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外国人が殺到する群馬県 みなかみ町 宝川温泉 汪泉閣

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2022/06/26 (Sun) 21:17:58

外国人が殺到する群馬県 みなかみ町 宝川温泉 汪泉閣


群馬県 利根郡 みなかみ町 藤原1899
電話0278-75-2611


宝川温泉 - YouTube動画
https://www.youtube.com/results?search_query=%E5%AE%9D%E5%B7%9D%E6%B8%A9%E6%B3%89

宝川温泉汪泉閣 DVD 2012 英語版 - YouTube 動画
https://www.youtube.com/watch?v=YcxOoHpkJ2Y

Takaragawa Onsen - YouTube 動画
https://www.youtube.com/results?search_query=Takaragawa+Onsen+



公式HP
http://www.takaragawa.com/

宝川温泉 汪泉閣 - 奥利根|ニフティ温泉
https://onsen.nifty.com/okutone-onsen/onsen010931/

宝川温泉 汪泉閣【 2022年最新の料金比較・口コミ・宿泊予約 】- トリップアドバイザー
https://www.tripadvisor.jp/Hotel_Review-g1121071-d1147640-Reviews-Takaragawa_Onsen_Osenkaku-Minakami_machi_Tone_gun_Gunma_Prefecture_Kanto.html


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アクセス
関越自動車道水上インターより 国道291号 県道水上片品線を片品・藤原・宝川方面 18㎞

地図
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群馬県「宝川温泉 汪泉閣」に外国人が殺到するワケ
水津陽子[2015/06/25]
http://news.mynavi.jp/articles/2015/06/25/takaragawa/


今、外国人に大人気の温泉が群馬県利根郡にある。渓流沿いに延べ面積約470畳に及ぶ4つの大露天風呂を有し、2014年公開の映画『テルマエロマエII』の舞台になったことでも知られる、自然と一体となった温泉「宝川温泉 汪泉閣(おうせんかく)」だ。



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宝川沿いに作られた「宝川温泉 汪泉閣」には、宝川を挟んで位置する「子宝の湯」(写真左端)や「般若の湯」(写真右端)のほか、4つの大露天風呂がある。24時間入浴可能だ(画像提供: 宝川温泉 汪泉閣)


"群馬4大温泉"で日本武尊の病も治した湯

そもそも群馬には"群馬4大温泉"とも称される温泉郷があるのだが、この宝川温泉はそのひとつである水上温泉郷内にある。宝川温泉の歴史は古く、日本武尊(やまとたけるのみこと)が病になった際、白鷹によってこの温泉に導かれ、湯に浸かると病が治ったという民話が残されており、別名「白鷹の湯」と呼ばれている。泉質は単純温泉で、4つある源泉からは毎分1,800Lもの湯が沸いている。

宝川温泉の一軒宿「宝川温泉 汪泉閣」の創業は大正12年(1923)。宝川温泉がある藤原地区は昭和の初めまで銅山の採掘が行われていた地域で、昭和20年代後半からはダム建設などでにぎわい、当時温泉を利用するのは地元の人が中心だった。それから大正時代、若山牧水が記した『みなかみ紀行』に藤原郷が挙げられ、外から多くの人が来るようになったのは昭和40年代になってからだ。



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汪泉閣の客室と大露天風呂をつなぐ白鷹橋。橋の上からの景色を写真の収める人が絶えない。橋を渡った先には熊やうさぎなどが飼育されている


汪泉閣の代名詞である大露天風呂を構想整備したのは初代社長の小野喜與蔵氏。地元では元々、宝川の川沿いの水がぬるいという言い伝えがあった。汪泉閣の水道は沢から水を引いていたが、ある時、井戸を掘るとお湯が噴き出たという。そこで小野社長は、ここを掘れば温泉が出るのではと考えたそうだ。ただ、浴槽をつくって10数年は雨ざらしのままだったため、他にないこのダイナミックな大露天風呂の構想が固まるまでには長い時間がかかったという。

外国人を魅了した大露天風呂は混浴!?

外国人観光客が多く訪れる理由はやはり、渓流沿いに広がる大露天風呂だ。世界最大の旅行ガイド『ロンリープラネット』が選ぶ「日本の温泉トップ10」で1位に選ばれた理由も、その自然と一体となった開放的な空間や、4つのうち3つが混浴というおおらかな温泉の魅力にある。最近、ロイター通信の外国人記者が選ぶ「世界の10大温泉」にも選ばれ、その人気は高まるばかりだ。



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紅葉の季節に訪れた「摩訶の湯」(画像提供: 宝川温泉 汪泉閣)


筆者が訪れた日も多くの外国人客の姿があり、様々な国の言語が飛び交っていた。オーストラリアや北米、スペイン、イタリア、最近はタイからの観光客も多いと言う。しかし、どうして汪泉閣にこれだけ多くの外国人が訪れるようになったのだろうか。

外国人客が増え始めたのは2007年頃。きっかけは2005年頃から海外のエアラインのスタッフが訪れるようになり、その情報が成田などで口コミで広がったことにあるようだ。その後、『ロンリープラネット』に掲載されて広く知られるところとなり、2008年には旅行口コミサイトの「トリップアドバイザー」が選ぶ「外国人が最も注目した日本の観光スポット2008」で16位に入るまでになった。映画『テルマエロマエII』公開後は香港や台湾などアジアからの客も増えているという。

宝川など里の大自然の中で湯を楽しむ

24時間入浴できる汪泉閣の大露天風呂には、200畳の「子宝の湯」、120畳の「摩訶の湯」、50畳の「般若の湯」という3つの混浴風呂のほか、100畳の女性専用「摩耶の湯」の4つがある。白鷹の橋を渡り最初に般若の湯、その奥には魔訶の湯、そのさらに奥に摩耶の湯があり、川をはさんでもうひとつ橋を渡った先にあるのが子宝の湯と、川と自然と大浴場とが一体化したような風情がまたいい。「とは言え、混浴はどうも……」という女性もいるだろうが、女性宿泊客には湯あみ着が提供される。



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女性専用の「摩耶の湯」は、雪の季節の夜に訪れるのもいい(画像提供: 宝川温泉 汪泉閣)


汪泉閣で最も有名な摩訶の湯は男性客が多く、そこに女性が入っていくのはためらわれるかもしれないが、夕食の時間など比較的すいている時間帯もある。また、子宝の湯は200畳と広々しているので、混浴が初めてでも比較的抵抗なく入れるだろう。なお、大露天風呂のほかに、男性・女性専用内湯も設けられており、こちらも24時間利用できる。


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新緑が美しい季節の「子宝の湯」(画像提供: 宝川温泉 汪泉閣)


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女性宿泊客には混浴風呂用の湯あみ着が提供される




客室はレトロとモダン、どちらもそろう

汪泉閣には、昭和11年(1936)築で木造2階建ての「第一別館」と昭和30年(1955)築でヒバ造り3階建ての「本館」、昭和41年(1966)築で鉄筋コンクリート造りの「東館」がある。

中でも第一別館は最も古い建物で趣がある上に景観も美しいため、外国人に人気の客室となっている。ただ、第一別館は洗面所やトイレは共用だ。一方、本館もまた趣があり、トイレは各客室に設置されている。そして、東館は最も新しい建物で1999年に全面改装された経緯もあり、一部にバストイレ付きの部屋もある近代的なつくりとなっている。


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外国人に人気の客室は、左手前にある風情ある昭和11年(1936)建築で最も古い木造2階建「第一別館」


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客室は露天風呂にも近く、第一別館の窓からは宝川や白鷹橋、遠くに大露天風呂を臨むことができる絶好のロケーション


気取らない素朴な山のもてなし料理

また、温泉のお楽しみに料理を挙げる人もいるだろう。もちろん、汪泉閣は料理にも手をぬかない。山の温泉らしい気取らない素朴な料理が特長で、中でも「熊汁」は汪泉閣の名物料理。ちなみに、宝川温泉内には熊が飼育されているが、その熊たちの肉ではないのでご安心を! 飼育されている熊はもともと母熊とはぐれた小熊だったらしく、今では宝川温泉のシンボル的な存在だ。



気取らない、素朴な山のもてなし料理。食事には名物の熊汁も。食事は基本外国人にも同じメニューが提供される


そんな汪泉閣へは上越新幹線「上毛高原駅」より路線バスで約25分、または、JR水上線「水上駅」より路線バスで約30分となる。1日1便ではあるが、各最寄り駅から無料の送迎バスも運行している。宿の予約は基本ふたり以上となるが、土曜日以外の日で空きがあれば、ひとりでも受け付けてもらえることもある。なお、日帰りで宝川温泉を利用したい時は「宝川山荘」へ。こちらには、売店や食堂、休憩所が設けられている。

外国人に話題の温泉「宝川温泉 汪泉閣」。「えっ、行ったことないの!? 」と外国人に言われる前に、ぜひその魅力を体感していただければと思う。
http://news.mynavi.jp/articles/2015/06/25/takaragawa/

私は北米の温泉ファンから日本を代表する「ONSEN」を紹介してくれと頼れ、英語の温泉表示があり、日本人の温泉文化がいまだに残る数少ない温泉地として谷地温泉を推奨していました。ところが期待したほどは温泉ファンの評判がよくありません。

北米に輸出してもらいたいと思う日本式天然温泉施設とはどのような温泉施設かと討論したら、ほとんどが宝川温泉の大露天風呂や、奥鬼怒の八丁の湯のような露天風呂施設が、北米の温泉ファンの求める「ONSEN施設」最適だと一致したのです。


カナダ人のみた日本の温泉文化


昨年の11月にカナダのバンクーバーで、日本の温泉文化を検証するユニークな懇談会がありました。参加者は私を含めて8人でしたが、日本の大学で教えた経験のあるカナダ人が、日本の温泉に興味のある温泉ファンを自宅に招待してくれました。

参加者のほとんどが数年から十数年の日本滞在経験があり、そのうちの半数は現在も日本でを仕事をしています。彼らは日本の大学や企業、行政機関などで働いた豊富な経験がありますので、日本の温泉や文化を大局的に見れるバランス感覚があります。こうした催しに参加していつも驚かされるは、日本生まれの私よりも彼らのほうが、わずか数年の日本滞在にもかかわらず、日本の文化や伝統に熱い思いを持っていることです。

日本の温泉好きには変な国粋主義者がいて「温泉は日本が世界で一番。外国の温泉は邪道」などと、自分の勉強不足を気づかずに海外の温泉には興味のカケラも示さない人がいます。このような偏狭な考え方は、日本の温泉を世界に紹介する上でもかなりマイナスなのでは思います。その点ではカナダの温泉ファンは文化の多様性をよく理解できますので冷静な対応をします。


自然環境に適応した温泉が人気

今回は特に日本の温泉文化や温泉文化の輸出が話題になりました。参加者の中には、ちょっとした景気の変化ですぐに廃業してしまうような温泉旅館を見ると、日本の温泉文化のレベルもそんなに高いものではないと疑問を投げかけた人もおりました。カナダには宿泊施設伴う温泉施設は少ないので、それほど温泉産業が景気の好不況に影響される事はありません。

カナダでも温泉事業は施設などのハードへの投資が中心ですが、やはり気持ちよさが一番の売り物であるのは日本とかわりません。程度の差はあれ「気持ちいい」と感じられるように清掃点検や水質管理が要求される事も同じです。ただ北米では温泉入浴は自然との関係が重要になり,宿泊施設への依存度は日本よりは低くなります。

温泉ファンにとっては、野天風呂(温泉)がまわりの自然に(ロケーション)にいかにマッチしているかという、自然環境への適応度が大事なのです。それだけに温泉が自然に湧き出す天然の温泉(掘削泉でない)の評価が日本と比べるとたいへん高くなります。

ここ20~30年の傾向としては建物や設備は質素簡略で、自然のなかの質素な温泉づくりをめざす施設のほうが、温泉ファンに人気があります。これは温水プールやスパ、温泉リゾートホテルなどの、今まで北米で一般的と思われてきた温浴施設とは対極のものです。周辺の自然環境に恵まれた秘湯の宿を好む1980年代以降の日本の温泉ファンと同じような傾向のように思われます。

温泉は日本独自の文化?

「温泉文化は世界に類を見ない日本独特の文化」だという定説の検証から懇談会はスタートしました。最初に日本は世界で最も日常的に温泉が存在している国で、日本人は世界一風呂好きであることが特徴だという文化論です。

ところがこれにはほとんどの参加者が異議を唱えました。北米でも類似の温泉文化が存在するので、日本のような何でも温泉になる入浴環境が与えられれば、世界中のどの国民でも風呂好きになる要素はあるというのです。私も北米の秘境の温泉に行くと、日本人よりもはるかに行動的に温泉にかかわる温泉ファンによく遭遇しています。

この会に参加したカナダ人は全員がかなりの温泉通で、海外生活の長い私よりもはるかに熱心に日本文化の体験や日本の温泉に興味を示していました。なかには日本滞在中はほとんど毎日のように温浴関係の施設に行っていたというツワモノがいました。

たしかに日本は温泉旅館、銭湯、湯治場、共同湯、スパ銭湯、健康ランドも含め数は世界一で、世界でも類稀な温泉大国であることは本当です。しかし共同浴場といっても中にはジェットバスなどを備えた共同浴場もあるので、はたしてこれが本当の日本の温泉文化なのだろうかという意見もありました。

混浴が日本の特徴?

