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ヨウラ・ギュラー(1895年5月14日 - 1980年12月31日) ピアニスト

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2022/07/19 (Tue) 19:46:14

ヨウラ・ギュラー(Youra Guller、1895年5月14日 - 1980年12月31日) ピアニスト


HMV ONLINE Guller|Classical
http://www.hmv.co.jp/en/search/adv_1/genre_VARIOUS_700/keyword_Guller/

Youra Guller 画像 - Google 検索
http://www.google.co.jp/search?q=Youra+Guller&hl=ja&lr=lang_ja&tbs=lr:lang_1ja&tbm=isch&tbo=u&source=univ&sa=X&ei=5LReUdWLEu-fiAfZ5oGoBg&ved=0CC8QsAQ&biw=998&bih=859


Youra Guller - YouTube
http://www.youtube.com/results?search_query=Youra+Guller+&oq=Youra+Guller+&gs_l=youtube-reduced.12...0.0.0.9176.0.0.0.0.0.0.0.0..0.0...0.0...1ac.

Youra Guller plays Beethoven Sonata No. 31 in A flat Op. 110
http://www.youtube.com/watch?v=3Oa7vXHdFFg
http://www.youtube.com/watch?v=gyQrERwZ5cA

ベートーヴェン:ピアノソナタ32番 ヨウラ・ギュラー
http://www.nicovideo.jp/watch/sm3080005

Youra Guller plays Beethoven Sonata No. 32 in C minor Op. 111
http://www.youtube.com/watch?v=Mb5c6048PlU
http://www.youtube.com/watch?v=H1NKhBHut00&playnext=1&list=PLFD382FA21994F233&feature=results_video
http://www.youtube.com/watch?v=28YD4lBafS4

http://www.youtube.com/watch?v=yUf1z1Nzjxs

Beethoven Piano Concerto No. 4 in G major Op. 58 - Various Cadenzas
http://www.youtube.com/watch?v=TJGoSs94SMw

Youra Guller performs 4 French BAroque composers
François Couperin - La fleurie ou la tendre nanette ; Rameau : Le Rappel des oiseaux ; Daquin : Les tourbillons ; Balbastre : Romance in C
http://www.youtube.com/watch?v=N6Eg7L24L3Q

Very underrated french clavier composers - Part I (Duphly, Balbastre, Ibert)
http://www.youtube.com/watch?v=kLU0tBQcBd0&playnext=1&list=PL019A446791D79760&feature=results_video

Youra Guller plays Bach - Liszt Fantasia and Fugue in G minor
http://www.youtube.com/watch?v=KPKkxTXfK8Q

Bach-Liszt - Youra Guller - Fantasy and Fugue in G Minor, BWV 542
http://www.youtube.com/watch?v=isA6BVn0-gQ

Prelude And Fugue In A Minor BWV 543
http://www.youtube.com/watch?v=FwDVStYAFaU

Youra Guller plays Scarlatti Sonata in G minor L 338
http://www.youtube.com/watch?v=G9nhhX97pII

Youra Guller plays Scarlatti Sonata in E major L 23
http://www.youtube.com/watch?v=oNmNHuhIp2Y

Youra Guller plays Chopin Nocturne N¢X7 En Ut Mineur
http://www.youtube.com/watch?v=sMNSRAiCV5k

Youra Guller - Chopin: Nocturne No.4 in F Major
http://www.youtube.com/watch?v=jzXJbU4IG74&playnext=1&list=PL91A3DC55FFE3B8D6&feature=results_video

Youra Guller - Chopin : Nocturne No.9 in B major
http://www.youtube.com/watch?v=bydminR-JmM

Youra Guller plays Chopin 12 Nocturne N¢X13 En Ut Mineur
http://www.youtube.com/watch?v=XwEWu6kByWg&playnext=1&list=PL93441F7038735E73&feature=results_video

Youra Guller plays Chopin Nocturne in D flat major Op. 27 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=Dljx9HG5jjk

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 2 in C# minor, op. 6 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=Z6vVAoQOTlo&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 7 in F minor, op. 7 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=5pHqCl1yyLM&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 13 in A minor, op. 17 No. 4
http://www.youtube.com/watch?v=UeujGer0OGg&playnext=1&list=PLB39A0D008B96C32D&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 20 in Db, op. 30 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=HS8-zJOszhM&playnext=1&list=PLB52030E74262F7B3&feature=results_video

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 23 in D, op. 33 No. 2

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 32 in C# minor, op. 50 No. 3
http://www.youtube.com/watch?v=OCtwBsNZBaw

Youra Guller plays Frédéric Chopin Mazurka No. 34 in C, op. 56 No. 2
http://www.youtube.com/watch?v=2sqJCnNvVDs

Granados - Danzas espanolas - Youra Guller - Oriental &Andaluza
http://www.youtube.com/watch?v=Q5RUjm6-76c

Granados - Jean-François Heisser - 3 Danzas españolas op 37
http://www.youtube.com/watch?v=VqHvT5wowDA&playnext=1&list=PL0158C5BA9FB37326&feature=results_video

