777投稿集 2622036


長野市 松代町 加賀井温泉 一陽館

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2022/07/04 (Mon) 19:24:31

長野市 松代町 加賀井温泉 一陽館


長野県 長野市 松代町 東条55 

強烈な石灰成分の温泉

長野の近く松代町に、たいへん濃い温泉があると聞いていたので、行ってみることにした。高速道路の長野ICからすぐ近く、松代町の東に加賀井温泉一陽館がある。

加賀井温泉は古い名称で、現在は松代温泉と呼ばれているが、一陽館はいまだに加賀井温泉と呼ばれる。首位は田圃や畑がある郊外だが、一陽館の辺りは小さな森になっている。

江戸時代に村でやっていた温泉を、大正時代に復活させたものだそうだ。湯気抜きがある立派な浴舎に休憩室の建物がついている。

温泉のご主人が温泉井戸に案内してくれた。浴舎の隣に温泉井戸があって、そこから太いパイプが伸びている。

浴室は細長い浴槽がある。左から右にふんだんに掛け流されている。お湯は緑かかった茶色で濁りが強い。床は一面の石灰華で赤茶色だ。プラスチックの風呂桶も石灰華まみれだ。浴槽のふちが石灰華で横にせり出している。常連さんに聞くと昔は木の浴槽だったというからたいへんな変わりようだ。

入ってみるとぬるめでよい。泉質は含鉄-ナトリウム・カルシウム-塩化物泉、源泉の温度は41度、蒸発残留物が12680mg/Lもある。源泉をそのまま流し込んで丁度良いぬる湯だ。お湯をなめると塩辛くて苦い味がする。

浴舎の西側に大きな混浴の露天風呂がある。四角い湯船が2つに仕切られている。周囲は、簡単な生垣がある。お湯は濃い赤茶色だ。手のひらを5cm沈めるともう見えない。タオルはもちろん赤茶色に染まってしまう。

露天風呂に入るには、内湯の入り口からいったんサンダル履きで外へ出なければならない。女性はタオルを巻いて入っている。露天風呂はかなり温めなので、ゆっくり浸かっている人が多い。2,3時間入り放しの人もいるそうだ。

ご主人の話では、お湯がどんどんあふれるときは色が薄くて、お湯がたまってくるとにごりが強くなるそうだ。そういえば流れの多い内湯は、それほど赤くなく露天に比べれば濁りが少ない。露天はお湯の動きが少ないようだ。

お湯から上がると体が石灰分がついたようだ。乾いてくると肌がさらさらする。お湯から出て涼んみながら、ご主人の話を聞かせてもらった。せっかく来てもお湯に入らない観光客もいるのがざんねんだと言っていた。

維持管理にたいへん手間のかかる温泉は一時閉鎖されたけれど、地元住民の希望で再開されたそうだ。いまは旅館部が休業中だが、いつまでも続けてもらいたい良い温泉だと思う。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/spa/kagai/kagai.htm



名物御主人が湯守りする濃ゆい湯の湯治場

「初めてですか?」『はい』
「どこから来たの?」『北陸の金沢からです』
「あんたネットででも調べて来たんじゃないの?ここは宣伝など一切してない地元の湯治場なんだから」
『(クチコミを思い出し(図星‥。))』「とにかくついてきなさい」
内湯と露天の間の源泉槽に連れられて「ここに顔を突っ込んでごらん」『(炭酸のすごさに)うわぁぁぁ~!!!』
露天の2つの浴槽の違いなどを説明された後「1時間以上入らないとここの良さがわからないよ、ごゆっくりどうぞ」

他の方も語られてる通り名物御主人とこんな会話をしてから内湯脇で脱衣、いかにも湯治場の雰囲気です。
いったん玄関から外へ出て露天へ、内湯同様見た目にも濃厚な黄土色の湯があふれております。
景色こそ望めませんが年季が入った湯色と同じ成分の固まりを見ながらの湯、
湯口から湯舟に落ちた湯を見てると、サイダーのように炭酸成分が若干シュワーと飛び散るのが確認できます。
タオルが変色してしまいますので、鉄泉専用のタオルを用意されるといいでしょう。
(常連の方は湯の色と同じ色の専用タオルを持参してました。)
飲泉もしましたがとてもエグイ味、飲めたものではないどころか湯上り後も口に残ってました。

露天は混浴ですが常連の女性の方は専用のバスタオルを巻いてそのまま入浴してました。
ぬる湯なので御主人に言われたとおり1時間ほど長湯、常連さんもだいたい1時間くらい入っておりました。
http://kuchikomi.nifty.com/onsen/cs/catalog/th_255/catalog_20010135_1.htm



