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ウェスタン・エレクトリックで一番いい音のアンプはどれか?

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2022/08/08 (Mon) 13:40:51

ウェスタン・エレクトリックで一番いい音のアンプはどれか?


ウェスタン・エレクトリック輸入代理店 株式会社エレクトリ
https://electori.co.jp/

株式会社エレクトリ 取り扱いブランド
Western Electric(ウェスタン エレクトリック):真空管
https://electori.co.jp/we/index.html

Western Electric HP
http://westernelectric.com
http://facebook.com/westernelectric
http://twitter.com/westernelectric



待望のウェスタン エレクトリック製 300B 国内販売開始 2021 年 11 月 1 日
https://electori.co.jp/we/data/we_release_triode.pdf

オーディオファンにとって垂涎の銘球ウェスタン エレクトリック製 300B の復刻生産が始まり、いよいよ日本国内でも販売がスタートします。
正規輸入総代理店は株式会社エレクトリ、日本国内総販売元は株式会社トライオードで下記のとおり販売を開始します。


300B シングル (1 本) 110,000 円
300B ペア (2 本、木箱入り) 231,000 円
300B クアッド (4 本、木箱入り) 484,000 円


<ウェスタン エレクトリック(Western Electric)300B について>

1938 年に米国ウェスタン エレクトリック社から登場した 300B はオーディオの世界で至高の銘球として不動の地位を築きながら 1988 年まで生産されました。生産終了後にもその銘球を求める熱狂的なファンによりオリジナルの 300B にはプレミアム価格が付くなど人気は更に高まりました。その後オリジナルの 300B を模倣して復刻生産した 300B は数社から発売されましたが、オリジナルの 300B の復活への願いは益々高まりました。オリジナルの復活への動きは 1997 年に一旦実現しましたが、生産数量は限られており、また設備の老朽化などにより継続生産が困難になり 2006 年に生産が停止しました。しかし、再復活へのプロジェクトは動き続け、2018年にはジョージア州ロスヴィルに新工場を建設して、近代化した製造ラインによる生産体制が整いました。この新生産ラインにより待望のオリジナル 300B を世界中に安定して供給できるようになりました。供給販売ルートは米国内では直接注文も可能ですが、米国以外ではそれぞれの国の正規代理店を通してのみの販売となっており、日本では株式会社エレクトリが正規輸入総代理店となり、株式会社トライオードが日本国内総販売元となりトライオードの販売チャネルを通して発売することになりました。

正規輸入総代理店:株式会社エレクトリ
https://electori.co.jp/we/index.html

〒105-0022 東京都港区海岸 2-7-70
TEL:03-5419-1590(代表)FAX:03-5419-1591


日本国内総販売元:株式会社トライオード
https://triode.co.jp/brand/

〒343-0032 埼玉県越谷市袋山 609-3
TEL:048-940-3852 FAX:048-940-3853



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WE(ウェスタンエレクトリック)の、最高峰の真空管アンプにつきまして

「WE」(ウェスタン・エレクトリック)についてご存知ないかたに少し説明を加えておきます。エジソンが出た直後から米国には、「WE」(ウェスタン・エレクトリック)という会社が登場しています。途中で社名をルーセント・テクノロジーに変えており、米国では、一種の謎めいた、帝国的な存在になってしまいましたが、今もそれは伝説的に、「WE」と呼ばれています。

50年も60年も前の「WE」の真空管アンプは、とてもタフで、今も映画館などで現役で使用されており、それが放出されると、200万円だの、状態の良いものですと、それ以上の値段で取引されている代物です。勿論、音が素晴らしく良いから、その値段が付くものですが、60年前の骨董品のようなプロ用アンプに、民生用のどれを持って来ても、到底かなわないという事実が、面白いと思います。

60年から70年前の、WEの真空管アンプが、今でも、どのような民生用アンプをも越えていることは事実です。なぜそうなのかは、それが往年のプロ用のアンプだったからに他なりませんが、その後トランジスタアンプが出現し、最初にそれを使ったプロのかたがたは、トランジスタのものは使えないと、結論づけてしまいました。

私が使っていたWE(ウェスタン・エレクトリック)は、そんなに高額なものではなく、1950年代くらいに製造された機種、KS-16617-L1、8W×2のものでした。その音は、世界でも無敵のアンプだと思えていたほどです。それほどまでに、WEは、すごかったのです。

左側のお客様の声の中の、ウェスタンエレクトリックの15Aホーンを鳴らされているHさんは、1930年頃の、205D真空管使用のウェスタンエレクトリックのオリジナルの真空管アンプを使っておられました

205Dものは、300Bのウェスタンエレクトリックのアンプより数段上で、さらに高額な、最上のものです。205Dもので、モノラル二台、200万か300万という価格が相場です。
https://procable.jp/crown/d45.html


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WE(ウェスタンエレクトリック)の音とは

「WE」(ウェスタン・エレクトリック)の音とはなんぞや、ということについては、実態が良く分からないかたもおられると思います。

それは、ハイエンドオーディオの世界とは全く別の次元の世界であり、レースで言えば、F1級の世界であり、そこにおられるかたがたは、まさしく「僧侶の修行」というような様子を呈しておられるかたがたが多いと、証言させていただきます。それは悟りにも近い世界であるがゆえ、我々凡人では、まかり間違うと、人格さえ崩壊しかねない世界ですので、その種の次元のかたにしか存在できない世界であると言えます。したがって、おおざっぱではありますが、どなたにでも、こう言えます。「WEの世界には近づかないほうがいいです。」。それは刀で言えば、戦国時代の妖刀さながらの危険なものです。「妖刀」は、使い手次第では、己自身を斬ってしまいます。

さらにWEのかたがたは、ハイエンドオーディオなどには、全く見向きもせず、問題にもされないほど、高次のかたがただからです。

しかし、彼らの本性は、アンプへの興味などではありません。「フィールドスピーカー」というWEの1930年頃のスピーカーを鳴らすことが目的だというところにあります。それは骨董品どころか、現代のスピーカーなど、おもちゃ同然で全く問題にもならないほどの、F1級のものです。スピーカーだけは、昔のもののほうが圧倒して優れていて、能力が、「月とすっぽん」というほどに、高いのです。このことは、どなたも知っておかれたほうがいい事実です。ただしそれはスピーカーだけです。


アルテックのオールドスピーカーあたりから先が「F1」の世界であり、それを鳴らすには、とんでもないレベルのアンプが必要です。オーディオで言う「名機」と、そられのアンプとの違いが、非常に分かりにくいと想像します。

オーディオ界で名機と呼ばれているアンプはいくらでもあります。プレミアムが付いているほど、非常に高額なものもあります。しかし、「名機」では、妖刀クラスのスピーカーは扱いきれません。力不足もはなはだしいのです。このことこそが、アルテックやWEのスピーカーを(アルテックはWEの技術部門が独立して出来たメーカーですのでWEの一部と言えます)、一生涯かけてもオーディオマニアのかたが鳴らしきれず、「泥沼」に陥ってしまわれる最大の理由です。

「名機」と、それらのアンプとでは、実力があまりにも遠く、隔たっています。その距離感、隔たりの度合いが分かりにくいです。「名機」のアンプを使って「化け物」を鳴らすことが、どういうことを意味しているのか、分かりやすく、極めて正確に表現するよう、言葉を選びます。

「F1マシンに、ゴーカートのエンジンを乗せて、無理矢理走らせようとする、愚行」

驚かれるかたもみえるかもしれません。「実態」は、その表現で、適正です。

ですから、生涯にわたってそれを続けても、得られるものは何もないことは明らかです。それどころか、F1マシンが走らない理由も分からず、次々に高額でぼろい「名機」ばかり買い集めなくてはなりません。それは泥沼です。これは「オーディオ地獄」の最も代表的なものであり、あちこちで、非常に多く見受けられるパターンの一つです。悩み抜いても打つ手が分からなければ、巷で聞く噂、デタラメの真似ごとに終始するしかなく、それこそ「フランケンシュタイン症候群」の重度障害になってしまいます。

したがって、WEチームのかたがWEレベルのアンプを必要とされているのは当たり前のことであって、いたって自然なことです。

そうかといって、それでは、F1のエンジンを乗せたF1マシンが、ここにあるとします。そんな大それた代物を、誰がいったい操れましょうか。それができるのはプロフェッショナルだけです。

アンプがいかに優れていても、いや、優れていればこそ、それは本物のF1になってしまいますから、我々は、やはりそのような化け物には、近づかないほうがいいのです。

さて、「化け物」「妖刀」などという表現をしなくてはならない種類のスピーカーとはうってかわって、WEのアンプなどのほうは、全く違う顔を持っています。とても優しい顔をしているうえ、高性能スピーカーが秘めている危険性とは180度違って、非常に安全です。それは文字通り「刀」ではありません。優れたアンプには非常な許容性と包容力があり、どなたのスピーカーをも一瞬にして生き返らせる力を持ちます。
https://procable.jp/crown/d45.html


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今でも鮮明に思い出すのは、1971年秋、五反田卸売センターでのオーディオ・フェアにおける「無線と実験」誌のブースでの、真空管アンプの鳴き合わせです。

一方はKT-88のPPアンプで、確か片ch70~80Wも出力の取れるもので、外観的にも超弩級、大変に見事な出来栄えであり、また20dB以上の負帰還をかけ静特性に関しては全く非のつけようもない仕上がりでした。

しかしこの大出力、高負帰還のアンプは、大出力が空振りしているような良くも悪くもまことに普通過ぎる音でした。

もう一方はカンノアンプと呼ばれていた、WE300Bのシングル無帰還アンプ、

それもアウトプットだけでなく段間にもインターステージ・トランスを採用した、いわゆるトランス結合という極めてプリミティブな形式のアンプで、

出力も高々6W~8Wの出力しか取り出せません。

ただし、そのトランスはウェスターンのコア材を徹底的に調べ上げ、そのコア材から金属メーカーに特注したという高価なパーマロイ・コアによるもので、一般には入手困難な希少な物という事でした。

またスピーカーは名器と称されたALTEC A-5、システムとしても100dB近くの高能率の物で、真空管アンプの比較試聴には大変にマッチしていて、この2つのアンプのサウンドの差を我々の前に圧倒的な明晰さで表現してくれました。

この時のカンノアンプの音色の美しさには言葉を失いました。

多くの聴衆のかなり後方で聴いていたのですが、何か空間に透明なエーテルが漂っているのではないか、と錯覚させるような“美音”、まさに“音楽”が鳴っていたのです
http://www.spec-corp.co.jp/audio/rsa-f1/message2.html

北九州市の菅野製作所(株)の会長で居られた故菅野省三氏が、自分の音楽の趣味のため資材、私財を投入し、昭和30年台に、当時としては珍しい電子顕微鏡!!までをを購入し、米国WE ウエスタンエレクトリック(株) の真空管アンプ類を分解し、音の秘密がコア材のパーマロイにあることを発見されます。

石にも目があるように、金属にも目があります。

金属結晶の分子列配合です。

石の目にそって鏨(タガネ)を入れると、僅かな力で石は目に沿って割れます。
TVなどでも石切場で見られたことと思います。

昔の方はどのようにして金属の目を見つけるのか?

それは光線の縞に答えがあります。

同じパーマロイ厚板から切断しても、組み方が違えば同じ音にはなりません。

そんなことはない!!と言われる方も多いですが、事実、組み手が変われば音は変わります。それは長い熟練と経験と音楽に対する造指の上に完成します。
http://www.auduo-1.com/trivia/casa/invitation/casa_007/casa_007.html

キット屋コラム「私のオーディオ人生」第38回
Westem Electric 618Bは凄いのか!
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-038.html

 MCカートリッジの昇圧トランスと云えばWestem Electric の WE-618BがMCトランスの中では最高峰に挙げられています。

最近のeBayで出品されている価格を見ますと2個で何と!7800ドルもしますが今後百万円を超えるようになるはず、

こんなトランスにどこに魅力を感じるのだろうか、

 このトランスはほとんどのオーディオマニアは試聴された経験は少なくほんの一部のコレクターの方だけがお持ちですから我々庶民のマニアにはこのトランスを聴くと云うことは皆無に近い、

 キット屋さんに載せているシルバーオーディオの「いだてんさん」のブログを読みますとこの618Bを聴いた後自分のトランスが聴けなくなりますと注意書きが書いてありました、

では現代のトランスで有名なカートリッジメーカーや国産のコアを使ったMCトランスが販売されている高価なトランスならどうだ!と云いたいですが

残念ながらこの618Bに近づくことも追い越すことも出来ない、

このように書きますと国産の高価なトランスに満足されて楽しんでいる方はショップや評論家のお墨付きでこのトランスは最高と思って購入はずなのに・・・・・・

完全シールドを施した618B、黒色の塗装にステンレスパネルを取り付けてのドレスアップ
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_01.jpg


本物と偽物


 オーディオに限らず高価でよく売れる商品には必ず偽物があります。

目利きのある方なら簡単に見破れるのですが素人ですとどっちが本物なのか見分けが付きません。

 オーディオの場合に限って時々偽物を見ることがあります。

私も以前安く購入したウェスタンの274Bプリントを買ったのですが良く見ますとウェスタンのロゴマークが不自然で球のトップマイカがおむすび型ではなく普通のマイカでしかも管壁に5U4Gと薄く入っていました、

多分どこかのショップか海外でシルバニアの5U4Gをプリントしたものと思われますが非常に悪質に思います。知らない方が買ったらその時は満足ですが偽物とわかれば頭に血が昇るほど腹が立ちますよね、


特にWestem Electricの製品は高値で取引きされていますから悪徳な業者はシールやプリントを変えてあたかもこれがウェスタンだと偽物を売りつける業者もいるみたい、

 Westem ElctricのWE-618BやノイマンのBV-33も偽物が出回っているらしい

例えばノイマンのカッティングマシンに使われていたトランスはドイツのハーフェ社のトランスで型番はBV-33、ノイマンのカッティングマシンは当時沢山作られたとは思えないのにトランスだけが沢山出ているのは不自然ではないだろうか、

またカッティングマシンをバラしてトランスだけ売るのはおかしい、

WEの618BもWEのアンプにしか使われなかったのにトランスだけ沢山あるのはどう見てもおかしい、

40~50年前はこのようなトランスを知らないのと人気もないので偽物が出回っていなかったのに最近このようなトランスを見かけるのは本物なのか疑いたくなる。


 悪質な方法として手の込んだやり方は618Bのケースだけを使い中のトランスを抜き取り安物のトランスを入れてあたかもオリジナルトランスと称して平然として売っている、

また抜き取ったオリジナルトランスは別で売れば大変高価で取引される一石二鳥のぼろ儲けになる。

また同じようなケースを作り汚れたウェスタンのシールを貼ればオリジナル618Bの出来上がりだ、


 オリジナルの618Bの音を知らないから簡単に騙せる。

またヤフオクやeBayなどのオークションに出品されている物は特に注意が必要です。

トランスの中身を入れ換えれば立派なウェスタン618Bに変身しますが目利き耳利きがないと見破れません。


 仮に偽物の618Bを買ってもオリジナルの音はわかりませんから本物かどうかはオリジナルと比較試聴しないとわかりません。

 これから購入されるのであればWestem Elctricの真空管、トランス類に詳しいマニアか信頼できるショップで聞いてからでないと手を出してはいけませんがひょっとして本物も混じっているかも知れませんからここは自己責任で購入してほしい、
 


トランスカバーを外した状態は大変汚くこんなトランスに価値があるのだろか
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_02.jpg


Western Electricのシールも汚れているのと取付け金具も錆びている
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_03.jpg


トランス上部に618Bのスタンプが押してある
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/img/img38_04.jpg


大橋氏の万華鏡のブログに登場
 
 昨年の4月のショールーム開放日にWE-618B持ち込んで「道場破り」当日は沢山の熱心なマニアがお見えでこの618BとAWAのトランスを持ち込んで皆さんに評価して頂いたが どちらのトランスも甲乙付けがたく意見が分かれましたが

AWAに比べると618Bはゲインが低いのが気になったがさすがに618Bは絹ずれした良い音で女性ボーカルを聴くとウェスタンは素晴らしいサウンドを聴かせてくれたが

無名のAWAのトランスとは互角ではどうも納得できないのが気残りであったが618Bで聴くMIDのスピーカーがウェスタンの香りがしていたのが印象に残る。


 入り口がウェスタンだとスピーカーの音色もウェスタンサウンドになるのは当然である。

618Bを使用してタンノイのオートグラフ、GRFを鳴らしたらどんなサウンドになるのだろう、私の想像ではタンノイの原点はロンドンウェスタンになりますからタンノイもきっとウェスタンサウンドに似た音になるはず勿論上質のアンプを使った場合の話である。


 私はAWAのトランスを高く評価していましたから618Bはこの程度のトランスで大騒ぎすることはないと私個人は評価した、世の中探せば618B以上のトランスが存在するはずですから618Bに拘らなくてもAWAのトランスで十分楽しめると思ったのだが・・・・・・

 また価格も40倍以上の開きがありますから618Bはオーディオ庶民派には縁が無いトランスだ、
 

俺もアホだ!


 前所有者から譲り受けた618Bの配線接続を同じように結線して楽しんでいたのだが・・・・

ところがである。大阪の今田氏からWE-618Bの資料がメールで届いた、この資料は英文ですがインピーダンスはプライマリー30Ωと600Ωでセカンダリー25KΩと記載されている。しかも結線の線色と特性表まで載っていた、

 再度トランスケースを開けて確認すると「あれっ」この接続を見るとプライマリー600Ωで入力Pinに配線してあるではないか!

これでは618Bの本領が発揮できない、

インピーダンスのミスマッチングでゲインも低いのと分解能も悪いため並みのMCトランスとは変わらない、

前所有者も知らずに50年以上使っていたのだがこれを鵜呑みにして使っていた俺もアホだ!


 こんなインピーダンスのミスマッチングの状態でショールーム開放日に持ち込んでこれが618Bだと云っていたのが恥ずかしい、

再度プライマリー30Ωに変更して音出し、DENONの103を使って聴きなおしたらゲインも上がり今まで聴いていた103とはすべてに違っていた、


 一般のトランスで聴く103は無機質なつまらない音とよく言われるが(私もそう思う)この618Bを繋ぐと今までの103のイメージが崩れ去ったぐらい変化したのは驚いた、618Bの秘められたポテンシャルは凄い、

 またMCカートリッジと云えばオルトフォンのSPUだがこのトランスを使えば相性はピッタリでSPUの良さが前面に出て素晴らしいサウンドを奏でてくれる。

MCトランスはカートリッジより音の変化があり重要だと思う、たかがトランスされどトランス、

 今月のキット屋さんのショールーム開放日に持ち込んでリベンジとしようと思う、前回の持ち込んだ時はインピーダンスの間違いで実力が発揮しなかったのと本当の音でなかったから今度こそWestem Elctricの618Bと私好みのAWAのトランスのサウンドの比較を私も含め皆さんのご自身の耳で評価して頂きたい、面白くなりそうだ!

トランスの聴き比べ


さていよいよ本題に入る。

「618Bは凄いのか」他のトランスとの比較試聴になる。

トランスは6個用意しての比較だがメーカー現行品の場合は名前を出すわけにはいきませんからその点をご了承ください。

また618Bをリファレンスに使いそれより上か下か優劣と偏見で一刀両断で評価します。


使用トランス

Westem Elctric WE-618B

AWAオーストラリア     型番不明

スタンコア          EIコアを使った鉄コア

UTC            C-2080軍用マイクトランス


A社  国内の有名カートリッジメーカーのトランス

B社  昔から有名なカートリッジの知名度のある現行品トランスの最高級品以上の6個 試聴になります。


使用カートリッジはDENON DL-103

使用アンプはマランツ#7

VT52武蔵アンプ

スピーカー ヴァイタボックス 30cmコアキシャル

使用音源はブレンデルのバッハとヨーヨーマのバッハ無伴奏チェロソナタ、ビルエバンスの名盤

MCトランスの比較


トップバッターはA社の昔から出ていた有名なトランスで皆さんも一度は使われたと思う評判の良いMCトランスから試聴になります。

A社のトランスのPinを接続後早速音出し開始になりますが618Bの音は知っていますから一聴してすぐにわかりました、

出てきた音はつまらん音でシステムがグレードダウンした感じになった、

一言で云えば折角の良いカートリッジなのに良さが出てこない、

103との組み合わせはベストと云われているが中に使ってあるトランスが悪いと思いネジを外してケースの中を見るとやっぱりこのメーカーのトランスは良くない

どうしてこんなつまらん音になるのか、レコードに針を下して1分後にやめた、


2番手は現在でも発売されている現行品の最高機種になる。
コア材も有名な金属会社のコアを使いコストと手間がかかっている。

見た目に高級感があり音もよさそうだ、現在ここのメーカーのMCトランスが一番売れているみたいだ、

早速Pin接続を変更してブレンデルのバッハを聴く、出てきたサウンドは大変透明感に優れ音の粒立ち立ち上がりの良さと非常に歪み感のない優等生なトランス、

音の広がりも文句なしで現代的な鳴り方だが何か物足らない、

上も下も伸ばしたため中域が痩せて聴こえてくる。

一言で云うと最近の整形美人的な鳴り方だがこのようなサウンドなら必ず飽きが来てしまう、


このサウンドを聴いた後早速618Bに接続して音出し開始、レコードに針を下して鳴りだした瞬間、音の系統と音楽の空気感が違う、

WE-618Bの音は絹ずれした品位品格が前面に出て上流社会の貴婦人的な鳴り方でいつまでも聴いていたい音で音色音質とも文句なし

特にこの品位はウェスタンでしか味わえない、

当時のウェスタンエレクトリックは現代で云うNASAのようなものでこの程度のトランスでWE-618Bと同じ土俵で比較するのが間違いかも・・・・・・

それだけ618Bは素晴らしかった!