Youra Guller plays Matteo Albeniz Sonata in D
http://www.youtube.com/watch?v=j8_O8Q0fkfw&playnext=1&list=PLKimvFrS7rtQpBN35YgC1SDejy7rn_IkH&feature=results_video

息を呑むほど美しいピアノだ。

奏者はマルセイユ生まれのフランス人。ルーマニア系。

9歳でパリ音楽院のイジドール・フィリップスのクラスに入り、コルトーにも師事。

コルトーは彼女のテンペラメントと詩情を高く評価し、同時期に音楽院に在籍したクララ・ハスキル(さきにヴァイオリンを専攻して卒業)のことは器用貧乏と見たらしく「ユーラに比べるとはるかに雑なピアノ」とさえ言ったという。

バッハ=リストでのオルガンの響きを意識したらしいペダルの多用が、これほどまで斬新に聞こえるのは驚異的。

クラヴサンのための曲もモダンピアノでの演奏として個性的でありながら精緻できらびやか。

ショパンは独創的に思えるが、あえて言うなら「ショパン・コンクールという権威」によってどこか平面的で辛気くさく単調になってしまった価値観を洗い流してくれるような鮮烈で無垢な語り口だ。この曲を録音したときの奏者の年齢(その生涯を通じ、中断しがちだったという演奏キャリア)を考えると、胸がいっぱいになって泣けてくるのは私だけではないと思う。

そしてグラナドスは小品をあっさりと弾いているが、これはもはや凄絶な美と呼びたい。このアンダルーサの「祈り」の歌心に並ぶのは、近年ではおそらくネルソン・フレイレがアンコールで弾く「精霊の踊り」くらい。

残念なことに、Youra Guller(ユーラ・ギュレ)の録音は数少なく、この他にはベートーヴェンのソナタ(作品110と111)、ショパン・アルバム、さらにシューマンの交響的練習曲&スイス・ロマンド/アンセルメとのベートーヴェン協奏曲第4番&ショパン協奏曲第2番&アルベニス(イサクのほう)の曲が幾つか。CDにするとおそらく4、5枚ぶん。以上の音源が、いまでも思い出されたようにときどき、再発でリリースされているようだ。フランス本国では再評価の波が来ているようなので、もしかするとそのうちにきちんとしたかたちでインテグラル録音集が出るかもしれない。期待して待ちたい。
http://www.amazon.co.jp/Youra-Guller-Prelude-Fugue-Ballade/dp/B0000037BU

私の好きなピアニスト- ユーラ・ギュラー(Youra Guller) 

私がユーラ・ギュラー(Youra Guller, The Romanian Jewish pianist 1895~1980)のことを知ったのは、ちょうどドイツに赴任していたときに、会社の目の前にあったCDショップで「ユーラ・ギュラーの芸術(The Art of Youra Guller)」(lebel:Nimbus)というCDを見つけ、何の気なしに手に取ったときからです。

そのCDのジャケットには、戦前の写真なのでしょうか?若い女性の顔写真がアップで載っており、その、まるで映画女優のような上品さと美しさに惹かれて、その人となりをまったく知らなかったのですが、つい購入してしまいました。聴いてみると、とても写真通りの、上品かつ豊かな感性を示す演奏ながらも、時折、ちょっと尋常ではないパッションも感じられるもので、並のピアニストではないことは明らかでしたが、何回か聴いた後、CDラックにしまわれたままとなっていました。

その後、日本に帰国し、何年も経ったある日、とあるサイトでユーラ・ギュラーの弾いたベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏を紹介する記事を読み、以前、そのドイツで購入していたCDを再度聴いてみて、その内容の素晴らしさを改めて気づき、慌てて彼女のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏を探し始めました。

既に、エラート盤のベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏は廃盤になっており、中古レコード屋やインターネットで探しても見つからず、たまにE-bayで出品されてもすぐに入札が集中し、百ドルを超える高額でないと落札できず、なかなか手に入れることが出来ませんでした。

そうして探しているうちに、ある個人のサイトでこのCDを所有している方を知り、「なんとか聞いてみたいのだが」とメールを出してみたところ、「それではダビングして差し上げましょう」と厚意に預かることが出来、やっと、聴くことができました。期待に胸を膨らませて聴いたその演奏は本当に音楽性豊かで、素晴らしいものでした。未だに私の知る限り、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番の演奏で、この演奏を超えたものはありません。ピアノ演奏の極致、絶対的な「芸術」としか言いようがないものがこの演奏にはあります。

色々調べてみると、マルタ・アルゲリッチの必死の説得によってギュラーが78歳で録音したものであること、1909年、14歳でパリ音楽院をプルミエ・プリ(第1位)で卒業したこと(その時の第2位はクララ・ハスキルでした)などが分かってきました。

その後、この演奏のレコードやその他の手に入る彼女の録音はほぼ全て入手したのですが、驚くことにこの「幻の名盤」であったエラート盤は昨年、Apexというレーベルから廉価版で再販され、一部のファンを喜ばせました。また、最近はTahraというレーベルが積極的に昔の録音を発掘し、販売していますが、いずれも本当に素晴らしい演奏です。

