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クラシックに向くスピーカー、ジャズに向くスピーカー

1:777 :

2023/04/15 (Sat) 13:50:18

ジャズを一番いい音で鳴らせるのは仏スプラヴォックスのフィールド型スピーカーとサウンドパーツの 300B プッシュプルアンプの組み合わせ


真空管アンプ、励磁スピーカーショップ サウンドパーツ訪問
2021/05/29
https://www.youtube.com/watch?v=HHh7Z-QyaPw&t=6s

長野県にあるオーディオショップサウンドパーツ

半年くらい前から気になりやっとゆくことができました。オーナーさんから写真や動画のアップの了承をいただいております。

スピーカーは3wayではなく2wayになります。訂正いたします。




サウンドパーツ HP
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html
http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html

サウンドパーツ/SOUND & PARTS
390-1702 長野県松本市梓川梓856-7
TEL 0263(78)5206

サウンドパーツ 300B プッシュプル・アンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/114.html  


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仏 Supravox (field type 2way system)扱い特約販売店

サウンドパーツ
〒390-1702 長野県松本市梓川梓856-7
  Tel: 0263(78)5206/fax0263(78)5207
HP:http://www.soundparts.server-shared.com/


Supravox History
https://soundbox.co.jp/Supravox/history.htm



Cafe Arvo (今年から閉店)

北海道 空知郡 南富良野町 字東鹿越

かなやま湖を臨む小高い丘の上の音楽・オーディオ喫茶です。

英米仏各国の趣の異なる大型スピーカーで、クラッシックやジャズをお楽しみください。


仏 Supravox (field type 2way system)

米JBL Everest DD66000

英Vitavox CN191(original model)
http://www.minamifurano.jp/eat.drink.gift.arubo.html
http://cafearvo.com/

Cafe Arvo Speaker Systems

仏 Supravox (field type 2way system)

現在では珍しいfield type (励磁型) スピーカーです。

長野県松本市のアンプ工房 サウンドパーツがアッセンブルしたway平面バッフルを壁に埋め込んでいます。

クラシックもジャズもこなすオールマイティーのシステムです。ジャズでは歯切れのいいリズム、クラシックでは艶やかなヴァイオリン、特に室内オーケストラでは軽く漂うような通奏低音が魅力です。

Supravox純正のTw ・TG1の調整がほぼ終わりました。おもにヴァイオリンがうまくなるように調整したのですが、すると声楽もよくなり、今ではこのシステムを聴く時間が一番長くなりました。

米JBL Everest DD66000

どちらかというとジャズ向きのシステムで、古いモノラール録音のものから最新のSACDまで楽しく聴かせてくれます。
一方、クラシックでもピアノやオルガン曲は得意分野です。

英Vitavox CN191(original model)

本来2wayのスピーカーですが現在のソースに対しては帯域が狭いので高域にはALE1750DE、低域はエレクトロヴォイス30Wを足して4wayマルチチャンネル、すべて真空管アンプで駆動しています。

主に大編成の管弦楽曲を鳴らしています。
http://cafearvo.com/ArvoSpeakerSystems.html



November 2013
先日、学生時代に同じ室内オケで演奏していた仲間が遊びに来ました。当時の楽器はヴァイオリンが二人、ヴィオラ、クラリネットが各一人。(このヴィオラとクラは部内恋愛で結婚しました)皆それぞれ仕事が忙しく楽器からは遠ざかっているのですが、このヴィオラの友人だけはいまだに頑張っていて地元の市民オケで演奏を続けています。またこの男、諏訪内晶子の熱烈なファンで全国津々浦々彼女の追っかけをしています。それで彼が最初に希望した曲が諏訪内のブルッフの協奏曲でした。

なんでも諏訪内の音がディミニエンドしてオケに溶け込んでいくところが自分の装置ではうまく出ないんだそうです。それでヴァイタヴォックスで聴かせたところ「なるほど大きな装置ではこういう風に聞えるのか」と満足していました。

一方ヴァイオリンの内の一人の友人はジャズが好きで、三つの装置でいろいろ聴いた後、

「ヴァイタヴォックスは音に風格がある。
JBLはさすがというゴージャスな音がする。
しかし一番ジャズぽいのはスプラヴォックスだ」

とサウンドパーツの水谷さんが聞いたら大喜びしそうなコメントを残しました。

 それでも、みなが最後に口をそろえて言ったのは「結局は部屋がすべてだ、自分たちの住んでいる都会ではとてもこんな音量では聴かれないものな」ということでした。

ここは本当に音を出すには恵まれた環境だと思います。最初に設計に当たった時に音響コンサルタントの方が「遮音はどうしましょうか」と言ったときに「それは一切考慮しなくて結構です、大きな音で迷惑するのは熊、鹿、キツネくらいですから」と応えたものです。

 この季節、低い太陽の暖かい光が差し込む午後はブラームスの室内楽が聴きたくなります。
http://cafearvo.com/2013November.html


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Supravox/スープラボックス社はフィールド型スピーカー
http://soundparts.server-shared.com/fieldsupeker.html

オーディオと音楽鑑賞はつまるところスピーカーです
アンプ製作者からみれば「音質チェックの最終センサー」であり
リスナーの立場ではまさにオーディオの『全て』なのです



スピーカーの原点は…高効率で≪音的には白地≫であること
音楽再生の場面で「ジャズ向け」とか「クラシック向け」などと云う分類が誤っています
楽器や声に音楽ジャンルの差はなく、スピーカーが『個性』を持つのはメーカーの作為に基づきます
あなたご自身、音楽をお聴きになって臨場感・感情の発露…と云う要素を味わっておられますか?
淡々とリズムが流れるだけなら高級ラジカセと同じ、「感性」に一生触れることのない音楽鑑賞に意味があるのでしょうか
「名器」と語られるシステムの保有は自己満足を満たすかもしれません
でもココロに在る不満…どこか自分の想いとは違うなら<Supravox>を一度聴いてください


30年以上まえ、創業から数年で既にWEのフィールド(励磁)型スピーカーに関わり
バブル期にはJBL初期のアイコニック(A7前身の815ウーハ+801ドライバー/いずれもフィールド型)を数組販売
その後もLansing 287(288前身のフィールド型)や415(515前身のフィールド・同系に15XS・IPCのU1010などもある)も扱ってきました
WE555(W)は一時期店内の主力システムでしたし、4181・4151にも多く関わってきました
一方ドイツSachsenwerkなど戦前のラジオ用8~9インチフィールド型は2010年頃までに数百個を扱い、その魅力を多くの方に知って頂きました
米国製とは明らかに異なる音楽性がソコにはありました

あるとき、ザクセンウェルクを高域に2個・低域にアルニコの38㌢ウーハを用いた2ウェイシステムを製作
これが大失敗! 決して大袈裟ではなく、本当に気分が悪くなり5分も音楽は聴けない状況に唖然としました
パーマネント=永久磁石のウーハの音は明らかにフィールドのユニットに比べて脳が混乱する程度の微妙な差で遅れるのです
この差を聴いてしまうと当然処理スピードの速いユニットこそ本当の『音楽再生機』と考えて当然です
もう戻れない世界です


Supravox≪100H≫シリーズ
≪遺産シリーズ245EXCウーハ≫採用の2Way
システム完成から20日を経てクラシック/JAZZを問わずご来客の全ての方が絶賛
オペラからトッカータとフーガ・ツァラツストラも
JAZZドラムスの超ハイスピード再生も抜群
EXC245ユニットはSupravoxに2017年秋に就任した新オーナーとスタッフが同社の旧い資料から設計図を見つけ出し
クルトミューラー社製コーン紙とEXC285ウーハの磁器回路と組み合わせたもの
ボイスコイルは現代メーカーがほとんど採用する抵抗線を廃し高効率を実現しています
エッジやダンパーもクロス製でやや硬質なコーン紙も、自然感を重要視したヴィンテージ時代を思わせる素晴らしいユニットです
中型の床面積を取らないエンクロージャーは30ミリ厚ロシアンバーチ製の強固な作り
<偶然>か長い経験の<直感>かエンクロージャーとのマッチングは抜群です

<100Hエンクロジャー>入り
TG-1チタンツィーター+Supravox新開発EXC245ウーハ
⇒⇒電源付き1組(2台) 788000円(税込・送別)
チョーク出力の『スペシャル電源』付きは825000円
マホガニー>ウレタン塗装
現在の納期は約2週間です
ヘリテージ215フルレンジを使った2Wayは⇒⇒ノーマル電源付き1組(2台) 864000円(税込・送別)
<TG-1ツィーター>無しのヘリテージ215単発システムもお作りします