風呂名主

地元の人に愛されている温泉というものは、やはりとてもいい温泉なわけであるが、しかし一見さんにしてみればちょっとばかし気を遣う場合もあるわけで…。訪問して早々、その洗礼は始まった。

 田舎の住宅街をうろうろして、やっと見つけた一陽館。舗装のない、土がむき出しの駐車場に車を止め歩いて行くと、道の左右に古くさい建物がある。農家の庭先に迷いこんだかと錯覚してしまうような所で、どこが受付なのかわからない。適当に、薄暗い売店のような建物の縁側のようなところで数人とだべっていたおじさんに、入浴料300円也を支払った。格好もごく普通の普段着で、ちょいと入浴に来たおっちゃんとなんら変わりない。正直な話、このおじさんが本当に一陽館の人だという確証はなかったが、まあいいや。

 普通の旅館ならここで風呂への行き方を教えてもらって、どうぞごゆっくりとなるはずなのだが、「はじめて?」と聞かれ、そうだと答えると何故だかいきなり正面の建物の脇に連れていかれた。どうやらそこが源泉の湧き出し口らしい。鍾乳石のようにこってりと茶色い堆積物で固まった四角い井戸状のものの中を見せ、お湯の説明を始める。中には三矢サイダーを製造中かと思わせるような、白く泡立つ液体が満たされていた。これが源泉なのだ。始めて来た人間には全員こうやって説明するのだろうか。お湯に対する自信なのか、ただ者ではない。しかし、おじさんごめん、説明全部忘れた。

 脱衣所は内湯の建物に男女別にある。そこで服を脱ぎ、しかし内湯を通って露天風呂に行くわけでなく、裸のまままた外に出て露天風呂に向かう。運が悪ければ、今入浴に来た人や入浴後に涼んでいる服を着た人と素っ裸で御対面である。料金を払った売店のような建物からも見えている。なんともばつが悪い。

露天風呂に行くと、先客がふたり。湯船には縁まで溢れる程オレンジ色のお湯が満たされている。オレンジ色っていうか、泥水? ていうか、水溜まり? 頭がくらくらした。

真っ茶色に染まった多分昔はケロリン桶であったであろう桶で身体を流し、「おじゃましま~す」と恐る恐る湯に浸かった。ぬるい。ぬる湯好きの自分でも、かなりぬるく感じた。お湯の中は全く視界が利かない。湯船の縁にはかりかりに温泉の成分が固まっている。湯量豊富で掛け流しだけあって、成分の濃さは感じられた。

 そうこうしているうちに、ひとり、またひとりとおじいさん達が入りに来る。このとき気づいたのだが、皆が皆入浴中のあるひとりのおじいさんに必ず挨拶するのだ。どうも常連さんばかりのようだ。

 やがてひとりのおじさんが、私たちに話しかけてきた。

 「どこから来たの?」

 「東京からです。」

 まあ、お決まりの会話である。しかし、そこからが長かった。ぬるい湯のため、誰もが相当な長湯である。おじさんは、この湯を絶賛していた。「色々行ったけど、こんな温泉他にないよ。」いや、話が長い長い。温泉で話し好きのおじさんはよくいるが、これほどの人は初めてだ。こちらの口を挟む隙もない。

 そのうちこのおじさん、妙なことを言い出した。

 「こういう所にはなぁ、元締めみたいなのがいるんだよ。言ってみれば、牢名主みたいなもんさね。その人に気に入られればいいけど、そうじゃなかったらもう来れなくなっちまう。挨拶だけはちゃんとした方がいいぞ。」

 脅されてしまった。

 どうやら、皆の挨拶していたあのおじいさんがそうらしい。
http://www.pre-proj.net/monologue/monologue-10.html



長野市松代町の東、尼厳(あまかざり)山の麓に湧く日帰り温泉。松代の温泉といえば、すぐ近くの「松代温泉・松代荘」が有名なのだが、我々より上の年代の人たちは、松代の温泉といえばこの加賀井温泉を指す。

 加賀井温泉の歴史は江戸時代に始まる。もともとこの地を流れていた藤沢川の河原には、「茶色じみた泥をこねたようなむるま湯がたくさんふき出していた」(松代の民話「加賀井の湯」)という。そこでこの「出湯」を利用するべく、「村民総意で松代藩に<湯宿>建設を願い出たところ、早速許可され、まもなく加賀井の村人による温泉営業がなされるようになった」(同)。その後の経緯は不明だが、昭和の初期には営業が行われていたというから、相応の需要があったのだろう。ただ、湯治客が宿泊していた旅館は、残念ながら今は営業をしておらず、立派な建物だけが敷地内に残り、往時の賑わいぶりを偲ぶことができる。

