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タンノイのスピーカーは買ってはいけない
オールドタンノイの製品
・Tannoy Monitor Black (1947~53)
・Tannoy Monitor Silver (1953~57)
・Tannoy Monitor Red (1957~67)
・Tannoy Monitor Gold (1967~74)
・Tannoy HPD385 (1974~76)
・Tannoy HPD385A (1976~79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy HPD315 (1974~79) :タンノイ最後のアルニコ仕様
・Tannoy DC386 (1979~ : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy K3808 (1979~ : この時期からアルニコからフェライトへ変更になる
・Tannoy Corner York 15in (1950)
・Tannoy Corner York 12in (1950年代後半)
・Tannoy Autograph (1953) : 15in
・Tannoy Autograph Millennium (2001) : 500万円・ペア/税抜
・Tannoy Landsdown (1954) : 12in
・Tannoy GRF (1955) : 15in
・Tannoy Canterbury (1950年代後半): 12in
・Tannoy Chatsworth Ⅱ (1950年代後半) : 12in
・Tannoy Ⅲ-LZ in Cabinet (1961) : 10in
・Tannoy Rectangular York (1967) : 15in
・Tannoy Rectangular GRF (1968) : 15in
・Tannoy Arden (1976) : 15in
TANNOY 製品一覧
https://audio-heritage.jp/TANNOY/index.html
TANNOY スピーカーシステム(プレステージシリーズ1980年頃まで)一覧
https://audio-heritage.jp/TANNOY/speaker/index.html
TANNOY スピーカーユニット一覧 タンノイ
https://audio-heritage.jp/TANNOY/unit/index.html
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タンノイで まともな音が出るのはモニターシルバーを入れた小型システムだけ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1085.html
頭が逝かれた信者が多いダメスピーカー タンノイ オートグラフ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1107.html
タンノイのスピーカーは買ってはいけない
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/494.html
LPの音をSPの音に変える魔法のスピーカ タンノイ オートグラフ _ 2流オケの音もウイーン・フィルの響きに変える奇跡
http://www.asyura2.com/09/reki02/msg/494.html
ウェストミンスター・ロイヤルが聴ける店 _ 一関市 _ ジャズ喫茶 ROYCE
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/212.html
オートグラフが聴ける宿 _ 原村 _ ペンション・ムジカ
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/213.html
三重県 青山高原 タンノイ博物館
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/714.html
本当のブリティッシュ・サウンドはタンノイではなくヴァイタボックス
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/710.html
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オートグラフの様なモノラル時代のタンノイのスピーカーを二台組み合わせてステレオで鳴らすと音が濁ってとても聴けなくなる理由
モノラル時代のスピーカーは指向性が広いので、ステレオのように正面で聴くのではなく、部屋の響きを織り交ぜて斜め横から聴くのが本来の姿である。
コーナーホーンと言えばスピーカーの王様のごとく高額な大型システムを思い浮かべるかもしれないが、1950年代に Electro-Voice のコーナーホーン箱が7種類あったなかで、Baronetは最も小さい末っ子。
Baronet の高さ 50cm×幅35cm はこの時代のコーナーホーンの中でも最も小さいもので、逆に言えば、RCA MI-4400(ラビリンス箱)や Lowther TP1、あるいは広告だけだった JBL Hartsfield などの特別な存在を除くと、一般の人が手に入れられる8インチ用のエンクロージャーでは、もっとも複雑な構造をもつものともいえる。
Baronetは、Klipsch Horn社からFolded Corner Hornのパテント(US Pat. 2310243、2373692)の供与を受けており、おそらく Paul Wilbur Klipsch 自身が設計したコーナー型バックロードホーン箱である。
Klipsch 氏の特許は基本的にKホーンと呼ばれる低域キャビネットにあり、Patrician や Georgian に搭載されている。
本家の Kllipsch ホーンにはエレボイのユニットを搭載したバージョンもあったことから、両社は良い協力関係にあったといえる。Baronet、Aristcrat、Regency などはそれより小さいシリーズはショート・バックロードホーンであり、エレボイからの要請をうけて設計しなおしたと思われる。
Klipsch氏は日本ではあまり有名ではないが、1940年にコーナーホーンを特許申請し、1935年に J.B.Lansing 氏が開発したシェラーホーンとは違い、家庭用で劇場並の迫力ある低音再生を可能にしたもの。
この方式の面白さは、低音再生を強制的な電気増幅や共振ではなく、実物大のアコースティックな響きで解決した結果、大容量のホールの感覚に近い空気感が得られるところにある。(逆に言えば、クラブ・ジャズのようなタイトな低音とは異なる)
英米のスピーカー製造における Klipsch 氏の影響力は非常に大きく、1940~50年代においてどのメーカーもコーナー型バックロードホーンが最も高級機種として羽振りをきかせていた。
ちなみにアメリカン・タンノイと呼ばれる機種は、米国で Klipsch 氏の特許があるので販売できなかったため製造されたもの。
コーナーホーンの多くが日本で有名ではない理由は、ひとつは家屋の規模の問題、もうひとつは物品税が高価なため、システムでのスピーカー輸入が阻まれた結果、バラ売りユニットの性能だけが幅を効かせて、エンクロージャーの性能まで思いが及ばなかったからであろう。
Hi-Fi初期の1950年代は、キット製品に人気があり、アンプをはじめエンクロージャーのマニュアルや図面を¢50~$1で売っていた。
当時は Hi-Fi機器が電蓄から抜け出したばかりの時代で、例えば Decca 社の Decola のような一体型コンソールは超高級品であって、Hi-Fi 対応のパーツを掻き集めたバラ売りが最も経済的だった。
KD7キットの言葉を借りると
「Baronet はその名のとおり、Hi-Fiスピーカー用のエンクロージャーとして、小さなアパート、子ども部屋、避暑地の別荘など、重たく嵩張るものが歓迎されないどの場所でも良質な音楽の要求に応えます。
Baronet の造りは大きな容積のエンクロージャーではありませんが、再生音の高忠実性と周波数特性を犠牲にしません」とある。
当時の量販店の広告にも「省スペース(Space Saver)システム」という文字が躍るほどで、ミニマムなオーディオ・システムとしてBaronetは注目を浴びていた。
Baronetの置き方はこのコンパクトな箱により、標準とされるコーナー&床置きはもとより、壁掛けやディスクトップの置き方も多くみられる。
私もモノラルならディスクトップがお勧めである(壁掛けは昔の校内放送の思い出が悪くあまり気乗りしない)。
エレボイ社のカタログには "for Close Lisning" と書いてあり、ややモニター的な聴き方に近いような気がするが、パーソナルに音楽を楽しむために、小音量でちょっとした読書コーナーを作るには最適である。
モノラル時代のスピーカーは指向性が広いので、ステレオのように正面で聴くのではなく、部屋の響きを織り交ぜて斜め横から聴くのが本来の姿である。
http://quwa.fc2web.com/Audio-103.html
上の図版でも女性の姿が目立つが、Baronetは大げさではなく音楽を楽しみたいユーザーに希求していて、シンプル=人間の生活中心の思想が現れている。
これはエレボイの看板「Temple of Tone(音響の神殿)」とは趣向が大きく違うものの、Baronetのもつ可能性を巧く言い当てているように思える。
かの銀幕の大女優マレーネ・ディートリッヒも、ニューヨークのアパートでBaronet(それもフルレンジのみの初期型)を使っていたらしく、1997年のサザビーズ・オークションに、GE社の"Stereo Classic 7700"ステレオアンプ、ガラード社のRC型オートチェジャーとセットで出品された。
アパートの居間はグランドピアノを置くサロン風の部屋だが、よくヨーロッパの音楽家が比較的質素なステレオを自宅に置いていることの例に漏れず小粒なシステムながら、いずれも1950年代のビンテージである。
映画用の Altec ではなく、さりとてステレオ時代に躍進した JBLや ARでもなく、初期型の Baronetであるあたりは、彼女の活躍した時期を考えると、これがちょうど良かったのかもしれない。ゴージャスなジャズ・バンドを従えるよりは、ピアノに寄り添って静かに歌う彼女の姿とも重なる。
http://quwa.fc2web.com/Audio-103.html
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オートグラフの様なバックロードホーン型スピーカーは大広間で大音量で鳴らす用途のスピーカー
結構勘違いされている方が多いと思うのですが、通常英国では家庭用スピーカーシステムとしては大型でも12インチ搭載モデルを使用していました。
Tannoy AutographやGRFなどはある意味特殊用途で大きな広間などにおく場合に使われていました。その場合はキャビネットの構造もバックロードホーン型を採用しています。
一般的な部屋の広さでスピーカーシステムからリスナーまでの距離が近い場合は、低域がリニアに出る、バスレフ型か密閉型なのです。
余計なお話しですが、モニター(検聴用)スピーカーにバックロードホーン型なんて存在しないのです。低音域のリニアリティを求めるなら、バスレフ型か密閉型なんです。
Tannoy AutographやGRFなどバックロードホーン型は家庭用PAに位置付けられます。スケール感や音場感には優れますが、リニアリティは無理な要求なのです。
Tannoy AutographやGRFはメーカーのフラッグシップモデルだから良いと言うのは間違いです。リスナーの用途に応じて機材は選択するべきです。
TANNOY(タンノイ) 「Landsdown」12inモニターシルバー搭載スピーカーシステム | VintageAudio
https://vintage-audio.jp/?p=450
Tannoy Landsdown
12インチモニターシルバー搭載のスピーカーシステム「Landsdown」です。
「Landsdown」は1954~61年頃まで製造されていたようです。1958年までが12インチのモニターシルバー、それ以降はモニターレッドが搭載されていましたが、今回はモニターシルバー搭載モデルです。当時の12インチ搭載モデルの中では最高級タイプです。(下記を参照下さい)
Tannoy Landsdown 当時のカタログ 4
1956年のHiFi Years Bookでは。。。
・Tannoy Autograph(15in) £150.3
・Tannoy GRF(15in) £116.10
・Tannoy York(15in) £71.8
・Tannoy Landsdown(12in) £68.5
1960年のHiFi Years Bookでは。。。
・Tannoy Chatworth Ⅱ(12in) £49.15
・Tannoy Canterbury(12in) £43.15
・Tannoy Landsdown(12in) £75
・Tannoy York(12in) £66
・Tannoy York(15in) £75
・Tannoy GRF(15in) £122
・Tannoy Autograph(15in) £165
写真をご覧頂くとわかりますが、丁度TANNOY AutographやGRFを半分にした様な、ロータイプです。スピーカーの高さって、試聴ポイント(通常は椅子に座って耳の位置)より下にユニットがくる様な設計のスピーカーシステムは基本的に家庭用となりますので、このモデルも家庭用高級タイプになります。また、キャビネットの構造は、バスレフタイプとなります。
結構勘違いされている方が多いと思うのですが、通常英国では家庭用スピーカーシステムとしては大型でも12インチ搭載モデルを使用していました。Tannoy AutographやGRFなどはある意味特殊用途で大きな広間などにおく場合に使われていました。その場合はキャビネットの構造もバックロードホーン型を採用しています。一般的な部屋の広さでスピーカーシステムからリスナーまでの距離が近い場合は、低域がリニアに出る、バスレフ型か密閉型なのです。余計なお話しですが、モニター(検聴用)スピーカーにバックロードホーン型なんて存在しないのです。低音域のリニアリティを求めるなら、バスレフ型か密閉型なんです。Tannoy AutographやGRFなどバックロードホーン型は家庭用PAに位置付けられます。スケール感や音場感には優れますが、リニアリティは無理な要求なのです。Tannoy AutographやGRFはメーカーのフラッグシップモデルだから良いと言うのは間違いです。リスナーの用途に応じて機材は選択するべきです。
だから、一般の家庭での音楽鑑賞用としてはTANNOYであればこの「Landsdown」が最も高級であり適当だと思います。そしてモノラル(1本)で使用する場合は、やはりモニターシルバーが良いですね。モニターレッドが悪い訳ではないのですが・・・TANNOYという会社は世の中の流行りに敏感なメーカーだと思います。一般的には1958年にステレオが始まったと同時に、モニターレッドにモデルチェンジしますが、モニターレッドはステレオ再生に最適化されたエネルギーバランスになる訳です。だから、逆にモノラル1本で使用する場合はモニターシルバーの方がバランスがいいのです。
組合わせるパワーアンプは、QUADⅡではありませんよ。通常はLEAK TL-12plusあたりが適当です。TANNOYにQUADⅡという組み合わせが国内では常識化されていますが、QUADⅡはESL専用アンプと考える方が普通でしょう。ESLはコンデンサー型スピーカーでその発音構造から考えても(勿論試聴しても)わかりますが、繊細ではあるけどダイナミック型スピーカーと比較すれば全くエネルギーバランスが異なります。スピーカーとアンプの組み合わせでは、それぞれのメリットとデメリットを補いあいマッチングを取るのですが、ESLの過度な線の細さや押し出し感の無さをQUADⅡは補うような音質(バランス)で作られているのですから、TANNOYの様なダイナミック型スピーカーに組合わせるとボケ気味の音になって正常なのです。しかも、TANNOYは当時の英国系の中でも、どちらかと言えば荒い音質のスピーカーに分類されるのですから・・・余計にボケて荒い音になります。そこで、まぁ一般的に使えるのがLEAKとなります。こだわるならモニターシルバー時代であればTANNOYのアンプやその他HiFi系のアンプとなり、いろいろ選択肢はありますが、QUADⅡだけは違いますよ。どうしてもQUADと言われるなら、QUADⅠ型が良いでしょう。QUADⅠは「コーナーリボン」というGoodmansの12インチウーファーにリボントィーターを組み合わせたアコースチィカル社(QUAD社)のオリジナルスピーカーシステム用のアンプで、こちらは通常のダイナミック型スピーカー使用なので良いのです。ちなみに「コーナーリボン」も数台在庫あります。
Landsdown+LEAK TL-12plusでの組合わせは、やはり家庭用高級機の内容を伴ったサウンドです。ソースを選ばず、忠実度の高い鳴りをします。普通に聴けるいいシステムだと思いますよ。
TANNOYの1950年代のシステムをお探しの方、是非ご検討下さい。現在では非常にレアなシステムです、1本しかありませんので、お早めにお問い合わせ頂ければと思います。また、もっと大型がいいと言われる方にはGRF15inシルバーオリジナル(脚付)も1本在庫がありますのでお問い合わせ下さい。その他、TANNOYのアンプや各社HiFi系のアンプも多数在庫あり。
TANNOY(又はTANNOY系)のシステムも在庫あります。
・TANNOY ランカスター(密閉型) 15inモニターレッド 2台(STペアー)
└スタジオ仕様 側面に取手付、背面板にB&Kの公正特性データー表付
・TANNOY ランカスター(バスレフ型) 15inモニターゴールド 数台
・PYE HF-25SC 15inモニターシルバー 数台
└ステレオ仕様で使用する場合はモニターレッドに入れ替えも可能
https://vintage-audio.jp/?p=450
岡山県 玉野市 Vintage Audio(ヴィンテージ・オーディオ)
http://www.asyura2.com/18/reki3/msg/458.html
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タンノイ オートグラフ ミレニアム を聴ける店
音楽カフェ Blossom :ブロッサム
http://www.cafe-blossom.jp/
https://www.facebook.com/cafeblossom1
http://cafe-blossom.blogspot.jp/
埼玉県 越谷市 東大沢5丁目15番3
TEL048-954-9005
営業時間:
午後2時30分~8時30分(ラストオーダー) 午後9時30分閉店
貸切りランチは午後12時~2時(要予約)
貸切ディナー(時間は相談、要予約)
定休日:火曜日・水曜日
アクセス
東武伊勢崎線「北越谷」駅東口より徒歩約11分。
バスご利用の場合は、「北越谷」駅東口2のりば:老人福祉センター(くすのき荘)行きにて キャンベルタウン公園入口(二つ目)下車徒歩3分。
1. 店の裏に2台分の駐車場があります。
ご利用に際しては、事前に、お問合せ、御予約をお願い致します。
2. 徒歩5分の処にコインパーキングがあります。
詳細は
https://www.repark.jp/parking_user/time/result/detail/?park=REP0009809&p=1&st=4&lat=35.8910841&lon=139.7909377&word=%25E5%259F%25BC%25E7%258E%2589%25E7%259C%258C%25E8%25B6%258A%25E8%25B0%25B7%25E5%25B8%2582&plc=%25E5%259F%25BC%25E7%258E%2589%25E7%259C%258C%25E8%25B6%258A%25E8%25B0%25B7%25E5%25B8%2582&pref=11&city=222&
地図
http://www.cafe-blossom.jp/map/index.html
https://www.google.co.jp/maps/place/%E3%80%92343-0022+%E5%9F%BC%E7%8E%89%E7%9C%8C%E8%B6%8A%E8%B0%B7%E5%B8%82%E6%9D%B1%E5%A4%A7%E6%B2%A2%EF%BC%95%E4%B8%81%E7%9B%AE%EF%BC%91%EF%BC%95%E2%88%92%EF%BC%93/@35.9052375,139.787693,17z/data=!3m1!4b1!4m5!3m4!1s0x60189617136c57bb:0x7f00d794d925d164!8m2!3d35.9052375!4d139.7898817?hl=ja
ブレンドコーヒー 500円
紅茶 500円
http://www.cafe-blossom.jp/menu/index.html
(1) 建物はカナダより輸入。 イギリス風外観
(2) 音楽を楽しむために、遮音、内装材、床構造に配慮しました。 コンクリートベース+構造用合板+遮音マットの上に、直接ブラックウォルナットの無垢床材を貼っております。
床材床の鉄筋.
(3) 建物は2x6工法を採用し、外部との遮音を行うため壁の厚みは20cm程度と十分確保しました。壁材はスピーカ背面はオーク他の面は吸音壁と腰板の組み合わせ、音響を配慮した天井材を使用しています。
(4) 室内面積は、約30畳(50m2)。天井高さは 5.5m と充分確保しました。
オーディオ装置
英国製大型スピーカ、タンノイオートグラフミレニアム
レコードプレーヤはトーレンス TD520 に、SME3012トーンアームを取り付け、カートリッジはオルトフォン MC20Wを使用。
真空管式CRイコライザ+超低歪率フラットアンプ
プリアンプ : 真空管式CRイコライザ+超低歪率フラットアンプ
メインアンプ : 大型直熱真空管 845 を使用した三段直結アンプ。
モノラルアンプ 2台 (上田順筰氏 特製)
レコード盤(1) 店主が長年にわたり収集したしたレコード盤。 管弦楽曲、ジャズバラード 等、約3,000枚のコレクションがあります。
お出しするパンは、全て当日焼いた自家製のパンです。
http://www.cafe-blossom.jp/owner/index.html
『音楽カフェBlossom』さんをお訪ねして丸2日が経つが、あの音体験は強烈である。
音楽カフェ Blossom BLOG
タンノイ オートグラフ ミレニアム 845シングル/EL156PP真空管メインアンプ
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/8.html
いや、音自体はクラシックでは包み込むようなおおらかさで、一方、録音の良いポピュラー系のディスクでは大型モニターを起源とするスピーカーらしい鮮やかさを見せはするが、「鮮烈で耳について離れない」という類の音ではない。音楽の好きな方が、気持ちよく、かつ音楽の生命感を失わずにという方向で、機器と空間との調和をはかってたどりついた音だ。
つまり、聴き手に押し付けをせず、心地よくくつろいでいただこうというホスピタリティーに富んだ音で、カフェというお店の性格に合った音である。記事の通り、機器のというより空間の次元が違いすぎて、我が家の装置と音を比べようとか、どのくらい差があるかなどという下心は最初から持ちようがないのだが、しかし、自宅で聴く音の聴こえ方が変わってしまっていることは否定できない。
今はスペンドールBCⅡで聴いているが、ステージがやはり縮尺モデルである。このスピーカーは、中型ながらオーケストラの響きをそれらしく聴かせると言われたもので、私自身もイメージで補いつつ擬似演奏会を楽しんでいたが、オートグラフ・ショック以来、ミニチュア・スケールのイメージがぬぐいきれない。この点は、隣家からの苦情を覚悟してボリュームを上げれば、幾分かは改善されるが、それにしても本質的な差は埋めようがない。
もう一点、高音、とくに弦の音に艶が乗りすぎる。この点も、「BCⅡは、実際以上に美しく聴かせるので、モニターには向かない」などと評する人も多かった元々の特徴なのであるが、これが少々邪魔になるのだ。(一昨日までは、これがたまらない魅力だったのに)
スターリングに戻せば、艶めきは控え目になり、縮尺が1/5から1/3くらいには修正できるかもしれないが、今はそうせずに、この艶をもう少し部屋の響きと調和させる方向を探ってみようと思う。
試みにいつもより聴取位置をギリギリまで後ろに下げて、キッチンの中に半分体を入れて聴いてみた。“空間が鳴っている”感じが出て、オートグラフの試聴感に近づいた。しかし、微細な繊維で織り込んだような、きめ細かな高音は聴き取りにくくなる。この、顕微鏡を覗くような“粒子の細かな、絹のようにやわらかな高音”は、オートグラフにないBCⅡの持ち味である。私の好きな、英国のスピーカーにしか聴けない美点である。これを捨ててはなるまい。
http://blogs.yahoo.co.jp/tatupulin/55747793.html
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モニターレッド入りタンノイ オートグラフを聴ける店
タンノイ博物館
http://www.forest-energy.com/tannoy/
http://www.bunka.pref.mie.lg.jp/matikado/da/detail?kan_id=835614
三重県 津市 白山町伊勢見 150-195 青山高原保健休養地
電話
090-2685-1673
059-264-2223
館長 松橋 健(まつはし けん)
開館時間 10:00~17:00
土曜・日曜・祝日開館
要予約(平日希望の場合も)
アクセス
国道165号線青山高原入口から車で5分
駐車場 9台
地図
https://www.google.com/maps/place/34%C2%B039'14.2%22N+136%C2%B015'58.3%22E/@34.65395,136.266193,14z/data=!4m5!3m4!1s0x0:0x0!8m2!3d34.653942!4d136.266201?hl=ja-JP
入館料
一人 2,000円 (2時間以内) 2時間超えの場合、一律 3、000円。
※日本茶/紅茶/珈琲の内一品付
※2時間超えの場合、終了迄時間の制限はありませんので充分お楽しみ下さい。
※近くに食事する処がありません。ご希望でしたら館長オリジナル料理(スパゲッティー等500円/人)で可能。
現在の視聴可能 Loudspeaker
Tannoy Autograph 15 ‘’Monitor Red Tannoy社承認箱
ⅢLZ origina110’’MonitorGold・Lockwood Major HPD385 Small Autograph 12"Monitor Gold(U-topia箱)
Quad ESL63
JBL Everest DD-55000
50年前の名機ですが柔らかくて力強い音質は最近の高級機器にも負けません。
Autograph 15" MR は断突に素晴らしいですが、Small Autograph 12"MG も魅力的。箱がオリジナルと同じ構造のバックロード・ホーン採用。更に10"MG の入った ⅢLZ が光り輝きます。ヴァイオリンの再生では、これに優るSPは無いのでは?JAZZも聴かれる方はLockwood Major(GB)の力強よい響きの虜になるかも?ESL63は、他とは違うコンデンサーSPの響きが味わい深い。
Everest は JBL の旗艦(Flag Ship)SP。眼前で JAZZ の Live が炸裂。意外と Classicも聴かせます。
MARATS #7 Original
AIR TIGHT ATM-2 KT-88×4本
現在 AIR・TIGHT 社の ATM-2・ KT-88×4 アンプで再生中。
MC275 は故障中で、近日修理予定。
LPプレイヤーはEMT-948(DD)・カートリッジTSD-15導入。
LPの魅力を再認識させてくれます。
タンノイ博物館 Museum of TANNOY
能楽堂の構造及びヨーロッパの音楽Hall
http://www.forest-energy.com/tannoy/
故五味康祐氏が生前に「わがタンノイオートグラフ」で「貴婦人(Autograph)の為に理想のリスニング・ルームを造らねばならない。」と計画されていましたたが残念ながら実現する事はありませんでした。無念だったと思います。そこで、「日本の伝統木構造」・「能舞台の構造」・「ヨーロッパの音楽Hallの構造」等を研究して、当館は青山高原に「理想のリスニング・ルーム(Hall)」を完成させました。
Hallの概要は、間口7.25M・奥行8.5M、天井高さSP設置側4.5M・客席最深部7.5Mを確保し、容積は余裕の450M3です。当初、左右SPユニット中心間が6.3Mもありましたので、音の中抜けを心配していましたが杞憂に終わりました。
其の道の専門家の方・音楽マニアの方の一致した評価は
「素晴らしい!!」
「Autographからこんな凄い音が!?」
「CDには無限の音楽が入っている事を実感。
「自分の弾く楽器の響きに驚いた。」
「CD録音の為に調整が不必要で、Hallはどのようにして設計されたのですか?」
等の有り難いお言葉を頂戴しています。
もし、当館Hallより響きが良いと自慢のリスニングルームを所有の方は是非、当館へお越し下さい。
データがどんなに良くても、ヒアリング(聴感)がポイントですから。
※ホールのレンタルも承っております
皆様の眼前で演奏家が歌い・弾き・語ります。演奏会の成功は演奏者と皆様が一体になって創り出されます。
スタジオ録音よりライブ録音の方に名演が多い事はその事を証明しています。
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キット屋コラム「私のオーディオ人生」第14回 by Y下
第14回 これがタンノイだ!
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014
オーディオマニアのみならずタンノイマニア、タンノイファンの憧れであるタンノイ、このタンノイに拘った「ヴィンテージ・タンノイ博物館」をご紹介します。
日本でこのような歴代のタンノイスピーカーを展示してあるタンノイ博物館を私は今まで見たことも聞いたこともありません、今回は沢山写真を撮らせていただきましたのでここで聴くタンノイとホールの作りの良さを皆さんに見て頂きたいためにコラムでご紹介させて頂きます。では早速ご案内しましょう、
ヴィンテージタンノイ博物館
このタンノイ博物館の建物は総ヒノキ作りの注文住宅のモデルルームになっており外観は日本建築の良さを余すところなく作られております。建物は最近出上がったばかりなのか室内に入りますとヒノキの匂いがプンプン漂ってきます。「これぞ木の香りだ!」
一般的な試聴室とは違う一軒の建物の中が一つのホールになっており部屋の広さがビックな36畳で天井高が何と7メートルもある吹き抜けになっています。オーナーの松橋氏はここを「ヴィンテージ・タンノイ博物館」と言っています。では写真を見ながらご紹介させて頂きます。
タンノイ博物館の試聴の部屋
先ほども書きました広さは36畳で左右にタンノイのオートグラフが鎮座しています。部屋が広すぎるのでオートグラフが小さく見えてきます。オートグラフの横にはジャズファンが聴くためのJBLのエベレストが置いてあります。
オートグラフの左右の間隔は約6メートルで音楽を聴く最適ポジションはスピーカーから約8メートル離れた場所になります。左側には生演奏用のグランドピアノがあり此処のホールで月に1~2回はクラッシックの定期演奏会が行われておりこのホールを別名でSHOKO-HALLとも呼びます。またこのホールは2階もあり1階、2階を合わせて70名程の客席がご用意できるそうです。
このスピーカーはタンノイのオートグラフで実装していますユニットはモニターレッドになります。タンノイのモニターレッドとマッキントッシュMC-275の組み合わせは有名な剣豪作家の五味氏も愛用していました。オートグラフの横はJBLのエベレストですが何となく存在感が薄れてくるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。「何時かはオートグラフ」オーディオマニア、音楽マニアの夢ですね、
JBLのエベレストが小さく見えるほどオートグラフの偉大さを痛感させられます。
ホールの左右にオートグラフの小型版のオートグラフミニです。このエンクロージャーはユートピア製ですが一般家庭で聴くのならこれで十分、その横にはオートグラフの後継機と評価の高かったウェストミンスターが展示してあります。ウェストミンスターの上には10インチのモニターレッドが入ったⅢLZがさり気なく置いてあります。
ホールの2階から下を見下ろす写真になります。ここのホールは2階席もあり2階からもタンノイを見下ろしながら聴けるようになっています。この2階席で美味しいコーヒーを飲みながらオートグラフを聴けば加山雄三の歌のセリフで「僕は幸せだなぁ~」の心境にもなる。
別室の2階の12畳の試聴室には有名なタンノイGRFメモリーが整然と置かれている。
同じ部屋にはタンノイランカスターとゴールドが入ったⅢLZも置いてある。隣の写真はタンノイのプロ用のロックウッド・メジャーになります。このスピーカーは放送局用のモニタースピーカーで移動がしやすいようにボックスの横に取手が付いているのとキャスターも付いています。
ランカスターの内部写真です。ボックスの周りに吸音材がびっしりと貼ってあります。ユニットはゴールドになります。
左側のスピーカーはタンノイでも非常に珍しい無指向性のスピーカーシステムで名前は忘れました。右の写真はユートピア製のタンノイGRFになります。
2階の廊下にこれまた有名なレキュタングラーヨークがさり気なく展示してありました。
2階から客席側の写真になります。試聴させて頂いた翌日はここでコンサートが予定されているので補助椅子が沢山並べられていました。
1階の右後方からのホールの全景です。オートグラフがホールを引き締めているのが手に取るように分かります。
タンノイを鳴らす真空管アンプ、マッキントッシュのMC-275とプリアンプはマランツ#7の組み合わせです。音源はレコードではなくCDになります。
一階ホールから見上げた天井で高さ7メートルの吹き抜けですが光熱費がかかりそうのような気がしますがこれだけの空間があればオートグラフが芳醇な響きで謳歌するのが良くわかりますね、
ここのタンノイ博物館の館長で松橋氏です。非常に温和な優しい方で初対面でも気さくな人柄で人情味の厚い好感の持てる方で年齢は団塊の世代で私より一つ若い館長です。この松橋館長は昔からスピーカーの浮気もせずにタンノイ一筋の超が付くタンノイマニア、いやタンノイコレクターと呼ぶのが相応しいかな?同じ英国党でも私とは正反対の性格「もっと見習わなければ」、タンノイを使っているマニアは本当に優しい方ばかりです。その点私は浮気者でひねくれ男ですから・・・・
タンノイ博物館のオートグラフの音
これだけの広さがあればオートグラフも水を得た鯉のような気がしてくる。事実その音は想像を遥かに超えた素晴らしい音で館長の人柄が反映された雄大かつ緻密な響きです。このホールの木の香りと木造りのコンサートホールはベストマッチングではなかろうか、私が持参したコジェナーが歌うヘンデルのアリア集は雄大かつ緻密な音で「これがタンノイだ!」と唸らせた音楽性の高い音であった、クラッシックファンがタンノイを望むのは理解できる。その後に館長のお気に入りでワーグナーの歌劇を聞かさせて頂いたが大編成にも関わらず音に圧迫感がありません。家庭で聴くタンノイとは世界が違っていた、
あとがき
タンノイを写真付きでご紹介させて頂きましたが、このタンノイ博物館は最近オープンしたばかりで4月からは入場料として一人1,000円だそうですがコーヒーとお茶菓子付きですから音楽喫茶に行くよりも安いのではないでしょうか、
松橋館長と音楽談義、オーディオ談義に華を咲かせるのも良いのではないか、いつかはオーディオ雑誌などに取り上げられるのではないかと思います。是非一度、日本では此処にしかないヴィンテージタンノイ博物館を見学して下さい。場所は三重県になります、キット屋のコラムを見たと言えば暖かく迎えてくれますから気楽に訪問して下さい。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-014
TANNOY博物館(三重)に行ってきました。2012年03月27日
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/ae352e804e93568bf674a08d390695a4
TANNOYというと、現在はエソテリックが輸入をしているイメージですが、
この博物館で扱っているのは1950年代~80年代のものです。
故五味康祐氏が愛用したことでも有名な名機
「オートグラフ」を聴くことができるということで、行ってきました!
場所は、三重県の津市。
電車で行く場合は「西青山」が最寄り駅になり、大阪から1時間半、名古屋から2時間程で行ける場所になります。
ちなみに、駅舎はこんな感じ。
Wikipediaによると、乗降人員は 11人/日程度。
ハイキングコースがあるのですが、その看板も…
なお、電車は30分に一本あるので、アクセスは容易です。
館長の松橋さんに相談したところ、駅まで車で迎えに来てくださいました。
松橋さんは、この博物館以外のお仕事もお忙しいようで、来館時は事前に電話をしておくと良いでしょう。
自動車で来る場合は、この看板が目印ですね。
TANNOY博物館に到着すると、意外にも普通の住宅っぽい外観です。
住宅設計工房の展示場を兼ねているとのことでした。
中に入ると、あっと驚く大空間。
オートグラフに、JBL DD-55000に、グランドピアノが余裕で納まっています。
そして、圧巻の二階吹き抜け構造。
この二階にも椅子が多数あり、
ここに演奏家を招いて行う音楽コンサートでは、ここも満席になるとか。
西洋の某ホールを思い出す作りですねw
お伺いした時は、KT88を使った真空管アンプが修理中で、
代わりにEL34を使ったAIR・TIGHTの真空管アンプで「オートグラフ」を聞かせて頂きました。
↑間近で見ると、ド迫力の巨漢スピーカー。
広大なリスニングルーム全体が楽器のように鳴り響き、
「音楽の波の中にいる」といった感じの不思議な感覚でした。
床板も盛大に振動しているなど、従来のオーディオルームと違うイメージでしたが、それがこの音に結びついているのでしょう。欠点を探し出す聴き方ではなく、音楽に浸る感覚で聴くと満足度が高いと感じるはずです。
天井の高さも非常に効果的なようで、
コンサートホールで体感する「管楽器が斜め上方から聞こえてくる」が見事に再現できていました。
お目当ての「オートグラフ」ですが、この部屋に溶け込んでいるようで、
以前、秋葉原の「ヒノオーディオ」で聴いた復刻版とはちょっと違う感じでした。
ヒノオーディオverの方は、雄大で重厚な感じで、いかにもクラッシック専用な雰囲気だったのに対し、こちらの TANNOY博物館で聴いた音は、小気味良く張り出してくる感じでした。JAZZにもマッチする感じですが、金属的な硬さは皆無です。ユニットが「Monitor-Red」だったのもポイントかもしれません。
松橋さんの陽気な人柄もあって、滞在していた二時間があっという間に過ぎてしまいました。オートグラフ以外の大型SPも5機種程度(視聴可能かは不明)あるようでしたし、特にクラッシック好きな方であれば、3時間以上の長居をしたくなるでしょう!
この博物館は高台にあり、平地より気温が7℃程度低いとのこと。
これからの季節、日帰りの避暑気分で訪れても良さそうですね!
http://blog.goo.ne.jp/4g1g4g0/e/ae352e804e93568bf674a08d390695a4
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この世のものとも思えない音を出すにはどういうオーディオ機器が必要か
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030753
能率 95dB 以下の低能率スピーカーは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004063
口径38センチ(15インチ)のユニットではまともな音は出ない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004040
ウレタンエッジのコーン型ユニットを使ったスピーカーは買ってはいけない。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004076
JBL のスピーカーは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004023
アルテックのスピーカーは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004026
B&W のスピーカーは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004028
タンノイのスピーカーは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004027
ハイエンド・スピーカーの世界
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/697.html
QUAD の静電型スピーカーを超えるスピーカーはまだ存在しない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004090
ウェスタン・エレクトリック伝説 _ オーディオのパラレルワールド
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004149
手回し蓄音機はオーディオではない。楽器だ!
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004305
最高の音を一番安く手に入れる方法
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14003094
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2022/08/21 (Sun) 04:58:12
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晴耕雨聴 2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その1.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_9.html
1.全景.JPG
(寝室に入れたオートグラフです。正面の壁がちょっと殺風景かな)
先日、オーディオマエストロさんから某大型スピーカーを手放したい人がいるから、引き取らないかとのお話がありました。
ベンプレ亭書斎はもう新しいスピーカーの置き場がありませんが、寝室用にその大型スピーカーを導入するのも面白いかなと。
しかし、それなら昔、欲しかったタンノイオートグラフを買おうと思い直しました。
オートグラフは私がオーディオを始めた18歳、浪人生の頃の憧れのスピーカーでした。
私に限った話ではなく、このスピーカーはアラカン世代か、もう少し上の世代のオーマニの憧れのオーデイオ機材の代表で、JBLのパラゴンと並んで日本でもっともよく知られたビンテージスピーカーです。
現在でも雑誌のマニア訪問記にはしょっちゅうオートグラフが顔を出します。
オートグラフは五味康祐先生の愛機として良く知られたスピーカーで、当時(1960年代)の最先端、最高級のスピーカーの一つでオーディオマニアの憧れでした。
しかし発売されてから既に70年が経たんとしています。
現在ではオーマニよりクラシック音楽ファンや、ミッドセンチュリー家具を趣味とする人が使うスピーカーになっており、ガチのオーマニはオートグラフはもう使いません。
マニア訪問記でオートグラフがしょっちゅう出てくると書きましたが、皆さんサブスピーカーとして、あるいは部屋の調度品として、もしくは若いころに使って、下取りに出すのも忍びなく、といった塩梅です。
ガチのオーマニはマジコ、アバンギャルド、フォーカルのようなハイエンドに行ったり、デジタルを含めた業務用機材を縦横無尽に駆使したオリジナルシステムに進んだり、ウエスタンエレクトリックやクラングフィルムなどのビンテージに凝っています。
私はややビンテージ寄りのマニアだと思うのですが、純粋に音楽を聴くためだけのシンプルでクラシックなシステムを寝室に一セット組むのも教養人みたいでカッコイイかなと。
書斎でやってるビンテージ中心のマルチアンプシステム、入力系統も百花繚乱の飽食オーディオは、無教養な下品オーディオだと自覚していますからなw
https://91683924.at.webry.info/202208/article_9.html
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晴耕雨聴 2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その2.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_10.html
11.左.JPG
(右chのオートグラフです。エアコンから水が垂れない様に気をつけないと)
昔話、46年も前の私のオーディオ黎明期の話を少し書かせて頂きます。
大学受験に失敗し、浪人が決まったとき、これから1年はTVをみないで勉強しようと、感心なベンプレ少年は、下宿の14インチTVを押し入れにしまい込みました。
ここまでは良かった。
しかし私はクラシック音楽を10歳から聴いていましたので、音くらい無いと寂しいなーと秋葉原にラジカセを買いに行きました(勉強しろよー)。
ステレオ・ラジカセを何機種かヘッドホンで聞き比べた所、アイワのTPR-808が一番クラシック向きの滑らかな音でコレを購入、自宅に持ち帰りました。
ところがヘッドフォンで聴いたらとても良いのに、ラジカセのスピーカーで聴いたらショボイ。
これはラジカセのスピーカーが悪いのだろうと考え、既に廃刊となったfmファンという隔週刊誌に出ていた小型スピーカーの制作例を参考にして、これも今はないコーラル社のフラット5という12㎝フルレンジスピーカーを購入、今は輸入が禁止されたラワンの単板を、これまた今はない秋葉原デパートで買い込み、手引き鋸と回し引きで板取りをしてバスレフ箱を作って聴いてみました。
これが効果抜群、音質が大きく改善されオーディオに目覚めました(勉強しろよー)。
それからステレオサウンドや先のfmファン、その別冊などを買い始め、単行本として最初に読んだオーディオ本がゴマブックスから出ていた「五味オーディオ教室」でした。
これは新潮社の「西方の音」の焼き直しだと後で知りましたが、それこそ何回も何十回も読み返しました(勉強しろよー)。
その中でタンノイ社のオートグラフが絶賛されており、聴いてみたいものだと思っていました。
バックロードホーンとフロントロードホーンのコンパウンドホーンだという事なので、ボール紙を切って、こんな感じかなーとコンスタントワイズのバックロードホーンエンクロージャーの前にフロントショートホーンを組み込んだ物を、想像だけで作ったりもしましたよ(勉強しろよー)。
つまり私はオーディオ開始僅か2か月後に、見たことも聴いたこともないオートグラフの信者になっていたのです。
後日、オートグラフの写真を見てコーナー型の複雑な折り返しホーンである事、実に典雅なデザインである事を知り、更に憧れが募りました。特に別冊fmファンのオートグラフの自作記事には驚かされました。
そのころは既に英国本社ではオートグラフの生産は終了しており、タンノイの輸入元であるTEAC社がライセンス生産をしていました。
箱は国産の、今は無き進工舎製、ユニットは最新型のHPD385Aに代わっていました。この箱はタンノイ社の認証を受けており、本社からは大変良く出来た箱だと感心されたそうです。
オートグラフは複雑なコンパウンドホーンなのですが、部材が全て平板で構成されており、WE15aやJBLパラゴン、アルテックA7の様な曲線の部材がありません。
そのため自作に挑戦され、成功される方が当時は沢山おられたようで、雑誌に良く取り上げられていました。
この流れで、現在もスピーカー工房、木工所などでオートグラフの箱の受注生産をしている所がありますね。
生産開始から70年も経っているのに、国内の複数の工房でレプリカが作られ続けているスピーカーはオートグラフだけでしょう。
五味先生の著作の影響が大である事は間違いありませんが、やはり実物を見て、音を聴いて、どうしても手に入れたい、このスピーカーで音楽を聴きたいという人が現在も絶えないという事では。
やはり時代を超えた名器だと思います。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_10.html
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その3.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_11.html
3.構造図.jpg
https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/166090308965591158350-thumbnail2.jpg.html
(オートグラフの構造図です)
自分の知る範囲、記憶の範囲でオートグラフにまつわる話を書いてみます。タンノイに詳しい人には釈迦に説法だと思いますがご容赦を。
オートグラフは1953年に生産が開始されましたが、当時のユニットは最初のデュアルコンセントリックユニットである1947年発売のモニターブラックの、次のモデルとなったモニターシルバーでした。
ニューヨークのオーディオショーでお披露目されましたが、当初はエンクロージャーの外観デザインがその後のものとは異なり、どことなく中国の家具のような雰囲気でした。
その後モニターレッド(五味康介先生はコレ。ユニットが38ポンドで箱に収めて165ポンド)、さらにモニターゴールドとユニットの変遷が続く中、オートグラフの生産は続けられていました。
1974年、タンノイ本社で工場の火災があり、自社でのコーン紙の製造が不可能となりました。
そのためコーン紙を西ドイツのクルトミューラー社から購入する事になり、伝統のデュアルコンセントリックユニットは大きく変わることになりました。
オートグラフはコアキシャル2wayのツィーターが1KHz以上を受け持つホーン、それ以下の周波数帯域もフロントロードホーン(公称350~1KHz。自分は200Hzくらいから動作していると思います)とバックロードホーン(公称~350Hz。同じく~200Hzで動作しているのでは?)のコンパウンドホーンという3wayオールホーン型スピーカーです。
ホーンならホーン型に相応しいユニット(ドライバー)という物があります。
ホーン型スピーカーの振動板は軽量で反応が早く、振動板が歪まない様に強度があり、かつ固有の鳴きの無いない事が求められます。
振幅は大きく取れなくても問題ありません。ホーンロードをかけるのでオーバーダンピング気味のQの低いユニットが好都合で、マグネットは振動板の重量に対して強力である方が宜しい。
しかしHPD385Aのマグネットはモニターゴールドのそれと同じ物であったのに対し、クルトミューラー製のコーン紙はゴールドのそれより重く、HPDの能率は91dbに低下しました。
さらにコーン紙の剛性が不足していたのか、裏面にリブが付けてありました。
加えてエッジはロングストロークを狙ったのか、それまでのフィックスドエッジからウレタンエッジに変更されていました。。
ホーンスピーカー用とは真逆の振動板であったためでしょうか、それとも日本以外では売れなくなったためでしょうか、オートグラフは生産完了となりました(タンノイ社の談では職人の高齢化により、生産が続けられなくなったと発表されていましたが…)。
日本国内ではオートグラフ生産完了後もそれを求める人が後を絶たず、輸入元のTEACがその復刻版を企画、タンノイ本社と折衝を重ねノックダウン生産の許可を得て、生産終了僅か二年後の1976年に再生産・販売を始めました。
無い袖は振れませんから、ユニットはHPD385Aを使用する事になりました。
TEACは暫くこのオートグラフを生産しており、日本国内で販売されたオートグラフの数は、オリジナルよりもTEAC製が多いのではないでしょうか。
これをレプリカと呼ぶ人もいますが、これはタンノイ本社の認証を受けて再生産されたノックダウン製品ですから、レプリカの呼称は少し謙遜し過ぎだとおもいます(その前後に出ていた他社製の箱、ユートピア製やヒノ製はレプリカで良いでしょう)。
TEAC製の進工舎箱、HPD385Aのオートグラフが何時頃生産中止となったのかは記憶にないのですが、数年間は売られていたと思います。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_11.html
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タンノイ・オートグラフを導入しました(その4.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_12.html
4.TV 385A .JPG
https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/166090324999283443932-thumbnail2.jpg.html
(オートグラフに入っていたHPD385Aです。ゴムエッジに張り替えてありました)
タンノイは火災の後、経営が悪化し、一時米国資本になっていました。
当時は既に書いたようにクルトミューラー製コーン紙でしたが、その後タンノイは再び英国独資となり、かつてのモニターゴールドに近いコーン紙を復活させました。
しかし具合の悪い事に、コンゴの内戦をきっかけに世界的なコバルト不足となり、こんどはマグネットがアルニコからフェライトに変更されてしまいました。
私はこの当時のユニット、フェライトマグネットでモニターゴールド風コーン紙のK3808を中古で買いましたが、正直あまり良い音とは思いませんでした。
このユニットは大阪暁明館病院の礼拝堂のPAスピーカーとして寄贈し、礼拝堂と隣の書庫に間の壁に取り付けて、壁バッフルで使用、現在は牧師様のお説教を拡声しています。
なお当時、マグネットはどちらもフェライトですが、ゴールドのコーン紙に近いK3808とHPDのコーン紙に近いK3838が併売されており、それらを大型バスレフ箱に入れたスピーカーをそれぞれスーパーレッドモニター、クラシックモニターとして売り出していました。
ネーミングから類推すると、タンノイはHPDのコーン紙の方がクラシック再生には好適と考えていたのかもしれません。
その少し後、タンノイは日本国内でPA用スピーカーも売ろうとしていました。
私はフェライト磁石の38㎝デュアルコンセントリック1本を仕込んだジャガーというスピーカーを、やはり中古で1ペア買い込み、二個を重ねて書斎のセンタースピーカーに使おうと目論みました。こちらもゴールド風コーン紙でした。
しかしジャガーは音に色気が無くて気に入らず、現在はパワフラッシュアリーナ(伯鳳会医療看護専門学校・明石校の講堂)でパワーリフティングの試合時のPAに使用しています。
TEAC製オートグラフの生産が終了して後、1982年にタンノイ社からウェストミンスターというコーナー型ではないコンパウンドホーン型スピーカーが発表されました。
このスピーカーはコーン紙はクルトミューラー製でしたが、マグネットがアルニコに戻っていました。ユニットの型番は3839Wだったと思います。
このスピーカーは言うまでもなくオートグラフのオマージュとして生産されたものでしょう。
バスケットの形はクラシックモニターに使われたK3838ユニットと同様に見えます。ですからウェストミンスターのユニットは、K3838をアルニコマグネットに変更した物のように思われます。。
そうなると3839Wは、クルトミューラー製コーン紙、ウレタンエッジ、アルニコマグネットですから、バスケットの形状を除くとHPD385Aに近いユニットではなかったかと想像します。
その後ウェストミンスターは何度かモデルチェンジが繰り返されました。
現在のウエストミンスター・ロイヤル・GRはアルニコマグネットで、コーン紙もモニターゴールドに近く、エッジもフィックスドに戻されたオールドファッションなユニットが使われている様です。
ウェストミンスターは気が付くと発売後40年が経っていますね。英国製オートグラフが発売されていたのは1953年から1974年の21年間でしたから、既に二倍の期間作り続けられています。
憶測ですが、ウェストミンスターは殆ど日本専用モデルではないかと思います。外国のYou Tubeでウェストミンスターを見かけることがあまりありませんので。
うーむ、五味康祐先生、恐るべしですな。
さてコーン紙が以前のものに近い仕様に変更されたので、オートグラフもイケるのではと、オートグラフ・ミレニアムという復刻スピーカーが2001年に期間限定で販売されたことがあります。
タンノイ社もアルニコマグネットでないとあの音は出ないと既に気づいていた様で、ミレニアムにはアルニコマグネットが採用されていました。
ですからこの時のユニットはモニターゴールドに近いものだったのではないでしょうか。
このスピーカーがタンノイ本社の製造なのか、TEACの企画物かはよく分かりません。箱も日本製か英国製かも不明ですが、評判は悪くなかったと思います。
実は私がじっくり聞いた事があるオートグラフは、1976年から数年間発売されていたTEAC製のオートグラフだけです。
30年ほど前、ある方の所でHPD385Aを進工舎箱に入れたものを聴かせて頂きました。アンプはテクニクス20AというOTLアンプでした。
これは大変良い音で感心しました。
しかしHPD385A入りのオートグラフはオーディオマニアの中では少々軽んじられています。TEAC製オートグラフを使っている方の多くは、オリジナル・オートグラフを狙われていると思います。
今回私が手に入れたオートグラフはこういった事情から、以下の経緯でやってきたものです。
A氏はTEAC製オートグラフを所有されていました。
B氏は終活のためにオーディオマエストロにモニターレッド入りのオリジナル・オートグラフ(!!)を持ち込みました。
A氏はそのオリジナル・オートグラフを購入し、下取り品として自分のTEAC製オートグラフをオーディオマエストロに引き取ってもらいました。
そのTEAC製オートグラフはそのまま数年間(10年くらいかも)お店に置かれたままでした。
今回そのオートグラフを私が入手した、という訳です。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_12.html
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その5.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_13.html
5.TV 385A .JPG
(購入したオートグラフに入っていたHPD385AはTV用に使用する事にしました)
今回入手した進工舎製オートグラフエンクロージャーに入っているHPD385Aの他に、ベンプレ亭にはモニターゴールドのコーン紙に張り替えたHPD385A(HPDゴールドと命名)があります。
さあ、進工舎製オートグラフ箱にはHPD385AとHPDゴールドのどちらを納めるべきでしょう。
オートグラフはモニターシルバーからゴールドまでのフィックスドエッジで軽い、硬質のコーン紙を使ったものでないとダメとの世評があります。
ですからオートグラフにHPD385Aは問題があると言われてきました。
箱との相性はその通りかもしれませんが、ユニットとしてはHPD385Aは悪いユニットではない、モニターゴールド以前のユニットに必ずしも劣っていないと私は考えています。
しかし五味先生は、「タンノイユニットはオートグラフの箱に入れないとキツイ音になる」、「オートグラフに入れたデュアルコンセントリックユニットこそ本当のタンノイの音」、「一つのユニットに真に適合する箱は一つだけである」、「ユニットを単独で販売するのは罪悪だ」といった趣旨の文章を書いておられました。
バスレフ用に開発されたHPD385Aをオートグラフ箱に入れると、ユニットのQ値が高すぎてダメなのかもしれません。
しかし以前に聴かせて頂いたHPD385A入り進工舎箱オートグラフは大変な美音でした。
さらにベンプレ親父はモニターゴールド入りオートグラフを聴いた事が無いのです。
うーむ、ここは無理をせず、HPD385Aで行くのがお利口かも?
