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2019年10月 富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索

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2022/06/09 (Thu) 13:19:02

2019年10月 富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索


【コメ無し】滑落HD【編集版】
https://www.nicovideo.jp/watch/sm35885195?ref=search_tag_video&playlist=eyJ0eXBlIjoic2VhcmNoIiwiY29udGV4dCI6eyJ0YWciOiJcdTMwY2JcdTMwYjNcdTc1MWZcdTRlM2JcdTViY2NcdTU4ZWJcdTVjNzFcdTZlZDFcdTg0M2RcdTRlOGJcdTY1NDUiLCJzb3J0S2V5IjoiaG90Iiwic29ydE9yZGVyIjoibm9uZSIsInBhZ2UiOjEsInBhZ2VTaXplIjozMn19&ss_pos=21&ss_id=73ec4566-ab99-4741-a437-7de1c4dd8a2b

コメ無しの元画質版です。中途停止シーンをカットしました
※この動画は発見後の投稿です。亡くなられた方のご冥福をお祈り申し上げます



生放送の配信中に富士山滑落でバラバラになった配信者の悲しすぎた現実【ニコ生主富士山滑落事故】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=wUjNiv1tjxk&t=125s



【ゆっくり解説】ニコ生 富士山滑落の裏話【ダーウィン賞】【生配信の悲劇】 - YouTube
https://www.youtube.com/watch?v=TYtid9_ATwQ

今回は「ニコ生配信 富士山滑落のヤバすぎる裏話」についてゆっくり解説だぜ。

▼目次
00:00 挨拶・説明
01:06 被害者はどんな人だったのか
02:28 被害者の抱えた大きな悩みとは
05:21 なぜ冬の富士山に登ったのか
09:26 動画に心霊現象が...
10:23 まとめ


▲△▽▼


2019年10月28日 10時30分〜14時38分 TEDZU 「雪の富士山へGO」lv322645088 4時間8分ノートリミング
https://www.youtube.com/watch?v=cJOTOgbGpug&t=0s

放送開始は2019年10月28日の午前10時30分。タイムテーブル行頭 HH:mm:ss をクリックでその時刻にジャンプします。登山口の通過は放送開始12分ですが、生放送なのでほぼ上り始めからのタイムと考えて良いです。本人の発言はカギ括弧「」書き、口語で省略された単語や状況は()で補完。視聴者のコメントは(※〇〇〇〇)で表記します。重複する発言も、声色から本人の気持ちの揺らぎが読み取れる場合は繰返し記載(アイゼンの必要性の認識等)。
〇〇屋/〇〇館は山小屋の名称。閉山中なので全て休業/扉も閉鎖。

【Google Maps でトレースした当日の登頂ルート】
https://goo.gl/maps/y8JEFAdvdiKQL3S4A
Googleはルート情報が古いので一部にズレがあります。

■ 富士スバルライン五合目
00:00:01 バスを下車し準備、持ち物確認。靴をランニングシューズからミドルカットの登山靴に履替え。「とっとと上登って帰ろう」「山頂行けるかわからん」終始鼻声
00:02:46 「靴下わすれた」厚手の靴下を忘れて登山靴が「ぶかぶかだ」
00:03:00 (※アイゼンはあるの?)「アイゼンないな」(※無理しないでね)
00:04:45 「これ(帽子)を使おう」GoProを帽子に固定するマウントを見せる
00:05:13 装備を俯瞰 服装/モバイルバッテリー/ポール/手袋等が映る
00:07:43 手袋のチャック破損
00:09:32 準備完了して歩き出す「耳寒い」バスと観光客が見える
00:11:11 五合目レストハウス前を通過。観光用の馬がいる

■ 五合目 吉田 登下山共通路通過
00:12:20 五合目 吉田口(上下共通路入り口)通過
00:13:00 トレッキングポールを伸ばす。服装について「だいぶ軽装」
00:13:56 「パッと登ってパッと帰ろう」
00:16:07 「山頂行けたら御殿場から下りよう」人が来ない事を不思議に思う
00:17:14 「(山頂到着は)2時か。三時間で下りて、(下山終了は)5時か」
00:17:29 「(下山後)御殿場の五合目から駅まで闇を行かないかんね」辺りは濃霧
00:18:50 「耳が凍傷ならんうちに下りよう」「人いないな」「午後2時目標」
00:20:32 「(麓から見て)雪深そうだったね。(雪の状況が)だいぶ変わってる」
00:21:13 「午後2時までに着きましょう。山頂行けるならね。」「もうちょっと雪が薄い時に来たかった」「雪深くて山頂まで行けるかわからん」
00:22:45 「富士山初めてじゃないよ?初めてならこの時期はチャレンジャー過ぎる」
00:23:09 吉田ルート・泉ヶ滝の分岐の看板で右(吉田ルート側)に進む
00:24:12 「食いもん欲しかったね」「軽い方がいいかなと持ってこなかったのを後悔」
00:25:35 台風大雨による土砂崩れを越える
00:26:40 崩落した登山道の脇を抜ける。人ひとりがやっと通れる幅
00:30:58 登山道が「ここも崩れてる」
00:32:52 「(救助呼ぶのは) ガチで死ぬと思ったら」「滑落骨折以外は大丈夫」
00:34:20 「アイゼンないわ。アイゼンも忘れたな」(※明日はテツの救助活動か?)「大丈夫」「アイゼンはあれっしょ?凍ったらでしょ?でも凍ってる可能(性が…) そ、忘れた」「(チェーンスイパイクも) なんもないね」登山保険は「入ってないな」
00:35:40 吉田 六合目の手前にある覆道到着。登山道の横が崩れている
00:36:38 (※登り始め遅くない?)「遅いな」