 この温泉の特徴は、旅行ガイドや温泉特集のある雑誌、ネット上に公開されている入浴者の体験記などでも紹介されているように、温泉の成分に含まれる炭酸カルシウムが析出し、そこに付着した鉄分が徐々に酸化することで赤(黄)褐色の湯が生成されること。もともとの湯が赤(黄)いのではなく、あくまで湯に含まれる鉄分が酸化して赤くなるという、温泉通の方々にはよく知ることがここでは重要な意味を持つ。
 というのも、実はこの温泉のもうひとつの特徴に、管理人の懇切丁寧な温泉解説があるのだ。その語りぶりを楽しみにしている人、些か驚れる人等々、受け止め方は様々であるが、無愛想な人間の多い長野市民からして、これほど親切に教えてくれる人は反対に珍しい部類に入る。

その管理人に「ここの湯は本当に赤いですね」と尋ねてみよう。出てきた管理人は、それを遮るように「そうではない」と一蹴するはずだ。そして、ここの湯はあくまで無色透明であることを強調する。その証拠に…と見せてくれるのが、湯屋の横にあるこの温泉の源泉が湧き出る槽。管理人の導きでこの槽を覗いてみるが、炭酸ガスとともに勢いよく湧き出る湯の色は、確かに透明。湯を舐めても、味は塩っぱいが鉄分を含む独特な味は感じないし、パイプを通じて湯船に注ぎ込まれる湯にも変化はない。

話は続く。松代群発地震の際にはここの水量などを測り地震の研究したこと、湧出する湯の成分は入浴剤の八十倍もあることなどなど。ただ、話のなかで、この温泉の話題に欠かせない「鉄分の付着で赤くなる湯」ということについてはあまり説明はなかった。せいぜいあっても、もともとは無色透明だが時間の経過とともにこうした色に変色する…くらいだ。

 管理人の話は続く。「あんたのように若い人には物足りないかもしれんが、年寄りのなかには長湯く浸かっている(カラダを癒している)人が大勢いる」と。たまたま居合わせた入浴客の会話を何気に聞いていると、長く浸かっているとカラダが温まる…とか、体調(胃腸)を崩したのでここに浸かって整えているだとかがほとんどだった。

 管理人の話が終ってから、湯屋に戻って男性浴場に掲げられている温泉成分表を見てみた。そこには、ナトリウム・カルシウム-塩化物温泉 (中性高張性温泉) との記述(平成十一年五月調査)。ナトリウムもカルシウムも、基準となる一リットル中の含有量が 1,000mg を超え、かなり濃度の高いものであることがわかる。だが、不思議と鉄分を意味する「含鉄」という記載はなかった。


 さて、湯についての講釈はともかく、早速、話題の温泉に浸かってみる。内湯は、写真にもあるように、鄙びた温泉街の片隅にあるような公衆浴場といった趣き。洗い場はなく、ひたすら湯に浸かることに精進する。露天風呂は混浴でこの湯屋の隣にある。入口を出たらスタスタと裸のまま歩いて行く。男性は見慣れているので気にもならないが、女性はどうなのだろう。今回、浴場で一緒になった年配の女性数人は、黄色のエプロンに水玉のある湯衣を着て入浴されていたが…。

 露天風呂は二槽構成。湯はかけ流し。左と右との違いは引き込む湯の量が異なることで、右側は左の倍とのこと。そのせいか、左は温(ぬる)めで、右はやや温かめ。赤(黄)褐色度は、滞留時間が多いためか左のほうが幾らか高くなっている。どちらでもゆっくり浸かれるが、年配の方々は左側の浴槽でくつろいでいるようだった。

 加賀井温泉の名は、温泉通の間ではかなり有名な存在にある。ただ、地元・松代以外の長野市民に「加賀井温泉」と尋ねて、正確な場所やどんな温泉か答えられる人はかなり限られているのが実情だ。「赤(黄)い湯の…」と付け加えても、間違って「松代荘」を紹介するケースがほとんどだろう。市民にも知られていない温泉。市街地にある秘湯とは、まさにこうした温泉を指すのだろう。機会があれば、ぜひ訪ねてほしい温泉だ。
 源泉名は 加賀井温泉一陽館三号泉、湧出地は 長野市松代町東条 55ノ1 、泉温は湧出地で 41. 0度、pH 6. 7。
http://www.asahi-net.or.jp/~MI5H-SKRI/nagano/onsen/n_spa/020825_nagano_yumeguri.html

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