国産の2種類のトランスの比較でしたが空気感を伴った618Bのようなサウンドは今後もう作れないのと618Bは価格がとんでもない価格になっているがそれだけの価値はあると思う、
http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-038.html


Western Electricのトランスの話:WE618A

Western Electric(WE)社は、1878年イライシャ・グレイによって創設されました。このグレイは、電話機の発明でグラハム・ベルに1876年2月14日、たった2時間差で敗れた人物で、後にWEはアメリカン・ベル電話会社の製造部門として活躍。1897年にAT&T(American Telephone and Telegraph)に吸収合併されます。

AT&Tは当時は米国最高の頭脳集団と言われ、AT&TあるいはWE関連の特許や素晴らしい製品開発は数多く、


1912年プッシュプル増幅回路、
1924年の電気録音方式、
1927年NFB回路理論、
1927年トーキー映画システム、
1927年の555レシーバー、
1928年世界初のステレオレコーディング、
1931年テープレコーダー試作、
1932年300A,
1934年86型300Aプッシュプルパワーアンプ、
1936年594Aコンプレッションドライバー、
1937年91型300Bシングルアンプ、
1951年接合型トランジスター開発、
1957年45回転ステレオディスクの開発


など、オーディオの原点とも言うべき様々な基本開発研究を行っています。

さて、この618Aトランスですが、元々はWE No.117-A typeのプリアンプなどで使用されていた入力トランスで、30~15,000Hzと、当時としてはかなりの広帯域を誇り、A typeは入力側のインピーダンスが30 or 250、出力側が50k、一般的に出回っている、B typeが出力側のインピーダンスがその半分です。
従ってAtypeの方がゲインが取れるのでMC用昇圧トランスとしては使いやすいかと思われます。

WE No.92-B typeのパワー段の入力トランスの特性が、50~7,000Hzだそうで、これは当時のトキー・フォト・セルが100~6,000Hzだったことを考慮しての、帯域特性だと思われますが、それから考えても、30~15,000Hzがいかに広帯域だったかが、しのばれます。

あのWE No.86Bでさえ、トータルの周波数特性が40~15,000Hzだったりしますので、当時としては十分な帯域特性だったのでしょう。

WEは元々、電話中継器をなど、通信関連を手がけていたため、いかに聴きやすい声を提供するかに重点が置かれ、当時の技術では、たとえばUTCなど、その気になれば50kHzクラスの周波数特性のトランスを作れたそうですが、WEはトランス設計の段階に於いて、「帯域制限」の考えがあったと当時の技術に詳しい小山内氏はおっしゃっております。

インピーダンスに関しては、、SPUなどのロー・インピーダンスのカートリッジでも、受けるトランスのインピーダンスがこのくらいなら、あまり問題にならないのではないかと思います。

ちなみに618BはWE No.120-A typeや129-A typeミキシングアンプなど、様々な機器に使われて< います。

6L6をパラプッシュにして、35~15,000Hzの当時としては広帯域を誇る劇場用アンプWE No.118-A type Power Amp.が出たのが1939年ですから、このトランスは約60年前に現役だったと思われます。


真空管回路技術&トランスのお話

1929年という年は、真空管アンプの回路技術に関しても優れたものが発表されています。
ロフティン・ホワイト直結増幅器というもので、電圧増幅段と電力増幅段をトランスやC・Rなどのカップリング・デヴァイスを使わずに直結としたことにより、音質がトランスやC・Rの呪縛から解き放たれ、コストも抑えられると言うことで、人気を呼びました。

しかし、電子部品の精度と信頼性がイマイチだった当時のこと、アマチュアにはもてはやされましたがプロ用には1926年頃からR・C結合アンプがイギリスのアマチュアに端を発し、ようやく普及してきた段階で、WE No.59ですべてトランス結合だったのが、No.86で段間トランスが一つ減ってR・C結合になった程度でした。

トランスを使用すると低域において時定数を1段、高域においては2段、つまり低域に於いては位相が90度、高域に於いては位相が180度偏移します。R・C結合では、低域の時定数が1段、位相が 90度ズレてしまいます。

そう言う意味では、トランスよりもR・C結合の方が、出来ればカップリング・デヴァイスなど無い方が良いわけなのですが、ところがどっこい、実際に音を聴いてみると、帯域の狭い筈のウエスタンのトランスの奏でる音の、何と伸びやかで聴きやすく落ち着いていることか。

電話の中継トランスとして作られた111Cに至っては、これをライントランスとして使った方が高域も素直に伸びやかで、低域には芯があり、かえって帯域が広く感じられるほどです。本来ならノイズをカットし電話の会話を聴きやすくするために帯域を制限しているトランスの筈なのですが……。

英国フェランティー社、米国WEにUTCそしてピュアレス社、フランスはピーバル社にドイツのテレフンケン……。

「真空管アンプってのはね、トランスに一番お金をかけなきゃ駄目だよ。マッキントッシュやマランツの音が良いのは、あれはトランスに金がかかっているからだよ」

とおっしゃった大先達の言葉が、今更のように思い出されます。

現代でも音が良いアンプ、EAR861やC.R.ディベロップメンツ、そして国産のウエスギ・アンプにおいても、トランスが十分吟味され、その性能を発揮されているからこそ、あれだけの音が出てくるのだと思います。

また、1937年にはWEとAT&Tが共同設立したベル研究所のH.S.ブラックによるNFB理論がWEの91Aには使われていること、

そのNFBを20dBほど使って超低域から超高域までフラットな周波数特性と、低歪率を誇ったウイリアムソン・アンプが1947年にイギリスの「ワイヤレス・ワールド」誌に発表されています。
http://k-d.jpn.com/audio/audionote.html


WEのトランスのデータです。
http://blogs.yahoo.co.jp/fareastern_electric/62006702.html


1937年ということでWEの映画システムのトランスがほとんど載っています。

特に91アンプは入力トランスの285Aも出力トランスの171Aも、ともに100~6000Hzの再生帯域なのでその間にどんなに広帯域の高NFBアンプを持ってこようと特性はトランスによって決まってしまいます。


Western Electric Amplifier の周波数帯域

WE86 : 40~10000 Hz
WE91 : 50~ 8000 Hz

なにせ入力トランスも出力トランスも100~6000 Hz ですから。
http://n-nobo.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/1-eeb8.html

なのだ。


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ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。
ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。

いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。
http://mikami.a.la9.jp/audio/nazo2/nazo2.htm

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下手の考え休むに似たり - 「音楽&オーディオ」の小部屋 2020年03月13日
https://blog.goo.ne.jp/jbltakashi/e/650fbf93e8977fef304d07ee95ddfe8a


「AXIOM80」(以下「A80」)の「2発入り」を「ああでもない、こうでもない」と大いに楽しませてもらいながら、およそ1か月が経った。

A80の初期版と復刻版の違いは主に「音の重心」にあり、好き嫌いは別にして「正しい音」になると、「音の重心」が下がる。

たとえば有名な300B真空管だがブランドは数あれどオリジナルのWE製ともなると中国製などに比べて音の重心が見事に下がる。

同様に、A80の復刻版も初期版に比べてやや音の重心が上がり気味になるが、ほとんど気にならず許容範囲に収まるのはご愛嬌。

そして、DACを「エルガープラス」(dCS)、プリアンプをマランツ7型、パワーアンプを「6098シングル」に固定して以前から気になっていたSPケーブルのテストをやってみた。

はたしてどのSPケーブルが「A80」と相性がいいのか。

以前の四国の「S」さんのメールの中に「A80への結線は太いケーブルよりは細いものが合いました Westernの16GA」とあったのがずっと頭の片隅にあったので・・(笑)。

左から「銅の単線」、上が「銀の単線」、下が「ウェスタンの単線」、そして右がPADの「コロッサス」(1ペア分:3m)と計4種類。

SPケーブルのテストは簡単で、我が家の場合は左チャンネルを固定し、右チャンネルを順次変えていって同時に鳴らしていけばたちどころに優劣が判明する。

今回は「銀の単線」を基準にして「左チャンネル」に固定し、右チャンネルで他のケーブルを差し換えて試聴していった。

予想ではおそらく「銀の単線」がトップだろうと予測していたところ、どうしてどうして「ウェスタンの単線」が一番良かった。透明感、高音域の艶など文句なし。さすが伝統の力!

その一方、一番高価な「PAD」は悪くはなかったが、こんなに大仰で場所をとる代物をわざわざ使うほどのメリットは感じられなかった。したがってアッサリお蔵入り(笑)。

そして、一番安価な「銅の単線」も大善戦して「銀の単線」とあまり変わらなかったのも意外。

ことごとく予想が外れたので自分の耳が怪しいのかもしれないし、周辺機器との相性も当然のごとく無視できない。日を代えてもう一度トライしてみようかな(笑)。

最後に、「A80」とウェスタン製の単線の相性がいいことが分かったのでDACからプリアンプへのRCAケーブル、プリアンプからパワーアンプへのRCAケーブルもそれぞれウェスタンの単線を使ったものに取り代えた。

古い年代に製造されたオーディオ機器は周辺機器も当時の時代に統一した方がいいような気がしてきた・・・。


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ウェスタン・エレクトリック伝説 _ オーディオのパラレルワールド
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004149

アメリカのスピーカーはスカッと抜けきっていて、人生バラ色、悩みなんて一切ありません。
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004096

情熱のオーディオ ウエスタンエレクトリック病棟
http://mikami.a.la9.jp/audio/western_electric.htm
http://mikami.a.la9.jp/audio/audio.htm    

晴耕雨聴
https://91683924.at.webry.info/  

ウェスタン・エレクトリックのスピーカー
http://www.asyura2.com/20/reki4/msg/502.html

ウェスタンエレクトリック伝説
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/208.html

G.I.P Laboratory _ Western Electric スピーカーシステムのレプリカ製造・販売
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/964.html

G.I.P Laboratory _ Western Electric 20cm フィックスドエッジ・フィールド型フルレンジスピーカーユニット TA-4189
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/971.html

ALTEC と WE 755シリーズ について
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1190.html 


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ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプは買ってはいけない
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14004441

電力増幅用直熱3極管 300B
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/546.html

ウェスタン・エレクトリック 300B を使ったアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/107.html

ウェスタン・エレクトリック最高の出力管 VT52 を使ったアンプ
https://a777777.bbs.fc2.com/?act=reply&tid=14030305

電力増幅用直熱3極管 VT-52
一番音が良いパワーアンプは VT-52 シングルアンプ?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/440.html

電圧増幅用直熱三極管 WE101D
今 大人気の WE101D _ 出力0.6Wのシングル・アンプで鳴らせるスピーカーは?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/445.html  

電力増幅用傍熱ビーム4極管 WE350B
WE350B _ ウエスタン・エレクトリックの真空管の中でも特に濃厚な音がするビーム管の最高傑作
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/132.html

Western electric 124 amplifier _ すべてのアンプの中で最も艶やかな音の WE350B プッシュプルアンプ
http://www.asyura2.com/18/revival4/msg/133.html

アンプの音はトランスで殆ど決まってしまう
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/760.html

CDからアナログ的なサウンドを出す「ライントランス」
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/1216.html


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スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 24GA (単線, 0.205 mm2, 高能率スピーカー用)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/892.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 24GA (メッキ, 単線, 0.205 mm2, 高能率スピーカー用
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/893.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 22GA (撚線、 0.326 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/894.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 18GA (撚線、 0.823mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/882.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 16GA (撚線, 1.309 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/883.html

スピーカケーブル ウェスタンエレクトリック WE 14GA (撚線, 2.081 mm2)
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/884.html


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日本でウエスタン・エレクトリックの専門家は以下の二人だけです:


G.I.P Laboratory _ Western Electric スピーカーシステムのレプリカ製造・販売 - YouTube 動画
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/302.html


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Vintage audio restoration
OM laboratory

〒321−0966 栃木県宇都宮市今泉1−3−10
青木 英男
080-3363-0545
warungwayan@ybb.ne.jp

OM Laboratory - ホーム | Facebook
https://ja-jp.facebook.com/WaynAoki/

OMラボラトリーでは、ウエスタンエレクトリック等のヴィンテージ機器の修復とヴィンテージパーツを使用したオリジナル機器を制作しています。

080-3363-0545
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青木 英男
ハードウェア・エンジニア
東洋大学工学部電気科電子コース卒。81年OMラボラトリーを設立、電子機器設計製作に従事。84年より中近東文化センターや早稲田大学古代エジプト調査室による遺跡調査のための機材開発に参加。95年宇都宮市大谷地区地下廃抗観測装置の企画設計製作。その他無人自動操縦ヘリコプター等の特殊機器・機材の開発に取り組む。
http://www.media-arts.ac.jp/hp1/college/instructor/


管球王国 Vol.61 2011年 SUMMER ステレオサウンド書店 ステレオサウンドストア
●ウェスタン・エレクトリック・システムを意のままに使いこなす達人
青木英男氏のノウハウの全貌を明かす
新 忠篤

電解コンデンサーを追放した多段の電源回路を構成するなど独創的なアプローチでウェスタン・エレクトリック(WE)システムを意のままに使いこなす、オーディオの百科事典を思わせるエンジニア、青木英男氏のご自宅を訪問します。無数のパーツに囲まれ、ヴィンテージ・システムとデジタルソースを自在に堪能される様子は圧巻です。
https://www.stereosound-store.jp/fs/ssstore/607
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2022/08/08 (Mon) 13:50:40

原点が最高到達点  
1920年代から30年代に設計された、WE555と594Aが、今日に繋がるオーディオ・スピーカーの原点であろうことは、誰もが承知する事実である。しかし今日100年の時を経てして、おそらくはこのスピーカーを凌ぐものは現れていないと云っても過言ではないだろう。ベル研究所では、音響に関する基礎研究は、すべてやりつくされていたと伝えられるが、ウエスタン・エレクトリックのスピーカー群は、まさに到達点にあったのだ。歴史が下り、量産のための技術は、飛躍的に進化したが、究極の性能をそして音楽を追求し再現するという技術は、ウエスタン・エレクトリックの時代に頂点を極めた。おそらくは、フレッチャーシステムが歴史の上での頂点に位置するのだろう。

実は、ウエスタンは、555迄の時代と、594A以降の時代で、世界が異なっている。555は、蓄音器からマグネチックを経た時代の集大成の作品であるのに対し、594Aは、新しい挑戦の時代の製品なのだ。594Aは、いわゆるハイファイの原点、開始点、そして実は到達点でもある。そう。到達点が555と594Aの二つあるのだ。どちらもがウエスタンの究極であるが、それぞれが時代の分水嶺になっている。そのようなわけで、ウエスタンを極めるためには、555だけ、594Aだけでは、すまされず、双方のシステムが必要となる。どちらが優れるということはない。歴史上の双璧がここに極まっているのだ。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we555_r1/we555_r1.htm

ウエスタン・エレクトリックのシステムを構成する個々のコンポーネントを開発するために費やされているコストと時間は、尋常なものではない。しかも当時世界最高水準のベル研究所のスタッフがこれに従事していた訳だからなおさらである。人材、資金、時間が湯水の如く投入されている。ウエスタン・エレクトリックとベル研究所の音響システムの開発にかける姿は、さながら後年のNASAのプロジェクトに近いものがある。製品のどれ一つとってみても、当時の最高の素材が使用されており、技術は歴史的にも最高の水準にある。もし当時のベル研究所のスタッフが、今日の素材を手にしたら、どのような物が出来上がるのだろうかと想像すると戦慄が走る思いだ。

最高の音響システムを構築する一つの方法は、当時のウエスタン・エレクトリックのシステムを忠実に再現することであろう。理由は、その状態で完全なバランスがとられているからだ。しかしながら、バランスのとりかたには複数の解があるはずで、当時のシステム構築者が取りえなかった別の解があるはずで我々にはこれに挑戦することで、ウエスタンのコンポーネントからシステムとして別の魅力を引き出すことも可能ではないかと思う。ウエスタンのオリジナルのシステムを超えようとか冒涜する意図はもとよりない。もしウェンテが現代に生きていたら、どのようなシステムを開発しようとするだろうと、技術ロマンに心を躍らせる。

555コンプレッション・ドライバーを色々と聴いてみると、その完成度と技術水準の高さを超えたところに、造り手の意図を感じ取ることができるような気がする。このドライバーは、あきらかにホーンと一体で使用することを前提に設計されている。

そしてターゲットにしている音は、蓄音機が表現できる生の音楽のプレゼンスである。
蓄音機は、機械振動から直接音波を作りだしているので同じ系のなかで音を処理している。これに対し、スピーカーを使用すると機械振動、すなわち機械系から電気系に変換し、これを増幅して機械系に再変換を行っている。一般に、系の変換を行うと、何らかの情報が失われる可能性がある。私は、プレゼンスではないかと直感している。このプレゼンスこそ、生の音の肌触りであり、そこに演奏家がいるという佇まい感であり、さらには再生装置が消え、そして演奏家さえ意識させず、ただ音楽のなかに包まれる世界への到達がある。

2004年1月15日から21日までの7日間は、忘れることができない。追い込み途中で、すごい音の世界が出現してしたのである。RCA1444のエージングとフィールド電源の調整がどツボにはまった。調整途中で、まだ音は濁っており、分解能も出ていない、コーラスの分離が悪い。しかし只ひとつ、今までのどこでも体験したことのないプレゼンスが現出したのである。

二階で再生しているのだが、我が家は三階建てなのだが、どの部屋で聴いても同じ音量で、音楽が壁を貫通して浸透していくのである。まるでニュートリノのようである。レコードに入っている音と実在の音との識別がつかない。だれかがそこにいるのかと回りを見回すと、実はそれがライブ録音の聴衆の囁き声だったり、物音がしたと思うとそれがレコードに入っていた音であったり、何より凄まじいのは、スピーカーを隣室から聴くと、もうそこにホロヴィッツが、ビル・エバンスが、パハマンが、マルが居て、ピアノを弾いているのである。もう倒錯の世界である。1月19日は、仕事もせずに朝から晩まで聴きとおした。友人にメイルしたら、浜松から飛んできた。当人もたいへんな識者で経験も豊富な音響の専門家だが、絶賛ものだった。すべてのジャンルにわたって、ヴォーカルも弦もすばらしいが、特にピアノは空前絶後であった。空気感が出ている。人の気配があり、そこに佇んでいるのである。

しかし良いことは続かない。運命の日はやってきた。2004年1月22日夕方、いいかげんな仮組み状態のRCA1444のフィールド電源をまともに作り直したとたん、プレゼンスが消失してしまった。あの音が再現しないのである。はじめのうちは、軽く考えて、また明日やってみようとその日は休んだ。しかしその後まる一ヶ月格闘したのだが、ついにその世界は帰ってこなかった。元のとおりにしても再現しないのである。1444のエージング過程のある状態とフィールド電源、あらゆうる状況が、偶然にバランスしたのだろう。WE555と1444の速さが合った瞬間、15Aホーンの世界にワープしたのだろうか。

私の友人もこのような状態に出遭うことがあり、そのときは、周囲のオーディオ・ファイルを呼び集める。いつ再現するか知れない世界だからだ。オーロラか流星群かはたまた蜃気楼か、科学と芸術と夢幻の世界が精妙に交錯するオーディオの世界の魅力である。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/expr2023/expr2023.htm


事の始まりは、Western Electric 755Aスピーカーが拙宅にやってきたことに始まる。聴きなれたレコードを何枚かかけてみると、愕然としてしまった。当然のことではあるが、愛聴盤というものは、どこにどんな音が入っているかを暗記しているものであるが、このスピーカーで聴くそれは、まったく別物であった。今迄聴こえていなかった音が、豪華絢爛に再現されてくるのであった。
 
  それはあたかも、澱んだ東京の空に浮かぶ見慣れた星空から、一転して空気の澄み切った山の頂きから仰ぎ観る天空の星星の情景そのままに、天空一面、星、星、星のショーの大星夜を目の当たりにしたようなものだった。

星星が煌く音となり、その微粒子が壮大な音楽を構築しているかのようであった。今迄、自分は一体、何を聴いてきたのだろうという悔しさと、まだレコードにもCDにもいくらでも秘められた音が入っているのだという嬉しさが頭の中を過ぎった。
 


  755Aの悲劇と再臨  

その後、悲劇が襲うこととなる。S社製高級アンプの200Wの出力が、暴走し耐入力6Wのボイスコイルを焼損するのである。アンプのケミコンからは白煙が上がり、755Aは無言に沈黙した。私の人生は、この後暫しセピア調に色どられる。
 
  しかし再生装置は、工業製品である。見事に復旧した755Aは、ボイス・コイルの位置合わせと、ビスコロイドの調整により、以前に増してその再生能力を高め、復活したのである。S社のアンプは、クズ鉄として葬られたのは、ご想像のとおりである。以降、Western には、出力トランスのあるアンプを使用することとした。また、壊れたものは、自分で修理、動いているものも自分でメンテナンス、チューニングを心がけている。おかげで、カートリッジのダンパー交換からWE555のオーバーホール、調整までするに至った。



     
  2A3シングルアンプ  

市販の高級アンプが逝ってしまったあとは、20年前に設計した2A3のシングルアンプを引きずりだしてきて使った。出力は、3Wで、トランスを背負っているので、スピーカーには直流が流れないので、安全である、というか、傷めるほどの出力が出ないのだ。  
WE755Aは、そのシステムの音を忠実に表現する。アンプの音をそのまま出してしまうところがある。アンプの素性が露呈してしまうのだ。オーディオ用のアンプでは、周波数特性とか、歪みがどうのとかという基準は、みんなクリアしている。音色がどうのこうのという問題も、組み合わせる装置やケーブルでコロコロと変わる。これに一喜一憂していたのでは、永遠に堂々巡りである。

そこで、新しい基準を設けることにした。これは単純明快で、本来ソースに入っている音が聴こえるてくるか否かを基準にしようというものである。もはや、音色の好みの問題ではない。再生できているかいないか、聴こえてくるかこないかであるから誰でも分かる。音が完全に再現できていれば、あとは各自の好みで音色を決めればよい話しである。

比較は、単純明快である。アンプを用意して、ソースを再生してみる。片方のアンプの再生された音が、あたかもスモッグのかかった大都市の夜空に見る星の数としよう、大星夜アンプの目指す音は、あたかも空気の澄みわたった高山の頂きから仰ぎ見る夜空の星々のショー、あたかも宝石箱をひっくりかえしたように、豪華絢爛な音の輝きを堪能しようというものである。本来そこにあるものをただ、あるがままに再生しきろうというただそれだけである。一般のアンプは、そこまで徹底して造られていない。出しきれていない音の部分を音色を付加することで補い、あたかも再現できているかのごとくの音を造り上げている。再生できていない部分の音を他の音に尾ひれをつけて修飾を加え、バランスさせているのだ。大星夜アンプ基準で比較試聴するとその差には唖然とすることとなる。