■ 吉田 登山道 六合目
00:37:50 吉田ルート六合目 安全指導センター/警備派出所 到着
00:39:03 重機の轍。遠くから工事の音。「帰りは御殿場行きたいんだけど」「山頂行けなかったらここ(同じ道)を下りてくる」
00:42:53 吉田ルート登山下山の分岐の手前、営業していない山小屋到着
00:44:23 「どっちだ?こっちでいいよね」迷って登下山道の分岐で吉田登山道に入る。 本人は足元の凹凸の少ない下山道を登るつもりだったらしい。GPSは確認せず
00:44:49 「(水分1Lなのは)あんまり重くしたくなかった」
00:45:15 「雪は深くなってない? 22日の(初冠雪)報道があってから」
00:45:30 (※4月位はここらへん雪だらけだった)「雪だらけだったね」恐らく5月の話
00:45:47 「雪が見えたら(GoProを)ストラップマウントにする」現在は帽子に装着
00:46:48 七合目を見上げ、「意外と雪ないね、七五合目… ここが6.5ぐらいだけど」
00:47:16 (※速乾シャツ着てる?)「Tシャツは綿100%」「汗かいてるからペース落とし気味で」
00:47:52 見上げると霧(雲)の切れ目から山頂が見える
00:48:12 「相模原辺りから富士山見えたけど、やばいと思った。雪が深そうだった」鳥の声
00:49:47 「予報晴れでしょ?富士山頂」「紅茶と緑茶を500mlずつ持ってきた」
00:50:47 雲の切れ目から頂が見える
00:51:51 白いインナーが見える「汗かきすぎだオレ」
00:53:35 「帰り御殿場から下りようと思ってる」
00:54:08 麓側が真っ白「ガスってるね」「(富士登山は)6回目ぐらいじゃない?」
00:55:38 霧が消えて視界が開ける。頂と青空が見える。ここから先は雲の上
00:55:53 「あれっ?これ登山道?」ここで道の間違いに気づく「下山道行きたい」スマホでGPS情報を確認。手袋はタッチパネル対応なので脱がずに操作可能。「しょうがない、登山道を行こう」「下山道の方が楽、とぼとぼ登るには」
01:01:10 「下山道の方が雪に早く出会える」雪を登りたいらしい「意外と人いないね」
01:02:31 「山頂は-4℃ -5℃」「凍える前にとっとと下りよう」気温は把握している様子
01:04:15 「(入山届は)出してないな」「弾丸だから」「(登山は)昨日の晩に決めた」 
01:05:15 「最悪(遭難したら)電波のあるところ行ってニコ生で映像付きで訴える」
01:09:04 「あれが花小屋?」七合目にある山小屋を見上げる。天気は良いが風が強い
01:09:48 (※どれくらいで頂上着く?)「あと二時間で着きたいね。午後2時あたり着く予定」
01:15:03 「人いた!」七合目の小屋付近に先行者
01:16:12 「アイゼンはどうだろうね、必要なかろうと思って(中略)いらなくね?」
01:18:41 七合目 花小屋の手前で登山道が岩場になる「ロッククライミングと」「荷物が多い時は下山道よ、登りやすいのはね」「今日の荷物は7kgくらい」

■ 吉田 登山道 七合目
01:20:24 七合目 花小屋到着「レインコートは2.5kg」既に雲の上。空は快晴、目下は雲海
01:22:34 花小屋と日の出館の間で飛行機の音を聞き、空を見上げる
01:23:26 七合目 日の出館に到着 北側に落石防止柵が見える
01:27:54 七合目 トモエ館 到着
01:32:50 「雪のあるところまで行って休もうと思ったんだけど」七合目に積雪なし
01:34:36 七合目 鎌岩館 到着 「雪がない。雪があれば休もうと思ってるんだけど」ここまで休憩なし
01:36:55 富士一館の下で「人の声がする」「さっき見えた人」
01:37:16 鼻水が出る「鼻紙もペーパータオルもあんだけどね」 
01:38:10 「足場を探さないかんからね登りは、登山道。多少神経を使う」下山道を登ろうとする理由は傾斜の緩さ、足場の良さらしい
01:38:25 七合目 富士一館に到着 上は深い青空
01:38:55 富士一館の奥で外国人男女が休憩中。極力写さないようカメラは上に向けている

  テツ「Hi! how you doing?」こちらから先に声を掛ける
  男性「Are you going? go top?」どちらまで?頂上?
  テツ「はい」 男女「hoooo!」
  テツ「あなた方も同じ?」 男女「Noooo!」
  テツ「これから行く(上る)のですか?」
  男性「I don't think have time for me」私には(上る)時間がないと思う
  女性「I wish you good luck」 ポーランドから来たらしい男女を追い越す

01:40:50 (※休まないの?)「雪のある所で休もう」目線の高さに残雪
01:42:14 (※コロラド辺りに住んでたの?)「オハイオだよ」「雪がない」
01:43:20 (※自転車で来たの?)「バスで来た」「昨日の晩、来ようって決めたから」
01:43:47 七合目 鳥居荘の鳥居が見える
01:44:09 (※何時に家出たの?)「7時くらい。(サイトで)7時55分のバスが取れなかった」「7時に出てスマホとにらめっこしながら新宿行って」キャンセル待ちをした
01:45:59 「雪硬いな、ヤバいやつか?遅かった来るの」「新雪の多少表面がサラサラしてる時に来たかった」
01:46:54 鳥居荘 到着。建物の日陰の雪が「凍ってる」「雪が固まってる」
01:48:51 (※登山靴ですか?)「登山靴よ、Amazonで二千円で買ったやつ」(※コースタイムより15分早い)「予定より全然(登るのが)遅い」
01:50:58 上に東洋館が見える「スマホホルダ忘れたからポケットなんだ」(※険しい道だな)「(下山道は)足場を確認しなくとも登れるから楽」
01:53:00 「雪滑るな、アイゼンいるやつね」「新雪が降って直ぐに来ないと無理だなアイゼン無しでは」「ちょっと寒い…ちょっとヤバい。」(※気をつけてね)「気をつけよう。溶けて凍るんだね」
01:53:55 七合目 東洋館到着「雪あった方がいいけど、下りられないんだコレ。まぁいいや行く?滑るな多分な。御殿場ルート下りようとすると」
01:54:24 東洋館前を抜けて山頂を見る(※ブル道まで行かないと下りられない)物資を運ぶブルドーザーが通る道(ブル道)=下山道
01:54:50 (※危なくなったら山頂まで諦めた方がいいかも)「そやね、でも山頂まで行けちゃうと思うよ」
01:56:55 先行者の足跡はクラスト状態 「ピッケルないね」(※滑落しないように気をつけて)
02:00:26 (※今12時30分)「2時間半で着けるかな?」目下にポーランド人男性が見える

(説明文欄の文字数制限のため中略)

■ 吉田 登山道 八合目
■ 吉田 八合目 ブル道 〜 下山道へ
■ 吉田 下山道 八合目
02:49:18 八合目 江戸屋(下江戸屋)の下にある吉田ルートと須走ルートの合流点
     ここから上は須走ルートと吉田ルート下山道が共通路となる
02:50:20 八合目 江戸屋(下江戸屋)前に到着

■ 吉田 下山道 本八合目
03:03:27 本八合目 富士山ホテル(下山道側)に到着 複数人の足跡が残る。前日と前々日(土日)の下山者のアイゼン含む足跡が見える。
03:03:43 本八合目 富士山ホテル横で見上げると

