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2022/06/07 (Tue) 01:27:27
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クラシック音楽 _ 世紀末の音楽
ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms、1833年5月7日 - 1897年4月3日)
19世紀末のドイツの雰囲気を一番良く伝えているのはエドヴァルド・ムンクのベルリン時代の絵とブラームスの音楽でしょうか。
エドヴァルド・ムンク _ 世紀末の画家
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007278
世紀の名画 ムンク『マドンナ』の複製画を部屋に飾ろう
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007255
ニーチェやドストエフスキーはエドヴァルド・ムンクにどんな影響を与えたか
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14007256
ムンクのベルリン時代の絵に一番雰囲気が近い音楽はこれでしょう:
Brahms: Nachklang, Op. 59, No. 4
https://www.youtube.com/watch?v=4JvoVQ-6pbQ
Brahms - Clarinet Trio Wlach Kwarda Holetschek
https://www.youtube.com/watch?v=EZQ079gUcaI
Lener Quartet & Charles Draper - Brahms : Clarinet Quintet Op.115 (1928)
https://www.youtube.com/watch?v=5ZsXpnnaxS8
https://www.youtube.com/watch?v=BRaEHG-dqX0
Brahms: Clarinet Sonata No. 2, Wlach & Demus (1953)
https://www.youtube.com/watch?v=JrhqxXdjI6w
ブラームスはムンク同様、典型的な世紀末の芸術家なんですね。
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『クラリネット五重奏曲 ロ短調 作品115』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/284.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『クラリネット三重奏曲 イ短調 作品114』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/283.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『2つのクラリネットソナタ 作品120 第1番』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/286.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『2つのクラリネットソナタ 作品120 第2番』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/285.html
Les Amants 'Trailer' - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=o0B8LqiReuQ&t=6s
Brahms: Sextet No. 1 in B-flat major - 2. Andante ma moderato
https://www.youtube.com/watch?v=h1AZ8FmIWcI&t=28s
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『弦楽五重奏曲第2番ト長調 作品111』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/295.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ホルン三重奏曲 変ホ長調 Op.40』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/282.html
ヨハネス・ブラームス 『雨の歌 Regenlied ・ 余韻 Nachklang』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/870.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『4つの厳粛な歌 Op.121』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/281.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス 『アルト・ラプソディ 作品53』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/297.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ドイツ・レクイエム 作品45』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/318.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『7つの幻想曲集 作品116』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/585.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『3つの間奏曲 作品117』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/586.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ピアノのための6つの小品 作品118』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/316.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『4つの小品 作品119』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/317.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『パガニーニの主題による変奏曲 作品35』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/303.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ハンガリー舞曲集』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/296.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ピアノ協奏曲 第1番 ニ短調 作品15』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/579.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ピアノ協奏曲 第2番 変ロ長調 作品83』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/580.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品77』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/581.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『ヴァイオリンとチェロのための二重協奏曲 イ短調 作品102』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/588.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『交響曲 第3番 ヘ長調 作品90』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/591.html
最美の音楽は何か? _ ヨハネス・ブラームス『交響曲 第4番 ホ短調 作品98』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/590.html
「Brahms and Liszt(ブラームスとリスト)」という言葉は、英語圏では「酔っぱらい」の意味で使われます。
ブラームスは、死の直前までお酒を楽しむことができました。ブラームスは何とかワインの入ったグラスを口元に持っていき、「おいしい」という言葉を残して亡くなったとのことです。
ブラームスの母は熱心なプロテスタントで、父はユダヤ人であったといわれている。ブラームスは家族構成からしても、特定の宗教に固執していたわけではなかった。信仰はプロテスタントであった。
ブラームスはユダヤ人の息子で母親が47歳の時の子供
子供の時からキャバレーやバイシュン宿でピアノを弾いていた
13歳のブラームスは、苦しい家計を助けるために歓楽街の酒場やダンス・ホールでピアノを弾くようになる。 日本で言えばまだ中学生だ。荒くれた船員やバイシュン婦がたむろし、紫煙と嬌声が渦巻く酒場での演奏が、ブラームスの健康や人格形成に影響を及ぼさないはずがない。
・ブラームスが女性と長続きする関係を築けなかったのは、若いころ家族を養う足しにハンブルクのバイシュン宿でピアノを弾いていたせいだというのが、伝統的な見方である。
・(バイシュンについて) 彼は生涯に何度となくその愛にもどっていった。単純で、束縛されない-そして金で買う愛。
・ブラームスはおそらく過度なまでに女性を愛していたが、長期の関係は恐れていた。そしてどんな離婚裁判の判事にも負けないほど結婚については皮肉な見解を持っていた。「ぼくは運悪く結婚しなかった-だからずっと独身だった、ありがたい!」というのが、お気に入りの言いぐさだった。
ブラームスは、バイシュン宿やパブでピアノをよく演奏していました。
多くの記事ではブラームスがバイシュン宿などで演奏していた理由について「お金のため」と書かれていますが、実際には、バイシュン婦にとって魅力的なブラームスは、サービスを利用することも多々あったようです。そして、あるパーティーにおけるブラームスの素行について、「酔った彼は、全ての女性たちに衝撃的な言葉を浴びせて、場をめちゃくちゃにした」という言葉も残されています。
しかし、ブラームスは男の癖に何時もメソメソして みっともないんだよね。
だから一生バイシュン婦の相手しかできなかったんだ。
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ヨハネス・ブラームス(Johannes Brahms, 1833 - 1897)
ロマン派が爛熟し新奇さに走って構造の崩れた曲が増えた時代に、古典的な形式美を保持した曲を書き続けた人気作曲家。ドイツ3Bと呼ばれるのは伊達ではない。本格派にして実力派である。堅実な音楽ではあるが十分にロマン的情緒があり、素晴らしいメロディーメーカーでもある。
各ジャンルでロマン派を代表する傑作を書いた点で、同年代のチャイコフスキー、ドヴォルザークと双璧である。
難を言えば、このレベルの作曲家にしては芸風が狭く音楽がバラエティに欠けていると思う。また、いい所までいくのに突き抜けきれずにもどかしさの残るような作品が多い。一部の突き抜けられた作品はロマン派を代表する傑作になったのだが。あと、ターーラララのような手癖フレーズに安易に走ることが多いのも個人的には結構気になる。
交響曲
交響曲第1番ハ短調作品68
5.0点
闘争から勝利という図式が分かりやすく、ロマンチックな雰囲気を濃厚に持った名旋律が満載である。最後は楽しくウキウキした気分で締めくくられるので楽しく聞ける曲。ただし、長年推敲しすぎと気合入りすぎで多くの濃厚なものを詰め込みすぎなので、まとめきれておらず流れが不自然な箇所があったり、息苦しさを感じたりするところはある。
交響曲第2番ニ長調作品73
4.0点
風光明媚な土地の豊かさに包まれて生活するような、明るく田園的で広々とした気楽な雰囲気。さらさらと流れるように書かれたような緩やかさやロマン派らしい耽美的楽想と、古典交響曲的な緊密さ動機労作と、堅牢な構成の両面があり戸惑う。一楽章の第2主題は文句なしの美メロだが、それ以外はどのメロディーも惜しい。
交響曲第3番ヘ長調作品90
3.5点
3楽章が分かりやすい代わりに二楽章はいまいち。一楽章と四楽章は充実しているのを楽しめるものの、強い愛着を感じるほどのものでない。全楽章が静かに終わるのもなんだかなあと思う。
交響曲第4番ホ短調作品98
4.5点
古めかしい形式を交響曲に生かしたことは、現代からに見ると新鮮な創造性を感じる。一楽章の冒頭の魅力は素晴らしい。諦観と豊かさは見事なもの。二楽章の旋法を活用した古めかしい雰囲気も詩的で善い。三楽章も間奏的なものとして効果十分。四楽章のシャコンヌはゴツくていかめしくてめんどくさいが、創造的ではある。
管弦楽曲
セレナーデ第1番ニ長調作品11
3.5
難しいことを考えず心地よい音楽をくつろいで楽しめる。センスが良いので長くても飽きない。
セレナーデ第2番イ長調作品16
3.0点
ヴァイオリンが無いので管楽器が大活躍。少し響きに慣れが必要だが、内容は一番同様に良い。
ハイドンの主題による変奏曲作品56a
4.0点
なんといっても主題が魅力的。管弦楽のための変奏曲として、ヴァリエーションの豊富さ、ニュアンスの豊富さ、管弦楽らしい各種の管と弦楽合奏の共演という要素など、楽しくウキウキした気分で聴ける。
大学祝典序曲作品80
3点
大学生達の宿歌をつなげて作った序曲だが、対位法的な技法もうまく活用されていて、単なる明るい祝典序曲に留まらない音楽的豊かさがある。
悲劇的序曲作品81
3.0点
交響曲の一つの楽章のような曲。単一楽章なのでどうしても軽さがあり、深い所を繋げて展開していくストーリーを楽しむことが出来ないのだが、音楽的には充実していて、交響曲に匹敵している。
協奏曲
ピアノ協奏曲第1番ニ短調作品15
5.0点
一楽章では若いロマンチックな情熱がほとばしり、二楽章では思慕と感傷的気分に浸りきるような気分を隠さない。ほとんど若気の至りで書いたようなほとばしる情感をそのまま露わにした曲。ブラームスの二度と来ない青春時代の精神をそのままストレートな率直に表現した曲として大きな魅力があると思う。その点でショパンのピアノ協奏曲と似たような魅力があると思う。
ピアノ協奏曲第2番変ロ長調作品83
4.5点
4楽章あり、交響曲のように充実した協奏曲。ピアノが派手に全面に出て引っ張る感じでないが、実はとても演奏が難しいとのこと。明るく開放的でイタリア的であり、次々と惜しげなく後から投入していく発想の豊かさと規模感は交響曲以上である。自分の中では協奏曲らしい華やかさ重視で気楽に書いたのではと感じられて、やや即興的な印象がある。主要なピアノ協奏曲の中では最も演奏時間が長い力作だが、旋律の魅力が少し足りないなど、何か突き抜けたものがない作品でもあると思う。
ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品77
5.5点
個人的にはヴァイオリン協奏曲の最高傑作だと思う。特に一楽章の重厚なオーケストラに乗せて情緒たっぷりにヴァイオリンを歌わせる手法と複雑な構成と展開の出来の良さは見事なもの。軽い曲が多いヴァイオリン協奏曲の中において、この曲が見せる深淵さを見せる大人の情緒が良い。二楽章の叙情性や三楽章の活発さも素晴らしい。
ヴァイオリンとチェロのための協奏曲イ短調作品102
2.5点
他の管弦楽曲と比較して非常に渋い。独奏楽器が2つなので、CDて聴くとあまり独奏という感じがせず、オーケストラは協奏しているというより後ろで支えている感じ。大家の演奏で聴けば聴き映えはする堂々とした独奏パートでを楽しむことは出来るが。
室内楽曲
六重奏曲
弦楽六重奏曲第1番変ロ長調作品18
4.0点
重厚だが柔らかくて温かみがある。弦の多くて声部の制約なく自由に書いている。響きがブラームスに合っているし、声部の豊かさが叙情となって美しさを出している。特に一楽章はかなりの名作。三楽章以降はややレベルが落ちて普通の音楽になる。
弦楽六重奏曲第2番ト長調作品36
4.0点
瑞々しくて甘くて美しい叙情に溢れる魅力作。交響楽団のような音の厚みや豊かさと、室内楽の要素を併せ持ち、両方の良さを兼ね備えている。一楽章の湖のほとりのような美しさは印象的。それ以外の楽章も同じくらい充実してる。三楽章は泣ける。甘い思い出を振り返ったり、優しい気持ちを思い出すような感情の曲。
五重奏曲
弦楽五重奏曲第1番ヘ長調作品88
3.0点
響きの豊かさ、対旋律の豊富さ、ニュアンスの精妙さなど耳を楽しませる曲としての充実感は素晴らしいのだが、メロディーなど心に響く感じがあまりない。
弦楽五重奏曲第2番ト長調作品111
3.5点
音楽的な充実感が半端ない。五本の弦楽器を縦横に活用して、聴いていて楽しく耳を楽しませる熟練の技を楽しむ事が出来る。
ピアノ五重奏曲ヘ短調作品34
3.0点
ある意味で中期までのブラームスらしさが最も典型的に詰まった曲だろう。重厚さ、情熱、憧れや諦めなどの感情、暗さなど。どちらかといえば若書きで練達の技術とまでいかず、分かりやすい魅力的な部分も少ない。人気曲で熱心なファンも高く評価する曲だが、正直個人的にはブラームスの室内楽のなかで上位とは思わない。
クラリネット五重奏曲ロ短調作品115
5.5点
クラリネットの哀愁漂う音色と諦念に満ちた曲想を存分に楽しめる晩年の大傑作。最終楽章の変奏曲が多少平凡な気がするが、1から3楽章までは全てにおいて文句なし。ブラームスの代表作のひとつであるとともに、ロマン派の室内楽の最高傑作だろう。1楽章のイントロからインパクトがすごい。2楽章は特に、両端部分の旋律の絶妙さといい、名人芸的な中間部の魅力といい、圧倒的に優れている。
四重奏曲
弦楽四重奏曲第1番ハ短調作品51-1
2.5点
このようなブラームスの弦楽の室内楽らしい緊密なアンサンブルが生み出す音の分厚さで押していく曲想の場合、四重奏だと音が足りなくて欲求不満になる。曲としてもブラームスらしいというだけで強く耳を引く部分は特にないと思う。
弦楽四重奏曲第2番イ短調作品51-2
3.5点
1番と違い柔らかくてロマン派の情緒たっぷり。音の薄さが気にならない。1,2楽章の哀愁が良くてその余韻のまま最後まで聞かせる。
弦楽四重奏曲第3番変ロ長調作品67
3.5点
四声部に適合して弦楽四重奏らしい曲を書く点や、曲の作り込みとロマン的情緒の表現において進歩してる感じがある。特に二楽章はロマンチックな良い曲。他の楽章も充実感があり秀逸。
ピアノ四重奏曲第1番ト短調作品25
3.5点
1楽章は実験的で聴いて楽しい曲とは思わない。二楽章はなかなかよい。三楽章の憧れに満ちた曲はぐっと胸に迫る。ここが一番の楽章。四楽章のジプシー風を活用した情熱的な音楽も面白い。この楽章は特にアンサンブルが効果的で生で聴いてみたい。
ピアノ四重奏曲第2番イ長調作品26
3.0点
明るく朗らかで柔らかい響きが支配的で、心地よく聞ける曲である。一楽章のリズムなと分かりやすく耳を楽しませる場面は多い。ただ曲が長いしやや底が浅い感じもあり、ブラームスらしいコクがない。
ピアノ四重奏曲第3番ハ短調作品60
3.5点
緊密で緊張感や悲劇的な雰囲気のある曲。無駄が少なく完成度は高い。その中で三楽章は耽美的な回想の雰囲気で心奪われる。
三重奏曲
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8
3.5点
渋めの曲想で親しみやすくはないし、名作という程の楽章も無いが、どの楽章も内容は濃く充実してる。三重奏だが音は厚い。
ピアノ三重奏曲第2番ハ長調作品87
2.5点
三楽章が多少いいかなという位。他の楽章は地味で、いい曲とまでいかないと思う。
ピアノ三重奏曲第3番ハ短調作品101
3.0点
最終楽章の高揚感や、三楽章の変わった拍子での繊細さに魅力を感じた。前の二つの楽章もそれなりに魅力がある。
クラリネット三重奏曲イ短調作品114
4.5点
ピアノが入っているので、五重奏にはない力強さがあり、一方でクラリネットソナタにはないアンサンブルの楽しさがある。諦観やほの暗い情熱など自分の気分を生々しく音楽にしたような感じ。ブラームスのクラリネット入りの曲の中では暗くて甘さが少なくて取っつきにくく、ずっと聞いていなかった。しかし、自分が歳をとってから聞き返したら、これは諦観の生々しさの魅力がクラリネット五重奏曲以上であり、本人同様に自分も三重奏曲の方が好きになった。ソナタの二重奏に1本のチェロが入っただけで、音の響きが立体的になり、それが全編にわたって大きな価値を生んでいる。
ホルン三重奏曲変ホ長調作品40
3.0点
この曲を聴いてホルンとは哀愁ただよう渋さを持つ楽器だとイメージが変わったのは自分だけだろうか?最終楽章だけやたら明快で、それ以外は渋い内容。
二重奏曲
ヴァイオリン・ソナタ第1番ト長調作品78
4.5点
柔らかくて穏やかなヴァイオリンが十分に歌うのを存分に楽しめる。あまり屈折していない爽やかさがベースにありながらも、複雑な大人の感情が取り込まれた音楽。ブラームスの重厚さが二重奏の場合は気にならず、カジュアルに楽しめる作品になっているのがおそらくヴァイオリン曲の最大の聞きやすさと成功の要因になっていると思う。3つの楽章が全て歌心に溢れており旋律の魅力が大きい。やや長いのでゆったりと心を曲の流れに浸して聴くことができる。
ヴァイオリン・ソナタ第2番イ長調作品100
3.5点
明るくたくましい音楽。ヴァイオリンを豊かに力強く響かせる。あまり底が深い感じは無いが、その分気楽に聴ける。
ヴァイオリン・ソナタ第3番ニ短調作品108
4.0点
どの楽章も非常にメロディーがわかりやすく、感情移入しやすい曲。晩年らしい晦渋さは音楽的な重みとなって旋律が魅力的で、凝縮された音楽の力に圧倒される。
チェロ・ソナタ第1番ホ短調作品38
3.5点
チェロの音色の甘さの活用は程々にして、渋い情熱的要素を重視しているのが心地よい。低音域の活用が上手い。ブラームス得意の耳をつくヴァイオリンの泣きの高音域が無いのが心地よくて好きだ。
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調作品99
2.5点
力強いし渋くて内容は充実しているのだが、楽想やメロディーが全体的に凡庸なのであまり楽しめない。
クラリネット・ソナタ第1番ヘ短調作品120-1
4.0点
両端楽章がやや渋くて取っつきにくいが、中間の二つの楽章は孤独さや人生の回想を感じさせる魅力的な音楽。ヴァイオリンソナタと並んで、二重奏曲のソナタはブラームスは大変な名手だと感じる。よく手の込んだ工夫が凝らされた音楽でもあるように聞こえる名作である。
クラリネット・ソナタ第2番変ホ長調作品120-2
4.0点
1楽章の甘美な回想の音楽はかなり魅力的。二楽章も甘くて強い回想。三楽章はいつもより控えめで雰囲気を壊さず終わる。クラリネットの甘さを生かし、すてきな歌心に溢れた名作。
ピアノ独奏曲
ピアノ・ソナタ第1番ハ長調作品1
3.5点
交響的な四楽章、室内楽的な三楽章。内容豊富で快活で堂々とした一楽章はベートーベンの後継者らしい素晴らしさ。若書きの作品ながらシューマンのソナタにもひけを取らない良さ。
ピアノ・ソナタ第2番嬰ヘ短調作品2
2.0点
3曲で最初に書かれたそうで、1番と比較するとこの曲は随分とありきたりの部分ばかりで面白くない。
ピアノ・ソナタ第3番ヘ短調作品5
2.5点
立派だが頑張っている若書き作品の感じが強い。二楽章の温かさとロマンチックさの共存は魅力。
4つのバラード作品10
3.0点
渋くて男臭い世界。渋さの中に隠された甘さが面白さの秘訣か。どの曲もそれなりのインスピレーションがあり、つまらない曲は無い。
自作主題による変奏曲ニ長調作品21-1
3.5点
叙情的で感動的な主題なので、しんみりとした気分になり感動する。
2 ハンガリー民謡の主題による14の変奏曲作品21-2
3.0点
ごく短い主題の変奏曲。出来はいいが主題が短すぎて習作の感がある。
シューマンの主題による変奏曲作品23
3.0点
沈鬱でメランコリックな主題を使い、その気分をずっと引っ張りながら変奏していく。主題が素晴らしいので聴き映えはする。
ヘンデルの主題による変奏曲とフーガ作品24
4.0点
明るく明快でストレートで健康的。そして実に多彩で表情豊か。次々と楽しい変奏が現れてワクワクするので長い曲だが飽きない。書法ピアノ的でなかなか良い。
パガニーニの主題による変奏曲イ短調作品35
3.5点
難曲で有名。リストやラフマニノフほど華麗ではなく、重々しいブラームスらしさはある。技術やフレーズの鋭さを楽しむ曲としてかなり良いが、観賞用音楽として音楽的内容の豊富さはヘンデルの主題の変奏曲より下だと思う。
8つの小品作品76
3.0点
様々な種類の曲で構成された8つの曲。曲に特別感は無いものの、小ぶりな小品はどれもブラームスらしい渋い詩情におり楽しめる。また曲がピアノ的になっている。
2つのラプソディ作品79
1番3.5点
室内楽のような楽想でややピアノ曲らしさに欠ける。多くの素材を使ってしっかりした構成で書かれており、中期以降にピアノソナタが無いブラームスだけに、ソナタの代わりになる曲。
2番3.0点
立派な曲だが、1番と比べるとコンパクトであり、第一主題が次々と転調するものである、低音の面白いつかいかたの部分など、やや実験的である。
晩年の作品
7つの幻想曲作品116
3.3点
1曲目は交響的な響きと力強さと粘っこさ。2曲目の夜想曲のような雰囲気に込められた諦観。これらの曲は印象的なのだが、それ以降の5曲ははっきりしないモヤモヤとした雰囲気と面白くないメロディーだけの曲になってしまう。なんとなく美しく感じる場面はあるが、瞬間的なものに留まる。
3つのインテルメッツオ作品117
3.5点
三曲とも長めで穏やかで瞑想的で回想するような内容あり、枯れた味わいがあるので、晩年らしい作品となっている。
6つの小品作品118
3.0点
力強い曲もあるバランスの取れた曲集だが、何となく瞑想的だったり夢見るような場面が多いので晩年らしい。他の晩年の曲集と比較して何となく普通のレベルの曲が多い。
4つの小品作品119
3.5点
1,2曲目の特別感のある諦観にあふれた枯淡の境地は素晴らしい。そしえ四曲目の突然古い曲を持ち出したかのような、活き活きとしたカーニバルのような音楽には驚くが非常にいい曲である。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%96%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:35:32
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ブラームスの母は熱心なプロテスタントで、父はユダヤ人であったといわれている。ブラームスは家族構成からしても、特定の宗教に固執していたわけではなかった。信仰はプロテスタントであった。
ブラームスはユダヤ人の息子で母親が47歳の時の子供
子供の時からキャバレーやバイシュン宿でピアノを弾いていた
13歳のブラームスは、苦しい家計を助けるために歓楽街の酒場やダンス・ホールでピアノを弾くようになる。 日本で言えばまだ中学生だ。荒くれた船員やバイシュン婦がたむろし、紫煙と嬌声が渦巻く酒場での演奏が、ブラームスの健康や人格形成に影響を及ぼさないはずがない。
・ブラームスが女性と長続きする関係を築けなかったのは、若いころ家族を養う足しにハンブルクのバイシュン宿でピアノを弾いていたせいだというのが、伝統的な見方である。
・(バイシュンについて) 彼は生涯に何度となくその愛にもどっていった。単純で、束縛されない-そして金で買う愛。
・ブラームスはおそらく過度なまでに女性を愛していたが、長期の関係は恐れていた。そしてどんな離婚裁判の判事にも負けないほど結婚については皮肉な見解を持っていた。「ぼくは運悪く結婚しなかった-だからずっと独身だった、ありがたい!」というのが、お気に入りの言いぐさだった。
ブラームスは、バイシュン宿やパブでピアノをよく演奏していました。
多くの記事ではブラームスがバイシュン宿などで演奏していた理由について「お金のため」と書かれていますが、実際には、バイシュン婦にとって魅力的なブラームスは、サービスを利用することも多々あったようです。そして、あるパーティーにおけるブラームスの素行について、「酔った彼は、全ての女性たちに衝撃的な言葉を浴びせて、場をめちゃくちゃにした」という言葉も残されています。
しかし、ブラームスは男の癖に何時もメソメソして みっともないんだよね。
だから一生バイシュン婦の相手しかできなかったんだ。
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ブラームスの少年時代のハンブルグ
ブラームスは、ハンブルク市内の貧民街に住む下層市民の家庭に生まれた。
13歳のブラームスは、苦しい家計を助けるためにバイシュン婦がたむろし、紫煙と嬌声が渦巻く歓楽街の酒場やダンス・ホールでピアノを弾くようになる。
ブラームスは、誰に対してもハンブルク時代の出来事を話したがらなかった。
だが最晩年になって幼少時代を振り返りこう言ったという。
「私は実によく耐えた。だが、今ではその惨めな体験が私の成長に必要なものだったと確信している」。
http://www.geocities.jp/oehler_spieler/HamburgBrahms1.htm
ブラームスの父は、ダンスホールや町の楽隊で演奏するコントラバス奏者でした。裕福ではありませんでしたが、小さい頃から音楽の手ほどきは受けていました。ただ、家庭を養うために若い頃はハンブルクのバイシュン宿でピアノを弾いていたといいます。
「数ヶ月沖に出ていた帆船が入港すると、船内から船乗りたちが女を求めて猛獣のごとく姿を現す。
するとその半裸の女たちは彼らをいっそう駆り立てようと、ダンスや接吻、抱擁の合間にぼくを膝に座らせてわくわくさせたものだ。
それが女性の愛についてぼくが最初に受けた印象なんだ。」
http://columbia.jp/joshicla/classics08.html
ブラームスは、彼が多感な少年だった10歳の頃、家計を助けるためにしていた(風俗店に近い)居酒屋でのピアノ演奏アルバイトで、大人たちの破廉恥な姿など社会の汚い裏側を目の当たりにしたトラウマが大きかったようで、上流階級の女性とはまともに付き合えず、バイシュン婦以外との性的関係は持てなかったそうです。
http://kcpo.jp/legacy/31st/Brahms/brahms0.html
ハンブルクはドイツ屈指の港湾都市であり、長い航海を経て港へ帰還した船員が上陸する地であった。大勢の海の男たちは、無事港へと戻ると女性とのひとときを求めて歓楽街へと駆け込んだため、風俗産業が発展していった。
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%83%91%E3%83%BC%E3%83%90%E3%83%BC%E3%83%B3
少年ブラームスはレーパーバーンの酒場でピアノを弾いていたんですね:
レーパーバーン(ハンブルク)
セントパウリの東部にあるハンブルクのバイシュン街は、この町の名所の一つとなっています。
半マイルほどの道沿いには、バイシュン婦、バー、いかがわしいクラブが建ち並び、夜にはかなり賑やかになります。レーパーバーン(Rope通り)の名は、19世紀に当局から町を追われ、この近辺に定住した船乗りが働く船のロープの製造所から付けられました。
セントパウリにあるレーパーバーンはハンブルクの最大の悪名高きエリアです。かつてはロープ市場でした。異様なアートを展示しているErotic Art Museum、ストリップクラブがあるGrosse Freiheit street、無数のバーと飲食店が集まるエリアなど興味をそそるものでいっぱいです。
http://www.hoteltravel.com/jp/germany/hamburg/reeperbahn-in-hamburg.htm
やっぱり気になるハンブルクのレーパーバーン
男たちの天国であり、酒臭とセックス祭りのようだ。
ハンブルクで有名な”夜遊び”場と言えばここレーパーバーンだ。バー、キャバレー、ストリップ劇場、エロティックアート、セックスショップ、飾り窓などの大部分がここに引き締めあい、看板を出している。
場所で言うとU-Bahnでは、ザンクト・パウリ(St.Pauli)駅、S-Bahnではレーパーバーン(Reeperbahn)駅の二つの駅の間を結ぶ幅広く長さ正味930mのまっすぐな通り。
別名「世界でもっとも罪深い一マイル」とも呼ばれている。
http://hilolin.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-8d97.html#.UhYhFoyCimx
ヘルベルト通りの飾り窓はどうなっている???
客とバイシュン婦が直接交渉するバイシュン宿、あまりの罪深さに未成年者や女性は地区そのものに立ち入れない。
飾り窓はどこに?
S-bahnのReeperbanh駅のHans-Albers-Platz方面へ出る
出ると大きな通りはレーパーバーンで、そこから東方面に1分ぐらい歩いて右にHans-Albers-Platzという広場ある。
酒に酔った若者が屯している
夜になるにつれて騒がしく、今にでも暴動が起きそうな雰囲気だ。変な人に睨み付けられたら大変。
目指す飾り窓の周囲は騒然
「飾り窓」はあの銅像の奥に
19時になると、人がわんさか集まってきた。bombもちろん警官隊も出動し監視を強めている。
そしていよいよあの飾り窓に潜入
一般の人の目に触れないように通りの前へ目隠しを設置したヘルベルト通り
なぜここがバイシュン宿なのか?
レーパー(Reeper)はロープ職人、バーン(Bahn)は「道」。
つまりここはロープ職人の通りだ。
湾岸都市であるハンブルクは船を係留するために大量のロープが必要だった。ロープを編むときには長くて真っ直ぐな道が必要になる。ロープを編んで乾かす彼らの仕事は油だらけで 悪臭の放つ仕事そのものだった。よって、1620年ごろに職人たちが旧市街からここへ追われて移る。
それに伴い飲み屋などの飲食店が増え、長い航海から帰還した船員が駆け込むバイシュン宿も増えていった。そして、増加する風俗営業に歯止めが掛からなくなる。
どうして目隠しを?
