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ルキーノ・ヴィスコンティ『山猫 Il gattopardo』1963年

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2022/05/26 (Thu) 16:12:02

ルキーノ・ヴィスコンティ『山猫 Il gattopardo』1963年

監督 ルキーノ・ヴィスコンティ

脚本
ルキーノ・ヴィスコンティ
スーゾ・チェッキ・ダミーコ
エンリコ・メディオーリ
パスクァーレ・フェスタ・カンパニーレ
マッシモ・フランチオーザ

音楽 ニーノ・ロータ ジュゼッペ・ヴェルディ
撮影 ジュゼッペ・ロトゥンノ
公開 1963年3月28日

動画
https://www.youtube.com/watch?v=QfM_yCLGw1U

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『山猫』(イタリア語: Il gattopardo / フランス語: Le Guépard )は、1963年公開のイタリア・フランス合作映画である。監督はルキノ・ヴィスコンティ。カラー、スコープサイズ(スーパーテクニラマ70、2.20:1または2.35:1)、187分。

イタリア貴族の末裔であるジュゼッペ・ランペドゥーサが自身の体験を基に描いた、彼唯一の長編小説を映画化した作品で、映画では全8章のうち第6章までを取り上げている。ヴィスコンティが初めてイタリアの貴族社会を取り上げた作品でもあり、後の作品に続く転機となった。また自身の血統であるイタリア貴族とその没落を描いた意味で、「ヴィスコンティが唯一自身を語った作品」と評された。

第16回カンヌ国際映画祭ではパルム・ドールを受賞し、国際的な評価を確立した。しかし、20世紀フォックスから「長すぎる」とのクレームを受け、シドニー・ポラック監修で161分の「英語国際版」が作成され、世界各国で主に短縮版が公開された(日本でも1964年1月に国際版が公開)が、ヴィスコンティ没後の1981年に、イタリア語オリジナル版(185分)が公開された(日本では当時の岩波ホールで同年12月に上映)。オリジナル・ネガは保存状態が悪かったため経年劣化を起こし、国際公開版よりも退色が目立つようになった。イタリア政府により修復され、本作の撮影監督ジュゼッペ・ロトゥンノの監修により、40周年を期し『山猫―イタリア語・完全復元版』(187分)を2003年に完成させた。この修復版は2004年秋に日本でも公開された。


あらすじ
19世紀半ば、イタリア統一戦争のさなかのシチリア島。13世紀から続くシチリアの名家の当主でサリーナ公爵であるファブリツィオは、家族とともにパレルモの近郊の屋敷で貴族としての伝統を守りながら暮らしていた。ガリバルディの赤シャツ隊がシチリアに上陸すると、ファブリツィオが目をかけていた甥のタンクレーディは新しい時代の波に乗るべくガリバルディの軍に合流する。シチリアからブルボン王朝が撤退し、その機を見て資産をたくわえ、勢力を身につけた市長セダーラの姿を、ファブリツィオは冷ややかに見つめていた。そんななか、セダーラの美貌の娘・アンジェリカにタンクレーディが恋をする。タンクレーディに思いを寄せる娘コンチェッタをよそに、ファブリツィオは二人の結婚の仲人を引き受ける。

やがて、ガリバルディの軍も解散し、新しい国王の政権が始まる。タンクレーディははやばやとガリバルディの軍を離れ、政府軍に合流していた。中央から役人が訪れ、爵位も科学的な業績もあり人格者であるファブリツィオを新しい政府の貴族院議員に推したいと申し出る。ファブリツィオは、古いしがらみの中でしか生きられない自分にはできないと断る。悲惨なシチリアの現状を変えなくても良いのかとさらに懇願されるが、「シチリアは変化を望まない、眠りにつきたがっているのだ」と固辞し、代わりにセダーラを推薦する。

近隣の公爵の屋敷で大規模な舞踏会が始まった。豪華絢爛たる屋敷に数多くの貴族、新しい国家の将校たちが集い、タンクレーディとアンジェリカの結婚を祝福した。宴もたけなわになったころ、アンジェリカがファブリツィオにダンスの相手をして欲しいと申し出る。かつて舞踏の名手として名を馳せたファブリツィオと、美しいアンジェリカのダンスに、居合わせた人々は目を奪われた。