■ 吉田 下山道 およそ八号五勺
03:20:38 (※孤独を感じませんか?)「東京いたほうが孤独だもん、オレの場合」と笑う
03:55:25 鳥居が見える「下山道の方の鳥居?ゴール早くね?」(※ここから絶対無理禁物)薄ら返事

■ 吉田&須走 下山道 頂上鳥居〜お鉢巡り滑落地点
03:57:25 吉田下山道にて山頂鳥居前到着。吉田登山口通過は開始12分なので、GROSS 3時間50分弱で登頂。

ここから滑落までの詳細については下記動画説明文を参照
https://www.youtube.com/watch?v=h7-Oq-mmsZk&t=0s


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富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索
2019年10月29日 13時24分 産経新聞


富士山登山を「ニコ生」中継中に滑落か 救助隊が捜索

青空に浮かび上がった雪化粧した富士山=23日午前、甲府市愛宕町から(渡辺浩撮影)

 富士山山頂付近で28日、インターネットで動画を配信しながら登山していた男性が滑落した恐れがあるとして、山梨県の消防防災ヘリなどが捜索したが発見できず、29日朝から静岡県警の山岳遭難救助隊員約10人が山中を捜索している。

 男性は28日午前、動画配信サービス「ニコニコ生放送」を利用し、「富士山へGO」のタイトルで自らの登山をライブ配信していたが、山頂付近で「滑る」と叫んで落ちる様子が映し出された直後に配信が止まった。動画を見た人が110通報した。

 富士山は16日に雪が積もっているのが上空などから確認され、22日に甲府地方気象台が初冠雪を発表するなど冬山の時期に入っている。男性は動画で「指が冷たい」などと話しており、軽装だった可能性がある。
https://news.nifty.com/article/domestic/society/12274-449918/

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いまだ行方不明 富士山登山を生放送していたニコ生配信者が滑落か 軽装で登山初心者だと推定
2019/10/29 11:16TABLO
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6112095

2019年10月28日午前未明、ニコ生配信主が「富士山へGO」という企画名で富士山山頂へ向かいました。生配信でコメントを読みながら登山。

しかし、何回も「手が冷たい」「カイロ持ってこなかった」「足跡があるから辿っていこう」「凄い滑る」「30度くらいの坂になっている」というコメントをしています。そこから、暖房器具もなく軽装であることが判ります。初めて富士山を登山したと思われ、当然一人。ガイドや経験者もつけずに登山をしたようです。

しかも、コメントに対して、コメントするなどスマホを見ながらの登山だったと思われます。そして山頂らしきものが見えてきたころ、急激に斜面が角度を持ち、「滑る」を連発。雪がアイスバーン状態になっているところを、「滑る」と言いながら落下。配信はそのまま止まってしまいました。配信主の無事を祈るよりほかにありません。

この「事件」は三つのポイントがあります。

【富士山は高山である事】

僕は三才ブックスという出版社に勤務していた頃、「富士山で全国のラジオをどれだけ受信できるのか」という実験を行いました。五合目でテントを張り一晩かかって実験を行いました。

結果、AM放送は北朝鮮放送や国内では青森放送まで受信出来ましたが、その夜が酷かった。雨、風が凄い強さになりテントを張っていたのですがテントが飛ばされ。八木アンテナ(皆さんの家の屋上などにあるトンボのような形のアンテナ)が風で曲がっていました。五合目が「この状態」ですから山頂ではどんな事になっていたか。ですから、僕はそれ以来、富士山には登っていません。

【配信者の行動の是非】

この行動はいわゆる、「自己責任論」の範疇に入ると思われます。雪山で遭難する人がいる度、自衛隊や警察のヘリが飛び救助される模様が報道すると、「そんな山に登った人が悪い」という論調になります。確かにそういう事も言えます。危機意識かが低いケースもあるでしょう。が、人命は助けなければなりません。そして救助されたならば、心から反省して頂きたいと思います。

【配信者だけでないYouTuberの無茶】

以前、ニコ生配信者が自宅で花火をし、消防車が出動するハメになった事もありました。配信中に刃物を振り回し逮捕された人もいました。これも十年くらい前から言われている事でうんざりなのですが、過激な事をすれば登録者数が増えるという風潮。YouTubeの場合、あまりに過激だったり法令に抵触したり、差別を目的としたような番組はBANされるので、無くなってきましたが、未だに差別だけでなく名誉棄損的内容の配信は残っているようです。

ともあれ、「山は絶対なめてはいけない」。そして「富士山は大変危険である」これは肝に銘じてほしいと強く思うと同時に遭難した配信者の無事を祈るばかりです(画像はニコニコ動画より)。(文◎久田将義)
https://news.nicovideo.jp/watch/nw6112095  


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富士吉田口 登山ルートマップ
https://i.imgur.com/Wq2J0sr.jpg
2:777 :

2022/06/09 (Thu) 13:28:41


【自然】遭難事故が相次ぐ冬の富士山。専門家は「日本一難しい山」と指摘 [無断転載禁止]©2ch.net

1 :記憶たどり。 ★:2017/02/04(土) 14:44:41.93 ID:CAP_USER9

冬の富士山で遭難が後を絶たない。

毎年のように遭難者が出ており、今年1月には滑落事故で2人が死亡、
1人が負傷した。独立峰のため、冬季は全方向から強風が吹くなど
気象条件が厳しいことが理由で、登山歴約50年の古屋寿隆・山梨県
山岳連盟会長(66)は「8合目より上は日本で一番難しい山」と強調する。

「スケートリンクを斜めにした状態」。遭難者の救助に当たる山梨県警などは、
冬の富士山の登山道をこう表現する。氷が分厚く、ピッケルは刺さりづらい。
県警の担当者は「一度転べば数百メートル滑落する可能性がある」と説明する。

数年前の年末、古屋会長は県警からの要請を受け、9合目から6合目に
滑落した男性の救助に向かった。事故発生時は生存していたとみられるが、
発見できず数カ月後に遺体で見つかった。同会長は「5合目付近でも氷点下
20度くらいになり、けがをすると体力も落ちる」と述べ、生命の危険にさらされる
恐れがあると指摘する。

滑落する登山者の中には知識や技術が不足している人も少なからずいるという。
いきなり山頂を目指すのは大きなリスクが伴うため、古屋会長は「5~6合目で
訓練を重ね、判断能力を養うべきだ」と話す。

富士山の開山期間は7~9月上旬。環境省などで構成する協議会が策定した
指針は、閉山期間に万全な準備をせずに登山することを禁止しているが、
罰則や強制力はない。県警と県などは1合目付近で登山の自粛を求めて
いるものの、引き返す人は皆無に等しいという。登山計画書の提出や単独での
入山を避けるよう呼び掛けるのがせいぜいで、事実上打つ手無しの状態だ。


