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ワイダ 世代 Pokolenie (1955年)

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2022/07/08 (Fri) 02:10:14

ワイダ 世代 Pokolenie (1955年)

監督 アンジェイ・ワイダ
脚本 ボフダン・チェシコ
原作 ボフダン・チェシコ
音楽 アンジェイ・マルコフスキ
撮影 イェジー・リップマン
公開 1955年1月26日
製作国 ポーランド
言語 ポーランド語


動画
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27006125
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27006151
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27006175
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27006206
https://www.nicovideo.jp/watch/sm27006242


キャスト

タデウシュ・ウォムニツキ Stach

ウルシュラ・モドジニスカ Doroto

タデウシュ・ヤンチャル Jasio

ヤヌーシュ・パルシュキェヴィッチ Sekula

リシャルト・コタス Jacek

ロマン・ポランスキー Mundek


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アンジェイ・ワイダの監督デビュー作品で、『地下水道』、『灰とダイヤモンド』と共に“抵抗三部作”といわれる。

ドイツ軍占領下のポーランド。ワルシャワ郊外のプディという町に母と暮らすスタフ(タデウシュ・ウォムニツキ)は、ドイツ軍の貨物列車から石炭を盗むという仕事を仲間の青年たちとやっていた。ある晩、居酒屋で木工所で働くセクワ(ヤヌーシュ・パルシュキェヴィッチ)という職人に会い、彼の見習工として、工場に雇ってもらうことになる。そこではヤショ(タデウシュ・ヤンチャル)という青年が働いていた。

仕事柄、夜間のカトリック系の学校に通うことになったスタフは、その帰り道、抵抗運動勧誘のアジ演説をするドロタ(ウルシュラ・モドジニスカ)という少女を知り惹きつけられる。組織に入ったスタフは、ヤショも誘うが彼は応じない。数日後、製材所に材木を取りに行ったスタフが、理由もなくドイツ兵に殴られ、そのことに怒りを感じたヤショらは、復讐を企てる。以前にスタフが見つけたピストルを手にしたヤショらは武器を使って敵をやっつけた。その行動をドロタらは非組織的だと非難し、ヤショはスタフらから離れていった。

折りしもワルシャワ・ゲットーのユダヤ人たち一掃を目的とする攻撃が開始されるが、ポーランド人たちは、ゲットーの戦闘を他人事のように見つめていた。しかし、ゲットー絶滅を防ごうと出かけたセクワたちを救出しようと、トラックに乗り込んだスタフの班に、自発的にヤショが参加し、セクワは救出されるが、ヤショは壮絶な死をとげる。翌朝、スタフはドロタの家に泊まるが、彼女はやがてゲシュタポに捕えられてしまう。スタフは班のキャップとなって抵抗運動を続けるのだった。
http://www.kinenote.com/main/public/cinema/detail.aspx?cinema_id=11339

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「世代」~アンジェイ・ワイダ「抵抗三部作」から①
9月のNHK・BSはなんと充実していることか!
イタリアのルキノ・ヴィスコンテ監督の初期作品に続き、ポーランドのアンジェイ・ワイダ監督の「抵抗3部作」といわれる「世代」 「地下水道」 「灰とダイヤモンド」 そして戦後社会を描いた「大理石の男」が放映された。

未見作品だったワイダ監督の初監督作品「世代」の放映は嬉しい。
今回の放映では「アンジェイ・ワイダ自作を語る」という5分程度のコーナーもあり、作品あるいは製作の背景などが語られていて、いくつか興味深い話もあった。

深夜には小津安二郎監督作品も放映されているけれど、こちらは別の番組とバッティングするし、マイ・リストで小津作品は観ていきたいと思うので今回はスルー。

ポーランドの歴史をみると、ロシアとドイツにはさまれ、第一次大戦・第二次大戦を通じて分割支配され、両国の衝突の地でもあるという抑圧と支配を味わい続けてきたといえる。

これは米ソ冷戦時代にいわゆる「東側」と呼ばれた国々の歴史でもあり、多民族間の紛争、ローマ帝国の東西分裂、イスラム世界とキリスト世界の抗争、国家間の領土戦争といった常に戦いの絶えないヨーロッパの歴史でもある。バルカン半島などはヨーロッパの火薬庫と呼ばれ、いまだに民族紛争が絶えない地域である。

