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史上最高の経済学者ハイエクの警鐘

1:777 :

2022/08/31 (Wed) 05:30:36

ハイエクの警鐘と日本の蹉跌
三輪晴治(エアノス・ジャパン 代表取締役)
2021.01.25
http://www.world-economic-review.jp/impact/article2023.html

ハイエクの教え
 ハイエクの「自由主義」という概念は「反合理主義」である。ハイエクは,「効率」という「合理主義」では人間の社会は旨く行かないと言った。人間の小賢しい効率主義は人間社会を破壊してしまう。ハイエクが「合理主義」や「効率」を警戒するのは,合理主義で社会を変えようとすると,複雑な人間社会を成り立たせている無数のルール,慣行,文化,倫理,道徳,風土の絡み合いを壊してしまうからである。人間社会は長い歴史になかで生まれたいろいろのルール,慣習,文化,倫理,風土が存在し,そのなかで進化するものである。合理主義によりその社会の秩序,慣習,ルール,文化,倫理が壊されると「全体主義」になるとハイエクは警告していた。マルクス主義や全体主義者は,人間の頭で,計画経済で理想的な経済社会をつくるとしたが,それはできなかった。

 アダム・スミスも,同じような警告をしていた。人間の社会の存続は,正義,誠実,貞操,忠誠の義務を守ることによって可能になる。スミスは,共感に基づく個人の倫理的選択と国益の名のもとになされる国民への道徳の要請が衝突した場合,ためらわずに後者が優先されるとした。良き意図さえあればいかなる人間の行為は倫理的に是認されるということではない。行為の結果次第では意図した倫理的判断を補正する必要がある。

 サッチャーはあるところで,市場原理主義の「グローバル化」はハイエクの本から学んだと言っていたが,ハイエクの教えを読み違えていたのだ。サッチャーは「社会などありはしない,あるのは個人だけだ」と言った。サッチャーは「イギリス病」を克服しようとして「グローバル化」に走り,イギリス経済を更に悪くした。アメリカのレーガン大統領は,ミルトン・フリードマンに「新自由主義」を吹き込まれた。フリードマンは,「新自由主義」により富裕層が増えれば「トリクルダウン」(富が国民大衆にも流れてくる)が起こると言ったが,トリクルダウンは実際には起こらなかった。富の格差が広がっただけだった。

 「合理性」と「効率」で押しすすめた「構造改革」は,ことごとく失敗した。橋本内閣の構造改革は失敗し,小泉の郵政民営化も失敗だった。人間社会の習慣,慣行,風土,文化という無数のルールを無視し,破壊すると,経済社会はおかしくなる。歴史を経た人間社会の慣行,習慣,風土といういろいろのルールを考慮に入れなければならない。単純に効率,合理性で社会を改革しようとすると失敗する。「コストカッター」と呼ばれた日産のゴーンは,効率,合理性だけで日産を動かし,日産を駄目にしてしまった。

 「グローバリズム」「市場原理主義」は目先利益を追求で動き,イノベーション投資はしない。「資本主義経済主義」は先のための投資をして,経済活動を拡大発展させるものである。つまり「市場原理主義」でも「保護原理主義」ではない,「資本主義的経済活動」をしなければならない,これをハイエクは教えていた。

 シュンペーターは「家族」というものを重要視していた。自分の寿命より先のことを考えるものとして子供や孫という存在がある。将来に対しての投資はそこから出る。グローバル化で核家族や家族を解体していくと資本主義は死ぬと言った。

 今日の日本は,二宮尊徳の言葉「経済なき道徳は戯言であり,道徳なき経済は犯罪である」という状態にある。今の政府は犯罪を犯していると二宮尊徳は言う。

アメリカの日本に対する「サイレント・インベージョン」
 アメリカがグローバル戦略で,戦後すぐ日本を攻撃したのは,日本の食習慣を変え,アメリカの小麦と牛肉と大豆を日本に押し込んだことである。それで日本の麦作農業も稲作農業も大豆農業も衰退させた。アメリカのモンサント社の種子と農薬を日本に押し込み,アメリカは日本の農業に必要な種子と農薬を握ってしまった。輸入農薬の規制緩和をさせ,アメリカは日本にアメリカの農薬を売る。日本に輸入されている小麦の70%がこのグリホサート農薬が含まれている。ヨーロッパはこの農薬を使用禁止にしている。

 アメリカはハゲタカファンドを日本に入れて,日本の資産をどんどん収奪している。アメリカ政府は,「司法省産業」で,いろいろの言いがかりをつけて,他国から金を巻き上げる。トヨタやタカタなどの日本産業から膨大な金を巻き上げ,日本企業から談合嫌疑で,罰金を取っている。IMFを使ったり,国連を使ったり,通商条約スーパー301条を使ったり,「ワシントン・コンセンサス」で日本にいろいろの制裁をかけている。

 1966年アメリカは日本にアメリカのために国債を発行せよと強要した。そして日本には金融商品を作ることを禁じ,アメリカの金融商品のブローカーになることを強要した。こうしてアメリカは日本を金融でコントロールしている。

 日米半導体貿易交渉で,アメリカは,アメリカ製の半導体を日本に無理やり押し込んだが,アメリカ半導体の品質が悪く,最終的には押し込めなかった。だがアメリカも日本も半導体産業を潰してしまった。今アメリカは大型ギャンブルビジネスを日本に押し込もうとしている。

 アメリカは,日本人のアメリカ留学組を育て,「引き込み屋」として使い,日本に「新自由主義」「グローバル化」を押し付けてきた。アメリカでMBAを取った日本人がアメリカの「コーポレートガバナンス」を押し付けて,日本企業を弱体化し,「日本的経営」を壊してしまった。アメリカ国際金融資本の引き込み屋という日本人の手先がいる。これがアメリカの金融資本が日本の富を収奪するのを手引きしている。

 トランプが反対していたものを,日本はグローバル化という「TPP」を更に進め,「関税の撤廃」,「関税手続きの簡素化」,「サービス業の自由な活動」をして,輸出を伸ばそうとしている。しかし,これは相手国の市場を取ることであり,輸出ドライブをかけることであるので,又国際紛争が起こる。世界的な経済の長期停滞の今は,輸出ドライブをかけるのではなく,各国が内需を拡大することに努力しなければならない。

利権屋というレントシーカーの群れ
 安倍内閣は,国の財産,税金をかすめ取る「レントシーカー」(国の規制を変更させて,国の財産・税金を奪い取るもの)をたくさん作ってしまった(森友学園,加計学園のように)。国の政治のなかでは,国家の財産,税金を横取りする「レントシーカー」が出てくる。白アリのようなものか,コヨーテのような獰猛なものか,いろいろ形を変えて現れてくる。

 「持続化給付金」に食らいついた「デザインサービス協議会」,「電通」,「パソナ」などの「中抜きグループ」が現れた。「GoToキャンペーン」,「GoToイートキャンペーン」には「ツーリズム産業共同指定体」,「全国旅行業協会」などが入ってきている。「大学入試改革委員会」にTOEFL,IELTS,ベネッセなどのレントシンカーが入っている。問題は,政府や官僚がレントシーカーとグルになり,カネを山分けすることである。東日本大震災の復興事業にも大手ゼネコンなどのレントシーカーが食い入り,下請け業者に裏金を作らせ,ゼネコン幹部に現金提供し,それが政治献金にもなった。

 「未来投資審議会」,「有識者会議」,「規制緩和会議」,「公務員制度改革委員会」などに「レントシーカー」が入り込んで,政府の規制を変えさせて,そこで金をむしり取る。こうした会議には,利害関係のない中立の識者が入らなければならない。「政府のコストを下げさせてあげますよ」と提案し,公務員の人員を削減させ,その仕事を丸ごと請け負って儲ける。「なんでも民営化」で公共事業・サービスを外国企業に売り渡すための「引き込み屋」がいる。これも外国企業からその分け前をもらう。

 イギリスのサッチャーは,グローバル化で規制を撤廃して「利益団体」というレントシーカーを退治し,中国の習近平は,国から金をくすねた者を摘発し,投獄した。しかし日本政府はどんどんレントシーカーを育てている。日本ではレントシーカーから分け前を獲る「奉行所」の悪役人がいるようだ。

http://www.world-economic-review.jp/impact/article2023.html
2:777 :

2022/08/31 (Wed) 05:32:30

ハイエク: 政府から通貨発行の独占権を剥奪せよ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/12051

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


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【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ~経済学を変えた世紀の対決
https://www.youtube.com/watch?v=K3uZHzdi9Jk
https://www.youtube.com/watch?v=cOaxStGHQD8

【ゆっくり解説】ハイエクvsケインズ・完結編~経済学を変えた世紀の対決~ケインズの遺したスタグフレーション
https://www.youtube.com/watch?v=lEe7KCshrec


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金融緩和するとデフレになる理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14038579

倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14033162

1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035981

MMTは機能しない!超緊縮論を唱える元大蔵官僚 野口悠紀雄
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035472


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ケインズは間違っている _ 何故公共事業が長期的には失業を生むか
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1453.html

重商主義の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1530.html

アダムスミス『国富論』の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/917.html

リカード、マルサスの古典派経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/914.html

ハイエク、フリードマンのマネタリズムの世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/913.html

マルクスの貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1119.html

マルクス経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/915.html

新古典派経済学の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1531.html

信用貨幣論に基づく信用創造
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/919.html

商品貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1751.html

信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1750.html

現代貨幣理論(MMT)が採用している国定信用貨幣論
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1749.html

新自由主義の世界
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/916.html

3:777 :

2022/08/31 (Wed) 05:35:38

インフレは価格の話ではない

そもそもインフレとは何かという話から始めよう。インフレとは物価が上がることであり、何故物価が上がるかと言えば、物資を必要としている人が多いにもかかわらず、物資の供給が少ないため、取り合いになって価格が上昇してしまう現象のことである。

何故物資が取り合いになったかと言えば、コロナ後に世界中の政府が現金をばら撒いたからである。大量に現金をばら撒けば、人々はそれを使って本来必要でないものまで買い漁るだろう。何故それが分からなかったのか。


世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/19942


ここでもう一度思い出してほしいのが、恐らく史上最高の経済学者であるフリードリヒ・フォン・ハイエク氏(断固としてケインズ氏ではないことをここの読者には書いておきたい)が50年前に考えていたことである。以下の記事に纏めたことだが、もう一度引用してみよう。

インフレが制御不能になれば政府は価格統制を始める
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11964

ハイエク氏は彼の

『貨幣論集』
https://www.amazon.co.jp/%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E5%85%A8%E9%9B%86-%E7%AC%AC2%E6%9C%9F-%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF/dp/4393621921?__mk_ja_JP=%E3%82%AB%E3%82%BF%E3%82%AB%E3%83%8A&crid=O7G5HVAW3DAM&keywords=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86&qid=1661337892&sprefix=%E3%83%8F%E3%82%A4%E3%82%A8%E3%82%AF%E8%B2%A8%E5%B9%A3%E8%AB%96%E9%9B%86,aps,199&sr=8-1&linkCode=sl1&tag=globalmacrore-22&linkId=9cb0a52542e614c2fb6ef00f865b008a&language=ja_JP&ref_=as_li_ss_tl


において次のように書いている。

あらゆる世代の経済学者は政府が貨幣の量を素早く増加させることによって短期的には政府は失業のような経済的害悪から人々を救済する力を持っていると主張し続けてきた。残念ながらこれは短期的に正しいに過ぎない。

何故か。ここの読者には何度も書いた話だが、例えば中央銀行が市場から債券を買い入れる量的緩和政策は、それがなければ倒産してしまっていたであろう企業に融資を与え、政府が意図的に救済することに等しいからである。

本来、人々に求められない商品を作る企業は倒産する。しかし政府が資金を流し込めば、本来潰れるはずの企業が生き残る。ゾンビ企業の誕生である。

延命されたゾンビ企業はどうなるか。社会のリソースを浪費し、人々に求められない商品を作り続ける。その結果は何か。誰もその商品を買わず、値下げを余儀なくされる。長期デフレトレンドの誕生である。

だから金融緩和は短期的にはインフレ的に働くが、長期的にはデフレを引き起こす。インフレとデフレを行き来しながら、ゾンビ企業の作った商品で溢れる経済の成長率は静かに沈んでゆく。著名ファンドマネージャーのスタンレー・ドラッケンミラーが以前言っていたことである。

ドラッケンミラー氏: 金融緩和こそがデフレの元凶
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/7103


デフレとインフレの狭間で

さて、そうこうしている内に景気停滞は深刻となる。それは普段は表に見えていないが、例えばコロナなどの大災害が起こったときに、経済は思っているより弱いのだということに人々は気付かされる。

そのような状況で政治家はいつもの方法を行うだろう。紙幣印刷である。そうして物価高騰が巻き起こる。これまでは耐えられたインフレとデフレの波が、耐え難いほどの荒波に変わってゆく。

サマーズ氏: 現在のアメリカの物価高騰はインフレ第1波に過ぎない
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/24285


「インフレが起こらなければ紙幣印刷をしても大丈夫だ」というのが彼らのスローガンだった。ではインフレが起こったら彼らはどうするか。天才ハイエク氏はそれも予想しこう書いている。

周知の通り、インフレは経済や市場の秩序が破壊されるまで続く。しかしわたしにはより悪い可能性のほうがありうるように思われる。

政府は物価高騰を止めることができない。しかしこれまでもそうだったように、物価高騰の目に見える効果だけは抑えたいと考える。物価高騰が続き、価格のコントロールが行われるようになり、それは究極的には経済制度全体を管理するところにまでいたる。

これが1977年にハイエク氏が書いた文章だということが信じられるだろうか。今の政治家たちは彼の予想をほとんどそのままなぞっている。

そして価格統制をハイエク氏が「より悪い可能性」と呼ぶのは何故か。

価格統制を行えば、価格は上げようがない。実際には物不足が酷くなればブラックマーケットでものが売られることになるのだが、経済学者であれば誰でも、価格統制が考えうるもっとも愚かなインフレ対策であることを知っている。

何故ならば、物不足で価格が上がるという市場原理には意味があるからである。価格が上がれば、より高いコストを払ってでもものを生産しようとする企業が現れる。価格が変わらなければ、その価格で売ることの出来る企業は既にものを作っているのだから、経済全体の生産量は変わらないだろう。

価格が上がるからこそ生産量が徐々に増えてゆくのである。価格統制は生産量増加を止めてしまう。そして確かにスーパーでものが高値で売られることは無くなるが、生産量が増えることはなく、そもそもスーパーからものが無くなってしまうだろう。

インフレの本質は価格の話ではなく物不足である。政治家は馬鹿だからそれが分からない。

結論

それがインフレ対策としての価格統制の効能である。政治というものはどの国も大体駄目だが、フランスは特に酷いインフレ対策を行なっていると感じる。

フランス、インフレ対策で現金給付へ
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/16682

EU、食料価格高騰の最中、代替食品としてトノサマバッタを推奨
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/27319


何故こうなってしまったのか。何故政治家はインフレをわざわざ引き起こし、しかもそれを悪化させるのか。

その答えもハイエク氏が50年前に書いている。

貨幣の量を増やすことは短期的には有効に見えるかもしれないが、長期的にはさらに大きな失業を引き起こす原因となる。これが事実である。しかし短期的に支持を獲得することが出来るならば、長期的な効果を気にかける政治家が果たして存在するだろうか。