1933年アドルフ・ヒトラー率いるナチスが政権を握ると娯楽施設の営業が禁止された。しかしそれでも、ストリップ劇場やバイシュンなどの性産業が完全に消えることは難しいと分かっていたナチス政権はヘルベルト通りだけにバイシュン営業許可を下す。そして一般の人の目に触れないように通りの前へ目隠しを設置した。それが現在でも残っている。
赤く囲ってあるのがヘルベルト通り
近くには警察署が・・・
目隠しがナチス政権の苦肉の策であるとはなんともおかしな話だ。
当然女性と子供はこの中に入ることが禁止されている。
そして飾り窓の醍醐味、バイシュン婦と直接交渉
誘蛾灯のような照明、中から女性が通行人を誘う
目隠しの隙間からゆっくり、ゆっくりと覗き込み、足を踏み入れた。footなるほど、景観がガラリと変わり「飾り窓」だ。窓は白い冊子で、ハンドルを片手でまわして空けられる。
窓の向こう側には裸同然のおねぇさんが座っており静かに営業を行っている。
極端に生地が小さいマイクロビキニのおねぇさんが窓を敲いた。近寄ると、窓をクルりと開き話しかけてきた。
:「ハーイ、コンバンワ、ボウヤタチィ、ヨッテイカナイ アソンデカナイ~noteup」(英語)
しょっぱから英語だ。おそらく外国人だろう。
ドイツ人は必ずドイツ語から声をかけてくる。
:「どんな遊び どんな感じ」
:「そうね、まず、キスして、xx に入れるよ。それと全身タッチはOKだし、セックス含めて50€よ。
どう??ねっ ねっ いいでしょう?今日は特別サービスしておくよ」
:「全部含めて50€」
:「そうよ あら、お友達もいるの いいわ、二人一緒にサービスするわ、
中に入っておいで ねっ ねっ Come on」
初日の夕方、宿泊地でちょうど日本人のバックパッカーと偶然会ったので二人で一緒に来ていた。台湾人と日本人、アジア人は私たち二人だけ。
:「少し見たいので、また後でいい??」
:「え~、後じゃいや、後じゃいやよ、さぁ~ さぁ~ 入ってらっしゃいenter」
いずれにせよ、冷たい雨が降るハンブルクで裸同然の格好で窓を長く開けて交渉するのは凌ぎの策ではない。なるべくやはく商談にこぎ着けて成約に繋げたいのだろう。
:「sorry、また後で」
飾り窓は「サービス提供現場」だ。性的に高揚する環境とは思えない。と、調度そのとき、向かい側の若いお兄さんが何事もなく普通に入っていった。交渉が成立しお買い上げというところだ。
全長50mすべて「飾り窓」だ。中にはうらさびれた感じのものあった。座り心地がよくなさそうなカウンターチェアが並び、お姉さんたちがお客さんを待っている。
手を振ったり、にこっと笑ったり、投げキッスをしたり。それとチェアだけあって、人がいないのは営業停止中か、サービス提供中なのだろう?「空き」が多かった。
商売が繁盛がしているとは思えない。
しかし、不思議なことにこういうとシチュエーションに限って,放置していた英語が蘇る。
http://hilolin.cocolog-nifty.com/blog/2010/10/post-c18a.html#.UhYg2YyCimy
ハンブルグ セックスパラダイス
トラバントさんからの情報をもとに、ハンブルグの繁華街レーパーバーンの行ってきました。 レーパーバーンには、セックスショップ、ストリップクラブ、赤線街がありました。 夕方にいったのですが、40人から50人くらいの女が待機していました。
比率は、10%:可愛い・美人系、50%:熟女プロ系、40%:ババー系でした。
当然、可愛い系の子を選びました。 50ユーロで、一発(尺八付き)でした。
赤線街近辺には、立ちんぼが出没します。 この一帯を歩くと、立ちんぼの子達に服を掴まれます。 交渉が、非常に強引です。その後、道端でジャーマンソーセージを食べ、セックスパラダイスに向いました。
非常に解り難い入り口でした。 セックスパラダイスと書いてあります。
怪しいのですが、勇気を出してどんどん中に入って下さい。
セックスパラダイスは、5階建てのビルで、ビルの中を歩き回りながら女の子を選ぶシステムでした。
女の子の数は、赤線街よりも多かったよう感じました。
フロアー毎に、アジア系、黒人系、ドイツ系と分かれている感じでした。
ドイツ系のフロアーにインド系の美人を選びました。 “ハンブルグで夢のインド人とのセックスか。“と浮ついてしまいました。 アムステルダムでも仕事した事があると教えてくれた。 俺は安心し、50ユーロで合意した。
これが不味かった。
中に入り、服を脱ぎベッドインしました。 横になっていると、服も脱がずに手こきが始まりました。 オッパイを触ろうとすると、”50ユーロだ。“と言われました。 手こきも、非常に乱暴で、チンコが立ちませんでした。 5分も経っていないのに、”もう時間よ。“と言ってきた。 ホントかよーーー。
”セックスしよう。“と言うと、”もう時間よ。 セックスしたければ、もう50ユーロよ。
“ 仕方なく、50ユーロ払った。 乱暴な手こきが続き、どうにか半勃起状態にあなり、”セックス。“と言った。
すると彼女は、バイブを取り出し、”このくらい硬くならないと駄目よ。“と言ってきた。 このやる気のなさ、乱暴さに頭に来た俺は、退散した。
合計100ユーロで、発射なし。手こきのみ。
もうセックスパラダイスには行きません。
http://kaigaiyoasobi.h.fc2.com/germany/020305.htm
ハンブルクでFKK体験
ハンブルクのFKK ATMOSに行ってきましたっっ。
入場料 60ユーロ一発30分 50ユーロその他 女の子と相談
入場料を払って「First Time!」というと、女の子が一緒に館内を紹介してくれます。腰バスタオル1枚の「FKKスタイル」で待っていると、めちゃ可愛い女の子が登場!若くて巨乳で健康的な美人です。
名前忘れちゃいましたが、ドイツ人との事。素人っぽい雰囲気で好み。早速一発お願いしようかと思いましたが、はやる心を抑えて、まずは館内を紹介してもらったあと腹ごなし。(めっちゃ空腹だった)
館内の施設はまあまあです。OASEほどの豪華さは無いものの、清潔感あります。サウナも4つあって、屋外と屋内にプールが。「やり部屋」は2階に集中していますが、映画室でやってもOKだそうです。
とりあえず、バーに座ってパスタとスープとコーラで腹ごなしをしていると、早速女の子が営業かけてきます。ウクライナ出身という女の子はおなかはちょっと出てましたが、顔は好み。この子と一発・・・とも思いましたが、我慢して、まずはサウナで汗を流します。
ざっと館内をみて回りましたが、女の子は20人弱くらい。OASEはルーメニアンガールばかりでしたが、ここはドイツ系の地元の女の子が多い感じです。黒人と南米系の女の子も一人いました。
ソファなどに座っていると女の子が声をかけてきますが、営業はさほどしつこくありません。歩いている女の子をじっくりと観察しましたが、個人的にはOASEより好みの女の子が多めです。
もちろん、ちょっとNGなぶーちゃんもたくさんいましたが・・・。OASEの女の子は全員完全に裸でしたが、ATMOSはパンツをはいている女の子が多かったです。
一人、とびぬけて可愛い女の子を見つけたので、すかさず声をかけて捕獲。小柄で、スタイル最高。ぴかぴかに白い肌に黒髪(染めてるよう)で、すげえ美形です。
お話をすると彼女の名前はラレちゃん。デンマーク人だそうです。早速手合わせを申し出て、やり部屋に移動。
年齢を聞くと20歳。どうりで肌がぴちぴちです。日本人だというと「ニンジャかっこいいよね!」といいながら、ニンジャのマネをしてくれました。かわいいなー。しばし二人で手裏剣の投げあいごっこ。
フェラはゴム付き、キスはしませんでしたがボキはDK自粛してますので特に不満なし。頼むとOKなのかもしれません。おそらく女の子次第だと思います。
フェラはなかなか上手。可愛い顔で愚息をがんばってしゃぶってくれるのを見ているだけでも満足感あります。乳首も丁寧にぺろぺろ。
ラレちゃんが上にのってちんちん挿入。適度な締め付け感があって気持ちいい。いろいろお話しながらおっぱいをなめていると、乳首が硬くなってきました。
おっぱいは小さめですが、個人的には小さめが好みなので満足。肌も舌がよろこぶいぴちぴちさ。かわいいなあー。おいしいなー。
体位を変えて今度はバックから。「私セックス大好き!」と言うので、さらに興奮してつきまくり。何度か体位を変えて、最後にまたバックで発射。ティッシュで丁寧にちんちんを拭いてくれました。
その後ロッカーまで一緒にいって50ユーロお支払い。ほっぺにキスして「またやろーね」と約束してバイバイしました。それにしても、めっちゃ美人のデンマーク20歳と楽しく一発やって、50ユーロ(約8500円)。すげぇコストパフォーマンス高いです。
円安ユーロ高の昨今、欧州に行かれた諸兄は信じ難い物価高に辟易とされるでしょうが、少なくともドイツFKKでは「うーん、お得!」とガッツポーズされることうけあいです。是非一度体験されてはいかがで御座いましょうか。
結局サウナに何度も入って、飲み物をのんで、テレビでサッカーをみたりしながら3時間ほど過ごしてホテルまで帰りました。全部で110ユーロ。悪くないです。
リフレッシュしたなあ・・。
http://www.asobikata.net/taikenki/2/1324.html
ATMOS ホームページ
http://www.atmos-fkk.com/
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http://www.treffpunkte.de/Hamburg/
FKK Babylon - FKK - SAUNACLUB - NIGHTCLUB Gruppenfotos
http://fkk-babylon.com/girls/gruppenfotos.htm
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3:777
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2022/06/07 (Tue) 01:36:39
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カミーユ・サン=サーンス(Camille Saint-Saëns,1835 - 1921)
サン=サーンス 『動物の謝肉祭 白鳥』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/911.html
カミーユ・サン=サーンス クラリネット・ソナタ 変ホ長調 作品167
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/910.html
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カミーユ・サン=サーンス(Camille Saint-Saëns,1835 - 1921)
ドイツ的ながっちりとした作風で聴きやすい。ユーモアのある作品もあるが、作風が保守的で品格を重んじていることが、成功作では素晴らしい造型につながり、失敗作では心が躍らない地味なつまらなさになっている。
交響曲
第1番変ホ長調 作品2(1851年)
3.5点
シューマンの影響が濃いように聴こえる。とても爽やかで心地よく、気持ちいい曲だ。期待をいい意味で裏切られる。まだ素朴で未熟感も無くはないが、ほぼ気にならない。曲の魅力度合いや密度など、シューマンの交響曲と同レベルに聴こえる。スッキリとしたブルックナー的な開放感やスケール感があり、むしろ厚ぼったい後年の作品より魅力的なくらいだ。名旋律はないが、十分に旋律に魅力がある。これは掘り出し物である。
第2番イ短調 作品55(1858年)
2.5点
1楽章も2楽章も3楽章も地味さが気になる。悪くはないが、煮え切らず、盛り上がらない。耳を捉えるよい旋律もない。内容も厚ぼったい聞きにくさが出てしまっている。なんともいえないつまらなさ、心が踊らない後味の悪さがつらい。
第3番ハ短調 作品78「オルガン付き」(1886年)
4.5点
後期ロマン派のような肥大化したロマンチシズムに覆われているが、サンサーンスらしいまとまりの良さが歯止めとなっている、ロマン派の交響曲の傑作。凄みのある内容は「全てを注ぎ込んだ」という作曲者の言葉が伊達じゃないと感じさせる。スケールが大きくて壮麗で雰囲気に気持ちよく音楽に浸る事が出来るし、オルガンが格好いい。
ヴァイオリンと管弦楽のための作品
ヴァイオリン協奏曲第1番イ長調 作品20(1859年)
3.3点
1つの楽章の中に3つの楽章の要素を持っている曲であり、幻想曲のようなタイトルの方がしっくりくる。全般にメロディーにも甘さと強く情感に訴える艶めかしさがある。音に酔える感じで言えば、ヴァイオリン協奏曲のなかでかなり上位である。かなり華があり表情豊かであり、楽しめる。これは掘り出し物。
ヴァイオリン協奏曲第2番ハ長調 作品58(1858年)
2.8点
初めての協奏曲。1楽章はなんという垢抜けなさであろう。華やかなソロは派手だが、なんというか自分の中から出てきたものというより、雰囲気に流されて書かれたものに聴こえる。2楽章は憂いを帯びた曲だが、これまた初々しさがよい。表情は多くつけられており悪い曲ではないし意欲的だが、個性が足りない。3楽章は連続して続く。これも華があるが個性が足りない。1流作曲家と呼ぶに足レベルにはまだ達していない感じがする。
ヴァイオリン協奏曲第3番ロ短調 作品61(1880年)
3.8点
2楽章のメロディーの美しさが印象的で非常に素晴らしい。管弦楽が厚くて充実感のある交響的な響きでありながらヴァイオリンが全面に出て活躍する楽しさ、メロディーの豊富さや力強さが素晴らしい。サンサーンスの良さが出ている曲。
序奏とロンド・カプリチオーソ イ短調 作品28(1863年)
3.8点
序奏もロンド主題も耳から離れない印象的なもの。エキゾチックな雰囲気の中でヴァイオリン独奏が大活躍するのが楽しい。
ピアノと管弦楽のための作品
ピアノ協奏曲第1番ニ長調 作品17(1858年)
3.0点
1楽章はピアノは派手だが、曲としてはこれという目立つ良さが無い、二流感のある曲。2楽章も派手であり、チャイコフスキーの協奏曲のような管弦楽と対比されたピアノの活躍がある。一流ではないにしても侮れない良さがある。3楽章は深みに欠けるものの、やはりピアノの活躍を楽しめる。
ピアノ協奏曲第2番ト短調 作品22(1868年)
3.8点
どの楽章も華やかであり、ピアノが前面に出て活躍し、ピアノ協奏曲の醍醐味を十分に味わえる。ロマンチックな情緒や激しさなど、手堅い感じは残りながらも素敵なメロディーや表現に富んでいて楽しい。
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 作品29(1869年)
3.0点
1楽章は独奏が派手だがあまり内容が無い。2楽章はまあまあ。3楽章は派手なピアノで、やや通俗的な感があるが、エネルギッシュさを楽しめて割と良い。
ピアノ協奏曲第4番ハ短調 作品44(1875年)
3.8点
全体的にはシューマンの影響を感じる。1楽章は地味だが、柔らかくて控え目ながらもピアノもいい活躍の良作。2楽章はシューマンのよう。キャッチーで華がある。3楽章は名人芸を披露されて楽しい。
ピアノ協奏曲第5番ヘ長調 作品103「エジプト風」(1896年)
3.5点
爽やかで田園的なところもある絵画的な1楽章。2楽章のエキゾチックな主題を初めとした豊富なメロディー。3楽章のノリの良さ。どの楽章も華やかで楽しい気分で聴ける。
幻想曲「アフリカ」作品89(1891年)
2.8点
アフリカ的なエキゾチックなメロディーの動機を使いながら、華やかなピアノが大活躍する曲。サンサーンスの中でもピアノの活躍度は高い。たいした曲ではないが、聴き映えはする。
チェロと管弦楽のための作品
チェロ協奏曲第1番イ短調 作品33(1873年)
2.8点
壮年期の力作として情熱的にきっちり書かれているし、渋くて格好いいし充実感がある。さらに短くて聴きやすいかもしれない。しかしながら、響きもメロディーも堅すぎて、案外表情に乏しい感じがしてしまい、あまり楽しめない。
ロマンス ヘ長調 作品36(1874年)
アレグロ・アパショナート 作品43(1875年)
3.0点
情熱的なチェロ独奏を伴う協奏曲の小品。艶のあるチェロの渋くてかっこいい音色を楽しめる。何か凄さのある曲という印象ではないが。
チェロ協奏曲第2番ニ短調 作品119(1902年)
2.8点
1番と違いほとんど演奏されないそうだ。古典的な完成度では劣るのかもしれないが、自由自在なチェロ独奏の楽しさなどの刺激的な楽しさがあり、自分のようなライトなファンには1番以上に楽しめると思った。
その他の協奏的作品
「ミューズと詩人」(La Muse et le poete)作品132(1910年)
3.3点
ヴァイオリンとチェロの二重協奏曲の構成。耽美的で豊穣な音楽的充実感、自然な筆致、ヴァイオリンやチェロの扱いや2本の絡ませ方の巧さ、イメージの豊さなど、なかなか優秀な曲である。「ミューズと詩人」は出版社が名付けた題名だそうだが、2本の楽器の織りなす詩的なイメージの豊富さから受ける印象を的確に表しているのでまさにピッタリだと思う。
管弦楽作品
交響詩「ファエトン」(Phaeton)作品39(1873年)
3.3点
運動会の音楽のようなダイナミックなノリの良さで親しみやすく楽しめる。ギリシャ神話を題材にしているのにふさわしい雰囲気もある。凄さはないにしても、十分に品質の高い佳作。
交響詩「死の舞踏」(Danse macabre)作品40(1874年)
3.5点
小品の名作。舞踏性と怪奇的な描写的な音が面白い世界を作り上げている。アイデアがたくさん投入される。リストによりピアノ独奏用に編曲されたが、この曲のアイデアを果敢に音にする姿勢や派手な音の動きはかなりリストっぽいと思う。
交響詩「ヘラクレスの青年時代」作品50(1877年)
2.5点
随分と力の入っており、沢山の素材をつぎ込んで書かれているように聞こえた。しかし、音楽が堅くて、頭で書いた印象が拭えない。
アルジェリア組曲(Suite algerienne)作品60(1879年 - 1880年)(4曲)
『スパルタクス』序曲 (1863年)
2.0点
所々で後の展開に期待を持たせるが何も起きず。あまり面白くない。
室内楽作品
組曲「動物の謝肉祭」(Le carnaval des animaux)(1886年)
4.5点
パロディをうまく使いながらのユーモラスな動物の描写と楽器の使い方、ピアノのユニークな大活躍ぶりがとても愉しい曲である。有名な「白鳥」は豊かな詩情をたたえた美しく完璧な旋律の名作。水上の優雅な白鳥の泳ぎを見事に連想させる。
ピアノ四重奏曲変ホ長調 (1853年)
3.0点
作品番号なし。1楽章はメランコリックな感情を全面に出した曲であり、少なからず地味なサンサーンスの室内楽では異色である。2楽章も感傷的であり、傷ついた心を表しているかのよう。3楽章は少し前向きな感情になり、室内楽らしいアンサンブルの楽しみを感じられ、所々に感傷的な感動もある。作品番号なしの若書きではあるが、積極的な若さも出ていて、むしろ作品番号ありの変ロ長調より魅力的。
ピアノ四重奏曲ロ長調 作品41(1875年)
3.3点
全般的にわたり念入りに作り込まれてしっかりと書かれた曲という印象がとにかく強い。心を奪われるかと言われるとそうではないが、4楽章は奪われるものがある。やはりモチーフの積み重ねだけでなく、よい旋律があることは重要であると感じる。ただ、内容の密度の濃さは巨匠だなあと感心してしまう。無骨で分厚いピアノとつくり込みぶりはブラームスを彷彿とさせる。4楽章が良いため聴後の印象がよい。
ピアノ三重奏曲第1番ヘ長調 作品18(1869年)
3.0点
1楽章がつまらなくて先行き不安になる。しかし2楽章はドイツものにはない独特の流麗さを深みのある緩徐楽章に活かしおり、雰囲気がよいので楽しめる。3楽章はユーモラスで新鮮。なかなか面白い。4楽章の快活さもフランスらしい洗練があって悪くない。全体にピアノ三重奏曲のバランスの取り方は割と良い。
ピアノ三重奏曲第2番ホ短調 作品92(1892年)
3.5点
1楽章が憂愁をたたえていて感動的であり特に秀逸。他の楽章もなかなか優れている。どこかこなれていない感のある1番よりもアンサンブルも音楽の緊密さも音楽的な深みずっと上であり、巨匠的と言えるレベルの作品に仕上がっている。
七重奏曲変ホ長調 作品65(1881年) (トランペット、弦五部、ピアノ)
3.5点
トランペット、ピアノ、弦楽の構成。ショスタコーヴィチのピアノ協奏曲1番を連想する構成である。ドイツ的な堅さのあるがっちりとしたまとまりが主体だが、トランペットが中心となって開放感や軽いエスプリを演出している。こじんまりとしていながら華があり聴きやすい。どの楽章もそれなりによく出来ている。
弦楽四重奏曲第1番ホ短調 作品112(1899年)
3.0点
マイナー曲であるが、案外渋くてしっかりした曲であり、けっして悪く無い。地味ではあるが、後期ロマン派らしい耽美的な情緒と、ドイツ的なガッチリとした骨格の太い構築感を感じる。華はあまり無いが、地味すぎることはない。ブラームスが時にみせる根暗なジメジメした感じはある。また、とりとめのない方向感の掴みにくさが大きな欠点となっており、短くないこの曲を聴くのに苦痛を感じるのが不人気の原因か。
弦楽四重奏曲第2番ト長調 作品153(1919年)
3.5点
全3楽章。83歳の作品。音楽が崩れていく一方の時代に、この曲は特に1楽章は非常に古風で端正な形式と和声を持っている。しかし、単なる古臭い古典の模倣ではなく、耽美的なロマンチックさを内包しており、長い時の流れと時代の移り変わりと自身の老いを想うような気分を持っている。その晩年らしい純化された精神世界がなかなか感動する。結構地味ではあるが、隠れた名曲だと思うし、サン・サーンスの音楽は何気に弦楽四重奏に向いていると思う。
ヴァイオリン・ソナタ第1番ニ短調 作品75(1885年)
2.0点
1楽章はピアノの練習曲かと思うほどピアニスティックで驚く。2楽章はメランコリーの表現が個性的。3楽章は長くて音が多いのだが、ちっともいい曲でない。全体的に珍曲に近い曲という印象である。
ヴァイオリン・ソナタ第2番変ホ長調 作品102(1896年)
2.3点
音がふわふわとしていて優雅であり、フランス的である。しかしメロディーは冴えないし、音に重みが無さすぎるし、あまりいい所がなく、いまいちである。3楽章がメロディーに多少の説得力があり、伴奏がタイス瞑想曲に似た夢みる感じで少し評価できる程度。
チェロ・ソナタ第1番ハ短調 作品32(1871年 - 1872年)
2.8点
チェロの機能の活用に関してはかなりのレベルに感じる。低音域が多い。雰囲気が次々と移り変わる。表情豊かともいえるしまとまりがないとも言える。いずれにせよ、いろいろな事をやっていて優秀だが、芸術性が高いという印象でない。
チェロ・ソナタ第2番ヘ長調 作品123(1905年)
3.0点
30分の大作でありかなりの力作。ピアノが大活躍であり、チェロも渋めではあるが機能を生かしたスケールの大きさを見せている。メロディーは印象には残らないものの全体に漲る迫力と作曲者の力の入りように驚く。渋くて男臭い雰囲気が支配的。
オーボエ・ソナタ ニ長調 作品166(1921年)
3.5点
お洒落で都会的だったり、メランコリーな気分になったりと、表情豊かな曲。六人組の音楽に近い所があり、老人とは思えない創造力である。
クラリネット・ソナタ変ホ長調 作品167(1921年)
5.0点
1楽章は今までの長い人生を回想するような無邪気な童心に帰ったような透明な音楽で、大変強く心に響いて泣きそうになる。2、3、4楽章も優秀な素晴らしい曲。最後にまた1楽章の冒頭のメロディーをそのまま回想する部分が人生の締めくくりを感じさせてまた泣ける。86歳のおじいちゃんが書いた大傑作。
バスーン・ソナタ ト長調 作品168(1921年)
3.0点
夢の中に入っていくような1楽章の最初が印象的。回想的な3楽章もなかなか良い。しかし同時期のクラリネットソナタと比較すると普通の曲。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B5%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%B5%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:37:39
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マックス・ブルッフ(Max Christian Friedrich Bruch, 1838年1月6日 - 1920年10月2日)
ブルッフ 『スコットランド幻想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/935.html
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マックス・ブルッフ(Max Christian Friedrich Bruch, 1838 - 1920)
交響曲
交響曲第1番変ホ長調 作品28
交響曲第2番ヘ短調 作品36
交響曲第3番ホ長調 作品51
協奏的作品(独奏と管弦楽のための作品)
クラリネット、ヴィオラと管弦楽のための協奏曲ホ短調 作品88
2台のピアノと管弦楽のための協奏曲変イ長調 作品88a
ヴァイオリン協奏曲第1番ト短調 作品26
3.5点
4大協奏曲に迫るロマン派協奏曲の優秀作の一つ。ドイツらしい重厚さと叙情性を兼ね備えた作品でヴァイオリンの甘さと美しさを存分に味わえるが、優等生すぎるもどかしさがある。
ヴァイオリン協奏曲第2番ニ短調 作品44
スコットランド幻想曲 作品46(1880年)
3.8点
メロディーが良く、ヴァイオリンのソロによって張りがあり、楽しんで聞ける。ロマン派の三大ヴァイオリン協奏曲のような深みは無いのだが、聞く楽しさでは同じ位のレベルかもしれない。
ヴァイオリン協奏曲第3番ニ短調 作品58
『コル・ニドライ』 作品47
2.8点
チェロの協奏曲。甘い思い出を切なく歌うような曲だが、狙いが分かりやす過ぎていまいち。一歩引いて聞いてしまう。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%89%E3%82%A4%E3%83%84%E3%83%BB%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%82%B9%E3%83%88%E3%83%AA%E3%82%A2%281859%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
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2022/06/07 (Tue) 01:38:10
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ジョルジュ・ビゼー(Georges Bizet, 1838 - 1875)
ビゼー 『アルルの女』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/910.html
ビゼー 『カルメン』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/909.html
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2022/06/07 (Tue) 01:38:32
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モデスト・ムソルグスキー( Modest Petrovich Mussorgsky, 1839 - 1881)
最美の音楽は何か? _ ムソルグスキー『展覧会の絵』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/380.html
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モデスト・ムソルグスキー( Modest Petrovich Mussorgsky, 1839 - 1881)
管弦楽曲
交響詩「禿山の一夜」
ピアノ曲
組曲「展覧会の絵」
5.5点
どの曲も強靭な発想力と独特の土臭さと色彩感が両立していて大変面白い。組曲としてのまとまりやプロムナードの変奏など曲集としての全体の構成感も大変素晴らしい。捨て曲なしであり、間奏的な作品はあるものの、名作揃いである。最後のキエフの大門の圧倒的なフィナーレには感動してしまう。ロマン派のピアノ用組曲としては圧倒的な出来だと思う。ラヴェルの華麗な編曲も素晴らしいが、より土着的でグロテスクさもあるピアノ版が自分は好みである。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
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2022/06/07 (Tue) 01:50:30
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ピョートル・チャイコフスキー(Ru-Pyotr Ilyich Tchaikovsky.ogg 、1840年5月7日 - 1893年11月6日)
チャイコフスキー バレエ音楽 『白鳥の湖』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/941.html
チャイコフスキー バレエ音楽 『くるみ割り人形』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/955.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『ピアノ三重奏曲 イ短調 作品50 偉大な芸術家の思い出に』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/536.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『弦楽四重奏曲第1番ニ長調 作品11 第2楽章 アンダンテ・カンタービレ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/258.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『ピアノ小曲集 四季 6月 舟歌 Op.37b - 6』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/257.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『ピアノ協奏曲第1番 変ロ短調 Op.3』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/388.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『ヴァイオリン協奏曲ニ長調 Op.35』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/259.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『序曲 1812年 変ホ長調 Op.49』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/534.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『幻想序曲 ロメオとジュリエット』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/533.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『幻想曲 フランチェスカ・ダ・リミニ 作品32』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/532.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『弦楽セレナード ハ長調 作品48』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/390.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『交響曲第4番 ヘ短調 作品36』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/530.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『交響曲第5番 ホ短調 作品64』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/529.html
最美の音楽は何か? _ チャイコフスキー『交響曲第6番 ロ短調 Op.74 悲愴』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/526.html
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ピョートル・イリイチ・チャイコフスキー(Peter Ilyich Tchaikovsky、1840 - 1893)
甘美なメロディーの素晴らしさ、よく鳴るオーケストレーション、演劇的な効果の高いパッセージの使い方は天才的。
曲がドイツ的な動機の労作による構築物ではなく、メロディーの線を主体にした音楽の作りであるため、ドイツ系が好きな人には物足りなかったり、飽きが早いのかもしれない。しかし、計算を感じさせないほど完璧な計算の元に、フレーズやメロディーや和声の組み合わせをピッタリと絶妙にかみ合わせることで、高い演奏効果をあげて聞き手を感動させる能力は驚異的だと思う。
各ジャンルに傑作を残した大作曲家である。
交響曲
交響曲第1番ト短調作品13「冬の日の幻想」(1866,1874)
2.0点
メロディーや発想が陳腐で音の絡みもいまいち。後年の天才が発露しておらず、マイナー作曲家の書いた交響曲のようだという印象が拭えなかった。いい楽章は特にない。
交響曲第2番ハ短調作品17「小ロシア」(1872,1879)
3.5点
1番とは違いチャイコフスキーらしさが現れている音楽。劇的な表現、音の絡め方など、彼らしい手法がはっきり現れていて聞きごたえがあり、三大交響曲に近い充実した内容を持っている。最終楽章が特に好き。
交響曲第3番ニ長調作品29「ポーランド」(1875)
3.0点
それなりに良いが、2番のように充実している感動的な曲ではない。円熟に入りつつある書法であることは感じられる。どの楽章も際立ったものを感じるほど良いものではなかった。
交響曲第4番ヘ短調作品36(1877-78)
4.0点
三大交響曲の一つで人気があるが、3楽章がピチカートの間奏曲だったり、4楽章が珍しいほどの高速フレーズだったりかなり実験的な曲だし、5番と6番より内容は少し劣ると思う。
マンフレッド交響曲作品58 (1885)
2.0点
長すぎて辛い。どこかもっさりしていて、はっきりとしたイメージが湧きにくく、標題音楽としてもイマイチ。オーケストラの使い方はチャイコフスキーらしい素晴らしさではあるが、何だか暑苦しくて疲れる。
交響曲 第5番ホ短調作品64(1888)
4.5点
運命の主題が循環的に使われているのが印象的。6番に近いほどの充実感と印象的なフレーズに満ちている。交響曲としての造形性やまとまりでは上かもしれない。
交響曲 第6番ロ短調作品74「悲愴(Pathétique)」 (1893)
5.5点
人生の最後の頂点に達したといえる最高に素晴らしい交響曲。チャイコフスキーの集大成のような名作であり、オーケストレーション力と劇的な表現力とメロディーメーカーとしての総合力が最高に発揮されている。1楽章が特に素晴らしく、ダイナミックさと切迫感の第一主題もよいし、人生の回想と憧憬の感が強く心をうつ第二主題は一度聴いたら忘れられない。2楽章は5拍子が有名曲では珍しくて効果的。メルヘンチックさに深みが加わった素敵さ。3楽章は勇壮さが痛快な曲であり、バレエ音楽の大家らしい曲でよい。4楽章は沈鬱な悲しみにくれるような曲なのだが、最終楽章をこのようにするアイデア自体が大変効果的であり天才的発想とセンスであるとともに、音楽自体も魅力的である。それまでのダイナミックさや幻想性と、4楽章で現れる静寂や終焉の現実の強烈な対比は非常に効果的である。
協奏的作品(独奏と管弦楽のための作品)
ピアノ協奏曲第1番変ロ短調 作品23 (1874-75)
5.5点
