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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない

1:777 :

2022/11/30 (Wed) 00:24:01

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
2022年11月29日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363

今回の記事では

20世紀最大の経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』
https://www.amazon.co.jp/%E6%97%A5%E7%B5%8CBP%E3%82%AF%E3%83%A9%E3%82%B7%E3%83%83%E3%82%AF%E3%82%B9-%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E7%99%BA%E8%A1%8C%E8%87%AA%E7%94%B1%E5%8C%96%E8%AB%96-%E6%94%B9%E8%A8%82%E7%89%88%E2%80%95%E2%80%95%E7%AB%B6%E4%BA%89%E9%80%9A%E8%B2%A8%E3%81%AE%E7%90%86%E8%AB%96%E3%81%A8%E5%AE%9F%E8%A1%8C%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%99%E3%82%8B%E5%88%86%E6%9E%90-%E3%83%95%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%83%89%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%BB%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF-Friedrich/dp/4822288846?&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=fcbc06c8fcdd215c08c6315e02ba46cd&ref_=as_li_ss_tl

より、いわゆるコストプッシュインフレについて書かれた箇所を紹介したい。

この本は何度読んでも2022年のために書かれた本にしか見えない。

インフレの原因は何か

2022年は世界的に物価高騰が話題になっている年となっているが、その原因は何だろうか。

世の中では一部の人が、原材料価格の高騰を原因に挙げている。金融についてまったく何も知らない日銀の黒田総裁が好例である。彼らによれば、原材料価格の高騰は政府の政策とは何の関係もないので、財政出動や金融緩和を続けても良いということらしい。

こうした主張は100年近くケインズ経済学によって下支えされてきたが、ケインズ氏の存命時に彼に対して常に批判を加え続けたハイエク氏は別の意見を持っている。彼は次のように述べている。

インフレが長引くと、物価の継続的上昇は政策の誤りではなく原価の上昇が原因であると主張することによって、政府の無罪を立証しようとする見方がいつも現れるが、こうした見方に注意を払う価値はない。

このような主張に対しては、厳密に言えばコストプッシュインフレなるものなど存在しないということを断固として言うほかないだろう。

はっきり言っておきたいのだが、コストプッシュインフレという主張は、そもそも何故原材料価格が上がったのかという一番重要な論点を完全に避けなければ成立しえない。

「コストプッシュインフレ」などと言っている人にそれを聞いてみると良い。彼らは答えられないだろう。何故ならば、原材料価格の上昇理由を知らない人間だけがそういう架空の概念を持ち出せるからである。

原材料価格上昇の理由

原材料価格は何故上がったのか。2022年の例で考えてみたい。まず間違いなく言えるのは、ロシアのウクライナ侵攻ではないということだ。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
原油価格は上昇してきた。だがいまだにインフレの原因にウクライナ情勢を持ち出す人は、原油価格がいつから上昇してきたのかを知らない。原油価格のチャートを掲載しよう。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/11/2022-11-29-wti-crude-oil-chart.png


原油価格の上昇は2020年には既に始まっており、2021年にはコロナ前の水準を上回っている。2022年2月末のウクライナ侵攻直前の水準は90ドル前後であり、今の原油価格は77ドルである。

筆者の言いたいことは書くまでもないだろう。原油価格の上昇はウクライナ情勢の大分前から始まったものであり、しかも現在の価格はウクライナ情勢前よりも低い。今の原油価格を「高い」とする一方でその原因をウクライナ情勢に求めるのは論理的に無理である。

金融系のメディアがウクライナ情勢でインフレと言っているのを見る度に、彼らは原油価格チャートさえ見ずにインフレについて記事を書いているのかと呆れてしまう。彼らはもう少しまともに仕事をするべきではないか。

実際には原油価格はその前から上がっていた。しかもロシアからの原油の輸入停止という経済制裁は実際には転売により迂回されており、原油価格に長期的な影響をもたらさなかったという因果関係にも触れておくべきだろう。

制裁で安くなったロシア産原油、欧米に転売される
原油だけではないインフレ

更に言えば、こうしたインフレは原油価格だけの話ではない。2020年からエネルギー資源や金属、農作物などのコモディティの価格はほとんどすべて上がっている。

筆者がここで一番最初にインフレについて取り上げた記事が、2020年10月のものであることを思い出したい。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)
この記事にはこう書いておいた。

米国政府と日本政府による現金給付が日用品の価格を上げ始めている。株式市場のバブルが金相場だけにとどまらず、普段人々が使うような品物の価格までも上げ始めているということである。

最大の問題はバブルが日用品に波及してインフレになっても人々は困窮し、バブルが崩壊して株式と日用品の価格が暴落しても人々は困窮するということである。行くも地獄、帰るも地獄ということになる。

完全に2022年の状況ではないか。これこそがウクライナ情勢とは何の関係もない物価高騰の本当の姿である。

ハイエク氏は次のように書いている。

それが上昇する賃金であれ原油価格であれ輸入品全般であれ、消費者が余分に多くの資金を与えられたりしない限り、それが物価全体を押し上げることはない。

原材料価格が上がったならば、上がった理由があるはずである。それが2020年と2021年に大きく上がったならば、その原因はその年にあるはずである。

その年に行われたのは現金給付である。それは世界各国の政府によって行われた。それはまず金融市場に流れ込み、株価を押し上げると同時に原油や天然ガスや大豆や小麦や金や銀や銅などの価格を押し上げた。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
サマーズ氏: ガソリンの価格高騰対策でインフレ悪化へ 現金給付の悪夢を人はもう忘れている
ばら撒かれた紙幣を人々は使った。ただそれだけの話である。だがインフレは始まってしまえば自己強化的に悪化してゆく。人は物価がどんどん上がっていることを理由により多くのものを買い込もうとするからである。それを止めるためには、引き締め政策で経済を犠牲にしてでも消費を抑え込むほかない。

ドラッケンミラー氏: 株式市場は40年前の物価高騰時代より酷い惨状に
ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす
結論

ということで、現在のインフレがコストプッシュインフレであるなどという主張は、そもそも何故原材料価格が上がったかを考慮していない馬鹿げた主張である。

まるで原材料価格が自然に上がったとでも言わんばかりのこの主張は、要するに「インフレの根本原因を無視すればインフレに原因はない」と言っているに等しい。

だが実際にはそれを引き起こしたのは馬鹿げた規模の現金給付と財政出動を行なった世界中の政府と、それを支持した有権者である。

日銀の黒田氏は明らかにその片棒を担いだ張本人であるにもかかわらず、経済学的に完全に間違った主張をして、しかもクビにならないのだから、素晴らしい身分ではないか。

日銀が経済について何も知らないということ、そして金融庁が資産運用について何も知らないということ、その馬鹿げた状況のツケを払うのは日本国民である。自分で選んだ政府なのだから、自分で責任を取るほかないだろう。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
だが驚くべきは、ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』が1976年に書かれたということではないか。ここに書かれていることはほとんどそのまま2022年の状況に当てはまっている。天才の言うことは永遠に価値を持ち続けるのである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31363
2:777 :

2022/11/30 (Wed) 00:31:08


倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
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政府が救済する弱者と言うのは中小企業や零細経営者の事で、その会社の労働者は救済しない
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紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
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インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
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景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
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日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
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金融緩和するとデフレになる理由
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倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
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1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
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銀行のバランスシートと銀行破綻
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MMTは機能しない!超緊縮論を唱える元大蔵官僚 野口悠紀雄
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財務省は社会保障関連費以外は三年間で1000億円しか増やせない仕組みを構築していた
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株価は長期金利と企業利益で決まる。
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株式投資は企業への投資ではない _ 外資が儲けたらそれと同額だけ日本が損する
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40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
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アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
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金融緩和するとデフレになる理由
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1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
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ついに始まる世界金融恐慌
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40年間続いた「円高の時代」は既に2011年10月に「円安の時代」へとパラダイム・シフトしていた
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量的引き締めのインフレ抑制効果は薄い
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「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
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日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
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3:777 :

2022/12/02 (Fri) 14:55:16

あげ
4:777 :

2022/12/07 (Wed) 06:53:14

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
2022年12月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

アメリカではインフレが減速し始めており、インフレ減速とともに失業率上昇などの景気減速が懸念されている。

そこで今回は、20世紀最大のマクロ経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣論集』に収録されている論文から、インフレ減速後の失業増加について語っている部分を紹介したい。

インフレ抑制のための金融引き締め

2021年には既に始まっていたインフレの脅威は、多くの著名投資家らが警告していたにもかかわらず、Fed(連邦準備制度)のパウエル氏など中央銀行家には無視されていた。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
そして物価高騰は手遅れとなった。パウエル氏が過ちに気付いた時点でアメリカのインフレ率は既に7%近くまで上がっていた。

パウエル議長、ついに「一時的」を撤回しテーパリング加速を示唆 (2021/12/1)
インフレとは供給に対して需要が多過ぎることであり、つまりは需要に対してものが不足している状況だが、ものの供給を急に増やすことは出来ない。

だからFedはそこからこれまでの低金利政策を撤回し、金融引き締めを行なってこれまでばら撒かれた紙幣を回収することでインフレを抑えようとしている。

インフレ減速と雇用

ここで問題になるのが、雇用である。これまで緩和政策は雇用を支えてきた。お金がばら撒かれているからこそ、企業は従業員を従来よりも多く雇い、その結果コロナ後に高騰していたアメリカの失業率はかなり急速に押し下げられた。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/11/2022-oct-us-unemployment-rate-chart.png


コロナ後のGDPの急回復もそうだが、この勾配がかなり急であることに着目してもらいたい。それは未曾有の財政支出によって実現された。このような政策に副作用はないのか。ないわけがないのである。

現代最高のマクロ経済学者であるラリー・サマーズ氏は、サービス業における物価高騰を抑えるためには賃金の減速が必要であり、失業率上昇は不可避であると言っている。

サマーズ氏: 経済へのダメージなしでインフレ抑制はできない
それは正しい。事実、1970年代の物価高騰を止めるためには、大量の失業が発生しても金融引き締めを続けるしかなかった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
しかしサマーズ氏の言い方では、物価高騰を止めるために故意に失業率を上昇させなければならないと言っているように聞こえる。

だがハイエク氏の論理はそうではない。彼は次のように述べている。

失業はインフレが加速をやめたときに、過去の誤った政策の帰結として、非常に残念だが不可避の結果として出現せざるをえない。

ここで彼が「過去の誤った政策の帰結として」と言っていることが重要である。つまり、インフレ減速後(今の話では2023年以降)に起こる大量の失業は、引き締め政策が引き起こすものではなく、過去のインフレ政策が原因だとハイエク氏は指摘している。

何故そう言えるのか。彼は著書では当時の例を挙げており、それについては以下の記事で取り上げている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
だが今回は彼の考えに従って現在のインフレの事例で考えてみたい。

2023年に起きる失業の本質

コロナ後には世界中で現金給付などの形で大量の紙幣がばら撒かれた。その結果として上記のように多くの人が雇用され、失業率は急速に低下した。

紙幣のばら撒きは同時に人工的な需要の急増をもたらしたので、需要が供給を大幅に上回り、インフレが起きた。

ここでハイエク氏が指摘しているのは、まず政府によって人工的に引き起こされた雇用とインフレは分離できないコインの表裏であり、片方だけを除去することはできないということである。

例えば日本でいまだに行われているインフレ政策で考えてみよう。全国旅行支援は旅行をする人に旅行代金の40%の補助金を出す政策だが、この政策によってホテルなどの需要が急増、インフレが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
この政策はただのジョークに過ぎないが、この例はインフレとは何かを説明する際に便利なのでよく使っている。この時にホテル側に何が起こっているかを考えてもらいたい。

通常、多くのビジネスは需要の急増にすぐに対応できるようには出来ていない。特に問題になるのは雇用である。従業員は簡単に増やしたり減らしたりすることができないからである。特に日本の法律では、一度雇った従業員は簡単に解雇することができない。

ホテル側は2つの選択肢を強いられる。1つは既存の従業員に無理をさせて需要の急増に対応することである。結果として経営者と従業員の関係は悪くなり、実際に全国旅行支援で激務になったために従業員が辞めた宿泊施設についての報道がなされている。

もう1つの選択肢は需要の急増に新たな従業員を雇うことで対応することだが、問題は需要増が終わったからといって従業員を辞めさせることができないことである。そしてその次には逆に供給過剰によるデフレが起こる。無理に増やされた分の従業員は、通常の需要量に戻った後には、本来不要な労働力だからである。

どちらにしても酷い結果である。そしてこの酷い結果は、ホテル業界に贔屓をした分、経済の別の部分で増税が行われるという生贄を捧げることで実現されている。

インフレ政策が害悪である理由

人工的なインフレは将来のデフレという犠牲によって実現され、ホテル業界の売上増加は別の業界からの(場合によっては別の世代からの)搾取によって実現される。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
だがトータルで差し引きゼロかと言えば、そうではない。ハイエク氏は次のように述べている。

すべての世代の経済学者は、政府は短期的には貨幣数量を迅速に増加させることによって、とくに失業のようなあらゆる経済的悪から人びとを救済する力を持っていると教え続けてきた。

残念ながらこれは短期において妥当するにすぎない。短期的には有利な効果をもつように見えるそのような貨幣数量の拡大は、長期的にはさらに大きな失業の原因となる。

何故か。まずホテルの例における経営者と従業員の関係悪化が害悪でしかないことに異論はないだろう。経営者は通常、従業員が無理をすることのないように事前に計画しているものだが、いきなり決まった全国旅行支援ですべて台無しである。

一方で人工的な需要増のために新たに従業員を雇った場合、その従業員は全国旅行支援がなければ別の仕事についていたはずである。その人は全国旅行支援のためにホテルの従業員としての経験を強いられたわけだが、その経験が活かせる需要は、全国旅行支援による需要が引いた後の世界には残されていない。

一方で全国旅行支援がなければ、もともと自然に存在する需要に従事する労働者として別の業界で経験を積み、その経験は将来にわたって活かされることになるだろう。それがばら撒きで失われた本当の価値である。

より酷い例は全国旅行支援のために税金で行われているコロナ無料検査で、東京都の資料によればPCR検査1件あたり最大9,500円、抗原検査の場合4,000円の補助金が出されるとあり、本来何の需要もない事業が経済的に成り立つ構図になってしまっている。しかし本来需要のない事業に従事する経験を積んでしまった従業員の将来はどうなるのか。

このようにして人工的な雇用の増加は、インフレが終了する時、増加させた分以上の失業を吐き出すことになる。公共事業がなければ本来存在しないような仕事の経験が大量に生産されるからである。

政治家がこうした状況に疑問を感じない理由の1つは、彼ら自身が自然の需要では本来必要とされない仕事に就いているからである。

もう1つの理由については、ハイエク氏の言葉を引用しよう。

しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。

結論

人為的に引き起こされたインフレは、例えそれが僅かであろうともすべて害悪である。

しかし何度も言っていることだが、人々が豊かになるためには紙幣をばらまくのではなく生産を増やさなければならない。レイ・ダリオ氏の言葉を何度でも引用しよう。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる
われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかしリフレ派の馬鹿たちにはこの理屈は難しすぎる。

厄介なのは、大量失業というインフレ政策の真の弊害はインフレが起こっている限りは起こらないということである。

ハイエク氏は次のように述べている。

将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

1970年代の例で言えば、インフレ減速後に発生した大量失業の責任を取らされたのは、1971年に紙幣印刷をしたニクソン大統領ではなく、1980年にインフレを退治し大量失業を表面化させざるを得なかったボルカー氏だった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
アメリカでは今ちょうどインフレ減速からの失業増加が始まろうとしている。インフレは失業が始まってからが本番である。これから大量失業と大恐慌(そうでなければインフレ第2波)がアメリカ経済を待っている。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす
そして日本でも日銀の黒田氏が、長年の緩和の弊害がちょうど出始めたタイミングで職を離れるらしい。彼は内心ほっとしているだろう。彼の作り出した害悪のために非難されるのは、彼ではないからである。

政府というあまりに酷い仕組みを廃止すべきである。そうでなければ日本国民はいずれ大損することになる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421
5:777 :

2022/12/08 (Thu) 17:30:39

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
2022年12月7日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

20世紀最大のマクロ経済学者であるフリードリヒ・フォン・ハイエク氏の著書『貨幣発行自由化論』から、今度はマイルドなインフレについて語った部分を紹介したい。

2%のインフレ目標という誤謬

2%のインフレ目標ということが長らく言われてきた。インフレ率は2%にならなければならないそうであり、誰もがそれを良いことだと信じて疑わなかったが、しかし何故2%インフレにならなければならないのかを知っている人は誰も居なかった。

そしてついに世界的なインフレが発生し、どの国のインフレ率も2%を上回っている。2%目標は今どうしているのか? マクロ経済学者のラリー・サマーズ氏はBloombergのインタビューで次のように言っている。

2%目標は既に消えかかっている。もう何年かの間インフレ率は2%を大きく超えているが、それを平均で2%にするためにインフレ率は今度は2%を大きく下回るべきだと言っている人は誰もいない。

長期的に2%のインフレ率が本当に適切なのであれば、2%を上回った分だけ同じようにデフレにして帳尻を合わせなければならないではないか。しかし誰もそうは言っていない。本当は誰も2%が適切だとは信じていない。

サマーズ氏はこう続ける。

だからこの意味では2%目標は既になくなっており、「最低」2%のインフレ率が目標になっている。そしてそれは元々の目標とは違う。

インフレ目標が2%からすり替わっても誰も問題だとは思っていない。はっきり言ってしまえば2%のインフレ目標には何の科学的根拠もないのである。

政府や中央銀行は元々2%を目指していたのではない。インフレ率が0%の時に2%を目標と宣言することで、インフレを引き起こす政策を正当化できたというだけのことなのである。

何故政府はインフレを引き起こしたかったのか? インフレは実質的に政府債務を帳消しにする。東京五輪のように票田にばら撒くための公共事業で膨らんだ政府債務を、戦後のドイツのように帳消しにするために「インフレは良いものだ」という誤謬を国民に吹き込んだのである。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
そしてより悪いことに何の根拠もないその話を有権者は信じた。何故か誰もインフレが善であることに根拠を求めなかった。そして彼らは実際にインフレが起きてから、インフレとは物価が上昇することだと気付き始めている。きっと給料を東京五輪に吸い取られて辞書が買えなかったのだろう。

インフレ政策の経済学的検証

さて、ではこのインフレ政策を真に経済学的に考えるとどうなるのか。ハイエク氏は「緩やかなインフレは有益であるという幻想」という章において次のように始めている。

あらゆるインフレは、経済学者を含む多くの人々が緩やかなインフレを無害どころか有益であるとみなすというまさにその理由によって、非常に危険である。

インフレ政策、すなわちばら撒きは短期的に経済を刺激する。ハイエク氏は次のように述べている。

貨幣量の増加がもたらす経済全体への初期の刺激は主に、価格が、したがって利益が、予想よりも高くなるということによって生じる。ベンチャーは本来なら失敗するようなものまですべて成功する。

全国旅行支援が良い例だが、インフレ政策は本来なら発生しなかった需要を生み出す。そのお金の行く先は、ばら撒きがなければ人々に求められなかったような事業であり、そうした事業はインフレ政策が続く限り続き続ける。

だがそれは長期的には続かない。ハイエク氏はこう続ける。

だがそれは人々が物価の継続的上昇を予想していない間しか続かない。ひとたび人々がそれを期待し始めると、同じだけの物価上昇であっても最初にもたらしたような経済への刺激をもたらすことはできなくなる。

結果として金融政策はますます過激になってゆく。1980年から始まった金利低下トレンドは2008年のリーマンショックでゼロ金利となり、金利がそれ以上下げられなくなったので紙幣印刷(量的緩和)が始まって、更にコロナによる経済停滞によってついに現金給付へと発展した。

こうして金融政策は不愉快なジレンマに陥ることになる。緩やかなインフレによって実現された経済活動の水準を維持するためには、インフレ率が期待された水準まで上がってしまうと更に高いインフレ率を目指さなければならなくなる。

コロナの後、人々は経済がもとの水準まで戻ることを望んだ。そこまでは良いのだが人々はそれを、一生懸命働くことではなくばら撒きによって実現しようとした。

何度も言うがばら撒きは需要の人工的な急増をもたらし、その経済学的な帰結はインフレである。コロナ後の経済の落ち込みを補填する規模の政策はどれだけのインフレを引き起こさなければならなかったか? アメリカのインフレ率は8%台にまで上昇した。

そして最終的には物価高騰によって緩和ができなくなるタイミングがくる。2022年にはアメリカは物価を抑えるために金融引き締め政策によってむしろ市場から資金を回収しなければならなくなった。

米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
市場は金融引き締めに怯えている。インフレを善だとみなしていた人々が今や何故かインフレ減速の兆しが見えるたびに喜んでいるが、インフレの恐ろしさはインフレ率が下がり始めてからが本番である。

ハイエク氏はこう続けている。

もしインフレ実現に失敗し、インフレの加速が止まるかインフレが終了してしまえば、経済はインフレ政策が始まった時以上に悪い状態に陥るだろう。

そしてインフレを退治するための引き締め政策は、インフレ率よりも経済成長率を大きく退治してしまうだろう。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす
結論

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』はコロナ後の物価高騰時代のために書かれた本にしか見えないのだが、これは実際には1974年に書かれた本である。

50年前から今の状況を精確に予想していたハイエク氏の天才的な慧眼を褒めるべきだろうか。あるいは50年前の本にそのまま警告されていたインフレ危機に自ら突っ込んでいったリフレ派の人々の稀有な頭の出来を褒めるべきだろうか。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
2%のインフレ目標には何の根拠もなかったにもかかわらず、何故人々は信じたのか。インフレ政策は人々が何の根拠もない情報をいかに簡単に鵜呑みにするかを示す好例である。

ハイエク氏の予想によれば、いずれにしても地獄はこれからである。インフレが減速した時から経済危機が始まる。その理由については以下の記事も一緒に読んでもらいたい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597
6:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2022/12/21 (Wed) 12:14:13

日銀金融緩和が終わった _ 円安は日本人にとって何の得にもならなかった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14074282
7:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2022/12/24 (Sat) 10:04:05