(Tahra盤でのライブ演奏やNimbus盤の晩年のショパンのバラード4番の演奏などには演奏上の瑕がありますが、それでもそれを上回る非常に高い芸術性を感じとることができます)本当に素晴らしい、私にとって大事な「幻のピアニスト」です。

最初に紹介したNimbus盤のCDですが、レコードで発売されていたときとはジャケット(及び一部収録曲)が異なります。レコードの方のジャケットは眼鏡をかけた彼女の晩年の笑顔のアップの写真です。その顔写真は(失礼ながら)皺も多く、若い時の美貌は失われていますが、こういう風に歳を取りたいものだと思わせる、何とも味わいのある、素晴らしいものでした。

ユーラ・ギュラー…まさしくピアノの女神といって良いのではないでしょうか。
(注)ヴァイオリニストのジャック・ティボーは彼女を「音楽の女神」と呼んだそうです。
http://syoso-chunen.blog.so-net.ne.jp/2009-09-09

ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第31番、32番

気が狂いそうになるほど美しい音 2009/12/21 By 楽長クライスラー

この2つの曲の美しさがこれほどまで露にされたことが他にあっただろうか?

退廃と健全との間、あるいは此岸と彼岸との間を大きく振幅しているかのような、もう通常の意味での「演奏」の領域を超えているひとつひとつの音。ギュラーだけがこれらの曲の真の姿をさらけ出してくれた、とさえ思われる。

名前も耳にしたことのないこのピアニストの存在は、識者の方々のブログ等で初めて知ったのだが、それによると、この録音はアルゲリッチが世捨て人同然だったギュラーに懇願して実現したとのことだ。

ぞっとするほどの美人で、図抜けた才能のピアニストだが、所謂「幸せな」生涯を全うした女性ではないような感触がある。

アルゲリッチの音は大嫌いだが、彼女のおそらく無私な説得がなければこの音が歴史の中に刻印されることもなく、永遠に失われたという事さえ知りえなかったはずだとすれば、アルゲリッチの行動には心打たれるし、感謝のほかない。

自分が知らないだけで、実は世界には美しい音、卓越したピアニストが満ち溢れているのかもしれない。
http://www.amazon.co.jp/Pno-Sonatas-Ludwig-van-Beethoven/dp/B000TLWGFW/ref=sr_1_2?s=music&ie=UTF8&qid=1365162904&sr=1-2&keywords=youra+guller


Youra Guller ~ ユーラ・ギュラーというピアニスト、もう10年くらい前だったか、とあるCD店で見掛けて・・・

「知らないピアニストだけど、何か凄そうな気配」を感じ、手にとってみるとバッハの”プレリュードとフーガイ短調BWV543”(リスト編)を弾いているではないですか!

これは運命の出会いとばかりに、レジに向ったのでした。

BWV543は、私にとって殊更想い入れのある曲で、かのアルベルト・シュバイツァーがオルガンを弾いたレコードを今も大切に持っています。実に深い祈りが籠められた・・・キリスト教の悟り・愛の境地とは、このことなのかと思わせる神々しい演奏。因みに私はクリスチャンではないので、厭くまで想像の世界ですが~。

さて、このCDはギュラー80歳の時の録音。若い頃は映画界からのお誘いも多かったという美貌の持ち主で、確かにこのジャケットの写真が正に女優張りですよね。

何しろ澄んだ深い音楽を奏でるピアニスト。純度の高い美しい音色が、音楽の深い淵を覗かせるのです。これは本物です!
クララ・ハスキルにタッチが似たところがあって、モーツァルトも聴いてみたくなります。

バッハ・・・漆黒の背景に清澄な響きが染み渡ります。ショパンのエチュード・・・その楽曲を捉える鋭敏な感性は、どこかホロヴィッツを彷彿とするものがあります。更にバラード・・・技術的な衰えはありますが、やはりここでも深く澄んだ響きが印象的です。

どれも音楽の内奥に迫っていく何か・・・ハッとさせられる求心的な演奏なのです。

ギュラーは、優秀で14歳でパリ音楽院をアリーヌ・ヴァン・バレンツェンと第1位を分かち合って卒業したそうです。その時の第2位がクララ・ハスキルとのこと。

モーリス・ラヴェル、フェルッチョ・ブゾーニ、パブロ・カザルス、アルベルト・アインシュタイン等から、その演奏は絶賛されました。

しかし、録音は非常に少なく、私の知る限りでは他にベートーヴェンのソナタ第31番・第32番(ERATO 4509-98527-2 廃盤でしたが、再発された模様。マルタ・アルゲリッチが必死に説得して実現した録音とのこと。)、ショパンのマズルカ・ノクターン選集(Dante HPC021)があるくらいです。
いずれも素晴らしい演奏で、ピアノを好んで聴く方に~演奏する方も含めて、お薦め◎です。今日、偶々ショパンのピアノ協奏曲第2番のCDをPianist.ccさんのブログで発見して、早速、注文したところです。♪

このCD、ギュラーのピアノを生かすべく慎重に丁寧に録られた様で、とても透明感のある良い音質です。



ナイス!0
ギュラーは本当に凄いピアニストですね。ベートーヴェンの31,32番はとんでもない高みに達した演奏で、これ以上の演奏は考えられません。しかもしれがこんな美人な女性が弾いているのだからさらに驚きです。
2008/12/28(日) 午後 10:23 [ dokuoh ]