EXC245は仏Supravox社の新シリーズ≪EXCヘリテッジ≫1号機⇒ミドルウーハです
https://www.supravox.fr/en/categorie-produit/drive-units/heritage-series/

深絞りのカーブドコーンでコーン紙の厚さ・エッジ・ダンパーもややハードな古典ユニットを思わせるEXC245
(ユニット単体をご購入の方は、励磁型ユニットには空気が対流するようにご注意ください)
ネオジム/チタンドームツィーター<TG-1>と4.5kHzでクロスさせています
供給電圧で音の変化が確認できるのが励磁型の良さ⇒永久磁石では逆立ちしてもできないワザです
しかもこのスピード感と生々しさは励磁型とクルトミューラー社製コーンだけのもの
十分にメインシステムとしてお使い頂けるコンパクトなシステムの完成です
このシステムは佐川急便「ラージ宅急便」で全国どこでもお届けします


仏スープラボックス社製ユニット使用のサウンドパーツ『100Hシステム』2Wayには<215>と新製品<245>があります
ツィーターにはチタンドーム/ネオジム磁石の<TG-1>を採用
ツィーター無しのバージョンもございます
主ユニットに
繊細表現の上手い同社最上級のフルレンジユニットEXC215を用いたタイプと
新登場のミドルウーハシステムEXC245を組み合わせたタイプです
両タイプともスピード感と楽器と声の表現が抜群
現在の高級スピーカーが失いつつある『音楽を聴く喜び』に溢れています
ベース部 410W×300D×1030H(本体 400W×220D)約36kgのコンパクトなサイズからは想像できない低域再生があります
ロシアンバーチ(蒲合板)30㍉厚で構成しているシステムは例がありません

 
左215EXC/右245EXC


スープラボックス・フィールド型『120H』スピーカーシステム
2019年末にて受注を終えました 

Supravoxフィールド型スピーカーのご成約が相次いでいます
「生涯のスピーカーを…」とご来店の方を圧倒する魅力で惹きつけてしまいます
在来のシステムとの差に愕然!…声も楽器も肉迫して生演奏に限りなく近い印象はナニモノにも代えがたいもの
音に混濁感が無く一音一音がキレイなのはスピードが速い証拠、余韻の美しさと声楽の良さに圧倒されます
予想もしなかったご経験の無い世界が目前に現出する…

今までのオーディオはいったいナンだったのか、音楽を聴く方にとって従来のスピーカー概念が変わる瞬間です

フィールド型スピーカーは「電磁石によるマグネット」を持つ…と云うだけで
反応の速さではアルニコやフェライトなどのパーマネント型の比でなく、聴くとその説得力が心に残ります
ピアノ・ドラムのアタック音は実際に限りなく近く音に滲みが無くてエコー成分の美しさにも惚れ惚れします
紙臭さやユニット独特の色付けは皆無…目を閉じればスピーカーの存在を忘れることが出来ます

そんなフィールド型ユニットの現行製品がフランスSupravox社のユニットです

Supravox History
https://soundbox.co.jp/Supravox/history.htm


本当に良いモノは良い食材や自然の花に似て、そのままが美味しく美しいもの…Supravoxのユニットがそうです
寿命の短いウレタンエッジではなく布エッジにビスコロイド塗付、コーンもクルトミューラー社製の「紙」で
何よりもピアノと声が抜群でサックスなどリード楽器・バイオリン等の弦楽器・トランペットでもホーン+ドライバ―より秀逸です

ことスピーカーに関しては或る程度の『投資』は避けられません
でも良いもの・一生もの…を保有すれば音楽人生を後悔せずに済みます
今後はどのスピーカーを聴いてもSupravoxフィールド型をなかなか超えてくれない…ことを確認されるだけになります
それが本当かどうか…はご来店でのご試聴か、お信じ頂くしか無いのですが
サウンドパーツ製のドイツ戦前ユニット・システムとスープラボックスの多くのオーナー様からは絶大のご支持を頂いているのが「実績」です

フランスSUPRAVOX社のフラッグシップモデル≪215EX≫
ボイスコイル/4Ω フィールドコイル/4Ω推奨電圧12V 

マグネット部分はウーハ400EXCと似ていますがより丁寧に作られています

仏SPRAVOXの最高級フルレンジ215EXフィールド型ユニットの画像です
同社の全製品中でウーハすら超える最も高価なコダワリのユニット
その構造を見て納得…構造の多くの部分で30年代のユニット構造の形式を守っています
コーン紙は欧州著名ユニットのコーン紙製造のほとんどを手掛けるクルトミューラー社製でプリーツエッジにビスコロイド塗布と云うオーソドックス手法
画像のダンパーを支えるプレートの下部のクリアランスからはボイスコイル外周が見えます
かって世界で最もチェロの音が優れる…と絶賛された『シグネィチャー』ユニットの現代版なのです


 ≪家庭で音楽を愉しむスピーカーに望ましい構造的な要素は次に要約されます≫
どれほど優れた構造と特性を謳う製品であっても
結論は「ヒアリング重視」に尽きます
現代ユニットの開発者はエレクトロニクスの専門家がほとんど…つまり電気製品なのであり、音楽性の何たるか…を知りません
下記に自己流の音の良いユニットの見極め方の一部を述べますが、お奨めするフィールドユニットは無論この条件を満たしています

・銅かアルミのボイスコイル巻線…現代スピーカーは耐入力優先で「抵抗線ボイスコイル」を採用しています
例えば、口径20センチのユニットのボイスコイルを巻くボビンの直径はせいぜい直径数センチです
直径数センチのボビンに8Ωの銅線を巻くには細い線を使うのでどうしても大きなパワーは入りません
大パワー用ユニットのボイスはその対策に抵抗線を巻いています…信号は熱としてパワーアンプの出力を「浪費」します
結果として能率は落ち反応は鈍くなって、情報量の欠如を生じます
銅線かアルミ線のボイスが最良、能率は良くなり音も当然良いのです

・ダンパーを絶妙に…大入力に耐える硬過ぎるダンパーを使う現代ユニットは動作が鈍いのです
「ダンパー」とはコーン紙中心のボイスコイルのボビンをフレームとの間で支える部分です
大入力に耐えるにはボイスコイルが磁界中心から前後にハミ出ないよう硬い材質のダンパーを使います
最大パワーで使用しない家庭ではダンパーの硬さは微小信号には反応せず、情報量が落ちます
音質を優先して柔軟さを併せ持つダンパーは中心部を正確に保持しつつ微信号でも敏感に動き
しっかりしたエッジと併せて振動部の質量を支えますので情報量の欠落はわずかです
ダンパーは試行錯誤と経験値を要するノーハウなので単に入力パワーだけを重視する設計は音質をスポイルします

・軽い振動板と布/紙のエッジ…ウレタンエッジの初期性能は10年程度、そしてコーンは紙が優れます
一時は紙以外の素材が流行ったコーンも今ではほとんどが「紙」に戻りました
鼻をつまんだような音がしないのは「紙」、結局紙に勝る振動板は無いのです
重い振動板は誰が考えても動きは鈍く、周辺のエッジも適度にフラ付きを抑える硬さも得られる布か紙がベストです

・歴史上優れるユニットは6.5インチ以上…低域に“口径”は必用…小口径に余りメリットはありません
小口径ユニットは前後ストロークだけで低域を出そうとするもの、反動としてエッジの負担が大きくなり寿命に関わります
低域のために口径の小ささをテクニックで補うのはムリ、結果として固有のクセと「ポンスカ音」っぽくなります
「適当」な面積…165~230φのユニットはフルレンジとしても絶妙で過去の名器には小口径ユニットはありません
単純に口径20センチのユニットは口径12センチの3個分の振動板面積ですから優れたものが作り易いのです
10インチ/25φよりも口径が大きいと高域が伸びなくてフルレンジの要素はやや失なわれます

以上の条件に適うユニットでコーン紙の形状さえ良ければフィールドでなくてもかなり良い音がします
スープラボックス社<215RTF64Bic>もそのひとつです

フィールド型はボイスを動作させる磁力の供給方法が根本的に違うのです
コーン紙中心に位置するポールピースや周囲のヨーク、ボイスコイル外周のプレートが透磁率に優れた純鉄
決定的なのは永久磁石の代りにコイルを巻いて電磁力を与えると云う<励磁構造>
それぞれユニットに規定の電圧はありますが、自身で好きな電圧=磁力の強弱が変化できます
磁力を強めると良いか…と云えばそれは全く違います
電磁石だと強力な磁気を生じるのがメリットと思われていますがそれは誤りで「適度な磁力」なのです
磁石の強さがピッタリだと音としてとても美味しい領域が生じます…しかも常にエネルギーを与え続けます
フツーの永久磁石のスピーカーはメーカーが着磁した磁力の強さを変えようがありません
一方で経年変化で「適当」に減磁してしまったTANNOYレッドやWE755が名器と喜ばれます…偶然の産物です
スピーカーの振動系や磁気回路、箱の構造など多くの要素にマッチする磁力を決めることができる…
⇒これこそフィールド型スピーカーの最大の良さです