何度も言うが、現代人はハイエク氏の言葉に耳を傾けるべきである。彼は天才である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/27412
4:777 :

2022/12/02 (Fri) 14:58:04


倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14033162

政府が救済する弱者と言うのは中小企業や零細経営者の事で、その会社の労働者は救済しない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14056768

紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎて理解できない
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ハイエク: コストプッシュ型インフレは政府の責任回避の言い訳に過ぎない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14068389

史上最高の経済学者ハイエクの警鐘
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14040247

インフレが起これば金融緩和が出来ないので、低金利で資産価格バブルの時代は終わる。
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景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
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日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
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金融緩和するとデフレになる理由
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倒産する企業はそのまま倒産させるのが正しい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14033162

1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035981

銀行のバランスシートと銀行破綻
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14037261

MMTは機能しない!超緊縮論を唱える元大蔵官僚 野口悠紀雄
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035472

財務省は社会保障関連費以外は三年間で1000億円しか増やせない仕組みを構築していた
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14019173

株価は長期金利と企業利益で決まる。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035593

株式投資は企業への投資ではない _ 外資が儲けたらそれと同額だけ日本が損する
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14008776

40年続いた米国株強気相場が崩壊する、米国株は30年上がらない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007513

アメリカの政策金利はこれから 5%以上に上がって世界恐慌を引き起こす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793

金融緩和するとデフレになる理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14038579

1万円銀行融資すればマネーサプライは1万円増える、財政支出はマネーサプライを増やす
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14035981

ついに始まる世界金融恐慌
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009793

40年間続いた「円高の時代」は既に2011年10月に「円安の時代」へとパラダイム・シフトしていた
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004475

量的引き締めのインフレ抑制効果は薄い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14041986

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」 という主張が完全に間違っている理由
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14042637

日銀が 2011年から500兆円も ばら撒いたので「超円安・輸入物価高の時代」に変わった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14010201
5:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/19 (Sun) 04:10:04

ガンドラック氏、シリコンバレー銀行破綻でインフレ悪化予想
2023年3月18日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34751#more-34751

引き続きDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のCNBCによるインタビューである。今回はFed(連邦準備制度)の金融政策について語っている部分を紹介したい。

中央銀行によるシリコンバレー銀行救済

シリコンバレー銀行の破綻はアメリカの歴史上2番目の規模の銀行破綻となった。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
上記の記事で説明したように、シリコンバレー銀行は端的に言えば預金者に預金を返せなくなったわけだが、バイデン大統領はほとんど躊躇なく預金者を救済すると決定した。

失くなった金はもうないのだが、中央銀行がどうにかするということである。

だがここで矛盾が生じる。これまでに何度も説明した通り、アメリカ経済はウクライナ情勢ではなくコロナ後の現金給付のお陰で物価が高騰している。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
だから今度はFedはばら撒かれた紙幣を回収するために去年から金融引き締め政策を行なってきた。それが去年からの株安を引き起こしている。

米国の量的引き締め、今月から2018年世界同時株安の時の2倍の規模に拡大 (2022/9/2)
しかし市場から資金を回収していたはずのFedが、シリコンバレー銀行の破綻でいつの間にか金を出す羽目になっているではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。

インフレ政策が戻ってきている。Fedは資金の貸出制度を通じて銀行システムに資金を注入している。去年の8月か9月からのパウエル議長のインフレ打倒の決意はもう何処かへ行ってしまったようだ。

ちなみにFedは1週間で3,000億ドルを貸し出したようだ。その内1,430億ドルはシリコンバレー銀行とその後続いて破綻したシグニチャー銀行に行ったようだが、残りが何処に行ったのかFedは公開していない。だが他にも資金を必要とした銀行があった(しかも破綻した2行が必要とした金額より多い)ことは確からしい。

ちなみにアメリカのGDPは26兆ドルなので、3,000億ドルは1%強にあたる。GDPの1%以上の資金が1週間で注ぎ込まれたわけである。

ガンドラック氏はバイデン政権のこの対応について次のように述べている。

これはインフレ政策だ。そしてそれはもしかすると短期的にリスク資産にプラスかもしれない。リスク資産はインフレ政策と中央銀行のバランスシート拡大が大好きだからだ。後者はもう長い間選択肢になかったものだ。

インフレ政策がもう帰ってきた

バイデン氏が預金者を保護すると躊躇なく言った時、嫌な予感がしたのは筆者だけではないはずだ。

何故ならば、政治家と中央銀行家が本当にインフレ退治をやるのかということがずっと筆者や著名投資家の疑問として残っていたからだ。経済学者ラリー・サマーズ氏や投資家のスタンレー・ドラッケンミラー氏はそれを疑っていた。

ドラッケンミラー氏: 経済が強い時に引き締めを続けるのは簡単だが
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
インフレ退治は対価を伴う。1970年代の物価高騰では、当時のボルカー議長がインフレ退治のために高金利を徹底して継続した結果、経済は落ち込み巷には失業者が溢れた。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る
それこそがインフレを引き起こしてはならない理由である。紙幣ばら撒きで一時的に利益を得たような気分になることに対して後で払う代償が大きすぎる。その代償とは物価高騰と大量失業である。

パウエル議長は言葉の上では「どんな代償を払ってもインフレ退治をやる」と繰り返してきた。だが銀行が1つ潰れただけでFedの行動は既に彼の言葉の反対に行っている。

しかし以下の記事で解説したように、シリコンバレー銀行は氷山の一角に過ぎない。

シリコンバレー銀行の決算書から破綻の理由を解説する
世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
これから同じようなことがいくらでも起きるが、パウエル氏はどうするのか。

Fedは緩和に転じるのか

この状況は、あわよくば利上げをしてもソフトランディングになるのではないかと希望的観測をしてきたパウエル議長に打撃となっているはずだ。ガンドラック氏は次のように言う。

この状況はパウエル議長の計画をかなり狂わせている。インフレ打倒は一時停止となっている。

何度も言うように、金融引き締めを舐めてはならない。インフレを退治して経済を殺すか、退治せずに物価が青天井を突き抜けるか、どちらかである。

2023年の株価予想: 米国株と日本株の空売りを開始、ソフトランディングは有り得ない
だからシリコンバレー銀行の破綻くらいで一々救済しなければならないようでは、完全に先が思いやられる。以下の記事で説明した通り、2023年の倒産の連鎖は始まったばかりだからである。

ポールソン氏の2023年株価予想: 倒産が急増し株価は下落する
結論

少し前まで投資家は、経済が弱まってもパウエル氏がインフレ退治をやり切るのか疑問に思っていた。だが今回の件で半ば答えは出たのではないか。ガンドラック氏は次のように言っている。

景気後退に逆らって緩和をしたいが金がない場合、インフレ政策を行うしかない。

何も倒産させないインフレ政策は政治的に一番簡単な解決策だ。

だがリーマンショック以降、経済救済のために必要な金はどんどん増えており、しかも紙幣印刷の副作用は増え続けている。遂にインフレが起こった。次はどうなるのか。

ガンドラック氏は次のように続ける。

これまで景気後退の度にあらゆる救済を行なってきた。 2008年には銀行システム全体を救済する必要があった。今回は中央銀行を救済する必要があるかもしれない。

2023年のアメリカ経済は景気後退に陥る。そうして政府と中央銀行はまた金をばら撒くのだろうか。だが金をばら撒いたから今のインフレ危機が起きているのではないのか。

ポールソン氏: 量的緩和がインフレを引き起こした
こうして問題は経済危機を経る度に雪だるま式に肥大化し、人々は最初から分かりきっているインフレの地獄に自分から入ってゆく。

よほど居心地が良いのだろう。入りたい人は入って行けば良い。インフレを願う人にはインフレが降ってくるのである。良かったではないか。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/34751#more-34751
6:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/03/21 (Tue) 15:51:54

「アメリカの資本主義は富有階級の独裁政治にすぎない」…新自由主義の危うさに気づいた田中清玄が仕掛けた異色の対談
徳本 栄一郎 によるストーリー
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E5%AF%8C%E6%9C%89%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E3%81%AE%E7%8B%AC%E8%A3%81%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%AB%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%8D%B1%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%AB%E6%B0%97%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%B8%85%E7%8E%84%E3%81%8C%E4%BB%95%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%9F%E7%95%B0%E8%89%B2%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%AB%87/ar-AA18SuTH?ocid=Peregrine&cvid=8e59a15547da412ebd76a456c9082306&ei=44


「真の自由主義者は暴力を黙視しない」…東西冷戦の真っただ中、田中清玄が魅せられた“孤高のノーベル経済学者”ハイエク から続く

「京都の山はまろまろしゅうて、やさしいですやろ。ヨーロッパでは、山がとげとげしゅうてあきまへんなあ」

 顔を合わせるなり、今西錦司はハイエクに、こう語りかけたという。それは、史上最も奇妙な対談の一つだったに違いない。二人も、なぜ自分がそこへ呼ばれたか、呑み込めてなかったのではないか。分野も違い、普段は相まみえることもないだろう。


 京都の妙心寺は、臨済宗妙心寺派の大本山である。創建から600年以上、敷石が広がる境内には、静寂な空気が漂う。この日、1978年9月25日、その庭を望む部屋で、彼らは向かい合った。

 この時、フリードリヒ・フォン・ハイエクは70代後半、4年前にノーベル経済学賞を受賞し、世界を回る日々が続いた。戦前から社会主義を批判し、独自の自由主義を唱え、その学説は、各国の市場重視路線を支えた。

 そして、相手は同年代の今西、スリムな体格で、正面から見据える目差しが古武士を思わせた。京都生まれで、ニホンザルなどの研究で知られる生物学者である。種の変化は、共存による「棲み分け」から始まるという進化論を唱えた。

 片や、自由主義経済の思想的基盤を作った経済学者、片や、独自の進化論を唱える生物学者、この奇想天外な対談を仕掛けたのが、田中清玄だった。

田中の狙いはどこにあったのだろうか
  前回 述べたように、田中は、1960年代、ハイエクが不遇な時から、物心両面で支援してきた。ノーベル賞授賞の晩餐会では、友人として日本から、唯一、メインテーブルに招かれた。そして、そのハイエクが、田中の依頼で、今西と対談するため来日したのだった。

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 今西は、1902年、京都の西陣有数の織元「錦屋」の長男に生まれた。実家は、奉公人を含め、30人もの大所帯で、何不自由のない少年時代を過ごした。小さい頃から昆虫採集が好きで、京都帝国大学の農学部に進む。戦後は、京大の教授を務めるが、登山家でもあり、ヒマラヤなどへ調査隊を率いた。

 そして、有名なのが、自宅近くの鴨川で、水生昆虫カゲロウを観察し、「棲み分け」理論を唱えたことだ。数種類のカゲロウは、川の中でばらばらにいるのでなく、流れの遅い川岸から速い流心へ、秩序を持って分布していた。

 これが、異なる環境に、生物が住む場所を分かち合う「棲み分け」理論につながる。そして、自然淘汰、適者生存を用いた英国の科学者、ダーウィンの進化論を批判するようになった。今西本人の弁は、こうだ。

「この地上に生物の種類がいくらあろうとも、それらはみな種ごとにそれぞれ自分に最も適した生活の場というものを持っていて、その場所に関するかぎりは、その種がそこの主人公なのである。言い換えるならば生物の種類がいくらあろうとも、それらはそれぞれにこの地上を棲み分けている。進化とは、この棲み分けの密度が高くなることである。このように種と種は棲み分けを通して共存している。しかるに種と種が抗争することによってこの棲み分けを破壊するようなことが許されてよいものだろうか」(「私の履歴書」)

 つまり、競争原理を軸とするダーウィンに対し、今西は、共存原理に立つと言える。それを、ハイエクの自由主義理論にぶつけるのが、田中の狙いだった。

 田中は、1980年と81年にもハイエクを招き、今西と対談させた。また、中央公論社から出版された今西の著書「ダーウィン論」を英訳させ、届けている。私財を投じてでも、そこまで二人の対話に拘る。周囲も困惑したが、その意図を知る鍵、それは同時期、欧米で起きていた「革命」にあった。

サッチャーが登場し、ヨーロッパで起きていた大きな社会変動とは
 ハイエクから遅れること2年、1976年のノーベル経済学賞を、シカゴ大学教授のミルトン・フリードマンが受賞した。フリードマンは、ハイエクが会長を務めた自由主義者の団体、モンペルラン協会の会員で、「シカゴ学派」の中心だ。その哲学は自由放任、市場重視で、政府の介入への抵抗だった。

 資本主義の歴史を俯瞰したダニエル・ヤーギンとジョゼフ・スタニスローは、共著「市場対国家」で、シカゴ学派の思想をこう紹介した。

「市場は信頼でき、競争の有効性は信頼できる。市場に任せておけば、最高の結果が生まれる。資源配分の仕組みとしては、価格がもっとも優れている。市場に任せておけば達成される点に介入してその結果を変えようとするのは、非生産的である。このように考えるシカゴ学派にとって、政府の政策に関していえる点はあきらかである。可能な限り、政府の活動を民間の活動に置き換えていくべきなのだ。政府は小さいほどいい」

 その後も、シカゴ学派の学者が、続々とノーベル賞を受賞していく。それを、如実に反映したのが、英国だった。

 戦後、英国は「ゆりかごから墓場まで」という福祉国家になるが、国際競争力も低下し、社会が沈滞した。そこへ、思い切った民営化と規制緩和を断行したのが、英国初の女性宰相マーガレット・サッチャーだった。学生時代からハイエクの著作を読み、その社会主義批判に感銘を受けたという。

 そして、サッチャー政権の幹部は、積極的に国民にメッセージを発していく。

「戦後に取られてきた経済政策は、全て誤っていた」

「責任を負い、リスクを取り、金を儲ける人たちは、社会の役に立つ」

「英国には、大金持ちがもっと必要で、倒産ももっと必要である」

 自己責任、市場原理、小さな政府……それまで耳にしなかった言葉が広まり、社会の秩序を変えた。まさに、「サッチャー革命」と言ってよかった。

 また、1980年代、米国のロナルド・レーガン大統領も、規制緩和と市場を重視する政策「レーガノミクス」を打ち出す。やがて、これらは、「新自由主義」として各国へ連鎖していった。後の日本の小泉、安倍政権の改革も、その延長線上にある。

 本来、これらを最も歓迎していいのは、田中だったはずだ。20年以上前から、ハイエクの正しさを信じ、不遇の時も寄り添い、経済的支援もした。それが、ノーベル賞を機に、やっと認められた。しかも、サッチャーやレーガンなど大物政治家が後押ししている。

 ところが、そうした風潮に、一歩距離を置いて見ていたようだ。

田中が抱いていた“懸念”
 戦後、右翼の黒幕として、血みどろの反共活動をした田中だが、その彼も、資本主義が完璧などと思ってなかった。ある思想を絶対と盲信すれば、いつか、必ずしっぺ返しを食らう。共産主義と同じだ。そして、行き過ぎた資本主義、歪な利益偏重、格差の拡大を激烈に批判したのだった。

 前回触れたように、1973年の中東戦争と石油危機は、世界で猛烈なインフレを引き起こす。その際、日本の大企業は、続々と便乗値上げに走り、大きな社会問題になった。特にひどいのが石油会社で、田中は、経済誌にこう寄稿した。

