのインタビューで来年以降のアメリカ経済と金融政策について語っている。

インフレ減速と利上げ

アメリカのインフレ率は急減速を始めているが、Fed(連邦準備制度)は利上げを強行するとの立場を崩していない。

11月アメリカのインフレ率は急減速継続で7.1%、ドル安加速へ
それが12月のFOMC会合の結果だった。

12月FOMC会合結果: ますます曖昧になるパウエル議長、金利はインフレ次第へ
そこまでは既に報じていることだが、今回はこの時に発表されたFedの2023年の経済予想について論じてゆきたい。

かなり無理のあるFedの経済予想

利上げを実行している(せざるを得なくなった)とはいえ、2021年に著名投資家がこぞってインフレの脅威を警告していたなか、「インフレは一時的」と言い続けたFedの予想には今でも変わらずかなりの無理が生じている。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
例えばFedによる2023年のアメリカの実質GDP成長率予想である。マイナード氏は次のように述べている。

(Fedの予想している)0.5%の経済成長は多分過度な楽観だろう。

何故か。それはFedの予想している他の数値と一緒にこの予想を並べてみれば分かる。マイナード氏はこう続ける。

これから金融政策がどれだけ引き締め的になるかということについて彼らが言ったのは、政策金利が来年の末までに5.1%まで上がり、一方でインフレ率は3.1%になるということだ。

これは、何と言うか、かなり引き締め的だ。

現在7%台のインフレ率が3.1%まで下がると予想しながら、政策金利の方は5.1%まで上げると言っているのである。

少しでも経済の知識がある人が読めば、この時点でFedの予想は絶対に実現しないということが分かる。現在の政策金利は4.25%だが、それでも十分引き締め的だから今インフレ率が急落しているのである。

そこからインフレ率が3.1%まで下がった時に更に政策金利を上げるというのがFedが自分で発表している予想である。それは無理である。気の利いた記者がいて、パウエル議長に記者会見の場で聞いてみれば、流石の彼もそれを認めざるを得なくなるだろう。

2023年の経済予想

だから実際にはそれは起こらない。実際にどうなるかと言えば、インフレが収まらず政策金利が上がるか、インフレが収まって政策金利はむしろ下がるか、少なくともそのどちらかであり、インフレが収まって金利が上がるというシナリオはない。それは有り得ない。

ちなみに筆者はインフレ減速が継続し、Fedが政策金利の見通しを下方修正すると予想しており、今後の政策金利の見通しを織り込んで推移する2年物国債の金利低下に賭けている。(短期債のトレードは当然レバレッジを掛けている。)

アメリカは2年以内に利下げする、2年物国債の買い開始
マイナード氏はどうか? 彼もジェフリー・ガンドラック氏とともにインフレ減速前から経済に弱気だった論者の1人であり、実体経済については弱気予想を継続しているようだ。彼は次のように述べている。

われわれの推計によれば、インフレを抑制するためにどれだけの犠牲が必要かと言えば、失業率は恐らく今後2年ほどで2%上昇ほど上昇することになるだろう。

アメリカの失業率は現在3.7%である。これは意図的なインフレによって人工的に押し下げられた失業率なので、インフレが終わると必然的に上がってゆく(つまり人々が失業してゆく)ことになる。詳しくは経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の議論を参考にしてもらいたい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
実際、1970年代の物価高騰では、当時のポール・ボルカー議長がインフレが本当に収まるまで引き締めを行なった結果、大量の失業者から悲鳴が上がった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
愚かな政治家とその盲目の支持者たちが引き起こしたインフレの後始末とはそういうことである。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
結論

ということで、2023年のアメリカ経済は酷いことになる。利上げが行われた日本も同じようになるだろう。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ
経済見通しがこれほど酷いにもかかわらず、パウエル議長がタカ派姿勢を崩さないのは何故か。筆者も以前説明したが、マイナード氏はこう言っている。

彼らがかなりタカ派的な姿勢を取らなければならなかったことは元々分かっていた。そうしなければならなかった理由は、直近6週間で金融市場の状況がかなり劇的に緩まったからだ。

株価はかなり上がり、金利は大きく下がった。Fedはそれに介入しなければならないと感じたのだろう。経済が勢いを取り戻しインフレの問題が再発するのを避けるためだ。

市場がインフレ減速と利下げを予想して長期金利が下がってしまえば、それ自体(低金利)がインフレ再発の原因となってしまう。

だからパウエル氏はそう言わざるを得ない。だが2023年の政策金利は彼の言う通りにはならない。投資家は背景を読まなければならないのである。

アメリカは2年以内に利下げする、 2年物国債の買い開始

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32035
5:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/25 (Sat) 21:30:51

6:777 :

2023/08/27 (Sun) 18:07:40

ドイツの再衰退、成功し過ぎて90年代日本のようになる
2023.08.27
https://www.thutmosev.com/archives/293484dy.html