舞踏会が終わった明け方、ファブリツィオは家族を馬車で帰らせ、一人街を歩く。ファブリツィオは空の金星に向かって跪き、「いつになれば永遠の世界で会えるのか」と語り掛け、路地に消える。


キャスト
役名 俳優 日本語吹き替え
NETテレビ版 テレビ朝日版
ドン・ファブリツィオ(サリーナ公爵) バート・ランカスター 久松保夫 有川博
タンクレディ アラン・ドロン 堀勝之祐 井上和彦
アンジェリカ クラウディア・カルディナーレ 小原乃梨子 山田栄子
ガルバルディ軍将軍 ジュリアーノ・ジェンマ 原田一夫 江原正士
カヴリアーギ伯爵 マリオ・ジロッティ 山田康雄 大塚芳忠
ドン・カロージェロ・セダーラ パオロ・ストッパ 大宮悌二
チッチョ セルジュ・レジアニ 細井重之 青野武
ピローネ神父 ロモロ・ヴァリ 宮川洋一 仲木隆司
マリア・ステラ(サリーナ公爵夫人) リナ・モレリ 加藤道子 京田尚子
カテリーナ オッタヴィア・ピッコロ 浅井淑子
コンセッタ ルッチラ・モルラッキ 山崎左度子
カロリーナ アイダ・ガリ 沢田敏子
ドンナ・マルゲリータ ローラ・ブラッチーニ 川路夏子 沼波輝枝
ドン・ディエゴ ハワード・ネルソン・ルビエン 千葉順二
パラヴィチーノ大佐 イヴォ・ガラーニ 木村幌 筈見純


エピソード
第6章の舞踏会の場面が全編のおよそ3分の1を占める。同シーンに貴族の役で登場している多数のエキストラたちは、3分の1が実際のシチリア貴族の末裔たちである。また、スタンリー・キューブリック監督の『バリー・リンドン』などと同様、人工の光源を排除して自然光のみで撮影されている。室内での撮影で不足した光量を補うため、多数の蝋燭が点火されたが、そのためにセット内は蒸し風呂のような暑さとなった。劇中でキャストがしきりに扇を仰いでいたり、汗に濡れていたりするのは演技ではない。また衣装など小道具も、可能な限り当時の製法で復元された。

本編中のバート・ランカスターやアラン・ドロン等招聘された外国人俳優のイタリア語は吹き替えである事が2016年10月10日深夜(10月11日早朝)に初回放送された『旅するイタリア語』内で明らかにされた。

『若者のすべて』以来、プライベートでも親密な関係だったアラン・ドロンとヴィスコンティは本作以降、絶縁状態になった。バート・ランカスターよりギャラが安いのを不満に思ったドロンが、ヴィスコンティにギャラアップを迫ったのが原因であると言われている。

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%B1%B1%E7%8C%AB_(%E6%98%A0%E7%94%BB)
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2022/08/22 (Mon) 12:17:19


「映画の中のクラシック音楽」 
取り上げる映画作品 山猫
制作 63年 イタリア
受賞 カンヌ映画祭のグランプリ受賞
監督 ルキノ・ヴィスコンティ
キャスト バート・ランカスター,アラン・ドロン,クラウディア・カルディナーレ,ジュリアーノ・ジェンマ 等々
使われた音楽 ヴェルディ作曲 歌劇「椿姫」の音楽
使われた意図 無教養の象徴
https://geolog.mydns.jp/movie.geocities.jp/capelladelcardinale/old/03-09/gattpard.html

この映画『山猫』は19世紀イタリアの独立戦争を背景に、シチリアの名門貴族サリーナ公爵の孤高の生き方をテーマにしている作品です。日本の孤高の政治家?といえる、現在民主党の小沢一郎さんも、その著書でこの「山猫」の中のセリフを引用していますね?

この「山猫」において、主人公のサリーナ公爵が避暑で街に移動して、その地の教会の聖堂に入る時に、公爵の旧知の教会オルガニスト(農民出身)が、ヴェルディ作曲の「椿姫」の音楽をオルガン演奏いたします。オペラの第2幕第2場のジプシーの合唱の音楽です。

しかし、これはヘン!