いやHPDゴールドを納める事が出来るのに、そちらを使わない手は無いのかも?
心は千々に乱れますなーw
すこし話が戻りますが、自分が最初に手に入れた本格的なスピーカーは、タンノイHPD385Aユニットです。浪人生活を1年で終了させ、日本大学医学部に潜り込んだ1977年の春に、今は無き秋葉原のキムラムセンで、名物おばちゃん(キムラのおばちゃん。ファンの勝手連がたくさんいて、キムラのおばちゃんの首振り人形まであったそうです)から定価ペア20万円のHPD385Aを16万円で買いました。
このユニットを自作のバスレフ箱(当時タンノイで売られていたアーデンというスピーカーに容積、ダクト面積、ダクト長を合わせました)に入れて7年間使いました。
その後、このユニットは暫く取ってありましたが、ウレタンエッジがヘタッてきたときに、モニターゴールド用コーン紙に貼り替えてもらい、現在は110Lの密閉箱に入れてリビングのTV用スピーカーとして活躍しいます。
悪くない音だと思っています。
私はHPD385Aの評判がイマイチなのは、米国資本時代に大変良く売れたアーデンのせいではないかと考えています。
アーデンは大型の海外製フロア型スピーカーとしては値段がこなれていました。ユニットが一本10万円に対し、エンクロージャーに入れて定価20万円とお買い得なスピーカーでした。
しかしコストダウンで箱にお金がかけられなかった分、明らかに剛性が足らず、締まりのない音だったと思います。
学生時代、友人の友人で、父親がアーデンをクォード44+405で鳴らしているN君と相互訪問をした事があります。
目的はアーデン+QUADと、私の自作箱に入れ、自作真空管アンプ(窪田式SRPP型真空管プリ+上杉式KT88シングル)で鳴らしているHPD385Aの聴き比べでした。
私には私のタンノイの方がどう聴いても良い音に聴こえました。彼も同意見で、私のタンノイを聴いて「こんな音が出したいんだけどなー」と言ってくれました。
私の自作バスレフ箱はバッフルが36㎜厚(18㎜厚ラワン合板2枚重ね)、バッフル以外は24㎜厚のラワン合板を使用しており、アーデンよりよほどシッカリしていたと思います。これが音の違いに出たのでは。
一度も観た事も聞いた事も無いのですが、タンノイユニットを用い、剛性の高い箱に納めたロックウッド社のモニタースピーカー(メジャー、メジャージェミニ)は、アーデンとはまるで違うガッチリした音と聞いた事があります。
なにが言いたいのかと言いますと、HPD385Aは箱で評判を下げたのであって、巷で思われているより、よほど良いユニットだという事です。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_13.html
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その6.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_14.html
6.HPD385A8穴.jpg
https://91683924.at.webry.info/upload/detail/013/416/33/N000/000/000/166090347523245232529-thumbnail2.jpg.html
(最初期のHPD385です。その後のHPDとは違って、ユニット固定穴がゴールド以前と同じ8穴です)
あるオーディオ店(マエストロではありません)の店主から聞いたのですが、実はHPD385Aとモニターゴールド15の違いはコーン紙だけだそうです。マグネットもダンパーもボイスコイルもエッジもバスケットも同じだそうです。
公称インピーダンスもモニターレッドまでが16Ωで、ゴールド以降は8Ωに変更されていますから同じ。
モニターゴールドまではスピーカー取付用のボルト穴は8穴、私の持っているものを含めて大半のHPD385Aのボルト穴は4穴でしたが、初期のHPDはやはり8穴あります。
恐らくコーン紙工場の火災前に作ってあったバスケットを、モニターゴールドのグレーからHPD385Aのゴールドに塗り直し、そのまま使用。その在庫が尽きて新しくバスケットを作る段になって、4穴に変更したのでしょう。
ネットワークもHPD発売後しばらくはゴールドと同じクリーム色の基盤の物で、その後黒い基盤に取り替えられたと思います。
そうなると私がTV用に使っているユニットはモニターゴールド15その物といっても良い?
ゴールドは英国オリジナルのオートグラフにも積まれていたユニットなので、今回手に入れたHPD385A入りのTEAC製オートグラフのユニットと取り替えれば、英国オリジナルオートグラフに近い音が出るかもしれません。
なお記憶は定かでは無いのですが、最初期のHPDはHPD385という型番で、スピーカーの取付穴が4個に減ったころ、HPD385Aに型番が変わった様に思います。
さて、そうは言っても箱の板材の問題はあります。日本で最も入手しやすい合板はラワン、アメリカでは米松、イギリスではバーチです。
進工舎の箱はラワンのランバーコア(細い単板を接ぎ合わせたものを芯材にして合板で挟み込んだもの)だそうですが、オリジナルオートグラフはイギリスで一番入手容易なバーチ合板(※p.s.参照)だと思います。ベンプレ亭書斎の英国製のバイタボックス・バスビンはバーチ合板製ですから。
従って、如何に進工舎の箱が精度良く出来ていても、板材の音の違いは出ると思います。
考え過ぎでしょうが、バーチ合板(※同)のオートグラフにはモニターゴールド、レッド、シルバーが合い、ラワン材のオートグラフにはHPD385Aが合うのかもしれません。
いずれにせよオリジナル箱のオートグラフは数百諭吉もする様なので、とても買えませんから、箱はラワン材の進工舎で行くほかありません。
ユニット単体としてはHPDはゴールドを上回る部分もあると思うのですが、ホーン型スピーカーのドライバーに使うならゴールドのコーン紙の方が良いのではと思います。
うーむ、確信は無いですよ。昔聞いて良いと思ったオートグラフはHPD385A入りでしたから。
同時に多くのタンノイファン、オートグラフファンがHPDよりゴールド以前のタンノイを賞賛されているのも事実です。
なんだか今回はグダグダですな。
HPD385Aで行くか、HPDゴールドにするべきか、なかなか決断できません。
p.s.
コメント欄で教えていただきました。オリジナルオートグラフはバーチ合板ではなく、バーチランバーコアだそうです。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_14.html
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その7.)
https://91683924.at.webry.info/202208/article_15.html
7.サラン取り外し.JPG
(オートグラフを仰向けに倒して、正面のサランネットを外したところです)
結局、聴いてみて決める他ないとなりました。
オーディオマエストロで進工舎箱、HPD385A入り(エッジはウレタンからゴムに交換されています)のオートグラフを聴かせてもらいました。アンプはQUADのモノラルプリ2を二台とモノラルパワーⅡを二台です。
モーツァルトのオペラを聴かせてもらいましたが、とてもまとまりの良い音でかつ美音です。アリャ、オートグラフってこんなに簡単に鳴るんだっけ?と拍子抜けするほど良い音です。
これじゃHPDゴールドの出る幕は無いかなと思いつつ、ユニットを交換しました。
ユニットの交換は人手が4人(ご店主とその奥様、作業に来てもらった方、私)もあった事もあり、あっという間に作業完了でした。
進工舎の箱にモニターゴールドを取り付けるときは、微妙にユニットの止めネジ穴がズレていて、手こずる事があるそうですが、今回はコーン紙以外はHPD385Aなのできれいに収まりました。
自分は大変な作業になるんじゃないかと、汗拭きタオルとアクエリアスの950mLペットボトルを持ち込んでいましたが、不要でしたw
ユニット交換後、同じオペラを聴きましたが、これはさらに良い。音の響きが多彩で深々と鳴ります。
五味康祐先生流に言いますと、倍音が豊か。
一緒に聴いた方(作業をお願いした方)はコッチの方がレンジが広いと言われました。
この結果、オートグラフに収めるユニットはHPDゴールドに決定しました。
ゴムエッジに交換してあるHPD385Aはベンプレ亭のリビングでTV用に使用します。
交換する前は、オートグラフに収めるデュアルコンセントリックは、ツィーターのスペーサーを薄くして、高域が強く出るようにしてあるので、単売ユニットのHPDではどうかな?と言われましたが、問題ありませんでした。
オートグラフを納めたのは寝室です。この部屋は昔、ベンプレ親父がパワーリフティングの選手だった頃にトレーニングルームとして使っており、各種のマシン類、ダンベル、バーベルが置いてありました。
壁、天井だけではなく、床まで6面全てコンクリート打ち放しの作りで、床は300キロのバーベルを落としても壊れない様に強固に作ってあります。
広さは3.6m×5.7mで12.4畳ほどですが、根太が入っていないため床が低く、天井高は2.7mとやや高くなっています。
12畳余りとオートグラフには狭すぎる部屋ですが、ユニットは同軸型スピーカーですので何とかなるでしょう。贅沢を言ってちゃ切りがありませんしね。
この部屋を短手方向に使用し、オートグラフはお約束通り部屋のコーナーに押し込みました。
こうすると低音が増強されます。モノラル時代は1本しか使わないのでこれで良かったのでしょうが、ステレオ用に2本使う場合は低音過剰となり易いそうです。
少しコーナーから外して前を向けた方が良いらしいですが、寝室で鳴らすものなので大音量は出しません。
そうなるとラウドネス効果を得るためにはコーナーに押し込む方が良いかもしれません。まあ角度を変えながら、色々やってみましょう。
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その8.)
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8.フロント取り外し.JPG
(フロントホーンを外したところです。ユニットの止め穴が8個空いています。TEAC製オートグラフも4穴ではなく、敢えて8穴にしたのでしょうか)
オートグラフを鳴らすのに、いきなりブルートゥースやストリーミングという訳にも行きませんから、アナログを持ち込みました。
針はナガオカMP-110、プレーヤーはエンパイア398、フォノイコはトライゴンのバンガード+ボルケーノ、プリはオーロラのPREDAⅢclassic、パワーアンプは是枝Lab.の6550p.p.です。全てて持ちの機材で間に合いました。
スピーカーケーブルは英国QED社のPerformance Micro Silverというメーター1600円くらいの中級品を使いました。ヴィンテージ・タンノイには太いケーブルは良くないとされていますし、自分はメッキ線が好きなので。
Performance Micro Silverは細い銅線に一般的な錫メッキではなく、銀メッキがかけてあるそうです。錫よりも銀は抵抗値が低いので(銅よりも低い)音は良いのでは?
WEやベルデンの錫メッキ線でも良いと思いますが、少々遊んでみました。気に入らなければWE、ベルデンの他に、カナレ、アマゾンベーシックなど手持ちもありますから変更してみます。
それでもイマイチならタンノイの定番、バンデンフルを買い直すという手もありますね。
アッテネーター類は全てレベルとし、オートグラフは本来の使い方であるコーナー設置としてまず聴いてみました。
LPはホロヴィッツのスカルラッティ・ソナタ集です。録音は1964年なので、時代も凡そ合いますな。
うーむ、大変バランスに取れた良い音です。そのままA面、B面を通しで聴いてしまいました。
ATTを触る必要性も、コーナーから引き出す必要性も感じなかったのでしばらくこのまま聴いてみましょう。
オートグラフは鳴らし難いのかと思って追いましたが、割とあっさりいい音がしますよ。
QEDの銀メッキ銅線のスピーかーケーブルも合ってる気がします。
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タンノイ・オートグラフを導入しました(その9.)
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9..JPG
(オートグラフ用に持ち込んだエンパイア398、トライゴンのボルケーノ、バンガード、オーロラサウンドのプラダⅢクラシックです)
なんとかオートグラフはベンプレ亭寝室に収まりましたが、今回オートグラフを導入した理由には長年の憧憬とは別な理由もあります。
以前書いたように、寝室用システムとして一時スキャンスピーク10㎝フルレンジを使いました。
その時、やはりフルレンジはエエなぁと。スキャンスピークは雑誌(MOOK)の付録の安物ですが、2wayのA80よりよほど自然な音がします。
私は書斎で3wayから5wayのマルチスピーカー・マルチアンプシステム3組と格闘してきました。どれもソコソコ鳴ってはいると思うのですが、各ユニットの音質的なつながりや、正確な音場の再現にはいまだに疑問があります。
音楽では判り難いのですが、ピンクノイズを鳴らすと、ユニットが別々に鳴っているのが判ります。
おそらくクロスオーバー付近の音色が違うのだと思います。
こんな時、スキャンスピーク・フルレンジを改めて聴き直し、この方向を真面目にやらないとイカンよなぁと。
書斎の3システムは全て劇場・映画館用スピーカーですし、かなり弄っていますのでFレンジ、Dレンジは一通りのものだと思います。迫力はありますし、大音量時の音の崩れも少ないです。時にはナマ以上の美音がします。
しかし自然さが足らないのではないか、どうも不安です。
書斎のシステムは音色は再現出来ていても、音場の再現がイマイチだと思うのです。
つまりスピーカーが消え、楽器が空間に浮かぶ、コンサートホールの空間が感じられるという本当のステレオ=立体音響にはなっていないのでは。
メーカーの中にはマルチスピーカーシステムには見切りをつけ、シングルコーンフルレンジを攻めているメーカーがあります。
国内ではエクリプス、ファンダメンタル、47研究所、ViV Lab.など。海外ではヴォクサティブ、ラウザーなど。
シングルコーンフルレンジの次に位置するものとしてはコアキシャル、トライアキシャルの同軸型があり、こちらも最近いくつかの製品が出てきました。
TADやテクニクス、ティアックが新しく始めていますし、KEFはUni-Qというコアキシャル2wayに改良を重ねているようです。タンノイ、ファインオーディオも頑張っています。
ムジークエレクトロニックガイザインは昔のジェンセンのように、トライアキシャルまで手掛けています。
単純に考えても、点音源の方が音場の再生には有利でしょう。しかしコアキシャルに組むためには設計の制限があるため、ユニットの性能を極めるには問題がある筈です。
このあたりの優先順位をどうするかで、フルレンジ、コアキシャル、マルチスピーカーなど流派が分かれているのでは。
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その10.)
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10.Decca_tree.jpg
(デッカ社が初期のステレオ録音で汎用した、DECCA Treeです)
オーマニは好みの録音にも流派があります。
マルチマイクで音色の再現、ナマ以上の音質を狙ったソフトを好む人と、ワンポイントマイクで音場の再現を重視するソフトを好む人です。
ワンポイントが全て優れているとは私は思いませんが、マイク3本のDECCA Treeで録音されていた初期のDECCAや、やはりマイク3本のマーキュリー・リビングプレゼンスシリーズには大変優れた録音があります。
そしてワンポイント録音を好む人は、スピーカーも点音源でないと流儀が完成しないと思うのですが。
音場再生に初めて言及したのは、実は五味康祐先生です。
「西方の音」の中で、五味邸のオートグラフは自室の壁一面にオペラハウスが現れ、ジークフリートやミーメの動きが手に取るようにわかる。中央に燃えている溶鉱炉の炎の色までわかる。しかし劣ったスピーカーでは歌手が順番に現れ、大口を開けて歌っては消える。すなわち空間が無いと言った事を書かれていました。
暗にコンクリートホーンなどの大掛かりなマルチスピーカーシステムを批判されていたのだと思います。
後年、評論家のフウ(すみません、ワードで字が出てきません。ニンベンに専です)氏がその方面に傾倒され、TADのユニットを使った自作スピーカーからB&Wのノーチラスに鞍替えしています。同じく評論家の小林氏もTADの巨大システムから、小型の2wayに変更されています。
音場再生重視派は、まだオーマニの最大派閥ではないと思いますが、音色再現重視派から転向される方の割合は徐々に増えていると思います。
逆に、音場派から音色派に転向する人はいないのでは?
音色派の中で、やり切った感のある人、限界を感じた人が音場派に流れている様に思います。
自分も音色派一辺倒では限界が見えてきた感じがします。これから新しくオーディオをやるなら、たとえばKEFのBlade One Meta(2wayコアキシャルにウーファーを付加)なんか良いんじゃないかなーと思います。
でもまてよ、ベンプレ亭にはタンノイHPDゴールドが有るじゃないの。
五味先生はオートグラフで音場再現を達成されていたようだぞ。
というわけでオートグラフに一丁チャレンジしてみるかなと。
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2022年08月19日
タンノイ・オートグラフを導入しました(その11.最終回)
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2.右.JPG
(左chのオートグラフです。足元にパワーアンプ用のアイソレーショントランスがあります)
オートグラフは複雑な折り返しバックロードホーンと、大きなフロントロードホーンが内蔵された大型のコーナー型スピーカーです。
大口径スピーカーも、折り返しホーンも、コーナー型も、かつてユニットやアンプの性能が不十分だった時代に、能率を上げ、低音を増強するために考案された方法です。
即ち現在では全く顧みられなくなった旧式なスピーカーです。
オートグラフは1953年に開発されていますから、本来モノラルで使用する事を前提に開発されたもので、モノラルの音を立体的に広げる意図をもって開発されているそうです。
従ってステレオ仕様では低域が出過ぎる、音場が広がり過ぎるなど問題があるかもしれません。
性能的にも現代のソースを再生するにふさわしいかのか、疑問のある所でしょう。
五味先生もテイチクの社長であったN氏のJBL4350を晩年に聴かれて、その迫真力に驚かれ、「N邸の4350と比較すると、我が家のオートグラフは混変調歪を伴ったオモチャの演奏である」と書かれていました。「数日間はボーっとして、オートグラフを聴く気にもなれなかった」とも。
これは事実だと思います。私も学生時代JBL4550B(ウーファーは2220B?)、2440ドライバー+2395ホーンレンズ、2402ツィーターを大音量で鳴らしていた池袋のジャズ喫茶(店名忘却)で、その分解能の良さ、シャープネス、広大なダイナミックレンジに驚き、自分のHPD385Aではとても太刀打ちできないとゲッソリしたことがあります。
オートグラフは正直、「オートグラフの音」を愛でるための物であり、現代のHIFIを追求するには不足する部分も多いと思います。
大出力アンプとロングストローク・ウーファー、高剛性振動板の技術革新で、現在のスピーカーは小口径、エンクロージャーも小型が主流です。ホーンどころかバッフル面も最小限、フリースタンディング、低能率が基本です。
箱の共鳴を極力排し、マジコのような高剛性箱やGIYAのような箱内部の共鳴を徹底的に抑えた物が最先端スピーカーです。
この時代にコンパウンドホーン、コーナー型、箱鳴りを音作りに利用するスピーカーなど全くもって時代錯誤でしょう。
オートグラフの後裔であるウェストミンスターを「現代のクレデンザ」と呼んだ人がいるそうです。つまり存在価値はあるものの、技術が旧式過ぎて誰も類似の製品を出さないという事でしょう。
同様に、オートグラフは今後、決して作られる事のないタイプのスピーカーだと思います。
オートグラフから物凄いHIFI音がするとは、今の私は考えていません。
しかし紅顔の美少年(?)の頃に高嶺の花とあこがれた、初恋のお姉さま(スピーカーエンクロージャー)を寝室に招き入れ、自分が学生時代に購入した馴染のユニットを納めて、同衾するのも私の楽しい終活になるのではないかと。
私はもうすぐ前期高齢者の仲間入り、年金をもらう年ですから、やり残したことをやってしまい、お迎えに備えるのも乙だと思うのです。
オートグラフは生産開始から既に69年が経過しています。私の15インチ・コアキシャルユニットは入手45年目、この度手に入れたノックダウン生産のエンクロージャーも40年以上前のものでしょう。
このスピーカーの白鳥の歌を聴くことは私の名誉であり、かつてこのスピーカーに憧憬を持った、私の責務でもあると思います。
私が介護老人になり、施設に入所せずに訪問看護、訪問看護で看取られる事になれば、この寝室で死ぬのだろうと思います。
通夜の席も終わり、自分の亡骸だけとなった部屋で、18歳の時から一緒にいるスピーカーがフォーレのレクイエムを小さく歌ってくれたら、私は静かに犬たちの待つ虹の橋へ旅立てると思うのです。
正直、寝室用のスピーカーですから、あまり凝り過ぎないようにします。
同時に、音楽鑑賞用ならこの位で宜しかろうという音にはなったと思います。
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晴耕雨聴 2022年08月20日
Tannoy Autographを1日中鳴らしました
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IMG_0880.JPG
今日は昼からオートグラフを鳴らしっぱなしです。
ソースは主にスポティファイです。パソコンで開いたスポティファイをiFiのZen One Signatureというブルートゥースレシーバー兼USB・DACのUSB端子に入れて再生です。
そういえばSignatureもAutographもどちらも自著、サインという意味ですから共通点がありますぞw
オートグラフは声と弦楽器が良いのかと思っていましたが、私の耳にはピアノが一番上手く鳴る様に思います。
ピアノは基本的に打楽器ですから(金属のピアノ線をフェルトのハンマーで打突します)、折り返しホーン向きではないだろうと思っていましたが、むしろ生のピアノ、コンサートホールのピアノの音をそれらしく鳴らしますね。
グールドのバッハや田部京子のモーツァルトなんか、実に上手く鳴りますな。
聴きながらアッテネーターの調整もしました。
昔の記憶では、左側のツマミ、ロールオフがホーンドライバが受け持つ1KHz以上を上下させ、右側のツマミ、エネルギーが5KHz以上を上下させるのではなかったかと。
オートグラフは中域、高域にもホーンロードがかかるので、低域過多になりやすいとの事で、ベンプレ亭搬入時よりロールオフは最大の+3にしてありました。
エネルギーはレベル(中央)になっていましたが、もう少し高域のエネルギーがある方が自然なので、触っているうちに、こちらも最大値の+2になりました。
前 (1).PNG
後.PNG
ピンクノイズを再生してF特を計ってみました。
上がロールオフ+3、エネルギー±0、下がロールオフ+3、エネルギー+2です。
もっと高音を出しても良いくらいですが、タンノイはピラミッドバランスが美点なので、これで良いのかな?
60Hz~250Hzが盛り上がっているのがタンノイ・オートグラフの音作りだと思います。
これを嫌って、コーナーから外したり、正面に近く向けて使う場合もあります。
私も少しやってみましたが、オートグラフの持つ豊穣感が後退するように感じ、コーナー設置に戻しました。
寝室用なので音量は小さめですから、こちらが良いと思います。
途中でブルートゥース機能を使って阪神vs巨人のDAZN中継もオートグラフで鳴らしてみました。
ちょっと音が太くなりますが、面白いですぞw
なお阪神がサトテルのホームランなどで5-1で勝利、3連勝するとともに、今シーズンのvs巨人勝ち越しを決めました(^-^)/
F特のグラフを見て気が付いたのは、50Hz以下もそれなりに再生される事です。部屋の暗騒音は30db程度なので、これは明らかにオートグラフからの音です。
50Hz以下にはホーンロードはかかっていないと思いますが、大きなエンクロージャーとコーナー設置により再生されるのだと思います。
この辺も、オートグラフが長く名器の名を保った一因かもしれませんね。
https://91683924.at.webry.info/202208/article_20.html
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3:777
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2022/08/21 (Sun) 05:13:09
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楠 薫のオーディオ三昧
■ タンノイ・スピーカーシステム ■
https://kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html
1926年、ガイ・R・ファウンテン(Guy Rupert Fountain 1900年~1977年12月)はタンタル合金を主成分とする、 電解整流器「Tantalum alloy」を開発。「ガイ・R・ファウンテン社」を設立(後のタンノイ社)、Tannoyという商標で 生産、発売を開始することになります。
1933年、タンノイ社は2ウェイ・スピーカーを開発。ただし当初はアメリカマグナボックス社製のウーファーを搭載して いて、タンノイオリジナルのウーファーを搭載するようになったのは、1936年からです。
1947年、ロナルド・H・ラッカムらと、デュアル・コンセントリック・ユニットを開発します。アメリカのアルテック社が 開発した同軸2ウェイの604にヒントを得、自社製マイクロフォン開発の校正用音源として試作されたのがそもそもの始まり と言われています。高域はコンプレッションドライバーによるホーン型、低域はコーン型ダイレクトラジエーターとして二つ を同軸上に一体構造とさせて、シングルマグネットに二つのボイスコイル用ギャップを刻み込むという手法が用いられました。
そして1947年9月に大戦後初めて開かれたオーディオショー、「オリンピア・ロンドン展」に出典。14kHzまでの広帯域、 低ノイズを誇るデッカのffrrシステムに適したスピーカーとして、デッカの「デコラ」に採用されます。
初期のデコラはモノラル仕様でしたので、真ん中にデュアルコンセントリック、両脇にダイレクト・ラジエーターが二つ付いて いました。出力段には直熱三極管のPX4が搭載。ステレオ時代になるとスピーカーはEMI、出力段はEL34に変更されています。
1953年、デュアルコンセントリック・ユニットを搭載した「オートグラフ(Autograph)」がニューヨーク・オーディオショーに 発表、同時に発売されます。搭載されたユニットは全体に丸みのあるデザインとなり、銀色のハンマートーンの塗装のため、 「モニター・シルバー」と呼ばれ、1953年~1957年8月頃まで製造されています。型番はLSU/HF/15で、オリジナルと同じです。参考までに申し上げると、「モニター」の正式名称が付くのは、「モニター・レッド」からで、これも「モニター15」 「モニター12」と呼ぶのが正式で、型名はLSU/HF15と記されています。
1957年8月から1967年にかけて製造されたモニターレッドとシルバーの違いはピンク色のハンマートーンで磁気回路を覆うカバーが 塗装され、名称の元となったのはもちろん、マグネティックギャップの改良が施され、磁束密度の向上、耐入力upが図られている 点で、初期モデルは飴色のセンターキャップ、後期モデルは黒色に変更されています。
さて、オートグラフの最大の特徴は、オールホーンシステムで、低域のホーンはバックロードタイプとし、ホーンロードを折り 曲げることにより小型化していること、超低域再生のためにコーナーと床をホーンの延長、つまり仮想ホーンとして活用するた め、左右に分割した「マルチセルラー・ホーン」を採用しています。
もともと、ガイ・R・ファウンテン氏はクラシック音楽ファンで、オーケストラの再生音がそれまでのスピーカーシステムでは 不満でならず、特に低域のスケールアップを図るため、業務用のホーンシステムの技術を導入しようと考えたと言われていま す。
こうして、モノラルでありながら、スケールの大きい、あたかもコンサートホールに居るかの様な立体感とハーモニーの 美しさを兼ね備えたシステムが出来上がり、直筆の署名(Autograph)をすべてに入れたところからも、自信の程が伺えると いうもの。
ともすると「モッコリ」してしまうオリジナル・オートグラフの低域。しかし当時のスピーカーシステムとしては、これだけ 低域まで伸びたものは劇場用を含めてもほとんどなく、コーナーに設置することにより、部屋全体がスピーカーシステムの一つ として働き、その再生する音に包まれる快感を一般家庭でも味わえるようになったという点では、特筆すべきことだったと思われ ます。
これは私見ですが、ステレオ化したオートグラフは、その考え方として、小さなヘッドフォンで重低音まで聴くことが出来る のと同じで、仮想巨大ヘッドフォンの様なものなのではないか、なんて考えています。
また、ガイ・R・ファウンテン氏がセパレートの2ウェイ方式ではなく、同軸型を選んだのは、当時の技術では位相管理が同軸 型の方がし易かったことも無関係ではないでしょう。
加えてモノラル時代でもマルチマイクで収録しているため、金管楽器が突出して聴こえたり、あるいはマイクロフォンの性能が 悪くてバスドラムのピークのある低域やコントラバスの伸びやかな低域をうまく拾えていないのを、電気信号をもとに一点音源で、 まるでその場で楽器でも演奏しているかのように、音を再構築させる意図があったのではないか、と思えてなりません。
1953年のタンノイ・カナダに続いて1954年にはタンノイ・アメリカが設立され、1955年に北米大陸の販売拡充を狙って、 エンクロージャーのデザインがそれまでの高級家具調から一新され、現在の形となります。
ちょうどモニターレッドが開発された1957年というのは、アメリカ・ウエストレックスの45/45方式によるステレオレコード、 イギリスのデッカとサグデンによるVL方式によるステレオレコード技術が開発された頃。その際、チャンネル間の位相特性が問題 となり、デュアル・コンセントリックがその再生においても優れている点がプロの間でも評判となって、アメリカではアルテック 604が、イギリスでは「モニター・レッド」(正式には「モニター15」)がスタジオでもモニター用として使われる様になります。
モニターレッドを搭載したオートグラフを1964年、かの剣豪小説家、五味康祐氏が輸入。「オーディオ巡礼」などの著書で一 躍有名になります。
さらに1967年、インピーダンスが15オームから8オームになったモニター・ゴールドの時より、TEACが輸入代理店となり、 本格的に輸入を開始するようになります。
しかし、1974年、工場が火災の為にユニット製造が不可能になり、旧・西ドイツのクルトミューラー社製のコーン紙による、 HP(ハイ・パフォーマンス)Dシリーズに転換することになります。HPDシリーズが完成した1974年、ガイ・R・ファウンテン 氏が引退してハーマンインターナショナル社に株を売却。同年、オリジナル・オートグラフの製造が中止となります。
けれども1976年TEAC社製エンクロージャーによるHPD385内蔵のオートグラフが新生・タンノイ社から発売されます。 1977年12月にガイ・R・ファウンテン氏が亡くなりましたが、1979年にはK3808搭載モデルを出し、その後タンノイ社は株 をハーマンインターナショナル社から買い戻し、現在に至っているというわけです。
1981年、N.J.クロッカー社長、T.B.リビングソトンらはハーマンインターナショナルから株を買い戻し、タンノイ社が復活 したのを記念に、それまでクラシックモニターで使われていたK3838のバージョンアップ版、K3839Mを搭載した、 かつてのオートグラフの流れを受け継ぐ容姿を誇るG.R.F.Memoryを発売。その後も改良を重ね、現在に至っています。
1961年からは10インチ・ユニットを製造、IIILZとして発売。1967年にMk IIとなります。
タンノイ社が復活して2年後、10インチ、25cmユニットを搭載した「スターリング」が発売となります。
1982年に発売した「ウェストミンスター」も、「ウェストミンスター・ロイヤル」と発展し、これに「エジンバラ」を 加えた4モデルを中心にその後も生産が続けられています。
1983年には、それまでタンノイ社の承認を受けてTEAC社で製造していたレプリカ・オートグラフが製造中止となっています。
そして、2001年。新たにタンノイ本社が「オートグラフ・ミレニアム」と称した、現代にマッチした「オートグラフ」を発売しました。
話はそれますが、タンノイはウエストミンスター等々、地名に関連した名称を付けるのがお好きな様で、 Ardenはシェークスピアで有名になった、イングランド中部の地方の名です。
Cheviotはイングランドとスコットランドの間に広がる丘陵地帯で、羊毛が盛んな土地柄。羊の料理が美味です。
DevonもDevon種牛(乳&食用牛として有名)というのがあるくらいでして、イングランド南西部の州の名称です。
Berkeleyはアメリカ・カリフォルニア州の都市で、カリフォルニア大学の所在地として有名。せっかくだったら、 Berkshireにすれば、イングランド南部のブチ豚(正確には黒ベースの白まだら豚)の産地だったのですが……。 ということからおわかりの様に、価格の高いものからA→E(Eaton)までのラインナップとなっているわけです。
現在、オリジナルのオートグラフを最も素晴らしい音で聴かせてくれるのところとしては、長野県原村の 「ペンション・ムジカ」 が挙げられるかと思います。メインアンプは広島の音楽家(フルート演奏家)のお手製で、WE-262B-349A-284Dのモノラル構成。 ステレオプリアンプはカンノ・スーパーパーマロイ・トランス結合式タイプSPU、プレーヤはガラード401、カートリッジは オルトフォンSPU-G、昇圧トランスはカンノSPU30、CDプレーヤーはフィリップスLHH1000という組み合わせで鳴らしています。 さすがにマランツ#1&#2の組み合わせによる、低域まで伸びて凄みがあり、スケール感十分で、箱鳴りまで良くコントロ ールされた鳴り方とはいかないかも知れませんが、サッと吹き抜ける高域の美しさといったら、20年以上20軒以上ものオート グラフを聴いてきましたが、最右翼と言って良いでしょう。低域は決して出過ぎず、モコつかず、見事なコントロールでした。 ペンションですから、宿泊可能。お願いすれば誰でも聴けるというのも嬉しいですね。
以下、タンノイ・スターリング、G.R.F.Memory、Autograph Millenniumの写真を掲載いたしております。 いずれも「銘機」に相応しい、スピーカーです。
タンノイ・スターリングです。真ん中にあるのはレプリカのMarantz model 9。 私は最初のスターリング、3代目のスターリング・TWと、続けて10年以上、スターリングを 使い続けました。室内楽を奏でる点では、G.R.F.Memoryよりも優れていると感じるくらい、 素晴らしかった!
ちなみにスターリングはオリジナルは1983年発売:アッテネーターはボリウム方式。
2代目HWは1986年発売:アッテネーターからロックネジ方式によるTREBLE ENERGYコントロールを採用。スピーカーターミナルが変更。
3代目TWは1992年発売:バイワイヤリング対応。
4代目TWWは1995年発売:コルクバッフルから通常タイプになった。
5代目HE(ハードエッジ)はトールボーイ型で1998年12月発売です。
G.R.F.Memoryです。専用台を付けたスターリングより、こちらの方が背が高くなります。 TW,TWW,HE(ハード・エッジ)等、少しずつ改良が加えられています。ちなみに写真はTWWです。
このモデル、これだけ手の込んだ造りになっているのに、ペアで128万円。能率も95dBとよく、周波数特性は、 なんと29Hz~25kHzと、このシリーズのトップモデルである、ウエストミンスター・ロイヤルよりも低域が出 るのです!
スケールの大きいオーケストラ曲、ジャズを聴くにはうってつけです。
https://kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html
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4:777
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2022/08/21 (Sun) 05:17:19
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楠 薫のオーディオ三昧
■ タンノイ・オートグラフ・ミレニアム ■
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/Autograph_Millennium/Autograph.html
タンノイについては別項、
タンノイ・スピーカーシステム
http://www.kusunoki.jp/audio/TANNOY/TANNOY.html
に 詳細を譲るとして、こちらでは、オートグラフの2001年限定モデル(6月末で応募締め切り)である、「オートグラフ・ミレニアム」 についてご説明します。
1974年にオリジナルの生産が終了、レプリカ・モデルとしてティアックが1979年まで生産、1981年に新生「タンノイ」と なって生産中止となり、約20年の歳月を経て復活した、オートグラフ。外見上のサイズはオリジナルとまったく一緒です。 色合いがちょっと濃い感じがします。しかし、中身はかなり変更されています。スピーカーユニットのコーン紙はもちろん、 磁気回路を強力アルニコマグネットにして、 ツィーターホーンを金メッキ・ラッピング仕上げに、さらにはエンクロージャー 素材をバーチ材積層合板とし、オリジナルよりも硬くてコツンという響きになっています。フロントホーンの表面はラッピング 仕上げでスムーズに、バックロードホーンの吸音材を増やして余計な振動を排し、スピーカー配線ケーブルはバン・デン・フル 製を使用。ネットワークも見直され、スピーカー端子はバイワイヤリング対応&アース端子付きになり、ジャンパー線が最初から 付属。バン・デン・フルを採用しています。 脚は3点ピンポイントが追加され、重量は101kgと、オリジナルの85kgよりも16kg 増えています。
能率:98dB(w/m.1kHz),連続許容入力:135W(RMS) ,最大許容入力:550W(瞬間) ,入力インピーダンス:8Ω , クロスオーバー周波数:1kHz ,周波数特性:20Hz~22kHz ,エンクロージャー素材:樺材積層合板 ,エンクロージャー寸法: 1075×1525×658mm(W×H×D),内容積:515リットル ,重量101kg。
一番下段に、オートグラフ・ミレニアムのマニュアルを載せております。
タンノイ・オートグラフ・ミレニアムが2台並んだところ。実に壮観な眺めです。
1台のアップです。
オートグラフの名前の由来は、Guy Rupert Fountainの自筆署名(autograph)です。
背部はこんな感じになっています。コーナー型ですから、三角形なんですね。
背面の角面のアップです。一番下にはティアックのシールが貼られています。 その上には、「MADE IN GREAT BRITAIN」の文字が刻まれた銘板です。
シリアルナンバーが刻まれた銘板です。
向かって左側が「AUTOGRAPH MILLENNIUM SERIAL No.147」、右側が「AUTOGRAPH MILLENNIUM SERIAL No.148」 となっています。
スピーカー端子が今までと違い、WBT製で、アース端子まであります。バン・デン・フルのジャンパー・ケーブルが 付いているのも特徴。その上は左がTREBBLE ROLL OFF、右側がTREBLE ENERGYです。
底面です。スパイクが3カ所あり、フットベースをかませてやるようになっています。キャスターが4カ所付いているのですが、 そのままだとグラグラしてしまいます。スパイクの高さを上げてやると、このキャスターが浮くようになっています。
しかし我が家では、振動の面を考慮して、キャスターを外すことにしました。
キャスターを外したところです。キャスターがねじ込める様に、予め六角ネジが入っていたのですが、これも 取り外すことにしました。六角レンチで全部外したところ。
付いていたキャスターです。ごく一般的なものです。
フットベースです。3つ入っています。けっこう重たいのですが、材質は不明。
フロントグリルは、このように六角レンチで底からシッカリ止められているので、気軽に外すことは出来ません。
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いくら騙してもまだ騙せる日本人
オートグラフの中古品を高値で買い漁る日本人を当て込んで、タンノイは2001年には500万円もするレプリカまで出しました:
タンノイ・オートグラフ・ミレニアム
1974年にオリジナルの生産が終了、レプリカ・モデルとしてティアックが1979年まで生産、1981年に新生「タンノイ」となって生産中止となり、約20年の歳月を経て復活した、オートグラフ。
外見上のサイズはオリジナルとまったく一緒です。色合いがちょっと濃い感じがします。しかし、中身はかなり変更されています。
スピーカーユニットのコーン紙はもちろん、磁気回路を強力アルニコマグネットにして、 ツィーターホーンを金メッキ・ラッピング仕上げに、さらにはエンクロージャー素材をバーチ材積層合板とし、オリジナルよりも硬くてコツンという響きになっています。
フロントホーンの表面はラッピング仕上げでスムーズに、バックロードホーンの吸音材を増やして余計な振動を排し、スピーカー配線ケーブルはバン・デン・フル製を使用。ネットワークも見直され、スピーカー端子はバイワイヤリング対応&アース端子付きになり、ジャンパー線が最初から付属。バン・デン・フルを採用しています。
脚は3点ピンポイントが追加され、重量は101kgと、オリジナルの85kgよりも16kg 増えています。
能率:98dB(w/m.1kHz),
連続許容入力:135W(RMS) ,最大許容入力:550W(瞬間) ,
入力インピーダンス:8Ω ,
クロスオーバー周波数:1kHz ,
周波数特性:20Hz~22kHz ,
エンクロージャー素材:樺材積層合板 ,
エンクロージャー寸法: 1075×1525×658mm(W×H×D),
内容積:515リットル ,
重量101kg。
価格 \2,500,000(1本)
http://members.jcom.home.ne.jp/k.kusunoki/audio/TANNOY/Autograph_Millennium/Autograph.html
http://www.phileweb.com/news/d-av/200012/11/1065.html
オートグラフ・ミレニアムは2001年(平成13年)に英国タンノイ社により受注限定生産されたスピーカシステムです。
オートグラフ・ミレニアムとオリジナルのオートグラフの主な相違点については、受注生産告知の際、ティアック(株)により以下が説明されています。
( 今回、英国タンノイ社で復活されたオートグラフ・ミレニアムは、オリジナルより分解能を向上させる為、以下の変更を行っています。)
オリジナルオートグラフとの相違点
スピーカー・ユニットのコーン紙、及び磁気回路(強力アルニコ・マグネット)a
スピーカー・ユニットのコーン紙とエッジです。エッジについては仕様書にツインロールエッジとの記載があるだけですが、現在市販されているウエストミンスター・ロイヤル等に使用されているユニットと同様にコットンクロスをツインロール状に成形したハードエッジで、強度と耐久性を高めるため特殊フェノール樹脂を含浸させ、表面を特殊コーティングをしたもの様です。
コーンは可成り深い感じでウエストミンスター・ロイヤル同様長い高域用ホーンとマッチングさせてあるように見えます。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/07/2.html
- スピーカー・ユニットのコーン紙、及び磁気回路(強力アルニコ・マグネット)- b
上図はTEAC(株)のカタログに記載されている現在のPRESTIGE SERIESの中の;
■ウエストミンスター・ロイヤル
■カンタベリー
■ヨークミンスター
■ケンジントン
に使用されている DUAL CONCENTRICユニットの構造図です。
-- ご覧の通りツイーターホーンの周りに大きな磁石が配置されています--
TANNOY社発行の THE HISTORY OF THE DUAL CONCENTRIC から磁石関連の部分を見てみますと;
この構造はChief EngineerであったMr.Ronnie H Rackhamにより考案され1947年に誕生した" 15" Monitor Black "ユニットに採用された。
磁石は1947年から1978年まではニッケル、アルミ、コバルト、鉄の合金を鋳造したものを使用していた。
1977年の後半になり、この磁石は効率が非常に高いというわけではなく、かつ、コバルトの入手が困難となりLondonのWest Norwood及びScotlandのCoatbridgeでの安定した製造を継続するのが困難になったため、 タンノイは効率の高い異方性バリウムフェライト磁石を使用する新たなDUALCONCENTRICを開発する決定を行った。 新磁石を採用した最初の製品はBuckingham及びWindsorであった。
しかしながら、鋳造金属を使用した磁石を採用したDUAL CONCENTRICは他のいかなるタイプのスピーカでは決して得られない高い性能の音質を持つとの声が多く、1988年にこれらの声に応えるべく技術面の検討を行い、鋳造金属を使用した磁石の使用は磁束の変調を最小にするとの結論を得た。
この結論に基づき高度な要求を持つユーザーに対応すべく、コバルト、アルミ、セレン、第一鉄(ferrous iron、酸化鉄の一種)の合金で作られた新しい金属磁石であるALCOMAX 3を使用する新バージョンのDUAL CONCENTRICの設計、商品化が行われた。
この新バージョンのDUAL CONCENTRICはWestminster,Westminster Royal及びCanterburyに採用されている。
とあります。
ティアック(株)のアルニコマグネットALCOMAX-Ⅲ搭載のデュアルコンセントリックのカタログには;
ユニット駆動の決め手となるマグネットには、従来のアルニコ・マグネットの3倍の磁気エネルギーを持つ強力なアルニコ・マグネット(ALCOMAX-Ⅲ)を搭載しています。駆動力の大幅な向上により、より忠実で応答性の高い動作を実現。音の解像力が格段に増し、音楽のディテールを克明にとらえます。
とあります。
オートグラフ・ミレニアムの仕様書には ”アルニコマグネット"と書いてあるだけですが、最新の鋳造金属を使用した磁石を使用し、磁気回路もオリジナルとは異なるものになっていると思われます。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/3.html
ツイーターホーン,フロントホーンの仕上げは写真のとおりです。
TANNOY社発行の THE HISTORY OF THE DUAL CONCENTRICにはWESTMINSTER ROYAL の高域用ホーンについて
”他のDUAL COBCENTRICより長いツイタ―ホーンの採用に伴い磁石も長くなり,磁気回路も長くなっておりこの非常に複雑なキャビネットのフロントローディングとのマッチングもさらに向上している。”
との記述があります。
オートグラフ・ミレニアムの高域ホーンもかなり長いものです。
フロントホーンの仕上げはミレニアム独特のものです。使用している板は高密度パーチ合板のようで、たたくとコツコツという音がします。相当堅く、重い板のようです。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/4.html
- スピーカ配線ケーブル
- ネットワーク
TANNOY社発行の THE HISTORY OF THE DUAL CONCENTRIC の"顕著な改良 - SIGNIFICANT IMPROVEMENT"の項に以下の記述があります。
1985年からタンノイはネットワークにPC基盤とウェハースイッチを使用をしないとの決定をした。相当突っ込んだ研究の結果、部品の配置及び機械的構造はハイパワーに対応するネットワークに極めて大きな影響を及ぼすとの結果を得た。
これに関し、外部からの影響を慎重に取り除いた環境での試聴テストも実施され、タンノイの研究開発部門は以下の結論を得た。
- Printed Curcuit Boardの使用は音質を損なう
- Star earthing は極めて重要である。
- マイクロフォニック雑音を防ぐためには各部品はしっかりと固定されなければならない
- 摺動型スイッチは音質を大幅に低下させる
- 金メッキ部品での電気的コンタクトは音質面で効果がある
- 接続ケーブルは音質に影響する
1985年のSuper Gold Monitorから上記の結論のネットワークへの適用を開始した。
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オートグラフミレニアムのネットワークはハイパスフィルターとローパスフィルターが独立しています。
写真はハイパスフィルターです。ハードワイヤリング、部品の配置、部品の固定、接続ケーブル様子、タンノイ独特のハイパスフィルター用トランス等が見えます。
ローパスフィルターは非常に大型のコンデンサーを採用し、フロントロードホーンの裏側(下)に配置されています。一度当店のスピーカのチェックのため、ティアック(株)のサービスの方に当店のミレニアムのフロントホーンを外してもらったことがあり、その際にローパスフィルターを見て、立派なのに驚いたことがあります。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/5.html
- スピーカ端子(バイワイヤリング対応アース端子付き)
写真はミレニアムのスピーカ端子です。ご覧のようにタンノイの指定に従いバイワイヤリング接続をしていますがアースは使用していません。理由は当店の845モノラルアンプにはアース端子を用意しなかったためです。 845モノアンプを計画した2000年時点ではスピーカアースは想定外でした。
付属の説明書はバイワイヤリング接続でアンプのアース端子またはシャーシに直接アース線で接続することを推薦しています。 緑の端子がアース用です。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/6.html
- サランネット
写真では良く分からないと思いますが、縦、横に細い糸で枡目を作りその間を太目の繊維が間隔をあけて縦に走っているあまり見たことのないサランネットが使用されています。
スピーカの音決めにはこのサランネットが大きく作用しているようで、サランネットを外して聴いてみると,短時間では音が明瞭になった感じがしますが、長時間聴いていると疲れる感じです。
ミレニアムの音はスピーカが消える(オーディオ装置から音を聞いていることを感じさせない)音作りと私には思えますが、サランネットが音、視覚両面で大きく働いていることは間違いありません。
又、サランネットの枠は下からボルトで固定されており、サランネットを外して使用することは考慮されていないと思われます。
スピーカのデザインポリシーは色々あると思いますが、ミレニアムは ”ここにスピーカがあるぞ”という自己主張をしません。そして音楽で部屋を満たしてくれます。
常識からすると大きすぎることもあるかと思いますが、オーディオに詳しくないお客様の中には、ミレニアムを最初スピーカだとは認識しない方もいらっしゃいます。
ここにも設計者のポリシーと自信の程がうかがえます。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/7.html
- 脚、ベース(3点ピンポイント)
スピーカの設置場所で音が大きく変化することは良く知られています。
また、スピーカの音は時間とともに変化することも周知の事実です。
それに比べるとやや認知度が低いかと思われますが、私の経験では部屋の音も時間と共に変化します
- 概して新築当初は良い音がしません。
これらを考慮すると新しい部屋に新しいスピーカを入れてから音が落ち着くまで少なくとも3~5年はスピーカの位置を時々移動させ各々の時点での最良の設置場所を探すということことになります。
ところでタンノイの様な歴史(実績)のあるスピーカ - 15”Monitor Black"が誕生したのは1947年のことです - がうまく鳴らない場合は謙虚に
うまく鳴らないのは
自分の使い方が悪い -
部屋が悪い、
音が良くなるまで我慢できない、
設置が悪い -
と考えるのが妥当でしょう。
もしスピーカが悪いのなら50年以上の永きにわたり、基本的構造を変えず常に改良を(たまには改悪も?)重ねてきたTANNOY DUAL CONCENTRIC が世界中のファンから支持され続けるわけがありません - 消えていってしまったスピーカの形式はたくさんあります。
大型スピーカはしっかりした床にぐらぐらしないように設置するのが基本でしょうから、当然3点支持ということになります
- オートグラフは三角形ですから3点支持に最適です。
さて、最良の設置場所を決めるのに100Kg以上もあるスピーカをどうやって移動しますか?