2022年12月22日
経常黒字が増えても日本人には渡らない仕組み

経常収支や対外純資産とは「日本人のために使われないお金」です
こんなものがいくら増えても日本人は貧しくなるばかりです

画像引用:https://www.mof.go.jp/policy/international_policy/reference/balance_of_payments/preliminary/pg202204.htm 令和4年4月中 国際収支状況(速報)の概要 _ 財務省



”貿易赤字を経常黒字で補う”はあり得ない

22年の日本は貿易赤字が20兆円に達すると予想されていますが経常収支は上期に3.5兆円黒字で10月までの合計は9.7兆円の黒字でした

貿易赤字を経常黒字で埋めていてメデタシメデタシという所ですが、これが実態として全然良くないと言われています

貿易赤字の根源はウクライナ戦争後のエネルギー価格上昇によるもので、通常の貿易赤字と比べ日本に百害あって一理もない


通常の貿易赤字は日本国内の景気が良すぎて国内生産では間に合わず、ルイヴィトンや高級食材を大量に輸入することで発生します

これらの輸入品は日本国内で価格を上乗せされて販売され上乗せ分が日本のgdpになるので、輸入が増えてもそれ以上に国内経済が拡大する

だがガソリンや天然ガスの仕入れ原価が上昇する貿易赤字は100%日本が損をするだけでメリットが何もないので、ただの損失になります


一方経常黒字は物の移動を伴わない取引の事で、自動車メーカーの米国工場とかポケモンの海外売上など貿易以外の取引になります

日経新聞によると日本の対外投資による配当や利子などが年換算で50兆円を超え、日本のGDPの1割にも達しています

貿易ではなく知的所有権や対外投資で儲けている気がしますが、「気がする」だけで実は全然儲かっていません


たとえばトヨタがアメリカや中国で何兆円儲けてGDPに参入されても、トヨタは儲けた金をアメリカや中国で投資するので日本人に関係ありません

企業などが海外に投資して得られた利益も、儲けた金をまた海外で投資するので永久に日本に戻ってきません

GDPの1割に達する海外収益とは幻の数字にすぎず、GDPに加えられていても日本人の手には渡っていません


海外利益は幻想のGDP

過去20年に渡って日本の自動車産業は世界最強だったのに日本が貧しくなるばかりだった裏には、こういう仕組みがありました

ポケモンや日本アニメが世界で人気ですが、任天堂やアニメ労働者の給与が上がったという話を聞いた事がありません

ここでも海外で得た利益は海外に投資されていて、売れる地域に投資するという当たり前の事が行われています


日本は海外投資が非常に活発でうまい国でGDPの10%も儲けてはいるものの、そのお金は海外に出て行ったきりで絶対に日本人には渡りません

1980年代以降多くの企業が中国に進出し莫大な利益を得ましたが、それをやればやるほど日本が貧困化したのも同様な理由でした

中国に進出した日本企業が何兆円稼ごうとも、稼いだお金は中国国内に再投資されるので2度と日本に戻っては来ません


海外からの収益は安倍政権で2倍以上に膨らみ、安倍首相はそれで日本経済が復活すると思っていたが現実にはせいぜいプラマイゼロの効果しかありませんでした

財務省・日銀によると日本の対外資産は411.2兆円で世界一、「日本は世界一の金持ちだ」というのは錯覚で411兆円は日本に戻らず外国で使われています

外国への投資を現わす第1次所得収支は21年に26.6兆円の黒字でこれも世界一位、だがこれも日本国内に戻らず外国で使われているお金です


こうした無意味なGDP を積み上げても日本人は貧しくなるばかりで、あくまでも「日本国内で使われているお金」を増やさなくては日本は復活しません
https://www.thutmosev.com/archives/89650050.html
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2022/12/25 (Sun) 18:51:59

FX(外国為替証拠金取引)が1京円突破! 日銀は介入 で巨額利益
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14075349
9:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/01 (Sun) 20:34:13


2023年01月01日
日本政府は個人資産2000兆円で政府の借金を返済するでしょう
https://www.thutmosev.com/archives/89722744.html

インフレになると個人は困るが国の借金が減り財務省は嬉しい

2000兆円は誰のもの?

岸田政権や最近の日本政府(財務省)などを見ているとインフレを利用して公的債務圧縮を計画しているように見えます

日本は1991年から30年間ほぼデフレで、平均の物価上昇率は1%未満で国債利回りは1%以上だったので毎年国債残高が膨らんだ

最近の国債利回り負担は国債残高の約1.3%なので、これよりインフレ率が低ければ毎年借金が増えている状態になります

話を分かりやすくするため金利10%でインフレ率ゼロと仮定すると毎年10%借金が増え、逆に金利ゼロでインフレ率10%なら毎年10%借金が減ります

デフレ状態や低インフレだと過去の借金が毎年重くなり、高インフレ率だと過去の借金が勝手に減っていきます

日本は敗戦後に莫大な政府債務を背負ったが、1945年から49年までに物価が70倍も上昇し債務残高は10倍程度しか上がらなかった


結果戦前の日本の借金はたった4年で返済し終わり、その後は朝鮮戦争から高度成長に入り日本は経済大国として復活しました

歴史を知る人は誰もが「これだ」と思うはずで岸田首相と財務省もインフレを利用して債務を減らそうとする筈です

1945年から49年に話を戻すと物価上昇率に比べて金利が非常に低かったので、過去の借金は目減りしたが現金の価値も目減りしました


1945年に白米1升は45銭だったが1950年には60円になっており、敗戦時に1円で2升買えたが5年後には飴玉しか買えなくなっていた筈です

このハイパーインフレによって戦前の借金が消えたので、戦後日本は人々の預金や現金を借金返済に使ったと言い換えられます

もし今の日本が同じ事をしたら今は100円ちょっとで買えるポテトチップが4年後の2026年は1万円になり、多くの銀行預金は無価値になる筈です

そうだインフレにしよう

日本の個人資産は2000兆円ありこのうち1100兆円が現金や預金ですが、これをそっくり政府債務1100兆円の返済に充てることも可能です

インフレによって国民の資産で政府債務を返済するというアイディアは、もっと長期間かけて穏やかに実施すれば人々は気づかないかもしれません

アメリカは建国以来借金に苦しんできて1929年大恐慌でも破産しかけたが、やっぱりインフレによって過去の借金を削減しました


イギリスなども同様で第一大戦時の借金を塩漬けにして、インフレで目減りさせたうえ金庫にしまって今も返済していません

日銀は今国債発行額の50%超の550兆円を保有していますが、これを金庫にしまってインフレを起こせば数十年後には取るに足らない金額になるかも知れません

4年間に物価を70倍にすれば政府の借金は減るが副作用もあるので、30年間で10倍としたらそれほど弊害は起きないでしょう


これが安倍首相や黒田日銀総裁が言っていたインフレ率2%だったのだが、結局7年以上やって一度もインフレ率2%を達成できなかった

皮肉にも2%を達成したのはロシアのプーチン大統領で、 ウクライナに侵攻しエネルギー危機を起こして日本のインフレ率は3%を超えた

財務官僚は日本人が困ろうと自分は困らないので、「そうだインフレを利用して日本の借金を減らそう」と考えます


おそらく今後の日本はこのような方向に進んでいくでしょう
https://www.thutmosev.com/archives/89722744.html
10:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/06 (Fri) 19:43:25

2023年01月06日
各国政府はインフレを歓迎し、むしろインフレ誘導している

インフレが起きると過去の借金が軽くなるので、各国政府は意図的に高インフレにしています
1818904




コロナ対策で各国政府債務が膨張

経済学者のラッセル・ネイピアは世界的な高インフレと高金利が15年から20年続き、自由経済から政府主導経済に移行すると主張している

根も葉もない事ではなく今現在世界はインフレで苦しみ、 インフレ対策として各国政府は利上げをし日本も利上げ政策に転換しようとしている

2010年にリーマンショックが終わってから2020年に新型コロナが流行するまでの10年間が自由主義市場経済の時代だったがそれはもう終わった


新型コロナ流行で主要各国の経済活動が縮小し、税収が減少したのに各国政府は莫大なコロナ対策費や経済対策費、生活支援などを支出した

米トランプ政権は数か月で300兆円ものコロナ経済対策をしバイデン政権でも同じくらい支出、おかげで多くのアメリカ人は働くより高収入になりました

日本も矢継ぎ早にコロナ支援を決め総額100兆円を上回り、欧州や中国など多くの政府は財政支出を大幅に拡大した


後に残ったのは膨大な公的債務だが各国政府は民間や地方行政府の債務に付け替えたり、証券化のような手法で(日本以外は)国の借金ではないかのように偽装している

日本政府は反対に国の借金ではないものまで国の借金に含めて借金を偽装しているが、それは今回の本題ではありません

2022年に世界で火を噴いた高インフレはラッセル・ネイピアによればロシアのせいなどではなく、各国政府が積み上げた公的債務を返済するために意図的にやっている


世界の主要国はどの国も民間債務と政府債務の合計がGDP比250%以上になっているので、このままでは借金を返すため増税を繰り返す事になる

日本政府が証明したように借金を返すために増税すると、増税によって消費が縮小しGDPが縮小し、結局増税しなかった場合より財政悪化を招く

そこで各国政府はインフレ率を上げて政策金利はインフレ率より低く保つことによって、公的債務のGDP比を縮小しようとしている

各国はインフレで政府債務を減らそうとしている

日本の公的債務が1100兆円でGDPは550兆円なのでGDP比200%、例えばインフレ率を10%にしてゼロ金利のままにし名目GDPだけを10%成長させます

このモデルでは実質GDPはゼロ成長だが名目GDPが10%成長し公的債務は1100兆円のままなので、あら不思議公的債務のGDP比は182%に下がりました

これは非常に極端な想定ですがインフレ率を上げると政府債務が圧縮されるので、各国政府はインフレを警戒しているどころか「インフレ大歓迎」なのです


でもインフレは国民生活を悪化させるので政府や政治家は表向き困ったような顔をしてみせ、まるでインフレを防止しているかのように演技をします

日銀黒田総裁は記者会見で「インフレは良い事だ」とうっかり本当の事を言ってしまったが、彼は正直に事実を言っただけだと思います

インフレ誘導で公的債務を圧縮するには15年から20年かかるので、それまで高インフレ高金利時代が続くというのがラッセル・ネイピアの主張です


彼の主張では2020年以降の新型コロナ対策によって経済の主導権が中央銀行や自由市場から、各国政府の手に移った

どう移ったかはアメリカ政府が3年で600兆円以上を国民に配ったのを見ればわかり、日銀による国債買い入れや日本国債買取を見ても分かります

世界経済はもはや自由市場で動いてはおらず、この事が米中対立や東西陣営のブロック経済化を招いている疑いがあります


東西陣営やブロック経済は1991年に崩壊したが、世界は再び中ロイランなどと日米欧が対立する時代を迎えています

一般的に経済は自由なほど成長するが制限を加えるほど縮小するので、ブロック経済時代の成長率は自由主義時代より低くなるでしょう

第二次大戦前のブロック経済では米英仏の豊かな国が日独伊の「貧しい大国」を締め上げたが、今回締め上げられるのは中ロになるでしょう


日独伊が米英仏に噛みついたように、締め上げられた中ロやイランが何らかの戦いを挑んでくる可能性があります
https://www.thutmosev.com/archives/89761747.html
11:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/18 (Wed) 16:52:26

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
2023年1月17日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797

アベノミクス以降、もう10年近く大規模な金融緩和を続けてきた日本銀行が、去年の12月に実質利上げを実行した。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)


その結果どうなったかと言えば、日本国債の投げ売りが急増している。日銀が買い支えなければならなくなっているが、このままではそれも破綻してしまいそうだ。

日銀の実質利上げ

年末の日銀の政策変更は、正確に言えば長期金利の許容変動幅の拡大である。以前まではゼロ金利を基準にプラスマイナス0.25%の変動を許容していたものを、プラスマイナス0.5%の変動まで許容するということにした。

アメリカなど海外ではインフレによる利上げで金利がどんどん上がっていた中で、日銀は長期金利に上限を設けるイールドカーブコントロールで金利を変動幅上限に押さえつけていた。

それは2022年の急激な円安の原因となっていた。そして円安は輸入品の物価を上昇させるため、日本ではガソリン価格や電気代が高騰した。

日本国民がインフレで苦しむ中でインフレを目指す日銀の摩訶不思議な緩和政策によって、めでたく日本はインフレになった。日本のインフレ率はついに約4%まで上がっている。おめでとう。インフレ政策の成功である。その成果は当たり前だがインフレである。

だがここで問題が生じた。実際にインフレになって初めて、日本国民はインフレが物価高という意味だということに気付いて騒ぎ始めたのである。愉快な人々である。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか


日銀の実質利上げ

ともかくそれが年末の日銀の政策変更に繋がった。0.25%としていた長期金利の上限を0.5%に変更したのである。

上限が上げられたため、長期金利は当然ながらすぐに上がった。だが新たな上限である0.5%にはすぐには達さずに、2週間ほどの間は0.45%付近を推移していた。

だがそれも長く続かなかった。日本国債はどんどん売られ、年明けの1月6日、ついに長期金利が上限の0.5%に達したため、日銀は金利の上昇を抑えるために国債の買い入れを余儀なくされるようになった。

しかし日本国債の売り圧力は激しく、金利は上限の0.5%を上回って一時0.55%で取引されるような状況で、結果として日銀の国債買い入れは6日以降爆発的に急増している。(※1/17誤植を訂正しました)

日銀による国債の買い入れ金額は以下のように推移している。

1月4日: 0.6兆円
1月5日: 0円
1月6日: 2.4兆円
1月10日: 0.3兆円
1月11日: 1.2兆円
1月12日: 4.6兆円
1月13日: 5.0兆円
1月16日: 2.1兆円

0.5%に達しなければ買わなくとも良いため日によって上下するが、6日以降どんどん増えてゆき、13日には5兆円に達した。

半年で破綻する日銀の量的緩和

1日で5兆円という金額がどれだけのものか、読者にはお分かりだろうか。この数字が危機的だとすぐに分かった読者は、経済の数字が頭に入っていると言えるだろう。

さて、日銀の保有する国債の総額は1月12日時点で547兆円で、日本の政府債務は約1,000兆円である。つまり、日本政府の発行している国債のうち、半分以上を既に日銀が保有しているということになる。

日本国債の投げ売りは日増しに増えているため、5兆円という水準からどんどん増えてゆく可能性もあるのだが、仮に1日5兆円の買い入れをこのまま続けることになった場合どうなるだろうか。

ここまで言えばもう分かったはずである。日銀は100日足らずの内に残りの国債を全部買ってしまう。休日を含めても4ヶ月から5ヶ月程度の猶予しかなく、半年経たずにアベノミクス以来の量的緩和政策は破綻することになる。

国債買い入れは1日5兆円で済むのか

だがもしかするとこれでも保守的な計算かもしれない。

この状況を完璧に予想していた人物がいるのだが、読者は覚えているだろうか。債券投資家のスコット・マイナード氏である。

マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる


この記事でマイナード氏は、日銀の金融政策が次の順序を踏むと予想していた。

日銀は新たな金利ターゲットを設定する
日銀の保有する国債の価値が下がる
市場は新たな金利上限に挑戦する
日銀は国債買い入れで市場を安定化しようとする
円の供給量が増えインフレが悪化する

まさに3と4の状態が今起きているわけである。新たな金利上限を設けたことにより、投資家が今後の更なる利上げを心配するようになり、保有国債の価値が下がる前に売ってしまおうとする。

そうすると債券の価値が下がる。債券の価値下落は金利上昇を意味するため、金利は上限に達し、日銀は投げ売りされている日本国債を買い支えなければならなくなる。そうなれば買い入れ額が1日5兆円から大きく上昇する可能性もある。

日銀がこの状態から逃れるためには、金利上限を更に上昇させて買い支えなくても良いようにするしかないが、金利上昇は債券の価値下落を意味するため、投資家は更なる下落が起こる前に日本国債を売ろうとする。

分かるだろうか。日本国債はもう詰んでしまっている。マイナード氏の予想通りである。

結論

ちなみにマイナード氏のこの予想は12月1日のスピーチの内容であり、日銀の実質利上げの前ということになる。スピーチのタイトルは、「持続不可能なものは持続できない」であった。残念ながら年末に急逝してしまったマイナード氏は、日銀の政策変更前からすべてを予想していたのである。

スコット・マイナード氏、心臓発作で死去 63歳


ここからはどうなるだろうか。円の投げ売りが原因で日銀は実質利上げを行わなければならなくなった。お陰で円は上がっているが、今度は日本国債が破綻の危機である。

ここからのシナリオは、恐らくはまず日銀は更なる実質利上げを行わなければならなくなるだろう。それで買い入れ額を減らそうとする。だがそうすれば日本国債は更に売られ、利上げのスパイラルに突入する。

1月18日に日銀は金融政策決定会合の結果を発表する。2回連続の実質利上げがあるかどうかは分からないが、ここに書いた長期的なデッドエンド自体は避けることができない。

そうしてある時点で日銀は緩和転換しなければならなくなるかもしれない。しかしそうなれば今度は強烈な円安になり、インフレが止まらなくなるだろう。

ということで、もうどうにもならない。国債の暴落、日本円の暴落、物価高騰、強烈な増税による政府債務の帳消し、どれかは絶対に避けることが出来ない。そしてどれを選んでも日本国民は死ぬ。

これが1,000兆円の政府債務を抱えた日本経済の末路である。莫大な政府債務は問題ないと誰が言ったのだったか。

この状況を作り出した日銀の黒田なにがしは颯爽と職場を離れようとしている。その後に日本経済は利上げによる不況で大量の失業者が出るだろう。

この状況もすべて、何十年も前にマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が予想していたことではないか。彼は次のように言っていた。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない


将来の失業について責められる政治家は、インフレーション を誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

そして黒田氏が去った後に日本経済は当然の帰結として死んでゆく。自民党を支持した日本国民が自分で望んだことなのだから、彼らにとっては本望なのだろう。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32797
12:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 07:39:08

ここではエリオット波動の宮田さんと反対に今年の日経平均暴落を予測しています:

日本政府、金融緩和終了に言及 連続利上げなら日経平均は暴落へ
2023年1月19日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32865

年末に日本銀行が実質利上げを行なったことで、2013年のアベノミクス以来の金融緩和政策が危機に瀕している。

実質利上げをしている黒田総裁自身は、記者会見で自分は金融緩和を続けているという意味不明な供述を続けているが、今度は政府の側から金融緩和の終了に言及する声が上がっている。

円安とインフレ

日銀は12月20日の金融政策決定会合で実質利上げを決めた。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2022/12/20)
日銀が利上げに踏み切らなければならなかったのは、日本のインフレ率が急上昇しているからである。12月の東京都区部の速報値ではインフレ率は遂に4.0%まで上がっており、しかもこの数字は9月以降どんどん加速している。

その一因は明らかに日銀の緩和によってもたらされた円安である。インフレが問題となる中でインフレを目指す日銀の量的緩和によって、2022年の為替相場では日本円はドルやユーロどころかインドネシアルピアなどよりも弱い最弱通貨の1つとなっていた。(※1/19誤りを訂正しました)

日本円が下がり、日本人から見てほとんどすべての外貨が上昇すると、当然ながら輸入品の価格が上がる。そもそも「インフレ政策」とはそれを目指す政策だったというのに、自民党の支持者たちは何が不満なのだろうか。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
インフレ政策を支持しながらインフレの意味を今年まで知らなかった彼らの卓越した頭脳はさておき、もうすぐ任期が終了する黒田氏は、「緩和には何の問題もなかった」という顔をして逃げ切りたかったのだろうが、最後の最後に利上げをやらされたのである。それが恐らくは、金利を上昇させながら「これは利上げではない」などという意味不明な黒田氏のコメントに繋がっていると思われる。

金融緩和を終わらせたい日本政府

その意図が恐らくは政府から来たのだろうということは、1月の会合後の西川経産相の発言から読み取れる。

世界経済フォーラム(通称ダボス会議)において、彼はまず次のように発言した。(Reutersの英語記事の直接引用からの翻訳である。)

政府の多様な政策によって日本のインフレは他国よりも緩やかなものに留まっている。

ちょっと笑ってしまうような奇妙な話である。自民党はインフレを抑制するような政策は一切行なっていない。例えば全国旅行支援である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
更に言えば、ガソリンに対する補助金は最悪の悪手であり、エネルギー資源が足りないからインフレが起きているのに、エネルギーの購入に補助金を出すことはまさに火に油を注ぐことに等しい。

サマーズ氏: ガソリンの価格高騰対策でインフレ悪化へ 現金給付の悪夢を人はもう忘れている
だが自民党の政治家の卓越した頭脳はマクロ経済学の常識など軽々と飛び越えてゆく。

そしてこういう人々が最初にやることは、自分を棚に上げてまず他人から批判することである。西村氏は次のように言う。

当然ながら、金融政策は将来正常化されなければならない。

投資が行われて賃金が上がり、経済が回り始めれば、金融緩和は将来停止させることが出来るだろう。そしてその段階に近づきつつある。

2013年のアベノミクス以来の日本政府としては異例の発言ではないか。こうした発言になった原因は、日本のインフレの状況である。

日本のCPI(消費者物価指数)のデータを見れば、日本のインフレ率の上昇ペースは危機的であり、このままではすぐにでも5%や6%に上がっていくだろう。

しかも円安による輸入物価の上昇が国内物価に波及している様子が見られ、ドル円が下がったとしても国内物価の方はそれだけでは下がってくれないだろう。

だから黒田氏は逃げ出せば良いかもしれないが、日本政府の方はこのままでは物価が高騰し国民に責められる。インフレ政策を有権者も支持したではないかという突っ込みは正論なのだが、馬鹿に正論は通用しない。

ここでは何度も言っているが、インフレとは物価上昇という意味である。それ以外の意味はない。インフレ政策はそれを目指してきたのである。その理由については以下の記事で解説している。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
2023年は利上げの年に

よって2023年は日本にとって利上げの年となるだろう。それが投資家にとってどういう意味を持つかと言えば、まずはドル円の下落である。


去年はドル高かつ円安の年だったが、アメリカと日本の両方でそのトレンドがひっくり返り、今年はドル安かつ円高の年になりそうだ。アメリカ側の事情については以下の記事を参考にしてもらいたい。