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【冬富士登山 厳冬期】生死の境界線 元旦に冬富士山頂を目指す人 2015/08/07
http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html


昨今、登山用品のレンタルサービス充実し、低予算で安心して借りられるようになってきています。装備をすべて購入するのに比べて費用は約1/3以下、重要装備の登山用レインウェアは2500円~、登山靴は3500円~で1泊2日レンタル可能です。そこで、最近の富士登山のレンタル事情、レンタルする前に知っておきたいこと、大手レンタル会社の特徴・内容・価格について調査し、記事にまとめました。
詳細はこちら>>>【富士山向け】登山道具・装備レンタルの総合案内
http://fujisan.rash.jp/rental-info.html


夏には数十万人もの登山者が山頂を目指す富士山。

多くの人々が美しく雄大な日本を象徴する山で感動していることでしょう。

しっかりとした事前準備、約10時間の運動に耐えられる体力、服装、装備があれば初心者でも登頂しやすい夏の富士山ですが、冬になると毎年死者を出すほどその様子は一変します。

冬富士は見るには美しいですが、登山においては「白い魔境」、「恐怖の雪山」、「難易度はエベレスト級」などと呼ばれています。

今回、2005年から2012年にかけて厳冬期の元旦の冬富士登山に挑戦し続けていいるSさんから非常に生々しい体験談を聞くことができました。

対談を終えて、冬富士は、安易な挑戦はせず、挑戦するならそれ相応の準備と覚悟を持って挑むべき山であると深く感じました。


対談の衝撃的な内容

突風は上のほうからゴーーー!と鳴りながら、下りてきます
冬富士の氷・アイスバーンはカッチカチで耐風姿勢のとりようが無い
突風で飛ばされて斜度45度くらいのアイスバーンを滑落!「ああ、死んだ」と思った。
数百メートルくらい離れた右側でドドーンと雪崩が起きた
上のほうからものすごい勢いでおじさんが滑落してきて横を通り過ぎていった

対談者自己紹介


元旦冬富士登山家のSさん

登山・登攀のエキスパート Sさん
アルパインクライミング(普通の人はまず登らない崖みたいなところを登る)を得意とする

登山経歴 マッキンリー(6,194m、北米大陸の最高峰)
マッターホルン(4,478m、スイス・イタリア国境)
モンブラン(4,810m、フランス・イタリア国境)
天山山脈(5000m~8000m級、中国 新疆ウイグル自治区)
南アルプス(2000~3000m級、日本)
北アルプス(2000~3000m級、日本)
八ヶ岳(2000m級、日本)
谷川岳(2000m級、日本)
その他多数

特長数々の死線を越えているため、冷静沈着
登山の知識、技術力、経験共に計り知れないレベル。もはや生きる登山辞典

Sさんの言葉 なぜ冬富士に登るのですか?「楽しいからですよ。登るの面白いですね。」
「死ぬか生きるかの境界線はすごく面白い」(何が何でも生きていてください!by M・T)
「自然には勝てません」
「引き際の判断が難しい。かといって、謙虚すぎても前進できません」
「雪崩の危険があるところに行くと雪崩ますね」(雪崩で3度も自力&他力で脱出した経験より)



冬の富士山を無事登頂!鳥居の前で
当サイト管理人 M・T (2012/05/24 富士山の山頂の鳥居前で)

登山経歴 主に八ヶ岳、谷川岳、アルプス、丹沢など出没。Sさんから比べると完全に初心者レベル

特長 のんびりした登山を得意とする。
どちらかというと、夏山よりも冬山好き
アイスクライミングで10mくらい登ると足がプルプル痙攣する
登山仲間からはよく「行動食が多すぎない?」と言われて、「いやいや、非常用も兼ねてるから」と回答する。

登山中に行動食を食いすぎなのか、下山後は体重が増える。
アウトドアが好きだが、虫がきらい。特にヤマビルは存在が気持ち悪い
蜂が大の苦手で、蜂に遭遇すると全速力で逃げ出す。


M・T 今日は厳冬期である元旦の冬富士登山についてお話していただけるということですが、よろしくお願いします。

Sさん よろしくお願いします。
M・T 簡単に登山経歴を教えていただけますか?

Sさん 日本の山だと、夏と冬の富士山や谷川岳、厳冬期の北アルプス縦走など登ってます。

M・T それは、すごいですね。

Sさん 海外の山だと、初めて登ったのはマッキンリー(6,194m、北米大陸の最高峰)、マッターホルン(4,478m、スイス・イタリア国境)とかモンブラン(4,810m、フランス・イタリア国境)や新疆ウイグル自治区(しんきょうウイグルじちく)の5000mとか8000mちょうどくらいの山を登りました。

M・T もはや私には想像つかない異次元の世界ですね(^_^;)すご過ぎます。冬富士には何度登られたんですか?

Sさん ここ8年連続で1月に登っています。そのほとんどが元旦ご来光登山です。

M・T すべて登頂されたんですか?

Sさん 初年度だけ、途中下山しましたが、それ以後の7回は無事に登頂できています。

M・T 初年度はなぜ途中下山したんですか?

Sさん 初めての冬富士だったのですが、完全になめてましたね。冬期北アルプス縦走したし、大丈夫だろうと挑んだのですが見事にはね返されました。

M・T 何に、はね返されたんですか?

Sさん 斜面の氷ですね。アイスバーンがやばかったんです。

厳冬期の冬富士の難易度


M・T 登山のエキスパートのSさんですが、冬富士の難易度はどの程度なんでしょうか?

Sさん 時期にもよりますが、厳冬期の1~2月の富士登山の難易度は七大大陸最高峰(マッキンリー、キリマンジャロなど)の夏の気候が安定した時期より難しいか同じくらいです。

M・T えっそうんなんですか?

Sさん マッキンリーにしても夏であれば、スキーはいて登れるんですよ。もちろん、クレバス落下防止や高所技術や時間はかかりますけど、クレバスに落ちないように登っていけば行けちゃいます。寒いですけどね。上のほういけば-45℃とか普通ですけど。

M・T やばいじゃないですか!