次に議論したのは、裸入浴や混浴などの淫靡さが絡み合ったのが日本の温泉文化の特徴という説です。ただ裸入浴や混浴に関しては、北米の温泉ファンのほうが日本人よりも人前で裸になるには抵抗が少ないので、こが特徴というのは日本人の思い過ごしだと全員が思っていました。

大自然のなかの裸の入浴の開放感は、北米の温泉ファンにとっても快感であるのは同じです。北米には日本よりははるかに野趣あふれたロケーションにある野天風呂が多いので、混浴という天真爛漫なリラックス方法をとりやすい条件が整っています。

ですからは水着着用であれ、裸入浴であれ、北米の入浴は混浴が当たり前ですから、日本のように「混浴」を強調するといういう概念はありません.ほとんどの野天風呂が昔の日本の村の共同浴場のように、自然の恵みをそのまま利用しているので、混浴で温泉を楽しむほうが当然であるわけです。

1959年に交換留学生として日本に滞在したある温泉ファンの持論は、日本の温泉の一番の特徴は手拭で少し前を隠す恥じらいの文化にあると言っていました。たしかにヨーロッパや北米、アジアの温泉で見かける光景ではありません。

それがここ40年ほどでバスタオルの変わってしまったのが、温泉旅情を破壊してしまったと嘆いていました。昔は手拭しかなかったので村の共同浴場などは、若い女性でも体の一部分しか隠しきれなかったそうです。それだけに手拭を上手に取り扱う仕草に、日本独特の恥じらいの文化があったと言うのです。

それが近年は混浴の効能や文化論を説く女性の温泉マニアがバスタオルで入浴ですから、その無神経さが逆に日本の温泉文化を衰退させていると独特の温泉文化論を説いていました。参加者のほとんどが日本の「混浴文化」が独特ではなく、それをワザワザ強調しなければならないほど「混浴」できる入浴環境がなくなっているほうが問題なのではと思っていました。

日本の魅力は温泉旅館

「温泉文化は世界に類を見ない日本独特の文化」だという文化論にはまだまだいろいろな説がありますが、ほとんどが世界に類を見ないと大見得を切るほどのものではないとなりました。やはり議論が白熱したのは日本の温泉の魅力はなんといっても温泉宿にあるので、温泉宿こそが日本の温泉文化だという説に関してです。これには温泉そのものだけではなく施設感や食事などのもてなしも含まれています。

たしかに北米では温泉の情報はそのまま源泉や野天風呂の情報になるが、日本ではほとんど「宿泊施設」の情報になってしまうので、これは日本の温泉文化の特徴の一つかもしれません。それだけに日本の温泉情報が「温泉」の情報ではなく、「宿泊施設」の情報であることが弱点になっている面もあります。そして日本の温泉旅館が次々と廃業している現状は、日本の温泉文化の特徴の一つである、宿が主役の時代の終わりを明示しているように思えるという意見もありました。

北米は広大ですからあちこちで温泉がわき出しています。イエローストーン国立公園などは世界最大の温泉湧出量があり、無数の温泉池はまさに温泉パラダイスです。ところがこれらの温泉は見るための温泉で、国立公園内には集客を誘致する温泉施設などはありません。

北米では宿泊施設ではなくお客が主役ですので、施設側に都合の良い解釈をさせない順法精神があります。国立公園でも自分で選択することが好きな温泉ファンのために、自由な旅を組み立てられるような情報が提供できるようにしています。イエローストーン国立公園の周辺には高齢者が長期滞在できる、格安モーテルや宿泊施設があります.北米の良い所は少しドライブすればどんな年齢にも、どんな社会的階層にも必ずマッチする宿泊施設があることです。

行き過ぎた日本の商業化

北米ではほかの大源泉地でも近隣の宿泊施設が自己を正当化するために、その湯量や泉質を過大に宣伝するようなことはまずありません。日本のある温泉地のように○○日本一などと施設側に都合の良い解釈や、全体的に広告が突出している見苦しい施設を見かけることがないのが救われます。

日本の大規模温泉施設のある温泉町は、あまりにも観光化されつくされているので、温泉の成分分析や掛け流しの有無にこだわっているようにみせながら、ただの商売上手や経営者視点で自己弁護を優先している施設が多いようです。日本では温泉情報はほとんど「宿泊施設」の情報になってしまうので、集客のために様々なこじ付けが必要になるせいのかもしれません。

本来は消費者にわかりづらい事がおきた時にこそ、重要な役割を果たすのが日本温泉協会だと思うのですが、無力で機能していないのであまり期待できる組織ではないという参加者もおりました。日本の観光産業は今後は海外からの客を取り込まねば発展が難しいと見られていますが、こうした時期にこそ協会が十分に機能するようにしてもらいたいものです。日本を知りたい、日本の文化にふれたいという外国人は、些細な泉質の特徴を誇大宣伝して商業化が行き過ぎた施設や温泉地を求めていないのです。

温泉文化の輸出のためには温泉の定義の見直しを

日本の温泉文化を世界中に発信するという温泉文化の輸出論に関しても白熱した議論になりました。世界に日本の温泉文化を紹介するためには、まず正確に海外の温泉事情を知ることで、それが日本の温泉問題を大局的につかむことにもつながるというのが参加者に共通の考えでした。

そして今回の懇談会では海外に温泉文化を紹介したり、外国人を日本の温泉に誘致するためには、当たり前ですが外国人の目線が必要だとなりました。そうでないと本当に外国人に優しい温泉地や観光地の、環境整備はできないと思われます。

海外に日本の温泉文化を輸出するための環境整備の為には、日本の温泉利用を世界標準にする必要があり、まずは正しい温泉の定義と利用法の確立を図るべきだとなりました。そうしないと温泉文化の輸出の名を借りた、日本の温泉の開発の弊害をばら撒く結果になる可能性があります。

温泉文化の輸出の為には自然湧出の泉水を対象にした概念を、深層水にまで拡張して当てはめる現在の日本の温泉概念を改め、海外の温泉ファンが聞いても常識の範囲で理解できるような厳格なものに整理する必要があります。これには猛反発があると思いますが、深層水は“掘削深層水泉“として扱うべきで、天然自噴泉と同じ“温泉”という言葉でひとくくりにすることには無理があります。

たしかにスパというのは北米でも一種のライフスタイルになってきました。温泉地に健康・美容といった目的で訪れる女性客も増加していますので、正しい温泉の定義を確立しないと、日本の温泉業が「スパ」に限りなく近い形態になっていく可能性だってあります。そのような施設は別の枠組み、たとえば“掘削深層水泉(準温泉、人工温泉)などとしなければ、将来は「日本の温泉文化」は根こそぎにされかねない可能性もあると思われます。

まずは無理やり掘削して搾り取っている深層水を「地下からの贈り物」と称したり、それを自称「かけ流し」の温泉とありがたがる風潮は訂正すべきではと考えています。著名な温泉マニアが都市近郊のスーパー銭湯のかけ流しを賞賛したり、一般的な温泉ファンがそれに追従している現状については、カナダ人の温泉ファンですら警鐘を鳴らす必要があると思っています。そうしないと日本人が独特の文化だと思っている温泉は、近い将来、都市型のつまらないスーパー銭湯のお風呂へと変わってしまう可能性だって十分にあります。

健康ランドではなく日本の露天風呂を

温泉文化の輸出といっても、現状は日本の掘削業者が仕事先の確保の為に、韓国や台湾や中国などで均一化、大型化の傾向が強くなってきたスーパー銭湯形式のスパ銭湯の開発をしているだけです。正直、押しなべてつまらない施設で、かえって日本の温泉文化や温泉の評価を下げるようなことをしています。

このような温泉文化の輸出を隠れ蓑にした、温泉のバーゲンセールは即刻中止すべきと思っております。大規模健康ランドみたいな観光的娯楽的色彩が強い施設は、本来の日本の温泉文化ではないので、日本の温泉の悪い商業主義を、中国や東南アジアに飛び火させることは避けるべきだと思われます。

北米のような多民族国家で文化の多様性がある国では、温泉文化の輸出といっても日本の温泉旅館のような食事やもてなしが必ずしも歓迎されるとはかぎりません。温泉はニッポンブランドですから、温泉文化の輸出とは日本式温泉施設の輸出という形態になると思われます。

日本式温泉施設とは今まで北米で一般的と思われてきた温浴施設の温水プールや、スパ、温泉リゾートホテルなどとは異なる天然の野天風呂を中心とした新しいコンセプトのONSEN(温泉)施設だということができます。

私も20年ほど前からこのような日本風の露天風呂を強調する意味で、「ONSEN」を(JAPANESE-STYLEHOTSPRINGS)の総称として使用してきましたので同じような考えです。私が念頭にあった日本風の露天風呂とは人工建造物でも、まわりの自然環境ににマッチした、蔵王の大露天風呂や、奥鬼怒の八丁の湯のような露天風呂施設でした。

それまで私は北米の温泉ファンから日本を代表する「ONSEN」を紹介してくれと頼れ、英語の温泉表示があり、日本人の温泉文化がいまだに残る数少ない温泉地として谷地温泉を推奨していました。ところが期待したほどは温泉ファンの評判がよくありません。

混浴風呂が小さすぎるとか、地下室の壁のようだとか、野球場のボックス席のようだったとメールをよこす温泉ファンがいるのです。これは北米の温泉ファンが露天風呂ではかなり開放感がないと、ありのままの自然を楽しんだ気分になれないのが原因だと思われます。


北米には日本の秘湯型施設のニーズ

北米には日本とは桁違いの大自然と豊富な湯量の温泉が存在し、まさに温泉に行ったという吸引力のある温泉が多いのが特徴です。温泉はそれだけ人里離れた秘境にあります。そのために北米の温泉旅行の欠点は、温泉までの道程が長く非効率きわまりないことにあります。

このごろは高齢化で温泉を楽しみにくる老ハイカーも多くなったので、歩いて探すと苦労がありすぎる温泉が問題になっています。そこで温泉プール/温泉リゾートと、大多数の北米の秘境の野天風呂との隙間を埋める、気軽にハイキング気分で行ける温泉施設の需要がでてきました。

ただ北米の温泉ファンは「遠くに出掛けて温泉に入る」という転地効果を温泉の効能と思っていますので、日本のような都市型の温泉施設の需要があるということではでありません。自然を楽しみ健康になるという温泉ファンのレジャーパタンを考慮しながら、自然の雰囲気を損なわない、露天風呂を中心とした片道2~3時間のドライブで行ける、日本の秘湯のような温泉施設の需要がでてきたのです。

片道2~3時間と言っても北米はどうしても温泉までの距離がありますので、あくまでも温泉入浴を目的としてドライブするパターンになります。日本のように幾つかの観光ポイントを回って、ドライブの途中に温泉に立ち寄るような方法は時間的にも難しく、あまり観光業者が絡む余地はありません。

北米は環境局の検査が厳しいし、温泉ファンもまわりの自然環境をとても大切にしています。そこで北米の温泉ファンの志向を考慮すれば、日本式温泉施設の輸出とは、天然自噴温泉を源泉としている温泉施設に限定する必要があるのではとなりました。

大事なのはお金では買う事のできない天然観光財産(天然自噴温泉)で、掘削業者の目論むようなスパ銭湯やハコモノの日帰り温泉施設ではないというのです。もちろん大手の観光会社が選別するような観光地にある自然環境濃度の薄い大型の温泉旅館や温泉地でもありません。ですから日本の大規模な温泉地の観光業者や役所の唱える、彼等の目線の日本の温泉文化の輸出は、北米の温泉事情には適応しないと考えられます。

北米に輸出してもらいたい日本式温泉

そこで北米に輸出してもらいたいと思う日本式天然温泉施設とはどのような温泉施設かと討論したら、ほとんどが宝川温泉の大露天風呂や、奥鬼怒の八丁の湯のような露天風呂施設が、北米の温泉ファンの求める「ONSEN施設」最適だと一致したのです。

私は宝川温泉などはすこし商業化されすぎていると思うのですが、北米の温泉ファンにはあまり鄙びたところよりも、このような大露天風呂のほうが評判が良いようです。たしかに日本の秘湯もメジャーで便利になったので、たんなる山の湯の代名詞に過ぎないという意見もあります。それでもこのような日本式天然温泉施設にこそ、日本人でも共感できる温泉開発の原点があるのではないかとなりました。

もう日本の温泉文化が普及する兆しもありますので、国際的に解りやすい温泉の定義や、日本式天然温泉施設とは何かを定義することが必要な時期にきていると思われます。その時にはカナダ人の温泉ファンや日本に長く住んでいる外国人の目線もぜひ参考にしてはいかがでしょうか?