日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始
そして日本株については、以下の記事で纏めてある。

2023年の日経平均の推移予想: ドル円下落と金利上昇で二重苦に (2023/1/4)
だがその後のインフレ統計や日本政府の発言を見ていると、2023年には黒田総裁の退任後に新総裁のもとで連続利上げが行われる可能性がある。

今年の株式市場は、アメリカでは金利の低下が始まっており、去年の利上げ効果による企業利益の減少と金利低下による浮揚効果が相殺し合う状況になるとここでは説明してきた。

だが日本が世界的な景気後退のもとで連続利上げを行うならば、企業利益の減少と日本の長期金利の急上昇という状況のもとで、日本株はかなり急激な下落相場になるだろう。日経平均は現状では次のように推移している。


結論

ということで、新体制の日銀が連続利上げに踏み切れば、ドル円と日経平均は仲良く暴落してゆくだろう。

だが金利を上げなければ日本は恐らくアメリカやヨーロッパ並みの物価高騰に突入してゆく。欧米の物価高騰が地獄絵図であることは、以下の記事などで紹介してきた。

ドイツの政治家、カーボンニュートラルのために風呂に入らないことを推奨
EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
自民党が国民の生活を慮って本気でインフレ退治をするかどうかはかなり怪しいところだが、少なくとも多少の利上げは強いられることになるだろう。

そこで問題となるのは、コロナ後に大流行りしたつみたてNISAなどの、金融の専門家から見て何の根拠もないギャンブル的な素人投資法である。

「株式の長期投資はほぼ儲かる」という幻想は金融庁の「基礎から学べる金融ガイド」から来た
金融庁などは高校生にまで日本株や海外株のETFなどを買うことを推奨してきたから、それに乗せられて投資をした人のポートフォリオは日本株や海外株のETFで構成されているだろう。

だが2023年、彼らのポートフォリオはどうなるか。日本政府が主導する利上げによって日本株は死に、海外株はドル円の下落によって価値が大幅に毀損することになるだろう。

何度も言っているが、何故彼らはわざわざこのタイミングで投資を奨めたのか。しかも単に投資理論が間違っていただけではなく、日本政府自身が国民のNISA口座にそうした商品を放り込み、その後でそれらの価値を暴落させようとしている。

この件については何度も語ったので、ここまでにしておこう。詳しい議論が知りたい人は以下の記事を参考にしてほしい。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
だが、他人に買わせた投資商品の価値を意図的に下落させることは、控え目に評価しても詐欺である。

岸田首相にはその才能がある。 還付金詐欺などを本業にするタイプのプロの方々は、是非お上の優れたやり方を学ばせてもらうと良いだろう。これこそが本物である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/32865



参考

日本エリオット波動研究所の相場予測は凄い、宮田直彦のエリオット波動分析はデタラメ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14081932

宮田直彦 エリオット波動レポート - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AE%AE%E7%94%B0%E7%9B%B4%E5%BD%A6+%E3%82%A8%E3%83%AA%E3%82%AA%E3%83%83%E3%83%88%E6%B3%A2%E5%8B%95&sp=CAI%253D

エリオット波動・宮田レポート(短期アップデート)
https://www.m2j.co.jp/market/report/20525/list

エリオット波動でみると日経平均は2050年まで上昇 _ 宮田直彦 日本株はもうすぐ大暴騰する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14031612

エリオット波動 宮田直彦 半導体株の出直り期待と日経平均の強気保ち合い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056708
13:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 08:23:25

同じエリオット波動でも日本エリオット波動研究所は、宮田直彦さんとは反対に、今年からの日経平均株価の大暴落を予測しています:

一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/

日経平均1年間のカウントの振り返り とナスダック100とS&P500の進行想定/有川和幸さん【キラメキの発想 12月19日】 | 一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://www.youtube.com/watch?v=MGFhLQnPOf4
https://jewri.org/news/news-3333/


エリオット波動
http://www.asyura2.com/13/ban6/msg/591.html
14:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/01/20 (Fri) 18:10:30

為替については

一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://jewri.org/

エリオット波動原理から見た ドル円と日経平均/有川和幸さん 【キラメキの発想 9月12日】 | 一般社団法人 日本エリオット波動研究所
https://www.youtube.com/watch?v=0I_beldwtXE&t=119s
https://jewri.org/news/news-3250/
15:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/01 (Wed) 19:09:54

「物価が上がれば賃金も上がる」はどこへ…日銀・黒田総裁は発言を後退させた 異次元緩和は「失敗」か
2023年2月1日
https://www.tokyo-np.co.jp/article/228535

 4月8日の任期満了を前に、賃金を巡る日銀の黒田東彦はるひこ総裁の発言が変節している。就任当初は「物価が上がれば賃金も上がる」としていたが、昨年からは物価が急騰しているのに「賃金の上昇が伴っていない」にすり替わった。物価上昇に伴って賃金も自然に増えるとした「経済の好循環」を実現できなかったと事実上認めた形で、10年に及ぶ金融緩和策の挫折を象徴している。(渥美龍太、原田晋也、畑間香織)
◆「普通起こらない」ことが現実に起きている
 黒田氏は物価が急騰した昨年前半から「賃金の上昇を伴う形で2%の物価安定の目標を実現していない」などと話す場面が目立つ。
 日銀は巨額のお金を流す異次元緩和により、消費者物価(生鮮食品を除く)の前年比が2%を上回る目標を掲げ、昨年12月に4%に達した。黒田氏の発言は、賃金が上がらない現状は好循環を伴う「良い物価上昇」ではないとの説明だ。

 緩和を始めたころの主張は違った。「賃金が上昇せずに物価だけ上昇することは普通起こらない」。緩和開始から1年近くたった2014年3月、黒田氏は講演でこう強調した。緩和で物価が上昇さえすれば、日本経済が好転するとしていた。
 だが、円安への誘導で輸出企業を中心に収益は改善したものの、成長期待が乏しい日本での賃上げに積極的ではなかった。賃金上昇が円安や消費税増税の物価上昇に追いつかず、物価の影響を反映させた実質賃金は14年に前年比2.8%下落した。

 15年以降も、物価が緩やかに上がる中で実質賃金の下落の傾向が止まらず、ロシアのウクライナ侵攻などに伴う最近の物価高で水準が一段と下がった。ニッセイ基礎研究所の上野剛志氏が12年平均と比べると、物価は直近実績の22年12月までに12.5%上がったのに対し、実質賃金は同11月までに7.6%下落した。
◆「実際はほぼ1年で破綻」「的外れの政策だった」
 日銀元理事の早川英男氏は 「物価が上がれば賃金が上がるとの狙いは、実際はほぼ1年で破綻していた」と指摘。想定していた好循環が起こらなかったため「総裁が言い方を変えたのは明らか」とみる。
 異次元緩和は、「日本停滞の原因は緩和の不足」という一部専門家の考えを野党時代の安倍晋三氏が取り入れ、首相就任後に黒田氏を総裁に任命して始まった。当時から、緩和ではなく賃上げの不足が停滞の原因と主張していた東京大の吉川洋名誉教授は「企業の活力を生み出す成長戦略などで地道に賃金を上げるしかない」として、黒田日銀の緩和策を「的外れの政策だった」と総括した。
 日銀の大規模金融緩和 2012年12月に発足した第2次安倍政権が掲げた経済政策「アベノミクス」3本の矢のうちの「第1の矢」と位置づけられた。黒田東彦氏が13年3月に日銀総裁に就くと、国債や上場投資信託(ETF)を大量に買い入れ、市場に資金を供給する金融緩和を主導。16年には金融機関が日銀に預ける当座預金へのマイナス金利の導入や長期金利の誘導水準を定める長短金利操作などの枠組みも追加した。
https://www.tokyo-np.co.jp/article/228535
16:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/02/14 (Tue) 23:33:04

サマーズ氏、日銀の新総裁によるイールドカーブコントロール廃止を示唆
2023年2月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33487

アメリカの元財務長官でマクロ経済学者のラリー・サマーズ氏が、 Bloombergのインタビューで日銀の新総裁となる植田和男氏について語っている。

植田和男日銀新総裁

2月10日、日銀の黒田総裁の後釜にマクロ経済学者で東大名誉教授の植田和男氏が選ばれることが発表された。

日銀の新総裁は当然日本の金利を左右するので、筆者は前回の記事において速報として植田氏の金融政策に関する考え方を簡単にレビューしておいた。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
筆者は植田氏について、大蔵省の役人だった黒田氏やプライベート・エクイティ・ファンド出身のパウエル議長などのマクロ経済学の門外漢である中央銀行家とは違い、マクロ経済学を専門とする学者である点を評価したが、一方で経済学者としては通説以上の独自の考えがない平凡な人物であると評しておいた。

サマーズ氏の評価はどうかと言えば、彼はインタビューで日銀新総裁について聞かれて次のように答えている。

植田氏は日本のベン・バーナンキのような人だと考えられるだろう。

ベンとほぼ同じ時期にMITで学び、論文アドバイザーもベンと同じだった。金融経済学の似た分野を専門とし、同じように学者のソフトな語り口ながら、決断力も持っている。

バーナンキ氏は2006年から2014年までFed(連邦準備制度)の議長を務めた人物である。前回の記事でも少し触れたが、ジョージ・ソロス氏やジョン・ポールソン氏などファンドマネージャーらが事前に警告していた2008年のリーマンショックを「住宅市場に限られた問題」として無視した張本人であり、彼と重ねられていることが褒め言葉なのかどうかは微妙である。

ジョン・ポールソン氏、サブプライムローンの空売りで大儲けした時のことを語る
サマーズ氏が同じ経済学者でありながら植田氏の研究の具体的内容に触れていないことから見れば、恐らくは経済学者としての植田氏についてほとんど知らないものと思われる。インタビューで司会者に聞かれたので、他国の新しい総裁にリップサービスを贈ったのだろう。

サマーズ氏は黒田氏とは知り合いらしく、黒田氏についても次のように世辞を贈っている。

植田氏は大人物の後を継ぐことになる。わたしは黒田さん(※原文ママ)を30年以上知っているが、彼は並外れて有能で分析力がありながら、計算高い中央銀行家になれる能力も持っている。

彼が辞めるのは残念だが、植田氏が後を継ぐのならこれからも安泰だろう。

日銀の政策はどうなるか

ここまでは大した内容ではない。本当に優れた人物ならば、アメリカ人はむしろ厳しいコメントを残すだろうということは、アメリカ人を知っている読者なら分かるだろう。

日本の国力がアメリカに届きかけていた時代には、アメリカ人はこぞって日本人を批判した。今では中国人が批判され、日本人は世辞を送られる。脅威にならないからである。

その意味で、サマーズ氏のコメントは筆者にとって日本の現状を思い出させるものだった。これは分かる人にしか分からないので、このくらいにしておこう。今回のサマーズ氏のコメントの中で、本音が表れていたのは新総裁がどういう問題に直面するかについて語った部分である。

サマーズ氏は次のように言っている。

日本はこれから非常に難しい問題に直面することになる。イールドコントロールを永遠に続けることが可能だとは思えない。

さらっと言っているが非常に重要な部分であり、要するに日銀は長期金利に上限を設定しているイールドカーブコントロールを続けられないと言っているのである。

日本のインフレと長期金利

2022年、日本国民がインフレに苦しんでいる中、誰も理由は分からないがインフレを目指して金融緩和を続けてきた黒田総裁は、量的緩和による円安を通して見事にインフレ悪化を実現した。日本のインフレ率は現在4%である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
日銀はイールドカーブコントロールによって長期金利の上限を0.25%に設定してきたが、当然ながらこの低金利を続けるとインフレが止まらなくなる。それで黒田氏は、恐らくは政府の圧力によって、金利上限を0.25%から0.5%に上昇させることを余儀なくされた。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ
ちなみに黒田氏はその政策変更を「利上げではない」と主張しているが、はっきり言って意味不明である。彼はインフレ率が4%である現状を見て、インフレ目標が達成できていないことが残念とも述べており、誰か彼の言語を筆者向けに翻訳してほしい。

結論

いずれにせよ黒田氏は居なくなる。そしてサマーズ氏は、黒田氏に世辞を贈りながら、同時に黒田氏のやっていたことが持続不可能だと言っている。債券投資家のスコット・マイナード氏も言っている。

マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる
緩和を続ければどうなるか。インフレ下で緩和を行おうとしたイギリスに対してサマーズ氏が言ったことを、ここの読者は覚えているだろう。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
いずれにせよ、誰がどう言おうが、誰も何も言わなかろうが、インフレ時に緩和を行うのは狂気の沙汰である。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
そして新総裁の植田氏はそれを知っている。

彼はアベノミクスの間違いを指摘されたくない自民党安倍派へのリップサービスとして「現在の金融緩和は適切」と言っているが、植田氏は少なくともある程度まともなマクロ経済学者であるので、金利を上げなければインフレが止まらないことを理解している。

投資家にとって重要な点はそこである。それがドル円と日経平均を動かすからである。

2023年の日経平均の推移予想: ドル円下落と金利上昇で二重苦に
植田氏の考え方を知りたい人は、前回の記事を参照してもらいたい。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33487
17:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/01 (Wed) 10:12:37

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
2023年2月24日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33890

引き続き、リーマンショックでサブプライムローンを空売りして莫大な利益を上げたことで有名なジョン・ポールソン氏の、アラン・エルカン氏によるインタビューである。

ジョン・ポールソン氏、サブプライムローンの空売りで大儲けした時のことを語る
今回はコロナ後の緩和政策と現在のインフレの関係について語った箇所を取り上げる。

インフレと量的緩和

インフレの原因についてはここの読者には改めて言う必要はないだろう。ウクライナ情勢ではなく、コロナ後に行われた未曾有の現金給付である。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
国民に大金を振り込んで誰もがそれを使えば物価は高騰するという誰でも分かるはずの当たり前の話なのだが、メディアを鵜呑みにする人々にはウクライナがどうこうというナンセンスが横行している。だがそれは実際の経済統計に反している。

しかし現金給付の裏にあった量的緩和についてはきっちりとフォーカスされていないのではないか。ポールソン氏は今回、現金給付よりも中央銀行の量的緩和に重点を置いて話している。

彼はコロナ後の経済状況について次のように振り返っている。

コロナ危機が起こり、経済が沈んだ。だから彼らは2020年の第2四半期に非常に緩和的な金融政策を行なった。

コロナ後にすぐ、日本でもアメリカでも現金給付が行われた。債券投資家ジェフリー・ガンドラック氏などはそれを狂気の沙汰と呼んでいたが、誰も耳を傾けなかった。レイ・ダリオ氏は2020年の時点で淡々と過去のインフレの事例について研究を始めていた。

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判 (2020/3/29)
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨 (2020/5/23)
だが政府は既に莫大な政府債務を抱えていたのに、どうやって紙幣をばら撒いたのか? 中央銀行がそれを印刷したのである。

厳密に言えば、政府が国債を発行して投資家から現金をもらい、投資家はそれを中央銀行に売却して中央銀行が印刷した紙幣をもらうわけだが、要するに中央銀行が刷った紙幣が政府に行っているのである。それが量的緩和である。

だから量的緩和がなければ現金給付は不可能だった。この意味で量的緩和はコロナ後の物価高騰の原因なのである。

インフレ後の量的緩和

さて、コロナ直後の現金給付はロックダウンによるデフレを止めた。だが何故かその後も中央銀行は量的緩和を続けていた。ポールソン氏は次のように説明している。

2021年の始めに緩和を止めていれば良かったのだが、彼らは2021年のあいだずっと緩和を続け、驚くべきことに2022年の4月までそれを止めず、経済を資金で溢れさせた。

2021年、バイデン大統領は就任直後に大規模な現金給付をやらかした。当時、アメリカ経済は既に正常に戻っていたのにである。そのような状況でコロナ後と同じような大規模な現金給付をすれば、当然物価は爆発する。

バイデン氏は最近「インフレは自分の就任前からあった」という発言して批判されている。

ガンドラック氏、バイデン大統領の「インフレは就任前から」発言を批判
何故か。政治家が現金給付をすれば票を取れるということを学んでしまったからである。

だが何より馬鹿げているのは、それを有権者が支持したことである。人間は自分が愚かな行いをやりたくなってしまったとき、それを正当化する理屈をあとから考え始める。ポールソン氏は次のように続けている。

彼らは幻想を見ていた。彼らは紙幣印刷はインフレに繋がらないという新種の金融理論さえ信じ始めた。

だから彼らは嬉々として2021年のあいだずっと毎月1,200億ドルもの紙幣を印刷し、それでもインフレにはならないと主張した。

いわゆるMMTである。だがMMTは実は新種の理論ではない。MMTは19世紀にもあった。MMTとは人々が紙幣印刷をやりたくなった時にだけ発生し、その後の物価高騰とともに消えてゆく歴史上のいつもの風物詩である。

そしていつも通りインフレが起こった。ポールソン氏は次のように続ける。

2021年にはインフレ率は既に6%に達していたのだが、実際にインフレが起こった時、彼らはインフレは彼らの金融政策ではなく供給不足によって起こったもので、一時的だと主張した。紙幣印刷のインフレへの影響を無視した完全な幻想だ。

彼らはインフレの原因を正しく診断せず、すべてを供給の制約のせいにし、紙幣印刷を続けた。

MMTはインフレが起こらない限り問題ない

「インフレが起こらない限り問題ない」とされていたMMTについてはガンドラック氏が次のように問題を指摘している。

ガンドラック氏: 永遠に追加緩和か、景気後退か
インフレが起こっている。

ポールソン氏は次のように続ける。

紙幣印刷をどれだけ続けてもインフレは起こらない。それがどれだけ馬鹿げたアイデアか考えてみてほしい。

実際にはコロナ後、日本円換算で合計40万円以上の現金給付で物価は高騰した。現実はそういうものである。

それで2021年に「インフレは一時的」 と言い続けていたパウエル議長も非を認めざるを得なくなった。ポールソン氏は次のように説明する。

彼らは2021年の終わりに態度を変えて、一時的がどうとかいうナンセンスをようやく止めた。自分がインフレの火に油を注いでいることに気付いたからだ。

だが彼らは紙幣印刷の規模を毎月減らしただけで紙幣印刷を2022年4月まで続けた。その頃にはインフレ率は10%に近くなっていた。

結論

それで現在の物価高騰まで至るわけである。量的緩和と現金給付がなければインフレは起こらなかったし、現在株価を下落させており、2023年に景気後退を引き起こす金融引き締めもやる必要がなかったわけである。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
だがすべて、インフレ政策を支持し、結果として見事その成果であるところのインフレを受け取った有権者が自分で選んだことである。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
また、量的緩和はそれ単体では金融資産の上昇率を賃金の伸びよりも高くする政策であるので、労働世代から高齢者へと資産を移転させる年金以外の政策でもある。

以下の記事で説明した通り、日本ではその量的緩和を支持したのが搾取される側である労働世代だということがまた興味深い。人は何でも自分の好きなものを選べるのである。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/33890
18:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/03 (Fri) 10:24:05

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想
2023年3月2日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34200

日銀の新総裁に経済学者の植田和男氏が就任すると見られることを受け、日本国債の空売り(価格が下落すれば利益が出るトレード)を開始する。筆者の意見では、このトレードはリスク・リワード比が非常に良い。以下に理由を説明したい。

遂に始まった日銀の実質利上げ

ことの発端は4月に現日銀総裁の黒田氏が退任する予定になっていること、そしてその黒田氏が去年12月、恐らくは岸田政権に迫られて長期金利の実質利上げを行なったことである。

日銀がYCC変更で長期金利の上昇を許容、日本も金利上昇による景気後退へ (2023/3/2)
イールドカーブコントロールと呼ばれる金融政策により、日本の長期金利はそれまで0.25%という低い水準に保たれていた。それが2022年の円安と、それにともなう輸入物価高騰をもたらしたことは、前回の記事で説明している。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
黒田氏は恐らく「インフレ政策には何の問題もなかった」という顔をしながら退任期限まで逃げ切りたかったのだろうが、結局彼は長期金利の上限を0.5%まで上げるはめになった。

実質利上げは始まったばかり

だが日本のインフレ率は4%である。このインフレは0.5%の長期金利で止まるものではない。では何処まで利上げすればインフレは止まるのか。

過去の事例を探せば、1970年代のアメリカの物価高騰時代では金利がインフレ率を上回るまでインフレは止まらなかった。当時のインフレ率と政策金利のグラフを並べると次のようになる。


そして現在のアメリカでも、長期的にはインフレ率は5%に収束すると予想されており、金利は5%まで上がろうとしている。

1月のアメリカのインフレ率はソフトランディングが不可能であることを示している
1970年代とは状況が違うとは言っても、やはり金利はインフレ率と同じ水準まで上がらなければ止まらないらしい。

コストプッシュインフレ?