     
  非日常世界

  大星夜アンプ基準でアンプが追い込まれていくと、場合によっては非日常的な世界への入り口を垣間見ることがある。伝説のショパン弾きと語りつがれている、ウラディミール・ド・パハマンの演奏が、78回転のSPにわずかに残されている。RVCがこれをLPに復刻して発売している。当然CD版もある。このレコードを普通の超高級システムで再生すると、騒々しいスクラッチ・ノイズの中に沈んだ演奏がか細く聴こえてくるだけである。スモッグの濃い空を通して遥かかなたの星を見ようとしてもかすみ、揺らぎ、その何たるかは、茫洋として分からない。

カートリッジレベルからモノラルで追い込んだシステム、アンプは大星夜級を使用する。そしてこれにWestern Electric 555 Receiver を繋ぐ。キャパシターのカットオフは200Hzである。スクラッチ・ノイズは、音楽とは完全に分離して聴こえるので、まったく邪魔にならない。

眼前に100年の時の流れを遡って、パハマンが現れる。そこに居るのである、そして私たちに語りかけている。その声は血の通った、まさに肉声を彷彿させる。ひとたび演奏に入ると、モノトーンのはずの100年前の演奏が、総天然色のような色彩を帯びてくる、その演奏はあまりに美しく、ひとたび剥製となった動物の心臓が再び鼓動を始め、血を得て、生き返ってきたかの様を呈する。まさに黄泉がえりである。あまりに生々しく、美しさを通り越した不気味さ不可思議ささえ感じられる。

  常人は、私も含めてこの世界には、踏み込まないほうが無難かも知れない。これは、Western 555 Receiver の特異なる世界で、594A Loud Speaking Telephone では、再現しない世界であり、WE555 の謎のひとつである。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/starnight/starnight.htm

孤高のドライバー Western Electric 594A


1933年4月27日に行なわれた、ワシントン・フィラディルフィア間141マイルの電話回線を使用したオーケストラの立体音響伝送実験(オーディトリ-・パースペクティブ)は、ベル研究所が当時の最高水準の技術を結集したエクスペリメントとして歴史に残る。このためのシステムは、膨大なコストと人員が投入された。当時の技術水準と貨幣価値を今日に比較換算するならば、NASA的なプロジェクトと考えてもよいだろう。

このときの再生用のシステムが、幻のフレッチャー・システムであり、おそらくは人類史上最高のシステムと評価できるものだ。すべては、このエクスペリメントのために研究開発された。

このスピーカー・システムは、低音部に20インチの巨大な金属振動版を持った折り曲げ低音ホーンと大口径4インチ振動版を持つ中高音用のホーンドライバーで構成されている。中高音ドライバーは、マルチセルラホーンである。このシステムは、当時の映画産業界から劇場用としてのリリースの声が大きかったが、低音ホーンのエコー現象もあり、実際に業務用の装置としては量産されることはなかった。製造された数は、10本に満たないと思われる。

しかしながら、このシステムの中高音用のドライバーは改良を経て、世に出されることとなる。これがWE594A Loud Speaking Telephone 、すなわち今日我々が目にすることのできる、あのWE594Aドライバーである。その生まれからしてただならぬ血統のスピーカーである。このドライバーの性能は隔絶したものである。自動車に例えるならば、F-1レーサーのようなものだ。

WE594Aは、WE555とは異なり、2Wayのシステムとして、あくまで低音用のスピーカーと併用することを前提に作られている。しかし皮肉なことに、このドライバーとつなげられる相棒は、かのフレッチャーシステムの巨大金属振動版低音ホーン・ドライバーだけなのである。これ以外の紙の振動版のウーファーでは、やすやすとはつながらない。

WE594Aは、その生まれから、まさに孤高の存在であった。究極の理想を求めて設計され、卓越した性能を発揮するが、それとバランスできるウーファーがないのである。

最近は、いろいろなところで594Aが鳴っている。しかしその多くは、我々に忍耐を強いるようなサウンドを轟かせている。オーナーは、これがウエスタンのすばらしい音なのだから、この良さが分からない者は、オーディオを語る資格がないといわんばかりの情熱を傾注する。聴衆も自分の耳に自信がないからか、恐れ入って敬意を持って、いい音だと絶賛する。裸の王様の世界そのままである。正直な人は、私はこの音を好きになれませんとかウエスタンの音というものはこの程度のものかと思ってしまうかも知れない。

このような悲劇は誰のせいでもない。そもそも本来のウエスタンの音を聴いたことがある人がいないのだ。それはもう70年以上前にこの空間から発して、そして消えてしまい、人々に語り伝えられた、伝説の音なのである。今日に生きる人々は、当時のシステムを可能な限り再現し、失われた音を復活させようとしているのだ。私は、その情熱に心から協調する。しかし再現された音が、はたしてその本来のウエスタンの音であるかどうかの検証は、とても難しい。

この"孤高の"594Aドライバーは、そもそも鳴らすのが至難の代物なのだ。よって、やかましい音で鳴っている594Aに出会っても、達観しようではないか。趣味でF-1レーザーを所有しているようなものだと思えばよろしい。そしていつの日にか鳴らしきることを生きがいとすれば、これはすばらしいライフワークとなる。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we594a/we594a.htm?.tok=bcwjY6SBu.hmxIxe&.dir=/594A&.src=ph

  594A Driver + 24A Horn
 
音響分野の技術研究が最高水準にあった時代、ベル研究所が惜しみなく研究開発費と人材を投入して完成させた、歴史上の頂点に立つドライバー・ユニットWE594A型

 このドライバーは追い込めば追い込むほどにその能力を発揮していくという、レーシング・マシン的な色彩を放つ。このドライバーを理想状態で鳴らし、これに低音をマッチングできれば、ウエスタンの一つの峰の頂上に到達できるのではないかと思う。しかしまだ、555という謎の峰も霧の中に見え隠れする。

 594Aに接したときには、そのストイックさの中に啓示を見る思いだ。くたびれたときには、一休みしてWE555の世界に安堵を見出そう。
 
http://homepage3.nifty.com/western/audio/24a594a/24a594a.htm


  Western Electric 551 Driver  


マグネチック方式最後のドライバー トーン・ポリシーは555に引き継がれている

551のトーンは、蓄音器のもつ絶妙のプレゼンスを彷彿させる。この551以降ウエスタンのドライバーは、有名な555に引き継がれるが、555ドライバーの音はこの551のトーン・ポリシーを受け継いでいる。すなわち血脈の音である。


生、原音のプレゼンスを求めた蓄音器、

それを目指した551、

その血を受け継ぐ555ドライバー

と世代が変わってもその求めるところは変わらない。技術革新という意味では、この551と555の間には飛躍的なものがある。そして近代ハイファイの原点であり到達点となるの594Aドライバーに引き継がれる。

555と594Aの世界は全く異なるが、いずれもが到達点であり双璧である。蓄音器、551、555、594Aと聴いてみると人類の音楽芸術と音響技術の歴史的変遷と融合を理解できる。

  551は、約500オームのインピーダンスとして扱い、真空管式の500オームの二次インピーダンスのトランスがついたアンプで鳴らさなければいけない。低い周波数をカットするために0.1u程度の品質のよいキャパシターを直列につないで使用する。魂に浸透するような音の世界が現出する。

マヘリア・ジャクソンやバッハのパルティータを深夜に静かに鳴らす。こうなると蓄音器に近い世界で、555も594Aもタジタジである。もうHMV203を持ち出すしかない。SPの復刻をこのドライバーで架けるとそこらの蓄音器ではとても追いつかないものがある。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/551/551.htm

オーディオシステムの音を過去から現代まで沢山のマニアの音を聴かせて頂きましたが一つの共通点が見えくる、その共通点とはオーディオを長くやっている人ほど音はけして高音質、大音量ではなく音楽を聴かせる音になっている。しかも真空管を採用したデバィスがほとんどで半導体アンプや今流行のデジアンプで鳴らした音は良かったことは一度もない、「電気臭い音の代表だ」半導体アンプは音が平板になりスピーカーの回りでしか音が鳴らない、

音に関して熟成したマニアの音は低域も高域も欲張らずバランスの取れたサウンドを聴かせてくれます。家庭の部屋でコンサートホールと同一の音などは再現することは不可能に近いが真空管アンプを使用すると不思議とコンサートホールの雰囲気感が出てくる、

ウェスタンエレクトリックのサウンドは現代から見れば特性は悪いはずですが真空管アンプで鳴らすと音楽を心地よくリラックスして雰囲気感を大切に聴かせてくれる響きを持っている。確かに(生の音)とは違う音ですが独特なサウンドで中域に密度がありコクのあるサウンド、現代の上も下も伸ばした中域の薄い貧弱なスピーカーとは方向性が違う、

名器と名の付くスピーカーは「音楽を美味しく聴かせてくれる」楽器の要素が秘められている、英国のヴィンテージスピーカーもウェスタンに共通した部分が多少感じ取れる。オーディオを追求して行くと最終的にはクレデンザ、HMVなどの蓄音機などの電気臭くない音を意識するのではないだろうか

http://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-009.html


ウエスタン・ラボ 訪問
http://www.westernlabo.com/

知らない人が見れば、ガラクタにしか見えない・・・・

巨大なハリボテ、薄いベニアで作られペナペナ・・・

普通のオーディオマニアが見たら、到底許せない作り

「こんなのでイイのかよ?」

イヤ違うんです、こうでなければ成らないのですw


15Aホーンを聴きたい・・・

オーディオを語る時、どんなに技術が進歩しようともWE(ウエスタン・エレクトリック)は避けられない関所になる・・・・

真空管WE300Bがあまりにも有名ですが・・・


本来はモノラル・トーキー時代の映画館用オーディオ、40年代の映画には WE のロゴが大きく出ています

そしてウエスタン15Aホーンはその核心にあると言っても過言ではありません

20年以上前、元会社の上司がWE教でして、15Aホーンの魅力をシツコク語っていました


ベル研究所から始まるその話は長く、結論は究極のオーディオはウエスタンだと・・・

私には理解不能でこの人は耳(アタマ)がおかしいとしか思いませんでした

WEはトーキー時代に大きな映画館で大音量再生をするための手段でしかないと思っていました

そもそも、家庭用ではありませんしステレオ・レコード再生ましてやCDなんて論外ですが・・・

百見は一聴にしかず・・・

まずは御覧ください・・・

555です

励磁型ウーハー

ウエスタンのウーハーにボックスはありません

ほぼ平面バッフル・・・・

その昔、WE教の上司に質問しました


「なぜウーハーボックスがないのですか?」

「バカだな、スピーカーは裸で鳴らすのがイチバン!」

「それじゃ低音が出ないのでは?」

「バカだな、ウエスタンはユニットだけで低音が出るんだ!」

「置いとけばOK」

「失礼しました・・・」

理解不能でしょ・・・


15Aホーンの音

姿を見て、どんな音が出るのか?想像すらできません

ホーンの音と言えば、防災無線の拡声器や運動会で使うトランペット・スピーカー

かなりハードな音を連想できますが・・・・

柔らかく、伸びやか、付帯音が少なく、バケモノスピーカーの存在が無い

詰まった感じは無く、ホーン特有の音なんですがクセの無い柔らかい音にはビックリ!

ペナペナのホーンで起きそうな付帯音やクセが感じられません

さぞかしハードでシャープ、歯切れ良い音がするかな?

姿はモンスターですが、音は全くその逆

ハッタリや脅かしはなく、雄大なスケール感で包まれます

巨大ホーンにも拘わらず、無指向音場型スピーカーが鳴っているような・・・

ペナペナのホーンが塩梅良く共鳴しているのか?


「コレってナンなのよ」


ダイナミック・スピーカーの音に慣れている耳には捉え処がありませんが劇場の音ってコレのこと言うの?


グレードはかなり高い、流石ウエスタン、期待を大きく裏切られました

ソースはAD、シンフォニーと女性JAZZボーカル

シンフォニーはスケール感が大きく、伸びやかでスピーカーの存在が感じられ無い

イヤな混濁感や付帯音が少ないので素晴らしい

女性JAZZボーカルは、分解能が少し足りなくて口がデカクなりますがチョイと除電すれば一発で問題解決しそうな・・・

百見は一聴にしかず、現代スピーカーの同じ様な音とは違った光る個性を実感

コレ聴けば、熱狂的マニアの存在が分かります

帰宅してショールームで音聴いたら、イイ/ワルイとは違う違和感を感じました

嗚呼、流石ウエスタン 15Aホーン伝説がなんとなく理解できました

ココはまるでタイム・マシンで時空を遡ったような錯覚を引き起こす・・・

ビンテージであり、現代には通用しないと思っていましたが・・・・

光る個性があり、もの凄く魅力ありました

15Aホーンの音を聴いて本当に良かった、60年以上前に確立された技術だとすれば現代のオーディオは進歩していないかも知れない

特にスピーカーについては、現代の技術は脇道に外れて迷路に迷い込んだだけかも・・・

http://d.hatena.ne.jp/arcs2006/20110310


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音の認識とバランスの秘密


可聴周波数帯をはるかに超えたスピーカー・システム、極超低歪率の高性能アンプより、古い電蓄のほうがいい音に聴こえることがある。心のノスタルジーの共感か聴覚上の錯覚による現象なのか、その謎は深い。

都会の雑踏のなかでも、母親は、はるか遠くの我が子の泣き声を聴き分けることができる。音響的に測定すると聞こえないはずのレベルである。名器と呼ばれる楽器は、測定上同じレベルの音量であっても、遥か遠くまで音が通り、多くの聴衆を魅了する。PA用のスピーカーは、同じ音量でも家庭用のものと違って、はるかに遠くまで音がとぶ。音の世界は不可思議である。

しかしこの謎を解かなくとも解はある。それは原音である。そう私たちの日常に溢れる、この音こそがリファレンスになる。なるべく多く演奏会にいこう。そして生の音に触れよう。家に帰ってから、自分のシステムの前で眼をつぶろう。あの臨場感が、感動が甦るであろうか。
     
  蓄音機やウエスタン・エレクトリックの時代の音楽といえば、オーディオの音は生演奏と隣合っていた。当時、録音はそれほどには多くなかっただろうし、なにしろ再生装置は、演奏会に一生行けるほどに高価であった。人々は、今よりはるかに多く生の音に接していたに違いない。当然音響装置を開発していた人たちもこの生演奏をリファレンスにして、システムを設計していたのである。ここに古い時代のシステムが現代においても人の心を捉える理由があろう。現代とは、リファレンスが違うのだ。  


  センサー耳と情報処理脳


音や音楽を聴くということは、実は耳と脳の情報処理のコンビネーション作業である。耳はセンサーの役割をしており、そのセンサーからの情報は、脳で処理されて最終的に判断され音として認識されている。測定器万能の近代では、各種の測定器で音波の実態や音響特性は詳細に分析できるようになってきている。しかしこの基準で設計、製作された最新の音響システムも必ずしも我々に良い音には聞こえるとは限らない。これは人の脳の情報処理のプロセスの考慮不足が原因だろう。人の脳は、耳というセンサーから送られてきた情報を測定器などとは異なった基準で判断し、あるときは不要な情報は無視し、また欠損した情報は補完して判断している。

  蓄音機やウエスタン・エレクトリックの時代、そう、測定器が進化していなかった時代、生の演奏が再生装置の音のリファレンスだった時代の技術者は、このことを直感的に知っていたと思われる。この時代の再生装置を聴いてみると、その音造りのなかに、あきらかにこの点に着目した設計が見受けられる。
 
私の使用しているシステムは、ほとんどがモニターやPA用などの業務用の装置である。実はPA用の装置は、家庭用の音楽鑑賞用の装置とは目的が違うのである。

家庭用の"高級"オーディオ装置は、ユーザーがあり、音楽を聴きたいときに電源を入れてもらえる。つまりこれらの装置は、聴いてもらえるという立場に置かれている、幸せな装置なのだ。PAやアナウンス用の装置はこの点が全く異なる。これら装置は人に情報を伝達することに存在目的がある。聞きたくない人にも、無理矢理にでも情報を伝達しなければならない。聴く気のない人の情報処理脳にアテンションを送り込まないといけない。そのように設計されているのだ。

PAでは、音が飛ばなければならない。伝達能力、遠達性が求められる。それでいて、音質が悪くてはいけない。

プロは、この装置を使ってお金を頂戴しているからである。音が悪ければ金を稼げない。業務用の器材は聴かせることを目的に造られている。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo1/nazo1.htm

名演、名曲、名器とよい音の秘密  


測定器などで定量化できる基準としては、音の大きさ、周波数特性、歪み、位相、過渡応答などがある。また、人によって尺度や捕らえ方が異なるだろうが、濁った、澄んだ、明るい、暗い、軽い、重い、湿った、乾いた、などさまざまである。一つの方法として、ライブの音、演奏会の音、原音を心に留めておき、さまざまなオーディオ・システムの音を聴いてみてはいかがだろうか。

私は、あまり歪みや周波数特性には細かくはこだわらないほうだ。周波数特性の場合は、40万の法則というのが知られており、再生周波数の上限と下限を掛けて40万近くの値になるのが、バランスがよいと言われているものだ。可聴周波数が、20Hzから20KHzとされているのは、確かに乗すると40万になる。

WE555ドライバーの高域のカットオフを7.5KHzとすると、低域を53Hzにとらなければならい。これはいくらなんでも無理な注文なので、低域を200Hzにすれば高域は2KHzとなる。
実は2KHzというのはそれなりに高い音であり、200Hzのほうも結構低い音である。この条件でWE555を一発で鳴らしてみる。きちんと音楽になって聴こえるのである。

人間の脳の情報処理能力が、再生周波数以外にある情報を狭い帯域内にある情報から補完するのである。同様の実験を現代の高級な装置で実験してみると、音楽情報があきらかに不足して聴こえる。つまり脳の情報処理システムの補完が十分機能していないように思われる。蓄音機やベル研究所の人たちは、あきらかにこのことを知りながらモノを作っていたようだ。脳の情報処理システムをうまく機能させるための音響システム設計は、現代の測定器群が提供するデータとは、別のファクターにも注目する必要があるのだろう。

     
  音と音楽は、どのように処理、認識され、記憶されているのだろう
 
  まず音は、空気中を疎密波として伝達され、これが耳の鼓膜を振動させる。また体全体が振動として受信する。鼓膜の振動と骨伝導は、この時点で周波数特性、過渡特性、歪や分割振動などのあらゆる非直線性をもつ。まずセンサー部分がこのような状態である。続いて神経を経由して情報は脳に送られて処理されるが、脳の処理はさらに複雑だ。フレッチャー・マンソン・カーブに見られるように、可聴周波数帯域においても感度レベルが大幅に異なるし、明らかに変化量に対しては、敏感に反応している。これらの膨大な情報量は、さらに最終的に記憶として再構築されて、そのイメージを思い出しやすい形で記録されていると考えられる。
 
あらためて、ノイズにまみれた、ウラディミール・ド・パハマンのSP復刻の葬送行進曲を聴いてみる。あきらかに、時系列上で音が欠落して失われている。つまり音符に該当する音が録音上欠落しているのである。しかし演奏を聴いている我々は、この欠落した音符を見事に補完して聴いているのである。気にならないのである。

ホロヴィッツのピアノの演奏もよく聴くと存在しないタッチの音を我々が補完して、聴こえるかのごとく誘導する弾き方をしている。こんなに速い運指で微細な音の強弱を表現できるはずがなく、ピアノの機械的な音の強弱の表現限界以上の音のグラディーションを出している、というか、それを我々の脳が補完できることを知っていて、その補完能力を駆使して、限界を超えた世界を表現しているようだ。

脳は、このように情報としての信号を処理している。我々が名演であるとか、よい音だという感じるのは、脳の情報処理の結果で判断されている。実は、音の良し悪し、脳の認識は、装置の過渡特性に深く係わっている。周波数特性よりもはるかに重要かもしれない。20KHzまでリニアに再生できる一般のシステムよりも、13KHz程度しか再生できない装置でも、過渡特性が優秀であれば、高い音をより正確に識別できるのである。ベル研究所のスタッフは、この事を知り抜いて製品を開発しているのか。
   
  この仕組みに精通すると、コストをかけずにうまくバランスをとって、”よい音”のするシステムに仕上げることができる。反面、高性能の装置や、名器を組み合わせても、バランスの悪い音になることがある。性能が高いが故に再生できた情報も、それとセットで必要になる情報が揃っていないと、脳はその情報をうまく処理できずに、結果としていい音として我々に認識されないことになる。これが、バランスをとるということなのだ。
 
ウエスタンのシステムをオリジナルの状態のコンビネーションで使用するというのは、ある意味で正解である。ウエスタンは、まさにその状態でバランスをとっている。
ウエスタンのスピーカーのリード線などを見ても、こんなところに細くて純度の低い銅線を何故使用するのだろうかと思うが、実はそれでもってバランスをとっている。6Nや7Nを使用すると破綻することがある。594Aのダイヤフラムのリード線も細い。オリジナルのWE755Aのリードも初期は細い。アルテック以降の755Aでは、"良い"銅線が使用されている。バランスというものの本質が分かっていない後期の設計者が、抵抗値が低ければよい音になるだろうと思って、変えてしまったものかも知れない。

いずれにしろ、ALTEC 755Aは、外見も仕様も全く同じだが、Western 755Aの音はしないのである。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/nazo2/nazo2.htm


ウエスタン・エレクトリックという迷路


欧米のハイエンド製品を手にしても満足が得られなかったユーザーは、次に禁断の世界に入り込みます。

ご承知の通り米国の頂点、ウエスタン・エレクトリック(WE)の扉を開くことになります。

この時、この道を歩む人は冷静さを失っていました。なぜならば、WEの機器を使用している環境や背景を全く考慮していなかったからです。

この時代の米国には優れた業務用の機材がたくさんあります。1920年以降米国の優れたエンジニアは通信や映画産業に関わりをもちます。その結果WEのみならずRCAやランシング、アルテック等がすばらしい製品を生み出しました。しかしこれらのポテンシャルが如何に優れていても映画館や大きいホールで発揮されるものです。

少なくとも50畳以上の部屋があればある程度本来の能力を発揮するとは思いますが、こうした恵まれたリスニングルームを所有できる人は例外中の例外ではないでしょうか?
私もかつては、音楽再生ではWE594Aを上回る最高級ドライバーといわれるランシングのドライバーに、ウーファーの最高傑作の一つであるRCAのユニットをダブルで使用しました(もちろんフィールド型ユニットです)。 ベートーベンのシンフォニーをかけると30m離れた隣地のテニスコートで、街の雑音に打ち消されることなく明確に聞こえ驚きました(駆動アンプは300Bシングルで最大出力は7Wです)。

なんと家の中よりはるか離れた外の方がしっかり聞こえるのです。ここにWEの業務用機器の本質があるのではないでしょうか?