ドイツのGDPが日本を抜くと、日本はコスト競争でもっと有利になりドイツはもっと苦戦します


https://www.sankei.com/article/20230122-VJ5QOSMGZ5MSBERHDSODLM6VDA/

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成功し過ぎた国は衰退する

1980年代の世界では日本は『沈まない太陽』と呼ばれアメリカは30年不況で欧州は病人で韓国台湾シンガポールはリトルドラゴンと呼ばれていた

1990年代を境に攻守が入れ替わりアメリカはIT企業を中心に30年好景気が続き、欧州は復活し2000年代のユーロ発行によってドイツが欧州経済の勝者になった

EU周辺国のスイスや北欧もEUの成功で利益を得て、木を切って家具を作っているような国が日本より高収入を得るようになりました

日本は1990年頃を境に劇的なマイナス成長に陥り、不沈艦から潜水艦になりその後30年潜水活動を続けています

これらは個別の理由を探す事もできるが長期的な盛衰と見る事もでき、もし日本があのまま成長したらやがてアメリカのGDPを超えるが人口が少ないのでそれはあり得なかった

最近中国と韓国がバブル崩壊したが両国は地価を中心にした資産バブルで経済成長し、大都市中心部のマンション価格は1億円や2億円に達していました

北京や上海中心部のマンションは1億円以上で周辺部でも数千万円、一方労働者の賃金は100万円程度なので「100年分の年収」に匹敵していました

ソウルのカンナム地区の新築マンションは平均2億円超にもなっていて、ソウルの賃金が上がったと言ってもやっと年収400万円なのでこちらも「年収比60倍以上」になっていました

東京都の平均年収は400万円で新築6300万円(22年)なので年収16年分、中古マンション平均は4700万円で合計は5000万円台でした

マンション一戸の値段が年収比50倍や100倍の国は成長限界に達しているので、もうそれ以上の成長があり得ないのは分かり切っていました

NYマンハッタンのマンション平均価格は3億円を突破しNY州の平均年収は6万8000ドル(約900万円)なので年収比33倍、これを見るとアメリカの成長も限界ラインに近づきつつあると予告できます

ベルリンの不動産価格は5,500ユーロ/m²なので面積60㎡とすると平均価格は33万ユーロ(約5200万円)、ちなみにほとんどは中古です

パリやロンドンもそうですが欧州では100年前のマンション(アパート)が普通にあり、しかもあまり安くなっていません

上海やソウルのマンションが1億円でベルリンが5000万円、マンハッタンが3億円で東京は中古込みで5000万円台なので大きな格差が存在します

成功によって高コストになり国際競争に負ける
どの先進国や大国もおよそ20年か30年ごとに成長と衰退のターンを繰り返していて、おそらくその期間は人間の1世代に相当しています

日本では1930年代から50年代まで困難な時代、60年代から80年代までは高度成長期、90年代から2020年代までを衰退期と分ける事もできます

アメリカは1990年代から2020年代までIT黄金時代、1960年代から80年代までベトナム敗戦や経済衰退の時代、1920年代は黄金の20年代だが大恐慌を引き起こし1930年代から40年代は戦争の時代だった

ドイツは敗戦後奇跡の経済復興まで日本と同じだったが1970年代後半から90年代にかけて停滞し、2000年のユーロ圏統一で目を覚まして今までは好景気でした

東西統一前後のドイツは不況で「欧州のお荷物」と呼ばれたり、ユーロ発効後の成功は「メルケルの手腕」と言われたりしたが、盛衰のターンが来ただけという事もできます

盛衰のターンは苦労した世代の努力が実を結んで成功するが、苦労知らずの世代が権力を握って成功を潰してしまうパターンが多い

日本の戦前戦中世代とその後の学生運動世代やバブル世代を比較すれば、「苦労世代が成功を準備し、苦労知らずの息子と孫世代が潰した」とも言えます

また経済的成功は地価上昇や賃金上昇を引き起こし、競争相手国より高コストになるので必然的に国際競争に負け始めます

日本は80年代に大成功したがその代償も大きく、低価格で生産する中国や韓国に低価格工業製品市場のすべてを奪い取られました

航空宇宙軍事のようなハイテク産業でも「低賃金」だったアメリカや欧州が復興し、日本は上でも下でも競争に負けて90年代末期にはデフレ不況に突入した

今までは良すぎたドイツ、アメリカ、中国は成功した事で高コストになりすぎ、今では安売り王のアイリスオーヤマですら「日本で製造した方が安い」と国内移転したほどです

ドイツは高い工業技術を誇っているが内容を見ると「鉄板をプレスして色を塗る」ような19世紀型の産業が多く、その代表はドイツの自動車産業です

日本の自動車もEVに乗り遅れて苦戦しているが半導体やモーターやバッテリーを国内生産しているので、衰退して崩壊する事はないでしょう

ドイツはEVやHVに必要なほとんどの部品と技術をアジアの工業国に依存していて、ドイツの工場では「鉄板をプレスして色を塗るだけ」で、それも東欧諸国の工場でやっています

本社があるドイツではコストが高過ぎるのでデザインと経営とお金の計算をしているだけだが、これで自動車産業が存続できるとは思えません

VWを実際に生産しているのが中国やポーランドだったら、中国やポーランドの自動車会社がやった方が良いのではないかと思います

ドイツの自動車工場では週30時間しか働かず年収1000万円超で夏休みを1か月休んでいるが、中国やポーランドには休みなしで安く働く労働者が何千万人も居るからです

『日本製バイク』の多くをベトナムで生産しているが誰も気にしないように、ポルシェがウクライナ製とかになっても誰も気にしないでしょう


ポルシェの工場、みんなのんびり仕事して定時で帰ります。 ベトナム人なら同じ品質で2倍生産できるでしょう
https://www.youtube.com/watch?v=DONedEetabA

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