777投稿集 2450567


イギリスの大出力三極管 PX25・DA30 を使ったアンプ

1:777 :

2022/08/06 (Sat) 05:18:04

イギリスの大出力三極管 PX25・DA30 を使ったアンプ

PX4・PX25 を使った Lowther(ローサー、ラウザー)の伝説のアンプ
http://www.lowthervoigtmuseum.org.uk/lowtheramps.html


初期の Deccaデコラはモノラル仕様でしたので、真ん中にタンノイのデュアルコンセントリック、両脇にダイレクト・ラジエーターが二つ付いていました。
出力段には直熱三極管の PX25 が搭載。
ステレオ時代になるとスピーカーはEMI、出力段はEL34に変更されています。
https://kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html


イギリスで忘れてはいけないブランドにDecca(デッカ)があります。
カートリッジとデコラというステレオ装置が有名ですが、初期のデコラに付いていたアンプ(やはりPX25)はすばらしい音がするという評判です。
また、デッカのプリアンプが良いと言う人もいます。
http://detail.chiebukuro.yahoo.co.jp/qa/question_detail/q1237153507


Decca 'Decola' radiogram, c 1947
1947年に発売された統合型コンソール・システムDecola

アンプ:PX25プッシュプル(L63×6、PX25X2、5U4G×2) 出力5W
http://quwa.fc2web.com/Audio-101.html

Decca Decola モノラル 仕様

・スピーカー:Goodmans×3

・使用真空管(アンプ部)
 L63×6
 PX25×2
5U4G×2

すべてOsram


▲△▽▼


PX25の歴史をたどると、この真空管はPX4の高性能版であることがわかります。
1929年高能率型の先駆者のPX4が発売されました。
この時代は真空管のメーカーはこぞってその高出力化に取り組み次々と高性能3極管が誕生しました。同年はアメリカでは245が生まれた年で、245の約2倍の出力を持つPX4がイギリスで誕生したことを考えると、イギリスの真空管技術がアメリカより進んでいたことの証明でもあります。

程なくこのPX4よりも少し大きなPX25が発表されます。
さらにPX25の大出力化を計った DA30 が後に発売されます。
http://www.soundbox.co.jp/PX25.html


▲△▽▼


KR PX-25 「the・ヨーロッパ Ⅲ 」 | 真空管アンプ「カトレア」
http://www.cattlea.jp/product/?no=11

さらに進化したステップ15の交流点火回路を使用しました。カトレア美学を追究して完成させた「the・ヨーロッパ」ヨーロッパトーンの音質と木目の美しい形にKR製のPX-25とスエーデンのルンダールトランスで鳴らし重心の低い安心感の高い音質になりました。回路的には電源回路が前段と終段と二回路に分け強力にドライブしています。また貴重な球の寿命を少しでも延ばすためとPX-25の音質を最大限に発揮できるよう交流点火で作りました、交流点火で音楽を楽しめるのはカトレア製だけです。
高級パーツやオリジナルの電源トランス等こだわりのアンプに仕上げています。外見は無垢のマホガニーの木製シャーシーを使用し音質と同じように外見も暖かみのあるデザインにしました。球なしで販売していますので お好きなPX-25で聞いて下さい。 また別売りで KR PX-25 120,000円で販売もしています ※SPは8Ωオンリー
写真2はオシロスコープの最大感度時のノイズ波形です。
カトレア回路がバージョン20へステップアップしました。ハムノイズは0.7mV以下です

図面
http://www.cattlea.jp/up_img/amp/11/f_01.pdf
http://www.cattlea.jp/up_img/amp/11/f_02.jpg

価 格 390,000円
サイズ W440 x D270 x H220
回路構成 CR結合 交流点火
入力感度 1.5V  100KΩ
出 力 7W + 7W
使用真空管 6C8G 5R4
シャーシー マホガニー材
B電源回路 独立二回路
NFB回路 なし
納 期 1ヶ月

△▽

DA-30交流点火 アンプ完成 | 真空管アンプ「カトレア」
http://www.cattlea.jp/news/info.php?id=129

DA-30シングルアンプを世界初の交流点火方式で作りました。PX-25とは違う音質で静かな空間の中に立体的な音質が楽しめます。バイアスの深い球ほど静かで奥行きの有る立体的な音質が楽しめます、ただしヨーロッパ球に限りますが。

カトレアでDA-30交流点火アンプ完成
モノラル構成で、アース線は銅パイプによる一点アースとアースラインとし交流点火と物作りの拘りで完成しました。

カトレアで世界初のDA-30交流点火アンプ完成
シャーシーはカリンの無垢材で作りチークオイル仕上げです、是非ともカトレア美学を音質とともに楽しんで下さい。

マルコーニPX25を挿した試聴では高密度で引き締まった音像を描き出す。カトレア「the ヨーロッパ Ⅳ」

△▽

2020-07-16 吉田伊織
カトレアパワーアンプ the ヨーロッパ Ⅳ ¥320,000(出力管なし仕様)
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17375389

●定格出力:6W+6W
●入力端子:LINE1系統(RCAアンバランス、固定)
●スピーカー出力端子:8Ω、16Ω
●使用真空管:5U4G×1、MH4×2、PX25×2
●寸法/重量:W470×H230×D320mm/23kg
●備考:出力管KR製PX25の完成品仕様(¥390,000)あり


名球を所有している人には好適なアンプ

 カトレアブランドによるヨーロッパシリーズの出力管PX25版。KR製PX25搭載の完成品で、出力管なしの仕様も用意される。

 直熱出力管は交流点火しているがハム対策が必要だ。そこで自己バイアスカソード回路のハムバランサーとともに、独自のヒーターハムキャンセル回路をL/R別に用いている。初段は傍熱型3極管のMH4を採用。コンデンサー結合で無帰還である。出力トランスはオリエントカットコア。直熱整流管は5U4G。出力段用電源は大型チョークによる平滑だが、初段用電源は独立巻線とMOS-FETによるアクティヴ型平滑回路を採用。 

 試聴機に取り付けられたPX25はオスラムの旧型だろうか、いかにも大作りの電極支持法であり、そのためアンプの設置場所、支持法に敏感であり音質が大きく変化するので要注意。

 高い純度を持ち高密度で引き締まった音像は、どの音楽分野でも格別な魅力を振りまく。バロックヴァイオリンのアンドルー・マンゼによる「ビーバー・ソナタ集」など、弦の振動ぶりが克明で生まれたての音波を浴びる爽快感は一生脳裏に刻印されそう。長岡京アンサンブル「デビュー」(SACD)のヘンデルも個々の弦が響きあい、互いの響和成分になりつつ掛け合いしている様子が現認できる。デューク・エリントンの「リンボ・ジャズ」などホーンの押しの強さと色艶が抜きんでているし、ドラムのリムショットはスティックの硬質感が感動的だ。各種ヴォーカルも実に鮮明。ナメされた音ではないので中域が目立つこともあるが、名球を所有している人には好適なアンプだ。

画像:
↑フロント部。中央に整流管5U4G、左右にナス管のPX25、両端に前段のMH4を配置。シャーシ枠は、標準のマレーシアカリン材から今回はマホガニーへ変更された。

↑フロント部。中央に整流管5U4G、左右にナス管のPX25、両端に前段のMH4を配置。シャーシ枠は、標準のマレーシアカリン材から今回はマホガニーへ変更された。

画像:
↑上面から見る。中央部左右には、ウォールナットのカバーを付けたオリエントカットコアの出力トランスを配置する。
↑上面から見る。中央部左右には、ウォールナットのカバーを付けたオリエントカットコアの出力トランスを配置する。

画像:
↑底板を空けた内部。PX25は長寿命と安定度を考慮した交流点火。電源回路は、前段と出力段を分離することで相互の影響や干渉を抑えている。追従型のヒーターハムキャンセル回路が組み込まれている。

↑底板を空けた内部。PX25は長寿命と安定度を考慮した交流点火。電源回路は、前段と出力段を分離することで相互の影響や干渉を抑えている。追従型のヒーターハムキャンセル回路が組み込まれている。

←試聴機使用のPX25はヴィンテージ管でMarconi名(出力管の販売はされない)。現行管のKR製PX25仕様が用意される。
https://online.stereosound.co.jp/_ct/17375389


▲△▽▼


欧州の真空管(PX25とDA30属)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/px25.htm

MOVの旧型PX25です。ナス管のPX25にはプレートをステムの横から引き出しているものがありますが、それは送信用のDET5であってPX25ではありません。しかし、実際には混同されています。管壁に並列して型式が記されているものを良く見かけます。

新型のPX25です。旧型管からプレート損失は30Wに耐圧は500Vに改善されています。ちなみに旧型管はナス型(プレート損失25W、耐圧400V)です。新型管は、外形だけでなく、電極も補助グリッドを設けて高周波特性を改善し、プレートをアンドン型にして管壁にマイカ板を介してで固定した耐震構造のものに変更されています。グリッドのピッチを見比べないとDA30との見分けがつきにくいです。

PX25Aです。この真空管は、グリッドのピッチをDA30と同等にしたDA30と同特性の真空管ですが、マニュアルではプレート損失は25Wのままです。このことから、DA30はPX25から発展した真空管であることが予想されます。以前、ヤフーオークションで有名な真空管専門店の測定値が記載されていた物を見かけましたが、なんとPX25の条件で測定していました。PX25AをPX25の条件で使うと確実に短命にしてしまうので、注意が必要です。

マツダのPP5/400もPX25同等管です。グリッドのピッチ以外、同社のV503とほとんど同じ形状です。このサンプルは、初期のもので電極保持のマイカが四角です。また、ゲッターはマグネシウム系で広範囲に飛ばされています。管頂にはMazda PP5/400と記載されています。