Sさん アイゼン付けるかもしくはスキー履いて登れば行けるんですよ。ただ、冬富士はそんなものの比ではないんですよ。何より冬富士はアイスバーンがやばくて、風がつよいんですよ。年平均で風速10mぐらいですから。そして冬富士は気圧が20hpa程度低いので3776mの標高でも実質4000m級の標高になります。

※補足解説)
アイゼン(別名クランポン)とは、登山靴の靴底に装着する金属の爪のことです。
積雪期の富士山レベルであれば、12本爪を使うのが妥当でしょう。

因みに、私は

PETZL LYNX(ペツル リンクス)
https://search.rakuten.co.jp/search/mall/PETZL+LYNX/?v=2&scid=af_pc_link_urltxt&sc2id=af_101_0_0

というアイゼンを使用し登頂しました。

冬富士の風


富士山の4つの登山ルート

M・T 厳冬期の富士山の風はどんな感じですか?

Sさん とにかく、冬の富士山は強烈な風が吹きます。だいたい風速10m(時速で36km)くらいですかね。基本的に、冬型の気圧配置になると北西風が吹きます。場合によっては西風、南西風になります。とにかく風がどの方角から吹くのかは非常に重要で、登山前に確認が必須です。

M・T なるほど。

Sさん
北西風が吹いて、御殿場口から登った場合は富士山の山頂を挟んで、ちょうど反対側から登ることになりますので、風が穏やかになります。ただ、頂上に近づくと回り込んだ風が吹いて突風となり、体が浮くほどの突風の場合もあります。突風は上のほうからゴーーー!と鳴りながら、下りてきます。雪あれば雪煙で見てわかります。



M・T 体が浮くほどの風ですか!

Sさん しかも山頂近くになると斜度45度くらいのカッチカチの氷でできたアイスバーンですから、耐風姿勢をとっても体が突風に持っていかれることもあります。

M・T う~ん、こわいこわい。

Sさん あと、2008年か2009年の元旦に登ったときですね。異常気象だったんですよ。めちゃくちゃ雪が多くて、海からの南西の風が吹いていて、すごく湿った強風だったんですよ。御殿場口から登ると風にめちゃくちゃあたりますから、服がバリバリ凍ってきて自分が海老の尻尾みたいにバリバリに凍った感じですね。

M・T 南からの風は凍傷の危険性とそもそも横風を思いっきりくらうので危険なんですね。


冬富士の氷・アイスバーン


M・T 冬富士の氷・アイスバーンはどうなんですか?

Sさん アイスバーンはガッチガチに凍って、アイゼンの刃がまったく刺さりません。そして風で飛ばされそうになって滑りそうになって耐風姿勢をとりたいのですが、そうすると滑って滑落しそうになるので、耐風姿勢のとりようが無いんです。

M・T えっそれじゃどうするんですか?

Sさん どうしようも無いので、そうなる前に逃げるしかないです。石垣の陰とかに隠れるか、それができないなら覚悟を決めてガッて耐風姿勢をとるしかないです。

M・T 少し思ってのですが、そもそも通常のピッケルではなくて、アイスクライミング用のアイスアックスを使ったら良いんじゃないですかね?

※補足解説)
ピッケルとは積雪期の登山に使う”つるはし”のような形の道具です。
雪山登山中の杖として、万が一滑落したときに止まるための道具として使います。

因みに私は、

GRIVEL(グリベル)ネパールSA・プラス
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を愛用しています。


Sさん う~ん、何度か叩けば刺さると思いますが、冬富士の氷はアイスクライミングの氷よりは固いですね。冬富士の氷は密度が高いですから。

※補足解説) アイスクライミング用のアックスとは、氷壁を登るときに使う鎌みたいな道具です。

PETZL QUARK(ペツル クォーク)
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PETZL NOMIC(ペツル ノミック)
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あたりが、アイスクライマーに人気です(^-^)


M・T そうなるとぜんぜん登れないのでは?

Sさん アイスバーンにも柔らかいアイスバーンもあるので、そこを狙って登ります。固いアイスバーンは何やってもダメなんで、柔らかいアイスバーンを狙ってガッとアイゼンをある程度刺して進みます。

M・T 固いアイスバーンと、柔らかいアイスバーンをどうやって見分けるんですか?

Sさん だいたい見ればわかります。目で見て色が違うんですよ。簡単に言うと、冷蔵庫の霜のような白く濁った色の氷や、完全に透き通っている氷が固いアイスバーンです。柔らかい氷は白色なんですが、なんか盛り上がっているんです。それが沢みたいな感じになっているので、そこを狙って登ります。

M・T へ~、そうなんですね。

Sさん アイスバーンのでき方もいろいろありますからね。風でできたり、雨でできたり、日光でできたりしますから。日光でできた氷は日光で雪の表面が溶けて凍ったものなので、氷のしたはふかふかの雪ですからたいしたことありませんが、風でできた氷はやばいですね。

M・T そんなに風でできたアイスバーンはやばいんですか?

Sさん 何回も雪が降って雪の重みで固くなるじゃないですか。風が強いんで上の雪が吹き飛ばされて下の硬い部分が表に出てきます。その固い雪がどんどん強風で磨かれたり圧雪されて、どんどん固くい氷になるんです。その氷はやばいです。まるで表面がボコボコしたスケートリンクです。

M・T スケートリンクですか。。。

Sさん アイゼンを蹴りこまないと刺さりません。ただ足を乗せるだけではキシッと音が鳴るだけでぜんぜん刺さりません。そもそも蹴りこんでも刺さんないくらい固い氷ですから。

M・T それはやばいですね(^_^;)

Sさん そんな氷でできた斜度45度のアイスバーンの上を風速10m以上、場合によっては20mくらいの状況で登るのは無理なので、ゼッタイに近づいてはいけません。吹き溜まりや氷のもろいところを狙って進まねばなりません。

M・T すべて固いアイスバーンのときはどうするんですか?

Sさん 気象条件によってはありえるのですが、その時はもう富士山を登れません。たとえ何とか登ったとしても、下りが非常に危険です。

M・T 確かに、上りより下りの方が難しいですからね。

Sさん あと5、6月になると温かいので雨が降るんですよ。それが深夜に凍ってアイスバーンになるのですが、それも氷の密度が高くキケンです。あと4月、5月はとても積雪が2~3mと多いんですよ。鳥居が触れちゃいますよ。そうなると氷が雪で埋まるので、わりとフツーの冬山登山になります。

冬富士の雪崩


Sさん
富士山で起こる雪崩には、大規模な「スラッシュ雪崩(底雪崩)」と人為的に起きやすい「表層雪崩(新雪雪崩)」があります。スラッシュ雪崩は巨大な雪崩で、平成16年12月5日に富士スバルライン土砂災害は山頂付近で発生したスラッシュとなり雪の無い斜面を数キロ下り自動車数台を巻き込んだようです。

表層雪崩

「表層雪崩」のメカニズムとは? 気象予報士解説(12-02-02) - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=4i1zG1nDzes

スラッシュ雪崩

スラッシュ雪崩を見たい方は平成19年3月25日撮影された映像をご覧ください

http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html



M・T スラッシュ雪崩はすごいですね。こんなの食らったら一瞬で死にますね。雪崩の起きやすい時期があるんですか?