サウンドパーツは「壁崩壊」から数年後にいち早く
独1930年代フィールド型ユニットに着目し、それらを輸入して試行錯誤の上でメンテ方法を確立、システムとして販売しました
それまでにも主に米国の古典フィールドユニットは扱いましたが、ドイツのユニットは『目からウロコ』でした
戦前のドイツのラジオ用は原理に忠実で、耳を信じて作られただけにリアルさが素晴らしいものでした
それが製作するアンプのヒアリング・チェックに欠かせないと直感しました
音質重視主義の行き着くトコロ…それがドイツの戦前スピーカーユニットでした
無論WE/Lansing/Klangfilmなど多くの励磁型を体験済みですが、今は入手が難しく高価でリッチなマニア向けです
ドイツの戦前ユニットの魅力はその後多くで語られ、「永久磁石」のシステムには戻れない方も急増しています
最近はその流れの先にフランス/スープラボックス社が今も作り続けるフィールド型が存在していること嬉しく思っています
全ての「音質に優れる」要素が30年代のフィールドユニットと大差なく保証も万全なのです

サウンドパーツはフィールド型システムで豊富なノーハウを有しています

   
この画像は400XCの初入荷時に40㍉厚のバッフル板に取り付けて低音の出具合などのチェックをしたものです

Supravox/スープラボックス社はフィールド型スピーカーユニットを今も作り続けるメーカーです
fo=23Hzの超低域まで再生しMax120Wなのに96dB…ちょっと信じられないスペックです
1個のユニットに必ず2種のフィールド電圧別測定データを付けてくる良心あるメーカーです
米国Lansing/JensenやKlangfilmのフィールド型とスピード感は同じで低域はグンと伸びるのに5kHzまでも伸びる中高域
試聴した方全員が『良いツィーターだけあればコレだけでもイインじゃない』とのご意見
http://soundparts.server-shared.com/fieldsupeker.html


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サウンドパーツ 300Bアンプ
http://soundparts.server-shared.com/index.html

Sound & Partsは創業時こそ真空管と関連パーツの販売をしていましたが現在はアンプ製作工房です
一個人として60年を越えるAUDIO歴がありますが、音質の追求に妥協も終焉もありません
間もなく製作アンプ総数1700台に達する予定です


サウンドパーツ Push-Pullパワーアンプは市販品に溢れる<ビンテージ期の著名アンプ>のコピーとは一線を画し
初段から出力段まで完璧なPush-Pullの<ダブルプッシュプル>構成の最も優れた理想的な方式です

ダブルプッシュのアンプはWE社やKlangufilm/Telwfunken社に多くの例がありますが
市販のアンプは安直にNFBに性能依存するリークムラード型がほとんどで、メーカーの特色もありません
300Bシングルアンプではご好評の大型カットコア出力トランスとプッシュで培った強力ドライバー段
堂々たる音の再生があります
サウンドパーツのプリとパワーアンプの組み合わせは
『自然に音量をあげたくなる』気持ちになり、音楽が本当に愉しくなります

※将来のメンテは既に提携先が決まっているのみならず真空管の在庫でもご不安は有りません



復活! 300Bシングルステレオアンプ

長く受注品としていましたがご希望が多いことから製品に加えました
サウンドパーツは300Bの本数換算で軽く1000本を越えるシングルとプッシュの製作実績

シングルで考えられる最良のゴージャスな構成
全段3極管構成/100VA大型カットコア出力トランス/300Bグリッドチョーク結合の高信頼構造
6SN7/6BX7/JJ300B/5U4
税送込み 395,000円

※写真は入力切替・ボリューム付きの特注仕様ですが
表定価格はシンプルなパワーアンプです
300B無し 税送込み 355,000円



ところで
音声の収録から再生に莫大な投資をしたのはトーキー黎明期のWEやKlangfilm 社などです

Western Electric社が12Aホーンの試作300台につぎ込んだ金額は当時の日本の国家予算…と言う逸話があるくらいです

その根本は徹底した『試聴重視』…俳優の声や名演奏の生々しい再現のための機器開発に腐心のアトが見えます
俳優から「私の声じゃない」・ミュージシャンから「俺の音じゃない」と言われたら「失格」です
「ヒアリング重視」は今もAUDIOの原点です
<音楽が好きなヒト>が作ったものを信じて欲しいのです

サウンドパーツも創業から10年ほどはマランツ・マッキン・WE等の機器を多数扱い、そのメンテで多くを学びました
1950~60年ビンテージ期のAUDIO製品には独特の魅力はありますが
音質は映画時代の機材の方が遥かにナマナマしいのです
でもそれはフツーの音楽ファンと別の世界、仮に入手してもそのまま使えるシロモノではありません
一方、真空管オーディオは、50年代から70年を経ても大きな進歩はありません
つまり多くの真空管アンプは50年代の回路をそのまま真似し
安いコストでほとんど研究などせずに外観をだけは新しく見せて売っています
ただ…
映画界のアンプ等に範を得ると言っても、それらの機器を礼賛し骨董的高価格で売るビジネスはやりたくありません
それらには今となっては古すぎ・ナローレンジでウルサイだけの駄物も一杯存在します
当然、現代は1950年代よりも遥かに<伝達係数的>に優秀で信頼度も高く音の良いモノが一杯在ります
中でも最も大きな変化はパワーアンプの出力トランスで今のものがハッキリ優れています

サウンドパーツは映画全盛時代の音に学んでモノつくりをしています
俳優の声と演奏家の楽器の音色の再現に凄い努力投資をしていたからです


―パワーアンプ―

Push-Pull構成の真空管アンプでは最重要な出力トランスに
日立金属製/ファインメット・コアを世界唯一製品に採用してから10年以上
今やアマチュア製作者に最も人気のあるコア材料のトランスとして浸透・・・その端緒を作りました
伝達ロスが極端に少ない出力トランスは在来品よりも音楽情報の再生を限界まで高め、クセの無い優れた音質です
そして基本とする回路構成は

WE<133A>・Telefunken<V69A>・英国<Decca/Decola旧型>で使われた≪ダブルプッシュプル≫

それはビンテージ時代にコスト高を理由に消えてしまった『全段Pushi-Pull』という理想の方式でした
切れのある低域再生・低歪率で混濁感の無い楽器の音色そのものの高域・・・他方式と品位も大きく違います
サウンドパーツのプッシュプルアンプの全ては『全段完全バランス・プッシュプル』構成で
出る音はアンプの存在すら感じさせない…音楽に浸れる心地よさです

性能ばかりを優先し「人肌」の感触を「マネキン肌」にしてしまうNFB多用アンプに『音楽性』はありません
聴き始めてボリュームを上げたくなるのは良いアンプ…ボリュームを下げてしまうのは身体が拒否しているアンプです

<300Bリミテッド/MONO構成>

1台につき490W×200D(本体)×240H/18kg

サウンドパーツの技術提携先で
独クラングフィルム社の研究でも知られる<Klang-Kunst>
と共同で開発した究極の300Bプッシュプルアンプです
電源部はゆっくり電圧上昇する安定電源
初段には音質最高のE80cc(ご希望で6SN7)を採用
出力トランスは100Wクラスのファインメット・コアを専用に開発しました
強力ドライバー段6BX7には世界で初めて≪専用プッシュプルプレートチョーク≫を配し
在来のドライバ―トランス固有の「低域の鈍さ」を完全に克服しています
良質の金属箔コンデンサーを使うことで全体のスッキリ感も抜群です
在来の300Bプッシュアンプの印象とは大きく異なるエネルギッシュな低域と鮮やかさを両立しています
『ツァラストラ…』や大フーガからJAZZスネアの小気味良さを全くストレス無しに再現します

2022年製造のWE制300B装備をご希望の場合は
国内販売店から直接ご購入の上でお使い下さい
JJ300B付き
税送込み 900,000円/ペア
300B球なし 税送込み 820,000円/ペア


どうしても300Bプッシュを聴きたい方への超お買い得アンプ
300Bプッシュプル/ステレオアンプ
<300Bリミテッド>とほぼ同じ内容/構成ながら
手作り・手塗装・ボンネット無し…と性能以外のコストを極限に抑えたC/P抜群アンプ 