電極保持のマイカが8角形になった後期のPP5/400です。珍しい茶ベースです。このサンプルは、マルコーニに納入したものでDET5と印刷されていますが、管頂にはMazda PP5/400と記載されています。

英国タングスラムのP27/500です。PX25同等ですが、プレート電圧は500Vまで許容されていてプレートの引き出しはステムの横からになっています。新型管はP28/500のようなST管になっています。

PX25同等管としては、次のムラードのDO24(旧型管はナス型)があります。ストレート管ですが、大きな板チョコのようなプレートをしっかりと支えた作りで安定感のある真空管です。

大陸に目を向けると、若干規格が異なりますが有名なフランスRTのBF25があります。この真空管は、PX25の内部抵抗を高めにしたPX25C同等と言われている真空管でフィリップス系独特の形状のST管です。実はBF25というのは、本来の名称ではなく正式名称はF410といいます。

こちらはフランスフィリップスのF410(旧型)です。この真空管は、リン系とマグネシウム系の2種類のゲッターを飛ばしてあります。なぜそうしたのかは判りませんが、2種類のゲッターを使うのはフィリップス系の真空管に多く見られる特徴の1つです。フィラメント支持はガラスサポートを設けてテンションを利かせた丁寧な作りになっています。

次はチェコのテスラのRD27Aです。この真空管は、PX25同等でグリッドが金メッキされています。旧型にナス型があります。次はデンマークのMP社のU4E8です。独特の偏平な太いST管でF410に近い特性です。

マルコーニの旧型管のDA30です。後述のムラードのDO26(MOVのOEM)と全く同じものです。PX25とDA30の関係はナス管であっても、DA30がグリッドのピッチを変えた発展形といわれているように2本を並べて(左:PX25、右:DA30)みましたが、一見しては見分けが付きません。

ムラードのDO26です。このDO26は、MOVからのOEMでDA30同等管です。ムラード純正のDO26ではありません。この辺の話は、「魅惑の真空管アンプ」で浅野勇氏が、当時の管球事情を説明されています。ちなみにムラードには、DA30同等管としてDO30がこれとは別にあります。

GECのDA30(新型管)です。旧型管はナス型(プレート損失30W、耐圧500V)です。新型管は外形だけでなく、電極も補助グリッドを設けて高周波特性を改善し、プレートをアンドン型にして管壁にマイカ板を介してで固定した耐震構造のものに変更されています。またプレート損失が40Wに改善されているとも言われていますが、貴重な真空管ですから初期の規格の30Wに止めておきたいものです。当時、このクラスでは300Bをも凌ぐ世界最高の出力管の1つだと思います。

GECのDA30で、軍用にルーズベース対策として灰色のベルトが設けられたものです。ベースは耐圧のあるマイカフェノール製(通称:茶ベース)です。電極等の内部構造は前述のDA30新型管と全く同じです。

マツダのV503です。DA30同等ですが、マツダ独特のナス型です。503とはプレート耐圧500Vで損失が30Wを意味しているものと言われていますが、当時の規格表ではプレート耐圧450Vで損失が25Wになっています。同じ形状にPP5/400(=PX25)やPP3/250(=PX4)があります。V503はDA30の新型管のようなドーム型は製造されませんでした。

ムラード純正のDO25です。DA30のフィラメント6Vタイプになります。リブの入ったプレートが、管内にゆったりと納められています。

イタリアのゼニスのP420です。EL156を大きくしたような形の真空管です。PX25とDA30の中間のような特性の真空管です。

<規格>
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/px25.htm


▲△▽▼


KR Audio Electronics PX25 / MP ケーアール 出力管
https://sagamiaudio.co.jp/kr-px25/

直熱型3極出力管

KR真空管は内部にシリアルナンバーが刻印され個々にデータを添付して出荷されます。

仕様:PX25 マッチドペア(MP)
¥124,545(税別) (税込¥137,000)

△▽

知っている様で知らないPX-25 2011年9月13日火曜日

PX-25の真価を知るのと知らない差は天と地ぐらいの差がある。

最近はPX25と言えば KR とかチャイナ製だそうだが、こんなものはまるで真鍮と純金の差ぐらい違う事を知る人は少ない。

最も、オークション等では決して手に入らないのが本物のPX-25、最近ネットで横行してる25はよくヒーターが切れるし、香港経由のものが多いとか?

すぐにノイズは出るし、値段の高い真空管ともなるとすぐに怪しいものが横行してくるから、気をつけないと。最近はプロでもだまされるらしい。

世間では、300Bがよくもてはやされている、これも様変わり、チャイナ製が300Bの本家と勘違いしてる方が多いとか、ちまたの噂が聞こえてきますが、本家は全く凄い!それが解らないようなのは、回路の組み立てが悪いアンプで比較しても論外。

PX25はよくベースから外れるがこれをがっちり接着剤で固めてしまうとガラスの膨張でガラスが割れ昇天してまう。注意しないと、また、ヒーターは低い電圧から等との噂があるがそんな事はない、これくらいで切れてしまう様なのはハネモンの可能性が強い。
よく、ネットで出ている真空管買っても大丈夫ですか等の問い合わせが多いが全く失礼な話で自分がかかわっていないので購入して大丈夫かだめか等は自分で判断して買うべしデスよ。
http://yoshiba39.blogspot.jp/2011/09/px-25.html
2:777 :

2022/08/06 (Sat) 06:18:39

【第1話】オーディオ仲間の新年会でWE252A~Edまで真空管聴きくらべ 2010年1月9日
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210

・上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30
・下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10210_801.jpg

2010年1月9日に行った、地元長野県を中心とするオーディオ仲間の新年会として行われた「真空管聴きくらべ」のレポートです。


上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30

下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239


写真は当日聴いた真空管のうち、わたしが用意したもので、このほかに、

45、71A、WE252Aプリント、WE275Aナス管、4300B、AD1直管、ValvoのEd

を聴きました。ウエスタン・エレクトリックの各種丸管など、さらに多数の真空管を用意してあったのですが、途中で「このままでは肝心のドイツ球にたどり着けない」ということになってしまい、以上の真空管を聴きました。

アンプはバラック作りのユニバーサル機で、6SN7パラレル1段によるトランス・ドライブ、半固定バイアス、直流安定化電源、そして出力トランスはU808という構成でした。

お世辞にも立派なアンプとはいえませんが、これといった見どころが無い代わりに、最近の高性能トランスを使ったアンプのような個性も無く、球の違いがストレートに聴き取れました。

音源は某メーカーの音質評価用CD、スピーカーは Europa Junior KL43004 でした。

意外かもしれませんが、Europa Junior はとなりにあった フィールドの Eurodyn 以上に明瞭、かつ正確に真空管の音のちがいを表現し、比較には最適なスピーカーでした。


はじめに聴いた45は、まさしく中庸で癖のない音でした。意外にひ弱でなくて45と大差の無かった71Aに対し、210は色彩を控えた古風な音で個性的に聴こえました。250もややモノトーンながら、厚みがあって魅力的でした。なお、45と71Aのみ、別のアンプで聴き、続けて71Aを試聴アンプでも聴きました。

ここでおなじみの WE300B をリファレンスとして聴きました。写真では不鮮明ですが、3桁シリアルの1950年代のオールド球でした。繊細でありながら厚みがあって悪い音ではないのですが、ありふれているためか、みなさんの印象は薄いようでした。続いてWE252Aの刻印にしたところ、250をウェスタン風にカラフルにしたような魅力的な音に、みなさんの表情が変わり、「いいね」といった声が数人から出ました。プリントのWE252Aに換えてみると、刻印よりも少しだけ薄味ながら同様にすばらしい音でした。

このあたりで「このペースでは時間が足りない」ということになって、WE275A のナス管でウエスタンを締めくくることにしました。WE300Bを引き締めたような音で、みなさん好ましく感じていました。

ここからイギリス球で、スタートは4300Bでした。300Bを透明で格調高くした雰囲気の音を聴いたみなさんは、オーナー氏の「WE300Bより良い」という説明に納得していました。続いてはDA30で、1本目がエミッションが出ないというトラブルに見舞われましたが、2本目はこれまでの真空管とは格のちがう、スケールの大きさと繊細さを兼ね備えた音を出してくれました。音の色付けの少なさと低域の明瞭さでも優れていました。続いてはPX25で、予想どおりDA30に近い音色でしたが、若干伸びの無い感じで、全体的な印象は思ったよりも異なりました。

ここで宴席に移動してネパール料理を食べたあと、いよいよドイツ球を聴くことになりました。まずはRE604の真鍮ピンで、初期の球です。RE604にはさらに古いトップシールの球もあるそうですが、現物を見たことはありません。イギリス球はアメリカ球に比べて伸びやかな傾向がありますが、ドイツ球はそれに加えて色彩感と厚みがあるように感じます。45よりも鮮明な音でした。つぎのLK460はRE604を少し地味でソフトにした感じで、悪くありませんでした。

中型管に移って直管の Klangfilm のAD1(製造は Valvo)を聴いたところ、これまでのどの真空管とも明らかに違う音でした。みなさんしきりに「透明で癖が無い」と溜息のような感想を漏らしていましたが、そんなに癖が無いと感じるということは、逆説的に個性が強いということになるのでしょうか?そのつぎはValvoのEbで、これぞドイツという感じの厚みがあって雄大な音は、じつに魅力的でした。