Sさん 積雪のある時期は雪崩が起こりえます。雪崩れる場所は季節によって決まっているんですよ。だいたい富士山の東側にある須走口の方は雪崩やすいですね。障害物が何も無いですから。表層雪崩はほとんど人が人為的に発生しますね。スラッシュ雪崩は根こそぎですね。富士山は活火山ですから地面が温かいです。それで地面側から雪が溶けて弱層になるので、ドドーンと巨大な雪崩が起きます。

M・T なるほど、そういう原理でスラッシュ雪崩が起きるんですね。とてもわかりやすいです。

Sさん スラッシュ雪崩が起きやすいのがゴールデンウィークくらいですね。

M・T ゴールデンウィークは登山者が多くなる時期ですよね。

Sさん 5合目くらいまでは雪崩が起き難いですが、6合目、7合目くらいの東斜面は雪崩やすいです。


冬富士の登山ルート


M・T いつも登られるルートはどこですか?

Sさん 御殿場口ルートを登ります。5合5勺くらいから、測候所の人が使っていた安全柵を呼ばれる鉄柵(無人化に伴い撤去中のようです)が頂上の測候所まで続いるので、それに並行する感じで登っていきます。測候所の人の通勤ルートですね。8合目からは避難所と呼ばれる石垣の囲い(風除け)が5ヶ所あるので、それを利用しながら登ります。

M・T 他にもルートがありますが、なぜ御殿場ルートなのですか?

Sさん 基本的に冬場は北西から風が吹きますから、南東から登る御殿場ルートは比較的風が穏やかになります。北西風の強風の中、吉田口から登ると右側から、富士宮から登ると左側から強風が吹いてきて凍傷確実ですし、常時風速10mくらいある中で、アイスバーンはこけて滑落します。吉田口は雪崩が起きるのでまず無理です。

M・T そうなると、厳冬期の富士登山は御殿場からのみになりますね。過去登ったのはすべて御殿場ルートですか?

Sさん そうです。他のルートは恐くて登れません。

M・T Sさんが恐いというくらいなら、厳冬期の富士登山するなら御殿場ルートしかないですね。


冬富士登山のタイムスケジュール


M・T いつも元旦に富士山登るときのタイムスケジュールはどうなんですか?

Sさん 31日に前泊して1日に登り始めます。31日には御殿場ルートの0合目に車を置いて、6、7合目くらいにある測候所の避難小屋の裏にテントを張って、早朝1時から上り始めます。

M・T 朝早いですね。朝は何度くらいなんですかね?

Sさん う~ん、たぶん-15℃くらいじゃないですかね。テントでは、シュラフなしの防寒着とザックで寝ます。

M・T -15℃でシュラフなしって、もはや変態ですね。たぶん普通の人は耐えられないですよ。

Sさん はっはっはっ。そうですね。日の出には山頂からご来光を眺めています。下山はテント立てた場所まで2時間弱で下山します。下山のときは、斜面が緩んできたところからファンスキーで下りることもあります。

M・T お鉢めぐりはするんですか?

Sさん 天候次第ですね。行ける時はいきます。ただ、山頂はめちゃくちゃ風が強いんですよ。富士山の火口に風が巻いちゃうので、いろんな方向から強烈な風が吹いてきます。

M・T なるほど。

Sさん 冬の富士登山は、本当に難しいですからね。何より事前の気象情報の確認が非常に重要です。気象情報がわからないと行くのかやめるのか、判断できません。風が南風ならやめた方がいいですしね。

実際にあった事故・アクシデント


M・T 過去何度も厳冬期の冬富士に登られていますが、危険な状況になったこと、アクシデントなどありましたか?

Sさん 2008年か2009年の元旦に登ったときですね。異常気象だったんですよ。めちゃくちゃ雪が多くて、海からの南西の風が吹いていて、すごく湿った強風だったんですよ。御殿場口から登ると風にめちゃくちゃあたりますから、服がバリバリ凍ってきて自分が海老の尻尾みたいにバリバリに凍った感じですね。

M・T それはヤバイですね(^_^;)

Sさん 左後ろくらいから吹いてきたんですけど、なぜか前からも強風が吹いてきたんですよね。たぶん風が巻いてるんでしょうね。それでヤバイと思って耐風姿勢をとったんですが、ドーンと風に飛ばされて9合目くらいからバーンと滑ってしまいました。

M・T えーーーーー!!!!滑ったんですか!!!

Sさん うわーっと体がもっていかれて、滑ったときは「ああ、死んだ」と思いましたね。

M・T よく生きてましたね(^_^;)

Sさん
氷の斜面を滑落して、クルッと回って、すぐにピッケルで氷を刺しました。が、ガガガガッと固い氷にはじかれて、ビヤーとそのまま落ちていきました。

雪山・冬山の滑落停止技術 in 冬富士 


雪山・冬山の滑落停止技術 登山ガイド 野中径隆 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=03sJJTxbq30

富士山登山ガイド 野中径隆
https://michi3.com/



M・T ひえ~~~~!

Sさん ピッケルが刺さらずにしばらく滑り落ちていたら、途中で氷が柔らかくなっていたのか、ピッケルがガクン!!!と刺さってムクッと起き上がることができました。

M・T 9合目付近から何メートルくらい滑落したんですか?

Sさん たぶん50mくらいの滑落だと思いますよ。でもあんまり覚えてないんですよ。滑落停止も条件反射ですからね。逆に条件反射でできないとヤバイですから。何年も前から本格的な滑落停止の訓練はしていますから。

M・T 滑落した後は下山したんですか?

Sさん そのまま登って登頂しました。

M・T ご無事でなによりです。それ以外にもなにかアクシデントはありましたか?

Sさん 富士山の突風で吹っ飛ばされるのは良くあるんですけどね。滑落も良くあります、体重が軽いので。あと数百メートルくらい離れた右側でドドーンと雪崩が起きたりとか。あと、休憩していたら遠くのほうで人が滑落していたりだとか、上のほうからものすごい勢いでおじさんが落っこちてきて横を通り過ぎていったりとか。結構ありますよ。

M・T えーーおじさんが落っこちてきたんですか!!!そのおじさんはどうなったんですか?