日本の温泉に魅せられ、それを研究しているカナダ人の温泉を愛する気持ちには本当に感心させられます。これからは彼らのような外国人の日本の温泉通が増加してきますので、日本の温泉ファンも心してかかる必要があると思いました。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/mike_sato_column/canada_america_hotspring_column12.htm


42. 中川隆[-7469] koaQ7Jey 2017年6月17日 08:58:12 : b5JdkWvGxs : DbsSfawrpEw[-8523]
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4/28 のNHK「金曜イチからスペシャル」の宝川温泉

世界がココに注目!? 町の観光 変えた温泉 群馬/2017年4月26日
http://www.nhk.or.jp/shutoken/miraima/articles/00738.html


地元では当たり前だったものを、外国人の心をつかむ新たな “宝” に変えている地域のアイデアを紹介します。

今回は“温泉”です。群馬県みなかみ町には、地域の魅力を見直すきっかけを作った人気の温泉があるそうです。


■自然に囲まれた露天風呂が外国人観光客に人気

群馬県、みなかみ町の人里離れた山奥にある温泉。
ここで今、急激に増えているのが…

外国人観光客。
世界各地から、年間およそ1万人の宿泊客が訪れます。

「京都と、この温泉と、東京に行くの!」と中国からの観光客。

自然に囲まれた開放的な露天風呂が、外国人の人気を集めています。

カナダやオランダからの観光客は「すばらしい!温かいね!」、「古風な趣があって、すべてが完璧だよ!」といいます。


■人気に火をつけたきっかけはSNSの普及

人気に火をつけたのは、ソーシャルネットワーキングサービス、SNSの普及でした。
ここ数年、訪れた外国人観光客が写真や動画を次々とSNSに投稿。

「これを見た友達が『雪がいいね!』って。ここに来たがっているよ」というのはタイからの観光客。


前の晩投稿した動画に、一晩で50人以上から反応がありました。

豊かな自然や素朴な温泉の魅力が評判になり、SNSを通して世界中に広がっています。

今や、宿泊客の半数近くが外国人なんです。

温泉旅館の社長、小野与志雄さんは「以前から、来ている外国の人は喜んでいたので、来るとは思っていたが、こんなに急に増えるとは思っていなかった」と話していました。


■温泉の人気が地元の観光戦略を見直すきっかけに

この温泉の人気は、地元・みなかみ町の観光戦略を見直すきっかけになりました。

町が海外向けに新しく制作したPR動画で、日常の暮らしぶりや風景など、観光施設以外のものも、紹介するようにしたのです。
身近な自然や、受け継いできた文化こそ、町の “宝” になる、と気づいたからです。


■旅人に餅を振る舞ってもてなす習わしを外国人にも

『よいしょ! よいしょ! よいしょ!』

老舗温泉ホテルでは、地元に残る風習で外国人観光客の心をつかもうとしています。

古くは宿場町として栄えたこの地域。
旅人に餅を振る舞ってもてなす習わしを、外国人にも楽しんでもらっています。
さらに、力を入れているのが…

「うちのじいさん、ばあさんが餅ついてくれたから、力がついたんだよ…」


ホテルの大女将(おかみ)の持谷靖子さんが、40年以上語り続けてきた“民話”です。
かつて、行商人や旅芸人が行き交ったこの町には、今も多くの民話が残っています。


■大女将が自ら翻訳して、英語での民話語りも

そして、最近 外国人向けに始めたのが…

「Once upon a time, in this mountain and village, there is an old man and an old woman …(昔々、この山深い里に、おじいさんとおばあさんがいてな…)」

英語での民話語りです。大女将が辞書を引きながら自ら翻訳し、覚えました。

話のあいまには、三味線や地元に伝わる歌も披露しています。

大女将は「外国の方も喜んで聞いてくれるので、民話を大切にしていきたい。もっと外国語を勉強したい、伝えたいという気持ち」だと話していました。

ありのままの地域の姿をどうアピールするか。
新たな発想で、外国人観光客を呼び込む試みが広がっています。
http://www.nhk.or.jp/shutoken/miraima/articles/00738.html


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アメリカ・カナダの温泉文化

126あるカナダの温泉はすべて自噴源泉です。これらの野天風呂ではほとんどの人が裸で温泉を楽しんでいます。

カナダの温泉の91%を占める大自然の中の野天風呂では、原則完全混浴の clothing optional(裸入浴可)です。温泉に行く時は、家族連れやカップルで行くので、それが別れて入浴するのは慣習に反するからです。恋人や老夫婦などのカップルが、肩を寄せて談笑しながら温泉を楽しむ光景は、本当に微笑ましいものです。

秘境の温泉で早朝なので入浴者はいないと思っていたら、若い女性が一人全裸で野天風呂に入っていました。黒のジープのそばにテントが張られていたので、前日からキャンプをしていたようです。

日本だったら女性が裸で入浴しているところに、突然、男性が3人現れたらかなり警戒心を抱くと思うのですが、こちらの女性の温泉ファンはその点では寛容です。上半身を野天風呂から乗り出して、とてもよい湯だと挨拶をしてきます。

北米には大事なところを隠すという手ぬぐいの文化がありません。そのため、すっぽんぽんで奔放に振舞うあまりの開放度に、驚かされることがあります。日本のような女性がタオルを巻いて入浴するエセ混浴もありません。これはアメリカも同じです。

混浴になるとカナダ人は日本のように野天風呂に手ぬぐいを持ち込む習慣がないので丸見えになります。ブラブラもあれば、きれいな女性が大股開きで座っている場合もあります。

それをもろに真正面から見てしまった私の友人は、思わずめまいがして倒れそうになって30分そこそこで温泉を後にした人もいます。

アメリカ人は健康浴やまた家族連れでレジャーとしての温泉を活用しているのがほとんどです。静かにお湯に浸かっています。ただひたすら温泉で談笑しながら浸っています。日本のように石鹸やシャンプーで泡だらけになる人はいません。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/mike_sato_canada/canadian_hotspring_index.htm

それまでは北米には温泉や鉱泉を利用した文化や歴史があまりないと思っていました。ところが150年程前にはオンタリオ州にも鉱泉宿がたくさんあり、アメリカやヨーロッパから鉱泉客で賑わっていた歴史があったのです。シャワ-やバスタブで身体を清潔にするだけではない、「鉱泉や温泉を楽しむ文化」が栄えた時代があったのです。

1800年代中頃までには、北米に来たヨーロッパの旅行者や、ヨーロッパからの移民して来た人々は、鉱泉や温泉が、いろいろな病気の治療において注目に値する治癒力を備えていると思っていました。当時はまだ衛生に関する知識や病院の医療の体制が不十分であったので、温泉や鉱泉は怪我やあらゆる病気にそれなりの効能がある思われていたのです。

鉱泉が持つ薬治効能が重視されていたので、北米でもレジャーというより療養を目的に温泉や鉱泉を利用する人が多かったのです。もちろん先住民も白人の入植者のくるはるか以前から、温泉や鉱泉の効能に気づき神聖な泉として利用していました。その神聖な泉がその価値のわかるヨーロッパからの入植者により、どんどん取り上げられていったのです。

ヨーロッパからの入植者が鉱泉を整備すると、鉱泉に引きつけられた人々によって町の人口が増えていきました。これらの施設は最初は開業医とやる気のあるビジネスマンの連携で、鉱泉や温泉が関節炎とリウマチを含むいくつかの病気に対するはっきりした治療法とまではいかないですが、それなりの効能があると安心を示すことに成功しました。

そしてアメリカの各地にも西部開拓の時代に発見された鉱泉を中心に日本の温泉街のような雰囲気の町がたくさんできました。このような温泉や鉱泉町の独特の雰囲気は日本だけのものではなく、アメリカでも現存している温泉町や鉱泉の町には、そこはかとしたなんともいえない空気が漂っています。ウエストバージニア州にある

ザ・グリーンブライヤー
http://www.greenbrier.com/site/

やインディアナ州のフレンチリック
http://www.frenchlick.com/

などは数少ない現存している鉱泉地です。

これらのほとんどの温泉や鉱泉は近隣の競合施設と差別化をはかる為に、現在では考えられないような温泉や鉱泉の効能を宣伝していました。ところが1890年代になり、近代的な病院や医療機関が整備されてくると、鉱泉や温泉では病気に対する即効性がないことがわかり、急激に需要が落ち込み、これらの施設を訪ねる客数が激減していきました。長いあいだ宣伝されていた効能の嘘が明らかになったのです。

そしてその後は鉱泉や温泉が体質的にあう高齢者などが、リューマチや皮膚病などの症状を緩和するために細々と利用するだけなりました。その結果、1900年代初頭にはこれらの其の温泉や鉱泉のほとんどが廃虚になったのです。

これらの温泉や鉱泉施設の衰退には、法の整備により訴訟が常態化してきた北米の特殊な事情もあります。極端な例ですが日本のように「美人の湯」などと宣伝したら、美人になれなかった人から訴訟されるような社会になってきたという事です。それから薬事衛生法で温泉や鉱泉が身体に効能があると、宣伝する事が禁止された事も大きく影響しました。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/mike_sato_column/canada_america_hotspring_column07.htm


温泉は日本独自の文化?

昨年の11月にカナダのバンクーバーで、日本の温泉文化を検証するユニークな懇談会がありました。日本の大学で教えた経験のあるカナダ人が、日本の温泉に興味のある温泉ファンを自宅に招待してくれました。

「温泉文化は世界に類を見ない日本独特の文化」だという定説の検証から懇談会はスタートしました。最初に日本は世界で最も日常的に温泉が存在している国で、日本人は世界一風呂好きであることが特徴だという文化論です。

ところがこれにはほとんどの参加者が異議を唱えました。北米でも類似の温泉文化が存在するので、日本のような何でも温泉になる入浴環境が与えられれば、世界中のどの国民でも風呂好きになる要素はあるというのです。私も北米の秘境の温泉に行くと、日本人よりもはるかに行動的に温泉にかかわる温泉ファンによく遭遇しています。


混浴が日本の特徴?

次に議論したのは、裸入浴や混浴などの淫靡さが絡み合ったのが日本の温泉文化の特徴という説です。ただ裸入浴や混浴に関しては、北米の温泉ファンのほうが日本人よりも人前で裸になるには抵抗が少ないので、こが特徴というのは日本人の思い過ごしだと全員が思っていました。

大自然のなかの裸の入浴の開放感は、北米の温泉ファンにとっても快感であるのは同じです。北米には日本よりははるかに野趣あふれたロケーションにある野天風呂が多いので、混浴という天真爛漫なリラックス方法をとりやすい条件が整っています。

ですからは水着着用であれ、裸入浴であれ、北米の入浴は混浴が当たり前ですから、日本のように「混浴」を強調するといういう概念はありません.ほとんどの野天風呂が昔の日本の村の共同浴場のように、自然の恵みをそのまま利用しているので、混浴で温泉を楽しむほうが当然であるわけです。

1959年に交換留学生として日本に滞在したある温泉ファンの持論は、日本の温泉の一番の特徴は手拭で少し前を隠す恥じらいの文化にあると言っていました。たしかにヨーロッパや北米、アジアの温泉で見かける光景ではありません。

それがここ40年ほどでバスタオルの変わってしまったのが、温泉旅情を破壊してしまったと嘆いていました。昔は手拭しかなかったので村の共同浴場などは、若い女性でも体の一部分しか隠しきれなかったそうです。それだけに手拭を上手に取り扱う仕草に、日本独特の恥じらいの文化があったと言うのです。

それが近年は混浴の効能や文化論を説く女性の温泉マニアがバスタオルで入浴ですから、その無神経さが逆に日本の温泉文化を衰退させていると独特の温泉文化論を説いていました。参加者のほとんどが日本の「混浴文化」が独特ではなく、それをワザワザ強調しなければならないほど「混浴」できる入浴環境がなくなっているほうが問題なのではと思っていました。

日本の魅力は温泉旅館

やはり議論が白熱したのは日本の温泉の魅力はなんといっても温泉宿にあるので、温泉宿こそが日本の温泉文化だという説に関してです。これには温泉そのものだけではなく施設感や食事などのもてなしも含まれています。

たしかに北米では温泉の情報はそのまま源泉や野天風呂の情報になるが、日本ではほとんど「宿泊施設」の情報になってしまうので、これは日本の温泉文化の特徴の一つかもしれません。それだけに日本の温泉情報が「温泉」の情報ではなく、「宿泊施設」の情報であることが弱点になっている面もあります。そして日本の温泉旅館が次々と廃業している現状は、日本の温泉文化の特徴の一つである、宿が主役の時代の終わりを明示しているように思えるという意見もありました。

参加者の中には、ちょっとした景気の変化ですぐに廃業してしまうような温泉旅館を見ると、日本の温泉文化のレベルもそんなに高いものではないと疑問を投げかけた人もおりました。

日本の大規模温泉施設のある温泉町は、あまりにも観光化されつくされているので、温泉の成分分析や掛け流しの有無にこだわっているようにみせながら、ただの商売上手や経営者視点で自己弁護を優先している施設が多いようです。日本では温泉情報はほとんど「宿泊施設」の情報になってしまうので、集客のために様々なこじ付けが必要になるせいのかもしれません。

私は北米の温泉ファンから日本を代表する「ONSEN」を紹介してくれと頼れ、英語の温泉表示があり、日本人の温泉文化がいまだに残る数少ない温泉地として谷地温泉を推奨していました。ところが期待したほどは温泉ファンの評判がよくありません。

混浴風呂が小さすぎるとか、地下室の壁のようだとか、野球場のボックス席のようだったとメールをよこす温泉ファンがいるのです。これは北米の温泉ファンが露天風呂ではかなり開放感がないと、ありのままの自然を楽しんだ気分になれないのが原因だと思われます。