DokuOhさん、確かに仰る通りですね。
何故こんなに録音が少ないのか、本当に不思議になります。かなり不遇な人生を歩んだ人の様ですが・・・その美貌故だったのでしょうか?
2008/12/29(月) 午前 8:25

解説によればユダヤ系で全盛期が第二次大戦と重なり、また闘病のため「伝説のピアニスト」となってしまった、とありました。
2008/12/29(月) 午後 2:24 [ dam**erra ]
damaterraさん、「ユーラ」「ヨウラ」はユダヤ人の名前ですね。
戦争・迫害と更に闘病が重なっては、録音すら残せない状況だったでしょう。
しかし、残念です・・・こんなに素晴らしい演奏家が埋もれているとは。
2008/12/29(月) 午後 4:25
http://blogs.yahoo.co.jp/william_kapell/36277876.html

ヨーラ・ギュラーはロシア人の父、ルーマニア人の母のもと1895年パリで生まれた。幼少より音楽の才能を見せ始め、10才でパリ音楽院に入学。同じクラスには同い年のクララ・ハスキルもいた。

ギュラーは数々のコンクール優勝後、華やかな音楽家人生を歩み始める。カザルス、ティボー、エネスコ、コクトーら当時の大音楽家たちと交流、特にフランス6人組との親交は深く、彼らの作品には彼女に捧げられた作品が少なくない。

第2次大戦後は度重なる病のため演奏活動を休止。しばらくアジア各地を療養旅行の後、1955年にロンドンに移住。60歳でカーネギー・ホールにてリサイタルを開き劇的なカムバックを果す。1971年、再び病に倒れ、1980年に世を去った。
この録音はカムバック直後の録音だが、技術も確かで病の後など微塵も感じられない。戦前の古きよきパリの香りが漂う、実にブリリアントなショパンである。ピアノ・ファン必聴の待望の復刻。
http://diskunion.net/classic/ct/detail/CL-110817015


僕のLP蒐集のピーク時期を少し越えた1979年、ユーラ・グレアのLP盤が突然発売されて話題にのぼったことがあった。当時は「ヨウラ・ギュラー」と紹介されたが、僕はユーラ・グレアの方が雰囲気が合ってゐて好きだ。先日、旅先でグレアの弾くショパンのマズルカに感動してしまった。今宵は、久々にLP盤を取り出して聴いてみることにした。

リスト編曲によるバッハの前奏曲とフーガなどを取り上げるところが、前時代的で面白い。ラモー、ダカン、スカルラッティなどのバロック音楽に混じって1曲だけショパンを弾いてゐる。それは練習曲、作品25-2である。

柔らかなタッチから繰り出される音楽は、現代のショパン演奏とは全く違う20世紀初頭の仏蘭西洋琴界のエスプリを感じさせる。僅か数分の練習曲1曲で、この演奏家の格調高さが十分に伝わって来る。その高貴で感傷的な音楽は、「一度聴いたら一生涯忘れられない」といふレベルである。

ティボーは「音楽の女神」と、また、ミヨーは「崇高さにまで達するほどの音の深さを持ち、輝かしい演奏をする少女」と評し、ロマン・ロランはグレアのベートーヴェンの後期奏鳴曲を高く評価した。

エネスコとの御前演奏やシゲティとのベートーヴェン全曲演奏會、さらにはローゼンタール、コルトー、ザウアー、ホフマン、ルービンシュタイン、ソロモンらと方を並べて倫敦・ウィグモアホールで洋琴独奏演奏會のシリーズに加わったといふ30歳代のグレアの活躍ぶりを知れば納得する。しかし、第2次大戦を境に、突然、楽壇から消え去ったのだった。

どのやうな経緯でNIMBUSが録音を行ったのか、とても興味がある。この企画を考えた担当者には心から感謝したい。
http://blog.goo.ne.jp/tenten_family6/e/84a7d791b250e211ddf41e38d5643215


ユーラ・ギュレ(ギュラー)は第一次大戦と第二次大戦の間には、フランスを中心にかなりの演奏会活動を行っていたようで、CDのライナーノートには彼女への賛辞を綴った当時の大音楽家のサイン入りポートレートが沢山掲載されている。シゲティと組んだベートーヴェンのヴァイオリンソナタ全曲演奏会のポスターも本で見たことがあるが、大戦後はその頻度が少なくなってしまった。

 彼女が再度脚光を浴びたのは、1970年代に入ってからで、特にNimbus社に録音した小品集は、バッハの深遠さ、クープランなどのバロック小品における気品の高さ、ショパンの味わい深さなどで傑出した出来映えであった。