Sさん 少しはなれたところをすごい勢いで落ちて来ていました。かなりの距離は落ちてましたが、生きてはいたようです。

M・T そうですか。それは良かったですね。

Sさん 滑落すると、岩とかに激突して骨折したり、最悪激突死します。富士山の上の方は氷ですけど、綺麗な氷ではなくて所々岩が出ています。滑落すると、ピンボールみたいにボンッ!ボンッ!と激突しながら落ちていきます。

M・T うわっ(^_^;)

Sさん 滑落中に骨に当たれば折れますし、背骨に当たればそれで終わりですし、頭に当たれば即死です。そういうのを滑落死というのですが、ほとんどが滑落中に亡くなります。基本的にアイゼンが刺さらないような氷の斜面では、ピッケルも刺さらないですから。ヘルメットもこけた衝撃でハーネスごと切れてしまうこともあります。

M・T 冬富士はヤバイですね。

Sさん 厳冬期の冬富士が、七大大陸最高峰(マッキンリー、キリマンジャロなど)の夏の気候が安定した時期より技術レベル難しいと言ったのはそういう背景があるからです。

M・T ・・・。

Sさん 冬富士を登るには、突風に耐えられないといけないですし(耐えても体が浮いて飛ぶときもありますが)、滑落事故は上りよりも下りで起きます。上りはまだ元気ですし、気を張っています。しかし、下るときは疲労もありますし、そもそも氷の斜面を下るのは上りの倍以上難易度が高いです。下りの滑落は、しりもちついてそのままザーー!っと落ちる感じです。

M・T こわいですね。

Sさん 一瞬の油断が命取りです。

※※※猛スピードで滑落する60歳男性(衝撃映像です・・・)※※※
(撮影:アメリカ海兵、事故発生日:2011/12/10)


Mt. Fuji Rescue Sasebo Sailors Spring Into Action - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=64ekKwRIXHQ

・10日、上部の尾根から日本人男性(60)が滑落していくのを、登頂を断念して周囲を撮影中だった佐世保所属の米国海軍3名が山頂直下100m内の地点 で確認。(注:記事では山頂近くにいたとあるが、ビデオによると須走口8合5勺御来光館付近で、須走口(9合目鳥居)南側の沢を滑落していくのを確認した ように見える)

・3名は下降。途中救助具を所持する日本人登山者らに出会う。滑落確認30分後に滑落者に追いつき、ヘリを呼ぶが、3000m以上にヘリが飛べないとの回答。

・Baughman(36)は高山病になりかかっていた仲間2名を下山させ、日本人登山者らと共に男性を寝袋に入れて3000m以下に下降後、再度ヘリを呼ぶが、気象条件が悪く、当日は来ず。アイスアックスで掘って山小屋を開け、中に入れ、火を炊いた(床が焼けた)。

・翌日朝8時、ヘリが来て下山。滑落した日本人男性は骨折と凍傷で全治6ヶ月。

・Baughmanは翌日、車の鍵が入ったバッグを取りにホテルから入山地点まで戻った勢いで登頂した。 (海軍兵の記事はこちら)


冬富士登山ならでは準備


M・T 冬富士ならではの準備はありますか?

Sさん アイゼンとピッケルの歯はやすりで研ぎますね。じゃないと刺さらないですからね。まあ、研いでも刺さらないんですが、願掛けみたいなもんです。

M・T 他には何かありますか?

Sさん それと水と食料ですね。水は2リットルは持っていきます。とにかく寒いので、自分自身で熱エネルギーを作り出すしかありませんから、お菓子もいっぱい持っていきます。避難小屋の影や石垣で風があたりにくい場所で食べたりします。

M・T 2リットルの水はすべて魔法瓶に入れるんですか?

Sさん いいえ、魔法瓶とボトルに入れてもって行きます。水筒に入れたのは凍ってしまうので、お湯をたしてバーナーで溶かします。熱湯を魔法瓶に1リットル、残り1リットルは普通の水筒にいれます。私の場合は行動中は1リットルでだいたいたりますので、残り1リットルは予備です。

M・T そうなると、バーナーはもって行くんですね。

Sさん バーナー(ガス缶はプロパン)は必ずもって行きます。ただ、風が強いので使うときにはツェルトをかぶって使います。あぐらかくなり体育座りするなりして、股の間でバーナーを使います。ついでに暖もとれますしね。

M・T 因みにツェルトは何使っているんですか?

Sさん 私はアライテントのツェルトですね。まあ、ツェルトなら何でも良いと思うのですが、冬富士登山の場合は、あまり大きいのは風でバタついて保温効果が低下するので、小さくコンパクトにたためる アライテント ビバーク・ツェルトスーパーライト がいいかもしれません。ツェルトは冬富士では必須の持ち物ですが、夏の富士登山でも必要だと思います。


"アライテント ビバーク ツェルト スーパーライト"
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M・T 夏の富士登山でもツェルトは必須ですか?

Sさん 夏でも必須ですね。ツェルトに包まるだけでぜんぜん違いますから。極端な話、夏ならツェルトかぶっていればその辺でゴロンとなって寝れますから。女性なら中で着替えとかもできるでしょうし。

M・T たしかに、特に山頂でご来光を見る人にはあった方がいいですよね。因みにザックは何リットルですか?

Sさん 35リットルですね。あまり重いのは負担なので、それで十分です。

冬富士登山中の行動食・休憩


M・T 登山中は何を食べてるんですか?

Sさん だいたい羊羹を食べてますね。あと、登山中はほとんど休憩しません。

なぜ、冬富士に登るのですか


M・T とても根本的な質問で、もしかしたら愚問かもしれませんが、なぜ厳冬期の冬富士に登るのですか?

Sさん それは楽しいからですよ。登るの面白いですね。

M・T そんな危ないのに楽しいんですか?

Sさん 変な言い方かもしれないですけど、死ぬか生きるかの境界線はすごく面白いんですよ。ここで転んだら死ぬな、とか突風で弾き飛ばされて滑落しそうになって助かったときなんて、僕はめっちゃ笑顔になってますよ(^-^) ヤベー(^-^)みたいな感じで。あとまあ、完全に実力で登れるか登れないかなので、登れると自分に自身が持てますよね。

M・T たしかに、それだけ冬富士は危険で難しいですからね。

Sさん ある程度、道具だ服装だってありますけど、結局、自分の足で歩いて自分の技量でどうにかするんで、明確に自分がどれくらいできるかわかるのが面白いですね。

M・T そうなんですね。

Sさん 調子に乗ると失敗するんですけどね。自然には勝てませんから。どんなに万全に準備しても、天候が悪ければ失敗しますから。調子に乗らない程度に調子に乗るとちょうどいいですね。

M・T えっ!?