多量の空気があって初めて素晴らしく聞こえるのです。

また、現存するこれらの機器で良品は少なく、その上相当高額です。家一軒分をつぎこんでも多くの人はオーディオのターミナル(終着駅)とは感じないようです。 日本人特有の舶来信奉とWEという究極のブランドがそうさせるのかも知れません。

http://www.rrltd.co.jp/rrplaza/episode/vol04.html
3:777 :

2022/08/08 (Mon) 13:52:46

ウェスタン・エレクトリックの調整・修理

ある日、メールが来ました。次のようなメールでした。

「ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーを鳴らしていますが、困った状態になってしまっていますので、アドバイスしてくださいますでしょうか。」


短いメールでした。私の返答は、下記の短い内容でした。


「ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーを鳴らされているほどのかたでしたら、私のアドバイスなど必要ないでしょう。私のサイトをくまなく読まれて、もしヒントがあれば、それを生かしていただいて、あとは、ご自分でセッティングされていかれればいいのではないでしょうか。」


二週間ほどして、再度、短いメールが来ました。


「本当に困っているのです。オーディオで、良いと言われるものを、次から次へと買い集めた結果、どうにもならない状態になってしまったのです。どうしていいか、全く分かりません。お願いします。」


これで状況の全貌がつかめました。想像以上に、深い「オーディオ地獄」に陥っておられるかただということが、分かりました。ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーは、尋常な価格ではありません。それだけでも相当の金額ですが、そのレベルと同等の金銭感覚で、良いというものを次々に買い漁ってきたとなると、およそ我々には想像できないほどの、大金が動いていたと思われます。

私はそのとき、純粋に、まったく「音」のことしか、考えていませんでした。

そして、次のようなメールを送ってしまったのです。


「了解しました。事情は分かりました。機材はあとでいいですから、まずは、今、持っておられるオーディオ屋で勧められて買われたケーブル、または、ご自分で買われた高額なケーブル類を、全部、ゴミ箱に捨ててください。または、売却されてください。とにかく一本残らず処分されてください。それからでしたら、本格的に、ご相談に乗ります。その後、再度メールください。」


でした。その後、二度とメールは来ませんでした。
私の書いたことの意味が、分からなかったのでしょうか。


今にして思うに、私はうかつだったのかもしれません。相手は、おそらく重症の患者だったのです。自分自身で身動きすら全く不可能なほどの、緊急の大手術が必要なほどの、救急車で搬送しなくてはならないほどの、重体の患者だったのです。


「一体全体、どれくらいの大金を、ゴミにつぎ込んだんだ!!」


今思い出しても、はらわたが煮えくり返るほどの、気持ちにかられます。


ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーに、お金をつぎ込むほどのかたは、尋常ではありません。


どこでそんな大それたものの知識を得てきたのかも、定かではありません。

普通の中古オーディオ屋さんは、いくらなんでも、そこまでのものは、勧めないものです。

つぎ込んだお金の総額は、五千万円なのか、七千万円なのか、一億円なのか、家族は? 家庭は崩壊していないのか? その後、破産してはいないのか?


次から次へと、疑問が沸いてきます。


「ケーブルを全部ゴミ箱に捨てろ。」などではなく、もっと徐々に、正常な軌道に戻してあげることは、自分にあの時、出来なかったのだろうかと、今も、ふと思うことがあります。あまりにも短いメールでしたので、そのかたの状況、その奥の奥まで見通すことが、そのときには、出来なかったのです。

今にして思うと、このかたの声は「肥溜め」から発せられていた「救助」を求めるSOSの声だったのです。肥溜めに落ちてしまい、どうあがいても這い上がれず体中をウジ虫が這い回り、死を待つしかないという状況、あれこそは悲痛なる「うめき声」だったことが、今でこそ分かるのです。


■これを読まれるかたは、はっきりと、認識されておいてください。私は断言します。


ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーなど、本物のF1マシンです。本当に、戦国時代の「妖刀」そのものです。

100万円の、ゴミケーブルごときレベルのもので、鳴らせるわけがありません。

500万円の、ゴミアンプごときレベルのもので、鳴らせるわけがありません。


スピーカーとアンプ、又は、ケーブルとの相性が合うだの合わないだの、低いレベルの話を、いつまでも言っていてはダメです。

F1のレベルは、「品質と技術の絶対的な高さ」だけです。ただそれだけです。徹頭徹尾、それが要求されています。F1レースの世界と全く同じです。

そして・・、

例えケーブル類が全て、第一級品のプロ用であって、健全なものだったとしても・・・、

アンプは? 

ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーの設置角度、高さ、奥行き、場所は?、

一ミリ単位で、全てその音から逆算していって、本能的に計算できるでしょうか?、

部屋の音響処理は?、

そして、たった一個のプラグが音に与える影響まで、この箇所は金か銀か、全ての箇所を、一つも間違えずに、音から、一つの前後の狂いもなく、全プラグの正解を逆算できますでしょうか?


音響処理グッヅなど、さらに混乱を招いてしまうだけに終わり、ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーの前では、害悪になるのみで、これもまたゴミに過ぎません。全く役にも立たないどころか、足を引っ張る程度のものばかりなのです。

自分の耳で、目で、肌で、部屋の中を徘徊している音の複雑なルート、それが全て明瞭に見えているだけの「能力」がなくてはなりません。同時に、周波数特性の計測装置より正確に、全てのケーブルと機材の特性が、耳で把握できなくてはなりません。

ウェスタンエレクトリック(WE)のフィールドスピーカーとは、それほどまでに恐ろしいものだと認識されてください。

そこまでは無理だと、誰でも思われるでしょう。そう思われるのであれば、「妖刀」には、絶対に近づいてはならないという「印」です。

それが、し・る・し、です。


又は、音の修行僧として、一生涯を送るかです。

選択は、二つに一つです。例外はあり得ません。


もう一種、同程度に恐ろしいものを書いておきます。アルテック612Aモニター(銀箱)のオリジナルです。別の箱に604ユニットが入ったものは、その限りではありません。612A(銀箱)オリジナルには、WE同様、絶対に近づかないでください。612A(銀箱)オリジナルも、上記の能力が全く同レベルで必要な「妖刀」、「化け物」です。鳴らしきれるはずがありません。
http://www.procable.jp/setting/17.html


△▽


ウェスタンエレクトリックを知らなければオーディオを語るなかれ
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-006

 この文句はすべてのオーディオマニアについて言える言葉であるがウェスタンマニアやウェスタンを扱うビンテージショップ等は(ウェスタン以外はオーディオではない!)とウェスタン以外のオーディオを(小バカ)にしていますが、本当にウェスタンサウンドは別世界の音なのか、

今回は「泣く子も黙る」ウェスタンサウンドの真髄と魅力をコラムをお借りして迫りたいと思います。

オーディオの源流
 ウェスタンと言えばスピーカー、真空管の300Bが巷では最高峰と言われていますが、オーディオシステムの中でスピーカーシステムは自分の個性が特に主張されます、

高いスピーカーは良い、安いスピーカーは悪い、とは誰も断言は出来ません。自分の好みに合えばそのスピーカーこそが最良の友であり伴侶でもあります。

ウェスタンサウンドを考えるとそれ以前のサウンドは蓄音機のサウンドであり、かの有名なビクトローラ・クレデンザがウェスタンの原点ではなかろうか、実際クレデンザのホーン構造を見ますとウェスタンの12A、15A、のカールホーンに良く似た構造をしています。(蓄音機の音等は良い音ではない)と思われがちですが、本当に良い音とは電気臭くない音ではないだろうか、生の音を良く聴きますと電気の音はしません、(エレキギター、シンセサイザーは別物)

生の音こそ自然な音です。音はすべてに生が基準になります。

 クレデンザのサウンドボックスを外してウェスタンの555ドライバーを実装して試聴した経験から不思議とクレデンザの音に非常に近い音になります。その時の印象ではアコースティクな響で現代の音とはかけ離れた音に脅威を感じました、これこそ電気臭くない自然な音なのかも知れません。

 アルテック、JBLはウェスタンから分かれた会社ですが、ウェスタンサウンドを聴きますと両者ともあきらかに音の違いが認められます。永い間アルテックやJBLでオーディオを楽しんでこられた方は最終的にはウェスタンに(はまる)方が沢山お見えでそれだけの魅力があるのがウェスタンかも、

過去のビンテージスピーカーでアルテック、JBLに限らずタンノイ、グッドマン、ヴァイタボックス、などの初期型のスピーカーはウェスタンの音色と音作りに一脈通じる気がします。皆さんもタンノイのスピーカーをお持ちの方が沢山お見えですがこのスピーカーも原点はウェスタンになります。タンノイでもモニターシルバー実装のオートグラフを私の友人宅で聴きますとウェスタンの香りが漂ってきます。このように書きますとウェスタンこそがオーディオの源流かも知れません。

ウェスタンシステムの概略説明

写真の左側がウェスタンのスピーカーシステムになります。右側のホーン付きのドライバーがかの有名な555Wです。このドライバーは励磁型と呼ばれています。ホーンは12A,15Aとは違うストレートホーンの25Aです。

555Wのドライバーユニットのアップ写真でウェスタンエレクトリックとシールが貼ってあります。右側のスロートは15個の口がありこの部分へアタッチメントを取り付けて555Wドライバーを実装します。


使用アンプはWestrexのRA-1574パワーアンプの内部写真です。使用している球は807パラプッシュで出力は150W×2の300Wの大出力アンプです。頭にRAが付くのがレコーディング用でTAが付く場合はシアター用になります。
このアンプの価格はモノラール2台で¥250万以上もするそうです。

アンプ内部の使用トランスは不明ですがアンプのカップリングコンデンサーは私の大好きなスプラーグのブラックビューティータイプのカラーコードの入ったバンブルビーコンデンサーが使われています。

RA-1574アンプの正面よりの写真でメーターが付いているのがパワーアンプで下側が電源装置になります。

写真の右側がウェスタンの25Aマルチセラーホーンです。材質は鉄かダイキャストで出来ていると思います。ホーンの長さは約1mでこのスピーカーが劇場で使用されていたと思うと凄い

低音はウェスタンのTA-4181ウーファでサイズは46cmの巨大スピーカーです。クロスオーバーは500Hzで使用しています。右側の写真はこのシステムの所有者でM月氏です。これを見ますとウェスタン25Aのホーンの巨大さが理解できると思います。スピーカーボックスは米松合板の特注ボックスを使用、TA-4181と555WのタンガーバルブはSPボックス内に収容されています。


 システムのラインナップ

CDP
LINN MIMIK
D/A
サンバレーModel2

プリアンプ
マランツ#7

メインアンプ
サンバレーSV-91B(C)

試聴CD
アールヒーブ コジェーナのヘンデルの歌曲

すべての接続が完了して早速の音出しになった、チェロの独奏が鳴り出した瞬間、素晴らしいの一言です。チェロの胴鳴りと弦をこする震えが聞こえる大変心地よい響きでコジェーナの歌声がしびれるぐらい魅力的です。音のバランスはピラミッドバランスになって押しの強いしかも奥行き感を伴った音である。試聴に立ち会ったN氏もただ唸るばかりだ、

 確かにこのサウンドは枯れた音であるが、この音色はアルテックやJBLとは違う味のある独特な音を持っている、間髪を入れずに友人のN氏が

「このウェスタン555Wの音はY下氏のグッドマンの3Wayと非常によく似た音ではないか、グッドマンはもう少しスケールダウンした感じだ、」

確かに目を閉じてウェスタンスピーカーをじっくりと試聴していくとこの音は私の愛用しているグッドマンの3Wayと非常に良く似た音色になっている、イギリスのグッドマンはどちらかと言うと薄曇的な多少暗い音になるがウェスタンは多少明るい開放的な浸透力のある感じがした、そう思うとウェスタンのスピーカーが無くてもグッドマンのスピーカーで十分である。

グッドマンと言えばAXIOM-80,AXIOM-301が巷では有名であるが、私の使用しているホーンタイプのグッドマンは多少音の抜けや音色がAXIOMタイプとは異なる。

 この点をM月氏に問いただすと

「グッドマンこそウェスタンサウンドに近い、ウェスタンのツィーターは594よりグッドマンのトレバックス100の方のが相性がある」

と指摘していた、ウェスタンのレベルを上げて行くとグッドマンと変わらない音になるのか、グッドマンのレベルを上げて行くとウェスタンサウンドになるのか、グッドマンはウェスタンを意識した音作りのように思える。M月氏はこのウェスタンスピーカーとは別に名古屋の日劇で使用されていたグッドマンのスピーカーを持っている。将来このウェスタンをすべて売却して最後はグッドマンで聴きたいと洩らしていたのが印象に残った、

私が想像していたウェスタンサウンドはもう少しアコースティクな音を期待していたが現実は多少違っていた、しかしこのサウンドこそ紛れも無いシアターサウンドで俗に言うコマーシャル的なサウンドだ、こんな雄大な素晴らしいサウンドならもっと広い部屋で鳴らせば恐らく感動ものであろう、しかし現実的に日本の家屋では無理だと思う、

管球王国などやオーディオ雑誌でのウェスタン試聴記の記事などを読むとウェスタンサウンドは別格の存在に見られるが、私個人としては別格な存在とは思えない、


ウェスタンに思う

 私のオーディオ人生第6回のコラムはウェスタンサウンドの真髄と魅力を書かせて頂きましたが皆さんにウェスタンのシステムを写真付きで紹介しましたので多少なりと理解されたと思います。

 今回登場しましたM月氏ご本人は多少目が不自由なためアナログはやっていませんが耳は非常に良い持ち主でここまでウェスタンサウンドをまとめられたのは立派としか言いようがありません。勿論M月氏の人柄は大変良く「俺の装置はウェスタンだぞ」と王様になるタイプではありません。

世のウェスタン所有者はとかく王様になるタイプが多い、

「俺の装置はウェスタンだ、下々のマニアとは違う、」

と見下げた感覚で簡単には聴かせてくれないウェスタンマニアが多い、このようなマニアこそ私に言わせれば「猫に小判、豚に真珠」と言いたい、ウェスタンマニアになるとケーブルからパーツ迄何でもウェスタンでないと気にいらない、(これは一種の病気としか思えない)このようなマニアこそ良い音を出す術を知らない、また音さえわからないから音作りは他人まかせ、ウェスタンだから良い音が出るだろうと思ったら考えが甘い!、

確かに上手く鳴らせば素晴らしい音になるのだろうが、本当に良い音で鳴らされているウェスタンマニアは極少数だと思う、これだけの大がかりなシステムになれば至難のワザだと感じる、

私はウェスタンサウンドが最高の音とは思っていない、ウェスタンの10分の1いや20分の1の費用でウェスタンと同等の音は出るはず、それがオーディオの面白さだ!      

 M月氏は沢山のウェスタンのアンプをとっかえひっかえして使ってきた豊富な経験の持ち主である、
苦労に苦労を重ねて最後はこのシステムこそ自分が求める音であると強い眼差しがヒシヒシと伝わってくる、彼にとってはこの音こそオーディオの桃源郷もしくは極楽浄土なのかも、
https://www.kit-ya.jp/etc/club/audio/y-006


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日本でウエスタン・エレクトリックの専門家は以下の二人だけです:


G.I.P Laboratory _ Western Electric スピーカーシステムのレプリカ製造・販売 - YouTube 動画
http://www.asyura2.com/21/reki7/msg/302.html


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Vintage audio restoration
OM laboratory

〒321−0966 栃木県宇都宮市今泉1−3−10
青木 英男
080-3363-0545
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OMラボラトリーでは、ウエスタンエレクトリック等のヴィンテージ機器の修復とヴィンテージパーツを使用したオリジナル機器を制作しています。

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青木 英男
ハードウェア・エンジニア
東洋大学工学部電気科電子コース卒。81年OMラボラトリーを設立、電子機器設計製作に従事。84年より中近東文化センターや早稲田大学古代エジプト調査室による遺跡調査のための機材開発に参加。95年宇都宮市大谷地区地下廃抗観測装置の企画設計製作。その他無人自動操縦ヘリコプター等の特殊機器・機材の開発に取り組む。
http://www.media-arts.ac.jp/hp1/college/instructor/


管球王国 Vol.61 2011年 SUMMER ステレオサウンド書店 ステレオサウンドストア
●ウェスタン・エレクトリック・システムを意のままに使いこなす達人
青木英男氏のノウハウの全貌を明かす
新 忠篤

電解コンデンサーを追放した多段の電源回路を構成するなど独創的なアプローチでウェスタン・エレクトリック(WE)システムを意のままに使いこなす、オーディオの百科事典を思わせるエンジニア、青木英男氏のご自宅を訪問します。無数のパーツに囲まれ、ヴィンテージ・システムとデジタルソースを自在に堪能される様子は圧巻です。
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4:777 :

2022/08/08 (Mon) 13:54:04

ウェスタン・エレクトリック プリアンプ

① Western Electric TA-7387 Amplifier


 『TA-7387』はP.E.C.信号の増幅用、“ミラフォニック・サウンドシステム"に用いる『1086-A』の前置アンプとして設計された。 

機能は『49』と同様だが、『49』が映写機と隣接した場所に設置するハイインピーダンス入力であるのに対し、本機はキャビネットに収納された状態で映写機の壁に直接マウントされ、映写機とは離れた場所に位置するため、インプット・トランスを設けたローインピーダンス対応となっている。

アンプは262Aシングル・ステージのシンプルなものなのだが、アウトプット・トランス132ーCの出力側には、シャーシー内部に固定式のデーヴァン製アッテネーターFP-39(巻線抵抗を内臓)と、回転式アッテネーターTA-4190が、シリーズに結合されている。

 劇場におけるステージ・レシーヴァーの音量は、このTA-4190でコントロールした。 262Aのヒーター用A.C.10Vおよび B電源200Vの供給は『86』から行われるが、特に高圧側は『1086ーA』内の716-Aアパレイタス・ユニットを通じてサプライされる。このユニットにはリタード・コイルが179-Aと221-Aの2種類のヴァージョンが存在する。
 一般的には、『1086-A』ばかりがエンスージャストの間で脚光を浴び、本機はあまり目立たない存在だが、音量調整用のアッテネーターを持たない『86-A/C』アンプには、必要不可欠な存在といってよく、付加することによる音質の向上ぶりは、目を見張らせるものがある。“ミラフォニック・サウンドシステム”の本領を発揮するのに、絶対欠かせない製品だといっても過言ではない。

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② Western Electric 49 Amplifier


 『49』は1928年、プロジェクターに付属する2Aまたは3A P.E.C.(フォト・エルクトリック・セル)光学式ピックアップの微小信号を、ラインレヴェルにまで増幅する前置アンプとして開発された。

 「49-A/B』では、P.E.C.信号をダイレクトに電圧増幅管239Aで受け、インターステージ・トランスを経て、出力管239Aを通り、アウトプット・トランス127-Cの2時側から500Ωでラインアウトしているが、1931年の『49-C』からは、真空管が264Aに変わる。また2A P.E.C.が3Aなって出力が20dbほどアップしたため、インターステージ・トランス246-Aを抵抗結合回路に変えている。

 本機はローレヴェルを扱うアンプだか、各真空管に個々のシールドケースは設けず、黒いスティール製のキャビネットにアンプ全体を収納してシールドし、映写機のかたわらに床から鉄製のポールを立てて、その上にマウントした。アンプ本体のコンストラクションは、真空管、トランス類をマウントしたサブシャーシーが10本のスプリングで揺り籠のように外枠から吊り下げられ、スプリング自体に通電性を持たされ、信号、電源などの電流の経路となる。このフロティング機構はローレヴェル増幅での、マイクロフォニック・ノイズやアコースティック・フィードバック防止に効果絶大だ。

 『49』のフィラメントは、ほとんどバッテリーにより点火(D.C.12V)されたが、P.E.C.のポレレイジング電源を兼ねるB電圧90Vは、『42』、『46』のB電源から、D-9610または700-Aフィルター・ユニットを通じて供給される。現在、『49』をフォノイコライザーに改造して使用する向きもあるようだが、元来30db程度のゲインしかないフラットアンプなので、トータルゲインを確保するためには、昇圧比の高いインプット・トランスを使うか、本機をシリーズ接続するか、あるいは前か後にラインアンプを置く必要があり、なかなか難しい。しかし直熱管によるフォノイコライザーは、真空管アンプ愛好家の見果てぬ夢である。

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③ Western Electric 41 Amplifie


Western Electric WE 41 42 43 Amplifier

 『41』-『42』-『43』は、本格的にトーキー映画普及の見通しが確立した1927年から1928年にかけて、ウェスタンが開発した“ヴァイタフォン”と呼ばれるシアター用サウンドシステムの、アンプリファイアー(以下アンプ)部である。

この3台のアンプは単独に用いられるではなく、あくまでも『41』が『42』を駆動し、更に大出力が要求される場合『42』が『43』を駆動するインテグレーテッドなシステムとして設計されている。

『41』に使用されている真空管は、マイクロフォニック・ノイズのきわめて少ない293A、プレート用のB電圧は『42』から供給され(D.C.390V)、フィラメント点火用のD.C.12Vは、外部のストレージ・バッテリーからサプライされる。このD.C.12Vはフィラメント点火と同時に、一部を分圧しグリットにバイアス電圧を供給しており固定バイアスとセルフ・バイアスの折衷の動作になる。これはウェスタン独特のバイアス印加方で同社のスクライグンE.O.Scrivenの着想によるものである。