AD1は写真のように即席のRV258型ソケット用アダプターを付けて聴きました。Ebよりも引き締まった、緻密な音でした。続くEdシリーズも同様なアダプターで聴きました。ValvoのEdは、たった1本なので確証はありませんが、内部構造、特性、そして音もEbと同じでした。Siemensの新型Edは、これまで聴いた古い球に比べると少し硬質な音で、「やっぱり新しい球の音だ」と、みなさんの評判は良くありませんでした。それに比べて旧型のEdは、EbとTelefunkenのAD1の中間くらいのバランスの良い音でした。ただ、音自体には高価なこの真空管を買うだけのメリットは感じられませんでした。

最後は大型管シリーズで、はじめの旧型RV258は少し硬い音でしたが、「低域がとても良い」という意見がありました。つぎの新型RV258は旧型とは異なって、色彩が豊かに感じられるのに、落ち着きのある魅力的な音でした。最後はバイアスの深いRV239でしたが、PX25とDA30のような差は感じられず、RV258の新型とよく似ていました。深夜0時までかかってドイツ球を聴き終わり、楽しい新年会は幕となりました。

さて、新年会と同じくこの記事も長くなってしまいましたが、みなさんの評価を大雑把に集計すると、直管のAD1が1番、新型RV258が2番、3番以降は意見がまとまらず、といったところでした。45系といえるRE604やLK460と45自身、(一枚プレートの)2A3系といえる300Bや275AとAD1やEdなど、製造国による傾向のちがいを越えた、共通するニュアンスを聴き取れたのも収穫でした。レンズでいえば45~RE604系がコントラストが良くて明解なテッサー型なら、300B~AD1系が繊細で解像度の高いガウス型といったところでしょうか。

もちろん、このような短時間の試聴で各真空管の本質的な音が理解できるはずもありませんし、1本だけのサンプルでは不正確でしょうが、ふだんから「どの球を買うべきか?」「どの球でアンプを作るべきか?」と悩める参加者のみなさんは、とても真剣に聴いておられました。もっとも、真空管による音のちがいなんて、アンプ全体からすれば一つの要素に過ぎないのですが、ついつい夢中になってしまった新年会でした。
3:777 :

2022/08/06 (Sat) 06:28:26

サウンドパーツ資料室→→往年のアンプ回路から学ぶ

あのDECCA デコラ/旧型に採用のPX25プッシュ+グリッドチョーク結合アンプ再現
http://soundparts.server-shared.com/filebox.html


英国には古くから Radiogram というものがありました。
RadioとGramophoneの合成語と考えられます。

その名の通り、ラジオと電蓄(蓄音機)の一体になったものです。

Radiogramの系統を引く親玉ともいえるものが、Deccaデコラになります。

古い時代の Radiogram には PX4 や PX25 等の、今となっては高価で手の出せない真空管を使った高級な機種もありました。

大衆化された時代のDeccaのRadiogramに使われていたアンプが手に入りましたので、調整しました。機種は、1961年から販売された Decca SRG700、SRGはStereophonic Radiogramの略です。

真空管の構成は、ECC83(12AX7) 2本、ECL82(6BM8) 4本でプッシュプル、
1チャンネルあたり6Wの出力です。
http://blogs.yahoo.co.jp/gakuyujp/46977296.html

初期の Deccaデコラはモノラル仕様でしたので、真ん中にタンノイのデュアルコンセントリック、両脇にダイレクト・ラジエーターが二つ付いていました。

出力段には直熱三極管の PX25 が搭載。

ステレオ時代になるとスピーカーはEMI、出力段はEL34に変更されています。
http://k-d.jpn.com/audio/TANNOY/TANNOY.html

初期のデッカ・デコラに付いていた PX25 プッシュプル・アンプ


HMV の PX25 プッシュプルはドライバー段プレートチョークで位相反転
⇒ PX25の贅沢なアンプの例は下記のDECCAに軍配!

サウンドパーツが出力管にグリッドチョークを用いるきっかけとなった DECCA の PX25 プッシュプルアンプ 


 このコンソールは大変豪華な作りで、中でもチューナーの周波数切替のイルミネーションは電源オンと共にウットリ見とれる素晴らしさです。今となって惜しいのはアナログが10インチ盤しか使えないことです。勿論回路も技術の賜物として外観に負けていません。

 フォノ入力トランスの2次側からイコライザー回路を経て出力段に至る見事なまでの全段プッシュプル構成。

増幅はL63(6J5)に統一してメンテを容易にし、出力管PX25にグリッドチョークを使用しています。

PX25のグリッドがグリッドチョークによって磁気結合していると、前段までの信号は出力管の両グリッドに同じ振幅で与えられ、同時に貴重なPX25もグリッドチョークの小さな抵抗値によりグリッド電流が原因の暴走から保護できます。グリッドチョークに抵抗を並列に入れているのは低域時定数が不安定になるのを回避する目的で、大きなヘンリーのグリッドチョークは超低域が不安定になりがちなので低域端を抵抗値で調整したものです。

デコラの回路図は厚さ10ミリほどもある詳細解説コピーを保有しているのですが、さる方にお貸し出ししたまま手元に戻って来ていませんので、戻ってくればキレイな絵として掲載します。
http://www.soundparts.server-shared.com/filebox.html


サウンドパーツ PX25 Push-Pull パワーアンプ Love Three

あのDECCA デコラ/旧型に採用のPX25プッシュ+グリッドチョーク結合アンプ再現
http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html


 Love Three PX25 Push-Pull PX25/440000円 
欧州の伝統を継承するKR社手作りの PX25 ナス球をプッシュプル・ステレオ構成で実現しました
http://soundparts.server-shared.com/filebox.html


▲△▽▼


サウンドパーツ HP
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html

サウンドパーツ/SOUND & PARTS
390-1702 長野県松本市梓川梓856-7
TEL 0263(78)5206

詳細は

サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html  
4:777 :

2022/08/06 (Sat) 07:12:33

ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004441

ウェスタン・エレクトリック最高の出力管 VT52 を使ったアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030305

WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

欧州最高の出力管 PX4 を使ったアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14029910

直熱三極管 45シングル アンプで鳴らされた Goodmans Axiom80 が理想の音
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030364

最大出力 0.79W だけど音が抜群な直熱三極管 71A シングルアンプ 
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030394


▲△▽▼


真空管アンプでは次の順で音が悪くなります

1.小出力三極管シングルアンプ
2.大出力三極管シングルアンプ
3.小出力三極管パラレルシングルアンプ
4.大出力三極管パラレルシングルアンプ
5.小出力三極管プッシュプルアンプ
6.大出力三極管プッシュプルアンプ
7.小出力多極管プッシュプルアンプ
8.大出力多極管プッシュプルアンプ
9.パラレルプッシュプルアンプ
10.OTLアンプ


三極管シングルの方が五極管のシングル結合より音が良い

三極管シングルアンプでも

トランスを沢山使う程 音が良くなる
トランス結合は CR結合より音がいい
交流点火は直流点火より音がいい
最高出力が小さい程 音が良くなる

つまり、

トランス結合、交流点火の小出力三極管シングルアンプが一番音が良くなります。

EL34 や KT88 のプッシュプルアンプは音楽鑑賞には適しません。

300Bは三極管の中では大出力で、丈夫で何十年でも壊れないで使えるが音は大味で鈍い

三極管シングルアンプの出力

WE101D 0.6W
71A 0.79W
WE205D 1.3W
45 2W
VT52 2.5W
2A3 3.5W
50 4W
PX4 4W
PX25 7W
300B 8W
RV258 9W


三極管シングルアンプでは
WE101D が一番音がいい。
300Bが一番音が悪い。

しかし、出力管よりケーブルの方が大事です。

アンプの音色は電源ケーブルで殆ど決まってしまう。
アンプの音質は接続ケーブルとハンダとトランスで殆ど決まってしまう。

従って、自作アンプで良い音が出る可能性は完全にゼロです。
5:777 :

2022/08/06 (Sat) 08:57:20

真空管アンプの世界
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/415.html

マイナー真空管を使った真空管アンプは、その真空管が手に入らなくなったら不燃ゴミになる
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/961.html

1W(ワット)アンプで 38㎝ウーハーは無理
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/968.html

口径38センチ(15インチ)のユニットではまともな音は出ない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004040

昔の軽量高能率スピーカーにはドライブ力が強い最新のトランジスタアンプは合わない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1102.html


▲△▽▼


マランツ #7 伝説の音の秘密
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004544

ウェスタン・エレクトリック伝説 _ オーディオのパラレルワールド
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004149

オーディオ機器の音色はケーブルで殆ど決まってしまう
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004468

ティム・デ・パラヴィチーニがいなくなった EAR に未来は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004541

マッキントッシュのアンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004375

上杉アンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004389

激安だけど音がぼけるだけの無意味なプリアンプ _ 真空管プリアンプ FX-AUDIO- TUBE-01J 5,420円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004392

音がわからないオーディオマニアが良く引用する「オーディオの科学」の何処がおかしいか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004527


▲△▽▼


アンティーク・オーディオ機器の修理ができる店 _ ヤフオクで買った中古品の9割は不良品
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004547
6:777 :

2022/08/06 (Sat) 12:16:49

「音楽&オーディオ」の小部屋
我が家の「ベストサウンド」の決定 (2022・6・11)
2022年06月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/7a214dc4f45f99c53c4b1a69ce8592c1

4~5日おきにオーディオ機器をとっかえひっかえしながらいろんな組み合わせで聴いていると、やはりそれぞれに一長一短あって、いったいどれが「ベストの組み合わせ」なのか、一概に決めつけるのがなかなか難しい。

で、このたび「20億6千万円」で落札された「ストラディヴァリウス」に大いに刺激されて、「ヴァイオリンの再生」だけにこだわってどの組み合わせがベストかをオーディオ仲間に来てもらって雌雄を決することにした。