北米に輸出してもらいたいと思う日本式天然温泉施設とはどのような温泉施設かと討論したら、ほとんどが宝川温泉の大露天風呂や、奥鬼怒の八丁の湯のような露天風呂施設が、北米の温泉ファンの求める「ONSEN施設」最適だと一致したのです。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/special/mike_sato_column/canada_america_hotspring_column12.htm
2:777 :

2022/06/26 (Sun) 21:23:38


日本の温泉文化を軽蔑しているアメリカ人

熱海といえばお宮の松で有名な一大温泉地です。宴会は何百畳敷大広間というのが普通です。温泉を知らない外人は稀ですが、和式大宴会の経験者はまずいません。

さあ宴会です。長々と続いた幹部の挨拶も終わり、スタートしました。すると時間が経つにつれ、外人たちが変にモゾモゾし始めます。それもそのはず、何百畳かの大宴会は彼らにとって苦痛以外の何物でもありません。長時間座り続けることに耐えています。傍から横顔をそっと覗くと、顔では笑いながら苦痛に耐えている様子が手にとるようにわかります。

料理といえば、刺身やてんぷら・揚げ物・お椀物と箸を上手に使えない人にとっては困る食べ物ばかりがでてきます。特に豆腐の冷奴は食べられません。じゅんさいの味噌汁もダメですね。日本酒の乾杯に続く返杯の繰り返し。傍若無人な振る舞い。この人達が俺の部下かとあきれて席を立った社長さんもいるくらいです。次にカラオケの番が回ってくると、もう参加したことの後悔で頭はいっぱいになります。


夜、大体8畳から12畳の部屋で6~8名が寝ます。布団をくっつけそうなくらい狭いスペースで雑魚寝と相成ります。奥さん以外の他人と寝たことの無い彼らが眠れるはずもありません。かくして人生最大の試練に耐えて、一夜を悶々として明かすことになります。

朝食に向かうと、献立はご飯に味噌汁・卵・干物・のり・蒲鉾・新香が一般的です。生の卵を醤油でとき、熱いご飯にかけて食べる習慣は世界中でもそうありません。ノリという何とも変な、口に入れるとごわごわしてくっつく得たいの知れないものをおいしいという外人はまずいません。干物は最悪です。外人が嫌う食べ物で、魚の死臭がするといって食べません。納豆という天敵には鼻をつまみます。ご飯にお新香はきってもきれない取り合わせです。お新香をうまい言って食べた外人をいまだ知りません。

ここまでくるとプッツンです。何を言っても無言。
ちょっと用があるから先に帰るわ。これは実際にあった話です。
http://6717.teacup.com/kumao/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fs-miyamoto.cocolog-nifty.com%2Fnlc28m02%2F2006%2F05%2Fpost_8c29.html

欧米人には湯治宿の価値がわからない

 ついこの間は青森県の古牧という温泉がのっとられまし。広くていい温泉なんですけど、驚いたことにゴールドマンサックスでした。

世界最大のアメリカの金融投資会社、ハゲタカファンドの代表のようなものです。

これがどうして古牧温泉なのかと思ったのですが、テレビで放送していました。古牧だけではありません。他に28ケ所、超有名温泉みんな買い占めちゃったのです、

ゴールドマンサックスが。どうするかというと、従業員みんな首切っちゃってパートにして、腕利きのマネージャーを送り込み、部屋をヨーロッパ、アメリカ向きに整備しなおして、欧米からの観光客をワーツと呼ぼうという作戦なんですね。儲かるようにして高く売るのです。ゴールドマンサックスが経営するのではありません。いま赤字の会社を買い取って、儲かるように造り直してすぐに売っちゃうのです。これが投資銀行のやっていることです。

確かに、いわれてみればそのとおりで、日本の温泉ほどいいものはありません。知らないだけで、こんないいものは世界中どこにもありません。だから日本の温泉の良さが分かったら、おそらくヨーロッパ、アメリカからごっそり観光客が来ると思います。

そこにゴールドマンサックスが目をつけたのですね。そして近代経営やって外国人が来て楽しめるような設備に変えて、世界中にジャパニーズスパーなんていって売り出す気なのですね。ですから、そのうち皆さんも温泉にいらっしやるとみんな英語で案内され、アメリカのお湯の中に入ることになってしまいます。
http://kyonannet.awa.or.jp/mikuni/siryo/2006/kawabata-kouen060114.htm

ゴールドマンは既に、古牧温泉グループが抱える約二百億円の金融債務の半分を買い取り、再生手続き中の必要な運転資金の提供も表明した。古牧温泉にはゴールドマン側の社員が派遣され、実質的な経営権を握っているという。

 ただ、同社が事業譲渡を受けて再建に乗り出すのは、四つのホテルを有する古牧温泉と奥入瀬渓流の二つのリゾートホテルだけ。

十和田湖畔のホテルや谷地温泉は支援対象から除外された。

「事業価値に乏しい施設は買わない」という外資系ビジネスの厳しさがうかがえる。
http://www.daily-tohoku.co.jp/kikaku/kikaku2004/komaki/komaki_03.htm

要するに、谷地温泉の様な湯治宿は金にならないから潰した方が得だというのが欧米人の考え方なんですね。

欧米人には日本人の心が全く理解できない


銀山温泉「藤屋」といえば女将の「ジニー」さんで有名ですが、最近この「藤屋」に対する批判がネット上で相次いでいます。「藤屋」は昨年改築をしましたが、この改築が大失敗だというのです。
http://infotaka.blog96.fc2.com/blog-entry-28.html


2006年11月 1日 (水)
銀山温泉の外人女将で有名な「藤屋」が今年7月にリニューアルしていたようだ、最悪だね

趣のある木造3階建ての旅館が川を挟んで並ぶ「おしん」の舞台にもなった銀山温泉にあるアメリカからやって来た女将ジニーさんで有名な旅館「藤屋」が今年7月にリニューアルしているのをたまたま銀山温泉関係をチェックしていて初めて知った。

その藤屋のホームページに行ってみてびっくり。かつて存在した3階建てのほかの旅館と調和して大正ロマンの味わいを見せる木造3階建てステンドグラスの望楼のあるあの雰囲気いっぱいの「藤屋」が完全に消失して、なんと伊豆辺りに普通にありそうな女性好みのいわゆる

オシャレっぽいどうでも良い建築物に成り果てているではないか。

4年ほど前に銀山温泉に行き、共同浴場と3カ所の旅館で日帰り入浴して以来銀山温泉には行っていない。その時に藤屋にも日帰り入浴を確か500円程度でした記憶があるが、素晴らしい建築で何の問題もなかった。あのとき聞いた限りでは宿泊も1万円ちょっとで可能だった。

それがそれがどうしてあの歴史ある、ほかの建物と一体になり銀山温泉の特色を造っていた建物を壊してしまったのか。

経営者は究極の馬鹿なのか。アメリカから来た白人女性の言いなりになってしまったのかどうか実に馬鹿らしい限りの改築だ。

写真で見る新しい藤屋の建物の銀山温泉にあることの違和感。あんな建築家の自己満足だけの建築物が突然闖入してしまった銀山温泉なんて何の魅力もありはしない。もう行く気にもならない。

しかもなんと、新しい藤屋は日帰り入浴も受け付けない(それはそれで旅館の経営方針だから構わないが)上に、宿泊料金が2人で泊って安くて35000円。部屋によっては5万円。銀山温泉の基本的なあり方を完璧に勘違いしているとしか言いようがない。これほどの金を払うなら京都の素晴らしい懐石料理が味わえる俵屋にも宿泊できるではないか。あまりに馬鹿らしい料金設定だ。

銀山温泉は湯自体にはたいした特徴などがある訳ではない。あくまであの建築群が集合した町並みが魅力だったのだ。それをぶち壊す今回の藤屋の改築。自らが自身の存在価値を放棄するという馬鹿らしさ。もう銀山温泉はどうでも良い。山形県なら同じような雰囲気で庶民でも銀山温泉などとは月とスッポンの素晴らしい湯が味わえる肘折温泉がある。藤屋は六本木ヒルズあたりに住み、金が余って仕方ないようなバブル長者辺りを相手に商売していれば良いだけだ。

それにしても日本の建築家というのは文化や伝統との調和を考えることが出来ない奴らばかりなのか。黒川なんとかと言う文化人気取りの設計屋をはじめ独りよがりの自己主張さえしていれば自己満足している人間たちのようだ。

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投稿: ごまちゃん | 2006年11月 5日 (日) 10時46分

私も藤屋のHPみて驚きました。さびれていた銀山温泉をひっぱってきた藤屋だと思っていたのですが。。。なぜ、こんな誤った方向に進んでしまうのか。。。これが、温泉組合とかの方針で、宿により明確な方向性の違いを打ち出すとか決定してのことであれば、まだいい面もあると思いますが、とてもそういう決定でこのようになったとは思えないですね。

この料金設定では、地元の人は誰も行きたがらないでしょう。完全に首都圏の人をターゲットにしている。

エステ?かふぇ?そんなもの銀山温泉に必要なのだろうか?
ここに来る人が求めるものと違う気がします。
勘違いが、温泉街全体におよばないことを祈るしかありません。
http://onsen-kabumasa.cocolog-nifty.com/okirakunikki/2006/11/post_6fe7.html


銀山温泉の雰囲気を破壊した醜悪な改築でしたが、館内も全く興味湧かない造りですね。改築してすぐに倒産した のがよく分かります。
温泉旅館を理解出来ない設計家の自己満足の所産ですね。
投稿: 温泉好き | 2011年8月 6日 (土) 13時23分
http://vabi330xi.air-nifty.com/vabi_blog/2011/08/post-705e.html

食事の後、旅館から防寒コートと長靴を借りて夜の温泉街を歩く。

古い昔からの佇まいを残す旅館の前に観光客が群がり、ガス灯の下で記念写真を撮る。しかし藤屋の前は素通りをする。銀山温泉に観光客は古きロマンの街並を求めているのだ。

 藤屋の前の通りからは藤屋の客室が細い格子越しに良く見えていた。お客はデザインの一部なのだろう。隈研吾にとっては。

 さ、寒くなってきたから藤屋に戻ろう。
http://arigatodiary.cocolog-nifty.com/arigatodiary/2010/01/post-75cd.html

外資に破壊される温泉文化 神州の泉 2007年1月17日 (水)


昨年の11月30日に、私の読者から次のようなメールが届いていた。

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外資による温泉地乗っ取りに関して

昨日の日刊ゲンダイの夕刊に気になる記事が載っておりましたので
是非取り上げてもらいたくメール致しました。

それは来年7月に施行される温泉の排水規制です。表向きは環境に配慮し
ての事となってますが明らかに害資による温泉地乗っ取りを容易にする為
の売国法案としか思われません。
私の杞憂に終われば良いんですが・・・。

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これに対して私は次のような返信を送っている。

温泉地の唐突な排水規制はまったく奇妙と言うか、
明らかに背後に底意が存在しますね。
http://allabout.co.jp/travel/yado/closeup/CU20061123A/index.htm

 この記事を読みますと、ホウ素とフッ素が健康に悪影響を及ぼすからとありますが、取り締まり対象が温泉地の旅館、すなわち温泉の権利者ですね。規制を行って、高価な除去装置を設置しないと営業が出来なくなるのでしょうね。

 弱小の経営者は事実上、経営が出来なくなり廉価で手放すことになるでしょう。そこを待ち構えていたゴールドマン・サックスのような外資が一気に利権を買い漁るかもしれませんね。まったく悪質です。

 これが全国規模で進行すると、我が国の古来からの伝統文化である湯治や温泉地観光が、海外式の市場原理主義にすっぽりとはまって醜悪な様変わりをするでしょうね。儲けさえすれば、湯の町の情緒などどうでもいい。地域の生活者などどうでもいいと排斥されるでしょう。これも重大な日本破壊に繋がる法律ですね。

 結果的に文化風習が崩壊し、地域社会は無残なことになるでしょう。
構図が「りそな」とそっくりです。無理難題をふっかけておいて相手を弱らせ、価値が下がったところで買い漁る。ハゲタカの常套的手口ですね。

こっそり進んだみたいですからこれは悪質ですね。では。

                神州の泉   高橋博彦
*****************************


 まぁ、この時はこんな感じで、後になったら取り掛かろうと考えていた。しかし、今、不二家の不祥事で株価がどんどん下がっている現状を見て、外資の日本買いは止まることを知らずに進んでいることを痛感している。長銀がリップルウッドに売却されたことや、現在、ソニーの外資株比率が半分を越えたことや、他の優良企業株が、軒並み外資に買い進められていることなどを考え合わせると、今の日本は、外資買い叩きの猛攻にさらされ、日本の優良資産も優良企業もすべてが外資の手中に収まってしまう勢いである。

 しかも、今年の五月に三角合併が完全解禁されると、この外資買いは雪崩を打ったように加速されることは明らかである。

 この実態を日本国民はどれくらい意識しているのであろうか。

中曽根政権時代に結ばれた「プラザ合意」以降、顕著になったアメリカの対日利益誘導システムの構築であるが、この極点として登場したのが小泉政権であったことは間違いない。植草さんの言うように、小泉政権の本質は米国傀儡政権であり、彼らの行った構造改革は外資に利益誘導をもたらすためであった。規制緩和や規制撤廃、その他の法令上の改正(改悪)は、外資が日本での跳梁跋扈をしやすいように行ったことはもはや疑問の余地はない。