今回、アンジェイ・ワイダ監督の抵抗三部作(戦時下、ワルシャワ蜂起、そしてソ連支配下の戦後)を通して鑑賞すると、今まで単作で観ていた時よりも、歴史に翻弄されたともいえるポーランド人たちの悲劇がさらにくっきりと見えてくる。

アンジェイ・ワイダはレジスタンス活動を神話として描くのではなく、ドイツとソ連の間で、イデオロギーと国家の政治力学に翻弄され続けたポーランドという国が内包する矛盾さえも冷徹に見つめ、あの時代を生きた人間を描いている。
ポーランドがナチス・ドイツとソ連という二つの国によって喪失してしまったあの時代の祖国ポーランドの姿を描くことで、その出自を明らかにしようとする彼の意思を感じる。それは、lあの時代を生きたものの果たすべきこととするアンジェイ・ワイダの思いがあるだろう。
そして祖国ポーランドの自由を互いに求めながら同胞同士が対立し死んでいった多くの者たちへの鎮魂の思いもあるだろうし、あの時代に対する彼自身の総括でもあるだろう。
だからこそ、ポーランド固有の歴史であって、かつ、普遍性を持つ作品として、人として忘れてはならないものをそこに見出す。

「世代」

第二次大戦中のドイツ占領下にあるポーランドの若者たちを描いた作品で、この作品は監督が途中降板し、当時、助監督だったアンジェイ・ワイダが監督に起用された作品とのこと。
製作がアメリカとなっているのは、アメリカ資本で製作されたのだろう。

ぎこちなさを感じるところもあるけれど、映像から発せられる感情は途切れることなくラストまで向う。逡巡しながら、若さゆえの何も見えないまま突っ走りながら、彼らがレジスタンス活動に身を投じていく様が丁寧に描かれている。

すでに複雑な様相をみせている。
工場労働者たちの間にはマルクス・エンゲルスが提唱する共産主義が浸透しており、貧しい若者たちはコミュニストを自称していた。

貧しい若者たちは明日の希望も持てず、鬱屈した気持をドイツ軍の軍需列車に飛び乗り石炭を盗むことで憂さ晴らしをする無為な日々を過ごしていた。そして一人の若者がドイツ軍に射撃され死んでしまったことから、彼らの中の鬱積したエネルギーがドイツ軍に対する憎悪はさらに高まっていった。

「国家の自由のために」を合言葉にソ連赤軍の後盾によって組織された人民部隊に参加し対独ゲリラ活動にそのエネルギーをぶつけていく。

対ドイツというレジスタンス組織として、工場労働者や若者たちコミュニストが結集する人民部隊と、工場主たちが支援する反ナチ国内軍に二分していたことも描かれている。
共闘はなく、プロレタリアートとブルジョワジーという対立関係も描かれている。

リーダーである女性闘志に対する恋心。
その彼女もゲシュタポに捕まってしまう。
ユダヤ人蜂起も鎮圧され、町は炎に包まれる。
そして仲間たちは次々と死んでいく。
一人の若者がドイツ軍に追い詰めらるシーンがあった。彼は父親と二人暮しで、その父は年老いて工場を解雇され、その父も死んでしまうという悲劇を味わっていた。螺旋階段の手すりに立ち、奈落の底に落ちていくようにふわりと空を舞うように落ちていくシーンなどは、やるせないぐらいの絶望感がある。

そしてまた新しい仲間がやってきた。
最後は、自由への闘いに明日の希望を見つめる若者たちの姿で終っている。
まだ俳優だったロマン・ポランスキーも若者の一人として出演していた。


若さに任せて、突っ走る若者たちの姿に、 「灰とダイヤモンド」のマーチェクの姿が重なる。
戦わずしてコミュニストを名乗るな!
彼もまた、こんな風にして、何か時代の強迫観念に憑かれたようにレジスタンス活動に身を投じていったのだろう。

https://yorimichim.exblog.jp/8593116/


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電撃作戦 ポーランド侵攻 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=KZtU0l6w9g8

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