何しろ移り気な性格なので2022年6月11日に限っての限定版ということにしよう(笑)。

ちなみに選択の対象となる機器類を挙げると次のとおり。

<CDトラポ2台> 
CEC「TL3 3.0」(ベルトドライブ)、パナソニック「DP-UB9000K」(ブルーレイ再生専用)

<DAコンバーター3台> 
DCS「エルガー プラス」、フェーズメーション「HD7A192」、GUSTARD「A22」

<プリアンプ3台>
安井式「13D3×2本、12AU7×2本」、JADIS「12AY7×4本、12AX7×2本」、マランツ7型「13D3×2本、12AX7×2本」

<パワーアンプ9台> 呼称は出力管によるもの
WE300Bシングル、PP5/400シングル、2A3シングル、6AR6(楕円型プレート)シングル、071シングル、71Aシングル、6FQ7(RCAクリアトップ)プッシュプル、371Aプッシュプル、EL34プッシュプル

<スピーカー7系統>
AXIOM80(復刻版)+サブウーファー、AXIOM80(オリジナル版)+サブウーファー
スーパー10+デッカ・リボン型ツィーター、スーパー12(イン・ウェストミンスター)+スーパー3、リチャードアレンG8+サブウーファー、PL100(モニターオーディオ)、トライアクショム(口径30cm:同軸3ウェイ)

以上のとおりだが、「なぜこんなに必要なのか?」という疑問をお持ちの方がきっといらっしゃることだろう。

それには「選択肢が多ければ多いほど質が高まっていく」というのが答えになる。

ほら、心当たりがあるでしょう・・、志望校、就職先、そして結婚相手とくると「身も蓋もない」かな(笑)。

というわけで、ああでもない、こうでもないと毎日がルンルン気分だが、実は組み合わせが無数にあるようで、ある程度限定されてくる。

というのも各機器の個性をおおかた把握しているので、相性の悪そうなのは初めから除外できるし、今回のお客さんの「Y」さんも長いお付き合いなので我が家の機器の個性をほぼ熟知されているので随分と手間が省ける。

とにかくヴァイオリンの再生とくればスピーカーは最初から「AXIOM80」で決まり~。

結局、最初の組み合わせを次のとおり設定して「梅雨空の品定め」を行った。

「DPーUB9000K」 →(デジタルコード)→「A22(ハイレゾ176.4Hz)」→「安井式プリ」→「071シングルアンプ」→「AXIOM80」(復刻版)

するとYさんから次のようなコメントがあった。

「これは今まで聴かせていただいた中で最高の音ですね。超ハイスピードのサウンドです。それに艶と潤いが加わりました。はてしなく透き通った透明感といい、やはりAXIOM80じゃないと出せない音でしょう!」

いつも歯に衣を着せない辛口のYさんだが、のっけからこういう言葉をいただこうとは夢にも思わなかった(笑)。

続く。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/7a214dc4f45f99c53c4b1a69ce8592c1

△▽

「音楽&オーディオ」の小部屋
夏が来た!オーディオの衣替えだ!!
2022年06月29日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f9bebdc8d6ce7cdd8ac19709752bb033

梅雨が始まったばかりだと思っていたら今年は異常な速さで「店仕舞い」ということで、関東・関東甲信越地方や九州南部(6月27日)に続いて、九州北部も28日に梅雨明け宣言にビックリ、しかも「今年は7月をピークに猛暑になりそう」との情報も飛び交う。

当地、別府でも早くも連日30度の猛暑が押し寄せている

で、オーディオも夏向きへと衣替えだ!

★ DAコンバーターの休養

現在の手持ち3台のDAコンバーターのうち、一番古い「エルガー プラス」(dCS)は、室内が30度を超えると短時間の使用でも内部の熱が溜まって天板が異常なほど熱くなる。

となると、コンデンサーなどへの部品への悪影響が心配になるので、7月~9月は「電源スイッチ」を完全に落として使わないことにしている。

とはいえ、残り2台のうちの「A22」(GUSTARD)もかなり熱くなるので、冷凍庫で冷やしていた保冷剤をタオルに巻いて、天板に敷き詰めたヒートシンクの上において4時間ごとに交換している。

    

手がかかるオーディオ機器ほど可愛いものです(笑)。

★ パワーアンプの選択

暑いときはエアコンの出番と決まっているが、一日中つけっぱなしというのも不健康だし、電気代もばかにならない。それに「大河の一滴」だろうが「節電」にも協力しなければ。

昨日(28日)の昼のテレビ「ひるおび」で、熱中症防止のため「エアコンは必須です」と言ってたが、都会はそうだろうが地方はそれほどでもない。

我が家の場合、立地に恵まれており海からの爽やかな風が吹いてきて暑さを凌ぎやすいので助かる。

で、夏の日中はなるべく窓を開け放して、ややボリュームを落とし気味にして音楽を聴くことにしている。

となると、「サブウーファー」(100ヘルツ以下)はお呼びではない。

「AXIOM80」をサブウーファーなしで聴くとなると、比較的低音域が豊かなパワーアンプの出番になる。

中高音域の美しさは71A系アンプが抜群で他のアンプの追随を許さないが、低音域の充実度となると話が違ってくる。

候補となるアンプは次の5台。

「WE300Bシングル」「PP5/400シングル」「2A3シングル」「6AR6シングル」「71Aプッシュプル」

で、この中で「見た目」と「音質」から一番涼しそうなのが「6AR6シングル」アンプ。

アメリカ海軍のレーダー用として使用されていた名管「WE350B」を出自とする「6AR6」(5極管)を出力管としたアンプである。



「6AR6」は初期から後期までいろいろあるが、初期の「楕円型プレート」を使用し、「5極管」を「3極管」接続にしている。これで周波数特性の曲線が名管「PX4」(英国)とそっくりになるというから頼もしい。

また、前段管を当初の「6SL7」から変換アダプターを使って「ECC83」(テレフンケン)に代えているが、「μ=増幅度」が増えたせいか瞬間的な大きな入力の時に確実に歪が減る。

さらに、「北国の真空管博士」にお願いして回路を少し手直ししてもらい、ボリュームを「クラロスタット」製に変更している。

「これで少なくとも貴方の手持ちのアンプの中では周波数レンジが一番広いと思いますよ」とのお墨付きを得ている。

ちなみに、「クラロスタット」ボリュームはあの名器とされるプリアンプ「マランツ7」に使用されており、「ヤフー知恵袋」に次のような問答がある。

「マランツ#7は製造年代によってボリュームのメーカーが異なり、それによって、音の大きな違いが生じるというのは本当でしょうか。どなたか詳しい方、教えて下さい。」

「マランツ7のボリュームは何種類かあります。 クラロスタット製が最高と言われております。 シリアル№11xxxx番迄(12000未満)迄クラロスタットのボリュームが使われておりますが、シリアル№11xxxx番迄(12000未満)迄は音が格別によいと言われており、オークションも含めて高値で取引されております。

但し、名前は控えさせて頂きますが、メンテナンス兼レコード&オーディオ輸入販売されている方より直接聞いた話ですが、№11999以内を輸入したのですが、クラロスタットのボリュームが他社に変更されており、低価格ですぐ売却したとのこと。~以下略 ~」

というわけで、我が家の「6AR6」アンプの音が悪かろうはずがないですよね!(笑)

最終的にこのアンプでモーツァルトを聴きながら、実際に外に出て耳を澄ましてみると想像したほど音が漏れていないし、気になるほどうるさくはない。ましてや、通りすがりの人にとってはまったく意識しない程度のはず。



玄関近くにあるオーディオルームの窓から植木を隔てて道路に面する塀まで4mほどあるが、植木が拡散と吸音の役割を果たしているようだ。

この程度なら気兼ねせずにもっと大きな音で聴くことにしようと自信が持てた(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f9bebdc8d6ce7cdd8ac19709752bb033

△▽

「音楽&オーディオ」の小部屋
まったく「要らん世話」ですが
2022年07月02日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/dac1a944bcb7ac283a137066d4a4db78

50年以上オーディオに悪戦苦闘していると、いろんな方面から情報が入ってくる。

それぞれに貴重な実例として参考にさせてもらっているが、まったく“鵜呑み”というわけにもいかず最終的な機器の取捨選択はひとえに自分にかかっている。

そもそも空気の振動を音楽に変換する「脳」は個人ごとにそれぞれ違うし、リスニングルームの大きさや形状によっても音は千変万化するので、最終的には現場のケースバイケースでの判断に委ねられる。

たとえばテレビを観ながら大きな空間の中で音が鳴っていると、その響きについ「うっとり」としてしまう。こんな空間なら大がかりなオーディオシステムなんて不要だな~、その一方で部屋が小さくなればなるほど質のいいシステムが必要になるようだ。

部屋の大きさとシステムのレベルは「反比例」する、言い換えると「(女性の)色の白さは七難隠す → 部屋の大きさは七難隠す」(笑)。

で、そういう状況の中で揺るがぬ信念のもとに的確な判断が下せるといいのだが、現実にはそうもいかない。

本音を言わせてもらうと、昔からあまり自分の耳に全幅の信頼を置いているわけではない。

そういう意味では永遠に「ストレイ シープ」なのである。そういうときに最終的に頼りにしているのがオーディオ機器の「ブランド」となる。

どなたにも衣食住の全般にわたって、「これさえ使っていればひとまず安心」という「信頼のブランド」が何かあるに違いないが、趣味のオーディオもその例に漏れない。

端的に言えば性能と精神安定剤が両立したようなものかな。

自分が長年にわたって使ってきた中で実例を挙げると、スピーカー、真空管などを含めて強く印象に残っているものといえば、イギリス勢では「グッドマン」「STC」「GEC」「ムラード」でこれらの銘柄はすべてハズレがなくて満足のいくものばかりだった。そういえば、いずれも相当古い年代のものばかり!