 バブル崩壊以後、軒並み斜陽化した国内ゴルフ場は相当数がゴールドマンサックスなどの外資に買収され、それは今に続いている。その上、古くから根付いている我が国固有の伝統文化である「温泉湯治文化」が今、外資の手で根こそぎ破壊されようとしているのである。

 バブル以降、衰退したゴルフ場の再生を請け負ったのが、ゴールドマン・サックスとローンスター社である。特にゴールドマン・サックスのゴルフ場買収は著しい。現在はゴルフ場のみか、ホテル、スポーツ施設、旅館、観光地などの利権を買い漁っている。その中でも彼らが温泉買いを行っていることに日本人は無頓着である。国民は外資が温泉を買収していることがどういうことか考えたことがあるだろうか。

 いしにえの時代から、日本人は山里の温泉を利用してその心身を癒してきた長い歴史がある。温泉文化は日本の代表的な伝統文化である。これを外資に買収された場合、どんなことが起こるか考えてみればその恐ろしさが実感できる。今、ゴルフ場を買収した外資がゴルフ場の経営方針をどのように転換したか、昔からゴルフをやっている連中は気が付いているだろう。ゴルフ場は回転効率を目指した経営に変わっているのである。つまり、外資喫茶店のスターバッグスなどのように集客効率と回転率を上げ、プレーが即席化している。徹底した合理化である。

 日本人には接待ゴルフという言葉があるくらいに、ゴルフはスポーツプレイという側面と同時に、社交の延長という側面がある。これは日本独特の文化である。従って、外資経営の合理化とは、日本の接待的な要素をすべて捨てて、短時間内のプレイに集中させ、回転効率を目指すことになる。
私自身は日本のゴルフ場は、その存在そのものに批判的だから、ゴルフ場の経営方針などどうでもいいのだが、これが温泉になると話は違ってくる。


 日本人とって温泉は、時代を超えて心身を癒す時間を供給する重要な場所であり、民族の文化である。これが外資に渡り、ゴルフ場の集客効率と同様の経営方針をとられた場合、我が国の伝統的な温泉文化は破壊される。おそらくすべての有名温泉では水着着用を義務付けられ、伝統ある古びた温泉地は西洋風にリニューアルされてしまうだろう。湯の町の情緒性などは根こそぎ破壊され、集客効率と回転率だけを志向した即物的な施設が乱立するだろう。

 そして最終的には日本人も外国人も無機的な施設の温泉地に興味を失い客足が途絶えることになる。その時、温泉地は町もろともさびれ果て、打ち捨てられる可能性が高い。外資には地方文化の興隆などという意識はまったくないから、儲からないと判断した時点で完全に撤退し、後には無残な観光地のむくろだけが残ることになる。

あるブログを参照にすると、水質汚濁防止法の改正が2001年にあり、温泉の成分にも含まれるホウ素やフッ素が排出規制の対象となった。暫定期間が来年(2007年)7月に終わり、「新基準」に移行する。水質汚濁防止法が改正され、古来から自然に湧き出ている温泉そのものに適用されるらしい。しかもその法律の適用対象となるのは地元の旅館や温泉の権利を持つ地主である。この法律をクリアーさせるために必要なフッ素除去装置の値段は、3千万円から4千万円だそうである。当然、それは流出規模の大きい源泉を有した施設ほど金がかかるだろう。

 そもそも、自然湧出の温泉にこのような法律を被せること自体がまともな発想ではない。自然現象を罰則対象にする発想自体が狂気と断言してもよい。もし、これが狂気でないとするならば、考えられることはただ一つである。それは環境省に外資勢力が圧力をかけて無理やり行わせ、温泉地の利権を安く買い漁る目的なのである。

 このまま行くと、我々日本人は温泉情緒を楽しめなくなるのである。我々日本人は、ホワイトカラー・エグゼンプションで成果主義を押し付けられ、過当な生き残り競争の中で疲れ果て、その血のにじむような労働は、ほとんど外資のためであるという構図の中で生きていくことになる。そして疲れた身体を癒すために遠隔地の温泉に行けば、金ばかり吸い取られてゆっくりできない休日を迎えることになる。しかも水着着用で過ごすはめになるかもしれない。目先の利益で外資に委ねることは日本の切り売りなのである。しかし、これを推進する為政者とお役所は国賊である。
http://shimotazawa.cocolog-wbs.com/akebi/2007/01/post_2afd.html

温泉ファンの凄まじい怒りを浴びて施行不可能になった「水質汚濁防止法」


週刊ポストの編集部の方へ 投稿者:すなっち 投稿日:2007年 2月12日(月)20時15分26秒  


“環境省「トンデモ規制」強化で草津・別府の「名湯」が消える!”

記事読みました。本当に本当にうれしかったです (T_T) ありがとうございます。
また、よろしくお願いいたします。


掲示板ご参加の皆さまへ

今書店に出ている「週刊ポスト」で温泉の排水規制を取り上げた記事が掲載されています。
是非、ご購入をお願いします。


クマオさんへ
ご報告が後先になってしまったのですが、「週刊ポスト」に情報提供した際に、「立ち寄り温泉みしゅらん」を見てください、と伝えたのでした。
ということで、活動してしまいました。不都合ありましたら、メールください。(^^;)


週刊ポスト 投稿者:クマオ 投稿日:2007年 2月13日(火)23時54分15秒
すなっちさん>

週刊ポストの記事読みました。ゴシップものも多い記事のなかで、しごくまじめに排水規制問題がとりあげられていて、温泉ファンとしてうれしい限りです。一般の方にも排水規制の問題を知ってもらって、なんとか良い方向に進んでもらいたいと思います。

すなっちさんが情報提供してくれたおかげで、この問題に世間の関心をひきつけることができたのだと思います。温泉ファンの一人として感謝しています。また、当サイトを紹介いただいた点は恐縮です。
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/bbs07/bbs070211_0220.htm


温泉排水規準の環境省方針が発表されました
投稿者:やませみ 投稿日:2007年 3月30日(金)18時10分11秒

昨年から議論されてきた温泉排水のホウ素・フッ素の基準について、平成19年7月以降にも現行の暫定排水基準値のまま延長するという方針案が発表されています。
http://6717.teacup.com/kumao/bbs?M=JU&JUR=http%3A%2F%2Fwww.env.go.jp%2F


環境省>報道発表資料>平成19年3月29日
http://www.asahi-net.or.jp/~ue3t-cb/bbs/bbs07/bbs070321_0331.htm

在日朝鮮人もまた日本人の心が全く理解できないという点では欧米人と同じです:

南北海道の奥深く、後志地方二股町にそれはある。
知る人ぞ知る幻の秘湯、二股ラヂウム温泉である。


その湯の奇跡的な効能とその他に類を見ない個性的な佇まいとがあいまって温泉ファンのみならず奇天烈スポットマニア垂涎の的となっていた珠玉の温泉である。

しかし、01年初頭に当温泉を訪れた者によりもたらされた情報は衝撃的なものだった。

当温泉のシンボル的存在であったドームがなくなり、健康ランド化されていたというのである。

日本中の秘湯マニア、奇天烈スポットマニアの間に衝撃が走り、日本全土は深い悲しみに包まれた。

聞いたところによると原因は最近変わった経営者が当温泉のことをさっぱり理解しておらぬウツケ者で、確かに我々が直前に訪れた00年7月にも温泉代が500円から1000円に値上げされるという危険な前兆もあった。

我々が愛して止まなかった幻の秘湯はまさに幻と化してしまったのだ。
http://www.asahi-net.or.jp/~wf5t-hrd/kisho/onsen/radium.htm


二股ラヂウム温泉旅館(旧) 1998年12月7日
http://konyokutomonokai.com/hokkaidou/hutamatakyu.html

二股らぢうむ温泉旅館(新) 2002年9月4日
http://konyokutomonokai.com/hokkaidou/hutamatasin.html


二股ラヂウム温泉 間違いなく北海道最高の温泉。


2000年11月リニューアルオープン。そのモダンさに非難が集中した。

すっかり変わってしまった外観と「二股らぢうむ温泉」の新しい看板を見るにつけため息が止まらない。

キツネが一匹だけ旅館の前をうろうろしていた。新館玄関横に流し台が設置され、炭酸泉の蛇口があり誰でも持ち帰り可能なよう。新改築が始まってから浸かりもしないのに二度も訪れてしまったが、今回とうとう浸かってみることにした。自販機で券を購入し新しい階段を下りて浴室へ。ドーム型浴室はなくなってしまったが石灰華ドームは健在で、男性(混浴)露天からはすぐ右手に眺めながら浸かることができた。

しかし一通り見てはみたものの‥‥新しくできた男性用小浴室といい、温水プールといい、かけ流しではあるがいずれもオーバーフローではない浴槽といい、適温ではあるが湯がよどんでいるような見た目といい、排水溝の鉄板のスケールを落とすのにカンカンとうるさかった職人さん達などなどなど印象の悪いことこの上なし。

おまけに千円取って備品は無しときている。元の湯が特別良かっただけにおまけしてみても△という私的評価でした。残念至極。

チラシなどを見ると、オーナーの方?は一応療養とリハビリの温泉として考えているように思います。しかし個人的には全くちぐはぐに感じました。張り紙には二時間から五時間浸かってください云々とあり、浴槽も段差が少なくバリアフリーを目指したのかと思いきや、一方浴室内でゆっくり座って休めるところはなく、どうにも居場所のない落ち着かない雰囲気でした。

また以前の内湯も結構深かったとはいえ、立位全身浴を前提としたかなり深い湯船や温水プールは手すりがしっかりしておらず(これは気づかなかっただけかも?)、足下の見えない濁り湯状態ではかえってご老人には危険とも思われました。まあそれ以前に心臓に負担のかかりやすい立位全身浴は心肺機能の良好な方以外にはおすすめしませんが。あとオーバーフローでないせいか、プール、浴槽とも湯の表面に湯花がびっしり浮いており、家族連れの子供などには気味悪く感じられるだけで不評ではと思いました。まあこれから時間をかけて色々改善されていくものと信じたいですが、少なくとも今の二股はどこを見ても中途半端な感じで好きになれませんでした。
http://plaza.umin.ac.jp/~ops/cgi-bin/krev/kreview.cgi?;pg=19

二股(ふたまた)ラジウム温泉

前回の長万部温泉からそう遠くはない。実は住所としては同じ町内にある。長万部市街からニセコ・小樽方面(国道5号線)へ向かうと、町外れに温泉の案内板があり、それに従い山側へ折れる。そこが二股ラジウム温泉の入口である。

 原生林の中の曲がりくねった山道を走ること約8キロ、赤い屋根の宿が出現する。昔ながらの湯治場である。娯楽も何もない。老朽化し傾いた建物、きしむ廊下、ひなびた温泉宿そのままである。明治末期に開業され、人里離れた、鬱蒼とした原生林と巨大な岩の上に立つ。この岩がこの温泉の目玉である。この岩盤の正体、実は沸き出す温泉の石灰華(湯の花=炭酸カルシウム)が何万年もかけて堆積して出来た台地なのである。まさに温泉そのものが作り上げた、エアーズ・ロックならぬ温泉ロックである(なんか響きが変だな)。その石灰華の岩盤は長さ400メートル、幅200メートル、高さ25メートルの巨大なものである。同じような石灰華の作り出した景観は世界的にもアメリカ・イエローストーンとこの二股温泉だけだということだ。

 二股ラジウム温泉。ここには古びた湯治場であるにもかかわらず、3箇所の湯殿と2箇所の露天風呂、合計9個の湯船が昼夜を問わず湯を満たしている。何とも贅沢だ。そして、そのほぼすべてが混浴である(わずかに1箇所は女性専用)。

ここに全国から秘湯好きが訪れる。内風呂の一つは件の石灰華の岩をドーム状にくり抜いた中にある。湯船も岩をそのまま利用したもの、そこへ湧き出る湯をこんこんと満たしている。

極微量の放射能を含むお湯は、わずかに緑褐色の色を呈し、実になめらかな肌触りである。ちょいと鼻歌を歌うとその声は岩のドームに木霊し、流れる湯音と相まって心地よい響きを奏でる。もうこうなると、ラジウム、放射能という不安な泉質のことなどすっかり忘れ、またまた極楽気分だ。さて、露天風呂は流れる川を眼下に見下ろしながら立つ石灰華の断崖に、その岩肌をくり抜いた湯船に湯を溢れさせた、実に自然そのままを利用した絶品の湯であったのだ。

今ではこの石灰華は北海道の特別天然記念物に指定され、その開発・利用は最小限に制限されているが、その自然の造形物とそれを湯治場として利用した姿は圧巻である。人工的に作ったはずの湯船さえ、悠久の自然の営みによって作られたものとして、完全にこの景観と一体化しているのである。

そんななか、全国に知れた名湯のラジウム泉、混浴なんてことは誰も気にすることなく、老いも若きも男も女も皆裸になって湯に浸かる。ここではもうそれが自然なことのように思えてしまう。混浴で若いネエちゃんと・・・・・・ムムムなんて夢想していたことさえ、ひどく恥ずべきことのように思えるのだ。いや、実際に湯に浸かればそんな邪念は遙か彼方へ消え去ってしまうのだ。実にいい湯である。