写真の赤の矢印で示したのはオートグラフミレニアムに付属のベースです(ピアノの固定に使うベースの様なもの-金属の様です)。このベースに乗る様にスピーカの底面の角、三か所にスピーカの脚がついています。
スピーカ位置を移動するときは、スピーカをちょっと持ち上げてベースを外すと(写真ではよく見えないかと思いますが)白の矢印で示したキャスターが有効となり、スピーカをゴロゴロと移動することができます-ピアノと同じです)。位置が決まったらスピーカをちょっと持ち上げて脚の下にベースを入れて固定するとキャスターが浮いた状態になります。
白の矢印で示したキャスターはスピーカが固定されて、床からキャスターがちょっと浮いているところです。
設置場所は当然スピーカの分解能に影響します。
タンノイはオートグラフ・ミレニアムのユーザは最良の設置場所を求めてスピーカの位置をあっち、こっちに移動すると考えているようです - 我慢強く使いこなしてくれれば、必ず良い音がするとのメッセージでしょう。
http://cafe-blossom.blogspot.com/2009/08/8.html
56 名前:名無しさん@お腹いっぱい。 :2000/12/10(日) 00:55
さすがに、オリジナルのオートグラフは性能が古典的過ぎるんで、少しリファインして、現代的な音にしてるみたいね。
「オリジナルより分解能を向上させる為」と書いてあるね。
オリジナルは、音がまぜこぜで固まって鳴るからなあ。
・ドライバの駆動力向上
・エンクロージャー補強(重量増強・木材材質改善)
・ネットワーク改良
等々・・・・・・ まあ、妥当なところだろうな。
オリジナルのネットワークは、たしかバイポーラとか使ってあったと思う。
今なら、もちろんフィルムを使うよね。これだけでも、だいぶ透明感が大幅アップするはずだね。
オリジナルを使っている人も、ネットワークの部品を現代風にすれば、多少はリファインできるかも。
でも、その前にウレタンエッジがとっくに死んでいるかなあ?
ウレタンの寿命が10年と言っていたから。
http://mimizun.com/2chlog/pav/ebi.2ch.net/pav/kako/974/974534537.html
339 名前:K :2001/07/15(日) 00:37
新しいオートグラフ・ミレニアムは、板が響いてくれません。ですから、私が旧オートグラフで培ったノウハウを発揮することが出来ません。ケーブルで音を整えるという手法が通用しないばかりか、最新のユニットだけあって、ケーブルの音の粗さまでも、キッチリ出して来るので、とてもやっかいです。
それに、ユニットは300時間としても、エンクロージャーまでエージング終了するのは、1000時間を超えるでしょう。なんともやっかいで気難しいスピーカーを購入したものです。
449 名前:K :2001/07/22(日) 15:15
タンノイスピーカーを鳴らすコツとヒントを徒然なるままに書き記してみました。
梅雨から夏場にかけては、かなり「もったり」した音になります。特に口径の大きいユニットは最悪で、38cmともなると、冬場の数倍水分を吸って重たくなったコーン紙がレスポンスの悪さを呈します。その点、古いモニターレッドは比較的薄くて硬いコーン紙でしたので、夏場でもそれほど音がダレることはないようです。また、エンクロージャーも水分を吸って振動しにくくなっていますので、夏場はしょっちゅう鳴らしてやらないと、みるみる音が悪くなっていきます。
鳴らす音量ですが、一日の中で時にはエンクロージャーの板が振動しているのが解るくらい、入力を入れてやった方が鳴りが良くなる様です。やはりエンクロージャー自体を鳴らさなければならないタンノイのスピーカーの宿命なのでしょう。
これは何もタンノイシステムに限ったことではないようですが、長時間小さな音量で鳴らしてやるより、いったん完全にみんな電源まで切ってやった方が、エージングが進みやすい様です。特に透明感がグッと上がってくる感じがします。
最新のHEモデルよりも前のユニットを搭載しているモデルでは、単線系のスピーカーケーブルが本当に相性良い様です。撚り線でも、あまり細いのではなく、太めのものを使用した、スペース&タイムのケーブルも相性が良いようです。これは切り売りで幾つか種類が出ています。安いものだと\1,300/mくらいです。
リスニングポイントは、ユニットの軸線上で正三角形を作って、部屋の広さにもよるでしょうが、それより20~30cmくらい後方です。ちなみにウチではちょうど応接セットのテーブルの上なものですから、試聴に来た方々は、不思議にほとんど皆、テーブルの上に座って聴くようになります。
タンノイのの1970年代前半までのスピーカーユニットは、ハードエッジでしたが、エンクロージャーの板が柔らかくて、むしろエンクロージャーを鳴らして音造りをしていた感があります。
1981年以降から最新のHEより前のモデルは、むしろユニットの低域再生を改善させ、エンクロージャーの共鳴はそれ以前よりも控えめにして音造りをしていた様に思います。
そして最新のHEモデルですが、低域の再生よりも歯切れ良さ、シャープさを追求し、多少低域再生力が落ちても仕方がないというような作りのような気がします。
特にオートグラフ・ミレニアムでは、よっぽど大きな信号を入れてやらないと、箱が鳴り出しません。これはHEでユニットの低域が落ち始める周波数が上がったことと、使用している板が、実に硬く、オリジナルと違って、叩くと「カツン」という感じの音がするものに変更されているせいかと思われます。
「もったり」した低域にならない代わりに、確かにシャープで力強い鳴りっぷりなのですが、昔のオリジナル・オートグラフの様な大きなうねりのような低音に包まれる快感を味わうのは、よっぽど条件がそろわないと難しいでしょう。
>>447 の6)に挙げたお宅からEARのプリ(864B)とメイン(861)を借りてきました。
先日オリジナル・オートグラフで少し低域が持ち上がり気味かな、なんて思って聴いていたのですが、新しいミレニアムでは、これがピッタリ。もともと、EARのメインアンプは少し低域の出力が上がり、ゆったり目に聴こえるのですが、これが新しいオートグラフでは、ちょうど低域の再生が落ち始めるあたりに、アンプが補うような形でサポートする様です。しかも、俄然、板の響きが良くなりました。驚いたことに、解像度は是枝300Bプッシュプルに負けないくらい、しっかり描き出してくれます。
ただ、少し引っ込んだ感じがするので、個人的には是枝300Bの方が好みです。
でも、同席したEARのオーナーが仰るのには、「タンノイの場合、ステージとの距離感は、こんなものでしょう」とのこと。
「部屋のコーナーにスピーカーを置いて、聴くリスニングポイントは、たいていは部屋の中央やや奥、というふうになるかと思います。そうした場合、あまり音が前に出て来すぎると、演奏者の中に頭を突っ込んで聴いているような感じになり、演奏会場の椅子にゆっくり腰掛けてきいているという、タンノイらしい本来の音と違って来ます」
なるほど、と思いました。
http://mimizun.com/2chlog/pav/ebi.2ch.net/pav/kako/992/992992601.html
音楽カフェ Blossom :ブロッサム
埼玉県越谷市東大沢5丁目15番3
オーディオ装置
タンノイオートグラフミレニアム
レコードプレーヤはトーレンス TD520 に、SME3012トーンアームを取り付け、カートリッジはオルトフォン MC20Wを使用。.
プリアンプは、真空管式CRイコライザ+超低歪率フラットアンプを使用。
メインアンプは大型直熱真空管 845 を使用した三段直結アンプ。 モノラルアンプ 2台
http://www.cafe-blossom.jp/
ふとしたことで「音楽カフェ Blossom 」を見つけた。そこは家と同じタンノイスピーカーでこれも家と同じトーレンスの520でレコードを鳴らしているようだ。しかも球のアンプで…私にとっては夢のような場所である。
しかもスピーカーは何と「オートグラフ・ミレニアム」という。家のウェストミンスターをも上回るこの巨大スピーカーは、展示場では聴いた事はあるがちゃんとセッティングされた音は一度も聞いたことが無かった。
店主の笑顔を見て私は「この方は本物だ…」と直感した。球と音楽に命を捧げている方だろう。
私はピールと自家製パン。長男はケーキセットを注文して少し店主とお話したら早速店主は「何かリクエストは?」と聞いてきた。待ってました。
「管弦楽の大音量のものなら何でも…」と答えると店主は1枚のレコードを取り出し針を下ろした。
モーツァルトのピアノ協奏曲第25番が始まった。演奏は何とグルダ
これは紛れも無く伝統のタンノイの音である。アーデンやGRFの延長上で頂点を極めたオートグラフの音だった。私はミレニアムとして再生産されたこの近代的なオートグラフはもっとシャープで現代のCD再生にも間口を開いたものだと考えていたが、この音は違った。どちらかと言うとこもった昔ながらの音であった。これは真空管アンプの影響も強いのだろう。845という電球のような大きな球の温もりが相等出ているような懐かしい音だった。
思えば私も昔は頑なに球にこだわりマランツの♯7とmodel-9で球の世界にどっぷりつかっていたが、♯7が5年前に壊れマッキンのC-33に代わり、3年前遂にトラブル続きのmodel-9からジェフ・ローランドのmodel-8という大型トランジスタアンプに代えてしまい球から惜別した。そして2年前透明でハイスピードだかやや冷たいトランジスタの音をカバーする為にヤマハの音場処理アンプを入れて何とか満足するものになっているが、それでも球の持つ独特の味わいは決して出せない。
私はこの音を聴きながら2つのことを思った。「真空管はやはりいいな」と「トランジスタも悪くないな」という相反するようなことだ。
球の持つ「温もり」は掛け替えの無い素晴らしい世界だがあのグルダの演奏にはもっと細やかな響きの遊びがあったと思う。恐らくpianoforteの再生装置で同じ録音のCDを聴けば全く違った演奏になるのではないだろうか?
http://blog.goo.ne.jp/ensemble-arakawa/e/7e95adb1bfecea97d53628f5c907d861
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5:777
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2022/08/21 (Sun) 05:21:03
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究極の自作 スピーカー追求道
TANNOY AUTOGRAPHの視聴・評価
タンノイ オートグラフ視聴後の大山の評価
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/tannoy/autograph.html
泣く子も黙る「タンノイオートグラフ」。1954年に登場したこのスピーカーはもはや伝説と化したスピーカーでありJBLパラゴンなどとともにスピーカー史にその名を刻むスピーカーであります。現代ではほとんど採用されなくなってしまったバックロードホーン型エンクロージャーに、フロントホーンをつけたデュアルホーン方式のスピーカーです。実物を見たことがない人には想像できないでしょうか半端じゃなく大きいです。
タンノイオートグラフは大きく分けて、イギリス本国で生産されたオリジナルものとその後teacが日本にライセンスを与えて日本国内で生産されたものがあり、それによって中古価格が大きく異なり、マニアの間でも音の違いに対して喧々諤々の議論が続いています。
私がタンノイオートグラフを視聴したのはヒノオーディオの地下室のリスニングルームと、アバック秋葉原本店に中古品が展示してあるスペースで視聴しました。まともなリスニングルームで一度聞いてみたいな。ヒノオーディオでのオートグラフは箱をヒノオーディオブランドで自作されているものユニットのみ(もちろん)中古のものを取り付けてある。アバック秋葉原本店ではイギリスで作られたほんまものを視聴しました。
はじめてautographの音を聞いたとき私は現代販売されているタンノイのスピーカーの原型を見たような気がしました。「現代のタンノイは昔のタンノイと違う。これはタンノイではない」とまで言う人もいますが、やはり音の傾向は近いものを私は感じます。
バックロードは散々自作でやっているから音の傾向は長岡先生のバックロードに似ている部分もあり、全然似ていない部分もある。似ている部分は「鳴りっぷりのよさ」これは能率の高さと言い換えても良いかも知れないが、とにかく音が前へ前へと来る。真空管アンプなどパワーの弱いアンプで十分に駆動できる。似ていない部分は低域の歯切れの良さと、まとまり感(音像部分)。
タンノイオートグラフは2000年にミレニアムバージョンとして限定でオートグラフが販売となりました。1本250万円のウルトラハイエンド級の製品です。
http://www.diyloudspeakers.jp/5000html/tannoy/autograph.html
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6:777
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2022/08/21 (Sun) 05:26:08
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Tannoy Autographで愉しむ確信の放蕩。
1953 Guy Rupert Fountain
https://kaitori-audiodripper.jp/tannoy-autograph
タンノイ・オートグラフは生涯をかけて鳴らし込んで、幸せだったと思えそうなスピーカーの一台です。
TANNOY Autograph one owner 2セットございます!
■TANNOY Autograph one owner ¥880,000. 【ご成約済 ありがとうございました】
日本代理店 TEAC純正箱 HPD385Aユニット。ワンオーナー品
■TANNOY Autograph one owner TANNOY Monitor Gold 15 ¥1,280,000.g【ご成約 ありがとうございました】
日本代理店 TEAC純正箱 モニターゴールドが入ったオートグラフ。Tannoy Monitor Gold LSU搭載。状態の良いキャビネットの1オーナー品。
TANNOY Autographと言えば、オーディオ黎明期からJBLフラグシップと双璧を成してきたスピーカーですが、
今ではJBL Hartsfieldと同様のヴィンテージ品。一般の方にはおすすめしにくい一台で、複雑系の戯れを覚悟すべきスピーカー。
TANNOY Autograph TANNOY・タンノイ 中古 買取
中古 TANNOY Autograph(TEAC扱い)
TANNOY Autographでいい音、正しい音を求めていくと、設置する部屋から考えていくオーディオの深みに陥ります。本気で墜ちていくとゾクソクする楽しさや苦しさも大きなもので、ヴィンテージカー同様の趣味の醍醐味を嫌でも味わう一品。
テクノロジーの産物でもあるオーディオは常に現代の技術をから生まれてきますので、約百年の時間を横断する事を止めるわけにもいきません。
西方の音
オートグラフも発売当時はフロントショートホーンとバックロードを使ったワイドレンジを目指す最先端のスピーカーでした。
日本では五味康佑氏がイギリスから輸入し、豪快でスリリングなエッセイ『西方の音』を残されました。私は19歳の時に古本屋で入手しました。文脈の端々から踊る様な心持が印象に残っています。現在再読すると印象は変わるような気がします。五味氏のシステムは練馬区自治体で保管されているそうです。
モニターSILVERやモニターREDの15インチを搭載したオリジナル・オートグラフは音の正否を超えた存在感があります。こうしたヴィンテージ品は歴史やその成立ち、設計者の情熱まで含めて知っていく事で愉しさも深いものとなります。
1970年代のタンノイ・オートグラフ
日本ではティアックが扱った時のユニットがK3808となり、国内の進工舎でエンクロージャーを製作していました。上の写真はスタッフがオートグラフを購入し、設置する時に撮った1枚ですが、思うように鳴らすことは相当に大変!だったとか。
オートグラフのバックロードホーンは約350Hz以下を受け持ちます。相当高い周波数までカバーしますので、人間の耳だと1KHz付近のフロントロードとの時間差は知覚できる事になります。クロスオーバーやホーンロードの受け持ち帯域がきわめて複雑系な関係。現代オーディオでは設定しない基本設計です。
オートグラフには合いませんが実験的にデジタル・ディバイダーでウーファーのタイムアライメントを進めていくと、すっきりとフォーカスが合いますが、それが良いかどうかは別の問題です。またオートグラフから放射される音響エネルギーは2台でおよそ畳2枚分もありますので、一般的な構造の部屋なら壁、床、天井を上手く共振させる事も考えるべきことです。巨体はサイズ以上に大きくALTEC A7が小さく感じます。
オートグラフの難しさはこれだけではありません。キャビネットの素材は18㎜(一部12㎜)の合板で、よく響きますのでバックロードホーンの時間差と相まってとても特徴的な残響が造りだされます。まだ他にも1インチスロートドライバーのホーンとなるウーファーも理想的なホーンロードとは言えません。スロートからコーン紙のカーブがロードがかかりづらい全長と形状です。特に形状は特殊である事はホーンの構造や材質の重要性をご存知ならおわかりでしょう。現代の概念からいくとツッコみどころがあり過ぎるのがTANNOY Autographです。同様の事はJBL HartsfieldやVITAVOX CN191、ALTEC A5&A4等にもあてはまるかもしれません。
それでもTANNOY Autograph。
Hi-Fiスピーカーとしては様々なトラップがあるオートグラフではあるのですが、オートグラフを部屋のコーナーに設置し、正面にスピーカーが見えない程にスピーカー間を開けて鳴らし込んだオートグラフの音を聴かれた事があるでしょうか?
その表現は響きの豊かなコンサートホールで演奏している実物に程近い音です。それは機器的特性や欠点を超えた背筋がゾクッとする説得力、リアリティがあります。オートグラフで聴くヨーロッパ王侯貴族が育てたクラシック音楽は、ホールが出現し奥行き感もサウンドステージのスケール感(尺度)もリアルに鳴ります。イギリス人は世界一流の音楽の聴き手であるという逸話が納得できる程。特に1940年代に録音された名手達の演奏、楽器の響きそのものが時代の違和感なく聴けることもオートグラフの魅力。
音楽が鳴りやむまで引き込まれる表現力、演技力は登場から70年近く経てもなお色褪せないものがあります。SILVERやREDが入ったオリジナルは中古価格 400万円以上で取引される事は不思議ではありません。またオートグラフも鳴らし方次第で、想像以上にダンピングが効いたウッドベースを聴くことも出来ます。
一旦、TANNOY Autographを導入すれば、導入したその日から、毎日が薔薇色だったり棘の日々を嫌と言うほど楽しめるでしょう。
おすすめは、もう一部屋に最先端のシステムを隠し持ってオーディオと音楽の時空を飛び回る事でしょうか!
TANNOY・タンノイ社
Tannoy Ltd.は、ガイ・ルパート・ファウンテン氏(Guy Rupert Fountain 1901年-1977年12月10日)によって創立。創立当初は、モニタースピーカー等も製作。ユニットは長年に渡り同軸型を生産しました。
現在、タンノイのヴィンテージ品はイギリスやアメリカでも見直され極上品は高い価格で取引されています。
スコットランドノース・ラナークシャーコートブリッジ(Coatbridge)
【AUTOGRAPHメモ】
※個別の個体、ユニットはたくさんありますので省きます。
・ALTEC 828等のキャビネットが入る導線があれば導入可能です。奥行き分65cm程の開口があればOK。
・重さも実質75kg位ですから床とのアクセス次第ですが、設置した後でも動かす事は簡単です。
・基本的にはコーナー型ですので、両コーナーでの設置から好みやルームアコーステッィクに合わせ調整すれば良いでしょう。
・床や壁は強固に越した事はありません。側板や底板は相当に共振いたします。壁にぴったりとくっつける必要はないかと思います。また底板は袴で浮かせてありますのでエネルギー放射があります。
・スピーカー間の距離ですが、過去に様々なセッティングで好評だったパターンは部屋の横方向・8m程離した設定でした(交響曲等の大編成)。立体感と音離れが良くスピーカーそのものが気にならない状態まで再現可能です。聴かれる音楽ソースによって調整されれば良いと思います。
・湿度にはひじょうに敏感です。可能な限り気にかけて頂ければ良いと思います。
・フロントホーンは木ネジで固定されているだけですので、ユニット等の手入れは比較的簡単です。
・ソファのクッション等を背にすればユニット交換等も可能です(K3808進工舎製のキャビネットにOLDユニットを取り付ける際は加工が必要な場合があります。)
https://kaitori-audiodripper.jp/tannoy-autograph
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2022/08/21 (Sun) 05:38:17
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タンノイブラック
今迄沢山のタンノイシステムを聴いてきましたがこのモニターブラックこそ本来のタンノイサウンドと痛切に感じた、三上先生がおっしゃるにはタンノイはブラックとシルバーがタンノイの音であると云っていましたが私も同感です。シルバーは他で聴くことがありましたがブラックになるとまず聴くことも見ることもできない超が付くレアなユニットになる。
最近のタンノイのサウンドはこのモニターブラックと比較するとドンシャリ傾向の音になっているのが多い、タンノイのブラック、シルバーのユニットは低域も高域も欲張らず中域から音作りをしているのではないだろうか、特にあの中域の厚みのある心地よい響きと特徴のある音色は最近のタンノイでは聴いたことがない特筆すべき音であった、タンノイブラックを試聴すると現代のタンノイは低域も高域も伸ばしたため中域の薄い(中抜け)不自然な音に感じるがこの音が好みだと云われれば返す言葉も無いが一度でもよいからブラックやシルバーを聴いてみれば私の云っていることが理解できると思う、
又このモニターブラックも私が愛用しているロンドンウェスタン直系の音と非常に似通った音色が印象に残った、ボックスは多分オリジナルボックスのランカスターを流用されたと思うがユニットとボックスが大変マッチしているからこそ本来のタンノイの響きが出ているのではないだろうか、
手前に見えるのがタンノイのモニターブラックで後方のシステムは珍しい
テレフンケンの085aモニタースピーカーでこのシステムは私も始めて見るシステムで音質、音色はカチッと締まった大変心地よいサウンドであった、
タンノイブラックのボックス内部の写真でユニット自体も大変状態の良いもので強力なアルニコマグネットを採用した初代ディアルコンセットリックスピーカーになる。タンノイファンなら一度は聴く価値はある。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028
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2022/08/21 (Sun) 07:35:31
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最近疑問に感じる事、タンノイのSPを駆動するのは真空管が勝るが、一番相性の良い真空管は何れか? 2019年05月05日
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb
最近不思議に思うは、何故五味康祐氏は数ある真空管アンプの中よりマッキントッシュを代表する真空管ステレオパワーアンプ MC275定格出力:75W+75W(4/8/16Ω)150W(2/4/8Ω)を選んだか?
TANNOY Monitor 15"は能率悪いSPともおもわないが?TANNOYと言えばやはり、五味康祐氏の話に触れないと、お座なりなの気分になる。これまで、氏は、原稿料を前借りしては、音に心血を注いできた。その氏が、オートグラフの存在を知ったのは、確か、ヨーロッパ旅行のおり、スイスの音キチ青年にカタログを見せられたのがきっかけであったらしい。帰国後、そのカタログの情報だけを頼りに、タンノイ社にエアメールで注文を出した。注文を受けたタンノイの担当者は、さぞかし驚いたにちがいない。あの敗戦国の日本にそんな御仁がいようとは、と・・・。1964年
(昭和39)のことである。この年の秋から芸術新潮で「西方の音」の連載が始まった。そして氏のオートグラフへの求道は、多くの信者を惹き寄せたのである。
そして購入された物は1964年にユニットには15inchの同軸2ウェイユニットが採用されており、初期はMonitor Silverで、その後Monitor 15"(Monitor Red)、15" Monitor Goldと搭載ユニットが変更されています。オートグラフも改良を加えた15"のMonitor Red第2世代の物のようです。
駆動するアンプはマッキントッシュを選び聴いていた様ですが、QUAD AD-22+Ⅱ×2またはWE社WE300Bを使用したシングルアンプはWE91Bなどより何故マッキントッシュを好んだのかが今も不思議に感じます。タンノイ社の推奨ではアンプはQUADカートリッジはDECCAを推奨している、何故たのメーカーを選んだのかが疑問である、出力は小さいがWE300BのWE91Bも当然候補に上がると思うのだが、何故かMC275を使用したかが疑問です。
でも一つ納得出来るのはマッキントッシュが一番出力が大きく、オーケストラ演奏にも不満はないが通常自分の部屋で聴くには2~3Wで十分とおもうがオートグラフにはマッキントッシュが相性が良かったのか不思議に思う。実は私もマッキントッシュのC-29を使用していましたが、私の目指す音質とは違い2年程で終焉を迎えた。現在TANNOYオートグラフを300Bで鳴らしている方も多いようですのでその辺りは解明してみたいですネ♪
因みに筆者ははAXIOM80 TANNOY(ⅢLZ)で300Bのアンプで聴いていますが、粗満足しています
調べるとⅢLZにはQUAD AD-22+Ⅱ×2が良いそうだが現在は程度の良い物は少ないようです。
以前音楽の友の社のおまけのプリメインアンプ2W☓2で聴いたときは音質は問題はないが、流石オケのフォルテの部分は力不足を感じたが普通に聴くには全くストレスは感じなかった、もしKT-66 またKT-88が優れているなら今後の問題として考えていきたい?
今春号の管球王国はEL34の特集なので今回の答えが書かれているのかも知れない。早速注文し本日到着した、後よく読んで見るつもりです。
又最近魔界より誘惑がある、現在筆者の手元にある松下製の6BM8を愛聴しているが、今回は松下製輸出用製品があり、松下製品との違いは或るのか?の疑問から証拠にもなく、気になるコメントに乗り初段管に使用の6BM8/PCL82を購入して見た。その中に下記のようなコメントがあった。
「この球は、AWAの自社生産品ではなく、製造元は「松下製」でして、 AWA社ブランドで販売されたOEM品です。製造元が顧客(AWAのこと)の要望基準に沿って、生産した中からの、選別品のため、バラツキがすごく少ないようです。どの1本を抜き出してもピタリと入ってきます。」
勿論、新品のNOS管で一応測定データー付きです。
松下製は筆者も1セット持っているが輸入用と聞けば一応試聴したくなり、予備も含め2セットものを購入した。其のときにおまけにと言ってロシア製真空管 6F3P (6BM8) SVETLANA スベトラーナをいただくSvetlana真空管はロシアのサンクトペテルブルクにある世界最大級の電子管工場で生産されています。
スヴェトラーナ工場は冷戦時代に世界最大級の出力を誇った送信管(ICBM探知OTHレーダー用送信管 2.2MW)の製造実績があります。また、オーディオやギターアンプなどに使われているガラス管の真空管は1928年から製造しています。スヴェトラーナ工場は世界の真空管メーカーの中で最も大きいメーカーのひとつとして、かつ、技術力の高い工場として知られています。
1本しか無いので方チャンネルに交換して聴くが意外と良さそうである、だがこのプリ管は数多出回っているので簡単に入手できるのが良い、将来1セット購入しても良く感じる・・・?正直ロシア、支那製品には敬遠してきたが、見直さなければ成らない時代になったのかもしれないコピー物を作る技術は低価格で安定してきたようだ。製品を良く吟味する事は肝心である。
ここで今回はOEM品松下製の試聴を試みる、エージングも全くしてないので音質は不明点も多いが、オリジナル(松下製)が断然良い。実際は10日間程度使いエージングをしなければ評価は出来ないが、全体的にはオリジナルに近い音なのが当初は微妙に高域の伸びが無いように聴こえる当然この真空管と言う代物は同じ種類でも微妙に音色が変わる物なので五味康祐氏がナス管を沢山購入し入れ替わり視聴して真空管を選んだというがまんざら嘘でも或るまい。
そしてOEM品に差し替え4日目は音質が変化してきた、勿論良い音に変化する・・・ピアノの立ち上がり、ドラムの音、特に女性の声等は使うほど、紛れもなく松下製の音になった。勿論東芝管も良いが松下管のダイナミックでなおかつ緻密な音に魅力を感じる。
当然先日購入したPSVANE 300B Hifi 真空管もエージングが進み300Bの本領発揮してきたようだ、
例えばピアノ演奏の音は研ぎ澄まされ透明度が増した、以前より数段上手く鳴る様になったBach:Goldberg Variationsの最後のアリアでGlenn Gouldがゆったりと奏でる音に混じり、なにかつぶやきが?ハミングが聴こえ実にライブ感を味わえる、このあたりの表現が真空管の表現が良い。
連休も終盤に近く今回購入のAWA社ブランドの6BM8/PCL82を辛抱して聴き続け多少のエージング効果が出た感じがするようになった、今後エージング効果が進めば益々期待はできそうである。
でもこれだけは言える、・・・・・
我が家のTANNOYは歌曲等人の声を聴くなら断然真空管が勝るようだ、ブラボー!
6 コメント
五味康祐氏 (WE22)2019-05-06 23:10:16
五味さんは91を知らなかったと思います。本人の実家は戦前、映画館を経営していてWEの555を使ったホーンシステムは聞いた記憶があるといっておりましたが、アンプ関係はほとんど知識がなかったと思います。
WEのアンプはレコード再生用には作られていないのと、当時はそれらはまったく一般的ではなかったようです。
WEが世に出だしたのは八島誠さんがS55年頃これらの紹介と販売を始め手からです。「MJの八島誠コレクション」参照。ラボにしてもサウンドインクにしても素人でしたのでそれらを家庭用として改造できる技術者の指導で徐々に浸透していきました。現在でもなかなかまともに使えているところは少ないようです。まして五味さんのころはまったく一般には知られてもおりませんし、仮に存在は知っていたとしてもそのままでは使えませんので不可能です。当然の帰結としてマッキンかマランツとなるでしょう。300Bは進駐軍の米人が小遣い稼ぎに持ち出して売っていたので決行早くに知られていました。300Aは戦前の2年足らずで生産停止したので知っている人はまれでした。
ありがとうございました、 (金ちゃん)2019-05-07 08:15:06
五味康祐氏の実家の事は本で知りましたが300Bの事は知りませんでした。
でもクオードのアンプは当時から有ったんでしょう、
まあ、当事者以外は解らないことなのでしょう。
QUADⅡ (WE22)2019-05-07 11:09:20
言葉足らずで失礼しました。おっしゃるとおり、QUADⅡは1953年に生産が開始され18年間名声を保ったクオードの主力で歴史的なアンプだったようです。
WE22さんありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-07 11:21:26
TANNOY指定は確かQUADⅡを提示してようです。
此の問題は本人で無いと解らないようです。
でも私はPSVANE 300Bで聴いていますが、
徐々に音が馴染んで行く様に感じます。
音しかわかりませんが (高井孝祐)2019-05-09 22:18:22
貴殿の仰るように私は音楽の分からない輩です、オリジナル91Bとレッドの入ったオートグラフの組合は知人が行っています。
WE91Bはご存知だと思いますが音を遠くへ飛ばすことを考慮して作られた劇場用アンプです、飛ばすために敢えてか、結果なのか私にはわかりませんがWE91Bではホールトーンと言われているコクのある重低音は出ません、パリンと輪郭のはっきりした音を力強く押し出しますこの辺が86などと大きく違う点だと思います。WEでも劇場用の91Bや86などと、124等のアンプでは音の傾向は全く違うと思います、タンノイのブラックは論外としてレッド以降の反応の鈍いユニットでホール感を出そうと思うと、シングルアンプではなくプッシュ駆動のクオード22やマッキン275やMC30、WEでは124等のアンプが似合うことは貴殿に音楽を知らないと言われた無知な私でも安易に想像できます、五味氏なら感覚でわかっておられたのではないでしょうか?
因みにタンノイモニターブラックとWE91Bの組み合わせが奏でるサウンドは私は素晴らしい音楽を奏でると感じました、
音楽のわからない私はWE91BとALL励磁ユニットで「音」を楽しんでいます。
コメントありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-10 11:03:03
素晴らしい組み合わせですね、
本物のWE91Bの音は未だ聴いたことありませんが、以前展示されたSV-91Bを聴き確かに良い音で聞こえました。
現在の書斎には大型のSPはスペースの問題で据付られませんのでⅢLZを改良して聴いています。勿論ジャズも愛聴しましが これでもオケもオペラも略満足して聴いています。
因みにSV-91Bを聴いたときのSPはアルテックでしたが気持ちの良い音で鳴っていた記憶があります。
「角を矯めて牛を殺す」の例えのように音楽を楽しみたいと思っています。
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb
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2022/08/21 (Sun) 07:58:09
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ハイファイ堂メールマガジン
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/121130/index.html
最近、タンノイのスピーカよく売れています。タンノイのスピーカはデザインと言い、仕上がりといい、質感と言いどれも芸術的なスピーカーばかりです。一度、手に入れますと、鳴らさないで置いておくだけでも、高級家具の様で絵になり満足してしまいます。
タンノイと言えば先ず同軸を思い浮かべます。タンノイの同軸ユニットには、10インチ、12インチ、15インチの3種類がございます。1947年にウーファーの中央にストレートホーン型ツイーターを配置した同軸2ウェイ式ユニットであるデュアルコンセントリックを開発し、それ以後Tannoyを代表するユニットとなりました。この初代の同軸ユニットは「モニターブラック」と通称されます。現在では超入手困難なユニットです。
1953年 アルニコマグネットを採用した直径15インチのスピーカーユニットLSU/HF/15が開発製造される。磁気回路カバーの色が銀だったため「モニターシルバー」と通称された。モノラルのレコードの出始めに製造され、モノラル盤がうまく鳴るユニットです。またこのユニットを搭載したスピーカー、オートグラフが発売された。この頃の音はモニターレッドと比べて、上下の伸びはイマイチですが、それを補って余りある音の質感、そして何よりも渋い音が魅力。
1956年 ユニットの設計が変更され、磁束密度の向上と最大入力向上が図られた。またこれまでも存在した15インチユニットに加え、一回り小型の直径を12インチに縮小したユニットが併売されるようになった。正式名称はそれぞれモニター15とモニター12、形式名はそれぞれLSU/HF15とLSU/HF12であるが、ユニットの磁気回路カバーの色が赤に変わったため「モニターレッド」と通称された。同時に、III-LZという10インチユニットも発売された。
1967年各ユニットの入力インピーダンスが16Ωから8Ωに変更された。形式名は15インチユニットがLSU/HF15G、12インチユニットがLSU/HF12Gであるが、ユニットの磁気回路カバーの色が金に変わったため「モニターゴールド」と通称された。モニターゴールドの10インチ版とも言えるIII-LZGも発売された。
1974年の火事でオリジナルのコーン紙が製造できなくなり、薄手の西ドイツ製コーン紙を使用できるように再設計された新型ユニットHPDシリーズを開発。コーンの薄さをカバーする為に裏側にリブが貼付けられました。それ以降のタンノイはタンノイでは無いと言われる方々もおります。
https://www.hifido.co.jp/merumaga/osu/121130/index.html
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2022/08/21 (Sun) 08:02:10
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タンノイ同軸型ユニット
https://www.cricket-record.jp/product-list/269
モニター・ブラック(1号機)【販売:1947‐1953 】
SP盤時代に製造されたSP盤に合う音です。
1号機では、クラシック、ジャズも素晴らしい音で鳴ります。
タンノイのユニットの中では最も質感の高い音です。
箱はオートグラフではありません。(下記画像参照)
現在では超入手困難なユニットです。
モニター・ シルバー 15Ω 【販売:1953‐1957】
モノラルのレコードの出始めに製造され、モノラル盤がうまく鳴るユニットです。
【前期タイプ】
全体が黒い布ですっぽりと覆われています。この布のために音のヌケが少し悪い感じがあります。現在ではボロボロになっているものがほとんどですが、外せばよくなります。
※前期はセンターキャップがないので、布で覆われてました。
【後期タイプ】
布で覆われてはいません。音は前期、後期タイプで違いはほとんどありません。
※モニターレッドと比べて、上下の伸びはイマイチですが、それを補って余りある音の質感、そして何よりも渋い音が魅力。この音に慣れるとレッドは聞けないという方もいます。
中域の質感の高い充実度は特筆ものです。
モニター・ レッド 15Ω 【販売:1957-1967】
ステレオ盤と同時期に製造されたユニット。ステレオ盤によくマッチした音で鳴ります。
初期ⅢLZに搭載(1961年から10吋のレッドを使用)
【前期タイプ】
コーン紙のところのセンターキャップが飴色になります。
【後期タイプ】
センターキャップは黒色です。
音の違いは、後期タイプは上がさらに伸びて、少しにぎやかな音になります。
五味康祐氏で有名なレッド搭載のオートグラフはオーケストラ再生でその本領が発揮されます。シルバーにはない、上下の伸び(レンジ感)がクラシック・ファンには高評価のユニットです。ヴァイオリンの高音の伸びは魅惑の響きを奏でます。
モニター・ ゴールド 8Ω 【販売:1967‐1974】
トランジスタの登場で、これに対応するため8Ωのインピーダンスに変更されたユニット。後期ⅢLZに採用。国内ではシュリロ貿易が総代理店として輸入を開始。
低域がやや膨れて、分解能が少々落ちた感じの音になりますが、現代の音楽に向いている傾向の音作りです。
ⅢLZの中でお薦めできるのはこのゴールドから以前のタイプです。十分にタンノイらしい魅力的な音がします。
これで大人のジャズを楽しむことも可能です。
HPD 8Ω 【販売:1974‐1979】
アーデン、バークレー、チェビオット、デボォン、イートンに採用される。
国内はTEACが代理店となる。
ⅢLZ(チャーヴェニング)に採用される。
HPD315はタンノイ最後のアルニコ仕様です。
【前期タイプ】
左画像のようなマグネットのカバーの色。
【後期タイプ】
マグネットカバーがゴールドに近い色合いになります。
ネットワークの形状も違ってきます。アッテネーターとターミナルが別々。
DC386 8Ω 【販売:1979~
アーデンMkⅡ、バークリーMkⅡに採用される。
※この時期からアルニコからフェライトへ変更になる。
K3808 8Ω 【販売:1979~
スーパー・モニター・レッドに採用される。
【モニター・レッド前期タイプ:飴色センターキャップ】
【 TANNOYのユニットの選び方について】-同軸型2wayユニット
●ブラックからゴールドまではフィクスドエッジです。ゆえにゴールドまでは低域の切れがあります。
●ゴールド以前のユニットはより音楽性豊かな表現力があります。
●音の質感、密度、表現力においてはブラックに近くなるほど高まります。
●高域、低域の伸びはレッド、ゴールドにあります。オーケストラの雰囲気はレッドが得意とするところです。
●音を聞くならゴールド、音楽を聞くならシルバー、レッドといったところでしょうか。
●HPD以降はコーン紙の重量が重くなり、音の反応がやや劣りますが、新しい録音はうまく鳴らします。
・シルバー、レッド、ゴールドは現在、品薄で入手困難な状況になっているのが現状です。
・特にシルバーと初期レッドの極上品は希少、貴重品です。
・ゴールドも良い状態のものが容易には見つからなくなってきています。
・タンノイユニットは一生ものとしてご使用され、愛機とされるお客様が多いユニットです。
・良い状態のユニットを選択し、価格だけで選ばずに入手されることをお奨めいたします。
♦タンノイ1号機(オリジナル) 38cmモニター・ブラック
・タンノイ1号機(オリジナル) 30cmシルバー・ユニット入り
※ブラック30cmは極めて少ない。
♦オートグラフ:1953~1974
♦ミニ・オートグラフ(日本製)ユートピア製品
♦GRF:1955~1974
♦べェルヴェデーレ (米国タンノイ)
レクタンギュラーG.R.F (英国製オリジナル)モニターレッド(飴キャップ)
♦ⅢLZ (モニター・レッド入り初期型)
♦ⅢLZ (モニター・ゴールド入り後期型)
♦ⅢLZ (モニター・ゴールド・ラージ・フレーム)
ゴールドの中でもフレームの幅が広いタイプです。
普通のタイプよりも音が優れており、希少なⅢLZで入手困難なスピーカーです。
♦スターリングSE (ⅢLZの後継機、25cm同軸2wayユニット、8Ω、フェライト)
https://www.cricket-record.jp/page/31
・Tannoy Monitor Black (1947~53)
・Tannoy Monitor Silver (1953~57)
・Tannoy Monitor Red (1957~67)
・Tannoy Monitor Gold (1967~74)
・Tannoy HPD315 (1974~79)
・Tannoy HPD385 (1974~76)
・Tannoy HPD385A (1976~79)
・Tannoy Corner York (1950)
・Tannoy Autograph (1953)
・Tannoy Ⅲ-LZ in Cabinet (1961)
・Tannoy Arden (1976)
・Tannoy Westminster (1982)
・Tannoy Stirling (1983)
現行品のハイエンド
・Tannoy Kingdom Royal
・Tannoy Westminster Royal-GR
http://www.esoteric.jp/products/tannoy/kingdomroyal/
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2022/08/21 (Sun) 08:13:37
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AXIOM80愛好家の集い~第11回~ - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年03月29日
オーディオ界では旧くて新しい話として次の2説が根強く存在している。
「ほんとうにいいシステムならクラシックにもジャズにも両方対応できてうまく鳴ってくれるはずだ。」
その一方では
「クラシックは教会やコンサートホールで直接音と壁や床などに反射した間接音が微妙にブレンドされた音を鑑賞するもの。
しかし、それとは違ってジャズは直接音を聴くように出来ている音楽だからこの二つはまったく別物。
したがってシステムも分けてそれぞれ専用にして聴く方がいい。」
どちらの説に与(くみ)しても一向に構わないし、いいも悪いもないが、いったいこの両説のどちらが正しいのか、その妥当性に一つの示唆を与えるのがスピーカーのタンノイ・オートグラフの存在ではないかと思う。
音が膨らみ過ぎてジャズはからっきし聴けないスピーカーだが、クラシックとなるとオーディオルームがたちまちコンサートホールに変身するという逸品である。
わざと寝ぼけたような音を出して雰囲気感をことさらに強調するのだから、ここまで徹底するともう降参するしかない(笑)。
ただし、国内に出回っているオートグラフは大半がティアックなどの国産品の箱なのがちょっと物足りない。やはりオリジナルで聴いてみたい・・・。
オリジナルのオートグラフといえばすぐに思い浮かぶのが五味康祐さん(故人)だが、内蔵されているユニットは「レッド」だ。
ところが、このたび「レッド」よりも1世代前の稀少な「シルヴァー」が内蔵されているオリジナルのオートグラフがはるばるイギリスから、とあるオーディオショップに入荷されたというのだ。
お客のSさんから伺った情報によると、オリジナルの「タンノイ・オートグラフ」(ユニットはモニター・シルヴァー)のお値段のスタート価格は850万円とのこと。
「高いことは高いですけど、お得な買い物になるでしょうね」と申し上げた。なにしろ世界遺産に匹敵するほどの代物だから年数が経てば経つほど値上がりするのは間違いない。仮に20~30年愛用して持ち主が亡くなるときはおそらく倍以上の値段になっていることだろう。そのときは遺族へのいいプレゼントになる(笑)。
S財閥なら不可能な話でもないので「どうですか」とお薦めすると、「いやあ、そんなことをすると家庭崩壊ですよ」と仰ったが、もしかしたら・・・。
いずれにしろ、「一生に一度しか聴く機会が無いでしょうから、近々聴きに行ってみます。」とのことだった。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/864b6d961ddfe9109d927e67b3eb2db2
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/cbc8fdee11e091090bf2f265e55a3db8
タンノイ・オートグラフを聴く - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年05月17日
つい先日、同じ「AXIOM80」仲間のSさん(福岡)からメールが入った。
「東京出張の折りに、シルバー in オートグラフを聴いて来ます。
はてさて、あのモヤっとした音のオートグラフでもモニターシルバーが入れば締まった音がするのでしょうか?」
以前のブログで話題にしたように、オリジナルのタンノイ・オートグラフにシルヴァーのユニットが入ったものが、本国(イギリス)から入荷され、お値段の方も1000万円近いとの声も上がるなか、このヴィンテージ品を聴いてこられるというわけ。
こういうチャンスはおそらく一生に一度だろうが、実にうらやましい(笑)。
国産箱のオートグラフはこれまで何度も聴かせてもらったので音の傾向はだいたいアタマに入っているが、改めて確認の意味でもう一度聴きたくなった。
オートグラフを身近に愛好されている方といえば、Mさん(大分市)なのでいそいそと出掛けてみた。
Mさんは圧倒的なレコード派で3台のプレイヤーを駆使し、2系統のスピーカーでクラシックからジャズまで幅広く鑑賞されている。システムの流れを紹介すると、
クラシック系
レコードプレイヤー
→ MCトランス(カンノ)
→ イコライザーアンプ(カンノ)
→ プリアンプ「出力管ウェスタン310A:整流管付き」
→ パワーアンプ「KT88(GEC)プッシュプル」(新藤ラボラトリ:モノ×2台)
→ スピーカー「タンノイ・オートグラフ」
ジャズ系
レコードプレイヤー
→ イコライザーアンプ(ピッカリング)
→ プリアンプ(同上)
→ パワーアンプ「マランツ8B」
→ スピーカー「クリプッシュ」(アメリカ)
周知のとおり、音の入り口に当たるカートリッジ(プレイヤー)と音の出口に当たるスピーカーはアンプなどの増幅系とは違って変換系なので替えてやるだけで音が激変するが、Mさんはたいへんな「アームとカートリッジ」狂である。
ちなみに、真空管式プリアンプはつい最近導入されたばかりで、オーディオ仲間のNさん(大分市)の製作。これまではTR式のマッキントッシュの「C28」を使ってあったが、このプリアンプを聴いてすぐにオークションに放逐された由(笑)。
はじめに、オートグラフから試聴開始。
けっして周波数レンジの広さを感じさせないものの、音像定位が良くて品はいいし奥行き感があってホール感たっぷりの音でこれこそオートグラフの世界なんだろう。しかも、良くも悪くもあの「モヤっとした感じ」の印象を受けないのはひとえにMさんのセンスを物語るところだろう。
ひとしきり聴かせていただいてから、今度はジャズへ移行。
モノラル盤のレコードが圧倒的に多いなか、女声ボーカルを聴かせてもらったが、とてもクリヤで音の鮮度が素晴らしかった。
Mさんは低音をドスンとかボ~ンとか迫力でもって鳴らすのがとてもお嫌いのようで、ボリュームもかなり絞った状態のもとオートグラフにしてもクリプッシュにしても大型システムなのに程良いバランスを心がけておられるのがよくわかった。
KT88のプッシュプルという大出力のアンプだから「ドスン・オーディオ」も可能なのにこういう鳴らし方だから、そのオーディオ哲学が偲ばれる。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/ceaadaf261f66872829c0a95c2d55056
エクセレント! - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2016年05月21日
「今週、東京出張の折にオリジナルの<シルヴァー イン タンノイ・オートグラフ>を試聴してきます」とのことだったので、一日千秋の思いで結果のメールを待っていたところ、19日(木)にようやく到着。しかも画像付き。
タイトルは「エクセレント!」
「東京でシルバーinオートグラフを聴いて来ました。感想を一言で言い表すならば「欲しい!」です。
あれが本来のオートグラフの音だったのですね。
オートグラフに対する私の偏見は吹き飛びました。
中高域はユニットがモニターシルバーなので我が家の音そのものなのですが、低域の豊かさが全く違います。
まあそれは物がオートグラフなので当たり前の事なのでしょうが、これまでに沢山聴いた事があるゴールドやレッドが入ったものと同じ響きを想像していると驚かされます。
オートグラフ特有の低音のボンツキは全然なくて、豊な低音がスピード感を伴って出てきます。ゴールドオートグラフの様な位相がズレたモヤっと感やレッドオートグラフの様な低音と高音のアンバランス感は皆無です。
オペラを聴くと当に眼前にリアルなステージが広がっていました。
いや~欲しいです。毎日あれで音楽が聴けたなら本当に幸せですよ。」
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/610c76b347445ed7b20c9b18393e36be
今回の試聴会の最終目的となるSさん宅の音である。
スピーカーは「AXIOM80」とタンノイ「シルヴァー」のコーナーヨーク。
周知のとおりタンノイの38センチ口径のユニットは巷間、称されるところの
「ブラック」 → 「シルヴァー」 → 「レッド」 → 「ゴールド」 → 「HPD」
という変遷を遂げている。そして、残念なことにこの順番に手に入れるのが難しくなり、また音の方は次第に悪くなっていく(笑)。
このシルヴァーはイギリスからの直輸入とかでロットナンバーは3というから最初期のもの。
素晴らしい音だった。一同絶賛!