日銀は(これは新総裁の植田氏もそうだが)日本のインフレは輸入物価高騰によるコストプッシュインフレであり、緩和を止める理由にはならないと主張している。

だがここでは何度も論じたように、原油や農作物などが高騰した理由はコロナ後に世界中で行われた量的緩和と現金給付であり、2020年にはその兆候が既に表れていたことをここでは報じておいた。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)
コストプッシュではなく政府と中央銀行の政策によってもたらされた大量の資金が市場に流れ込んだ結果であり、2020年に緩和をしていた主要国の中央銀行(当然日銀を含む)はすべてその責任をしっかり負っている。

自らインフレを引き起こした政府と中央銀行がコストプッシュインフレという言い訳を使うだろうということは、大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏によって数十年前に予想されており、彼らはその通りの道を歩んだというわけである。

ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
大体輸入物価全般に関しては円安が原因であり、前回の記事で説明したように2022年の円安は日銀のイールドカーブコントロールによってもたらされているのだから、緩和政策を止めない理由にはならない。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
彼らの言い分は論理的に破綻している。

また、CPI(消費者物価指数)統計を見れば、輸入物価のインフレが国内物価にも波及し始めていることが分かる。2021年に「コストプッシュインフレ」を繰り返し、インフレに対策を打たなかったアメリカのパウエル議長が何をするはめになったかは誰もが知っている。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
アメリカやヨーロッパの例で既に見たように、インフレは一度始まると止めるまで永遠に加速し続ける。そして日本でもそれは始まりつつある。

植田新総裁は実質利上げを継続する

さて、そこで問題になるのが、植田新総裁が長期金利をどうするかである。

結論から言えば、植田氏の狙いは日銀の国債買い入れ額を減らすことである。そしてそのために長期金利の上限をある程度上げるだろう。

植田氏も副総裁候補たちも、今の日銀の金融政策には「副作用」があるということを強調している。そして私見によれば、そうした副作用のうち彼らが一番懸念しているのは、インフレでも円安でもなく日銀の国債保有額である。

日銀は現在既に市場に存在する国債の半分以上を買い入れてしまっている。イールドカーブコントロールで長期金利に上限を付ければ、金利が上限に達するごとに金利を抑えるために国債を買い入れなければならなくなる。

だがこのままでは日銀の買い入れによって年内に市場から国債が枯渇してしまう可能性がある。

日本国債の投げ売り急増、追加利上げがなければ日銀の量的緩和は半年で破綻する
筆者の考えによれば、これこそが日銀の審議委員として現在の緩和にもかかわった植田氏の一番の懸念点である。彼の懸念点は必ずしもインフレでも円安でもない。だが国債買い入れ額を減らすために金利上昇が必要ならば、金利を上昇させるだろう。

何故そう言えるか。植田氏は所信表明において「情勢において工夫を凝らしながら、金融緩和を継続することが適切」だと言っている。

「工夫」とは具体的に何か? もっと分かりやすいのは、副総裁候補の内田氏が緩和政策について「副作用があるから見直すのではなく、いかに工夫を凝らして緩和を継続していくかが課題」と言っていることである。

これは明らかに枯渇しかけている国債の残高のことを言っている。そしてその問題を解決するためには長期金利の上限を上げることが必要である。上限を例えば1%や2%に上げれば、現状の上限である0.5%を超えても国債を買い入れずに済むからである。

日本国債の空売りを開始

ということで、日本国債の空売りを開始する。債券の金利上昇は価格下落を意味するので、日本国債の価格が下がることを予想するからである。

日銀は長らくゼロ金利政策を続けてきた。そしてそれが維持不可能だと見込んで日本国債の空売りを行なったヘッジファンドもあったが、これまで日本の金利は結局上がらなかったため、日本国債を空売りする取引は金融市場でウィドウメイカー(寡婦を生み出すトレード)と呼ばれてきた。

だがこうした見方が見落としている点が1つある。日本国債の空売りはほとんど損をする可能性のない取引だということである。

何故か? 債券の金利上昇は価格下落、金利低下は価格上昇だということを考えてみてもらいたい。そして日本国債の金利は上がることはあっても、下がることはほぼ考えられない。今のケースで言えば、金利上限を下げると日銀は国債を更に買い入れなければならなくなる。筆者の予想ではその可能性は限りなくゼロに近い。

だから日本国債は価格が下がることはあっても上がることはない資産である。よって日本国債の空売りは、仮に失敗してもほとんど損をしない。

日銀は最近、これに対抗するために国債を借りる時に金融機関が支払う国債の品貸料を1%に引き上げた。空売りをするためにはまず国債を借りなければならないため、空売りのコストを上げようとしているのである。

だが金利がもし上昇すれば国債の価格がどれだけ下がるかを考えてもらいたい。債券は満期までの期限が長ければ長いほど金利上昇に対する価格の下落幅が大きい。10年物国債は1%の金利上昇で10%近く、2%でほぼ20%近くの価格下落となる。3%、4%になれば30%、40%である。

これはジョン・ポールソン氏がリーマンショック時にサブプライムローンを空売りした場合と似たようなリスク・リワード比だと筆者は考えている。ポールソン氏は当時のことについて以下のように語っている。

ジョン・ポールソン氏、サブプライムローンの空売りで大儲けした時のことを語る
空売りのコストは年間たった1ドルということになる。

しかしサブプライムローン債券がデフォルトすれば、空売り投資家は100ドルを得ることができる。

結論

ということで、筆者も遂に日本国債の空売りに手を出すことになった。大手メディアや金融市場はまだ分かっていないが、筆者の意見では植田氏の狙いは明らかである。以下の記事を読みながら彼の言葉を精査してみてほしい。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者

また、金利上昇は株価にとってもマイナスとなる。 筆者は日本株の空売りも行なっている。アベノミクスのお陰で日本経済が滅ぶ時が来たようである。自業自得である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、 ソフトランディングは有り得ない


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34200
19:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/04 (Sat) 22:11:58

ポールソン氏: 成功は紙幣印刷ではなく教育と勤勉さから生まれる
2023年3月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278

長らく続いていたアラン・エルカン氏によるジョン・ポールソン氏の長編インタビューの最後の記事となる。

今回はコロナ後の政府の経済政策について語っている部分を紹介する。

コロナ後の緩和政策

2020年、コロナ第1波におけるロックダウンで先進国経済は大きなダメージを受けた。これに対して日本でもアメリカでも、政府と中央銀行は紙幣印刷と現金給付で対応した。

アメリカでは、Fed(連邦準備制度)が3月23日に無制限の量的緩和を発表しているが、実はこの措置は当時の株価の暴落を止めることが出来ず、一定期間株価はそのまま落ち続けた。当時の相場を知らない読者には、当時の記事からリアルタイムの雰囲気を読み取ってみるのも面白いかもしれない。

米国、量的緩和の無制限化を発表も米国株は下落 (2020/3/24)
だが結局、この緩和措置は過剰だった。特に2021年、既にアメリカ経済は元の水準まで回復していたにもかかわらず、就任直後のバイデン大統領が人気取りのために莫大な現金給付を行なったことが一番まずかった。

ガンドラック氏、バイデン大統領の「インフレは就任前から」発言を批判
それで経済は強くなり過ぎた。ポールソン氏は次のように解説している。

Fedが紙幣印刷で未曾有の刺激策を行ない、それが政府に莫大な資金を使う余裕を与えた。財政支出と紙幣印刷の組み合わせが非常に強い経済を演出した。

中央銀行が印刷した紙幣を政府がばら撒いたことで需要が非常に強くなれば、経済に何が起こるか。需要と供給について少しでも知っている人ならばその答えを出すことは容易い。インフレである。

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
過剰な資金はまだ経済に残っている

ポールソン氏によれば、その効果は紙幣印刷を終了して1年ほどになる今でも続いているらしい。彼は次のように続けている。

今ではFedは引き締めを行なっているが、まだ経済の中に多くの余剰資金が残っており、それが消費と経済成長を支えている。

アメリカ経済は着実に減速しているもののまだ持ちこたえている。

アメリカ経済は確実に減速している、2022年4QアメリカGDP
インフレ率全体が下落しているなか経済成長は持ちこたえていることで、ソフトランディング期待も囁かれた。だがインフレの内訳を見てみれば、実体経済が持ちこたえているのは、サービスなど実体経済の核心にある部分のインフレがまだ止まっていないからだということが分かる。

サービスのインフレだけひとりで上がり続けるのか
この記事で詳しく説明したように、サービスのインフレが止まらない限りインフレは止まらず、そしてサービスのインフレと経済成長率は一蓮托生である。つまり、サービスのインフレを止めようと思えば、経済成長も止めるしかない。

よってソフトランディングは有り得ない。それが筆者が株を空売りしている論拠である。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
副作用のない麻薬はない

ということで、紙幣印刷でリッチになれると思った多くの有権者はインフレで酷い目に遭っている。2020年に既に誰かが警告していたではないか。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする (2020/5/8)
ポールソン氏は次のように言う。

それはパーティのようなものだ。パーティに行き、たくさん飲みたくさん笑うが、パーティが終われば2日酔いが待っている。

だからアメリカ経済には大きな2日酔いが待っている。最終的には負債を支払うか、インフレで債務を帳消しにするかどちらかしかない。

債務はいずれ払わなければらない。そうでなければ債権者が損をするので、債務を払うか、債権者に損をさせるかのどちらかである。そして例えば日本の場合、国債の保有者は実質的には預金者なので、政府債務をきっちり支払うか、国民が損をするかのどちらかである。

だが負債を払わず預金者も紙幣を取り上げられない第3の道がある。ポールソン氏は次のように説明する。

それはもう始まっている。インフレは政府債務の実質的な量を減らしているが、それは賃金よりも大きく物価が上昇することに苦しむ平均的な国民の犠牲のもとに成り立っている。

敗戦後のドイツが支払い不可能な債務を何とかした方法である。

ここでは何度も言っているが、インフレ政策は最初からそれを目的にしている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
インフレ政策とは国民の預金を犠牲に莫大な政務債務を帳消しにして、政治家が引き続き予算を票田にばら撒けるようにする政策であり、それを政治家が何としてもやりたかった理由は完全に理解できるが、それを有権者が支持した理由は理解不能である。

以下の記事で詳しく説明したが、あなたがたは騙されている。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
結論

ポールソン氏は紙幣印刷について次のように纏めている。

成功するための魔法など存在しない。成功は教育、勤勉さ、貯蓄、再投資によって得られる。そうすればあなたは成功するだろう。

結局のところ、2020年に現金給付を横目に見ながらインフレの歴史について淡々と研究していたレイ・ダリオ氏が言った次の言葉がすべてである。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる (2020/5/17)
われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

賢者は歴史から学び、愚者は経験から学ぶ。愚者はまさに今経験から学んでいる。いや、問題は恐らく、愚者は経験から学ぶことすらないということだろう。

だが市場経済の素晴らしいところは、債務のツケは誰かが払ってくれても自分の愚かさのツケだけは自分で払わなければならないということである。筆者は市場経済のその部分を本当に素晴らしいものだと考えている。

そう言えば自分で働くことなくお金が降ってくるように願った人々がはまった穴がインフレの他にもう1つある。つみたてNISAである。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
2023年、緩和に対するツケを払うための引き締めはアメリカでも日本でも始まっている。株価とドル円はともに下落することになるだろう。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
日銀の長期金利の実質利上げを受けてドル円の空売りを開始


金融庁に騙されて彼らの多くは資金を米国株に注ぎ込んでいるが、円建ての米国株の価値は株価下落とドル円下落の二重苦で酷いことになるだろう。つみたてNISAは既に詰んでいる。金融市場とは素晴らしい場所である。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34278#more-34278
20:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/19 (Sun) 04:09:49

ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想
2023年3月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34751#more-34751

引き続きDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はFed(連邦準備制度)の金融政策について語っている部分を紹介したい。

中央銀行によるシリコンバレー銀行救済

シリコンバレー銀行の破綻はアメリカの歴史上2番目の規模の銀行破綻となった。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
上記の記事で説明したように、シリコンバレー銀行は端的に言えば預金者に預金を返せなくなったわけだが、バイデン大統領はほとんど躊躇なく預金者を救済すると決定した。

失くなった金はもうないのだが、中央銀行がどうにかするということである。

だがここで矛盾が生じる。これまでに何度も説明した通り、アメリカ経済はウクライナ情勢ではなくコロナ後の現金給付のお陰で物価が高騰している。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
だから今度はFedはばら撒かれた紙幣を回収するために去年から金融引き締め政策を行なってきた。それが去年からの株安を引き起こしている。

米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
しかし市場から資金を回収していたはずのFedが、シリコンバレー銀行の破綻でいつの間にか金を出す羽目になっているではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。

インフレ政策が戻ってきている。Fedは資金の貸出制度を通じて銀行システムに資金を注入している。去年の8月か9月からのパウエル議長のインフレ打倒の決意はもう何処かへ行ってしまったようだ。

ちなみにFedは1週間で3,000億ドルを貸し出したようだ。その内1,430億ドルはシリコンバレー銀行とその後続いて破綻したシグニチャー銀行に行ったようだが、残りが何処に行ったのかFedは公開していない。だが他にも資金を必要とした銀行があった(しかも破綻した2行が必要とした金額より多い)ことは確からしい。

ちなみにアメリカのGDPは26兆ドルなので、3,000億ドルは1%強にあたる。GDPの1%以上の資金が1週間で注ぎ込まれたわけである。

ガンドラック氏はバイデン政権のこの対応について次のように述べている。

これはインフレ政策だ。そしてそれはもしかすると短期的にリスク資産にプラスかもしれない。リスク資産はインフレ政策と中央銀行のバランスシート拡大が大好きだからだ。後者はもう長い間選択肢になかったものだ。

インフレ政策がもう帰ってきた

バイデン氏が預金者を保護すると躊躇なく言った時、嫌な予感がしたのは筆者だけではないはずだ。

何故ならば、政治家と中央銀行家が本当にインフレ退治をやるのかということがずっと筆者や著名投資家の疑問として残っていたからだ。経済学者ラリー・サマーズ氏や投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏はそれを疑っていた。

ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
インフレ退治は対価を伴う。1970年代の物価高騰では、当時のボルカー議長がインフレ退治のために高金利を徹底して継続した結果、経済は落ち込み巷には失業者が溢れた。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
それこそがインフレを引き起こしてはならない理由である。紙幣ばら撒きで一時的に利益を得たような気分になることに対して後で払う代償が大きすぎる。その代償とは物価高騰と大量失業である。

パウエル議長は言葉の上では「どんな代償を払ってもインフレ退治をやる」と繰り返してきた。だが銀行が1つ潰れただけでFedの行動は既に彼の言葉の反対に行っている。

しかし以下の記事で解説したように、シリコンバレー銀行は氷山の一角に過ぎない。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
これから同じようなことがいくらでも起きるが、パウエル氏はどうするのか。

Fedは緩和に転じるのか

この状況は、あわよくば利上げをしてもソフトランディングになるのではないかと希望的観測をしてきたパウエル議長に打撃となっているはずだ。ガンドラック氏は次のように言う。

この状況はパウエル議長の計画をかなり狂わせている。インフレ打倒は一時停止となっている。

何度も言うように、金融引き締めを舐めてはならない。インフレを退治して経済を殺すか、退治せずに物価が青天井を突き抜けるか、どちらかである。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
だからシリコンバレー銀行の破綻くらいで一々救済しなければならないようでは、完全に先が思いやられる。以下の記事で説明した通り、2023年の倒産の連鎖は始まったばかりだからである。

ポールソン氏の2023年株価予想: 倒産が急増し株価は下落する
結論

少し前まで投資家は、経済が弱まってもパウエル氏がインフレ退治をやり切るのか疑問に思っていた。だが今回の件で半ば答えは出たのではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。

景気後退に逆らって緩和をしたいが金がない場合、インフレ政策を行うしかない。

何も倒産させないインフレ政策は政治的に一番簡単な解決策だ。

だがリーマンショック以降、経済救済のために必要な金はどんどん増えており、しかも紙幣印刷の副作用は増え続けている。遂にインフレが起こった。次はどうなるのか。

ガンドラック氏は次のように続ける。

これまで景気後退の度にあらゆる救済を行なってきた。2008年には銀行システム全体を救済する必要があった。今回は中央銀行を救済する必要があるかもしれない。

2023年のアメリカ経済は景気後退に陥る。そうして政府と中央銀行はまた金をばら撒くのだろうか。だが金をばら撒いたから今のインフレ危機が起きているのではないのか。

ポールソン氏 : 量的緩和がインフレを引き起こした
こうして問題は経済危機を経る度に雪だるま式に肥大化し、人々は最初から分かりきっているインフレの地獄に自分から入ってゆく。

よほど居心地が良いのだろう。入りたい人は入って行けば良い。インフレを願う人にはインフレが降ってくるのである。良かったではないか。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34751#more-34751
21:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/21 (Tue) 15:52:13

「アメリカの資本主義は富有階級の独裁政治にすぎない」…新自由主義の危うさに気づいた田中清玄が仕掛けた異色の対談
徳本 栄一郎 によるストーリー
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E5%AF%8C%E6%9C%89%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E3%81%AE%E7%8B%AC%E8%A3%81%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%AB%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%8D%B1%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%AB%E6%B0%97%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%B8%85%E7%8E%84%E3%81%8C%E4%BB%95%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%9F%E7%95%B0%E8%89%B2%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%AB%87/ar-AA18SuTH?ocid=Peregrine&cvid=8e59a15547da412ebd76a456c9082306&ei=44


「真の自由主義者は暴力を黙視しない」…東西冷戦の真っただ中、田中清玄が魅せられた“孤高のノーベル経済学者”ハイエク から続く

「京都の山はまろまろしゅうて、やさしいですやろ。ヨーロッパでは、山がとげとげしゅうてあきまへんなあ」

 顔を合わせるなり、今西錦司はハイエクに、こう語りかけたという。それは、史上最も奇妙な対談の一つだったに違いない。二人も、なぜ自分がそこへ呼ばれたか、呑み込めてなかったのではないか。分野も違い、普段は相まみえることもないだろう。


 京都の妙心寺は、臨済宗妙心寺派の大本山である。創建から600年以上、敷石が広がる境内には、静寂な空気が漂う。この日、1978年9月25日、その庭を望む部屋で、彼らは向かい合った。

 この時、フリードリヒ・フォン・ハイエクは70代後半、4年前にノーベル経済学賞を受賞し、世界を回る日々が続いた。戦前から社会主義を批判し、独自の自由主義を唱え、その学説は、各国の市場重視路線を支えた。

 そして、相手は同年代の今西、スリムな体格で、正面から見据える目差しが古武士を思わせた。京都生まれで、ニホンザルなどの研究で知られる生物学者である。種の変化は、共存による「棲み分け」から始まるという進化論を唱えた。

 片や、自由主義経済の思想的基盤を作った経済学者、片や、独自の進化論を唱える生物学者、この奇想天外な対談を仕掛けたのが、田中清玄だった。

田中の狙いはどこにあったのだろうか
  前回 述べたように、田中は、1960年代、ハイエクが不遇な時から、物心両面で支援してきた。ノーベル賞授賞の晩餐会では、友人として日本から、唯一、メインテーブルに招かれた。そして、そのハイエクが、田中の依頼で、今西と対談するため来日したのだった。

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 今西は、1902年、京都の西陣有数の織元「錦屋」の長男に生まれた。実家は、奉公人を含め、30人もの大所帯で、何不自由のない少年時代を過ごした。小さい頃から昆虫採集が好きで、京都帝国大学の農学部に進む。戦後は、京大の教授を務めるが、登山家でもあり、ヒマラヤなどへ調査隊を率いた。

 そして、有名なのが、自宅近くの鴨川で、水生昆虫カゲロウを観察し、「棲み分け」理論を唱えたことだ。数種類のカゲロウは、川の中でばらばらにいるのでなく、流れの遅い川岸から速い流心へ、秩序を持って分布していた。

 これが、異なる環境に、生物が住む場所を分かち合う「棲み分け」理論につながる。そして、自然淘汰、適者生存を用いた英国の科学者、ダーウィンの進化論を批判するようになった。今西本人の弁は、こうだ。

「この地上に生物の種類がいくらあろうとも、それらはみな種ごとにそれぞれ自分に最も適した生活の場というものを持っていて、その場所に関するかぎりは、その種がそこの主人公なのである。言い換えるならば生物の種類がいくらあろうとも、それらはそれぞれにこの地上を棲み分けている。進化とは、この棲み分けの密度が高くなることである。このように種と種は棲み分けを通して共存している。しかるに種と種が抗争することによってこの棲み分けを破壊するようなことが許されてよいものだろうか」(「私の履歴書」)

 つまり、競争原理を軸とするダーウィンに対し、今西は、共存原理に立つと言える。それを、ハイエクの自由主義理論にぶつけるのが、田中の狙いだった。

 田中は、1980年と81年にもハイエクを招き、今西と対談させた。また、中央公論社から出版された今西の著書「ダーウィン論」を英訳させ、届けている。私財を投じてでも、そこまで二人の対話に拘る。周囲も困惑したが、その意図を知る鍵、それは同時期、欧米で起きていた「革命」にあった。

サッチャーが登場し、ヨーロッパで起きていた大きな社会変動とは
 ハイエクから遅れること2年、1976年のノーベル経済学賞を、シカゴ大学教授のミルトン・フリードマンが受賞した。フリードマンは、ハイエクが会長を務めた自由主義者の団体、モンペルラン協会の会員で、「シカゴ学派」の中心だ。その哲学は自由放任、市場重視で、政府の介入への抵抗だった。

 資本主義の歴史を俯瞰したダニエル・ヤーギンとジョゼフ・スタニスローは、共著「市場対国家」で、シカゴ学派の思想をこう紹介した。

「市場は信頼でき、競争の有効性は信頼できる。市場に任せておけば、最高の結果が生まれる。資源配分の仕組みとしては、価格がもっとも優れている。市場に任せておけば達成される点に介入してその結果を変えようとするのは、非生産的である。このように考えるシカゴ学派にとって、政府の政策に関していえる点はあきらかである。可能な限り、政府の活動を民間の活動に置き換えていくべきなのだ。政府は小さいほどいい」

 その後も、シカゴ学派の学者が、続々とノーベル賞を受賞していく。それを、如実に反映したのが、英国だった。

 戦後、英国は「ゆりかごから墓場まで」という福祉国家になるが、国際競争力も低下し、社会が沈滞した。そこへ、思い切った民営化と規制緩和を断行したのが、英国初の女性宰相マーガレット・サッチャーだった。学生時代からハイエクの著作を読み、その社会主義批判に感銘を受けたという。

 そして、サッチャー政権の幹部は、積極的に国民にメッセージを発していく。

「戦後に取られてきた経済政策は、全て誤っていた」

「責任を負い、リスクを取り、金を儲ける人たちは、社会の役に立つ」

「英国には、大金持ちがもっと必要で、倒産ももっと必要である」

 自己責任、市場原理、小さな政府……それまで耳にしなかった言葉が広まり、社会の秩序を変えた。まさに、「サッチャー革命」と言ってよかった。

 また、1980年代、米国のロナルド・レーガン大統領も、規制緩和と市場を重視する政策「レーガノミクス」を打ち出す。やがて、これらは、「新自由主義」として各国へ連鎖していった。後の日本の小泉、安倍政権の改革も、その延長線上にある。

 本来、これらを最も歓迎していいのは、田中だったはずだ。20年以上前から、ハイエクの正しさを信じ、不遇の時も寄り添い、経済的支援もした。それが、ノーベル賞を機に、やっと認められた。しかも、サッチャーやレーガンなど大物政治家が後押ししている。

 ところが、そうした風潮に、一歩距離を置いて見ていたようだ。

田中が抱いていた“懸念”
 戦後、右翼の黒幕として、血みどろの反共活動をした田中だが、その彼も、資本主義が完璧などと思ってなかった。ある思想を絶対と盲信すれば、いつか、必ずしっぺ返しを食らう。共産主義と同じだ。そして、行き過ぎた資本主義、歪な利益偏重、格差の拡大を激烈に批判したのだった。