冒頭のメロディーとピアノの豪華絢爛さは筆舌に尽くしがたいほどであり、圧巻の一言である。主要部分は、オーケストラが盛り上げたパワーを、ピアノが全力で受け継いだり、オーケストラとピアノがかけあいしながら盛り上げたりといったダイナミックさが、他のピアノ協奏曲とは段違いである。どちらがより盛り上げられるか競争しているかのようだ。2楽章は疲れを癒す田園的なのどかさが心地よく、メロディーも雰囲気も素敵。3楽章は戦い再びであるが、ロンド形式の醍醐味である主題に戻ってはまた違うタイプの盛り上がりを作るという展開のめまぐるしさが楽しい。ゴージャスに盛り上がる最後は楽しい。チャイコフスキーの独特の和音を重ねるピアノ書法は、ピアノ的でないため弾く人は大変だろうが独特の豪華さを産んでいて効果的である。
ピアノ協奏曲第2番ト長調 作品44 (1879-80)
3.3点
1楽章はまったく魅力のない冒頭(笑)をはじめ、メロディーの魅力はほとんどないが、チャイコフスキーの独特のピアニズムが生み出す豪快な華麗さやカタルシスは1番と同様である。その豪快さの埋め合わせか、2楽章は室内楽的に始まるのだが、甘すぎる程に甘いメロディーで酔わせる。3楽章はメロディーの魅力こそ無いが、独奏ピアノとオーケストラのバランスが素晴らしく、協奏曲としての出来がかなり良い。
ピアノ協奏曲第3番変ホ長調 作品75 (1893)
2.5点
本人が完成させられたのは1楽章のみ。交響曲を改作したもの。協奏曲らしいピアノと管弦楽の対決が曲の推進の原理となる発想が少ない。ソロも管弦楽曲の一部のようにメロディー主体となる場合が多い。しかし、メロディーはあまりパッとしない。一流の作品とはいえない。
ピアノと管弦楽のための協奏的幻想曲ト長調 作品56 (1884)
3.0点
全2楽章30分。幻想曲と呼ぶに相応しい自由さで、ピアノ協奏曲が自由に展開していく。愛らしい主題と華やかなピアノ技巧の楽しさは悪くない。中間がソロなのは面白い。2楽章は活力があり様々な表情が面白い。両楽章とも素材として一流作品ではないにしても、彼の良いところは出ており、しかも構成とピアノ協奏曲としての素材の自由さや目新しさが楽しいので聴く価値はある。
ヴァイオリン協奏曲ニ長調 作品35 (1878)
5.0点
1楽章の活発で伸びやかな雰囲気と自由闊達なヴァイオリンの魅力はかなりのもの。2楽章は柔らかくて甘美な回想的な楽章で、雰囲気が良いとともに伸びやかさがあるのが印象的。3楽章は第1主題も第2主題も印象的で、民族舞曲のノリの良さと、粘っこいテーマの気分転換が楽しい。全体にブラームスやメンデルスゾーンほどの神がかった完成度ではないが、同じ位に充実した魅力作と思う。
ロココの主題による変奏曲(チェロと管弦楽のための) イ長調 作品33 (1877)
4点
舞台音楽的な明確な表情がある。変奏曲は変奏の妙を楽しむ感じではなく、移り変わる場面の転換のために効果的に使われている印象である。チェロは甘く、オケと一体化しつつも独創として効果的に使われていて、楽器の魅力を存分に楽しむ事が出来る。
奇想的小品(チェロと管弦楽のための) 作品62 (1887)
3.0点
チェロの小品。チェロが技巧的であり音数が多くて、かつ渋くて格好いい。曲が独特の民族的?な雰囲気があるので楽しい。
バレエ音楽
本質的に舞台音楽の劇的な造形を得意とし、メロディーメーカーのチャイコフスキーにベストマッチしたジャンル。
「白鳥の湖」 作品20(1875年 - 1876年)
4.5点
文句無しに情緒的で素晴らしい。
「眠れる森の美女」 作品66(1888年 - 1889年)
4.5点
「くるみ割り人形」 作品71(1891年 - 1892年)
5点
他の作曲家ならベスト曲集になりそうなくらいの名品揃い。しかも明るくてドリーミーな所がいい。
その他の管弦楽曲
序曲「雷雨」 作品76 (1864)
2.5点
ごく初期の作品であり、まだ色々と未熟な感があるものの、劇的な表現や甘美さなど既にチャイコフスキーらしい才能が現れていて興味深い。
幻想序曲「テンペスト」 作品18 (1873)
4.0点
初期曲だが劇的な表現や美しいメロディーなどすでにチャイコフスキー独自の他の追随を許さないレベルに達している。長めだがかなり良い。
交響的バラード「地方長官」作品78 (1890-91)
3.0点
何かの遠い昔の物語を音にしたような音楽。ファンタジーのように聞こえる箇所もある。チャイコフスキーにしては流麗なスマートさに欠ける、引っかかっては進むような変わった音楽である。面白いといえば面白いが、駄作と思う人も多そう。
組曲 「くるみ割り人形」 作品71a (1892)
4.5点
ポピュラー音楽のベストアルバムのようなキャッチーな名メロディーの曲ばかりですごい。
幻想序曲「ロメオとジュリエット」(1869,70,80)
4.5点
第2主題がもう涙が出そうなほどの名旋律で素晴らしくて感動してしまう。この甘く切ないメロディーを何度も聞かせてうっとりさせる手腕は本当に天才的である。その後の盛り上げ方も素晴らしく劇的で効果的で、しかも無理が無く自然。最後の名残惜しそうに終わる場面も感動的。ものすぎくいい曲。
幻想序曲「ハムレット」 作品67a (1888)
3.3点
チャイコフスキーが本格的に精魂込めて書いただろうと推測。幻想的でロマンチックな激情や悲劇的な物語を、劇的なオーケストレーションで描くことに成功している。しかしながら、メロディーはやや美しいが、彼の有名作品と比較すると、印象に残らない。
幻想曲「フランチェスカ・ダ・リミニ」 作品32 (1876)
3点
長すぎるし、チャイコフスキーらしいメロディーの冴えも感じられず、彼にしてはそこまでの作品と感じられなかった。
序曲「1812年」 作品49 (1880)
3.3点
大砲をドカンとやることで有名な曲。大規模な序奏に始まり、メロディーの鮮明な対比をさせながら、最後のドンチャン騒ぎに持っていく。外面的な曲だが聞き応えはある。
弦楽セレナーデ ハ長調 作品48(1880)
3.5点
優美なセレナードではなく、交響曲に近いような力強い作品。どの楽章も内容が豊富である。あえていえば弦楽合奏ではもったいない豪華な曲なので管楽器の音も欲しくなるのが欠点か。
イタリア奇想曲 作品45 (1880)
4点
前半も後半も好き。舞台音楽的な冴えと見せ場の作り方がさすが。
スラヴ行進曲 作品31 (1876)
3.0点
前半で繰り返される行進曲の主題はあまり魅力がない。後半のド派手な盛り上げ方はさすがと思う。
組曲第1番 ニ短調 作品43 (1878-79) (全6曲)
3.0点
管弦楽組曲は評価が低いが、それはチャイコフスキーの他の管弦楽曲が素晴らし過ぎるからであり、この曲も十分に楽しめるものだ。バレエ組曲のような軽さとバラエティーの豊さであるが、フーガが使われたり独自性もある。後のくるみ割りに繋がるような行進曲など楽しい発見もある。とはいえ、密度の濃さや天才的霊感において他の作品と比較すれば欠けているのは否めない。
組曲第2番 ハ長調 作品53 (1883) (全5曲)
3.5点
1番よりも音が活き活きとしていて表情豊かであり、美しい情景描写のような場面も多く、優れているような気がする。バレエ組曲の路線で次に聴く作品としていいのでは。娯楽作品として気楽に聴ける。最後の曲がイマイチで尻切れトンボの感最後があるが。
組曲第3番 ト長調 作品55 (1884) (全4曲)
2.5点
交響曲だったら主題の間の「つなぎ」の部分に使われそうな場面ばかりに思える。最後の長大な変奏曲はそれなりに聴かせる作品ではあるが、散漫さは否定できない。交響曲の形式や、序曲やバレエの表題の制約を外しての作曲が、それに見合う成果を挙げられず失敗している印象。
組曲(第4番)ト長調「モーツァルティアーナ (Mozartiana)」作品61 (1887) (全4曲)
3.3点
2曲目がモーツァルトっぽいけれど、微妙に完全コピーではない(笑)3楽章は優美でうっすらとした憂愁と懐かしさが心地よい。後半は明るくてチャーミング。娯楽性が高くて自由な曲なので、チャイコフスキーが気楽な気持ちで書いたのだろうと思わせる。
幻想曲「運命」 作品77 (1868)
2.0点
チャイコフスキーらしい管弦楽による劇的な表現に満ちているが、それだけである。長いのに内容が無いしまとまりがない。割と長い曲だが、それに見合ったものがない。
室内楽曲
弦楽六重奏曲ニ短調 作品70「フィレンツェの想い出(Souvenir de Florence)(1887-92)
3.5点
長い曲。チャイコフスキーにしてはまあまあと思う。駄作ではない。
弦楽四重奏曲第1番ニ長調 作品11(1871)
3.5点
チャイコフスキーの弦楽四重奏曲ではこれが1番有名。室内楽っぽく無いけど、メロディーが良いので忘れ難い。
弦楽四重奏曲第2番ヘ長調 作品22(1874)
3.8点
変則リズムの2楽章はかなり印象的。民族的な香りもして、一度聞いたら忘れられない。3楽章は深みがある響きでかなり良い。4楽章の力感の出し方も良い。魅力的な序奏ではじまる1楽章も悪くない。1番より知名度が落ちるらしいが、この曲は名曲と言ってよいだろう。
弦楽四重奏曲第3番変ホ短調 作品30(1876)
2.5点
あまり弦楽四重奏という感じがせず、どちらかというと管弦楽に近い感覚で書かれている。哀悼の意を表した曲。長大で悲しみが表現された1楽章が全体的に冴えておらず面白くない。2楽章も突き抜けずいまいち。3楽章はかなり暗い長大な葬送音楽。心に訴えかけるものがあり聴きがいのある楽章。4楽章は気持ちの晴れたような明るい曲で、頑張っているが物足りない。
ピアノ三重奏曲イ短調 作品50「ある偉大な芸術家の思い出のために」(1882)
3.0点
長くて構成が特殊で全体的に曲が掴みにくい。。何度か聴いたが、メロディーは1楽章の一部の主題以外はそれほど魅力を感じないし、2楽章の変奏もあまり優秀と思えず、チャイコフスキーの中では名曲に分類される方の作品とは思えなかった。
なつかしい土地の思い出(ヴァイオリンとピアノのための) 作品42 (1878)
ピアノ曲
四季(12の性格的描写)-作品37bis (1875-76)
4.5点
1月-炉端にて 2月-謝肉祭 3月-ひばりの歌 4月-待雪草 5月-五月の夜 6月-舟歌 7月-刈り入れの歌 8月-収穫の歌 9月-狩りの歌 10月-秋の歌 11月-トロイカ 12月-クリスマス
小品集。12曲全曲が霊感が感じられる印象的な曲であり、天才をいかんなく発揮している。バラエティーに富んでおり、曲の並びも良いので通して聞いても楽しめる。このためピアノ曲といってもかなり華がある。おとぎ話のような夢見るような雰囲気の曲が多いのが特徴。
1曲目
愛らしくて夢見るような曲で大変魅力的
2曲目
踊るような活発さがいい感じ
3曲目
憂愁をたたえたエキゾチックな音階
4曲目
憂愁とドリーミーの融合
5曲目
静かで詩情豊かな曲
6曲目
憂愁を湛えて分かりやすいもの。この曲は他より有名だが、出来は同様と思う。
7曲目
花畑のようなふんわりした美しい佳曲
8曲目
激しいテーマと穏やかな中間の対比が強烈で面白い。特に中間は秀逸
9曲目
行進曲のようなノリのよい曲
10曲目
夜想曲のようなメランコリックなメロディーが印象的
11曲目
どこかで耳にしたことがあるような5音階のメロディーが有名な曲。
12曲目
曲集を締めくくるのに最適なチャイコフスキーらしいワルツ。
ピアノソナタ 嬰ハ短調 作品80 (1865)
3.3点
最初の大作。若者の志と気合が伝わってくる。ロマン派の甘美さを多分に持ちつつも、巨大に構築された作品であり、なかなかの手応えがある。まだ天才的ではなく未熟なのかもしれないが、ロマン派のピアノソナタという希少さの中では一定の地位を獲得していてもおかしくないような大作と思う。すでに、25歳であり一定の成熟感がある。
ピアノソナタ ト長調 作品37 「グランドソナタ」 (1878) -
2.5点
4楽章構成。この曲は期待して聴いてがっかりした。ハッとする場面は所々あるがチャイコフスキーの中では駄作だろう。
「ドゥムカ」ハ短調 作品59 (1886)
3.8点
「ロシアの農村風景」という副題を持つ。民族的なカッコ良さと渋さと、家庭的な温かさがあり、かなり雰囲気の良いピアノ曲。約8分の長さも飽きずに楽しめる。途中でリストのハンガリー狂詩曲のフリスカにそっくりの場面が出て来るのが面白い。
6つの小品 作品51 (1882)
3.0点
それなりの曲が並んでいる。音楽の水準としては、メンデルスゾーンの無言歌集より少しだけ落ちるくらいか。決して悪くはない曲集ではあるが、チャイコフスキーらしい光るものや強靭な発想力は少ない。旋律の魅力も彼にしては平凡である。そうなるとピアニスティックでないのが気になってしまう。最後の曲だけは中間部も含めてかなり良い。スラブ的な憂いが素敵だ。
18の小品 作品72 (1893)
3.5点
曲数が多いうえにどの曲もそれなりの規模と世界観を備えている。最晩年の作品であり、音楽的な成熟した豊かさはなかなかである。四季ほどキャッチーな個別の曲の個性の強い主張はないのだが、どの曲も価値ある良い曲だと素直に思える。大作を書く合間に湧き上がってきた楽想を使ったものだと思うが、そのずば抜けた発想力には感服する。もう少しピアノの表現力の限界を攻めて全身全霊をかけて曲に魂を込めた感があればシューマン作品位にメジャーなピアノ曲集になれた可能性もあったと思う。情緒的な曲が特に心に染みる。そういう数曲に限れば4.0点でもいいくらいだ。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%81%E3%83%A3%E3%82%A4%E3%82%B3%E3%83%95%E3%82%B9%E3%82%AD%E3%83%BC
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2022/06/07 (Tue) 01:51:02
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アントニン・レオポルト・ドヴォルザーク(Antonín Leopold Dvořák、1841年9月8日 - 1904年5月1日)
最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『交響曲第9番 ホ短調 作品95 新世界より』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/456.html
最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『交響曲第8番ト長調 作品88』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/514.html
最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『チェロ協奏曲 ロ短調 作品104 B.191』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/515.html
最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『8つのユモレスク 第7番 Op.101-7 B.187 変ト長調』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/253.html
最美の音楽は何か? _ ドヴォルザーク『 弦楽四重奏曲第12番ヘ長調 Op.96 アメリカ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/252.html
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アントニン・ドヴォルザーク(Antonín Leopold Dvořák 、1841 - 1904)
チェコの大作曲家。
屈指のメロディーメーカーとして親しみやすく楽しい作品を書いた。
派手で活力があるオーケストラ曲も、渋くて哀愁ただよう室内楽も良い。各ジャンルで素晴らしい作品を残した。
交響曲
交響曲第1番 ハ短調 作品3、B.9 「ズロニツェの鐘」
3.3点
ドヴォルザークの若く熱き血潮をたぎらせた初期の名作で、2番3番よりも好きである。おおらかな曲であり、曲や音の密度では未熟さを感じるにも関わらず、才能が十分に現れており、力強い熱血のメロディーが多く現れてきて楽しめる。
交響曲第2番 変ロ長調 作品4、B.12
2.3点
冗長で鈍い音楽の足取りと、場面描写の拙さはまだまだ一流作曲家とは言えないレベル。まだ個性もあまり発露しておらず、正直言って魅力に乏しいので、この長い曲を聴き通すのは大変。大作曲家の様々な影響の跡をみる楽しみはある。ワグネリアンだからか、どこかブルックナーぽいのは面白い。
交響曲第3番 変ホ長調 作品10、B.34 1873年
2.5点
音楽の密度が薄く、同じフレーズを繰り返しながら大らかに音楽が動いていく。各部分の魅力はそれなりにあるが、未熟さとあいまって、聴き通すのがやや辛い。
交響曲第4番 ニ短調 作品13、B.41 1874年
3.0点
1楽章はスカスカで面白くない。2楽章はたっぷりと叙情的に歌う曲で十分に楽しめる。3楽章もまあまあだが、後年の作品の未熟版という感じがする。
4楽章は叙情的なしなやかさをもった大いなる感情をもちながら、おおらかに盛り上げるのが悪くないが、大した曲ではない。
交響曲第5番 ヘ長調 作品76、B.54 1875年
3.3点
4楽章がワーグナーのような伸びやかな叙情を交えてスケール大きく盛り上がる、後年の傑作に近い素晴らしい出来。1楽章が密度が薄くて、広大な音楽がやりたかったのだろうが、どうにも煮え切らなくもの足らない。だが、楽章が後になる程に密度が濃くなり良くなっていく。3楽章まではスカスカな印象があり未完の大器レベル。
交響曲第6番 ニ長調 作品60、B.112 1880年
3.5点
両端楽章はインパクトが足らずもの足らない。しかし、2楽章はしみじみするし、美しい場面が多くある。3楽章のフリアントは単品でも使えそうな名曲。
交響曲第7番 ニ短調 作品70、B.141 1884-85年
4.0点
スラブ的な格好良さと内面の充実と交響曲のスケールを併せ持たせている。1楽章は同じ動機を使いながら渋くて格好良いもの。2楽章は、雄弁な闇に沈んでいく大地のような曲。3楽章はスラブ的なフレーズを取り入れてカッコいい。4楽章が他と比較するとやや弱い。
交響曲第8番 ト長調 作品88、B.163
5.0点
どの楽章もキャッチーなフレーズが含まれている。新世界よりと並んで極めて聞きやすく、そして素晴らしい。チェコ的な雰囲気が入っていて、ドヴォルザークの創作の中でも代表的な作品になっている。
交響曲第9番 ホ短調 作品95、B.178「新世界より」
5.5点
非常に有名な交響曲であり、メロディーの良さ、内容のわかりやすさ、かっこよさ、充実感など、深さはさておき分かりやすくていい曲という点ではロマン派の交響曲の中で最も完璧に近い内容である。
管弦楽曲
序曲
序曲「わが家」 (Domov m?j) 作品62a、B.125a
3.0点
凄みは感じないが、それなりに聴き映えする曲。
劇的序曲「フス教徒」 (Hustisk? dramatick? ouvertura) 作品67、B.132
3.5点
めまぐるしく展開する。情景を音で描いているかのようにはっきりと場面が目に浮かぶようである。舞台音楽みたいである。各場面が優れており聴き映えする。
序曲「自然の中で」 (V p??rod?) 作品91、B.168
3.5点
交響曲の中の一つの楽章のような本格的な音楽で、活力あるオーケストラの使用と描写力を遺憾なく発揮している。分かりやすい。
序曲「謝肉祭」 (Karneval) 作品92、B.169
3.0点
コンサートのオープニングかアンコールに向いているような、賑やかな曲。ドヴォルザークの良さはあまり活かされていないと思う。
序曲「オセロ」 (Othello) 作品93、B.170
3.5点
美しい自然のような場面など、説得力のある管弦楽の使い方とメロディーに身を任せて楽しめる。聴き応えあり。ワーグナー的な良さもある。
交響詩
「水の精」 作品107、B.195
2.5点
水の精の描写や個々の場面の雰囲気は悪くないのだが、曲が長すぎるし変化が少ないので平板な感じがする。
「真昼の魔女」 作品108、B.196
2.5点
ある程度の緊密さと劇的な起伏がある所は他の交響詩より楽しめるが、メロディーや内容は交響曲などの主要な管弦楽曲と比べると物足りない。
「金の紡ぎ車」 作品109、B.197
2.5点
感想は「水の精」とほぼ同じ。この曲も個々の場面の雰囲気は悪くないのだが、曲が長すぎるし変化が少ないので平板な感じがする。バックミュージックで流してまったり楽しむ程度の曲。ワグネリアンらしさを少し感じる。
「野ばと」 作品110、B.198
2.0点
他の交響詩と同様に間延びした内容で起伏に乏しく、面白くない曲。まったりした気分で心地よさに浸ることは出来なくはないが、そういう趣旨で作者が書いた曲では無いだろう。
「英雄の歌」 作品111、B.199 1897年
1.5点
約20分の長さだが、ちっとも「これはいい」という場面が出てこない。
セレナード
セレナード ホ長調 作品22、B.52
3.8点
「弦楽セレナード」メロディーの良さとか、雰囲気作りの上手さが際立っていて、単なる娯楽曲と考えてはもったいない素晴らしい出来の曲になっている。次から次へと曲の良さに感心できる場面が続いていくから、全く飽きない。セレナーデだから高級な音楽というわけにはいかないが、精巧さもあり、芸術作品として成り立っていると思う。
セレナード ニ短調 作品44、B.77
3.0点
「管楽セレナード」の愛称で呼ばれている。ドヴォルザークは基本的に弦の人だと思うが、この管楽器の合奏でも柔らかくてまったりとして温かみのある音楽を作れている。管だけでなく低弦が入っているので音響的に聴きやすいのが良い。3楽章が印象的。
スラヴ舞曲
スラヴ舞曲 第1集 作品46、B.83 (4手ピアノ版はB.78)
【1. ハ長調 / 2. ホ短調 / 3. 変イ長調 / 4. ヘ長調 / 5. イ長調 / 6. ニ長調 / 7. ハ短調 / 8. ト短調】
スラヴ舞曲 第2集 作品72、B.147 (4手ピアノ版はB.145)
【1. ロ長調 / 2. ホ短調 / 3. ヘ長調 / 4. 変ニ長調 /5. 変ロ短調 / 6. 変ロ長調 / 7. ハ長調 / 8. 変イ長調】
2.3点
ごくシンプルな舞曲集。鑑賞用の音楽としては面白くない。大作曲家らしさを感じない。一般向けの楽譜を売るためのスラブ風味の音楽という印象しかない。ただし有名な第2集の2曲目はやはり良い曲。
その他の管弦楽曲
交響的変奏曲 作品78、B.70
2.5点
ドヴォルザークらしい躍動感あふれるオーケストラの扱いを楽しめる。しかし、いかんせん主題の魅力に乏しいので辛い。
3つのスラヴ狂詩曲 作品45、B.86
【1. ニ長調 / 2. ト短調 / 3. 変イ長調】
チェコ組曲 ニ長調 作品39、B.93
3.3点
スラブらしい曲調だが、それほどスラブ色が濃厚な訳ではない。3曲目は濃いが。4曲目の管楽器のメロディーが素敵。大らかな雰囲気の組曲。アメリカ組曲と雰囲気は似ている。メロディーや雰囲気は楽しめるが、書法はシンプルであり本格派のドボルザークは聴けない。
伝説曲 (Legendy) 作品59、B.122
全10曲【1. ニ短調 / 2. ト長調 / 3. ト短調 / 4. ハ長調 / 5. 変イ長調 / 6. 嬰ハ短調 / 7. イ長調 / 8. ヘ長調 / 9. ニ長調 / 10. 変ロ短調】
スケルツォ・カプリチオーソ 作品66、B.131
3.0点
賑やかな聞きやすい長さの管弦楽曲。緩急をつけたメロディーが何種類も出てくる曲であり、ラテン的な開放感もあるので楽しい事は楽しいのだが、深さや渋さが無いので聞いた後に残るものがない。
アメリカ組曲 イ長調 作品98B、B.190
3.0点
アメリカらしい大らかな雰囲気とメロディーに溢れている。当初ピアノ曲として書かれたためか、多声的でなくかなりシンプルな書法である。どの曲もメロディーは楽しめて気楽に聴ける小品の組曲だが、本格派のドボルザークは聴けない。
2つのワルツ B.105 作品54 1880 弦楽 B.101-1,4の編曲
3.5点
弦楽用のワルツ。弦楽を美しくバランス良く柔らかく扱うドヴォルザーク一流の美技と、愛らしいメロディーのワルツの楽しさが光る。
協奏曲
ピアノ協奏曲 ト短調 作品33、B.63 1876年
2.5点
ピアノは室内楽のピアノパートを華やかにした感じ。音楽的にドヴォルザークらしさはあり、円熟期に入っての作品で内容はそれほど悪くないが地味さは拭えない。彼のファンなら耳にして損は無い程度。
ヴァイオリン協奏曲 イ短調 作品53、B.108
3.0点
1楽章は粘っこい雰囲気は悪くないがあまり内容がない。2楽章は叙情的やオーケストラの伴奏に載せた独白の雰囲気がなかなかよい。3楽章はもう少し生き生きとやってほしい。
チェロ協奏曲 ロ短調 作品104、B.191 1894-95年
5点
独奏楽曲が活躍するにも関わらず、管弦楽と完全に一体化して有機的に連携し、自然に楽想が繋がっているので、まとまった交響的作品になっている。その手腕は脱帽もの。そのうえで、哀愁の雰囲気や美しいメロディーの数々、5音階の懐かしさ、詩的な情景の美しさなどドヴォルザークの美点が見事に発揮されていて、音楽に浸りきる事が出来る。素晴らしい傑作。
森の静けさ (Klid) 作品68-5、B.182(原曲はピアノ連弾)
4.0点
チェロ独奏が非常に美しくて素敵。朝日と共に動物達が起きてくるような、静かな大自然の森の中を逍遥するような感覚を実際に味あわせてくれる。
チェロと管弦楽のためのロンド ト短調 作品94 B.181 1893 vc,Orch B.171の編曲
3.0点
ピアノ伴奏よりは同じ曲でも華やかなので楽しめる。チェロ協奏曲の一つの楽章のようだ。
室内楽曲
六重奏曲
弦楽六重奏曲 イ長調 作品48、B.80 1878年 ヴァイオリン2・ヴィオラ2・チェロ2
3.3点
弦楽六重奏曲は、声部が豊かで中低音が充実する代わりに、響きがもっさりして曖昧になるという欠点がある。この曲がデメリット以上のメリットを享受することに成功しているかは微妙である。スラブ的な雰囲気は濃くはないが活かされており、特別優れた楽章はないが全体的に弦楽四重奏曲の達人らしい充実した響きを楽しめる。
五重奏曲
ピアノ五重奏曲第1番 イ長調 B.28 1872年
3.5点
あまり期待せずに聴いたのだが、密度の濃さや躍動感のある雰囲気がかなり楽しめる曲で驚いた。室内楽の作者としては初めから巨匠だったようだ。確かに磨き上げられた洗練は足りないかもしれないが、アンサンブルを作るセンスやメロディーの才能はとても素晴らしい。ベートーヴェンの影響を感じる本格性と骨太さがある曲だと思う。全体に鋭角的で真剣な音楽になっている。艶やかな感じは時々現れるが、それでも落ち着けない。初期ではあるが、音楽的にはそれなりに成熟している。しかし、薄い密度の場面を使いこなせておらず、構成もぎこちなくて、まだ達人の域に達し切れていないとは感じる。まだこれから花開く作曲家だと感じさせる。力の入った力作ではある。
ピアノ五重奏曲第2番 イ長調 作品81、B.155 1887年
3.5点
メロディーの宝庫。分かりやすいメロディーやフレーズが次々と出てくる。しかし、それ以上の素晴らしさや底の深さは感じない。
弦楽五重奏曲第1番 イ短調 作品1、B.7 作曲1861年 ヴァイオリン2・ヴィオラ2・チェロ1
弦楽五重奏曲第2番 ト長調 作品77、B.49 1875年 ヴァイオリン2・ヴィオラ1・チェロ1・コントラバス1
3.0点
コントラバスが入っていることで、重低音が強化されて音が分厚い。しかし、それが機動力を奪っているかのように、軽いフットワークの弦楽四重奏の良さが失われたデメリットが大きいように感じる。全体に、あまり面白い曲だとは感じない。メロディーがイマイチであり、フレーズを繋いで作ったような曲である。ドヴォルザークらしい良さがあまりない。重厚さをなんとなく楽しむだけになってしまっている。
弦楽五重奏曲第3番 変ホ長調 作品97、B.180 1893年
3点
アメリカの雰囲気を取り入れつつも、ボヘミア的な雰囲気もあり、もの悲しさが全体を覆っている。四重奏でさえ中音域が厚いので五重奏だと中音域が充実しすぎでぼやけた印象がある位。どの楽章も平均的によく、特に優れている楽章がない。
四重奏曲
ピアノ四重奏曲第1番 ニ長調 作品23、B.53 1875年
3.3点
すべての楽章において、どうにも捉えどころのなさがある曲。茫洋とした印象は、広大なスケール感があるがアクセントとなるものが少ないため、なんとなく曲が続いているように聴こえるからだろうか。音はたくさん敷き詰められているし、活発に動くのだが、道標のようなものがないと、曲を捉えられないことがよく分かる。個別の部分は決して悪くはないが、精神的な表現の主張はない。
ピアノ四重奏曲第2番 変ホ長調 作品87、B.162 1889
3.5点
広々とした音のキャンバスを使って練達した作曲技術で楽しませてくれる。緊張感は低いのでまったりとくつろいだ気分で聴ける。練り込まれたスラブ情緒が楽しい。バランスの良さ、メロディーのセンスの良さが光る。ただし、特別感のある楽章はない。
バガテル 作品47,B.79 作曲1878年、ヴァイオリン2・チェロ1・ハルモニウム(またはピアノ)1
弦楽四重奏曲第1番 イ長調 B.8 1862
3.3点
第1作からいきなり48分の大作。音の薄さの使い方や躍動感などの室内楽の名手らしさを存分に発揮している。長すぎて中だるみするし、構成が頭に入らないものの、それぞれの部分は魅力的なため楽しんで聴ける。スラブ的な濃さがとても上手く取り込まれて、聞き栄えを作り上げている。しかしそれは前半までで、あまりの長さに後半はうんざりしてしまう。
弦楽四重奏曲第2番 変ロ長調 B.17 1870年
1.5点
またしても49分の大作。1楽章はいきなり前衛的とも言えるほどの新奇な音のする音楽で、ついていくのが困難。2楽章も聴きづらくて全然分からない。ほかの楽章も同様で、ドヴォルザークが特殊な音楽を書いてみたかったのだと想像されるが、聴くのはかなり辛い。
弦楽四重奏曲第3番 ニ長調 B.18 1870年
2.5点
69分という化け物的な長さ。ブルックナーのように、細かい動機を執拗に積み重ねて少しずつ変容していくマッタリした音楽になっている。ダイナミックな変化に乏しいのが残念。1楽章はいい曲ではないが、2番ほど極端に聴くのが辛くはない。ただ、長すぎる苦痛があるため、2番より少しマシという程度だと思う。2楽章はしみじみとした歌が延々と続く懐の深い曲でかなり良い。マーラーみたいな存分な歌わせ方に振った曲。ただ執拗すぎる気はする。3楽章は間奏的な曲想なのに長すぎ。4楽章も高揚感のある曲想は良いが長すぎ。
弦楽四重奏曲第4番 ホ短調 B.19 1870年
3.0点
3楽章制で切れ目なし。実験的でコンセプトが明確な作品。1楽章はとても変わった曲でよく理解できない。ドヴォルザーク風の前衛音楽だと思う。2楽章はヴァイオリンがひたすらずーーっとメロディーを聴かせ続けるこれまた変わった曲。ある種の純化された美しさはあるものの、10分の曲でこの執拗さは異常である。世界記録でも狙ったのだろうか。3楽章も意欲的で前衛的な部分があるが、わりと聴きやすくて、独自のダイナミックな音楽のつくりに感心する。中間に2楽章のリフレインがくるのは効果的。
弦楽四重奏曲第5番 ヘ短調 作品9、B.37 作曲1873年
2.8点
地味で渋い路線の曲。雰囲気としては普通の曲に戻ったのだが、華がない場面が多くて、なんとなく晴れない気分のまま曲が進むのが、なんとも残念である。変な曲シリーズの残骸らしく感じる部分も散見されるため、やはり実験的な部分があるのだろう。普通の曲なので良く感じて聞けるし、たまに書法の冴えに感心するが、冷静に考えるともしドヴォルザーク作曲でなければ、人に勧められるほどの曲ではないと思う。
弦楽四重奏曲第6番 イ短調 作品12、B.40 1873年
2.8点
また普通の曲に近付いてはいるが、やはりよく分からない感がどうしても残る。変な曲になっている箇所が少なからずある。そして、メロディーが印象に残らず、構成も印象に残らず、地味で控えめな印象なのも、たまに達人の筆致を感じるのも相変わらず。3楽章は実験的だなあと感じる曲。
弦楽四重奏曲第7番 イ短調 作品16、B.45 1874年
3.5点
ようやく巨匠らしい本格的で貫禄のある音楽になってきた。スラブ風味が産みだす独特の陰影の楽しさや寂寥感を楽しめる。音楽に艶があり心地いい。バランスが良くなり、実験的な雰囲気はもはや希薄になった。地味すぎることはなくなり、控え目さは残っているが十分に華やかな聴いていて楽しい音楽になった。特に最終楽章は躍動感や高揚感が一辺倒にならないバランスで使われていて、かなり優れた曲。
弦楽四重奏曲第8番 ホ長調 作品80、B.57 1876年
3.3点
成熟した巨匠的な書法の良さとともに、スラブ風の色がより濃くなった作品。27分と短いくて無駄が少ないのは良いこと。しかし、これはという素敵な楽章がない。わりと良いか大満足とはいかない場面ばかりであり、物足らないまま次の場面に期待しているうちにすぐに曲が終わってしまう印象である。
弦楽四重奏曲第9番 ニ短調 作品34、B.75 1877年
3.5点
3楽章がかなり感動する。他の楽章も力作であり良い場面は多いのだが、10番以降の恐るべき完成度には何かが及ばない。
弦楽四重奏曲10番 変ホ長調 作品51、B.92 1878年
4.0点
深々としたニュアンスの妙味にあふれた1楽章、民謡のような主題が印象的な2楽章、うら悲くて寂しい気分になる3楽章がいずれも良い。4楽章もそれなりに良い。ボヘミア色が強い曲。
弦楽四重奏曲第11番 ハ長調 作品61、B.121 1881年
3.8点
1楽章はややボヘミア色が薄く構築性を楽しむ曲。2楽章以降はボヘミア色もある程度あり、なにより愁いの影が常につきまとっている。全体に東欧ならでは?のあまり他では聞かない独特な音の雰囲気に覆われていて新鮮。
弦楽四重奏曲第12番 ヘ長調 作品96、B.179 『アメリカ』 (The American) 1893年
4.0点
親しみやすいメロディーの分かりやすさと雰囲気で、弦楽四重奏の入門にピッタリの曲。後期の本格的で深々とした素晴らしい弦楽四重奏群と比較してメロディー主体であり深さには欠けるが、やはり傑作である。
弦楽四重奏曲第13番 ト長調 作品106、B.192
3.5点
2楽章が感動的。4楽章も立派な構成で感動的で素晴らしい。1楽章がいまいち。立派な作品だが民族色が薄くて曲に濃厚さが無いのは寂しい。
弦楽四重奏曲第14番 変イ長調 作品105、B.193
4点
1楽章が濃厚で、構成にメリハリがあり良い。2楽章もよいし、3楽章は感動的で泣きそうになる。
弦楽四重奏のための『糸杉』 (Cyp?i?e) B.152
3点
歌曲集『糸杉』B.11から12曲を1887年に編曲したもの。弦楽四重奏の淡さや甘さをうまく活かしてる。それほど分かりやすいメロディーはなく渋め。
弦楽四重奏のための楽章 B.120 1881 SQ
2.5点
柔らかい響きの曲。しかし、どちらかというとハッキリしなくてよく分からないという印象が強い。
三重奏曲
ピアノ三重奏曲第1番 変ロ長調 作品21、B.51 1875年
4.0点
全体にメロディーの魅力がすごい。期待せず聴いたら名曲でかなり驚いた。1楽章は何より2つの主題がとても魅力的で感動するし、展開もわくわくさせられる出来の良さ。軽妙かつスケール感もある。これはロマン派室内楽の傑作に数えてよい楽章と思う。2楽章はメロディーも中間の盛り上げ方も非常に美しい。3楽章も「そうきたか」と言いたいような始まり方に意表を突かれて楽しい。4楽章が平凡なのはとてももったいないが、1〜3楽章までの素晴らしさをスポイルするほどではない。全体の印象として、バランスが難しい印象があるピアノトリオを書く難しさを難なくクリアーしている印象。
ピアノ三重奏曲第2番 変ロ長調 作品26、B.56 1876年
3.8点
1番の1楽章ほどの正統派の感動はないかもしれないが、どの楽章も平均してクオリティが高い。1楽章は最初は陰湿に聴こえたが、よく聴くと憂いを含んだ美しい旋律。1番の4楽章のような弱点がなくて、ピアノ三重奏曲としての充実度は1番より上がっているかもしれない。楽器のからませ方がやや大胆になった気がする。
ピアノ三重奏曲第3番 ヘ短調 作品65、B.130 1883年
3.5点
ドヴォルザークには珍しい非常に情熱的で熱く煮えたぎる想いを感じる曲。成熟感は素晴らしい。ゴリゴリと和音の打撃で押していくようなピアノはブラームスを連想させる。すごみを感じる曲であるが、自分はゴツゴツとした感触がぎこちなさをを感じさせるのがどうしても気になる。慣れれば曲に入り込むことは出来るのだが、美メロディーがないこともあり、心の底から高い評価をするまでは至らない。
ピアノ三重奏曲第4番 ホ短調 作品90、B.166 「ドゥムキー」 1891年
3.0点
この曲がドヴォルザークの室内楽の代表作の一つとされることがピンとこない。軽い小曲が6曲並んでいる組曲という感じであり、深みやスケール感やまとまりがないため、本格的な楽曲の手応えが感じられない。それほどメロディーや雰囲気が魅力的という印象もない。音が薄く、弦が絡み合って穴を埋めたり協奏的にかけあう感じがあまりない。気楽に聞き流せばスラブ的な音楽をそれなりに楽しめる。
弦楽三重奏曲 ハ長調 作品74、B.148 1887年、ヴァイオリン2・ヴィオラ1
3.5点