“ミラフォニック・サウンドシステム”登場の1936年以降には、大容量型のタンガーバルブ式カーレント・サプライTA-5035、TA-7276などが開発され、導入されたため、ステージ・スピーカーのフィールドコイル電源、映写用プロジェクター・ランプの電源、および『41ーA』のD.C.12V電源を1台でまかなうことが可能になった。このタンガーバルブ式電源の12V出力のフィルター部はきわめて厳重で3個のリード・コイルとTA-4115乾式電解コンデンサー「2μF」によるπ型フィルターを経て供給されている。D.C.12V回路にシリーズに入れられているフィラメント電流調整用の35-Nレオスタットも、抵抗線を張ったステップの接点を持つ、大変に凝った造りのものである。



Western Electric 『200-A』


 『41』ー『42』-『43』アンプ・システムは、ウェスタンの101型ラックに設置される。 そのいちばん上に設置されるのが200-Aパネルで、6系統のステージ・スピーカーと1系統のモニター・スピーカーのON/OFを行う。そして7-Aオートトランスを内蔵し、500Ωライン出力を555Wレシーヴァーのヴォイスコイル・インピーダンスに変換する。オートトランスは鉄心の上に、一つの連続した巻線を持ち、その一部は1次巻線と同時に2次巻線ともなって共通に動作するものである。

7-Aは同社が発表した周波数が信じられないほどの広帯域感と豊かな密度感を持っているのが特徴だ。

 ステージ用レシーヴァーまでは、パラレルに数十メーターのケーブルが引き回されることのなるので、アンプの不安定動作や発振防止のため、アウトプット・トランス127-Aの1次側のセンターに、シリーズにリタード・コイル109-A〔実側値5H、D.C.抵抗120Ω)が1個追加され、グラウンドに対してLCフィルターを形成している。

『41-A』の外観は、ウェスタン・エレクトリック社が「ジャパニーズ・ブラック」と呼ぶ黒を基調としている。

『41』は『42』を駆動するための電圧増幅アンプである。回路は直熱3極管239Aの3段増幅というシンプルなもの。

構造的には19インチ・リレーラックマウント・サイズのパネルの両面に組み上げられ、前面下部には黒い四角形のカヴァーが取りつけられている。上部には電流監視用のメーターが2個。左側のメーターは239Aのプレート電流用〔フルスケール2mA)で、3本の239Aのプレート電流をスウィッチで選び、1本ずつチェックすることができる。右側のメーターは、239Aのフィラメント電流監視用(フルスケール300mA)。パネル右側にある電流調整のためのレオスタットで手動調整する。3本の239Aフィラメントは、全部シリーズに接続され、トータル270mAにセットするのが規定値である。239Aの後続管264A/B/Cでは、これが300mAに増える。
 
3本の真空管は、アンプパネル前面下部のカヴァー内部のフローティングされたサブシャーシに、130-Aソケットによりマウントされている。 防振のために、2重のコイルスプリングの中央に真空管のピンが貫通するようにつくられた130-Aソケットは、フェルトを介して真鍮製のサブシャーシにマウントされ、シャーシは防振ゴムを挟み込んだコの字型のスティール・ブラケットでパネルに固定してある。 サブシャーシー全体を覆う銅版製のカヴァーは真空管のシールド用である。更に、そのカバーの内部はフェルトが貼られている。マイクロフォニック・ノイズ、アコースティック・フィードバックを避ける為の実に巧妙な仕組みだ。

『41-A』は入力信号をインピーダンス200Ωの233-Eインプット・トランスで受ける。233-Eの2次インピーダンスは25KΩで、昇圧比は1:11.2。インプット・トランスの2次側には、23接点の26-Aポテンショメーターがあり、1ステップ3dB。合計22ステップのゲイン・コントロールが可能になっている。抵抗値の合計は177.941Ω(≒180Ω)。26-Aは後術の38シリーズの抵抗8個と独自の巻線抵抗15個を組み合わせたもの。調整ノブに固定された目盛り板をサム・スクリューでロックすることができる。ポテンショメーターを出た信号は初段の239Aに入る。初段と2段目の間には「High-Low」のゲイン選択スイッチがある。ジーメンス型の2極切替え多接点スウィッチである。

High側は0dB、Low側はー15dBの設定。

これを『41』-『42』というシステムの場合は「High」、『41』-『42』-『43』という組合せの場合は「Low」で使う。


 『43-A』のゲインは15dBの為、双方のシステムのトータルゲインは等しい。ゲイン選択後、信号は239A2段で増幅され、出力端子に接続される。239Aの終段はそのままパワーアンプ『42』のインプット・トランス233-Gの1次側16kΩに接続され、負荷となる。そのプレート電流は1.35mAから1.55mA、出力は19mWである。『41』用に『42』から供給される390VのB電圧は、まずリタード(チョーク)・コイル109-Bを通り、各真空管のプレート電流監視マーター切り替えスウィッチを経て、各々のプレート回路に接続される。


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ウェスタン・エレクトリック パワーアンプ



① Western Electric 42Amplifier


 『42』は『41』により駆動されるパワーアンプである(価格は206ドル25セント)。『42-A』のインプット・トランス233-Gの1次インピーダンス16kΩは、『41』の終段管239Aのプレート負荷となり、2次側が205Dのプッシュプル・ステージを直接スウィングする。 搭載される真空管は205Dが4本、そのうち2本は出力管、他の2本は2極管接続(グリッドとプレートをつなぐ)で整流管として用いられる。 
 
 出力管205Dのグリッド・バイアスは、セルフ・バイアス方式が採られており、フィラメント・トランス(303-C)の4.5V巻線のセンタータップから575Ωの抵抗でグラウンドされている。インプット・トランスの2次側の中点も、48kΩの抵抗でグランドされているが、その際バイアス抵抗のホット側、つまりフィラメント・トランスのセンターと、入力トランス2次側のセンターが0.5μF~1.0μFのコンデンサーで接続されている。

アウトプット・トランスの1次側のセンタータップには、電流計〔フルスケール100mA)が入れられており、プレート電流60mAを監視する。B電源は、パワー・トランス303-Bの高圧巻線430V×2を2本の205Dによって両波整流する。整流後の高圧はフィラメント巻線のセンタータップから取り出される。フィラメント巻線構造は複雑になるが、リップルの低減と接続の長期安定性の点で有利な方法である。フィルター回路を通過後のB電圧は440V~450V、205Dの実効プレート電圧は410V~420Vになる。『42-A』のアウトプット・トランス127-Aは1次インピーダンス8kΩ、2次インピーダンス500Ω/250Ωである。

『42』の電源スウィッチは時計回りのみの回転式で、ポジション①で各真空管のフィラメントがオンのなり、ポジション②で高圧が印加される。

 『42』はパネル正面から見て上部左側に出力管の205Dが2本、右側に整流管用の205Dが2本、専用ソケット116-Aに差し込まれている。そして、それぞれはパーフォレイテッド・メタルを小判型に成形した放熱および真空管保護用グリルに囲まれ、頭が手前にくるよう横向きにセットされている。 ベースはバヨネットで回転ロックされるが、その時、205Dのグリッドは垂直になり、使用中のフィラメントのたるみによるグリッド接触事故を防いでいる。

ゲインは『42』単体で25dB、『41』単体の42dBと合わせると合計67dBになる。

『42』の最大出力は1.9W。

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② Western Electric 43Amplifier


 『41』ー『42』は出力1.9Wのアンプシステムとして、1,000席以下のシアターでは充分に実用になった。しかし、それ以上の規模の映画館においては、より大出力が要求され、そのためのブースター・アンプとして『43』が開発される。

『43』は『42』の出力(500Ω)で駆動される。

インプット・トランス241-Aは、単体の1次インピーダンスが275Ω、2次側が3,370Ω、昇圧比1:3.5であるが、外ずけ抵抗の610Ωで調整され、入力インピーダンスは500Ωn整合されている。

出力管には、211E(後には242)が2本、整流管にも同一のチューブが2本使用される。
『43』が一般のパワーアンプと異なる最大のポイントは、出力管のプレート供給電圧が750Vと高圧電流であることだ。これは後の『B-43-A』で、1,050Vに引き上げられる。このような電圧の印加は、一般のコンシューマー・アンプのように、不特定なユーザーが使うという前提では、生命にかかわる危険があるため、採用は難しい。

『43』の回路は基本的に『42』と同一のコンセプトで、それをスケールアップしたもの。

 インプット・トランスはダイレクトに出力管211をプッシュプル・スィングする。そのバイアス抵抗は、200Ωと112Ωをシリーズ接続した312Ω(出力管1本分に換算すると624Ω)である。

出力管と、整流管のフィラメントは、10V/6.5Aがセンタータップつきで2回路、フィラメント・トランス(307-B)から供給される。

アウトプット・トランス(128-A)は、円筒型。リングコアの、高価なトロイダル巻線構造で、1次インピーダンス6.5kΩ、2次インピーダンス500Ω、重量約14ポンドの巨大なものである。アウトプット・トランスの1次側センタータップには、211×2本分のプレート電流計(フルスケール200mA)が入る。このメーターの前に発振防止用のリタード・コイル(136-A)が挿入され、B電源につながるのも『42』と同様の手法。

B電源用のパワー・トランス(307-A)は、760v×2で両波整流後、1μF×9個のパラレル接続されたオイル・コンデンサー群×2と、リタード・コイル(137-A)でフィルタリングされる。137-Aリタード・コイルの実測値は20H(D.C.抵抗225Ω)である。インプット・トランス(241-A)の2次側はセンタータップから48kΩでグランドされている。このセンターと出力管のフィラメント・トランスのセンターが0.5μFのコンデンサーで結ばれ、信号電流を還流させているのも『42』と全く同じである。 

『43』に使われた真空管は211E→242A→242B→242Cと年代順に推移する。

 242はプレート損失が100W増強されたため、『43-A』の高圧トランス307-Aをピアレス製AR-1054Aに変更し、750VのB電圧が1,050Vになった。カソード・バイアス抵抗値も上がった。

 アウトプット・トランスも、スピーカーにダイレクトに接続できる低インピーダンスの2次巻線を持つAR-1053-A、あるいはD-95659(1次=8kΩ、2次=1Ω、4Ω、9Ω、16Ω。これは『10-A』のローインピーダンス対応型で、後の『87』にも使用された)に変わり、出力は9.5Wから一気に24Wとなる。

 『41』-『42』で駆動された『43-A』の音は、『42』の音を色濃く残しながら、音楽の表情がより深くなり、強い説得力を持つ。9.5Wの出力とは関係なく、圧倒的であふれるような色彩感に満ちたサウンドは、他のアンプでは全く得られないものである。


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③ Western Electric 86 Amplifier


WE-86-C回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html

 『86』は、1934年に発表されているが、’35年のType1~4システム、’36年のM-3~4“ミラフォニック・サウンドシステム”の「ダイフォニック」システムをドライヴするパワーアンプとして運用、出力管300Aをプッシュプルで用いた、ウェスタンでもっとも著名な製品の一つである。

300A採用のアンプは、『D-95036-F/G』、『86』、『91』、『92』と、1938年以降の製造された『TA-7467』、『TA-7477』があるが(他に300Bを採用した『42』、『46』のモディファイド・ヴァージョンなどがある)、ファイナルステージがプッシュプルの『86』。シングルの『91』、この2種がシアター用として、もっとも重要な存在である。 


前置アンプ用電源は、『49』では714-A(D.C.90V)、『TA-7387』あるいは『80』を用いる場合には、716-A(D.C.200V)アパレイタス・ユニットを内蔵する。 

『86』は(A)と(C)型で最小47db から最大99db、(B)型で36dbから96dbの幅広い固定式ゲイン・コントロールが行えるのが特徴である。
 
まず入力信号は1次インピーダンス200Ω、2次インピーダンス110kΩ、昇圧比1:23.5のインプット・トランス261-B(パーマロイ・コア)で受ける。

 『86-A』のアウトプット・トランスは166-A、『86-B』では166-B、『86-C』では159-Bとなる。

 159-Bは1次インピーダンスが4.13Ω、2次が6Ωと12Ωで、

6Ωのタップの場合 3.5Ω~7.5Ωのインピーダンスを持つレシーヴァー、

12Ωの場合には7.5Ω~15Ωのレシーヴァー

を接続するようにとの指示がある。 300Aのバイアス抵抗(ワード・レオナルド製)は、60オームと510Ω(合計570Ω)で、ここには300A×2本分の電流が流れるから、1本分に換算すると1.140Ωになる。わざわざ60Ωと510Ωに分割してあるのは、B電源と510Ωの間に16μFの電解コンデンサーを接続し、A.C.分(B電源のリップルや出力管のアンバランスから生ずる歪)をキャンセルする手法である。また同時に300Aの、高域における電源インピーダンスを下げる効果もある。『86』はウェスタンで最初に本格的に電解コンデンサー(エアルヴォックス製)を採用したアンプで、これも画期的なことであった。

 『86-A』『86-B』とも、パワー・トランスには当初60Hz専用のコア・ヴァリウムの小さめのもの(323^B)が採用されたが、発熱およびレギュレーションの点で不利なため、1935年に47Hz~63Hz対応のD-96970に交換された『B-86-A/c-86-A/86-C』が生まれる。

『86』は、映画産業の隆盛の波に乗った、ワイド・フリクェシー&ヴォリュウム・レンジを謳う“ミラフォニック・サウンドシステム”を導入したシアター用に、1934年から’37年の間、大量に生産された。 客席数が800~1500席、100,000~250,000立方フィート(2,831~7,079m3)のエア・ヴォリウムを持つシアターでM4システムや、M3システムにおける、ステージ・レシーヴァー駆動用の終段アンプとして充分な実力を発揮した。
 TA-4161-A低域レシーヴァー、594-Aレシーヴァー、26-Aホーンを主体とする“ミラフォニック・サウンドシステム”を本機で鳴らしてみると、わずか15Wの出力であるにもかかわらず、その卓越した表現力、色彩感豊かな描写、そして圧倒的な重量感は現代の数百Wのアンプに勝とも劣らないことを強烈に思い知れされる。

オーディトリアムにおける音響機器のテクノロジーは、1930年代にはすでに完成の域に達していた。それが現代民生用オーディオシステムにあまり継承されていないことは残念でならない。音響技術および音楽ソフトの分野に関しては、S/Nが改善され、ダイナミックレンジおよび周波数レンジも拡大してきたが、その代償として失われたものも多いことを考え直す時期に来ているのではないだろうか。

http://www.gokudo.co.jp/index2.htm


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④ WE-91B


WE-86-C回路図 ・WE300Bシングル回路図
http://kankyu.ehoh.net/page013.html



WE-300Bをシングルで使ったアンプとしてその信頼性と設計の良さが語り継がれている。初めて原型のWE-300Aが1936年にWE-1068トーキー映画アンプシステムのWE-86アンプに使われた。その後WE-91Aに使用、改良された300Bが投入されると91Bに改版となった。
電圧増幅はWE-310A(Ef=10V)を2段使い、十分な増幅度を得ている。入力はフォトセル用にT1で昇圧しハイゲインとしている。整流管は274Aを採用して300Bとウォームアップ時間を合わせている。

オリジナルはモノラルアンプ オーディオ用には入力Tと初段を省略する回路が参考にされてきたがオーバーオールのNFBなどの極めて高度な補正が施されている回路は今でも色褪せない。現代版復刻アンプがステレオ仕様で
 
サンバレー SV-91BⅡ (発売元: ザ・キット屋)
http://www.kit-ya.jp/product_info.php?cPath=86_87&products_id=667

として発売されている。

http://kankyu.ehoh.net/page003.html

  現代に適したアンプ回路

 
古い時代に設計されたアンプの回路を見ると、そのシンプルさに驚く。現代では、このような回路では、電源の影響で、音質の劣化が著しいだろう。私は、昔の回路設計が悪いとは思わない、むしろ現代の設計が見習うべきところも多いのではと思っている。私が申し上げているのは、おそらくは、20年前、さらにもっと以前は、オーディオ装置は、同じ装置であっても、もっといい音で鳴っていたに違いないということだ。

これは、AC電源の品質による。現代の家庭用の100Vの電源は、あまりにノイズで汚染されているのだ。特にディジタル装置から発せられるノイズの凄まじさには、おそろしいものがある。ACに乗った高周波のノイズは、電源トランスを貫通し、信号経路に混入し、混変調を発生させ、ひずみの元凶となる。電源雑音による音の違いは、システムのグレードが上がると顕著になる。時間帯により、音質に大きな違いがあるというのは、AC電源品質が時間により変わることが、音に反映しているということであり、システムのグレードがかなり高いという証拠でもある。
 
  真空管アンプがブームであるが、多くは古い時代の回路が基本になっている。これらの回路は、昔、AC電源が”清流”だったころに考案されたもので、当時は、問題なく優れたものだったが、現代の電源事情では、十分な性能を発揮できない。反面、現代に設計された、アンプでは現代の電源事情下で設計されてあり、電源の影響を考慮した回路化が成されている。そのため、昔の名器が、ソリッド・ステートのアンプの音に及ばないこともあり得るのだ。
 

  AC電源の影響を受けにくいアンプ

  私の製作した大星夜級のアンプでは、電源に重点を置いている。2A3PPアンプのB電源は、6段のパイ型フィルターで、高圧から、チョーク・インプット経由で所望のB電圧まで落としており、AC電源の影響を受けにくくなっているので、時間による音の違いは少ない。当初パイ型フィルターの段数と次第に増やしていったが、増やせば増やすほど、音質の向上がみられた。まるで、吟醸酒を造るために、精米歩合を上げて、米の外側を削って、糠としてどんどん捨てていくようなものである。4段までやった段階で、かなり良くなったが、夜9時近辺の時間帯では、やはり音質が劣化する。2003年12月の段階では、総段数6段、最終の3段は、左右独立になっている。当然電解コンデンサーは使用していない。このアンプの詳細は、別のところで述べることにする。(2003年12月に7段に変更、音質の向上より、バランスの取り直しの目的での変更)  

  アンプの内側で、このような電源対策をしたが、これ以上段数を増やすよりは、AC電源側に、ノイズ・カット・トランスを入れて、アンプに入る前の対策を加えてはどうかと考えた。アンプの回路的には、真空管からは定電流に近いかたちに電源が見えているはずなので、ノイズ・カット・トランスを入れても飛躍的に良くはならないだろうと考えていた。下の写真は、ユニオン電機さんの 100V : 100V 500VAのノイズ・トランス。一次と二次が上下に別々に巻いてある。2000VAのものも購入したが、やはり容量には、重たいが、余裕があったほうが良い。

  ところが、予想以上に大星夜性が向上したのである。回路理論の予測以上の音質の向上があったのだ、そこで徹底的にやるタイプの私は、ノイズ・トランスをもう一個作って、2段の構成にしてみた。結果は、驚くことにさらに大星夜性が向上したのである。ただし、私のメインアンプのほうは、それなりに追い込んであるので、バランスが若干崩れ、繊細な音にはなっていったが、音が弱くなるきらいが出てきた。ノイズ・トランスを使用する場合は、それを入れることを前提にした、システム・バランスを取る必要があるだろう。
 


  古典回路とノイズ・トランス
 
  昔のウエスタン・エレクトリックのアンプや、その回路を元に設計されたアンプを使用している方も多いと思うが、これらの回路は、電源にノイズが少なかった時代の設計なので、現代の環境では、その実力を発揮していないだろうと思われる。現代の電源事情を考慮した、回路の設計が必要である。まずは、ノイズ・カット・トランスを(一段でよい)入れてみよう。電源は、清流でなければならない。
 
  2006年現在では、電鍵精機社、ユニオン電機社、サウンド社、ライン・ノイズ・フィルターなど、その他自作のものまで含めて十種類ものノイズ・フィルタリング機器を使用している。但し、あまり多段にフィルタリングをすると音が弱くなることもあるし、雑音も音としての役割があるので、本HPの音の謎のコラムも参照して戴きたい。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/noise1/noise1.htm

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⑤ WE 124A (Lengevin108A)


Western Electric からライセンスを受けLengevin 社が製造した108型アンプ-回路は、WE124に忠実である。

  Langevin 108Aは、同社がWestern Electricから、ライセンスを受けて生産し、レコーディング・スタジオや放送局等の業務用システムに使用されていたもので回路は有名なWE124に忠実である。108型は拙宅に輿入れして初めて知ることとなったが、この108型はA,B,C,Dと4機種あり、それぞれWestern Electric 124のAからDに対応している。

WE124の回路は、今日に至る近代的プシュプルアンプの原点を見る思いの回路構成になっている。すなわちトランスによらず、ドライバー段の真空管による位相反転であるが、その手法はPG位相反転?という、ムラードやPKに慣れた私たちから見ると超古典型の回路である。帰還の掛けかたも独特である。恐らくは耳で煮詰めた回路では思われる。古典アンプは、どうしてこんなことをするのか良く分からない回路が随所に登場して興味深い。2段増幅のゲインの不足は、インターステージ・トランスを最初において5倍程度の利得を稼いでいるようだ。124D(108D)型の場合は、このインターステージの場所に618A型のイントラと1612による増幅段があり、3段の構成になる。この108Aは、6SJ7-6L6が使用してあり、1946年製である。



  甦るビンテージの音  

  まずもって、1940年代の製品が現存し、そして動作するということに敬礼しなければならない。歴史を生き抜いてきたビンテージには真摯な姿勢で向かわなければならない。電源を入れずに数日間回路と実装を十分に調べる、不明部分は実物から回路を起こしなおす。かかる作業の間は人間様のほうはアルコールは禁物である。アルコールは清掃が必要なときに使用する。
 
  電気的性能は、近代的な真空管アンプに比べて落ちているのは致し方ない。残留雑音、歪、周波数特性は、経年変化により劣化している。動作点もずれているだろう。しかし60年を経過して、実用に十分以上の電気特性を維持しているのは、驚嘆に値する。基本設計の秀越さが伺い知れる。自作モノの"高性能アンプ"などは、60年も生き長らえることはないだろう。
 