 前回触れたように、1973年の中東戦争と石油危機は、世界で猛烈なインフレを引き起こす。その際、日本の大企業は、続々と便乗値上げに走り、大きな社会問題になった。特にひどいのが石油会社で、田中は、経済誌にこう寄稿した。

「石油問題なども現地に行って調査すれば、日本に何万トン納入して、日本がどのくらい備蓄しているかといったことがわかるはず。それをせずに石油会社は売りびかえる。価格が上がる。上がった段階で、以前に安く購入した石油を売り出す。高いものを押しつけられ泣くのは国民だ。聞くところによると石油会社にはもうけすぎて臨時配当をするというところがあるらしいが、これが企業の社会的責任かね。

 中山素平さん(日本興業銀行相談役)もたまりかねて、『大企業値上げ自粛』を提唱した。このとき日産自動車会長の川又克二氏がなんと答えたと思う?『値上げしなければ株主に対して責任がもてない』とうそぶいたのだ。それでは国民に対する責任はどうなのか。それとも日産自動車は国民なくして存在できるというのか。株主だけでやれるならやってみたらいい」

「それが資本主義の原則なら、私は資本主義を否定する」(「財界」1974年3月1日号)

 1987年、日本がバブル景気に踊った頃は、ある講演で訴えた。

「私は儲けのために仕事をやらなかったし、儲けることは大事だが、国のためになる事業、つまり食糧増産、エネルギー、それに限ってやってきた。土地問題に手をつけなかった。土地を値上がりさせて儲けて何になる。自分はいいかしらんが、うちも持てない人も出てくるし、土地は投機の対象じゃないですよ」

「日本は儲けのために狂奔する。俺は会社のためにやるんだ、儲けなきゃいかん、と言う。しかし、もっと大事なものがあるんじゃないか。国のためになってるか、その前に社会のためになってるか考えたことあるか。まず考えたことないですね。だから、価値観念、根底から違っている」

「自由主義経済のために世界全体を戦火に巻き込んでいいはずがない」
 そして、最晩年、イラクのクウェート侵攻で、米軍主体の多国籍軍が編成され、湾岸戦争が起きた。この時の田中の発言は、こうだ。

「アメリカ人は自由主義経済を守るためとか、いろいろな『理念』を口にしているが、たかが自由主義経済のために世界全体を戦火に巻き込んでいいはずがない。そもそも自由主義経済は本当に行われているのか。その実態は民主主義、自由主義の装いをした富有階級の独裁政治にすぎない」(「経済往来」1991年3月号)

 シカゴ学派の影響を受けた経済学者は、世界に新自由主義を広めた。その哲学は、徹底した効率、市場重視で、国営企業の民営化、規制緩和が行われた。市場は信頼でき、競争に任せれば、最高の結果が得られる。自分たちは、間違っていない。そんな単純な楽観論が満ちていた。

 だが、やがて負の側面も現れ始める。民営化は、各国で首切りや公共料金の値上げを生み、医療や教育など社会基盤を弱体化させた。また、ごく一部の富裕層が富を独占して、貧困は拡大、深刻な格差が問題になった。

 当然、反発も起きる。かくして、各地で、反市場原理主義のデモ、暴動が起き、余りの格差に、社会主義に魅かれる若者も増えた。さらに大量生産・大量消費の資本主義が、地球環境を破壊するとの声も高まっている。

 こうした新自由主義の危うさを、田中は予見したようだ。シカゴ学派は、たしかに経済を活性化し、成長を生んだ。だが、各国は独自の歴史や文化、いくつもの種類の経済が息づいている。そこへ米国の生物、いや資本主義を押しつけていいのか。無用の抗争や混乱を生むだけではないか。

 ここで、「棲み分け」を唱えた今西とハイエクの対談が、特別な意味を帯びる。

二人の対談が今を生きる私たちに残したことは……
「わたしはこうした今西理論の背後には、アジア独特の自然観、宗教観などに代表される東洋文明が色濃く反映していると思っている。学問領域の違いはあっても、今西さんのような東洋の学問と、西洋文明を極め尽くし、西洋合理主義の限界もよくご存知で、東洋文明にも比較的理解のあるハイエク教授なら、十分に対話は成立し、混迷する人類の危機を救うための端緒がつかめるのではないかと思ったのですが、そうはいかなかった」(「田中清玄自伝」)

 実現に奔走した京都での対談は、残念ながら全く噛み合わなかったという。二人の話題は、東西文明論から市場経済へ広がったが、ハイエクは、最後まで今西理論を完全には理解できなかったようだ。だが、田中は、落胆していなかった。

「しかし、私はお二人の対話が噛み合わなかったことこそ、今日もっと検証されるべきではないかと思っているんです。なぜなら、東西両文明の相互理解と融合こそ、人類社会が直面している危機を乗り越えるために、今もなお最も緊急の課題だと思うからです」(同書)

 田中が亡くなってから、今年で30年を迎える。その間、金融危機やコロナ禍を経て、世界各地で、行き過ぎた資本主義を見直す動きが出ている。

 わが国もようやく、岸田政権が「新しい資本主義」の議論を始めた。これまでの新自由主義的な政策を改め、「成長と分配の好循環」を目指すという。だが、単に規制や税制をいじるだけでは、小手先の話だ。過去数十年、世界を席巻した新自由主義の功罪、それを乗り越え、一体、どんな日本と世界をめざすか。この根底からの問いに答えねばならない。

 かつて田中が仕掛けた今西・ハイエク対談は、 その一つの道標になるだろう。

(徳本 栄一郎)
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E5%AF%8C%E6%9C%89%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E3%81%AE%E7%8B%AC%E8%A3%81%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%AB%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%8D%B1%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%AB%E6%B0%97%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%B8%85%E7%8E%84%E3%81%8C%E4%BB%95%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%9F%E7%95%B0%E8%89%B2%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%AB%87/ar-AA18SuTH?ocid=Peregrine&cvid=8e59a15547da412ebd76a456c9082306&ei=44
22:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/27 (Mon) 08:19:31

低金利政策や量的緩和政策は貧困層から富裕層へと富を移転させる政策

サマーズ氏: インフレは有権者が紙幣印刷を支持したせい
2023年3月26日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35011

アメリカの元財務長官でマクロ経済学者のラリー・サマーズ氏がジョン・スチュアート氏によるインタビューでインフレについて語っている。

インフレの原因

インフレは2022年にようやく食卓の話題になった。ファンドマネージャーや経済学者たちの話題になったのは2021年だった。ここで初めてインフレ危機について取り上げたのは2020年10月である。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)
インフレはウクライナ情勢ではなくコロナ後の現金給付が引き起こした。それは3度の現金給付で急増したアメリカ国民の可処分所得とインフレ率のチャートを並べてみれば分かる。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/wp-content/uploads/2022/10/2022-aug-us-disposable-personal-income-and-cpi-growth-chart.png


だからサマーズ氏はこう説明する。

これまで起こったことはこうだ。未曾有の景気刺激があった一方で、経済は生産量を上げられなかった。需要は急増し、急増した需要が物価と賃金を押し上げ続けた。

簡単に言えばこうだ。お風呂にお湯を入れ過ぎればお湯はあふれる。需要が急増し過ぎれば物価は上がる。

ここまではまともな経済学者や著名ファンドマネージャーならば誰もがするような当たり前の議論である。

だが今回のインタビューが少し違うのは、インタビューしているのがリベラル派のコメディアンであるスチュアート氏だということである。

リベラルと保守

スチュアート氏はコメディアンで経済の素人だが、政治的にリベラルでアメリカのリベラル派の有権者が好きそうな論説を好きに喋っている。

例えば最近の物価の急激な高騰は企業が強欲なせいだと主張してサマーズ氏に次のようにたしなめられている。

企業が最近急に強欲になったという議論は無理があると思う。

だがリベラル派を代表するアメリカ民主党の政治家、例えばエリザベス・ウォーレン氏などは平気でこういうことを言う。

しかしこのインタビューでスチュアート氏が的を射ていることが1つある。緩和政策が企業利益ばかりを押し上げて有権者を豊かにしないということである。

企業や株主が儲かれば労働者もいずれ儲かると何の根拠もなく考え、アベノミクスを支持したイェール大学名誉教授の浜田宏一氏は、結局労働者の得にはならなかったことについて東京新聞に次のように述べている。

予想外だった。僕は漠然と賃金が上がっていくと思っていた。

筆者は知らなかったのだが、経済学者の仕事とは漠然と考えることらしい。

更に酷いことには彼は次のように続けている。

普通の経済学の教科書には、需要が高まっていけば実質賃金も上がっていくはずだと書いてある。

教科書に書いてあったのでそうなると思ったそうである。

出来る限り控え目に言えば、彼のコメントはあまりにも酷すぎる。筆者の意見では、間違った通説(そんなものはいくらでもある)を正せる人間でなければ専門家と呼ぶことはできない。彼は素人である。だがそれでもイェール大学の教授にはなれる。そういうものである。

低金利政策の意味

話をサマーズ氏に戻そう。こういう偽物ばかりが世の中にいるなかで、サマーズ氏は自分で考える頭を持った本物の経済学者である。

彼はスチュアート氏にこう言っている。

例えばリーマンショック後の景気後退に利下げで対応するべきではなかったという議論は出来るかもしれない。

だがそれは当時リベラルたちが主張していたことではない。リベラルたちが当時言っていたことはこうだ。「低金利が必要だ、そうすればローンを組んで家を買える、車を買える、求人が増える」

だが低金利は労働者を豊かにはしなかったし、現金給付は酷いインフレをもたらした。緩和政策は人々をリッチになった気にさせる。だがそれだけである。

世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で人々はリッチになったような気がする
何故か。そもそも低金利政策や量的緩和政策がどういうものかを考えてほしい。

債券にとって金利低下は価格上昇を意味するので、低金利政策とは債券価格を上昇させる政策である。量的緩和政策はもっと直接的に中央銀行が債券を買い入れる政策なので、債券価格が上がる。

債券が割高になれば資金は株式市場に流れる。そうすれば株価は上がる。よって低金利政策とは資産価格を上昇させる政策である。その受益者は、当然ながら資産を持っている人間である。

そうして元々資産を持っている人間は低金利政策によってより豊かになる。だが実際には経済の中に存在する商品やサービスの量が変わったわけではないので、低金利政策で富裕層が豊かになった分は実際には貧困層の取り分から来ている。

つまり低金利政策や量的緩和政策はほとんど直接的に貧困層から富裕層へと富を移転させる政策なのであり、筆者にまったく分からないのは、何故そんな政策を株式などほとんどまったく持っていなかった中間層や貧困層が支持したのかということである。

結論

低金利政策や量的緩和政策は資産価格を上昇させる政策であり、それ以外の何ものでもない。それで豊かになるのは当然ながら資産を持っている人間であって、資産を持っていない人間ではない。

何故こんなことが多くの人には分からないのだろう。彼らは何故インフレ政策を支持したのだろう。筆者には永遠の謎である。インフレが物価上昇だという意味さえ彼らは理解していなかったのに、何故インフレ政策を支持することが出来たのだろうか。彼らは超能力者なのだろうか。

ハイエク : インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31597

そしてもう1つ付け加えれば、現在行われている利上げと量的引き締めは資産価格を下げる政策である。緩和政策が終わり、引き締めが行われる時期になってようやく株式を買い始めたつみたてNISA詐欺の被害者たちは真正のマゾなのだろう。

株式投資ブームに乗った時点で個人投資家の損失はほぼ確定している

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35011
23:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/08 (Sat) 11:31:16

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

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そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

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われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。

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紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

特定の人々に自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

サマーズ氏、トランプ元大統領の起訴について語る
ロシアのウクライナ侵攻でバイデン大統領が犯した一番の間違い
そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる
人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド : 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』(『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564
24:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/08 (Sat) 20:15:51

ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る
大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている
政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ
暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド : 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579
25:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/12 (Wed) 11:34:42

サマーズ氏: 経済予想を間違い続けている中央銀行は自分探しの旅に出るべき
2023年4月11日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35636

アメリカの元財務長官で経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、Fed(連邦準備制度)の金融政策が次は誤らないためには何をすれば良いかについて語っている。

中央銀行の骨董品的な経済モデル

アメリカの中央銀行であるFedは、2021年には既に生じていた物価高騰を長い間「インフレは一時的」と言い張ることで放置し、金融緩和を続けてインフレを悪化させた。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
サマーズ氏は債券投資家ジェフリー・ガンドラック氏らと共に、2021年からインフレの脅威を警告し続けてきた専門家の1人である。

こうしたFedの経済予想と金融政策を、サマーズ氏は次のように評している。

Fedは彼らの経済モデルと組織的な判断プロセスに依存してきた。そして彼らの判断プロセスはインフレを非常に長い間非常に誤った形で判断してきた。

「経済モデル」と言うときに思い出されるのは、例えばフィリップス曲線だろうか。労働市場が強まればそれだけでインフレが起こると何の根拠もなく主張する、経済学の教科書に載っている考え方だが、Fedは前議長であるジャネット・イエレン氏の時代あたりまでこの根拠のない経済モデルに従って金融政策を決めてきた。

現在のFedはこのフィリップス曲線という骨董品を既にある程度捨て去っているが、最近日銀総裁に就任した植田氏はいまだにフィリップス曲線に言及しており、筆者は少し驚いたことを以下の記事で書いている。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
何故彼はいまだにフィリップス曲線などと言っているのか。植民地政策に遅れて参加してすべての責任を押し付けられた日本人のやることなのだから、何か独創的な考えがあるのだろう。

一方で、ここの読者ならば労働市場は単に物価の一部であるサービス価格に影響する要素でしかないことを理解するだろう。中央銀行総裁より深く経済を理解することは、残念ながらそれほど難しくない。

永遠に間違い続けるFed

しかし1回の間違いでFedを責めるのは可愛そうではないか。誰にでも間違いはある。彼らは今回たまたま間違っていただけかもしれない。

だがサマーズ氏は無慈悲にも次のように言う。

そして彼らの判断プロセスはシリコンバレー銀行などいくつかの銀行で起こっていたことを見逃した。

以下の記事で説明したように、シリコンバレー銀行の破綻は、主に彼らの顧客だったシリコンバレーのスタートアップが高金利によって資金調達できなくなったこと、そしてシリコンバレー銀行自身が保有していた債券の価格が金利上昇によって下落したことが原因である。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
つまりはシリコンバレー銀行の破綻はFedの利上げの結果なのである。にもかかわらずFedは3月のFOMCで次のように言い放った。

3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
アメリカの銀行システムは健全で強靭だ。

自分の行動の結果として起こっていることを黙殺するこの姿勢は、コロナ以前の金融引き締めによって起きた2018年の世界同時株安のことを思い出させる。当時、株価の下落と量的引き締め(バランスシート縮小)についてパウエル議長は次のように言っていた。

12月FOMC会合結果は空売り派への満額回答 (2018/12/20)
現在の短期的な混乱は多くのファクターが原因となっており、バランスシートの縮小が原因だとは思っていない。

バランスシートの縮小は大した問題を起こしていない。

だが結局株価は下落を続け、Fedは引き締めの撤回を余儀なくされた。

更に言えば、Fedは2008年のリーマンショックの直前、サブプライムローンの問題は不動産業界に限られた問題であり、アメリカ経済全体とは関係がないと主張していた。

年末のスコット・マイナード氏の以下の言葉が思い出される。

エビデンスに基づけば、Fedの予想は常に間違っていると言える。

サマーズ氏は次のように述べる。

Fedは真面目な自分探しの旅に出る必要があるだろう。

結論

サマーズ氏がそれが特に今必要だと考える理由は、Fedがもう一度間違いを犯しそうな局面が近づいてきているからである。

彼はインフレ後の経済がこれまでの経済とまったく異なる世界であることを指摘している。何故ならば、これまでの世界は金融緩和と低金利を前提としてきた一方で、コロナ以後はインフレによって高金利が長期間続くと予想されるからである。

高金利によって何が変わるか? まずこれまでゼロ金利によって延命されてきたゾンビ企業が淘汰されている。それで利益を出していなかったシリコンバレーのスタートアップに金がなくなったのである。

他には預金者の行動の変化が挙げられる。サマーズ氏は次のように述べる。

これまでの金融システムは、多くの家計が自分たちの貯金に対して金利がほとんど付かないことを許容していたことに依存してきた。

これまで銀行は預金に金利を払わなくとも良い世界に慣れてきた。だが利上げの後、人々はただでお金を預けようとはしなくなりつつある。

銀行はこれまで無コストで調達した資金を債券などに投資していればそれで商売になった。だがそうはいかなくなる。それが今既に苦しんでいる銀行を更に苦しめる。

高金利の影響はそれだけではない。不動産業界は不動産ローンの金利が上がって苦しんでいる。そして低金利によって40年間上昇トレンドを続けてきた米国株も、これからはそうはいかなくなる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
世界は低金利に慣れすぎている。だから高金利の影響はまだまだこれからである。

サマーズ氏はそれを警告している。専門家が言うことは皆同じである。

ドラッケンミラー氏 : インフレを引き起こした政府の間違いは長期にわたって貧困層を苦しめる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35636
26:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/19 (Wed) 12:29:01

22年に続き高インフレで実質収入は減少している
2023.04.19
政府が自慢した満額春闘は労働者の1割の大企業だけだった


「満額春闘」、9割の労働者に関係なし

2022年の前年比消費者物価上昇率は4.0%だったので1年間で4%上昇し、21年12月の0.5%から跳ね上がり国民生活に打撃を与えている

植田日銀総裁は「今年度半ばに2%を下回る」と述べていて、日本のインフレは長続きせず沈静化するとの見通しを示している

インフレは生産に対して需要が大きいために起きるが今回はウクライナ侵攻などで原油や天然ガスの供給が減ったのが原因で、日本の景気が良くなったわけでは無かった

アメリカの場合は利上げしても6%以上のインフレが続いていますが、向こうは富裕層の爆買いが止まらず景気が良すぎてインフレになっています

アメリカは上下の所得の差が非常に大きいので、富裕層は毎日フェラーリを買える一方で平均以下の層は高騰する家賃を払えずホームレスが増えている

アメリカでは高収入な人ほどより所得が増えているのに対し低所得な人は物価上昇に賃金上昇が追い付かず、特に家賃は大都市だとワンルーム(2人用)30万円から50万円になっています



日本では23年1月の全国実質賃金が前年比マイナス4.1%になり、物価上昇率のプラス4.0%を丸ごと労働者が負担しているのが分かった

従業員5人以上のすべての事業所平均で、物価が4%上がったのに賃金上昇はゼロか微減だった

春闘などで大幅増が報道されていたが安倍首相時代から疑問に思っていたのは、政府は大企業正社員の賃金だけを上げようとし、ボーナスが出ないような労働者は「人間ではない」とでも思っているらしい

大企業の正社員は日本の全労働者の10%しかおらず、この人達のボーナスをどうしようが9割の労働者には何の関係もない話です

牛丼屋や回転ずしが給料やボーナスを引き上げても、店で働いているのはパートやバイトや個人事業主扱いなので、これも無関係な話です

そうした会社の給料引き上げて収入が増えるのは本社に所属している正社員の人達だけです



日本政府はインフレで債務圧縮
帝国データバンクによると23年の食品値上げが4月18日時点で2万品目になり、前年より3カ月早い2万品目突破になりました

同社では23年秋には値上げが3万品目を超えると予想しているが、植田総裁が正しければ夏をピークにインフレは沈静化する筈です

日銀はインフレ率が上がってもなるべく利上げしない方針を示しているが、その理由の一つは今回のインフレが需要が強まったのではなく原油価格上昇に過ぎないからです

景気が良すぎて物価が上がるなら良いですが景気は悪いまま賃金が上がらないのに物価だけが上昇しているので、今アメリカのように利上げしたらハイパー不況になるでしょう

もう一つは借金に苦しむ日本政府に低金利は都合が良いからで、インフレ率より国債金利が低ければ日本政府の債務は実質でインフレ分だけ圧縮されます

日本政府は防衛費倍増で5兆円、子育て支援でも数兆円を必要としているので、既存債務1000兆円を年数パーセント圧縮できるのは助かる筈です

毎年1%でも政府債務がGDPに対して圧縮されると10年で10%減るので侮れない数字になり、年10兆円も公的債務が実質目減りします

政府債務が減る分はインフレで苦しむ国民に押し付けられる訳で、何のことはない「政府債務の民間債務への付け替え」に過ぎません

GDP成長率予想は相変わらず実質1%前後(IMF予想は1.8%)に留まっていて、他の主要国より低い状態が今後も続く
https://www.thutmosev.com/archives/47654345j.html
27:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/26 (Wed) 08:47:07

世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
2023年4月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がImpact Theoryのインタビューで、先進国がほとんど例外なく多額の負債を抱えている状況について解説している。

先進国の膨張する債務

奇妙なことだが、先進国の政府債務残高は軒並み高い。日本もアメリカもそうである。世界的には裕福であるはずの先進国が、例えばそれよりも貧しいはずの東南アジアやアフリカの国々よりも借金が多いのはどういうことか。

ダリオ氏は次のように問題提起している。

人々や社会が裕福になればなるほど負債を増やすようになることは興味深いことだ。これは逆説的だ。

100%や200%というGDP比の政府債務に慣れてしまった現代人は疑問に思わないかもしれないが、よく考えてみればほとんどすべての先進国の政府債務が軒並み高くなっているのは偶然でも当たり前の減少でもなく、何か隠された共通の原因があるはずだ。

個人のレベルで考えてみれば、富裕層が貧困層から借金をするという状況は考えられない。だが政府のレベルでは逆のことが起きている。

ダリオ氏は次のように指摘する。

アメリカが中国からお金を借りるようになったとき、アメリカ人の個人所得は中国人の40倍だった。そしてアメリカは中国からお金を借り始めた。

何故このようなことが起きるのか本当に不思議に思う。

ダリオ氏の仮説

それは何故だろうか。ダリオ氏は次のように仮説を立てる。

これは心理学的なものだ。お金がない人がお金を手に入れるとお金を貯めたいと思う。そして貯金とは誰かにお金を貸すことを意味する。

そして皮肉にも、よりお金を持つようになればお金が借りやすくなり、その人や社会や政府はより多くの負債を抱えるようになる。

裕福な人間の方が借金をしやすいというのは事実だろう。実際、富裕層は借金を自由に利用して投資を行なったり、節税対策をしたりする。

だがそれでも富裕層には資産があり、資産の総額を超えるような借金をすることはない。だが先進国の政府は資産がほとんどないにもかかわらず、借金だけを増やし続ける。

つまり、裕福な国の政府と、裕福な人間では別の行動をしている。ダリオ氏の仮説ではこの違いを説明できない。

国の一生

人間には一生がある。生まれてきて、学校に通い始め、卒業して労働するようになり、やがて肉体や知性が衰えて引退し、死んでゆく。

このように国にも一生がある。それがダリオ氏の言うスーパーサイクルである。

最初は小国であったものが、技術革新や人口増加によって徐々に豊かになり、成熟してゆくにつれて経済成長率が落ち始める。日本で言えば高度経済成長からバブル崩壊後だろうか。