 さてさて、ところが、である。この二股ラジウム温泉、実はこれまで書いてきたことは過去形であるのだ。1年ほど前からここは変わり果ててしまったのである。

道内の温泉好きの間ではしばらくはこの話題で持ちきりであった。勿論、放射能泉の影響で人間が得体の知れない化け物に変貌した訳ではない。温泉に浸かった客が変貌したのではない。温泉宿そのものが変貌してしまったのだ。


1年半ほど前に経営権が移り、その後、どうやら札幌のサラ金業者が経営権を譲り受けたそうだ。ところが、その経営者は温泉宿を以前のままの状態で営業をすればいいものを、やりたいように変えてしまったのだ。噂によれば、経営権を手にした途端、建物の改修工事を始め、さらに料金アップ、サービスの悪化と滅茶苦茶にしてしまったのだ。それまでの平均70歳以上の宿のスタッフの首を切り、今では女将さえそのサラ金業の社員だそうだ。

 今時、どの温泉場へ行っても(大型ホテルなどは別にして)、日帰り料金など300~500円程度のはずだ。しかし、この二股ラジウム温泉は、経営権の移行を境に500円が倍の1000円になったのだから驚きである。施設に変化があったかと言えば、何も変わっていない。それどころか、再び訪れた時には、露天風呂などは改修で入れず、名物であったはずの石灰華ドームの内風呂にもお目にかかれなかった。

どうやら金を持った経営者(温泉場を金儲けの場としか考えない輩であろう)になった途端、どこも新装開店して別物に変えてしまうようだ。温泉場としては堕落の一途をたどるのだ。1000円の日帰り料金、聞いて呆れる。そんな温泉などどこにもない。湯はこれぞ極上、宿は最低!そういう温泉場は意外に少なくないのだ。いい温泉がまた一つ消えたと嘆きたくなる。

 しかも、二股温泉を訪ねたその数日後、またまたびっくりした。折り込み広告に「二股ラジウム温泉」の名を見つけたのである。折り込みチラシで宿の宣伝をする温泉など聞いたことがない。温泉広告が北海道中にばらまかれ、何かと思えば、裏面はしっかりサラ金の広告ときたもんだ。どっちの広告だかまるでわからない。いい温泉宿が得体の知れない宿に変わってしまうくらいなら、温泉で人間が化け物になってしまったほうがまだましだ。

 今回残念ながら「プルトニウム人間」にはお目にかかれなかったが、意外な怪奇人間を拝むことは出来た。(経営者が代わって後の訪問時、)僕は平日の昼間に一人湯に浸ってのんびりとしていた。宿は変わったと腹を立てていても、湯は変わらないとほくそ笑んでいたところ、いきなり裸のおっさん登場。ごま塩坊主頭の小太りずんぐりむっくり50代男。だが、一瞬戦慄が走る。湯船から飛び上がりくらいにびっくり仰天。背中一面に見事な彫り物を背負っている。これぞ「もんもん絵人間」である。

 単なる湯治客のおっさんだったかもしれないが(確かに風貌は職人風情のおっさんだったし、目つきも悪くはなかったはず)、経営者が悪辣サラ金業者で、老舗の温泉場を滅茶苦茶にしたとの噂がどうしても頭から離れず、入れ墨おっさんとどうしても結びついてしまい、とにかく後味が悪かったのだ。


日に日に悪評高まるかつての名湯。恐らくもう二度と足を踏み入れることはないだろう。そんな一軒である。しかし、ここの湯は素晴らしい、それだけは重ねて書き加えておく。今一度浸かりたい一湯である。実に残念だ。
http://www002.upp.so-net.ne.jp/harapeko/spa/14.html
3:777 :

2022/06/26 (Sun) 21:25:36

デービッド・アトキンソン 新・観光立国論―イギリス人アナリストが提言する21世紀の「所得倍増計画」
デービッド アトキンソン (著) 東洋経済新報社 (2015/6/18)
https://www.amazon.co.jp/%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89-%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3-%E6%96%B0-%E8%A6%B3%E5%85%89%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E8%AB%96-%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9%E4%BA%BA%E3%82%A2%E3%83%8A%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%88%E3%81%8C%E6%8F%90%E8%A8%80%E3%81%99%E3%82%8B%EF%BC%92%EF%BC%91%E4%B8%96%E7%B4%80%E3%81%AE-%E6%89%80%E5%BE%97%E5%80%8D%E5%A2%97%E8%A8%88%E7%94%BB-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89-%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3-ebook/dp/B00YOCT9ZC/ref=pd_cp_351_1?_encoding=UTF8&psc=1&refRID=PWR9A0FD62140YK1XKTK


本書は、21世紀の「所得倍増計画」の提言です。

少子化が経済の足を引っ張る日本。

出生率は、すぐには上がりません。
移民政策は、なかなか受け入れられません。

ならば、外国人観光客をたくさん呼んで、
お金を落としてもらえばいいのです。

この国には、【世界有数の観光大国】になれる、潜在力があるのですから。

ですが、2014年の訪日客数は1300万人程度です。
日本ほどのポテンシャルをもつ国としては、驚くほど少ない数と言わざるをえません。

日本の潜在力と世界の観光産業の隆盛を考えれば、
2030年までに8200万人を招致することも、決して不可能ではありません。

それを成し遂げることで、日本経済には「第2の高度成長期」が訪れるのです。
本書では、そのための方策を、詳しく解説しましょう。


はじめに 日本を救うのは「短期移民」である
第1章  なぜ「短期移民」が必要なのか
第2章  日本人だけが知らない「観光後進国」ニッポン   
第3章  「観光資源」として何を発信するか
第4章  「おもてなしで観光立国」にニーズとビジネスの視点を
第5章  観光立国になるためのマーケティングとロジスティクス
第6章  観光立国のためのコンテンツ
おわりに 2020年東京オリンピックという審判の日

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世界一訪れたい日本のつくりかた―新・観光立国論【実践編】
デービッド・アトキンソン (著) 東洋経済新報社 (2017/7/7)
https://www.amazon.co.jp/%E4%B8%96%E7%95%8C%E4%B8%80%E8%A8%AA%E3%82%8C%E3%81%9F%E3%81%84%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%81%A4%E3%81%8F%E3%82%8A%E3%81%8B%E3%81%9F%E2%80%95%E6%96%B0%E3%83%BB%E8%A6%B3%E5%85%89%E7%AB%8B%E5%9B%BD%E8%AB%96%E3%80%90%E5%AE%9F%E8%B7%B5%E7%B7%A8%E3%80%91-%E3%83%87%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%83%E3%83%89%E3%83%BB%E3%82%A2%E3%83%88%E3%82%AD%E3%83%B3%E3%82%BD%E3%83%B3-ebook/dp/B07147KC9S


【観光業を大進化させたベストセラー『新・観光立国論』著者の“最新”提言!】

過去数年で、日本は「観光の後進国」から「発展途上国」になりました。
さまざまな実績が出始めており、街で外国人観光客を見かける機会も増えました。

しかし、日本の潜在能力を考えると、まだまだこんなものではありません。
日本は、やるべきことをやりさえすれば、「世界第5位の観光大国」になれる潜在能力があります。

本書では、日本が「6000万人の外国人観光客」を招致できる
真の「観光先進国」になるためにとるべき方策を、あますところなく解説します。


■どう分析するか?
→フランス人よりもドイツ人を呼ぶべき理由
→観光収入の9割は「これ」で決まる
→日本の「地の利」が最強な理由

■何を整備するか?
→「サービス」の概念を根本から改めよう
→日本人だけが気づいていない「観光資源」とは
→カジノは最強の「集金システム」である

■いかに発信するか?
→「翻訳」はもう止めよう
→外国人には「意味不明」な写真とは
→「&Tokyo」がダメなわけ 他

【主な内容】

はじめに 観光はもっとも「希望のある産業」である

第1章 日本の「実力」は、こんなものじゃない
    ――「大観光時代」を迎える世界と日本の現状

第2章 「どの国から来てもらうか」がいちばん大切
    ――国別の戦略を立てよう

第3章 お金を使ってもらう「魅力」のつくりかた
    ――「昭和の常識」を捨てて、質を追究しよう

第4章 自然こそ、日本がもつ「最強の伸び代」
    ――「長く滞在してもらう」ことを考えよう

第5章 「誰に・何を・どう伝えるか」をもっと考えよう
    ――「So what? テスト」でうまくいく

第6章 儲けの9割は「ホテル」で決まる
    ――「高級ホテル」をもっと増やそう

第7章 観光は日本を支える基幹産業
    ――あらゆる仕事を「観光業化」しよう

デービッド・アトキンソン 小西美術工藝社社長

小西美術工藝社代表取締役社長。三田証券社外取締役。元ゴールドマン・サックス金融調査室長。

裏千家茶名「宗真」拝受。
1965年イギリス生まれ。オックスフォード大学「日本学」専攻。

1992年にゴールドマン・サックス入社。日本の不良債権の実態を暴くレポートを発表し、注目を集める。

2006年にpartner(共同出資者)となるが、マネーゲームを達観するに至り2007年に退社。
2009年、創立300年余りの国宝・重要文化財の補修を手掛ける小西美術工藝社に入社、2011年に同会長兼社長に就任。

日本の伝統文化を守りつつ、旧習の縮図である伝統文化財をめぐる行政や業界への提言を続ける。

2015年から対外経済政策研究会委員、京都国際観光大使、明日の日本を支える観光ビジョン構想会議委員などを務める。2016年には財界「経営者賞」受賞。『新・観光立国論』(山本七平賞、不動産協会賞受賞)『国宝消滅』『新・所得倍増論』(いずれも東洋経済新報社)、『イギリス人アナリスト 日本の国宝を守る』(講談社+α新書)等著書多数。


外国人が心底ガッカリする「日本の旅館事情」
東洋経済オンライン 7/14(金) 5:00配信


『新・観光立国論』が6万部のベストセラーとなり、山本七平賞も受賞したデービッド・アトキンソン氏。

安倍晋三首相肝いりの「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」委員や「日本政府観光局」特別顧問としても活躍している彼が、渾身のデータ分析と現場での実践とを基に著した『世界一訪れたい日本のつくりかた』が刊行された。

本連載では、訪日観光客が2400万人を超え、新たなフェーズに入りつつある日本の観光をさらに発展させ、「本当の観光大国」の仲間入りを果たすために必要な取り組みをご紹介していく。

右肩上がりで成長を続け、何の問題もないかに見える日本の観光が、実はまだまだ多くの改善点や「伸び代」に満ちあふれている。そのことをわかっていただくための具体的な例として、前回、日本には「5つ星ホテル」が28軒しかないという問題を指摘させていただきました。

 外国人観光客が年間2900万人訪れ、観光収入でも世界第6位につけているタイには「5つ星ホテル」が110軒あります。年間3200万人訪れているメキシコでも93軒。実際、139カ国を対象に分析すると、観光収入と高級ホテルの数との間には91.1%の相関があることがわかりました。

 それをふまえると、日本の観光が「金持ちの客から稼ぐ」ことを重視してこなかったのは明らかです。だから日本は、観光客1人あたりの消費額が世界第46位と、かなり低いのです。

 この記事は非常に多くの方に読んでいただいたようで、コメント欄にもさまざまな意見が寄せられました。このテーマが日本の観光戦略を考えていくうえで、非常に大事な議論だということを改めて感じました。

 そのコメントのなかに、「5つ星ホテルはなくても、高級旅館があるからそちらに泊まればいいのでは」という主旨のものがありました。

 「5つ星ホテル」のようなサービスをありがたがるのは海外の価値観に過ぎず、日本にはそぐわない。日本文化を体験しようとやってきているのなら「旅館」に泊まるのが筋であると言いたいのでしょうか。だとすれば、それは「郷に入れば郷に従え」ということで、かなり「日本人目線」です。

 しかしそれをいったん脇に置き、外国人の立場から言わせていただくと、日本の「旅館」には、外国人が泊まるには多くの「ハードル」が存在するのです。

 滞在中ずっと日本の旅館に泊まるという選択は、外国人にとっていろいろな点でハードルが高いと言わざるをえません。まして、普段「5つ星ホテル」に宿泊するような富裕層であればなおさらです。

 それにくわえて、多くの方たちが主張する「旅館が伝統的な日本文化」という考え方にも疑問を感じます。いまのような「日本旅館」のスタイルは、戦後に人口が右肩あがりで増え、観光が大衆レジャー化していくなかで確立されました。新著『世界一訪れたい日本のつくりかた』のなかでも指摘している、いわゆる「昭和の観光業」です。

 昭和時代の日本人観光客と、遠く離れた国から十数時間かけて訪日する、文化も価値観も異なる外国人観光客をいっしょくたにしてしまうのは、かなり乱暴な「おもてなし」ではないでしょうか。

■旅館が抱える「5つの大問題」

 そこで今回は、「日本旅館」が訪日外国人観光客の受け皿になりづらい理由として、5つの問題点を指摘させていただこうと思います。

●問題点1:長期滞在に不向き

 これからの日本がとるべき観光戦略を考えた際、「観光客数」よりも「観光収入」を重視していくべき、つまり「量より質」をとるべきだということは、かねてからお伝えしているとおりです。そこでカギになるのは「長期滞在」だというのは言うまでもありません。