低音がないせいか響きに男性的な印象が減っているのが新鮮で楽しめる音楽。とはいえ1楽章は優美で美しいが他は女性的でもない。2楽章は陰影が豊かでこれまた非常に美しい。3楽章も独特の緩い切迫感ともいうべき雰囲気があり面白い。どの楽章も見るべきものがあり、なかなか心を捉えるものがあるよい曲。短くて聴きやすいのもよい。
バガテル ハ長調 作品75a、B149 1887 2vn,va
3.0点
どうやら4つのロマンティックな小品の編曲版のようだ。柔らかい弦の響きは曲のメロディーを生かせていて、ヴァイオリンとピアノの版とは違う魅力がある。後半の面白くない曲については、ヴァイオリンとピアノよりこちらの版の方がいいかも。
三重奏曲 ハ長調 B.148 作品74 1887 2vn,va
2.0点
響きのバランスが悪く、メロディーが弱く、駄作だと思う。
二重奏曲
ヴァイオリンソナタ ヘ長調 作品57, B.106
2.3点
期待を裏切られた。大半の室内楽の出来の良さから考えるとかなりつまらないと思う。弦楽器同士の絡みがないとダメなのだろうか。特に1楽章はひどい。全然理解できない。2楽章と3楽章はまだマシかもしれないが、大半の場面が面白くない。
カプリッチョ Capriccio B.81 1878年の作品。(ヴァイオリン1、ピアノ1)
2.0点
たいした曲ではないな、という程度の感想しか持てなかった。
バラード I balada 作品15、B.139 1885年の作品。(ヴァイオリン1、ピアノ1)
3.0点
渋いバラード。ピアノ伴奏の低音の渋さが印象に残る。
ロマンティックな小品 (Romantick? kusy) 作品75, B.150
3.0点
1曲目はありきたりながらも素敵。2曲目の粘っこさも良い。後半2曲は面白くない。
ソナティーナ ト長調 作品100、B.183
3.3
子供向けのヴァイオリンとピアノのためのソナチネ。アメリカ時代らしい5音階や黒人霊歌の特徴が現れており、素朴なボヘミアらしさもあるなど、ドヴォルザークらしさを端々に感じる事が出来る。
ポロネーズ イ長調 B.94
1879年の作品。初演は1879年トゥルノフ。(チェロ1、ピアノ1)
夜想曲 ロ長調 B48a 作品40 1875-83 vn,pf
3.0
秋の夜長に深夜に故郷のことや青年時代を思い出しながら思い出に浸るような音楽。それほど美メロでは無いが、センチメンタルな気分になれれば曲に浸れる。
ロンド ト短調 B171、作品94 1891 vc,pf
2.5点
チェロソナタの中の一つの楽章ならばまた印象が違うかもしれないが、この単発の曲だとイマイチで地味という印象になってしまう。
器楽曲
4手ピアノのための作品
伝説曲 (Legendy) 作品59、B.117
ボヘミアの森から (Ze ?umavy) 作品68、B.133
全6曲【1. 糸を紡ぎながら / 2. 暗い湖の畔で / 3. 魔女の安息日 / 4. 待ち伏せ / 5. 森の静けさ / 6. 嵐の時】
3.8点
4手用の小曲集全10曲。どの曲もインスピレーションが働いていて華がある。伝説になった古い物語を聞かせてもらうような気分になる。詩的情緒にあふれており、温かい気分に包まれるかのような素敵な曲集である。こんな名作があるのかと驚いた。
ピアノ独奏曲
主題と変奏 変イ長調 作品36、B.65
詩的な音画 作品85、B.161
全13曲【1. 夜の道 / 2. たわむれ / 3. 古い城で / 4. 春の歌 / 5. 農夫のバラード / 6. 悲しい思い出 / 7. フリアント / 8. 妖精の踊り / 9. セレナード / 10. バッカナール / 11. おしゃべり / 12. 英雄の墓にて / 13. 聖なる山にて】
ユーモレスク 作品101、B.187
3.5点 ただし7曲目は5.0点
全8曲【1. 変ホ短調 / 2. ロ長調 / 3. 変イ長調 / 4. ニ短調 / 5. イ短調 / 6. ロ長調 / 7. 変ト長調 / 8. 変ロ短調】
有名や7曲目は冴えたセンスの良いメロディーの組み合わせが見事で、端正さと民族的な粘り気の両方を絶妙にブレンドした名曲。他の曲もアメリカらしさを生かした楽しめる曲が多い。
影絵 B.32作品8 1872
B.98の初期の草稿。この版でも十分に詩的な美しい曲揃いで楽しめる。
声楽曲
教会音楽、カンタータ、オラトリオ
スターバト・マーテル 作品58、B.71
3.8点
子供が相次いで亡くなるという個人的な不幸を契機にしているだけあり、真に心に刺さる音楽だ。悲しみに突き動かされて書いたのがよく分かる。いつもとドヴォルザークと全く違う音楽である。和声などはシンプルで、この時代にしては古い音楽のように聴こえる気がするが、シンプルな方がより切迫感を増すものなのだろう。剥き出しの感情描写ともいうべき場面が多く、聴き入って感動させられる。
レクイエム 変ロ短調 作品89、B.165
3.3点
いい曲ではあるが、どこか堅い印象。スターバトマーテルが心の中から自然に湧いてきた感情から作曲されたのと比較すると、なんとなく心に迫る感じがない。立派で良い曲ではあるが、ドヴォルザークでなければ書けない何かをあまり感じない。感動的大作ではあるものの、どことなく高く評価しにくい。
テ・デウム ト長調 作品103、B.176
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%89%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%AB%E3%82%B6%E3%83%BC%E3%82%AF
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9:777
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2022/06/07 (Tue) 01:51:28
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ジュール・エミール・フレデリック・マスネ(1842年5月12日 - 1912年8月13日)
マスネ 『エレジー』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/954.html
ジュール・マスネ 『タイスの瞑想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/951.html
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10:777
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2022/06/07 (Tue) 01:51:55
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エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg 、1843年6月15日 - 1907年9月4日)
グリーグ 『ペール・ギュント』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/933.html
グリーグ 『ペールギュント ソルヴェイグの歌』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/932.html
グリーグ 『2つの悲しき旋律』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/953.html
グリーグ自作自演
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/458.html#c2
最美の音楽は何か? _ グリーグ『ピアノ協奏曲イ短調 作品16』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/336.html
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エドヴァルド・グリーグ(Edvard Hagerup Grieg、1843 - 1907)
北欧らしい雰囲気を随所に感じさせるとともに、親近感を感じる温かみと歌心のある音楽であり、ファンが多い。だが、個人的には素朴すぎるところ気になってしまい、有名作曲家の中では苦手な方である。
劇音楽
『ペール・ギュント』(作品23、1875年/1885年、1888年、1891年、1902年改訂)
『ペール・ギュント』第1組曲(作品46、1888年)
5.0点
超有名な「朝」をはじめ、4曲とも有名曲である。一度聴けば忘れないような印象的で大変親しみやすいメロディーの素晴らしさは、見事というほかない。とにかく楽しくていい曲ということに尽きる。素朴なオーケストレーションは聴きやすい。有名曲が多いわけではないグリーグだが、この組曲に最大級の傑作を集められたこと自体が、彼のネームバリュー向上に貢献したとも言えるだろう。
『ペール・ギュント』第2組曲(作品55、1892年)
3.8点
3曲目までは、いかにも第1組曲の選に漏れた2軍の曲集という冴えない感じである。親しみやすいアレンジだが面白くない。しかし、3曲目で作った雰囲気から入る4曲目のソルヴェイグの歌の透明な悲哀の純粋な美しさに感動させられて胸がいっぱいになり、最初の方の不満は吹き飛んでいく。
管弦楽曲・協奏曲
ピアノ協奏曲 イ短調(作品16、1868年/1907年まで数次の改訂)
5.0点
美しくて華やかでインスピレーションにあふれたグリーグの代表作。メロディーやピアノの使い方、管弦楽に感じるの瑞々しさは非常に魅力的。特に1楽章と2楽章は秀逸。しかし個人的には若書き感がどうしても気になってしまい、曲に浸りきれないのが残念である。
交響曲 ハ短調(作品番号無し)
2.5点
ベートーヴェン以来の伝統を受け継ぐドイツロマン派の色が濃い交響曲。あまりにカタいため、グリーグの良さがすっかりスポイルされている。北欧風を匂わす、そこそこ美しい箇所はふんだんにあるものの、浸れないまま次の場面に移って、ありきたりなゴツいドイツ風になってガッカリというのを繰り返す。グリーグに交響曲が向いていなかったのは明らかだ。大作曲家の書いた交響曲としては失敗作かもしれないが、とはいえ北欧マイナー交響曲の一つ思って聴く分には、特に前半は十分に聴く価値はあると思う。3楽章や4楽章はドイツ臭すぎてオリジナリティが無く、正直萎える。
弦楽合奏曲
組曲『ホルベアの時代から』(作品40、ピアノ独奏版:1884年/弦楽合奏版:1885年) ※俗に『ホルベルク組曲』とも呼ばれる。
3.5点
バロック音楽の様式を借りている。古臭い様式とグリーグの個性が上手くブレンドされて高い効果を挙げており、単なる擬古典的な内容ではなく、明るい詩情があり、独特の新鮮で清新な魅力を放つ作品となっている。ピアノ版より弦楽合奏版の方が良い。ピアノ版は古いクラブサン音楽に似ていることが分かる点では面白い。
ピアノ独奏曲
ピアノ・ソナタ ホ短調(作品7、1865年)
3.0点
グリーグらしい音の動きによる叙情性や温かみは多くの場面で発揮されており、それなりに魅力がある音楽である。しかし、4楽章制のピアノソナタらしい大規模さの効果が乏しい。この素材を小曲集としてまとめた方がよかったのでは、という気がする。初期作品であり、書法もこなれていない。
抒情小曲集
ピアノ独奏曲の小品集。独立した曲として名曲と呼べるのは少ないが、曲集として聴くとなかなか多彩で楽しめる作品が多い。
第1集(作品12、1864年 - 1867年)
3.3点
1分から2分の小品が並んでいる。新鮮で若々しい感情、爽やかでありながらも、叙情的というに相応しい感情を込めた音楽はなかなか良い。初期の名作群に通じる叙情性の優れた発露と北欧の民族的な音感がここにも見られる。
第2集(作品38、1883年)
3.5点
1集から16年を経て音楽的にはるかに深みが出ており、なかなかに楽しめる曲集になっている。特に1曲目が美しい。
第3集(作品43、1886年)
3.5点
1曲目と6曲目は叙情小曲集の中でも有名。特に6曲目の「春に寄す」は音響効果が絶大な伴奏と素朴な美しいメロディーにより、美しい抒情性の極みのようなレベルに到達した曲であり、素晴らしい。この曲集も透明感のある叙情が素朴かつ詩的に表現されており、グリーグの良さがよく現れている。
第4集(作品47、1885年 - 1888年)
3.5点
音楽的な成熟を深めており、ピアノの書法も洗練と充実がより進んでいる。凄い名曲は無いのだが、個性的で一つの世界を形作っている曲が並んでおり、通して聴く場合の楽しさはなかなかのレベルである。
第5集(作品54、1891年)
3.5点
一歩踏み込んだ精神的深みや、曲の構想の大きさが印象的。それがどの曲にも感じられるため、全体の統一感があるとともに、曲集を通して聴いた場合のずっしりとした満足感につながっている。若い瑞々しさが減ってきているが、独特の叙情的な感じは十分に感じられるし、民族的な面白い音使いがみられて楽しい。ただ、全体にやや暗い雰囲気が多い印象もあり、爽やかさが足りない。
第6集(作品57、1893年)
3.5点
全体的な感触としては5集に近い。ただし、5集ほど統一した深さとずっしりとした重さはなく、その代わりに曲の個性の印象は少し強い気がするのと、陰鬱さがやや減ったところがよい。最後のモノローグのような曲が強い印象に残った。
第7集(作品62、1895年)
3.8点
全ての曲が詩情豊かでメロディーに魅力がある名作。曲の対比も効果的で、次の曲がよく聞こえる配置になっている。成熟しており、後期ロマン派が獲得した多様な明確で耽美的な表現力が活かされている。
第8集(作品65、1896年)
3.3点 ただし「トロルドハウゲンの婚礼の日」は4.5点
5曲目までは、モノローグ的な物語を沈鬱に語るような雰囲気の曲が多い。気が滅入りそうになる。それにしても最後の「トロルドハウゲンの婚礼の日」は最も人気があるのも当然の曲。婚礼というめでたい日の描写が大変優れている。人々のせっせと働いて準備をして、婚礼を進める情景が目に浮かぶようだ。ワクワクするような活気がある。忘れられずに頭の中で何度もメロディーがリフレインする。場面展開も非常に優れていて、大成功している。
第9集(作品68、1898年 - 1899年)
2.8点
小さな曲ばかり。それにも関わらず第8集と似たモノローグ的で陰鬱な活気のない曲、ロマン派的な潤いがない曲が多いため、あまり楽しく聞けない。
第10集(作品71、1901年)
3.3点
そこそこの曲と9集のようなイマイチな曲が混ざっているが、概ね悪くない曲が多い。それなりの発想の良さを感じる。最後の清澄なワルツでこれまでの紆余曲折を清算し全てが救われる感じがして感動的である。
室内楽曲
ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ長調(作品8、1865年)
3.0点
オーソドックスな中に心温まるような親愛なる感情や個性的な音感を見せたり歌心をさりげなく発揮する個性が、若書きだがよく出ている。楽しめる曲なのだが冗長な感がある。
ヴァイオリン・ソナタ第2番 ト長調(作品13、1867年)
2.5点
2楽章や郷愁をさそうメロディーが良い。3楽章も所々良い箇所がある。1番よりバランスが良くて自分の型が出来あがっているのが分かるのだが、曲の魅力はむしろ少し落ちると感じる。
ヴァイオリン・ソナタ第3番 ハ短調(作品45、1887年)
3.5点
非常に情感豊かな曲で初期に書かれた2曲とは全く雰囲気も音楽の作りも違う。暗い情熱を微かに湛えて瞑想的な1楽章。感傷的な夢見るような雰囲気から情熱に向かう2楽章。3楽章は情熱を全面に出して、ロシア的な粘っこい暗さや冬の厳しさを感じさせる。
チェロ・ソナタ イ短調(作品36、1883年)
3.5点
大胆さが印象的。高音域から低音域まで幅広く使い、時にはテクニカルに時には存分に歌わせながら、力強い音楽を作っている。兄のために書いた曲だそうだが、小綺麗にまとめるよりも、チェロのポテンシャルを引き出して、弾き甲斐のある曲を書こうとしたことが伺える。グリーグらしい叙情や歌心も発揮されており、なかなかの魅力作。
弦楽四重奏曲(第1番)ト短調(作品27、1878年)
3.5点
全ての楽章が切れ目なく演奏される。冒頭がいきなり強烈な厳しい響きでとても驚いた。それ以降もときどき耳を突き刺すような響きが現れる。それと対比するような柔らかくて温かみのあるグリーグ節の主題も随所に見られて、場面によっては素敵だなと感じる。ダイナミックな場面でもグリーグらしい魅力を随所に感じる。中身がぎっしり詰まったなかなかの力作で、30分を超える全編にわたり楽しんで聴ける。ただ、室内楽的に聞こえない。管弦楽団の縮小版として書かれている印象だ。それと場面の切り替えによる変化がきつ過ぎて、ついていくのが大変。ただ、切り替わった先の音楽が良いので、すぐに落ち着くことができる。なお弦楽四重奏曲の2番は2楽章までしか書かれていない。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B0%E3%83%AA%E3%83%BC%E3%82%B0
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2022/06/07 (Tue) 01:52:16
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ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov, 1844 - 1908)
リムスキー=コルサコフ 『シェヘラザード』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/898.html
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ニコライ・リムスキー=コルサコフ(Nikolai Andreyevich Rimsky-Korsakov, 1844 - 1908)
交響曲
交響曲第1番 Op.1(1861年-1865年/1884年) ― 第1版は変ホ短調、改訂版はホ短調
3.3点
シューマンの音楽の進め方の手際の良さや硬めの響きにロマン的香りを封じ込める点が似ていて、手本にしたのがよく分かる。しかし、ロシア的な開放感と大地の広さとスラブ的な音像はあり、オリジナリティを感じる。作曲年代をみると元は若書きだが、円熟してから改作されておりオーケストラの充実感などは壮年らしいものになっている。まだロシア音楽が完全に確立していない折衷の感じがなんとも微笑ましい。形式的すぎて深みに乏しいが、なかなか良い曲である。
交響曲第2番「アンタール」Op.9(1868年/1875年/1897年) ― 1897年版で交響組曲に改められる。
3.3点
中東的な旋律、華やかで開放感がある雰囲気など、シェヘラザードと強く類似する曲。交響曲的でなく、交響詩の連作に近い。物語性が少ないのと、旋律に強く心をとらえて離さないほどのものはないため、シェヘラザードより1.5ランク落ちるとは思う。しかし、それでも娯楽性が高くて充分に楽しめる曲になっている。
交響曲第3番 ハ長調 Op.32(1866年/1873年/1886年)
3.3点
シリアスで構築的な交響曲。がっちりとした骨格の太さが印象的だが、一方で伸びやかさには欠ける。それでもリムスキー=コルサコフらしい華があるのが良いところだが、あまり焦点が当たらない。かなりドイツ的であり、ドイツ音楽が好きな人だと感激するかもしれない。正統派ともいえる。ただし、メロディーは印象に残らない。
協奏曲
ピアノ協奏曲 嬰ハ短調 Op.30(1882年-1883年)
4点
期待せずに聞いたらかなりいい曲で驚いた。ピアノも効果的に使われている。
管弦楽曲
スペイン奇想曲 Op.34 (1887年)
交響組曲「シェヘラザード」 Op.35 (1888年)
5.0点
千夜一夜物語に基づく作品であり代表作である。華麗な管弦楽法を駆使した、まさに壮大な物語絵巻を見るような色彩感の豊かさと幻想的な華かさと物語性をもった作品であり、楽しい時間を過ごせる。何度聴いても心が躍り、少年のような気分になって冒険気分を味わえる。エキゾチック感も満載で、まだ見ぬ新世界を旅する物語を見ているかのようだ。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
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2022/06/07 (Tue) 01:52:41
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ガブリエル・ユルバン・フォーレ(Gabriel Urbain Fauré, 1845年5月12日 - 1924年11月4日)
ガブリエル・フォーレ 『夢の中に』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/912.html
フォーレ自作自演
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/161.html#c1
最美の音楽は何か? _ ガブリエル・フォーレ『ベルセウズ Op. 16』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/307.html
最美の音楽は何か? _ ガブリエル・フォーレ『ヴァイオリンソナタ第1番イ長調 作品13』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/306.html
最美の音楽は何か? _ ガブリエル・フォーレ『ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 作品15』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/358.html
最美の音楽は何か? _ ガブリエル・フォーレ『ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 作品45』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/357.html
最美の音楽は何か? _ ガブリエル・フォーレ『レクイエムニ短調 作品48』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/992.html
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ガブリエル・フォーレ(Gabriel Fauré, 1845 - 1924)
半音階的にじわじわ変化するニュアンスの妙が特徴。それが弦楽を主体とする室内楽にマッチしているため、重要作を沢山書いてる。ピアノ曲もフランス人作曲家の中では重要である。昔は、はっきりしない音楽性がピアノの打楽器的要素を活かさない点でイマイチだと思っていたが、慣れてくると案外いろいろな曲があることも分かり、楽しめるようになった。
管弦楽曲
ペレアスとメリザンド Op.80(Pelléas et Mélisande, 1898年)
3.0点
4曲目「シシリエンヌ」5.0点
劇付随音楽からの抜粋の組曲。悪くはないし、フォーレらしさはそれなりに発揮されていて、場面描写音楽として素直に楽しめる。しかし、3曲目までは素晴らしいという程ではなく、よくありがちな音楽だと思ってしまう。4曲目のシシリエンヌは有名な曲であり、これだけは別格に美しい名曲である。メロディーの美しさ、声部の重ね方、和声の妙が非常に素晴らしい。ケクランによる編曲も見事。
室内楽曲
ピアノ五重奏曲第1番 ニ短調 Op.89(1903年 - 1906年)
3.8点
1楽章の弦の持続音とピアノの分散和音による渋い世界はなかなか。2楽章は名曲。冬の寒さ、透き通った空気と夜の暗さと、その静寂の中を生きる孤独な魂を感じる。3楽章はあえて音の動きを制限しているかのように始まり、中間はじわじわと奔流のように渋く盛り上げていく。フォーレの魅力に溢れた名作だが、3楽章後半が惜しい。じわじわと調性感を薄めて盛り上げたにも関わらず、最後だけ急に平凡な古典的音楽のように終了するのは、意図的にそういう面白さを狙ったのかもしれないが個人的には残念に感じた。
ピアノ五重奏曲第2番 ハ短調 Op.115(1919年 - 1921年)
3.8点
晩年に入り、音の輪郭がぼんやりしている。半音階的な和声の変化が美しい1楽章はなかなか。3楽章の緩徐楽章は、クリスマスのように肌を突き刺す厳冬と心のほかほかとした温かさを両立させた、感動的な名曲。これは泣ける。この楽章だけでも曲の価値の半分以上がある。4楽章の地味なじわじわとした渋い終楽章の盛り上げ方は味がある。
弦楽四重奏曲 ホ短調 Op.121(1924年)
3.5点
最後の曲。渋いが、ピアノが無いことが良いほうに作用し、非常に純度が高く深みがあって、自分としては聞きやすい。フォーレの晩年の音楽にこの形式は合っていると思う。豊潤な音の泉のようなフォーレの室内楽であるが、この曲はその中でも特に身を浸すように聴ける。
ピアノ四重奏曲第1番 ハ短調 Op.15(1879年)
3.5点
典型的な初期から中期のフォーレの室内楽という印象。玄妙な1楽章もよいが、一番素晴らしいのは力強いエネルギーに溢れている4楽章だろう。かなり聞き応えがある。ピアノ四重奏のバランスと弦楽器の音の重ねかたの妙など、室内楽の醍醐味を満喫できるかなりの力作である。
ピアノ四重奏曲第2番 ト短調 Op.45(1886年)
4.0点
1楽章は渋くてかっこいい。2楽章はそれに輪をかけね濃厚で重たくて、ピアノのトレモロやユニゾン醸し出す重厚さに痺れる。3楽章のしっとりしたピアノは心を揺さぶるものがある。悲しげな呟くような弦も素敵。4楽章のじわじわとした盛り上げ方も素晴らしい。
ピアノ三重奏曲 ニ短調 Op.120(1922年 - 1923年)
3.5点
弦楽器はシンプルな書法だがつまらなくはなく、後期らしい世界にどっぷり浸かれる。たっぷり楽しんで20分弱という短さなのは驚きで、密度が濃いためもっと長く感じる。ピアノの中音が強いため、ヴィオラが無いのはむしろバランス的に良い。明快さは無く曇った音楽だし、割り切れない印象なのは他と変わらないのだが、割と聴きやすい。
ヴァイオリン・ソナタ第1番 イ長調 Op.13(1876年)
3.3点
フォーレの独特の弦楽器の積み重ねの醍醐味がない代わりに、すっきりした端正さがある。内容的に、フランクを頂点とする後のフランスの一連のヴァイオリンソナタの嚆矢となった作品だとどうしても思ってしまう。特段に優れている楽章はないと思うが、独特のフォーレらしい諸特徴に追加して、割合と優雅さであり、憂いを含みながらも心地よい印象があり、楽しんで聴ける。
ヴァイオリン・ソナタ第2番 ホ短調 Op.108(1916年 - 1917年)
2.5点
1楽章も2楽章も3楽章も転調が多すぎて、よく解らない変な謎の音楽という印象。後期らしい深みや謎めいた美しさを多少感じるところはあるが、ヴァイオリンソナタはシンプルな編成であるだけに欠点が目立つ。
チェロ・ソナタ第1番 ニ短調 Op.109(1917年)
3.0点
チェロソナタはただでさえ渋いフォーレの音楽がさらに渋くなり、特殊な世界の感が強まる。とはいえ2楽章や3楽章はどことない新鮮な目新しさがあり、おっと思わせるものがある。ただ、最初から最後までやはり不明瞭な突き抜けない音楽のままであり、良作とは思えない。
チェロ・ソナタ第2番 ト短調 Op.117(1921年)
2.8点
調性を不明確になるように半音階的な音を繋げる1楽章。連綿と悲しく渋い独白をする2楽章。3楽章は明るくならず玄妙だがすっきりせず、あまり出来が良くないと思う。全体に晦渋で分かりにくい。フォーレがよく見せるチェロの魅力の一面を引き出してたっぷり堪能させるものの、十分な成功作とは思えずマニア向けのレベルに留まっている。
シシリエンヌ ト短調 Op.78(1898年)
即興曲 変ニ長調 Op.86(1904年)
2.8点
ハープ独奏。フォーレらしさを上手く生かした内容充実の名作のようにも聞こえるし、ピアノ曲の書き方をそのままハープに使っていていまいちのようにも聞こえる。ピアノ曲の即興曲よりも大作。展開が自由で、本当に即興的なようにも聞こえる。ハープ独奏曲をほとんど聴いた事がない自分には評価の基準がなくて聴き方もよく分からない。所々なかなか良いと思う箇所がある程度で、それほど良い曲という印象がないのが率直な感想である。
ピアノ曲
ヴァルス・カプリス
1. イ長調 Op.30
3.5点
他のピアノ曲と全く違う外面的な華麗な華やかさと優雅さに満ちたワルツで驚く。ショパンのワルツをいやでも想起する。規模が大きくて多くのメロディーが入っていて愉しい。もちろん、フォーレらしい渋い音の動きも多くの箇所で見られる。カプリスの名称が付いているだけあって、曲の変化が多い。
2. 変ニ長調 Op.38
3.5点
1番と同じにならないように、様々な工夫をしているように感じる。1番よりやや渋いが、基本的に外面的な華やかさの楽しさは1番と同じである。
3. 変ト長調 Op.59
3.5点
中期に入ってからの曲であり、凝った構成を作る熟練度の高さが聴いただけでも伝わってくる。外面的な分かりやすさは減っているが、やはり愛すべき優雅なサロン風の作品であるし、多様な楽想が入った力作と感じる。
4. 変イ長調 Op.62
3.5点
3番よりさらに分かりにくくなり、リズムの軽やかさが幾分失われて平板な音の連なりになり、他のピアノ曲に近付いている。とはいえ、ワルツカプリスらしい外面的な華麗さや音自体の活力を完全に失ったわけではなく、舟唄や夜想曲とは違う聴いていて愉しい気分にさせてくれる所は十分にある。内容的にも密度の濃さを感じる力作である。
即興曲
1. 変ホ長調 Op.25
3.5点
サロン風の曲。ショパンの即興曲の影響も感じられるが、曲の雰囲気は前奏曲や練習曲にもっと似ているものがあると思う。外面的な華やかさと霊感に満ちた各部分は、軽やかさもあり聞きやすく愉しい。
2. ヘ短調 Op.31
3.8点
1番に通じる華やかさと軽やかさに加えて、優雅で高貴でしなやかな抒情性があり、名曲と呼べるレベルの完成度と魅力を持った曲になっている。
3. 変イ長調 Op.34
4.0点
これは名曲。旋律の優美さと品の良さ、内容的豊富さ、和声やパッセージの絶妙な移りゆく流れの良さなど、際立って完成度が高い。
4. 変ニ長調 Op.91
3.0点
あまりにも複雑にメロディーがスパゲティのように絡み合っていて、よく理解できない。複雑さが産む謎めいた感じや、フォーレらしい奥ゆかしさは悪くない。
5. 嬰ヘ短調 Op.102
3.5点
これは面白い曲。無窮動で激しく動き回る右手と左手の音の転がりは、とても刺激的であり様々な様相を呈する。印象派的であるが、もっと強靭な力強さがある狂詩曲の方が近い。フォーレ作曲であることが驚きの作品。
夜想曲
1. 変ホ短調 Op.33-1
3.8点
静謐で漆黒の闇の夜を描いたような曲。ずっと静かな雰囲気であり、ショパンどころかフィールドまで思い出す。ある意味で直球勝負の曲であり、メロディーが魅力的であるため成功している。初期らしい純粋さが魅力。
2. ロ長調 Op.33-2
3.5点
1曲目と比較すれば、激しさがあったり、明るさを含んだ憧憬を見せたりと変化がある。変化の付け方はショパンの影響が明白。この曲もメロディーが魅力的で成功している曲。
3. 変イ長調 Op.33-3
3.0
儚く非常に繊細で静かな曲。雰囲気は悪くないが、メロディーの魅力が足りないので、凡庸な曲という印象を拭えない。
4. 変ホ長調 Op.36
3.8点
色とりどりの繊細なニュアンスに満ちている美しい曲。ノクターンらしい曲である。メロディーが特に優れているわけではないが、自由に変化し続ける雰囲気の精妙さや叙情性はかなり良い。
5. 変ロ長調 Op.37
3.3点
美しい箇所は所々にある。特に中間の大きな感情のうねりと高まりは感動的な演出である。しかしながら、曲が長すぎであり、飽きてきてしまう。冗長な作品だと思う。
6. 変ニ長調 Op.63
4.0点
大いなる感情に揺り動かされる感じが非常に感動を与える曲。高貴さ、深遠さを持ち、神秘的ともいえる儀式のような出来事が展開されるさまに圧倒される。この曲独自の世界を作り上げていて、メロディーの印象深さとともに忘れがたいものを残す。とにかく「特別な音楽である」感が凄い。それを楽しむ曲である気がする。
7. 嬰ハ短調 Op.74
3.3点
力強さやゴツゴツとした印象など、それまでとは違う世界を感じる。規模の大きな作品。メロディーにさほど魅力を感じないし、展開も感動するほどではないが、野心的に新しい世界に踏み出しているのは分かる。ただ、曲が長すぎると思う。
8. 変ニ長調 Op.84-8
3.5点
短い2分半の曲。夢を見るような雰囲気は、この短さでまとめてしまうのはもったいないほど魅力的だと思う。左手の分散和音は常套手段だが、この曲では特に成功しているように聞こえる。
9. ロ短調 Op.97
2.8点
分散和音でないゴツゴツとしたぎこちない伴奏の上で、曖昧なメロディーが半音階的に謎めいた進行をするのを最後まで続ける曲。その雰囲気自体は慣れれば悪くないと感じるが、変化があまりに乏しい。
10. ホ短調 Op.99
3.0点
夜想曲9番と同様の半音階的で曖昧な雰囲気でメロディーに魅力を感じないが、途中からドラマチックになる場面があり盛り上がれるなど、変化があるのがよい。
11. 嬰ヘ短調 Op.104-1
3.3点
憂いやロマンティックな感情を含んだメロディーに魅力がある。9番や10番より普通の曲。
12. ホ短調 Op.107
3.3点
ピアニステイックに劇的な盛り上がりを作る曲。それと晩年らしいくすんだ音色の取り合わせが独特の効果を産んでいる。
13. ロ短調 Op.119
3.5点
バラード的な物語性がある曲。規模が大きくて、それに見合うメロディーの魅力や構成の複雑さがあり、聞き応えのある魅力的な力作。古い物語がその場で語られているかのようなワクワクする感じがある。
舟歌
1. イ短調 Op.26
3.0点
柔らかくて舟歌らしい美しいメロディーで最初は良い感じなのだが、リズムや和声が平板なまま曲が続くので後半は飽きてしまう。
2. ト長調 Op.41
2.5点
メロディーが少なくてメロディーの部分もはっきりしないために、曲が頭に入ってこない。アルペジオを主体とした華やかな美しさは所々に見せるのだが、やはりメロディーが無いと楽しみが少なくなる。
3. 変ト長調 Op.42
3.3点
陰影に富み、ショパンのような洗練された美しい発想を随所で聴かせる曲。テクニカルな部分もあり、7分を飽きずに聴かせる。
4. 変イ長調 Op.44
3.0点
3番のようなテクニカルさはあるが、3番ほど陰影は深くなく、どちらかというと単純な美しくて分かりやすいメロディーの繰り返しにより曲が構成される印象が強い。そのメロディーは柔らかくてキラキラとした水面のようで美しい。
5. 嬰ヘ短調 Op.66
3.3点
力強さや明るい運動的な華やかさがある曲。とはいえ、コルトーの言うように舟歌の最高傑作かと考えると、はっきりした明快な良さが無い謎な曲しか自分には思えないため、ピンと来ない。
6. 変ホ長調 Op.70
3.8点
明るくキラキラとしていて、風光明媚な観光地を連想するような曲。分かりやすいし素敵な曲。中間は精密で玄妙。
7. ニ短調 Op.90
3.5点
3分の短い曲。キラキラとした印象的な分散和音が素敵。華やかな前向きの推進力があり、なかなか良い。
8. 変ニ長調 Op.96
3.0点
頻出する音階が演出する前向きの力強さは良いのだが、メロディーにあまり魅力がないのが残念。
9. イ短調 Op.101
3.5点
室内楽的なダイナミックでピアニスティックな盛り上がりや力強さがあり、メロディーも魅力的。分かりやすくて、聞き応えがある作品。
10. イ短調 Op.104-2
3.0点
短い曲。しかし、くすんだ色の、はっきりしない雰囲気が続き、なんとなく終わる曲。
11. ト短調 Op.105-1
3.0点
ピアニスティックな力強さがあるのは良い。しかし、メロディーはくすんでいて、はっきりしないした色がないのは10番と同じ。
12. 変ホ長調 Op.105-2
3.5点
6番と同様の風光明媚な観光地のような明るい雰囲気と、キラキラした水の描写が素敵な曲。
13. ハ長調 Op.116
3.5点
12番ほど明快なメロディーの魅力があるわけではないにしろ、この曲も素敵なメロディーと雰囲気があるとともに、内容の充実感を感じる。満足感を感じながら聞き終われる。
前奏曲集 Op.103(1910年)
【1. 変ニ長調 / 2. 嬰ハ短調 / 3. ト短調 / 4. ヘ長調 / 5. ニ短調 / 6. 変ホ短調 / 7. イ長調 / 8. ハ短調 / 9. ホ短調】
3.3点
全9曲。曲が3分程度と短くて、かなりバラエティーに富んでおり聴きやすい。舟歌や夜想曲と違い、テクニカルな曲、アンニュイな曲、厳格なカノンまであり、フォーレがこのように様々な曲を書けたのかと驚くほどである。全体の曲の配列は順番に通して楽しめるようにある程度のストーリーがある。書いた年代も同じであるため、ひとまとまりの曲集として聞ける。
その他ピアノ曲
3つの無言歌 Op.17 (1863年?)