「石油問題なども現地に行って調査すれば、日本に何万トン納入して、日本がどのくらい備蓄しているかといったことがわかるはず。それをせずに石油会社は売りびかえる。価格が上がる。上がった段階で、以前に安く購入した石油を売り出す。高いものを押しつけられ泣くのは国民だ。聞くところによると石油会社にはもうけすぎて臨時配当をするというところがあるらしいが、これが企業の社会的責任かね。

 中山素平さん(日本興業銀行相談役)もたまりかねて、『大企業値上げ自粛』を提唱した。このとき日産自動車会長の川又克二氏がなんと答えたと思う?『値上げしなければ株主に対して責任がもてない』とうそぶいたのだ。それでは国民に対する責任はどうなのか。それとも日産自動車は国民なくして存在できるというのか。株主だけでやれるならやってみたらいい」

「それが資本主義の原則なら、私は資本主義を否定する」(「財界」1974年3月1日号)

 1987年、日本がバブル景気に踊った頃は、ある講演で訴えた。

「私は儲けのために仕事をやらなかったし、儲けることは大事だが、国のためになる事業、つまり食糧増産、エネルギー、それに限ってやってきた。土地問題に手をつけなかった。土地を値上がりさせて儲けて何になる。自分はいいかしらんが、うちも持てない人も出てくるし、土地は投機の対象じゃないですよ」

「日本は儲けのために狂奔する。俺は会社のためにやるんだ、儲けなきゃいかん、と言う。しかし、もっと大事なものがあるんじゃないか。国のためになってるか、その前に社会のためになってるか考えたことあるか。まず考えたことないですね。だから、価値観念、根底から違っている」

「自由主義経済のために世界全体を戦火に巻き込んでいいはずがない」
 そして、最晩年、イラクのクウェート侵攻で、米軍主体の多国籍軍が編成され、湾岸戦争が起きた。この時の田中の発言は、こうだ。

「アメリカ人は自由主義経済を守るためとか、いろいろな『理念』を口にしているが、たかが自由主義経済のために世界全体を戦火に巻き込んでいいはずがない。そもそも自由主義経済は本当に行われているのか。その実態は民主主義、自由主義の装いをした富有階級の独裁政治にすぎない」(「経済往来」1991年3月号)

 シカゴ学派の影響を受けた経済学者は、世界に新自由主義を広めた。その哲学は、徹底した効率、市場重視で、国営企業の民営化、規制緩和が行われた。市場は信頼でき、競争に任せれば、最高の結果が得られる。自分たちは、間違っていない。そんな単純な楽観論が満ちていた。

 だが、やがて負の側面も現れ始める。民営化は、各国で首切りや公共料金の値上げを生み、医療や教育など社会基盤を弱体化させた。また、ごく一部の富裕層が富を独占して、貧困は拡大、深刻な格差が問題になった。

 当然、反発も起きる。かくして、各地で、反市場原理主義のデモ、暴動が起き、余りの格差に、社会主義に魅かれる若者も増えた。さらに大量生産・大量消費の資本主義が、地球環境を破壊するとの声も高まっている。

 こうした新自由主義の危うさを、田中は予見したようだ。シカゴ学派は、たしかに経済を活性化し、成長を生んだ。だが、各国は独自の歴史や文化、いくつもの種類の経済が息づいている。そこへ米国の生物、いや資本主義を押しつけていいのか。無用の抗争や混乱を生むだけではないか。

 ここで、「棲み分け」を唱えた今西とハイエクの対談が、特別な意味を帯びる。

二人の対談が今を生きる私たちに残したことは……
「わたしはこうした今西理論の背後には、アジア独特の自然観、宗教観などに代表される東洋文明が色濃く反映していると思っている。学問領域の違いはあっても、今西さんのような東洋の学問と、西洋文明を極め尽くし、西洋合理主義の限界もよくご存知で、東洋文明にも比較的理解のあるハイエク教授なら、十分に対話は成立し、混迷する人類の危機を救うための端緒がつかめるのではないかと思ったのですが、そうはいかなかった」(「田中清玄自伝」)

 実現に奔走した京都での対談は、残念ながら全く噛み合わなかったという。二人の話題は、東西文明論から市場経済へ広がったが、ハイエクは、最後まで今西理論を完全には理解できなかったようだ。だが、田中は、落胆していなかった。

「しかし、私はお二人の対話が噛み合わなかったことこそ、今日もっと検証されるべきではないかと思っているんです。なぜなら、東西両文明の相互理解と融合こそ、人類社会が直面している危機を乗り越えるために、今もなお最も緊急の課題だと思うからです」(同書)

 田中が亡くなってから、今年で30年を迎える。その間、金融危機やコロナ禍を経て、世界各地で、行き過ぎた資本主義を見直す動きが出ている。

 わが国もようやく、岸田政権が「新しい資本主義」の議論を始めた。これまでの新自由主義的な政策を改め、「成長と分配の好循環」を目指すという。だが、単に規制や税制をいじるだけでは、小手先の話だ。過去数十年、世界を席巻した新自由主義の功罪、それを乗り越え、一体、どんな日本と世界をめざすか。この根底からの問いに答えねばならない。

 かつて田中が仕掛けた今西・ハイエク対談は、その一つの道標になるだろう。

(徳本 栄一郎)
https://www.msn.com/ja-jp/news/national/%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%81%AE%E8%B3%87%E6%9C%AC%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AF%E5%AF%8C%E6%9C%89%E9%9A%8E%E7%B4%9A%E3%81%AE%E7%8B%AC%E8%A3%81%E6%94%BF%E6%B2%BB%E3%81%AB%E3%81%99%E3%81%8E%E3%81%AA%E3%81%84-%E6%96%B0%E8%87%AA%E7%94%B1%E4%B8%BB%E7%BE%A9%E3%81%AE%E5%8D%B1%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%AB%E6%B0%97%E3%81%A5%E3%81%84%E3%81%9F%E7%94%B0%E4%B8%AD%E6%B8%85%E7%8E%84%E3%81%8C%E4%BB%95%E6%8E%9B%E3%81%91%E3%81%9F%E7%95%B0%E8%89%B2%E3%81%AE%E5%AF%BE%E8%AB%87/ar-AA18SuTH?ocid=Peregrine&cvid=8e59a15547da412ebd76a456c9082306&ei=44
7:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/08 (Sat) 11:31:01

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
2023年4月7日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564

世界的なインフレが問題となっているなかで、いくつかの国ではいまだに補助金や現金給付といった政策が人気である。

このことについて20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』から彼の意見を取り上げよう。

紙幣印刷政策

リーマンショック以後、世界中の中央銀行が量的緩和政策、つまりは紙幣印刷によって金利を下げ、自国通貨の価値を下げる政策を行ってきた。

ハイエク氏は紙幣印刷政策について次のように述べている。

貸付のための紙幣を印刷することで人為的に貸付用の資金を安価にすることは、貸付先を助けるだけなく、他の人々を犠牲にすることによってではあるが、経済活動全体を少しの間刺激する。

一方でそうした紙幣発行が市場の操縦メカニズムを破壊する効果を持つことは理解されにくい。

そうして2008年以降、紙幣印刷と低金利政策が行われ続けた。それはインフレを目指すという名目のもと行われていた。

当時の未開人たちはインフレが物価上昇を意味するということを知らなかったので、インフレ政策は多くの人々に歓迎された。だがインフレが何を意味するかは誰も理解していなかった。

そしてコロナ以後にはついに人々の口座に直接資金を放り込む現金給付まで行われた。そしてそれはついにインフレを引き起こした。2021年には既に始まっていた現在の物価高騰がウクライナ情勢とは無関係であることは、ここでは何度も説明している。

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そしてインフレになって初めて人々はインフレは物価上昇という意味だということを理解した。文明がようやく生じ始めたのだろうか。

いや、そうでもないらしい。何故ならば、インフレ対策に例えば日本政府が行っていることは、電気・ガスの購入支援や全国旅行支援などのインフレ政策だからである。

ハイエク氏は次のように続ける。

しかし商品の追加購入のためのそうした資金供給は商品の相対的な価格の構造を歪め、資源を持続不可能な経済活動へと引き込み、後に起こる不可避の反作用の原因となる。

例えば全国旅行支援は旅行者が殺到したことで宿泊料金の高騰を引き起こし、しかもホテル側は需要の急増に対応できずに既存の従業員を酷使して後の雇用に影響を与えている。

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既存の従業員を酷使しても一時的な需要のために従業員を増やしても後で問題が生じる。それが歪みである。

だが日本政府はそんなことを気にしたりはしない。インフレにインフレ政策で対応するような人々にそれだけの頭脳があるわけがないのである。

紙幣印刷の本当の意味

果たして未開人はいつ文明化されるのだろうか。インフレの原因は需要に対してものが不足していることであり、ものの不足を紙幣印刷で解決することはできない。レイ・ダリオ氏はインフレが起こる前に次のように述べていた。

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われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

世の中にあるものの量が同じであるとき、紙幣だけを増やして一部の人々に配れば、その効果は本来他の人々が買えたものをその一部の人々に与えることになるだけである。全体のパイは変わらないのだから、その人々に与えたものは本来他の人々の取り分である。

これは現金給付だけでなく紙幣印刷全般に言える。例えば量的緩和政策は中央銀行が債券を買い入れることで債券価格と株価を上昇させる政策だが、その結果は債券と株式を持っている人が他の人の取り分を奪いながらより多く消費できるようになることである。

これは若者から老人へと資金を転移させる政策の一部でもある。

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紙幣印刷という窃盗

ハイエク氏は次のように語っている。

特定の人々に自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。

だが世の中における一番の犯罪者は捕まらない。トランプ氏は口止め料を事業費として計上したことで捕まる可能性があるそうだが、オバマ政権下でウクライナ政府を自分の好きなようにしたバイデン氏や、虚偽の理由でイラクに戦争を仕掛けたブッシュ氏は捕まらない。

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そして実質的には明らかな窃盗である量的緩和や現金給付も、政府がそれを行えば政治家が捕まることはない。

ハイエク氏はこう述べている。

一般的な理解が不足しているために、紙幣発行の独占者による過剰発行という犯罪はいまだ許容されているだけではなく称賛さえされている。

ちなみに日本政府は窃盗を行うだけではなく、物価指数の計算を恣意的に変えることで自分のせいで起こっているインフレを隠蔽している。

日本政府の詐欺的な物価指数の計算方法がインフレを悪化させる
人々はどうするべきか。日本政府による窃盗の被害者になりたくなければ、経済と金融市場を知ることである。インフレは資産運用で回避できる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
ちなみにハイエク氏の『貨幣発行自由化論』 (『貨幣論集』に含まれている)は1976年の発行である。だがまさに今のために書かれたような内容となっている。

インフレの意味さえ知らずにインフレ政策を支持した未開の人々が居た一方で、現在の状況を50年前に予想していた天才も居る。
政府による窃盗を投資で避けられる人がいる一方で、喜んで自分から窃盗される人もいる。

「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由
すべてはその人次第である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/08 (Sat) 20:16:09

ハイエク氏: インフレを引き起こすインフレ政策を止めさせるには民間企業が通貨を発行すべき
2023年4月8日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579

20世紀最大のマクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』より、政府がインフレ政策によりインフレを引き起こすことを止めさせるためにはどうすれば良いかを語った部分を紹介したい。

現金給付の本当の意味

前回の記事では、政府による現金給付や補助金をいった政策がそれを受けられない人々からそれを受ける人々へと購買力を恣意的に移転させる政策であるということを説明した。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
インフレとは需要に対してものが不足している状態のことなので、そこに紙幣を印刷して配ったところでもの自体が増えるわけではなく、誰かが給付金で購入した商品は元々別の人が購入できるはずだったものである。そしてその別の人は給付金が引き起こしたインフレでものが買えなくなる。

事実、そうしたインフレが全国旅行支援によって日本の宿泊料金で起こっているのだから、その仕組みは経済が専門でない人々にも明らかだろう。だからこれを窃盗と呼ぶことは極めて適切である。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
実際、ここでは何度も説明しているように、現在の物価高騰はコロナ後に世界中で行われた現金給付がもたらしたものである。インフレは2021年から始まっており、2022年のウクライナ情勢はインフレとは無関係であることは何度も説明しておいた。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
結局のところ、インフレ政策とは政治家が大半の人々を犠牲にして票田にばら撒きを行うための政策であり、しかもインフレになれば積み上がった政府債務が戦後のドイツのように帳消しになるのだから、政治家にとっては良いことしかない。

事実、日本で(インフレが懸念されている今でさえ)行われている現金給付の対象が住民税非課税世帯に限られているのは、非課税世帯の多くを占める引退した高齢者の票を得るためである。だからそれは労働世代には回ってこない。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
インフレ政策を止めさせるために

ハイエク氏の『貨幣発行自由化論』は50年近く前の本であるにもかかわらず、その内容が今の政治家にも適用できるということは、政治家のやることはいつの時代も変わらないということである。

だからハイエク氏は利己的な政府に対して人々が自衛する方法も書いている。彼はばら撒き政策を窃盗と呼んだ上で次のように述べている。

通貨発行の独占者、特に政府によってこの犯罪が犯された場合、それは非常に儲かる犯罪となり、しかも紙幣印刷の帰結が理解されていないためにそれは一般に許容されており罰を受けないままとなっている。

何故そうなるか。まず前提条件として、歴史上これまで発行されたほとんどすべての通貨は発行者による減価によって長期的には価値が下落し最終的には無価値になってきた。これについてはレイ・ダリオ氏が研究している。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨
現在でも紙幣印刷を窃盗と同じものとして批判できる頭のある人々がほとんどいないために、紙幣印刷は政治家にとって捕まらない窃盗となっている。レイ・ダリオ氏が次のように言っていたことを思い出したい。

世界最大のヘッジファンド: 政府が金融危機から守ってくれると思うな
歴史を見れば明らかだが、政府が経済的に国民を守ってくれると信頼してはならない。実際は逆であり、ほとんどの政府はあなたが同じ立場だったらそうするであろう同じ理由で、貨幣と債務の創造者かつ使用者としての特権を乱用するだろう。

恐らくダリオ氏はハイエク氏の著作を読んでいると思う。

だから歴史上ほぼすべての通貨は長期的には減価する。そして金融の知識のある人間は、例えばゴールドなどを買うことで紙幣が紙切れになる(あるいは紙幣は元々紙切れである)ことによる被害を避けられるかもしれないが、ほとんどの人々は他に通貨の選択肢がないと思い込まされているため、政府による自国通貨の減価(これはインフレ政策と完全に同義である)によって資産を失ってしまう。日本でもアメリカでもインフレによって事実そうなっている。

通貨の民営化

他に通貨の選択肢がないと「思い込まされている」とはどういうことか? 今生きているすべての人は、通貨とは政府が発行するものだというバイアスを埋め込まれている。生まれた頃から法定通貨が普通の世の中に生きているからである。

だが歴史的にはこれは新しい概念である。現代の法定通貨の概念は、大英帝国がイングランド銀行に政府債務の肩代わりをさせる代償に通貨発行業務を独占させたことに端を発している。以下の記事で少し触れている。

南海泡沫事件: バブル経済の語源となった近世イギリスの株式バブルを振り返る
大英帝国の政治家たちは政府債務を中央銀行に押し付け、中央銀行に紙幣印刷させることで(暴落した紙幣の保有者の犠牲のもとに)積み上がった政府債務を解消できたので、この成功を見た他の国の政治家も同じことをやり始めたのである。読者も知っての通り、この方法は今でも各国政府によって実際に使われている。それが量的緩和である。