「通常のタンノイのイメージとはまったく異なる音ですね。驚きました。まるでアクロス・ホール(福岡)で聴いているみたいです。日頃タンノイを聴いている方にはぜひ一度この音を聴いていただきたいものですねえ。」とGさん。
自分も驚いた。
「この前聴かせていただいたときとは随分違う印象を受けました。細かい音の粒子が部屋いっぱいに広がって音響空間をふわっと漂っている感じです。それかといって音の芯もしっかり出ています。
これまでいろんなお宅でタンノイを聴かせていただきましたが、間違いなくベストだと思います。どこがどう変わったんでしょう?」
「AXIOM80」と「タンノイ・シルヴァー」と交互に聴かせていただいたが、どちらに軍配を上げるか非常に難しい(笑)。
強いて言えば、全体的な“ゆとり”という点で「タンノイ・シルヴァー」かなあ・・・。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/f42c1cfd4c25fa845a6501e70cf88936
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シンプルな響きの心地よさ 2015年06月28日
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi
20cm口径のフルレンジSPユニット「リチャード・アレン」を取り付けたボックスを作ってから早くも2週間あまり。
我が家の第三システムとして活躍中だが、これまで主流としてきたやや大掛かりなシステムと、こうした小さくてシンプルなシステムとの対比の妙が実に新鮮で、我が家のオーディオにこれまでにない新鮮な空気を吹き込んでいる。
アンプとスピーカーとを合わせてもわずか10万円足らずのシステムが何倍以上もするシステムと張り合うのだからほんとうにオーディオは面白い。
もちろん、それぞれに音楽のジャンルによって得手・不得手があるわけだが、低音域の量が少ないことによって得られる全体的な(音の)「清澄感」はなかなか捨てがたいものがあって、喩えて言えば、ヘッドフォンで聴く「音」のピュア感といったものに通じており、我が家での存在感が増す一方である。
ここで改めて「フルレンジ・タイプ」のメリットを述べておくと、先ず低域と中域のクロスオーバー付近に生じる「音の濁り」が存在しないこと、第二に口径の大きなユニットはそのコーン紙の重さによって音声信号への追従性が悪くなって音が鈍くなるが、その点小さな口径の場合はシャープな音が期待できること。
低音域の処理についてはこれまで散々悩んでいろんな対策を講じてきたが、いまだに解決できていないので我が家では最大の課題となっている。
と、ここまで書いてきてふと思い出したことがある。
タンノイ(イギリス)の創設者の「ガイ・R・ファウンテン」氏が一番小さなスピーカーシステムの「イートン」を愛用していたという話。
オーデイオ評論家「瀬川冬樹」氏(故人)がタンノイの生き字引といわれた「T・B・リビングストン」氏に「わがタンノイを語る」と題して行ったインタビューの中に出てくる逸話。
ちなみにタンノイにはG・R・Fという高級システムがあるが、それはガイ・R・ファウンテン氏の頭文字をとったものである。
タンノイの創設者ともあろうお方が「最高級システムのオートグラフではなくてイートンを使っているなんて」と、その時はたいへん奇異に感じたものだった。
総じてイギリス人はケチで、いったん使い出した”もの”は徹底的に大切にすると聞いているので「この人はたいへんな節約家だ」と思ったわけだが、ようやく今にして分かるのである。
何も大掛かりなシステムが全てに亘って”いい”というわけではなく「シンプルな響き」が「重厚長大な響き」に勝る場合があるということが・・。
ガイ・R・ファウンテン氏が「イートン」を愛されていた理由を、リビングストン氏は次のように述べられている。
「彼は家ではほんとうに音楽を愛した人で、クラシック、ライトミュージック、ライトオペラが好きだったようです。システムユニットとしてはイートンが二つ、ニッコーのレシーバー、それとティアックのカセットです。(笑)」
(そういえば「ニッコー」とかいうブランドのアンプもあったよね~。懐かしい!)
「てっきり私たちはオートグラフをお使いになっていたと思っていたのですが、そうではなかったのですか・・・・」と瀬川氏。
「これはファウンテン氏の人柄を示す良い例だと思うのですが、彼はステータスシンボル的なものはけっして愛さなかったんですね。その代り、自分が好きだと思ったものはとことん愛したわけで、そのためある時には非常に豪華なヨットを手に入れたり、またある時にはタンノイの最小のスピーカーを使ったりしました。」
「つまり、気に入ったかどうかが問題なのであって、けっして高価なもの、上等そうにみえるものということは問題にしなかったようです。~以下、略」
ファウンテン氏のこうした嗜好はオーディオの世界に”とかく”蔓延している「ステータスへの盲信」の貴重なアンチテーゼとも受け取れるが、30年以上も前からこういうことが指摘されていたなんて今も昔もちっとも状況は変わっていないようだ。
同じタンノイの「ⅢLZ」とか「スターリング」とかの比較的小さなSPをいまだに愛用されている方が後を絶たないのもよく分かる。おそらく自分とは違って背伸びすることなく良識があってバランスがとれた方なのだろう(笑)。
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「音楽&オーディオ」の小部屋 2010年11月06日
福岡県にお住まいのKさんから電話があって、突然ですがお昼頃にお伺いして音を聞かせてもらえないかというお話。
「どうぞ~」とひとつ返事。Kさんはまだ40歳前後の方で真空管アンプの自作派。とてもご熱心で自ら「音キチ」と自認され、各地のオーディオマニアを身軽く訪問されて耳を鍛えておられる。
丁度システムも全面的に改造した直後だし、いい機会だと今回はいろいろ比較しながら一緒に試聴してみた。
その前に現在の我が家の2系統のシステムについて確認。
第1システム
低域用アンプ → ケンウッド「01-A」2台
低域用スピーカー → フォステクスSLE20W~3本
中高域用アンプ → 真空管PX25シングル
中高域用スピーカー → アキシオム80
第2システム
低域用アンプ → ケンウッド「01ーA」
中高域用アンプ → 真空管PX25シングル〔別)
スピーカー → タンノイ・ウェストミンスター
共通
CDトランスポート → ワディア270(クロックリンク)
DAコンバーター → ワディア27ixVer3.0
※ このDAコンバーターの出力を分配器で4つに分けてアンプ側へ供給している。
☆ 最初の試聴
第一システムと第二システムの聴き比べ。たまたま駆動するアンプが同機種になったのでまずはスピーカーの公正な比較といっていいだろう。
「ウェストミンスターのほうがまるでレコードの回転数が遅くなったみたいに聞えます。
音の反応スピードが違います。
単体で聴くと違和感がありませんが、アキシオムを聴いた後ではもうウェストミンスターに戻る気になりませんね。」
「ウ~ン、そうだろうね。やっぱりエッジレスの威力はスゴイいよ。ウェストミンスターは現在、テレビを観るときぐらいしか使ってないんだ。」
(タンノイ・ファンさん、ゴメン~)
夜になってKさんから次のメールが届いた。
「今日は色々考えさせられました。
タンノイとグッドマン(アキシオム80)の音の立ち上がりの差には驚きました。
あの差はタンノイが可哀相ですね。
いゃ~あグッドマンが良すぎるのでしょう、恐ろしいスピーカーです。
私もグッドマンが欲しいです。
ジャズもクラシックもイケてますが、特に弦楽器の音は素晴らしいです。
グッドマンの良さが解らないオーディオマニアは初心者か耳が悪いと断言してよいと思います。
良い経験をさせて戴きありがとうございました。」
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/774dcca9443f075290271542ee59e264
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「音楽&オーディオ」の小部屋
我が「タンノイ」遍歴 2015年06月30日
20代の頃に五味康祐さん(故人、作家)の著作「西方の音」に多大の影響を受けて以降、しばらくはタンノイ一辺倒だった。もちろんクラシックが好きだったこともその一因。
最初に購入したのがあの有名な「ⅢLZ」(オリジナル・イン・キャビ:25センチ口径)で、それで満足しておれば良かったものの、ついつまらぬ「欲」を出してしまい「インパルス」(38センチ口径)、そして「ウェストミンスター」へと手を広げてしまった。
実際に音を聴いて惚れ込んで購入したのなら納得もし長続きもしたのだろうが、多分に空想に耽った夢物語の延長だったものだからいわば「砂上の楼閣」みたいなもので、早晩描いていたイメージが崩れ去るのは時間の問題だった。
何と言ってもあの中低音域のぼんやりとした音に我慢がならなくなった。もちろんそれが“いい”という人も沢山いるので、あくまでも好みの問題に帰するのだが自分なりにもっと量感と分解能が両立して欲しいと切実に願った。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/3599142c61255810420996c4a3fe0724
タンノイさんを敬遠する理由 2015年12月17日 | オーディオ談義
「AXIOM80」愛好家による試聴会も一段と佳境に入って、いよいよタンノイ・ウェストミンスターの箱に入れた「フォリップスのユニット」の試聴に入った。
その結果を述べる前に、オリジナルのタンノイさんのユニット(HPD385:口径38センチ、同軸2ウェイ)をなぜ外したかという理由を述べておかないと「画竜点睛を欠く」というものだろう(笑)。
ジャズを聴くのならJBL、クラシックを聴くのならタンノイとおおかたの相場は決まっているが、どうして世のタンノイファンの顰蹙をかうような行為を仕出かしたのか。
元はといえば熱心なタンノイファンだった。「ⅢLZ」(オリジナル・イン・キャビ)から始まって「インパルス15」そして「ウェストミンスター」とグレードアップしてきたが、そのタンノイさんの音にいつしか就いていけないようになってしまった。今となってみると、「ⅢLZ」が一番まともな音で鳴っていたような気がする。
「いい音」と「好きな音」は違うので、あくまでも好みの違いという観点からその理由を述べてみよう。また、これは我が家の「ウェストミンスターTW」という型式に限られた話なので念のため。
まず、弦の音色がちょっと硬すぎる。もっと余韻たっぷりに、ふわっと柔らかい響きが出てくれないと困る。我が家のシステムは「弦の音色」が第一優先事項である。次に中低音域がぼんやりしていて音階がはっきりしない。ネットワークに使ってある部品(特にコイル)がイマイチのようでそのせいかもしれない。総じて全体的な「雰囲気」で聴かせようとするスピーカーだが、自分のポリシーとは相容れない。
もちろん、この雰囲気の世界が好きという方も沢山いるだろうから、それはそれで良しということになる。
まあ、そういうわけでHPD385の代わりにJBLのD130ユニットや「AXIOM80」(復刻版)など入れ替わり立ち代わり変遷してきたわけだが、どうやら現在のフィリップスのユニット(アルニコ・マグネット)に落ち着いた。
この箱にはやはりフルレンジのユニットが合っているようだ。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8f2471a499d6695863c10fc377090dec
SPユニット「AXIOM300」の到着 2015年12月04日 | オーディオ談義
「ネット・オークション」に英国のヴィンテージ・スピーカーの名門グッドマン社の「AXIOM300」がようやく登場した!
グッドマンはユニットだけで肝心の箱を作らなかったので、日本ではそれほど著名ではないが、本国イギリスではタンノイさんより格上と位置付けられているメーカーである。
稀少なアルニコ・マグネットで口径30センチのダブルコーンのフルレンジ・スピーカー。
オーディオ仲間からも「滅多にオークションに出ることはありませんが、もしAXIOM300が出たら絶対に買いですよ。」と、耳にタコができるほど散々聞かされてきたほど(笑)。
迷うことなく落札。競争相手もおらず、入札者は自分だけだったので出品価格でゲットできた。
「AXIOM300」の後継機種となる「AXIOM301」を持っているが、これはフェライト・マグネットでコーン紙が厚くててやや重たいのでどうしても音のスピード感がイマイチである。まあ、悪くはないんだが・・・。
現物を見てみると、想像以上に傷みが激しかった。エッジの外周にもところどころ綻びが見える。これでは誰も入札しなかったはずだと納得(笑)。
それにしてもコーン紙が薄くて実に軽い。明らかに音声信号に対する応答性の素性の良さが窺い知れる。そして重たい。アルニコマグネットの重量感はいい音質の保証みたいなものである。
さっそく、修繕に取り掛かって1時間ほどでどうにか完了。まあ、言ってみれば応急措置でいずれはSP修理専門店に出すことになるだろう。
とにかく雑音がするかどうかが最大のポイントなので、裸のユニットのままで真空管アンプに繋いでしばらくテレビの音を聴いてみた。
まったく異常なしだったのでこれなら大丈夫とばかり、ためらうことなくウェストミンスターの箱に入れているフィリップスのユニットとの交換作業に取り掛かった。
いつもの手慣れた作業で2時間ばかりで終了。
胸をワクワクさせながら本格的な試聴に入った。先ず歌謡曲をかけてみた。「ええ音やなあ!」と感心した。
音がこなれているというのが第一印象でこれまで使ってきたフィリップスが「うら若き乙女の音」だとすると、これはお色気たっぷりの熟女の音といえるだろう。しかも上品さも兼ね備えている。さすがにグッドマンで「AXIOM80」と、どこか似たところがある。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5277e68eaee4217d53b8191e6e8fe4ab
☆ グッドマンのユニットとタンノイの箱は相性が悪い
今回の試聴会はウェストミンスターの箱に入れたばかりのグッドマンのユニット「AXIOM300」(口径30センチ:ダブルコーン、アルニコマグネット付き)がハイライトだったが、クラシック音楽向きでとても品が良くていい音なのだが、一緒に聴いていると、ちょっとおとなし過ぎる印象を受けた。
前回のブログで、この音について熟女のお色気といった表現をしたが、もっと「元気はつらつ」さが欲しい気がする。熟女は熟女でもいろんな年代があるのでねえ(笑)。
よく考えてみると、グッドマンのユニットは「ARU」(ユニットの背圧を調整する器具)付きで鳴らすのが前提になっており、非常にクリチカルな鳴らし方が求められるが、それをタンノイさんの箱に入れて鳴らそうなんて考えるのが土台無理だったかもしれない。
そもそもイギリス本国で強力なライバル関係だった両社だが、グッドマンにしてみると自社のユニットをタンノイの箱に入れてうまく鳴らそうなんてつゆほども考えなかったに違いない。
やはりグッドマンのユニットは同社指定のこじんまりとした箱に容れてやるに限るようだ。同社のポリシーそのものがスケール感ではなく、緻密な再生の方を求めているように思える。
こういうことは、はじめに気が付いておけば「無駄な作業をしなくて済んだものを」だが、実際に試行錯誤してみないと思いつかない。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/54c6a03947cba3cf284eacf58d624265
去る7日(月)に半日かけて入れ替えた我が家のSPユニットたち。
これがフィリップスの口径30センチのアルニコ・マグネットタイプだが、これをウェストミンスターの箱に取り付けてみた。
次に、SPユニット「AXIOM300」ユニットをグッドマン指定の箱に取り付けて、両者の完成後の画像がこれ。
今日(11日)が金曜日だから早くも5日目になるが、ようやく「こなれた音」が出てくれて各ユニットが落ち着くところに落ち着いたという感じ。
一番変わったのが「AXIOM300」でウェストミンスターの箱に入れていた時よりももっと奥行き感があって豊かな音が出てきたのにはほんとうに感激。
やはりグッドマンとタンノイさんは水と油だ。
http://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/8adf3b2733f6d6f8c62d297df6b62ffa
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「音楽&オーディオ」の小部屋
物言わぬは腹ふくるるわざなり 2021年09月02日
実を言えばブログを公開している以上多くの読者から好感を持ってもらうに越したことはないのだが、つい口が滑ることがある。
たとえばスピーカー「タンノイ」(イギリス)について。
あの「五味康祐」さんが愛用され、巧みな音楽評論と相俟って感化されたタンノイの愛好者はとても多い。まあ、クラシックファンに限ってのことだが。
実は自分もその例に漏れない。
20歳代の頃の「ⅢLZ」(口径25センチ)を嚆矢(こうし)として、「インパルス15」、「ウェストミンスター」と手を広げてきたが、残念なことにそのうちどうも自分が求めているサウンドとは違うことがわかってきた。
そこで、思い切って同じイギリス勢のグッドマンやワーフェデールに手を広げたわけだが、現時点では「やはり正解だった」と、ほぼ納得。ただし、どうせ自己満足に過ぎないのだが。
となると、タンノイに対して溜まっていた不満がつい反面教師のように噴き出てきてしまう。
具体的には口径38セントのユニットの音声信号への反応が鈍いのが嫌いだし中高音域の艶と潤いにも乏しい。
もちろん、「それがタンノイのいいところだ」と反論される方がいても少しも不思議ではない。なにしろ感性の相違なんだから。
よく知りもしないで欠点をあげつらうのは良くないが、実際に使ったうえでのコメントだから許されるはずだと内心思っている。
そうすると、面白い現象に気が付いた。
タンノイを否定するようなことを書いた都度、このブログのアクセスが目に見えて減るのである(笑)。
このブログの読者は日ごとの凹凸はあるにしても平均でいけば1日「900人」前後がせいぜいだが確実に50人程度は減りますね~。
「坊主憎けりゃ袈裟まで憎し」、こんなブログなんか読みたくもないというわけ。
そういえば、その昔「加銅鉄平」(北大電気科卒)さんというオーディオ評論家がおられた。いろんな著作を通じて勉強させてもらったがその中にこういう一節があったことを憶えている。
「オーディオ愛好家のお宅に訪問してシステムの悪口を言うのは、あなたの子供はバカですねと言うのと同じだ」
ことほどさように、日頃から愛情を注いでいるシステムに対して悪口を言われるのはご本人にとって神経を逆撫でされるようなものだろう。
たしかに自分だってシステムを悪し様に言われると気分的に落ち込むだろうが、立ち直るのも早くて「人それぞれでしょう。万人にとって正解のない世界なんですから」と、きっと開き直ることだろう。
ここで一つ気になるのが、タンノイ愛好家がグッドマンやワーフェデールなどを幅広く聴き込んだうえで使われているのかどうか・・。
ただ「巧みな言い回し」や「ブランド信仰」に踊らされた挙句に使っているだけだとしたらこれは悲劇ですね。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84ac87a9f6581ad98126dc338b457f44
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2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2018年04月19日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/0c186ce30301a4edc1cab900c1fb40ab
去る15日(日)、「2018九州ハイエンド・オーディオ・フェア」(会場:福岡市、「マックス・オーデイオ」主催)に行ってきた。
タンノイさんの「カンタベリー」(356万円)だが、これも感心できなかった。やたらに高音域がうるさく何だか金属的な響きがするし、低音域の沈み込みも明らかに足りない。
昔のタンノイは良くも悪くも「いぶし銀のような音」に特徴があったのだが、まさに隔世の感がある。
クラシック再生に限らずジャズの再生も併せて狙ったような音だったがどうも周波数レンジを広げ過ぎて音の密度を薄くしたような印象で、このスピーカーもただでくれるといっても要らない。
モニターオーディオ(イギリス)の「PLー300Ⅱ」(160万円)だが、これが一番気に入った。日本のイギリス大使館に収めてあるそうだが、とてもバランスが良く品のいい音で感心した。
低音域の沈み込み、独特のツィーターによる高音域の自然な佇まいなど非の打ちどころがなく、これは欲しいなあ、一瞬、我が家のウェストミンスターを叩き売ろうかと思ったほど(笑)。
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オークション情報~タンノイ・コーネッタ~ - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年06月08日
オークションの画像を観ただけで「これは欲しいなあ!」と、思わずつぶやいてしまった。
解説にはこうある。
今回のTANNOY cornetta コーネッタは、1976年のステレオサウンド誌の企画によって、タンノイ・オートグラフを模して誕生しました。
又、2008年12月にステレオサウンド誌のタンノイ特集号にて、コーネッタ製作記事などの復刻版が出ました。
今回のコーネッタのサイズは、横幅830mm×奥行き540mm×高さ1,050mmです、オートグラフの高さは1,500mm以上あり、横幅が1,080、奥行き730mmですので、小型化設計・企画され、国内でキャビネット作成されましたのが、ステレオサウンド版のタンノイ Cornettaです。
タンノイの10インチ 希少なラージ・フレームのモニターゴールドを搭載しております。
型番は、IIILZ,ユニット:MONITOR GOLD LSU/HF/III.LZ/8/Uです。
タンノイの同軸スピーカーは、BLACK → SILVER → RED →GOLD → HPDとモデルチェンジして行きますが、RED、 GOLD期の10インチ・ユニットの名称が III-LZです。
過去に、TANNOY III-LZとして、オリジナルや国産キャビネットでのシステムを、数回紹介させて頂いておりますがスピーカーシステムの名称では無く、正式にはユニットの名称です。
タンノイ MONITOR GOLD III LZ 搭載のコーネッタをLUXMAN SQ38FDと繋ぎ、レコード、CDで試聴致しました...
音像定位の素晴らしさは、さすがにTANNOYです....
楽器の細やかな表情、繊細な響きと綺麗な余韻、多楽器でのスケール感と広がり....
低域の力感と豊かな量感があり、クラシック楽曲だけでなく、JAZZやポップス等々....様々な楽曲を堪能できました。
♪音楽に浸り癒される....優雅で素晴らしいシステムです♪
元々、タンノイでコーネッタ名のモデルはありますが、アメリカ市場用のシステムで、四角型キャビネットのバックロードホーンで、デザイン・音質共にまったく違うシステムです。
今回のコーネッタは、ステレオサウンド誌の企画でオートグラフを模して誕生した、オールド・タンノイの風格と気品のある銘システムです。」
とまあ、以上のとおり。
所詮は叶わぬ夢だと分かっている。現在4つのスピーカーがあってそれほど広くもない部屋に”たむろ”しているのでこれ以上増やすのは無理だと分かっていてもそれでも欲しい~(笑)。
タンノイは我がオーディオの歴史においても無視できない存在となっている。もちろん「五味康祐」さんから多大の影響を受けているのだが、「ⅢLZ・イン・オリジナルキャビネット」→「インパルス15」→「ウェストミンスター」という系譜を辿ってから、同じ英国のワーフェデール・グッドマンへと展開していった。
その中で現在一番後悔しているのが「ⅢLZ」を手放してしまったことで、当時は無知だったなあとつくづく思う。今振り返ってみるとタンノイの中で一番バランスのいいユニットだった。
逆の言い方をすればタンノイの「15インチ」(口径38センチ)は自分には合わなかった。インパルス15は友人にそっくり進呈したし、ウェストミンスターのユニットはワーフェデールのユニットに入れ替えている。
なぜ合わなかったのかはあえて言わない。いちいち欠点を羅列すると愛用者を不愉快にするだけだから(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/84f3f8c63940901db0d50f05d579347f
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2022/08/21 (Sun) 08:59:08
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16 : でしべる 2015/02/24(火) 12:03:07
HPD-385とHPD-385Aの相違点ご存知の方いらっしゃいませんでしょうか。
19 : 薬漬け 2015/02/24(火) 18:02:23
>>16
本体には差はなく(両機種ともマグネットはAlcomax5の筈です)、主にネットワークの改良によるものと思われます。
両者のメルクマールは、
オリジナルの385ではスピーカーターミナルがモニターゴールド後期型のようにネットワークと一体となっているのに対し(色以外は見た目そっくりです)、
385Aではスピーカーターミナルがネットワークから独立しています。
このユニットはどうもいい印象がないのですが、ユニットに責任があるのか、それとも試聴時に着いていたエンクロージャー(もちろんタンノイ純正のレクタンギュラーヨークとかですが)が悪かったのかは定かではありません。
(モニターゴールドもこのいわゆるオイル仕上げのチーク材による後期オリジナル箱ではいい印象がありません…。)
おそらくはポテンシャルのあるユニットだとは思うのですが。
20 : でしべる 2015/02/24(火) 20:17:25
HPD-385Aは付属の専用ネットワーク改良版でスピーカーユニットの違いは無いのでしょうね^^
付属の専用ネットワークを含んだ型番と考えると納得できます。
HPD-385いい印象が無いけど、悪い印象も無いでしょうかね。
なんてったって泣く子も黙る?クルトミューラーコーン紙ですから~
世界のタンノイ、腐ってもタイノイ^^;
21 : 薬漬け 2015/02/25(水) 09:35:48
>>20
もちろん悪い印象は無いですよ。
非常にオーソドックスな鳴り方をするユニットだという認識は持っています。
ただ、先先代のモニターレッドのシャープさ、先代のモニターゴールドの煌びやかさに比して、少々地味なところが損をしているのかも知れませんね。
それと、エンクロージャーのシリーズがハーマン傘下での“簡易型”に代わったところも、このユニットの運の悪いところだったのかも知れません。
23 : RW-2 sage 2015/02/25(水) 15:44:29
>世界のタンノイ、腐ってもタイノイ^^;
TR時代の大パワーにマッチするような設計になってますね。補強リブを入れたり。
クルトミューラーのコーン紙は薄いですからね。
ビクターも表や裏にコブコブを付けてましたでしょ。
コーン紙が補強されますとエッジやボイスコイルもロングトラベル型が使えるわけです。
代償として能率が下がったのは仕方ありません。
24 : 薬漬け 2015/02/25(水) 18:14:07
>>23
能率は悩ましいですねえ。
モニターブラックが92dB、シルバーも同様の92dBのようで、
レッドになった時に94dBに上がりますが、ゴールドになって92dBに戻るようですね。
(出力はブラック20W、シルバー25W、レッド50Wですが、ゴールドは50Wで同じです。)
で、HPDですが、資料により 91dBか 92dBか混乱がありますが(出力は85W)、これはどうも HPD385aから新JIS法に依ったため測定ベースが変わったのが原因のようです。
それを踏まえて、HPD385 は 92dB で HPD385a が 91dB となりましょうか。
これで行くと、レッドは真空管全盛期を反映して高能率とは言えそうですが、それ以外はそう大きくは変わらないような気がしますが…。
(もちろん対数ですから1dBでも大きいといえば大きいですが…。)
25 : RW-2 sage 2015/02/25(水) 18:40:11
あらら、能率は低かったのですね~。聴感上シルバーはもう少し高いと思ってました。
26 : VOH 2015/02/26(木) 23:43:23
HPDですが初期のネットワークがスピーカーターミナルと一緒のタイプはツイーターのボイスコイルが白っぽい絹巻き線と言われている物が使われています。
HPDのAタイプになるとその後一般的に使われている赤いボイスコイルの物になるようです。
ゴールド以前のタンノイは絹巻き線が使われています。
タンノイのユニットは個人の感想としましてマグネットカバーの色と同じような
音質傾向を感じます。
シルバー・・・元祖いぶし銀。
レッド・・・スパイシーなピリッとした味がある。
ゴールド・・・うるおいがあり個人的にはゴールデンバランス。
HPD・・・ベージュやグレーっぽいカバーもありますが正にそのような落ち着いた音色で逆に色々な要素含んでいるともいえます。
ゴールド以前は中域から上の反応が良く楽しい音で HPDは逆に中低域の音色が出やすいので音の陰影は勝る傾向にあると思います。
アメリカのハイエンドアンプのメーカーでも HPDをモニタースピーカーとして使っているメーカーもありますのでトランジスタの色々なアンプで使いごなしの楽しみがあるのは案外HPDかもしれません。
以上はまったく個人的な感想ですので人により感じどころは違うと思います。
27 : でしべる 2015/02/27(金) 08:34:48
ツィーターの仕様が違うのですね、耐入力向上の為でしょうか。
マグネットカバーの色と音質傾向が似ているのは面白いです。
HPD-385Aは、落ち着いた味のある音なのですね^
155 : ディラン 2015/05/25(月) 21:09:10
昨日の視聴のスピーカーはケンジントンだったのですが無垢のウオルナッットの美しいキャビネットでした。
ユニットの周りにバスレフポートが上下に数本開いていて珍しく思いました。
音は本当に変わってしまって居ました。オートグラフミニを進化させた様な。
家のモニターレッドが逆立ちしてもあの音は出ません逆もまた。
カタログを頂いたのですがウエストミンスターなんか惚れ惚れしますね~。
158 : 薬漬け 2015/05/26(火) 00:54:17
>>155
あの音は新・アルコマックスになってから共通するトーンのように思えます…。
古臭い言い方ながら、正調HiFi 調といいますか。
少し高域がぎらついた質感に感じます。
凄く綺麗なんだけど、ある意味音に“翳り”が乏しい…。
眩しすぎるというか。
往年のアルニコ(チコナル)の質感ともまた違いますね。
上にも書いたように旧・モニターシリーズ、なかんずくレッドとゴールドには独特の艶がありますが、一方で翳りがある。
どこか眩しいけれども眩しすぎはしない。そこはやはり「燻し銀」です。
ウエストミンスターを挟んでかなりの差があります。
かなり昔、ウエストミンスター・ロイヤルが出たとき、試聴に行きました。そして出てきた音に凄い違和感を覚えたことを覚えています。
(オートグラフ初体験の時は「違うな」とは思っても違和感迄は感じませんでした。)
いま、試聴に行ったらどんな感慨が待っているのか…。今は怖じ気づいて行く気になれません。
146 : 薬漬け 2015/05/24(日) 22:09:40
モニターレッドは渋いとは言うものの、何がしか音は輝かしい側面を持っているように思えます。
この辺が、ある意味ウエストミンスターと違うところ…。
ウエストミンスターはどこまでも渋いですから。
今のタンノイ、特にアルコマックスに戻った機種(最近のは聴いていませんが)も記憶ではやはり輝かしさに特徴を持っているように思えますので、ウエストミンスターはその意味では新旧にはさまれた希少種かも知れません。
特にブラームスを聴く時…。
誰かが
「オートグラフはベートーヴェン、ウエストミンスターはブラームス」
と喩えた趣意が分かります。オートグラフではやや眩しすぎるところがある。
今日は、アバド=BPO のブラームス交響曲第二番。
オートグラフに定番、U-BROS1と11、SPU-G オールド。
このディスクに関してはウエストミンスターに分があるかな、と思いながら聴いていました。
147 : 薬漬け 2015/05/24(日) 22:42:59
最近オートグラフに関してちょっと調べたいことがあり、直接タンノイ社に問い合わせてみました。
タンノイ社の回答は何時も結構早く、今回もそうでしたが、少しがっかりでした。
「オートグラフは如何せん年月の経ちすぎた機種なので、当社にも極めて限られたデータしか残っていない。構造体に細部の変遷はないはずだ。」
「オートグラフに使用されたサランネットも特殊なものと思うが?」
「サランネットはそれ自体は音に有害な影響を与えるものではない。それが多孔性のものである限り、貴方はオリジナルに拘るアドバンテージは無い」。
確かに時が経ちすぎたのでしょうか。(それとも邪魔くさかった?!(汗))
かつて金属の混編ネット(オートグラフ)や、パンチングメタル(RHR)など、凝りに凝ったサランネットを考案してきたタンノイの回答としては、寂しいものでした。
それにサイトが少し変わったのでしょうか、前はデュアル・コンセントリックの「先祖」のコーナーが TANNOY Professional の処にあったのですが、どうも見つけられない…。
時代は変わる、でしょうか。
148 : 前期 2015/05/25(月) 10:02:48
>>147
そうですね、会社が存続しているだけでも立派なことでタンノイも含めて各社経営系列も変わっているようですし。
ビンテージ機器の価値がますます高くなるかもしれません。
162 : ジークフリート 2015/05/28(木) 20:21:08
昔、無人島へ一組だけ持って行けるならハークネスだ!と言ったのは、喫茶「ジャズオーディオ」をやっていた頃の岩崎千明ですが・・・
163 : 薬漬け 2015/05/28(木) 22:50:50
ハークネスは「無人島」人気?があるんですね。確かベ○シーの店主氏も同じようなことを書いておられたような記憶が。
167 : ジークフリート 2015/05/30(土) 12:57:13
〉163
ベイなんとかて喫茶店のオヤジは、「ジャズオーディオ」に入り浸っていたくらいで、岩崎千明の弟子みたいなもんですからねぇ。
しかし、かく言う岩崎千明自身、ハークネスの175ドライバーに飽き足らず、LE85に替えたりとかして・・・無人島で一生ハークネスだけだと、さぞかし退屈したんだろうナ?と。
往年のタンノイでは、別格のオートグラフを除くと、GRF が代表機種だと言う説もあり、名前からして「確かに!」てな感じもするワケですが、タンノイ党の薬漬け先輩が、そんなGRFを所有していないのが、ドーモ不思議です。
(レクタンギュラーGRFの方がシブいかも)
169 : 薬漬け 2015/05/30(土) 14:52:48
>>167
やはり「系譜」は「系譜」なんですねえ。ジャズは特にそうなのでしょうかね。
ところで GRFですが、意外に“縁が無い”機種なんですよ。
オリジナル個体はあまり見かけないし(ちなみに私はあまり喫茶店に行く性癖がありません)、自分でもあまり関心が向かない。ウエストミンスターとオートグラフを比べていた状態からは仕方なかったとも言えますかね。
ただ唯一、大先輩がシブイと仰ったレクタンギュラー GRFは、近所のお店でよく遭遇します。
(何を隠そう今も委託品があります(笑)。けっこう持っていた方はいたようで。)
一度聴かせていただいたものはレッドのオレンジキャップでしたが、渋いというよりちょっと濃密に過ぎた…
箱(アメリカタンノイ)の個体の癖か、はたまたアンプの個性だったのか、
ものすごくメロウな音に戸惑ったことはありました。
第二号機にはちょいとシャープ目の感じを…と思っていた耳にはミスマッチだったですね。
いずれにせよ、コーナー型正調GRFとなると今のオートグラフを押しのけないと無理な訳で、どうせそうするくらいなら…(略)
170 : ジークフリート 2015/05/31(日) 23:32:15
〉169
アメリカタンノイの?
GRFと言ってもネットの取り付けも違うし、箱の材質も違うみたいですねぇ。
(なぜか下駄箱並みな作りのジェンセンを連想)
171 : 薬漬け 2015/06/01(月) 00:40:47
>>170
アメリカタンノイの箱は余り鳴かないようですね。
ただし製作は英国でなされたようで、それを米国の代理店が売っていた代物のようです。程なくして無くなったようですが。
ジャズには好ましいとのコメントを見たことがあります。
(近所のお店のくだんの GRF も、ジャズやヴォーカルで本領を発揮するような感じはありました。)
それにしても、やはりフロントホーンのない正調 GRFと、ダブルホーンのオートグラフ。
同じバックロードホーンタイプとはいえ、かなり鳴り方の性格はちがうのかな、と。
172 : RW-2 sage 2015/06/01(月) 11:26:01
>バックロードホーンタイプとはいえ、かなり鳴り方の性格はちがうのかな
そこを考えるならオートグラフ/GRF VS ウエストミンスターじゃないでしょか。
片やコーナー型。ミンスターは一般型。
コーナー型は文字通り部屋コーナーに設置すると壁がホーンロードの延長になってのワイドレンジ方式。
ミンスターは超低域は出ませんが、その上の低域量感型。
時代とともに変遷したわけですね。
197 : 薬漬け 2015/06/15(月) 01:10:53
昨日某所で、モニターシルバー入り米GRFを聴く機会がありました。
ところがどうも精彩がない。
最近私もオートグラフ(モニターレッド)をたまに聴く程度で、あまりシルバーの相手をしていなかったので、こんな音だったか?と一瞬戸惑いましたが、やっぱりどうも違う。
ラインナップはオーソドックスです。
トーレンス124にSPU-Gold-GE、マランツ7+8B。
もう少し高域が出ていてもいいのに、余りに渋すぎる。ハテ。
私はたまたま、コーガンのチャイコフスキーVn協奏曲と、路線を変えてイーグルスの HellFreezes Overを持って行っていて、後者からは例により Hotel Californiaでしたが、前者はまだマシだったものの(同席のオジサンは「演奏に」いたく感動)、Hotel~はやはり精彩を欠いていました。
どうも気になるので本日は休養日と決めていたものを、シェルターを抜け出し実家へ。
ちょっとラインを構築中のため、ReferenceにTitan、EAR834~Mimesis2aと、まあ7に近い切れ味は出せる前段にマランツ9で、気になった Hotel California を。
一応はホッとしました。4333A のような鋭さよりは、ややゴリッとした、艶消しのような渋い艶のかかった、それでいて結構 Hi-Fiな音が音場を満たしました。
確かに箱(当方はコーナーヨーク)は違えど…。
またパワーも 8Bか 9かの差はあるものの、どこからあの音の差(性格的な差に近いと言いますか)が出てきたのか…。
結構、線材やセッティングその他、細かいことの積み重ねがもたらした結果かもしれませんが。
200 : ジークフリート 2015/06/15(月) 11:35:39
>>197
ラインナップはオーソドックス
他所でシックリ来る良い音が聴けるなんてのは、まず無いでしょう。
まともな装置が揃っていても、せいぜい可能性の片鱗が聞ければマシな方だと思いますよ。
(ましてや、シーラカンス揃いの場合は、ホントに生きているかも怪しいとか)
219 : 薬漬け 2015/07/18(土) 20:42:14
ある場所で、オートグラフのオリジナルを聴かせていただきました。
“因縁の”モニターゴールド・ヴァージョン。かつてこれを聴いて熱が冷め、ミンスターに寝返ったときと同じ構成ですが、しげしげ見せてもらうと、前回のものとちょいと違う。
一番の違いは「箱」でした。
いわゆる中期型の、あまり「響かない」箱…叩くとコツコツと、乾いた音がするタイプです。
その音の質感から拙宅のコーナーヨーク、レクタンと同時期のようでした。
鳴りだすと間違いなく前回のオリジナルと印象が異なります。
これを最初から聴いていたらその後の機器は相当違っていたのかも知れません。
結構歌います。ただしゴールドの弱点も分かっているので、そのソフトをかけたら、案の定それは歌ってはくれませんでしたが…。しかし総評はいい感じ。
流石にオリジナル、か。面白いなあと思い、晩に悪友に興味津々だな、と話をしたら彼
「ふーん、お前も面白くねえ奴だなあ。もっと逆らえよ」。
「逆らえとはなんだ?」
「大体、オリジナルの音って何だ?
それぞれの設置環境の違い、組立てからして手作業だから同じ音など一個体としてある筈もなし。お前が一番よく判っているだろ。
オリジナルが鳴っているからオリジナルの音だと思っているお目出度い御仁ならともかく。
お前すでにレクタンとヨークのオリジナルがあるんだろ。だったら今度は、お前のオートグラフからそのオリジナルに“匹敵”ないし“凌駕”する音を出してやってこそ、オーディオ冥利だろ。
俺の周りにもオリジナル至上主義はいる。
お前と違うのは後期オートグラフと中期の区別が出来ていないこと。だから
『中期までがまともな音、後期は材料をケチったせいで響き過ぎ。
筐体がやや小ぶりなGRFが後期版で往々に高評価になるのはオートグラフほど鳴かないから。
むしろ国産のエンクロージャー、S社やU社は構造体は後期に倣っているが、材質は中期のものに準じている。だからさほど鳴かない。
「箱が鳴かないから国産はダメ」といっているお前らは中期を知らないだけ』
と言ってやっている。
オリジナルに興味があるなら探してやってもいいけど、遊びとしては面白くないんじゃない?