同時期にベートーヴェンの最後のソナタ2曲(Op.110と111)も録音しているが、こちらも同曲の演奏としてBestの一つと数えたい出来映えである。

 しかし彼女の録音は、これら以外には1957年ごろに録音されたショパンのノクターンとマズルカの抜粋盤しかない。つまりCD3枚だけしか発売されておらず、ライヴ録音からのCD化など、うわささえ聞いたことがない。前述Nimbus盤が国内盤LPとして登場したとき、ジャケットにはショパンの協奏曲第2番の放送録音に言及されていたが、こうしたものが登場することはないのだろうか? 決して奇をてらうことのない、誠実で気品ある音楽は、現代において非常に新鮮に感じられるのだが。
http://ameblo.jp/pianophilia/entry-10004383998.html


ヨウラ・ギュラー(1895 - 1980)は幻の名ピアニストと呼ばれ、録音も少なかったため一部に熱狂的な愛好者がいる。晩年アルゲリッチの薦めでレコーディングしたと言われるベートーヴェンのソナタ集のレコードは国内盤(ERATO)も出ていたし、

最近ではショパンの夜想曲集がGreen DoorからCD化されたので名前だけは知っているという人もいるかもしれない。フランスのtahraから出された放送用音源にはショパンの協奏曲ヘ短調が含まれている。

エドモンド・アッピア(1894 - 1961)指揮、スイス・ロマンド管弦楽団との共演で1959年6月10日のlive。第一楽章提示部、第二主題カット。音質はそれなりだが状態は決して悪くはない。

ピアノは初めからぐっとテンポを落としてたっぷりと歌わせている。第一楽章後半の木管との掛け合いなど絞り出すよう。夜想曲集を聴いたときにも感じたことだが、意外な程しっかりと音を鳴らしている。このヘ短調の協奏曲でも、じっくり(しっとり)聴かせるテンポにハキハキ鳴らされる音のアンバランスさが独特な雰囲気を作っている。

第二楽章はオケもテンポを落としてピアノとのバランスを修正している。フィナーレは一部崩壊寸前までフレーズを崩し着地点を見失いそうになるが、まあまあまあ。最後まで完走できてホッと一安心。

ヨウラ・ギュラーはパリ出身。パリ音楽院でイジドール・フィリップに学び、大戦前はフランスで活躍したが紆余曲折を経て(壮絶な人生らしい)大戦後に奇跡のカムバックを果たした。
http://kobakoshi.seesaa.net/article/41905127.html


ショパン ピアノ協奏曲第2番 1959.6.10
   ヨウラ・ギュラー(ピアノ),
   エドモンド・アッピア指揮,スイス・ロマンド管

      舟歌 1960.2.17
      マズルカ第20,29,17番 1962.4.6
      夜想曲第7,4番 1975.10.20

 ヨウラ・ギュラーあるいはユーラ・ギュレー(Youra Guller, 1895-1980)はパリの生まれで,9歳でパリ音楽院に入学し,イシドール・フィリップに学び,12歳で卒業して演奏活動を開始し,エネスコ,ティボー,シゲティなどと共演するなど,当時,コルトーとともにフランスを代表するピアニストと目されていましたが,第2次大戦中から病気のため演奏活動を中断してしまいます。

 その後,1955年に演奏活動を再開したのですが,録音は非常に少なく,CD化されているのはショパンの夜想曲とマズルカのデュクレテ=トムソン録音,ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第30,31番のエラート録音,「ユーラ・ギュラーの芸術」と題されたニンバス盤くらいではないかと思います。

 さっそく聴いてみると,ギュラーの演奏はタッチは不揃いですし,素早いパッセージはたどたどしいですし,テクニックの面では決して秀でているわけではないのですが,その指先が紡ぎ出す詩情豊かでエレガントな表現が何ともいいがたいほど魅力的で惹き付けられます。

 最初のピアノ協奏曲では,揺れ動く旋律の流れやアクセントの妙味が心地良いですし,エレガントな愉悦感に満たされた至福の演奏であり,この作品の希に見る魅力的な演奏ではないかと思います。ちなみに,エドモンド・アッピア指揮のスイス・ロマンド管の演奏は可もなく不可もなしといった印象ですが,ギュラーの演奏の魅力を十二分に引き出し得ていると思います。

 次の「舟歌」は,ゆったりとしたテンポで運ばれており,テンポは揺れ動きますし,ところどころにタメが入ったりもするのですが,ギュラー自身の感じるままに演奏しているからか,たどたどしさや違和感はありませんし,聴いているうちに,ずぶずぶとこの演奏の世界に溺れていくような思いのする,大変にユニークでアダルトな魅力に満ちた演奏を堪能させてもらいました。

 3曲のマズルカは,ややとりすました印象があるのですが,自在で絶妙な間をもったリズムが素晴らしく,作品を生き生きと,そしてエレガントに再現しており,華やかさの中にも陰影のある,大変に印象的な演奏を味わうことができました。

 2曲の夜想曲はギュラーが80歳のときの録音で,比較的オーソドックスな演奏となっているのですが,多少の重苦しさを感じないでもありませんし,以前の演奏のような匂い立つような魅力が希薄になっているのは事実なのですが,それでも往年のギュラーの演奏の魅力の一端を垣間見ることできる演奏を聴かせているのではないかと思います。

 こうして聴いてみると,このCDには1959年代末から70年代までの録音が収録されていて,いずれもギュラーのエレガンスの香り立つ演奏を聴かせてくれていたのではないかと思いました。