  さて肝心の音であるが、負帰還ペントードの音のよいところを存分に引き出したもので、音が十二分に煮詰められており、すばらしくバランスがとれている。あらゆるソースと使用環境で、破綻をきたさないプロの音作りだ。常日頃無帰還トライオードで、レーシング・マシンのようなピーク性能重視の不安定?で、大袈裟で危なっかしい装置を聴きなれている者にとっては、実に安心して聴ける音である。私には、このようなアンプの音は永遠に作れないだろうと思った。人格の陶冶が必要である。ある意味で大成した音である。出力トランスもWestern 117Cでないのが良いのかもしれない。あえて聴かそうとりきまないのが好感が持てる。

http://homepage3.nifty.com/western/audio/we124/we124.htm


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⑥ WE274B 刻印


回路設計でいくら追い込んでも、素材の差が残ってしまう。

  電源回路をいろいろと設計して評価する。定電圧、定電流、シャント、チョークやらコンデンサやらダイードやらも登場して賑やかなことこの上ない。回路的にいろいろと考えてみて、また測定したり評価してみるのだが、各方式による差と特定の素子による差が交錯して、悩むことしきりである。セレンで整流するとダイードよりよかったりすると、スイチング雑音の点で有利だとか、整流素子にはある程度のインピーダンスの高さがあったほうが有利なのかという仮説を立てたりする。それではということで内部抵抗の低い水銀蒸気整流管を使用してみると、これはこれで好結果を出したりする。
高内部抵抗仮説がゆらいだと思いきや、高内部抵抗管のWE274Bを試してみると、これがまた素晴らしい。高額であるということ、ウエスタンの伝説がプラシーボ効果として働いているわけではなく、本当によい。

かくして回路方式優劣仮説の検証は、素材の個体差を含めた良否と交錯して、音の迷宮は、ますます深まり、やはり名球は存在するのだろうかということになってしまう。回路方式でやることをやったら、あとは素材にすべてを委ねるしかないのだろうかしら。
    
  謎の整流管
 
  固体差や素材の差を回路技術や方式でなんとかできないののかと四苦八苦する。この範囲であれば、シミュレータやら測定器で調べたり追い込める。やりつくしてくたびれ果てたところで、この真空管を整流回路に挿すと、もう溜息しか出ない。この真空管をモデリングすることはできない。

あらゆる回路設計の苦労が名品の前で色あせてしまう。

金持ちには敵わないのか?という諦観とともに、やがてはこの真空管を作りおおせた人たちとその時代に静かで深い感動と尊敬を覚えるようになる。現代では失われてしまった、古の匠とその情熱が、フィラメントの灯とともに現代に蘇るのである。真空管には寿命がある。熱電子を放出しながらエミッションが減退していく。60年以上も生き続けているこの真空管もまたその命を終える日が来る。  

  やがては消えてゆく運命を儚むよりも、今この音を聴ける至福に感謝すべきだろう。しかしおそらくは、私がこの世を去ったあとでもこの真空管は、世界のどこかで熱電子を放出し続けているに相違ない。所蔵している人は大事に使いましょう。そして他の人にも聴かせてあげましょう。でも使わないのに買占めたりはやめましょう。高すぎたら買うのはやめて、誰かのところに拝聴に参りましょう。それによって人の輪がいちだんと大きく広がってまいります。
     
  フィールド型のスピーカーで後ろにトランスと真空管を背負っているものがありますが、このような球を背負われてたら敵いません。逆に互換の球をさしてもそのスピーカー本来の音にならないわけですから、これもまた奥の深い世界であります。
 
 http://homepage3.nifty.com/western/audio/we274b/we274b.htm


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          /  /    ヽ       |                 '.      | >‐、\__
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5:777 :

2022/08/08 (Mon) 13:55:47


出力管は出力が小さい程 音が良い

真空管最初期の電圧増幅用直熱三極管 WE101D・WE205D は出力は非常に小さいですが、音はあらゆる出力管の中で断然 No.1 です:

2021.08.01
最初期の真空管 WE VT-2, WE 3Aの展示

 1920年にアメリカで世界初の公共ラジオ放送が始まりUV-201A(GE)などのラジオ用の真空管が多数開発されましたが、それに先立って1913年からWE(Western Electric)は電話中継器用として真空管を開発しました。第1次世界大戦にける過酷な現場にも対応するため、1918年に真空管205Bを軍用に改良したVT-2が誕生しました。

 また、第1次世界大戦が終了した1920年代中頃には映画ブームが到来し、映画用に光電管が生産されました。1925年にWEは光電管1A,2Aを開発し、1926年には1Aを改良した3Aが誕生しました。

左側の真空管が光電管WE 3Aで、下のつまみを回して照射光量を上げると3Aから出力される電圧も高くなります。真ん中の真空管がWE VT-2でその中心部に電球のような赤く輝くヒーターが見えます。右側の普通の電球と比べると真空管が電球によく似ていることが分かります。

真ん中に光っているのがカソード(ヒーター)、そのすぐ近くにある梯子のような櫛形の金属がグリッド、そして、一番外にある金属板がプレート
https://tzwrd.co.jp/nsh/news/20210801/592/

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アメリカの真空管(Western Electric 丸球)
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/we-ball.htm

電話用汎用増幅管の101Dです。画像のものは初期のテニスボールチューブですが、ゲッターがあるタイプなので、初期と言っても少し後の時代です。管壁にエッチングで型式が記載されています。また、ピン先には金のチップが埋め込まれていて、「さすが!業務用」の造りです。最大プレート電圧は190Vです。最近の製作記事を見ますと、いろんな理屈をつけて300V近くで使っているものがありますが、素人の浅知恵は止めた方がよいです。すべてが同じように使える補償などなく、短命に終わらせてしまうのが落ちです。メーカーの規格とは厳格な試験の上で成立しているものであり、守るべきものです。

その101DのST管です。画像のものは軍に納められたもので、JAN-CW-101Dとなっています。

STCの4101Dです。これは、ウエスタンの101D同等ですが、ベースの作りなどはこちらの方が丁寧に思えます。板状の電極をガラス棒で巧みに保持した職人技が冴える真空管です。ベースは、ウエスタンのような継ぎ目はなくシームレスで絞り込んでいます。

日本電気の101Fです。ウエスタンの101Fと瓜二つです。日本電気では、この後STタイプも作りますが、こちらはウエスタンと異なった電極になります。ウエスタンではありませんが、技術提携の関係もあってこちらに掲載します。

101ファミリーの101Lです。

101の民生用に該当する216Aです。堅牢な造りのノーゲッター管です。フィラメント電圧は6Vで、通常の酸化皮膜タイプです。

ウエスタンの100番台真空管の中で、唯一の出力管の104Dのメタルベース、ゲッターありです。これより古いタイプはゲッターが有りません。いわゆるノーゲッター管になります。設計プレート電圧は190V最大ですが、バイアスが深いため供給電圧が250V程度になって、使いやすいです。ただし、出力は1W未満です。この真空管の製作記事にも、プレートに300V近くかけた無謀な製作記事があります。真空管愛好者としては、差し控えていただきたいです。

後期型になるガラスプリント、ゲッターありの104Dです。この後のタイプが刻印になります。

日本電気の104Dです。1948年製でゲッターはベースに隠れて見えにくいですが、側面に有ります。ラダーグリッドでゲッターの位置を除いて、ウエスタンそっくりです。

104Dの高耐圧版のD86327(刻印)です。プレートへのリード線がステムの脇から引き出されています。104Dは後にST管になりましたが、こちらはどうなったのか解りません。出力管ということで人気があります。

その104DのST管です。

VT番号の1番目にあたるWEのVT1です。ノーゲッターの堅牢な作りです。フィラメントは白金線の撚り合わせで、長寿命が測られています。ピン先に金チップがあるはずですが、このサンプルには有りません。電圧増幅管に該当しますが、どちらかと言うとコレクションアイテムです。

WEのVT2です。205Bと同等といわれていますが、205Dの規格がそのまま使えます。フィラメントは白金線の撚り合わせで、長寿命が図られています。そんなことも有って、この真空管は中古で管壁が着色していますが動作は良好です。また、ピン先には金のチップが埋め込まれています。

有名なテニスボールチューブの205D(刻印)です。初期の板極管で「良い音がする」とのもっぱらに評判です。ゲッターのないタイプやメタルベースのものなどがあります。最近では、状態の良いものはほとんどなく、高価になってしまいました。

205のST管バージョンと言われていますが、「F」の文字が示すとおり立ち上がりの早いタイプです。このサンプルはトップマークと呼ばれる管頂に型式が記載されているタイプです。
http://www5b.biglobe.ne.jp/~tritium/we-ball.htm

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2019年10月12日
いよいよ真空管VT2を
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973281478&owner_id=8290003

愚娘が生まれる前に当時ドイツから真空管などを個人輸入されていたM田氏から購入したWestern Electricの1910年代開発のもうすぐ100年前になろうかという、戦前の軍用通信真空管、VT2です。

この真空管周辺の歴史経緯はこちらのリンク先に詳しいです。
https://blog.goo.ne.jp/kobmina/e/26872acc79d03d17110596219d53587a

長年、ただの棚の肥やしになってきました。

偶然、山本音響工芸さんのこちらのアンプ写真をネットで目にしました。

試聴したことはありませんが、他の300Bシングルアンプなどはかなり昔から聴いたことはあります。

というか、市販品でVT2 WE101 WE205D WE104あたりの1W未満の出力の出力管を使ったアンプなんてまずありませんよね。

今のスピーカーなんてこんなミニ出力では実用にならず、能率100dB前後のホーンスピーカーにして初めて実用になるからでしょう。

これとてシンフォニーやビッグバンドを朗々と鳴らすには不足することもあるとか。

地元オーディオ仲間2名がWE205Dシングルアンプを使っていて、WE300Bを超える透明感のある音質を知っている立場からは、いつかはこのVT2をアンプとして仕上げたい気持ちが消えないまま来ました。

オーディオ仲間複数から、ソナス・ファベール/アマティ・トラディションがあれば、ホーンスピーカーなんて撤去していいんじゃないの?と言われます。

自分でもホーンスピーカーの限界はよく呟いてきて、そのアドバイスはとてもよくわかります。

逆に言えば、あえてホーンスピーカーを残す意義とすれば、こういう今のスピーカーでは実用にならない真空管の音を聴くための道具にもあるかもしれませんね。

調べると、VT2、205D、101、104といったWestern Electricの初期ボール球真空管は皆親族で、VT2あたりを発祥にして発展したもののようです。

VT2や205Dを使ったオリジナルのWestern Electricアンプに通称行灯などの25アンプもありますが、マグネチックスピーカーやヘッドホンを念頭に置いたもので、ナロー過ぎて現代では実用になりません。

3ヶ月ほど待ってもらえれば、山本音響工芸さんにVT2そのものを送って、既存の前記アンプをモディファイ出来るそうです。

自作も当然可能ですが、初段、前段が近時各社の真空管アンプで採用されているシーメンス社のC3m真空管であること、シャーシにこういったウッドベースのは一台もないこと、何より料理慣れた人に頼むのが失敗が少ないことからさらに前向きになっています。

ただ他人には勧められません。真空管アンプそのものも。
最近新先生がフォノイコライザーアンプ~パワーアンプまで半導体、デジタルアンプに傾倒されている意味をよく知っているからです。

先生開発のマークオーディオのステレオ誌付属フルレンジユニットなどを使った、いなば猫かつおスピーカーですら、WE300Bなどシングルアンプではまともに鳴らず、6L6など近代ビーム管のプッシュプルアンプから。

こうなると真空管代、トランス代などで20万~の部品代は覚悟。

今どき1万もあれば、同じようにこのスピーカーを鳴らせる中華デジアンが揃ってしまいます。

いわんや、0.5Wなんていう出力のアンプに30数万のアンプなんて、狂気の沙汰で音キチしか手を出しませんでしょう。
https://mixi.jp/view_diary.pl?id=1973281478&owner_id=8290003


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山本音響工芸株式会社
A-08S-205Dバージョン改良受注開始
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-205D-amp-j.html

弊社では一昨年A-08パワーアンプのWE-205Dを使用したタイプを発売いたし、御好評を得てきました。

一昨年から今年までの間、2度に渡ってステレオサウンド社、管球王国誌に記事として掲載され多くのお方に注目されました。

その間、弊社の他のアンプで効果のあったアンプ回路や部品の採用によって更に音質向上が果たせることがわかりましたのでこの205Dアンプを改良、再発売することとなりました。

WE205Dは大変優れたアンプですがその出力は約1W強しかありません。そのため使用するスピーカーが限られます。アルティックやJBL,ラウザーなどの高能率なスピーカーが適合します。それらのスピーカーは変換効率が高く、能率が良いためアンプの出力は小さくてすみます。しかしその反面、アンプのノイズもそれに応じて大きくでてきます。WE205Dは一般的には交流点火でもノイズレベルはかなり少なく抑えることは可能ですが、真空管のばらつきやその他の理由で交流点火ではその出力ノイズにばらつきがでることが多いようです。そこで弊社ではWE205Dの点火方式を、A-09で好結果を得た、両波整流によるショットキーダイオード使用の直流点火方式に変更いたしました。回路のシンプル化のため定電圧回路は採用せず、ダイオードとコンデンサーのみを使用しました。これによって残留ノイズは0.4-0.6mVに低く押さえることができました。WE205Dに供給する電圧も少し上げ、最大出力は約1.3Wになりました。整流管は5U4Gよりも音の明瞭な80に変更しております。その他、前段回路の直流点火、弊社特製の黒檀ケースに封入したコンデンサーの採用、出力トランスの改良など、各部材にも最高品質な部品を採用しました。

また、シャーシー上には電流計を配置し、出力管の電流を常時チェックできるように致しました。貴重なWE205D真空管の動作状態が確認でき、その真空管のおおよその寿命が、この電流計で判断することができます。

これらの改良によってそのサウンドはより躍動感に富み、力強いものとなりました。弊社の大型の3ウエイスピーカーシステムや、ALTEC605Aで聞きますと300Bよりも遙かに力強く、くっきりしたサウンドを得られました。

本製品も受注生産にて受け賜りますが、出力管のWE205D込みでご注文いただきますとWE205Dを含めて1年間の動作保証をさせていただいております。もちろん、お手持ちのWE205Dをご使用いただくことも可能ですが、その場合は出力管を除く部材のみの保障となります。2005年7月現在、弊社では数セットのWE205Dを在庫しております。価格等は弊社まで直接お問い合わせください。

以下にこのアンプの仕様を記します。

出力管:WE-205D(丸形別売)
ドライバー管:WE-717A
整流管:80
最大出力:1.3W/8Ω
周波数特性:22Hz-30kHz(-3dB)
残留ノイズ:0.4-0.6mV

WE-205Dの動作条件
Plate Voltage: 380V
Plate Current: 25mA
プレート損失: 約9.5W
Rp: 5k ohms
Rk: 1.25k ohms
ドライブ方式:CR結合自己バイアス方式

価格:390,000円(税別・出力管別価格・受注生産)
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-205D-amp-j.html

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山本音響工芸株式会社
A-08S WE101D/WE104Dバージョン 受注開始
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-101D-104D-amp-j.html

弊社では一昨年にウエスタンエレクトリックのWE205Dを採用しましたアンプをA-08Sの姉妹機として販売を始めまして多くのお方にご注目いただき、またご高い評価を頂きました。

WE205Dはウエスタンエレクトリックの真空管の中でもその形状のみならず、音の良い真空管としても多くのお方に知られています。弊社でアンプを製造しての感想としてもそれは変わりません。しかし、出力はもっと小さいですがWE101D,WE104Dもそれに劣らず音が良いというご意見も良く聞きます。弊社としましてもそれらのご意見は気になっておりましたが何しろ出力が1Wに満たない大きさでは実際の使用には十分な音圧が得られないのではないかと危惧して今まで実験をしていませんでした。

最近になってそれらのサンプルの真空管が揃いましたので試作機を製造してみました。その結果、期待した以上の音質が得られ、またその出力も十分に実用に耐えることがわかりましたので正式に商品化することに致しました。

WE101DはWEの資料では定格電圧、電流で動作させた場合には約0.25Wの出力であると表示されています。この出力では余りにも小さすぎると思われますので少し高めの電圧をかけることにしました。このWE101Dの使用状態のテストはラジオ技術誌にて新先生などが実験をされ、少し高めの電圧で動作させても問題がないことを報告されています。元来、WE101,104,205シリーズは電話用の真空管として開発され、通常の使用状態で約50,000時間以上の寿命があるように製造されています。これはその真空管の作りやプレートの大きさなどからしても十分過ぎるほどの余裕を取ってあるように見受けられます。民生用の真空管の寿命が約3,000時間前後といわれるのに比べますと極端な差があります。実際、WE101Dのプレートの面積は10Wの損失を持った45真空管よりも大きくなっています。

私たちはこれらの点からWE101Dにはプレート電圧として約250V負荷し、13.5mAを流しました。これで消費電力は約3.5Wとなりました。このときの負荷インピーダンスは5kオームとして約0.6Wの出力が得られました。

一方、WE104Dは規格表での最大出力はプレート電圧190Vで約0.8Wの出力が得られるとされていますのでそのままの状態を採用しました。いずれのタイプでもプレート電流の値はカソード抵抗を微調整して最適値を求め、WE104Dにおいても規格値通りの約0.8Wの出力が得られました。

そして、WE101DとWE104Dはカソード抵抗を切り替えることによって両方が使用できるように致しました。WE101DとWE104Dは外観はほとんど違わないくらいよく似ていますがその特性や音は大きく異なり、全く性格の違う真空管であることがよくわかりました。

それらは下の表を見ていただくとよくわかります。また、その音質も非常に違いが大きくWE101Dが男性的な力強くエネルギッシュなサウンドを特徴とするのに比べ。WE104Dは女性的で優しく柔らかな音という印象です。これは45のサウンドとどこか似ているように感じました。この違いはおそらくそのGmの値が大きく異なることが影響しているように感じます。下の表からもWE101DとWE104Dのゲインの違いが大きいことがおわかりになると思います。そのため両者を比較する場合プリアンプのボリュームの位置を大幅に変えないといけません。同じ位置で聞くと音量が違いすぎてWE104Dが迫力がないように聞こえます。印象としてはWE104Dは少しゲインが少なすぎるため出力トランスに2.5kオームくらいの物を使用する方が結果は良さそうに思えます。

WE101Dを使用したアンプの印象は、大音量を出したとき以外は弊社のWE205D、45、300B等全てのアンプの中で最も躍動感があり、くっきりした明瞭なサウンドであると感じました。これはこの出力を抜きにしても奇跡的なことです。これはこのアンプで初めて採用したノンチョーク式の電源の影響も大きいと思います。通常のアンプでは出力段のB電源のリップルを除去するためにチョークコイルを使用しますが、このアンプは使用電流が小さいためチョークコイルを使用出ずCRのみでフィルターを形成してB電圧を供給しています。以前からチョークコイルが音質に大きな影響を持っていることはわかっていましたが今回実験してみてその差の大きいことに驚いた次第です。使用電流の大きなアンプではこの方法の採用は難しいですが、我が社の今後のアンプには採用してみたいものです。また、出力段のカソードバイパスコンデンサーには米国デアボーン社のラグ端子型のポリプロピレンコンデンサーを弊社似てベークライトのケースに高強度エポキシ樹脂で封入したタイプを使用していることも音質的に大きく寄与しています。また、本機にはドライバー管としてシーメンスのC3mという真空管を採用しています。C3mは1968年頃に発売された比較的新しい設計の5極管で、ドイツの電話用として使用されていた真空管です。非常に特性が良く、きれいな音がしてノイズなども少ない、優れた真空管です。弊社では今後のアンプに積極的に採用していきたいと考えています。

WE101DとWE104Dは共にST型とテニスボール型をテストしましたが、ST型は良く締まったタイトなサウンド、テニスボール型はおおらかなゆったりしたサウンドと感じました。テニスボール型は形がおもしろく見て楽しいですが、高価ですので音質から選べばST型で十分ではないかと感じました。また、両者ともに古いDナンバーの真空管やメタルベースの真空管がありますがサンプルが揃わず、試聴しておりません。ひょっとすると後期の真空管よりも音がよいかもしれません。もしお持ちのお方はお試しください。

弊社としましては出力管が多くあれば積極的に販売していきたいところですが、真空管が稀少で入手が難しいため当面は出力管なしでの販売と致します。もし出力管付きでご希望の場合はご連絡いただけばお探しいたします。本製品は受注生産ですので納期などはお電話などでご確認ください。


A-08S WE101D/104Dバージョン規格

出力管:WE-101DまたはWE104D
ドライバー管:C3m(シールドケースを取り去って使用)
整流管:80
最大出力:WE101D:約0.6W/8Ω WE104D:約0.8W/8Ω
周波数特性:22Hz-28kHz(-3dB)
残留ノイズ:0.4-0.8mV
出力トランスのインピーダンス:1次側5kΩ、2次側:8Ω
ドライブ方式:CR結合、自己バイアス方式

価格:390,000円(税別・出力管別価格・受注生産)
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-101D-104D-amp-j.html

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山本音響工芸株式会社の真空管アンプ
Yamamoto Sound Craft. Amplifier
https://userweb.117.ne.jp/y-s/amp-j.html


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電圧増幅用直熱三極管 WE101D・WE205D は出力は小さいですが、音はあらゆる出力管の中で断然 No.1 です:

WE101Dプリアンプ+300Bモノラルアンプ×2のサウンド 2021年01月05日

15年程前に鳴らしていたプリ+パワーアンプ。このアンプの組み合わせは「幻想的」な音色を奏でていました。この時のWE101Dの球の音色が忘れられなくて、今でも2台のWE101Dppパワーアンプを使っています。
当時は、「万能型」のサウンドを目指していたので手放してしまったが、今思い返すと、勿体ない事をしたと反省しています。WE101D球を使ったプリアンプは独特の音色(官能的)で、言葉ではなかなか言い表せない質感でした。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/9c929b527038ecc4a573fba6f2a23a33


自宅システムは、管球プリに2台のWE101Dppパワーアンプの「音色」の世界です。独特の「音色」の世界かも知れません。ご近所のNさんも「宝石みたいな音」と云われていました。

WE101D球との出会いは、WE101D球を使ったプリアンプの「音色」を聴いてびっくりしました。「妖艶な」と云う表現が似合う球の「音色」でした。周波数特性がどうとかいう前の「独特の音色」には魔力が有ります。それから、WE101Dを使ったアンプを集め始めました。同じWEでも101D球系統の球でないと出ない「音色」なのだと思います。

英国STC4033Lシングルアンプも非常に良い音色とサウンドですが、WE101Dppパワーアンプの「妖艶な音色」には及びません。この辺は好きか?嫌いか?好みの分かれる処でしょうが、「魔力」に取りつかれた私にはWE101Dのアンプを選択します。折角2台も持っているのですから、自宅システムで使いたくなるのも無理からぬ事です。

管球の球の種類は非常にたくさんあります。私とて、すべての球を聴き比べをする事はまず無理でしょう。他にもWEやSTC、欧州の古典管がいっぱいあります。「ほれ込む」様な「出会い」が無ければ、絶対に手を出せない世界です。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/32847e8e74c771e6b4ecbb62cf978552


詳細は

今 大人気の WE101D _ 出力0.6Wのシングル・アンプで鳴らせるスピーカーは?
http://www.asyura2.com/09/revival3/msg/445.html


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必要十分なアンプの出力は?