どうせやるなら、今のオートグラフからオリジナル真っ青の朗朗とした音楽が鳴った方が、達成感があって面白いだろ。だから、世間並みのことを考えずに逆らえと言ったんだ」。
彼は私より使い方の個性が強いのは分かっているので、この位は言うのは驚きませんが、しかしこれはこれで面白い意見でした。
また、国産の板材が中期を模範としていたのもお恥ずかしい話、気が付きませんでした。(確かに叩いた音の質感は似ています。)
言われるとやはり虫が起きます。「よーし、また報告する」と勇ましく電話は切ったものの…。
まだ片付けの途上とは流石に言えませんでした(略)
220 : 前期 2015/07/18(土) 21:00:26
>>219
なるほど、オートグラフほどの名機ともなると一台一台手作りに近く個体差も大きいかもしれませんね。何やら乗り手に合わせて作るf1マシーンのような感じでしょうか。
こりゃ使い方も半端じゃないですね。
221 : 薬漬け 2015/07/18(土) 22:06:40
>>220
やはり大型システムは唯々諾々とは鳴ってはくれませんね。(苦笑)
ウエストミンスターも、何だかんだで数年かかりました。(家を建て替えたこともありましたが。)
オートグラフの方も、程々に鳴られて「これでよござんしょ」てな顔をされるようなことにならないように、気を付けたいです。(汗)
236 : 薬漬け 2015/08/23(日) 22:46:55
某所で聴いたオートグラフは、モニターゴールドでしたが、それゆえというべきか、非常に音の回り込む、臨場感のある鳴り方を呈しました。
あの「音の洪水」的な低域の奔流は拙宅のモニターレッドではなかなか聴けない音でした。
一方、ある店主が語ったところ、
「オートグラフのユニットをゴールドにすると、ゴージャスでたっぷりと鳴るが、緻密さには欠ける。
レッドにするとシャープで緻密綿密には鳴るが開放的な鳴り方にはならない。
いろいろ試してきたが、遂に例外は無かった」と。
例外を追ってみたくなりました。
ちょっと部屋が体をなしてきたのを機に、今までIIILZ専門だったマイケルソン&オースチン TVA-1を移動。
カウンターポイント SA-5000 にオルトフォン SPU-Referenceでヨッフム=バンベルクsoのジュピター第4楽章。
TVA-1 は高域がやや硬質ですが低域は結構たっぷりしていて、これがモニターレッドの緻密さにやや芳醇な響きを付加してくれるかな、SA-5000も音場型だし…というわけです。
試聴してみたところ、「…」感想はこんな感じ。うーむ、音がイマイチ。
レッドの精彩もあまりないし、ゴールドのゴージャスさも出ているとは言えない。結局のところ、二兎を追うものは…にハマってしまったようです。(苦笑)
TVA-1の相性が良くなかったのか(あまり大型タンノイをKT88で鳴らしたことはありません)、コードのアクが強かったか、それとも他に?サテ。
とまれ、やはり先人のトライアルは貴重でした。
241 : ジークフリート 2015/08/25(火) 20:31:51
>>236
薬漬け先輩が書いておられるレッドとゴールドの違いは、再生帯域の広さの違いが当然のように表れているように思います。
そもそも、想定のアンプも異なるところですが・・・エンクロージャーの方は、どちらのユニット想定とかはなかったのでしょうかね。
237 : 前期 2015/08/24(月) 10:03:00
>>236
確かに同じSPでもアンプによって音は変わりますね。
拙宅にもたまにマニア達が聞きに来ますが 4320(もどき)の音の感想は球派と
石派に二分されるのが面白いところです。
いずれも若いころは楽器を演奏していた実力派で
ポピュラー系は球派、クラ系は石派
で例外がないのが不思議ですが、結局音のどういう部分に注目して聴くかで評価は違ってくるようです。
239 : 薬漬け 2015/08/25(火) 01:01:57
>>237
クラ系が石というのは、なんとなく分りますね。
細かい音まで聞き分ける…オケの団員などでしたらそうなるのでしょうか。
ポップスが球派というのは…。
しかしそういえば、ギター小僧は最近は球アンプ派が多いと聞きます。
(おかげで私たちのアンプ用のヴィンテージ球が枯渇しているのですが…とほほ(略))
240 : 前期 2015/08/25(火) 18:00:43
>>239
>アンプ間で大ゲンカ・・・・・
これってあるんですよね!
石アンプ「どや、ワテのほうが正確な音やろ」
球アンプ「アンタの音は色気がない。皆アタシのほうが魅力的と言うの」
???????
244 : 薬漬け 2015/08/26(水) 08:24:20
>>240
モニターレッドは、音が緻密な分、結構石のアンプも合いますね。
今はもっぱらExclusive M5 で試しています。
(石の場合は、です。相対的には球がやはり多いですが。)
片やモニターゴールド…。
あの音の豊潤な広がりを活かすには、やはり球でしょうか。
それぞれユニットにも言い分があるでしょうから。(笑)
245 : 薬漬け 2015/08/26(水) 08:30:39
ユニットの性格は、まさにお示しの通りで、まあドン・キホーテをやらかしたと言いますか(汗)。
確かに拙宅のオートグラフはレッド前提ですから、苦しかったのは事実でしょう。
片や TVA-1 は IIILZ でベストマッチに鳴るように、そちら向きですし。
敢えて合わせましたが、やはり水と油とは言わないまでも、得手不得手は出たようです。
276 : 薬漬け 2015/09/05(土) 23:20:56
先日、行きつけのお店でモニターシルバー(米GRF)を、WE124で鳴らしました。
球はデフォルト 274Bのところが 5U4G、348Aのところが RCAの 6J7。出力球は 350Bです。
LP12 とマッキン C22 オリジナルを経由。これで聴くと、入力トランス 618C のキャラクターも乗ってなかなか艶っぽいのですが、微妙に音色が古い。
(因みにHi-Inputはトランスは関係ないと諸兄に教えられてきましたが、お店のエンジニアで 124 現物と Western Electric の回路図を持つ方は
「実はハイ入力も入力トランスと繋がっている。1次か2次に入れているかは個体によるが、繋がれているのは確か。当初見たとき何故こんな面倒臭い配線をかけているのか理解ができなかった」
と教えていただきました。しかしこれで、ハイ入力も入力トランスの違いで音の性格が変わることが腑に落ちました。)
そこで 5U4G を 274B 刻印球に。
理屈からいえばより一層古い球ですが、これが不思議に現代的な清明な響きに変化。
「これだと前段も変えると?」
私「まさか 348A?」
店主笑って「 348Aはそう変わらないな。無理にWEで揃える必要はない」。
エンジニア「 6J7G のST管もいいかも」。
で、後日私が探してきたのが Brimarの Foreign Made。
メッシュで精密な造り。欧州製か?
これに換装して、カートリッジをハイエンド系に替えたら、出た音に全員オッタマゲ。
現代型ハイエンドシステムを持っている方いわく
「自分の現代システムと違和感のない音だ」。
鳴っているのはシルバーなのに。
私の耳にも、およそ古色蒼然とは対極の音が出たのにはいささか驚きました。
因みにレッド(コーナーヨーク)に替えてデュトワ=モントリオールの幻想(Digital録音)をかけてみると、これも違和感なし。
RCA の 6J7 を Brimar?の 6J7G に替えてからはホルンの響きも丸くなった感じ。
ヴォーカルでは最初はキツかったドリス・ディの声がキツさが後退して滑らかさがでてきました。
古い機器も、使い方で古色蒼然にも鳴れば現代的にも鳴る。潜在能力の高さかもしれません。
277 : ジークフリート 2015/09/06(日) 08:20:57
〉276 現代的にも鳴る
昔のスピーカーで現代的な鳴り方(情報量(SN比)、再生帯域の広さ、忠実度、空間再現力など)って相当無理があるんですが、現代的鳴り方というよりも、今でも通用する(ある程度の情報量と表現力、昔のスピーカーならではの創意工夫による空間演出(再現ではなく)、しかし歪曲し過ぎないなど)かどうかということでしたら、まだ通用するものも残っていて、その創意工夫の部分などが現代的スピーカーにない味わいも楽しませてくれるものと思いますよ。
当時、性能的に限界があった部分を、この創意工夫でなんとか補おうとした・・・この辺りの巧妙さやセンス、努力が音にもちゃんと反映され、それが今でも魅力的に音楽を楽しませる・・・そんな装置であれば、まぁ今でも使う価値は十分有るんじゃないかナ?と思います。
278 : 薬漬け 2015/09/06(日) 10:14:29
>>277
ちょっと私の表現が舌足らずでしたね。失礼しました。
「現代ハイエンド機を聴いている人」が「聴いていて自分のシステムと違和感が無い」≒「現代的な」
という表現をさせていただきましたが、ただモニターシルバーに、――あのF特でも――リアリティを迫真で表現できる能力があることは、見えたような気がします。
もちろん、本当の現代スピーカーとではF特は言うに及ばず、音場感の現出の仕方その他も作法は違う訳ですが、タヌキさ加減でいえば現代スピーカーより役者が上手といいますか。
実に巧妙に私たちをダマクラかしてくれるような感じですね。
現代スピーカーの、ダマし代が少ないタイプとはその意味でも作法が違います。
その世界では第一級の能力を有していると。
仰せの通りと思います。
ちなみに、今回の再生では Western Electric124 が結構大きな役割を果たしてくれたような。
つい音色の色香に先に幻惑されますが、(ちなみにあのアンプは電話交換用が多かったようですが、あの媚薬的な音の個性は交換手の女性の年齢詐称に役立ったかも。(ええ加減にせいと?ハイ))
まずもって業務用として実に高い能力を有しているな、と感じた次第です。
現代に通ずる能力。
何せシルバーが他のアンプで、こういう鳴りかたをしたのを聴いたことがなかったですから。
ただ知らない人が見ずに「どこからか新製品でたんですか?教えて」と言ったのには…(苦笑)
279 : ジークフリート 2015/09/06(日) 10:27:53
〉278
女性の年齢詐称
薬漬け先輩。女性に限らず、上手いこと詐称してくれれば、ゲンジツよりも魅力的とか。
電話交換手も、どんなお姉さんか、下手に確認して夢破れ・・・てぇのは有りがちだったりしますよねぇ。
280 : 前期 2015/09/06(日) 17:55:55
>>276
またまた凄いアンプを試聴されましたね。
手許にある回路図では OPT 二次側からは負帰還をかけていませんのでトランスそのものが相当に立派なのでしょう。
出力菅のプレートから前段に負帰還をかけているのは恐らく動作の安定性を重視した設計なのではないかと思います。
それにしてもこんな古いアンプが保存されているそのお店というのも超一流ですね。
281 : 薬漬け 2015/09/06(日) 23:32:34
>>280
WE124はかなり以前になりますが、私がタンノイに似合ったパワーアンプをいろいろと見ていた頃、店主が「こんなのもあるよ」と、前期型のレクタンギュラーヨークでマーラーの三番のイントロを聴かせてくれたのが初体験でした。
レクタンのモニターゴールドが、何時にも増して煌びやかに響いた衝撃は新鮮でした。
これが Western Electric の音か、と。
その個体は、ある人が長きにわたり預けてあるものらしく、店の基準機の一つになっています。
今回私が聴いていたのは、別の人の蔵の中から、様々な機器といっしょにガラクタ同然に(!)出てきたもので、最初一目では 124 と判りませんでした。
ウェスタンと判る位で表面の文字もろくに読めない(汗)。
これでもマシな方でそれ以外の名機は「抜けば錆散るイワシの刃」(汗)。
サビだらけ。
「どういう保管していたんだ?!」お店のサービスルームで私も目にして絶句。
「どうするんです?」
「ウェスタンは幸い中はコンディション良好のようだから、まあ磨くよ。124だ」。
それにしてもバチ当りな。
数日後行くと、店主とエンジニアが丹精込めて整備した甲斐あり見られるように。銀シャーシの初期型でした。(だからトランスもKSナンバーでなくウェスタン純正。戦前の製造でしょうか。)
エンジニアに先のハイ入力を聞くと
「メンテされている中には2次に入れているものもあるが、これは配線図通り抵抗を介して1次に入れている」とのこと。
ちょっと目が覚めるのが遅い傾向はありますが、好調になると先述のような音です。
仰る通り、やはり「トランスが只者ではない」のでしょう。
回路が古い分、素材だけで勝負する要素が強いでしょうから。
問題は、元“飼い主”が「とにかく全て処分して!」とのことらしく、他のサビ刀はメンテが大変な様子。
で、くだんのウェスタンは店主「半端な扱いをする客には預けられないしなあ」と、ジッと私の目を…何が仰りたい?!(大汗)
282 : 薬漬け 2015/09/06(日) 23:51:36
>>279
>>上手いこと詐称してくれれば、ゲンジツよりも魅力的
昔のスピーカーには、そういう「やり手」?が多かったりしますね。
タンノイもその一つでしょうけど。大先輩の STCはストレート美人ですかね。
かつてタンノイ技術部長だったリビングストンが語った言葉は、その意味で示唆深いです。
「スピーカーを作る場合の基本的理念というものを考えてみると、感度とか周波数特性とか歪みなどの数字だけを追求していけば、本当の意味でのスピーカーの製造、開発という理念からはほど遠くなってしまうのではないかと思います。
スピーカーとしては、原音を100%忠実に伝えることは無理にしても、いかに最も近い音を伝えるかというのが、その重要な役割だと思います。…
ある人が先月、あるいは先週コンサートへ行った時の音が耳から離れないという時、まさにその音を再現できるようなものでなければいけないと思うのです。…
コンサートホールで聴き、オペラ劇場で聴いた音に近い、リアルな音楽を再現したいというのが、私どもの理想です。
一種のイリュージョン(幻想)というか、まさに真実のように思えるものを音楽の面でいかにより多く与えられるかということが、最も大事なことだと思うのです。…
本当の意味での音楽、音楽の奥深く潜んでいるものを引き出してくる。それがタンノイの追求している一つの理念でもあるのです。」
(ステレオサウンド「TANNOY」旧版76~77頁)
もっとも、女性は声を聴いて実際に逢ってみたら…という状態は(略)
284 : RW-2 sage 2015/09/07(月) 12:20:23
>コンサートホールで聴き、オペラ劇場で聴いた音に近い、リアルな音楽を
>再現したいというのが
スピーカーシステムより部屋の大きさでしょね。空間が一番高価。
拙者の拙い経験と感覚では
10cmシステムで10帖。30cmシステムなら20帖。38cmシステムなら40帖は必要です。
システムの後方、LRの壁方向も大きく空けて、且つ試聴距離を取って、後方の空間も必要です。高さもあったほうが宜し。
試聴距離5m~8m離れて最大120dBの音圧を得るとなると、システムが 90dB程度ですと耐入力も 100~300wクラスが必要。パワーアンプも大がかりに。
まともにオーディオやりたいならやはり専用ルームが欲しい。
実際、
某ライブハウス(満席100席)に置かれてある A7、
某レストランフロア(50帖)に置かれていた2000年製 GRFのスケールは凄かったです。
天井は吹き抜けですし。
家庭じゃ1000万円のコンポを用意してもあの音は無理でしょね。
288 : 薬漬け 2015/09/07(月) 20:14:32
>>284
確かにそれなりのスケール感を求めようとすると、その位のエアボリュームは要りそうですね。
(英国では総じてスピーカーシステムが小さいのは、それもあるのでしょう。)
一方で、そんなに大音量でなく、空間に立体画を描くような再生の場合には、総じてシステムは大型が有利なような気もしますが。
加えて、「響きの文化」の象徴である英国の石造りサロンなら反響で、さほど大きなシステムでなくとも十全に鳴るでしょうが、「直接音の文化」の権化?であるデッドな日本家屋だと、あまりこじんまりに纏めてはパワー感(パワー自体でなく)不足を来すのではないかな、とも考えたりしています。
まあ英国屋敷を知らないので(笑)、厳密な比較は出来ませんが。
289 : ジークフリート 2015/09/07(月) 22:27:42
〉282 ATCはストレート美人ですかね?
当方は、年齢詐称も演出も求めておりませんので、美人は美人に、そうでない方はそれなりにてな感じで伝えてくれればそれでイイんですよ。それがリアルというものでしょう。
我々が聴くのは、そこら辺の交換手のオバちゃんのおしゃべりじゃなくて、日頃から如何に良い音を聴かせるかに人生かけている演奏家が発する音なんですから、ちゃんと録音されてりゃレコードにはそもそも良い音が入っているはずなんですよね。
291 : 薬漬け 2015/09/08(火) 00:38:22
>>289
確かにそれは仰せのとおりです。
レコードがまともなら情報はそこに入っている。
そしてそれが(付帯音は別にして)再生できる全ての音。
ところが、大先輩には釈迦に説法、失礼もいいところながら、再生装置がニュートラルではありえないのも事実。程度問題はありますけれどもね。
アンプビルダーのパラピッチーニが言ったそうですが
「モニターの作者はすべからく『自然な音、原音を目指す』という。
しかしいつの間にか“彼の音”になってしまっている」と。
ある意味、モニターの限界を示した言葉とも言えますが、そこで
「いや、100%は無理でも、99%なら」と思う派と、
「95%でいいが、あと5%は楽しみたいな」と思う派が出てきたりする。
そしてそれぞれ異なるアプローチと手管を駆使して自らにとっての好ましい音を創造する。
要は他人でなく聴く本人にとって「原音」たりえるかどうかが一番重要な処ですから。
この辺に、各人の方法論の差がでて、それがまた妙味があるということなのでしょうか。
293 : 前期 2015/09/08(火) 13:17:20
>>291
>しかしいつの間にか“彼の音”になってしまっている
スガーノ先生もクライン・ウント・フンメルの音を個性的と評しておられますね。
そして個性のないモニターなんて存在しない、その個性を受け入れるかどうかで
評価は違ってくる、と。
名言でしょう。
294 : ジークフリート 2015/09/08(火) 20:49:51
〉291 要は・・本人とって原音たりえるか
もしや薬漬け先輩も、そういう意味での原音狙いなんですか?いや〜驚きです。(コチらこそ失礼!)
当方、冗談システムでは、かくあるべし!てな鳴らし方(これが薬漬け先輩がおっしゃる原音かも)ですが、ATCの方では「こんな音だったの?」てな予想を超える表現に、日々勉強中てな感じです。
295 : 薬漬け 2015/09/08(火) 21:20:07
>>294
うーん、以前にも書いた「原音不可知論」の延長ですよ。
好き嫌いは別にしても、原音は物理的にはありえても、生理的にそれを捉えた段階ですでに原音ではない。その人の聴覚というフィルターがかかっているわけですから。
(もちろん、ある一定以上の水準を超えた上での話です。)
そうなると、何が原音か?を問い続け、99%の小数点以下をひたすら掘り下げるのも一つであれば、「気持ちのいい原音」を求めるもまた一つの道かな、と。
ただ音楽を聴くという意味での原音には、生でも発音体と聴者との間の距離感で性格が変わってくるように、何をもって「原音」とするかは難しいですよね。
私がタンノイに惹かれたのは、「我は原音なり」(そんなハズはないんだが)と自信満々に奏している風情、そして出てくる音が気に入っている(自分がホールで聴いている原音に近い)という理由からでしょうかね。
300 : RW-2 sage 2015/09/10(木) 12:29:20
>何をもって「原音」とするかは難しい
ざっと考えるだけでも10ケースはあるでしょう。
なぜそんなにあるのかと言いますと、それぞれ原音に対する立ち位置が違いますから。
大雑把に別けると次の感じでしょか。
① ホールやライブハウスで聴いた音
② マイクが拾った音
③ カッティングされた音
④ カートリッジ出力の音
①はもうその場で消えていく二度と再現されない音ですし、聴く位置、耳の調子、
精神状態に大きく左右されますので一般性がない音。いわゆる個々の幻音です。
②は個人の思い入れや聴き方、体調に左右されない、耳より確かなマイク出力を原音とする考え方で、これは音楽家やレコーディングエンジニアに多いでしょう。
③なんだかんだ言っても、媒体物質として誰にでも再現できる普遍性、抽象的な
モノを原音と見なすという考え方で、カートリッジメーカーならここでしょう。
④カートリッジ出力を原音と見なさなければ、アンプ設計者やスピーカー開発等は
意味がなくなってやってられないワケですから多くのメーカーはここでしょか。
てなことを30年近くも前から唱えておりましたが、今のデジタル、ハイレゾ時代と
なっては考え直す必要があるやもしれません。面倒くさいので考えませんけど (略)
原音再生の困難さの大きさは①>②>③>④となりますでしょう。①を原音説と
した場合は200%不可能でしょう。
②③④と来るうちに可能性は少しづつ上がっていくのは、原音から耳までの媒体が減ってきてますから想像通りと思います。
タンノイの大型スピーカーは科学的/物理的に見た場合には不正確な音の代表格で
しょうが、①を原音と想像して聴いた場合にそれらしさを発揮。
原音再生は無理でも幻音創生に真骨頂。長けている。
元来オーディオとはそんなものでしたでしょうし、原音よりホンモノらしい音を求めるのです。
生演奏は意外にツマラナかったりします。
301 : 前期 2015/09/10(木) 14:17:30
まあ原音を言い出すとキリがないでしょうね。再生音は原音じゃりませんから。
大方のマニア氏は「それらしく」聞こえればよしとしているのでしょう。
もっと達観すればまさに「幻音」を追い求めることになり松し、そこにこそオーディオの醍醐味ありと割りきっているのが小生でつ。
348 : ジークフリート 2015/09/23(水) 07:43:35
>>343
オートグラフの製造方法や、その後の待遇など考えると、個体差ももちろんあるのでしょうけど、果たしてホントにどんだけ違うのか
(部屋、セッティング、その他のキカイなどによる違いが大きいのではないかな?という疑いがありますよねぇ)・・・
出来ることなら、同じ場所・同じセッティングで比べてみたいもんですねぇ。
(かく言う私めも、ATC買う前にオリンパス買いに行って
「ヤケに音色が明る過ぎる!」とか文句たれたことがありますけど)
349 : 薬漬け 2015/09/23(水) 11:33:56
>>348
オートグラフは、先達諸氏の言葉からどうも言えそうなことは
「モニターゴールド中~後期と、それ以前のとではエンクロージャーの材質が違う」
ということでした。これは自分自身でも経験していて、若い頃(どヒラで見ただけ(汗))に某所で見た個体と、先般音を聴いて、おっと思ったものとでは、エンクロージャーをこづいた音が違うんです。
おそらく上記に対応していたのでしょう。
レッドの頃だと、もっと「鳴かない」そうで、TEAC やユートピアはこちらを手本にしているとも仄聞します。
自宅のユートピアグラフを見ていると、さもありなんと思います。
だからオリジナルでも、ゴールドの箱は絢爛な響きがあるけど曖昧模糊、レッドは定位がビシッと決まるけど芳醇さに欠ける。
これは以前から言われていたようです。
もっとも、先の区分けで「ゴールド前期」については、レッド時代の箱が継承されているようで、両者の中間的性格を併せ持つところがあるようです。(先般聴いたのがこれでした。)
個体差はある業界重鎮から伺った話で、おそらく環境的な要素もさりながら、手作りの品ゆえ職人の作業上のバイアスが大きく影響しているのかな、という気がします。
(一説にユニット毎に細部が違うという説も聞きますが、これは確認していません。)
確かに拙宅の個体と聴き比べはしてみたいものの…どうやって並べる??(大汗)
いずれにせよ、個体そのものが出てくるのをじーっと待つしかないようです。
それまで命があることやら。(苦笑)
350 : ディラン 2015/09/25(金) 10:48:14
>>349
箱の材質が音に影響する、何だか阿漕〔アコギ〕に似ていると思って読ませて頂いています。
スプル-ス、マホガニ-、ブラジリアンローズウッド〔ハカランダ〕等素材で音が変わります。
コンコンと叩いて見たりして響きや欠陥を調べてみます。
弦に依っても違いが出ますのでイロイロ試して気に入ったブランド、ゲージを使います。
似ていますよね。
タンノイオ-トグラフも様々なんですね、
更にアンプ選び、お金では買えないようですね。良い出会いが有るといいですね。
351 : RW-2 sage 2015/09/25(金) 11:21:24
タンノイのような箱で聴かせるタイプは、家屋が鉄筋コンクリートなのか、木造和室なのかで大きく音が変わるでしょうね。
さらにコーナータイプは部屋の両隅にきっちり設置できるかどうかの問題もあってなかなか難しいんじゃないかと思いますね~。
354 : RW-2 sage 2015/09/25(金) 16:27:43
>タンノイオ-トグラフも様々
コイルも手巻き、振動板も手延ばし、箱も手造りとなりますと、同じシステムを
作ったつもりでも、個々で違う音になったんでしょね。
モノラル時代は部屋隅に1台設置ですから、個々に違いがあっても 1台購入なら問題はなかったわけで (略)
355 : ディラン 2015/09/26(土) 08:29:52
>>354
その点、現代スピーカーは違う物は出来ない、均しく造られますからね。
それでも、ユニットの取り付けと言うか締め付け具合等と仰せの方もおられます。
515C を 828 に付ける時は私が付けようとしたら店の人は此処が肝心ですと取り付けて下さいました。(笑)
356 : 薬漬け 2015/09/26(土) 10:33:43
オートグラフに限らず、ヴィンテージタンノイはモニターゴールドのある時期から箱の素材が変わり、かなり音が変わったことは否めないと思います。
(影響が少なかったのは内容積の小さいⅢLZくらいでしょうか。)
とにかく現物を聴くまでは安心ならずで…それより現物が再度出てくるかが問題ですが(涙)
当面は、124が拙宅のどのタンノイに合うか、ということになりそうです。
印象的には、古いゴールドのレクタンで、昔聴いたマーラー3番の冒頭をまた聴いてみたいような。
358 : 弦堂 2015/09/26(土) 18:44:27
明日まで東京インターナショナルオーディオショウのエソテリックブースで昨年発売の Kingdom Royal Carbon Blackがエソテリックブースでデモを行っていた。
TANNOY もやっと JAZZ も聴ける広帯域でバランスの良いスピーカの出現です。
評判が良いので、試聴室はいつも満員です。
359 : 前期 2015/09/26(土) 19:57:11
Kingdom Royal は新発売とも言えないような?
偉く重たいスピーカで純正(?)組み合わせのエソではドライブしきれずこのところ引っ込めてましたね。
エソも新しいアンプを出しましたから漸く上手く鳴らせるようになったんでしょうね。
362 : 薬漬け 2015/09/27(日) 11:55:27
新 Kingdom Royal、聴いてみたいですね。
もちろん現在最新鋭の音作りになっているでしょうが、同時にその他の「現在最新鋭のSP」と一味違うところを持っているのか、その辺をどう表出しているのかは興味があります。
364 : 薬漬け 2015/09/27(日) 15:09:21
Kingdom Royal Carbon Black は、両サイドをカーボンにしたことで何か音質上のメリットがあったんでしょうか。
しかし、30cmデュアルコンセントリックと聞いて私の古~い頭には、エジンバラを思い出していました。
当時の評価の減点法として、
「30cmにしては容積が小さい」と言われてエンクロージャを大きくし、
「どうも低域が寂しい」と言われてスーパーウーファーを付け、
「も少し高域が伸びればな」と言われて、別売だったスーパートゥイーターを付けたら、Kingdom Royal になっていた…
なんて言ったらタンノイ技術陣に袋叩きに(汗)
365 : 前期 2015/09/27(日) 19:14:50
Kingdom Royal はユニットが大杉の印象でつ。
ユニットが多いほど混変調歪がでそうでつしね。
Tannoy もそろそろ手持ちユニットを活用して誤魔化す商売から足を洗い、ついでに同軸型もやめて A5 みたいに立派なユニットで勝負したらイイと思い松がそれじゃ丹野胃じゃなくなる?
HO
366 : くろねき sage 2015/09/27(日) 19:47:57
>「30cmにしては容積が小さい」と言われて…
「大きいことはいいことだ('60年代末)」→ エンクロージャー大型化
「今('70年代中頃)はパワーの時代」→ スーパーウーファー追加
「今('00年代初め)はSACDの(略)」→ スーパートゥイーターST-50発売(その後同等ユニット内蔵)
丹野胃は世につれ、世も丹野胃には…つれない?
367 : RW-2 sage 2015/09/27(日) 23:05:07
>カーボンにしたことで何か音質上のメリットがあったんでしょうか
ウォルナットとローズウッドとメイプルでは音が違います。
また同じ材質であってもオープンボア仕上げとラッカー仕上げでは音質が変わります。
最初は木目調で市販した後に剛性を高めたピアノブラック、カーボンブラック仕上げを出すというのは昨今の風潮なんですね。
タンノイばかりではなくFostexもそうです。海外メーカーにも多い。
ヤマハの新作も剛性ブラックです。
372 : RW-2 sage 2015/09/29(火) 12:03:23
昔のタンノイは合理的なユニットを使いながらも箱や設計におおらかさがあって、ナチュラルな美音を醸し出していたと思うんですよ。ですから音にロマンがあった。
某社と某社が先導(扇動か)してからは何か仰々しいというかコケオドシっぽく也候。
昨今は他社の科学的ハイエンド機に負けじといろいろ手を打ってはいるのですが、
良き時代のタンノイから遠ざかるばかり。
こんな見解は良くないのでしょうけどね。
373 : 薬漬け 2015/10/09(金) 22:28:23
週末は気晴らしにと、どうにか結線した IIILZ を マランツ7とマイケルソン&オースチンTVA-1で。
ソースはズボラにマランツ10B をオン、そしたらたまたま国営放送がマーラーの5番をやっていました。(ルツェルン祝祭のライブだとか。指揮者の名前は失念しました(汗))
しかしマラ5に縁の深いこと…。
如何せん余り鳴らしてやっていないため音に精彩を欠くこと甚だし
7の高域をすこしブーストし、プリ~パワー間をゴッサム2111 にして、やっとこさバランスしました。
演奏自体はクーベリックとレヴァインが混ざったような演奏でしたが、余り個性的では無かったような。
むしろ、その後のアナウンサーの声にふと癒やされてました。これではマズい。
全ての結線が完了したら、当面全ての機器は同時並行、鳴らしっぱなしになりそうです。
375 : くろねき sage 2015/10/09(金) 23:01:06
とある中古の石アンプで、内部の配線を取り替えたらしつこいハムがだいぶ収まった、みたいな話を聞きました。
こーゆーのも絡んでると怖いとゆーか七面倒くさいとゆーか(略)
376 : 薬漬け 2015/10/09(金) 23:53:00
>>375
コード、ケーブルはけっこう奥が深いですよね。
巷では値段の高低ばかりが強調されますが、アクセサリーとして見た場合、いいスパイスというか調整役の役割を果たしてくれますしね。
配線材また然り…。適材適所、様々なノウハウがありますし。
メンドクサイ一方で、これまた楽しみの一つというか。
381 : 薬漬け 2015/10/10(土) 15:52:23
こないだがⅢLZだったので、今日はレクタンギュラーヨーク。
マランツ7~カンノ300Bシングル(型番なし、メーカー表示もない珍品?)。
ソースはプレーヤーが調整過程ゆえズボラのマランツ10B で。
ちょっと無理な置き方をしたので心配していましたが、結構鳴ってくれています。どうやら杞憂。
ただ、ちょっとセンターラインから外れると、やや音場はシフトするようです。
極性は全て合わせてありますし、同条件ではウエストミンスターだと何処で聴いても音場はブレることはないのですが、この辺はやはり役者が違うということなのか、単なるバスレフとバックロードホーンの差なのか、ちょっと判然としません。
512 : 薬漬け 2015/12/12(土) 21:02:58
しかし考えてみると、バックロードホーンとフロントロードホーンのハイブリッド型ゆえ、小さくしたくても出来なかったというのが実情でしょうね。
オートグラフ以外でも、GRF(フロントロードホーンが無い分小ぶりということか?)、Vitavox:CN191、あるいはハーツフィールドでも、どうしてもあれ以上には小さくしようがなかっただろうかと。
ただオートグラフの場合、コーナー型ですから意外と床面積はとらないんですね。(この点はミンスターの方が場所取りです)。
ちなみに、オートグラフなどバックロードホーン型の悲劇は、ステレオ時代になって左右に然るべき「部屋角」をとれなくなったことだとよく言われますが、考えてみるとレクタンギュラー形であっても、左右で対称条件であることは稀なわけで、そこまでinferiorityになるかな、と。
(確かに壁をイメージホーンとして使うという意味からは、レクタン型にない要素を要求されますが、そう神経質でもないように思えます。)
とはいえ、両方とも正面向いたオートグラフはどうもサマにはなりませんが。(汗)
531 : 薬漬け 2015/12/27(日) 00:33:07
Tannoyのユニットも、まだまだ判らないことは多いものです。
ちょっとモニターゴールド(15)の、製造時期による音の推移について調べてみているのですが…。
モニターレッドは、比較的シリアルナンバーによる時期と、これに伴う外形上の差異が伴うのですね。
2万番台の最初期はいわゆるダークグレーのフレームに緋色マグネットカバー、飴色キャップ。
4万番台終盤から外形上はキャップだけが黒になりますが、音は一挙に変化します。
この後、6万番台にはマグネットのカバー色が明るくなり「モニターピンク」とでも言いたい色調に。
フレームもダークグレーから黄褐色に変化しています。
音も黒の最初期ほどのキレはないとか。
ネットワークも当初は薄水色のメタルケース入りだったものが、最終期にはモニターゴールドのそれと変わらない黄色の例のケースに入ったものとなります。
聴いたことはありませんが、ネットワークで音を作っているタンノイのこと、元のレッドとはもはや同一線上で語れないのでしょう。
これに対して、モニターゴールドはどうもこうした差がわからないのですね。
6万台後半と目される生産開始シリアルから、13万台中盤と目される生産終了まで、あまり顕著な変化が判らない。
この両者でどう音が変わるのかも、レッドほどには明確ではないようです。
(せいぜい判るのは、12万台後半あたりから、スピーカーターミナルがネットワークに付くようになるということぐらいのようです。)
何せ音を比較しようにも、箱の個性の強いSP。個体差も大きいとなれば、ユニット裸で聴く以外にはないのですが、これも案外容易ではありません。(外すのがとにかく面倒くさい(汗))
海外サイトの有名どころも、案外この辺の記述は冷淡で、なかなか参考になるものに行き当たりません。
何を見れば判るか、サテ。
534 : 薬漬け 2015/12/27(日) 13:12:40
>>532
考古学なんて大それたものではありませんが(汗)、ちょっとゴールドの新旧モデルで考えなきゃならないことが出てきまして。
ところが、これが案外ワカラナイのですよ。
古いシルバーやレッドは比較的いろいろな方がいろいろと調べたものが結構あるのですが。
歴史が近くなるほどワカラナクなる…なにやら皮肉ですね。(苦笑)
ただ、裏を返すとゴールドは暗黙のうちに「シルバー、レッドの後回し」という扱いなのでしょうか。
外国では意外とゴールドマニアがいたりとか、日本でもゴールドを「現代のステレオ録音に最も親和性のあるユニット」と積極評価する方もいらっしゃいますが、声は大きくないようですね。
私は?
それぞれの味があるから、それぞれの出番があると思っているのですが…。
536 : RW-2 sage 2015/12/27(日) 16:13:26
>それぞれの出番がある
ユニット変遷の理由は2つあって、球アンプから石アンプに移行したため許容入力の拡大と、電気電子楽器の再生におけるワイドレンジ化でしょう。
エッジを含む振動系が強化されるに伴って能率が落ちたの仕方ないので、どのユニットを選ぶのかは聴くジャンル/ソフトと再生する最大音量で決まってくるんでしょね。
537 : ジークフリート 2015/12/30(水) 02:42:18
〉531,534
薬漬けさんの場合、新旧ユニットの違いを、クオリティや性能の差ではなく、味わいの違いという視点で捉えるところが、先輩らしいところですね〜。
538 : 薬漬け 2015/12/30(水) 09:58:25
>>537
性能を犠牲にするというわけではないのですが、それであっても「正確な音より好きな音」のタイプということなのでしょうね。
性能面は他の機器で頑張ってもらうことにして、スピーカーはどうしても個々の癖(モニターですらも、畢竟個性からは逃れられませんから)からは乖離して考えられませんから、それを如何に自分の好きな音に仕上げていくかが問題ですね。
タンノイも、タンノイという大枠は変わらないまでも、ユニット同士、あるいは製造年の差でそれこそ様々なバリエーションがありますから、どれがベストチョイスか
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2022/08/21 (Sun) 09:01:04
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538 : 薬漬け 2015/12/30(水) 09:58:25
>>537
性能を犠牲にするというわけではないのですが、それであっても「正確な音より好きな音」のタイプということなのでしょうね。
性能面は他の機器で頑張ってもらうことにして、スピーカーはどうしても個々の癖(モニターですらも、畢竟個性からは逃れられませんから)からは乖離して考えられませんから、それを如何に自分の好きな音に仕上げていくかが問題ですね。
タンノイも、タンノイという大枠は変わらないまでも、ユニット同士、あるいは製造年の差でそれこそ様々なバリエーションがありますから、どれがベストチョイスかを選び出すのは結構難儀です。(苦笑)
544 : ジークフリート 2015/12/30(水) 23:02:40
〉538
タンノイの新旧ユニットの話しで、まさか「正確な音」とは?
タンノイとは無縁の領域まで、えらく飛躍されましたね。
545 : 薬漬け 2015/12/31(木) 12:26:51
>>544
いやー、タンノイが「正確な音」と無縁とは、ユニットに関する限り思いませんが、これがオートグラフとなると、確かに演出が勝ちすぎますから、大先輩仰せの通りでしょうね。
オートグラフにせよ、レクタンギュラーヨークにせよ、あるいは ⅢLZも、ある意味「原音より美しく感動的に」といった要素がありますね。
「原音を再生するというより、原音を聴いたときの感動を再生する」
とは確かタンノイ技術者の言ですが、私としてはこうした「原音再生」ならぬ「原体験再生」というような聴き方に共鳴してタンノイを使い続けているようです。
シルバー、レッド、ゴールド、それぞれの“筆致”の違いはありますが。
もちろん、こうしたアプローチを是としない方々も多いと思います。あくまで「原音」ありきと。
それはそれで、オーディオの方法論での各人の違いであり、健全なことだと思います。
一方で、スピーカーがそういうキャラだから、中間にあるアンプや入口はどうすべきなのか…?
本当はここだけはニュートラルにしたい気もしますが、所詮オーディオは入口から出口までが体系化された音響機。これらも結局は自らの色に染めてしまうのでしょうね。(笑)
548 : 薬漬け 2016/01/03(日) 00:04:58
新年一曲目はベートーヴェンの第7というのが定番でしたが、今年はマーラーの復活をオートグラフで。(大野和士=ベルギー王立歌劇場o)
続けてスメタナ「売られた花嫁」overture(ケルテス=イスラエルpo)。
この辺はオートグラフなら当たり前なので、久しぶりにピンク・フロイドの狂気を全曲。
最初の心臓拍動から低域のトランジェント良し。
「虚空のスキャット」の女性ヴォーカルが生々しい。
低域がより出る分、ウエストミンスターより迫力が出ます。
それから、ドリカム「決戦は金曜日」でも一度チェック。
この曲、低音の塊のような曲なのでチェックにはうってつけ。ベースの細かな音階が見えるか、キックドラムの迫力が切れ味よく出るか。それでいてヴォーカルが自然か。結果としては結構イケたなという感触です。
JBL4333A とは全く表現作法は違えど、音楽として実に“ノレる”鳴り方でした。
551 : RW-2 sage 2016/01/04(月) 06:05:15
ブリティッシュ・インダストリアル・ヒストリーというページがあります。
http://www.gracesguide.co.uk/Main_Page
検索欄(Search欄)に Tannoy ProductsとかGoodmans Industriesとか入れて
まったりしてくださいまし。貴重な当時の広告が見れますよ~。
552 : 薬漬け 2016/01/05(火) 00:49:17
>>551
このようなサイトがあったのですね。
往年の雰囲気が伝わってきます。ほっこりですね。
また、格子模様のTANNOYのロゴが入った広告は、初めて見ました。エンクロージャーでは既知でしたが。
ただ、Autographでは流石に検索できませんでした。やはり英国でも特別な存在だったのでしょうね。
732 : 薬漬け 2016/03/25(金) 11:38:58
昨今、オートグラフやウエストミンスターを聴くにつけ、タンノイ「オリジナル」の音にもかなりの変遷があるのかな、という思いを改めて強くしております。
この思いは、以前某 SS誌の社員であられた方がブログを書いておられますが(ご存知の方も多いと思いますが)、この中で大意、
タンノイが一時期ハーマンに買収されたことをネガティブに見る人がいるが、私にはそう思えない。むしろそのことでタンノイは復活することができたのではないか、と書いておられたかと記憶します。
つまりタンノイは買収直前(例のコーンアッセンブリー工場火災の前後)には、会社の体力は相当程度弱っていた、だからハーマン時代に財務体質が改善したことで、復活することができたということを仰っておられると解せますが、この一文を読んでより一層 inspire された思いです。
実際このことはそう言われてみると、私自身、体験的に理解できます。
若い時にオートグラフに憧れ、知人のオリジナル(製作年代は後期)を聴かせてもらってアレッと思い、その後オートグラフを選ばずにウエストミンスターに走ったこと。
レクタンギュラーヨークではつと書いてきましたが、前期型と後期型では構造材が明らかに異なり、後期の構造材はある意味音の品格を下げていたと思えること。
それでもタンノイはそういう材しかもう使えなくなってしまっていたのかな、と。
(ちなみにⅢLZの様な小型エンクロージャーになると、この辺の影響は少なくなりますが、比べたことはありませんが初期のモニターレッドが入った箱と比べると、これまた差が歴然とするのではないでしょうか。)
こうしてみると、やはりタンノイ・オリジナルは「オリジナル」との一言で片付けられない複雑な要素を内包しているように思えます。
もし仮に私が、若い頃のオートグラフを「オリジナルだから」という理由で導入し、後に今のバッタグラフを聴いたら「一体オリジナルとは何だったんだ?!」と
慟哭していたかもしれません。
「オリジナルはオリジナルであるがゆえにオリジナルである」
とは単純に言えない側面が、特にタンノイのオールドエンクロージャーには言えるように思えます。
もちろん音の嗜好とは別次元の話ですが、タンノイ=いぶし銀といったイメージは、やはり初期のタイプのエンクロージャーを基準にしているのではないかな、と。
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1423704997/
-
14:777
:
2022/08/21 (Sun) 09:22:05
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136 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/30(土) 22:05
タンノイはレッド>シルバ>ゴルド で良いのですか。
141 名前: おなかすいた 投稿日: 2001/07/01(日) 00:37
ブラック>シルバー>レッド>ゴールド だべ
143 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 00:55
>>141
あたり!
144 名前: K 投稿日: 2001/07/01(日) 00:56
>>141
>ブラック>シルバー>レッド>ゴールドだべ
ををっ、「ブラック」とは、1947年に発表された1号機のことですね?
残念ながら私はまだ聴いたことがありません。
どこかで聴けませんかねぇ。
シルバーなら、京都の老舗旅館のオーナーのを聴いたことがありますが……。
93 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/28(木) 22:16
タンノイのSPはロンドンウエスタンの血が流れているのではないかと、妄想しているのですが、タンノイの出発点はなんなんでしょ。
146 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 02:24
>>93
ロンドン・ウエストレックスつながりならバイタボックスだろう。
97 名前: 通行人K 投稿日: 2001/06/28(木) 22:55
>>93
1944年にオーディオショー(どこのかは失念)に出品されたALTEC 604です。
ちなみにタンノイはこれにヒントを得て1947年に同軸2ウェイを開発して、1953年にニューヨークのオーディオショーに発表しています。
100 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/28(木) 23:35
>>97
おおっ!ありがとうございます。妄想がはずれていたのは残念ですが。
604をヒントにしたら605みたいになっちゃったと言うことですね。
うーん。ロンドンウエスタンつながりならすごいと思ったのに。
106 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/06/29(金) 00:30
タンノイ好きな人は、他の同軸をどう思っているのかな。
109 名前: 通行人K 投稿日: 2001/06/29(金) 00:37
>>106
ちなみに私はアルテックの604-8K、604-Gも持っております。
で、8Kは山本音響工芸のエンクロージャーBX280に入れて聴いておりますが、ジャズがとても素晴らしいのは勿論、クラシック音楽、特にオケもののパワフルなサウンドは気に入っています。
147 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 10:54
ブラックはアルテックを黒くペイントした物かアルテックのOEMと思うけど
タンノイはもともと、SP屋ではなく電気屋なので突然、同軸SPが出来るとは
考えにくい。
同軸SPは、ウエスタンとジェンセンが共同で開発した物です。
148 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/01(日) 12:18
製品化された最初の同軸は ALTEC 在籍中のランシングが作った 604 だって本に掲載されていたよ。
604が入れられた銀箱は、ALTEC に吸収される前のランシング社のもの。
吸収された時に権利が ALTEC に移ったもの。
つまり、604入り銀箱は基本的にランシングの作品。
ちなみに、ALTECの515も、288も、旧A-7箱もランシングの設計。
192 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/03(火) 16:38
>>93
152でKさんが紹介している中に、最初のウーファーは米マグナのウーファーを
使っているとありますね。
最初の同軸は、明らかに Goodmans のOEMです。
フレームやマグネットの形状が Goodmans のAudiom系のウーファーと同じです。
193 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 17:20
>>192
最初の2ウェイ・スピーカーは、文献によると同軸ではなく、ウーファーとツィーター別々だった様です。1933年当初はアメリカマグナボックス社製のウーファーを搭載していて、タンノイオリジナルのウーファーを搭載するようになったのは、1936年からですから、ひょっとすると、その間、グッドマンなどにOEM依頼していた、ということは考えられないでしょうか?
また、自分が見たわけでないので何とも言えないのですが、世界初の同軸はアルテック604ですが、イギリスではひょっとしたらグッドマンの方がタンノイより同軸タイプの開発は早かったかも知れません。ですから、タンノイが1947年までに同軸タイプを自社生産する までの間、OEMだった可能性は、否定できないと思います。
194 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 17:30
>>193
それにしても、グッドマンとタンノイ、スピーカーに関しては、ひょっとしたらグッドマンの方がユニット開発に関しては、先を行っていたのかも知れませんね。
196 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:05
Kさんなら、TANNOYのBlack、Silver、REDの外観は見た事があると思います。(写真か実物か問わず)
Black、Silverの頃はのシンプルなフレームは、Goodmans のものと同じです。Goodmansは英国最大のスピーカーメーカーであり、他社へのOEMも非常に多く、生産台数は圧倒的です。
TANNOY製品も Goodmans にOEMを依頼していたか、部品の供給を受けていたと考えるのが自然です。他の例をあげれば、Goodmans は米国ラファイエットラジオ、Knightラジオ、英国VitavoxなどにOEMをしています。
私は、TANNOY も Goodmans も好きで両方持っていますが、その当時、PA屋であった TANNOY と古くからのHiFi Speaker専業メーカーの Goodmans を比べて、
> ひょっとしたらグッドマン
> の方がユニット開発に関しては、先を行っていたのかも知れませんね
というのは、ちょっと…
197 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:18
タンノイ独自のウーファーとありますが、コーン紙の型って、めちゃくちゃお金がかかるんですよ。
たとえば、JBL の D123 というスピーカーがありますが、これと、Jensen と Westrex(型番は知らないのですが)と、全く同じ形のコーンを使っているものがあります。型の共用かどこかの OEM ですね。
古い Goodmans の業者向けの広告で、
「うちは、どんな形のコーンも、どんな配合の紙でも準備できます。」
というのが、あります。
となると、Tannoy のウーファーというのも、タンノイ仕様の Goodmans の紙なのかもしれません。後に(HPDでしたっけ?) からドイツのクルトミュラーコーンに変わりますね。
198 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 18:38
>コーン紙の型って、めちゃくちゃお金がかかるんですよ。
コーン紙だけでなく、型って、なんでも高価ですからねぇ。
現在は金型の技術は、日本が世界最高だと、日立のICチップ製造責任者が申して
おりましたっけ。
>となると、Tannoyのウーファーというのも、タンノイ仕様の
>Goodmansの紙なのかもしれません。後に(HPDでしたっけ?)
>からドイツのクルトミュラーコーンに変わりますね。
私は英国タンノイ社の営業担当者と直接話したことがありますが、
「あの火災が起こる前までは、すべて自社で生産していた。ユニットの紙の配合は、 秘密だったからね。火災さえなければ、クルトミューラーにお願いすることはなかった。ハーマン・グループの傘下に入ることもなかった」
と言うようなことを言っていました。
営業の方だから、東洋から来た私のような一見さんに真実を話す必要はないという
ことで、嘘をついていたとも思えないのですが……。
もし、形状が似ているとすれば、型造りはグッドマンに依頼し、実際に自分の所で
製造していた、ということは考えられませんか?