 1カ所に長く留まって、その周辺でさまざまな観光、飲食、ショッピングにおカネを落としてもらうのが理想的な稼ぎ方です。事実、外国人観光客の平均滞在日数は約10日間。アジア地域からの観光客を除くともっと延びて、約14日間になります。

 そのような「長期滞在」戦略をふまえて、あらためて「旅館」がその受け皿になるか考えてみてください。

 夕飯に出てくる豪華なコース料理も1日、2日なら新鮮で喜ばれるかもしれませんが、10日間食べ続けるのはかなりハードルが高いです。せっかく異国にきたのだから、さまざまな料理を食べてみたいと思うのは当然です。

 日本人でも、同じ旅館に10日間泊まれと言われたら、多くの方が断ると思います。それは外国人ならなおさらです。「旅館を変えればいい」という意見もあるかもしれませんが、たとえ別の旅館だったとしても、10日間連続で旅館に泊まるのは、やはり厳しいのではないでしょうか。

●問題点2:ファミリー層に不向き

 日本の旅館が家族旅行に向いているというのは、あくまで1~2泊しかしない日本人の話であって、残念ながら外国人にはあてはまりません。

 そもそも、家族が同じ部屋で宿泊するという文化のない国もあります。1泊くらいならば「これが日本の文化か」と布団をしいて川の字になって寝ることを体験しても、それを2週間も続けようとは思いません。

 また、日本の「旅館」は宿泊費に食事が含まれていることが多く、なかには料理がメインになっているところもありますので、非常にコストがかかります。それほど食事をとらない小さな子供がいるようなファミリーの場合、ホテルよりもかなり割高になってしまうのです。

 さらに一部屋いくらではなく、同じ部屋でも人数分の宿泊料を取られますので、家族連れにとって2週間分のコストはまったく割に合わないのです。

■旅館の「常識」は世界の「非常識」

●問題点3:ルームサービスが不十分

 外国人が日本に10日間滞在するとなると当然、衣類などを洗濯しなくてはいけません。しかし、そのようなルームサービスを行っている「旅館」は少ないです。ほとんどが、地図を書いて近所のコインランドリーを教えるという対応でしょう。

 「貧乏旅行」を楽しむバックパッカーならばそれでも問題ありませんが、限られた時間のなかでできるかぎり日本を堪能しようとしている外国人観光客に対する「おもてなし」としては、気のきいた対応とは言えません。

 また、長いフライトを経て来るわけですから「時差ボケ」でなかなか眠りにつけないこともあります。夜中になにか食べたいという要望に応えられるルームサービスを行っている旅館も少ないのではないでしょうか。

●問題点4:「夜のエンターテインメント」がない

 日本の旅館のフロントは、10時くらいになると人がいなくなってしまいます。「門限」が決められている旅館も少なくありません。部屋には仲居さんがやってきて、布団をしいてしまいます。お隣のお客さんもいますので、静かにしなくてはいけません。

 そう、完全に「おやすみなさいモード」なのです。

 外国人観光客からすれば、これも1日くらいであれば「これが日本の旅館か」という体験になりますが、10日間もこれを続けるのはさすがに「酷」であると言わざるをえません。

 みなさんも自分に置き換えて考えていただきたいのですが、かなりの費用をかけて航空券や旅行代金を支払い、時間を捻出して遊びに来た海外のホテルで、夜になったら強制的に寝るように勧められたらどうでしょうか。

 大きなお世話だと思うのではないでしょうか。

 せっかく遊びにきたのですから、その国のナイトライフを最大限楽しみたいと思うのは当然です。訪日外国人観光客もしかりで、日本の夜を最大限に満喫したいのです。そのようなニーズに「旅館」がどれだけ応えられるのか、私には大いに疑問です。

●問題点5:老朽化が目立つところも

 最後の大きな問題は設備です。特に地方の旅館の設備は、残念ながら遠い異国からやってきた観光客をもてなすのに十分とは言えません。

 実は私も、自身が社長をつとめる「小西美術工藝社」の出張や観光関係の視察で、地方の旅館をよく利用しています。文化財に携わっている職業柄、どうしても建物の傷み具合などを確認してしまうのですが、悲しくなるくらい老朽化してしまっているところが多くあります。

 壁紙が剝がれている、水回りや浴室が古い、しばらく畳を替えた形跡がない……例をあげればきりがありません。

 みなさんが観光に訪れた国で「この国の観光の発展のためですから、こちらのメンテナンスができていない部屋で我慢してください」と言われたらどうでしょうか。「2度と来るか」と落胆するのではないでしょうか。

■そもそも、今のスタイルは「日本文化」なのか

 ここまで、「旅館」がなぜ訪日外国人観光客の主な受け皿として不適切なのかを指摘させていただきました。このような話をすると、「日本の文化にケチをつけるなら来なくていい」と、建設的とは言いがたい議論になってしまうことがたびたびあります。

 ただ、「旅館」に関して言わせていただくと、「そもそも日本文化なのか」という大きな問題もあります。

 鬼怒川温泉、箱根、熱海などにある宴会場をそなえた大型観光旅館は、企業の慰安旅行や、町内会の親睦旅行などの「団体旅行」を対象に発展してきました。

 団体でバスに乗り込んでみな同じような観光をするので、食事も同じ、部屋もみな同じ。滞在するのはほぼ1泊か2泊なので、布団をしけるだけの狭い部屋をたくさんつくったほうが効率良く稼げるのは言うまでもないでしょう。

 では、このような「団体旅行」が、江戸時代などから続く日本の伝統的な観光のスタイルかというと、決してそうではありません。

 たとえば、いまは多くが取り壊され、大型ホテル風の建物に変わってしまっていますが、明治期の文学作品などを読んでいただければわかるとおり、当時は長期滞在をすることもよくありました。

 つまり、多くの方が「日本文化だ」と信じている「旅館」のスタイルは、実は戦後、人口が急激に増えたことによってポピュラーになった「団体旅行」をさばくために発展したものにすぎないのです。

 実際、昭和時代に造られた大型の旅館は、つぶれてしまったところも多くあります。これからは、よりコンパクトで環境に配慮したものに変えていくべきでしょう。東京は1990年代から大再開発されていますが、観光の盛り上がりを受け、これからは地方の大再開発が活発になると思われます。

■そもそも「5つ星ホテル」の基準とは? 

 時代に合わせて「旅館」というスタイルが生み出されたのなら、訪日外国人観光客が2400万人を突破したいまの日本社会にマッチする宿泊インフラが求められるのも当然でしょう。

 このようなお話をしても「日本の旅館やホテルは施設の質が高いから、新しい5つ星ホテルなどいらない」と主張される方もいます。

 このような方の意見を聞くと、もしかしたら「5つ星ホテル」というものの定義自体が、まだ日本国内では十分に理解されていないのではないかと感じます。

 英国政府観光局によると、「3つ星ホテル」と「4つ星ホテル」と「5つ星ホテル」の決定的な違いは、設備の豪華さなどの「ハード面」ではなく、サービスに代表される「ソフト面」、つまり「スタッフの質」です。

 「3つ星ホテル」は、一般のホテルよりもややルームサービスの選択の幅が広いものの、限定的。「4つ星ホテル」はスタッフの経験が豊富で、客の細かい要望に応える。そして「5つ星ホテル」になると、滞在中の「すべて」の要望にしっかりと応える。

 「すべて」ですから、館内にいるときに丁寧な対応をするだけではありません。

 ビジネスパーソンであればイベントの企画なども手伝います。観光客ならば、どこへ行ってどのように観光をすれば最大の満足が得られるのかといったコーディネートから、ガイドブックに掲載されていない隠れ的なレストランの紹介や予約など、そこに宿泊している間のすべての面倒事を解決してくれるのです。

 このようなサービスを提供するため、一般的には「1つの部屋に2~4人のスタッフが必要」と言われているのです。

 さて、それをふまえて日本の「旅館」を考えてみてください。はたしてそのようなサービスを提供できていると言えるでしょうか。

■宿泊施設の日本人スタッフには、もっと高い給料を

 もうひとつ「5つ星ホテル」に否定的な意見として、「日本は土地が狭くて給料が高いので、そんな高級ホテルをつくっても収益をあげられない」という主張がありますが、これは事実ではありません。

 欧州には日本より土地が狭く、給料が高い国はいくらでもありますが、「5つ星ホテル」は日本よりも多く、きちんと運営されています。

 日本では考えられないほど高い宿泊料でも泊まる富裕層がいるので、働いている人たちも、格安ホテルで働く人たちよりはるかに高い給料をもらっています。

 よその国が当たり前にできていることを、優秀な日本のホテルマンたちができないとは、私はとても思えません。

 まだ整備されていない「5つ星ホテル」をつくって、海外の富裕層にも満足してもらえるサービスを提供して、そのサービスの高さなりの宿泊料をもらって、ホテルマンたちが今よりも高い給料をもらう。これがなぜ悪いのでしょうか。

 私は日本の「旅館」を否定しているわけではありません。観光は「多様性」が命ですので、外国人観光客のなかには、「日本の旅館は最高だ」という人もいるでしょう(そういう人でも、2週間も泊まるのは無理だと思いますが)。

 ただ、時代も客も変わってきているなかで、新しいサービスが整備されていくのは当然です。「旅館」という昭和のスタイルですべてに対応するのは、やはり無理があるのではないでしょうか。

 今のマニュアル化された「旅館」というスタイルを見直し、日本の人口が1億人になる前の時代には存在した「日本の魅力」を再発見して、今の時代にも多少合わせた形に変える時期にさしかかっているのではないでしょうか。


▲△▽▼


デービッド・アトキンソンは何もわかっていない
輸出や外国人観光客の誘致をいくら頑張ってやっても日本が豊かにならない理由




経済コラムマガジン 2016/10/24(913号)落日の構造改革派

構造改革派の中にも、段々と問題は供給サイドだけでなく、需要サイドにもあるのではないかと考える者が現れるようになった(日本の供給サイドは特に大きな問題がないと筆者は見ている)。明らかに構造改革派は落日を迎えている。しかしいきなり財政支出による需要創出というわけには行かない。筆者の記憶では、最初に需要サイドに着目した構造改革派は「霞ヶ関埋蔵金」を問題にした人々である(埋蔵金を使っての需要創出をしろと主張)。


その次は外国人観光客の誘致を唱える人々である。
これは外国人観光客の買い物による需要増を狙っている。

そして最近ではTPP締結が注目されている。ところでアベノミクスの第三の矢である「成長戦略」の柱は規制緩和などによる構造改革だったはずである。ところが奇妙なことに最近になって「成長戦略」の第一はTPPという話が出るようになっている。これは TPP による輸出増が狙いである。

このように外国人観光客の誘致やTPPの目的は需要増といっても外需の増加ということになる。

たしかに構造改革よる供給サイドの強化といった現実離れした考えからは、これらはいくらか進歩していると言える。しかしこれに対して筆者達は、これ以上外需依存を高めるのではなく(外需依存はいずれ円高で苦しむことになる)、財政政策(ヘリコプター・マネーなどによる)による内需拡大政策を主張しているのである
http://www.adpweb.com/eco/eco913.html




2016年07月04日
訪日外国人2000万人も経済はマイナス 外国人観光は経済に貢献しない

外国人が何千万人来ても、それで経済成長することは絶対に無い。


http://livedoor.blogimg.jp/aps5232/imgs/a/5/a5a20193.png


外国人観光客は2016年も増え続けていて、この調子なら2000万人達成も可能だと言っています。

だが外国人がいくら増えても日本の景気は良くならず、むしろマイナス成長になっているのは何故でしょうか。


無策のツケを誰が払う?

政府は訪日外国人が1000万人を超えたとして、次は2000万人、あるいは3000万人だと言っています。

2011年の原発事故の後、増え続けた訪日客は特に安部政権が始まった2013年から、目だって増加しました。

安倍首相は「訪日外国人が増えたのは自分の手柄だ」と言っていて、それは別に構わない。

だが不思議なのは外国人が2倍に成っても日本のGDPがマイナス成長な事で、むしろ外国人が増えるほど経済が悪化している。

訪日外国人が増える事と、日本の経済成長に関係があるのかないのか、議論されませんでした。

皆当たり前のように「訪日客が増えれば経済効果がある」と言っているが、わたしはそう思いません。


訪日外国人がお金を使うのは、お金の流れを見ると輸出と同じで、例えば自動車1台輸出すると200万円のドルが得られます。

実際は原材料費などを輸入しているので1台100万円として、外国人が5人くらい訪日すると、交通費込みでそのくらい使います。

外国人がお金を使うのだから日本は儲かっている、と輸出論者は言うのだが、それは戦前から1980年頃までの話です。


その頃までは通貨は事実上固定相場制で、日本が何台自動車を輸出しても、1ドルは360円や200円で固定されていました。

ところが日本の輸出で大損をしたアメリカはぶち切れてしまい、ある日日本の大蔵大臣をNYに呼んで「今日から変動相場制にするから」と通告しました。

これが1985年のプラザ合意で、以来30年間日本はずっと円高不況で苦しんでいます。


同じ場所でクルクル回るだけのハムスター経済
引用:http://pds.exblog.jp/pds/1/201209/15/22/f0189122_15113970.jpg


日本はハムスター経済?