世界最大のヘッジファンド: ドルは既に紙くずになっている
政府の通貨独占を止めさせる

さて、国民はどうすれば良いか。勘の良い読者は気づいたかもしれないが、この話のポイントは政府が通貨発行をまず独占しなければならなかったということである。

何故政府は通貨発行を独占しなければならなかったか。他に使われている通貨があれば、少しでも法定通貨の価値が下がり始めると、多くの人が他のより堅調な通貨に移ろうとしただろうからである。

現在の話に照らして言えば、もし人々が法定通貨を含む複数の通貨を日常的に使っていれば、現在のインフレは物価の上昇ではなく法定通貨の下落ということになるだろう。そして法定通貨以外の通貨で見た物価は影響を受けない。

分かるだろうか。だからハイエク氏は、イングランド銀行以前にそうだったように、民間企業の通貨発行の権利を復活させることを主張している。元々紙幣とは、銀行にゴールドなどを預けていた預かり証だった。法定通貨もそうだった。だが政府が預かっていたゴールドを勝手に使ってしまい返せなくなった。それが金本位制の廃止である。アメリカではこの出来事はニクソンショックと呼ばれる。

レイ・ダリオ氏、「現金がゴミ」になったニクソンショックの経験を語る
通貨発行業務を独占した政府はやりたい放題である。だが様々な企業が通貨を発行するようになれば、その企業は自分の利益の源泉である自分の通貨の価値を守ろうとするだろうとハイエク氏は言う。彼は次のように述べている。

通貨の発行者同士が競争しなければならない場合、発行者にとって自分の通貨の減価は自殺行為になるだろう。人々がその通貨を使いたいと思っていた理由そのものを破壊してしまうからである。

結論

こうした最近の試みは、言うまでもなく暗号通貨だろう。中央銀行が緩和に転換すれば暗号通貨が暴騰すると見ているファンドマネージャーもいる。

チューダー・ジョーンズ氏: 利上げ停止でインフレ相場再開、ビットコイン暴騰へ
暗号通貨には実質的価値は何もない。だが法定の紙幣にも本質的には紙以上の価値などないのである。「政府が価値を保証している」と馬鹿げたことを言う人もいるが、政府は実際に通貨の価値を意図的に薄めている。それが金融緩和である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
ハイエク氏は通貨の発行者はそのサービス提供の然るべき対価を受け取るべきだと言っている。だがその業務を誰かが独占するとき、その利益は国民の大部分の資産をインフレで食い潰すほどに過剰になる。

それがハイエク氏の論点である。 いずれにしても、ハイエク氏の著書やダリオ氏の考察などから歴史を学ぶことで自分の生きている時代のバイアスを取り払うことは読者にとって助けになるだろう。別に通貨は政府だけが発行すべきものではないし、紙幣も暗号通貨も本質的には等しく無価値である。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の基軸通貨ポンドはいかに暴落したか
世界最大のヘッジファンド: 量的緩和で暴落した世界初の基軸通貨


頭を柔らかくしてから今のインフレとその原因である紙幣印刷をもう一度考えてもらいたい。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35579
9:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/26 (Wed) 08:43:15

世界最大のヘッジファンド: 豊かな国ほど借金まみれになる理由
2023年4月25日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がImpact Theoryのインタビューで、先進国がほとんど例外なく多額の負債を抱えている状況について解説している。

先進国の膨張する債務

奇妙なことだが、先進国の政府債務残高は軒並み高い。日本もアメリカもそうである。世界的には裕福であるはずの先進国が、例えばそれよりも貧しいはずの東南アジアやアフリカの国々よりも借金が多いのはどういうことか。

ダリオ氏は次のように問題提起している。

人々や社会が裕福になればなるほど負債を増やすようになることは興味深いことだ。これは逆説的だ。

100%や200%というGDP比の政府債務に慣れてしまった現代人は疑問に思わないかもしれないが、よく考えてみればほとんどすべての先進国の政府債務が軒並み高くなっているのは偶然でも当たり前の減少でもなく、何か隠された共通の原因があるはずだ。

個人のレベルで考えてみれば、富裕層が貧困層から借金をするという状況は考えられない。だが政府のレベルでは逆のことが起きている。

ダリオ氏は次のように指摘する。

アメリカが中国からお金を借りるようになったとき、アメリカ人の個人所得は中国人の40倍だった。そしてアメリカは中国からお金を借り始めた。

何故このようなことが起きるのか本当に不思議に思う。

ダリオ氏の仮説

それは何故だろうか。ダリオ氏は次のように仮説を立てる。

これは心理学的なものだ。お金がない人がお金を手に入れるとお金を貯めたいと思う。そして貯金とは誰かにお金を貸すことを意味する。

そして皮肉にも、よりお金を持つようになればお金が借りやすくなり、その人や社会や政府はより多くの負債を抱えるようになる。

裕福な人間の方が借金をしやすいというのは事実だろう。実際、富裕層は借金を自由に利用して投資を行なったり、節税対策をしたりする。

だがそれでも富裕層には資産があり、資産の総額を超えるような借金をすることはない。だが先進国の政府は資産がほとんどないにもかかわらず、借金だけを増やし続ける。

つまり、裕福な国の政府と、裕福な人間では別の行動をしている。ダリオ氏の仮説ではこの違いを説明できない。

国の一生

人間には一生がある。生まれてきて、学校に通い始め、卒業して労働するようになり、やがて肉体や知性が衰えて引退し、死んでゆく。

このように国にも一生がある。それがダリオ氏の言うスーパーサイクルである。

最初は小国であったものが、技術革新や人口増加によって徐々に豊かになり、成熟してゆくにつれて経済成長率が落ち始める。日本で言えば高度経済成長からバブル崩壊後だろうか。

そしてその頃から徐々に借金と紙幣印刷に頼るようになる。力が落ちてゆくのでそうならざるを得ないのである。ダリオ氏によればそれはサイクルであり、ほとんどの国が例外なくそのようになる。

そして最後には人が死ぬように、借金と紙幣印刷により物価が高騰して滅んでゆく。

少なくともそれが大英帝国やオランダ海洋帝国など、かつての大国に起こったことである。

世界最大のヘッジファンド: 大英帝国の繁栄と衰退
世界最大のヘッジファンド: オランダ海洋帝国が繁栄した理由
そしてこのサイクルを見れば、アメリカは衰退のフェイズに足を踏み入れかけている。だからインフレが起こったのである。

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は世界経済全体に波及して物価高騰か倒産危機で終わる
国が借金を増やす理由

だがそもそも何故政府は借金を増やせるのか。人間であれば、資産がほとんどないのにGDPの200%以上の債務を積み上げることはできない。

何故それが政府には可能なのか。ダリオ氏の見解によれば、有権者がそれを許可するからである。ダリオ氏は次のように述べている。

選挙前には政治家には借金を増やして支出を増やす動機がある。有権者は誰も借金の方には注意を向けず、そのお金が何処から来るのかは気にもせず、支出の方にだけ注意を向けるからだ。

負債の上でパーティをやっているようなものだ。

だから毎年税金で数百万自分から奪ってゆく政府に10万円を給付されただけで彼らは嬉しくなってしまうのだ。だがそれは元々自分の金である。彼らは馬鹿なのだろうか。

政府を選ぶ有権者は定義上国民の過半数なのだから、国民の過半数が借金を許せば政府は借金をするだろう。政治家の仕事は国民から税金を徴収して自分の票田にばら撒くことなのだから、その被害者がそれを許してくれる状況でそれを拒む理由がない。

だが状況としてそれが可能になっても、経済的に可能になるわけではない。100%しか資産がないのに借金をして200%消費しようとすればどうなるか。単純にものの値段が2倍になるだけである。実際今それが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
借金によって消費を無理やり増やすことは、インフレを生じさせるだけでなく、長期的には増税を増やす。国の借金はいずれ税金という形で国民から徴収されるか、紙幣印刷によって返済されるしかないが、紙幣印刷はインフレを悪化させるので、緩和政策の出口は結局は増税か物価高騰しかない。それが多くのファンドマネージャーらが指摘していることである。

ポジャール氏: 中央銀行は金利高騰か通貨下落かを選ぶことになる
世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
だが政治家には関係ない。自分は票田とともに利益を得られる上に、国の借金は自分が引退した後に誰かが何とかするものである。彼らに遠慮をする理由があるだろうか。だから東京五輪でも全国旅行支援でも好きにやったではないか。

経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が次のように言っていたことを思い出したい。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。

日本にはいまだに国の借金には問題がないなどと言う人間がいることには驚かされるが、事実日本では増税とインフレが降り掛かっているではないか。インフレ政策の当たり前の帰結に気付くことの出来なかった自民党支持者の知性には本当にいつも驚嘆せざるを得ない。彼らの頭脳は最高である。

ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
結論

何故こうなるのか。ダリオ氏はこう説明している。

人々は近視的なのだ。子供を育てるときのマシュマロ・テストと同じだ。

小さい子供に今マシュマロを1つ受け取るか、15分後にマシュマロを2つ受け取るかを選ばせる。賢明な子は15分我慢して2つのマシュマロを手に入れる。

だが現代の多くの社会では人々は今それがほしいのだ。

大半の日本人は賢明な子供以下ということだろう。あるいは人間とはそういうものではないか。賢明な子供ほどの頭脳のある大人などほとんど見たことがないではないか。

お金をばら撒けばインフレになるという子供でも分かるような理屈さえ分からず、インフレになった今でさえエネルギー購入支援や全国旅行支援というインフレ政策を行う政治家をのさばらせ、どれだけ年金を減らされ税金と社会保険が増えようとも政治家という略奪者を自分で当選させる馬鹿ばかりなのだから、日本の将来はどうしようもなく明るいだろう。

良かったではないか。自分の欲しかったものを手に入れた彼らの将来を祝福したい。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由


https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36175#more-36175
10:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/07 (Sun) 05:06:34

4月雇用統計はインフレ継続、銀行危機とのコラボでスタグフレーションへ
2023年5月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36530

インフレ相場における最重要指標の1つ、アメリカの雇用統計が発表された。4月分である。結論から言えばあまり良いデータとは言えない。

過熱の続く労働市場

つまりはインフレ的だったということだ。

まず失業率だが、3.4%となり3月の3.5%から低下した。グラフは次のようになっている。


本来ならば失業率低下は良いことだが、雇用の手が弱まらなければ賃金が上がり、賃金が上がるとサービス価格が上がる。

去年の秋から3.5%や3.4%を底として推移しているので、辛うじて底打ちしているようには見えるが、それでも労働市場の過熱はなかなか収まらず、よってサービスのインフレも根強く長く続くと考えなければならないだろう。

急上昇した時給

では平均時給の方はどうかと言えば、前月比年率(前月からの変化率が1年続けばどうなるかを示したもの)で5.9%の上昇となり、3月の3.3%から急上昇した。


どう見ても良くない数字である。違う年の同じ月同士を比べる前年同月比とは違い、前月比年率の数字は月の違いを打ち消すのを恣意的な季節調整に頼っているので、単月の数字が異常値になることはあるが、住宅価格の上昇と重ねて考えると、やはり利上げが足りていないのではないかと思う。

下落し続けていたアメリカの住宅価格が上昇に転じる、インフレ再燃か
板挟みになる中央銀行

さて、労働市場が堅調な一方で、アメリカでは銀行の方は着々と潰れていっている。

シリコンバレー銀行から始まり、最近ではファーストリパブリック銀行が潰れたが、今ではそれから1週間も経たないうちにパックウェスト・バンコープの破綻が懸念されている。レイ・ダリオ氏の予想した通りである。

世界最大のヘッジファンド: シリコンバレー銀行破綻はドミノ倒しのように伝染する
シリコンバレー銀行の破綻は高金利が原因なので、高金利が続く限り銀行は潰れ続ける。筆者も当時から言い続けているが当たり前である。

現在、アメリカの政策金利は5%である。この5%の金利は銀行にとっては致死量であるらしい。

一方で、労働市場や住宅市場は5%では死なないと言っている。

結論

さて、中央銀行は金利をどうするのか? インフレを抑制するために金利を更に上げるのか? それとも銀行や中小企業を救うために金利を下げるのか?

金利を上げれば、現在の金利水準で既に死んでいる銀行などのセクターは地獄絵図となるだろう。一方で金利を下げれば、恐らくアメリカのインフレ率は住宅価格やサービス価格を中心として再び上昇してゆく。

だからインフレを引き起こしてはならないと言ったではないか。何度も言うがインフレには物価上昇以外の意味はない。辞書を引いてほしい。それ以外のどんな妄想をこの片仮名4文字に見ていたのか。インフレとは物価上昇である。そして物価が上昇して喜ぶのは多額の借金が実質的にチャラになる政府とゾンビ企業だけである。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク: 緩やかなインフレが有益であるという幻想
国民は何故そんなものを支持したのか。インフレを引き起こすと宣言し、インフレを引き起こした黒田氏は颯爽と逃げて行ったではないか。20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏は『貨幣論集』においてインフレ政策について次のように言っていた。

短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。

だがはっきり言っておく。インフレの意味も知らずにインフレ政策を支持した国民が馬鹿なのである。そして日本にはいまだに状況を理解できない馬鹿が大量にいる。日本は終わりである。日本円で積み上げられた自分の預金が10年後に無事だとは思わない方が良いだろう。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36530
11:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/14 (Sun) 12:14:16

世界最大のヘッジファンド: 銀行危機は悪化しインフレは止まらずスタグフレーションになる
2023年5月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36793

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がModern Wisdomのインタビューでアメリカ経済の先行きについて語っている。

積み上がった債務とシリコンバレー銀行破綻

アメリカ経済はGDPで言えば減速はしているもののプラス成長を維持してはいる。

ますます弱ってゆくアメリカGDP、2023年第1四半期は予想以上の減速
だがアメリカ経済に不安があるのは何故か。シリコンバレー銀行などの地方銀行が次々に破綻しているからである。

アメリカ経済はいま非常にいびつである。全体としてはまだ減速してない一方で、地方銀行や中小企業などは悲鳴を上げている。

ダリオ氏はこの状況をどう見るだろうか。彼は次のように述べている。

大きな問題は大量の政府債務、そして企業の債務、それよりは少ないが家計の債務が積み上げられたことだ。

シリコンバレー銀行の問題は特定の銀行の問題ではなく世界規模の問題だ。

何故か? ダリオ氏がよく言っているように、誰かの負債は誰かの資産だからである。借金があるということは、誰かがお金を貸しているということである。お金を貸した人は貸したお金の代わりに債券を受け取る。政府にお金を貸せば国債を受け取る。そして貸し手は債券を当然ながら自分の資産だと思っている。

債券は金融市場で売買できるので、債券の保有者はそれを忘れがちだが、それは誰かの借金なのである。

膨大な借金が積み上げられたということは、世の中には大量の債券があり、それを多くの人が持っているということを意味する。そして問題は、それらの債券の価格が何十年もの低金利政策で人為的に押し上げられてきたということである。

特に2008年のリーマンショック以来、世界中の中央銀行が紙幣を印刷して買い入れ、債券価格を直接買い支えてきた。

それを買い支えられる間は良かったかもしれないが、インフレが起こると緩和政策はインフレを悪化させる。それでアメリカやヨーロッパは長年続いた緩和政策を撤回し、債券価格の人工的な買い支えを止めなければならなくなった。