アッセンブリ工場の元担当者に訊いてみようと、当時の資料を探してみたのですが、残念ながら見あたりません。私が調べられるのは、ここまでの様です。
199 名前: 192 投稿日: 2001/07/03(火) 18:46
英国の会社は、お互いに部品のやり取りをしていますから、Kさんの仰るような話があったのかもしれませんね。
200 名前: K 投稿日: 2001/07/03(火) 18:55
>>198
>もし、形状が似ているとすれば、型造りはグッドマンに依頼し、実際に自分の所で製造していた、ということは考えられませんか?
と書いた後、
「設計プランの幾つかを社長の所に持っていき、最終設計図は、社長自ら描いた」
と言っていたことを思い出しました。
となると、コーン紙の金型が同じ、ということも考えにくい様な……。
でも、当時のコーン紙の金型がべらぼうに高価だったとしたら、グッドマンのをそ
のまま使い、フレームやボイスコイル等でオリジナリティーを出していた、とも考
えらますね。
ま、グッドマンに金型造りをお願いしていた可能性は、いずれにしてもありますね。
215 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 10:06
ハーマンの傘下に入ってからというもの、いくら経営体質改善のため、とはいっても、クラフマンシップを持っていた老練なエンジニア達もみんなクビを切ってしまったのはどうかと思います。
安くて手のかからない収益性の良い製品を中心に作っていって、ブランドイメー
ジだけで聴かせるのは無理があることを N.J.クロッカーや T.B.リビングソトンな
どの、かつてのタンノイ生え抜きの方達が気付いて、タンノイを復活させてくれ
て本当に良かったと思います。
216 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 11:41
ヒノの親父が、今のタンノイは Goodmans の工場で生産している。
といっていたけど、どうなんだろうね?
TEAC あたりも金をだして、Harmanから株を買い戻したけど、工場に関しては、一度焼けちゃって、難しいだろうしね。
確かに、新生タンノイの工場として、TANNOYマークのついたビルの写真は見たことがあるけど、そんなもの、どうとでもなるしね。
TANNOYって、TANNOY と Modaunt Short と、あと何社かでグループを
作っていましたよね?
217 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 17:58
>>216
>ヒノの親父が、今のタンノイはGoodmansの工場で生産している。
>といっていたけど、どうなんだろうね?
まだそんなことを言っているんですねぇ。(^^;
ヒノ製オートグラフの音が悪いと言うと、必ず口にするのがそのセリフ(^^;;
私が更に、
「レッドを入れても、お宅のオートグラフじゃ、あんまり良い音しないねぇ」
とチャチャを入れたところ、烈火のごとく怒って、
「ティアック製のエンクロージャーしか聴いたことのないヤツに何がわかるか!」
と言われ、二度と敷居をまたげない身となってしまいました(^^;;;
確か、TDシリーズの時だったと思いますが、グッドマンの研究者と共同研究やっていますから、製造も部分的にお願いしちゃっているかも知れません。
タンノイがクルトミューラー社のコーン紙を使うようになってから堕落したと言う人に対して、
「そりゃぁ、あんたの様に1960年代のLPしか聴かん人間には、昔のモニターレッド以外はクズにうつるだろうさ。でも、最新のデジタル録音のCDを昔のオートグラフと今の G.R.F.Memory、どちらで聴くと訊かれたら、俺は新しい Memory にするね。
それを堕落と言うなら、それでも構わない。どちらを選ぶかは俺自身だし、もしユーザーのことを考えないで製品開発していたとしたら、会社はつぶれちゃってい
るか、俺のようなユーザーは見向きもしなくなっているだろうね」
といいうようなことを申しておりました。
私も同感で、タンノイというメーカーが、このデジタルの時代に信念を持って製品作りをしていれば、たとえ組み立て工場がグッドマンでも、セレッションでも、はたまたバイタボックスの共同工場でも、どこでも構わないと思います。
ただ、オートグラフのようなプレステージシリーズの場合は、設計も大切ですし、組み立てる場合は、それなりに熟練した方達が携わっていないと困ります。
だからと言って、タンノイの工場で組み立てたものでないとタンノイでない、なんて言うつもりは毛頭ありません。
出てきた音が、タンノイならではのサウンドを持ち、工作精度もかなり高くて私を満足させるものであったら、それは私にとって、やはり「タンノイ」だと思うのです。
>TEACあたりも金をだして、Harmanから株を買い戻したけど、
>工場に関しては、一度焼けちゃって、難しいだろうしね。
でも、「今度のはKEFにも負けない最新設備だ!」と、自信ありげでしたけど(^^;
>確かに、新生タンノイの工場として、TANNOYマークのついたビルの
>写真は見たことがあるけど、そんなもの、どうとでもなるしね。
叔父が申しておりましたけど、けっこう立派な工場だそうです。
で、「確かにそこで全部のユニットを製造するには、ちょっと足りないかもしれない。
JBLと共同で、東南アジアに低価格帯の製造拠点を持ったという噂もある」と申しておりました(^^;
>TANNOYって、TANNOYとModaunt Shortと、あと何社かでグループを
>作っていましたよね?
セレッションの研究施設は素晴らしいそうで、傘下に収めてから、小型モデルをたくさ ん出すようになりましたよね。それはそれで良いことだと思います。
218 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 18:14
基本的にKさんの考えには同意できるんだけど、僕のIIILZ(英国から取り寄せた本物。日本で売られたIIILZの多くは国産箱らしい)の裏板の響きとか凄いですよ。
良いにせよ悪いにせよ、この響きが IIILZ というシステムの音に大きな影響を与えているわけで、違う材料で箱を作っても、全然違う音になってしまう。
もちろん、その「ちがう」が、より良いである可能性もあるわけだけどね。
あと、オートグラフは、モノラル時代に、モノラルで音の広がりを作る為の設計。あれをステレオで使うというのが、根本的に間違っています。
(そりゃ、アンチタンノイが言うように、音が散漫になるよね。もともと音を広げているんだから)
219 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/06(金) 18:19
それにしても、ヒノの親父
健康なユニットの紙を変なオリジナルに交換してしまうのは、やめてくれないかなぁ…
鹿革エッジもそうだけど、数年後にはリセールバリューすらないゴミになっちゃうよ。
222 名前: K 投稿日: 2001/07/06(金) 22:20
>>218
IIILZですか! いやぁ、懐かしい。
私は友人がIIILZが欲しいと言うことで、かけずり回って、やっと手に入れ、我が家で1週間、エージングとチェックをしたことがあります。あれは、もう、ヴァイ
オリンそのもの、という感じですね。
いかに板を響かせて美しい音色をつくるか、その極意のようながあるように思いました。
>あと、オートグラフは、モノラル時代に、モノラルで音の広がりを作る為の設計。あれをステレオで使うというのが、根本的に間違っています。(そりゃ、アンチタンノイが言うように、音が散漫になるよね。もともと音を広げているんだから)
オリジナルはモノラルが主なシルバーの時代と、ステレオがメインになってくるレッド以降は、私は比較試聴したことがないのですが、板の響かせ方が違っているそうです。
ま、「ユニットが違うんだから、響きが違って当然じゃないの?」と私は答えましたが(^^;
オートグラフは低域のホーンでまるで音に包まれているような感じを出しながら、フロントのホーンのおかげもあって、実はけっこうシャープな音像を結びます。
特に新しいミレニアムなどは、もの凄くシャープに音像を結びます。
G.R.F.Memoryよりも音像は小さいくらいです。
321 名前: 名無しさん@お腹いっぱい。 投稿日: 2001/07/14(土) 01:46
ウエスタンのSPの良さは材質によるところが大きいと聞きますが(例えばヨークの鉄やホーンなど)しかしアルテックには、ほとんど採用されていません。
タンノイも1号機から半世紀が経っていますがやはり、古い物の方がコストが掛かっているのでしょうか?
初期のユニットと今のユニットを比べて材質的、構造的に良くなっているところ悪くなっているところなど、Kさんの思うところが聞いてみたいのですが。
324 名前: K 投稿日: 2001/07/14(土) 08:52
>>321
>やはり、古い物の方がコストが掛かっているのでしょうか?
アルニコマグネットは、高価だとききます。
超初期のブラック・モニターについては、ちょっとどうだったかは存じません。
>初期のユニットと今のユニットを比べて材質的、構造的に良くなっているところ悪くなっているところなど、
モニターレッドと較べて、ユニットを叩いてみた時の変な共鳴は無くなっています。
コーン紙もガシッとしていて厚みがあり、叩いた時にレッドだと少し高めの「コーン」という響きですが、G.R.F.Memory やウェストミンスター・ロイヤルでは、「ドス」と低めで余計な響きが付いてきません。
おそらくは耐入力UPと、特に低域再生の改善を図ったら、こういうふうになったのではないかと思います。
ただ、タンノイの場合、ユニットの「余計な響き」というのも計算に入れて、たとえばオートグラフなどは設計されているように思えるので、特性的には最新機種が良いのかも知れませんが、再生したときのタンノイ独特の味わいとかは、昔の機種の方があるのではないでしょうか?
411 名前: K 投稿日: 2001/07/19(木) 13:44
オートグラフは確かにモノラル時代に開発され、ステレオとして発売した後、ガイ・R・ファウンテン氏自身、
「ステレオの時代に(オートグラフが)生き残れないかと思っていたが、同軸2ウェイのお陰で、他の(その頃の)スピーカーよりも定位が良く、むしろステレオ時代になって世の中に認められた気がする」
というような記事を1960年代半ばのイギリスの雑誌(雑誌名失念)に載せていたそうですから、よくよくそこのところはわかっていたのでしょう。
ちなみにモニター・レッドは当時の最高のモニタースピーカーを目指してモニター・シルバーをベースに開発されたものですが、当初は録音スタジオなどに小型のエンクロージャーに納めて納入されていたそうです。ですから、オートグラフ専用のスピーカーではありませんでした。
しかしその性能を生かして音楽を楽しむスピーカーシステムにするべく、ガイ・R・ファウンテン氏は、オートグラフにこだわったところが、また、素晴らしいと思います。
モニター・ゴールドの時にもコーナータイプを止めようと言う話もあったそうなんですが、オールホーンにこだわり、低域が出ないというホーンシステムの欠点を補う意味でも、コーナータイプの方が良いのだ、と力説したそうです。
ガイ・R・ファウンテン氏にとって、ピンポイントの音場表現よりも、ホーンロードに木を多用して共鳴させ、音像はやや大きくなっても豪快に鳴るスピーカーシステムが「音楽的に良い」と感じたんだと思います。その上、当時の技術では、なかなか20Hz再生が難しかったわけですから、20Hz再生が出来るというだけでも、オートグラフは存在価値があるモデルだったのだと思います。
1981年、タンノイがハーマングループから独立、復活を遂げますが、その際にもどういう商品構成でいくか、だいぶ議論があったそうです。
当時はBBCモニターが躍進してきていて、ロジャース、スペンドール、ハーベースの御三家に加え、KEFなどもコンピューター解析を利用した、位相管理を重視した製品作りが行われていました。
タンノイの営業担当者はそういった時流に乗った製品開発を望んだそうですが、社長をはじめとするメインスタッフは、「タンノイという看板がある限りは、ガイ・R・ファウンテンの遺志を継ぐ製品作りをしていく」との意見だったとのこと。
ただ、オートグラフを作るには、それなりの高度な木工加工技術を有するエンジニアが必要で、ガイ・R・ファウンテン時代からのスタッフとして一人は居たそうですが、商品として作り続けるには熟練工一人だけでは駄目だ、ということで、急造チームでも製造可能な、G.R.F.Memory になったといういきさつがある様です。
これには、3ウェイのスピーカーの商品開発を新たにすると、膨大な開発費用と、最低2年以上の開発期間が必要ということで、「KEFと同じ路線で勝負しては、後塵を拝し続けるばかりだ」という副社長の意見も影響していたのかも知れません。
それにしてもこの頃のタンノイは、何故だかKEFを最大のライバル視していた様です。おそらく1977年発表、翌年発売のModel 105がよほど衝撃的だったんでしょうね。(^^;
ま、いろんな意味で、タンノイのスタッフ達は自分たちのアイデンティティーというものを、しっかり理解していたのだと言えましょう。
415 名前: K 投稿日: 2001/07/19(木) 16:26
タンノイとKEF(BBCモニター)の関係について、面白いことを聞きましたので、書きます。
1950年代より、BBCのD・E・L・ショーターを中心に、1960年のFM放送に向け、モニタースピーカーの開発が行われておりました。
この開発に協力し、製造を担当したのがKEFの社長レイモンド・クック。
LS5/1Aと言う、EL34プッシュプルの専用アンプが付属した、2ウェイ3スピーカーシステムを1960年に完成させています。その後、微細なモデルチェンジをして、完成度を高めて行きます。
1967年にモニターゴールドを搭載、モニタースピーカーを発売したタンノイ社でしたが、モニター・レッドで好評を博したタンノイのモニタースピーカーも、このLS5/1Aには及ばなかったのか、次々と取って代わられたそうです。
英デッカのモニタースピーカーも、1965年頃にはモニター・レッドから、LS5/1Aにとって代わられたそうで、さすがに心中穏やかではなかったでしょうね。
そういうわけで、モニターレッドはけっこうモニタースピーカーとして活躍したのですが、モニターゴールドは、どちらかと言うと、オートグラフなどタンノイのコンシューマー用スピーカーとして活躍したモデルだったそうです。
そうそう、BBCモニター御三家と言う場合は、ロジャース、スペンドールは正しかったのですが、あと一つがハーベースではなく、「チャートウェル」を入れなければならないそうです。
1963年にBBC技研に入社した、ハーウッドの弟子のデイヴィッド・W・ステビングスが1974年にBBCを辞して創設したのが、チャートウェル・エレクトロ・アコースティック・リミッテッド社で、1976年にLS5/8を完成。これはロジャースのOEMで製造されることになり、さらにこれからアンプ部を取り除いたモデルが、PM510として1980年、ロジャースから発売されることになります。
この1980年は実は大変な年で、1966年設立のB&W社が銘機801を発売している年なんですね。
よくよく見ると801は、KEF105にそっくりですね(^^;
私はこの形を見ていると、「親亀の背中に小亀を載せて、さらに(?)その上に孫亀載せて~」って歌(?)を思い出してしまいます。
またこの年は、ショーターの後を受けてBBC技術研究所の主任研究員だったH・D・ハーウッドがBBCを辞してハーベース社を設立、Monitor HLを発売した年でもあります。
1981年にハーマンから独立したタンノイって、本当に大変な時期に新たな出発をしなければならなかったんですね。
ちなみに1971年、最初のBBCモニターの称号を手に入れたのは、上記のKEF社。
更にスペンドール(BC IIが有名)、ロジャースと続きます。
ロジャースは1978年発売の小さなBBCモニターLS3/5Aが有名。
これはBBCのピーター・デンビーにジム・ロジャースが協力、開発したものだそうです。
http://ebi.2ch.net/pav/kako/992/992992601.html
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2022/08/21 (Sun) 09:35:34
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ALTECの同軸ユニットの方がタンノイより遥かに優れている
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTECの604系のスピーカーは気に入っていた
2021年06月20日
ALTECの604系のSPユニットのサウンドは好きな音だった。重低音は出ないけれど「楽音」は十分に出ていた。能率が100db近くあるので1W/chのアンプでもドライブできた。
604系のBOXには、#612,#614、620A系、クレッシェンド等あるが。その中でも620Aの箱が最も良いと感じた。612/614系では低域の量感に不満を持つ。その点620Aは良いバランスだと思った。他に620B系やクレッシェンド箱も有るが、ご縁が無かった。と云うか、620Aがルックスとサウンドが良かったので敢えて求めなかった。
シングルコーンの様な音の出方は素晴らしく、定位の不安が無い。タンノイのユニットと双璧と云われるが、タンノイのユニットのネットワークが気に入らなかった。また、コーン紙をホーンに見立てて拡散させる方式には限界があると感じた。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/fb16b5d89a8fa9393c3a5a38197d159d
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTECの同軸ユニットは素晴らしいと思う 2010年05月09日
30年以上前のALTECの同軸ユニットは見ていても「見事な造形美」があり機能的で惚れ惚れしてしまう。
同軸ユニットで有名なのは「タンノイ」も有名だけど、私は「ALTEC」の方が好きです。
比較的新しい同軸ユニットはフェライト化され、マンタレーホーンになってしまって、「コストダウン」に走られてしまって残念な気分ですが、604-8G以前のユニット、特に「ALTECグリーン」のユニットは大好きです。
605a
このユニットを使って#612Aを完成させようとしています。SP箱内配線とユニットへの「音質対策」を施しますとJBLの#375を使ったシステムと同等くらいの音質になります。すべて配線材は「ルシファー」にしますので「音数」がオリジナルとはケタ違いのサウンドになります。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/23cd12723ee3e22d1be611780edaf43f
Trail仕様 ALTEC#612A
Mr.トレイルのオーディオ回り道
昨夜は定例のオフ会 2010年05月23日
昨夜は30年来のオーディオ仲間の例会を私の事務所で行いました。出来たばかりのTrail仕様ALTEC#612Aのお披露目を致しました。
612a1
仲間の方の印象はすこぶる「好印象」だったようで皆さん興味津々だった様です。以前612Cを使われた方もいらっしゃいますので「ALTECでこんなサウンドも出るのか?」と驚かれていました。また初めてALTECのサウンドも聴かれた方も「ALTECとはこんな音も出せるのか!!」と驚いていらっしゃいました。
612a2
軽く反応する低音とキラ星の様な輝きと艶の有る高音のサウンドが出ますので、他のシステムを聴かせても612Aに戻してくれとの要望で、612Aオンリーのオフ会になりました。チョッと今までにない反応で皆さん#612Aにクギ付けになられた様でした。
小音量から大音量まで楽々とこなしてくれます。クラシックの弦楽合奏も聴いていただきましたがタンノイのサウンドを軽く超えています。音の粒立ちや音数の多さ、艶やかな質感等タンノイでは出せていない弦楽器のしなやかさまで出して来ます。Trail仕様ですので小音量にしてもほとんど「音痩せ」が有りませんので安心して使えます。いつになく「ALTEC談義」まで出て来ました。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/97e2c521b47d8299abc82dd7d9c3e568
Mr.トレイルのオーディオ回り道
ALTEC 612Aでクラシック音楽を聴いて見る 2010年05月15日
#612Aがほぼ完成し、テストCDとして澤野工房のJAZZCDをメインに今まで聴いて来ました。今朝は初めてクラシックの「弦楽合奏」を聴いています。
612a2
ALTECのSPでは「クラシックは聴けない」、「弦楽器のゴーイングが不得手」とか雑誌では書かれていますが「Trail仕様のALTEC」ではその様な事は有りません。瑞々しく艶やかな音色で鳴ってくれます。イタリア合奏団の「コレルリ:弦楽合奏協奏曲」をかけていますが音のヌケやキレが素晴らしい上に艶やかな弦楽器に響きを出しています。
クラシックはタンノイ、弦楽器の再現はタンノイが良いと云われていますが、私はタンノイのSPは避ける様にしています。ALTECの同軸とタンノイの同軸は双璧の様に云われていますが、個人的にタンノイも使って来ましたが「潜在能力を引き出す」と云う点ではALTECに軍配を上げます。タンノイのユニットはコーン紙をホーンの延長に使っていますので「コーン紙の強度」がネックとなって来る点(コーン裏面にリブを取り付けている点)で大音量再生しますと「モタツキ」や不要共振を発生する構造になっている事が私の選択から外れます。またユニットへの接続で4Pソケットを使っている事やネットワーク基板の強度のない事も興味の対象から外れます。タンノイはイニシャル時点でそれなりのグレードで聴かせてくれますが私の望む音質には届かないユニットなのです。
その点アルテックの同軸ユニットは低域と高域が完全に分離していますし、SP端子も別個に有り、高域のダイアフラムにも手を入れる事が出来ます。30年前の販売時点で無かった技術をALTEC同軸のユニットに手を入れますとその「潜在能力の高さ」に驚かされます。
個人的には「最強のフルレンジユニット」だと思っています。とにかくヌケ切ってなっているサウンドにご機嫌で幸せな気分になれます。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/b8170394b2b1cb1f426cc6bac6cb027c
Mr.トレイルのオーディオ回り道
オーディオで一番面白いのは同軸ユニットシステム 2018年08月12日
オーディオをやっていて一番面白いのは「スピーカー選び」。今までに沢山のSPを鳴らしてきたが「同軸38cmユニット」を使ったシステムが今でも欲しいと思う事が有る。
例えばALTEC 604-8Gを使った620AモニターSP。サイズ的に自宅で使うには丁度良い大きさで、能率が高いので1W/chのアンプで楽に鳴らせる。604系や605系は615箱や612箱に入れて鳴らしていた事もある。定位の素晴らしさがまず頭に浮かぶ。1インチスロートのコンプレッションドライバーが38cmコーンの中心部に同軸配置されていて、独特の鳴り方をしてくれる。結構スケールの大きい鳴り方をしてくれる。但し、オリジナルの内部配線では1/10くらいの性能しか出て来ない。内部配線のグレードが上がれば上がるほど性能アップしてくれるユニットだ。
こちらはタンノイHPD-385を使ったレクタンギュラーヨーク。タンノイHPD385は若い頃「アーデン」で使っていた事もある。その時は鳴らし切らずにJBL#4343と入れ替えた事が有る。アーデンよりレクタンの方がよりクラシック音楽に合う様に感じる。このSPを特製のムラードEL34ppモノラル×2台+マッキン:MX-110プリでドライブしていた時の美音も忘れ難い。
同じ同軸38cmユニットであるが、ALTECとタンノイでは性格が違う。ALTECはどちらかと云うとJBLに近い「生音の雰囲気」の音作り、それに対しタンノイは「箱鳴り」をうまく使って「雰囲気豊かに響き」を生かして鳴らすタイプ。このSPでブラームスの交響曲第2番を鳴らしていた時の得も言われぬ響きの良さに聴き惚れていた時期もある。
結局、同時期に現在のオリンパスシステムと自宅のSP-707J+αシステムを持っていたので、前述2種のSPは手放してしまった。私のJBLユニットを使ったSPシステムは「弦楽器」・「女性ヴォーカル」の質感と「ピアノ」・「ドラム」の質感を同時に満足させるサウンドを出して来ます。偏にDECCAリボンツィーターを使っている為。
同軸ユニットのSPは、ユニットの数が少ない事がメリットでもあるが、それがデメリットでもある。一つのユニットでは出て来ない音が有る事を承知して使わないといけない。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/8a4492ce59a748fea5bb38f6371faeef
▲△▽▼
史上最高のモニタースピーカー アルテック 612A(銀箱)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1072.html
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16:777
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2022/08/21 (Sun) 09:35:52
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ALTECの同軸ユニットの方がタンノイより遥かに優れている
40年ぶり復活のアルテック同軸
2017-12-08
https://ameblo.jp/ecc813/entry-12334658525.html
シェリング バッハ ヴァイオリンソナタ アルテックで生々しく
さて、12月 早くも1週間過ぎ
音三昧の毎日
で、先般手に入れ作ったJBLD-123
今回、手持ちで有る 買って40年近く
アルテック同軸型2ウエイスピーカー 605B
共働き当時、買った物である。
オーディオセンターの店長との思い出もあり
思えば、自分の歴史 記念の品でもある。
604のコンシューマー向け605B
持っていながら、使ってこなかった要因は
音に雑味と、中低域の不満があってであった。
量感はありましたが、なじめず。
でも、ある時は夏祭りのカラオケ大会での音出しに
した事もありました。
とどろく太鼓なども・・・ 凄かったのですが(爆)
懐かしいが メインにはならず、小型2ウエイなどに移行
最近はフルレンジの凝ったり 持っていながら(汗)
時間も出来て、ネットワークで実験もやってきて
有るテック?のネットワークを直列型にしたらと
思った次第。
さて、その前に改めて
アルテック・ランシング 伝承の歴史
雑学 アルテック・ランシングの社名
>ついでにアルテック・ランシングの社名はウェスタン・エレクトリック社の
製造・サービス部門であった<オール・テクニカル・サービス・カンパニ
(ALL TECHNICAL SERVICE COMPANY[ALTEC])>から来た名前ですが、
アルテック・ランシングの中でも会社に古くからいる方はアルテックと
言わずにオールテックと発音しています。
アルテックとJBLの関係
1946年10月1日、アルテック社を退社したランシングは新たに会社を設立する。
「ランシング・サウンド・インコーポレーテッド」。
同軸のくり抜きタイプはJBLには無いユニット
マルチセルラーホーンも同じく無い様に思います。
同軸スピーカーでは
イギリス、タンノイのモニターゴールドなど有名だが
ここで歴史的 時系列を見てみると
アルテック 【604 デュプレックス・スピーカ】は1944年に完成しました。
潜水艦のソナー用のスピーカーユニットとして開発されてきましたが、
第二次世界大戦には間に合いませんでした。
アルテック・ランシングのサウンドシステムがもつ特長の一つとして、
全ての製品が同じサウンドポリシーを持っていることがあげられます。
ですからアルテック・ランシングのスピーカシステムは<メインスピーカ>
として使った大きなシステムでも<サラウンドスピーカ>として使った
小さなシステムでも同じサウンドがするということです。
【タンノイの同軸2ウェイ・スピーカー】
>最初にこのデュアル・コンセントリックが発表されたのは1948年で、
このときは永久磁石ではなく励磁型(電磁石)で、1950~51年に
DeccaとEMIからスタジオ・モニターとして受注して、本格的に
生産を開始したようです。励磁型は1952年にはアルニコの永久磁石
を使うタイプに改良されています
アルテック同軸 1944
タンノイの同軸 1948
ちなみにJBL創立 1946
タンノイがアルテックを真似た物か?
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古のアルテックに40年ぶり復活である
上の箱に入れていない 別の箱のを取り出してきた
夏場の高温でピッチが流れて、涙状態(T T)
音出ししましたが まったく異常無しでした。(汗)
純正ネットワーク N-1600-D
内部には鉄心タイプのコイルと フイルムタイプのコンデンサー
半固定抵抗やセメント抵抗を見て、これではですねぇ
雑味の原因など思ってしまった。
今時点で、自分の手持ちで 純正に近い1600Hzふきんで最適なものを模索
低域のコイルをメインとして考え
5.6mHと2.7mHのパラ接続 1.822mHを基準として考えた。
これを計算式に逆に当てはめると、クロス周波数 1398Hzとななる
標準1600Hzからすると200Hzほど低くなる。 自己責任
ヴァイオリンなど生々しく
オーケストラの雰囲気、ピッコロなど
コンデンサーの容量の選定の基準にしている。
只今、片チャンネルで、音合わせ中
ヴァイオリンソロで らしく
現時点
パーマロイ 1:1 2分割 トランスで-6dB レベル落ち
16Ωでは256Ωにもなるのでカップリング容量は少なくても低域は伸びる
純正ネットワークとは違って
豊かさや分解能
まさにシアター用の様で音が飛んできます!
自分的に最高であります!
灯台下暗し(暮らし)でした。
https://ameblo.jp/ecc813/entry-12334658525.html
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17:777
:
2022/08/21 (Sun) 09:36:47
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ALTECの同軸ユニットの方がタンノイより遥かに優れている
Date: 2月 16th, 2010
同軸型ユニットの選択(その17)
http://audiosharing.com/blog/?p=1160
Uni-Qをもってして、同軸型ユニットは完成した、とはいわないが、
Uni-Qからみると、ホーン型トゥイーターのアルテックやタンノイの同軸型は、あきらかに旧型といえるだろう。
ただ、オーディオマニア的、といおうか、モノマニア的には、
アルテックやタンノイのほうに、魅力を強く感じる面があることは否定できない。
Uni-Qの優秀性は素直に認めても、個人的に応援したくなるのは、アルテックだったり、タンノイだったりする。
空想してもしかたのないことではあるが、もしJBLがUni-Qを開発していたら、
モノとしての魅力は、マニア心をくすぐるモノとして仕上っていただろう。
Uni-Qは、あたりまえのことだけど、あくまでもイギリス的に仕上りすぎている。
もっといえば、いかにもKEFらしく仕上がっている。
そこが魅力でもあるのは重々承知した上で、やはりもの足りなさも感じる。
すこし話はそれるが、アルテックとタンノイの同軸型ユニットを比較するときに、磁気回路の話がある。
タンノイはウーファーとトゥイーターでひとつのマグネットを兼用している、
アルテックはそれぞれ独立している、と。
たしかに604や605などのアルテックの同軸型ユニットにおいて、
ウーファーとトゥイーターのマグネットは独立している。
が、磁気回路が完全に独立しているかという、そうではない。
604の構造図をみればすぐにわかることだが、ウーファー磁気回路のバックプレートと、
トゥイーターのバックプレートは兼用していることに気がつくはずだ。
http://audiosharing.com/blog/?p=1160
同軸型ユニットの選択(その18)
http://audiosharing.com/blog/?p=1161
アルテック、タンノイといった古典的な同軸型ユニットで、
ウーファー部の磁気回路とホーン型トゥイーター(もしくはスコーカー)の磁気回路が完全に独立しているのは、
長島先生が愛用されてきたジェンセンのG610シリーズがそうである。
完全独立、ときくと、マニアとしてはうれしいことではあるが、
ふたつ以上のマグネットが近距離にあれば干渉しあう。
干渉を防ぐには、距離を離すことが手っとり早い解決法だが、同軸型ユニットではそうもいかない。
ならばひとつのマグネットでウーファー用とトゥイーター用を兼ねよう、という発想が、
タンノイのデュアルコンセントリックの開発に当たっては、あったのかもしれない。
もっともマグネットは直流磁界で、ボイスコイルが発する交流磁界の変化によって、
磁束密度が影響を受ける、それに2次高調波歪がおこることは、
いくつかのスピーカーメーカーの解析によってはっきりとした事実であるから、
一つのマグネット(ひとつの直流磁界)に、二つの交流磁界が干渉するタンノイのデュアルコンセントリックでは、
音楽信号再生時に、どういう状態になっているのかは、専門家の話をうかがいたいと思っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1161
同軸型ユニットの選択(その19)
http://audiosharing.com/blog/?p=1163
振動板の駆動源といえるマグネットが兼用されているため、
節倹の精神によってタンノイはつくられている、ともいえるし、
口の悪いひとならば、ケチくさいつくり、とか、しみったれたつくり、というかもしれない。
けれどオートグラフという、あれだけ意を尽くし贅を尽くしたスピーカーシステムをつくりあげたタンノイが、
その音源となるユニットに、節倹の精神だけで、ウーファーのコーン紙のカーブを、
トゥイーターのホーンの延長として利用したり、マグネットをひとつにしたとは、私は思っていない。
ボイスコイルがひとつだけの純粋のフルレンジユニットでは、ワイドレンジ再生は不可能。
かといって安易に2ウェイにしてしまうと、タンノイが追い求めていた、
家庭での音楽鑑賞にもっとも大切と思われるものが希薄になってしまう。
そのデメリットをおさえるために、できるかぎりの知恵を出し、
コーン型のウーファーとホーン型のトゥイーターを融合させてようとした結果が、
タンノイ独自のデュアルコンセントリックといっていいだろう。
これは、外観からも伺えないだろうか。
アルテックの604の外観が、同軸型2ウェイであることを顕示しているのに対し、
タンノイのデュアルコンセントリックは、何も知らずにみれば、大口径のフルレンジに見えないこともない。
http://audiosharing.com/blog/?p=1163
同軸型ユニットの選択(その20)
http://audiosharing.com/blog/?p=1165
タンノイの同軸型ユニットは、必ずしもマグネットがひとつだけ、とは限らない。
1977年ごろ登場したバッキンガム、ウィンザー、このふたつのシステムに搭載されているユニット2508は、
フェライトマグネットを、高音域、低音域用とにわかれている。
バッキンガムも、ウィンザーも、ウーファーユニットを追加したモデルだ。
このときのタンノイの主力スピーカーシステムは、アーデン、バークレイなどの、いわゆるABCシリーズで、
使用ユニットはアルニコマグネットのHPDシリーズ。いうまでもなくマグネットはひとつだけ。
さらに同時期登場したメイフェアー、チェスター、ドーセット、アスコットには、2528DUALが使われている。
このユニットもフェライトマグネットだが、低音、高音で兼用している。
HPDシリーズはのちにフェライトマグネット使用のKシリーズに換っていくが、
Kシリーズも、マグネットひとつだけ、である。
2508のマグネットがふたつあるのはフェライトマグネットだからではないことが、このことからわかるだろう。
1996年、キングダムが登場する。
このキングダムに搭載されている同軸型ユニットも、またマグネットを2組持っている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1165
同軸型ユニットの選択(その21)
http://audiosharing.com/blog/?p=1166
キングダムのユニット構成は、同軸型ユニットを中心として、低域にサブウーファーを、
高域にスーパートゥイーターを追加した4ウェイである。
ここまで書けば、察しのいい方ならば気がつかれるだろうが、
タンノイのスピーカーづくりのありかたとして、同軸型ユニットだけでシステムを構築する場合には、
従来からのウーファーとトゥイーターのマグネットを兼用させたものが、
そしてレンジ拡大のためにウーファーやトゥイーターが追加されるときには、
マグネットが独立したタイプが使われる。
このことから推測されるのは、重視する要素が、システム構成によって違いがあるということだ。
それぞれの同軸型ユニットが重視している要素は、調和か明晰か、ではなかろうか。
このことは、エンクロージュアの構造、つくりの違いにも顕れている。
http://audiosharing.com/blog/?p=1166
同軸型ユニットの選択(その22)
タンノイの創始者、ガイ・R・ファウンテンと、
チーフエンジニアのロナルド・H・ラッカムのふたりが音楽再生においてめざしたものは、調和だった気がする。
それも有機的な調和なのではなかろうか。
http://audiosharing.com/blog/?p=1374
同軸型ユニットの選択(その23)
http://audiosharing.com/blog/?p=1582
この項の(その18)でふれているが、同軸型ユニットにおいて、
ウーファー用とトゥイーター用のマグネットが独立していた方がいいのか、
それともひとつで兼ねた方がいいのか、どちらが技術的には優れているのか、もうひとつはっきりしない。
タンノイのリビングストンは、ステレオサウンド別冊「世界のオーディオ」のタンノイ号で、
アルテックの604との比較、それにマグネットを兼用していることについて語っている(聞き手は瀬川先生)。
*
これ(604のこと)に比べてタンノイのデュアル・コンセントリックは全く違います。まず、ホーンでの不連続性はみられません。第二にコーンの前に障害物が全くないということです。第三に、マグネティックシャントが二つの磁束の間にあるということです。結局、タンノイは一つのマグネットで二つのユニットをドライブしているわけですが、アルテックは二つのマグネットで二つのドライバーユニットを操作しているわけで、この差が大きなものになっています。
*
第三の理由として語られていることについては、正直、もうすこし解説がほしい。
これだけではなんともいえないけれど、
少なくともタンノイとしては、リビングストンとしては、
マグネットを兼用していることをメリットとして考えていることは確実なことだ。
そのタンノイが、同軸型ユニットなのに、
ウーファーとトゥイーターのマグネットを独立させたものも作っている。
そのヒントとなるリビングストンの発言がある。
*
スピーカーの基本設計の面で大事なことは、使われているエレメントが、それぞれ独立した思想で作られていたのでは、けっしていいスピーカーを作り上げることはできないと思うのです。サスペンションもコーンもマグネットも、すべて一体となって、それぞれがかかわり合って一つのシステムを作り上げるところに、スピーカーの本来の姿があるわけです。例えば、ボイスコイルを研究しているエンジニアが、それだけを取り上げてやっていると、トータルな相関関係が崩れてしまう。ボイスコイルだけの特性を高めても、コーンがそれに十分対応しなかったり、磁束密度の大きいマグネットにしても、それに対応するサスペンションがなかったりするわけで、そこでスピーカーの一体感というものが損なわれてしまう。やはりスピーカーを作る場合には各エレメントがそれぞれお互いに影響し合い、作用し合って一つのものを作り上げているんだ、ということを十分考えに入れながら作る必要があると思います。
*
「一体」「一体感」「相関関係」──、
これらの言葉が、いうまでもなく重要である。
http://audiosharing.com/blog/?p=1582
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18:777
:
2022/08/21 (Sun) 11:09:54
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio
今迄沢山のタンノイシステムを聴いてきましたがモニターブラックこそ本来のタンノイサウンドと痛切に感じた、三上先生がおっしゃるにはタンノイはブラックとシルバーがタンノイの音であると云っていましたが私も同感です。シルバーは他で聴くことがありましたがブラックになるとまず聴くことも見ることもできない超が付くレアなユニットになる。
最近のタンノイのサウンドはこのモニターブラックと比較するとドンシャリ傾向の音になっているのが多い、タンノイのブラック、シルバーのユニットは低域も高域も欲張らず中域から音作りをしているのではないだろうか、特にあの中域の厚みのある心地よい響きと特徴のある音色は最近のタンノイでは聴いたことがない特筆すべき音であった、タンノイブラックを試聴すると現代のタンノイは低域も高域も伸ばしたため中域の薄い(中抜け)不自然な音に感じるがこの音が好みだと云われれば返す言葉も無いが一度でもよいからブラックやシルバーを聴いてみれば私の云っていることが理解できると思う、
又このモニターブラックも私が愛用しているロンドンウェスタン直系の音と非常に似通った音色が印象に残った、ボックスは多分オリジナルボックスのランカスターを流用されたと思うがユニットとボックスが大変マッチしているからこそ本来のタンノイの響きが出ているのではないだろうか、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第28回オーディオのパラレルワールド
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028
今回はオーディオのパラレルワールドになります。テレビで大人気であったドラマ「仁」の中で南方医師が江戸にタイムスリップして現代に戻って来た時にパラレルワールドと云うセリフが出てきました、パラレルワールドとは今の世界と平行したもう一つの世界をパラレルワールドと云います。
オーディオで云うならば皆さんが使っているアルテック、タンノイ、JBLや現代の代表的なスピーカーは一般的な(A)の世界の音ですが(B)の世界はこのようなスピーカーとは隔絶したもう一つの世界の音である。
私が聴いた限り上手く鳴らされていたウェスタンエレクトリックのカールホーンを使ったホーンシステム、オイロダインやロンドンウェスタン及び直系の音こそ現代のサウンドとは異なる次元の違う(B)の世界と云えよう、では私が体験したもう一つのパラレルワールドの音の世界をご紹介します。今回は三上先生の御好意により先生のホームページから写真をお借りして掲載しました、
ウェスタン13B 隣りにあるのはウェスタンの25Aホーンシステム
ウェスタン15Bシステムと25Aホーンシステム
正面に設置してあるのが有名なシーメンスオイロダインシステム、このサウンドもWEやロンドンウェスタンとは少し系統が違うが見事なサウンドを聴かせて頂いた、
三上先生宅のウェスタン15Bサウンド
今迄沢山のウェスタンシステムを拝聴させて頂きましたがすべてウェスタンだから良い音とは云えない酷い音も沢山ありますが三上先生宅で聴くウェスタンのシステムは石川県小松市にお住まいの中さんと双璧のお見事としか云いようの無いパラレルワールドの音がしている。勿論スピーカーだけでこのようなサウンドが出るのではない、15Bを鳴らすアンプはWE-300BPPウェスタンの86Bのオリジナルと昇圧トランスは618Bがこの音作りに寄与しているのは云うまでも無い、
私は人様のシステムの音を褒めるタイプではないが三上先生宅で聴かせて頂いたチェロの響きと音色は実態感を伴った電気臭くなく木の香りが漂う素晴らしいの一言に尽きる、このサウンドをじっくり聴くと低域がどうだとか高域がどうだとか講釈を垂れる音ではない、また大型のホーンシステムなのに音像は大きくならずホーン臭さも無い、最近のテカテカした派手な喧しいサウンドとは違いこれぞ大人のサウンドと云える。多分低域用のユニットがエルタスの4181を使用しているからこそこのようなバランスの取れたサウンドになるのではないか、
ウェスタンを上手く鳴らすにはやはり4181を使わないとその良さが出てこないのではないだろうか、このウェスタンを試聴すると現代のサウンドは電気臭い音が蔓延していて何となく人工サウンドに聞こえてくる。
三上先生宅へは沢山のオーディオ評論家が訪れたり雑誌の取材で紹介されたりもしているがこの音作りこそ三上先生のご自身の「自分の音」と思うがただ高価な機器を接続しただけではこのような音にはならない、暗中模索で大変苦労をされたのではないだろうか、
正面に鎮座しているWE-15Bホーンで聴くチェロは現代のサウンドとは全く異なるこれこそパラレルワールドのサウンドであった、
ウェスタン25Aホーン+4181スピーカー
二つ目のウェスタンは25Aホーンシステムで低域用は4181になります。先程の15Bとは多少音が異なるのがわかる。音は勿論ウェスタンサウンドであるが音の抜けを比較すると好みとしては15Bのが好きかも、このホーンシステムは福井県の万月氏や石川県小松市の中さん宅でいつも聴いていますからそれ程ビックリしないがパラレルワールドのAの世界の音しか知らないマニアが聴けばおそらく言葉が出なく度肝を抜かれびっくりするだろう、25Aホーンを聴くと大変浸透力のある心地よいサウンドだ、
特に素晴らしかったのは女性ボーカルの歌声が目の前で歌っているような錯覚に捉われた、この25Aの音は小松の中さんと良い音での双璧であるがこのシステムも低域用の4181が寄与している、
贅沢な注文であるが私の好みからすると後ほど聴かせて頂いたロンドンウェスタンが好みに合うのとこのようなシステムは一般家庭では置けないのが残念だがこの25Aのサウンドもパラレルワールドの音である。
タンノイブラック
今迄沢山のタンノイシステムを聴いてきましたがこのモニターブラックこそ本来のタンノイサウンドと痛切に感じた、三上先生がおっしゃるにはタンノイはブラックとシルバーがタンノイの音であると云っていましたが私も同感です。シルバーは他で聴くことがありましたがブラックになるとまず聴くことも見ることもできない超が付くレアなユニットになる。
最近のタンノイのサウンドはこのモニターブラックと比較するとドンシャリ傾向の音になっているのが多い、タンノイのブラック、シルバーのユニットは低域も高域も欲張らず中域から音作りをしているのではないだろうか、特にあの中域の厚みのある心地よい響きと特徴のある音色は最近のタンノイでは聴いたことがない特筆すべき音であった、タンノイブラックを試聴すると現代のタンノイは低域も高域も伸ばしたため中域の薄い(中抜け)不自然な音に感じるがこの音が好みだと云われれば返す言葉も無いが一度でもよいからブラックやシルバーを聴いてみれば私の云っていることが理解できると思う、
又このモニターブラックも私が愛用しているロンドンウェスタン直系の音と非常に似通った音色が印象に残った、ボックスは多分オリジナルボックスのランカスターを流用されたと思うがユニットとボックスが大変マッチしているからこそ本来のタンノイの響きが出ているのではないだろうか、
手前に見えるのがタンノイのモニターブラックで後方のシステムは珍しい
テレフンケンの085aモニタースピーカーでこのシステムは私も始めて見るシステムで音質、音色はカチッと締まった大変心地よいサウンドであった、
タンノイブラックのボックス内部の写真でユニット自体も大変状態の良いもので強力なアルニコマグネットを採用した初代ディアルコンセットリックスピーカーになる。タンノイファンなら一度は聴く価値はある。
家庭用のシステムに収めたロンドンウェスタン2080A、2090Aの2Wayシステムでこの音を聴くと米国ウェスタンとはベクトルが若干異なるが貴賓と渋さがプラスされた品位の高い音である。音質は一言で云うならば巷でよく耳にする枯れたサウンドとはこの音である。
ロンドンウェスタンの2080A、2090Aボックス内部の写真でスピーカーは強力なアルニコマグネットが使われている。ボックス内部と可愛いワンちゃんのツーショット写真
ロンドンウェスタン2080A、2090A
最後に拝聴させて頂いたのは幻のスピーカーシステムでロンドンウェスタンだ、私が持参したいつもリファレンスで聴いているビバルディのヴァイオリンソナタのレコードが果たして私のシステムの音とどう違うのか本家の音とはどのような音なのだろうか、不安と期待が入り混じっていたのは間違いない、
自分のシステムと比較した場合まったく異質な音であれば私のユニットはニセモノになってしまうか上手く鳴らせない力量不足になってしまう、
早速聴かせて頂くと先程聴いたウェスタンの音とは多少音色も異なるのとスケール感も違う、目を瞑ってビバルディのヴァイオリンソナタをじっくりと聴くと音質、音色が同じイメージに重なり自分の家で聴いているような錯覚を覚えた、このロンドンウェスタンの音は言葉では云えない一種独特のサウンドで現代の一般的なHiFiサウンドとは異なりこれこそパラレルワールドの音だ、
ヴァイオリンの響きは電気臭くない木の香りすら漂ってくるのがわかる。オーディオを追求していくと最後はこの音に魅了されるのは私だけではないはず、 このロンドンウェスタンのサウンドを聴くと現代のHiFiサウンドは申し訳ないが長く聴いていると時間の経過と共につまらなくなり飽きが来てしまうがロンドンウェスタン系はオーディオマニア、音楽マニアを引き付ける魅力たっぷりのスピーカーと云えよう、ただこのような音を出すには相当レベルの高いアンプと高度なテクニックと肥えた耳を持っていないと上手く鳴らないのではないか、
三上先生に想う
今回はオーディオのパラレルワールドをご紹介しましたが現代のシステムは駄目とは云わないが(B)の世界の音を聴くとオーディオ観も音楽観も変わるような気がする。私もヴィンテージ愛好家ですから先生とは大変意気投合出来たのではと思う、
三上先生はもうお亡くなりになりました伊藤喜多男先生や池田圭先生と長年交流があったと云われています。またステレオサウンド誌、管球王国などに先生のシステムが紹介されオーディオ評論家も先生宅へ訪問されている。
三上先生は私より三つ年が上ですが大変(懐の深い)方で私はこの方こそオーディオの師匠、先生、教授と云える「器」を兼ね添えている方だと思う、
よくネットなどを拝見すると達人とか師匠、教授、先生と呼び名がついているコラム、ブログを時々見ますがこの方たちは本当に音がわかってそのような呼び名でやり取りしているのだろうか疑問に思うこともある。オーディオに関してはレベルの高い方が沢山いますからそのような方が読まれたら馬鹿にされるか笑い者になるだけですからその辺を弁えないと恥ずかしい思いをするのではないだろうか、
また真空管アンプ等は自由自在に設計製作が出来てオーディオのすべてを知り尽くしてその呼び名が付いているのなら納得する。
私は小さな「器」しか持ち合わせていないマニアです。先生、師匠、達人、教授と云われている方達がどれ程の「器」なのか見せて頂きたいものである。
あとがき
三上先生宅で特に良かったのは可愛い3匹のワンちゃんが私になつき傍で音楽を聴きながら居眠りをしていたのが音よりも印象に残りました、ワンちゃんも良い音はわかるんですね、
今回はオーディオのパラレルワールドを題材にしましたが皆さんも是非このパラレルワールドのサウンドを体験されると面白い、
ヴィンテージショップなどでウェスタンやその他ヴィンテージスピーカーを鳴らして店主は能書きばかりでまともに良い音で鳴っていないのが多いのとすべてヴィンテージスピーカーだからパラレルワールドのサウンドと思ったら大間違いである。やはりマニア宅で上手く鳴らされているのを聴くのがベスト、「百聞は一聴にしかず!」
確かにオーディオは進歩しているが最終的に判断するのは聴く人の感性と鳴らし方ではなかろうか、またパラレルワールドのサウンドは装置を忘れてじっくりと音楽が聴ける。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-028
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グッドマン3Way、コアキシャルタイプのバイタボックス、ステントリアン等はタンノイと違って使っている人は極少数で知らない人が多いと思う、こんな超レアーが付くスピーカーを聴かれた方は少ないから情報がまずない、しかもオリジナルの音などあって無いようなものだ、
タンノイなら周りを見れば持っている人は沢山いる、クラシックファンが10人いれば8人まではタンノイと言われている、ヴィンテージショップに行けば何時でもタンノイなら試聴できるから購入しても失敗がなく誰が鳴らしてもタンノイトーンになり安心感はある、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-010
オーディオの再出発はスピーカーありき
オーディオを再出発するにあたって一番悩ますのはスピーカーです。スピーカーの選定でその人の聴くソースのオーディオ人生は決まるような気がする。1970年代に使用していたスピーカーはエレクトロボイスのユニットを使っていましたが再度同じスピーカーはほしいと言う気が湧きません。(もうコリゴリ)
既製の出来合いのスピーカーシステムの場合、改造が出来ませんから遊び心があまりなく面白みに欠ける部分がありますが失敗をしないのであれば選択の余地はありますが自分の求める音と違えば即売りになってくる。以前から私はフロアー型のスピーカーが自分好みでありました。デザイン的にはタンノイのコーナータイプが部屋の調度品になる素晴らしいデザインですがタンノイのスピーカーシステムはだけは価格が高く私としては手が届きません。特にあのオートグラフはほしいのだがリビングには置いてもらえない、置いたら私は家を追い出される、
クラッシックファンはタンノイで決まりは今の時代も同じですが、あのタンノイサウンドは下手に鳴らすと高域が多少ソリッド的でヒステリックになり低域がボーボーした傾向がある、俗に言うドンシャリ(上手く鳴らせば素晴らしい音ですが)中々良いタンノイサウンドには巡り合わないが私が聴いた中でお見事と言えるタンノイサウンドは皆さんご存知のSUNVALLEY AUDIOさんの試聴室のタンノイだけである、
皆さんが使用しているタンノイサウンドがブリテッシュサウンドの代表と思われているが私は違うと思う、他にも沢山のスピーカーの名器は有りますが英国のヴィンテージスピーカーでタンノイ以外は不思議と巷ではあまり見かけない、ヴィンテージの専門店の話によると「イギリス政府が本国のヴィンテージ品は外に出すな」とおふれがあったとかないとか事実だとすれば非常に残念でもある。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第3回 懐かしきオーディオ仲間、コンコルド訪問記
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003
当時の懐かしきオーディオ仲間
1971年~1974年の4年間が私のオーディオに対しての集大生でもありました。この時代はステレオブームであり、真空管アンプの絶頂期でもあった、当時は神戸にありましたサンセイエンタープライズから欧州の真空管が紹介され珍しいのも手伝って自作マニアは欧州の真空管を使用したアンプを必死になって製作したのを覚えています。
当時のオーディオ雑誌で無線と実験、ラジオ技術には必ず欧州の真空管を使用したアンプの製作記事が紹介されており人気を得ていた、欧州の真空管と言えば、KT-88,KT-66,DA-30,PX-25A,PX-4等は非常に興味を抱く出力管であったと記憶しています。
自作マニア同士での情報交換もありお互い珍しい球が手に入ると自慢話に華が咲いた、本当に素朴な時代でもありました、オーディオショップやパーツショップに顔を出せば、お互い初対面でも同じ仲間意識で意気投合してオーディオ談義になります。
ここで知り合った懐かしき当時のオーディオ仲間達は、もう故人になられた方もお見えと思いますが、年齢や職業など関係なくオーディオの情熱を語ったのであります。
I藤氏のオートグラフ
I藤氏は愛知県の北部にお住まいの紡績会社を営む方で年齢は40代後半の非常に人当たりの良い中年紳士といったところです。当時の私は22歳で自分より年上の方でしたが、オーディオに関しては年齢に関係なく対等にお話したのを覚えています。
最初にお会いしたとき、I藤氏が私にどんなシステムで音楽を聴いておられるのかと話かけて来ました、私は「プレーヤーはOO社を使用して、アンプは真空管の自作でスピーカーはエレクトロボイスで聴いている」と言いましたらI藤氏は「エレクトロボイスは一度も聴いたことがない」と興味があったのを覚えています。
I藤氏は「私は現在真空管アンプのDA-30とプリアンプはオンライフのU-22でタンノイのオートグラフで鳴らしておられ、もし宜しかったら聴きにきてください。」とご招待して下さいました。
タンノイのオートグラフはオーディオショップなどによく置いてあり私としては珍しいとは思わなかった、お誘いを受けた以上聴きに行かないと失礼にもあたると思い、軽はずみに「今度の日曜日に行きます」と言ってしまった。
I藤氏のオートグラフ
I藤氏のリスニングルームは会社の事務所が音楽を聴く場所で広さは約30畳もあろうかと思うぐらい広い場所にタンノイのオートグラフが鎮座してあった、リスニングポイントはスピーカーから約5mの場所での試聴がベストポジションであった。
聴くソースは主にクラッシックがメインで、当時はビバルディーのレコードがリファレンスになっていた、I藤氏も最初の音出しはイム・ジッチの演奏でビバルディーの合奏協奏曲である。
タンノイのオートグラフは部屋の大きさから見れば小さく感じますが、近くに寄るとその存在感には圧倒されてしまいます。
メインアンプはパーツショップが製作したDA-30プッシュブルアンプです。この球はナス管と新型管の二種類がありますが、今回はGEC製の新型のDA-30です。この球は私も製作した経験がありますが、英国の球は米国とは多少ニアンスが違います。
予備機はL社のMQ-36をお持ちですが、ほとんど使用しないと言っていました。MQ-36は6336AのOTLアンプで、巷では有名なアンプです。 タンノイにはDA-30との相性があるらしくほとんど聴かないと言っていました。
I藤氏のオートグラフの音
タンノイのオートグラフと言えばタンノイのスピーカーシステムの中では、最上級に属するシステムですが、当時はこの下にGRF、レクタンギュラーヨーク、ⅢLZがあったのを覚えています。
I藤氏のオートグラフはモニターゴールドでエンクロージャーはオリジナルではなくU社のボックスですが、音を聴きますとタンノイらしい響きでクラッシック音楽を聴くにはぴったりと思えるぐらい表現力のある力強い音であったと記憶しています。
タンノイはどちらかと言うと繊細感のある音色ですが、この音が日本人好みの音作りかも知れませんが、英国のスピーカーはどちらかと言うとじつくりと聴くスピーカーで、米国のスピーカーはダンスホールで聴くようなスピーカーに感じた。
タンノイで聴くクラッシック音楽は上品な英国の貴婦人のような優しい音に聴こえてくるのですが、私の好みとは多少違う音でもあった、私も当時は年齢も若かったせいでもあるため、貴婦人の音より野生的な音の方が好みではあったが、年を取るとこのような音が好みになるかも。
音楽のソースにもよるが年齢と共に音楽の聴き方も変わってくるはずである、20代は癒し系よりパンチ力のある(かぶりつきの音)を好む傾向があると思うが、音楽の聴き方も世代によって違うから一概にどちらが良い悪いは言えない。
オーディオも大音量で鳴らせば部屋の響きもプラスされて以外と大味な傾向になるが、適量以下の音量で聴く場合は耳が全身のアンテナになり細かいところの音まで聴き取ろうとする。
I藤氏には悪いがオートグラフは確かにスケール感があって圧倒されるが細かく音を聴くと、多少荒い部分が見られる、まだ入荷して日が浅いからそのように聴こえてくるのか、何となく誤魔化されて聴いているような音に聴こえた。
I藤氏が「同じタンノイで上手く鳴らしている友人がいるから今度一緒に聴きにいきましょう」と誘ってくれました。
同じタンノイでも人が変われば違うタンノイの音になる。
人それぞれのタンノイトーンがあるから同一スピーカーでも興味がそそる。タンノイのシステムでどれが一番かを競うのはナンセンスだ。ただオートグラフだけは4畳半や6畳の部屋では鳴らない。
スピーカーシステムは部屋とのバランスも重要ではないか、大型テレビをかぶりつきで見ているようなものだ。
元海軍特攻隊のK藤氏
2週間後に再びI藤氏の自宅にお伺いした、今日はタンノイを上手く鳴らしている方への初めての訪問である。
I藤氏の自宅から車で15分ぐらいのところに友人宅がありました。名前はK藤氏で年齢は50代後半のかっぷくの良い紳士といったところです。
ご挨拶が済んだところで早速オーディオルームに案内していただきました。部屋は12畳の洋室で正面にタンノイⅢ/LZとその横に三菱の2S-305モニタースピーカーが設置してあり左側にプレーヤーとアンプラックが整理されていました。
使用アンプは真空管の2A3シングルアンプ、プリアンプはラックスのCL-35です。プレーヤーはガラードの301、カートリッジは確かオルトフォンのSPU-Gであったような記憶がある。
音出しする前にK藤氏は一枚の写真を取り出して、「Y下さん私は昔、海軍の特攻隊の生き残りです、」とオーディオより戦争中の話が話題になり「全員で写っている写真の右側の人は全員特攻で亡くなってしまった。私も鹿児島の鹿屋基地からゼロ戦で出撃する予定だったが、終戦になり出撃が出来なくなった」と悲しそうな表情で特攻の悲話を話してくれました。
余談ですが、私の親父も軍隊に行きましたからK藤氏のお話をお聞かせいただくと、何となく自分の親父とオーバーラップしてきます。
特攻隊の悲話の話が終わり、早速タンノイから試聴開始です、レコードはイム・ジッチのビバルディーの四季からの音出しとなった。
I藤氏のオートグラフとは違うタンノイⅢ/LZだ、果たしてどんな音で聴かせてくれるのか、固唾を飲んで音楽が鳴るのを待った。
アーヨのバイオリンが鳴り出したとたん、素晴らしい響きで今まで聴いたことのないタンノイを聴かされた、音のバランスが絶妙である、音がピラミッドバランスになっている。
しかもバイオリンの音色が心地よく聞こえてくる、タンノイのⅢ/LZを最初はバカにしていたけど、この音は英国の皇室のような音だ。
米国のエレクトロボイスとは品位が違う。この違いは何だろう、お国柄が違うと言えばそれまでだが。
オーディオで他人のシステムの音を初めて聴かせていただくときは、必ず音のピラミッドバランスを重要視して試聴します。
このバランスが崩れていると音楽が不自然になってくる。オーディオをやられている皆さんもこのピラミッドバランスを重要視してセッティングしてください。
音にうるさいマニアが聴きにきてもピラミッドバランスになっていれば決して悪いとは、言わないはずです。
これは大切な音決めの最初の基本ではないだろうか、
I藤氏のオートグラフとⅢ/LZと比較するとスケール感こそないが、絶妙なバランスはさすがとしか言いようがないぐらい素晴らしい。オーディオショップで聴くⅢ/LZは、ただ鳴っているだけだ。
三菱2S-305の音
タンノイを聴かせて頂いて感服している後に今度は三菱のモニタースピーカーの音出しとなった。
タンノイの余韻が残っている後の三菱の2S-305モニタースピーカーはどんな響きで鳴り出すのだろう?