アメリカ勢では言わずと知れた「WE」(ウェスタン)、「RCA」がそう。

ほかにも自分が知らないだけで沢山の信頼のブランドがあるのだろうが、現時点では以上に尽きる。

で、主要な論点はここからである(笑)。

つい先日のこと、古典管の泰山北斗とされる方と次のような会話をしたので紹介させてもらおう。

「現在スピーカーにAXIOM80を常用しています。音声信号に対するハイスピードぶりを堪能していますが、ようやくこのハイスピードに対応できる真空管が限られていることに気づきましたよ。

たとえば「71A」や「6AR6」に比べてプレートの大きな真空管、つまりWE300BやPP5/400などの音が何だか間延びするような感じなんですよね。有名ブランドといってもやはり最後は適材適所であまりあてにできませんね」

「そうなんです。WE300Bなんて業者をはじめとした関係者が儲かるために作り上げた虚像ですよ。たしかに悪くはない真空管ですがとてもお値段ほどの価値はありません。あなたもそう思うでしょう!」

という内容だった。

とはいえ、こういうことは実際に使って体験してみないとわからないことも事実。

たとえば、我が家でも小型の真空管を使っているうちに、有名ブランドの真空管ならもっと「いい音」がするに違いないと思い込んで、WE300BやPP5/400が欲しくなり購入するのは必然の流れだったといえよう。

そして、使っているうちに有名ブランドといってもけっして万能ではないことに気づき、ようやく適材適所という難題に突き当たる・・。

皆様のオーデイオは適材適所になってますか~、まさかブランドを盲信しているわけではありませんよね。

まったく「要らん世話」ですが(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/dac1a944bcb7ac283a137066d4a4db78

△▽

「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオの闇は果てしなく深い
2022年07月11日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/67a51777c7c87a744e1d4c5c185a3a6b

前回からの続きです。

左チャンネルのSPボックスは元のまま、右チャンネルのボックスは前回の既述どおり新たな仕組みを施して耳を澄ませたところ、右側の方が圧倒的に良かった。

音が明るい、響きが豊かで屈託がない、それぞれの楽器に深い奥行感が出てきた、低音域の量感が増えた感じがする、など期待以上の成果に驚いた。

たった1枚の小さなビニールを底板に敷くだけでこれだけ変わるのだからオーディオの闇は果てしなく深い(笑)。

小躍りしながら、ためらうことなく左チャンネルについても同様の作業に取り掛かって無事終了。

その日は終日、いろんな曲目を聴きまくりながら「ええ音やなあ・・」とご機嫌。これが「バラ色の人生」というやつだろうか(笑)。

で、翌9日(土)の早朝のこと、およそ1か月ぶりにオーディオ仲間の「Y」さんのご尊顔を仰ぎたくなった。

「AXIOM80を弄ったところ、どうやら満足できる状態です。聴きにお見えになりませんか」

「ハイ、それではいつもの13時半ごろに伺います」

「Y」さんには我が家のシステムに変化が起きたときは必ずといっていいほど来ていただいてアドバイスをいただいている。

もちろん、まるっきり鵜呑みにするわけではないが、冷静な第三者の視点からのご意見はハッとさせられることが多い。

で、実際にお見えになるとなると、できる限り最高の状態に整えておきたいので、さっそく大分市郊外の「DIY」店に走って箱の内部の重しとなる「鉄筋」を買った。クルマで45分ぐらいかな。



長~い2本の鉄筋を30cmおきに切ってもらった。1回の切断料が50円なり(笑)。これらを左右のボックスの底部に四方均等に敷き詰めた。そして既存の「水入りのダンベル」はボックスの上に置くことにした。

何しろ板の厚さが「1.5cm」の軽い箱だから、それなりの重さにした方がボックス全体の振動のためにはいいと思っている。

作業がぎりぎりに間に合って、13時半きっかりにYさんがお見えになった。

Yさんは大きな高齢者保養施設の理事長さんであり、立場上の慣れもあるのだろうか、一切の忖度なしに「歯に衣」を着せずストレートに発言される。

正直言ってカチンとくることもあるが、それ以上にメリットの方が大きい(笑)。

「明らかに(音が)変わりましたね。以前と比べて焦点がピタリと合ってる感じです。一段とレベルアップした感じですが、インシュレーターの効果もあるんじゃないですか」と初めから好評。



お気に入りの「AXIOM80」にはいつも好意的な見方をされるが、今回はさらに輪をかけた感じ。

せっかくの機会だからと、駆動するアンプを3台順次取り代えていった。

アンプとスピーカーは持ちつ持たれつの関係だが、AXIOM80はアンプ次第でガラッと音が変わる。言い換えるとアンプの選り好みが激しい。

初めが「2A3シングル」次いで「6AR6シングル」(三極管接続)、そして最後が「071シングル」(SRPP回路)。

いずれもインターステージトランス無しのアンプである。私見だがAXIOM80のハイスピードに対応するためには「インター・・」は無い方がいい気がしている。



その結果、Yさんの好みの順番は「071」「6AR6」「2A3」となった。つまり尻上がりに評価が上昇したことになる。

「071があればもうほかのアンプは要らないんじゃないですか」というほどの惚れ込みようだった。

「アメリカの出力管の系譜は「71A→45→50→2A3」となっており、よりパワーが増していっていますが、音の質感とスピードでは71Aが一番かもしれませんね」と申し上げたことだった。

また、71A系といっても当時はメーカーが乱立していて多種多様、その中でも「071」は「171」(トリタン・フィラメント)と双璧とされる真空管だから能力を存分に発揮した可能性もある。

夏場は窓を開け放すことが多いので、やや低音域が弱い「071」はここしばらく控えに回っていたのだが、このたびのSPボックスの改造によって低音域の不満も見事に解消し再び「檜舞台」へと躍り出た感じ、かな。

この日は二人して3時間ほど、クラシックからジャズ、ポピュラー、歌謡曲までいろんな音楽ソースをみっちり聴き耽ったが、いっさい破綻を見せることがなかった。

「これでもう満足、何も言うことはない」という雰囲気が漂った(笑)。

最後に、プリアンプを当初の「マランツ7型」(出力管は13D3)から「安井式」(これも出力管は13D3)へと取り代えてみた。

前者はあまりにも超繊細なので短時間の試聴向き、その一方、後者は「線が太くてゆとり」があり長時間の試聴向きとのこと。

お客さんを唸らせるとしたら「マランツ7型」かな(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/67a51777c7c87a744e1d4c5c185a3a6b

△▽

真夏の騒動記~エースの酷使を避けよう~
2022年07月14日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/aecc422436072ba21195387a15338246

このところスピーカーは専ら「AXIOM80」を使っている。とにかく、暑い時期は爽やかで涼しい音がよろしい(笑)。

で、このSPにもっとも相性がいいのが「071アンプ」。能力自体は別ですよ!



毎日、図書館と運動ジムに行く時間を除いてスイッチを入れっぱなしになるが、時間にすると1日当たり12時間前後にもなろうか。何しろ本を読むときも鳴らしっぱなしなんだから。

となると、鳴らせば鳴らすほど音がこなれてくるSPと違って、真空管も含めてアンプは所詮「消耗品」なので寿命が心配になってくる。

それにどんなに「気に入った音」であろうと、たまには違う音も聴きたくなる(笑)。さらにはアンプ類はときどき電気を通してやらないと目覚めが遅くなって故障の一因にもなる。

いろいろ理屈をこねまわしながら、結局二番目候補というか「準エース」の出番となった。



同じ「71A系」のアンプだが、右側がエース、そして左側が今回「俎上」の準エース。両方ともオーディオ仲間の「N」さん(大分市)から3か月ほど前に改造してもらったものだ。

両者の違いは、「前段管」、「出力管」、「整流管」と「回路」になるが、やはり実際に音を出してみると、言葉では表現できないほどの微妙な差になるものの、やはり違う。

どうも、(準エースが)しっくりこないのでジタバタ騒動してみた。

まずは整流管(交流を直流に代える役目)を「80S」(BRIMAR)から「OKーX213」(ナス管メッシュプレート)に交換したところガラッと変わった。

これまで耳に馴染んできた「エース」の音により近づいた感じがする。

あえて述べれば「80S」は性能が良すぎて洗いざらい白日の下にさらけ出す感じだが、「OK・・」は奥ゆかしさがあって全体的に上品な雰囲気が漂ってくる。明らかにこちらの方が「色気」があって好みだなあ(笑)。

次に前段管の差し替えに移った。

候補は「AC/HL」(英国マツダ:初期版)と「MHL-4」(英国オスラム)の一騎打ちだ。前者は「μ(ミュー)=増幅率」が「30前後」で後者は「20前後」とかなり違う。

「μ」の違いによって球の内部抵抗が変わってくる。「μ」が高いほど内部抵抗が高くなるそうだ。

こういう時は古典管の泰山北斗「北国の真空管博士」に相談するに限る。

「AC/HLとMHL-4のどちらを使うか迷ってます。基本的な話ですが、同じような音の場合、内部抵抗が低い球を使った方がいいんでしょうかね」

「一般的にはμが低い、つまり内部抵抗の低い球は落ち着きがあってやや音の重心が低くなります。その一方内部抵抗の高い球は軽快な音を出す傾向にありますが、いざ単独の評価となると難しいですね。要は適材適所ということです。たとえば有名な300BやPX25などはμの低い前段管を使わないと本来の音が出ませんからね」