初段/6SN7・ドライバー段/6BX7
JJ300B付き 税送込み570,000円
300B球なし⇒490,000円
http://soundparts.server-shared.com/index.html


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Love Three プッシュプル ステレオアンプ 

サウンドパーツのプッシュプルアンプは<Love Threeシリーズ>として3種があります

KR製 PX25
Tungsram  E130L
Svetlana EL34WC

の搭載機を選べます

Love Threeパワーアンプ/E130L 税送込み480,000円

音質面で多極管が古典三極管に劣る…と云うのは専門誌や多くの盲信から出た根拠のない説・流言で、サウンドパーツでは淡泊で美しいことに終始しがちな直熱三極管の音に「豊穣さ」や「色気」を加えた感じを得ています。

素性の良い多極管をUL/ウルトラリニア接続で使うと麻薬的に魅了される音が出るものがあります
その証明が欧州で真空管時代の終末期に登場した<E130L>です
その音質は『豊穣』としか表現できないもの
ともすれば直熱三極管ばかりがもてはやされる中で絶妙の色気というか何とも言えない香気がありそれは多数のオーナーが手放すことなくご愛用されることで証明されます。まさに「虜」になってしまう不思議な魅力です
http://www.soundparts.server-shared.com/index.html
http://www.soundparts.server-shared.com/prodct.html
https://blog.goo.ne.jp/marucha/e/dba0b1c9d2953a1fbea9366d30b80fe0



パワーアンプ
パワーアンプなので当然セパレートアンプである。セパレートアンプになってから17年ほど経つ。一体型のプリメインアンプは20年ほど使用したが、セパレート型となった今では一体型には限界があったなあと感じてしまう。ただ、一体型アンプはいずれも半導体アンプであったので真空管アンプの場合は分からないが・・・。初めてのセパレート型はプリアンプが半導体でパワーアンプが真空管であった。本当はプリアンプも真空管にしたかったのだが当時は良いモノが見当たらなかったのと、SNという点で半導体に劣る真空管でプリはどうなんだろう・・・、という疑念があったのだった。その後のプリアンプについては以前書いたのでそちらを参考にしていただきたい。さて、パワーアンプでなぜ真空管なのかといえば、「圧倒的に自然でリアルであるから」に他ならない。横の広がりはもちろんのこと、深い奥行きは真空管ならではである。ただ、ここで注意していただきたいのだが、一般的に販売されている真空管アンプすべてに共通するわけではないのでご理解いただきたい。真空管のアンプではOTL回路で無いかぎり出力トランスが必要となるが、市販のメーカー品ではこれがプアであるのだ。プアで無い場合は巻き線技術が伴っていないのだ。最高のトランス技術とシンプルな回路、熟練を要する手配線による組み立て。これらすべてが整って最高の真空管アンプが完成する。

「E130L」これがこのアンプの製品名である。使用している真空管の名を取って、そのまま名前にしているのである。長野県にあるガレージメーカー、サウンドパーツのオリジナルである。画像右に見える立方体に注目していただきた。これが出力トランスである。左の電源トランスと同じ大きさである。125mm四方で高さが150mmもあるのである。これが、購入当時御歳78という職人による手巻きなのである。私は本当に良いものは大量生産できないという心情から、この出力トランスにもその職人技を感じずにはいられないのである。コンピューター巻きによるトランスは大量生産には向く。しかし、極めて高い性能を追求することは出来ない。手仕事だからこそできる職人技なのだ。このトランスと、サウンドパーツオリジナル回路。しかもこの回路、いまどきまったく新しい回路でたったの2段構成というこれ以上ないシンプルさ。そのため部品点数は極めて少なく、純度の高い増幅が期待できるのである。果たして出てきた音は、これ以上ない自然でリアルなモノ。上から下までしっかりと伸びた音は真空管でいわれるナローレンジでは全く無い。音場は広大で奥行き深く展開する。そのリアルな音にはオーディオにまったく興味の無い方でも魅了する音楽を聞かせるのである。私は今でもこれ以上のアンプを聞いたことが無い。本当に出会ってよかったパワーアンプである。

これがトッププレートの出力管であるが真空管の寿命を長く伸ばすため、真空管ラジエターを使用している。真空管ラジエター(放熱フィン)については「オーディオアクセサリー」コラムを参照いただきたい。このE130Lという真空管は300B同様の高信頼管でメーカー保証10,000時間である。これを定格の70%以下で使用しているので20,000時間以上は持つでしょうとのこと。実際、20年以上使用されている方もいるようだがノントラブルだそうだ。私も15年以上使用している。もちろんノントラブルで真空管の交換も無い。真空管下部のメタリック部分は素材を長持ちさせるアルミ箔テープである。このテープについてはまたいつか記述したい。ということで、さて今日は何を聞こうか・・・。
https://omsound.exblog.jp/15516730/



E130Lパワーアンプ
 私が現在使用しているE130Lというパワーアンプはサウンドパーツというガレージメーカー製だ。本当に良いものは大量生産できないという持論からたどり着いた逸品である。職人による手巻きトランス、手配線による組み立ては今やメーカーでは絶対に出来ないクオリティである。真空管アンプの音を決めると言っても過言ではないトランスは大量生産品には無い、広がり奥行き、広いダイナミックレンジ、分解能、繊細感など、挙げればきりがないほどすべてが凌駕している。1日に1つしか巻けないトランスは、まさに熟練の職人による“作品”なのである。また、部品に至ってはコストを心配することなく選べるわけで、抵抗はデール社製の無誘導メタルクラッド、カップリングコンデンサはInfini-Cap(インフィニ・キャップ)、配線材はベルデン軍用テフロン線、綿巻き線を場所により使い分けている。

写真中央円筒形のグリーンに見える部品はコンデンサにグリーンカーボランダムのテープを巻いているのだ。これは私が後から巻いた。グリーンカーボランダムとは炭化ケイ素と呼ばれる半導体で、手短なものでは紙ヤスリのグリーンのあれである。実はこれ、電磁波を吸収し熱に変換する力を持っている。決していい加減なものではなく、かつて[無線と実験]という本の中で、実際に使用した場合としなかった場合でオシロスコープにて波形をチェックして効果が確かめられているものである。使用する場所はコンデンサが良いようである。電解コンデンサの頭にくっ付けると良いようだ。このE130Lには電源部の電解コンデンサを除くと、電解コンデンサは僅か2個しか使用されていない。しかし私はこの電解コンデンサには別のテープを貼り付けている。実は、フィルムコンデンサ6個にも貼り付けている。さらに言うと、回路のいたる所に同じ素材が貼り付けてあるのだ。それは、以前紹介した、AVALON-LSやインシュレーターでおなじみのライフサウンド製のアルミ箔テープである。現在は販売していないようだが、原理はAVALON-LSやインシュレーターと同じで、振動モードを整える加工がしてあるテープである。電子の流れが効率良くなることに比例して部品の寿命も圧倒的に延びるのである。現在この商品はM3Aシリーズとして引き継がれているので、ぜひともお薦めする。

 さて、内部写真を見ていただくとお分かりかと思うが、いたってシンプルである。まさに、シンプル・イズ・ベストで、回路で言うと僅か2段構成である。おそらく、世にある真空管アンプの中で最もシンプル回路であろう。部品点数も極めて少ない。上画面左中央(下拡大写真参照)の電源部周りのシルバーやブルーのコンデンサ類は後から私が付けたので、本来はこの部分ももっとスッキリとしている。このコンデンサは、交流の高域におけるノイズを除去させるため付けてある。いずれも超高周波用だ。

もともと真空管アンプは半導体のアンプに比べて部品点数は圧倒的に少ない。真空管アンプの値段のほとんどは外に見えている部分なのである。メーカー品などで、たまに数百万円等というアンプもあるが、そのようなアンプは部品代以外のところが大きいということだ。ゴールドムンドのように筺体をロレックスの筺体を製作している工場で作れば高価になるのである。オーディオは趣味の世界でもあるのであえて否定はしないが・・・。私には必要ない。ちなみにこのアンプは40万円である。良心的な値段である。合計8個のトランスの製作費だけでも仕入れで30万円近くするのである。もしメーカーなら150万円は下らないだろう。さらに、これにまともなケースを付ければおのずと値段はどこまでも高くなるのである。もちろん、外見は良いに越したことはない。ただ、パワーアンプは黒子で良いと思っている。なので、特別気にもならないのである。
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E130L パワーアンプ その2
 当ブログで最もページビューの多いE130L関連。今日はこのパワーアンプについてもう少し詳しく話したい。