ご存知のように、歌劇「椿姫」はパリの娼婦の恋物語です。
純粋な愛情をテーマにしたオペラといっても、主人公は娼婦。
よりにもよって、教会で演奏される音楽ではないわけです。
同じヴェルディの曲でも、もっと適切な曲もあります。オペラの教会のシーンで使われた音楽だったら、実際の教会でも簡単に使えますものね。
あるいは、それこそ「シチリア島の夕べの祈り」なんてオペラがあるくらいなんだから、シチリアにある聖堂に入る際には、そのオペラからメロディーを取ってくるという方法もある。

つまりここでは、「椿姫」の旋律を使うことで、演奏しているオルガン奏者が「いかにそのオペラについて知らないか・・・」を示しているわけです。「キレイなメロディーだなぁ・・・」と思って、そのメロディーを使うのはいいとして、「どんなストーリーを持っているのか?あるいは、どんなシチュエーションなのか?」そのようなことは何も知らないし、考えようとしないわけ。だから不適切な曲を使ってしまう。まあ、オペラの旋律が、その人の「無教養」を表現する時だってあるわけです。

「山猫」のそのシーンでオルガンを演奏していた男は、「人柄はいいが、教養はない。」といったタイプの男。
だから「キレイなメロディーだから演奏しよう!」と、オペラのストーリーも知らないくせに、教会の聖堂で安直に娼婦のオペラの音楽を演奏してしまうわけです。

このような、「場違い」の音楽で迎えられたサリーナ公爵は、顔色ひとつ変えずに威風堂々と教会の中を進んでいきます。サリーナ公爵はこの「椿姫」の音楽が場違いであることは重々承知していても、全く動じない。

それがまさに孤高の姿と言えるわけですね?

日本の作品で、「格調高い」とかのお題目で、やたらクラシック系の音楽をBGMで使う例がありますけど、「使い方」を間違えると、「オバカ」になってしまうものです。

このような「オバカ」だったり、俗物の中にあって、孤高のサリーナ公爵の孤高さはますます強調されるわけです。

ちなみに、ここでの監督のルキノ・ヴィスコンティは「椿姫」というオペラについては誰よりも知っている人間。50年代のミラノ・スカラ座での名演出は有名ですからね。マリア・カラス,ジュゼッペ・ディ・ステファノ,エットーレ・バスティアニーニらのキャストでの上演は、歴史となって語り継がれているほど。

また、この「山猫」という作品は、もうすぐDVDも出るそうな・・・
購入される方は注意して見て聞いてくださいね。

「アレっ・・・この人は、今の日本でいうと鈴木宗男さんにあたるかな・・・」と思えるような人もでてきますし、アラン・ドロンも当時は瑞々しい美青年ぶりだし。

あるいは、最後の1時間以上にわたるパーティーのシーンは映画史上も大変に有名です。
しかし監督のヴィスコンティは、1時間以上にわたる「イヤになるほど長い」舞踏会の無内容さを表現したかったのでしょう。
「豪華絢爛だなぁ・・・」と思うより、「もうっ!いい加減にしてよっ!」と感想を持って欲しかったんだと思います。
このイヤになるほど長い無内容な舞踏会こそ、貴族社会の終焉そのものといえるわけですからね。

そのような怠惰な貴族にも同化できないサリーナ公爵は、だからこそ自らの限界を乗り越えていける野生的で、エネルギッシュな人間(ドロンが演じた青年や、カルディナーレ演じた女性)を愛するわけですね。

オペラの旋律を聴いて「美しい!」と思うのではなくて、「ヘン!」と思って欲しい。
豪華な舞踏会のシーンでは「壮麗だなぁ!」と思うのではなく、「ムダに長い!」と思って欲しい。
ヴィスコンティ監督は、映画を見ている人間にやさしくはないわけです。
R.10/5/23
https://geolog.mydns.jp/movie.geocities.jp/capelladelcardinale/old/03-09/gattpard.html
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2022/08/22 (Mon) 13:17:20

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「ダメダメ家庭の目次録」 の記事の著者は、ハンドルネーム「ノルマンノルマン」氏とのことですが、連絡が取れない状態です。
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