 音質については,スイスロマンド放送の音源は比較的良好なコンディションにあり,ギュラーのユニークな演奏の魅力を伝えうる,申し分のない音質ではないかと思います。

 そんなわけで,これは録音自体が非常に少ないギュラーの演奏の特色と魅力を十二分に伝えうる,大変に貴重な1枚として強力に推薦したいと思います。
http://homepage1.nifty.com/classicalcd/cdreviews/2008-2/2008070401.htm

Isidore Philipp 門下のヨウラ・ギュラー Youra Guller(1895-1980)は知る限りSP録音を残していないが、英Nimbusより最晩年の演奏がCD発売されている
(1973年録音のベートーヴェン「ソナタ,Op.110 & 111」が仏ERATOより、仏Danteからは1956年録音のショパン「5つのノクターン&11のマズルカ」が発売されていたが現在見かけない)。

バッハ=リスト、ショパン、グラナドスなど、どれも大きなスケールで演奏されており、フィルム・ノワールから抜け出してきた様な容貌と裏腹なその哲学的解釈は、フランスのマリア・ユージナと言いたい。

NImbus収録のグラナドス「スペイン舞曲第2番・オリエンタル」は、何ともいえない侘寂の世界で、この曲の魅力が十二分に堪能できる。その他、1958年頃の放送録音にリスト「ソナタ」やベートーヴェン「ピアノ後奏曲第4番」などがあるが、比較的若い頃の演奏はフランス風の典雅な印象。

師匠のイシドール・フィリップもそうだが、ヨウラ・ギュラーの若い頃の録音に乏しいのが残念だ。未発売のプライベート録音などが、更に発見されると面白い。
http://www.78rpm.net/column10.html

ギュラー,ヨウラ(ユーラ)Guller,Youra
1895年1月16日・仏マルセイユ~1981年1月11日?(1980年の歿年記録もある)・仏パリ

映画界からスカウトされた程の美貌を誇ったピアニスト。
ギュラーが断ったオファーが美人女優グレタ・ガルボに行ったという伝説もある。美貌だけではなく、ヴァイオリニストのティボーから『音楽の女神』とまで絶賛された実力も持っていた。演奏活動の長い中断期間のせいもあり、晩年に再び注目されるまで幻のピアニストとして知られていた。

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

ロシア人の父、ルーマニア人の母のもとに生まれる。

パリ音楽院にてイシドール・フィリップ(Philipp,Isidore 1863年~1958年)に師事。

1907年(12歳) 音楽院在学中から演奏活動を開始。

1909年(14歳) パリ音楽院を1等賞(プルミエ・プリ)を得て卒業。同じ1等賞に、アリーヌ・ヴァン・バレンツェン(Barentzen,Aline van 1897年~1981年)が居る。

1915年(20歳) 演奏活動を中断してオーストリアに行き、ウィーンのレシェティツキ(Leszetycki,Teodor 1830年~1915年)に師事。

その後、ホセ・イトゥルビ(Itrubi,Jose 1895年~1980年)の後任としてジュネーヴ音楽院教授に就任。

第二次世界大戦中は、ユダヤ系であったが故の差別を受けた事もあり、演奏活動が制約された時期であった。

1955年(60歳)、フランスのパリにて再デビュー。再び演奏活動を開始。

1956年(61歳) 仏DUCRETET-THOMSONレーベルにショパンのマズルカ11曲とノクターン5曲を録音。

1958年(63歳) 1月15日、エルネスト・アンセルメ指揮/スイス・ロマンド管弦楽団と、ベートーヴェン・ピアノ協奏曲第4番 ト長調Op.58を録音。

1959年(64歳) 6月10日、エドモント・アッピア指揮/スイス・ロマンド管弦楽団と、ショパン・ピアノ協奏曲第2番ヘ短調Op.21を演奏。
【注a】この時の放送録音はtahraレーベルから復刻されている。

1961年(66歳) 4月7日、アルベニス『イベリア』より“トリアーナ”を録音。

1962年(67歳) 4月6日、シューマン・交響的練習曲Op.13を録音。

1973年(78歳) マルタ・アルゲリッチの強い奨めにより、仏ERATOレーベルにベートーヴェンのピアノソナタ第31番および第32番を録音。同曲における秀演の誉れが高い。
仏ERATOによるLP。恐ろしい高値で取引されている。

↑これは仏ERATOによる最近復刻されたギュラーのベートーヴェン(CD)。
Amazonにて購入可だが、在庫切れを覚悟する必要があるだろう。頻繁にAmazonを捜せば中古の出品が見つかる。
Beethoven: Piano Sonatas Nos. 31 & 32, Opp. 110 & 111

1975年(80歳) NIMBUSレーベルにて最後の録音を行う。
現在、NIMBUSよりCD復刻されている最後の録音『The Art of Youra Guller 』(ヨウラ・ギュラーの芸術) (NIMBUS / NI5030)
Amazonにて購入可