専門用語が多くて、たとえばGmなどの「三定数」を持ち出されて自分には理解しずらかったが、わかりやすく要約すると以上のとおり。

残るは「出力管」の「71A」だが、何しろ天下の「レイセオン」のボックスプレートだから能力に疑問を差し挟むと天罰が下りそうなのでこればかりは不変といこう(笑)。

で、結局は実際に聴いてみてどれが好みか、自分の耳の判断に委ねることにした。



これが最終形で、前段管には「MHL-4」、出力管は「71A」(レイセオン)、整流管は「OK-X213」に落ち着いた。

仮にエースが「100点」だとすると「95点」ぐらいにはなったかな~。

とりあえず、「真夏の騒動記」はこれにて一件落着(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/aecc422436072ba21195387a15338246

△▽

「音楽&オーディオ」の小部屋
我が家のサウンドを席巻する「71系アンプ」
2022年07月27日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1e99e28c3ae271fd6832e697f06381c7


「あなたは気に入ったとなると、同じようなモノをいくつも買いたがるわね。」と、家内からときどき皮肉めいたことを言われる。

たしかに言われてみるとその通りで身の回りのモノのうち非常に大切と思うものは、万一故障して同じものが手に入らないと困るし、それに取り返しがつかない宝物を失った気持ちがするので、日頃からとかくスペアを準備しておきたがる癖がある。

いわば「心配症」。

さすがに「家内と一人娘」のスペアだけは確保できなかったが(笑)、日常的にその癖が顕著に発揮されているのが例によってオーディオ機器。

けっして自慢するつもりはないが、ざっと挙げてみると、

CDトランスポート2台、DAC3台、プリアンプ3台、パワーアンプ9台、スピーカー7系統、それからスペアの真空管が多数といった具合。

となると、機器同士を組み合わせるときの相性探しがたいへん。

もちろん、とびっきり優秀なアンプでとびっきり優秀なスピーカーを鳴らすという「一穴主義」もあるが、どんな音楽ソースにも対応してうまく鳴らせるSPというものを未だに知らない。

たとえば、フルトヴェングラーが指揮した音楽を聴こうと思えば、ドイツの鬱蒼とした森のような一塊のようなサウンドの再生に秀でていなければならない。

その一方、可憐なソプラノを聴くときなどは音像定位に優れた小口径のフルレンジが圧倒的な強さを発揮する、といった具合。

したがって、各家庭では平均するとおよそ80点ぐらいの妥協点でいろんなジャンルの音楽を聴くことになる。

かくして、我が家ではこれまではほぼ1週間ごとに「どういう音楽」を聴きたいかを主眼にスピーカーとアンプを組み合わせてきたが、このところようやく落ち着いてきた感がある。

そう、つい最近劇的な変身を遂げた「AXIOM80」のハイスピードに対応できる「71系」アンプが我が家のサウンドを「席巻」しているのだ。

ウッ、「席巻」(せっけん)って?

中国の古典「史記」に由来する言葉で、「席(むしろ)を巻くように片端から土地を攻め取ること、転じて圧倒的な勢いで自分の勢力範囲に収めること。」(広辞苑)

もう既にご存知でしたかな?(笑)

現在、手元には「71系のアンプ」が3台ある。



中段の左から「出力管」の種類のネーミングにより1号機「171シングル」、2号機「371Aプッシュプル」、3号機「71Aシングル」といった具合。

古典管を愛好する方にはお分かりのとおり「2桁番号はST管」「3ケタ番号はナス管」となる。

で、この3台は出力管に同じ「71系」を使っていても、それぞれ微妙に音質が違う。

1号機は中高音域の華やかさが抜きんでている、2号機は豊かな低音域に秀でている、3号機は前二者にはない「穏やかさ」があり長時間の試聴にはうってつけ。

目下のところ「AXIOM80」(初期版)には「371シングル」を、そして復刻版には「371Aプッシュプル」を充てているが、まったくより取り見取りの状態でその日の気分によって、これら3台をたらい回しにしている。

いずれも比較的小型で軽いアンプなので持ち上げても腰に負担がかかることがない。

歳をとればとるほど、アンプは軽くてシンプルなものに限りますな!(笑)
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/1e99e28c3ae271fd6832e697f06381c7
7:保守保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/04/05 (Wed) 14:18:44


「音楽&オーディオ」の小部屋
オークション情報~WE300A出力管~
2023年03月28日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/695951333b31526123ad1b369f1d5034

オーディオ投資に失敗はつきもので、我が家の歴史を振り返ってみても数知れぬほどの屍が累々と横たわっており、ときどき臍(ほぞ)をかんでいるのは言うまでもない。

ところが・・。

先日の「ハイエンドオーディオフェア」で、1千万円前後の高額の機器を見たり聴いたりしていると、感覚が麻痺してきて少しぐらいの失敗は何てことはないなあとちょっと気が大きくなった(笑)。

で、スケールはやや小さくなるがもうひとつ気が大きくなる話を~。

先日来、オークションに出品されていた「WE300A」真空管について、気になって仕方がなかったが、このほどようやく落札の運びになった。



出品者の解説によると、

およそ90年前に造られた初期型で形状はほぼ揃っています。モノラルの時代の品なので2本揃うのは極めて貴重です。ガラス内部の付け根に両方とも 12-31 と書かれています。同一ロットを意味するかもしれません。

約30年前に中古で購入。出力6Wのシングルアンプの軽い動作で使用。これまでノイズもなく良い音で正常に動作していました。

フジソクの精度の良い真空管測定器で測定した結果は、共に正常範囲です。購入当時からほとんど特性は変わっていません。

エミッション特性はともに150mA位まで伸びていて良好です。ゲッターは濃くてかなり大きいです。真空度は高いようです。ゲッター金具はカップ状です。

WE300A 初期型 でWEB検索すると詳しいことがいろいろと出てきます。

とまあ、以上のとおりだが真空管の世界はいろいろと「ご先達」がおられるのでとても自分ごときの出る幕はないが、音のいい出力管といえば英国では「V503(DA30)」 「PP5/400(PX25)」あたりで、米国では「WE300A」 「WE300B(刻印)」くらいではなかろうか・・。

とりわけ「WE300A」は時代が古いこともあってめったに見かけないし、マニア垂涎の的であることは疑いない。

画像によると「ブルーの光」が綺麗に輝いているが、管内の真空度が高いとこういう色が出てくるので程度はメチャ良さそう。

とはいえ、いまさら購入する気はさらさらないので興味の焦点は「落札額」がいったいいくらになるのか~。

ちなみに、開始価格は「100万円」、落札日は「26日」(日)。

そして、もったいぶらずに明らかにすると落札額は「160万1千円」なり!

数年前のことだが「WE300B刻印」がたしか100万円だったので、それをはるかに上回る金額!

ウ~ン、泣いても笑っても真空管の ”とどのつまり” は「ウェスタン」ですか・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/695951333b31526123ad1b369f1d5034





「音楽&オーディオ」の小部屋
真似をしたのはどっちだ?
2023年04月05日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f579c7ebffc28e2c15e132ae93d1ce3

書いては消え、書いては消えていく「泡沫(うたかた)」のようなブログ記事・・。

ところが、ときどきしぶとく生き残る奴がいる(笑)。

1週間前に投稿した古典管「WE300A」の記事がそれで、今でも過去記事ランキングに登場するくらいだから珍しい存在といえる。



なにしろペアで「160万1千円」(オークション)という落札額には誰もが目を剥(む)いたろう。たかが真空管ごときに~(笑)。

もちろん、値段が高けりゃ性能もいいというわけでもないが、金額の裏打ちとなるそれだけの「熱意」には敬服するばかりで一つの推測材料にはなる。

古典管(出力管)の王者は「WE300A」(アメリカ)で決まりだ!

ところが、どっこい・・。

英国にも「負けず劣らず」の立派な代物があるんですよねえ(笑)。

6年前の記事をご記憶だろうか。

「幻の超銘球P.A.40(DA30系)」がそれ。

その内容だが「北国の真空管博士」が希少管とされる「V503(英国)」をなぜ手放されたのか、伺ってみると次のような理由だった。

「V503は今や幻の銘球ですから通常は出品しないのですが、実は幸運にも数年前V503より100倍入手が難しいといわれる上位球P.A.40を所有するに至りましたので出品した次第です。

これが英Ediswan社のP.A.40です。

この写真(省略)を見てV.503そのまんまじゃん!と思った人も多いと思います。私も初めて見た時はV.503のセレクトチューブなのでは?と思いました。仔細に現物を観察してそうではないことを確認し、いったいこれは何なのだ!と唸ってしまいました。

写真では判りませんが、ステムを見るとPA40bと書かれており、組み立て前にPA40専用のステムがあった事がわかります。V.503とはプレート損失、同一条件のPP時の出力以外の規格、定数、電極とバルブのサイズに至るまで全く同じです。

GECにはPX25Aに対してDA30がありますがそれと同じ関係のようです。DA30属の中では最大のプレート損失40Wを誇り、WE300Aにも匹敵する球です。目視ですがWE300Aとはプレートの縦、横、厚さのサイズが殆ど同じです。

WE300Aと動作例を比較してみよう。

   WE300A   P.A.40
Ef  5.0V      4.0V
If   1.2A      2.0A
Ep  400V      400V
Eg  -89V     -85V
Ip   50mA     50mA

EpMax 450V    450V
Pd    40W     40W

殆ど誤差の範囲といって良いくらいの動作例である!

最大定格も同じですから興味は尽きませんが、P.A.40の発表年に関する資料を発見できずどちらが先に発表されたか特定できませんでした。」

ちなみに、これが「V503」(エジソン・マツダ)。



はたして銘管「WE300A」(アメリカ)と「P.A.40」(英国)のどちらが先に作られたのか?