1曲目はあまり大した曲ではないが、2曲目は割と良いメロディーで印象に残る。素晴らしいのは3曲目でメンデルスゾーン的な軽快さとフォーレらしい音の使い方という異質なものが驚くべき適切な融合をみせて、耳に残る楽しい作品になっている。
バラード 嬰ヘ長調 Op.19 (1879年)
3.5点
フォーレとしては長い曲。明るく華やかでバラードらしい物語性もある。移りゆく雰囲気の変遷と、フォーレらしい半音階的な和声の玄妙さも味わえるという、かなり素晴らしい曲。
マズルカ 変ロ長調 Op.32 (1878年頃)
2.0点
これは駄作だろう。そもそもマズルカっぽさが主題の一瞬だけである。メロディーに魅力がなくてマズルカを書こうとしてしとした感が強い。6分というマズルカにしては長い曲だが展開も主題の魅力のなさを引きずっていて、いろいろやっているのだがどうも楽しくない。
ピアノ組曲『ドリー』(Dolly)Op.56(1893年 - 1896年)
【1. 子守歌 / 2. ミ-ア-ウ / 3. ドリーの庭 / 4. キティー・ヴァルス / 5. 優しさ / 6. スペインの踊り】
4.0点
チャイコフスキーのくるみ割人形を思い起こすような、メルヘンチックでバラエティーに富んだ、分かりやすくて天才的なメロディーの曲ばかり。晦渋で難解な作品の多いフォーレだが、本気で親しみやすい曲を書けばこれほどの才能があったのかと驚く名作。
『主題と変奏』(Thème et Variations)嬰ハ短調 Op.73(1895年)
4.0点
気高く美しい主題。変奏もずっと緊張の糸を切らさず、ベートーヴェンに匹敵する厳しく深い精神性を保った真剣で真摯な音楽が続く。フォーレにしては明確な和声と主題であり分かりやすい。後半になってフォーレらしい曖昧さが効果的に使われる所もうまい。ロマン派を代表するピアノ用の変奏曲の一つ。フォーレのピアノ曲が苦手な人にも自信をもって薦められる。
8つの小品 Op.84 (1896-1902年)
3.3点
1分から3分の小品。なかなかの音楽的華やかさがあり、精神的深みと両立していて聞きやすく楽しい小品修正。対位法的作品の2作は若いときの作品だそうだが、聴いた印象は違和感がないし優れている。
宗教曲・合唱曲
レクイエム Op.48(1887年)
4.5点
柔らかいメロディー、優しく包み込むような静かで包容力のある管弦楽。静謐な祈りと哀惜感の強さが心を激しく揺さぶり、強く感動させられる。3曲目と4曲目が特に好き。少年合唱の生み出す透明感と純真は最高である。分かりやすくないフォーレの大作の中にあって、この曲は誰でもすぐに魅力が分かる。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%95%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%AC
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2022/06/07 (Tue) 01:53:20
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レオシュ・ヤナーチェク(Leoš Janáček , 1854年7月3日 - 1928年8月12日)
レオシュ・ヤナーチェク 弦楽四重奏曲 第1番 ホ短調『クロイツェル・ソナタ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/902.html
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レオシュ・ヤナーチェク(Leoš Janáček,1854-1928)
シンフォニエッタ
3.5点
最初は盛大ながらも異質な何かをもつファンファーレで始まる。独特のおとぎ話的なフワフワとした夢の中のような幻想性があり、現実的な質感とか重みに乏しい感じがある。場面転換の仕方も、現実から精神的な自然さではなく、急に別世界に移行するような突発的でふわっとしたものを感じる。ディズニーのような幻想的な仮想世界を空を飛びながら旅するような楽しさがある曲。とてもオリジナリティのある独自の世界がある。
弦楽四重奏曲第1番『クロイツェル・ソナタ』
3.5点
物語性の明確さが楽しい。主人公の苦悩の表現と思われるものや悲劇性を、原作を知らなくても追体験できる。曲が短いのも良い。こんな悲劇的で歪んだ精神の悲劇を長時間聴かされたら、いたたまれない気持ちが続いてたまったものではない。音の絡み方など弦楽四重奏として充実している。文豪による19世紀の小説らしい雰囲気の音楽による再現としては圧巻と言ってもよい。
弦楽四重奏曲第2番『ないしょの手紙』
3.5点
歪みひしゃげた音は、とても女性への思慕を表現していると知識なしには理解できない。しかし、もはや老人だったヤナーチェクの苦悩や罪の意識を表現していると考えれば、腑に落ちる感じはある。力強い表現力の音楽は胸に迫るものがあり、聴く者を強く音楽に入り込ませるものがある。最後の救いのある場面には、ほっとすると共に、作曲者の心情をどう解釈すればよいか悩んでしまう。1番と共に、20世紀の重要な弦楽四重奏曲だろう。
ヴァイオリンソナタ
2.5点
東欧的なエキゾチックさと、現代的な荒廃した精神の表現は悪くない。短い3楽章の印象が強い。全体に散漫であり、緊密さに欠ける印象である。特に前半はあまり良い曲だと思わなかった。後半はヤナーチェクらしい味があり狂気を楽しめるが、やや物足りない。
ピアノ曲
『草かげの小径にて』
3.0点
聴いたのは生前に出版された第1集。2集は死後の出版で補遺の2曲のみ。ピアノ小品集として、それなりのバラエティはある。
ピアノソナタ 変ホ短調『1905年10月1日 街頭にて』
3.3点
こなれたピアニスティックな書法ではないし、特別に高い完成度まで磨かれた感じでもないものの、強く印象に残るものがある曲。1楽章は変ホ短調の暗くドロドロした調性感そのままの曲調でもある。社会的な情勢の雰囲気を感じる1楽章と、浮遊感と孤独感が心の隙間を表現している気がする2楽章。2楽章の中間での音の歪んだ盛り上がりの作り方は弦楽四重奏の世界に似た心に強く迫るものを感じる。どちらも良い。
霧の中で
2.8点
全体に雰囲気重視であり、ピアノソナタのような有機的な音楽には感じられない。音楽的な濃さとか、心に迫る感じはない。雰囲気は悪くはないため最初は楽しめるが、内容が浅いため後半は飽きてくる。ドビュッシーに似たところは感じる。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E6%9D%B1%E6%AC%A7
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2022/06/07 (Tue) 01:53:50
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エドワード・エルガー(Sir Edward William Elgar、1857 - 1934)
エドワード・エルガー『独創主題による変奏曲(エニグマ変奏曲)』作品36
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/883.html
エドワード・エルガー『威風堂々』作品39 第1番 ニ長調
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/882.html
エドワード・エルガー 『愛の挨拶』作品12
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/881.html
エドワード・エルガー 弦楽合奏曲 『ため息』作品70
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/880.html
エルガー チェロ協奏曲
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/945.html
エドワード・エルガー 交響曲第1番 変イ長調 作品55
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/878.html
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エドワード・エルガー(Sir Edward William Elgar、1857 - 1934)
交響曲
交響曲第1番 変イ長調 作品55
4.0点
イギリスを代表する交響曲。最後に第一主題が戻ってくるところは感動してしまう。
交響曲第2番 変ホ長調 作品63
交響曲第3番 ハ短調 作品88(未完成。A.ペインによる完成稿あり。)
管弦楽曲
独創主題による変奏曲(「エニグマ(謎)」変奏曲)(Variations on an Original Theme("Enigma")) 作品36
行進曲「威風堂々」第1 - 6番(Military Marches "Pomp and Circumstance") 作品39-1 - 6(第6番は未完成。A.ペインによる完成稿あり。)
協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品61
2点
雰囲気はいいのだが、メロディーがぜんぜん印象に残らず、大曲なのになんとなく聴き流していたら終わってしまった。
チェロ協奏曲 ホ短調 作品85
室内楽曲
「愛の挨拶」("Salut d'Amour" ("Liebesgruss")) 作品12
5点
愛らしくていい小品。個人的な思い入れもあり5点。
ヴァイオリン・ソナタ ホ短調 作品82
弦楽四重奏曲 ホ短調 作品83
ピアノ五重奏曲 イ短調 作品84
声楽曲
オラトリオ「ゲロンティアスの夢」("The Dream of Gerontius") 作品38
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:54:14
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ジャコモ・プッチーニ(Giacomo Antonio Domenico Michele Secondo Maria Puccini, 1858 - 1924)
プッチーニ オペラ『ラ・ボエーム』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/907.htm
プッチーニ オペラ『蝶々夫人』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/908.html
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2022/06/07 (Tue) 01:54:39
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イサーク・アルベニス(Isaac Manuel Francisco Albéniz y Pascual, 1860 - 1909)
イサーク・アルベニス 『アストゥリアス』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/875.html
イサーク・アルベニス 『マラゲーニャ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/876.html
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イサーク・アルベニス(Isaac Manuel Francisco Albéniz y Pascual, 1860 - 1909)
ピアノ音楽の大家。ピアノに適合したピアノ曲を書いたという点では、かなり上位の作曲家だと思う。
最初は親しみやすく難易度の低い作品を書いており、晩年になって難易度の高い傑作を書いた。
スペイン狂詩曲
3.3点
ピアノ協奏曲形式。かなり通俗的。わかりやすいメロディーはよいが18分もあるとさすがに気になる。ありきたりのメロディーの連続にも聞こえる。とはいえ、スペインらしさとピアノ協奏曲の華やかさを楽しめる。
ピアノ曲
古風な組曲
マズルカ
スペイン舞曲
舟歌
組曲「スペイン」
全6曲。第2曲「タンゴ」が有名。「タンゴ」は熱気を含んだいかにもスペインらしい気だるさが心地よい曲。非常にいい曲である。
組曲「イベリア」全12曲
4.0点
晩年の名作。派手なパッセージはないのだが、演奏が難しいそうだ。たしかに楽譜をみると音だらけである。音楽はイメージの奔流であり内容が豊富で霊感にあふれている名作揃いである。ただし、曲の個性はあまり強くない。そのため統一感はあるが。ピアノ的な書法が素晴らしい。分かりやすい曲が多いアルベニスだが、この曲は成熟した大人っぽい雰囲気で不協和音も多くて渋い。明快な多くの作品と違い、複雑であり、何度も聞いても主なメロディーと構成が頭に入らず、すっきりと理解出来ない。20世紀のピアノ曲の名作のひとつ。霞の中のような感じで、幻想的で抽象的な場面が主である中に、スペインらしい現実感がたまに顔を覗かせる。そのさじ加減がよい。
ピアノソナタ5番
3.8
隠れた名曲。1楽章や3楽章のしなやかな叙情性の美しさが大変素晴らしい。ショパンと同様にピアノの機能と完全に結びつき同化した音楽であり、書法が見事である。ドイツ的なソナタらしい構築性や対比はそれほど見られないが、それを補ってあまりある詩情である。スペインとはどれだけ美しい国なのだろうか、と想像が膨らむほどである。早い2楽章と4楽章は短いので、主要ではない。落ち着きと旋律のよさが耳につく素晴らしいソナタである。後期ロマン派時代の屈指のピアノソナタであり、なぜマイナーなのか分からないほどだ。
ラ・ベーガ
3.0点
15分の大曲。変奏曲のように同じ動機を細かく変容させながら繰り返す部分を、いくつか組み合わせて作っている曲。伝説のような幻想的な雰囲気を漂わせる。ピアニスティックな場面も多い。内面的に情熱を持ちつつも、あまり全面に押し出さず奥ゆかしい。幻想曲のようであり、構成は弱いと思う。
スペインの歌
アストゥリアス(伝説)
4.0点
ずっとギター曲だと思ってた。ピアノ版もギターを模して書かれている。渋くてカッコいい。髭の濃いイケメンのスペイン人をイメージしてしまう。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3
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2022/06/07 (Tue) 01:55:19
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グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860年7月7日 - 1911年5月18日)
グスタフ・マーラー 『アダージェット』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/882.html
グスタフ・マーラー 『大地の歌』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/887.html
グスタフ・マーラー 交響曲第9番
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/885.html
グスタフ・マーラー 交響曲第10番
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/892.html
マーラー ピアノロールで自作自演
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/699.html
最美の音楽は何か? _ グスタフ・マーラー『フリードリヒ・リュッケルトによる5つの歌曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/610.html
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グスタフ・マーラー(Gustav Mahler, 1860 - 1911)
厭世的、世紀末的で、独特の時間感覚を感じる巨大な交響曲と、独特の絹の肌触りのような滑らかな音使いが特徴の歌曲を書いた。あまり品がいい音楽では無いし冗長さや支離滅裂さもあるが、音楽の可能性を遥かに大きく広げた。
交響曲・管弦楽曲
交響曲第1番ニ長調「巨人」
3.5点
1楽章の冒頭のフラジオレットが印象的。自然の描写など、メロディーや楽想に新鮮な魅力がある。2楽章は非常に分かりやすく、個性は発揮しているもののまだ普通の作曲家らしい印象。3楽章は有名な民謡を使い素朴な味を演出する曲。後のマーラーからは聞けない世界。4楽章は後年の多層性を連想する複雑な音の使い方など、多くの要素を盛り込み詰め込んだ野心的な力作。最後のトランペットによる英雄的なフレーズは心踊る。
全体に聞きやすく分かりやすく、メロディーがかなり魅力的。若々しい新鮮さも魅力。曲が短いので聞くのが楽など、いい点が沢山ある。まだ成熟しきっていない音の薄さやまとまりがあるが、むしろそれが青年らしい魅力になっている。冗長な部分はあるが、曲が長くないので苦にならず、集中力をもって聞ける。ただ、この次作からのお腹いっぱいになる感じはこの曲の場合は薄い。
交響曲第2番ハ短調「復活」- 独唱(ソプラノ、コントラルト)、合唱付
4.0点
単純で明快な和声と分かりやすい構成で、後年の複雑な音楽とはかなり異なる。叙情的でスケールの大きな音の絵巻物にゆったりと安心して浸れる。一方で単純ゆえの音楽の刺激の少なさや、4楽章の作り物っぽいわざとらしい大仕掛けには、まだ未熟という印象を持ってしまう面もある。とはいえ、瑞々しく下品でない叙情性と物語性と声楽の優秀さと最後の感動は大きな魅力がある。曲は長いが他の普通のロマン派に近い聞き方が出来る。
交響曲第3番ニ短調 - 独唱(コントラルト)、合唱、少年合唱付
4.0点
1楽章は30分オーバーの大作で、ブルックナー的な壮大さによる自由な自然賛歌。明るくて大らかで夢のように幻想的な、多くの素材がごった返す愉しい曲である。長いが聴きやすい。2楽章は1楽章と雰囲気が似ており、よりメルヘンチックで柔らかい。3楽章は薄暗くなった夜の精が戯れるのを連想させる遅めの曲。曲想は良いが間延びし過ぎ。4楽章はしっとりした歌曲で雰囲気がよい。5楽章はクリスマスみたいな小品。6楽章の前半の弦楽合奏は感動的でかなりの聞き物で非常に素晴らしい。後半はオルガン的な持続音の効果で感動的に盛り上げて締めくくる。非常に長い曲だが気力が充実している時に聴けばかなり楽しめる。全体に2番よりも精神も技術も成熟しており、明るい曲調なので気楽に聴ける。ただ、ここまで長いと1度に集中して聞くのはやはり困難。
交響曲第4番ト長調 - 独唱(ソプラノ)付
3.5点
1楽章は牧歌的でメルヘンチック。簡素な書法でたまに多義性を垣間見せるものの、全般に聞きやすい。2楽章のスケルツォは雰囲気は悪くないがインパクトに欠けるのであまり印象に残らない。3楽章の緩徐楽章は、美しくしなやかで、ゆったりした時間の流れの中で刻々と雰囲気が移り変わっていく様子が楽しい。夕焼けから夜に移っていく大自然のようなゆっくりとした時間である。4楽章は天上的な世界の不思議な雰囲気だが、交響曲の締めくくりとしてはあまり効果的でない気がする。全体に、楽曲の規模の小ささに比例ではなくそれ以下の小さな世界が構築されており、聞きやすいしインパクトに欠ける。前後の巨大な交響曲群は1つの映画のような規模感だが、この曲は映画をクライマックスを削除して半分位にまとめたイメージ。美しさなどこの曲独特の価値はあるのだが、3楽章以外は真骨頂が現れていると言いにくい。
交響曲第5番嬰ハ短調
4.0点
1楽章はマーラーには珍しい少ない動機の徹底的な展開でかなり分かりやすい。動機の提示もトランペットの独奏で分かりやすくて印象的。2楽章は1楽章をもう少し複雑でカオス的で闘争的な方向に持っていった曲で、複雑過ぎて印象はやや薄まるが、内容はかなり濃い。
3楽章はお得意のメルヘンチックな音楽で始まるが、刻々と雰囲気を変えていき、2楽章同様にやはりかなり内容が濃い。しかし冗長なので後半は聞いていて疲れてくる。4楽章のアダージェットは有名だが、世界が凍ったようにゆったりした時間と透明な水色のような透き通った世界は非常に素敵。このような世紀末的な破滅をはらんだ美しさをたたえた曲はそれまで無かったのではと思う。5楽章の牧歌的に始まり、対位法的な活気のある明るい陽のあたるような世界も素晴らしい。喜ばしい気分は心地よいものだが、長さのバランスを取るためか冗長な部分がある。
全体に、チャイコフスキーなどを連想するような、普通の後期ロマン派らしい音による説得方法を見せており、偏りが少なくバランスが良い。また、闘争から勝利へのテーマと流れが分かりやすい。肥大化した音楽ではあるが、まとまりは良い。多層性は、まだここぞという場面のみで出るため、効果的に使われている。聞きやすく内容も濃いので高く評価出来るが、一方で正統派過ぎるゆえに、他の大作曲家と比較して密度や偏りの点である種の物足りなさがある。また、隙間を埋めているだけのような冗長さを感じる場面があるのが残念。
交響曲第6番イ短調「悲劇的」
3.5点
1楽章は長いが緊密である。悲劇的で大仰な激しい起伏を楽しむ曲。2楽章のスケルツォ(3楽章と逆の場合も)は、トリオが聞きやすいのに不安定で、主部は1楽章同様に騒々しい。3楽章は牧歌的であり、中間の夜の世界や最後の盛り上がりは素敵。2楽章までの疲れを癒せる。4楽章は初めは素晴らしいのだが、段々わけの分からないカオスになる。全編の半分以上は混乱したカオスである。とはいえこの楽章が一番優れているだろう。最後はまさに悲劇的。全体に打楽器が活躍し、管楽器の使い方が激しくて、大変に騒々しい。音に説得力があり過ぎで疲れるし、気合いが入りすぎで大人げない。ただ、豊富な楽器数と大仰な劇的さを大作を通して貫いた創作意欲は敬服する。既存の管弦楽の限界を突き破ってる。間延びした部分は少なく、ギッシリと音を詰め込んでいる。音楽の多義的で多層的な音作りは7番ほどのやり過ぎにはまだ至っていないので、聞きにくくは無い。
交響曲第7番ホ短調「夜の歌」
3.0点
1楽章はヒステリックな高音の弦楽やドンチャン騒ぎが耳につく。劇的な効果を狙っていると思われるが、不自然であり病的に聞こえる。2楽章も猥雑な音楽であり、マーラーが後期に向かって音楽の複雑性を増していく過渡的な作品との印象。3楽章は落ち着かないグロテスクで悪魔的なスケルツォ。間奏的な価値の曲。4楽章は室内楽的な響きの薄さで愛嬌がある。5楽章は突然の凱歌となり驚く。ノリが良く分かりやすい曲だが冗長。全体としては、まとまりが悪く気まぐれで猥雑であり、多層的で多義的な世界を突き進み過ぎである。良いメロディーや素晴らしい楽想は少なく、一つの作品としての完成度は低いと思う。
交響曲第8番変ホ長調「千人の交響曲」 - 独唱(八声部)、2群の合唱、少年合唱付
3.5点
舞台一杯に並んだ大合唱団と巨大オケによる作品。1楽章は非常に分かりやすい曲。分かりやすいメロディーの大合唱とオーケストラで圧倒する曲。2楽章は非常に長く構成が複雑で、耳につくような分かりやすいメロディーがなく、1楽章との関連も分かりにくい難解な音楽となっている。
交響曲第9番ニ長調
5点
1楽章は冒頭から大変魅力的で素晴らしい。マーラーの管弦楽法や作曲技法の粋を尽くしている。多くの素材を交錯させて、繊細な織物のように作り上げたよる世にも美しい作品。たっぷりと時間を使って切々と別離と人生の邂逅や死を歌う、はかなく悲しく美しい曲。2楽章は、楽しいレントラーであり、悲しさを裏に秘めつつも、初期のマーラーに戻ったかのような素朴な美しさが良い。3楽章は多声的な落ち着かないスケルツォ。この名曲の中にあってはあまり完成度も高い感じではなく、ピリッとしたスパイスとなる間奏という印象。中間に突然泣けるフレーズが来るところがよいが。4楽章は長大なアダージョで、緊密に書かれており無駄は少ない。別離の悲しみに浸りきる事が出来る。
この曲は遅いテンポの1楽章と4楽章は主であり、どちらも別離の感情と死の予感に満ちているので、そのまま曲全体の印象となっている。崇高な特別感がある。特に1楽章が特別な名作である。6番7番での実験を通過して音楽が昇化し浄化され、シンプルな世界に戻っており無駄も少ないので、代表作らしい完成度に至ったと思う。初演されないままとなり、推敲を経なかったのが非常に残念である。
交響曲第10番嬰ヘ長調(未完成。デリック・クックらによる補作あり)
3.3点
長い1楽章は音が薄く、音楽の密度もあまり濃い印象が無い。退廃的で刹那的な雰囲気は好きだし美しさもあるが、1楽章についても演奏できるレベルに達しているというだけで完成作とは言えないと思う。
交響曲「大地の歌」イ短調 - 独唱(テノール、コントラルトまたはバリトン)
5.5点
1楽章は冒頭から激しく、かっこよくてノックアウトされる。ボーカルの激しさに心を揺さぶられる。2楽章のはかなさもよいが、3楽章がメルヘンチックでありながらアンニュイさがある絶妙さ。そして、なによりも最後の第6楽章の「告別」が大変素晴らしい。30分間という独唱曲としては大変な長編だが、別れの気分をゆったりと存分に歌を堪能してお腹一杯になれるという点では、クラシック音楽全体でも屈指だろう。この楽章はバーンスタイン指揮のフィッシャー・ディースカウが好きだ。何回聴いたことか。
1時間の大作だが、交響曲の中では唯一、全体を通して無駄が全く無い曲であり、完成度はもっとも高いと思う。
歌曲
カンタータ『嘆きの歌』 (Das klagende Lied,1878-80)
3.0点
マーラーの原点ともいえる作品だが、のちに何度も改作されている。あまり強く耳を捉えるような魅力は無いと思った。交響曲や歌曲の作品と比べると、編曲こそ立派だが、メロディーや楽想に個性が確立されていないし薄味で面白くない。40分とそこそこ長いわりには、内容が盛り沢山という感がない。ところどころにマーラーらしさの萌芽はあり、コアなファンならそれを楽しむことが出来るかもしれない。
歌曲集『若き日の歌』 (Lieder und Gesänge,1880-91) - 全3集14曲
歌曲集『さすらう若者の歌』 (Lieder eines fahrenden Gesellen,1883-85) - 全4曲
4.0点
4曲全てが描写力に優れた名曲である。マーラーの歌曲では大地の歌に並ぶのではと思われる。心を強く打つ旋律の良さと分かりやすさがあり、管弦楽の上に乗って独特の旋律で歌うマーラーの魅力が発揮されている。曲が短いため自由すぎない聴きやすさがある。一曲目の最初の切な旋律の場面がまず魅力的でそれが最後まで魅力を保ち続ける。何度でも聴きたくなる曲。
歌曲集『少年の魔法の角笛』 (Des Knaben Wunderhorn,1892-98) - 全12曲
3.0点
この曲集はマーラー独特の魔法がかかっていない。バラエティには飛んでいるし、オケはゴージャスではあるが、曲の魅力としてはごく普通である。耳は楽しませるが、心が動かない。安っぽくて下品という自分の苦手なマーラーになっている場面が大半の場面を占めている。このボリュームで期待させるものがあったのに残念だ。マーラーとしてはこちらも本線の一つなのかもしれないが。
リュッケルトの詩による5つの歌 (Rückert-Lieder,1901-03) - 全5曲
3.8点
3曲は短く小品レベルである。とはいえマーラーの世界が全開でとても楽しい。どの曲も魅力的でどっぷり浸かれるマーラー歌曲の世界。私はマーラーが得意ではないが、歌曲は文句なしによい。壮大さと、感情的な揺れ動きの揺さぶられる感じと、何か大きなものに包み込まれている感じがとにかく心地よい。心を曲に任せていられる。そして聴き終わったら、感動にまた聴きたくなってしまう。小品も中程度の長さの曲も変わらずそれぞれに魅力的。
歌曲集『亡き子をしのぶ歌』 (Kindertotenlieder,1901-04) - 全5曲
3.8点
濃密で爛熟感の強いロマン的曲集。悲しみの感情が大規模のオーケストラによる包み込むような伴奏と、たゆたうような歌唱が存分に表現している。5曲目までもなかなか高いレベルだが、最後の曲はかなり感動的である。不安に心を揺さぶったあとに、大交響曲の終わりに匹敵するするじわっとした感動とその余韻に包まれて終わり、もう一度聴きたくなる。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%9E%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%BC
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2022/06/07 (Tue) 01:55:50
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フレデリック・ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius CH 1862 - 1934)
ディーリアス ブリッグの定期市
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/946.html
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フレデリック・ディーリアス(Frederick Theodore Albert Delius CH 1862 - 1934)
交響曲・協奏的作品
チェロ協奏曲(1921年)
管弦楽曲
管弦楽組曲『フロリダ』(Suite "Florida", 1886年 - 1887年)
夜想曲『パリ』(管弦楽曲)(Paris: The Song of a Great City, 1898年)
古い黒人奴隷の歌による変奏曲『アパラチア』(合唱つき)(Appalachia: Variations on an old slave song, 1902年)
イギリス狂詩曲『ブリッグの定期市』(Brigg Fair, 1907年)
3.3点
凡庸でない独特の美しさのある田園的な序奏と主題の変奏。息の長い変容と、少しの違和感をうまく使いこなす音使いと、しなやかで流麗なオーケストレーションのディーリアスの特長が端的に楽しめる。民謡的でありながら浮遊感と密かな陰影を持つ主題がよく作風とマッチしているし、変奏曲の聴きやすさもあって楽しめる。
幻想曲『夏の庭で』(In a summer garden, 1908年)
高い丘の歌(ヴォカリーズの合唱つき)(The Song of the High Hills, 1911年)
3.0点
大作であるがゆえに密度がうすくなり、スケールの大きさがプラスに働いていないと感じた。時間の流れの悠然としたのが物足りなく感じる。時間の流れは違うものの、小品を引き伸ばしたようなイメージである。ただし聴き込めばもっとよい曲と感じられる予感はある。
小オーケストラのための2つの小品 (2 Pieces for small orchestra)
春初めてのカッコウの声を聴いて (On hearing the first cuckoo in spring, 1911年 - 1912年)
3.5点
カッコーの鳴き声が何度も出てくるところが聴きやすい。4分の小品で独特の息の長い音楽を紡ぎ出す明るい光に包まれたような流麗さと自然の美しさの表現や音の使い方を堪能できる。ディーリアス入門にちょうど良い。なかなかの名品だと思う。
楽園への道 (The walk to the paradise garden, 1911年 - 1912年)(歌劇『村のロメオとジュリエット』 の中の間奏曲)
3.0点
美しいが、重さがなくて軽いバックミュージックの映画音楽のようである。クラシック音楽としてはあまり楽しめなかった。
(管弦楽組曲)『北国のスケッチ』(North Country Sketches, 1913年 - 1914年)
夏の歌(A Song of Summer, 1931年)
3.5点
かなり美しい交響詩。独特の幻想的な風景が、空気感と光彩と匂いを伴って、ヒースの生い茂る崖に腰掛けて海を見渡している場に本当にいるかのように感じさせるほど見事に表現している。没入感を感じさせる管弦楽の音色と使い方のうまさに感心する。音の流れを重ねていきながら積み重ねて息の長い大きな時間の流れを作るのに身を委ねるのが楽しい。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:56:14
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クロード・ドビュッシー(Claude Achille Debussy , 1862年8月22日 - 1918年3月25日)
最美の音楽は何か? _ ドビュッシー『ベルガマスク組曲 月の光』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/191.html
ドビュッシーの「牧神の午後への前奏曲」をもって現代音楽が始まった
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/809.html
ドビュッシー 歌劇「ペレアスとメリザンド」
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/819.html
ドビュッシー自作自演
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/160.html#c2
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クロード・ドビュッシー(Claude Achille Debussy, 1862 - 1918)
機能和声の枠を越えて新しい音楽を開拓し、印象派の名前のとおり曖昧で繊細な感覚的音楽を書いた。
音楽による詩情の表出力は天才的であり、詩のような小品において特に力を発揮した。
しかし、大規模な作品の場合も小規模の作品と同様の手法で書かれており、壮大さや力強さや構築的な展開に欠けるため物足りなく感じる。
バレエ音楽
カンマ 1911-12
3.0点
強い特徴は感じられないが、わりと聴きやすい。
遊戯 1912-13
3.0点
鑑賞用の曲としてどうこうというより、音楽的に非常に現代音楽の管弦楽曲に近いのが面白い。調声感の稀薄さと秩序に乏しい音の動き。
おもちゃ箱 1913
3.0点
わりと長いので全曲聴く価値があるかというと微妙だが、バレエ音楽として普通に楽しめる。
管弦楽作品
ドビュッシーの管弦楽曲はとらえどころがない曖昧な雰囲気に慣れる必要がある。
夜想曲 1897-99 Op91
1曲目 3.5点
穏やかな曲調の中に一つひとつのフレーズに詩情に満ちた夜の世界が表現されている。
2曲目 3.5点
夜想曲なのに祭典的な雰囲気の曲というのも面白い。なかなか充実感のある曲
3曲目 3.5点
女性コーラスの神秘的な海の精の表現が素晴らしい。
管弦楽のための『映像』 1905-12 映像第3集 Op122
1曲目 3.0点
特に強く映像的なものや想像力を喚起する印象はないが、管弦楽曲として純粋に楽しめる。
2-1曲目 3.0点
活き活きとしたスペイン情緒が愉しい。ドビュッシーにしては分かりやすく楽しめる管弦楽曲。
2-2曲目 3.5点
これと分かりやすく楽しめる。夜がテーマだが、いつもの静寂さではなく情熱の余韻が残っている。
2-3曲目 3.5点
この曲もスペイン情緒満載で街中のような活気もあり愉しい。
3曲目 3.0点
活気があり、珍しくウキウキしそうになるような感情を秘めている気がする。
その他の管弦楽曲
管弦楽組曲(第1番) 1883 Op50
交響組曲『春』 1886-87 Op61
2.5点
悪い曲ではないが若書きの感じが強く、個性もそれなりに出ているが確立していない。
3つの黄昏の情景 1892-93 Op83
牧神の午後への前奏曲 1892-1894 Op86
4.0点
パンの笛の冒頭が印象的。神話のような夢幻的で霧の中のように儚い叙情性の音世界に浸れるようになれば、大変に楽しめる曲。
交響詩『海』-3つの交響的スケッチ 1903-05 Op109
3点
海をテーマにここまで多彩な情景を表出できる強靭な想像力と描写力には驚くが、喜怒哀楽などの人間的な感情をほとんど感じない音楽なので、この長さの曲は自分は聴き通せない。
スコットランド風行進曲
3.0点
バグパイプ風の音が鳴る。行進曲といってもドビュッシーなのでノリノリでは無い。とはいえ他の管弦楽曲よりはリズムが多少充実。
協奏曲
間奏曲 1882 チェロ Op27
ピアノと管弦楽のための幻想曲 1889-92 ピアノ Op73
2.0点
ピアノ協奏曲の一種。普通の協奏曲にややドビュッシーらしい味付けをしたような感じで中途半端。ピアノもそれ程効果的ではないし、内容的にいまいちで失敗作だと思う。
サクソフォンと管弦楽のための狂詩曲 1901-11 サックス Op98
3.0点
古代の神秘の音楽と、くぐもった音のサックスのソロを取り合わせたのが面白い。しかし曲の中に使われている動機にやや平凡さが感じられる。
神聖な舞曲と世俗的な舞曲 1904 ハープ Op103
3.5点
この構成の曲と聞いてドヴュッシーが期待させる通りの内容。ハープをドビュッシーらしい和声に載せた美しい調べで見事に活用している。ハープの美しさを堪能出来る。明るくリズム感もあり、なかなか良い。
クラリネットと管弦楽のための第1狂詩曲 1909-10 クラリネットOp116
3.0点
とりとめのない感じがある。クラリネットの音の甘さや諧謔性やロマンティックさなど、特徴をうまく活用して、ドビュッシーの語法と合体させることに成功している。
室内楽曲
ピアノ三重奏曲 ト長調 1879?/80 Op3
夜想曲とスケルツォ 1880,82 チェロとピアノ Op26
弦楽四重奏曲 ト短調 1892-93 Op85
2.0点
ドビュッシーならもっといい弦楽四重奏を書けそうだけどなあ、と残念に思う。楽章ごとの音楽の違いもはっきりしないし、正直なところ四楽章がなんとなくピンとくる位であり、よく分からない。
クラリネットとピアノのための小品 1910 Op120
シランクス 1912 フルート独奏 Op129
3.0点
フルートの独奏。古代ギリシャを想起するのような音色で神秘的で面白い。いい曲
チェロソナタ ニ短調 1915 Op135
2.0点
渋い中に作曲技巧が凝らされているのかもしれないが、観賞して楽しむ対象としては、チェロソナタとしてもドヴュッシーの作品としても、あまり優れた曲とは感じられないのは自分だけ?短いから聞くのは苦にならないが。
フルート、ヴィオラとハープのためのソナタ 1915 Op137
ヴァイオリンソナタ 1916-17 Op140
3.5点
最後の作品。ヴァイオリンの機能や音色をうまく生かして内容のある音楽にきっちり仕立て上げられていると思う。あまり最晩年の作品という感じがしない。
ピアノ曲、連弾曲
前奏曲第1巻 1909-10 全12曲 Op117
1曲目 2.5点
前奏曲集の前奏曲という感じ。静かに終わる。
2曲目 4.0点
神秘的世界から沸き立つ詩情が強すぎて、匂いが漂ってきそうに感じる位すごい。
3曲目 3.5点
野の放つ蒸気が混ざったふわふわとした風が青空と陽に照らされて舞っているかのよう
4曲目 3.0点
神秘的な響きと静寂の活用の曲だが、少し特徴が弱い。
5曲目 3.5点
野の中で風に吹かれるような心地よさ
6曲目 2.5点
静かすぎて分かりにくい
7曲目 3.0点
力強くピアニスティックな中間以降が面白い
8曲目 3.5点
分かりやすい旋律で、この曲集では異色。人間より人形を描いたかのよう。
9曲目 2.5点
特徴が弱くあまりインスピレーションをかき立てられない
10曲目 3.0点
神秘的な夜の帳が落ちていく中のような風情があるが、珍しく静物的な重量感もある。
11曲目 3.0点
妖精の踊りのようということで、躍動感はあるが力強くはなくふわっとしてる。
12曲目 3.0点
即興的に展開する雰囲気を楽しむ曲
前奏曲第2巻 1911-13 全12曲 Op123
1曲目 2.5点
前奏曲の前奏曲という感じ
2曲目 2.5点
後期に多くある和音の響きと時々のパッセージだけの曲
3曲目 3.0点
低音の響きとアラビア風の音階が印象的。
4曲目 3.0点
運動的な音の流れがまさに妖精の踊り子
5曲目 3.0点
曲集の中では割と輪郭がはっきりしている。
6曲目 3.0点
ユーモラスな強面の将軍を想起
7曲目 3.0点
曲集の中ではかなり分かりやすい曲
8曲目 3.0点
超常現象が発生しているかのよう。
9曲目 2.5点
重たさや運動的な場面など即興的
10曲目 2.0点
ほぼ和音進行だけのような印象
11曲目 3.0点
運動的で面白い
12曲目 3.5点
華々しい花火の描写の曲で面白い
ベルガマスク組曲 1890 全4曲。1905年改訂 Op75
1曲目 4.0点
初期ドヴュッシーの典型的な和声や音使い。清新な雰囲気で楽しめる。
2曲目 4.0点
内容も充実の可愛らしさのあるいい曲。
3曲目 4.0点
有名な曲。湖に映る月が鮮やかに浮かぶような映像的な曲。
4曲目 4.0点
組曲の中では活発な曲。やはり叙情性が優れていて、中間に登場するメロディーも効果的。
忘れられた映像 1894 pf 全3曲 Op87
1曲目 3.0点
美しい音階と和音の並行移動を楽しめる曲。
2曲目 3.0点
静かな曲だが、音に主張と力強さがあり悲しさを内に秘めている。
3曲目 3.0点
運動的だが激しくなく、鮮やかさがある。
映像第1集 1901-05 Op110
完全に印象主義絵画のような世界になり、聞きやすくないし、曲の内容を掴みにくい。
1曲目 3.0点
有名な水系の曲の中で特に傑作の方とは思わないが、それなりに美しい。
2曲目 2.5点
この曲のどこがラモーなのか分かってないのだが、曲は静かに和音を重ねるだけなので聴くのがつらい。
3曲目 3.5点
ピアニスティックで抽象的な音の運動が愉しい。
版画 1903 Op100
版画は映像のように完全に輪郭のない印象主義絵画のような世界に突入しておらず、まだ輪郭を残しており聴きやすい。
1曲目 3.0点
闇夜に光を発しているような幻想的な世界。
2曲目 3.5点
穏やかな美しいスペインを見事に表現していて見事。
3曲目 3.5点
雨がしとしとふる情景をこんなに情緒的に美しくて表せるのかと驚く。
映像第2集 1907 Op111
1曲目 3.0点
非常に美しく印象主義的な雰囲気と音楽的な内容を両立してバランスを取ることに成功している。
2曲目 3.0点
この曲もメロディーが少なく和音の動きによる印象主義的な曲で、深い夜の中に沈む月や荒廃した寺といったイメージの世界を極めて抽象的に描いている。
3曲目 3.0点
三曲の中では一番運動的。やはり抽象的で内容は充実している。この曲を華やかな金粉や漆器の音化と解説するというのは、かなり抽象的で難解なことだと思う。
その他
ボヘミア風舞曲 1880 Op9
3.5点
書法がシンプルであるため自分で弾いたら物足らないのかもしれないが、耳で聴く限りはかなり魅力的でショパンに匹敵するような優れた小品。ボヘミア風が愉しい。