Sさん 謙虚に調子に乗るってことですね。はっはっはっ。引き際を間違えなければ、無茶していいみたいな。まあ、引き際の判断が難しいんですけどね。かといって、謙虚すぎても前進できませんから。

M・T
確かに、引き際が難しそうですね。せっかく着たからには登頂したいという思いもある中で下山するというのはとても勇気がいることだと思いますし、私自身も冬山登山者としてそうありたいと強く思います。

今日は本当に厳冬期の冬富士登山に体験談を聞かせていただきありがとうございました。きっと、今日お話頂いた内容は冬富士に関心のある方が賢明なる判断をする上で非常に役立つと思います。Sさんが今後も無事に登山を楽しめるよう心より願っています。
お役立ち映像 イッテQ!内村が真冬の富士山に挑む

2009年12月08日にウッチャンナンチャンの内村さんが、多数のガイドのサポートを受けて富士山の富士吉田ルートから2泊3日の行程で無事登頂しました。

動画はこちら ⇒ http://www.tudou.com/programs/view/Uvnq2vVqQaI

(冬富士登山の映像は110分ごろから始まります)

無事に登頂できて、よかったですね。(まあ、最後の方は先行するガイドにロープで引っ張られていますが。。。)

あと、内村さんが着ているウェアーとザックとテントがモンベルのでしたね。

このTVの登山の約1週間後、元F1ドライバーの片山右京さんを含むパーティーが遭難し、2名の方が亡くなられました。

ご報告

2012/05/24に、当サイト管理人が積雪期の富士山を無事登頂することができました。


8合目付近 ( 2012/05/24 07:09 )


積雪期5月の九合目到着 - YouTube動画
https://www.youtube.com/watch?v=II0u9rEpQbs


九合目の山小屋に到着! ( 2012/05/24 7:21 )  撮影者(登山ガイド野中径隆)

冬の富士山山頂

雪に埋まった富士山頂上浅間大社奥宮 付近から ( 2012/05/24 09:53 )

夏の富士登山に何度も挑戦し、冬の高山で雪上訓練、雪山の登山技術の向上に励み友人と共に3度目の挑戦で無事登頂できました!

本当にうれしくて、雪山の中でも難易度の高い、ある意味命がけの積雪期の富士山登山の経験と山頂で撮影した写真は、私の人生の宝です。

ただ、当日に富士山頂付近で外国人の遭難者に会い、また友人の支持のもとで救助活動をおこないました。

初めての遭難者救助だったことと、救助者の命がかかっていること、そもそも少なからず自分の命を危険にさらす行為でもあったため、数時間にわたり非常に強い緊張感をしいられました。

遭難者を新7合目の山小屋前で無事に山岳救助隊に引き渡したときは、本当に安心しました。

そして、下山後の疲労感は今も忘れられません。

ただ、その数日後にわかったことですが、行方不明となっていた遭難者の仲間が滑落死していたことは、なんともいえない、とても苦い記憶となっています。

天候にもよりますが、積雪期の富士登山は本当に危険です。

死が近いです。

もし、このページをみて冬富士に挑戦したいと考えている方がいましたら、ぜひ、このページを何度も読み返すと同時に、こちらの登山記録にも目を通していただきたいと思います。


チェコ人・スロバキア人の富士山遭難事故 2012/05/24
http://fujisan.rash.jp/2012/05/120524-1.html


多くの方々が、事故なく安全に登山を楽しめることを願って・・・

M・T
http://fujisan.rash.jp/fuyufuji/talk1.html
3:777 :

2022/06/09 (Thu) 13:36:12


富士吉田口 登山ルートマップ
https://i.imgur.com/Wq2J0sr.jpg

【無料版】日本語・英語版の富士登山ルート地図・マップの確認とダウンロード(カラー、モノクロ印刷対応)[最終更新日]2019/05/28
http://fujisan.rash.jp/motimono/map.html

富士宮ルート地図(日本語版)
http://fujisan.rash.jp/motimono/map.html

富士登山の4ルート比較と人気ランキング!
http://fujisan.rash.jp/route/root.html

コストパフォーマンスに優れ、高評価の富士登山の装備一覧
http://fujisan.rash.jp/motimono/mybest.html

富士山の登山数日前・当日の天気予報(雷・強風・雨)確認手順
http://fujisan.rash.jp/weather.html


▲△▽▼


山小屋情報|富士登山オフィシャルサイト
http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/mountain_hut.html

富士山ガイド 山小屋のご案内
http://www.fujisanguide.com/forms/menutop/menutop.aspx?menu_id=1650

富士山の山小屋情報 JAPAN WEB MAGAZINE
https://japan-web-magazine.com/japanese/select/fuji/koya-info.html


吉田ルートの山小屋
http://www.mtfuji.jpn.org/index.htm
http://www001.upp.so-net.ne.jp/fujisan/fuji-hutk.html


富士山表富士宮口登山組合-富士山山室宿泊情報
http://www.fuji-tozan.com/04_lodge.html


富士山のトイレ|富士登山オフィシャルサイト
http://www.fujisan-climb.jp/hospitality/toilet.html
4:777 :

2022/06/25 (Sat) 21:04:32


山へ行こう
http://www.asyura2.com/20/reki5/msg/422.html

谷川岳
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/328.html

廃墟と化した水上温泉 _ 憧れの谷川岳 一ノ倉沢を登ろう
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/624.html#c13

剱岳
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/327.html

西穂高岳
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/326.html

中央アルプス 駒ヶ岳
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/325.html


▲△▽▼


冬の信州の高原に行こう _ 美ヶ原高原
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美ヶ原高原
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廃墟と化した水上温泉 _ 憧れの谷川岳 一ノ倉沢を登ろう
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残雪の出羽三山に「生まれかわりの旅」に出よう
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山形 出羽三山
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人力でGO _ 自転車で山に行こう
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自転車で山に行こう
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/1048.html


▲△▽▼


東海アマ 山の歩き方
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東海アマ 夏場の毒虫が極端に増えた
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山の危険 _ 迷っているときは沢に下りてはいけません(絶対に!)
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厳寒が人体に与える影響
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凍死 _ 厳寒が人体に与える影響
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「雨の匂い」は森に住む生き物の行動を変化させる
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急増する山岳遭難
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「お客様」登山遭難者が増加  タクシー代わりに救難ヘリ
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登山届空欄 「救助できない」
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「遭難者情報提供フォーム」 YAMAP - ヤマップ
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スマホに登山用アプリを入れれば登山用GPS端末になる
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スキー保険・山岳保険に加入しよう
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