レコードはクラッシックから一転して流行歌に変わった、私個人としては、はっきり言って興味がない。しかも美空ひばりと青江三奈だ。戦前派のK藤氏はこんなのが好きなのか、しかもオーディオ装置でこんな歌謡曲を聴くなんて、オーディオマニアはクラッシックかジャズが通り相場なのだが。
三菱のスピーカーからどんな音が聴けるのか、目を閉じてスピーカーに一点を集中しながら美空ひばりの歌が聞こえてくるまで固唾を呑んで鳴り出すのを待った。
最初のイントロから始まり美空ひばりの歌が流れ始めたとき、こんな切ない美空ひばりの歌は聴いたことがない。
低音がどうの高音がどうのと言う次元ではない。歌謡曲なんかバカにしていたけれど感動してしまう。
次は青江三奈の伊勢崎町ブルースだ。
イントロから始まり(あなた知ってる~港ヨコハマ~)この歌声を聴くと青江三奈はすごく魅力のある女性と感じた。
お色気ムンムンである。
「俺も青江三奈のファンになっておっかけでもやろうかなぁ」
それぐらい魅力のある歌声だ
良い音で聴く流行歌には本当に感動した。音が良いと歌まで上手く聞こえてくる。今まで色んなスピーカーを聴いてきたがこの三菱の2S-305は、さすがに日本が誇るスピーカーの名機だ、歌謡曲を鳴らしたらこのスピーカーの右に出るものはないぐらい素晴らしい。
この雰囲気はタンノイやエレクトロボイスでは出ない。K藤氏の音には魂がこもっている。
こんな音を聴いてしまうとオーディオとはいったい何だろうと考えさせられた。
(追記)テレビやラジオで青江三奈の伊勢崎町ブルースが流れると、K藤氏のことを思い出して昔を懐かしんでいます。
I藤氏との帰りの車中での会話
「Y下さんK藤氏の音はどうでした?」この質問には答えようがなかった。井の中の蛙と言うことわざがありますが、それを実感したのが正直な感想であった。I藤氏は「今度はタンノイのオートグラフのオリジナルを鳴らしている友人がいるから一緒に行きましょう」と次の仲間への誘いがありました。
オーディオへの音作りに対して良い耳を育てるには色んなシステムの音を聴かせていただくのが一番です。
色んな音を聴くことで、おのずと耳は肥えてきますし自分のシステムの欠点が露出することもあります。また仲間同士でお互いのシステムを聴くことで音への向上心が出てきますから(井の中の蛙)にならないため、是非いろんな音を聴いてください。
必ず自分が気づかなかった部分が見えてくるはずです。
同世代のO本氏のウェスタンエレクトリックの音
オーディオをやっていますとすべてが年上とは限りません、私の同世代の方も沢山いました。その同世代のオーディオ仲間の一人であるO本氏とオーディオショップで知り合いました。
彼は店舗などの構想図案を書いている方で彼とは大変意気投合してお互いに行ったり来たりの間柄であった。
彼のシステムはプレーヤーが松下製でカートリッジがデンオンのDL-103、メインアンプは自作でWE-205Dシングルアンプ、プリアンプも自作です。
スピーカーはウェスタンエレクトリックのドライバー、555を特注の12Aのカールホーンで音楽を聴いていました。
このウェスタンだけは家庭で聴く気が起こらない。
部屋の中に排気口のダクトのようなものを2つ設置して、かぶりつきでスピーカーの前で聴く、こんな不自然な聴き方がウェスタンなのか?本来はウェスタンのスピーカーは劇場の銀幕の後ろに置いて鳴らすスピーカーなのに、一般家庭に持ち込んで聴くスピーカーとは思えない。
ウェスタンのスピーカーを聴かせるときは決まってドリス・ディーのレコードが定番になっている。
クラッシックのバイオリンなどの弦楽器を鳴らすと振動板がアルミのせいなのか高い音が冷たい響きになる。
どうもコスル音は苦手なのかも、ただし映画のサウンドトラックのレコードをかけると確かにその魅力に惹かれるものはある。
ウェスタンの555の音は中域が少し喧しく聞こえる、このスピーカーを上手く鳴らすのは至難の業だと思う。
それより音を聴く前にあの排気口のようなダクトが気になって音楽どころではなかった記憶がある。
O本氏のウェスタンを聴くと世間で大騒ぎするような特別な音ではなかった、鳴らし方が悪いと言えばそれまでだけど、ウェスタンはもっと大きな部屋で鳴らさないとその良さが出ない、劇場のスピーカーを家庭に持ち込んで聴くのは、どだい無理のような気がした。
タンノイオートグラフのオリジナルの音
1973年ごろのオーディオ仲間は同じメーカーのスピーカーを鳴らしている方は少なかったのですが、タンノイだけは現代とおなじでクラッシックはタンノイで決まりみたいな風潮があります。
I藤氏が知っているタンノイのオートグラフのオリジナル持っている方は私もよく知っている方で年齢は40代後半で名前はA野氏と言います。
A野氏のシステムはタンノイオートグラフとジェンセンの610Bの2本を所有して主にクラッシック音楽を聴いている、アンプはメインアンプが森川忠勇氏の製作した2A3プッシュブルアンプでプリアンプとプレーヤーは忘れましたが、カートリッジはオルトフォンであったと思います。
早速、オートグラフの音を聴かせていただいた。
I藤氏のオートグラフとは多少音の響きが違う、勿論部屋も違えばアンプも違うのだが、A野氏のオートグラフは音が横に広がる、しかも楽器の響きが甘い音である。
音が平面にならずに奥行き感が増している。
I藤氏のオートグラフとは一味違っていた。
やはり箱の違いで鳴り方まで変わってしまうのがタンノイなのか。
タンノイのスピーカーだけは箱に入って(なんぼ)の世界だ、ユニットだけ購入して自作の箱に入れてもタンノイの音にはならない。
あの箱の響きと一体になってこそタンノイトーンである。
タンノイだけは本当に神経質になるぐらい難しいスピーカーだ。
当時は、まだ沢山のオーディオ仲間がいましたけど、まだ現役でやっている方もお見えと思います。
一度オーディオに首を突っ込んだら死ぬまで抜け出せない、それがオーディオかも?良く言えば生涯現役の趣味だ。
オーディオをやっている限り頭がボケないと言われている、死ぬまで付き合うことができるのはオーディオしかないと思う。
コンコルド訪問記
真空管アンプを製作されている方で、千葉県の館山にありますコンコルドの佐久間駿氏をご存知ない方はあまりいないと思います。
雑誌のMJ誌やラジオなどでエッセイを披露されている方です。
佐久間駿氏は真空管アンプ界では国内はもとより海外でもその知名度をお持ちの66歳になられる方で直熱3極管アンプのオーソリティーで、佐久間トーンの愛好家が全国に沢山お見えです。
レストラン・コンコルドで佐久間氏製作のアンプ試聴会もたびたび行なわれているようで、このコラムをお読みの方で実際に行かれた方もいると思いますが、写真も沢山撮らせて頂きましたので、今一度写真を見ながらこの訪問記を読んでいただければ幸いです。
6月の後半に所用で千葉県に行ったおり館山のコンコルドに寄る機会が出来ましたので皆様にはコンコルドのすべてとはいきませんが、私が訪問して佐久間トーンの音を聴かせて頂きましたから、その報告と内容をコラムでご紹介します。
佐久間氏は初対面にも関わらず、にこやかに私を向かい入れて下さいました、私は名古屋から来ましたY下と自己紹介しましたら大変嬉しそうな顔をして「遠方から来ていただける方は本当に嬉しい、今日はゆっくりとコンコルドの音を聴いてください。」と人柄の良さを感じる佐久間氏です。
佐久間氏の愛用のスピーカーは、アルテックのA-5、クリプッシュホーン、ローサ、ウェスタンエレクトリックの4つのスピーカーがあり、この中で佐久間氏のお気に入りのローサとウェスタンを音量を上げて試聴させて頂いた。
ウェスタンの555から奏でる音は芳醇な密度のある音質でこれがウェスタンとは思えない大人しくて優しい音です。
レンジはナローレンジですが音のまとめ方は素晴らしいの一言で、これぞ匠のワザです。このウェスタンで聴いたチェンバロの音はウェスタンらしからぬ音で、今まで沢山のウェスタンを聴いて来ましたが、ここのウェスタンだけは他には無い、シットリ感のある癒し系の音です。
次に聴かせて頂いたのは、一つのボックスに入った英国のローサの4発入りのスピーカーです。
このローサのユニットはすべてビンテージ物で、私も初めて見るユニットです。
この4つのユニットは大変ユニークな取り付けになっています。
アンプ側のスイッチの設定で同時に4つを鳴らすことも出来、個々でも鳴らすことの出来る面白い発想のシステムです。同じローサでも年代が違えば音も違う大変遊び心のあるスピーカーで、私も始めて体験した。
私個人も英国のスピーカー党ですが、このローサも魅力のある音で大変捨てがたい渋みのある音色です。
私も現在、グッドマン、ヴァイタボックス、ステントリアンの3種類を愛用していますが、やはり英国のスピーカーは音質より音楽を聴かせてくれる音楽性のあるスピーカーと思います。
先程のウェスタンとローサを比較しますと不思議と同じような音になっています。
オーディオは不思議なものでスピーカーを変えれば音は変わるはずですが、その人の感性でチューニングしますと同じような音になってしまう。
佐久間氏にはオーディオマニアのファンもいれば、演奏家の方も沢山支持している方もいると聞かされましたが、この音を聴きますとうなずける部分もあります。
佐久間氏のウェスタン、ローサを845のアンプでじっくりと聴かせて頂くと、現代のスピーカーとは一線を引いた音ですがこの音には好みが分かれると思う、私のビンテージスピーカーとウェスタン、ローサと比較しますと共通点のある部分があります。その共通点は中域の響きを大事にして音楽を美味しく聴かせてくれるです。
コンコルドには2時間程いましたが大変勉強になりました。
帰り際に佐久間氏が「Y下さん車で名古屋に帰るなら綺麗なネェちゃんばかり見ていると事故になるから」この一言だけがコンコルドの音やアンプより印象に残りました。(笑)
レストラン・コンコルドの店内の様子
アルテックの低音用とウェスタンのSPウェスタンは上向きに付いている テーブルの上には製作されたアンプ郡がいっぱい置いてある
コンコルドに入って右側に佐久間アンプが山ほど置いてある 後方にはアルテックのA-5右側にはクリプッシュが設置してある
電蓄に似たウェスタン555のドライバ―とアルテックのホーン 非常にユニークなローサの4発入りスピーカー
ローサのPM-6角フレームタイプが見える 佐久間駿氏と私のツーショット写真
後書き
当時も今もオーディオマニアの情熱は変わらない。
変わるとすれば当時のマニアは横のつながりが強かった。
マニア同士は世代を超えてすべて友達感覚で交流が盛んであったが、現代のマニアは他人とは接触を避けて自分だけで密かに楽しみ、自分の音を他人に聴かせない。
また自ら同じマニアの人の音を聞きに行こうともしない。
これはこれで良いのだが良い音を追求しようと思ったら沢山の音を聴かないと、何時まで経っても「井の中の蛙」だ。
そうならないためには是非サンバレーさんの試聴会等に参加して新しい仲間を見つけてほしい。
きっと大橋さまも協力してくれるはずだ。
オーディオは自分が求める音ではなく、自分が出したい音に目標を建てれば暗中模索にならない「自分が出したい音」を早く決めれば遠回りせずに済むのではないか。
そのためには、沢山の音を聴く必要がある。
とかくオーディオマニアは偏屈で頑固一徹のポリシーを持った方が多い。
私より遥かに素晴らしい音で音楽を聴いている方は星の数ほどいます。
そのような方たちの音を聴かせて頂いて良い音を知る。
オーディオの聖地と言われる、乗鞍高原のペンション・ウインズ、山中湖のペンション・すももの木、レストラン・コンコルドに行ってオーナーのお話や音を聴かせて頂いたが、すべてプラスになることばかりで新しい発見でもあった。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-003
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Club SUNVALLEY/私のオーディオ人生
第7回 男の隠れ家で鳴らすオートグラフ
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-007
6回は「ウェスタンサウンドの真髄と魅力を聴く」のテーマでしたが、今回は皆さんもご存知のタンノイです。しかもタンノイの究極のユニットでモニターシルバー搭載のオートグラフをたっぷりと試聴して来ましたのでご報告させて頂きます。
男の隠れ家
男の隠れ家の持ち主は名古屋市内在住の私より一つ若いと言ってもこの年になれば変わりません、「何をいまさら?」団塊の世代のT田氏です。T田氏は若い頃からオーディオに情熱を燃やす「親父世代」です。この方の隠れ家とはT田氏が自宅を新築されるときに何と地下室に21畳の大変立派なリスニングルームを作られ音響効果を考慮して設計された、この男の隠れ家で聴くタンノイの素晴らしいサウンドと自作で製作された真空管アンプを見ると頭が下がる思いを感じるのは私だけではない、しかもタンノイのオートグラフが左右に鎮座しているのを見ると圧倒されてしまう、
タンノイモニターシルバー
過去にも現代にも私個人としては沢山のオートグラフを聴いて来ましたがT田氏のオートグラフはかの有名なモニターシルバー搭載の究極のオートグラフである。タンノイのモニターシルバーは日本では40~50セットしかなく非常に珍しいレアーなユニットでこのユニットを使用したオートグラフは中々見ることも出来ないし聴くのも簡単ではない、
このユニットを少しご紹介しよう、タンノイのユニットはデュアルコンセントリックと言うユニットでホーンツィーターが貫通型になって一つのマグネットで低域と高域を受け持つ独特な構造になっているが、考え方を変えればマグネットが二ついらないからケチなやり方のような気がしないでもない、
私の愛用しているステントリアンのコアキシャルもタンノイと同じような一つのマグネットで受け持たせている、
今回、試聴したモニターシルバーは1953年にオートグラフに取り付けてニューヨークのオーディオショーに初めて公開された珍しいユニットであり、フレームが銀色のハンマートン塗装を施した見た目にも綺麗なユニットで製造は1953~1957年ごろまで製造されたらしい、正式名は「LSU/HF15」になります。それ程台数的には沢山作られていないのが現状でこのユニット単体だけでも非常に高価になっています。
このユニットを実装したオートグラフは昨年亡くなられた80歳になる私の友人のT松氏も持っていて訪問するたびに耳にタコが出来るぐらい聴かされたユニットだ、
モニターシルバーが生産終了後にモニターレッドに変わりました、モニターレッドは1958年~1967年迄でその後はモニターゴールドに引き継がれて行きました、モニターゴールドも1967年~1974年で生産が終了しています。
クラッシックを聴くならタンノイが定番
イギリスのスピーカーと言えばすぐに頭に浮かんでくるのはタンノイですがまだ他にも沢山のスピーカーがあります。ヴィンテージスピーカーではパルメコ、グッドマン、ワーフェデール、ヴァイタボックス、ローサ、ローラ等の沢山のメーカーがありますがタンノイを除いて当時のスピーカーはボックス付きは少なかったと思います。タンノイだけはオリジナルエンクロージャーに入った状態で市販されていましたからタンノイに限っては遊び心があまりなくしかも自作のボックスではオリジナルと比較してあまりにも音が違うので自作するマニアは少なかった記憶があります。
タンノイのユニットでシルバー、レッド、ゴールドと年代別に試聴した経験を述べますとシルバーは低域も高域も欲張らない多少ナローな響きになりレッドになると低域と高域が少し伸ばしたような音になります。その分中域が薄くなる感じです。ゴールドになると現代のソースに適した現代的な音作りになります。これは好みと言えば好みですが・・・・・
モニターシルバーで聴くオートグラフ
早速オートグラフを試聴させて頂きました、使用機器の説明は以下のようなラインナップになります。
CDプレーヤー 不明
プリアンプ A社の半導体アンプ
メインアンプ 自作の管球式45PP アンプ
スピーカー タンノイモニターシルバー38cmデュアルコンセットリック
スピーカーボックス 進工舎製
試聴用CDは前回ウェスタンエレクトリックで聴いたコジェーナのヘンデルのアリア集のトラック4からである。
同席された方は私を含めT田氏の同じ会社にお勤めのオーディオマニア2名です。
モニターシルバーで聴くコジェーナの音
いつものようにチェロの独奏からコジェーナの歌声が流れ始めた、前回のウェスタンサウンドに近い音色と響きを伴った音である、タンノイスピーカーなのに中域のコクと密度のあるビンテージ特有の押し出しの強い音だ、室内楽、独奏、声楽にはこの45PPアンプの良さがもろに出ている。
巷ではオートグラフはバックロードホーンのため多少低域が遅れて出てくると言われていますが測定器で測定すれば遅延時間は確認できるかも知れませんが人間が聴く以上はほとんど無視しても良いのではないでしょうか、その遅れの分かる高度な耳を持った人なら別ですけれど・・・私は耳が悪いので遅れはわかりません、
このモニターシルバーの音色は私が所有しているグッドマンとは違う音色でどちらかと言えばヴァイタボックスに近い感じです。英国のスピーカーはシットリ感が前面に出てきて多少暗いサウンド志向のような気がします。
昔からこの45と言う球は小編成などの室内楽にはぴったりである。全員がうっとりと音楽にハマっているのが良くわかる素晴らしい響きだ、T田氏が求めているのはこのような音なのかも知れない、
この後、私が持参したバッハのバイオリンソナタも見事に鳴らしきるオートグラフの実力をまざまざと見せ付けられた、スケール感はさすがにオートグラフです。これが最初に感じた印象だ、
ソファーで聴くモニターシルバー装着のオートグラフを試聴されている
同じ会社のオーディオマニアの方
今回の試聴で活躍したT田氏自慢の45PPアンプです。
以前に購入されたマッキントッシュのMC-275であるが哀れにも埃だらけ、
名機なのに粗大ゴミのように見える(マッキンマニアが見たら品粛を買う)
ラックの上側に自作45PPアンプがあり下側に哀れなマッキントッシュのMC
-275が置かれている。
現在製作中の管球アンプ、球は不明である。
T田氏はそれ以外に沢山の球を保有している、私が「こんなに沢山の球を持っていて何時までに作るの?」と聞きますとT田氏いわく「定年になったら時間が出来る、それからボチボチ作れば良い」と満面の笑顔で語っていたのが印象だった、
以前に購入されたタンノイのアーデンがリスニングルームの片隅に置いてある。
現在はほとんど聴かないらしい(もったいない)
沢山のアンプをラックにまとめているがメーカーはA社のプリアンプを除いて不明である。
不明と言うより関心がないと言うのが本音、
リスニングポイントで聴くカウンターバーの中には沢山のワインとウィスキーが
寝かせてあるがこれを見ると羨ましいの一言、
真ん中にT田氏を挟んで楽しそうにワインを飲んでいるがこのカウンター席で聴くオートグラフは最高!、T田氏はいつも一人でこのポジションで一杯飲みながら自己満足の音楽三昧だ、
アナログは有名なノッティンガムとアームはSME-3012、カートリッジがオルトフォンのSPU-Gを使用した贅沢な組み合わせです。
このアナログシステムで聴く音楽は素晴らしいのだがターンテーブルに乗っているのは非常に珍品なドーナツ盤だ、
オートグラフで聴かせる青春時代の流行歌
誰もが想像しないタンノイオートグラフしかもモニターシルバーで聴くドーナツ盤、これには私は参ったの一言、写真を見てください。当時、大流行したいしだあゆみちゃんの(ブルーライトヨコハマ)である。
( 街の灯りがとても綺麗ねヨコハマ~)一緒に歌いたくなってくる。いしだあゆみちゃんは
本当に美人ですね、この曲を聴くと我が団塊の世代はもとより私より年配の方も年下の方も青春時代に逆戻りしますよ、
本当に懐かしく感じてタイムスリップしたような気になるのは私だけでもあるまい、
しかしこんなドーナツ盤が新品同様で持っているとは夢にも思いません。ここのT田邸は
どんな曲にもリクエストにお応えできるジュークボックスだ!
次の写真を見てください。皆さんが懐かしむ橋幸夫と吉永小百合ちゃんの(いつでも夢を)のドーナツ盤だ、本当に懐かしい、しかもお二人とも若い!
最後の止めは一世を風靡したグループサウンズのザ・タイガースの(花の首飾り)のドーナツ
盤である。この曲も当時は大ヒットした名曲です。
それ以外にも島倉千代子、ザ・ピーナッツ、カーナビッツの(好きさ)を聴かせて頂いたがもう此処まで来るとオーディオを忘れて完全に時代が逆行して青春時代を謳歌している気分になる、
タンノイのオートグラフでまさかこのような歌が聴けるなんて想像できません。確かにドーナツ盤の音質は?が付きますが、10代20代の自分の子供たちにこの歌を聴かせたら(こんな曲バカじゃないの)と軽蔑されるかも?でもいいんです、我々の青春時代ですから・・・
タンノイモニターシルバーが入っている進工舎のオートグラフ
サランネットを外したオートグラフの正面写真です。おわかりのようにユニットはホーンロードがかかっています。中心にユニットが薄く見えますが紛れも無いモニターシルバーです。
今回のT田氏には参りました、オートグラフで聴く歌謡曲は涙ものです。しかも当時のドーナツ盤を高価なオーディオシステムで聴く、オーディオマニアに対しての嫌味なのか、これまた楽しいひと時を過ごさせていただき感謝、感謝、
ドーナツ盤を聴くのなら昔はクリスタル・カートリッジの付いたポータブルプレーヤー
が定番のはずだが、T田氏のオーディオへの拘りは執念すら憶える、オーディオはクラッシック、ジャズだけが主体ではない、どんなジャンルでも楽しめればそれで良いのではないだろうか、音を追求するのも良いが大切なものが忘れているような気がしないでもない、
欲を言えば
今回の試聴で感じたのはこれだけの素晴らしいシステムですからプリアンプは半導体を使用せず是非とも管球式のプリアンプを使っていただきたい、メインアンプが真空管ですから半導体のプリアンプは合いません、それでは半導体のメインアンプにすれば解決かと思われますが、はっきり言って半導体のアンプではタンノイが鳴りません。また半導体のプリアンプはツルンとした音でゾリゾリ感がなく奥行き感も乏しくなります。ここは是非良質な管球式プリアンプを導入するか自作で製作していただきたい、
今回は私が悪者
管球式のプリアンプをT田氏にくどいように薦めていたらそこへ奥様が来られた、すかさずT田氏は奥様に「Y下さんが半導体のプリアンプは駄目だから真空管のプリアンプを買え!と俺にしつこく言うんだ」と自分は被害者になりきっていたが、当の本人は本当はほしいんだとバレバレです、今回は私が悪者にされてしまったが、一同大笑いである、何処の家庭でも奥様の権力は凄いと感じたしだいです。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-007
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第12回グッドマンスピーカーの音と英国ヴィンテージスピーカー
by Y下
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012
SUNVALLEY AUDIOさんのコラムでの私の情報の発信の場として紹介させて頂いておりますが今回はグッドマンスピーカーと私が愛蔵しています英国ヴィンテージスピーカーの全容を写真付きで公開したいと思います。写真撮影とそれに付随する文面は素人です。その辺はご考慮をお願いしたいのと音に関しては私個人の主観ですから参考程度にしてください。
最近入手した非常に珍しいスピーカー、このスピーカーに見憶えのある方は長くオーディオに携わった諸先輩の方と存じます。名前は○○製で12インチです、英国ヴィンテージスピーカー(パートⅡ)で詳しくご紹介させて頂きます。
グッドマンを鳴らす真空管アンプ
グッドマン3Wayを鳴らすには現代の半導体アンプでは鳴らない、このようなヴィンテージスピーカーは真空管アンプで駆動するのがベストである。このスピーカーに合わせて試作した出力管はチェコで生産されていたKRのPX-25ナス管を清水の舞台から飛び降りる気持で大奮発して購入したのはよいがこのPX-25は古典球ではなく現代の技術で製作されたらしいから鳴らすまでは未知数である。
いよいよグッドマン3Wayシステムのユニットを実装しました、ネットワークは予め製作しておきましたのでスピーカーシステムは完成、さぁ?英国のスピーカーはどんな音色と音質なのか未体験ゾーンに突入であるが試聴する音源は安物のCDプレーヤーで出力をダイレクトにメインアンプに接続しての試聴方法です。
スピーカーは自分の個性が主張できる
オーディオの音に関してはあくまで個人の主観になります。言葉や文章で色々書いても読まれた方は想像だけで終わってしまう、過去の名器でもひどい音の出し方を聴けばそれがそのスピーカーの能力と判断してしまえば大変残念なことになります。セッティングもデタラメでボックスも簡易型でアンプなら何でも良いではスピーカーが惨めになるだけでこの辺を弁えないと違った評価になってしまう、今まで色んなマニアの能書きを聞かされて耳にタコが出来たがよ~く話を聞いていくと単なる個人の主義主張にしかならない、世のオーディオマニアは能書きは一流、音は三流になっているのが多い、もっと素直な気持ちになれば音も素直な音になるのにと思うこともある。オーディオの世界は不思議なもので20年30年経っても良い音がでなければ死ぬまで出ないと思う、どこかで方向を転換すれば道が開けるはずだが・・・・良い音を出そうと思ったら耳より性格を治す事と言いたい、(これは私にも言える)
又スピーカーに限らずオーディオもそうだが他人まかせの評価を鵜呑みにせずにじっくり聴きこんで決めないと必ず後悔する。
グッドマンスピーカーの音
グッドマンスピーカーとアンプを接続して少しづつ音量を上げてみる、出てきた音は言葉では言い表わせない音である。アメリカのスピーカーとはまったく違う音である、一言で言うと地味な多少暗さを伴った響きで個性の強い音色でもある。ホーンスピーカーなのにホーン臭さがなくアルテックのA5、A7とは明らかに音作りが違う、この答えではグッドマンスピーカーは理解できない、ここで比較対照できるスピーカーがなければ答えにならない、
皆さんがお持ちのタンノイスピーカーと比較してみた、比較対照は私の友人が愛用しているタンノイのオートグラフで内蔵ユニットはモニターシルバーである、勿論部屋もアンプ違うから絶対的な評価ではないことを付けくわえさせていただきたい、
タンノイのモニターシルバーの音は上質な木作りのコンサートホールの響きでゆったりとして雰囲気を大切にした音、それに対してグッドマンは宮殿のホールで聴くエレガントな響きになる、タンノイもグッドマンも同じヴィンテージスピーカーである以上は音の傾向として似たような色感だ、どちらも優劣を付けられないレアなスピーカーでもある。タンノイもグッドマンも音の共通点は品位があり中域に厚みとコクをプラスした音になっている。(これが英国の伝統あるサウンドなのか?)現代のタンノイスピーカーはこれに多少繊細感がプラスされ上も下も伸ばした音になっているが人によっては中域がうすいと言う人もいる(この部分が日本人好みかも)音のコクとか味は少なめな感じで料理で言えば薄味的な印象と感じとれるがタンノイが好きなマニアなら気にもならない、タンノイもグッドマンも同じ英国製ですから極端には音の方向性は違わない、なぜだろう?ヴィンテージマニアにこの点を指摘したら「タンノイはグッドマンにOEMで作らせていたから似たような音」「タンノイもグッドマンも同じである」と言われる「やっぱり」昔も今も同じなのか、そう考えると必死にタンノイを探さなくてもグッドマンでも十分ではないか、
同じグッドマンでもAXIOM-80を聴いたことがあるが多少高域が煌びやかになるぐらいで大きな差はないが過去に聴いた記憶を紐解いてこちらの3Wayタイプと比較すると中音ホーンの抜けの良さや緻密さではAXIOM-80とは異なる音色です。
グッドマンはもう過去の古いスピーカーになってしまったが、今このスピーカーを聴くと現代のスピーカーとは見劣りは感じられないぐらい良いユニットなの
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2022/08/21 (Sun) 11:13:43
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グッドマンはもう過去の古いスピーカーになってしまったが、今このスピーカーを聴くと現代のスピーカーとは見劣りは感じられないぐらい良いユニットなのだが一般的には手に入りにくいのとユニットを実装して音楽を楽しむマニアが減少したのも原因ではなかろうか、中古ショップに出ているグッドマンもあってもAXIOM-301か80ぐらいでその他のユニットはあまり見かけない、売れた本数が少なかったかも知れない、
VITAVOX,DU-120
VITAVOXと聞くと私以上の諸先輩はよくご存じですがこのスピーカーを知らない方に少し付け加えていただきます。VITAVOX(ヴァイタボックス)は戦前からある有名なスピーカーでロンドンウェスタン直系のスピーカーメーカーと聞いている。シアター用が専門ですが家庭用にも素晴らしいシステムも出していました、特に有名なのはVITAVOX191コーナーホーンとバイトンメィジャーがあります。191コーナーホーンはタンノイのオートグラフと二分するぐらい素晴らしいのが特徴で家具の調度品にはピッタリ当てはまるデザインでもあります。昔私がエレクトロボイスの3Wayでオーディオを楽しんだ時に京都のジャズ喫茶「ヤマトヤ」にこの191コーナーホーンが鎮座してあった、音は芳醇な響きで非常に奥ゆかしく鳴っていたのを記憶しています。この音を初めて聴いた時「オーディオは聴かせてくれる音」これこそ自分が求めていた音だったのかも知れません、その夢は30数年経っても忘れられないぐらい私に強烈なインパクトを与えてた、VITAVOXと聞くだけで私にとっては未体験な音に感じる不思議と謎の多いスピーカーである。今回ご紹介するDU-120はVITAVOXではコアキシャルスピーカーユニットでこのタイプ以外にDU-121もあるがこちらはフェライトのマグネットの2本しか発売されなかった、このスピーカーの詳細を少しご説明します。ユニットは多分1950年の後半から1960年の前半に発売されたものでマグネットは大型のアルニコマグネットを搭載、ツィーターは特殊なポリエステルフィルムの振動板になっておりツィーターの音だし部分はアルミのパンチングで保護されている。クロスオーバーは2000HZで低域側をカットせずにそのままスルーになっている、ネットワークはコンデンサー1本だけで高域のみのカットになっています。この時代の同軸はネットワークを使用せずにコンデンサーのみでのカットが結構ありましたが私に言わせればケチな方法と思う、本格的に使うならネットワークもアッティネーターも必要ではないだろうか、その点タンノイのユニットは高いだけあってしっかりしているがあのネットワークを収容してあるケースがプラモデルのイメージと重なるので少しマイナスだ、
ヴァイタボックス12インチのコアキシャルスピーカーでフレームをよ~く見ますとタンノイのモニターレッドによく似ています。マグネットは強力なアルニコマグネット
スピーカーユニットの中心にツィーターが飛び出している。ツィーターの振動板はポリエステルフィルムで珍しい振動板でもある。
マグネットカバーにVITAVOX-DU120のシールが貼ってある。スピーカーからの引出し線は私が一部改造した部分です。
ヴァイタボックスの音
グッドマンのウーファーを外してこのユニットを実装しての試聴になりました、
出てきた音は「何んだ!こりゃ~」こんなスピーカーの音は今まで聴いたことがない!ひどいのも限度がある、低音がまるでなく中高音はカミソリを振り回したような鋭い響きで音楽を聴くには耐えないスピーカーではないか、これがVITAVOXの音なのか!今回の購入は大失敗かも?言葉が出ない絶句である。昔はエレボイのスピーカーで苦汁を味わされて泣かされた経験が蘇ってきた、このスピーカーこそ名器ではなく迷器であるが考えようによっては良いスピーカーこそテクニックと苦労が必要ではないだろうか、上手く鳴らせば感動ものであるが今の時点では落胆の言葉がぴったりだ、
DU-120の改造
このスピーカーを宿らせるにはこのままの状態では不可能のなで大手術が必要だ、病院に行ってユニットに点滴を打てば治る問題ではない、手術をすればきっと当時の音が必ず宿るはずの気持ちで早速改造に取り組んだ、改造はこれに合わせたネットワークを自作するのとボックスを新たに特注で作ってもらう事、吸音材の量を調整しながら耳で確認する方法しかない、ボックスはグッドマンは米松合板を使用していたから今回はフィンランドバーチで作っていただくことに決定した、
改造後のVITAVOX.DU-120
ボックスが完成してユニットを取り付けて音だしで固唾を飲んでヴァイタの音を待った、出てきた音は最初に聴いた音とは似ても似つかない実に渋い音である。この時代のスピーカーの開発者は多分この世にはいないと思う、このスピーカーの本当の音などは私にもわからない、知っているのはスピーカーの開発者と当時携わった方だけだと思う、何十年も前のスピーカーに使用してあるカットオフ用のオイルコンデンサーははっきり言って塵である、オイルコンデンサーが当時の状態を維持しているはずはない、こんな塵コンデンサーでもオリジナル崇拝者は使っていると聞く、はっきり言って良い音を出す以前の問題では・・・・これはアンプにも言える、私に言わせればビンテージアンプもそうですが今の時代からすればパーツはすべて当時の状態ではないのにマニアはオリジナルを尊重している、これは一種の宗教のようなもので不思議なマニアが沢山いる、
グッドマンスピーカーとの比較
同じ英国の伝統あるスピーカーなのに音の傾向はずいぶんと違う、グッドマンはどちらかと言えばふくよかさが前面に出していたがこのヴァイタボックスはより古典的なドライな音色を持っているがボックスの材質も違えば容積も違うから「これがヴァイタの音だ!」とは断言できない、クレデンザ、HMV,ウェスタンと発展してきた音響技術の延長線上にあるような大変地味な音でかの有名な191コーナーホーンの音に似た奥ゆかしく暗い響きを伴っている、大橋氏が日記に書かれた「石作りの教会で聴く音」と表現されていますが的を得た答えだと思う、
最後にこのスピーカーの音の印象を大橋氏が店主日記で的確に表現されていますからこれを参考にして頂ければ幸いです。(2006年6月13日の第3試聴室現る?)の日記(店主日記は終了致しました。)です。
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-012
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20:777
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2022/08/21 (Sun) 11:53:22
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小池レコード店にタンノイのオートグラフを持っているオーディオマニアが訪れた、
小池氏は口論になるとタンノイマニアに一枚のレコードを聴かせた、
小池氏は強い口調で「タンノイでこの音が出るか!」と一喝したらしい、
タンノイマニアは黙って店を出て行ったと後から聞かされた、
多分あのサウンドとレコードを聴かされて頭の中が真っ白になったかも(このタンノイマニアは私のオーディオ仲間でもあった)
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-033
小池レコード店の思い出、オーディオよもやま話
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-004
ワーフェデールスピーカー _ 小池レコード店のスピーカー
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-013
亡き友のオーディオの遺品 _ このサウンドは小池レコード店と同じだ
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-033
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-034
▲△▽▼
なぜ?ヴィンテージスピーカーを選んだのか
グッドマンスピーカーは当時は一世を風靡した有名なスピーカーで高校生の頃は憧れのスピーカーであった、ただそれだけの理由で英国のグッドマンのユニットを選んだ、それが巷で言うヴィンテージスピーカーとは知らず何の拘りもなかった、
英国のグッドマンの音を聴き込んで行くと不思議と魅了された、
それ以外の当時の英国のスピーカーにも不思議と興味を持つようになってきた、
ワーフェデールスピーカーの由来
ステレオに興味を持つようになった時、当時のオーディオ技術誌にワーフェデールの特集が写真入りで紹介してあった、
このスピーカーはイギリスの片田舎にワーフェ村とデール村がありこの名前を取ってワーフェデールになったと説明してあり当時の写真におばちゃんが手作りでスピーカーユニットを組み立てているのが載っていたのを記憶の片隅にある。
小池レコード店のスピーカー
Y下のコラムに第4回に小池レコード店のエピソードを書かせていただきました、中部地区では大変ユニークなレコード店でしたがそこで聴く音は確かに一般的なサウンドとはかけ離れた音でもあった、またコラムでも小池レコード店のスピーカーは謎であると書きましたが事実色んなマニアに聞いてもわからないの答えが返ってくる、小池レコードのスピーカーとは?