管弦楽組曲(第1番) 1883 4手pf 全4曲 Op50
ディヴェルティスマン 1884頃 4手 Op36
2つのアラベスク 1888,91 Op66
1曲目 4.5点
夢のように大変美しくて、キラキラと輝かしく可愛らしい傑作小品。初期を代表するピアノ曲。
2曲目 3.0点
こちらは普通の小品。やはり可愛らしさやキラキラした感じがよい。
マズルカ 1890?/91 Op67
3.8点
初期ドビュッシーらしい幻想的な音遣いで、あの粘り気たっぷりのマズルカが書かれており、とても面白い。聴く前はイメージが湧いていなかったが、聴けば納得の曲。
夢 1890 Op68
3.0点
初期らしい明確な和声に乗せたメランコリーと美しさは分かりやすくて良いが、曲としての全体の完成度や独創性は初期の中で高い方ではないと思う。
舞曲 1890 Op69
3.5点
当初『スティリー風タランテラ』とされていた。将来に前奏曲に入りそうな曲調。やや成熟しきっていない初期らしさはありながらも、かなり親しみやすく快活さがあるので楽しい。
バラード 1890 Op70
3.5点
メロディーの魅力が少な目である。その代わりに、バラードらしい自由な物語性を、初期らしい美しさと透明感の魅力で表現している点で、十分すぎるくらいに感動的に仕上げられている。
ロマンティックなワルツ 1890 Op71
3.0点
初期の曲の中では魅力が少ない方だと思う。エキゾチックな雰囲気を持つメロディーを活用した曲であるのは面白い。ワルツらしいのはごく一部のみ。曲の方向性が分かりにくいと思う。
スコットランド風行進曲 1891 4手 Op77
ノクテュルヌ(夜想曲) 1892 Op82
3.0点
ノクターンという題名の期待値に比べると物足りない。中間からの場面は美しくて素敵だが、冒頭からしばらくが面白くない。もっと夜の世界を突き詰めて欲しかった。
ピアノのために 1894-1901 Op95
リンダラハ 1901 2台 Op97
仮面 1903-1904 Op105
2.5点
ベルガマスク組曲に入る予定だったそうだが、渋すぎて親しみやすい良さに欠けるし、耳につくメロディーもないのでベルガマスク組曲の各曲よりワンランク以上劣ると思う。
喜びの島 1903-1904 Op106
3.5点
ピアニスティックで曲が長くて、ラヴェルの夜のガスパールを思い出す。交響的な響きの充実がある。
スケッチブックより 1904 Op99
3.0点
タイトルがないぶん自由に聴ける。中期ドビュッシーらしい美しさをたたえた小品。
コンクールのための小品 1904 Op108
子供の領分 1906-08 Op113
3.5点
練習曲に挑戦する子というテーマと練習曲風の冒頭が面白い1曲目と、ケークウォークの可愛い六曲目が耳につく。他もアイデアがあるいい曲ばかり。
小さな黒ん坊 1909 Op114
3.0点
ケークウォークに独自の捻りを入れている感じはあまりないが、聴きやすいといえば聴きやすい。
ハイドンを讃えて 1909 Op115
3.0点
前奏曲に入ってそうな小品。どこがハイドンなのかはよく分からない。
レントより遅く 1910 Op121
2.5点
ふわふわとした取り留めのないワルツ。
6つの古代墓碑銘 1914 4手 Op131
3.5点
完成が後期の曲にしてはかなり分かりやすく聴きやすい。前奏曲集1頃の作品に聞こえる。はるか古代へ想いを馳せるような雰囲気はドビュッシー頻出のものの一つだが、それを6曲存分に味わえる。
英雄的な子守歌 1914 pf Op132
2.8点
子守唄という可愛らしい題名だが、動きに力を欠きグロテスクな音の動きが支配的名ピアノ曲である。葬送行進曲に近いイメージすら抱いてしまう。
慈善団体「負傷者の衣」のために 1915 Op133
白と黒で 1915 2台 Op134
12の練習曲 1915 全2巻 Op136
2.5点
12曲もあり、ドビュッシーの音楽の語法を活用しているものの、どちらかというと普通に練習曲としての性格が強く、鑑賞用の曲としては他の小品集ほど楽しめない。
見出された練習曲 1915
3.5点
本家の12の練習曲より内容が充実している。いい曲。
エレジー 1915 Op138
2.5点
晩年の小品だが、特に着目するほどの特徴やメロディーはないと思う
燃える炭火に照らされた夕べ 1917
合唱曲
カンタータ『選ばれし乙女』(La demoiselle élue)
3.3点
もやっとした神秘的な雰囲気の中で、合唱も神秘的に進む。ドビュッシーとしてはありきたりにも感じるが、オーケストラだけでないために聴きやすいのが良い。短くない曲だが、ふんわりと大きな音楽の変化なく進み、ある意味では耳に優しくて、一歩間違えればムードだけの音楽になりそうなくらいだ。しかし、独特な印象派らしい世界観の構築のもとに作られた美しい音楽であるため、飽きない。途中で一瞬だけプッチーニを連想する場面があり、面白い。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%89%E3%83%93%E3%83%A5%E3%83%83%E3%82%B7%E3%83%BC
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2022/06/07 (Tue) 01:56:51
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リヒャルト・シュトラウス (Richard Georg Strauss、1864年 6月11日 - 1949年 9月8日)
リヒャルト・シュトラウス 『薔薇の騎士』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/881.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ 薔薇の騎士 作品59』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/389.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『サロメ 作品54』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/622.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『サロメ 7つのヴェールの踊り』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/623.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『影のない女 作品65』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/655.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『交響的幻想曲 影のない女』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/656.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ エレクトラ 作品58』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/654.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ ダフネ 作品82』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/653.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ ナクソス島のアリアドネ 作品60』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/652.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ アラベラ 作品79』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/651.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『オペラ カプリッチョ』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/650.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『ドン・ファン 作品20』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/624.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『死と変容 作品24』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/417.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら 作品28』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/625.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『ツァラトゥストラはかく語りき 作品30』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/414.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『英雄の生涯 作品40』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/649.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『家庭交響曲 作品53』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/627.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『アルプス交響曲 作品64』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/416.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『メタモルフォーゼン~23の独奏弦楽器のための習作』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/626.html
最美の音楽は何か? _ リヒャルト・シュトラウス『4つの最後の歌』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/210.html
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リヒャルト・シュトラウス(Richard Georg Strauss, 1864 - 1949)
交響詩は、まだ存命だったブラームスとは時代の違うドイツの代表的な近代的な管弦楽法と、マーラーやブルックナーのように長大でなく気軽に楽しめる点で演奏頻度が高い人気曲が多い。
他のジャンルも優秀な作品を残しており、自分はほとんど聞いたことがないがオペラ作曲家として特に評価が高い。後期ロマン派の中ではバランスと総合性があり優秀な作曲家。
交響詩
『ドン・ファン』1888年
3.3点
交響詩というより交響的な舞台物語を見せてくれる感じである。正直なところ音楽が心に響く場面は無い。その意味では凡庸な曲だが、実に達者な管弦楽の扱い方を見せるので、しきりと感心してしまう。
『マクベス』1890年
2.5点
リヒャルト・シュトラウスの良さは部分的には現れているが、主題の魅力や音楽的な展開の自由で達者な筆致が足りず、まだ高みに登ることが出来ていない作品であり、努力を感じるが物足りないまま終わる。
『死と変容』1889年
3.3点
儚く美しい生の思い出と死を描いた曲。情緒的で浄化された美しさがあり、活発な部分もリヒャルト・シュトラウスにしてはロマン派的な分かりやすい曲になっている。しかし、展開はあるものの緩やかであり生への執着を描写するにしても25分はさすがに冗長である。死をテーマにしているため、マーラー晩年の曲に似ている。
『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』op.281895年
3.3点
管弦楽によるユーモラスな冒険活劇。描写的な音楽であり、ナレーションが欲しいほどである。巧みな管弦楽法とユーモラスなフレーズを楽しむ曲。
『ツァラトゥストラはこう語った』1896年
3.5点
有名な冒頭場面は心踊る。それ以降は大規模管弦楽を活用した場面表現力の卓抜さが際立つ。自然世界と人間の精神世界を行き来するような不思議な感覚の音楽が続く。心には響かないが興味深く音楽を追う事が出来る。一番長い後半の舞踏の部分とその後の終結部分は楽しい。
『ドン・キホーテ』(Don Quixote)1897年
3.5点
明るい曲だが、それほどユーモラスな印象はなく、むしろかなり叙情的である。独奏チェロと独奏ヴィオラの活躍もあるためかなり聴きやすい曲である。様々な場面展開が楽しめるし、変奏曲と銘うっていることもあり、リヒャルト・シュトラウスには珍しい落ち着いて聴ける居心地のよさがある。しなやかな叙情性と旋律の豊さは素晴らしい。
『英雄の生涯』(Ein Heldenleben)1898年
3.3点
歌のないオペラと呼びたいほど物語的な内容である。大規模な管弦楽の機能をフル活用して壮大かつ劇的に音楽が展開していく様は聞き物である。前半はあまり心に響かず、曲に思い入れを持ちにくい。後半は情緒的で聴きやすい。
交響曲
家庭交響曲(Sinfonia domestica) 1903年
3.0点
交響曲と命名されているが、表題性があり、内容は交響詩とにたようなものと思う。交響曲らしい総合性は少ししか感じられない。逆にいうと、楽章構成の中に少しは感じる。マーラーのようなゴージャスな管楽器の活躍する管弦楽の使い方が楽しい。演奏はいかにも難しそうだ。メロディーにはそれほど魅力がないが、派手だが艶めかしく幻想的で柔らかさもある雰囲気は悪くない。ただ正直にいって、こんな派手で大仕掛けの音楽は『家庭』を連想しないけれど。
アルプス交響曲(Eine Alpensinfonie) 1915年
4.0点
リヒャルト・シュトラウスはメロディーが分かりにくくて、とっつきにくい曲が多いが、この曲は表題的で非常にわかりやすい。まさに、彼の管弦楽曲の大作としての総決算と思う。交響詩の世界の広さを拡大して、精神的に成熟させて力みをなくしている。さらに、具体性を持たせて、親しみやすくさせたものに感じる。マーラーに近いが、マーラーと比較して哲学的なものが無い表題音楽であり、そこが良い。エンターテインメント音楽であり、余計な事を考えずに楽しめる。管弦楽法はやはりゴージャスで楽しめる。これほどのワクワク感やドキドキ感は彼の他の管弦楽曲では感じない。ロマン的心情を素直に表現しているからかもしれない。
管弦楽曲
交響的幻想曲『イタリアから』 1886年
3.3点
交響詩を書き始める前に書かれた4楽章の大規模作品。後期ロマン派らしいロマンティックで濃厚である。オーケストラを存分に壮大に歌わせており、ワーグナーに似ている。耳を楽しませるという点では、交響詩群に勝るとも劣らないと思う。何と言っても分かりやすいため、交響詩が苦手な人にもお勧めできる。しかし、精神的な成熟感や作曲者のオリジナリティやオーケストラの機能のフル活用という点では、少し落ちると思う。まだ技術が発展途上という印象であり、それにしては交響曲の長さであるため聴くのが大変。最終楽章よフニクリ・フニクラを使った楽章はウキウキ感とイタリアらしい陽気さがあってとても愉しい。
協奏曲
ヴァイオリン協奏曲ニ短調 作品8 1882年
ブルレスケ ニ短調(ピアノと管弦楽) 1885年
2.8点
まだ最初の交響詩を書いていない初期の単一楽章ピアノ協奏曲。明確な和声と若干腰が重く重厚な中で醸し出すロマンチックな雰囲気、ピアノと管弦楽の交響的な協奏など、ブラームスの影響を強く感じる。
ピアノがかなり前面に出て華々しく活躍し、オーケストラも派手である点で聴きやすい曲なのだが、長くて捕らえ所が分からず聴いた後に残るものがない。
ホルン協奏曲第1番変ホ長調 作品11 1883年
2.8点
作曲者18才の時の作品であり、シューマンやメンデルスゾーンのような音楽で、後期ロマン派らしさは殆どない。ホルン協奏曲として貴重なレパートリーなのだろうし、聴きやすい曲ではあるが、あまり面白いという印象はない。リヒャルト・シュトラウスのルーツが分かる点では面白いが。
ホルン協奏曲第2番変ホ長調 1942年
2.5点
前作から60年を経た作品。長生きぶりが分かる。作品としては、1942年にしてはかなり古典的であり調性が明確だが、彼らしいヌルヌルとした滑らかさと転調の妙は生きている。独奏は出ずっぱりで大活躍であるが、楽想はかなり掴みにくい。切れ目なくなんとなく微妙に雰囲気が変遷していく。独奏も何かを言いたいのか、よく分からない。3楽章は音楽が一度切れてから盛り上がるから、分かりやすくなる。全体に、創造性に関して意志の明確さを欠いているように感じられる。いい曲とは言えないと思う。
オーボエ協奏曲 1945年
2.5点
1楽章は明快で流麗なオーボエが全面にでている。しかし、それ以上のものが何もない。2楽章は憂いのある少し美しい音楽。かなり古典的な内容。3楽章は、ユーモアもある美しく流れるような活発さで、一番優れた楽章である。ただし冗長なので後半は飽きてくる。
二重小協奏曲(クラリネット、ファゴット、ハープ、弦楽合奏)1947年
3.0点
2種類の管楽器による協奏曲は珍しいと思うが、ここでは成功している。オペラの伴奏の上で2人が歌っているような曲の雰囲気である。管楽器の協奏曲は、和音が出せないこともあり、どうしても一本調子になりがちである。この曲は違う2本の独奏のため、ずっと変化が多くなっている。それを楽しむ曲。このような構成の曲がもっと多ければよかったのにと思う。曲想としてはシンプルなもので特筆するべきものはないと思う。
室内楽
チェロ・ソナタ 1883年
3.0点
まだ18歳の作品であり、古風なロマン派の定跡の範囲内で書かれている。強い個性は感じられない。耳当たりの良さと、ある意味で上品で踏み外していないところが、とても聴きやすい曲という印象を与える。知らずに聞けばメンデルスゾーンと同世代の作曲家の曲に聞こえるだろう。精神的にはまだ大人になっていなくて定跡通りで面白くない部分は気になるが、華がありゴージャスで聞き映えのするソナタとして案外楽しめる。
ヴァイオリン・ソナタ 1888年
3.3点
1楽章はゴージャス感のある、交響的なスケール感のある曲。まだロマン派の真っ只中のような雰囲気。感情の変遷が楽しいとともに、曲の巨大さが心地よい。3楽章も似たところが多分にある。2楽章はロマン派らしい魅力。全体にヴァイオリンソナタとして存在感のある曲。ただし、スケール感の代償ではあるが音楽の密度の濃さが足りないと思う。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%AA%E3%83%92%E3%83%A3%E3%83%AB%E3%83%88%E3%83%BB%E3%82%B7%E3%83%A5%E3%83%88%E3%83%A9%E3%82%A6%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:57:21
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ジャン・シベリウス(Jean Sibelius , 1865年 12月8日 - 1957年 9月20日)
最美の音楽は何か? _ シベリウス『交響曲第3番 ハ長調 作品52』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/472.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス 『交響曲第6番 ニ短調 作品104』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/233.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス『交響曲第7番 ハ長調 作品105』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/470.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス 『ペレアスとメリザンド メリザンドの死』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/193.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス『レンミンカイネン組曲 (4つの伝説曲)作品22 第2曲トゥオネラの白鳥』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/473.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス『交響詩 タピオラ 作品112』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/474.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス 『ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 作品47』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/393.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス『キュリッキ 3つの抒情的小品 Op.41』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/471.html
最美の音楽は何か? _ シベリウス『弦楽四重奏曲 ニ短調 作品56 内なる声』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/478.html
モーツァルト、ヘンデル、ムソルグスキー、チャイコフスキー、シベリウスというそうそうたる面々が「酔っぱらいリスト」に入っています。
酔っ払った状態で正確な作曲活動を行うのは難しいため、シベリウスは人生の最後の30年において曲を完成させることがありませんでした。
シベリウスは早くから才能を開花させ、様々なジャンルの曲を数多く作曲したが、長命だったにも関わらず、管弦楽曲のタピオラを作曲以後は人生の半分が一気に寡作になった。
途中から強迫性障害になった作曲家であり、ブラームスのような徹底的すぎる完璧主義者になってしまい、何度も書いては訂正を繰り返し、自ら衰弱して作品を仕上げられなくなっていった。交響曲第7番が最後であるが、交響曲第8番は何度何度も取りかかってはボツにしたり、訂正に訂正を繰り返してダメにしていた
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ジャン・シベリウス(Jean Sibelius, 1865 - 1957)
20世紀を代表する作曲家の一人。冷たく厳しい冬を連想させるような曲が多い。
交響曲作家のイメージが強いが、交響詩の方が分かくて印象的な曲が多いのでお勧めである。
交響曲
クレルヴォ交響曲 ホ短調 op.7
3.8点
5楽章80分近い長大さで独唱と合唱付きという初期の大作。長いが、初期らしい輪郭が明確で力強い骨太の音楽であり、流れに身を任せて楽しく聴ける非常に魅力的な作品。緊密ではない代わりに、広大な大地を旅するような開放的な大きな音楽に胸が膨らむ。伝説的叙事詩の物語の中に一緒に入って体験出来るような感覚になれる。そんな独自な曲だが、シベリウスらしさはバッチリ。
交響曲第1番 ホ短調 op.39
4.0点
既に重要な交響詩を完成してからの作品なので、1番にしてなかなかの完成度と魅力である。1楽章の熱血、2楽章の厳冬期のような壮大な氷の世界、3楽章は動物達が大地で活動しているような野性味、4楽章はさらに壮大。いずれも印象的で素晴らしい。
交響曲第2番 ニ長調 op.43
3.5点
1番より晦渋。野太くて熱い血潮を感じるが、茫洋とした感じも強い。成熟に向かう過渡期的な作品であり、4楽章は確かに分かりやすいが、この曲がシベリウスの交響曲の中で一般的に一番メジャーなのはあまり納得できない。もちろんいい曲ではあるが。
交響曲第3番 ハ長調 op.52
3.5点
2番と似たような感じだが、純度の高い後期に移行し始めていて、2番の熱血が控えめになり後期の純美の世界がたまに顔を覗かせる。2楽章が聴きやすい。全体には茫洋としていて分かりやすくないが、交響詩のような描写的な場面も時々あるので、ずっとよく分からないまま曲が続くことにはならない。
交響曲第4番 イ短調 op.63
3.5点
描写的な場面がほぼ無い。晦渋な心理的描写が続く。従って親しみやすさは全然無いのだが、荘厳さや大自然の厳しさなどのシベリウス音楽の特質の上に立った心理描写なので、音の世界に浸る楽しみがある。雰囲気は暗いのだが、陰鬱ではなく、薄い光の中をさ迷う感じ。
交響曲第5番 変ホ長調 op.82
4.0点
明るく平明な雰囲気は前作とは大きく異なる。50歳記念の祝典の為の曲であり祝典的だが、シベリウスの曲はそれ程明るくは無いが。1楽章は溜めに溜めて爆発的明るさ持っていくような曲。3楽章は眩しい陽光を浴びて、草木も育っていき、心が晴れ晴れとするような感じ。
交響曲第6番 ニ短調 op.104
4.0点
宗教的な奥深い精神性や教会的な響きとそれまでのシベリウスが培った大自然の描写力や骨太さが合わさった曲。前半は分かりやすくないが聴きごたえがすごい。後半は耳につくフレーズが増えて分かりやすくなるし、充実感は前半同様にある。
交響曲第7番 ハ長調 op.105
4.0点
長尺の1楽章制ならではの陶酔や儀式的な雰囲気はこの曲ならでは。純粋さや宗教的な雰囲気が推し進められている。素敵な体験を提供する曲だが、ただし、曲が終わった後に曲のメロディーを思い出そうとしても何も思い出せない不思議な曲でもある。
交響詩
レンミンカイネン組曲(4つの伝説曲) op.22
交響詩『レンミンカイネンとサーリの乙女たち』 op.22-1
3.3点
伝説の雰囲気がカッコいい。曲が18分と長すぎて冗長であり段々飽きてくる。とはいえ、素敵な格好良さに浸りながら聴けるので、聴いた後の印象は良い。
交響詩『トゥオネラのレンミンカイネン』 op.22-2
3.0点
非常にカッコ良くて長めであるにも関わらず飽きないが、メロディーに主張がなく雰囲気だけで曲が成り立っており、まるで映画音楽のようである。
交響詩『トゥオネラの白鳥』 op.22-3
4.0点
川を渡る白鳥を表した曲。イングリッシュホルンのメロディーは透明感がすごい。命の儚さと輝きに満ちておりあまりにも美しい。ロマンティックの極みであり、心を虜にされてしまう。
交響詩『レンミンカイネンの帰郷』 op.22-4
3.0点
躍動感があって格好良いが、曲の展開は平板に感じた。とはいえ、短く引き締まった曲なので締めの曲としては聞きやすい。
その他
交響詩『エン・サガ』 op.9
3.8点
18分程度という長さながら、充実した低音域の演出するゾクゾク感と、古代の伝説に想いを馳せるようなロマンティックなメロディーにうっとりとしているとあっという間である。かなり楽しめる。
交響詩『森の精』 op.15
3.3点
初期らしい骨太さと描写力が魅力の交響詩。中間部から終わりまでの展開は、SF映画のように不思議な世界を冒険しているような感覚で聴けてゾクゾクする。やや洗練度が低い感じはあるものの、マイナー曲にしては魅力的な力作。
交響詩『春の歌』 op.16
3.0点
喜ばしい春が訪れた大自然の壮大さが現されている。しかし音楽に洗練度が足りず発展途上の印象。メロディーの魅力がそこそこであり、管弦楽にも関わらずあまりにも多声的でなくずっと伸ばした音で伴奏をしているのが気になった。
交響詩『フィンランディア』 op.26
3.5点
シベリウスで一番有名な曲との事だが、シベリウスっぽくない。愛国心を鼓舞する熱気につつまれた音楽であり、高揚感と愛国心が見事に表現されたフィンランディア讃歌のメロディーもあり、聴き映えはするものの、極寒の厳しさなどの特色は出ていない。
交響詩『森の精』 op.45-1
3.0点
前半は断片的なフレーズで神秘的な情景を描いた曲。それが段々とリズムを持ってきて、独特の神秘的な舞踏性を帯びて、また元に戻る曲。複数部分のつなぎ方が面白い。
舞踏的間奏曲 op.45-2
2.8点
間奏曲として、コンパクトにまとめられている。シベリウス独特の、奥ゆかしさのある舞踏曲の愉しみがあるものの、やや平凡だと思う。
交響幻想曲『ポホヨラの娘』 op.49
3.0点
伝説をテーマにしておりストーリーがある力作ではあるが、起伏が激しく無骨な感じで甘さに浸れないため、音楽についていくのが大変である。
交響詩『夜の騎行と日の出』 op.55
3.0点
前半の執拗な動機の繰り返しはあまり面白くない。後半のメロディーは魅力があるが、他の交響詩のように伝説をテーマにしなかった代替となるほどの何かを感じない。
交響詩『吟遊詩人』 op.64
3.8点
前半はずっと静謐であり、ハープの悲しい調べが素敵。後半にぱっと世界が広がるが、やはり前半の雰囲気を引きずっており、元に戻って終わる。ロマンティックで甘美の情念の世界に浸れる。
交響詩『ルオンノタル』 op.70 ※ソプラノ独唱付き
3.3点
女声の独唱が入った交響詩。伴奏はいかにも交響詩であるため、歌が入っていても分類として違和感はない。力強い独特の歌のメロディーは面白いし、伴奏は伝説的な雰囲気で他の交響詩と同様の魅力がある。
交響詩『大洋の女神(波の娘)』 op.73
3.5点
古代ギリシャを想起させること、音によるイメージの詩的表現でありパンチが効いた場面はなく柔らかい表現が続く点で、ドビュッシーを連想する。海と女神のイメージが美しく見事に表現されている。
交響詩『タピオラ』 op.112
3.5点
緻密な構成の最後の交響詩で、交響曲の最高傑作ともいわれる。しかし、深い神秘的なもやのかかったような曲であり、かなり難解に感じる。交響曲7番とよく並べて語られるが実際印象は似ている。自分が深く理解力できるのはまだ先になりそうだ。
劇音楽
『カレリア』序曲 op.10
『カレリア』組曲 op.11
3.5点
劇音楽からの抜粋。ワーグナーの影響を感じる。普通に良い曲だが、独創的という感じはしない。3曲目は行進曲風の楽しい気分になれる小品でなかなか良い。
組曲『歴史的情景』第1番 op.25
3.5点
3曲あるが、どれも英雄的な勢いがあり気持ちよいし、表情の明確さと、シベリウス独特の伝説的な響きがあり、楽しめるものになっている。名曲というほどではないにしても、構成は充実しており一本調子ではなく、聴いてよかった、楽しかったという満足感や充実感がキッチリとある。
『悲しきワルツ』 op.44-1
4.0点
劇音楽《クオレマ》の中の1曲。死の病床の場面で夢の中の踊り子と踊る曲だそうだが、上品で複雑な和声を使った陰影や静と動のバランスが絶妙である。短調で悲しみ一辺倒の曲ではない。非常にセンスの良い小品。
『鶴のいる情景』 op.44-2
3.0点
大自然の厳しさを感じさせるワンシーンという感じの短い曲。中間の何度も繰り返される複雑な和音が印象的。
『カンツォネッタ』 op.62a
3.8点
伝説的物語のような響きによる、物悲しい哀愁がたまらない。似たメロディーが例えばチャイコフスキーなら甘くなってしまい、ドボルザークならボヘミア的田舎臭を発するところ、シベリウスが書くと極寒により厳しい環境のなかに生命の息吹を宿すことで洗練されて、ロマンティックで素敵になるから面白い。
『ロマンティックなワルツ』 op.62b
3.3点
シベリウスのワルツには独特の味がある。決して分かりやすく明るくパッと心が開放されないまま、心の中にそっと楽しさを残しておくようなワルツ。雰囲気は良い。
その他管弦楽曲
組曲『歴史的情景』第2番 op.66
3.0点
素晴らしい描写的な作品群の中にあって、この曲はやや地味で描写力や主張が弱いと感じる。あまり感動的ではなかった。しかし、彼の管弦楽曲のファンならば聴いて損がない程度には楽しめると思う。
協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 ニ短調 op.47
4.5点
1楽章が素晴らしい。厳しくカッコいいヴァイオリン独奏が自由奔放に暴れまわるような趣でありながら、緊密で交響的であるという困難な事を実現している独創的な楽章。壮大で極寒の世界を想像させる音楽も凄い。曲の真ん中にあるカデンツァも効果的。2楽章は柔らかくいメロディーが美しくて感動する。3楽章は雪の中で行われる宴のよう。ノリが良くて楽しい。
ピアノ曲
6つの即興曲 op.5
ピアノ・ソナタ ヘ長調 op.12
3.0点
初期シベリウスの骨太で民族的な魅力、シベリウスの多楽章の曲の魅力を十分に持っていて案外楽しめる。聞いた感じではピアノ書法は確かにあまり洗練されていないようだが、聴きにくい訳ではないため、メロディーや和声の雰囲気を楽しむ分にはあまり問題ない。
3つのソナチネ op.67
2.3点
最初は全く理解出来なかったが、ロマンティックなシベリウスの管弦楽の響きを頭で補完しながら聴いてみたら少し良さが分かった気がした。とはいえ、正直なところ管弦楽曲のような素晴らしさはあまり感じない。独特の音楽世界の片鱗を楽しめるのみである。
10の小品 op.58
3.0点
シベリウスらしい、交響詩で存分に見せているロマンティックな伝説的な雰囲気を、ここでもピアノに翻訳して見せている。名曲というほどの作品はないが、瞬間的な美しさや素敵さはどの曲にもある。ただし、他の作品集にも共通するが、ピアノ書法がぎこちないので10曲も聴くと疲れてしまう。
5つの小品 op.85
3.0点
花の組曲と呼ばれていて、花の題名が各曲についている。1から2分の短い曲ばかり。聞きやすく可愛らしさのなかに小さな命の美しさを表していて詩的であり、シベリウスならではの儚い美しさでなかなか感動できる。
5の小品 op.101
3.0点
ロマンティックで明快ではあるが、壮年らしい鎮静の世界で懐の深さを持った小品が並んでいる。懐かしい気分になる場面が多いが、それだけでなく新しい事にチャレンジする精神を併せ持っている気がする。
5の小品 op.114
3.3点
シベリウス最後のピアノ作品集。独特の茫洋とした音の塊が生み出す美の世界は、分かりやすいロマンティックさとは違うが、心を掴む他にはない独特の魅力がある。北欧の極寒が心を鍛えるとこうなるのだろうか。ピアノ書法は最後まで十分な洗練には至らなかったが、この独自世界に到達したことは充分な業績だと思う。
室内楽曲
弦楽四重奏曲 変ロ長調 op.4(1890年)
弦楽四重奏曲 ニ短調「親しき声」 op.56(1909年)
3.3点
シベリウスらしい晦渋な難解さである。分かりやすいメロディーはほとんど登場しない。あまり室内楽っぽくなくて、交響的な響きの充実が志向されていると感じる。内容は盛りだくさんであり、切れ目なしに演奏される5つの楽章で扱われる楽想はダイナミックに展開し、聞き所を多く提供している。晦渋すぎて十分に理解できないと思いつつも、なんとなく心を惹かれるものがあるから、やはり魅力的な曲だと思う。交響曲に準じる大作と言っていいだろう。木管の柔らかい色彩がないため、骨太でモノクロの原石からシベリウスの魅力を削りだしたような音楽である。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B7%E3%83%99%E3%83%AA%E3%82%A6%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 01:57:43
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エリック・サティ(Erik Alfred Leslie Satie、1866 - 1925)
エリック・サティ 『ジムノペディ 第1番』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/789.html
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エリック・サティ(Erik Alfred Leslie Satie、1866 - 1925)
いま聴いても新鮮な独自世界を築いた人。浮遊感とか浮世離れした神秘性など、21世紀っぽい感性を持っていると思う。
3つのジムノペディ - 1888年
グノシエンヌ(6曲) - 1890年
ヴェクサシオン(嫌がらせ) - 1893-1895年
ジュ・トゥ・ヴー
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%281889%E5%B9%B4%E3%81%BE%E3%81%A7%29
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2022/06/07 (Tue) 01:58:07
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エンリケ・グラナドス(Enrique Granados y Campiña, 1867 - 1916)
エンリケ・グラナドス スペイン舞曲集 2. オリエンタル Op.37-2
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/797.html
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エンリケ・グラナドス(スペイン語Enrique Granados y Campiña, 1867 - 1916)
アルベニスと並ぶピアノ音楽の大家。
ゴイェスカス(1911)(全7曲)
2.3点
アルベニスの名作群と並び、スペインのピアノ音楽の名作として評価の高いゴイェスカスだが、自分はラローチャ大先生で何度も聴いても良さがほとんど理解出来なかった。心に引っかかるモノがほとんど無いまま曲が終わってしまった。将来いつかまた再挑戦しようと思うが、現時点の評価はとても低い。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3
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2022/06/07 (Tue) 01:58:39
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ハンス・エーリヒ・プフィッツナー(Hans Erich Pfitzner 1869年5月5日 – 1949年5月22日)
ハンス・エーリヒ・プフィッツナー ヴァイオリンソナタ ホ短調 作品27
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/834.html
ハンス・エーリヒ・プフィッツナー ヴァイオリン協奏曲 ロ短調 作品34
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/833.html
ハンス・エーリヒ・プフィッツナー独唱と合唱、管弦楽、オルガンのためのロマン主義的カンタータ《ドイツ精神について》 作品28
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/832.html
ハンス・エーリヒ・プフィッツナー 小交響曲 作品44
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/831.html
最美の音楽は何か? _ ハンス・プフィッツナー『パレストリーナ WoO.17 第1幕前奏曲』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/432.html
ハンス・エーリヒ・プフィッツナー オペラ 3幕の音楽的伝説《パレストリーナ》WoO 17
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/835.html
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2022/06/07 (Tue) 01:59:04
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フランツ・レハール(Franz Lehár 1870年4月30日 - 1948年10月24日)
フランツ・レハール ワルツ「金と銀」
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/980.html
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2022/06/07 (Tue) 01:59:27
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アレクサンドル・スクリャービン(Alexander Scriabin , 1872年1月6日 - 1915年4月27日)
アレクサンドル・スクリャービン 『焔に向かって』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/873.html
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アレクサンドル・スクリャービン(1872 - 1915)
大作である交響曲、協奏曲、ピアノソナタはいずれも充実した傑作である。また、大半がピアノ曲の作曲家であると共に、1〜3分の短いピアノ小品をたくさん残した。ピアノ音楽史上最重要な作曲家の一人である。小品群は前期と後期はハズレがなく、概ねどの作品もはっとさせられる美しさを持っているが、中期は面白くない曲が多いと私は思う。
管弦楽曲・協奏曲
ピアノ協奏曲 嬰ヘ短調 作品20
4.0点
ショパンのピアノ協奏曲に魅力が似ている。若い時だけのセンチメンタルでウブな純情をオーケストラの伴奏に乗ってピアノの独奏で吐露していくような、感情に浸って聴く音楽である。特に2楽章はそうであり、瑞々しく恥ずかしくなるほどに生々しいセンチメンタルな美しさは、クラシック史上稀にみるものであり特筆に値する。聴き映えがするのはやはり3楽章であり、高揚感を保ち進む音楽に心がウキウキする中で感動的に現れる美しい第2主題が心を奪う。ショパン同様に若書きの未熟さが感情面の演出の一つの要素となっている。同時代ではラフマニノフのピアノ協奏曲ほどの総合性を備えてはいないものの、非常に魅力があり私は中毒になった。もっと頻繁に演奏されて良い曲である。