 長野県は松本にあるサウンドパーツが販売しているE130Lとは、真空管の名称で、その真空管の名前がそのまま製品名になっている。現在は「Love Three」と名前を変え、若干の変更が加えられている。出力トランスもE130Lのアモルファスからファインメット(最高級バージョン)へ変更されている。ファインメットといっても、市販されているファインメットとはクオリティが全く違うものなので早計な判断はしないようにしていただきたい。

 私の使用しているアモルファスの出力トランスは職人による手巻きで、当時日本に数名しかいないとされていた逸品であったが、17,8年前で77歳だったことを考えると、もう巻けなくなってしまったのかもしれない。ただ、ファインメットもとてもそれなりの手間が掛っているものなので甲乙付け難い。

 回路内容は2段構成の完全バランスプッシュプルである。現状のモノは完全バランスによる入力も可能だ。徹底的に無駄を省いたそのオリジナル回路は数個の発振防止のための抵抗とカソード抵抗、コンデンサは電源部を入れてもステレオで16個しか使われていない。ここまでシンプルなアンプは無いであろう。E130Lは1960年代のオーディオ用NOS管で、メーカーの保証は10,000時間である。これはWE(ウエスタンエレクトリック)の300Bと同等である。これを定格の80%(改良前は50%だった)で駆動している。セオリーで言えば倍近く持つ。1日3時間コンスタントに聞いて約18年は持つ計算だ。最近交換しているので、まだ15年以上は問題ない。ちなみにミニチュア管はE80CCである。これもメーカー保証で10,000時間は持つ。使用されている真空管は出力管4本、電圧増幅管2本(いずれもステレオで)の計6本である。これで、25W×25Wの出力をたたきだす。前にも当ブログで申し上げたが、十分すぎるくらいの出力だ。ハムノイズなどは100dbのスピーカーで聞いても気にならない。高出力半導体アンプのヒスノイズと比べても少ないだろう。

 シンプルな回路にはクオリティの高い部品が必要だ。100W以上のトランス類に抵抗はデールの無誘導メタルクラッド、フィルムコンデンサはインフィニキャップ(現状はミュージキャップ)スイッチはEAO、RCAインレットは真鍮削り出しである。ガレージメーカならではのこだわりである。いずれも信頼性と音質の高さは最善にして最良のものである。

 ちなみに、このアンプのように同じ出力管を購入する際、「マッチドペア」なるものを購入されるオーディオファイルは多いだろう。これは、プレート電流値のあったものを言っているのだが、使う電圧、出力トランスで変化してしまうものなので大した意味を持たない。このE130Lのアンプは出力トランスの抵抗値を利用して電流値がチェックできるようになっているので、本当の「ペア」が分かるのである。

 音質はとにかくナチュラルの一言に尽きる。広がり奥行きは申し分ない。自然な低域高域に加え、定位の安定性は“・・・らしさ”の究極である。アコースティックギターの繊細な響きは類を見ない。

 何度も言うことになるが、本当に良いものは大量生産できない。シンプルな回路であるが、制作段階で各所非常に手間暇かけて作られている。「モノ作り日本」を代表するものであるが、非常に価格が安いのである。ここは、非常に申し訳ないと思っているし、大変ありがたいことであると思っている。これも、日本の職人の良いところだ。

 本当に早い段階で良いものに巡り合えてよかった。
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E130L改良 その4
さて、すっかりお馴染となったE130Lアンプであるが、すべてが完璧なわけではない。といっても、本来のオーディオの重要性の部分ではない気がするが・・・。つまり、それは何かというと、「熱」なのである。

 改良する前は真空管能力の約50%程度の余裕を持って駆動していたらしい。まあ、これは制作当時(18年程度前)の考えでそうしたというわけなのだが、これではあまりにも少なかったというわけで、今回の改良にあたって、これを80%近くまで引き上げてもらったのだった。その結果、音楽全体がより立体感を伴ってきた。具体的に言うと、一番メインとなる音がスピーカーの前に出てきたのである。奥行きの距離感についてはあまり差が出ていないと思うが、スピーカーより前部分の表現が充実してきたのである。一般的に、能率の高いスピーカーは音が前面に出てくる傾向にある。能率が低いと、スピーカーより奥で音場が展開する傾向にある。私のシステムである、このE130Lとフィールドスピーカーの組み合わせでは、音場がすべて奥で展開するということはなかったが、手前に大きく出てくるということも無かった。それが、今回の改良で、その部分においても顕著な変化が見られたのだった。もっとも、能力を80%まで引き上げたからといって、それがすべてではないのは確かだ。それよりももっと重要な改良を施しているからである。この部分は前述の項目を参照願いたい。

 話はそれたが、「熱」である。つまり、この熱量が増した感じなのである。いや、確実に熱くなるようになったのである。店主にお聞きしたところ、電源トランスの温度は60℃位までは上昇するというものだった。もちろんそれよりも熱くなるのは、真空管であるが・・・。しかし、改良前の電源トランスは手でしばらく触れる程度であったが、改良後は数秒くらいしか触れないほどの熱である。ちょっと心配になり、ヒートシンクでも乗せようかと思ったくらいである。しかし、心配ないということであったのでそのままにしてあるが、熱はここだけではなかったのである。部屋全体にまで及ぼしていたのである。もっとも、今年も猛暑で外の気温は恐らく40℃以上にもなっていただろうから、その影響もあるのだろう。これは、いかんともしがたい問題である。

 半導体アンプで、完全A級動作のハイパワーアンプをお使いのオーディオファイルは、結構な熱量があるだろう。しかし、一般的な半導体アンプでは、それほどでもないだろう。熱なんか考えたことも無い、という諸氏がほとんどだろう。だから、一般的に真空管アンプを購入するにあたり、そんなところまでは考えも及ばないという諸氏がほとんどであると思う。ところが実際にそこそこ面積、体積共に大きい真空管アンプはちょっと注意されたいところである。特に馬鹿デカイ845等の送信管を使っているようなアンプは、電源電圧も500V以上というものもざらであるので、その熱量は半端ではないのである。ちょっとした小さなストーブである。冬ならば一石二鳥となるが、夏場においては百害あって一利も無いのである。

 結論であるが、今から真空管アンプを買おうとしているオーディオファイルは、かなり大きな熱源となることを注意した方が良い。
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サウンドパーツ ≪プリアンプ/Love Five≫
http://soundparts.server-shared.com/index.html

世の中、真空管アンプはプリもパワーアンプも星の数ほど製品がありますが
サウンドパーツでは真空管の原理を極め、人真似ではなく独自で必要最小限のシンプルな回路で製作
その数量は1700台に達します
プリのフォノイコライザー部は世界でも稀で「最高峰」と言われる高度なコイル製作技術が必要な<LCR型>を採用
ライン系バランス入力と出力にもRCAアンバランス/XLRバランスを備える多機能さが自慢です


プリアンプは<音の源流>です
特にアナログ盤再生においてはカートリッジから送られた信号をそのまま大切に大切に増幅しなければなりません
伝説的マランツ7/マッキンC22は、1950年代当時は国内に匹敵するプリが無かったことから
信仰的に今も支持されますが、実はフォノ入力から出力まで6つもの結合コンデンサーを通り
さらに音の劣化が避けられない「カソードフォロワー」という回路を2度も通過します
たとえば透き通ったガラスも6枚重ねると幾ら透明でもその存在は明らかで、ベールで覆われたように透明度は損なわれます
これらに採用されるNFB型フォノイコライザーは生産性・コスト重視、微細な表現力では劣ります
歌手や楽器は横一列に並んでいる印象で『サシスセソ』が強め‥リスナーはそれをフツーだと思っています
著名ではあっても音質面で<標準プリ>というほどのものではありません
もっと残念なのは信号系の重用なコンデンサーが日本固有の湿気が原因で劣化や数値変化があり
オリジナル部品にコダワルとレコ―ド再生では低域が十分出ず、真空管の動作もやや狂っています
それらは40年以上前から知られているのですがビジネスとして不都合ゆえに『名機』扱いされています
レコ―ド盤に入っている情報は7割も再現されていないと言えるでしょう