市販されているアンプの出力は,

半導体アンプが20w~数100w,
真空管アンプはキットを含めると1w~数10w

と言ったところでしょう.

ここでは真空管アンプに限定すると,何wあれば良いのであろうか.
もちろん組み合わせるスピーカの能率により大きく異なります.

そこで,真空管アンプを使っている場合のスピーカはどのような物かを検討することが先決となります.

 例えば,所長の場合は main がタンノイ GRF Memory と クオード ESLです.

サブには,アルティック 409-D(F),三菱P610,エレボイ 205,テクニクス10F10,TB:W3-582SB,計画中にはテクニクス20PW09などがあります.このうち,エレボイ 205,テクニクス10F10,TB W3-582SB の3種はサラウンド用で,時々,いやしょっちゅうかな,つけたまま寝てしまうので,市販の半導体アンプで使っています.

従って,真空管アンプで鳴らすのはmainと409-D(F),P610,20PW09となります.

この中で,最も能率が悪いのは,ESL です.ただしこれは弦楽器専用のため,さほど大きな音量は必要としません.

註:

① QUAD ESL-57
許容入力:定格15W
出力音圧レベル:100dB-70~7,000Hz
         93dB-50~10,000Hz
② QUAD ESL-63・ESL-63 pro
許容入力 100W(Peak)
出力音圧レベル 86dB/W/m
③ QUAD ESL-2805・ESL-989
出力音圧レベル 86dB/W/m
④ QUAD ESL-2812・2912 
出力音圧レベル 86dB/W/m


後のスピーカはすべて93dB/w-m以上です.

これらに必要な出力は,15~6畳程度の部屋であれば,1w あればもう十分でしょう.

どこまで小さいアンプ出力にできるかは,主観的であり難しい問題です,が,実感でいけば,0.2~0.3wあれば,何とかなります.


6畳程度ならば,0.2~0.3wで問題ないでしょう.

6畳間においてP610をUX12As,出力0.3wで鳴らすと結構でかい音が出ます.

無論夜間はひんしゅくものとなる音量です.

12AU7sの0.1w出力では,さすがに苦しい.

 戦前の日本では,UX12A がパワー管に多用されていたそうですが,確かにこれでも実用になると思います.
http://triodeamp.web5.jp/talk/power.html

6:777 :

2022/08/08 (Mon) 13:59:29

名器は何?
http://jbbs.shitaraba.net/bbs/read.cgi/music/11602/1261060674/


7: 551 :2009/12/18(金) 20:46:39 HOST:pc27204.amigo2.ne.jp
名機とはズバリ、ウエスタンの555のこと!


9: 555 :2009/12/19(土) 16:15:35 HOST:220-152-22-45.rev.home.ne.jp

&gt;名機とはズバリ、ウエスタンの555のこと!

私も555は憧れの品です
15Aで聴く音は、別世界ですね
今は高くて買えませんが


10: 551 :2009/12/19(土) 20:59:16 HOST:pc26251.amigo2.ne.jp

555以外なら551や549もすばらしいですよ! 8万円ぐらいで買えます。ホーンが問題ですが。
マグネティックタイプですので、15Aや22みたいな折れ曲がったホーンだと元気がなくなります。
ストレートホーンにつけると、すばらしいです。
低音をどんなウーファーで補強するかが問題ですが…


11: 555 :2009/12/19(土) 21:58:07 HOST:220-152-22-45.rev.home.ne.jp

励磁型を聴いてしまうと永久磁石は聴けなく成ります
私の場合は15A+ツィーターで、ウーファーは無くても十分満足しています


12: 551 :2009/12/19(土) 23:52:27 HOST:pc26251.amigo2.ne.j

555さん、555+ツィーターはステレオですか?
私は古いモノーラルを聴くので、4151A+597です。ウエスタンは555で始めました。セレンもタンガーも試しました。551や549だと最長のストレートホーンが11Aで約180cmなので、低音は不足します。今は555使ってませんが、一番の名機と言えば、やはり555+15Aでしょう。

551、549、4151にはクセがあり、誰でもが名機と認める名機にはなり得ないでしょう。

アンプの名機は41、42、43あるいは46でしょう。
特に43は凄いの一言。
ただ、555+15Aだと、43アンプは不必要かもしれませんね。

しかし、コストを度外視するなら、本当の名機は8、9、10アンプだと思います。17アンプなんかも名機でしょう。
でも、これらはバッテリー駆動なので、今じゃ使えません(400Vのバッテリーなんて実用的じゃないので…)

こういうのに較べると、86や91はちょっとかすみます。

時代が新しくなるに従って、音はますます薄くなる傾向があります。
まあ、これはエスプレッソがいいか、アメリカンがいいかみたいな好みの問題でもありますが…


13: 551 :2009/12/20(日) 00:06:03 HOST:pc26251.amigo2.ne.jp

2ちゃんねるなんかを見ておりますと、ウエスタンは嫌われているようです。ゴミだとか、ジャンクだと言われてます。「特性が悪い」なんて言う人もいます。でもね、フェラーリが好きな人は、単に「速いから好き」な訳じゃないですよね。つまり、今の科学で計ることが可能なパラメーターだけですべては判断できないですよね。

われわれは、音は「聞こえるもの」と思い込んでいますが、250年ぐらい前の楽器に触ると、音は「光を発する」し「香り立つ」ものだということが理解できます。すばらしい演奏に触れても、これは同じです。音のそういう側面を濃厚に表出してくれるのがウエスタンの古い装置だと思っているし、そういう音の側面を濃厚に表出してくれる装置こそが名機だと私は思っております。このことは、555さんがいみじくもおっしゃられた「励磁型を聴いてしまうと永久磁石は聴けなく成ります」という発言と重なると思います。

アンプに関しても、オール直熱管を聴いてしまうと出力管だけ直熱管は聴けなくなります。

ピックアップに関しても、ウエスタン4Aの様な針圧180gを聴いてしまうと、針圧2gは聴けなくなります。


157: 551 :2010/01/12(火) 23:47:08 HOST:pc24202.amigo2.ne.jp

アルテックの初期のA5やA7、604、1568や1569アンプはかなりいいですが、XJ-Sクラスです。XJ13に匹敵するとなるとズバリ:

ウエスタン8、9、10アンプ!
ウエスタン549、551、そして555、11A、13、15、22ホーン等々と597トゥイーター! 型番は忘れましたが、一番デカい陣笠!
ウエスタン4Aピックアップ!
ウエスタンTA-4151AとTA-7331エンクロージャー!
それから300Bや300Aだとまだ「幻」までは行かないのでVT1とVT2!

すみません。自分が病気だというぐらいはまだわかっております…


165: 551 :2010/01/13(水) 08:05:04 HOST:ntmiex120024.miex.nt.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp
「名機」(名器)については、池田圭氏『音の夕映』の中の「名器考」にいろいろな定義があります(池田氏は確か「名器」という字を使ってます)。それから(>世直し奉行様)ウエスタンの機器がどうやってメンテされたかは伊藤喜多男氏の『もみくちゃ人生』の後半に詳しい記述がありますね。(>150-4C様)4Aだと溝削れます。白いシェラックの粉が出ます。当時のウエスタンでは40回かけたら、レコードは終わりと考えていたようです。

そんな誰も買えないような装置について云々すると反感を買うのが常ですが、ジャガーXJ13の部品の一つでも手に入れて「やっぱり凄かったんだなあ」としみじみ思いをはせるのも一つの生き方かと存じます。

555や594がないからといって、自分の運命を嘆いたり、持っている人をうらやんだりする必要はありません(持っている人は持っている人で苦労しておりますので)。ウエスタンの10D (これならJBLより安い)とか100F(ソニーのミニコンポより安い)を夜中にしみじみ聴いて「XJ13のタイアの一本ぐらいには相当するかな」なんて自惚れるのも人生です。どんな装置でも「ないものは補って聴く」訳ですが、補うものが大きくたっていいじゃありませんか!

楽器だって、みんな「ストラディヴァリ、ストラディヴァリ!」と騒いでおりますが、18世紀の無名楽器(下手すると20万円以下です)だと、どれも歴史的名器を彷彿させる何かをもっております。カメラのレンズだって200万円のニコラペルシャイトに手を出さなくても(贋作ばっかりだし)、コダックのベス単レンズ(eBayなら数千円で入手可)を2ヶ直列(焦点距離が半分で2明るさが2倍になるので)にし、デジカメに付けると、とてつもなく面白い世界が展開します。きっと、そういうのが一番楽しいですよ! すべての「銘機」「名機」特に「名器」は人を(というか、男を)喜ばせるために生まれて来たのですから。


174: 555 :2010/01/13(水) 20:19:06 HOST:220-152-18-104.rev.home.ne.jp
&gt;&gt;157 551さん  理想なアンプですね 
オール直熱管 ニッケルプレート
前段1本では難しいそう?
元々難しい球でしょうが?


183: 551 :2010/01/14(木) 00:42:46 HOST:pc27186.amigo2.ne.jp
>555さん
オール直熱こそがアンプの醍醐味!だと思っております。WE8や9やVT1やVT2は無理でも、239Aや205Dだったら、なんとかなります。そこまで行かなくても、201Aとか226で210なんてのも楽しい世界です。それに、この辺りだとかなり現実的と思いますが。もちろん、3段構成で、電圧増幅管は直流点火、固定バイアスでないと、ハムが出るでしょう。前段1本でも、入力トランスと段間トランスでゲインをかせげば、CDだったらそんなに問題ないでしょう。もちろん、大前提は100dB以上の高感度スピーカーということになります。私はモノーラル派ですが、こういう骨董趣味をステレオでやらかすと、部品が揃わない、揃っても左右異なっている等、問題は多いと思います



185: 555 :2010/01/14(木) 21:08:42 HOST:220-152-18-104.rev.home.ne.jp
>>183 551さん
只今、アンプの構成を考えています
入力トランス→○○直熱管1本→トランス→○○直熱管1本

>古いオイルペーパーコンデンサー・・・
WE製のオイルコンは良い音しますね!

186: 551 :2010/01/15(金) 09:54:32 HOST:ntmiex120024.miex.nt.ftth2.ppp.infoweb.ne.jp
>555さん
トランス結合、オール直熱はいいですね! どんなタマを使われる予定ですか? 前段が201Aとか226なんて古典的で私は好きです。整流は280がオーソドックスですが、281x2とか282も味があります。281は半波整流管なので人気がないですが、私は「整流管の名器」と思っております。5Z3なんかよりずっと音がまろやかになります。210や250とはベストマッチでしょう。

水銀整流管と言うと、ほとんどの人が83と言いますが、282を使ってしまうと、もう83には戻れなくなってしまいます。「83の青い光が…」なんてよく言いますが、83は青いのがほんのわずかなの(よく注意して見るとわかる程度)に対し、282は管全体が水色の雲におおわれた様になり、きれいです。音もいいです。やはり「名器」です。

他に整流管の名器を挙げるなら、レイセオンのCK1006という冷陰極管は、点火するとボボッという感じで動作状態に入り、紫色に輝きます。171Aなどと組み合わせますと、電圧はギリギリですが、音は悪くないです。

同じくレイセオンのBHという冷陰極管は見た目がすごく面白いです。ナス型のガラス管の中に中華鍋をひっくり返したようなプレート?が入っております。これは全く光を発しませんが、音は280と甲乙付けがたいぐらい、いいです。245シングルぐらいだったら、これで行けます。

「整流管の名器」となるとウエスタンの274B(A)が真っ先に登場しそうですが、ものすごく高価な割に、280より決定的にいいという感じがしません。

新しいところでは5R4GYとか、メタル管なので人気はイマイチですが、5T4なんてのも悪くないです。


206: 555 :2010/01/16(土) 21:12:39 HOST:220-152-24-7.rev.home.ne.jp
>186 551さん
VT-2を考えています
トランスはパーパロイコア
>280より決定的にいいという感じがしません。
WE-274A・B プリント・刻印 SYLVANIA 274B(1943年) STC 5R4G 80・280など聴きましたが
刻印には敵いません!
私は刻印が お気に入りですが

207: 555 :2010/01/16(土) 21:13:47 HOST:220-152-24-7.rev.home.ne.jp
>206 トランスはパーマロイコア
の間違いです

208: 551 :2010/01/17(日) 01:27:35 HOST:pc20013.amigo2.ne.jp
VT-2!行き着くところまで行き着いた感じではないですか!
普通の人は205Dで止まりますが、どういう経緯でVT-2に行き着かれたのか、差し支えなければ教えてください。大変興味があります。(私も実はUV202というヤツで何かやらかす計画をしております。VT-2は隠匿するのみで、宝物として崇めております。)

274Aのナスなんてどうでしょう? 昔の知り合いで、VT-2プッシュプル、整流VT-2 x 2、前段VT-1で行こうと準備していた人がいます。 トランス、チョーク、抵抗、コンデンサー、配線材、すべて1920年代のウエスタンで… 部品はほとんど揃えておりましたが、最終的には211Eの様な大型送信管の方に行ってしまいました。8年以上前の話ですが。

そういう極端なこと(というか快挙、というか偉業)をする人は最近少なくなりました。もちろん、やりたくても出来ないという説もありますが…


211: 555 :2010/01/17(日) 09:23:01 HOST:220-152-24-7.rev.home.ne.jp
>208  551さん 同じ回路で205DとVT-2を聞き比べて決めました
整流もVT-2でやりたいのですが予算の問題!
274Aはナスでは有りません
ナスは1本 20万円位しますよね
私の場合は整流管1本 10万円×2が限度です
EL-34で満足出来れば、良いのですがね!
7:777 :

2022/08/08 (Mon) 20:48:30

214: SATIN :2010/01/17(日) 11:50:18 HOST:br1031.jig.jp VT-2の件

自分も欲しかったなぁ~、昔205Fを買いに行ったのですが、205Dは倍くらい高くその頃丸球やナスには全く興味なかったのです。
月日が経ち嗜好が変化し猛烈に欲しくなったら値段が・・・
一時期VT-2は205Dより多少は安かったと思います。

ゲッタ無しで古い球ですから使いこなしが難しいかも知れませんね。


217: 551 :2010/01/17(日) 21:40:45 HOST:pc20013.amigo2.ne.jp >555さん
>EL34で満足出来れば、良いのですがね!
まったく同感です。「世の中にはEL34も使えない人がいるんだよ」といくら自分に言い聞かせても、やはり無理です。だから、我々(特に男)はすべてに贅沢している訳ではないので、せめてオーディオには贅沢しましょう。ジャガーXJ13とまで行かなくてもフェラーリ・エンツォを買って1日でオシャカにするよりはマシと思えば、何でも揃います!(世の中にはきっとそういう不運な人もいますから…)

>整流もVT-2でやりたい
ますますもって偉業です。SATIN様も言われる様に、VT-2の方が205Dより安いことが多いですが、手に入れたVT-2が必ずしもちゃんと使えるかどうかわかりません。ゲッターなしの古いタマは難しいところがありますね。ちゃんとエージングしても、2~3日で切れてしまうか、ずっと持つか… 難しいのはこの辺だと思います。

218: 555 :2010/01/18(月) 23:09:13 HOST:220-152-24-7.rev.home.ne.jp VT-2はそんなに気難しい球ですか?
知り合いで2人使っていますが、当り球ですかね
以前雑誌で、アンプの前に玉ネギ球を数個飾っている画像を見た事がありましたが!

219: 551 :2010/01/19(火) 00:07:05 HOST:pc20013.amigo2.ne.jp VT-2やUV-202は気難しいと言われておりますので、私は使うのがちょっと恐いです。恐れおののく必要はないでしょうが、慎重にやった方がいいと思います。(なので205DやUX-210で止まっております。)

アンプの前に玉ネギ玉を飾るなんてシャレてていいですね。私だったら、ナスを逆さにしたり、ヘチマをぶっ立てそうです(WE212Dのつもりで)。トランスは豆腐にするか、カステラにするか迷うところです。
8:777 :

2022/08/10 (Wed) 18:43:19

あげ0444
9:777 :

2022/08/11 (Thu) 14:43:56

あげ6969
10:777 :

2022/08/21 (Sun) 07:53:14

最近疑問に感じる事、タンノイのSPを駆動するのは真空管が勝るが、一番相性の良い真空管は何れか? 2019年05月05日
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb

最近不思議に思うは、 何故五味康祐氏は数ある真空管アンプの中よりマッキントッシュを代表する真空管ステレオパワーアンプ MC275定格出力:75W+75W(4/8/16Ω)150W(2/4/8Ω)を選んだか?

TANNOY Monitor 15"は能率悪いSPともおもわないが?TANNOYと言えばやはり、五味康祐氏の話に触れないと、お座なりなの気分になる。これまで、氏は、原稿料を前借りしては、音に心血を注いできた。その氏が、オートグラフの存在を知ったのは、確か、ヨーロッパ旅行のおり、スイスの音キチ青年にカタログを見せられたのがきっかけであったらしい。帰国後、そのカタログの情報だけを頼りに、タンノイ社にエアメールで注文を出した。注文を受けたタンノイの担当者は、さぞかし驚いたにちがいない。あの敗戦国の日本にそんな御仁がいようとは、と・・・。1964年
(昭和39)のことである。この年の秋から芸術新潮で「西方の音」の連載が始まった。そして氏のオートグラフへの求道は、多くの信者を惹き寄せたのである。

そして購入された物は1964年にユニットには15inchの同軸2ウェイユニットが採用されており、初期はMonitor Silverで、その後Monitor 15"(Monitor Red)、15" Monitor Goldと搭載ユニットが変更されています。オートグラフも改良を加えた15"のMonitor Red第2世代の物のようです。

駆動するアンプはマッキントッシュを選び聴いていた様ですが、QUAD AD-22+Ⅱ×2またはWE社WE300Bを使用したシングルアンプはWE91Bなどより何故マッキントッシュを好んだのかが今も不思議に感じます。タンノイ社の推奨ではアンプはQUADカートリッジはDECCAを推奨している、何故たのメーカーを選んだのかが疑問である、出力は小さいがWE300BのWE91Bも当然候補に上がると思うのだが、何故かMC275を使用したかが疑問です。

でも一つ納得出来るのはマッキントッシュが一番出力が大きく、オーケストラ演奏にも不満はないが通常自分の部屋で聴くには2~3Wで十分とおもうがオートグラフにはマッキントッシュが相性が良かったのか不思議に思う。実は私もマッキントッシュのC-29を使用していましたが、私の目指す音質とは違い2年程で終焉を迎えた。現在TANNOYオートグラフを300Bで鳴らしている方も多いようですのでその辺りは解明してみたいですネ♪

因みに筆者ははAXIOM80 TANNOY(ⅢLZ)で300Bのアンプで聴いていますが、粗満足しています

調べるとⅢLZにはQUAD AD-22+Ⅱ×2が良いそうだが現在は程度の良い物は少ないようです。

以前音楽の友の社のおまけのプリメインアンプ2W☓2で聴いたときは音質は問題はないが、流石オケのフォルテの部分は力不足を感じたが普通に聴くには全くストレスは感じなかった、もしKT-66 またKT-88が優れているなら今後の問題として考えていきたい?

今春号の管球王国はEL34の特集なので今回の答えが書かれているのかも知れない。早速注文し本日到着した、後よく読んで見るつもりです。

又最近魔界より誘惑がある、現在筆者の手元にある松下製の6BM8を愛聴しているが、今回は松下製輸出用製品があり、松下製品との違いは或るのか?の疑問から証拠にもなく、気になるコメントに乗り初段管に使用の6BM8/PCL82を購入して見た。その中に下記のようなコメントがあった。

「この球は、AWAの自社生産品ではなく、製造元は「松下製」でして、 AWA社ブランドで販売されたOEM品です。製造元が顧客(AWAのこと)の要望基準に沿って、生産した中からの、選別品のため、バラツキがすごく少ないようです。どの1本を抜き出してもピタリと入ってきます。」

勿論、新品のNOS管で一応測定データー付きです。

松下製は筆者も1セット持っているが輸入用と聞けば一応試聴したくなり、予備も含め2セットものを購入した。其のときにおまけにと言ってロシア製真空管 6F3P (6BM8) SVETLANA スベトラーナをいただくSvetlana真空管はロシアのサンクトペテルブルクにある世界最大級の電子管工場で生産されています。

スヴェトラーナ工場は冷戦時代に世界最大級の出力を誇った送信管(ICBM探知OTHレーダー用送信管 2.2MW)の製造実績があります。また、オーディオやギターアンプなどに使われているガラス管の真空管は1928年から製造しています。スヴェトラーナ工場は世界の真空管メーカーの中で最も大きいメーカーのひとつとして、かつ、技術力の高い工場として知られています。

1本しか無いので方チャンネルに交換して聴くが意外と良さそうである、だがこのプリ管は数多出回っているので簡単に入手できるのが良い、将来1セット購入しても良く感じる・・・?正直ロシア、支那製品には敬遠してきたが、見直さなければ成らない時代になったのかもしれないコピー物を作る技術は低価格で安定してきたようだ。製品を良く吟味する事は肝心である。

ここで今回はOEM品松下製の試聴を試みる、エージングも全くしてないので音質は不明点も多いが、オリジナル(松下製)が断然良い。実際は10日間程度使いエージングをしなければ評価は出来ないが、全体的にはオリジナルに近い音なのが当初は微妙に高域の伸びが無いように聴こえる当然この真空管と言う代物は同じ種類でも微妙に音色が変わる物なので五味康祐氏がナス管を沢山購入し入れ替わり視聴して真空管を選んだというがまんざら嘘でも或るまい。

そしてOEM品に差し替え4日目は音質が変化してきた、勿論良い音に変化する・・・ピアノの立ち上がり、ドラムの音、特に女性の声等は使うほど、紛れもなく松下製の音になった。勿論東芝管も良いが松下管のダイナミックでなおかつ緻密な音に魅力を感じる。

当然先日購入したPSVANE 300B Hifi 真空管もエージングが進み300Bの本領発揮してきたようだ、
例えばピアノ演奏の音は研ぎ澄まされ透明度が増した、以前より数段上手く鳴る様になったBach:Goldberg Variationsの最後のアリアでGlenn Gouldがゆったりと奏でる音に混じり、なにかつぶやきが?ハミングが聴こえ実にライブ感を味わえる、このあたりの表現が真空管の表現が良い。

連休も終盤に近く今回購入のAWA社ブランドの6BM8/PCL82を辛抱して聴き続け多少のエージング効果が出た感じがするようになった、今後エージング効果が進めば益々期待はできそうである。

でもこれだけは言える、・・・・・

我が家のTANNOYは歌曲等人の声を聴くなら断然真空管が勝るようだ、ブラボー!