変動相場制では輸出すればするほど円高になるので、輸出で儲ける自体不可能で、むしろ輸出するほど損をします。

アメリカのような輸入超過国のほうが儲かるように出来ていて、その為にアメリカはルールを変更したのでした。

観光客がドサドサやってきてお金を使うのも同じ事で、彼らの買い物のせいで円高になり、余計輸出企業が苦しむだけです。


固定相場制では「輸出するほど儲かった」が、変動相場制では「輸出するほど罰を受ける」のです。

2016年に入って中国ショックやイギリスショックで円高になり、一時99円に達してまた戻っています。

評論家はイギリスのEU離脱の影響と言っていますが、何も無くたって輸出と観光客のせいで円高になるのです。


安倍首相の経済政策をみると、円安に誘導して輸出や観光客を増やしているが、輸出が増えたら必ず円高になります。

輸出とはドルを円に交換するで、観光客もドルや人民元を円に交換し、際限なく円高になります。

なんだかハムスターが車輪を回しているが、同じ場所で自分が走っているだけ、というのを連想してしまいます。


輸出や観光客でお金を集めようとして必死に働いているのだが、こんな事をいくら頑張ってもゼロ成長のままです。

観光と輸出にはもう一つ大きな問題があり、日本人が働いた成果が国外に流出し、蓄積されない事です。

日本で自動車を生産しアメリカに輸出したら、日本には何もなくなり、アメリカには自動車が1台増えます。


輸出や観光で経済成長はしない

お金という紙切れを受け取る代わりに、高度な工業製品である自動車を渡すのは、あまり有利な取り引きではありません。

アメリカは受け取った自動車を何年か有効に使いますが、日本の自動車メーカーが受け取ったお金は有効に使われているでしょうか。

大抵は中国や海外に別な工場を建てたりして、日本人には何の恩恵ももたらしはしません。


あるいは企業の内部留保になったり、株価や地価を吊り上げたり、ロクな事に使われないのが現実です。

輸出や観光で日本が受け取った外貨は、一般国民のために使われる事は、まずありません。

外国人旅行者より国内旅行者を増やした方が経済効果が大きいのに、外国人を泊めるために日本人をホテルから追い出しているのです。


この政策を続ける限り、来年も再来年も、日本はゼロ成長でしょう。

ではどうすれば経済が成長するかと言うと、今まで書いた逆、つまり輸入を増やして貿易や観光を赤字にすれば、その分円安で輸出し易くなります。

貿易黒字の日本より貿易赤字のアメリカ企業の方が、成長力があり儲かっているのはこの為です。
http://thutmose.blog.jp/archives/62830797.html

4:777 :

2022/06/26 (Sun) 21:27:47

2017年8月3日【小浜逸郎】日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな
https://38news.jp/economy/10870

2020年東京五輪を控え、外国人観光客をもっともっと迎えようではないかという機運が高まっています。
実際、ここのところ訪日外国人数はうなぎ上りに増えています。
2014年と2016年とを比較すると、わずか2年間で、1340万人から2400万人、倍率にして1.8倍という目覚ましさです。


また先ごろ、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことがマスコミによって報じられ、一般国民を喜ばせています。
なかには、日本はこれから観光立国を目指すべきだなどという、いささかおっちょこちょいなことを言いだす人も出てくる始末です。

たしかに、多くの外国人が(移民としてでなく)観光のために日本を訪れ、
「おもてなし文化」のような日本のよいところを知ってもらうのは悪いことではありません。

また、外国人がたくさんお金を落として行けば、観光資源の豊富な地域は儲かるでしょうし、新たに外国人誘致のための観光開発に力を入れることで、経済波及効果が望めるかもしれません。

しかし、です。

こういう議論が、果たしてどれだけこれからの日本経済全体や日本文化全体に資するものかどうかは、もっと慎重に考えてみなくてはなりません。

まず、訪日外国人といっても、すべてが観光目的で日本に来るわけではありません。
観光目的は、全体の約6割にとどまります。残りはビジネスその他なのです。


ビジネスでは、利にさとい中国商人などが、巧みに利益をかっさらっていかないとも限りません。

次に、外国人の内訳ですが、韓国、中国、台湾、香港の4地域で、全体の73%を占めます。

欧米加豪の合計はわずか14%にすぎません。
しかも、2014年当時、前者は、67%、後者は18%でした。


つまり、増えているのは、東アジアからの訪問者であって、ヨーロッパや英米圏から日本を訪問する人たちの割合は、むしろ減っているのです(絶対数は増えていますが)。

数字を大きく押し上げているのは、近隣諸国だということがこれでわかります。

私たちは、外国人と聞くと、何となく西洋人を思い浮かべてしまう習慣から抜けきっていないのではないでしょうか。
そうして、そういうお客さんがたくさん来てくれることはウェルカムだ、とどこかで感じていないでしょうか。

そこには、近代以降の西洋コンプレックスが微妙に左右していると思いますが、それはともかくとしても、韓国や中国がいまの日本にとって、たいへん不安定で剣呑な関係にあるということを忘れないほうがいいと思います。

筆者は別に、この両国の国民一人一人に対して嫌悪感情や差別感情を抱いているわけではありません。
それは、筆者の勤務する大学での留学生に対する対応の仕方を見ていただければわかると思います。

しかし、実際に長野オリンピックの際に来日した中国人は、ああいう乱暴な振る舞いに及んだわけですし、最近は少しおとなしくなったものの、訪日中国人観光客のマナーの悪さは有名です。

さらに中共独裁政権には、国防動員法という法律があって、国外に滞在している中国人はすべて有事の際に政権の命令に従わなくてはならないことになっています。

違反すれば厳罰でしょうから、彼らは「便衣兵」としてゲリラ戦を展開する可能性が大きい。

また慰安婦問題に限らず、韓国の反日感情は尋常ではなく、サッカー大会やフィギュアスケート大会などにおけるヒステリックな反応、仏像の窃盗、靖国神社の放火、落書きなど、数々の狼藉ぶりは私たちの記憶に新しいところです。

日本なら確実に犯罪行為とみなされることも、本国ではとがめられるどころか、「もっとやれ」と言わんばかりの調子です。

こういう人たちが「訪日外国人」としてうなぎ上りに増えているからといって、外国人観光客が増えることはいいことだなどと単純に言えるでしょうか。

訪日外国人が増えることを素直に喜べない理由のもう一つ。

じゃんじゃん高級ホテルの建設でも進むなら話は別ですが、実際には、
サービスの悪い民泊の増加による料金低下競争が起きています。老舗旅館などが経営難で閉鎖されていきます。

デフレ不況期にこういうことが起きると、移民による賃金低下競争と同じで、日本の経済全体に悪影響を及ぼすのです。

さらに、次の点が重要です。

「旅行収支」が1.3兆円の黒字と聞くと、それだけで日本経済の復活に貢献するかのように思ってしまいます。

観光のにぎわいというのは目立ちますし、外国からたくさんの人がやってきて日本の土地を踏んでくれることは、日本が国際的に認知されて何となく繁栄につながるかのようなお祭り気分に国民を誘います。

しかし、「旅行収支」とは何でしょうか。

要するに、旅行によって外国人が日本に落とすお金(収入)と、日本人が外国に落とすお金(支出)との単なるバランスを示す数字です。

日本人にお金がなくて海外旅行にあまり行かなくなれば、それだけで黒字幅は増えます。

知っておくべきなのは、旅行収支は、GDPに算入されないという事実です。

旅行収支は経常収支のうちのサービス収支の一種ですが、経常収支でGDPに算入されるのは、純輸出(輸出額-輸入額)だけです。

GDPは、次の恒等式によって算出されます。

Y(GDP)=C(消費)+I(投資)+G(政府支出)+NX(純輸出)

ここで、言うまでもなく、消費や投資や政府支出とは、国内における日本国民による支出(=他の「日本国民」にとっての所得)を指しています。

つまり、外国人がいくら日本にお金を落としても、それだけでは、GDPの増加にはつながらないのです。 必ずしも内需(国内生産)が増えるわけではありませんからね。

一方で国内需要にもとづく財やサービスの生産が大きく落ち込んでいれば(いるのですが)、何にもなりません。

ところで、旅行収支1.3兆円の黒字というマスコミの報道ですが、これって、GDPのわずか0.26%にすぎませんよね。

GDPに算入されないうえに、この程度の黒字幅をもって、何か日本の経済が好転しているかのような幻想を振りまくマスコミの罪はたいへん重い。
こうした報道は、政府が本来やるべきことをやらない口実として利用され、不作為の事実を隠蔽する効果を生むだけなのです。

日本は、「観光立国」などという、できもしない浮かれ騒ぎにうつつを抜かすのではなく、 一刻も早くPB黒字化目標を破棄し、政府債務の対GDP比という正しい「財政健全化」概念を採用すべきです。

そのうえで、分母であるGDPを拡大させるために、政府支出を惜しまず、大胆な公共投資に打って出るのでなくてはなりません。
https://38news.jp/economy/10870


▲△▽▼


筆者は前回、「日本人よ、外国人観光客誘致などに浮かれるな」と題して、2016年の「旅行収支」が1.3兆円の黒字を記録したことなどにそんなに大げさに騒ぐなという趣旨の一文を寄せました。
https://38news.jp/economy/10950  


ところが、その矢先、日経新聞が見事にこの大騒ぎをやってくれたのです(8月13日付)
http://www.nikkei.com/article/DGXLZO19940990S7A810C1EA3000/?n_cid=NMAIL003

訪日消費、主役は欧州客 「爆買い」より体験

訪日外国人の消費が新しいステージに入ってきた。

これまで日本でお金を使う外国人といえば中国人が中心だったが、
英国など欧州勢も1人あたりの消費額を伸ばし、存在感を高め始めた。

地方での訪日消費も息長く続き、いずれ地方経済のけん引役は
公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている。(中略)

観光庁によると、4~6月期の1人あたり旅行消費額は、
首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。
近年トップだった中国は22万円で3位。
フランスやスペインも20万~21万円台で肉薄する。

消費の主役はいまや欧州勢だ。

1~6月期の訪日客消費額は2兆456億円で過去最高。

みずほ総合研究所は下期もこの勢いを保つなら、
年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。

名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。(以下略)

突っ込みどころ満載ですが、三つにまとめておきます。

1.一人当たり消費額が、中国人より英国客のほうが少しばかり多くなっても、絶対人数では中国人が20倍以上。そのことは記事の後略部に書かれているのに、それに対するネガティブな評価は一切書かれていません。

しかも、筆者が前記事で述べたように、観光客は、「外国人訪問客」の6割どまりで、残りはビジネスその他なのです。

日経記事は、「1人あたり旅行消費額は、首位の英国が25万円、2位のイタリアが23万円。近年トップだった中国は22万円で3位」と、グラフまで掲げて麗麗しく書いていますが、英国とイタリアの訪日人数の合計は、中国一国のわずか6%にすぎません。これでどうして「主役は欧州客」なのでしょうか。印象操作もほどほどにしてほしい。


2.訪日外国人が増えても、GDPにカウントされるのは「旅行収支」なので、そのぶん日本人の海外渡航での出費が増えれば、GDPは増えません。

記事中に、「年間の付加価値誘発額は4兆円になると試算。名目国内総生産(GDP)で0.8%の上昇が期待できる。」とありますが、この数字は、たとえ予測通りとしても、日本人が海外で消費する金額が差し引かれていないので、明確に誤りです。

海外取引額としてGDPにカウントされるのは「純輸出」、つまり輸出額-輸入額ですが、旅行収支もこの中に含まれます。
結局、0.8%という見込み数字は、「輸出分」だけを計算しているのです。

3.ちなみに「旅行収支」のGDP寄与額1.3兆円は、2016年で、わずか0.26%です。
これで、「いずれ地方経済のけん引役は公共投資から観光消費にかわるとの期待も出ている」とは、お臍が茶を沸かします。

地方財政は、わずかな例外を除いて、いまどこも逼迫しています。
ことに、度重なる災害が起きた地域では、対策費捻出に血のにじむ思いをしています。

中央政府は財務省の「緊縮真理教」のために、ろくな財政出動も行わず、公共投資を減らし続けています。

地方交付金をケチってきたために、老朽化した橋やトンネルを修繕できずに潰してしまうところも出ています。

橋やトンネルを潰すということは、そこを通過する道を丸ごとなくしてしまうということでもありますよね。

災害大国日本のインフラ整備は、こんな情けないありさまなのです。

これでは、百歩譲って「観光大国」なる目標を景気回復の選択肢の一つとして認めるとしても、そのために不可欠な基盤整備や観光資源の維持・開発もままならないでしょう。

そういう現実をきちんと指摘して、政府に喫緊の課題として突きつけるのがマスコミの役割であるはずなのに、なんと日経は、「政府は20年に訪日客消費を現状2倍の8兆円の目標を掲げる。」などと、もともと何の根拠もない謳い文句を嬉々として掲げ、政府の宣伝係を自ら買って出ているわけです。

日経のこの記事には、悪政のお先棒担ぎをやっているさまがありありと出ています。いまの日本のマスコミの劣化状態を象徴していると言ってよいでしょう。恥を知れと言いたい。

一番の問題は、「経済専門紙」を標榜する日本経済新聞のようなマスコミが、日本はすでにデフレから脱却したという、このような超楽観記事を載せることで、国民がそう思い込んでしまうことです。
https://38news.jp/economy/10950  

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