ビンテージアンプのメンテを多く心がけ
WE・Westrex・Telefunken・Klangufilmのラインアンプの復刻を多数扱ってきたサウンドパーツが
創業当初から最も力を注いできたのがオーディオ再生で最も重要なプリアンプです
多くの試作を重ね名職人の手になるラインアウトトランスを開発、半導体を含めどんなパワーアンプにも接続できます
最も重視するアナログ再生では極めて劣化が少なく豊富な情報量を誇る『LCR型イコライザー』を標準で搭載
WE618Bライントランスに学んで多くの試作を重ねたMCトランスはアナログ盤の持つ多大な情報を逃しません
「音質に責任を持ちたい」との想いからMCトランスをも内蔵する多くのノーハウを詰め込む異例のプリとなりました
真空管アンプでは稀少な正規バランス入力だけでなく
出力もXLRバランス/RCAアンバランス出力を備えています
世界でも他に例が無い多機能と情報ロスの無さで歴代750台を超える実績があります
ほとんどのオーナーがずっとご愛用になっています

Love Fiveプリのライン部にはロシア<6H6n>を1本使っています
この度新たに100本が在庫に加わり通計で200本近くの在庫を保有しています
イコライザー部には<Ecc85>を使っていて十分在庫があるほか、欧州から潤沢に入荷できます

本体寸法 390W×230D×92H(脚部+16)㍉ フルバージョン重量約9kg
ゴールド梨地仕上げのフロントパネルは色合いが実物とやや差があります

★フルバージョン=MCトランス内蔵/LCR型フォノイコライザー搭載
ノーマルボリューム<alps RK27>税送込み 445,000円
<RK501ボリューム>付き⇒税送込み500,000円

★フルバージョン+LP/NAB(50~60年代アナログ対応)
ノーマルボリューム 税送込み 488,000円
<RK501ボリューム>付き⇒税送込み 543,000円

★デジタル優先でも時にアナログも愉しみたい方<CR型イコライザー搭載>
MCトランス内蔵/税送込み 365,000円
<RK501ボリューム付き>⇒税送込み 420,000円

★アナログ再生は必要無くデジタルソースをより良く聴きたい方対応ライン専用プリ
ノーマルボリューム税送込み 300,000円
<RK501ボリューム付き税送込み 355,000円>

alps<RK27>ボリュームは国産プリのほとんどが採用しています
内蔵MCトランス不要⇒▼4万円 2アーム仕様5000円高
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タヌキ親父の部屋

プリアンプ or アッテネーター
https://omsound.exblog.jp/15682572/

プリアンプ
https://omsound.exblog.jp/15329300/

プリアンプ 2
https://omsound.exblog.jp/15338905/

プリアンプ 3 “ボリューム”
https://omsound.exblog.jp/15842087/

プリアンプ 4
https://omsound.exblog.jp/15982507/



サウンドパーツ製プリアンプ LIVE5

私は、プリアンプもパワーアンプも真空管アンプを使用している。
大手メーカー製ではなく、サウンドパーツというガレージメーカーのものだ。

簡単にいえば腕のある職人が一つ一つ手作りしたものである。
トランスも、特注の完全手巻きによるもの。
配線は見事な手配線によるもので、回路も完全オリジナルである。

本当に良いモノは大量生産できないのである。

現在使用している真空管はプリアンプが6本(4本がフォノイコライザー部で、2本がプリ部)、パワーアンプが4本(2本が電圧増幅管、2本が出力管)である。

パワーアンプの真空管の少なさは驚きだろう。これ以上シンプルに出来ない2段構成なのである。
しかも完全プッシュプルで完全バランス回路である。

出力25wのアンプに100wクラスのアモルファス出力トランスを使用した大変贅沢なものである。
しかも、このトランスが完全手巻きによるものだ。
https://omsound.exblog.jp/15803511/


サウンドパーツ製プリアンプ LIVE5 内臓のフォノイコライザー

 今日はアナログレコードに関わるお話し。若い貴兄はフォノイコライザーと言ってもお分かりにならないかもしれない。簡単に説明すると、アンプ等のようにコンポーネントで揃えるとなるとアナログレコードを聴く際に必要となる場合があるもので、カートリッジから取り出した極微小信号をプリアンプで増幅可能なレベルまで引き上げるものである。ただし、プリアンプにphono端子がある場合は取り立てて必要は無い。それでも、さらに良い音で聞きたい、という場合にはフォノイコライザーを使用してプリアンプのAUX端子等に接続して聞くといったことも可能である。

 さて、ではなぜこのフォノイコライザーが必要か。一つは、アナログレコード特有の音声カーブ(RIAA)を自然な音声カーブに戻すことと、カートリッジから取り出した音声信号をプリアンプやパワーアンプに必要である音声信号に増幅するためである。ちなみに、1950年以前は各レコード会社によってその音声カーブは異なっていた。これを統一するために出来たのがRIAAカーブである。そのため、このRIAAカーブ統一以前のレコードを再生するには各レコード会社に合ったイコライザーを使用する必要がある。さすがに現在市販品ではこれに対応するものは見当たらないが、ガレージメーカーで製作してくださるところもあるようなので特注でお願いするしかない。ちなみにRIAAカーブとは、簡単に言えば高音部の音波は大きな振幅とし、低音部の音波は小さな振幅とすることでレコードに音波を刻むことを可能としたものである。そして、このカーブの特性を統一したものがRIAAカーブである。
 
 私の使用しているフォノイコライザーはサウンドパーツ製プリアンプLIVE5に内蔵されている。現在は多少部品等が変更され「Love Five」となっている。昔はサウンドパーツでもフォノイコライザーを単体で販売していたこともあったが今はしていないようだ。下記画像は以前プリアンプ2でも紹介したLIVE5の内部である。

 白ラインで囲まれた部分、上部4本の真空管(茶色の真空管ラジエターが付いている)と、左に見える4つの銀色円筒形と、その右上の2つの円筒形部分がフォノイコライザー部分である。回路はLCR型である。

 ここでLCR型の説明をば・・・。一般的に市販のフォノイコライザーはNF型もしくはCR型である。中でもNF型がほとんどで、おそらく99%以上であろう。NF型とはNFつまり、ネガティブフィードバックのことで、パワーアンプで言われるNFBのことである。つまり、よく言われる通り、ノイズが出にくく、容易にカーブ特性が出せるなどの如何にも市販に向いた回路なのである。しかし、私はどうしてもネガティブフィードバックが掛ったものは綺麗な音になりすぎるきらいがありやはり好きになれない。

 ではCR型はというと、C(コンデンサ)とR(抵抗)でカーブ特性を作る非常にシンプルな回路である。非常にシンプルゆえ使う部品のクオリティがとても重要になってくるのである。つまり、部品の選別が肝である。NF型とは違い電気信号が一度しか通らないので各パーツ選びが重要なのである。一般的に自作派やガレージメーカーの製品に多く見られる回路である。私としてはNF型より好きである。

 さて、最後にLCR型であるが、LCR型はCR型にプラスしてコイルを使用する回路である。LCR型は定インピーダンス回路となるためノイズにとって有利となり最も自然な増幅を可能とする。では、なぜメーカーはLCR型を採用しないのか。理由は簡単である。製造コストに難があるのである。

1.イコライザーの前後段増幅において非常に小レベルなノズの増幅器が必要となる。
2.L素子(インダクター)のクオリティが重要となる。
3.電磁シールドが必要となる。

特に、良いインダクターを作れるところが無いのである。まあ、全体がNF型やCR型に比べコストが掛るうえに技術(ノウハウ)が必要となってくるので、頭が良いだけでは出来ないのである。私が知る限るで、一般市販品でこのLCR型を採用しているものがあるのはコニサーだけだ。コニサー製品のすべてが採用しているかは定かでないが、LCR型を採用している型番は失念した。たしか数100万円はした。しかし、コニサーは確か半導体とハイブリッドだったと思う。コニサーに関してはネットでも情報が極めて少ないので、聞いたことがあるオーディオファイルもすくないに違い無い。私は聞いたことがあるが、確かに良い音だった記憶がある。しかし、いかんせん価格が高すぎるのである。その試聴時は、アンプとフォノイコライザーだけで1千万円を軽~く超えていた。これでは、頭の片隅にも置けない。

 私の使用しているフォノイコライザーはプリアンプ部と含めて40万円である。一般的なハイエンドフォノイコライザーとしてはプリも含まれるので破格の値段だ。しかし、単純に値段で判断しないでもらいたい。職人の技(わざ)は値段だけでは判断できないものである。聞いて、耳で判断してもらいたい。数100万円のフォノイコライザーが霞むであろう。私はFMアコースティックの「FM222MKII」400万円弱のものと比較したが、気配の再現性でこのLIVE5に軍配を上げた。これは衝撃としか言いようが無い。しかしこれが、会社と屋号の違いである。職人の技なのである。これは作品である。

 本当に良いものは大量生産できない。改めて感じるLCR型フォノイコライザーの驚異である。
http://omsound.exblog.jp/17980826/

44:保守や右翼には馬鹿しかいない :