インフレ退治と債券価格

それは債券価格の下落を意味する。債務が少なければその影響も少ないかもしれないが、残念ながら債務は世界中に大量に積み上がっている。

そしてそれは債券として誰かが保有している。それは世界中で資産価格が大きく下落していることを意味する。

破綻したシリコンバレー銀行も下落した米国債を持っていた。それが破綻の一因となった。だが米国債を持っているのはシリコンバレー銀行だけではない。アメリカの政府債務は31兆ドル積み上がっており、それは誰かの資産であり、しかもその大半は価格が大きく下落している。それが今の問題である。

ダリオ氏は次のように述べている。

同じことが何処でも起こっている。銀行だけではない。保険会社もそうだ。世界中で同じことが起こっている。ヨーロッパでも、そして日本でもドル建ての債券を持っている人は多い。

だがアメリカの中央銀行であるFed(連邦準備制度)次のように主張していた。

3月FOMC会合結果、パウエル議長に2018年世界同時株安の影が見え始める
シリコンバレー銀行の破綻は例外的な事例だ。銀行システム全体に広く存在する脆弱性ではない。

彼らはアメリカの中央銀行でありながら米国債の発行残高と価格推移を知らないらしい。日本の黒田なにがしを含め、中央銀行に期待できることは高々そのくらいである。

ガンドラック氏: 12才児よりも愚かな中央銀行の存在意義が分からない
銀行危機は波及する

さて、銀行危機の問題はそれだけではない。シリコンバレー銀行が破綻したということは、それで損をした人がいるということである。シリコンバレー銀行の株主や債券保有者は当然だがシリコンバレー銀行破綻で大損した。それらの人々のうち何人かは、まだ表沙汰になっていない何処かで苦境に陥っているだろう。それが次のシリコンバレー銀行となり、その破綻が更に次のシリコンバレー銀行を作ってゆく。

ダリオ氏は次のように述べている。

金融引き締めがドミノを倒そうとしている。これから更に問題が生じることになる。

増えすぎた債務の帰結

結局のところ、債務の量が多すぎることが問題なのである。債券が多すぎるが、これまで買い支えていたFedはもう債券を買っていない。

ダリオ氏はこの問題の帰結についてこう述べている。

金利が上がるか中央銀行がまた紙幣印刷して買い支えるしかない。この問題は欧州中央銀行でも日本銀行でも同じだ。

一部のファンドマネージャーは後者を予想してゴールドを買っている。

ドラッケンミラー氏、ドルを空売りしてゴールドを買い
ポールソン氏: ドルからの離脱が今のトレンド、資金逃避で金価格上昇へ
だが問題は、どちらでも酷い問題が生じるということだ。ダリオ氏はこう続ける。

シナリオは2つある。1つは価値の落ちていない通貨で普通に債務が支払われること、もう1つは紙幣印刷で簡単に返すことだが、その場合には通貨の価値は落ちているだろう。

借金を真面目に返せばこれまでの借金漬けの優雅な生活はできなくなる。借金で優雅な生活をしていたのは国民ではなく政治家とその票田なのだが、彼らは増税とインフレを通して国民に支払いを依頼するそうだ。日本人は投票を通してそれにイエスと言っている。

いずれにせよ不況かインフレ、あるいはその両方しかない。ダリオ氏はこう纏めている。

多分スタグフレーションになると思う。

日本ではいまだに国の借金が増えただの、政府の借金は国民の借金ではないから大丈夫だのという話をしている。本当に馬鹿ではないのだろうかと思う。この状況をどう読み取ればそういうお花畑な結論になるのだろうか。

世界最大のヘッジファンド : 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる
マイナード氏: 日銀の持続不可能な緩和政策の破綻は他国の教訓的前例になる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36793
12:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/16 (Tue) 16:31:55

米国経済のハードランディングの衝撃はリーマンショックの2倍以上になる
2023年5月15日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36818

インフレ抑制のためのFed(連邦準備制度)の金融引き締めが銀行危機を引き起こす中、多くの専門家がアメリカ経済の景気後退を予想している。

ドラッケンミラー氏: あと半年でハードランディング、米国経済に死体が積み上がる
だがその規模はどの程度になるのか? 今回の記事ではそれを考えてみたい。

マネーサプライの増減

今回の考察のきっかけとなったのは、前回の記事でスタンレー・ドラッケンミラー氏がマネーサプライの動きに言及していたことである。

ドラッケンミラー氏: リーマンショックより酷くなる可能性は否定できない
マネーサプライとは市中に存在する現金や預金の総量である。アメリカではコロナ以後、3回の現金給付が行われたことでマネーサプライが増大した。マネーサプライのグラフは次のようになっている。


コロナ第1波のロックダウンの後、世界経済が数字上急回復したのは現金給付が原因である。アメリカのGDPはロックダウンで一度沈んだものの急回復し、あたかも何もなかったかのようにコロナ前のトレンドに戻っている。以下は実質GDPのチャートである。


しかし一方で現金給付による可処分所得の急激な増加はインフレをもたらした。アメリカの可処分所得とインフレ率を並べると次のようになる。


3回の現金給付が可処分所得の急増をもたらし、それが2021年にインフレ率を持ち上げたことが分かる。(ウクライナ情勢以後インフレ率はほとんど上がっていない。)

ドラッケンミラー氏: プーチン氏が引き起こしたわけではないインフレの本当の理由
マネーサプライの回収

このように現金給付とマネーサプライの増加がコロナ後のアメリカ経済の動向を決定したことは明らかだ。一方で、アメリカは物価高騰に陥ったことでばら撒いた紙幣を回収せざるを得なくなっている。

それが現在の金融引き締めである。その結果、コロナ後に急増したマネーサプライは急減している。


ドラッケンミラー氏は直近1年ではマネーサプライは急減しているが、絶対的な水準としてはコロナ前を大きく上回っていることを指摘していた。

ドラッケンミラー氏: リーマンショックより酷くなる可能性は否定できない
恐らくはそれがアメリカのGDPが減速しながらもまだプラス成長を保っている理由である。積み上がったマネーサプライによる消費がGDPを支えている。

ますます弱ってゆくアメリカGDP、2023年第1四半期は予想以上の減速
だがマネーサプライは急速に減少している。ここまでの考察が正しければ、マネーサプライがこのまま減少を続け、コロナ前の水準まで戻るならば、今アメリカ経済を辛うじて支えているものがなくなることにならないだろうか?

マネーサプライの今後

ではマネーサプライは具体的にどのような速度で減少しているのだろうか。マネーサプライの変化率を前月比年率(直近1ヶ月の変化が1年続けばどうなるかを示したもの)で見ると次のようになる。


マネーサプライは最新3月の数字で年率-14.3%の速度で減少しており、しかも減少ペースは加速しているように見える。

年率-14.3%ということは、1年で14.3%減少するということである。減少ペースは加速しているが、仮に今と同じペースでマネーサプライが減少を続けるとどうなるだろうか?


マネーサプライは5.9兆ドル付近まで下落し、丁度コロナ前の水準まで逆戻りすることになる。

実際にはマネーサプライの減少は加速しているから、コロナ後にばら撒かれた紙幣がすべて回収されるまでに恐らく1年かからないだろう。ハードランディングまで1年以内と予想しているドラッケンミラー氏やレイ・ダリオ氏の主張を裏付ける計算である。

ドラッケンミラー氏: あと半年でハードランディング、米国経済に死体が積み上がる
世界最大のヘッジファンド: 経済クラッシュで量的緩和再開まであと1年以内
マネーサプライとGDP

さて、ここで考えてほしいことがある。ここまで考えてきたように、2020年にロックダウンで数ヶ月も経済をほぼ完全に停止したにもかかわらず、GDPが何事もなかったかのようにコロナ前のトレンドに戻っているのは明らかに現金給付とその結果のマネーサプライの急増が原因である。


それが上で見たマネーサプライの急増がGDPにもたらした影響である。

しかし今、コロナ後に行われたマネーサプライの急増とちょうど同じ規模のマネーサプライ急減が起きようとしている。そして投資家はその影響を推定しなければならない。

それはそれほど難しくないのではないか? 大まかな推計ではあるが、コロナ後に起こったマネーサプライ急増と同じ規模のマネーサプライ急減の経済への悪影響の規模は、大雑把に言ってコロナ後のマネーサプライ急増の好影響とそれほど変わらないはずだ。

つまり、同じ規模のマネーサプライ急増がコロナ後にGDPを救済してあたかも何も起きなかったかのように元のトレンドに戻したとすれば、同じ規模のマネーサプライ減少はその救済をなかったことにするはずである。

コロナ危機の本来の規模

つまり現金給付によるコロナ後のGDP救済がなかったことになる。ロックダウンによるコロナ危機の本来の姿が2023年と2024年に現れるわけである。緩和政策による経済の救済とは、実際には借金による経済危機の延期であるから、当然のことである。

ということで、ドラッケンミラー氏の予想しているハードランディングの規模がどれくらいになるかということは、紙幣印刷による問題の先延ばしがなければコロナ危機がどのようなものになっていたのかを基準に考えられるということになる。

そこでコロナ危機がどのようなものだったかを振り返るためにアメリカの実質GDP成長率の長期チャートを見てみると、コロナ危機が2008年のリーマンショックよりもその他のどの経済危機よりも規模が大きかったことが分かる。


実際、コロナショックの景気後退のピークは-8.4%で、リーマンショック時のピークの-4.0%の倍以上である。コロナショックではその後現金給付により急回復しているが、当時ばら撒かれた紙幣がすべて回収されるならば、同じ規模の経済危機がもう一度来ることになるだろう。

結論

ということで、今後待ち受けているアメリカ経済のハードランディングの規模を大雑把にだが推計してみた。

ちなみにこの大雑把な推計には他に考えなければならないことが2つある。1つは、中央銀行が紙幣印刷によって経済危機をもう一度延期する可能性である。だがドラッケンミラー氏が述べている通り、その場合インフレ第2波は避けられない。

ドラッケンミラー氏: リーマンショックより酷くなる可能性は否定できない
そしてもう1つは、お金をまずばら撒いて同じ量のお金を後で回収した場合、厳密に言えばその影響は差し引きゼロではなくマイナスである。

何故ならば、ばら撒き政策は実体経済に歪みを引き起こすからである。例えば全国旅行支援で一時的に急増した需要にホテルが従業員を追加雇用して対応するならば、一時的な急増が終わった後にはホテルは過剰な数の従業員を抱えることになる。以下の記事で説明している。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
ばら撒きとは長期的な経済の効率性を犠牲にして経済危機を先延ばしにすることなのである。日銀総裁の植田氏も、インフレ率はゼロから上に離れても下に離れても非効率性は増大すると述べていた。彼はインフレ政策の弊害を知っている。

踏み絵のように緩和支持を言わされる日銀の植田新総裁と新副総裁たち
そもそもこのことについては20世紀の大経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が何十年も前に説明していたではないか。彼は完全雇用を目指すインフレ政策について著書『貨幣論集』において次のように述べていた。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
完全雇用政策の支柱となっている理論はすべてここ数年の経験によって完全に否定されるに至っている。経済学者はその理論の致命的な知的欠陥を発見したが、それはそもそも以前から分かりきっていた。

しかしこの理論は今後も多くの問題を生むだろう。何故ならば、インフレ理論の他に何も学ばなかった失われた世代の経済学者が残されたからである。

このハイエク氏の記事を読めば緩和政策が何故非効率を引き起こすのかが分かる。

だがインフレ政策を実行した政治家にもそれを支持した有権者にもハイエク氏の著書から学ぶような知性はなかった。残念なことである。

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/36818
13:777 :

2023/08/05 (Sat) 17:19:32

世界最大のヘッジファンド、量的緩和と現金給付に続く新たな金融緩和を語る
2023年8月4日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616

世界最大のヘッジファンドBridgewater創業者のレイ・ダリオ氏がLinkedInのブログで、世界的な物価高騰をもたらした現金給付に続く新たな金融緩和の方法について語っている。

過去40年の金融緩和

アメリカでは1970年代の物価高騰が終わって以来、金融市場の歴史は金融緩和の歴史である。

1970年代の物価高騰を止めるために20%以上に上がったアメリカの政策金利は、その後30年近くかけて低下してきた。以下はアメリカの政策金利のチャートである。


中央銀行は経済が弱るたびに利下げを行い、金融緩和によって実体経済を支えてきた。

だがその金利は2008年のリーマンショックでついにゼロに到達する。中央銀行はこれ以上金利を下げられなくなったが、それでも緩和をする方法が欲しかったので、紙幣を印刷して金融市場から国債などの証券を買い入れる量的緩和という方法に頼ることになった。

政策金利を操作する方法では国債の金利を直接下げることはできないが、紙幣印刷で中央銀行が有価証券を買い上げてしまえば、資産価格を人工的に押し上げ、国債の金利を押し下げることで更なる緩和を行うことができる。

だがこの方法では実体経済をコロナ危機から救うことは出来なかった。日本で実際にそうなっているように、資産価格を上げても得をするのは資産を持っている人々だけだという当たり前の事実に、アメリカも直面せざるを得なくなった。

そこで考案されたのが、国民の銀行口座に直接現金を注ぎ込む方法である。現金給付と呼ばれるこの方法は、家計の財政状況を見た目上改善した一方で、世界的な物価高騰を引き起こした。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
このように緩和の歴史を振り返ってみると、明らかに言えることは、緩和の副作用が強くなっていることである。利下げの副作用は、2000年にドットコムバブルを引き起こしたり、2008年のリーマンショックにつながる住宅バブルを引き起こしたりすることだった。

それだけも酷かったかもしれないが、利下げが量的緩和になり、量的緩和が現金給付になった今、緩和の副作用は雪だるま式に膨らみ、インフレという形で全国民に降り掛かっている。

だが緩和の極端化というこのトレンドは、もはや誰にも止められないだろう。人間にそれを止める頭があれば、そもそもインフレは起きていない。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
だから投資家は現金給付に続く新たな緩和方法が何かということを、そろそろ考え始める必要がある。

中央銀行はまず利下げによって金利を低下させ、経済における最大の債務者、つまり政府を救済し続けてきた。その次には量的緩和によって、金融危機で資産を失った資産家を救済した。コロナ禍におけるはロックダウンで収入を失った家計を救済した。

もう救済するものはあと1つしか残っていない。中央銀行による中央銀行の救済である。

中央銀行が自分自身を救済する

政府が国債を中央銀行に押し付け、中央銀行はシリコンバレー銀行などの破綻処理にあたって価格が下落していた債券を額面で引き受けているので、もはや中央銀行はさながらゴミ箱のような様相である。

政府はこのまま中央銀行をゴミ箱のように扱い続けることができるのか? 現代人は誰もその実験を経験したことはないが、歴史上には同じような事例は存在する。こうした疑問を尋ねるのに最良の人物は、やはりダリオ氏だろう。

ダリオ氏は次のように述べている。

長期的には、歴史を振り返ってこれから何が起こるかを描いてみると、政府の財政赤字が増大するのは実質的に確実で、利払いや他の予算の費用が増加している以上、増加の加速度は上がる可能性が高い。

