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人類はいつからタバコを使用していたか?

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2022/09/29 (Thu) 08:26:25

人類はいつからタバコを使用していたか?

雑記帳 2022年09月28日
最古となるタバコの使用の証拠
https://sicambre.seesaa.net/article/202209article_28.html

 取り上げるのが遅れてしまいましたが、最古となるタバコの使用の証拠を報告した研究(Duke et al., 2022)が公表されました。タバコ(Nicotiana)はアメリカ大陸原産の酩酊性の植物で、北アメリカ大陸の多くの先住民集団の伝統に重要な役割を果たしてきました。現在タバコは世界的に使用されており、人間社会に広範な影響を及ぼしています。喫煙パイプから得られたこれまでの証拠から、タバコの最初期の使用者は、3000年前頃の農耕導入以前の北アメリカ大陸で暮らしていた、と考えられていました。

 この研究は、アメリカ合衆国ユタ州グレートソルトレーク砂漠にあるウィッシュボーン(Wishbone)遺跡で、狩猟採集民の居住地跡の遺物を発掘しました。この研究は、12300年前頃となる、ヒトが作った囲炉裏(古代の暖炉)を完全な状態で発見しました。その周囲には石器や骨製の人工物が散らばっていました。また囲炉裏の中から、炭化したタバコの種の遺物が4点見つかりました。別の遺跡では、こうした遺物は噛みタバコの残渣であると考えられてきました。

 ウィッシュボーン遺跡で見つかった他の遺物からは、タバコが燃料として使用されていなかったこと、また他の動物が食べたものではない、と示唆されました。見つかった遺物には、動物の骨の他に、大型動物の捕獲に使用されていた典型的なハスケット型の槍の先端などが含まれていました。これらの知見は、ヒトがタバコの作物化の始まる数千年前からタバコを使っていた、と示唆しています。この発見は、タバコの栽培と使用とその後の作物化に至る原動力を、文化的な視点からよりよく理解するための一助となるでしょう。以下は『ネイチャー』の日本語サイトからの引用です。


考古学:人類はいつからタバコを使用していたか?

ヒトは約1万2300年前にタバコを使用していたことを示唆する考古学的証拠について報告する論文が、Nature Human Behaviour に掲載される。得られた知見から、タバコは、アメリカ大陸に到達した最初期のヒト集団の一部で使用されていたことが分かった。これは、従来考えられていたより9000年も早い。

タバコ(Nicotiana)はアメリカ大陸原産の酩酊性の植物であり、北米の多くの先住民集団の伝統に重要な役割を果たしてきた。タバコは世界的に使用されており、人間社会に広範な影響を及ぼしている。喫煙パイプから得られたこれまでの証拠から、タバコの最初期の使用者は、約3000年前の農耕導入以前の北米で暮らしていたと考えられていた。

今回、Daron Dukeたちは、ユタ州グレートソルトレーク砂漠にあるウィッシュボーン遺跡で狩猟採集民の居住地跡の遺物を発掘した。Dukeたちは、約1万2300年前の、ヒトが作ったいろり(古代の暖炉)を完全な状態で発見した。その周囲には石器や骨製の人工物が散らばっていた。また、いろりの中から、炭化したタバコの種の遺物が4つ見つかった。別の遺跡では、こうした遺物は噛みタバコの残渣であると考えられてきた。ウィッシュボーン遺跡で見つかった他の遺物からは、タバコが燃料として使用されていなかったこと、また他の動物が食べたものではないことがうかがえた。見つかった遺物には、動物の骨の他に、大型動物の捕獲に使用されていた典型的なハスケット型のやりの先端などが含まれていた。

これらの知見は、ヒトは、タバコの作物化の始まる数千年前から、タバコを使っていたことを示唆している。今回の発見は、タバコの栽培、使用、その後の作物化に至る原動力を、文化的な視点からよりよく理解するための一助となるだろう。



参考文献:
Duke D. et al.(2022): Earliest evidence for human use of tobacco in the Pleistocene Americas. Nature Human Behaviour, 6, 2, 183–192.
https://doi.org/10.1038/s41562-021-01202-9


https://sicambre.seesaa.net/article/202209article_28.html




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