2023/05/03 (Wed) 21:29:13

カリスマ音楽評論家 宇野功芳(1930年 5月9日 - 2016年 6月10日) がマンションの 6帖のリスニングルームで 50年間使っていた装置


スピーカーユニット
Wharfedale スーパー3
Wharfedale スーパー15
Goodmans AXIOM80

エンクロージャー : テレビ音響製9立方フィートマルチホール型


プリアンプ : 米マランツ♯7
パワーアンプ : 英クォードⅡ型モノーラル用2台

部屋はマンションの 6畳洋室


宇野功芳
上のアンプとスピーカーは いずれもモノーラル時代あるいはステレオ初期の名品である。 今のものに比べると、周波数レンジは狭いし分解能も悪いが、中音域の美しさ、豊かさ、気品は最高で、使用年数は実に五十年を超える。

他のプリアンプと聴き比べたが、マランツ♯7の音は冷たい位の気品が他のプリアンプとはまるで違う。 清水の舞台から飛び降りるつもりで買ったが、それが正解だった

QUAD II の音質の暖かさと柔らかさは無類である

QUAD II を QUAD のトランジスター・アンプに変えると、最初は楽器の細部のニュアンスが良く聞き取れて愉しめたが、すぐにうるさくなってしまう。 QUAD IIの暗く沈んだ音は何時間聴いても飽きない、疲れない。


青木周三
Marantz とマッキントッシュの真空管式パワーアンプは音が硬くて音楽を聴くのには向かない。メインアンプは QUADII以外には考えられない

Axiom80 は JBL の 30cmウーハーと組み合わせて、大型のエンクロージャーに入れると真価を発揮する。


____


クラシック音楽の世界に於ける音響的な部分に対する異常とも言える執着は、音楽ホールやオーディオ製品に強く反映している。いづれの場合でも、音楽の核心を確実に聴き手に届けると言うよりも聴き手に"快く感じさせる"ということに重点が置かれる。

音楽評論家であり、指揮者でもある宇野功芳という人は若い人にカリスマ的人気があるらしい。

その人のオーディオの"主治医"の青木周三と言う人は

「分割の良すぎる音より、演奏会場の一番いい席で聴こえる音、実演に近い音」を目指す人だという。

分離が良くない、つまり各声部の音がお団子状に固まって聴こえると言うことはどの様な音楽にとってもプラスの条件ではない、

特に多声的な音楽に対しては致命的なマイナス条件なのだがその様な装置で聴けばゲシュアルトやモンテヴェルディのマドリガルはつまらない曲だと思えるのが当然だ。

しかし元々そんなものは価値のないものだと思っているとすれば自分の装置が真実を伝えて居ないことに気付かずに終わるであろう。


 そして、分離の良すぎない音、つまり、分離の悪い音が良い演奏会場の条件だと言うことになってしまう。

宇野功芳という人は

「名ホールとは演奏を美化する。これが第一条件だ、

舞台上の残響に身を包まれて演奏しているとホールが自分を助けてくれている、という喜びで体を満たしホールに任せる気になる…・・

強い和音が鳴った後に残る長い残響はいつまでもその中に浸っていたいと思う程で……」

と述べている。


私は宇野功芳がクソミソに言う日比谷公会堂や東京宝塚劇場(昔の)でシンフォニー オブ ジ エア、ウィーンフィル、ボストン響、イタリアオペラの数々を聴くことが出来た。

それらの体験は確実に音楽の世界に引き入れてくれたのである。今にして思えば、優れた演奏家は美化される必要がないと言うことだったのだと思う。

美化とは或る意味で歪曲なのだから(それは宇野功芳本人も認めている)なのだ。

昔からタイル張りの風呂場で唄を歌うと、上手になったような気がすると言われてきた。現在のカラオケサウンドもそういう錯覚に基づいているのだ。

残響の長いホールというものは演奏家が自己陶酔に浸る分にはいいのかも知れないが、肝腎の聴衆が音楽の核心を掴むことを妨げる、ということに気付くべきなのではないだろうか。

80年代以降、いわゆる"音響の良いホール"が全国各地に出来たのだが、正にそれに符節を合わせるようにクラシック音楽人気が凋落してきているのは偶然ではないだろう。
http://www.amadeo.jp/kyuukyoku.html

>宇野功芳のオーディオの"主治医"の青木周三と言う人は
「分割の良すぎる音より、演奏会場の一番いい席で聴こえる音、実演に近い音」を目指す人だという。

>分離が良くない、つまり各声部の音がお団子状に固まって聴こえると言うことはどの様な音楽にとってもプラスの条件ではない、


つまり、宇野功芳さんはフルトヴェングラーやブルーノ・ワルターが指揮する19世紀のドイツ音楽にしか合わない装置を特に選んで使っているという事なのですね:


クラシックの核心: バッハからグールドまで 片山 杜秀 (著)

「1970年代以降、マーラーの人気を押し上げた要因の一つは音響機器の発展があずかって大きいが、フルトヴェングラーに限っては解像度の低い音、つまり『音がだんごになって』聴こえることが重要だ。

フルトヴェングラーの求めていたサウンドは、解析可能な音ではなくて分離不能な有機的な音、いわばオーケストラのすべての楽器が溶け合って、一つの音の塊りとなって聴こえる、いわばドイツの森のような鬱蒼としたサウンドだ。したがって彼にはSP時代の音質が合っている。」


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山之内 正の週刊 AVラボラトリー
音楽評論家・宇野功芳氏の試聴室再訪 - 音が激変した理由とは?
2013年 07月 17日 (水曜日)
http://www.infranoise.net/%E9%9B%91%E8%AA%8C%E6%8E%B2%E8%BC%89%E8%A8%98%E4%BA%8B/


先日、音楽評論家 宇野功芳氏の自宅試聴室を再訪した。

宇野氏と私の共著『音楽と音の匠が語る目指せ! 耳の達人 』(音楽之友社刊)の企画で互いの試聴室を訪ねたのは昨年の秋だったと思う。 ところが、

「最近、再生システムの音がガラリと変わったので、山之内さん、ぜひもう一度聴きに来て!」

とレコード芸術最新号の誌面でご指名があった。それを読んだ私がディスクを何枚か持参し、9ヶ月ぶりに訪問したのである。

宇野功芳氏の愛用システムは数十年変わっていないが、今回プレーヤーとプリアンプ間のラインケーブルを交換した宇野氏の再生システムはどの製品も使用歴数十年以上と、年季が入っている。

マランツ#7、Quard II、ワーフェデールという組み合わせはアナログレコード時代から不変で、CD登場後にスチューダーのD730とラックスマンのD7を追加。

ワーフェデール製ユニットを収めたスピーカーは途中でミッドレンジをグッドマンに変えるなど小さな変更はあるが、こちらは半世紀以上愛用しているという。

再生音については前掲の本に詳しいが、全帯域で分解能が高く、音の速さもよく揃っているので、演奏のニュアンスがよく伝わり、低音と高音のバランスも良好。

空間表現は最新のシステムほど得意ではないが、音数や基本的な情報量では遜色がなく、演奏評にはとても適していると思う。

前回の訪問時に唯一気になったのは、D730 では中高域がやや硬めの音色になることで、それが目立ちにくいラックスマンの D7 をメインにすることをお薦めした。

「音がガラリと変わった」という冒頭の感想は、機器を入れ替えたためではない。

D730 と #7 の間のラインケーブルをインフラノイズの LIBERAMENTE に変え、D730につないでいた同社のクロックジェネレーター GPS-777 との配線も LIBERAMENTE のクロックケーブルに入れ替えたら、音が大きく変わったのだという。

D730 にはインフラノイズのクロックジェネレーター GPS-777 がつながっている。

クロック用ケーブルもインフラノイズの LIBERAMENTE に新調


「以前はD730の音を長時間聴いていると疲れやすく、ある種のうるささがありましたが、ケーブルを変えたらそれが気にならなくなりました」

と宇野氏は説明する。また、システム導入以来ずっと #7 のトーンコントロール機能で低音を 1ステップ下げて聴いていたのが、ケーブルを交換した後はノーマルの位置でちょうど良いバランスになったという。これも実に興味深い話だ。

#7 のトーンコントロールが数十年ぶりにノーマル位置に戻った。

これまでは1ステップ絞った位置で聴いていたという実際にケーブル変更後のシステムで CDを再生してみた。

宇野氏が大阪フィルを振った《フィガロの結婚》序曲(EXTON OVCL-107)を聴くと、以前は硬さが気になっていたオーボエが他の楽器と自然に溶け合う音色に変わり、低弦の旋律と内声のリズムは以前よりも明快な音で耳に届き、細部まで動きがクリアだ。