アメリカのGDP比財政赤字は次のように推移している。


短期的には上下しているが、長期的には赤字は増え続けている。そしてこれが少なくなる見通しのないことは、誰もが同意するところだろう。

緩和も財政も悪化し続ける。だが緩和が利下げから現金給付まで指数関数的に進化してインフレという限界にぶつかったように、政府の財政も同じように指数関数的に進化して人々が思っているよりも早く限界にぶつかるだろう。

このまま財政赤字が加速度的に増加すればどうなるか。ダリオ氏は次のように述べている。

そしてそうなれば、政府はより多くの国債を発行しなければならなくなり、自己強化的な債務スパイラルに陥ることになるだろう。

金融市場がそれ以上増やさないよう迫る一方で、中央銀行は紙幣印刷によってもっと多くの国債を買わなければならなくなる。そうしなければ損失が拡大し自分のバランスシートが毀損されることになる。

「金融市場がそれ以上増やさないように迫る」というのは、 国債の発行増加を市場の投資需要が支えきれなくなり、国債価格が暴落してゆく状況だろう。

そうした要因での米国債の価格下落は、今の市場参加者にはほとんど想像もできないはずだ。だが少し前の市場参加者には、インフレも想像できなかったことを思い出したい。

ダリオ氏の言う通り、国債の発行が指数関数的に増加してゆくならば、量的緩和なしには国債価格を維持できない状況はいずれ必ず訪れる。そして「指数関数的」な増加によってその水準に到達する日はそれほど遠くないということは、少しの数学的素養のある人ならば分かるはずだ。

ダリオ氏によれば、そうした問題の典型的な解決策は、政府が中央銀行の損失を補填することだという。だが政府は中央銀行の紙幣印刷によって資金供給されているので、中央銀行は結局は自分に資金供給することになる。この空中でジャンプして空に浮き続けるような末期的状況の典型的な帰結は、金利高騰か通貨暴落かインフレ、あるいはその組み合わせだろう。

結論

実際、イギリスはその状況に到達しかけた。1つ前のトラス政権がインフレの状況下で大規模な財政緩和を行おうとしたとき、金融市場では英国債とポンドが両方急落した。

サマーズ氏: 景気後退で財政支出する国はイギリスの二の舞になる
結局はトラス氏が辞任に追い込まれることによって緩和は撤回されたが、他の先進国はそうした瀬戸際にある。日本では円安とその結果としてのインフレが大きな問題になっている(が、自民党支持者はストックホルム症候群によって緩和の引き起こした円安とインフレの関連を頭から消し去っている。)

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
アメリカは、基軸通貨ドルの恩恵によって今のところ日本やイギリスのような羽目にならないで済んでいる。だがスタンレー・ドラッケンミラー氏は、まさにそれが原因でアメリカはより大きな危機に陥ると予想している。

ドラッケンミラー氏: アメリカは基軸通貨ドルのお陰で致命傷を食らうまで緩和を続けられる
短期的な延命のために長期的な危機が許容される。いつものことである。しかし若者たちはそれで良いのだろうか。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/38616
14:777 :

2023/09/22 (Fri) 10:32:10

9月FOMC会合結果はタカ派、引き締めを止めるべきタイミングを理解していないパウエル議長
2023年9月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40115

米国時間9月20日、アメリカの中央銀行Fed(連邦準備制度)は金融政策決定会合であるFOMC会合の結果を発表し、政策金利の維持を決定した。

金利の維持は市場の予想通りであり、今回より重要なのはドットプロットとパウエル議長の記者会見だろう。

9月のFOMC会合結果

会合の後に毎回公表される声明文については、ほとんど言うべきことがない。前回の会合のものをほとんどそのまま載せただけで、ほとんど変わっていないからである。

注目されるのはパウエル議長の記者会見だが、しかし彼はいつも同じことを繰り返すだけで、インフレ統計を後追いしているだけの彼の言葉にどれだけ意味があるかは怪しい。

だから、彼の言葉をそのまま受け取るのではなく、彼の言葉から今後の金融政策を予想することが必要だろう。

パウエル議長の記者会見

会合参加者の利上げ見通しをプロットしたドットプロットによれば、Fedは今年あと1回の利上げを想定している。つまり、Fedはまだ利上げを止めたわけではない(少なくとも自分ではそう主張している)ということである。

また、ドットプロットによれば来年の利下げ回数も、前回の4回から2回に引き下げられた。今回の会合はタカ派だったと言えるだろう。

これを説明する記者会見におけるパウエル議長のコメントは次の通りである。

インフレが適切な水準になったという本当に説得力のある証拠が欲しい。それに向けて進展していることは喜ばしいことだ。だが結論に達するまでには更なる進展が必要となる。

ではインフレ率はどうなっているか。アメリカのインフレ率が長らく下落トレンドにあることは周知の事実なので、ここでは最近になってようやく下がり始めたコアインフレ率のチャートを掲載しておこう。

加速した8月の米国インフレ率、原油価格上昇で物価上昇リスク

物価が上昇するにも順序があったように、インフレが収まるにも順序がある。まず金融市場で原油などのコモディティ価格が下がり始め、次にインフレ率が下がり、次にコアインフレ率が下がり、そして最後に金融引き締めの影響を一番受けにくい労働市場が減速して、失業率が上がり始める。

だがパウエル氏は何処で引き締めを止めるのか。インフレ目標が2%ならば、2%になったら止めるのか。だがジェフリー・ガンドラック氏は次のように言っていた。

ガンドラック氏: 中央銀行のインフレ率予想は人間が想像可能な中で一番馬鹿げた経済予想
インフレ率が9%が2%まで極めて急速に下落するならば、下方向に行き過ぎると考えない理由が何かあるだろうか?

何故2%で止まるのか? そこに何か魔法でもあるのか?

引き締めを何処で止めるのか

だからインフレ目標が目標に達してから利上げを止め、金利を下げるのでは明らかに遅すぎる。では何処で引き締めを止めるのか? パウエル氏の問題点は何処で引き締めを止めるのかをはっきりさせていないこと、もっと言えば、彼自身何処で引き締めを止めれば良いのかを分かっていないことである。

パウエル氏は引き締めを止めるのが早すぎて、インフレが帰ってくるリスクを警告する。彼は次のように述べている。

最悪の結果は物価の安定を取り戻せないことだ。歴史を見ればそれは明らかだ。物価の安定が戻らなければ、インフレが帰ってくる。

そうすれば経済が非常に不安定な状況が長期間続き、経済成長など様々なことに影響する。

だが、では何処で引き締めを止めるのか。パウエル氏は失業率について次のように述べている。

失業率が上昇しないまま、労働市場の状況が再編されていっているのは良いことだ。

だが、では失業率が上がれば利下げに転換するのか?

マクロ経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏が説明しているように、インフレ政策で引き起こされたインフレが抑制された後に多くの失業が出ることは避けられない。

ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
だから失業率はこれから上がる。先月のデータは明らかにその兆候である。

8月雇用統計は遂に失業率の上昇開始、インフレ後の大量失業の始まり
しかしパウエル氏は失業率が上がってから利下げを始めるつもりなのか? だが失業率の上昇は、上で述べた通りインフレ率低下のサイクルの中で一番最後に起こるイベントである。

つまり、失業率が上がり、アメリカ経済が失業者であふれるようになった段階では、すでに金融引き締めの効果はアメリカ経済全体に行き渡っており、そこから利下げに転じても手遅れである。そしてガンドラック氏が予想している状況が発生する。

ガンドラック氏、米国の急速な利下げとドルの下落を予想
Fedは階段を使って利上げをし、エレベーターを使って利下げをする

結論

インフレ発生の過程では、2020年にコロナ後の緩和によってコモディティ市場でインフレの萌芽が発生し、2021年にアメリカで物価が高騰した。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/14)
ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)
つまり、緩和がインフレを引き起こすには1年かかった。よってFedが2024年に利下げ転換するならば、2025年にはそれも実体経済に効くだろうが、2024年のアメリカ経済は酷いことになるだろう。

パウエル議長は結局何が起これば利下げ転換するつもりなのか? それだけが今回の会合から読み取るべき情報である。そしてそれが分かれば、アメリカ経済がこれからどうなるかが分かるだろう。

ガンドラック氏: コロナ後の緩和による好景気は終わり、米国経済はデフレと景気後退へ

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40115
15:777 :

2023/10/21 (Sat) 20:44:27

ガンドラック氏、現金給付の次の緩和政策を語る
2023年10月21日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40814

Double Line Capitalのジェフリー・ガンドラック氏がGrantの会議における講演で、来年予想されているアメリカの景気後退において政府の緩和政策がどうなるかを予想している。

2024年アメリカの景気後退

ガンドラック氏は来年のアメリカ経済の景気後退を予想している。ガンドラック氏によれば(筆者も同意しているが)、最近の失業率上昇は景気後退の前触れである。

8月雇用統計は遂に失業率の上昇開始、インフレ後の大量失業の始まり
もしそれが正しいとすれば、投資家にとっての問題はその景気後退にアメリカ政府とFed(連邦準備制度)がどう対応するかである。

ガンドラック氏はFedのパウエル議長がインフレ退治をやり切るということを疑っている。彼の予想では、パウエル氏はまず利上げをやり過ぎて景気後退を引き起こした後に、次はパウエル氏は緩和をやり過ぎてインフレ第2波を引き起こすことになる。

ガンドラック氏は次のように語っている。

2024年の第1四半期には、Fedの政策には問題が生じ、財政赤字は爆発的に増加することになる。

この見通し自体は、他の専門家も同じ意見を表明している。

ドラッケンミラー氏、アメリカ経済のハードランディングとインフレ第2波を予想
サマーズ氏: パウエル議長のインフレ退治が本気かどうか疑う理由
緩和政策の変遷

だが問題は緩和の内容だろう。多くの先進国の政治家は嫌でも支出を減らしたくなかったので、景気後退が起きる度に緩和政策を行なってきた。

世界最大のヘッジファンド: 無節操に支出し続けるメンタリティのお陰でスタグフレーションへ
まずは利下げから始まった。アメリカでは1980年からコロナ後まで、40年以上利下げが行われていた。それが過去40年の米国株の上昇理由だった。

ガンドラック氏: 株価の長期上昇を支えてきた過去40年の低金利はもうない
だが利下げも2008年のリーマンショックで金利がゼロに到達すると、それ以上利下げを行なうことが出来なくなった。

そうして様々な新しい緩和方法が考案されてきた。ガンドラック氏は利下げ以外に行われてきた緩和政策について次のように語っている。

量的緩和、銀行の国有化、政府支出の増加、債務の少しの減免…

銀行の国有化は、2008年にアメリカ政府がいくつかの銀行を救済したことを指しているのだろう。

量的緩和は、これもアメリカではリーマンショックの後に始まっている。

そして政府支出は永遠に増え続けている。

だがそれで経済は良くなっただろうか。インフレ政策や円安政策で約束通りインフレと円安を手に入れた日本人はさぞかし幸せだろう。

ファンドマネージャーらは緩和政策にずっと反対してきた。ガンドラック氏はコロナ後のばら撒きに最初から反対していた。だが誰も聞かなかったではないか。

ガンドラック氏、新型コロナでの企業救済とヘリコプターマネーを痛烈批判 (2020/3/29)
リーマンショック後の経済政策

その後政府と中央銀行は何をしただろうか。ガンドラック氏は次のように述べている。

トランプの大統領選出、金利の正常化、これもやった。理由のない利上げ、これも2018年にやった。

1番目はジョークである。だが実際に起こり、経済は良くならなかった。トランプ氏がもう一度大統領になった場合の経済政策については、ポール・チューダー・ジョーンズ氏が語っている。

チューダー・ジョーンズ氏: 大統領選挙のアメリカ経済への影響
2018年には、パウエル議長が連続利上げを行なった。そして世界同時株安を引き起こした。

世界同時株安を予想できた理由と株価下落の原因 (2018/10/28)
ガンドラック氏は明らかに、当時と今をパラレルに見ている。当時、パウエル議長が利上げをやり過ぎたように、パウエル議長は今もう一度やり過ぎようとしている。

9月FOMC会合結果はタカ派、引き締めを止めるべきタイミングを理解していないパウエル議長
また、リーマンショック後に起こった他の政策にガンドラック氏はマイナス金利を挙げている。彼は次のように言う。

マイナス金利、これはアメリカでは行われていないが、実質金利は間違いなくマイナスになり、2016年には世界的には18兆ドルの債券がマイナス金利になっていた。

これは今はなくなっている。日本のマイナス金利だけが残っているが。

インフレで多くの中央銀行が利上げしたために、いまだにマイナス金利を行なっているのは日本だけである。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由
そしてコロナ後まで話が進む。現金給付である。ガンドラック氏は次のように言っている。

ヘリコプターマネー、コロナ対策でこれもやった。

紙幣は直接人々にばら撒かれた。そしてそれは物価高騰を引き起こした。

世界的な物価高騰の原因は現金給付であり、ウクライナ情勢とはほとんど無関係であることは、もう何度も説明している。

世界最高の経済学者サマーズ氏が説明するインフレの本当の理由
これからの緩和政策

緩和政策はこのように進化してきた。そして緩和政策が進化する度に状況は悪くなってきた。今や日本はインフレと通貨安に襲われている。基軸通貨であるドルを保有する米国だけが、通貨安の問題を延期できている。

ガンドラック氏: アメリカの景気後退でドルは暴落する
緩和政策はこれからも進化し、そして経済をどんどん悪くしてゆくだろう。だが具体的にどうなるのか。人々に直接お金をばら撒く現金給付以上に出来ることがまだあるのか。

ガンドラック氏によれば、それはまだあるらしい。彼は次のように述べている。

紙幣印刷による債務支払い、これはヘリコプターマネーとは別だ。紙幣印刷による債務支払いとは、ほとんど200兆ドル存在する債務を紙幣印刷で支払うことだ。

中央銀行は量的緩和で国債を購入してはいるが、それで政府債務を直接取り消しにはしていない。これを直接取り消しにする緩和政策は、まだやっていない。

GDPの100%を超える巨大な政府債務も、紙幣印刷ですべて支払ってしまえば帳消しになる。

それは可能性である。政府はそれをやる可能性がある。だがインフレ政策で実際にインフレになった今、それでインフレが起きないと主張する人がまだ居るだろうか?