このワーフェデールスピーカーユニットをゆずって頂いた西山氏も小池レコード店に通った一人で「ヴィンテージスピーカーのことなら俺に聞け!」と言える豊富な知識を持ち合わせた私よりレベルの高い先輩でワーフェデールのユニットも沢山お持ちで私の愛用しているステントリアンも持っているヴィンテージスピーカーのご本尊です。
今回写真もお借りしてご紹介しますこのユニットが小池レコード店で聴かされたスピーカーユニットで英国のワーフェデール製、ユニット名はSuper12/RS/DD(30㎝ダブルコーン)です。
このスピーカーこそ謎であった小池レコード店が使っていたスピーカーである。(小池レコード店のタイプはこれのアルニコ版)
ワーフェデールSuper12/RS/DD
このスピーカーはダブルコーンのタイプでボイスコイルにアルミリボン線を採用した当時としては珍しいスピーカーで周波数特性も30HZ~18000HZまでこれ1本でカバーします。
エッジは布製のロールエッジタイプで非常に敏感なユニットでもある、
ワーフェデールは私にとっては懐かしいスピーカーの一つでもあり今回分けて頂いたユニットは1966年製の貴重なユニットでコーン紙はほとんど新品同様で40年以上も経過したこんなワーフェデールスピーカーがあるのかと思えるぐらいの素晴らしい保存状態の良いユニットです。
グリーンのフェルトが鮮やかなスピーカーで実装して音を聴くより見て楽しみたいスピーカーだ、
マグネットはフェライトタイプですが17000LINESの超強力マグネットを使っている。フレームはワーフェデールの独特な構造のアルミダイキャスト製を採用、重量は1本が約6kgもある。
正面から見たSuper12/RS/DDです。中心部にサブコーンのあるダブルコーンタイプのスピーカーでこれに良く似たスピーカーはグッドマンのAXIOM-301になりますが音色、音質とも鳴り方も響きも異なります。
ワーフェデールの音
ユニットをタンノイのGRFタイプのフィンランドバーチで製作したボックスにこのユニットの取り付けることになった、
このスピーカーはネットワークやアッティネーターも要らないから気分的に楽で鼻歌まじりの取り付けであるが一抹の不安があるとすればユニットの補正がきかないから手の施しようもない、どうせ上手くならなければ「何とかなるさ」の考えでタカをくくっていた、
心の中で
「ダブルコーンのスピーカーは全体的に無理があり2Way、3Wayのスピーカーシステムのが音は良い」
これはオーディオの世界では定説であるが今持っているコアキシャルや3Wayのグッドマンより良い音がする道理がないし期待すること自体間違っている、
最初に出てきた音
ワーフェデールスピーカーをRチャンネル側のみ実装して音出しになった、
(使用アンプは店主日記でも紹介されたPP5-400)
Lチャンネル側はヴァイタボックスDU-120である。
最初はヴァイタボックスのみをマイスキーのバッハの無伴奏のチェロで試聴、中々渋い音で心地よく聴こえてくる
「さすがにヴァイタだけあって落ち着いた響きだ」
音のバランスはピラミッドバランスであまり不満もなく悪くもない、
自分でうなずきながらプリアンプのバランスコントロールをR側に回して再度同じトラックをスタートさせた、出てきた音はダブルコーンとは思えない繊細かつ定位の良い渋い響きである。
欲を言えばもう少し低域が丸まったふくよかな品位の高い音と豊かな響きを期待したのだがボックスの容積が小さいのでこのような音になるのか、
ヴァイタボックスに比べて多少甲高な音になっている、
スピーカーは適当にボックスに取り付けて即良い音を期待するのが間違いでもっと追い込む必要がある。勿論ユニットが古いので時間をかけてエージングをしないと本来の良さが出てこない、
このスピーカーに関してはアンプのDF値が高いとスピーカーが追従できないのではないか、
また手元にある米松合板とフィンランドバーチの違いもテストしてみたい、西山氏は400リットルぐらいの容積のあるスピーカーボックスだと低域が豊かになるのではないかとアドバイスして頂いた、
再度挑戦
ワーフェデールを使いこなすには私なりに考えた、
1. グッドマンのボックスのウーファを外してワーフェデールに交換して見る
2. PP5-400のシングルアンプのDF値を下げてテストしてみる。
※ワーフェデールは振動板が敏感であるのでDF値が高いと追従できない
3. 吸音材をもう少し多めに投入するか少なくするかは聴きながら補正してみる。
フルレンジスピーカーを侮るな!
早速、西山氏のアドバイスで作業に取り掛かり期待と不安で手直し完了になり音出しを待った、いつも聴くマイスキーのバッハの無伴奏チェロからの試聴になった、ボリュームをいつものポジションに合わせて全神経をスピーカーに集中した、
出てきた音は今まで聴いたことのない素晴らしいの一言、マイスキーが眼前で演奏をしているような錯覚に捉われ臨場感あふれるサウンドで音楽のシャワーが部屋全体を包み込む響きである、
次にかけたバッハのゴールドベルグ変奏曲のピアノ盤はピアノの音色、響きは感動もので演奏者の指先の動きまで伝わってくる。
「アンプも楽器ならスピーカーも楽器だ」と叫んだ!
私が持っている3つの英国スピーカーも個性があるがこのワーフェデールは特別な存在になりつつあり残り3つのスピーカーも自分の子供のように愛着があるから手放せない、
じっくり聴いて行くとこの音は何処かで聴いたことのあるサウンドだ、
そうだ!思い出したぞ、この音は昔高校生のころ通った小池レコード店で良く聴かされた音だ、
「小池レコードのスピーカーはこれだったのか」
西山氏にこの件を問いかけると
「小池さんのスピーカーはワーフェデールですよ」
と教えてくれた、
たった30センチのダブルコーンのフルレンジが下手な2Way,3Wayスピーカーに負けないぐらい凄い浸透力で鳴るとは、
このワーフェデールを一言で言えば「琥珀色のサウンド」という形容詞がピッタリ当てはまる。それだけ素晴らしいユニットだ、
難しいスピーカーこそ挑戦のしがいがある。
スピーカーは自分が使えないからお蔵入りでは可哀そうだ、上手く鳴らないからと言って駄目スピーカーと烙印を押してしまうのは簡単だ、
スピーカーは奥が深いし良いスピーカーこそ鳴らすのが非常に難しいと痛感した、まだまだ問題は山積みであるが時間をかけて解決するしかない、
ワーフェデールSuper12RS/DD,グッドマンのAXIOM-80、タンノイのスピーカーも難しさにかけては天下逸品で自分の技量を棚に上げて簡単にこれは駄目だと決めつけるのは考えものである。
良いユニットを上手く鳴らせばスピーカー同士の優劣はない、また価格が安いからと言ってそのスピーカーを見下すのは如何なものか、価格でそのスピーカーの価値観は決まらない、自分の好みに合えば価格など問題ではない、スピーカーこそ上手くならないから挑戦のしがいがあるのではないだろうか、
理屈はそうだが正直に言ってスピーカーは神経衰弱になる。心の中で「もうスピーカーは買わんぞ!」と呟いた、このコラムを読む方なら「もうスピーカーの浮気は止めろ!」と聞こえてきそうだ、
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-013.html
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21:777
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2022/08/27 (Sat) 14:45:12
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■ オーディオ巡礼 「オートグラフを愛するクラシック愛好家編」
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html
今年初のオーディオ巡礼として、昨年の夏から2回ほどご来訪いただいた東京都杉並区のsigetaさん宅へお邪魔する機会を得た。
sigetaさんはご自宅でレコードを楽しむだけでなく、多い時には月間に5回もコンサートに通われているという熱烈なクラシック愛好家である。
お住まいになっているのは阿佐ヶ谷と高円寺の中程に位置する閑静な住宅地である。
お邪魔して2F和室10畳オーディオルームに案内されると、一部床がフローリングとなった部分に設置された巨大なTANNOYオートグラフにまず目を引き付けられる。
購入されたのは50年ほど前にTEACが代理店となった頃で、購入時の使用ユニットはHPD385だったが、後になってM-Goldに入れ替えたとのことだ。
また部屋の入り口にはこちらも巨大なEMT-927Dstが設置されているが、一般家庭のオーディオルームにこれら世界最高峰の機器が収まるだけで、その存在感に圧倒されてしまう。
使用されているアンプ群はWEアンプの修理依頼でアメリカまで出張されるという技術者の方の手によるもので、以前はWE-91Bレプリカを使用されていたらしい。
下の左画像奥がプリアンプで手前がレイセオンの送信管?を使用したパワーアンプとのことだ。
下右の画像はそのパワーアンプの別整流アンプとのことで、これが左右2台構成となっていて凄まじい熱量を発している。
今回特に音質バランス改善のため導入されたというルームチューニングでは、オーディオリプラスのハーモニックディフューザーを壁面のコーナーに設置し、オートグラフの弱点である長大なバックロードホーンがもたらす低域のこもり感を解消させているとのことだ。
sigetaさんのシステムは一般家庭のユーザーが望みうる世界最高峰の機器を組み合わせられているが、この他手掛けられているこだわりとして各種WEケーブルやルームチューニングアイテム、電圧関係のダウントランスなど多岐にわたっている。
また、使用されているアンプやこの純鉄コアMCトランスのように、高い技術力を持ったエンジニアのサポートにより、市販品のレベルを超えた組み合わせを実現されている。
EMT-927Dstに搭載されているアームはオルトフォンRF-297でカートリッジにはSPU-MEISTERを組み合わせられているが、昇圧トランスを貴重なWE-618やJ's赤ドット付初期型No.41、No.6600などからこちらの大型トランスに変えることで、描き出される音の世界が違ってくるとおっしゃっていた。
早速、取り揃えられた超弩級機器の説明もそこそこに、貴重なクラシック・オリジナルプレスの数々を試聴させていただく。
オートグラフを聴くのは何年ぶりだろうか?
1960年代から80年代までの名演を交響曲、ワーグナー、バイオリンソナタ、声楽など次から次へと、また持参した2019年新譜の「ニュー・イヤー・コンサート」を含めあっという間の充実したひと時を過ごさせて頂いた。
今回聴かせて頂いたsigetaさん宅の音は、TANNOYを初めて聴いた当時の感動が、年月を重ねるにごとにさらに美化されてゆくといった音の記憶を上廻る、これまで経験したことのないまさしくTANNOYトーンと呼べるものではないだろうか。
最初に比較的新しいプレス盤を聴いた時、オートグラフ独自の長大なバックロード・ホーンを通して放出される低域のややこもった音色に違和感を感じたが、徐々にこちらの耳が慣れてくると素晴らしいホールトーンを堪能できるようになる。
sigetaさんのお話によると、以前は過剰な低域バランスに苦労したが、ルームチューニングを施すことによりかなりバランスを改善することができたとのことであった。
特に素晴らしかったのはオートグラフが生産されていた同時期の古い英国SAXやEMIのオリジナルプレスで、適度なホールトーンを伴った低域の抜けの良さと高域の繊細な響きのバランスに感動させられた。
神経質な金切り声に成りがちなルートビッヒが、豊満で慈悲深い、笑みを称えた歌声で歌っている・・・・・。
低域の量感を抑えるのに苦労されているという反面、調整が不十分な小型エンクロージャーのIIILZなどで感じる、高域の刺激的な響きは嘘のように影を潜めているようだ。
ヴァイオリンソナタでも高域が上ずるようなことは全くなかった。
しかし日本のような少し面積の狭い和室を使って、EMTや膨大な熱量を発する大型送信管を用いたアンプなどの強力な駆動系でオートグラフを手懐けるには、相当な努力が必要だとsigetaさんのお話から伺うことができた。
最高級の機材を組み合わせているのだから、良い音が出て当たり前と思うのが普通だが、そうはいかないのがオーディオの奥深いところでもある。
要は限られた空間でバランス良く聴こえるように、それぞれの機器をどのように組み合わせ調整して行くかが、オーディオの難しさであり醍醐味なのかもしれない。
またオートグラフを使う上での重要な調整ポイントとして、長年の使用に伴って緩みが出た15インチユニットを固定するネジを、均等なトルクで締め付けることが重要だとおっしゃっていた。
オートグラフのホールトーンにどっぷり浸かった後、帰宅して我が家のグッドマンで同じアルバムを聴くとその低域の質の違いに驚かされる。
そんな中でも耳に慣れた響きが心地よく感じられ、sigetaさんの機器に比べると大人と子供ほどの違いはあるが、これはこれでバランスが取れているとひとりごちた自分がいるのである。
sigetaさん、素晴らしいひと時をありがとうございました
http://my-vintage.music.coocan.jp/2020.html
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2022/09/24 (Sat) 06:24:36
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オークション情報
2022年09月24日
否が応でも段々と人生の残された時間を意識せざるを得ないようになると、オークションに出品されているオーディオ機器への見方も変わってくる。
「欲しいことは欲しいけど、あとどれくらい楽しめるんだろうと思うとつい二の足を踏んでしまう」というのがそれ。
昔は、それはそれは熱い眼差しで眺めたものだったが(笑)。
そういう醒めた眼差しのもとで、つい最近の気になったオークション情報を述べてみよう。
1 STC 4300A(出力管)
英国のSTC(Standard Telephones and Cables )といえば「ロンドン・ウェスタン」ブランドとして真空管愛好家の中では「泣く子も黙る」存在だ。
そのツクリは極めて緻密で、一部には「ウェスタン」よりも上だという方もいるほどでその信頼性は極めて高い。何しろ寿命は長いし、もちろん音の方もすこぶるいい。
STCはいろんな型番の真空管があるが、そのうち有名なのは「4300B」という日本向けに製造された球であり、さらに評判がいいのが歴史のある「4300A」だ。
今回は1本だけの出品だが手元にはウェスタンの1967年製の300Bがあるのでペアで鳴らしても面白そうだなあ。
さあ、1万円スタートだがどのくらいまで入札額が伸びるか注視していたところ、落札時刻が近づくにつれぐんぐん上がって最後は「165,300円」也~。
高っ・・、いくらSTCといっても寿命があるんだし、どのくらい使ったか見当がつかないのにね~。
まあ、蛮勇を奮うには歳をとりすぎました(笑)。
2 TANNOY GRF 英国オリジナル箱 モニターゴールド
タンノイについてありていに言わせてもらうと「五味康佑」さんの影響もあってか、まるで魔法にかけられたかのように実力以上の評価がなされているんではないかという「胡散臭さ」がどうしても拭いきれない。
つまり、ブランドの評判につられて購入したものの、どれだけ満足して聴かれている家庭があるのか、率直に「?」だと思っている。ま、要らん世話だが(笑)。
実際にいろんなお宅で聴かせてもらったが、肝心の弦が硬すぎるしでどうもピンとこなかった。ごめんなさいね~(笑)。
とはいえ、福岡のSさん宅でオリジナルの「コーナーヨーク」に入った「モニターシルヴァー」(口径38cm)を聴かせていただいたときは、さすがにタンノイの「オールド・ユニット+オリジナル箱」の組み合わせは違うと唸った・・。
爾来、タンノイのユニットは国産箱ではなくてすべてオリジナル箱に限ると思ってきた。
そもそもイギリスのユニットは箱と一体化して聴くように作られているし、その一方アメリカのユニットは箱をうまく鳴らすという観念は無くて、力任せにユニットを駆動させようとする傾向にある。
このことはクラシック鑑賞とジャズ鑑賞の違いを如実に表しているように思えるが、さて今回のオリジナルの箱を使った「GRF」である。
日本家屋ではオートグラフよりも使いやすいのではあるまいか。
比較的広い部屋で、低音とか高音とかの細かいことをつべこべ言わず、ゆったりとクラシックを聴き耽るにはいいかもですね~。
ただし、AXIOM80を聴きなれた自分の耳にはまず物足りないと思うこと必定なので一切の未練は無いつもり・・(笑)。
で、肝心の落札価格だが「2、123、000円」でした。
ユニットのお値段はせいぜい20~30万円ぐらいだろうから箱の方の値段が大半を占めていることになる。
希少な箱なので、これは「モニター・ゴールド」ではなくて、「シルヴァー」か「レッド」あたりで聴いてみたいですねえ、じゃないとオリジナル箱がもったいない感じ~。
まあ、いずれにしてもこれは高みの見物でした(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/a738d25fa0b460597a3449248c3b03ba
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23:777
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2022/09/26 (Mon) 05:54:37
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「音楽&オーディオ」の小部屋
聴かぬが花か、「タンノイ」再考
2022年09月26日
前々回のブログ「オークション情報」で触れたタンノイのスピーカー。
「いいね、いいね」ばかりでは当たり前すぎるのであえて辛辣な書き方をしたところ(笑)、さっそく反発するかのように数年前の過去記事がランキングに登場していた。
どうやらこのブログは見張られているようだ(笑)。
内容の方はサッパリ忘れていたので、読み返してみたところ頷けるところもあるので以下のとおり今風に手直しして再掲してみよう。
先日搭載した「どうも気になるタンノイさんのオークション」は、1週間も経過した過去記事にもかかわらずいまだにアクセスが絶えない。
「タンノイってやっぱり気になる人が多いんだなあ」と改めて感じ入った次第。
まあ、読者の興味を惹いてくれたのなら、問題提起としての役割を果たしたことになるので(内容はどうであれ)良しとさせてもらおう。
さらにはまた、ときどきメールをいただくタンノイ愛好家の「I」さん(東日本)からも次のようなコメントが寄せられた。ご本人のご同意のもとに、以下のとおり掲載させていただこう。
「タンノイは、ボワンボワン・キーキーという定説的な評価がありますが(これがお好きな方もいますが)、私は決してこれがタンノイの真実ではないと思います。
私自身は、Hpd385A、モニターゴールド15を通じて16年間タンノイと格闘(笑)していますが、そういった縁で個人宅で様々なタンノイを聴かせていただく機会に恵まれました 。
どのお宅のいずれも、定説的な音で鳴っているところはなく、タンノイの使いこなしについて様々なご教示を頂くことが出来ました。
アンプやケーブルの選択に気を使われていることはもちろんなんですが、ある法則があることに気が付きました。
① モノラルパワーアンプを使用している。
② 機材は、スピーカーの間に置かない。
③ spは、mm単位で調整
④ タンノイ以外のスピーカーは置かない。
私がここまでタンノイへの興味が尽きないのは、十数年前に聞かせていただいた定説的な音とは真逆のタンノイを聴いてしまったからなんです。
部屋いっぱいに展開するオーケストラ、立体的な音像、風のように静かに流れて来る低弦楽器、これが本当のタンノイと知ったゆえなんです。
〇〇さんにも、本当のタンノイの音を知って欲しい。そうすればもう「タンノイさん」なんて揶揄するような言い方をしなくなるんじゃないかと(笑)。
機会があれば、拙宅の音もぜひ聴きにいらしてください。ヒントは惜しみなく公開しますので(笑)。」
以上のとおりで、うまくタンノイを鳴らそうとたいへんご熱心に取り組んでおられることにまず敬意を表します。16年もの年月をかけたタンノイの音はきっと「いい音」なんでしょうね。
そして、具体的に4点のご指摘がありましたが、すべて我が家の状況とは真逆ですね!
だけど、まことにごもっともな指摘だと思いますよ(笑)。
ただ、オーディオに関する論議の場合、こればかりは実際にお互いの音を聴き合ってこそ「成る程、あなたのご意見の趣旨はよくわかりました」となるのが普通なので、このままではお互いに「闇夜の鉄砲」みたいな感じになってしまう懸念が大いにありますね。
このことを念頭に置いて話を進めましょう。
実は、これまでオートグラフを主体にいろんなお宅の「タンノイ」を聴かせていただきましたが、オーケストラはともかく、総じて「ボーカル」「ヴァイオリン独奏」「金管楽器の咆哮」にやや不満が残ったのは残念です。これならいわゆる「普通の音」のレベルですし、ジャズはもちろん論外でした。
これは「S」さん(福岡市)が使っておられる「コーナーヨーク」(モニター・シルヴァー入り)です。わざわざイギリスから直輸入された生粋のオリジナルですが、これまで聴かせていただいたタンノイの中ではこれがベストでした。
低音がいっさいボンつくことなく、瑞々しい中高音域に圧倒され、いわばタンノイの「新しい貌」としての強い印象を受けました。
で、ぜひ「I」さん宅の「生粋のタンノイの音」も聴かせていただきたいわけですが、むしろ「聴かぬが花」で我が家の音も含めてお互いに想像の範囲に留めておく方が無難かもしれませんね(笑)。
いずれにしても、今回寄せていただいたご意見により「タンノイ」の奥深さの一端が認識できたような気がしています。不躾な表現お許しください。
なお、これから「タンノイさん」の呼称について、敬意を払って「タンノイ」に改めますので、どうかご安心ください(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/6fbf732a8dcfe37ea40fbd004c6675ca
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24:777
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2023/08/29 (Tue) 08:07:40
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「音楽&オーディオ」の小部屋
オークション情報~大量のタンノイのユニット~
2023年08月29日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/248e2240c0995d9e20b572b333469038
英国のスピーカーの名門「タンノイ」については今でもいろんな思いが複雑に絡み合っている。
なぜかといえば・・、
何しろ今から50年以上前の話になるが、青春時代に傾倒していた「五味康佑」(作家)さんのご推奨のスピーカーだったし、当時の乏しい小遣いをやりくりして初めて購入した思い出のスピーカーだったのでね~。
「ⅢLZ・イン・キャビネット」 → 「インパルス15」 → 「ウェストミンスター」と遍歴を重ねてきたが、途中から自分の求めている音ではないように思えてきてアッサリ「AXIOM80」など現在の方向へ舵を切ったが、はたしてその見切りが正しかったのかどうか・・。
まあ、オーディオは簡単に割り切れないことばかりですから、その一環ですけどね~(笑)。
そういうタンノイのユニットが先日のオークションで大量に放出されていたので、気づかれた方も多かったに違いない。
タンノイの「ゴールド」タイプがまとめて「7ペア」も出品されていたのだから誰もが驚く。こういうことはきわめて珍しい。
内訳は「口径25cm(10インチ)」が1ペア、「口径30cm(12インチ)」が3ペア、「口径38cm(15インチ)」が3ペアといった具合。
「いまさらタンノイなんて・・」という気もするが、そこはそれ、破格的な安いお値段だったらと、少し食指をそそられたのも事実(笑)。
ちなみに、タンノイの歴史と伝統はユニットの変遷に象徴される。
マグネットのカバーの色によって「ブラック」 → 「シルバー」 → 「レッド」 → 「ゴールド」 → 「HPD」・・となっており、音質の方は古ければ古いほど上質とされ、市場価値も見事に比例している。
ブラックは希少品で市場にはほとんど出回っていないと聞くが、今回は「ゴールド」だから飛びつくほどではないかな・・。
ちなみに前述した「五味さん」が愛用されていた「オートグラフ」には15インチの「レッド」が入っていた。
興味の対象はいったいどれくらいの価格で落札されるんだろう?
注目の落札日は「26日」(土)の夜だった。
もったいぶらずに、結果を明かすと、口径25cmが「75千円」、同30cmが平均で「9万円」前後、同38cmが「18万円」前後だった。
これが「レッド」タイプなら軽く2倍以上はいくことだろうが、それにしても通常のユニットと比べるといいお値段である・・。
「タンノイ人気いまだ衰えじ」の感を強くした。
そういえば4年ほど前にこのブログの読者(タンノイ愛好家)からメールをいただいたことを想い出した。
以下、再掲してみよう。当時、このブログに搭載することはご了解を得ているので再度ということで無断掲載をお許し願いたい。
「タンノイは、ボワンボワン・キーキーという定説的な評価がありますが(これがお好きな方もいますが)、私は決してこれがタンノイの真実ではないと思います。
私自身は、Hpd385A、モニターゴールド15を通じて16年間タンノイと格闘(笑)していますが、そういった縁で個人宅で様々なタンノイを聴かせていただく機会に恵まれました 。
どのお宅のいずれも、定説的な音で鳴っているところはなく、タンノイの使いこなしについて様々なご教示を頂くことが出来ました。
アンプやケーブルの選択に気を使われていることはもちろんなんですが、ある法則があることに気が付きました。
① モノラルパワーアンプを使用している。
② 機材は、スピーカーの間に置かない。
③ spは、mm単位で調整
④ タンノイ以外のスピーカーは置かない。
私がここまでタンノイへの興味が尽きないのは、十数年前に聞かせていただいた定説的な音とは真逆のタンノイを聴いてしまったからなんです。
部屋いっぱいに展開するオーケストラ、立体的な音像、風のように静かに流れて来る低弦楽器、これが本当のタンノイと知ったゆえなんです。
〇〇さんにも、本当のタンノイの音を知って欲しい。そうすればもう「タンノイさん」なんて揶揄するような言い方をしなくなるんじゃないかと(笑)。
機会があれば、拙宅の音もぜひ聴きにいらしてください。ヒントは惜しみなく公開しますので(笑)。」
これに対して、以下のとおり返信した。
うまくタンノイを鳴らそうとたいへんご熱心に取り組んでおられることにまず敬意を表します。16年もの年月をかけたタンノイの音はきっと「いい音」なんでしょうね。およそ想像がつきます。
そして、具体的に4点のご指摘がありましたが、すべて我が家のシステムの状況とは真逆ですね!
しかし、まことにごもっともなご指摘だと思いますよ(笑)。
ただ、オーディオに関する論議の場合、こればかりは実際にお互いの音を聴き合ってこそ「成る程、あなたのご意見の趣旨はよくわかりました」となるのが普通なので、このままでは「闇夜の鉄砲撃ち」みたいな感じになってしまう懸念が大いにありますね。
このことを念頭に置いて話を進めましょう。
これは五味康祐さんが使っておられたタンノイ「オートグラフ」(モニターレッド入り)の復元です。わざわざイギリスから直輸入されたもので生粋のオリジナルです。
はたして箱がオリジナルかどうか、これはタンノイを評価するうえで大きな要素だと思っています。(日本国内にはティアック製などが蔓延してますからね)
実は、これまでオートグラフを主体に幾多のお宅の「タンノイ」を聴かせていただきましたが、オーケストラはたしかにいい線をいっているけれど・・、総じて「ボーカル」「ヴァイオリン独奏」「金管楽器の咆哮」にやや物足りなさが残ったのは残念です。ジャズはもちろん論外でした。
こういう先入観を払拭するためにも、ぜひ「I」さん宅の「ほんとうのタンノイの音」を聴いてみたいというのがホンネですが、何しろ距離が遠すぎて・・・(笑)。
というものだったが、やはり現時点においてもタンノイはどんなにうまく鳴らそうといえども自分に言わせると望遠鏡みたいな感じの音という印象がぬぐえないのが偽らざるホンネ。
「AXIOM80」のような緻密で顕微鏡的なサウンドはどう転んでも無理なので長く付き合うのは無理ですたい・・、おっと、とうとう九州弁が・・(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/248e2240c0995d9e20b572b333469038
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25:777
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2024/02/11 (Sun) 19:53:10
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「音楽&オーディオ」の小部屋
「タンノイ」と「グッドマン」に思う
2024年02月10日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b09091765cd15b924d513c70224d7035
「〇〇さん、タンノイのユニットに興味ありますか?」と、連絡があったのはオーディオ仲間のSさんからだった。
「ええ、無いことも無いのですが・・」と歯切れの悪い返事をしたところ、「現在オークションにタンノイの(モニター)レッドのユニットが出品されてますよ。あなたが好きな口径30cmです。しかも中央部があめ色で、これはレッドの初期バージョンです。シルバーの音に近いとされていますので特に人気がありますよ」
ほう・・、俄然色めき立った(笑)。
レッドとかシルバーとか「何のこっちゃい?」という方がおられるかもしれない。
クラシック音楽向けとされる英国のスピーカー「タンノイ」の歴史は古い・・、そしてユニットの変遷をいくつも重ねてきた。
古い順に、モニター「ブラック」、「シルバー」「レッド」「ゴールド」「HPD」・・といった具合で、この色彩の命名はマグネットのカバーに由来したものだ。
で、タンノイは古ければ古いほど音が良いとされている・・、何故かはわからないが、憶測すると真空管と同じで大衆に向けて広範に普及しだすと材質の吟味から細かなツクリまでメーカーはコストを念頭に手を抜きたがる傾向がある。
所詮は利潤を追求するのが生き残っていくためのメーカーの使命ですからね~。
ちなみに、名管とされる「WE300B」の初期バージョンの「WE300A」は先年のオークションで「160万円」の高額で落札されたのはまだ記憶に新しいところ、たかが真空管だけどね・・(笑)。
で、「レッドの前期版」だが、さっそくオークションで見つけて「ウォッチリスト」に登録して見守ることにした。
で、途中経過の入札価格を見た途端に戦意を喪失した・・、20万円以下ならともかく、もうすでに越えている(笑)。
あとはどのくらいの額で落札されるかに興味が移った。
もったいぶらずに決着をつけると「落札日は2月7日」落札額は「459,300円」・・。
え~っ、およそ46万円もする価格に驚いた。
さっそく「S」さんにご注進・・、「例のレッドは46万円でしたよ!」「ああ、それは安かったですね。業者の販売価格は60万円台ですからね・・」「ほう・・、それを知ってる人たちが殺到したんですね、まったく生き馬の目を抜く世界とはこのことですねえ・・」
ただし、これは私見としてズバリと言わせてもらうとタンノイは実力の割には買い被られている。つまり、お値段と実力が釣り合っていない。
これも「五味康佑」さんが「タンノイの回し者」とまで言われたように、あの独特の「音楽評論」とともにその素晴らしさを過剰と思えるほどに吹き込んだせいだ・・、愛読者はまるで魔法にかかったみたいに「タンノイ」が欲しくなるんだから~(笑)。
実はこの自分がそうだった・・。
我がタンノイ遍歴を述べてみると「ⅢLZ(イン・キャビネット)」に始まり、「インパルス15」そして「ウェストミンスター」へとグレードアップしていったが、結局今となってはバランス的に「ⅢLZ」がいちばん良かったと思っている。
そして、今や「ウェストミンスター」の中身はすっかり原型を留めておらず、口径38cmのユニットは追放の憂き目に遭い、長大なバックロードホーンは自分好みに簡略化している。
そして、まことにお粗末な部品が使われているネットワークは即刻廃棄して、クロスオーバーを「1000ヘルツ」から「ハイカット100~200ヘルツ(ムンドルフのコイル)の切り替え方式」にして、ようやく好みの音になってくれた。
仲間たちは「あのタンノイを改造するなんて度胸がありますねえ」と、一様に感心してくれるが、内心「こいつアホとちゃうか」と思っているかもねえ(笑)。
まあ、どう思われようといい・・、人生一度きりなんだからせめてオーディオくらいは心行くまで好き勝手にさせてもらおう。
ブランドとかオリジナルにこだわるのは「愚の骨頂」だと思っているが、はたから見るとどうなんだろうねえ・・。
で、タンノイにひきかえ、格上とされている同じ英国の「グッドマン」が、実力以下に過小評価されているのが残念でたまらない。
現在愛用しているのは「AXIOM80」(2ペア)、「TRIAXIOM」(口径30cm同軸3ウェイ)、「AXIOM150マークⅡ」(口径30cm)の3つのユニットだが、独特の哀愁と翳りを醸し出す音ヅクリにぞっこんである。
グッドマンは例外が若干あるとしても、基本的に口径38cmのユニットに手を出さなかったところにメーカーとしての矜持と慧眼を思い知るのである。
で、これほど際立った能力があるのに「存続」という面でタンノイの後塵を拝したのはなぜか・・、やっぱり「エンクロージャー」を作らなかったせいかなあ~。
レコードやDACなどの前段機器、増幅機器のアンプなどではどうしても解決できない次元の違うノウハウ的なものがエンクロージャーに秘められている気がしてならない、いわばオーディオの最後の砦・・。
つい、オークションの話からあらぬ方向へ発展してしまった。
はなはだ身勝手な独演会はこのくらいにして、違ったご意見もお伺いしたいところですね(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/b09091765cd15b924d513c70224d7035
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2024/04/10 (Wed) 17:41:51
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「音楽&オーディオ」の小部屋
口径38cmのユニットを使わない理由
2024年04月10日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/82e3ceca619afb033285a5fc0e42e5ed
オーディオ記事を書くたびに、いつも脳裡の片隅にあるのが(記事の内容を)「ジャズ・ファンが真に受けると拙いなあ」・・。
なぜなら、クラシックとジャズでは音の楽しみ方が違うと思う・・、つまり前者はハーモニーを重視し、そして後者はリズム感を通じて力感や勢いを楽しむ音楽だから~。
もちろん私見である。
ほんとうに いい音 はクラシックもジャズも差別なく聴けるものだ・・、「実際に我が家がそうだ」というご意見もきっとあることだろう(笑)。
そこで、わかりやすい実例として我が家で「口径38cmのユニットを使わない理由」を縷々述べてみよう。
先日のこと、オークションにワーフェデール(英国)の口径38センチ(15インチ)のユニットが1本出品されていた。
お値段は「13,800円」と超安いうえに、音がメチャいいとされている「赤帯マグネット」付き!
原則として我が家では「38cm」はお呼びではないが、コスパがいいとついフラフラッとくるのはいつものこと(笑)。
我が家のウェストミンスターに使えそうなユニットなので落札したいところだが、なんといってもステレオとしてはあと1本欲しいところ。
そこでヨーロッパのSPユニットに関して独自の輸入ルートをお持ちのTさんに伺ってみた。
「実はお伺いしたいことがあります。現在オークションにワーフェデールの口径38センチのユニットが1本出品されてます。落札したいのですが、ステレオ用としてあと1本欲しいところです。
そこで、T様のルートから同じ口径38センチが手に入る可能性はありますでしょうか。まことに勝手のいいご相談ですが、いかがなものでしょうか。」
すると、ご丁寧にも次のような返信があった。
「お元気ですか。
ご照会の件ですが、当該のオークションも覗いてみましたが、アルニコの15インチタイプはなかなか見つけられないと思います。
15インチはどちらかというとアメリカ人好みのようで、イギリス国内では、Wharfedaleに限らず、15インチのユニットそのものが、あまり見受けられないように思います。
ご期待にそえず申し訳ありませんが、これに懲りず、また何かありましたら、いつでもご照会なり、ご相談なりしてください。 では、失礼いたします。」
というわけで、手に入れるのが難しいとなればオークションの出品物を諦めざるを得ない。1本だけではどうしようもないので~。
さて、ここで何が言いたいのかといえば、イギリスでは15インチ(38センチ)のユニットがあまり見受けられないということ。
たしかにグッドマンやワーフェデールなどの有名どころにしても、15インチがあることはあるがめったに見かけない。
後日、この件を「有識者」に話したところ次のようなコメントがあった。
「そうなんです。イギリスは口径30センチのユニットが圧倒的に多いです。音のスピード感と繊細な表現力と適度な量感をマッチングさせるとなると口径30センチのユニットがベストと考えているのでしょう。
私もそう思います。したがって、あなたのユニットの選択は間違っていないと思いますよ。口径38センチのユニットを思いどおりに動かすのはたいへんです。タンノイの昔のユニットがなぜいいかというと、コーン紙の重さが軽いのも一因でしょう。」
この言葉にたいへん意を強くしたのは言うまでもない(笑)。
口径38センチのユニットはそれなりの魅力もあるのだが、どうしても空気を押し出す量と抵抗、そしてコーン紙の重さを考え合わせると、音声信号に対する追従性に問題が出てくる。
それがイヤで我が家のユニットはウェストミンスター内蔵のユニットまで含めてウーファー系はすべて「口径30センチ」に留めている。
いわば、クラシックの低音は主として箱の響きを利用して鳴らす、その一方ジャズの低音は口径の大きなユニットを強力なアンプで これでもかといわんばかりに ガンガン駆動する・・。
で、我が家で使用している小出力の「3極管シングル」アンプとの絡みもあるので一概には言えないわけだが、これまで使ってきた口径38センチのユニットはすべてオークションに放出してしまった。
そういえば、タンノイの創始者「G.R.ファウンテン」氏が愛用していたのは「オートグラフ」ではなく、口径25センチの「イートン」だったことはよく知られている。
これがクラシックを愛好するイギリス人の良識あるオーディオ観といっていいだろう。
自分もタンノイは「ⅢLZ・イン・オリジナル・キャビネット」「インパルス15」「ウェストミンスター」と使ってきたものの、一番バランスが良かったのは最初に使った「ⅢLZ」だった。今となっては手放さなきゃよかった(笑)。
まあ、 クラシックファンの中で「口径38センチ」のユニットを使っておられる方はたくさんいらっしゃるので、こればかりは是非もないが肝心の「お耳のセンス」の方は「?」だと内心秘かに思っている。
というか、好きとか嫌いというよりも「ブランドを盲信」されている方が大半だろうし、改造する勇気も無いし面倒だというのが実状だろう。
そこで、外野席から反論・・、「お前の勇気なんて蛮勇というものだ」という声が聞こえてきそう(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/82e3ceca619afb033285a5fc0e42e5ed
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2024/04/13 (Sat) 09:32:49
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「音楽&オーディオ」の小部屋
ボーカルの再生
2024年04月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5df57a85f390c82c217b8a1b266699b0
先日のブログ「小澤征爾 指揮者を語る」の中で紹介した小澤氏のコメントを改めて再掲させてもらおう。
「音楽の根源は人間の声から始まったと我々は思っているわけ。それから楽器は声の代わりに音楽をつくってきた。だんだんとそれが、声ではとても出ない高い音や低い音をヴァイオリンとかで出せるようになった。
だけど音楽の根源は声だとすると、息を吸うことは絶対必要で管楽器は息を吸わなければいけないけど、ヴァイオリンなどの弦楽器は息を吸わなくても弾ける。しかし、そこのところで、息をみんなにうまく吸ってもらう指揮者もいて、それがいい指揮者だと言われる。」
というわけで、声が音楽の根源だとするとオーディオだって声の再生が出発点だと考えてもおかしくないですよね~。
人の声は日常的に聴きなれているので、再生装置で聴くときも「生の声」との違和感にいちばん気が付きやすいのでなかなか厄介な存在だと思う。
で、声の再生に有利なスピーカーといえばやはり「同軸ユニット」ですよね~、そして同軸ユニットといえばタンノイかなあ・・。
「タンノイ」に関しては我がオーディオの歴史において重要な位置を占めているものの、一方では複雑な思いがあってなかなか一口では語れないブランドである。
「ⅢLZ・イン・オリジナル・キャビネット」、「インパルス15」、「ウェストミンスター」と遍歴したが、「ⅢLZ」のときは当時黄金の組み合わせと言われたラックスのアンプ「SQ38FD」で鳴らしていたのだが、このアンプは出力トランスが故障した。
これまでずっと真空管アンプを使ってきたが、出力トランスがイカレタなんて後にも先にもこの機種だけで、これは真空管アンプとしては絶対にあってはならない故障だと思う・・、腹が立ったので以後、ラックス製品はいっさい使わないことにしている。
それもこれもあって、嫌気がさしてきてとうとう「ⅢLZ」と「アンプ」をセットで手放して、次は15インチのユニットにしたが、これまたうまく鳴らせなかった。というか、その頃からどうもタンノイの音が自分に向いているのだろうかと懐疑的になってしまい、とうとうオリジナルユニットを外して現在に至っている。
こうして満足に使いこなせなかったタンノイだが、さすがにボーカルの再生を含めて同軸2ウェイユニットの音像定位の優位性には見るべきものがあった。
以前、オーディオ仲間のU君(福岡)から次のようなメールをもらったことがある。ちなみにU君は工学部で音響学を学んでいる。
「小さな口のボーカル再生が望ましいと言ったのは、録音する際のテクニックから来ています。通常、ボーカルを録音するにはボーカルマイクを使用するのはご存知の通りです。
そして特別の事情がない限り、ボーカルはセンターに定位させます。「センターに定位」と言ったのは、左端から右端までのどの位置にも自由に定位させることが出来ますが、普通はセンターにさせるからです。
そしてセンターに定位させると、左右チャンネルに同位相・同レベルの音声信号が記録されます。このボーカルの入ったCDを再生すると、ボーカル音声信号に関しては同位相・同レベルの音波に再現されるのが理想ですが、「同位相」というところで引っ掛かって来ます。
音波の位相が乱れる原因はスピーカーのマルチウェイにあります。本来なら一つの音声入力に対して、それに対応した一つの音波が発せられて耳に到達すれば良いのでが、マルチウェイの数だけ音波が発せられ(当然強弱の差はありますが)、空間で合成されて一つの音波となります。
この時、各スピーカーで発せられた音波の位相が微妙に違うため、本来あるべき音波波形から崩れてしまうことが、ボーカリストの口の大きさにつながります。
原理的に、ソロボーカリストは“センターで小さな口”で録音されている筈です。小さな口を小さく説明しようとしましたが長くなりました。」
ボーカルの再生に当たっての聴感上の留意点として、一般的にボーカリストの口の大きさがどのくらいに聴こえるか、息継ぎ(ブレス)が明瞭に聴こえるかといったところが上げられる。
ほら、五味康祐さんの名著「西方の音」の中にも、「歌手がカバのように大きな口を開けて唄うスピーカーがある」という表現が出てくる!(笑)
というわけで小さな口で歌うように聴こえるという点ではフルレンジや同軸ユニットの優位性は圧倒的だし、これを敷衍すると一つのシステムの中にSPユニットが多くなればなるほど不利になるのは言うまでもない。
ただし、もちろん同軸ユニットも万能ではなくて周波数レンジの狭さやスケールの面においてオーケストラの再生などにはあまり向かない。
この両面を一挙に解決しようとしたのがタンノイの同軸ユニットというわけだが、個人的には周波数レンジや繊細さの面でちょっと物足りない。
結局「あちら立てれば、こちら立たず」 → 「二兎を追うもの一兎を得ず」
そういうわけでオーケストラとボーカルの両極端のいずれかに(システムが)特化してしまうのか、それとも中庸で我慢するか、オーディオはこういう選択の行きつ戻りつで、ただひたすら時間だけが過ぎていく(笑)。
最後に、我が家のスピーカーのうちボーカル再生において「ベスト3」を挙げておこう。
1 「AXIOM80」(英国グッドマン)
2 「PL100」(英国モニターオーディオ)
3 「TRIAXIOM」(英国グッドマン)
2番目の「PL100」だが、7000ヘルツ以上に「ツィーター」(ワーフェデール)を付け加えて、この程ようやく愁眉が開きました。
小口径ユニットの有利性、 箱の響きを極力排した優れた応答性・・、最高で~す!
実はこれが書きたいばかりに、あれやこれや延々と引っ張ってきました(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/5df57a85f390c82c217b8a1b266699b0
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2024/10/08 (Tue) 08:06:38
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「音楽&オーディオ」の小部屋
オーディオはメーカーを疑うことから始めよう
2024年10月08日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2061b295eb41f26722c3784aa8c54cfb
前々回のブログ「高域特性の良いコンデンサーの波及効果」の文面をまだご記憶でしょうか。
ちょっと不安なので、念のため該当箇所を再掲しましょう(笑)。
JBLの「LE-175」ドライバーに付いている純正の「小型ハチの巣ホーン」を「マルチ・セルラー・ウッドホーン」に取り換えた話です・・。
こういうコメントを加えていました。
「ワクワクしながら耳を澄ますと・・、いやあさすがに「LE-175」ですな!
小型ハチの巣ホーンよりは明らかにウッドホーンの方が伸び伸びとした音が出る。「純正」が「伏兵」に敗れるレアなケースだね、これは~。
とはいえ、お値段的には「ウッドホーン」の方が上なので「JBL」がコスト削減したという見方も成り立つ・・。
いやむしろ、JBLのポリシーとして「マルチ・セルラー・ウッド・ホーンを使いたくない」というのが正解かもね~。」
とまあ、今にしてみると素人の「生兵法」みたいなコメントだったが、これに、さっそく反応していただいたのが、JBL愛好家の「T」さん(東海地方)。一昨日(6日)に次のメールが届いた。
「JBLのLEー175で気になった事をお知らせします。JBLでは最初にマルチセルラーホーンを出していました。しかしバッフルに取り付ける時に大きいのでコンシューマーのスピーカーとしては小型にする必要があり1217-1290(小型ハチの巣ホーン)になったと考えられます。小型にしたために情報量が減りました。」
成程・・、そういうことでしたか!
つまり、音質的にはマルチ・セルラー・ホーンの方が良かったのに、スペースの関係で仕方なく小型のホーンにしたというわけですね。
「押しも押されもせぬ」天下の「JBL」なのに・・、そういう安易な(?)妥協をしていることにいささか驚かされた。
で、これから導き出される答えはただ一つ~。
メーカーの純正品といってもあまり当てにならない・・、諸事情のため音質を二の次にしている事例がある!
ちなみに、諸事情というのは、まずは「コスト」、「スペース」、そして「下請け企業への配慮」といったところだろうか。
以上、まったく「我が意を得たり」で、ここぞとばかり(我が家の)メーカーを信用していない典型的な事例を上げてみよう。
まず、血祭りにあげたい筆頭はタンノイの「ウェストミンスター」である。
分解して詳細に調べたところ、ボックスに内蔵してあるネットワーク(クロス1000ヘルツ)に極めてお粗末な部品を使っていることに驚いた。これでは「いい音」の出ようはずがない。
とはいえ「これもタンノイの音づくりの一環だ」と主張されれば身も蓋もないが、良質の部品を使ったうえで、そう主張してもらいたいな~。
使ってあるユニット(口径38cm:同軸2ウェイ)も、極めてお粗末なマグネットが付いていたので、即刻「お払い箱」にして取り換えたのは言うまでもない。
天下の「タンノイ」や「JBL」 でさえこれだから一流のブランドといってもゆめゆめ信用できないですよね。
つまり「ブランド」への盲信は禁物・・、「オーディオはメーカーを疑うことから始まる」といっても、過言ではないかもしれませんよ~。
スピーカーの場合に特に顕著のような気がしますが、もちろん全否定ではなく部分的な「いいとこ取り」精神が肝要ではないでしょうか・・、以上、ちょっと調子に乗って「我田引水」気味だったかな~(笑)。
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/2061b295eb41f26722c3784aa8c54cfb