そしてその頃から徐々に借金と紙幣印刷に頼るようになる。力が落ちてゆくのでそうならざるを得ないのである。ダリオ氏によればそれはサイクルであり、ほとんどの国が例外なくそのようになる。

そして最後には人が死ぬように、借金と紙幣印刷により物価が高騰して滅んでゆく。

少なくともそれが大英帝国やオランダ海洋帝国など、かつての大国に起こったことである。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
そしてこのサイクルを見れば、アメリカは衰退のフェイズに足を踏み入れかけている。だからインフレが起こったのである。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
国が借金を増やす理由

だがそもそも何故政府は借金を増やせるのか。人間であれば、資産がほとんどないのにGDPの200%以上の債務を積み上げることはできない。

何故それが政府には可能なのか。ダリオ氏の見解によれば、有権者がそれを許可するからである。ダリオ氏は次のように述べている。

選挙前には政治家には借金を増やして支出を増やす動機がある。有権者は誰も借金の方には注意を向けず、そのお金が何処から来るのかは気にもせず、支出の方にだけ注意を向けるからだ。

負債の上でパーティをやっているようなものだ。

だから毎年税金で数百万自分から奪ってゆく政府に10万円を給付されただけで彼らは嬉しくなってしまうのだ。だがそれは元々自分の金である。彼らは馬鹿なのだろうか。

政府を選ぶ有権者は定義上国民の過半数なのだから、国民の過半数が借金を許せば政府は借金をするだろう。政治家の仕事は国民から税金を徴収して自分の票田にばら撒くことなのだから、その被害者がそれを許してくれる状況でそれを拒む理由がない。

だが状況としてそれが可能になっても、経済的に可能になるわけではない。100%しか資産がないのに借金をして200%消費しようとすればどうなるか。単純にものの値段が2倍になるだけである。実際今それが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
借金によって消費を無理やり増やすことは、インフレを生じさせるだけでなく、長期的には増税を増やす。国の借金はいずれ税金という形で国民から徴収されるか、紙幣印刷によって返済されるしかないが、紙幣印刷はインフレを悪化させるので、緩和政策の出口は結局は増税か物価高騰しかない。それが多くのファンドマネージャーらが指摘していることである。

ポジャール氏: 中央銀行は金利高騰か通貨下落かを選ぶことになる
世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
だが政治家には関係ない。自分は票田とともに利益を得られる上に、国の借金は自分が引退した後に誰かが何とかするものである。彼らに遠慮をする理由があるだろうか。だから東京五輪でも全国旅行支援でも好きにやったではないか。

経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が次のように言っていたことを思い出したい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。

日本にはいまだに国の借金には問題がないなどと言う人間がいることには驚かされるが、事実日本では増税とインフレが降り掛かっているではないか。インフレ政策の当たり前の帰結に気付くことの出来なかった自民党支持者の知性には本当にいつも驚嘆せざるを得ない。彼らの頭脳は最高である。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
結論

何故こうなるのか。ダリオ氏はこう説明している。

人々は近視的なのだ。子供を育てるときのマシュマロ・テストと同じだ。

小さい子供に今マシュマロを1つ受け取るか、 15分後にマシュマロを2つ受け取るかを選ばせる。賢明な子は15分我慢して2つのマシュマロを手に入れる。

だが現代の多くの社会では人々は今それがほしいのだ。

大半の日本人は賢明な子供以下ということだろう。あるいは人間とはそういうものではないか。賢明な子供ほどの頭脳のある大人などほとんど見たことがないではないか。

お金をばら撒けばインフレになるという子供でも分かるような理屈さえ分からず、インフレになった今でさえエネルギー購入支援や全国旅行支援というインフレ政策を行う政治家をのさばらせ、どれだけ年金を減らされ税金と社会保険が増えようとも政治家という略奪者を自分で当選させる馬鹿ばかりなのだから、日本の将来はどうしようもなく明るいだろう。

良かったではないか。自分の欲しかったものを手に入れた彼らの将来を祝福したい。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175
28:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/29 (Sat) 01:35:40

ガンドラック氏: 量的緩和は権力者と中国を裕福にし貧乏人をより貧乏にする
2021年5月20日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/13619

引き続きYahoo! Financeによるジェフリー・ガンドラック氏のインタビューである。今回は量的緩和と現金給付が貧富の差を是正するかという議論だが、ガンドラック氏の論点は示唆に富んでいる。

コロナと財政政策

コロナで職を失ったり商売が立ち行かなくなった人が大勢いる。それで現金給付のような政策が支持されており、アメリカでは増税と景気刺激の組み合わせを行おうとしているバイデン政権が選ばれたのである。

しかし国民から多く徴収して多くばらまくという政策には経済学的には疑問も残る。増税をすればその分国民は消費が出来なくなるだろう。その分を政府が代わりに投資するというコンセプトなのだが、これは実際にはライブのチケットを買おうとする音楽ファンの国民からチケット代を取り上げ、代わりに五輪のチケットを渡す政策に等しい。

日本で自民党が行なっている増税・財政支出の組み合わせも同じである。このような経済政策が機能するだろうか。それを考えるためには、歴史上同じような政策が採用された例を探せば良い。ガンドラック氏は次のように論じている。

現在のような節操のない金融・財政政策を行なった結果を歴史上の例から探すと、かなり悲惨な結果となる。その結果は大体内戦か革命だ。

歴史的に著名な例はフランスの王政である。ガンドラック氏はフランス革命の時にも現在と同じような経済政策が取られたとし、次のように述べる。

例えばフランス革命だろう。フランスは1770年代に金本位制度から離脱したが、1780年代には食糧を求めて暴動が起きた。パンが不足してパンの価格が高騰したので、女性たちはヴェルサイユ宮殿にいるルイ16性と王妃マリー=アントワネットに対してデモを起こした。

金本位制度からの離脱とは、元々中央銀行が紙幣と金を交換する約束をしていたのをその約束を反故にし、紙幣を持ってきても金は渡さないと宣言することである。

つまり金本位制度からの離脱は中央銀行の債務不履行であり、紙幣の価値を下落させる量的緩和と基本的に同じである。アメリカでは1970年代に同じことが起こり、ニクソンショックと呼ばれた。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
それと同じことがフランス革命においても起こった。当時パンの価格が高騰したことは、現在金融市場において物価高騰が懸念されている状況と重なる。

ドラッケンミラー氏が物価高騰を予想、米国債を空売り、コモディティを爆買い
現金がばら撒かれたにもかかわらず、何故フランスの人々はデモを起こさなければならなかったのか。ガンドラック氏はこう語る。

何故それが起こったか。紙幣印刷と現金給付によって中流階級が貧乏になり、貧困階級は死ぬほど飢えた。一方で紙幣印刷のレバーを握っている側は更に裕福になった。

量的緩和がどういう理由で行われているかを考えればそれは明らかだろう。量的緩和は政府債務を支えるために行われている。金利を低く抑えられなければ政府は膨大な借金の利払いで他の支出が出来なくなる。他の支出が出来なくなれば何故困るのか。政府予算に依存して利益を得ている人々が利益を得られなくなるからである。

だからばら撒き政策は既得権益層をますます裕福にし、その恩恵は中間層には返ってくることはない。

アメリカの消費と中国の輸出

ガンドラック氏は今の状況に照らし合わせてより具体的な話もしている。

こうした政策はアメリカの消費を促進している。だがアメリカの生産者にはほとんど関係のない話だ。消費は増えたが、消費されるものは中国から来ている。アメリカ人が中国のものを大量に消費しているので中国のGDPはどんどん上がっている。

現金給付によりGDPの構成要素である個人消費は上がった。現金給付によって毎月の消費が押し上げられる様子は以下の記事で解説している。

アメリカの現金給付の威力を確認する
しかし消費される商品は何処から来ているのか。これらの商品の多くは現代においては中国で作られている。つまりアメリカの資金が中国に流れているのである。アメリカは借金をしてこれらの政策を行なっているので、アメリカは実質的には借金をして中国に貢いでいることになる。

更に言えばその資金は何を通して中国に流れてゆくのだろうか。ガンドラック氏によれば、その資金はAmazon.comなどのオンラインストアを通して中国に流れてゆく。

こうした消費はどうやって起こるか。単純化して言えばこうした消費はアマゾンを通して行われている。アマゾンはこうしたビジネスで大きなシェアを獲得している。だからジェフ・ベゾス(訳注:Amazon.comのCEO)のようなシリコンバレーの億万長者が政府の現金給付によって相当に豊かになる。

しかしその資金は中流階級の自国民には返ってこないのである。中間層に何が起こるかと言えば、後に残った莫大な政府債務を返すために増税のくびきに掛けられることになる。

大きな政府と小さな政府

増税と財政出動を組み合わせ、 国民から大きく吸い取り大きく吐き出す政府のことを大きな政府と言うが、予算の大きな政府の政治家達が資金を吐き出す時には当然ながら彼らの利益となる場所に資金吐き出すことになる。

日本政府が消費増税を行いオリンピックやGO TOトラベルを強行する理由は何か。一般国民から吸い取って自分の票田である宿泊業界や大手メディア、広告代理店などに吐き出すためである。保守派とは伝統的にこうした政府の利権を認めず政府の予算を縮小しようとする立場のことを言うので、自民党は保守ではない。何度も言っているのだが大半の日本人にはこれが分からないらしい。

純粋に資本主義的な存在であるガンドラック氏やドラッケンミラー氏などの大物ファンドマネージャーらが、政治家たちの政治的な言い分とは距離をおいて本当に国民のためになる政策とは何かという話が出来るのは興味深い。実力のある人間は利権がなくとも金を儲けられてしまうので反利権派になるのである。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
ガンドラック氏、インフレ無視の中央銀行を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/13619
29:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/07 (Sun) 05:11:04

4月雇用統計はインフレ継続、銀行危機とのコラボでスタグフレーションへ
2023年5月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36530

インフレ相場における最重要指標の1つ、アメリカの雇用統計が発表された。4月分である。結論から言えばあまり良いデータとは言えない。

過熱の続く労働市場

つまりはインフレ的だったということだ。

まず失業率だが、3.4%となり3月の3.5%から低下した。グラフは次のようになっている。


本来ならば失業率低下は良いことだが、雇用の手が弱まらなければ賃金が上がり、賃金が上がるとサービス価格が上がる。

去年の秋から3.5%や3.4%を底として推移しているので、辛うじて底打ちしているようには見えるが、それでも労働市場の過熱はなかなか収まらず、よってサービスのインフレも根強く長く続くと考えなければならないだろう。

急上昇した時給

では平均時給の方はどうかと言えば、前月比年率(前月からの変化率が1年続けばどうなるかを示したもの)で5.9%の上昇となり、3月の3.3%から急上昇した。


どう見ても良くない数字である。違う年の同じ月同士を比べる前年同月比とは違い、前月比年率の数字は月の違いを打ち消すのを恣意的な季節調整に頼っているので、単月の数字が異常値になることはあるが、住宅価格の上昇と重ねて考えると、やはり利上げが足りていないのではないかと思う。

下落し続けていたアメリカの住宅価格が上昇に転じる、インフレ再燃か
板挟みになる中央銀行

さて、労働市場が堅調な一方で、アメリカでは銀行の方は着々と潰れていっている。

シリコンバレー銀行から始まり、最近ではファーストリパブリック銀行が潰れたが、今ではそれから1週間も経たないうちにパックウェスト・バンコープの破綻が懸念されている。レイ・ダリオ氏の予想した通りである。

世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
シリコンバレー銀行の破綻は高金利が原因なので、高金利が続く限り銀行は潰れ続ける。筆者も当時から言い続けているが当たり前である。

現在、アメリカの政策金利は5%である。この5%の金利は銀行にとっては致死量であるらしい。

一方で、労働市場や住宅市場は5%では死なないと言っている。

結論

さて、中央銀行は金利をどうするのか? インフレを抑制するために金利を更に上げるのか? それとも銀行や中小企業を救うために金利を下げるのか?

金利を上げれば、現在の金利水準で既に死んでいる銀行などのセクターは地獄絵図となるだろう。一方で金利を下げれば、恐らくアメリカのインフレ率は住宅価格やサービス価格を中心として再び上昇してゆく。

だからインフレを引き起こしてはならないと言ったではないか。何度も言うがインフレには物価上昇以外の意味はない。辞書を引いてほしい。それ以外のどんな妄想をこの片仮名4文字に見ていたのか。インフレとは物価上昇である。そして物価が上昇して喜ぶのは多額の借金が実質的にチャラになる政府とゾンビ企業だけである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
国民は何故そんなものを支持したのか。インフレを引き起こすと宣言し、インフレを引き起こした黒田氏は颯爽と逃げて行ったではないか。20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏は『貨幣論集』においてインフレ政策について次のように言っていた。

短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果 について気にかける政治家が果たしているだろうか。

だがはっきり言っておく。インフレの意味も知らずにインフレ政策を支持した国民が馬鹿なのである。そして日本にはいまだに状況を理解できない馬鹿が大量にいる。日本は終わりである。日本円で積み上げられた自分の預金が10年後に無事だとは思わない方が良いだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36530
30:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/14 (Sun) 12:11:39

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は悪化しインフレは止まらずスタグフレーションになる
2023年5月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36793

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がModern Wisdomのインタビューでアメリカ経済の先行きについて語っている。

積み上がった債務とシリコンバレー銀行破綻

アメリカ経済はGDPで言えば減速はしているもののプラス成長を維持してはいる。

ますます弱ってゆくアメリカGDP、2023年第1四半期は予想以上の減速
だがアメリカ経済に不安があるのは何故か。シリコンバレー銀行などの地方銀行が次々に破綻しているからである。

アメリカ経済はいま非常にいびつである。全体としてはまだ減速してない一方で、地方銀行や中小企業などは悲鳴を上げている。

ダリオ氏はこの状況をどう見るだろうか。彼は次のように述べている。

大きな問題は大量の政府債務、そして企業の債務、それよりは少ないが家計の債務が積み上げられたことだ。

シリコンバレー銀行の問題は特定の銀行の問題ではなく世界規模の問題だ。

何故か? ダリオ氏がよく言っているように、誰かの負債は誰かの資産だからである。借金があるということは、誰かがお金を貸しているということである。お金を貸した人は貸したお金の代わりに債券を受け取る。政府にお金を貸せば国債を受け取る。そして貸し手は債券を当然ながら自分の資産だと思っている。

債券は金融市場で売買できるので、債券の保有者はそれを忘れがちだが、それは誰かの借金なのである。

膨大な借金が積み上げられたということは、世の中には大量の債券があり、それを多くの人が持っているということを意味する。そして問題は、それらの債券の価格が何十年もの低金利政策で人為的に押し上げられてきたということである。

特に2008年のリーマンショック以来、世界中の中央銀行が紙幣を印刷して買い入れ、債券価格を直接買い支えてきた。

それを買い支えられる間は良かったかもしれないが、インフレが起こると緩和政策はインフレを悪化させる。それでアメリカやヨーロッパは長年続いた緩和政策を撤回し、債券価格の人工的な買い支えを止めなければならなくなった。

インフレ退治と債券価格

それは債券価格の下落を意味する。債務が少なければその影響も少ないかもしれないが、残念ながら債務は世界中に大量に積み上がっている。

そしてそれは債券として誰かが保有している。それは世界中で資産価格が大きく下落していることを意味する。

破綻したシリコンバレー銀行も下落した米国債を持っていた。それが破綻の一因となった。だが米国債を持っているのはシリコンバレー銀行だけではない。アメリカの政府債務は31兆ドル積み上がっており、それは誰かの資産であり、しかもその大半は価格が大きく下落している。それが今の問題である。

ダリオ氏は次のように述べている。

同じことが何処でも起こっている。銀行だけではない。保険会社もそうだ。世界中で同じことが起こっている。ヨーロッパでも、そして日本でもドル建ての債券を持っている人は多い。

だがアメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)次のように主張していた。

3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
シリコンバレー銀行の破綻は例外的な事例だ。銀行システム全体に広く存在する脆弱性ではない。

彼らはアメリカの中央銀行でありながら米国債の発行残高と価格推移を知らないらしい。日本の黒田なにがしを含め、中央銀行に期待できることは高々そのくらいである。

ガンドラック氏: 12才児よりも愚かな中央銀行の存在意義が分からない
銀行危機は波及する

さて、銀行危機の問題はそれだけではない。シリコンバレー銀行が破綻したということは、それで損をした人がいるということである。シリコンバレー銀行の株主や債券保有者は当然だがシリコンバレー銀行破綻で大損した。それらの人々のうち何人かは、まだ表沙汰になっていない何処かで苦境に陥っているだろう。それが次のシリコンバレー銀行となり、その破綻が更に次のシリコンバレー銀行を作ってゆく。

ダリオ氏は次のように述べている。

金融引き締めがドミノを倒そうとしている。これから更に問題が生じることになる。

増えすぎた債務の帰結

結局のところ、債務の量が多すぎることが問題なのである。債券が多すぎるが、これまで買い支えていたFedはもう債券を買っていない。

ダリオ氏はこの問題の帰結についてこう述べている。

金利が上がるか中央銀行がまた紙幣印刷して買い支えるしかない。この問題は欧州中央銀行でも日本銀行でも同じだ。

一部のファンドマネージャーは後者を予想してゴールドを買っている。

ドラッケンミラー氏、ドルを空売りしてゴールドを買い
ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
だが問題は、どちらでも酷い問題が生じるということだ。ダリオ氏はこう続ける。

シナリオは2つある。1つは価値の落ちていない通貨で普通に債務が支払われること、もう1つは紙幣印刷で簡単に返すことだが、その場合には通貨の価値は落ちているだろう。

借金を真面目に返せばこれまでの借金漬けの優雅な生活はできなくなる。借金で優雅な生活をしていたのは国民ではなく政治家とその票田なのだが、彼らは増税とインフレを通して国民に支払いを依頼するそうだ。日本人は投票を通してそれにイエスと言っている。

いずれにせよ不況かインフレ、あるいはその両方しかない。ダリオ氏はこう纏めている。

多分スタグフレーションになると思う。

日本ではいまだに国の借金が増えただの、政府の借金は国民の借金ではないから大丈夫だのという話をしている。本当に馬鹿ではないのだろうかと思う。この状況をどう読み取ればそういうお花畑な結論になるのだろうか。

世界最大のヘッジファンド : 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36793
31:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/18 (Thu) 07:08:53

サマーズ氏: 日銀の植田総裁はイールドカーブコントロールからの離脱プロセスを開始した
2023年5月3日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36397

アメリカの元財務長官でマクロ経済学者のラリー・サマーズ氏がBloombergのインタビューで、就任後初めての金融政策会合を通過した日銀の植田総裁について語っている。

植田総裁の初登板

インフレ政策でインフレを引き起こした挙げ句、「インフレ目標を達成できなかったことが残念」と言い残して舞台を去った黒田なにがしに代わり、4月にはマクロ経済学者である植田氏が日銀総裁に就任した。以下の記事には就任前の彼の金融政策に関する主張が纏めてある。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
植田氏には黒田氏が円安を通して引き起こしたインフレの後始末が求められている。本当は黒田氏の時代に副総裁を務めた雨宮氏らが新総裁候補の本命だったのだが、誰がやっても惨事にしかならないインフレの後始末をすることを雨宮氏らが嫌がったために植田氏が急遽浮上したと言われている。

4月28日には植田総裁になってから初めての金融政策決定会合が行われた。植田氏の初登板についてサマーズ氏は次のように語っている。

彼は用心深く抜け目のない人物だと思う。為替レートであれ金利であれ、レートの固定とはチェックインは簡単だがチェックアウトの難しいホテルだ。

予想通りだが、初回の決定会合では大した発表はなかった。日本のインフレ率が日本政府による意図的な粉飾を除けば4%を超えて推移する中、黒田氏の始めた大規模な紙幣印刷政策を維持し、緩和政策の有効性と副作用を検証すると発表した。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる
緩和維持をどう見るか

初回の緩和維持をどう見るかである。そもそも日銀は何故緩和政策の撤回に追い込まれているのか。

先ず第一にインフレと円安である。2022年には日銀の量的緩和によって大幅な円安が進行した。2022年はドル高の年でもあったので分かりにくいが、2022年の日本円はドルだけではなく東南アジアなど新興国の通貨に対しても下落するなど世界最弱通貨の1つとなった。

その原因は日銀が長期金利に上限を設定するイールドカーブコントロールである。2022年には金利がイールドカーブコントロールの上限に達し、日銀が紙幣を印刷して国債を買い支え、金利を抑えなければならなくなった途端に円安が進んでいる。2022年春のことである。以下はドル円のチャートである。


円安が進むと輸入物価が上昇する。事実、原油価格はドル建てではもうかなり下がっているのに、日本のガソリン価格がまだ高いのは円安のせい(つまりは日銀のせい)である。ドル建ての原油価格は次のように推移している。


インフレの何がまずいのか

この状況の何がまずいのか。日銀がこのまま緩和を続けると円安を通してインフレが悪化し続ける。だから円安とインフレを止めたければ、日銀は国債の買い支えを止める必要がある。筆者やスタンレー・ドラッケンミラー氏が日本国債の下落を見込んで空売りを仕掛けている理由はそれである。

ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り
勿論日銀には永遠に紙幣を刷り続けて緩和を続けるという選択肢もある。だがそうなれば物価は青天井に上がり、日本人は自分の預金で何も買えない状態に陥るだろう。

そもそも日銀はそれを目指しているという話もある。結局はインフレと通貨暴落だけが日本政府の莫大な政府債務をチャラにする方法だからである。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
それはドイツが戦後の賠償金を完済した方法である。政府の借金はチャラになるが、同時に国民の預金は紙くずになる。