まだ試されていない政策は他にもある。ガンドラック氏は次のように述べている。

資産税。カリフォルニアではそれが検討されている。

わたしはカリフォルニア州政府を鷹のように観察している。1972年物のGMシボレー454V8ピックアップトラックに乗ってアラバマまで東にドライブするまであと一歩のところに来ているからだ。

政府は自分で増やした借金を人の金で支払おうとしている。それが増税である。国によってその標的が富裕層であったり、中間層であったりする。

だが同じことだろう。政治家と既得権益層が一部の一般の票田と結託し、被害者から徴税という名の搾取を行なったり戦争を行なったりする図式は変わらない。

ガンドラック氏: ウクライナ戦争はアメリカの最高のビジネス
ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
そしてガンドラック氏は最後に究極の緩和手段を呈示する。彼は次のように言っている。

そしてデフォルトだ。

それが最後の手段だ。紙幣印刷による債務の支払い、資産税、それで一部の人々は良い気持ちになるかもしれないが、それで問題が解決するわけではない。

そして最後にはデフォルトが残されている。

デフォルトは緩和政策の最終形態である。他の緩和政策ではインフレが起こったり、あるいは金融引き締めによってインフレが景気後退に転換されたりするが、問題は永遠に終わらない。

デフォルトだけが問題を根本から吹き飛ばすだろう。

結論

ガンドラック氏はデフォルトを未来の可能性の1つとして挙げている。実際にはどうなるだろうか。

実際には、このままインフレ&金融引き締めと景気後退&緩和再開のいたちごっこが続いたあと、インフレと通貨安が許容不可能なレベルにまで悪化し、そして最終的には政府はデフォルトを選択することになるだろう。

インフレが実は物価上昇という意味だったことに最近気づいた日本人だが、インフレ政策が完全なペテンだったことに気づいた人々も、先進国が破綻することはないという幻想はまだ信じている。

だがBridgewaterのレイ・ダリオ氏は、先進国の中央銀行も破綻すると言っている。

世界最大のヘッジファンド: 中央銀行でもインフレで破綻する可能性
もしかしたら中央銀行が破綻して、政府は破綻しないというシナリオもあるかもしれない。だが中央銀行と政府は一体なので、どちらかの債務がどちらかに移転され、どちらか一方が破綻を回避しても結局は同じことである。

政府は破綻する。それが何十年も続けられた緩和政策の結末である。 その尻拭いの過程で、国民は増税とインフレと通貨安を存分に楽しむことになるだろう。そういう政治家を自分で選んだ人々の自業自得である。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/40814
16:777 :

2024/03/04 (Mon) 10:20:51

ドラッケンミラー氏: 経済学者が経済を予想できない理由
2024年3月3日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44730

少し間が空いたが、引き続きLow Leaders Leadによるスタンレー・ドラッケンミラー氏のインタビューである。今回は大学で学ぶ経済学について語っている部分を紹介する。

経済を予想する仕事

以前の記事でドラッケンミラー氏は、経済を予想して利益を上げる投資家の仕事の面白さについて語っていた。彼は次のように述べていた。

ドラッケンミラー氏: 優れた投資家が優れている理由
投資とは常に世界をパズルの集まりだと考えてそれを解くことだ。

ドラッケンミラー氏はこれまで、1992年のポンド危機や2022年の物価高騰など様々な出来事を予想し、平均で年率30%以上の利益を上げている。

ではドラッケンミラー氏はどのようにして経済を予想できるようになったのか。ドラッケンミラー氏はまず大学に入って経済学を学んだのだが、博士課程を中退して金融業界で働き始めている。

経済学者にならなかった理由

今では経済を予想することにかけて世界で数本の指に入るドラッケンミラー氏は、そのまま経済学を学んで経済学者になる道を選ばなかった。

何故か。ドラッケンミラー氏は次のように振り返っている。

学部で学んだ経済学は好きだった。限界費用や神の見えざる手などだ。

見えざる手というのは、当然ながらアダム・スミスの『国富論』に出てくる言葉である。

ドラッケンミラー氏が好んだ経済学とはどのようなものだったか。『国富論』から引用すると、見えざる手の議論が載っている箇所には次のように書いてある。

経済人はしばしば、自分の利益を追求することによって、彼が社会の利益を目指して努力する場合よりも効果的に、社会の利益を推進する。

利益を追求する個人の行動が自然と社会の利益となる様子が「見えざる手」に導かれているようだとアダム・スミスは言っているのである。

しかし利己的な人々が本当に社会のためになるのだろうか? 元々社会の利益を目指して行動する人々の方が、資本主義者よりも社会のためになるのではないか?

だがアダム・スミスは次のように続ける。

公共の利益のために仕事をするなどと気取っている人々によって大きな利益が達成された例をわたしはまったく知らない。

なかなか手厳しい意見である。だが政治家が誰の利益のために動いているのかを考えれば、それは明らかだろう。

ドラッケンミラー氏が学生時代にもこういう経済学を好んでいたのは不思議ではない。彼は政治家が国民から税金を取り上げて自分に献金してくれる企業や票田にばら撒くことを仕事にしていることを厳しく批判しているからである。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
経済を予想できない経済学者

だがドラッケンミラー氏はそのまま大学で経済の研究をする道を選んだわけではなかった。

何故か。彼は大学院に進んだ後のことについて次のように語っている。

だが大学院の経済学は世界を数学の方程式に無理やり詰め込もうとしていた。わたしはそれが無理だと思った。

中央銀行にいる800人の博士号取得者の経済がいつも当たらないことを考えれば、当時のわたしの考えは正しかったと言えるだろう。

経済学者の経済予想は当たらない。当たり前である。経済予想が当てられたなら、その人は経済学者ではなくファンドマネージャーになるだろう。

だから大学や政府には経済の分かる人間は基本的に行かないのである。例外はアメリカの財務長官を務めたラリー・サマーズ氏だろう。彼だけは本物のマクロ経済学者である。

サマーズ氏: 米国が利上げを再開する可能性
経済を予想できる経済学

だから一部の優れたヘッジファンドの持っている経済の知識は、経済学者たちの知識の数十年先を行っている。ポール・クルーグマン氏がノーベル経済学賞を獲得しているのは、ヘッジファンド業界から見れば冗談のようなものである。

だからドラッケンミラー氏は大学で経済学者になる道を選ばずに資産運用業界を選んだのである。彼は次のように述べている。

世界の仕組みを知りたかった。それは数学の方程式に詰め込めるようなものではないと思った。

だが大学院の人々は自分たちの数理モデルを信じていた。それは馬鹿げたことだった。だからその道を選ばなかった。

だが過去を遡れば、 優れた経済学者は存在する。『国富論』は今なお読んでおくべき本である。あるいは、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏も同じ内容を言っていた。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である

経済学はケインズからおかしくなったのである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44730
17:777 :

2024/03/04 (Mon) 10:23:29

ガンドラック氏: 何故80歳の政治家に投票するんだ?
2024年2月28日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45053

DoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏が自社の動画配信で馬鹿げた政治を嘆いている。

政府債務の問題

今年、アメリカのヘッジファンドマネージャーたちが話している第一の話題は財政赤字と政府債務だ。何故ならば、インフレのために中央銀行が国債の買い入れを出来なくなった状態で国債を大量発行しなければならなくなりそうだからである。

チューダー・ジョーンズ氏: 今年中に米国債暴落、金利急上昇の可能性
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/44883


政府にお金がなくなった理由の1つは、実質的にネズミ講であるところの年金制度のせいである。しかも自分が払った年金を自分で受け取る制度であれば何の問題もなかったものを、今の高齢世代が現役時代に支払ったお金は何処かに消えてなくなっている。

それは過去の高齢世代のために支払ったからである。そしてその世代はそれよりも更に前の世代のために支払ったわけだが、では最初の世代が支払った年金は何処に消えたのか?

政治家にお金を預けるとはそういうことだ。それはiDeCo(イデコ)を絶対にやってはならない理由でもある。NISAはまだ使いようによっては辛うじて利用可能だが、iDeCoは完全なトラップである。

iDeCoこそ自分で積み立てる年金ではないのか? iDeCoでは積み立てた資金は歳を取るまで取り出せないが、取り出す時には税金がかかる。その時の日本の税率が今よりも良いと考えるのは完全に間違った希望的観測である。iDeCoは絶対にやってはならない。政治家にお金を預けてはならない。政治家は見かけ上の減税制度によって増税を可能にする生き物なのである。

若者から資金を吸い上げる年寄り

話がそれたが、政治家に金を渡すとはそういうことである。彼らは票田や自分に献金してくれる企業のために自由に使うだろう。

若者と老人の格差もそういった政治家による資金移動の一例である。ガンドラック氏は次のように述べている。

若い人々はベビーブーム世代に怒っている。ベビーブーム世代が政府支出から受け取る金額は、35歳以下の世代が受け取る金額の8倍だからだ。

これは社会を運用するには馬鹿げた方法だ。未来がない人々に誰が投資したがるのか。未来を保有し、未来を作り、未来そのものである人々に投資をすべきだろう。

スタンレー・ドラッケンミラー氏も同じようなことを言っていた。

ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31231


政治とは税金を集めて政治家の裁量でそれをばら撒くことであり、政治家の裁量でそんなことをやろうとすること自体が馬鹿げたことなのだが、よりにもよって若者から年寄りへの資金移動がさも当然のように行われているのは何故なのか。

ガンドラック氏は次のように言う。

本当に驚くべきなのは、80代の政治家が当選し続けていることだ。何故人々は彼らに投票し続けているんだ?


馬鹿げた政治が現実になる理由

本当に意味が分からない。だがアメリカではジョー・バイデン氏が大統領選挙に勝ち、日本では自民党が当選し続けている。何故か? 国民がそう投票したからである。これは冗談ではない。日本でもアメリカでも起こっているただの現実である。

ガンドラック氏は更に酷い政治の例として、カリフォルニア州で950ドル以下の窃盗が重罪にならないことが住民投票で決められたことを挙げている。

ガンドラック氏は次のように述べている。

カリフォルニアでは店から950ドルの商品を盗んでも起訴されない。こんな政治に投票したのは誰か? カリフォルニアの人々だ。

笑い事なのだが、ガンドラック氏はカリフォルニアに住んでいるので笑い事ではない。彼は次のように続ける。

カリフォルニアの人々は今、街にどれだけ犯罪が溢れているかを嘆いている。自分でそれに投票したんだろう。

結論

そして日本人は自民党に投票したのである。

自民党の裏金問題が出て急に自民党を責めている人に言っておくが、自民党は元々そういう党である。今更何を言っているのか。コロナ禍で東京五輪を無理矢理行なった時点で(あるいは元々何十年も前の時点で)気付いておくべきことではなかったのか。今更何を言っているのか。

ガンドラック氏は次のように言っている。

何故われわれはこんなことに投票し続けているのだろう?

だが裏金などは政治家による弊害の一部ではないか。そもそも国民から強制的に徴税して政治家が勝手に別のところに使う時点でおかしいのである。経済学者フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の言葉を再掲しておこう。

ハイエク氏: 現金給付や補助金はそれを受けない人に対する窃盗である
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/35564


自分で得たわけでも他人が放棄したわけでもないものを得る権利を特定の人々に与えることは、本当に窃盗と同じような犯罪である。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/45053


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日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり
2022年10月12日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551

日本国民がインフレで苦しむ中、インフレ政策を行なっている日本政府が国民を救うために旅行に補助金を出す全国旅行支援なる政策を行なっている。筆者は日本政府のこの政策は大変優れていると考えており、その詳細をこの記事で説明したい。


全国旅行支援

全国旅行支援は要するに以前行われていたGO TOトラベルと似たようなもので、今回は旅行代金の40%を政府が税金で割引にするものだそうだ。

2020年、コロナの致死率がまだ高く、国民が不安を抱えていた時期に行われた前回のGO TOトラベルは、当時日本旅行をとても楽しみにしていたコロナウィルスには大変喜ばれたという。

GO TOトラベルで安全な旅行を楽しむコロナウィルス

何故名前が違うのかは筆者にはよく分からないが、日本では買い手から見てどう見ても中身が同じものが、売り手の都合で名前が違ったり手続きが違ったりするのが伝統的なおもてなしとされるそうだ。日本は明治維新と敗戦で伝統をすべて売っ払ってしまったと思われているが、このようにまだまだ特筆すべき伝統が残っており、保守派と呼ばれる自民党は日本に残ったこうした伝統を守ることによって多くの支持を得ている。


ホテルに予約殺到

さて、このように前回の大成功を受け継いだ全国旅行支援だが、早い地域では10月11日から開始されたようだ。

国民がインフレに苦しむ最中での大盤振る舞いに多くの人が予約に殺到したようで、大手旅行サイトがサーバダウンするほどの状態だったそうだ。大盛況ではないか。

多くの人が予約サイトに殺到したということは、各地のホテルの多くの部屋が予約されたはずである。ネットでホテルを予約したことのある人なら分かるだろうが、何らかの要因で多くの人が予約した後にホテルを予約しようと思えば、どういう状況になっているか? 安い部屋が残っていなかったり、売れ残りの部屋しかなかったりするわけである。

これが経済学で言うところの需要と供給のうち、需要が殺到して供給が少なくなった後の状況である。供給が需要に対応できなくなる、つまり供給が足りなくなることで物価が上昇する。これがインフレである。

大和総研によれば、全国旅行支援は8,300億円分の需要を押し上げる効果があるという。供給が変わらないにもかかわらず、需要が人工的に押し上げられれば、当然その分インフレに傾く。

これまでインフレターゲットなる政策によってインフレを目指してきた日本政府としては、悲願が達成でき喜んでいることだろう。


先進的な日本の金融教育

全国旅行支援は大成功である。そもそもこの優れた政策は、筆者の考えによれば、日本政府が国民の金融の知識の不足を憂慮したことに始まる。

日本では金融庁主導で、経済について何も知らない国民に金融教育を施しているという。

日本政府が危機感を抱くのも当然だろう。日本では、経済学者のラリー・サマーズ氏らが2021年からインフレを警告していたにもかかわらず、インフレはロシアのウクライナ侵攻が原因だというデマを多くの人が信じている。


サマーズ氏: インフレは今や広範囲に燃え広がっている (2021/10/17)



ここの読者は知っている話だが、そもそもここでは2020年の時点でインフレを警告していた。

金融市場にインフレの兆し: 金、原油、穀物価格が高騰 (2020/10/4)


ロシアのウクライナ侵攻後、原油価格は…下がっている。原油価格上昇は2020年に始まっており、現在の価格はウクライナ侵攻前よりも低い。ウクライナ侵攻は2022年2月である。


インフレの実際の原因はアメリカでコロナ後に行われた現金給付であり、それはアメリカのインフレ率と可処分個人所得のチャートを並べれば人目で分かる。


3回行われた現金給付で所得が跳ね上がったことが、特に2021年序盤にインフレ率を押し上げたことが分かる。これがエネルギー資源や農作物などのドル建て価格を押し上げ、物価高騰が世界中に波及したのである。

サマーズ氏: ドル高がアメリカのインフレを世界のインフレにした


つまり、日本の金融メディア関係者は、インフレの原因がウクライナ情勢で原油価格が上昇したからだと主張する一方で、実際には原油価格のチャートさえ調べていないということになる。はっきり言うが、日本の金融メディアは単なる素人である。そして恐るべきことに、日本国民はこうした専門家のフリをしたド素人連中によるデマを完全に鵜呑みにしている。

インフレの本当の原因

要するにインフレとはコロナ後に行われた政府によるばら撒きが需要と供給のバランスを完全に破壊したことによって発生した。

だが悲しいかな、紙幣をばら撒けばインフレになるという単純な事実が多くの人々には難しすぎるようだ。

世界最大のヘッジファンド: インフレになって驚いているリフレ派は馬鹿じゃないのか


日本政府が国民の金融の知識(というか常識的判断)に危機感を抱くのも当然だろう。世界的なインフレになってもなお、インフレ対策で現金給付や補助金を出し、火事に放火することの頭のおかしさが人々には分からない。

いや、もしかすると、需要と供給という抽象的な言葉が難しすぎたのかもしれない。そこで日本政府は全国旅行支援という起死回生の策を思いついたのだろう。需要と供給という分かりにくい言葉ではなく、ホテルの部屋が実際に予約されてどんどん無くなってゆくというより分かりやすい表現で、日本政府はこうすればインフレになるということを丁寧に教えてくれているのである。親切なことである。

結論

何とも優れた教育ではないか。馬鹿は殴られるまで分からない。いや、問題は何度殴られても分からない馬鹿が日本の過半数を占めているということである。GO TOトラベルは2回目である。