1981年1月11日、パリにて逝去。1980年逝去説もあり、はっきりしない。

ギュラーの演奏は、録音そのものが未だ埋もれている可能性もあるものの、全盛期を伝える録音がない。録音を残すようになったのはパリに於ける再デビュー以降がほとんどであり、それ以前は録音の機会すら無かったと言ってよい。ユダヤ系であった故の差別も経験し、戦前~戦中のパリ在住時代は活動上の辛酸を舐めた。長いコンサート休止の間には心身のバランスも崩れて薬物依存になりかかった事もあったようである。

しかし、ギュラーの支持者は非常に多く、コンサート休止中でもギュラーの許には公演依頼が引きも切らなかったという。

最晩年(1975年)に録音したLPによってギュラーは我が国でも広く知られるようになるが、ギュラーの天衣無縫とも言える閃きに溢れた若々しいピアニズムは晩年の録音であっても充分な魅力と音楽的霊感に溢れている。今後、失われていたギュラーの録音が再発見され、復刻される事を期待したい。
http://www.pianist-sonobe.com/pianist_library/k/Guller.html


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Toura Guller には両極端の評価が有りますね。

どっちが正しいのかな?

単に好みの問題?


Beethoven Piano Sonata No.31, 32 Toura Guller

号泣しました。体が硬直し汗だくになり、涙が溢れてきました。この演奏をCDショップで試聴したときのことです。私はこの演奏を聴くまで、ギュラーという演奏家の名前すら知りませんでした。曲が大好きなベートーヴェンの後期ピアノ・ソノタだったというだけの理由から試聴したのです。安易な考えはすぐに裏切られました。31番の冒頭から金縛りになり、最後まで聴き続けたのです。

これほど「臨場感」のある演奏を私は知りません。「臨場感」とは演奏会に接しているような臨場感ではなく、作曲家の人生そのものを体験しているような臨場感です。このような経験はアラウのシューベルトを聴いたとき以来です。いわば自分の魂が演奏家とその音楽を媒介して、ベートーヴェンの魂と一体化し、ベートーヴェンの苦悩に満ちた人生を走馬灯のように見ているようなそんな錯覚に襲われるのです。

ここでは楽器の音はしません。鳴っている音はベートーヴェンの魂の叫びそのものであり、人生そのものです。もはや楽器は楽器でなくなり、聴衆とベートーヴェンの魂とを繋ぐ、魂のタイムマシンと化しています。どんな曲を聴いても、どんなに演奏が素晴らしくても、普通は聴いている音はピアノの音であるということを意識しますが、そういうことが一切ありません。これは音楽であると言うことすら憚れます。

もう具体的にどうこういうのが馬鹿馬鹿しくなります。ギュラーはかなり大胆にテンポゆらすのですが、それが恣意的でなく、それどころか一つ一つのフレーズがベートーヴェンが話し掛けているようなそんな感覚に襲われます。音楽は洗練されておらず、女性が弾いていながら、野暮ったいところすらあります。それが無類の説得力を生み出しているのです。彼女は女性でありながら、いったいどうやってここまでベートーヴェンと同化できたのか!全く信じられません。

31番、一楽章冒頭からいったいなんという慈悲に満ちてるのだろう!ただ音が綺麗なだけでなく、すぐそばに誰かがいて包み込んでくれているような安堵感があるのです。(1:08)からの信じられない美しさ!「美しい」ということばでしか表現できないことがなんともどかしいか。零れ落ちていく音を一つ残らず手ですくって受け止めたい、そんな衝動に駆られます。

三楽章、まるで人生の終焉を告げる鐘ような、突き刺さる二回目の嘆きの歌最後の和音。そこから始まるフーガのなんという繊細さ。そしてどうしようもない寂寥感。音楽が次第に力を増してくると、押さえつけるような入魂の打鍵一音一音が激しく心を揺さぶり涙が止まらなくなります。最後はもの凄い生命力をもって一気に天上まで駆け上がります。

32番一楽章、序奏が終わって主部が始まってからの生き物のように蠢くグロテスクな音の塊には驚愕します。いったいこれは音楽なのか?

二楽章の痛々しいほどの美しさといったら!もう号泣しました。ボロボロに泣きました。音が綺麗という表面的で低次元な美しさではありません。人間の魂の美しさとでも言い換えられるでしょうか。ベートーヴェンの晩年の魂はこれほどまでに気高かったのか。

最近は打撃音すら耳に刺激が強いので、ピアノ曲はほとんど聴いていませんでした。ベートーヴェンの後期ピアノ・ソナタはそれなりに満足している演奏を持っており、もう買わないだろうと思っていました。それだけに、今回の出会いは衝撃でした。ただただ芸術の奥の深さを痛感しています。一生大切にしたい素敵なものに出会えた気がします。
http://dokuoh.blog35.fc2.com/blog-entry-197.html


5つ星のうち 1.0 やはり古い, 2011/1/20 By R "ピアノ弾き"

レビュー対象商品: Pno Sonatas 31 & 32 (CD)

73年の録音ですが、やはり何もかも古いです。

昔のベートーヴェン解釈ではよかったのかもしれませんが(たとえば第9を90分かけて演奏するとか)、現代では受け入れがたい解釈だと思います(小さな一例ですが、32番1楽章のテーマをペダルでつないだりはしない)。