言い換えると「どちらが真似をしたのか?」(笑)。

ことはアメリカ管と欧州管の技術力の差にまで及んでくる。

ちなみにヨーロッパはアメリカと違って第二次世界大戦の主戦場になったので度重なる爆撃などの破壊が繰り返され随分貴重な真空管が失われてしまったのは周知のとおり。

その点、アメリカ球は「WE300B刻印」(1940年代)をはじめとして、今でも往時の銘管がまっさらの新品で出てくることがあるから戦禍を直接蒙らなかった国のメリットは計り知れない。

真空管アンプにも夢が必要だとすると、さしずめ「P.A.40」あたりは「WE300A」と並んで代表的な「手に入りにくい」真空管として有力な候補にあたるのは間違いない。

それにしても、 もしオークションに出品されたらどのくらいの落札価格になることか・・。それよりも、いったいどういう音がするんだろう?

一度でいいから「WE300A」と「P.A.40」の音を聴いてみたい・・。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f579c7ebffc28e2c15e132ae93d1ce3
8:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/08 (Mon) 09:30:15

原音再生すると音の官能性が消える
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14083149

この世のものとも思えない音を出すにはどういうオーディオ機器が必要か
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030753

クラシックに向くスピーカー、ジャズに向くスピーカー
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14104540

カリスマ音楽評論家 宇野功芳が50年間使っていた装置
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004322



現在販売中のアンティーク製品については

最高の音を一番安く手に入れる方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003094


▲△▽▼


オーディオで参考になるサイト

プロケーブル社長の言っていた事が本当だった _ オーディオの基本と鬼門・その真実
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004014

Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073779

我が、 蹉跌のオーディオファイル
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073772

オーディオブログ _ 禁断のKRELL
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073792

「音楽&オーディオ」の小部屋
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073760

岡山県玉野市の Vintage Audio 店を訪れました
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073785

「ペンションすももの木の音は素晴らしかった!」
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073803

情熱のオーディオ ウエスタンエレクトリック病棟
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073784

Der Klang vom Theater(ドイツ~劇場の音と音楽)
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073734

Innocent Key 最新 DAコンバーターのレビュー
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073790

オーディオ懐古録掲示板
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073797


▲△▽▼


真空管アンプ


真空管アンプの世界
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/381.html
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/415.html

タヌキ親父の部屋
https://omsound.exblog.jp/i2/

マイナー真空管を使った真空管アンプは、その真空管が手に入らなくなったら不燃ゴミになる
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/961.html

1W(ワット)アンプで 38㎝ウーハーは無理
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/968.html

昔の軽量高能率スピーカーにはドライブ力が強い最新のトランジスタアンプは合わない
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1102.html

真空管の寿命は6000時間
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14062287

激安だけど音がぼけるだけの無意味なプリアンプ _ 真空管プリアンプ FX-AUDIO- TUBE-01J 5,420円
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004392

アンプを真空管の音にしたければ「カトレア」のバッファアンプを通せばよい
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14073822





アンティーク真空管アンプの世界
http://www.asyura2.com/17/ban7/msg/541.html

ウェスタン・エレクトリックの真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/479.html

ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004441

ウェスタン・エレクトリックの出力管 300B を使ったパワーアンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/118.html

超お買い得 Audio Nirvana トランス結合 300B シングルアンプ (アメリカ)
欧米製300Bアンプ : Audio Nirvana 300B トランス結合、真空管整流 シングルアンプ (アメリカ)
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/120.html

WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

今 大人気の WE101D _ 出力0.6Wのシングル・アンプで鳴らせるスピーカーは?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/445.html




オールド QUAD の安物アンプは名機なのか?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/840.html

ESL57 が似合う店 喫茶店 荻窪邪宗門 _ ESL57 と QUADⅡ の世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/214.html

英国の気品 PX4 シングルアンプ 
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/443.html

欧州最高の出力管 PX4 を使ったアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14029910

イギリスの大出力三極管 PX25・DA30 を使ったアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030285

DA30 はあらゆる点で PX25 や WE300B より優れているんだけど…
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/446.html

究極の出力管 _ 伝説の DA100
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/441.html

EAR の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/480.html

ティム・デ・パラヴィチーニがいなくなった EAR に未来は無い
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004541



ドイツの真空管 1 _ RV258
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/463.html

ドイツの音楽はドイツの真空管アンプで聴こうよ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/698.html

OCTAVE の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/481.html




マッキントッシュ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/627.html

マッキントッシュのアンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004375

オールド マランツ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/635.html

マランツ #7 伝説の音の秘密
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004544

EL34 を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/137.html

カウンターポイント SA-5000 + SA4
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1033.html




直熱三極管 45シングル アンプで鳴らされた Goodmans Axiom80 が理想の音?
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030364

最大出力 0.79W だけど反応が非常に速い直熱三極管 71A シングルアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030394




日本の真空管アンプメーカー
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/117.html

上杉アンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004389

SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) の真空管アンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004391

買ってはいけない SUNVALLEY AUDIO(旧キット屋) の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/491.html

チューブ オーディオ ラボ の格安真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/487.html

ペンションすももの木 _ 「カトレア」の交流点火の真空管アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/488.html

プリアンプの評価が高いサウンドパーツ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/859.html

是枝アンプ
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1123.html


▲△▽▼


アンティーク・オーディオ機器の修理ができる店 _ ヤフオクで買った中古品の9割は不良品
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004547

古いアンプやスピーカーにはリスクが有る
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/832.html

アンティーク・オーディオ取扱い店
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/122.html



真空管アンプの修理

岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html

新潟県 南魚沼市 チューブ・オーディオ・ラボ
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/459.html


▲△▽▼
▲△▽▼


クラング・クンスト KLANGの会
オーディオ仲間の新年会でWE252A~Edまで真空管聴きくらべ
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210


2010年1月9日に行った、地元長野県を中心とするオーディオ仲間の新年会として行われた「真空管聴きくらべ」のレポートです。


上段左から 210、250、WE300B、WE252A、PX25、DA30

下段左から RE604、LK460、Eb、AD1、Ed新、Ed旧、RV258旧、RV258新、RV239
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10210_801.jpg


写真は当日聴いた真空管のうち、わたしが用意したもので、このほかに、

45、71A、WE252Aプリント、WE275Aナス管、4300B、AD1直管、ValvoのEd

を聴きました。ウエスタン・エレクトリックの各種丸管など、さらに多数の真空管を用意してあったのですが、途中で「このままでは肝心のドイツ球にたどり着けない」ということになってしまい、以上の真空管を聴きました。

アンプはバラック作りのユニバーサル機で、6SN7パラレル1段によるトランス・ドライブ、半固定バイアス、直流安定化電源、そして出力トランスはU808という構成でした。

お世辞にも立派なアンプとはいえませんが、これといった見どころが無い代わりに、最近の高性能トランスを使ったアンプのような個性も無く、球の違いがストレートに聴き取れました。

音源は某メーカーの音質評価用CD、スピーカーは Europa Junior KL43004 でした。

意外かもしれませんが、Europa Junior はとなりにあった フィールドの Eurodyn 以上に明瞭、かつ正確に真空管の音のちがいを表現し、比較には最適なスピーカーでした。


はじめに聴いた45は、まさしく中庸で癖のない音でした。意外にひ弱でなくて45と大差の無かった71Aに対し、210は色彩を控えた古風な音で個性的に聴こえました。250もややモノトーンながら、厚みがあって魅力的でした。なお、45と71Aのみ、別のアンプで聴き、続けて71Aを試聴アンプでも聴きました。

ここでおなじみの WE300B をリファレンスとして聴きました。写真では不鮮明ですが、3桁シリアルの1950年代のオールド球でした。繊細でありながら厚みがあって悪い音ではないのですが、ありふれているためか、みなさんの印象は薄いようでした。続いてWE252Aの刻印にしたところ、250をウェスタン風にカラフルにしたような魅力的な音に、みなさんの表情が変わり、「いいね」といった声が数人から出ました。プリントのWE252Aに換えてみると、刻印よりも少しだけ薄味ながら同様にすばらしい音でした。

このあたりで「このペースでは時間が足りない」ということになって、WE275A のナス管でウエスタンを締めくくることにしました。WE300Bを引き締めたような音で、みなさん好ましく感じていました。

ここからイギリス球で、スタートは4300Bでした。300Bを透明で格調高くした雰囲気の音を聴いたみなさんは、オーナー氏の「WE300Bより良い」という説明に納得していました。続いてはDA30で、1本目がエミッションが出ないというトラブルに見舞われましたが、2本目はこれまでの真空管とは格のちがう、スケールの大きさと繊細さを兼ね備えた音を出してくれました。音の色付けの少なさと低域の明瞭さでも優れていました。続いてはPX25で、予想どおりDA30に近い音色でしたが、若干伸びの無い感じで、全体的な印象は思ったよりも異なりました。

ここで宴席に移動してネパール料理を食べたあと、いよいよドイツ球を聴くことになりました。まずはRE604の真鍮ピンで、初期の球です。RE604にはさらに古いトップシールの球もあるそうですが、現物を見たことはありません。イギリス球はアメリカ球に比べて伸びやかな傾向がありますが、ドイツ球はそれに加えて色彩感と厚みがあるように感じます。45よりも鮮明な音でした。つぎのLK460はRE604を少し地味でソフトにした感じで、悪くありませんでした。

中型管に移って直管の Klangfilm のAD1(製造は Valvo)を聴いたところ、これまでのどの真空管とも明らかに違う音でした。みなさんしきりに「透明で癖が無い」と溜息のような感想を漏らしていましたが、そんなに癖が無いと感じるということは、逆説的に個性が強いということになるのでしょうか?そのつぎはValvoのEbで、これぞドイツという感じの厚みがあって雄大な音は、じつに魅力的でした。