6 コメント
五味康祐氏 (WE22)2019-05-06 23:10:16
五味さんは91を知らなかったと思います。本人の実家は戦前、映画館を経営していてWEの555を使ったホーンシステムは聞いた記憶があるといっておりましたが、アンプ関係はほとんど知識がなかったと思います。

WEのアンプはレコード再生用には作られていないのと、当時はそれらはまったく一般的ではなかったようです。

WEが世に出だしたのは八島誠さんがS55年頃これらの紹介と販売を始め手からです。「MJの八島誠コレクション」参照。ラボにしてもサウンドインクにしても素人でしたのでそれらを家庭用として改造できる技術者の指導で徐々に浸透していきました。現在でもなかなかまともに使えているところは少ないようです。まして五味さんのころはまったく一般には知られてもおりませんし、仮に存在は知っていたとしてもそのままでは使えませんので不可能です。当然の帰結としてマッキンかマランツとなるでしょう。300Bは進駐軍の米人が小遣い稼ぎに持ち出して売っていたので決行早くに知られていました。300Aは戦前の2年足らずで生産停止したので知っている人はまれでした。

ありがとうございました、 (金ちゃん)2019-05-07 08:15:06
五味康祐氏の実家の事は本で知りましたが300Bの事は知りませんでした。
でもクオードのアンプは当時から有ったんでしょう、
まあ、当事者以外は解らないことなのでしょう。


QUADⅡ (WE22)2019-05-07 11:09:20
言葉足らずで失礼しました。おっしゃるとおり、QUADⅡは1953年に生産が開始され18年間名声を保ったクオードの主力で歴史的なアンプだったようです。

WE22さんありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-07 11:21:26
TANNOY指定は確かQUADⅡを提示してようです。
此の問題は本人で無いと解らないようです。
でも私はPSVANE 300Bで聴いていますが、
徐々に音が馴染んで行く様に感じます。

音しかわかりませんが (高井孝祐)2019-05-09 22:18:22
貴殿の仰るように私は音楽の分からない輩です、オリジナル91Bとレッドの入ったオートグラフの組合は知人が行っています。

WE91Bはご存知だと思いますが音を遠くへ飛ばすことを考慮して作られた劇場用アンプです、飛ばすために敢えてか、結果なのか私にはわかりませんがWE91Bではホールトーンと言われているコクのある重低音は出ません、パリンと輪郭のはっきりした音を力強く押し出しますこの辺が86などと大きく違う点だと思います。WEでも劇場用の91Bや86などと、124等のアンプでは音の傾向は全く違うと思います、タンノイのブラックは論外としてレッド以降の反応の鈍いユニットでホール感を出そうと思うと、シングルアンプではなくプッシュ駆動のクオード22やマッキン275やMC30、WEでは124等のアンプが似合うことは貴殿に音楽を知らないと言われた無知な私でも安易に想像できます、五味氏なら感覚でわかっておられたのではないでしょうか?
因みにタンノイモニターブラックとWE91Bの組み合わせが奏でるサウンドは私は素晴らしい音楽を奏でると感じました、

音楽のわからない私はWE91BとALL励磁ユニットで「音」を楽しんでいます。


コメントありがとうございます。 (金ちゃん)2019-05-10 11:03:03
素晴らしい組み合わせですね、

本物のWE91Bの音は未だ聴いたことありませんが、以前展示されたSV-91Bを聴き確かに良い音で聞こえました。
現在の書斎には大型のSPはスペースの問題で据付られませんのでⅢLZを改良して聴いています。勿論ジャズも愛聴しましが これでもオケもオペラも略満足して聴いています。
因みにSV-91Bを聴いたときのSPはアルテックでしたが気持ちの良い音で鳴っていた記憶があります。
「角を矯めて牛を殺す」の例えのように音楽を楽しみたいと思っています。
https://blog.goo.ne.jp/yk1231yk/e/f9b4c644cda1475c83ae443b59a5eeeb
11:777 :

2023/08/17 (Thu) 18:47:02

直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ | 禁断のKRELL
2023年08月06日
https://ameblo.jp/507576/entry-12815112534.html

直熱三極管 300B 真空管 聴き比べ


ELECTRO-HARMONIX 300B ロシア連邦 ¥30,025 (ペア)
エレクトロハーモニクス300Bはポップスなどに好適とされる。

ハーモニーはすっきりとクリアにまとめる。低域のアタックも

タイトに感じる。透明で綺麗な出音。甘みのあるスゥイートな音ではないが、

全然悪くない球である。ボトムエンドはスマートにまとまり、

少し音が細身で華奢な感じであるが、エレハモはこの球ならではといえるような

アピールポイントが足りない。



JJ ELECTRONIC 300B スロバキア共和国 ¥46,980 (ペア)
JJは明晰で音の輪郭線をきれいに浮かび上がらせる。音像に骨格があり、
しっかりした太い音だ。低音のパワー感もある。それに大きな球で驚く。
ガラス管部分も相当な厚みがあり、造りが高剛性である。
高音~低音までしっかりした質量感のある音で、音場表現が広く感じられる、

物理特性が優秀な球といえる。音色には色付けが少なく、ニュートラルでクセがない音。

立派な音だが、音楽の表情がやや無表情に感じられて、少しつまらない。

エレハモ300Bは実測で一本110g。JJ 300Bは128gと重さが違う。



PSVANE 300B 中華人民共和国 ¥21,000 (ペア)
近頃「音が良い!」と評判の中国 PSVANE 300B、

ペア21,000円の低価格な球だがダイナミクスやハリがあり、
女性ボーカルの輝きや余韻に満ちた魅惑的な表情が素晴らしい。
クオリティも必要十分なものがあり、大変にお勧めの球である。
特性重視に作ってあるアンプなら1988年の最終生産の本物のWE300Bや
Setron 300Bよりも、この球がお勧めである。製造後数十年経った

ヴィンテージ球が真新しい白シャツに付いた汗染みを見るような、
くすんだ音に感じられるくらい、新鮮でフレッシュな音がするのである。
一方で無帰還回路でパーツ点数も少ないシンプルな回路のアンプは
球の素性(本来の音であり個性)をよく聴かせてくれるので、SUN AUDIO SV-300BEなど

ではSetron 300Bや1988年までのWE300Bの方が好ましい音で鳴ってくれる。




PSVANE Acme 300B 中華人民共和国 ¥119,990 (ペア)
世界初の3D設計管構造、サンドブラストアルミニウムカバー付きテフロンベースなど、

PSVANE の最高級グレードという格付けの球で期待も大きかったのだが、
大きな落胆を味わいました。超S/N比 超低歪みでPSVANE 300Bと比較すると
クオリティはかなり上がりますが、ニュートラルでクセのない音になって、
ダイナミクスやハリが大きく減少、女性ボーカルの輝きや
余韻に満ちた魅惑的な表情がすっかり消失してしまった。
確かにAcme300Bのあと一番安いPSVANE 300Bに戻すと、
安物に感じられるくらい、本質の高さは凄いのですが。この話を代理店の方にすると

『PSVANから取ってくれと頼まれたが、私も音が好きではないので取らなかった』

というご回答を頂きました。



PSVANE WE300B 中華人民共和国 ¥104,000 (ペア)
「PSVANE 300Bと比べるとレンジも広がり、評判が良いですね」

との代理店の方からの話でしたが、この球はエージングマシンによる

100時間エージングのあとに聴いたが、本当にひじょうに硬質な音で

聴くのが辛くなるほどでした。NOSの真空管は硬質な音がするが、

それにしても音が論外に硬いのだ。立体感のある空間表現を持っており、

S/N比が高く高解像度なハイファイサウンドである。カチッとした

透明で精確な音なのだが、音楽の表情も生硬で300Bの魅力を感じない、

PSVANE は下位モデルの出来が抜群に良かったので、

またしても落胆を味わうことになった。あるメーカーの関係者の方に話すと

「弊社でも試しましたが、みんなで聴いてこの球はダメだね....ってなりました」

「そのあと、しばらく仕舞っていたのですが、また後日試してみたところ、

実働100時間を超えたところで音が良くなったんですよ!」
『私も100時間エージングしたのですが...』「エージングマシンではなく、
アンプで音楽を100時間鳴らすとガラッと音が変わり、本当に良い音になりました」

『本当ですか?』「ええ、本当です」「なので、私どもでは高槻300B、

Western electric 300B PSVANE WE300B をお勧めしています 」
私は新品で買って少し聴いただけで手放してしまったので、

また機会があれば試してみたいと思っています。




Setron 300B アメリカ合衆国 ¥100,000 (ペア)
砂糖菓子のような甘美な美音、輝かしく煌びやかでゴージャスなWEトーン。
キラキラした金色の輝きがある。王道のアメリカンサウンド。
艶やかで芳醇。原音を夢のような理想的な世界に再創造する。
音に推進力があってダイナミックで溌剌としたハリ出しや力強さに目を見張る。
音の勢いはエモーショナルな感情の高まりをよく表現し魂を揺さぶるような

強い感動を与える。肉感的で豊麗で図太く力強い。躍動感に溢れる音、
ただし、特性重視に作ってある現代的な設計の有帰還アンプだと
キラキラした輝きが鳴りを潜めてしまい、WEの甘美な音色だけが感じ取れる。
1988年のWE300Bの生産完了に伴い、WEが仕様書を作って正式に業務委託した
リチャードソン・エレクトロニクスによる生産で、WEの製造設備も譲り受けている。
1988年製のWEと同等か、それ以上の本家WEサウンドだが、
1940年代のWE300Bはまた別格でとてつもない音がする。


TAKATSUKI 高槻電器工業 TA-300B 日本 ¥209,000(ペア)
正統派ハイファイサウンド、ハイエンドサウンドを狙うならこの球しかない。
サウンドクオリティはテストした300B中でナンバーワン。
高解像度で音楽性も高く、魅力的な音で決して無機的にならない。
低価格の球では飛び抜けた高音質でお勧めのPSVANE 300Bと比べでも
あきらかに解像度や情報量で差を付ける。高価だがお勧めの球。
とても高価なので音質が価格に見合うと感じるかは人により意見が分かれるだろう。
特性重視に作ってある300Bアンプにはこの球が一番のお勧めで、
新品の時から良い音で鳴ってくれる。高槻のあとにPSVANE 300Bに戻すと、

分解能が落ち、音が雑になる。空間に浮かぶ音像も
どこか希薄になる。両者を手に取って見比べると、造りはどちらも良くて、

構造に違いはあれど、製品の精度にそんなに違いはない。
差が出るのかな?と聴く前には思うが、確かに差が出る。
Setron 300Bと比べると現代の高級品だけあり、造りがあきらかに洗練されており、
ガラス管も厚く、ハウジングもしっかりしているのが
手に取るように分かる。寿命は2万時間とのメーカー回答である。
現代設計の球なので高圧が掛けられた現代の300Bアンプでも安心して使用できる。


ベテランの方々と話していると、揃ってチャイナの真空管やパーツへの評価がすこぶる悪い。

現在の真空管は品質が良くなっているが、古い中国の出力管などはトランスを破壊する
不良品が多いので使用は絶対避けた方がよい。



大阪のオーディオショップである識者と偶然会いまして、 300Bについて色々と話を聞きました。Full Music と ELROG の300Bは音がよくないらしい。
カナダのディーラーの方に聞いた話しでは、KR AUDIO 842VHDは音が良いらしい。
日本では入手困難な球なので聴く機会は当分なさそうである。
https://ameblo.jp/507576/entry-12815112534.html
12:777 :

2023/09/12 (Tue) 15:10:14

Mr.トレイルのオーディオ回り道

WE101Dppパワーアンプを使うと次元の違うサウンドになる
2023年09月11日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/146948b2421ad9d7740af0bccfdd6159


自宅2階のサブシステム(お休みセット)を毎日楽しんでいますが、時々は眠っているアンプも動作確認をして見たくなります。

床面に眠らせていたWE101Dppパワーアンプを持って来ました。出てきたサウンドは「次元」が違いますね。繊細でスケール感が大きくて嫌な音が殆どでない。目の前に「ステージ」が出来たかの様です。

「お休みセット」で朝まで電源入れっぱなしで使うにはもったいないので、今まで眠らせていました。同様に眠らせている管球アンプ(SUPER TRAIL仕様)のアンプがまだ2セット有ります。相当に手間暇と時間をかけて作り上げたアンプなので手放す気は全くない。しかし、有効活用させる事が現在できないでいる。もったいない話です。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/146948b2421ad9d7740af0bccfdd6159




WE101D球との出会い
2023年09月12日
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/c43b43349b75dd9be82fa801462bc134

WE101D球との出会いは2008年頃だったと思う。最初は「WE101D球を使った自作プリアンプ」を某オクで落札して使って見て、その「何とも言えない幻想的な音色」に憑かれてしまった。当該のプリアンプは「実用」に堪えない作りだったので手放してしまったが、購入された方も「この音色はとんでもなく素晴らしい」とべた褒めだった。以来、WE101Dのアンプを探していた。

やっと巡り合ったのがこのアンプ。球はフィリップスの#4606と云うWE101Dと互換性のある球だった。この球でも良かったと思う。ナス球の古典管であった。このパワーアンプとペアとなる「プリアンプ」が欲しかったが、なかなかご縁が無くて、今でも入手出来ていない。

整流管を安物からムラードの5AR4に交換して更に音質アップした。入力トランスも安物からUTCのトランスに交換、101Dのソケットもテフロン製の山本音響工芸製に交換している。

このパワーアンプをプリアンプに作り替えようか?・・・と何度も考えた。既にラダー型のボリュームとバランスボリュームは確保している。残るはセレクターのみ。

何故WE101Dの球に拘るかと云うと、 音色と表現の世界が「耽美的」で非常に魅惑的な事に尽きる。この球の神髄を聴いた方でないと理解できないと思う。他のアンプが「電気仕掛け」の音色で有る事を実感すると思う。

当該のWE101Dppパワーアンプは『1ワッターアンプ」と呼ばれるが、D130やD208の様な高能率のSPを鳴らせば出力不足は感じない。
基本的に球の数が少ないので「市販品」のアンプはないと思ったが良い。この様にプッシュプルのアンプは「自作品」でないとお目にかかれない希少なアンプです。音色は「耽美的」と云いましたが、非常に肌理が細かく、シルキーであり、ビロードの様な音色です。一度憑りつかれたらなかなか逃げ出せなくなります。
https://blog.goo.ne.jp/nishikido2840/e/c43b43349b75dd9be82fa801462bc134


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山本音響工芸
https://userweb.117.ne.jp/y-s/amp-j.html
https://userweb.117.ne.jp/y-s/index-j.html

山本音響工芸 A-08S WE101D/WE104Dバージョン 受注開始
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-101D-104D-amp-j.html

弊社では一昨年にウエスタンエレクトリックのWE205Dを採用しましたアンプをA-08Sの姉妹機として販売を始めまして多くのお方にご注目いただき、またご高い評価を頂きました。

WE205Dはウエスタンエレクトリックの真空管の中でもその形状のみならず、音の良い真空管としても多くのお方に知られています。弊社でアンプを製造しての感想としてもそれは変わりません。しかし、出力はもっと小さいですがWE101D,WE104Dもそれに劣らず音が良いというご意見も良く聞きます。弊社としましてもそれらのご意見は気になっておりましたが何しろ出力が1Wに満たない大きさでは実際の使用には十分な音圧が得られないのではないかと危惧して今まで実験をしていませんでした。

最近になってそれらのサンプルの真空管が揃いましたので試作機を製造してみました。その結果、期待した以上の音質が得られ、またその出力も十分に実用に耐えることがわかりましたので正式に商品化することに致しました。

WE101DはWEの資料では定格電圧、電流で動作させた場合には約0.25Wの出力であると表示されています。この出力では余りにも小さすぎると思われますので少し高めの電圧をかけることにしました。このWE101Dの使用状態のテストはラジオ技術誌にて新先生などが実験をされ、少し高めの電圧で動作させても問題がないことを報告されています。元来、WE101,104,205シリーズは電話用の真空管として開発され、通常の使用状態で約50,000時間以上の寿命があるように製造されています。これはその真空管の作りやプレートの大きさなどからしても十分過ぎるほどの余裕を取ってあるように見受けられます。民生用の真空管の寿命が約3,000時間前後といわれるのに比べますと極端な差があります。実際、WE101Dのプレートの面積は10Wの損失を持った45真空管よりも大きくなっています。

私たちはこれらの点からWE101Dにはプレート電圧として約250V負荷し、13.5mAを流しました。これで消費電力は約3.5Wとなりました。このときの負荷インピーダンスは5kオームとして約0.6Wの出力が得られました。

一方、WE104Dは規格表での最大出力はプレート電圧190Vで約0.8Wの出力が得られるとされていますのでそのままの状態を採用しました。いずれのタイプでもプレート電流の値はカソード抵抗を微調整して最適値を求め、WE104Dにおいても規格値通りの約0.8Wの出力が得られました。

そして、WE101DとWE104Dはカソード抵抗を切り替えることによって両方が使用できるように致しました。WE101DとWE104Dは外観はほとんど違わないくらいよく似ていますがその特性や音は大きく異なり、全く性格の違う真空管であることがよくわかりました。

それらは下の表を見ていただくとよくわかります。また、その音質も非常に違いが大きくWE101Dが男性的な力強くエネルギッシュなサウンドを特徴とするのに比べ。WE104Dは女性的で優しく柔らかな音という印象です。これは45のサウンドとどこか似ているように感じました。この違いはおそらくそのGmの値が大きく異なることが影響しているように感じます。下の表からもWE101DとWE104Dのゲインの違いが大きいことがおわかりになると思います。そのため両者を比較する場合プリアンプのボリュームの位置を大幅に変えないといけません。同じ位置で聞くと音量が違いすぎてWE104Dが迫力がないように聞こえます。印象としてはWE104Dは少しゲインが少なすぎるため出力トランスに2.5kオームくらいの物を使用する方が結果は良さそうに思えます。

WE101Dを使用したアンプの印象は、大音量を出したとき以外は弊社のWE205D、45、300B等全てのアンプの中で最も躍動感があり、くっきりした明瞭なサウンドであると感じました。これはこの出力を抜きにしても奇跡的なことです。これはこのアンプで初めて採用したノンチョーク式の電源の影響も大きいと思います。通常のアンプでは出力段のB電源のリップルを除去するためにチョークコイルを使用しますが、このアンプは使用電流が小さいためチョークコイルを使用出ずCRのみでフィルターを形成してB電圧を供給しています。以前からチョークコイルが音質に大きな影響を持っていることはわかっていましたが今回実験してみてその差の大きいことに驚いた次第です。使用電流の大きなアンプではこの方法の採用は難しいですが、我が社の今後のアンプには採用してみたいものです。また、出力段のカソードバイパスコンデンサーには米国デアボーン社のラグ端子型のポリプロピレンコンデンサーを弊社似てベークライトのケースに高強度エポキシ樹脂で封入したタイプを使用していることも音質的に大きく寄与しています。また、本機にはドライバー管としてシーメンスのC3mという真空管を採用しています。C3mは1968年頃に発売された比較的新しい設計の5極管で、ドイツの電話用として使用されていた真空管です。非常に特性が良く、きれいな音がしてノイズなども少ない、優れた真空管です。弊社では今後のアンプに積極的に採用していきたいと考えています。

WE101DとWE104Dは共にST型とテニスボール型をテストしましたが、ST型は良く締まったタイトなサウンド、テニスボール型はおおらかなゆったりしたサウンドと感じました。テニスボール型は形がおもしろく見て楽しいですが、高価ですので音質から選べばST型で十分ではないかと感じました。また、両者ともに古いDナンバーの真空管やメタルベースの真空管がありますがサンプルが揃わず、試聴しておりません。ひょっとすると後期の真空管よりも音がよいかもしれません。もしお持ちのお方はお試しください。

弊社としましては出力管が多くあれば積極的に販売していきたいところですが、真空管が稀少で入手が難しいため当面は出力管なしでの販売と致します。もし出力管付きでご希望の場合はご連絡いただけばお探しいたします。本製品は受注生産ですので納期などはお電話などでご確認ください。



A-08S WE101D/104Dバージョン規格

出力管:WE-101DまたはWE104D

ドライバー管:C3m(シールドケースを取り去って使用)

整流管:80

最大出力:WE101D:約0.6W/8Ω WE104D:約0.8W/8Ω

周波数特性:22Hz-28kHz(-3dB)

残留ノイズ:0.4-0.8mV

出力トランスのインピーダンス:1次側5kΩ、2次側:8Ω

ドライブ方式:CR結合、自己バイアス方式

価格:390,000円(税別・出力管別価格・受注生産)
https://userweb.117.ne.jp/y-s/A-08S-101D-104D-amp-j.html

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