たとえばコルトーのショパンを個人的に楽しむのはいいかもしれないけれど、実際の演奏では今はそうしないのと同じかと。使っている楽譜の版も素性のよくない版ですね。
http://www.amazon.co.jp/product-reviews/B000TLWGFW/ref=cm_cr_dp_synop?ie=UTF8&showViewpoints=0&sortBy=bySubmissionDateDescending#R13U6DYEBTT5JP

音楽談義~ユラ・ギュラーが弾くピアノ・ソナタ32番~ 2008年10月24日

ベートーヴェンにとって最後のピアノ・ソナタとなる「32番」(作品111)はこれまで4回に亘って記載してきたので、改めて取り上げるのはやや気が引けるところ。

しかし、30年以上も座右の曲としてきたので思い入れも深くこの際ご容赦を。

現在手元に12名のピアニストのCD盤を所有しているが、楽譜を読めず楽器の演奏も何一つできない素人の悲しさで自分には演奏者の上手下手(うまいへた)はあまり分からず、ただ「好き」か「嫌いか」という個人的な判断だけで勝手により分けているところで、その「嫌い」に属する1枚にユラ・ギュラーの演奏がある。

去る9月12日付けのブログ「ベートーヴェンのピアノ・ソナタ32番追加試聴♯4」で「退屈感を覚える演奏」だと率直に裁定(?)していたところだが、これがオーディオ仲間の杵築のM崎さんとはまったく違う見解になってしまった。

先日、M崎さんがワディアの「170iトランスポート」の試聴にお見えになった際に、ギュラーとゼルキンの2枚をそれぞれコピーして帰られたので、後日、その演奏の感想をお尋ねしたところ「ギュラーの演奏」がたいへんな名演だとおっしゃるわけ。

M崎さんは「クラシック音楽=命」みたいな方で、就寝する前でもクラシックを聴いてそのモードに入らなければ眠れないというほど、特にベートーヴェンの作品への思い入れは深く、その熱意は自分なんかを遥かに凌駕していると認めざるを得ないほどの大先達。

そのM崎さんが「32番」(作品111)の演奏の順位をつけるとすれば、1位ギュラー、2位内田光子、3位バックハウス、4位ゼルキンとのこと。

「えッ、ギュラーがそんなに名演かなあ~。」

因みに、自分の順番は1位バックハウス、2位内田光子、3位ゼルキンでギュラーは遥か後方に位置づけしているところ。ただし、くどいようだがこれは”名演”とは別のあくまでも個人的な「好き・嫌い」の観点からの順番。

というよりも表現として正確を期すると、それぞれの演奏を聴いてどれだけ感銘を受けたかの「度合い」と言い換えた方がいいかもしれない。

感銘の度合いということになると音楽鑑賞の”おおもと”となる感性も人それぞれだし、その曲目に投影される人生経験だって千差万別なので演奏の好みに違いがあっても当たり前だろう。

とは言いつつも、「盤鬼」ともいえるM崎さんがあれほど推薦されるのだから自分の鑑賞力に不安を覚えるのは致し方ないところ。しかも”納得の名演”だと激賞している他のクラシック愛好家のブログまで教えてもらった。やっぱり気になるので再度ギュラー盤にチャレンジしてみた。

それも前回は「ワディア270CDトランスポート」による試聴だったので今回はiPodに取り込んで「ワディアの170iトランスポート」による試聴。因みに今のところ自分のシステムでは明らかに後者の方が音質が上。

しかし、これほどまでしてもやっぱりこの演奏には退屈感を覚えるんですよね~。何回聴いてもどうも感銘を受けない。

結局のところ自分の聴き方のポイントがどこか普通と違うのかしらん。

まあ、音楽評論家による推薦盤ランキングで1位になっている名盤なるものが自分には”サッパリ”で、むしろ下位グループに好みのものが属していたりする経験が結構あって、実際にオペラ「魔笛」なんかがそうだが、どうも自分の聴きかたが偏っているのは認めるところ。

話がやや飛躍するが、肝心の音楽でさえこういった傾向なのでオーディオ・システムの音質についても言うに及ばず。これまでオーディオ談義をいろいろ展開(70回)してきたが、内容についてはあまり盲信されない方がいい。

断定的な物言いは極力避けてきたつもりだし、人に押し付ける気持ちも毛頭なく「ふーん、ほんまかいな?」と思っていただける方がこちらも気が休まろうというもの。

結局、ここで何が言いたいかというと「音楽&オーディオ」ってのは極めて個人的な世界であって、「いい音楽・いい音とは何か」について「公式的な正解はない」というのが「正しい解」なのではなかろうか!

最後に、開き直って(?)たびたび引用させてもらうのが作家「村上春樹」さんの次の言葉。

「僕らは結局、血肉ある個人的記憶を燃料として世界を生きているのだ」。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/688119954f3f2c36b7657b35efb6b717


僕も期待して ヨウラ・ギュラーの Sonata No.32 Op.111 を聴きましたが、何がいいのかさっぱりわかりませんでした。
この曲の第2楽章はバックハウスやソフロニツキーの様に早いテンポで一気に進めないと神韻縹渺とした雰囲気が出ないです。

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