交響曲第1番 ホ長調 作品26
3.3点
聴き方が難しい…大仕掛けの多彩な楽章で最後は独唱と合唱が登場する全6楽章。夢のような1楽章など、美しい曲もあれば、スクリャービンの線の細さの欠点が露呈している箇所も多い。後期ロマン派らしい和声やオーケストレーションで、知らずに聴いたらスクリャービン作曲と当てられない人は多いだろう。途中の部分はあまりまとまりが良いとは思えない。独唱と合唱による、最初はプッチーニ似かとおもいきや、だんだんマーラーに似ていく壮大でメルヘンチックでもあり、感動的な最終楽章だけでも聞く価値はある。
交響曲第2番 ハ短調 作品29
3.5点
交響曲1番の軽さとまとまりの悪さを克服している。重厚さと力感にあふれた、どっしりとした腰の重さが印象に残る。それでもロシア臭があまりしない洗練されている所がよい。陳腐さも少ない。全5楽章で50分近い大作。内面的な情熱の強さもある種の悪魔的な感覚が上昇する音形の多用により表現されている。ただ、雰囲気の統一感はあるが多様性が少なく、大作のわりに同じ雰囲気が続き、総合性に欠けるのがかなりマイナス。
最終楽章は、締めの音楽として割と分かりやすく演出されているが、1番の素晴らしさはない。
交響曲第3番「神聖な詩」ハ短調 作品43
3.3点
中期の作品であり、初期ほどに明快なロマン派音楽ではなく曖昧で神秘的な世界を垣間見せるのだが、調性は明確である。曲が長く楽章に切れ目がない。ピアノ曲では表現しきれない管弦楽ならではの壮大さとスクリャービンらしいロマンを楽しむことが出来るため、長さを気にせずに聴けるならば、音に浸ってなかなか幸せな時間を過ごせる。ピアノ曲はどうしてもせわしなく音楽が展開していくものであるが、スクリャービンにとって必ずしも必須だったわけではないようだ。以前はここに成功作とは思えないと書いていたが誤りだった。とはいえ、このようなお腹が一杯になる大曲は基本的には彼の持ち味を活かすものではなく、この1曲だけだから良いという気もする。
交響曲第4番「法悦の詩」ハ長調 作品54
3.5点
交響曲と交響詩の中間のような曲だと思う。神秘和音の響きと、何度も繰り返される動機の醸し出す雰囲気と、何度も繰り返されるエクスタシーの高潮を楽しむ曲。
交響曲第5番「焔の詩 -- プロメテ」作品60
3.5点
6番以降の後期のソナタの直前に書かれている。一種のピアノ協奏曲といっても良いピアノ独奏入りの交響曲。神秘和音を中心とする音の作りもピアノ書法も後期ソナタ同様の世界であるが、管弦楽があるため色彩的であり雰囲気のイメージがつかみやすく、少し調性的にも感じられるため聴きやすい。スクリャービンの頭の中のイメージがよく分かるため、彼の後期の音楽の入門に良いかもしれない。曲想は神秘性を中心に超常的なイメージが広がり展開していく感じであり、イメージの多彩さを楽みながら聴ける。
ピアノ曲
ピアノソナタ
第1番 ヘ短調 作品6
2.5点
4楽章の大作。激情的な表現の一楽章と葬送的な4楽章がまあまあ。しかし、あまり霊感の強さを感じず、スクリャービンとしては傑作の範疇に入らないと思う。
第2番「幻想ソナタ」嬰ト短調 作品19
2.8点
1楽章の中の光の幻影が波を打っているかのような幻想的な夢のようなはかない部分が大変美しい。二楽章の無窮動曲は平凡だが。
第3番(「心理状態」)嬰ヘ短調 作品23
2.8点
3楽章ノクターンから暗い情熱を湛えた4楽章への流れはショパンのソナタ3番みたいだ。がっちりとしたソナタを書こうとしたのは分かるが、何だかもの足らない感じが聴いている間ずっと付きまとう。
第4番 嬰ヘ長調 作品30
4.0点
神秘的なスクリャービンらしい斬新さが現れ始めているが、まだロマン派の聞きやすさを残していてバランスが良い。ジャズに少し似た複雑な和音を使っている。2楽章の光の粒のようなキラキラした音が飛び跳ねるさまが独特であり、躍動感と推進力を保ちながら、たった4分の中で次々と新しい雰囲気を見せる極めて内容豊富な音楽である点で、ピアノ音楽史上で稀に見る傑作であると思う。最後は和音連打で光の速さで空の果てまで飛んでいくような雰囲気になるのがかっこいい。
第5番 (ロ長調~変ホ長調)作品53
3.5点
4番とは違いドロドロとした雰囲気が現れ始めている。しかしまだ壊れきっておらず、ロマン派らしさも残っている。とにかく静と動の対比が徹底しており、力強さと豪快さがあって聴き栄えがするのと、過渡的に適度なドロドロ感を持っていて初期の綺麗すぎる音楽よりもインパクトが強いのが、人気の理由だろう。特に最後の盛り上がりの部分の高揚感は何度聞いてもスカっとするような満足感がある。一方で、たった6日間程度で書かれただけあって、勢いに任せて半ば即興的に書かれた印象があり、緊密な内容豊富さを楽しむことはできない点で自分は4番よりも物足りなな感じる。
第6番 作品62
3.5点
この曲はかなりとっつきにくい。ドロドロとした場面が延々と続く中で、7番のような分かりやすく理解できるような旋律や盛り上がりがない。しかし、後期の後半ほどは旋律の絡みの複雑怪奇さがないが、和声は徹底した妥協のない追求がされており、精神的な集中度は7番と並び素晴らしい。。グロテスクな響きが延々と続いていきながら音楽が進行する様は、慣れてくると妙に気持ち良さすら感じるようになる。
第7番「白ミサ」作品64
3.8点
6番以降では最初に完成。非常に鋭角的な鋭い響きがする曲である。神秘的で荘厳な儀式が行われるような雰囲気を明確に感じられるし、とにかく素材もその料理の仕方も内容豊富で構成が複雑で非常に多くの場面が詰め込まれた、非常に重量感のある大変な力作のソナタである。冒頭から非常に印象的で悪魔的な響きが強く心に突き刺さるし、第二主題の深遠さも素晴らしい。後半の爆発的な部分の衝撃的な圧倒性も素晴らしい。
第8番 作品66
3.3点
最後に完成されたソナタ。6番に似ているとっつきにくい世界であるが、こちらは複数の動機を組み合わせながら、神秘性な雰囲気が色彩感の豊かさを持って変容していくさまが、とにかく恐ろしく複雑怪奇な音の絡みで表現された究極的な世界を楽しむことができる。薄明かりの中で超常的な神秘的な現象が少しずつ変容しながら発生している様を楽しむ曲と思われる。他の後期ソナタと違い、大きく盛り上がる場面がないため、曲を聴きながら感じる欲求不満がずっと解消されないため、気分が乗らないと聞く気ならない。
第9番「黒ミサ」作品68
3.5点
7番と同じく荘厳で悪魔的なイメージが分かりやすい。曲が短く、後半に向けて段々早くなっていき最大の盛り上がりを作ったところで静かに終わる、というシンプルな構造であるため、構成が把握しやすい。しかしその代償として、後期の濃厚で何度聞いても理解しきれない複雑さが足りない。曲の短さもあって悪魔性をとことん極限まで突き詰めて心がお腹いっぱいになる感を覚えられない。そのた、後期ソナタの中では、入門に最適な分かりやすさと聴きやすさはあるのだが、慣れてくるとこの曲だけ物足りなさを感じる。
第10番「トリル・ソナタ」作品70
3.5点
執拗なトリルの繰り返しが顕著な、趣向的な曲である。しかしながら、後期ソナタの中でもっとも晴れやかであり、太陽に照らされた大地の壮大さを感じさせる力作である。後期ソナタの中では悪魔的な感じは少ない。展開部最後のトレモロによる盛り上がり部分は、ピアノの限界を見せる名場面であり、大自然の中で大きく息を吸い込んで自然の恵みに感謝するような気分になる。何度聞いても胸が一杯になる場面である。
幻想ソナタ 嬰ト短調
2.0点
14歳の作品だそうで、ものすごくショパンぽい。スクリャービンの出発地が分かる。曲の出来は天才少年だと感じさせるが、完全な亜流だから出来たことなのかもしれない。
ソナタ形式によるピアノ曲
ポロネーズ 変ロ短調 作品21
2.5点
唯一のポロネーズ。7分。洗練された透明感を魅せながらも泥臭く勇壮なポロネーズだが、曲がどちらに進みたいのか把握しにくい。さまようような印象。
幻想曲ロ短調 作品28
4.0点
雄渾で壮大で中身の詰まった大変な力作である。第二主題が素晴らしいメロディーである。初期の曲の中ではピアノソナタと比較してよりよくまとまっている。荘重な悲劇的な雰囲気で始まり、曲の中間に第2主題の感動を爆発させるように再現させる辺りは、ショパンのバラード1番と同じような構成である。実際、10分の時間で多くのテーマを使いながら緊密で濃密なドラマをピアニステックに展開させている点において、ショパンのバラードやスケルツォと完全に同レベルにある数少ない作品の一つである。
悲劇的詩曲 変ロ長調 作品34
3.0点
かなり激しい和音の連打で非常に演奏が難しそう。明るく分かりやすいメロディーがあるのに、伴奏が激しすぎて聞こえにくいほどである。悲劇的な感じではないのに何故悲劇的という題名なのだろうか。
悪魔的詩曲 ハ長調 作品36
2.8点
ピアニスティックな激しさがあり、まさに悪魔的な感覚が表現されている。規模の大きな詩曲。後期への入り口に入り込んだような音の使い方がある。後半はかなり激しい。
ポエム・ノクチュルヌ 作品61
3.0点
後期のソナタ以外の長い曲の一つである。夜というよりは夜明けの薄明の中ようなイメージである。同じフレーズを繰り返しながら少しずつ雰囲気を盛り上げていくのだが、ソナタのような総合性はなく、投入されている素材は多くない。時間の長い小品というイメージであるが、時間が長い分、よい雰囲気があっという間に終わってしまわないのがよい。
練習曲
12の練習曲 作品8
作品8-11 5.0点
その他 4.0点
作品8-11は悲愴という副題で呼ばれることもある。史上最も情熱的なピアノ曲のひとつであり素晴らしい名曲。他の曲はかなりショパンに似ており、ショパンの曲だと言って知らない人に聴かせたら信じてしまいそうだ。やや芸風の幅が狭いこと、所々にロシアの香りがほんのり漂う所が違うくらいか。ショパンに似すぎとはいえ、耳に残る名曲ばかりで、練習曲集としてかなりの名作だと思う。
8つの練習曲 作品42
作品42-5 5.0点
その他 3.0点
作品42-5は情熱がほとばしるような美しい主題を素晴らしいピアノ書法で歌わせている。センスのよさと完成度の高さで彼の代表作といえる小品である。その他の曲は、作曲技法の洗練度の高さはすぐに分かるものの、耳を捉えるメロディーが無く鑑賞用の曲としては微妙である。
3つの練習曲 作品65
3.8点
後期らしい神秘和音の世界であるにも関わらず、練習曲であるため聞きやすいのがいいところである。1曲目はとても神秘的なキラキラした音がする、他に類を見ないような斬新で画期的な音世界である。コインがチャリンチャリンと鳴っているようでもある。9度の練習曲という特異な練習曲の特徴をこれ以上ないくらい活かしている。穏やかな2曲目を経て、圧巻の3曲目。地獄の業火のようでめちゃめちゃカッコいい。後期が苦手な人にも試しに聴くように薦めたい。
マズルカ
10のマズルカ 作品3
3.3点
学生時代の作品であり、基本的にショパンの亜流であるが、その中に新しいピアノ書法やスクリャービンらしい繊細な個性が多少は入っている。
10曲のバラエティーは豊かであり、結構いい曲が多い。マズルカ独特の憂いが素敵。ショパンのマズルカが好きな人は楽しめるだろう。最後の曲は長いうえに面白くなくて頂けないが。
9つのマズルカ 作品25
2.8点
作品3と違い、ショパンの亜流ではなく明確なスクリャービンの個性は出ているが、マズルカとしては残り香が漂う程度であり普通の小品に近くなっている。洗練されたスクリャービンらしい小品集だが、憂いや粘りのような濃厚さがなくなり、その代わりに精妙で詩情はあるが線が細く旋律の魅力があまり多くない曲になってしまった。素敵な部分も散見されるが、魅力は全体としては落ちていると言わざるを得ない。
2つのマズルカ 作品40
3.0点
この2曲はどちらも濃厚で晩年のショパンのマズルカのような切なさや人生を邂逅するような趣もあって、なかなか印象的な小品である。
詩曲
2つの詩曲 作品32
3.8点
1曲目の半音階的な進行により微妙なゆらぎのようなものを表現した柔らかく絶妙で詩情豊かな世界は、達人の技である。この曲は多くの人に広まるべきである。かなりの名曲だと思う。2曲目は激しくて中期らしい複雑さがあり、普通のメロディーのようでありながら耳に残るものがあるものの、1番に比べれば普通の曲。
詩曲 変ニ長調 作品41
2.8点
左手の音数が多くて、3分と大きめの規模である。左手の和声から大きく外れたテンションコードの音を徘徊するような旋律は印象である。しかし、いい曲と感じるほどではない。
2つの詩曲 作品44
2.8点
1曲目はラフマニノフのように茫洋とした雰囲気の中でなんとなくメランコリック気味な旋律が蠢く音楽である。2曲目はショパンのような旋律であり、時代を考慮すると単なる普通の曲である。
2つの詩曲 作品63
3.3点
1曲目は静かな曲で捉えにくいが、スクリャービン らしい詩魂が込められた霊感に満ちた独自世界は面白い。2曲目は、キラキラした珍しく音数の多い作品であり、旋律が1度で覚えられるような印象的なもののため楽しめる曲である。
2つの詩曲 作品69
2つの詩曲 作品71
3.0点
1曲目はミニ版ソナタ8番とも呼びたい。旋律が似ており光や風の揺らめきが表現されていて雰囲気がよい。2曲目はこれといった特徴がなく面白くない。
詩曲『焔に向かって』作品72
3.3点
なんともヤバい曲である。同じ動機を繰り返しながら少しずつ音の高さをずらして、音の数を増やしながら、じわじわと音楽が進行する。高音で神秘和音をカンカンと鳴らして、二重トリルで表現される焔が不気味なゆらぎを少しずつ大きくしていく。世紀末的な世界を焼き尽くす焔が少しずつ大きくなっていく様を描いているようだ。最後の作品の一つにふさわしい、スクリャービンの後期の特徴がもっとも純化された曲である。
即興曲
2つのマズルカ風即興曲 作品7
2.8点
マズルカのテイストの美しさと心情的な陰影の深さをうまく活用しており、どちらも耳に残るものがある小品。
2つの即興曲 作品10
3.0点
どちらも透明感があり洗練された美しさが耳に残る曲である。控え目なショパン風味も効果的。
2つの即興曲 作品12
3.0点
1曲目は軽やかな三拍子で華やかさがあり楽しい。2曲目は重々しくて悲劇的でラフマニノフを連想するが、中間は夢をみるような美しさ。どちらも楽しめる。
2つの即興曲 作品14
3.0点
1曲目は静かななかで右手が自由に想いを述べるようなメロディーを弾く。2曲目の雰囲気は舟歌のようであり、陰影に富んだ情感的でかつ情景を浮かび上がらせるような美しい作品。
前奏曲
24の前奏曲 作品11
6つの前奏曲 作品13
2つの即興曲 作品14
5つの前奏曲 作品15
5つの前奏曲 作品16
7つの前奏曲 作品17
4つの前奏曲 作品22
2つの前奏曲 作品27
4つの前奏曲 作品31
3.3点
1曲目はショパンの初期ノクターンに似た世界であり、親しみやすく美しいメロディーを素直に楽しめる。他はごく短い曲であり、断片的な前奏曲である。
4つの前奏曲 作品33
2.5点
作品31と異なり、核になる曲がなくて全曲が短い断片である。はっとする部分も見当たらず、あまり聴いて楽しめるような曲集ではない。
3つの前奏曲 作品35
2.8点
1曲目はかなりショパンに近い高速の前奏曲。2曲目は同じ調子が続くレティタティーボで長いのだが、変化が少なくて面白くない。3曲目は悪くないが、まあ普通の出来のショパン時代にも生まれていておかしくない前奏曲である。
4つの前奏曲 作品37
2.5点
2分の曲が2つあり、前奏曲としては短くはないのだが印象に残る曲がない。面白くない。初期から変貌するにも同等の代替的な魅力を見つけられていない感じだ。
4つの前奏曲 作品39
2.5点
この曲集も耳に残るものがなく面白くない。
4つの前奏曲 作品48
3.0点
2曲目の静謐な浮遊感と透明感が心を捉えるものがある。他の曲は短いのだが、2曲目がよいためそれを引き立てる曲のように聴ける。
2つの前奏曲 作品67
3.3点
1曲目は単音の右手の音の動きと和音を伸ばす左手という構成はシンプルだが、変化のつけ方や和声は良く出来ていて、きちんと力を入れて書いた作品として楽しめる。次の曲に繋がるように終わるのもよい。2曲目はプレストで右手と左手のグロテスクな音のぶつかりが早めのフレーズの中で連続するのがゾワゾワとさせられて楽しめる。
5つの前奏曲 作品74
3.3
1分程度の断片的な短い前奏曲が並ぶ。後期ならではの音使いで醸し出される独特の詩情は、どれも他では聴けないはっとさせるものがある。なかなか言葉では伝えにくい、ソナタでは出来ない魅力を小品作曲家として見事に見せている。
小品
3つの小品 作品2
3つの小品 作品45
3.0点
1曲目はショパンのマズルカのような旋律であり耳に残る。2曲目はごく短いが後期のような響きが目新しい。3曲目は和声がいつまでも解決しないまま最後までなんとなく音の動きが続く曲であり、実験の曲という印象である。
3つの小品 作品49
2.8点
3曲ともごく短い。後期に向けて音楽が壊れていく過程をそのまま切り出したようなものであり、3曲とも独立した作品としての面白さは感じない。
4つの小品 作品51
2.5点
わたしには4曲とも特段良いところが見当たらず、面白くない曲集である。後期の世界の模索がスタートしたばかりの習作では、と思ってしまう。
3つの小品 作品52
2.8点
3曲とも音の響きは後期になっていないが、曲想は後期そのものである。やりたい事を実現する方法を模索しているのがよく分かる。しかし曲としては面白くない。
4つの小品 作品56
2.8点
曲名がプレリュードではなく題名が付いているおかげか、少し耳に残る曲が集まっている。たいした作品ではないのだが、後期を模索するだけでない霊感を多少は感じる。とはいえ習作レベルと思われる。
2つの小品 作品57
3.0点
どちらも1分の小さな作品でありアンニュイな雰囲気が強い。後期の世界に変貌しつつもまだ中期の香りを残す過渡期作品として楽しめる。まさに脱皮中という感じだ。
2つの小品 作品59
2.8点
1曲目は中期から後期への変貌の過程として面白い。作品57からさらに和声が後期寄りになっている。2曲目はソナタ6番に似ている。力強さがあり、一つの和音にこだわっているように聞こえる。どちらも面白いが観賞用としては旋律の楽しみが少ない気がする。
その他ピアノ曲
ワルツ ヘ短調 作品1
アレグロ・アパッショナート 作品4
2.8点
11分の大作。若書きのソナタの1楽章からの改作。テクスチャーの細かさが印象的。幻想的な雰囲気。初期にしてはショパンに似ていない。モヤモヤとした雰囲気が続き、主題の明確な効果に欠ける。
2つの夜想曲 作品5
2.5点
10代の曲で2曲目に至ってはなんと12歳。年齢の割には雰囲気の作り方が凄いと思ったが、印象がモヤモヤしているのも若い時からなのかと思った。
左手のための2つの小品 作品9
3.0点
浮遊感のある作風は片手の作品と相性がよい。メロディーが明確の浮き上がっていて、むしろ両手より聞きやすい。知らずに聴いたら片手の曲とは気付かないかもしれないくらい音は充実している。2曲目は盛り上がりもある。
ワルツ 変イ長調 作品38
3.5点
夢を見るような素敵な旋律と場面展開が楽しい曲である。スクリャービンらしい詩情があり、ショパンをあまり感じないないのもよい。中期の名作の一つだと思う。
スケルツォ 作品46
3.0点
この曲は中期らしい和声とスケルツォの取り合わせの妙があり独立した面白さがあり、短い曲のわりに内容豊富で聞く価値のある内容である。
ワルツ風に ヘ長調 作品47
3.0点
テンションコードの音に飛ぶワルツということで、なかなか不思議な雰囲気を出していて短い曲だが面白い。
アルバムの一葉 作品58
2.8点
これは断片的なフレーズの集積であり、後期の響きが過渡的でなく完成されているように聴こえる。独立した作品という感じではなく、新しい響きを模索したスケッチに聴こえる。
2つの舞曲 作品73
3.3点
ダンスと名付けられているが、後期のドロドロした神秘的な世界であり、とてもではないが踊れるような曲ではない。だがこの2曲は3分と2分で小品の中では規模の大きな曲であり、その分の聞き応えがある。1曲目は洞窟の奥に人知れず輝く神秘の秘宝を音にしたような、とても印象的な曲。2曲目は特徴が少なくて、神秘和音の小さなフレーズを積み重ねて貯めた力を少しずつ解放していき、爆発には至らず終わる曲。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B9%E3%82%AF%E3%83%AA%E3%83%A3%E3%83%BC%E3%83%93%E3%83%B3
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27:777
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2022/06/07 (Tue) 01:59:53
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ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams OM, 1872年10月12日-1958年8月26日)
ヴォーン・ウィリアムズ トマス・タリスの主題による幻想曲
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/947.html
ヴォーン・ウィリアムズ 『グリーンスリーヴスによる幻想曲』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/949.html
ヴォーン・ウィリアムズ 『揚げひばり』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/948.html
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レイフ・ヴォーン・ウィリアムズ(Ralph Vaughan Williams, 1872-1958)
交響曲
海の交響曲(A Sea Symphony、交響曲第1番) 管弦楽、ソプラノ、バリトン、合唱
3.5点
交響曲というよりは完全にオラトリオである。交響曲と称されているのは4楽章構成であるからというだけに聞こえる。華やかで立派だし初期らしいネチッこさのない純朴な爽やかさが心地いい。大規模さも音楽にうまく生かして非常に壮大になっており、音楽てんこ盛りのゴージャス感が楽しい気分になる。逆にいえばRVWらしさには欠けるとも言える。近代イギリスのオラトリオは素晴らしい。
ロンドン交響曲(A London Symphony、交響曲第2番)
2.5点
幻想的な音の雰囲気は好きだ。しかしながら、曲の長さと比較して、どう考えても密度も内容も薄い。ロンドンという題名であるが、都会を感じられない音楽で昔旅行したあの街と全くイメージが重ならない。現代の映画音楽らしい雰囲気だが、密度さえも映画音楽レベルになってしまい、BGM的だと思う。
田園交響曲(A Pastral Symphony、交響曲第3番) ソプラノ
3.0点
田園をあまり連想しない。神秘的な深い森といったところか。5音階や低音の持続音が印象的。後半の一部を除いて、静けさに包まれて瞑想的。聴きやすいし、この雰囲気に浸るのは楽しいが、前半はドラマが少なく交響曲としては物足りない。しかし後半になり鎮魂の雰囲気から大いなる感情の高まりのドラマが展開されて満足できる。とはいえ、いい音楽なのに何かが物足りない、名曲になりきれない曲というのが全体の印象。
交響曲第4番ヘ短調(Symphony No.4 in F minor)
2.5点
この曲だけ聴いてしまうと、とても20世紀を代表する作曲家とは感じられないレベルの曲と感じた。不協和音を使った刺激的な短調の1楽章なのだが、かなり不自然さを感じる。2楽章以降は何をしたいのかよく分からない、何を感じてほしいのか伝わらない曲だと思った。それでいて、心地よさや幻想性といった美点はスポイルされてしまっている。失敗作だと思う。
交響曲第5番ニ長調(Symphony No.5 in D major)
3.8点
全4楽章。冬の薄明のような透き通った空気と幻想的な世界の美しさを堪能出来る。近代管弦楽の壮麗さとRVW一流の流麗さや作曲技術が合わさり、どっぷりと世界観に浸れる音楽になっている。踊りの要素が殆どなく、生身の感覚が非常に少ない代わりに、超越的で大自然と宇宙を音にしたようである。この曲は9曲の交響曲の中で、バランスが良くて表題に縛られず本格的で充実しており楽しみやすい。
交響曲第6番ホ短調(Symphony No.6 in E minor)
2.5点
戦争交響曲とも呼ばれる、不協和音が使われた激しい作品とされているようだが、それはあくまで本人の曲の中での比較。現代の耳で聞くと激しい曲と感想を持つ人は少ないだろう。まさにSF系の映画音楽そのもののような曲であり、現代の耳で聴くと、音の目新しさに欠けており、構成も弱いように感じてあまり面白くない。ただ、映画の中では動きの多い場面に合いそうだとはいえる。
南極交響曲(Sinfonia Antartica、交響曲第7番) ソプラノ、合唱
3.3点
映画音楽を再構成して作った交響曲。映画音楽としての純粋な楽しさがある。かなり古い曲にも関わらずやや古い映画音楽にそっくりで現代的とすら感じるのは、むしろ現代が彼の音楽の真似をしているのだろうか。自分の耳には目新しくは感じない。随所に工夫が見られる幻想的で冒険的な雰囲気に、未知の世界への好奇心をかき立てられながら聴ける。
交響曲第8番ニ短調(Symphony No.8 in D minor)
2.8点
小規模な交響曲。編成も小さくて、軽快さが目立つ。その中にも、卓越した技術を生かした詩情が込められている。はっとするような美しさとか、強い印象みたいなものはないのだが、マイナー交響曲としてのそれなりの魅力はある。でも、何度も聴きたいほどではない。
交響曲第9番ホ短調(Symphony No.9 in E minor)
3.3点
最後の交響曲ということで、作曲者もそれに少し気付いていたかのような切ない場面が多い。一方で大衆音楽の影響を受けたかのような軽快な場面もある。8番同様にコンパクトな作品だが、聴き応えはこちらの方がずっとある。名作とまではいかないが、交響曲では超然としていた作風の作曲者が最後に作曲者がたどり着いた境地として、私的な感情を盛り込んだ曲として感慨深い。
管弦楽曲
グリーンスリーヴスによる幻想曲(Fantasia on Greensleeves)
3.5点
美しいオーケストレーションによるグリーンスリーブスの編曲。RVW一流の美点が最大級に活かされている。中間のオリジナル部分も雰囲気を壊さず悪くない。
合奏協奏曲(Concerto Grosso)
3.0点
弦楽器だけなので、協奏曲らしい華やかさとは違うものがあり、想像していたもの違ってがっかりした。しかし、彼の独特の音像を弦楽器をたくさん重ねて音を動かして表現するさまは、案外と独創性が高いものであり、刺激も強い。それが理解できたら楽しめた。一級品の作品ではないと思うが。
イギリス民謡組曲(English Folk Song Suite)
3.0点
小さな曲集。現代ではNHKスペシャルなどのバックミュージックに聞こえてしまう。規模が小さすぎるし、旋律が特段優れているわけでもない。だが、軽快で楽しく聞くことはできる。
弦楽合奏曲
トマス・タリスの主題による幻想曲(Fantasia on a Theme by Thomas Tallis)
3.3点
3つの事なる規模の弦楽の組み合わせの響きは神秘的で教会的でもあるとともに、近代的でイギリス的な端正かつ端麗な弦楽の使い方を楽しめる曲。
協奏曲
ピアノ協奏曲ハ長調(Piano concerto in C)
3.0点
彼らしい音響空間と音像でピアノ協奏曲を書いたらどうなるかという予想の範疇にはある。ただ、ピアノは重音が多くて重おもしく、野蛮さも感じさせるところは驚いた。現代的なピアノ協奏曲の一つの解としての聴く楽しみはある。ただ、やや平板でリズムやフレーズのダイナミックさに欠ける欠点はここにもあり、協奏曲の華やかさを活用しても交響曲と同様という結果になってしまっている。凄いというほどではないが、楽しめる曲だと思う。
2台のピアノのための協奏曲 ハ長調(Concerto for Two Pianos and Orchestra)
3.3点
1台のピアノ協奏曲からの改作。楽器の使われ方としてはこの方が適切な感じがする。ピアノの音の厚さと管弦楽とのバランスが良くなっている。ピアノの音数もより増えて、迫力が増しているし、無理に酷使されず、表情も増えている。そうなると、曲としてより魅力的に聞こえてくる。2楽章なんてなかなか素敵に聴こえる。
揚げひばり(The Lark Ascending)
4.5点
前半部分の5音階に近い音階による夕映えの中の大空を飛ぶひばりのような雰囲気は大変に美しい。中間部分の活気のある部分もまた美しい。強烈な郷愁を誘い、幼い時に感じていた大自然の美しさを呼び起こしてくれる。大変に美しく感動的であり、通俗性は気になるのだが、それを吹き飛ばす圧倒的に強烈な印象を残してくれる。
バス・テューバと管弦楽のための協奏曲(Concerto for bass tuba and orchestra、テューバ協奏曲)
3.3点
まあ普通の曲ではあり個性的という感じではないが、チューバの楽しさを満喫できる。とくに前半は素直な音楽であり、チャーミングでもあり、とても楽しくチューバの魅力に酔える。作曲者の音楽性ととてもマッチしている。コンパクトで聴きやすいのも良い。後半すこしひねりが入って魅力が落ちてくると思った。
オーボエと弦楽合奏のための協奏曲イ短調(Concerto in A Minor for Oboe and Strings)
2.5点
オーボエらしい魅力も協奏曲の魅力も足りない。なんというか、ずっとオーボエが鳴っている管弦楽という印象しかない。これは期待はずれである。
室内楽曲
幻想五重奏曲 (Phantasy Quintet)
3.0点
前半はあまり創意を感じなかった。彼としてはありきたりの音楽と思う。後半の郷愁の強い念を音にしたような音楽は心をぐいっと掴むものがある。この場面ではが無ければかなりつまらない曲になっていたところ。しかしすぐ終わってしまう。展開としめくくりは予想の範疇を大きく出ない。
弦楽四重奏曲第1番ト短調 (String Quartet No.1 in G minor)
3.8点
1楽章は浮遊感や抽象画のような曖昧な色使いと形状の分かりにくさのなかに身をまかせるのが心地よい。室内楽の響きに適合していて素晴らしい出来だと思う。2楽章のエキゾチックな音形はメヌエットと言われると不思議だが、印象派を受け継いだような響きと思うとスッキリした。面白くてかなり楽しめる楽章。3楽章は感動した。灰色の孤独さの中で、不安な妄想が広がっていき、それが自由空間をあてもなく動いて旅をするような、パーソナルな精神世界の曲。4楽章もこれまでの流れと同じでよいし、最後の終わり方は鳥肌が立った。
弦楽四重奏曲第2番イ短調「ジーンの誕生日に」 (String Quartet No.2 in A minor "For Jean on her birthday")
4.0点
1楽章は強烈なパンチを喰らわせられる。前衛的なぐしゃぐしゃとした音楽で打ちのめされる。2楽章は、雨の中の孤独とでも呼びたい。人間が生活していて、人は周りにいても、心が繋がらないまま、傘をさして歩くような気分を連想した。これは音が動くようになっていくにつれ、雨は止むが環境音も消える。そこでは違和感と疎外の音楽になる。3楽章はエキゾチックな音楽で、心を疎外から動かして展開させる。4楽章は未来への希望が見えた感動的なアンダンテで始まる。ジワジワと押し引きを繰り返し、感動を強く呼ぶ。弦楽四重奏は1番もよかったが2番はさらに芸術性が高く驚異的な作品である。交響曲より好きだ。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%B4%E3%82%A9%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%82%A6%E3%82%A3%E3%83%AA%E3%82%A2%E3%83%A0%E3%82%BA
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2022/06/07 (Tue) 02:00:16
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セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Vasil'evich Rachmaninov1873 - 1943)
最美の音楽は何か? _ ラフマニノフ『ピアノ協奏曲第2番 ハ短調 作品18』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/338.html
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/989.html
ラフマニノフ ピアノ協奏曲第3番
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/943.html
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セルゲイ・ラフマニノフ(Sergei Vasil'evich Rachmaninov1873 - 1943)
メランコリックな曲の大家。独特の感情的な力学に基づいた曲の構成が素晴らしい。大ピアニストでもあり、ピアノ協奏曲が何より素晴らしい。
しかし、協奏曲とピアノの独奏曲のレベルの差が大きい。長い曲で感情のうねりや浮き沈みを表現するのに長けているので、小品では良さが生きないのだろう。
交響曲
第1番 ニ短調 作品13(1895年)
3.3点
全4楽章。この曲はラフマニノフらしいメランコリーも聴き手を喜ばせるサービス精神も無い。聞き手を突き放すような媚びない難解さがあり、攻略が難しい。特に1楽章から3楽章はラフマニノフ作曲と当てるのに苦労するほど異質である。その代わり、通俗性が低く、芸術的な真剣さや響きの質のよさはかなりのものである。分かりやすいメロディーは無いし、客観的にみて名曲の範疇とは思えないが、しかし19世紀の国民楽派の独自の新しい世界を切り開いていること、ラフマニノフの根っこにある詩魂を生々しく発揮している点、何よりあのラフマニノフがこんな曲を書いたのだという点で重要で興味深い作品である。
第2番 ホ短調 作品27(1907年)
3楽章 5.0点
その他3.8点
雄渾なロシア情緒満載の曲であり、他の2曲の交響曲と違い非常に分かりやすい。メランコリックな感情の力学的な起伏など、ピアノ協奏曲と似たような情緒と構成を持っているためラフマニノフ初心者にも聞きやすい。1時間の大作であり、3楽章以外は冗長だが音楽の流れに身を任せるようにして聴けば良い。他の楽章もなかなか良いのだが、この曲は3楽章が非常に素晴らしい。素晴らしかった思い出を回想する気分をそのまま音にしたような音楽である。中間部の盛り上がりの後に、ひとつずつの楽器が順番にテーマを演奏する場面は、まさに様々な思いが湧いては消えていく様をそのまま楽器で表現している。ヒューマンドラマ系の超上質な映画音楽のようであり、その系統の音楽の元祖の一つなのかもしれない。音だけで楽しめるドラマとも言えよう。
第3番 イ短調 作品44(1936年)
3.0点
アメリカに移住してからのラフマニノフらしい作風。ロシア的なねちっこさが減り、響きが近代的になったが、メロディーの魅力は減った。
1楽章は、第2主題こそ分かりやすい映画音楽のようだが、他は決して分かりやすい曲ではなく名作とも思えない。2楽章はスケルツォと緩徐楽章が合わせられたようで一番面白い楽章。3楽章は2番の4楽章を楽天的すぎず奥ゆかしく表情豊かにした感じで、2番より改善されている。
全体に交響曲としての楽章構成や長時間の大きな流れに身を任せられる楽しみはあるが、晩年の作品群の中では交響的舞曲やパガニーニの主題による狂詩曲ほどの名作ではないと思う。
管弦楽曲
交響的幻想曲「岩」作品7(1893年)
2.0点
基本的に渋い。所々チャイコフスキー的な劇的表現が垣間見れる。若書き感あり。
ジプシー狂詩曲 作品12(1894年)
2.5点
後年の管弦曲の萌芽がおおく感じられるので面白いし。いい曲という程ではないがファンなら聴いて損はない。
交響詩「死の島」作品29(1909年)
3.0点
メロディーがほとんど無い。低音が響き続けて重苦しく、厳然とした自然の厳しさのような雰囲気の音楽が延々と続き、情報量が少ない。客観的に見ると冗長な失敗作のようにも思うが、一方でこの厳しさと雰囲気が心地よくて一種の快感になり、また聴きたくなるという面もある。
交響的舞曲 作品45(1940年)
3.5点
晩年の作品だがところどころ魅せる箇所があるのでそれなりに聴き映えする。つまらない箇所も多いが。
ピアノ協奏曲・協奏的作品
第1番 嬰ヘ短調 作品1(初稿:1891年、改訂稿:1917年)
3.5点
マイナーだが、1917年に改訂されているため、なかなか優れた作品。特に一楽章は正統派であり充実している。ただ、盛期ロマン派のまとまり感が強く、2番以降の後期ロマン派らしい自由さと華やかさが不足しているのが物足りないところ。ちなみに、作曲者本人の演奏が凄い。1楽章のカデンツァの豪快さは見事。
第2番 ハ短調 作品18(1901年)
6.0点
自分がクラシックを聴くきっかけになった曲。全編にわたりメロディーが情熱的で濃密で叙情的であり強く心を動かされる。とにかく圧倒的にメロディーが良い。それに加えてピアノの音の透明な美しさと表情の豊かさと沢山の音数による楽しさ、後期ロマン派らしく肥大化して構成が自由になっていること、深く強く心を動かすロマン的感情、オーケストラの重厚さ、ピアノとオケの絡み方など、多くの点で非常に完成度が高く内容が充実しており19世紀の協奏曲を凌駕している。ラフマニノフの他の作品と比較してこの作品はずば抜けて構成が緊密であり無駄がなく、ほぼ完璧であると思う。ピアノ協奏曲を代表する逸品である。
第3番 ニ短調 作品30(1908年)
4.5点
ピアノがオーケストラを従えて前面に出て大活躍する曲。難曲として有名であり、ピアノの機能と楽器としての「器」の大きさの限界が引き出された曲。スケールの大きさやレンジの大きさ、音の多さや派手な活躍度など、1台のピアノが活躍できる限界に到達したという点でピアノ音楽の頂点の一つと言える。そのため、完成度が高くメロディーが秀逸だが綺麗にまとまり過ぎている2番とは違い、3番は何度聴いても受け止めきれないパワーがあって飽きない。1楽章と2楽章は良いのだがやや冗長な部分がある。圧倒的な超絶テクニックを存分に堪能できて冗長な場面がほぼない3楽章がこの曲の聞きどころである。
第4番 ト短調 作品40(初稿:1926年、最終決定稿:1941年)
1.5点
残念ながら他の協奏曲と比較してかなりの駄作である。聴いていて良いと思える部分がかなり少ない。メロディーに冴えがほとんどない。
パガニーニの主題による狂詩曲 作品43(1934年)
第18変奏 5.0点
その他 4.0点
第18変奏に関しては有名なだけあって本当に珠玉のように美しくて輝かしいメロディーである。その他の変奏も全般的にかなりの力作でありピアノ派手に活躍しつつ様々なやり方でオケと絡みバリエーションの豊富さがあるため聞き飽きない。前半も正統派な変奏曲も十分に楽しめるが、18変奏以降の自由で華やかな展開が聞きどころと思う。ピアノ協奏曲として歴代でも上位に入る出来の名作だと思うし、鑑賞して楽しい変奏曲という点では、大変秀逸だと思う。
室内楽曲
チェロとピアノのためのロマンス ヘ短調(1890年)
2.5点
ごく短い曲だが、チェロのもつ渋い悲哀やロシア的情緒の表現力の発揮に既に成功している。ピアノ伴奏の貧弱さに、作曲年代の若さが感じられるが、チェロについてはメロディーセンスが良くて、もっと後の作品でもおかしくないくらいだと思う。
チェロとピアノのための2つの小品 作品2(1892年)
1.5点
1曲目は柔らかい曲だがたいした特徴はない。2曲目は民謡のような民族的な旋法が耳につく。
ヴァイオリンとピアノのための2つの小品 作品6(1893年)
2.5点
唯一のヴァイオリン曲だが、どちらもわりとよくて、特に2曲目がなかなか面白くていい曲。ラフマニノフにヴァイオリンソナタを書いてほしかったと思った。
悲しみの三重奏曲第1番 ト短調(1892年)
2.0
「悲しみの」をつけているだけあり、まさに悲痛を感じる曲なのだが、ピアノ三重奏の良さを生かしている感じでないし、メロディーもさえない。生前未出版なのも当然か。
悲しみの三重奏曲第2番 ニ短調作品9(1893年)
1.0点
1楽章は無駄に長くてひどい駄曲。2楽章は少しましだがいい曲ではないし、やはり無駄に長い。3楽章もダメ。ラフマニノフ最大の駄作だと思う。聴く価値なし。
チェロ・ソナタト短調 作品19(1901年)
3.5点
わかりやすいラフマニノフ節と、管弦楽向け以外の曲ではあまり聴けない雄大なスケールが発揮されており、ラフマニノフらしさが十分に発揮されていて、聴く人の期待に応える作品。
ピアノ連弾、2台のピアノのための作品
組曲第1番「幻想的絵画」作品5(1893年)
舟歌 ト短調
3.0点
二台ピアノが舟の波のような効果を倍にひきたてている。
夜-愛 ニ長調
3.0点
親愛さをはらんだ感動を厚い音に乗せて表現している
涙 ト短調
3.5点
同一動機の繰り返しを二台ピアノが増幅して慟哭を表現し、強い印象を心に残す。
復活祭 ト短調
3.0点
同一動機をひたすら繰り返し神秘的な輝きを放っている。
4手のピアノのための6つの小品作品11(1894年)
舟歌
3.5点
穏やかな波の上を漂う小舟の情景を非常に鮮やかに描写している。
スケルツォ
3.5点
ムソルグスキーを彷彿とさせる、おどけた面白さと土臭い粘っこさを併せ持った曲。
ロシアの歌
3.0点
素朴なロシアの民謡風の曲。シンプルな書法で書かれており、間奏曲のような位置付け。
ワルツ
3.5点
エキゾチックな雰囲気満載のワルツ。音の運動や、ロシア臭とフランスのサロン風の融合が面白い。
ロマンス
2.5点
他の曲が良いのでこの曲も良い気分で聞けてあまり悪く感じないが、単体でみるとラフマニノフによくある哀愁の雰囲気だけの曲。
栄光
3.0点
メロディーの良さはあまりないものの、曲集の締めくくりとして、書法の優秀さで楽しんで聴ける曲。それほど野暮さを感じないのが良い。
組曲第2番作品17(1901年)
序奏 ハ長調
2.5点
ノーマルな曲で、音は分厚いが二台が相乗効果は発揮していない印象
ワルツ ト長調
2.5点
音が多くて充実しているが、曲として魅力は不十分。
ロマンス 変イ長調
2.5点
二曲目と同様で、音は多くて響きは充実しているが曲として魅力が足りない。
タランテラ ハ短調
2.5点
タランテラの魅力や二台の共演の楽しさはあるものの、いい曲だと感じるような曲ではない。
その他の作品
2台のピアノのための「ロシアの主題による狂詩曲」(作品番号なし、1891年)
2.5点
若書きなのが聴いていて分かる。多くのものが詰め込まれた意欲的な作品ではあるが、まとまりがない。
ピアノ独奏曲
4つの小品(1887年?)