日本政府にとっては、自分で積み上げた債務の責任を何一つ取ることなく国民が勝手に犠牲になってくれるのだから、それ以上の方法はないだろう。だが日本国民がそういう目的の緩和政策を支持した理由はよく分からない。彼らは馬鹿なのだろう。少なくともファンドマネージャーの目からはそう見える。彼らは自分が何を支持したのかさえ分かっていない。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
植田総裁の優先順位

だが今の状況、植田総裁にとっては有利な点が1つある。インフレ抑制で先に利上げを行なっていたアメリカでは景気が減速し始めていることである。

サマーズ氏: スタグフレーションの危険あり、高確率で景気後退へ
それに連動して日本の金利高もやや収まっている。少なくとも日銀の設定した長期金利上限である0.5%を継続的に叩くような状況には陥っていない。

日銀は金利が上限に達しない限り国債を買い支えなくて良いので、植田氏が初回会合で金利上限を上げなかったのは、市場が催促しない限り自分から金利上限を上げる必要はないと考えているからだろう。

その判断自体は理にかなっている。植田氏は腐ってもマクロ経済学者である。単なるノーパンしゃぶしゃぶの省出身の黒田氏とは違うのである。彼は経済学など何も知らなかった。それでインフレ政策でインフレを引き起こし、そのまま逃げて行った。

日銀新総裁の植田和男東大名誉教授は平凡なマクロ経済学者
実際、筆者が日本国債の空売りを始めた時から想定していたように、アメリカ経済が減速すれば日本経済にも一時的なデフレ圧力になるシナリオは存在する。筆者はアメリカ経済のハードランディングは不可避だと考えているので、それはメインシナリオですらある。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
植田氏もそれを想定しているのだろう。今引き締めをすれば海外の減速で経済が落ち込みすぎる可能性があると指摘している。

日本のインフレ見通し

植田日銀はこのまま緩和を続けていくのか。ドル円の動きなどを見ても、市場のコンセンサスはそのようになっているように見える。

だが世界最高のマクロ経済学者であるサマーズ氏はまったく別のことを言っている。彼は次のように述べている。

日銀の緩和は目的よりも長生きし過ぎたと言うべきだろう。緩和政策の検証を開始したことによって、植田氏は金利の固定からの離脱プロセスを開始したのだとわたしは考えている。

日銀がこのまま金利を押さえつけ続けられる可能性など少しも考えていないことが彼のコメントから分かる。

既に利上げでインフレに対処しているアメリカやヨーロッパの人間から見れば、遅かれ早かれ日銀が金利を上げなければならない(国債の買い支えを止めなければならない)のは自明なのである。そうでなければ物価は青天井に高騰してゆく。

私見では、アメリカ発の世界的な不況があったとしても、日本の経済成長率には影響する一方で、海外要因ではインフレ率はそれほど下がらないだろう。日本のインフレは自民党のおかげで既に国内要因へと飛び火しているからである。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
アメリカやヨーロッパは、大幅な利上げをしてもインフレ率はなかなか下がらないということを既に経験している。日本人だけがインフレの状況で紙幣印刷や全国旅行支援などのインフレ政策を続ける狂気が狂気であると気づいていない。馬鹿は本当に痛い目を見るまで状況を理解しない。

結論

だから、筆者は植田氏の理屈に多少の理があることを認めた一方で、植田氏が2021年にインフレ加速の事実を希望的観測から無視していたFed(連邦準備制度)のパウエル議長のように見えるのである。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
インフレは放っておけば加速してゆく。金利が同じでも、名目金利からインフレ率を差し引いた実質金利が、インフレ率の上昇で自然に下がってゆくからである。

このままでは一部バブルになっている住宅価格も更に上がってゆくだろう。筆者は2021年にアメリカ経済に対して同じことを言ったが、住宅価格が例えば年に10%上がるような状況で金利がゼロだとしたら、誰もがコストゼロの住宅ローンを組んで値上がりを続ける資産を買うだろう。

そして誰もが家(や他のもの)を借りた資金で買うようになり、インフレ率はますます上がり、物価の上昇率と金利の乖離は更に進んでゆく。

このように、金利が変わらない状況ではインフレは自己強化的にますます悪化してゆく。植田氏はそれを見逃している。

サマーズ氏は日銀が緩和を続けるシナリオは有り得ないと考えている。著名投資家たちも去年の時点で同じことを言っていた。特にガンドラック氏は長年インフレを目指した日銀のインフレ政策について傑作なジョークを述べている。

ガンドラック氏、日銀の量的緩和を皮肉る
日銀は賢明だ。80階の窓から飛び降りて、70階分落下したところで「今のところは良い状態だ」と言っているようなものだ。

だからあと10階分はまだ落ちられるかもしれない。だがもうすぐ地面である。日本の物価高騰がどうしようもなくなるまで、もうそれほど時間はないだろう。

マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36397
32:777 :

2023/06/12 (Mon) 12:09:00

アメリカのインフレは賃金も上がったので食料品は言う程高くない
2023.06.12
日本は賃金そのままで物価だけ上昇、アメリカは賃金と物価が連動して上昇なのでアメリカ人から見ると日本視点ほど値上がりしていません


関連動画が記事下にあります

アメリカは物価と同レベルに賃金も上昇した

4月のアメリカ消費者物価指数は4.9%で2年ぶりに4%台に”下がり”、8%以上だったインフレが鎮静化してきたといわれています

23年4月の賃金上昇率は1年前と比較して5.5%増だったので、これも数か月ぶりに物価上昇率を上回り実質賃金が上昇しました

日米で同時にインフレが進んだが両国には大きな違いがあってアメリカは物価と同時に賃金上昇したが、日本は物価だけ上がって賃金据え置きだった点です

インフレ最悪期だった22年6月に米インフレ率は9.1%だったが賃金上昇率は8.3%、5月はインフレ率8.6%で賃金は9.0%上昇していました

実質賃金が下がったとしても誤差の範囲なので、アメリカの失業していない労働者はそれほど打撃を受けていませんでした

同じころ日本の22年5月物価上昇率は前年比2.1%だったが給料の伸びは1.0%増で実質賃金はマイナス1.8%と発表されていました(物価や賃金の計算方法で結果は異なる)


この1年のインフレと賃金を見てもアメリカのほうが成功している訳ですが、アメリカの”平均”賃金や”平均”物価が眉唾もので、賃金は増えず物価だけ上昇した人もいます

アメリカで上昇率が非常に高いのは家賃と食料品で、家賃はNYなどの大都市てコロナ前より1.5倍は上昇しました

コロナ前の安かった頃ですらNYやLAのような大都市家賃は1ルーム2ベッドで約35万円(家族向けは50万円)で現在は1ルーム50万円家族向け70万円台になっています

毎月75万円の家賃を払わないと家族3人以上でアメリカの都会に住めないので、部屋を追い出されてホームレスになる人が多かった

アメリカには借り手の保護制度はないので多くの州では支払日の翌日に追い出しても良く、優しい州でも翌週か翌月に退去させます

都市部のマンションではなく郊外のトレーラーハウスだと家族向けで40万円くらい、20万円くらいだといわゆる貧困層が多くなり治安も悪化します

それも払えない人は中古車をトレーラーパークや公園などに止めて住み、それもできない人はテントや橋の下で生活することになります

水道や電気もドライで支払わなければすぐ電気や水道が止まり、日本のように数か月間待ってくれたりはしません


日本で報道されるほど高くない
最近日本のテレビで放送されていたのはNYマンハッタンのスーパーで家族4人の朝食を買ったら5000円だったというものでした

テレビ局が行ったスーパーのゼイバーズは22年に「総菜の調理人を1000万円で募集したが集まらない」というニュースの出所で、普通のスーパーではないと前置きが必要です

商品の陳列も日本のライフや格安スーパーとは違い総菜は一品一品がキラキラ輝いているような店なので、このテレビニュースはやらせに近い

値段を取り上げた商品はレタス、なぜか日本のりんご「ふじ」、トマト、卵、ヨーグルト(特大サイズ)など今値上がりしている食材だけで「高い、高い」を連発していました

同じ商品でもウォルマートに行くと(ビッグサイズで)日本より安く買えるのに、わざわざマンハッタンの一番高そうな店で「高い高い」を連発していました


ニューヨーク州の平均年収は東京23区並みの700万円でニューヨーク市は1000万円、マンハッタンの平均年収は1500万円なので物価だけが高いのではなく収入も高いです

ウォルマートでも卵12個入りが600円になったのだが、アメリカでも今卵は病気や人手不足などで値上がりしているので特別に高くなっています

安売りスーパーでは高い商品がある一方で日本と同じくらいの商品も置かれているので、物価に見合った賃金上昇した人にはそれほどでもないです

テレビや芸能人が買い物をするのはNYの高級スーパーだけで決して安売りスーパーには入らず、一番割高な商品を日本と比較します

生活レベルを落として安い商品を買えば安いのがあるし、安い肉が買えるのに生で食べれる卵を1000円払って買うアメリカ人なんかいません

むしろ都市部は安い店を選べるのに対しアラスカの田舎町など商店が一つしかない町で値上がりが激しく、住民はその店で買うしかない

動画:わざわざアメリカ一物価が高いマンハッタンの高級スーパーで高そうなものだけを買って「高い」と強調する演出
https://www.youtube.com/watch?v=B-LGy7OB3u4

実際に高いが マンハッタンの平均年収は1500万円以上です
33:777 :

2023/06/18 (Sun) 03:59:27

時給2000円では暮らせない…給料も物価も高いアメリカ 平均時給は約4700円 FRBは利上げ見送りも“追加”に含み|TBS NEWS DIG
TBS NEWS DIG Powered by JNN
2023/06/15
https://www.youtube.com/watch?v=J79hHgbvZbE

アメリカの中央銀行にあたるFRB=連邦準備制度理事会は、物価高を抑えるため1年あまり続けてきた金利の引き上げを見送りました。一方、物価を押し上げている賃金は高いまま。何が起きているのでしょうか。

アメリカ東部・メリーランド大学の4年生、イスマイルさん(23)。大学でIT機器の使用をサポートするアルバイトをしています。

イスマイルさん
「ITサポートの仕事で時給15ドルです」

時給は15ドル=日本円でおよそ2100円なのですが…。

イスマイルさん
「やりくりするのに精一杯です。家賃と食費を払うため、何度か父親に資金援助も頼みました」

実は、メリーランド州で時給2100円は最低賃金に近い水準。人手不足による賃金の上昇が続いていて、アメリカの正規雇用を含む平均時給はおよそ4700円に達しています。

学生に話を聞くと…。

学生
「時給23ドル50セント(約3300円)です。悪くないと思ったけど、食品やガソリン代に使うとあまり残りません」
「時給22ドル(約3100円)です。毎月家計はギリギリです」

平均時給は10年前からおよそ4割も増えています。

企業は人件費の上昇分をカバーするため、商品やサービスの価格を上げ「歴史的な物価上昇」となって市民生活を直撃してきました。

その一方で…。

記者
「賃金と物価が上がり続けてきたアメリカ経済ですが、こうした状況が変化しつつあるとの見方を中央銀行にあたるFRBが示しました」

物価高を押さえるために、去年3月から急ピッチで利上げを続けてきたFRB。一時、9%を超えていた消費者物価の伸び率が先月、4%まで下落し、物価上昇は落ち着いたとみて、去年から10回連続で続けてきた利上げを14日の会合で見送りました。

FRB パウエル議長
「急速に高い水準まで利上げしたので、効果を見極めるため、利上げを見送るのが適切と判断しました」

それでも賃金そのものは5月も上昇が続き、パウエル議長は、物価の動向によっては年内に0.5%、追加で利上げをすることに含みを持たせました。

FRBが賃金に目を光らせる日々が続きそうです。
34:777 :

2023/08/05 (Sat) 17:19:17

世界最大のヘッジファンド、量的緩和と現金給付に続く新たな金融緩和を語る
2023年8月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで、世界的な物価高騰をもたらした現金給付に続く新たな金融緩和の方法について語っている。

過去40年の金融緩和

アメリカでは1970年代の物価高騰が終わって以来、金融市場の歴史は金融緩和の歴史である。

1970年代の物価高騰を止めるために20%以上に上がったアメリカの政策金利は、その後30年近くかけて低下してきた。以下はアメリカの政策金利のチャートである。


中央銀行は経済が弱るたびに利下げを行い、金融緩和によって実体経済を支えてきた。

だがその金利は2008年のリーマンショックでついにゼロに到達する。中央銀行はこれ以上金利を下げられなくなったが、それでも緩和をする方法が欲しかったので、紙幣を印刷して金融市場から国債などの証券を買い入れる量的緩和という方法に頼ることになった。

政策金利を操作する方法では国債の金利を直接下げることはできないが、紙幣印刷で中央銀行が有価証券を買い上げてしまえば、資産価格を人工的に押し上げ、国債の金利を押し下げることで更なる緩和を行うことができる。

だがこの方法では実体経済をコロナ危機から救うことは出来なかった。日本で実際にそうなっているように、資産価格を上げても得をするのは資産を持っている人々だけだという当たり前の事実に、アメリカも直面せざるを得なくなった。

そこで考案されたのが、国民の銀行口座に直接現金を注ぎ込む方法である。現金給付と呼ばれるこの方法は、家計の財政状況を見た目上改善した一方で、世界的な物価高騰を引き起こした。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
このように緩和の歴史を振り返ってみると、明らかに言えることは、緩和の副作用が強くなっていることである。利下げの副作用は、2000年にドットコムバブルを引き起こしたり、2008年のリーマンショックにつながる住宅バブルを引き起こしたりすることだった。

それだけも酷かったかもしれないが、利下げが量的緩和になり、量的緩和が現金給付になった今、緩和の副作用は雪だるま式に膨らみ、インフレという形で全国民に降り掛かっている。

だが緩和の極端化というこのトレンドは、もはや誰にも止められないだろう。人間にそれを止める頭があれば、そもそもインフレは起きていない。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だから投資家は現金給付に続く新たな緩和方法が何かということを、そろそろ考え始める必要がある。

中央銀行はまず利下げによって金利を低下させ、経済における最大の債務者、つまり政府を救済し続けてきた。その次には量的緩和によって、金融危機で資産を失った資産家を救済した。コロナ禍におけるはロックダウンで収入を失った家計を救済した。

もう救済するものはあと1つしか残っていない。中央銀行による中央銀行の救済である。

中央銀行が自分自身を救済する

政府が国債を中央銀行に押し付け、中央銀行はシリコンバレー銀行などの破綻処理にあたって価格が下落していた債券を額面で引き受けているので、もはや中央銀行はさながらゴミ箱のような様相である。

政府はこのまま中央銀行をゴミ箱のように扱い続けることができるのか? 現代人は誰もその実験を経験したことはないが、歴史上には同じような事例は存在する。こうした疑問を尋ねるのに最良の人物は、やはりダリオ氏だろう。

ダリオ氏は次のように述べている。

長期的には、歴史を振り返ってこれから何が起こるかを描いてみると、政府の財政赤字が増大するのは実質的に確実で、利払いや他の予算の費用が増加している以上、増加の加速度は上がる可能性が高い。

アメリカのGDP比財政赤字は次のように推移している。


短期的には上下しているが、長期的には赤字は増え続けている。そしてこれが少なくなる見通しのないことは、誰もが同意するところだろう。

緩和も財政も悪化し続ける。だが緩和が利下げから現金給付まで指数関数的に進化してインフレという限界にぶつかったように、政府の財政も同じように指数関数的に進化して人々が思っているよりも早く限界にぶつかるだろう。

このまま財政赤字が加速度的に増加すればどうなるか。 ダリオ氏は次のように述べている。

そしてそうなれば、政府はより多くの国債を発行しなければならなくなり、自己強化的な債務スパイラルに陥ることになるだろう。

金融市場がそれ以上増やさないよう迫る一方で、中央銀行は紙幣印刷によってもっと多くの国債を買わなければならなくなる。そうしなければ損失が拡大し自分のバランスシートが毀損されることになる。

「金融市場がそれ以上増やさないように迫る」というのは、国債の発行増加を市場の投資需要が支えきれなくなり、国債価格が暴落してゆく状況だろう。

そうした要因での米国債の価格下落は、今の市場参加者にはほとんど想像もできないはずだ。だが少し前の市場参加者には、インフレも想像できなかったことを思い出したい。

ダリオ氏の言う通り、国債の発行が指数関数的に増加してゆくならば、量的緩和なしには国債価格を維持できない状況はいずれ必ず訪れる。そして「指数関数的」な増加によってその水準に到達する日はそれほど遠くないということは、少しの数学的素養のある人ならば分かるはずだ。

ダリオ氏によれば、そうした問題の典型的な解決策は、政府が中央銀行の損失を補填することだという。だが政府は中央銀行の紙幣印刷によって資金供給されているので、中央銀行は結局は自分に資金供給することになる。この空中でジャンプして空に浮き続けるような末期的状況の典型的な帰結は、金利高騰か通貨暴落かインフレ、あるいはその組み合わせだろう。

結論

実際、イギリスはその状況に到達しかけた。1つ前のトラス政権がインフレの状況下で大規模な財政緩和を行おうとしたとき、金融市場では英国債とポンドが両方急落した。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
結局はトラス氏が辞任に追い込まれることによって緩和は撤回されたが、他の先進国はそうした瀬戸際にある。日本では円安とその結果としてのインフレが大きな問題になっている(が、自民党支持者はストックホルム症候群によって緩和の引き起こした円安とインフレの関連を頭から消し去っている。)

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
アメリカは、基軸通貨ドルの恩恵によって今のところ日本やイギリスのような羽目にならないで済んでいる。だがスタンレー・ドラッケンミラー氏は、まさにそれが原因でアメリカはより大きな危機に陥ると予想している。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
短期的な延命のために長期的な危機が許容される。いつものことである。しかし若者たちはそれで良いのだろうか。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616
35:777 :

2023/08/09 (Wed) 20:27:00

アメリカのフリーターの給料が高すぎた
2023/02/09
https://www.youtube.com/watch?v=hC7KIuOMhl8&t=54s

【インフレ】アメリカのフリーターの給料が高すぎる【円安/ 出稼ぎ】
36:777 :

2023/10/03 (Tue) 08:15:28

止まらぬ円安1ドル=150円に迫る 海外生活を円で換算すると…各支局員が取材(2023年9月27日)
2023/09/28
https://www.youtube.com/watch?v=83fcAFWyKVQ

円安が止まりません。27日は、一時、今年最安値を記録しました。1月には、1ドル127円台をつけていましたが、気づけば150円台に迫っています。

外国人観光客が戻ってきた日本。一方、日本からの海外旅行の数は、コロナ前まで戻ってないそうです。
阪急交通社広報部・鈴木毅部長:「円安がなければ、すぐにでも100%、120%の回復があったと思う。円安の影響もあり、現状(コロナ前の)6割くらい。徐々に上がってはきているものの6割程度です」

歴史的物価高に直面するアメリカ。そこに円安というダブルパンチです。
アメリカ・ニューヨークで在住邦人御用達の日本食スーパー『KATAGIRI』。長期滞在に欠かせないこの店の商品を円に換算してみました。卵が8ドル59セント、約1280円。カットされた長芋は約730円、えのきだけが約670円。豆腐は1パック約450円します。
現地在住者:「初めは円に換算していたんですが、最近は円に換算するのをやめました。1ドル=130円くらいになったときもキツイなと思ったんですが、さすがにここまでくるとは思ってなかったです」
現地在住者:「母がおやつやお金を送ってくるけど、円安の影響で送りにくいと」

7月に赴任したばかりのニューヨークの親松支局長。一番驚いたのが、ラーメンだといいます。
ニューヨーク支局・親松聖支局長:「家族4人でラーメンを食べに行った場合、ラーメン4杯、そして餃子3つ、ビール2杯を飲んだ場合、2万円を超えてしまうんです。日本円頑張ってほしい」

次は、ロンドン。赴任して1年半になる佐藤記者の報告です。
ロンドン支局・佐藤裕樹記者:「自宅から支局に炊飯器を持ち込んで、お米をラップに包んで、冷蔵庫に置いておきます。ランチに食べるご飯です。 ロンドンに来てからランチを外に食べに行くことは、ほとんどありません」

佐藤記者が赴任した当時は、1ポンド152円ほど。それから1年半で、180円を超えています。
ロンドン支局・佐藤裕樹記者:「ビール1杯、1年半ほど前は850円で飲めたが、物価高騰と円安が進み、今は、1杯1260円です」

円安の波は、タイにも押し寄せています。タイではいま、史上2番目の円安状態にあります。安く遊べる旅行先として日本人に人気でしたが、バンコクの繁華街でも、マッサージ店でも日本人観光客の姿は、ほとんど見られなくなったそうです。
マッサージ店オーナー:「(日本人は)前は多かったけど、すごく減っています。売り上げが減れば、店の存続も懸念されますし、従業員の収入も減ってしまいます」

終わりの見えない円安。こうしたなか、働き先を海外に求める日本の若者たちが増えています。
オーストラリアへのワーキングホリデーを希望(18):「円安だと、あっちで稼げば稼ぐほど日本のアルバイトより稼げて、貯金もできて、帰ってくればよりお金が増える。こっちでアルバイトするより良いかな。英語も学べるし」

ワーキングホリデーの相談件数は、1年前に比べて1.6倍に増加。実質賃金が下がり続ける日本で正社員になるより、海外でアルバイトをしたほうが収入もいいし、スキルも身に付くと考えるからです。
ワールドアベニュー・松久保健太社長:「(Q.円安の影響でさらに稼げる)正直言って、稼げるかなと思います。日本の給与と比べて、とても高い給料で、物価が高いのもあるんですけれども、円安になって厳しいところあるが、現地に行って稼げるところも踏まえて、ワーキングホリデー挑戦したいという方は増えている印象」

※気になるのが“為替介入”です。

去年9月に、1ドル=145円台に突入した際、政府は、24年ぶりに為替介入を実施し、10月と合わせて合計3回、行っています。このときの効果について、ニッセイ基礎研究所の上席エコノミスト・上野剛志さんは「年末にアメリカの利上げ幅が縮小する見通しが広がり、一時、ドルが下落した。この間、円安の進行を一定程度抑制した」としています。