より具体的な表現をすれば、現在こぞってホテルを予約している人々の中には、この補助金政策がなければ旅行に行かなかった人が多く含まれているはずである。彼らが殺到した後、家族訪問などで元々旅行しなければならなかった人々に残されるのは、価格が上がった航空券やホテルの部屋である。

資本主義では通常、人々が自分のお金を出してでも買いたいと思う物を生産する人に報酬が与えられる。日本の首相による新しい資本主義では、政府の指定したサーバにその日に殺到した人にただでさえ不足しているエネルギー資源を無駄に消費する権利が与えられる。

新時代の到来である。

利上げで預金者はインフレから資産防衛できるにもかかわらず日銀が利上げを行わない理由

サマーズ氏: 日本政府はドル円で1人綱引きをしている
また、金融庁は「寝てても儲かるインデックス投資」という詐欺まがいのフレーズで騙される国民が多くいることを憂慮し、米国株の40年来の巨大バブルのまさに天井で彼らに米国株を掴ませ、大損させることでその身で学ばせるという画期的な政策を行なっている。

2022年インフレ株価暴落は個人投資家が全員退場するまで続く
「株式投資は長期的にはほぼ儲かる」という主張が完全に間違っている理由


こちらの金融教育も大きな成果を上げるだろう。非常に楽しみである。
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/29551


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ハイエク: インフレ減速後の失業増加は避けられない
2022年12月6日 GLOBALMACRORESEARCH
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421

アメリカではインフレが減速し始めており、インフレ減速とともに失業率上昇などの景気減速が懸念されている。

そこで今回は、20世紀最大のマクロ経済学者、フリードリヒ・フォン・ハイエク氏の『貨幣論集』に収録されている論文から、インフレ減速後の失業増加について語っている部分を紹介したい。

インフレ抑制のための金融引き締め

2021年には既に始まっていたインフレの脅威は、多くの著名投資家らが警告していたにもかかわらず、Fed(連邦準備制度)のパウエル氏など中央銀行家には無視されていた。

ガンドラック氏: パウエル議長はただインフレが続かないように祈っているだけ (2021/7/18)


そして物価高騰は手遅れとなった。パウエル氏が過ちに気付いた時点でアメリカのインフレ率は既に7%近くまで上がっていた。

パウエル議長、ついに「一時的」を撤回しテーパリング加速を示唆 (2021/12/1)


インフレとは供給に対して需要が多過ぎることであり、つまりは需要に対してものが不足している状況だが、ものの供給を急に増やすことは出来ない。

だからFedはそこからこれまでの低金利政策を撤回し、金融引き締めを行なってこれまでばら撒かれた紙幣を回収することでインフレを抑えようとしている。

インフレ減速と雇用

ここで問題になるのが、雇用である。これまで緩和政策は雇用を支えてきた。お金がばら撒かれているからこそ、企業は従業員を従来よりも多く雇い、その結果コロナ後に高騰していたアメリカの失業率はかなり急速に押し下げられた。


コロナ後のGDPの急回復もそうだが、この勾配がかなり急であることに着目してもらいたい。それは未曾有の財政支出によって実現された。このような政策に副作用はないのか。ないわけがないのである。

現代最高のマクロ経済学者であるラリー・サマーズ氏は、サービス業における物価高騰を抑えるためには賃金の減速が必要であり、失業率上昇は不可避であると言っている。

サマーズ氏: 経済へのダメージなしでインフレ抑制はできない


それは正しい。事実、1970年代の物価高騰を止めるためには、大量の失業が発生しても金融引き締めを続けるしかなかった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る

しかしサマーズ氏の言い方では、物価高騰を止めるために故意に失業率を上昇させなければならないと言っているように聞こえる。

だがハイエク氏の論理はそうではない。彼は次のように述べている。

失業はインフレが加速をやめたときに、過去の誤った政策の帰結として、非常に残念だが不可避の結果として出現せざるをえない。

ここで彼が「過去の誤った政策の帰結として」と言っていることが重要である。つまり、インフレ減速後(今の話では2023年以降)に起こる大量の失業は、引き締め政策が引き起こすものではなく、過去のインフレ政策が原因だとハイエク氏は指摘している。

何故そう言えるのか。彼は著書では当時の例を挙げており、それについては以下の記事で取り上げている。

ハイエク: インフレ主義は非科学的迷信
https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/11992


だが今回は彼の考えに従って現在のインフレの事例で考えてみたい。

2023年に起きる失業の本質

コロナ後には世界中で現金給付などの形で大量の紙幣がばら撒かれた。その結果として上記のように多くの人が雇用され、失業率は急速に低下した。

紙幣のばら撒きは同時に人工的な需要の急増をもたらしたので、需要が供給を大幅に上回り、インフレが起きた。

ここでハイエク氏が指摘しているのは、まず政府によって人工的に引き起こされた雇用とインフレは分離できないコインの表裏であり、片方だけを除去することはできないということである。

例えば日本でいまだに行われているインフレ政策で考えてみよう。全国旅行支援は旅行をする人に旅行代金の40%の補助金を出す政策だが、この政策によってホテルなどの需要が急増、インフレが起こっている。

日本政府の全国旅行支援で宿泊予約殺到してホテル代値上がり


この政策はただのジョークに過ぎないが、この例はインフレとは何かを説明する際に便利なのでよく使っている。この時にホテル側に何が起こっているかを考えてもらいたい。

通常、多くのビジネスは需要の急増にすぐに対応できるようには出来ていない。特に問題になるのは雇用である。従業員は簡単に増やしたり減らしたりすることができないからである。特に日本の法律では、一度雇った従業員は簡単に解雇することができない。

ホテル側は2つの選択肢を強いられる。1つは既存の従業員に無理をさせて需要の急増に対応することである。結果として経営者と従業員の関係は悪くなり、実際に全国旅行支援で激務になったために従業員が辞めた宿泊施設についての報道がなされている。

もう1つの選択肢は需要の急増に新たな従業員を雇うことで対応することだが、問題は需要増が終わったからといって従業員を辞めさせることができないことである。そしてその次には逆に供給過剰によるデフレが起こる。無理に増やされた分の従業員は、通常の需要量に戻った後には、本来不要な労働力だからである。

どちらにしても酷い結果である。そしてこの酷い結果は、ホテル業界に贔屓をした分、経済の別の部分で増税が行われるという生贄を捧げることで実現されている。

インフレ政策が害悪である理由

人工的なインフレは将来のデフレという犠牲によって実現され、ホテル業界の売上増加は別の業界からの(場合によっては別の世代からの)搾取によって実現される。


ドラッケンミラー氏、高齢者が若者から搾取する税制を痛烈批判


だがトータルで差し引きゼロかと言えば、そうではない。ハイエク氏は次のように述べている。

すべての世代の経済学者は、政府は短期的には貨幣数量を迅速に増加させることによって、とくに失業のようなあらゆる経済的悪から人びとを救済する力を持っていると教え続けてきた。

残念ながらこれは短期において妥当するにすぎない。短期的には有利な効果をもつように見えるそのような貨幣数量の拡大は、長期的にはさらに大きな失業の原因となる。

何故か。まずホテルの例における経営者と従業員の関係悪化が害悪でしかないことに異論はないだろう。経営者は通常、従業員が無理をすることのないように事前に計画しているものだが、いきなり決まった全国旅行支援ですべて台無しである。

一方で人工的な需要増のために新たに従業員を雇った場合、その従業員は全国旅行支援がなければ別の仕事についていたはずである。その人は全国旅行支援のためにホテルの従業員としての経験を強いられたわけだが、その経験が活かせる需要は、全国旅行支援による需要が引いた後の世界には残されていない。

一方で全国旅行支援がなければ、もともと自然に存在する需要に従事する労働者として別の業界で経験を積み、その経験は将来にわたって活かされることになるだろう。それがばら撒きで失われた本当の価値である。

より酷い例は全国旅行支援のために税金で行われているコロナ無料検査で、東京都の資料によればPCR検査1件あたり最大9,500円、抗原検査の場合4,000円の補助金が出されるとあり、本来何の需要もない事業が経済的に成り立つ構図になってしまっている。しかし本来需要のない事業に従事する経験を積んでしまった従業員の将来はどうなるのか。

このようにして人工的な雇用の増加は、インフレが終了する時、増加させた分以上の失業を吐き出すことになる。公共事業がなければ本来存在しないような仕事の経験が大量に生産されるからである。

政治家がこうした状況に疑問を感じない理由の1つは、彼ら自身が自然の需要では本来必要とされない仕事に就いているからである。

もう1つの理由については、ハイエク氏の言葉を引用しよう。

しかし、短期において支持を獲得することができれば、長期的な効果について気にかける政治家が果たしているだろうか。


結論

人為的に引き起こされたインフレは、例えそれが僅かであろうともすべて害悪である。

しかし何度も言っていることだが、人々が豊かになるためには紙幣をばらまくのではなく生産を増やさなければならない。レイ・ダリオ氏の言葉を何度でも引用しよう。

世界最大のヘッジファンド: 共産主義の悪夢が資本主義にのしかかる



われわれが消費をできるかどうかはわれわれが生産できるかどうかに掛かっているのであり、政府から送られてくる紙幣の量に掛かっているではない。

紙幣は食べられない。

しかしリフレ派の馬鹿たちにはこの理屈は難しすぎる。

厄介なのは、大量失業というインフレ政策の真の弊害はインフレが起こっている限りは起こらないということである。

ハイエク氏は次のように述べている。

将来の失業について責められる政治家は、インフレーションを誘導した人びとではなくそれを止めようとしている人びとである。

1970年代の例で言えば、インフレ減速後に発生した大量失業の責任を取らされたのは、1971年に紙幣印刷をしたニクソン大統領ではなく、1980年にインフレを退治し大量失業を表面化させざるを得なかったボルカー氏だった。

ポール・ボルカー氏、1980年のインフレ打倒がどれだけ厳しかったかを語る


アメリカでは今ちょうどインフレ減速からの失業増加が始まろうとしている。インフレは失業が始まってからが本番である。これから大量失業と大恐慌(そうでなければインフレ第2波)がアメリカ経済を待っている。

ポジャール氏: 政策金利は5%以上に上がって景気後退ではなく恐慌を引き起こす


そして日本でも日銀の黒田氏が、長年の緩和の弊害がちょうど出始めたタイミングで職を離れるらしい。彼は内心ほっとしているだろう。彼の作り出した害悪のために非難されるのは、彼ではないからである。

政府というあまりに酷い仕組みを廃止すべきである。そうでなければ日本国民はいずれ大損することになる。

世界最大のヘッジファンド: 日本は金利高騰か通貨暴落かを選ぶことになる

https://www.globalmacroresearch.org/jp/archives/31421
18:777 :

2024/04/11 (Thu) 21:39:55

賃上げできないゾンビ企業は淘汰される時代
2024.04.10
https://www.thutmosev.com/archives/34468.html

ゾンビ企業にはゾンビが大勢いる


賃金マイナスはインフレではなく企業のせい

厚労省発表の24年2月実質賃金は前年同月から1.3%減少し23カ月連続マイナスで過去最長にならぶ最悪の状況に成っている

これがどのくらい長いかというと前回の過去最長はリーマンショックの2007年9月からの23か月間だったので、現在は世界経済危機と同じ状況といえる

賃金そのものは増えていて2月の現金給与の総額は28万2265円、前年同月比から1.8%増え26か月連続の上昇になった

総務省発表の24年2月消費者物価は前年比2.8%だったので、物価が2.8%上がって賃金は1.8%上がったので単純計算でもマイナス1.0%実質賃金が減ったのは分かる

政府は賃金も物価も前年比で調査するので一度大きな増減があるとそのマイナスやプラスは「前年」が過ぎる12カ月間続くことが多い

実質賃金減少が始まったのは22年4月からで、このころ日本の物価上昇率が1%を超えてインフレが始まり22年末には4%を超えていました

日銀は物価目標を2%に設定し最近も2.8%だったので、賃上げ率が1%台である限り実質賃金が減少し続けます

日銀によるとインフレ率が2%未満はデフレ状態で、日本以外の(中国を除く)国はどこでも物価2%以上で賃金も2%以上は上昇しています

物価上昇が2%なら過度のインフレとは言えず問題は賃金上昇率が低すぎる事にあり、原因として挙げられるのがゾンビ企業の延命です

日本は1990年のバブル崩壊以降経営不振に陥った企業がバタバタと倒産したが、政府は不況を防ぐため経営不振の大企業が倒産しないように救済してきた

2000年代後半のリーマンショックと続く東日本大震災、続く超円高不況、安倍首相の2度の消費増税不況、2020年からの新型コロナ不況でも政府は経営不振企業の救済を余儀なくされた

90年代後半から2000年代初めは救済せず大企業がバタバタ倒産して数万人のホームレスが発生したので、対策として必要だったと思われる

ゾンビ企業の淘汰や更新が必要
だが日本政府が30年以上も経営不振企業を救済し続けた結果、従業員を人間扱いせず「しぬまで働けるのに感謝しろ」と社長が公言するような会社がはびこる事になった

経営や会社に問題があるからサービス残業やブラック労働をさせるのだが、本来そうした企業は改革を迫られるか優れた企業に倒されて消える運命です

だが30年の不況で新たな優れた企業は出て来ず、市場原理で倒産する筈の会社政府の救済で生き延びて無数のゾンビ企業として低賃金で社員や派遣を働かせています

自動車産業だけを例に挙げても日産による下請けへの不当な値下げ圧力やダイハツ、日野、三菱などの不祥事、毎年起きる欠陥車騒動やEVへの対応遅れなどはゾンビ企業の症状でした

たまたまEV勢は今自爆テロで自滅しているが、だからといって日本企業が旧態依然のままだったらチャンスを生かすことが出来ずハイブリッドや次世代EVでもサムスンやBYDあたりに抜かれてしまうでしょう

非効率なゾンビ企業が多数存続しているせいで給料が上がらず、人々はお金がないので消費せず、消費が減るので経営悪化し財務省は増税を繰り返しますます景気を悪化させてきた

自動車産業はマシなほうで社員や期間工に高収入を払っているが、サービス業や飲食業は特に酷く非効率を「サービス」として売りにしている場合がある

安倍政権の外国人観光客誘致で不愉快だったのが「おもてなし」という宣伝で、おもてなしとは要するに従業員にブラック労働をさせて客へのサービスを増やす事にすぎない

例えば飲食店でセルフサービスで客が取りに来て食べた後で決まった場所に置くのは「おもてなし」ではないが、店員がテーブルに配膳して丁寧に説明したりし、食べ終わったら全員で客にお辞儀するのが「おもてなし精神」らしいです

両者の客1人当たり人件費は2倍以上差が出る筈ですが、それを同じ給料でブラック労働でやれというのが典型的なゾンビ企業です

このようにゾンビ企業は お客様重視で一見すすると外面が良いのだが内情は最悪、例えば不祥事続出のなんとかモーターなんかは中古車業界1位でした

今では世界企業になった×××ロは裁判所も認めたブラック労働だったし、××家のワンオペ騒動ではバイトに「病気で休むなら賠償金払え」と言ったとされています

××ミの騒動では「働けることに感謝しなさい」と社長が仏のような事を言っていたし、電通や三菱電機の過労死は社内風土に問題があったとされている
https://www.thutmosev.com/archives/34468.html

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