3.5点
【ロマンス 嬰ヘ短調、前奏曲 変ホ短調、メロディー ホ長調、ガヴォット ニ長調】
ラフマニノフ初期の作品でスクリャービン初期と同様にショパンの影響を感じるも、ラフマニノフらしい情緒や鐘の響きも出現する。何より未成熟だが力作で聞き応えあって驚いた。自身の手で当初は作品1と番号がつけられていただけのことはある。
幻想的小品集 作品3(1892年、第3曲と第5曲は1940年に改稿)
悲歌 変ホ短調 3.5点
前奏曲 嬰ハ短調 4.0点
メロディ ホ長調 2.5点
道化役者 嬰ヘ短調 2.5点
セレナード 変ロ短調 3.0点
前奏曲はラフマニノフの小品の最高傑作。一曲目の悲歌もいい曲だが、曲集の後半は内容が落ちる。
サロン的小品集 作品10(1894年、第5曲のみ1940年に改稿)
夜想曲 イ短調 2.5点
やりたい事は分かるがもったりすぎ
円舞曲 イ長調 2.5点
いかにもサロン風の曲。中間の技巧は面白い
舟唄 ト短調 2.5点
最後どんどん技巧的になるのが面白い
メロディ ホ短調 2.0点
雰囲気だけのラフマニノフの典型的ダメ小品
ユーモレスク ト長調 1.5点
おもしろくない
ロマンス ヘ短調 1.5点
いいところが特にない。
マズルカ 変ニ長調 2.0点
ラフマニノフ流大作マズルカだが曲のサイズとタイトルから期待するほどでない
楽興の時 作品16(1896年、第2曲のみ1940年に改稿)
1曲目 2.5点
短いフレーズを即興的につないで感情が連綿と息長く続く曲にした感じ。長いが小品のような内容
2曲目 2.0点
技巧的で聴き映えはする。フレーズは息が長い。
3曲目 2.5点
ラフマニノフらしい悲痛感をたたえた情熱が現れた曲
4曲目 3.0点
技巧と情熱的な旋律の組み合わせがスケールの大きさを持って表現されている
5曲目 2.5点
激情の余韻を表したような曲
6曲目 2.5点
ピアノをスケール大きく鳴らす曲
10の前奏曲集 作品23(1901年 - 1903年)
1 嬰ヘ短調 2.5点
夢の中のような曖昧でもやもやした曲。
2 変ロ長調 3.0点
滝のように轟々と水が流れるような曲
3 ニ短調 1.5点
あまり面白くないのにわざわざ三部形式
4 ニ長調 2.5点
ショパンのノクターン8番のような夢見るような曲。雰囲気はいいが平板。
5 ト短調 4.0点
軍隊的な力強いマーチは非常に印象的。叙情的な中間との対比も鮮やか。
6 変ホ長調 3.0点
ふわふわとした浮遊感のある叙情的な曲。
7 ハ短調 2.0点
よくある暗めの雰囲気で右手が早めのパッセージ。
8 変イ長調 2.0点
右手が早めのパッセージのもやもやした曲。
9 変ホ短調 2.5点
ショパンの練習曲のようなパッセージと雰囲気
10 変ト長調 2.0点
もやもやとしてはっきりしないまま霧の中に消えていくような曲
13の前奏曲集 作品32(1910年)
1 ハ長調 2.5点
力強く開始を告げる技巧的な曲
2 変ロ短調 2.0点
短い動機を執拗に繰り返す曲
3 ホ長調 2.5点
音を畳みかけるように積み重ねて盛り上げる中間が少しよい
4 ホ短調 2.5点
音の絵に含まれていそうな技巧的で映像的な要素のある曲。
5ト長調 3.0点
黄色い夕焼けのような美しい情景が描かれている曲。
6 ヘ短調 2.5点
華々しい技巧を見せてすぐにあっさり終わる
7 ヘ長調 2.5点
遠くの方で事象が起きているかのような儚い曲
8 イ短調 2.5点
憂鬱を基調とするテクニカル曲
9 イ長調 2.5点
最初はもやもやとしているが、それが輪郭をつくりながら大きなスケールに至る。
10 ロ短調 3.0点
荒涼とした岩の世界を思い浮かべる映像的な曲。冗長だがラフマニノフが管弦楽で得意な暗闇のような渋い雰囲気がある。
11 ロ長調 3.0点
何か愛おしさを感じる音の動きが前の曲とのつながりも良くて、耳をひく。
12 嬰ト短調 4.0点
ロシア的な憂鬱さと霧の街のような情景が合わさった情緒が見事に表現された素晴らしい曲。
13 変ニ長調 2.0点
曲集の締めの曲らしい情緒は表現されていて感動的ではあるが冗漫すぎる。
練習曲集『音の絵』作品33(1910年)
1 ヘ短調 3.0点
ゴツゴツした岩のような曲。叙情的に締める。
2 ハ長調 3.5点
憂鬱さを帯びた、夕焼けのあと夜の帳が降りるような曲。
3 ハ短調 3.0点
力強い感動を秘めたレティタティーボから静かで叙情的なメロディーに移行。
4(削除、改作して作品39-6に)
5 ニ短調 3.0点
舞曲的要素を持つ力強い曲。
6 変ホ短調 3.0点
かなり難しそうな練習曲
7 変ホ長調(「市場の情景」) 2.5点
ファンファーレが鳴る賑やかな曲
8 ト短調 2.5点
憂鬱なレティタティーボ。
9 嬰ハ短調 3.0点
轟々と響きわたる音が印象的。左手の低音の使い方が印象的。
練習曲集『音の絵』作品39(1916年 - 1917年)
1 ハ短調 3.0点
多くのパッセージががっつり詰め込まれた意欲的な作品。
2 イ短調(「海とかもめ」) 3.5点
冬の海のような冷たさと重たさを詩情として潜ませている。キラキラとした水面のようなフレーズが印象的。
3 嬰ヘ短調 3.5点
前曲に続き冬の大自然のような厳しさを感じさせる。
4 ロ短調 3.5点
同音連打が印象的。おとぎ話的な雰囲気、エキゾチックさ、厳しさを感じさせる面白くていい曲。
5 変ホ短調 3.5点
荘重な悲劇性を持った主題から展開されるスケールの大きな曲。鐘のような効果も活用されている。
6 イ短調(「赤ずきんちゃんと狼」) 3.0点
ユーモアがあるイントロの後の、テクニカルにたたみかけるところはいい感じで面白い。
7 ハ短調(「葬送の行進」) 2.0点
この曲集で唯一いまいちな曲。重いレティタティーボ。長い。
8 ニ短調 3.0点
美しい冬をまたしても感じさせる曲。
9 ニ長調(「東洋風行進曲」) 2.5点
唯一の長調だが、単純な曲ではなく、展開はめまぐるしい。華々しく終わる所はかっこいい。
大曲
ショパンの主題による変奏曲 作品22(1903年)
3.5点
前半部分4.0点
前奏曲20番の主題。この重々しい曲を主題に選ぶのが彼らしい。大作で内容が濃密で素晴らしく独奏曲の中では最高傑作の一つだと思う。特に最初の7分位はパガニーニ狂詩曲の前半部分のように霊感にあふれているかなりいい曲。何気にラフマニノフは変奏曲の才能が凄い。しかし曲全体はとしては長すぎて内容はいいのだが集中力が続かない。
ピアノ・ソナタ第1番 ニ短調 作品28(1907年)
3.5点
2番と比べてマイナー。長くて音数が多いし退屈な部分もあるので聴くのは大変。しかし外面的効果狙いを感じる2番と比較してファウストを題材にした1番は芸術的な真摯さを感じる充実した力作である。とはいえ、1楽章などはモヤモヤした雰囲気が時間とともに変容していくだけで音楽が進んでいく、良くないラフマニノフ作品の典型例かもしれない。3楽章は交響曲のようなスケールと雄大さとメロディーの充実感においてラフマニノフの大作ピアノ曲の中の最高峰だろう。3楽章の途中に現れる手を交叉させて演奏される神秘的で魔術的なメロディーが大変印象的である。
ピアノ・ソナタ第2番 変ロ短調 作品36(1913年、改訂1931年)
3.5点
この曲は作曲者による2つの版があるが、私はオリジナル版は冗長であり、改訂版は逆に削り過ぎで良さが失われていると考えている。このため間をとったホロヴィッツ版はちょうど良いと思う。基本的には派手な演奏効果を楽しむ曲であり外面的で深さが足りないのだが、所々に十分に美しい箇所はあるため侮れない。
コレルリの主題による変奏曲 作品42(1931年)
3.0点
ショパンの主題の方と比較すると壮大さや傑作感はやや劣ると思うが、変幻自在で分厚い重みもあり聞き応え十分な変奏曲。
その他
前奏曲 ニ短調(作品番号なし、1917年)
オリエンタル・スケッチ(作品番号なし、1917年)
2.5点
前奏曲的なスケッチ作品。
声楽曲
「ヴォカリーズ」作品34の14(1915年)
5.0点
ヴォカリーズとは、歌詞がなく母音のみで歌われる歌曲。非常に分かりやすい旋律美で多く楽器で演奏して親しまれている。美しくて陰影のある小品であり、どの楽器で演奏しても楽しめる曲としてかなり魅力的である。
合唱交響曲『鐘』作品35(1913年)
3.5点
3人の独唱者・合唱・管弦楽のための作品。充実の力作で聴き応えがある。
聖金口イオアン聖体礼儀作品31(1910年)
3.8点
荘重で、キリスト教の儀式の音楽らしい神秘的な超越的雰囲気に満ちている。無伴奏合唱だが、伴奏があるかのように音は充実している。様々なイメージが現れるので、長い曲だが飽きる事はない。
徹夜禱ほどの感動的な衝撃は無かったが、この曲もラフマニノフとは思えないほどの本格性があり、天才的な霊感に満ちていて大変素晴らしい。
徹夜禱作品37(1914年 - 1915年)
4.3点
ラフマニノフの無伴奏合唱の宗教曲。1時間の大作。大半の人にとっては期待を完全に上回る素晴らしさに驚くだろう。ロシアの民族性や、ロマンティックな感情コントロールや、質量の大きい骨太さなど、ラフマニノフの才能が見事に結晶している。全く飽きないし、次々と魅力的な場面が登場してゾクゾクする。ときどき神秘的な輝きと内容の素晴らしさにヴィクトリアを思い出す。ラフマニノフに頻出の安易さが全くない。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%A9%E3%83%95%E3%83%9E%E3%83%8B%E3%83%8E%E3%83%95
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2022/06/07 (Tue) 02:00:45
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アルノルト・シェーンベルク (Arnold Schönberg, 1874 - 1951)
最美の音楽は何か? _ アルノルト・シェーンベルク _ 『浄められた夜』
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/178.html
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アルノルト・シェーンベルク (Arnold Schönberg, 1874 - 1951)
12音技法の開発者。目新しい語法や音感を楽しむ刺激ありきの音楽ではあるだが、古典的な感性は保持しており、奥にはしっかりとした根を張っている。
管弦楽曲
交響詩「ペレアスとメリザンド」 op.5(1903/1913、1918改訂)
3.0点
初期のシェーンベルクに共通するように、ドロドロとして蠢く複雑な音のうねりが、精神の基底部分を表現しているように感じられる。40分もある大作であるが、その長さの必然性は理解できなかった。輝かしい場面はなく、ひたすらに音深夜の暗黒の中で寝付けずにうなされているかのように、動き続ける。最初からこんな作品を書くとは、シェーンベルクは他の人とは違う志向を生まれつき持っていたのだろう。
室内交響曲第1番 op.9(1906/1923改訂/1914、1935管弦楽版)
2.5点
単一楽章。15人の奏者で管楽器が弦楽器の倍の人数。従ってハルモニームジークに近い響きであり、軽やかで叙情的なしつこさがない。まだ無調ではないが、時代が近いマーラー晩年の作品を連想するような、調がやや曖昧で小節の区切りも分かりにくく、各声部が線となりそれがもつれ合うような書き方である。いい曲とは思えないが、興味深さはある。
室内交響曲第2番 op.38(1906-1916、1939-1040)
3.3点
楽章は2つ。調性が明確。1楽章は叙情的で悲劇性のあるアダージョ。純音楽としての美しさがあり、聴き応えのある曲。
2楽章は切迫感を基調として持ちながらも、多彩な楽想を盛り込んでバランス良く非常に巧みに曲が構成されており、なかなか素晴らしい。
5つの管弦楽曲 op.16(1909/1922改訂/1949小管弦楽版)
3.5点
これは優れた作品で、大作曲家ならではの領域に到達していると思う。斬新さだけでなく、技術と精神の両方を高レベルで作品として結晶させることに成功している。作品としても、個別には短い曲で、それが順番を意図して並んでいるのが聴きやすい。様々な技法の展示のようにも楽しめる。
浄められた夜 op.4 (1917、1943弦楽合奏版)
3.5点
マーラーの爛熟感をさらに推し進めて、とめどない表現の限界を探っている。ロマンチックで調性の枠内にあるが、音楽の崩壊を予兆させる部分は大いにある。パンドラの匣を開けたかのような、やりすぎの情緒性とか官能性が渦巻く曲。非常に美しいのだが、自分は精神の規範意識とかバランス感覚が許容できる限界を半ば超えており、聴いていてしんどい。すごい曲ではあるのは認めるが、バランスは大事でやりすぎは良くないと思ってしまう。「トリスタンとイゾルデ」を拡大した曲ともいえる。
管弦楽のための変奏曲 op.31(1926-1928)
3.3点
色彩感が豊かな管弦楽が美しい。12音技法の初めての大作とのことで、作曲者が全霊を傾けて書いただろうことは伝わってくる。調性感がない音楽はまさに前衛的な抽象絵画を観るようであるが、長い曲であり変奏を積み重ねていくうちに場面が次々と変化していく映像を見ている気分になる。やはり管弦楽であることの価値が高くて、色彩感と運動感を愉しめるのが大きいと思うから、12音技法の音楽にしては聴きやすい。映像化したものがあったら見てみたい。
映画の一場面への伴奏音楽 op.33(1929-1930)
3.3点
中間の盛り上がる場面のカオスで派手なやり方が気に入った。これがあるから前後のコントラストを楽しめるし、終わり方の不穏さもかっこいいと感じられる。映画音楽だけあって、エンターテイメント性が高い楽しませる曲である。
組曲ト長調(弦楽合奏)(1934)
主題と変奏 op.43a(吹奏楽版:1943)/op.43b(管弦楽版:1944)
3.0点
随分とオーケストラの機能をフルに活かそうとしている意図が感じられる。聴き映えを明確に意識している。だから、12音技法とはいえ、かなり普通の曲に近いように聴こえる部分もある。ただし、変奏曲としての魅力はあまりない。なんとなく場面が移っているだけに聴こえる。
協奏曲
ヴァイオリン協奏曲 op.36(1934-1936)
3.3点
かなり長い作品。1楽章は無調の音のごった煮の中で、キーキーと耳につくヴァイオリンのソロが続くイメージ。ピアノ協奏曲ほどバランスが良くない。2楽章はドロドロとした秘めた情熱性が出ていて、なかなか引き込まれるものがある。このような音楽がシェーンベルクはうまい。3楽章は最初の方は2楽章の続きで心を突き動かすものがあり良いと思ったが、後半はいまいちだ。
ピアノ協奏曲 op.42(1942)
3.3点
情緒的な曲であるが、強い抑揚はない。ピアノの使い方や管弦楽とのバランスなど、よく出来た協奏曲ではある。12音技法の協奏曲としての興味と期待を満たしてくれる。しかし、ソロの技術的な大活躍はないし、全体を通し期待を越えた何かを見せてくれる印象はない。あくまで、センスの良さと職人的な技法的洗練を楽しむ作品に留まっていると思う。
室内楽曲
浄められた夜 op.4(弦楽六重奏版:1899)
弦楽四重奏曲第1番 ニ短調 op.7(1905)
3.0点
異常に長大な単一楽章の曲。初期のシェーンベルクらしいモヤモヤして陰鬱でドロドロした暗い曲。聴き通すのにかなりの苦痛を強いられる。これはひどい。浄められた夜の世界をより進めたものとは言える。対位法的な音の使い方が耳につくのだが、その音の重なりがまた鬱陶しい(笑)ということで、表現力の高さにおいて芸術的価値はある曲だと思うが、聴く人をかなり選ぶと思う。1900年代の同時期のマーラーに似ているが外面的な派手さがなく内面的な感情の噴出の生々しさを増した感じである。
弦楽四重奏曲第2番 嬰ヘ短調 op.10(1907-1908/1929弦楽合奏版)
3.3点
1楽章も2楽章も1番よりもはるかに明確で精神的にも成熟した音楽であり、満足感が大きい。ドイツ的な骨格の太い音楽である。巨匠的な品格がある。3楽章からは歌曲との融合になるが、これも雰囲気だけでない多様性と鋭角的な表現の強さがあり、聴いていて心地よい。4楽章は無調とのことだが、あまり強く感じられない。ひたすら不安定で不安感を煽る短調の音楽という印象の場面が多い。
弦楽四重奏曲第3番 op.30(1927)
2.8点
まったりとした典型的な無調音楽に聴こえる。悪くはないが、弦楽四重奏の機能を十分に使い切っている感じもないし、意外性もない。予想通り以上ではない印象である。となると、無調の平板さのデメリットが目立ってしまう。シェーンベルクの作曲能力からして当然書ける以上のものがないから、面白くない曲になってしまっている。特に2回連続で聴いた2回目は全然面白くなかった。
弦楽四重奏曲第4番 op.37
3.0点
前半は交響的な雄大さが志向されており、明確な曲想を感じる。後半の特に4楽章は舞台的なドラマ性がある。やりたい事が分かりやすいため聴きやすく、楽しみながら聴ける。無調の限界は同じようにあるのだが、不平不満がたまるほどではない。音に力があるから、心を動かすものがある。3番よりも明らかに上だと思う。楽しいと思う瞬間は沢山ある。無調にしては、だが。
弦楽三重奏曲 op.45(1946)
2.5点
表現力がすごい。自由自在に音を動かして、弦楽三重奏があまり多声的ではないのを逆用して豊かな前衛的表現の器として活用してる気がする。しかし、良さはそれだけであり、音楽が心に響くような場面はほぼ無かった。
鉄の旅団(1916)
セレナード op.24(1920-1923)
3.0点
マンドリンとギターが入っているのが面白い特殊編成の室内楽。中間で突然声楽入りの楽章があるが、唐突である。現代音楽的な無調もしくは無調的音楽による娯楽作品という面白さはある。しかし、現代の耳では凄みは感じられず、みんなが好き勝手に弾いているように聴こえるだけの、ありがちな現代音楽のように思えてしまった。
クリスマスの音楽(1921)
3.5点
心温まる素敵な曲だ。前衛性はなにもないが、多声的な要素のため、つまらなくは感じない。室内楽の柔らかい温かみの魅力に包まれて、浸って感動できる。
管楽五重奏曲 op.26(1923-24)
2.5点
管楽合奏はシェーンベルクの無調音楽との相性があまりよくないと思う。内部にエモーショナル内部にものがなく、無作為にランダムに音を並べただけの実験音楽にしか聴こえない。しかもやたらと長い。最初は管楽器の明瞭さを楽しめたが、同じ調子でいつまでもダラダラと音楽が続くのでだんだんウンザリしてくる。
7楽器の組曲 op.29(1924-1926)
2点
長い曲だが似たような音響が続いて退屈。30分の曲だが「5分にまとめればいいじゃん」と思った。短時間なら聞いてみる価値はある曲だが。特殊構成なので実際の演奏会を成立させるために曲の長さが必要だったのかもしれないが。
ヴァイオリンのためのピアノ独奏付き幻想曲 op.47(1949)
3.0点
無調でリズム感にも乏しく無機質であり、完全に現代音楽である。面白いが現代の耳で聴くとこの構成で想定される範囲内であり特筆するべきものはない。
ピアノ曲
3つのピアノ曲 op.11(1909)
3.5点
無調に向かうシェーンベルクの作品の発展のダイナミズムの中にある作品らしいエネルギーと創作性が楽しい。音感の良さと、表現の意思の強さが、感動的なものを曲に与えている。グロテスクさもありつつ、なんとも言えない独自の世界観が表現されている。それがなぜか心地いい。世界の狭間から地上の割れ目に落ちたかのような特殊な深みを感じる。そして音の使い方のセンスが良い。システマチックでないし和製的だから平板な単調さがない。
6つのピアノ小品 op.19(1911)
3.3点
あまりにも断片的な小曲の集まり。さすがに感想を持ちにくい。音のセンスがあってとても素敵と思うが、曲に酔う前に終わってしまう。静物絵のような静謐な世界観と、人形が動き出すような童話のような非現実性と愛らしさの音楽と思う。もう少し曲が長ければよかった。
5つのピアノ曲 op.23(1920-1923)
3.0点
なんだか新鮮さがなくなった。悪くはないのだが、テクニックで書かれていて驚異的で代替不可能なものがなくなった気がする。強く心を掴むものがない。バランスが良く尖っていない優等生になっている。
ピアノ組曲 op.25(1921-1923)
3.0点
最後の曲が技巧的だったり、いろいろと頑張って音楽の幅を広げようとしているのは分かる。しかし、本質的なピアノという楽器の魅力を引き出しているとは感じにくい。音を敷き詰めて曲らしい形に仕立て上げているだけに聞こえてしまう。新鮮な驚きに乏しい。
ピアノ曲 op.33a(1928)
ピアノ曲 op.33b(1931)
3.3点
12音技法の生の音をそのまま感じられる点でなかなか興味深く聴けた。無調の音を敷き詰めているだけでないある種の艶かしい生理的なものに届く音楽になっていると感じる。曲がそれなりの長さであり、世界に入り込みやすいのもあるかもしれない。どこにも安定しないで狭間の世界に入り込むような浮遊感と孤独な静寂感がなかなか楽しめる。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B7%E3%82%A7%E3%83%BC%E3%83%B3%E3%83%99%E3%83%AB%E3%82%AF
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30:777
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2022/06/07 (Tue) 02:01:07
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グスターヴ・ホルスト(Gustav Holst / Gustavus Theodore von Holst, 1874年9月21日 - 1934年5月25日)
グスターヴ・ホルスト 大管弦楽のための組曲『惑星』作品32
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/767.html
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グスターヴ・ホルスト(Gustav Holst, 1874 - 1934)
組曲『惑星』 (1914-17)
火星、戦争をもたらす者
4.5点
5拍子の叩きつけるようなワイルドなリズムや、メロディーも和声もすごくかっこいい。軍神マーズをまさに想起する。
金星、平和をもたらす者
3.5点
優しく美しい。いい曲だが、他の曲と比較しても金星というタイトルのかもし出すイメージがプラスに働いていると思う。
水星、翼のある使者
4.0点
複調の生み出す絶妙の響きと小気味よいリズムとフレーズはかなりセンスが良くて楽しい。
木星、快楽をもたらす者
5点
第一主題も叙情的で有名な中間部のメロディーも、まさに宇宙のように壮大であり、その異次元の巨大さに想いを馳せてしまう。
土星、老いをもたらす者
3.0点
ホルスト本人は一番気に入っていたらしいが、「惑星」に豪快で華やかなものを求める自分としては、長いわりに地味とどうしても思ってしまう。
天王星、魔術師
3.0点
魔術師が魔法を見せるような雰囲気が動機の繰り返しでうまく表現されていて、面白い。
海王星、神秘主義者
3.5点
静かで神秘的な、異世界で白くて冷たい霧に包まれたよう感覚になるような曲。
宗教曲
讃歌『イエス讃歌』
3.3点
惑星と音楽はそっくり。キラキラした宇宙的スケールと神秘的な叙情の融合を見せており、それが宗教曲として活用されて独特の雰囲気を作っている。惑星が好きな人が次に聞いても全く違和感なく、期待通りのものを得られるだろう。
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%A4%E3%82%AE%E3%83%AA%E3%82%B9
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2022/06/07 (Tue) 02:01:35
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モーリス・ラヴェル(Joseph Maurice Ravel 、1875年3月7日 - 1937年12月28日)
モーリス・ラヴェル 『亡き王女のためのパヴァーヌ』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/897.html
ラヴェル 自作自演
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/703.html
ラヴェル 組曲「鏡」
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/976.html
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モーリス・ラヴェル(Maurice Ravel 1875 - 1937)
精密で色彩感豊かな管弦楽法、機械的な精密さ、繊細で感傷的な感情、スペインの民族的な情熱、ジャズなど新しい音楽の要素など、多くの面を持った作曲家。
管弦楽作品
スペイン狂詩曲(Rapsodie espagnole,1907年)
3.5点
F-E-D-Cisの音形が印象的。それが効果的に扱われている夜の前奏曲が特に不思議さや色彩感が強くて印象に残る曲になっている。循環的に音形が現れるのが楽しい。数少ない管弦楽用のオリジナル曲として楽しめる曲。
マ・メール・ロワ(組曲:ピアノ曲からの編曲、1912年)
3.5点
詩情あふれる小品集。どの曲も短くてラヴェルにしては簡潔で聴きやすく、楽しめる。
『シェエラザード』序曲(Ouverture 'Shéhérazade')
バレエ音楽
ボレロ(Boléro, 1928年)
5.0点
有名曲。同じメロディーを楽器を変えながら繰り返しているだけである。しかし、メロディーが非常に秀逸であるとともに、ほんの少しずつ盛り上げていくオーケストレーションの巧みさのため、飽きないどころか次の展開をドキドキワクワクしながら聴ける。
ダフニスとクロエ(Daphnis et Chloé, 1909年-1912年)
4.0点
管弦楽曲として最大の大作であり、音楽的には初期より磨きがかかっている。不思議な効果をかもし出す合唱が入るなどスケールも大きい。
ラ・ヴァルス(La Valse, Poème choréographique, 1919年-1920年)
4.0点
艶かしく情熱的で、かつ技巧的である。高雅さもあり間違いなくワルツではあるが、いろいろな要素が混ざっている複雑な大作で、聴いていて不思議な感覚を覚える。ラヴェル独特の高みに達している。
協奏曲
ピアノ協奏曲ト長調
5.0点
色彩感豊かで活き活きとしていて、ガラスの玉のような繊細な美しさも楽しめるなど、ラヴェルの良さが詰まった逸品。ムチの一発で始まるのは楽しいアイデア。玉手箱のように新しいアイデアが出てきてワクワクする。自由ながらも1楽章、2楽章、3楽章の使い分けは古典的であるところが聴きやすい。
左手のためのピアノ協奏曲
5.0点
東洋的な奥ゆかしさと美メロが印象的な前半と後半も、ラグタイム風の心が踊るような愉しい中間部分も、どちらも好きだ。片手で弾いているとは思えないピアノ書法はすごいし、まさに魔術師のような色彩的なオーケストレシーションの魅力も最高である。両手の協奏曲とは作りも雰囲気も全く違うのだが、甲乙付け難い名曲になっているのがすごい。
室内楽曲
弦楽四重奏曲ヘ長調
3.5点
表題のない純音楽ではラヴェルの中で大作。カルテットの扱いがなかなか優秀で、色彩感もあり刺激的で、バランスが良く、カルテットに適合した音楽になっている。精巧。ただしキャッチーではない。
序奏とアレグロ(Introduction et allegro)
3.0点
優雅な音楽向けの編成と実際に優雅な音楽。ハープが大活躍。印象派らしい聴きやすさがある。
ピアノ三重奏曲イ短調
3.5点
ラヴェルの大作。様々な要素を取り入れてまとめられてはおり、内容が豊富。他の室内楽と同様に渋くて愛嬌が少ないのだが充実の傑作と言える。3つの楽器の使い方やバランスもよく考えられていて、ピアノ三重奏にありがちなバランスの悪さは少なく、豊かな音楽になっている。
フォーレの名による子守歌(Berceuse sur le nom de Gabriel Fauré)
演奏会用狂詩曲『ツィガーヌ』(Tzigane)
3.0点
ラヴェル主要作品で内容は最下位かもしれない。それでも情熱的で刺激的な内容は十分に聴く価値がある。
ヴァイオリンとピアノ・リュテアル(またはピアノ)のための作品。
ヴァイオリン・ソナタ
4.0点
一楽章は濃厚な印象派的音楽。二楽章はジャズやブルースの影響が大きい。三楽章は無窮動で情熱的な汗と印象派的な音使いを両立した曲。作曲に四年もかけただけあって、どの楽章も密度が濃い傑作。
ヴァイオリンとチェロのためのソナタ
3.5点
他の室内楽と違い、かなり奇妙な音楽で意図的にとっつきにくくしている感じ。しかし、たった二声が絡み合って作られた世界は他の室内楽同様に非常に濃厚で、慣れると聴くのが快感になってくる。どの楽章も内容豊富で磨き作り込まれており素晴らしい。
編曲
展覧会の絵(Tableaux d'une exposition; ムソルグスキーのピアノ曲を管弦楽編曲)
3.5点
グロテスクで野蛮で力強いムソグルスキーのピアノの原曲と、色彩感豊かなラヴェルの編曲版は少し雰囲気が違う。普通の人は音色を楽しめるラヴェル版がいいだろうが、個人的にはオリジナルの原曲の方が好きだ。
ピアノ作品
グロテスクなセレナード(Sérénade grotesque, 1893年頃)
3.0点
刺激的なフレーズを交えて、グロテスクな伴奏や音の動きを組み合わせて音楽を組み立てているところは、後年のスカルボを彷彿とさせるところがある。単品としてはたいした曲でないと思うが、初期にこのような曲を書いていたことが興味深い。
耳で聞く風景(Les sites auriculaires)
ハバネラ(Habanera)
3.0点
盛りあがって爆発するかと思ってもしないのを何度か繰り返す、聴いていてもどかしい曲。ハバネラらしさは楽しいのだが、やはり完成作品としては欲求不満が溜まる。
口絵(Frontispice)
古風なメヌエット(Menuet antique, 1895年)
4.0点
初期の曲だが、主題も中間部も素晴らしい内容。和声の進行など全然古風ではない。
亡き王女のためのパヴァーヌ(Pavane pour une infante défunte, 1899年)
4.0点
いとおしさと美しさを併せ持ったメロディーが秀逸な曲。美化された世界。全体の構成はラヴェルにしては秀逸な方と思わないが。
水の戯れ(Jeux D’Eau, 1901年)
3.5点
他の水を表した曲と比較して、この曲は抽象的な水という物質そのものの運動を音楽化した曲。描写音楽として素晴らしい出来であり美学的感性は刺激されるが、人間の心は登場しない。
ソナチネ(Sonatine, 1903年~1905年)
5.0点
ラヴェルの魅力、ソナチネの魅力にあふれた佳品。精密機械のような細かい部分までゼンマイがぴったり噛み合っているような精巧さがある。そして、愛らしく幻想的で美しくせつないというラヴェルのメロディーメーカーの才能も発揮されている。構成的には古典的な3つの楽章であり、理想的に手際よく短くコンパクトにまとめられている中に、ラヴェルの魅力を多くを盛り込んでいる。密度が濃くて形式的に整っていながらも聞きやすく親しみやすい名曲。
鏡(組曲)(Miroirs, 1904年~1905年)
全体に複雑で印象派の色彩が濃い。
蛾(Noctuelles)
3.0点
音の積み重ねで蝶のひらひらとした羽ばたきや可憐さを演出。
悲しい鳥(Oiseaux tristes)
3.0点
悲しげな感じがアンニュイ。
海原の小舟(Une barque sur l'ocean)
3.5点
波の感じや小舟の揺れる感じがよく描写されている
道化師の朝の歌(Alborada del gracioso)
3.5点
この曲に関してはタイトルに縛られず、ラヴェルらしい情熱や活発さ、また若干の諧謔性、それと印象派的な音楽の融合に成功した作品と捉えるべき。
鐘の谷(La vallée des cloches)
3.5点
夢幻的な世界でドビュッシーみたいな曲。美しい。
夜のガスパール(Gaspard de la Nuit,1908年)
オンディーヌ(Ondine)
3.5点
絞首台(Le Gibet)
3.5点
スカルボ(Scarbo)
4.0点
超絶的に難しいので有名な曲。長くて音が多く、グロテスクで全体に靄がかかったようにはっきりしない場面が多く地味なので慣れるのが大変。理解できると驚異的な内容の豊かさに感激する。
マ・メール・ロワ(組曲)(Ma Mère l'Oye,1908年~1910年)
【眠りの森の美女のパヴァーヌ、親指小僧、パゴダの女王レドロネット、美女と野獣の対話、妖精の園】
4点
ラヴェルらしい歌心あふれるいい曲。
ハイドンの名によるメヌエット(Menuet sur le nom d'HAYDN, 1909年)
3.5点
上品で端正な美しさがある曲
高雅で感傷的なワルツ(Valses nobles et sentimentales, 1911年)
3点
短いワルツの曲集。印象派の音楽の良さを活用して、上品でし聴き映えのする曲に仕上げている。
ボロディン風に(A la manière de Borodine, 1913年)
3.5点
詩的で柔らかく美しい小品
シャブリエ風に(A la manière de Emannuel Chabrier, 1913年)
3.0点
大人しい短い曲
前奏曲 イ短調(Prélude, 1913年)
3.0点
断片的な曲
クープランの墓(Le Tombeau de Couperin, 1914年~1917年)
【前奏曲(Prélude)、フーガ(Fugue)、フォルラーヌ(Forlane)、リゴドン(Rigaudon)、メヌエット(menuet)、トッカータ(toccata)】
3.5点
乾いた音で構成されたピアノ曲という印象。どの曲も同レベルであり、曲集として統一感がある。
パレード(Le parade, 1896年)
メヌエット嬰ハ短調(Menuet en ut dièse, 1904年)
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%83%A9%E3%83%B4%E3%82%A7%E3%83%AB
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マヌエル・デ・ファリャ(Manuel de Falla y Matheu, 1876年11月23日 - 1946年11月14日)
マヌエル・デ・ファリャ ベティカ幻想曲(アンダルシア幻想曲)
http://www.asyura2.com/21/reki6/msg/730.html
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マヌエル・デ・ファリャ(Manuel de Falla y Matheu, 1876 - 1946)
管弦楽曲が有名。しかし秀逸なピアノ曲もあり、バランスと総合性があるという点でスペイン近代の最高峰の作曲家である。
管弦楽曲
『三角帽子』 第1組曲 G.58、第2組曲 G.59
『恋は魔術師』組曲 G.69(7曲?)
4つの讃歌 G.86
協奏曲
交響的印象『スペインの庭の夜』 G.49
3.3点
ほぼピアノ協奏曲である。スペインらしい熱気をはらんだ空気が感じられる名作。
ピアノ曲
夜想曲/Nocturno [1899-1900年]
マズルカ/Mazurka [1900年]
アンダルシアのセレナータ/Serenata andaluza [1899-1900年]
歌/Canción [1900年]
ヴァルス・カプリッチョ/Vals-capricho [1899-1900年]
バレエ音楽《三角帽子》より 3つの踊り
小人の行列/Cortejo de gnomos [1901年]
セレナータ/Serenata
演奏会用アレグロ/Allegro de concierto [1903年]
4つのスペイン小品/4 Piezas espanolas [1907-08年]
ベティカ幻想曲(アンダルシア幻想曲)/Fantasia bética [1919年]
4.0点
スペイン音楽史上で最高峰のピアノ曲。他のファリャの作品はそうでもないのだが、この曲は非常にピアニスティックであり、ショパンのスケルツォやリストの大作などと同格の出来である。近代的なピアノな華やかさ、スペインの風情に彩られた表情の豊かさ、緊密でスケールの大きさを併せ持ち、大変レベルの高いピアノ曲である。
クロード・ドビュッシーの墓碑銘のための讃歌/Homenaje, pour le tonbeau de Claude Debussy [1920年]
ヴォルガの舟歌/Canto de los Remeros del Volga
ポール・デュカースの墓碑銘のための賛歌/Homenaje, pour le tombeau de Paul Dukas [1935年]
火祭りの踊り/Danza ritual del fuego [1914-1916年]
https://classic.wiki.fc2.com/wiki/%E3%82%B9%E3%83%9A%E3%82%A4%E3%83%B3
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2022/06/07 (Tue) 02:02:27
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パブロ・カザルス(Pablo Casals、1876年12月29日 - 1973年10月22日)
パブロ・カザルス カタルーニャ民謡 『鳥の歌』
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/927.html
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2022/06/07 (Tue) 02:20:12
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クラシック音楽の youtube リンクは
阿修羅掲示板 近代史6
http://www.asyura2.com/21/reki6/index.html
に記載しています。各曲へのリンクの数が多過ぎて ここには貼れません。
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クラシック音楽 一口感想メモ
https://classic.wiki.fc2.com/
音楽関係ブログへのリンク
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/399.html
オーディオ関係ブログへのリンク
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1208.html
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2022/06/10 (Fri) 09:47:33
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あげ15
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36:777
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2022/06/22 (Wed) 06:14:58
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あげ23
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2022/07/04 (Mon) 06:10:40
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クラシック音楽 _ バロックと古典派の音楽
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009420
クラシック音楽 _ ロマン派の音楽
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009578
クラシック音楽 _ 世紀末の音楽
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009494
クラシック音楽 _ 20世紀の音楽
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009496
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SP時代の演奏家はこんなに凄かった
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14009733
手回し蓄音機はオーディオではない。楽器だ!
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004305
手廻し蓄音機 と Sogaphon で聴くSP録音の CD復刻盤
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/433.html
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2022/07/22 (Fri) 05:30:07
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youtube 動画 を DAコンバーター無しでパソコンからアンプに直接繋いで聴くならこのケーブル
iPhone/パソコン用ベルデン88760 ラインケーブルの王者 BELDEN(8412の現代バージョン)
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PCオーディオはオンボードで十分 USB DACは不要
アンプとはこんなケーブルでつなぐだけ
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YouTube・ニコニコ動画の動画を安全にダウンロードする方法
「YouTube」の動画を安全にダウンロードする方法について
https://www.japan-secure.com/entry/blog-entry-459.html
「Youtube」の動画を連続再生する方法
https://www.japan-secure.com/entry/site_that_the_video_of_youtube_can_be_continuous_playback.html
「ニコニコ動画」を安全にダウンロードする方法
https://www.japan-secure.com/entry/how_to_download_on_nicovideo.html
「FC2動画」を安全にダウンロードする方法
https://www.japan-secure.com/entry/blog-entry-490.html
「Pandora TV」の動画を安全にダウンロードする方法
https://www.japan-secure.com/entry/how_to_download_on_pandora_tv.html
動画サイトで「HTML5」の動画を再生できない場合の対策方法
https://www.japan-secure.com/entry/measures_method-in_the_case_where_in_the_video-sharing_site_can_not_play_video.html
「Dailymotion」の動画を安全にダウンロードする方法
https://www.japan-secure.com/entry/how_to_download_videos_of_dailymotion.html
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最高の音を一番安く手に入れる方法
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原音再生すると音の官能性が消える
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この世のものとも思えない音を出すにはどういうオーディオ機器が必要か
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030753
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外部 USB-DACを使って youtube の音楽を聴く方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14071646
Gustard R26 _ ディスクリートR2RデスクトップDAC
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14080112
GUSTARD DAC-A26 _ 旭化成 AK4191+AK4499EX搭載のDAC
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14064243
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39:777
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2022/07/23 (Sat) 23:07:48
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「映画とクラシック音楽の周囲集」_ 映画・音楽に関する最も優れた評論集
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14025561
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40:保守や右翼には馬鹿しかいない
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2023/02/03 (Fri) 04:25:21
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あげss