AD1は写真のように即席のRV258型ソケット用アダプターを付けて聴きました。Ebよりも引き締まった、緻密な音でした。続くEdシリーズも同様なアダプターで聴きました。ValvoのEdは、たった1本なので確証はありませんが、内部構造、特性、そして音もEbと同じでした。Siemensの新型Edは、これまで聴いた古い球に比べると少し硬質な音で、「やっぱり新しい球の音だ」と、みなさんの評判は良くありませんでした。それに比べて旧型のEdは、EbとTelefunkenのAD1の中間くらいのバランスの良い音でした。ただ、音自体には高価なこの真空管を買うだけのメリットは感じられませんでした。

最後は大型管シリーズで、はじめの旧型RV258は少し硬い音でしたが、「低域がとても良い」という意見がありました。つぎの新型RV258は旧型とは異なって、色彩が豊かに感じられるのに、落ち着きのある魅力的な音でした。最後はバイアスの深いRV239でしたが、PX25とDA30のような差は感じられず、RV258の新型とよく似ていました。深夜0時までかかってドイツ球を聴き終わり、楽しい新年会は幕となりました。

さて、新年会と同じくこの記事も長くなってしまいましたが、みなさんの評価を大雑把に集計すると、直管のAD1が1番、新型RV258が2番、3番以降は意見がまとまらず、といったところでした。45系といえるRE604やLK460と45自身、(一枚プレートの)2A3系といえる300Bや275AとAD1やEdなど、製造国による傾向のちがいを越えた、共通するニュアンスを聴き取れたのも収穫でした。レンズでいえば45~RE604系がコントラストが良くて明解なテッサー型なら、300B~AD1系が繊細で解像度の高いガウス型といったところでしょうか。

もちろん、このような短時間の試聴で各真空管の本質的な音が理解できるはずもありませんし、1本だけのサンプルでは不正確でしょうが、ふだんから「どの球を買うべきか?」「どの球でアンプを作るべきか?」と悩める参加者のみなさんは、とても真剣に聴いておられました。もっとも、真空管による音のちがいなんて、アンプ全体からすれば一つの要素に過ぎないのですが、ついつい夢中になってしまった新年会でした。
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10210


△▽


【第3話】真空管聴きくらべパートII(RV258, RV239 編) 2010年5月16日
http://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10212


新年会の真空管聴きくらべで好評だった RV258 系の真空管について、第2ラウンドの試聴会を行いましたのでご報告します。

参加者は会場の都合で突然中止になった、サウンドパーツさんのイベントから流れて来たみなさんです。米国系~英国系で遍歴を重ね、WE300A や DA30 などの主要球を所有する大ベテランの諸氏ですが、ここに来てドイツ系の球へと切り替えつつあります。


左から古い順に並べた RV258 と P41/800
http://www.klang.jp/s/file/0000/000/000/102/10212_801.jpg


RV258 は1928年に登場したとされる TELEFUNKEN 製の球です。

古い設計なので、プレート電圧が 700 ~ 800 V と高いものの、フィラメントが 7.2 V 1.1 A で 7.9 W なのに対して出力 10 W と、非常に効率が良い球です。グリッド・バイアスも -70 ~ -80 V とちょうど良いレベルで、価格も Ed や Da などのポスト・チューブや AD1 系の球に比べれば安く、とても実用的です。

R は真空管を、V は増幅器を表しますので、RV は増幅器用の真空管という意味になります。RS237 などの RS が通信用の真空管なのに対し、RV が本来のオーディオ管というのは使っていて気分が良いものです。じっさい、211系などの送信管よりも素性の良さを感じます。

300Bが実際のオーディオ用途でそれほど使われなかったのに対し、プロ用の大出力アンプで大成功を納めた RV258/RV239 は、戦前・戦中のドイツ球にしては数多く現存していますが、さすがに最近は入手が難しくなってきました。


RV258 の音は一言でいうとニュートラルです。初期の直熱3極管全般の明るく澄んだ音色に通じるところがり、特別にドイツの音だ!というほどの個性はありません。パワーに余裕があることもあって、音楽のジャンルを選ばない万能選手といえる球です。

AD1 や Ed のように暗いフィラメントの球とはちがって、明るいトリア・コートのタングステン・フィラメントなのが良いのかもしれません。いっぽう、パワーがあっても大型送信管のような鈍い音ではなく、210/VT25 のように古風な音でもありません。ニュートラルなのですが、RV258 を聴いたあとだと、ほかの球はつまらない音に感じてしまうことが多いから不思議です。


試聴は新年会と同じ 6SN7 パラレル+結合トランスのバラック・アンプに EUROPA JUNIOR で行いました。

初めはシリーズIの球で1930年4月の製造でした。TELEFUNKEN のこの系統の球には、エッチングで製造月年の表示があるので、正確な年月がわかります。最古のシリーズという先入観のためか、みなさんは少し渋めの音に感じたようです。もちろん、同じ RV258 の音のなかでの微妙な差ですし、こちらのほうが柔らかくてシリーズIII以後の球より聴きやすいという感想もありました。

2本目はシリーズIIで、1930年10月の製造でした。シリーズIIはIとほぼ同じ構造で、プレートもこの2本は同じ茶色で、シリーズIII以降の灰色とは異なります。また、電極の支持方法が少しだけ改良されています。このプレートの茶色は、純粋なニッケルを高温炉で酸化させたときの色ですので、コーティングなども無い単純なニッケルのプレートかもしれません。音もシリーズIとほとんど同じでした。

3本目はシリーズIIIで、1931年8月の製造でした。プレートの色が変わったということは、材質か表面仕上げが変わったということです。そのせいか音も変わって、非常に良いバランスです。これといった癖もなく、ニュートラルに感じました。

4本目はシリーズIVで、1932年9月の製造でした。ここまでの製造年月はわずか2年ほどで、ごく短期間に改良が進められたことになります。シリーズIIIとの違いはやはり電極の支持方法で、頂部に大きなマイカが使われるようになりました。正直なところ、わたしにはシリーズIIIとIVの間には、ほとんど音の差が無いように感じられました。


プッシュプル用に4本揃えるのは困難になりつつある RV258IV

5本目もシリーズIVですが、ベースが黒から白に変わっています。1934年7月の製造でした。シリーズIVは長期間製造されていて現存する本数も多いので、これがメジャーなモデルということになります。黒ベースのシリーズIIIとIVの差がほとんど無かったのに反して、同じシリーズIVどうしなのに、黒ベースと白ベースでは明らかな差がありました。1本だけでは個体差かも?ということになりますが、写真の物も含めて黒白ともに4本づつあって、この差は明らかでした。ベースの色のように、少し現代的でワイドレンジに感じました。ベースの材質は黒が真鍮、白がアルミです。

6本目はシリーズVで、1940年5月の製造でした。シリーズVになってようやく、1920年代の名残をとどめるトップシールから普通の形状に変わります。ここから戦中の球になりますが、作りはしっかりしており、けっして粗悪品ではありません。音も白ベースのシリーズIVに少しだけ艶を乗せた印象で魅力的でした。

7本目はシリーズVIで、1943年4月の製造でした。大戦が激化したこのころになると、わずかに品質が落ちているように見えますが、シリーズVの音にしっとりとした落ち着きを加えた聴きやすい音で、けっして悪くありませんでした。人によってはもう少しスッキリしたほうが良いと思うかもしれませんが、個人的には一番好きな音かもしれません。

8本目はシリーズVIIで、1952年9月の製造でした。これだけが戦後の球で、構造もかなり変わっています。とくに、プレートの断面が楕円形から8角形になっていて、かなり異なる印象を受ける外観です。品質は非常に高く見えます。音もガラリとちがう雰囲気で、ちょうど新型 Ed の音が旧型 Ed や AD1 よりも良くいえば明瞭で鮮やか、悪くいえば硬くて上ずり気味なのと同様でした。わたしたちの言葉では「新しい球の音」ということになりますが、もちろん微妙な差ですので、この新型管の個性がちょうど良いスパイスになることも多いでしょう。

最後はタングスラム製の RV258 である Tungsram P41/800でした。概観は金色の真鍮ベースに大きな ST管が乗ったような独特の形です。また、この球は普通の酸化物コート・フィラメントで(トリアも酸化トリウムですが)、プレートの形状も含めてナス管の PX25 に近い構造のせいか、音も普通の真空管に近い印象でした。


点灯中の RV258IV(抵抗はヒーターON時のラッシュ・カレント防止用)

以上の結果から、RV258 はどのシリーズも優れた球であって、300B のように製造年代が古いほうが良いということもなく、どれを購入しても損は無いといえます。

シリーズIとII、およびIIIとIVは見た目も音も差が小さいので、ペアで使っても良いと思います。また、シリーズVとVIのペアも許容範囲だと思いますが、シリーズVIIをVI以前とペアにするのは厳しい気がします。

その後、II、IV、VIと偶数シリーズの RV239 も聴きましたが、同じシリーズの RV258 と共通する特徴が聞き取れました。もっとも、同じシリーズなら構造や材質が同じで、ちがうのはグリッド巻き線のピッチだけですから、当然の結果といえます。

また、RV239 は RV258 よりも内部抵抗が若干低いことが音にも表れますが、PX25 と DA30 のような明らかな優劣はなく、-150 ~ -180 V とバイアスの深い RV239 で増幅段が1段増えるばあいには、かえって RV258 のほうが良い音になってしまうかもしれません。
https://www.klang.jp/index.php?f=&ci=10139&i=10212

  • 名前: E-mail(省略可):

Copyright © 1999- FC2, inc All Rights Reserved.