為替介入はしないのでしょうか。

上野さんによりますと、「為替介入は過度な変動を抑制するために行うもの」ということです。去年は、8月から9月にかけて急激に円安が進んでいます。一方、今年は、去年の同じ時期と比べて変動は緩やかに見えます。そのため、現段階では、介入の可能性は低いといいます。

また、上野さんは 「円安のときの介入は“ドルを売って円を買う”介入。そのため、政府が持つ外貨が減る。将来の介入や、海外への支払いを考えると、外貨を持っていることが余裕につながる。介入せずに円安が収まるのなら、それがベスト」としていますが「今後1カ月くらいの間で、1ドル150円を超えてくれば、為替介入の可能性は高まってくる」といいます。

ただ「今後、円安は落ち着く可能性があるのでは」としています。「アメリカのインフレは、今後、おさまっていく傾向にある。そして、金利政策を決めるFRBの11月の会合で利上げは打ち止めになる可能性が高い。そうなれば、日米の金利差が、これ以上広がらなくなるので、為替も『1ドル・145円程度』ではあるが、落ち着くのでは」とみています。
37:777 :

2023/10/31 (Tue) 17:05:43

日銀植田総裁、10月決定会合でイールドカーブコントロールを実質的に有名無実化
2023年10月31日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41212

10月31日、 日本銀行は金融政策決定会合の結果を発表し、現在行なっている緩和政策であるイールドカーブコントロール(YCC)の更なる柔軟化を決定した。内容はやや複雑なので出来るだけ分かりやすく説明したい。

イールドカーブコントロール

イールドカーブコントロールは、日銀が長期金利の上昇を抑えるために行なっている金融緩和である。黒田前総裁が導入したこの政策が円安とその結果として輸入物価のインフレを引き起こしているため、後を引き継いだ植田総裁がその後始末をしている。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
イールドカーブコントロールとは、長期金利の上限を決める政策である。植田氏が引き継いだ段階では、日銀の長期金利目標は0%で、プラスマイナス0.5%の変動幅を許容するという状態だった。

だが物価が上昇した後、長期金利はインフレ率に合わせて上に行こうとしていたため、実質的には下限に意味はなく、上限の0.5%だけが問題となっていた。

長期金利が上限の0.5%に当たる度に日銀は金利を抑えるために紙幣を印刷して国債を買い入れなければならない。それが円安とインフレを引き起こしていた。

7月の決定会合におけるYCC柔軟化

だから植田氏はまず7月の会合でプラスマイナス0.5%の変動幅を「目途」とし、それを超える変動を許容した上で、プラスマイナス1%を厳格に制限する水準として新たに設定した。

日銀植田総裁の曖昧なイールドカーブコントロール「運用柔軟化」を解説する
これはどういうことなのか一見分かりにくいのだが、植田氏自身も実質的には上限を1%に動かしたと思ってもらって良いと言っていたように、長期金利の上限が0.5%から1%に動いたと思えば良い。

ただ、これは債券投資家の心理を考えると普通に上限を1%に変更するよりも良い方法である。

国債にとって金利上昇は価格下落と同じ意味なので、金利が上がってゆくということは国債が売られているということである。上限の変更によって金利が上がってゆくとき、0.5%から1%までのレンジでは何もしないと宣言するよりは、1%に到達する前でも介入するかもしれないと思わせた方が、日本国債を売ろうとする投資家を牽制できる。

勿論、それは口先だけの効果に過ぎない。だが、実質的にはそれが1%への変更と同じだということをはっきり言ってしまった誠実さも含め、植田氏を評価して良いだろう。

今回の決定会合におけるYCC柔軟化

そして今回の会合である。7月の変更では0.5%を目途、1%を厳格にコントロールする水準としていたが、その後長期金利は1%に近づいていた。以下がチャートである。


1%に達すれば、日銀はまた紙幣を印刷して国債を買い支えなければならない。

それで日銀が1%の厳格コントロール水準をどうするのかが注目されていたが、今回の会合では0.5%だった「目途」を1%に上げ、厳格コントロール水準を撤廃した。

これは実質的にはどういうことだろう。目途は1%になったが、厳格コントロール水準がなくなり、元々意味を為しているのかよく分からなくなっていた「目途」がますます意味の分からないものになった。目途を超えても、日銀には介入する義務はないことになる。

結論

これをどう解釈するべきか。結論から言えば、これで良いのである。植田氏はまともなマクロ経済学者として、イールドカーブコントロールが円安と輸入物価インフレの原因となっていることを認識していた。更に言えば経済にとってもっとも効率的なインフレ率はゼロであるとして、2%のインフレ目標には実はマクロ経済学的な根拠がないという公然の秘密を暗に仄めかしていた。

ガンドラック氏: 2%インフレ目標は完全に恣意的な数字
だから目途が意味を為していないならば、それで良いのである。7月の決定会合と合わせ、この2回のイールドカーブコントロール柔軟化によってイールドカーブコントロールは実質的に有名無実のものとなった。

愚かな黒田氏の導入した円安の原因の第一層はこれでほとんど取り除かれたと言える。金利が上がれば経済には重しになり、失業率も上がるだろうが、それは植田氏の責任ではない。黒田氏が円安を引き起こした時点で、日本経済はインフレか景気後退かを受け入れなければならないことが確定していた。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏は著書『貨幣論集』でこう言っていた。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
将来の失業について責められる政治家は、 インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

だから本来黒田氏の後継者として一番の総裁候補だった黒田氏時代の副総裁たちは就任を断って逃げ出したのである。植田氏が火中の栗を拾ったが、植田氏はこの誰もやりたがらない仕事をきっちりこなしている。誉められて良いだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41212
38:777 :

2023/11/11 (Sat) 06:24:30

ガンドラック氏: 米国は既に債務超過に陥りかけている
2023年11月10日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41463#more-41463

引き続き、DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はアメリカの負債と資産を比較している箇所を紹介したい。

アメリカの負債と資産

アメリカの政府債務は元々高かったが、コロナ後の現金給付などの支出により更に増加した。政府債務を増やして得られたものが物価高騰なのだから、インフレ主義者のやることは分からない。よほどインフレが好きなのだろう。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結果、現金給付によってアメリカ経済には莫大な政府債務とインフレが残った。だが、莫大な政府債務についてはよく言及されるが、資産の方はあまり注目されない。

資産がたくさんあれば、負債が多くとも問題ないはずである。アメリカ政府には負債しかないが、家計や企業は資産を持っている。アメリカは金持ちが多いから、きっと資産も多いことだろう。

実際にアメリカの負債と資産を比べてみるとどうなるのか? ガンドラック氏は次のように言っている。

usdebtclock.orgによれば、アメリカには211兆ドルの負債があり、それと同時に219兆ドルの企業資産と家計資産、個人事業者などの資産がある。

つまり、アメリカの負債はアメリカのすべての資産とほとんど等しいということになる。

債務は増加しており、ほとんど資産の額を上回りかけている。ほとんど債務超過である。最近債務超過になった企業はと言えば、恒大集団が挙げられるだろうか。

恒大集団の倒産危機と中国不動産バブル崩壊懸念まとめ
ガンドラック氏はこう続けている。

もし負債が資産より大きくなれば、いわばヘッジファンドが追証を要求されるような状況だ。つまり、すべての資産を時価で売り払っても負債すべてをほとんど返しきれない。

投資家は資産を上回るような赤字を出した時に追加で資金を要求される。冗談のようだが、これが世界トップの経済大国アメリカが陥りかけている状況である。あるいは恒大集団に近づいているとも言える。どちらにしても不名誉極まりない。

だがそれは事実である。アメリカはもうすぐ資産をすべて売り払っても負債を返しきれなくなる。そしてこれからも負債が増えるのであれば、その状況は悪化するばかりである。

更に言えば、負債は政府のもの、資産は民間のものなので、資産を売り払って借金を返すというのは、政府が民間の資産をすべて徴収して自分の借金返済に当てるということである。そしてそれでも負債の全額は返せない状況まであと一歩である。

債務超過の問題に陥るアメリカ

アメリカは債務超過の瀬戸際にある。そうなれば、アメリカは物理的にもはや借金を返すことができない。つまり、アメリカ政府には倒産リスクがある。最近の金利高騰を単に国債の需給の問題と言ってもいられなくなったのではないか。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
この問題は金利上昇による利払い増加によって悪化を続けている。それが前回の記事のテーマである。

ガンドラック氏: 米国の高金利が絶対に持続不可能である理由

だからガンドラック氏はこう言う。

金利が下がらなければならない。あるいは財政赤字が下がらなければならない。だがFedが「金利をより長くより高く」と言っている間は、そのどちらも起こらない。しかもそれに加えてアメリカの出費を呼ぶ戦争が起こっている。

結局、債務超過に陥った国家が借金の問題を解決する方法は、紙幣印刷しかない。だが紙幣印刷は通貨の価値を暴落させる。だが紙幣印刷で国債を買い支えないと国債が暴落する。レイ・ダリオ氏が日本に関して的中させた予想が今度はアメリカを襲っている。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
あるいは、ガンドラック氏は以前、政府債務を何とかするための最後の手段について語っていた。

ガンドラック氏、現金給付の次の緩和政策を語る
日本では、日本には資産があるので政府債務は問題ないと誰かが言っていた。だがアメリカと同じく政府にはそれだけの資産がないので、それは国民の資産を徴収して政府の借金を返すから問題ないという意味である。そしてそれはもう行われているではないか。

経済に関して他人の意見を鵜呑みにする人は本当に酷い目に遭う。自分の頭で考えることである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/41463#more-41463
39:777 :

2023/12/05 (Tue) 13:56:28

レイ・ダリオ氏: 国債の暴落トレンドが始まりつつある
2023年12月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42178

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がFortune Magazineのインタビューで国債と金利の見通しについて語っている。

リーマンショック後の金融緩和

ダリオ氏はコロナ前までの金融政策を振り返っている。アメリカではリーマンショック時にゼロ金利と量的緩和が始まった。ダリオ氏は次のように述べている。

金融市場はこれまで金利がゼロになるような、資金の溢れている馬鹿げた状況になっていた。

この流れのなかでGDP比の負債は増加した。

政府が中央銀行に命じて金利をゼロにしたかったのは、国の借金を増やして支出を増やしたかったからだ。

政治家の商売は税金を集めてそれを票田に流し込むことで成り立っている。他人が正当に稼いだ金を無許可で徴収して自分の裁量で選んだ誰かにばら撒くことの本質はそこにしかない。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だから政治家は国の借金を増やすことを好んだ。国の借金は政治家が返すわけではないからである。そしてそのためにはゼロ金利が必要だった。国債に大きな金利が付いてしまえば、政府はばら撒くのではなく借金返済にお金を使わなければならなくなるからである。

国債の需要と供給

だがその低金利を実現するために中央銀行が買い支えをしなければならなかったということは、その低金利では普通の投資家は国債を買いたがらなかったということである。ダリオ氏はこう述べている。

債券の需要と供給がマッチしなかったので、中央銀行が債券を買い支えた。債券に十分な買い手がいなかったということだ。だから中央銀行が来て買い支えた。そしてそれは自由な市場を捻じ曲げながら金利を低位に抑え続けた。

それでも米国債を買ったのは、国債を買わなければならなかった中央銀行や銀行と、ダリオ氏はあと1つ買い手のカテゴリーを挙げている。

だから今、中央銀行は大量の米国債を抱えている。市中の銀行も大量の米国債を抱えている。日本人も大量の米国債を抱えている。

そして今やどうなったか? コロナ後の現金給付によってインフレが起こり、インフレ抑制のために金利を上げなければならなくなり、更には量的緩和で国債を買い入れていた中央銀行が量的引き締めによって保有量をむしろ減らすようになった。

元々中央銀行の他にはほとんど買い手が見つからなかった国債市場で、アメリカ政府はむしろ国債発行を増やしているにもかかわらず、一番大きな買い手だった中央銀行が保有量を減らしている。

それが国債市場の状況である。それで国債価格が下落し、金利が上がっている。

チューダー・ジョーンズ氏: 米国債の大量発行で金利はまだまだ上がる
そしていまだ残っている買い手、つまり銀行と日本人はどうなっているか? ダリオ氏はこう言っている。

そして彼らは米国債の値下がりで損失を出している。

日本人とドル

だが米国債を保有している日本人にとっては、これまでドル高が国債下落の損失を補填してくれていたかもしれない。だが来年予想されている景気後退が来ればドルは下がることになる。

ガンドラック氏: アメリカの景気後退でドルは暴落する
このタイミングで筆者の周りの日本人でドル預金の話をする人が増えてきている。彼らはいつもナイスタイミングである。彼らがNISAの話をし始めた時がまさに米国株の天井だったように。

ジム・ロジャーズ氏: 他人の意見で投資をするとほぼ間違いなく失敗する
それでも米国債は米国株よりはマシな投資なのだろうが。

2024年の米国株予想: 株価は最大で50%下落する
国債下落のスパイラル

さて、国債に話を戻そう。デフレと低金利の時代が、インフレと高金利の時代に置き換わった。低金利の時代に増やし続けた莫大な政府債務に大きな金利が付き、アメリカ政府も日本政府もそれを支払わなければならなくなっている。

高い金利が大きな利払いを呼び、政府の利払いは国債発行で賄われるだろうから、金利が高くなるほど国債発行が増えてゆく。そして更に金利が高くなる。

ダリオ氏によれば、そのサイクルに入った時の典型的な兆候が最近の世界経済で見られるという。ダリオ氏は次のように述べている。

典型的なサインは、中央銀行が大きな損失を計上することだ。

最近、日本でも日銀の損失が報じられた。ドイツやイギリスでは中央銀行の損失をどう補填するかが問題となっている。

ドイツの中央銀行、資金不足で政府の口座への利払い停止を決定
人々は紙幣を刷ることのできる中央銀行は破綻しないと思っているが、歴史的に見ればそうではないことをダリオ氏は以下の記事で説明していた。

世界最大のヘッジファンド: 中央銀行でもインフレで破綻する可能性

結論

国債の利払い増加と高金利の負のスパイラルは一度突入すると止まらなくなり、どんどん加速してゆく。

ダリオ氏はこう述べている。

今、経済はそういう加速に非常に近い状況にある。そうなれば状況は悪化してゆく。

アメリカでは実際に金利上昇によって政府債務の問題が大きく議論されるようになっている。

だが日本も似た立場にある。むしろ政府債務は日本の方が大きいので、日本の方が大きな問題なのである。

日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想 (2023/3/2)
ドラッケンミラー氏、日本のインフレで日本国債を空売り (2023/5/2)

筆者やスタンレー・ドラッケンミラー氏など、日本国債の下落トレンドに賭けている投資家のポジションは今のところ成功している。これからどうなるだろうか。楽しみに待ちたい。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42178
40:777 :

2023/12/13 (Wed) 21:39:47

新アルゼンチン大統領のミレイ氏、経費削減のため閣僚の半分を削減する
2023年12月11日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42388

インフレ率が140%を超えるアルゼンチンで大統領選挙に勝利したハビエル・ミレイ氏が12月10日にアルゼンチンの新大統領に就任した。

インフレ危機のアルゼンチン

アルゼンチンではコロナ禍における放漫財政の結果、インフレ率が140%を超える事態となっている。


当然ながら通貨も暴落しているのだが、緩和政策の生み出したこの無茶苦茶な状況を収拾すべく当選したのがオーストリア学派の経済学者ミレイ氏である。

オーストリア学派はここでもよく取り上げている20世紀最大の経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の流れをくむ学派であり、ハイエク氏はもう何十年も前から人々の緩和政策への依存がいずれはインフレをもたらし、国家はインフレを抑制するために引き締め政策で経済を破壊しなければならなくなると予想していた。

ハイエク氏は著書『貨幣発行自由化論』において、政治家が国民から徴税し自分の裁量で特定の人々や団体に財政出動する政策を次のように批判している。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
特定の人々に自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

そしてその結果大多数の国民にもたらされるものはインフレである。

政治家の放漫財政

これは当たり前のことなのだが、 政治家は税金を自分と自分の票田に費やすこと以外に興味はない。特にそれでも選挙に落ちない状況においては、それ以外のことをしても自分にメリットがないからである。

ミレイ氏はハイエク氏の流れをくむオーストリア学派の立場から、こうした政治家の無駄遣いを批判してきた。そして大統領に就任したミレイ氏はまず何を行なったか。閣僚の数を18人から9人に半減させた。

政治家が「政治家は不要だ」として政治家の数を減らしている姿はなかなか痛快である。自民党の政治家には逆立ちしても出来ない芸当だろう。

だがミレイ氏にはより本質的な問題が待ち構えている。ハイエク氏が論じていたように、ばら撒きが可能になるそもそもの原因は中央銀行が自由に金利を操作できることで、国債に対する政府の利払いを恣意的に抑えられることにある。

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
ミレイ氏は自国通貨と中央銀行の廃止を公約に当選した。アルゼンチン人はインフレ率が140%に至る事態に陥ってようやく緩和政策への依存から離脱したのである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
人間は本当に苦しまなければ現実を理解しない。しかしそのアルゼンチンにおいてもミレイ氏は困難に直面するだろう。何故ならば、彼は政治家から紙幣が無限に出てくる魔法の杖を取り上げる中央銀行の廃止という政策を、政治家の集まりである議会において通さなければならないからである。

ミレイ氏はまず政治家から仕事を取り上げた。だが彼は何処まで目的を果たせるだろうか。

そしてそれよりも疑問なのは、何処まで日本円の価値が劣化しインフレが悪化すれば日本人が同じことに気付くかである。日本経済は国民が状況を理解するまで永遠に沈んでゆく。楽しみに待っていたい。

レイ・ダリオ氏: 金利を上げた米国でも低金利を続ける日本でも債務危機は生じる
日本国債の空売りを開始、植田新総裁で長期金利上昇を予想


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/42388
41:777 :

2024/04/05 (Fri) 08:56:54

令和日本は追い風が吹いて国運が上昇している
2024.04.05
https://www.thutmosev.com/archives/34366.html

向かい風では頑張っても進まないが、風向きが変わるとすべてがうまく行き始める


日本経済はデフレからインフレに向かう

日銀は23年10月から12月の需給ギャップが0.02%プラスになり、3年9か月ぶりプラスに転じたと発表した

需給ギャップは生産力と需要の差で、生産力が100で需要が99だとマイナス1%なので、商品が売れず物価が下がり給料が下がりリストラが増える

反対に生産力が100なのに需要が101だったら商品が売り切れて物価が上昇し給料は増えて企業は新たな労働者を募集するでしょう

リーマンショックの2008年の受給ギャップはマイナス6で新型コロナの2020年もマイナス5、確かに大幅マイナスの時に日本経済は大打撃を受けていました

需給ギャップがプラスはいつだったかというとバブル崩壊後では阪神大震災復興景気の1996年、小泉景気の2006年頃、アベノミクスの2013年、訪日客が多かった2018年頃でした

だが需給ギャッププラスは数か月から3年程度で終わっていて、その後はまた長いマイナス期間に突入するのを繰り返してきました

日本は30年ほどデフレに苦しんできたが物価が下がる原因は供給より需要が少ないからで、弁当を100個作ったのに毎日売れ残ったら生産量を減らすか値下げするしかありません

日本中が売れ残った弁当屋みたいになって従業員を解雇したり給料を下げて値下げし、給料が下がったのでより一層安い商品しか売れないのを繰り返した

公共事業は国が消費者の代わりにお金を使うので需給ギャップは簡単にプラスにできるが、財政悪化を招くと財務省が反対し逆に消費増税を繰り返した

消費増税は消費する人から罰金を取る制度なのでどうしても需要が減り、当然のことながら消費税創設と増税はすべて景気を悪化させた

こうして日本は八方ふさがりになったが日銀の金融緩和は円安と株価上昇を招き、外国資本は「安い日本」を買い求めて対日投資額を増やした

株価が上昇すると企業収益やGDPや需要・消費が増えるのでやっと受給ギャップはプラスに転じ、インフレ率も2%前後に上昇した

日本に風が吹いている
1990年前後の日本にはあらゆる逆風が全て吹いたような状況で、戦後好景気の前提だった日米関係もソ連という敵の喪失でアメリカは日本を必要としなくなり敵視するようになった

ソ連圏崩壊で大量の共産主義国が安い人件費を武器に工業生産を初め日本の産業は低コストな新興国に敗れて長い衰退期に突入しました

同時に昭和天皇の崩御で精神的な支柱を失い、新天皇は「日本はこんなに酷い国です」と口を開けば日本の悪口を繰り返したので国家の威信も失われた

威信を失った国家はハゲの雄ライオンみたいなもので敬意を払ってもらえず、ハイエナや雌ライオンからもコケにされて退散するようになります

平成30年間を通じて日本が衰退しつづけたのはこういう理由もあり、国家元首が自国の悪口を世界に言い触らしたらどんな国も衰退します

令和になって天皇が代替わりし新天皇は「口害」をやめたので、平成30年で衰退した日本の国運は上向いていく可能性があります

新型コロナで日本経済はかなりの打撃を受けたがそれはコロナ前からで、中国は40年続いた好景気をゼロコロナで完全に破壊した

中国は経済が悪化すると国内の引き締めを強めて様々な規制を強化し、気に食わない外国人を逮捕したり出国禁止にしている

欧米人や日本人など中国制裁に加わった国を中心に、数十人から数百人の外国人が中国から出国禁止になっている

こんな事は中国経済にとって百害あって一利なしなのだが習近平は経済に無知なので、先進国を脅しては屈服させ服従姿勢を示せと訳が分からない事を言い続けています

外国企業や外資は中国から一斉に逃げ出していて逃避先はアジアでは日本とインドになっていて、日本は安全保障で中国と対立する役割が期待されている

中国が成長していた時欧米は「日本は中国に謝罪しなさい」と毎年365回くらい要求していたが、時代は変わって「日本は中国と対立しろ」と勝手な事を言っています

中国が欧米と対立するほど旧ソ連時代のように日本の役割が大きくなり、ロシアと中国がナチス化するにつれて日本は漁夫の利を得ます

アメリカと言えども中ロを敵に回してユーラシア大陸とは戦えないが、日本とインド・欧州とアメリカが組めば十分に対抗する事ができる

こんな風に時代が変わった事で日本に追い風が吹いていて、 中国ロシアには逆風が吹いています
https://www.thutmosev.com/archives/34366.html

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