トーンコントロールをノーマルの位置に戻したことで低音の量感は増しているはずなのだが、中低音はこもるどころか、前よりもすっきりとした響きを獲得している。これはたしかに大きな変化である。

佐藤久成のヴァイオリン独奏(『オード・エロティーク』 Years & Years Classics YYC 0004)は、以前聴いたときに感じた余分な圧力が一掃され、本来の自然なアタックが蘇っている。ブレースやフレージングが以前よりなめらかに感じられるのもその影響だろうか。


次に、最近私が試聴会などで使っている優秀録音盤のなかから何枚か試聴。

まずはレーゼルのピアノ独奏によるモーツァルトのピアノ協奏曲(モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番&第27番 KING RECORD KIGC12)を聴いた。ドレスデンのルカ教会で収録された注目の新録音で、上方に抜ける柔らかい残響と、力みのない音色で緊密な響きを作り出すピアノとオケの見事なアンサンブルが聴きどころだ。

演奏の特徴を忠実に引き出すだけでなく、録音会場の広々とした空間など、立体感の表現にも開放的な伸びやかさが感じられる。

同じシステムなのに以前とはかなり印象が変わった。


次に、グールドが演奏する《ゴールドベルク変奏曲》の石英ガラス CD(StereoSound SGCD02)を聴いた。

数え切れないほど聴いた演奏なのに、いま初めて聴くような鮮度の高い音が澄んだ音色で浸透し、グールドのハミングはもちろん、ブレスまでもリアルに再現、スピーカーの奥にグールドが座っているような臨場感がある。宇野氏も

「これまでは彼の声がない方がいいと思っていたけど、これで聴くと嫌じゃないね。演奏のニュアンスもとてもよくわかる」

と感心していた。


そのほか、ムラヴィンスキー&レニングラードフィルのチャイコフスキー《悲愴》など数枚のディスクを聴き、以前に比べて中高域のきつさが影をひそめる一方、明らかに音色がクリアになっていることを確認した。


「いまのバランスが凄く気に入っている」

という宇野氏の目下の心配事は、「これ以上音が良くなったら困る!」ということ。

なんとも贅沢な悩みだが、その気持ちはよく理解できる。

音の基準が変わったら演奏の評価基準にも影響が及ぶのは避けられないからだ。

しばらくは機材やケーブルを変えず、いまのバランスを維持した方が良いのでは?というのが私のお薦めだ。
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『「音楽」と「音」の匠が語る 目指せ!耳の達人』 宇野功芳・山之内正 共著 (2013.6.21)

音楽評論家=宇野功芳さんとオーディオ評論家=山之内正さんの2人が、クラシック音楽をより深く楽しむ、というテーマの対談だ。

宇野さんは音楽評論家として半世紀を超えて活躍してきた。

フルトヴェングラーとかクナッパーツブッシュへの偏愛はご存じの通り。

山之内さんは、雑誌『Stereo』などで活躍している。

お互いのリスニング・ルームを訪問するのも楽屋話的な面白さ。

宇野さんの装置について、山之内さんが「年季の入ったものだが、古びた音ではない」と言うのも、なかなか人柄を感じさせますね。


宇野によれば、演奏の良し悪しは最初の30秒を聞けばわかるという。

鑑定人が陶器をぱっと見たときに価値がわかるという感覚だ。

録音が良いというのと、音楽の本質が伝わるかどうかは、別の話。

音のバランスが良ければ、音楽も演奏も十分伝わる。

演奏家の個性もわかるし、もちろん曲の良さもわかる。

昔の旧式なラジオで聴いても十分満足できて感動できたのだから。


山之内は、録音や再生に共通する目的は、ただの音ではなくて演奏であり、その向こうにある作品を聴くことだと言う。

実際には、録音や再生でゆがめられてしまったり、指揮者や演奏家が前面に出てきて、作品にたどり着けない要素がある。

それらを超えて、本来の作品の姿が聞こえてくるのが理想だと。


オーケストラの響きは耳だけで聴いているわけではない。床や椅子からの振動を骨伝導によって身体全体で音を聴いている。耳では聴こえないような低い音(暗騒音)から空間の大きさや遠近感を無意識に感じ取っているのだ。

音から伝わる情報の量と質は再生装置や環境によって大きく変わる。

音域ごとに音の大きさが揃わないという問題がある。

もうひとつは音色や応答性の問題だ。

音色を忠実に再現できない装置でオーケストラを聴くと、フルートやオーボエなど特定の楽器の音色がきつくなったり、逆に沈みがちになってしまう。

応答性(音の立ち上がりと減衰)に問題があると、消えるはずの音が余分に残ってしまう。


再生装置を評価するとき、山之内はまずバランスを聴くそうだ。

オーケストラでいえば、弦楽器と管・打楽器、弦の中では低弦と高弦のバランスを重視する。

ハーモニーが聞こえて来ないと音楽はわからない。

ひとつひとつの音がすべてクリアに出てくるというのは、コンサートで体験する現実の響きとは違うと。


さらに、空間表現がどれだけリアルかということ。

音像の大きさや距離感などが、コンサートホールで聴いているような感覚になるかどうか。

スピーカーが置いてあっても、もっと奥から音が出て、その存在が感じられないこと。

音の立ち上がりが大事。

周波数的に盛り上がっていても、音の立ち上がりが鈍いと、よく聞こえない。

楽器の音色というのは、音の立ち上がりの部分で判別される。


録音技術は飛躍的に進化したが、特に空間再現という点では、実演と録音の間のギャップはまだまだ大きい。

実際の演奏会場では聴き手の周囲すべての方向から残響が耳に届き、楽器の響きや空間の大きさを感じさせる。

聞き取れるかどうかの限界に近い弱音とかオケのフォルティシモの大音圧、どちらも家庭では再現が難しいものだ。
http://www21.ocn.ne.jp/~smart/Mimi-130621.htm


再生音はどこを目指すか


私は生の演奏が好きである。様々な音楽をオーディオだけでなく、生でも聴く。ロックや民謡、浪曲から、クラシック、ジャズまで。音楽芸術が好きなのである。

生の音を聞き、自分のオーディオの音とを比べる。

違和感があれば、どこが違うのか追求する。

録音する際、エンジニアによって音は変わっているということは百も承知である。しかし、広く色々な音楽を聞くうちに、何となく基準となるものが出来上がっている。


私が感じる実際の音楽の特徴は次のようなものだ。


1.音量が大きくても、あまりうるさいという感じはしない。

2.音の出方は前では無く、左右後方、上方に広がる。ホールであれば、エコー成分が良く聞こえる。

3.楽器の音は、オーディオでいわれるほど分離感はなく、全体から聞こえる。

4.聞き疲れしない。

5.ホールなどでは、小さな音でも良く聞き取れる

6.意外と刺激的な音はしない。


どうだろう。

もう一つ、マイクを通した音は聞きづらいことがあっても、オペラやクラシックなどマイクを通さない音は意外と聞き取れることを感じたことはないだろうか。

未経験の方は是非クラシックの演奏会へ行ってみてもらいたい。

小さな音でも良く聞き取れるのである。何が違うのか。

私はこれを“聴感上歪”に起因すると考えている。

物理学など、科学によって求められた低歪の現代のオーディオ機器。

本来歪など無いはずなのに、音量を上げるとうるさい、と感じる方は多くいらっしゃるだろう。

私はこれを聴感上歪と呼んでいる。

つまり、オーディオで音楽を聴く場合、音量を上げてもうるさくならない音。

簡単にいえばこれが、一番重要である。

聴感上の歪が無いのである。

高音から低音まで綺麗に再生されて、それでいてうるさくない音。

ある程度の音量でも会話ができ、音は前にではなく、左右後方上方に広がり、エコー成分(または気配など)が綺麗に再生されること。

スピーカーの存在が消えるなど、オーディオのクオリティが上がれば自然にこのようになっていく。


人間の耳はまだまだ未科学である。科学で、絶対と思って作った製品が必ずしも実際の音と同じように聞こえないのは、エンジニアならだれでも分かっているはずである。

1930年代の頃は原音重視であった。アメリカやドイツは国の威信かけて開発していた。

私は、オーディオ機器はこの時点でほぼ完成してしまったと思えるのである。

そして、現代の技術を加えれば、真空管式アンプやフィールド型スピーカーが最も原音に近い再生音が出るというのは私にとって揺るぎが無い事実なのである。
http://omsound.exblog.jp/15834589/


詳細は

カリスマ音楽評論家 宇野功芳が50年間使っていた装置
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004322

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